(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】警報システム、警報器、設定方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/00 20060101AFI20240705BHJP
G08B 23/00 20060101ALI20240705BHJP
G08B 17/00 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
G08B25/00 520D
G08B23/00 530E
G08B17/00 C
(21)【出願番号】P 2020118721
(22)【出願日】2020-07-09
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 秀晃
(72)【発明者】
【氏名】珍坂 舞
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-056347(JP,A)
【文献】特開2014-056348(JP,A)
【文献】特開2013-061995(JP,A)
【文献】特開2005-184480(JP,A)
【文献】国際公開第2019/154635(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第102779388(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 25/00
G08B 23/00
G08B 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一機器と第二機器で構成される複数の警報器を組み合せ、前記複数の警報器間で警報を連動させる警報システムであって、
前記第一機器は、前記第一機器と前記第二機器の連動に係る設定を行う設定処理を実行する第一制御部と、前記第一機器を識別する識別符号を記憶する第一記憶部と、を備え、
前記第二機器は、前記第一機器との間で前記設定処理を実行する第二制御部と、前記第二機器の設定に係る情報である個別設定情報を記憶する第二記憶部と、を備え、
前記設定処理において、前記第一制御部は、前記第二機器に前記識別符号を送信し、
前記第二制御部は、前記識別符号を受信すると、
受信した前記識別符号に基づき、自身が設定するべき前記個別設定情報を選択し、かつ選択した前記個別設定情報に基づき、自器の設定を行うことを特徴とする、警報システム。
【請求項2】
前記個別設定情報は、前記第二機器が警報音の鳴動を停止させた後、再度、前記第二機器が警報音の鳴動を開始するまでの時間を示す再鳴動時間を含むことを特徴とする、請求項1記載の警報システム。
【請求項3】
前記個別設定情報は、前記第二機器のラッチ有無に関する情報を含み、
ラッチ有りの場合は、異常の検知元の動作もしくは通信状態に関係なく、前記第二機器が警報音の鳴動を続け、
ラッチ無しの場合は、異常の検知元の動作もしくは通信状態に伴い、前記第二機器が警報音を停止することを特徴とする、請求項1または2に記載の警報システム。
【請求項4】
前記個別設定情報は、前記第一機器に対応する通信プロトコルを含むことを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の警報システム。
【請求項5】
前記第二機器は、複数備えられ、
前記第一機器は、前記識別符号を、複数の前記第二機器に対してタイミングをずらして送信させることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の警報システム。
【請求項6】
前記第二機器は、複数備えられ、
前記第一機器は、前記第一機器と連動する記第二機器に対して前記識別符号を、一斉に送信することを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の警報システム。
【請求項7】
前記第一機器と
前記第二機器はそれぞれ、スイッチを有する操作入力受付部を更に備え、
前記第一機器及び前記第二機器の少なくとも一方に備える前記スイッチが操作されることで、前記第一機器は、前記第二機器に前記個別設定情報を送信することを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の警報システム。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の警報システムが備える第一機器及び第二機器のうち前記第二機器として使用される警報器であって、
前記個別設定情報を前記識別符号と対応付けて格納したデータテーブルを有することを特徴とする警報器。
【請求項9】
前記第二機器として使用される前記警報器は、前記第一機器から受信した前記識別符号と、前記データテーブルに格納された前記識別符号とを比較して、自機の設定に用いる前記個別設定情報を選択することを特徴とする請求項8に記載の警報器。
【請求項10】
第一機器と第二機器で構成される複数の警報器を組み合せ、前記複数の警報器間で警報を連動させる警報システムで用いられる設定方法であって、
前記第一機器は、前記第一機器と前記第二機器の連動に係る設定を行う設定処理を実行する第一制御部と、前記第一機器を識別する識別符号を記憶する第一記憶部と、を備え、
前記第二機器は、前記第一機器との間で前記設定処理を実行する第二制御部と、前記第二機器の設定に係る情報である個別設定情報を記憶する第二記憶部と、を備え、
前記設定方法は、
前記第一制御部が、前記第二機器に前記識別符号を送信する送信ステップと、
前記第二制御部が、前記識別符号を受信すると、
受信した前記識別符号に基づき、自身が設定するべき前記個別設定情報を選択し、選択した前記個別設定情報に基づき、自器の設定を行う設定ステップと、を含むことを特徴とする設定方法。
【請求項11】
コンピュータに、
請求項10に記載の設定方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、異常を検知する警報システム、警報器、設定方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から一般的に、無線信号を利用して複数の警報器を連動させる警報システムが提供されている。このような警報システムは、複数の警報器が多箇所に設置されており、いずれかの警報器が火災を検知すると、当該警報器が警報を出力するとともに火災の検知を知らせる情報を無線信号で他の警報器に送信する。例えば、特許文献1に開示されたように、システムに属する警報器のうち特定の警報器を親機とし、その他の警報器を子機とすることで親機から各子機に火災を知らせる警報メッセージを送信することができ、これにより、火元の警報器だけでなく複数台の警報器が連動して警報を出力し、火災の発生を迅速かつ確実に知らせることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、警報システムに関する親機と子機との間で行われる設定は、親機と子機それぞれに対して設定する情報を各機器で登録した後に、その情報を親機と子機の間で共有し設定することが知られている。従来の警報システムでは、ユーザが全ての親機と子機、それぞれに対して操作を行うことで各設置場所情報を設定し、その後に、親機と子機の間で互いに登録された設定場所情報を交換することで警報システムの設定を行う。つまり、従来の警報システムは、必要な情報を親機と子機、それぞれに対して記憶させた後に、親機と子機の間で情報を交換することで設定を完了させるため、警報システムの設定に要する時間が長くなると共に、非常に手間がかかるという問題があった。
【0005】
そこで、本開示は、このような課題に鑑みてなされたものであり、親機と子機の連動に係る設定を行う設定処理を従来よりも効率的に行うことができる警報システム、警報器、設定方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る警報システムは、第一機器と第二機器で構成される複数の警報器を組み合せ、前記複数の警報器間で警報を連動させる警報システムである。前記第一機器は、前記第一機器と前記第二機器の連動に係る設定を行う設定処理を実行する第一制御部と、前記第一機器を識別する識別符号を記憶する第一記憶部と、を備える。前記第二機器は、前記第一機器との間で前記設定処理を実行する第二制御部と、前記第二機器の設定に係る情報である個別設定情報を記憶する第二記憶部と、を備える。前記設定処理において、前記第一制御部は、前記第二機器に前記識別符号を送信する。前記第二制御部は、前記識別符号を受信すると、受信した前記識別符号に基づき、自身が設定するべき前記個別設定情報を選択し、かつ選択した前記個別設定情報に基づき、自器の設定を行う。
【0007】
本開示の一態様に係る警報器は、前記警報システムが備える第一機器及び第二機器のうち第二機器として使用される警報器である。前記警報器は、前記個別設定情報を前記識別符号と対応付けて格納したデータテーブルを有する。
【0008】
本開示の一態様に係る設定方法は、第一機器と第二機器で構成される複数の警報器を組み合せ、前記複数の警報器間で警報を連動させる警報システムで用いられる設定方法である。前記第一機器は、前記第一機器と前記第二機器の連動に係る設定を行う設定処理を実行する第一制御部と、前記第一機器を識別する識別符号を記憶する第一記憶部と、を備える。前記第二機器は、前記第一機器との間で前記設定処理を実行する第二制御部と、前記第二機器の設定に係る情報である個別設定情報を記憶する第二記憶部と、を備える。前記設定方法は、送信ステップと、設定ステップと、を含む。前記送信ステップは、前記第一制御部が、前記第二機器に前記識別符号を送信する。前記設定ステップは、前記第二制御部が、前記識別符号を受信すると、受信した前記識別符号に基づき、自身が設定するべき前記個別設定情報を選択し、選択した前記個別設定情報に基づき、自器の設定を行う。
【0009】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、前記設定方法を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、全ての親機と子機、それぞれに対して操作行うことで設定処理を行う場合と比較して、作業に要する時間及び手間を省くことができ、作業性が向上した警報システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態1に係る警報システムを示す概略図である。
【
図2】実施形態1に係る親機と子機を示すブロック図である。
【
図3】実施形態1に係る子機が有する個別設定情報のデータテーブルを示す図である。
【
図4】実施形態1に係る警報システムにおける親機と子機との間で行う設定処理を示すタイムチャート図である。
【
図5】実施形態1に係る警報システムにおける親機と子機との間で行う設定処理を示すタイムチャートの変形例を示す図である。
【
図6】実施形態2に係る親機と子機を示すブロック図である。
【
図7】実施形態2に係る階層構造の建物に配置した警報システムを示す説明図である。
【
図8】実施形態3に係る親機と子機を示すブロック図である。
【
図9】実施形態3に係る階層構造の建物に配置した警報システムを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本開示の実施の形態1、実施の形態2及び実施の形態3に係る警報システム1~3を詳細に説明する。
【0013】
まず、各実施形態の基本的概念を説明した後、各実施形態の具体的内容について説明する。ただし、以下で説明する実施形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程の順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0014】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0015】
<各実施形態の基本的概念>
まず、各実施形態に共通の基本的概念について説明する。各実施形態に係る警報システム1~3は、第一機器10、30,50(以下、親機10、30、50と呼ぶ。)と第二機器20、40、60(以下、子機20、40、60と呼ぶ。)で構成する複数の警報器を組み合せ、異常が発生した際に警報器間で警報を連動させるシステムである。
【0016】
各実施形態に係る警報システム1~3は、防災の対象となる事象が発生したことを検知する。ここでは一例として、防災の対象となる事象は、火災であることを想定する。しかし、防災の対象となる事象は火災に限定されることなく、ガス漏れや一酸化炭素の発生等でも良い。
【0017】
上記の通り、警報システム1~3は、火災を検知し、報知するシステムのため、戸建住宅や集合住宅等の建物Aに適用されることが想定される。しかし、住宅に限られることなく、非住宅、例えば、オフィスビル、劇場、映画館、遊技場、飲食店、百貨店、学校、ホテル、駅等であっても良い。
【0018】
また、警報システム1~3の親機10、30、50と子機20、40、60は、適用する警報器を任意で選択することができるものとする。親機10、30、50と子機20、40、60の間での通信の様態は任意であり、無線、有線、光通信等の通信手段を用いることができる。
【0019】
各実施形態に係る警報システム1~3は、親機10、30、50と子機20、40、60が機能するための設定作業を簡易化することを目的としており、各実施形態に係る警報システム1~3の特徴は、子機20、40、60が自身に紐づく親機10、30、50の種別に合わせて、自機の設定を自機自身で行うことにある。概略的に言うと、子機20、40、60が、親機10、30、50の種別に対応させた自機の設定に関する個別設定情報70のデータテーブル76を有しており、親機10、30、50から送信される親機識別符号74から親機10、30、50の種別を判別し、親機10、30、50の種別に応じた個別設定情報70をデータテーブル76から選択できる点にある。また、子機20、40、60は、選択した個別設定情報70に基づき、自機の設定を行う点にもある。
【0020】
これにより、警報システム1~3に属する警報器の設定を完了させるための各警報器に対する操作が最小限になり、作業に要する時間及び手間を省くことができる。
【0021】
次に、各実施形態の具体的内容について説明する。
【0022】
(実施の形態1)
<概要>
実施の形態1に係る警報システム1について、
図1ないし
図7を用いて説明する。なお、上述した通り、各実施形態における親機10と子機20として使用する警報器は任意であるが、本実施形態では、親機10と子機20を無線式住宅用感知器(以下、感知器と呼ぶ。)に適用した場合を例として説明する。
【0023】
図1は、警報システム1を示す概要図である。
図2は、親機10と子機20を示すブロック図である。
図3は、子機20が有する個別設定情報70のデータテーブル76を示す図である。
図4は、警報システム1における親機10と子機20との間で行う設定処理を示すタイムチャート図である。
図5は、警報システム1における親機10と子機20との間で行う設定処理を示すタイムチャートの変形例を示す図である。
【0024】
図1に示すように、本実施形態の警報システム1は、1台の親機10と3台の子機20(20A、20B、20C)を備える。子機20については、共通する事項を説明する際は、子機20と記載し、複数の子機20の説明を行う場合は、子機20A、子機20B、子機20Cと記載する。ただし、子機20の台数は3台に限られるものではない。
【0025】
<親機10の構成の説明>
まず、親機10の構成について説明する。
図2に示すように、親機10は、送受信部101と、検知部102と、報知部103と、操作入力受付部104と、電源部105と、各種制御を実行する第一制御部106(以下、親機制御部106と呼ぶ。)と、を備える。
【0026】
送受信部101は、日本国における電波法施行規則第6条4項第3号に規定される「小電力セキュリティシステムの無線局」に準拠し、親機10が備えるアンテナ107を介して、電波を媒体とする無線信号を送受信するものであって、例えば市販の省電力無線通信用LSIなどで構成され、受信信号強度の大小に比例した直流電圧信号である受信信号強度表示信号(RSSI信号)を出力する。
【0027】
検知部102は、例えば、煙を検知することで火災検知信号を親機制御部106に出力する。検知部102は、例えば、LED(Light Emitting Diode)等の発光部(不図示)と、フォトダイオード等の受光部(不図示)とを有している。発光部および、受光部は、自機の筐体のラビリンス内において、受光部の受光面が発光部の照射光の光軸上から外れるように配置されている。火災の発生時には、煙が筐体に設けられた孔を通じて、ラビリンス内に導入され得る。
【0028】
筐体のラビリンス内に煙が存在しない場合、発光部の照射光は、受光部の受光面にほとんど到達しない。一方、筐体のラビリンス内に煙が存在する場合、発光部の照射光が煙によって散乱し、散乱した光の一部が受光部の受光面に到達する。つまり、検知部102は、煙によって散乱された発光部の照射光を受光部で受光する。検知部102は、受光部で受光された光量に応じた電圧レベルを示す電気信号(火災検知信号)を親機制御部106に出力する。ただし、検知部102、光電式のセンサに限定されず、例えば熱や炎を検知する定温式のセンサでもよい。
【0029】
報知部103は、ブザー音や音声メッセージ等の音による火災警報(以下、「警報音」と呼ぶ。)を、スピーカから鳴動することによって、ユーザに火災の発生を鳴動する。報知部103は、自機の検知部102が異常を検知する、もしくはいずれかの子機20が送信した火災検知信号を受信した場合に、親機制御部106による制御下で、警報音を鳴動する。この時、火災を検知した親機10もしくは子機20が設置された場所情報を音声メッセージに含めて鳴動することが好ましい。
【0030】
操作入力受付部104は、例えば、押し釦やディップスイッチ等のスイッチ108を有しており、スイッチ108が操作されることでスイッチ108に対応した操作入力を受け付けるとともに、操作入力に対応した操作信号を親機制御部106に出力する。本実施形態では、操作入力受付部104は、所定の操作入力を受け付けると、後述する設定処理を親機制御部106に実行させる操作信号を出力する役割を設けている。
【0031】
なお、スイッチ108は、設定処理を実行する他に、報知部103による警報音の鳴動を停止するための警報停止処理や、機器の点検を行う点検処理などの役割を兼ねても良い。このように、複数の操作入力の受付を1つのスイッチ108に兼用させることで、操作入力受付部104におけるスイッチ数を低減することができる。もちろん、スイッチ108は、設定処理用や警報停止用など、役割に合わせて別体で設けても良いものとする。
【0032】
電源部105は、乾電池などの電池を電源として各部に動作電源を提供する。
【0033】
親機制御部106は、各種制御を行い、例えば、後述する親機10と子機20が連動するための設定処理の実行や警報の連動に関する制御を行う。また、親機制御部106は、検知部102から火災検知信号が入力されると、報知部103を制御して警報音を鳴動するとともに、送受信部101を制御して、他の感知器である子機20に火災検知信号を含む無線信号を送信する。また、火災元の子機20から無線通信された火災検知信号を送受信部101で受信し、送受信部101から親機制御部106に火災検知信号が入力されると、親機制御部106は、報知部103を制御して警報音を鳴動するとともに、送受信部101を制御して、非火災元の子機20に対して火災検知信号を送信する。
【0034】
なお、親機10は、製造段階において固有の第一識別符号74(以下、親機識別符号74)が割り当てられており、親機記憶部109に格納している。この親機識別符号74によって子機20は、無線信号の宛先並びに火災検知信号等の送信元の親機10を特定することができる。識別符号とは、親機10のIPアドレス、Macアドレス、または名称等である。
【0035】
第一記憶部109(以下、親機記憶部109と呼ぶ。)は、親機制御部106が実行する制御プログラムなどを記憶する。なお、制御プログラムはCPU(Central Processing Unit)などの処理装置にプログラムを実行させること、即ち、ソフトウェアにより実現しても良いし、IC(Integrated Circuit)などのハードウェアにより実現しても良いし、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現しても良い。
【0036】
ここで、この制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しても良い。
【0037】
さらに、この制御プログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供されるようにしても良いし、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布されるようにしても良い。
【0038】
また、親機記憶部109は、前述した親機識別符号74を記憶する。また、親機記憶部109は、子機20から子機識別符号75を受信した後、子機識別符号75を記憶する。
【0039】
<子機20の構成の説明>
次に、子機20の構成について説明する。
図2に示すように、子機20は、親機10と同様に、送受信部201と、検知部202と、報知部203と、操作入力受付部204と、電源部205と、各種制御を実行する第二制御部206(以下、子機制御部206と呼ぶ。)を備える。
【0040】
送受信部201は、日本国における電波法施行規則第6条4項第3号に規定される「小電力セキュリティシステムの無線局」に準拠し、親機10が備えるアンテナ207を介して、電波を媒体とする無線信号を送受信するものであって、例えば市販の省電力無線通信用LSIなどで構成され、受信信号強度の大小に比例した直流電圧信号である受信信号強度表示信号(RSSI信号)を出力する。
【0041】
検知部202は、例えば、煙を検知することで火災検知信号を子機制御部206に出力する。検知部202は、例えば、LED等の発光部(不図示)と、フォトダイオード等の受光部(不図示)とを有している。発光部および、受光部は、自機の筐体のラビリンス内において、受光部の受光面が発光部の照射光の光軸上から外れるように配置されている。火災の発生時には、煙が筐体に設けられた孔を通じて、ラビリンス内に導入され得る。
【0042】
筐体のラビリンス内に煙が存在しない場合、発光部の照射光は、受光部の受光面にほとんど到達しない。一方、筐体のラビリンス内に煙が存在する場合、発光部の照射光が煙によって散乱し、散乱した光の一部が受光部の受光面に到達する。つまり、検知部202は、煙によって散乱された発光部の照射光を受光部で受光する。検知部202は、受光部で受光された光量に応じた電圧レベルを示す電気信号(火災検知信号)を子機制御部206に出力する。ただし、検知部202、光電式のセンサに限定されず、例えば熱や炎を検知する定温式のセンサでもよい。
【0043】
報知部203は、警報音を、スピーカから鳴動させることによって、ユーザに火災の発生を鳴動する。報知部203は、自機の検知部202が異常を検知する、もしくは他の子機20もしくは親機10が送信した火災検知信号を受信した場合に、子機制御部206による制御下で、警報音を鳴動する。この時、火災を検知した親機10もしくは子機20が設置された場所情報を音声メッセージに含めて鳴動されることが好ましい。
【0044】
操作入力受付部204は、例えば、押し釦やディップスイッチ等のスイッチ208を有しており、スイッチ208が操作されることでスイッチ208に対応した操作入力を受け付けるとともに、操作入力に対応した操作信号を子機制御部206に出力する。本実施形態では、操作入力受付部204は、所定の操作入力を受け付けると、後述する設定処理を子機制御部206に実行させる操作信号を出力する役割を設けている。
【0045】
なお、スイッチ208は、設定処理を実行する他に、報知部203による警報音の鳴動を停止するための警報停止処理や、機器の点検を行う点検処理などの役割を兼ねても良い。このように、複数の操作入力の受付を1つのスイッチ208に兼用させることで、操作入力受付部204におけるスイッチ数を低減することができる。もちろん、スイッチ208は、設定用や警報停止用など、目的に合わせて別体で設けても良いものとする。
【0046】
電源部205は、乾電池などの電池を電源として各部に動作電源を提供する。
【0047】
子機制御部206は、各種制御を行い、例えば、後述する親機10と子機20が連動するための設定処理の実行や警報の連動に関する制御を行う。また、子機制御部206は、検知部202から火災検知信号が入力されると、報知部203を制御して警報音を鳴動するとともに、送受信部201を制御して、親機10に火災発生を通知するための火災検知信号を含む無線信号を送信する。また、親機10から無線通信された火災検知信号を受信すると、子機制御部206は、報知部203を制御して警報音を鳴動する。なお、子機20は、製造段階において子機識別符号75が割り当てられており、この子機識別符号75によって親機10が無線信号の宛先並びに火災検知信号などの送信元の子機20を特定することができる。
【0048】
第二記憶部209(以下、子機記憶部209と呼ぶ。)は、子機制御部206が実行する制御プログラムなどを記憶する。なお、制御プログラムはCPUなどの処理装置にプログラムを実行させること、即ち、ソフトウェアにより実現しても良いし、ICなどのハードウェアにより実現しても良いし、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現しても良い。
【0049】
ここで、この制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しても良い。
【0050】
さらに、この制御プログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供されるようにしても良いし、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布されるようにしても良い。
【0051】
また、子機記憶部209は、前述した子機識別符号75と、
図3に示すような親機10に適用される警報器の種別を表す親機識別符号74と子機20の設定に係る情報である個別設定情報70を対応付けたデータテーブル76を記憶する。ただし、記憶する形態は、データテーブルに限定するようなものではない。さらに、子機記憶部209は、親機10から親機識別符号74を受信した後、親機識別符号74を記憶する。
【0052】
まず、個別設定情報70は、
図3に示すように子機20の再鳴動時間71と、子機20のラッチの有無に関する情報72(以下、ラッチ情報72と呼ぶ。)と、親機10と子機20の通信プロトコル情報73(以下、通信プロトコル73と呼ぶ。)と、を含む。なお、子機記憶部209が記憶する個別設定情報70は、再鳴動時間71と、ラッチ情報72と、通信プロトコル73を全て含んでいなくても良く、少なくとも1つの情報が含まれていれば良い。また、個別設定情報70は、再鳴動時間71と、ラッチ情報72と、通信プロトコル73に限るものではなく、設置階情報等が含まれていても良い。
【0053】
再鳴動時間71は、子機20が警報音の鳴動を停止させた後、再度、子機20が警報音の鳴動を開始するまでの時間を示す。再鳴動時間は、例えば2~15分間で設定可能であり、親機記憶部109は「2分」や「3分」などの時間情報を記憶する。再鳴動時間は、警報システム1を設置する施設の面積や警戒区域や建物用途によって適宜変更することができる。
【0054】
ラッチ情報72は、子機20のラッチの有無に関する情報である。ラッチ有りの場合は、異常を検知した親機10または子機20の警報音の鳴動が停止し、停止した警報器が送信した復旧信号を受信した場合、もしくは異常を検知した親機10または子機20が送信する火災検知信号が届かなくなった場合であっても、子機20は警報音の鳴動を続ける。ラッチ無しの場合は、異常を検知した親機10または子機20の警報音の鳴動が停止し、停止した警報器が送信した復旧信号を受信した場合、もしくは異常を検知した親機10または子機20が送信する火災検知信号が届かなくなった場合は、子機20は警報音の鳴動を停止する。つまり、ラッチ有りの場合は、異常の検知元の動作もしくは通信状態に関係なく子機20が警報音の鳴動を続け、ラッチ無しの場合は、異常の検知元の動作もしくは通信状態に伴い子機20は警報音の鳴動を停止する。子機記憶部209は、「ラッチ有り」または「ラッチ無し」を記憶する。
【0055】
通信プロトコル73は、親機10と子機20の通信プロトコルに関する情報である。本実施形態では、親機10の通信プロトコルに子機20を適用させる方式を採用している。そのため子機記憶部209は、例えば、「新プロトコル」や「旧プロトコル」などの親機10に対応する通信プロトコルを記憶する。
【0056】
子機記憶部209は、親機10に適用される特定の種別を示す親機識別符号74「1A」に対して、再鳴動時間71「5分」、ラッチ情報72「ラッチ無」、通信プロトコル73「新プロトコル」で構成される個別設定情報70が対応付けられた状態で情報を記憶する。
【0057】
また子機記憶部209は、親機に適用されることが想定される様々な警報器の種別を表す親機識別符号を複数記憶しており、それぞれの親機識別符号74に対応付けられた個別設定情報70は、データテーブル76に格納している。データテーブル76に格納された再鳴動時間71と、ラッチ情報72と、通信プロトコル73の組み合わせは、親機10に適用される種別を表す親機識別符号74ごとに異なり、本実施形態は、6つのテーブル(テーブル1~テーブル6)を有する。もちろん、異なる親機識別符号74に対して、同内容の個別設定情報70が対応付けられていても問題ない。
【0058】
詳しくは後述するが、子機20の子機制御部206は、子機記憶部209が有するデータテーブル76から自身が対応付けられる親機10の親機識別符号74に対応する個別設定情報70を選択し、自機の設定を行う。そのため、設定の効率化を図ることができる。
【0059】
仮に、親機10から親機識別符号「1A」を受信した場合、子機20は、
図3に示すデータテーブル76の中から親機識別符号が「1A」である、テーブル1を選択する。そして、子機20は、テーブル1の個別設定情報70を基に、再鳴動時間「5分」、ラッチ情報「無」、通信プロトコル「新プロトコル」を自身に設定する。なお、
図3に示される再鳴動時間71と、ラッチ情報72と、通信プロトコル73の組み合わせは一例であり、データテーブル76に格納されているテーブルの数は増減することができる。
【0060】
<設定処理の説明>
以下、本実施形態における子機20の設定処理について
図4を用いて説明する。設定処理とは、親機10と子機20の連動に係る設定であり、子機20に親機10の親機識別符号74を送信させることで、子機20と親機10とを同期させる同期設定処理と、親機10から子機20に送信された親機識別符号74から、自身の対応する親機10を認識し、認識した親機10に対応する個別設定情報70を子機20が自機に設定する個別設定処理とが含まれる。
【0061】
なお、同期設定処理は、親機10が親機識別符号74を子機20に送り、子機20は子機識別符号75を親機10に送り、互いに互いの識別番号を記憶した時点で完了する。また、個別設定処理は、親機10が親機識別符号74を子機20に送り、子機20が親機識別符号74に対応する個別識別符号74を基に設定を完了した時点で完了する。
【0062】
設定処理としては、同期設定処理と個別設定処理をほぼ同時に行う場合が考えられる。なお、同期設定処理が完了した後に、個別設定処理を行う方法でも良く、これらの方法は、限定されるものではない。
【0063】
以下、設定処理について
図4を参照しながら説明を行う。
【0064】
親機10の操作入力受付部104においてスイッチ108を操作すると、親機10の子機制御部206は、子機20(20A~20C)の設定を行う設定登録モードに移行する。また、子機20(20A~20C)の操作入力受付部204において、スイッチ208を操作すると、子機20(20A~20C)の子機制御部206は、自機の設定を行う設定受付モードに移行する。
【0065】
親機10が設定登録モードに、子機20(20A~20C)が設定受付モード移行すると親機10の親機制御部106は、送受信部101を制御し、親機識別符号74を子機20(20A~20C)に送信する。
【0066】
続いて、設定受付モードにある子機20(20A~20C)の子機制御部206は、親機識別符号74を受信すると、親機識別符号74を認識し記憶するとともに、子機記憶部209が記憶するデータテーブル76から親機識別符号74が合致するテーブルを選択する。そして、子機制御部206は、選択したテーブルに含まれる個別設定情報70に基づき、子機20(20A~20C)の設定を行う。
【0067】
その後、親機識別符号74を受け付け、設定が完了した旨を知らせる応答メッセージを子機20(20A~20C)が送受信部201から親機10に送信する。ここで、応答メッセージは、子機20(20A~20C)の子機識別符号75を含む。
【0068】
なお、応答メッセージに関しては、親機識別符号74を受け付けたことと、設定が完了した旨とを別々の応答メッセージとして親機10に送信しても良い。この場合、子機20は、親機10から親機識別符号74を受信し記憶した時点で、受付完了を意味する応答メッセージを親機10に送信し、続いて、親機識別符号74に合致する個別設定情報70を基に自機の設定が完了した時点で、設定完了を意味する応答メッセージを親機10に送信することが考えられる。もちろん、どの応答メッセージにも子機20(20A~20C)の子機識別符号75が含まれていても良い。
【0069】
子機20(20A~20C)は、応答メッセージ送信後、設定登録モードを終了する。また、親機10は、子機20(20A~20C)からの応答メッセージを受信後、子機識別符号75を記憶し、設定登録モードを終了する。この時点で同期設定処理と個別設定処理が完了する。
【0070】
以上が、親機10が子機20に対して行う設定処理の基本的な流れであり、子機20(20A~20C)が受信した親機識別符号74を認識することで、親機識別符号74に対応した個別設定情報70を選択し、自身で子機20(20A~20C)の設定を完了することができる。
【0071】
また、別の方法として、同期設定処理を行った後に、個別設定処理を行う方法としては、親機10が設定登録モードに、子機20(20A~20C)が設定受付モードに移行した後に、まず、親機10が親器識別符号74を子機20に送信することで、子機20と親機10とを同期させる同期設定処理を行う。つまり、この時点で子機20は、子機識別符号75を親機10に送信する。その後、再度、親機10が親機識別符号74を子機20に送信することで、子機20は、子機記憶部209が記憶するデータテーブル76から親機識別符号74が合致するテーブルを選択し、選択したテーブルに含まれる個別設定情報70に基づき、自機の設定を行う個別設定処理を行う。
【0072】
なお、親機10が設定登録モードに、子機20が設定受付モードに移行する方法は、他の方法も用いることができる。例えば、上記の方法は、親機10のスイッチ108と、子機20のスイッチ208を操作することで各モードへの移行を行っていたが、親機10と子機20の電源の投入から一定期間(例えば、5分)であれば、いずれかのスイッチ108、208を操作することなく、電源が投入されたことをトリガに親機10は設定登録モードに移行し、電源が投入されたことをトリガに子機20(20A~20C)は、設定受付モードに移行する方法や、電源が投入された親機10と子機20に対して、いずれかのスイッチ108、208を押された場合に、電源が投入された全ての親機10と子機20が設定登録モードもしくは設定受付モードへと自動で切り替わる方法も考えられる。
【0073】
さらに、設定登録モードもしくは設定受付モードへと切り替わったことを互いに認識させるために、設定登録モードに切り替わったことを意味する信号を親機10から子機20に対して出力し、設定受付モードへと切り替わったことを意味する信号を子機20から親機10に出力することも考えられる。
【0074】
このように、設定登録できる期間を限定することで、本実施形態の警報システム1に属さない警報器が誤って設定登録されることを防止することができる。なお、設定登録モードの期間は、上記の期間に限定されるものではない。
【0075】
上記で説明した設定処理については、親機10が子機20A、20B、20Cそれぞれに対して行うことを想定して説明を行ったが、複数の子機20が設定受付モードに移行している状態の場合、
図4に示すように、子機20Aでの処理が終了した時点で、子機20B、子機20Cへと処理を行うことが考えられる。その場合、親機10は、子機20Aが親機識別符号74を受け付け、設定が完了した旨を知らせる応答メッセージを受信した時点で、他の、例えば子機20Bに対して親機識別符号74を送り、設定処理を開始することが考えられる。また、親機10は、子機20Aの応答メッセージを待たずして、子機20Bに親機識別符号74を送信して設定処理を開始しても良い。
【0076】
続いて、
図5に示すように、親機10が子機20A、子機20B、子機20Cに対して親機識別符号74をマルチキャストで一斉に送信する方法を説明する。親機10が設定登録モードに、子機20が設定受付モードに移行される方法は上記の通りであり、説明は省略する。
【0077】
親機10が設定登録モードに、子機20A、子機20B、子機20Cが設定受付モードに移行すると、親機10の親機制御部106は、送受信部101を制御し、子機20A、子機20B、子機20Cに対して親機識別符号74をマルチキャストで送信する。そして、設定受付モードにある子機20A、子機20B、子機20Cの子機制御部206は、親機識別符号74を認識し、自機の設定を行うとともに、送受信部201を制御し、親機識別符号74を受信して親機識別符号74を記憶するとともに、個別設定情報の設定が完了した旨を知らせる応答メッセージを親機10にユニキャストで送信する。この場合も、応答メッセージは、子機20(20A~20C)の子機識別符号75を含む。
【0078】
この場合も、親機識別符号74を受け付けた後に親機10に送信する応答メッセージに関しては、親機識別符号74を受け付けて親機識別符号74を記憶したことと、個別設定情報の設定が完了した旨とを別々の応答メッセージとして親機10に送信しても良い。この場合、子機20は、親機10から親機識別符号74を受信し記憶した時点で、親機識別符号74の受付完了を意味する応答メッセージを親機10に送信し、続いて、個別設定情報70を基に自機の設定が完了した時点で、個別設定情報70の設定完了を意味する応答メッセージを親機10に送信することが考えられる。もちろん、どちらかの応答メッセージに子機20(20A~20C)の子機識別符号75が含まれていても良い。
【0079】
親機10から子機20A、子機20B、子機20Cに親機識別符号74をマルチキャストで一斉に送信することで、親機10から各子機20A、子機20B、子機20Cへと順に親機識別符号74を送信することに比べて、設定処理を短縮することができる。
【0080】
ところで、例えば、親機10の個別設定情報70もしくは親機10自体が変更され、子機20(20A~20C)に設定された個別設定情報70を修正することが考えられる(以下、再設定処理と呼ぶ。)。再設定処理は、設定処理と同様の方法で行われ、親機10が設定登録モードに、子機20(20A~20C)が設定受付モードに移行した後に、親機10の親機制御部106は、子機20(20A~20C)に対して新たな親機識別符号74を送信する。そして、設定受付モードにある子機20(20A~20C)の子機制御部206は、新たな親機識別符号74を認識し、自機の設定を行う。再設定処理は、全ての子機20(20A~20C)の設定を消去した後に行ってもいいし、子機20(20A~20C)が有する既存の情報に上書きしても良い。また、システムに属する子機20が複数ある場合においては、全ての子機20A、子機20B、子機20Cに対して、新たな親機識別符号74をマルチキャストで一斉に送信することが考えられる。
【0081】
<効果等>
以上、説明したように、本実施形態では、子機20の子機制御部206は、親機10から受信した親機識別符号74を認識し、子機記憶部209が記憶するデータテーブル76から適切な個別設定情報70を選択する。そして、子機制御部206は個別設定情報70に基づいて子機20の設定を行うことができる。つまり、子機20は、親機識別符号74から親機10を識別することができ、親機10に適した設定を自らの処理で完了させることができる。したがって、本実施形態に係る警報システム1は、親機10や子機20を1台ずつ操作し、設定に必要な情報を記憶させた後に、親機10と子機20とで記憶した情報を交換して設定処理を行う場合と比較して、設定に必要な作業を簡略することができ、かつ登録に必要な時間を短くすることができる。
【0082】
(実施の形態2)
<概要>
実施の形態2に係る警報システム2について、
図6ないし
図7を用いて説明する。
図6は、実施形態2に係る親機30と子機40を示すブロック図であり、
図7は、実施形態2に係る階層構造の建物Aに配置した警報システム2を示した説明図である。
【0083】
なお、上述した通り、各実施形態における親機30と子機40として使用する警報器は任意であるが、本実施形態では、親機30を中継器に、子機40を無線式住宅用感知器(以下、感知器と呼ぶ。)に適用した場合を例として説明する。ここでいう中継器とは、無線を介して同じ機器同士で信号のやり取りを行う機器を想定する。実施の形態は、親機30が中継器である点を除いて、実施の形態1に係る警報システムと同様であるため、共通点の説明を省略する。ここで中継器は、例えば、グループ間の信号のやり取りを行い、後述する階層をまたいだシステム構成を可能とする。
【0084】
<親機30の構成の説明>
中継器である親機30の構成について説明する。
図6に示すように、親機30は、第一送受信部301と、第二送受信部302と、報知部303と、操作入力受付部304と、電源部305と、第一制御部306(以下、親機制御部306と呼ぶ。)と、第一記憶部307(以下、親機記憶部307と呼ぶ。)を備える。
【0085】
第一送受信部301は、自機が属するグループに対応するチャンネル周波数fを使用し、同じグループに属する子機40との間で、火災検知信号等の無線信号を送受信する。第一送受信部301は、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD-30(小電力セキュリティシステム無線局無線設備標準規格)に準拠し、親機30が備える第一アンテナ308を介して、電波を媒体とする無線信号を送受信する。
【0086】
第二送受信部302は、親機30が備える第二アンテナ309を介して、隣接する親機30同士で火災検知信号等の信号を送受信する。第一送受信部301と同様、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格に準拠した通信プロトコルに従って火災検知信号などを送受信する。
【0087】
報知部303は、ブザー音や音声メッセージ等の音による火災警報(以下、「警報音」と呼ぶ。)を、スピーカから鳴動させることによって、ユーザに火災の発生を鳴動する。本実施形態の警報音は、子機40が送信した火災検知信号を受信すると、親機制御部306による制御下で、警報音を鳴動する。この時、火災を検知した子機40が設置された場所情報を音声メッセージに含めて鳴動されることが好ましい。
【0088】
操作入力受付部304は、例えば、押し釦やディップスイッチ等のスイッチ310を有しており、スイッチ310が操作されることでスイッチ310に対応した操作入力を受け付けるとともに、操作入力に対応した操作信号を親機制御部306に出力する。本実施形態では、操作入力受付部304は、所定の操作入力を受け付けると、設定処理を親機制御部306に実行させる操作信号を出力する役割を設けている。
【0089】
なお、スイッチ310は、設定処理を実行する他に、報知部303による警報音の鳴動を停止するための警報停止処理を実行することができる。つまり、スイッチ310は、警報停止の役割も兼ねており、スイッチ310を操作することで警報音を停止することができる。もちろん、スイッチ310は、設定用や警報停止用など、目的に合わせて別体で設けても良いものとする。
【0090】
電源部305は、乾電池などの電池を電源として各部に動作電源を提供する。
【0091】
親機制御部306は、同じグループに属する子機40から火災検知信号を受信すると、第二送受信部302から隣接する他の親機30に火災検知信号を送信するとともに、第一送受信部301を制御し、同グループの非火災元の子機40に火災検知信号を送信する。親機制御部306は、他の親機30から火災検知信号を受信すると、報知部303を制御して警報音を鳴動するとともに、第一送受信部301を制御し、同じグループに属する子機40に火災検知信号を送信する。
【0092】
親機記憶部307は、親機制御部306が実行する制御プログラムなどを記憶する。なお、制御プログラムはCPUなどの処理装置にプログラムを実行させること、即ち、ソフトウェアにより実現しても良いし、ICなどのハードウェアにより実現しても良いし、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現しても良い。
【0093】
ここで、この制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しても良い。
【0094】
さらに、この制御プログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供されるようにしても良いし、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布されるようにしても良い。
【0095】
また、親機記憶部307は、固有の親機識別符号74を記憶する。また、親機記憶部307は、子機20から子機識別符号75を受信した後、子機識別符号75を記憶する。なお、親機識別符号74は、製造段階において親機記憶部307に格納されている。この親機識別符号74によって子機40は、無線信号の宛先並びに火災検知信号などの送信元の親機30を特定することができる。親機識別符号74は、親機30のIPアドレス、Macアドレス、または名称等である。
【0096】
<子機40の構成の説明>
続いて、感知器である子機40の構成について説明する。
図6に示すように、子機40は、アンテナ407を介して電波を媒体とする無線信号を送受信する送受信部401と、例えば煙を検知する検知部402と、警報音を鳴動させることでユーザに火災の発生を鳴動する報知部403と、スイッチ408と、所定の操作入力を受付けると設定処理ないし警報停止処理を実行する操作入力受付部404と、各部に動作電源を提供する電源部405と、第二記憶部409(子機記憶部409と呼ぶ。)を主構成要素とし各部の制御を行う第二制御部406(子機制御部406と呼ぶ。)と、を備える。以上の通り、子機40は、子機20と同様の構成、同様の機能を備えているため、各部における詳細な説明を省略する。
【0097】
<設定処理の説明>
設定処理とは、子機40に親機30の親機識別符号74を送信させることで、子機40と親機30とを同期させる同期設定処理と、親機30から子機40に送信された親機識別符号74から、自身の対応する親機30を認識し、認識した親機30に対応する個別設定情報70を子機40が自機に設定する個別設定処理とが含まれる。なお、同期設定処理は、親機30が親機識別符号74を子機40に送り、子機40は子機識別符号75を親機30に送り、互いに互いの識別番号を記憶した時点で完了である。また、個別設定処理は、親機30が個別設定情報70を子機40に送り、子機40が個別識別情報70を基に設定を完了した時点で完了である。
【0098】
本実施形態の設定処理は、親機30の操作入力受付部304が操作されると、親機30の親機制御部306は、子機40の設定を行う設定登録モードに移行し、設定処理を開始する。具体的な方法は、実施の形態1に係る警報システム1の設定処理の方法と同様であるため、説明を省略する。
【0099】
<階層をまたいだシステム構成の説明>
上記で説明した1台の親機30と複数の子機40とを含む1グループのシステムは、例えば、
図7に示されるシステム構成で使用される。警報システム2は、例えば、2階建ての建物Aに設置されており、エリアの各々に、中継器として機能する1台の親機30と感知器として機能する3台の子機40(40A、40B,40C)が配置されている。
【0100】
ここで、1階と2階のそれぞれに設置された1台の親機30と3台の子機40は、グループを構成しており、1階はグループ1(G1)、2階はグループ2(G2)である。グループG1、G2の各々には、異なるチャンネル周波数f(f1、f2)が割り当てられており、各グループに属する警報器は自己のグループに割り当てられたチャンネル周波数fを使用して信号の送受信を行う。グループG1,G2に設けられた子機40は、火災を検出した場合、警報音を鳴動するとともに、自己のグループに属する親機30に火災検知信号を送信する。
【0101】
また、中継器である親機30は、隣接する親機30と無線によって通信可能に接続されている。つまり、親機30は、階ごとに設定されたグループ間を中継する役割をする。例えば、1階で火災が発生し、グループG1に設置された子機40のいずれかが火災が検知すると、火災を検知した子機40は、チャンネル周波数f1を使用して親機30に火災検知信号を送信し、親機30は火災検知信号を受信すると、親機30自身で警報音を鳴動するとともに、隣接するグループG2の親機30に火災検知信号を送信する。グループG2の親機30は、火災検知信号を受信した後、親機30自身で警報音を鳴動するとともに、チャンネル周波数f2を使用して火災検知信号をグループG2に設置された子機40に送信する。火災検知信号を受信した子機40は、警報音を鳴動する。
【0102】
このように、いずれかのグループに属する子機40で火災を検知した場合であっても、親機30を介して他の階の子機40の連動した警報の鳴動が行われるため、建物Aにいるユーザに火災発生を確実に鳴動し、避難等の対処行動を促すことが可能となる。
【0103】
図7に示すような階層をまたいだシステム構成の場合、設定処理はグループG1、G2ごとに行われる。つまり、各グループの親機30が記憶する個別設定情報70を同じグループに属する子機40に送信することで、子機40が個別設定情報70を記憶する。そして、子機40の子機制御部206は、自身のグループに属する親機10が送信する個別設定情報70に基づき、自機の設定を行う。この時、各グループの親機30が記憶する個別設定情報70は、親機30ごとに異なることが想定される。しかし、これに限定されることなく、全ての親機30が同じ個別設定情報70を記憶しても良い。
【0104】
<効果等>
本実施形態では、親機30が中継器である場合を説明したが、親機30が色々な商材に代わっても実施の形態1と同様の効果を得ることができる。つまり、親機30が記憶する個別設定情報70を子機40に送信し、子機40が個別設定情報70に基づいて自機の設定を行うことが可能である。そのため、親機30や子機40を1台ずつ操作させ、設定に必要な情報を記憶させた後に、親機30と子機40とで記憶した情報を交換し、設定登録を行う場合と比較して、設定に必要な作業を簡略することができ、かつ登録に必要な時間を短くすることができる。
【0105】
(実施の形態3)
<概要>
実施の形態3に係る警報システム3について、
図8ないし
図8を用いて説明する。
図8は、実施形態3に係る親機10と子機20を示すブロック図であり、
図9は、実施形態3に係る階層構造の建物に配置した警報システム3を示した説明図である。
【0106】
なお、上述した通り、各実施形態における親機50と子機60として使用する警報器は任意であるが、本実施形態では、親機50を有線中継器に、子機60を無線式住宅用感知器(以下、感知器と呼ぶ。)に適用した場合を例として説明する。ここでいう有線中継器とは、有線を介して同じ機器同士で信号のやり取りを行う機器を想定する。本実施の形態は、親機50が有線中継器である点を除いて、実施の形態1に係る警報システムと同様であるため、共通点の説明を省略する。ここで有線中継器は、例えば、グループ間の信号のやり取りを行い、後述する階層をまたいだシステム構成を可能とする。
【0107】
<親機50の構成の説明>
有線中継器である親機50の構成について説明する。
図8に示すように、無線送受信部501と、有線送受信部502と、操作部503と、報知部504と、表示部505と、操作入力受付部506と、電源部507と、表示灯508と、各種制御を実行する第一制御部509(以下、親機制御部509と呼ぶ)と、第一記憶部510(以下、親機記憶部510と呼ぶ。)を備える。
【0108】
無線送受信部501は、自機が属するグループに対応するチャンネル周波数fを使用し、同じグループに属する子機60との間で、火災検知信号等の無線信号を送受信する。無線送受信部501は、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD-30(小電力セキュリティシステム無線局無線設備標準規格)に準拠し、親機10が備えるアンテナ511を介して、電波を媒体とする無線信号を送受信する。
【0109】
有線送受信部502、親機50が備える通信線512を介して、隣接する親機50同士で火災検知信号等の信号を送受信する。
【0110】
操作部503は、建物Aで火災等の異常が発生した場合に、建物を利用するユーザからの押し操作を受け付ける、押スイッチである。操作部503が押し操作を受けることで、後述する報知部504から警報音が報知される。
【0111】
報知部504は、ブザー音や音声メッセージ等の音による火災警報(以下、「警報音」と呼ぶ。)を、スピーカから鳴動させることによって、ユーザに火災の発生を鳴動する。本実施形態の警報音は、火災の発生時等に操作部503が押し操作を受付ける、もしくは、子機60が送信した火災検知信号を受信すると、親機制御部509による制御下で、警報音を鳴動する。この時、火災を検知した警報器が設置された場所情報を音声メッセージに含めて鳴動されることが好ましい。
【0112】
表示部505は、火災の発生等を表示するように構成される。表示部505は、例えば、液晶ディスプレイから構成され、火災の発生時等に操作部503が押し操作を受付ける、もしくは、子機60が送信した火災検知信号を受信すると、親機制御部509の制御下で、火災を通知するための文字情報を表示する。文字情報は、例えば「火災が発生しました」でも良いし、「1階で火災が発生しました」等の場所情報を伝えるものでも良い。また、表示部505は、動作点検の結果に応じて「動作、正常です」または「動作、異常です」等といった文字情報を表示してもよい。
【0113】
操作入力受付部506は、例えば、押し釦やディップスイッチ等のスイッチ513を有しており、スイッチ513が操作されることで各スイッチ513に対応した操作入力を受け付けるとともに、操作入力に対応した操作信号を親機制御部509に出力する。本実施形態では、操作入力受付部506は、所定の操作入力を受け付けると、設定処理を親機制御部509に実行させる操作信号を出力する設定用のスイッチ513を設けている。なお、スイッチ513は、設定処理を実行する他に、報知部504による警報音の鳴動を停止するための警報停止処理を実行することができる。
【0114】
電源部507は、商用AC100Vを直流電力に変換しており、必要に応じて予備電源としてバッテリーを備えている。
【0115】
表示灯508は、例えばLED、及びLED前方を覆うドーム形状のカバーを有している。カバーは、透光性を有している。表示灯508は、暗がりでも親機50の位置を明確に示すように、常時点灯している。
【0116】
親機制御部509は、子機60から無線通信された火災検知信号が無線送受信部501で受信されると、報知部504を制御して警報音を鳴動させるとともに、表示部505を制御して、火災の発生を表示する。
【0117】
また、親機制御部509は火災検知信号を受信すると、有線送受信部502から隣接する他の親機50に火災検知信号を送信させる。親機制御部509は他の親機50から火災検知信号を受信すると、報知部504を制御し、警報音を鳴動するとともに、表示部505を制御して、火災の発生を表示する。そして、無線送受信部501を制御し、同じグループに属する子機60に火災検知信号を送信させる。
【0118】
親機記憶部510は、親機制御部509が実行する制御プログラムなどを記憶する。なお、制御プログラムはCPUなどの処理装置にプログラムを実行させること、即ち、ソフトウェアにより実現しても良いし、ICなどのハードウェアにより実現しても良いし、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現しても良い。
【0119】
ここで、この制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しても良い。
【0120】
さらに、この制御プログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供されるようにしても良いし、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布されるようにしても良い。
【0121】
また、親機記憶部510は、親機識別符号74を記憶する。また、親機記憶部510は、子機20から子機識別符号75を受信した後、子機識別符号75を記憶する。なお、親機識別符号74は、製造段階において親機記憶部510に格納されている。この親機識別符号74によって子機60は、無線信号の宛先並びに火災検知信号などの送信元の親機50を特定することができる。親機識別符号74とは、親機50のIPアドレス、Macアドレス、または名称等である。
【0122】
<子機60の構成の説明>
続いて、感知器である子機60の構成について説明する。
図8に示すように、子機60は、アンテナ607を介して電波を媒体とする無線信号を送受信する送受信部601と、例えば煙を検知する検知部602と、警報音を鳴動させることでユーザに火災の発生を鳴動する報知部603と、スイッチ608と、所定の操作入力を受付けると設定処理ないし警報停止処理を実行する操作入力受付部604と、各部に動作電源を提供する電源部605と、第二記憶部609(子機記憶部609と呼ぶ。)を主構成要素とし各部の制御を行う第二制御部606(子機制御部606と呼ぶ。)と、を備える。以上の通り、子機60は、子機20と同様の構成、同様の機能を備えているため、各部における詳細な説明を省略する。
【0123】
<設定処理の説明>
設定処理とは、子機60に親機50の親機識別符号74を送信させることで、子機60と親機50とを同期させる同期設定処理と、親機50から子機60に送信された親機識別符号74から、自身の対応する親機50を認識し、認識した親機50に対応する個別設定情報70を子機60が自機に設定する個別設定処理とが含まれる。なお、同期設定処理は、親機50が親機識別符号74を子機60に送り、子機60は子機識別符号75を親機50に送り、互いに互いの識別番号を記憶した時点で完了である。また、個別設定処理は、親機50が個別設定情報70を子機60に送り、子機60が個別識別情報70を基に設定を完了した時点で完了である。
【0124】
本実施形態の設定処理は、親機50の操作入力受付部506が操作されると、親機50の親機制御部509は、子機60の設定を行う設定登録モードに移行し、設定処理を開始する。具体的な方法は、実施の形態1に係る警報システム1の設定処理の方法と同様であるため、説明を省略する。
【0125】
<階層をまたいだシステム構成の説明>
上記で説明した1グループのシステムは、例えば、
図9に示されるシステム構成で使用される。本実施形態の警報システム3は、例えば3階建ての建物Aに設置されており、エリアの各々に、有線中継器として機能する1台の親機10と感知器として機能する3台の子機20(20A、20B,20C)が配置されている。
【0126】
ここで、1階~3階に設置された1台の親機10と3台の子機20は、それぞれグループを構成しており、1階はグループ1(G1)、2階はグループ2(G2)、3階はグループ3である。グループG1,G2、G3の各々には、異なるチャンネル周波数f(f1,f2,f3)が割り当てられており、各グループに属する警報器は自己のグループに割り当てられたチャンネル周波数fを使用して信号の送受信を行う。グループG1,G2、G3に設けられた子機60は、火災を検出した場合、警報音を鳴動するとともに、自己のグループに属する親機50に火災検知信号を送信する。
【0127】
また、有線中継器である親機50は、隣接する親機50と有線によって通信可能に接続されており、階ごとに設定されたグループ間を中継する役割隣接する役割をする。そのため、実施の形態2と同様、いずれかのグループに属する子機60で火災を検知した場合であっても、親機50を介して他の階の子機60の連動した警報の鳴動が行われるため、建物Aにいるユーザに火災発生を確実に鳴動し、避難等の対処行動を促すことが可能となる。
【0128】
図9に示すような階層をまたいだシステム構成の場合、設定処理は実施の形態2と同様、グループG1、G2、G3ごとに行われる。つまり、各グループの親機50が記憶する個別設定情報70を同じグループに属する子機60に送信させることで、子機60が個別設定情報70を記憶する。そして、子機60の子機制御部206は、個別設定情報70に基づき、自機の設定を行う。この時、各グループの親機50が記憶する個別設定情報70は、親機50ごとに異なっていることが想定される。しかし、これに限定されることなく、全ての親機50が同じ個別設定情報70を記憶しても良い。
【0129】
<効果等>
本実施形態では、親機50が有線中継器である場合を説明したが、親機50が色々な商材に代わっても実施の形態1と同様の効果を得ることができる。つまり、親機50が記憶する個別設定情報70を子機60に送信し、子機60が個別設定情報70に基づいて自機の設定を行うことが可能である。そのため、親機50や子機60を1台ずつ操作させ、設定に必要な情報を記憶させた後に、親機50と子機60とで記憶した情報を交換し、設定登録を行う場合と比較して、設定に必要な作業を簡略することができ、かつ登録に必要な時間を短くすることができる。
【0130】
以上より、子機が複数の親機の親機識別符号と子機の設定に関する個別設定処理を対応付けたデータテーブルを記憶するため、データテーブルに格納されている親機識別符号を持つ警報器であれば、親機に適用することができる。また、子機はどの警報器が親機になっても対応することができ、子機自身で個別設定が可能である。
【符号の説明】
【0131】
1 警報システム
2 警報システム
3 警報システム
10 第一機器(親機)
20 第二機器(子機)
30 第一機器(親機)
40 第二機器(子機)
50 第一機器(親機)
60 第二機器(子機)
70 個別設定情報
71 再鳴動時間
72 ラッチ情報
73 通信プロトコル
74 親機識別符号
75 子機識別符号
76 データテーブル
101 送受信部
102 検知部
103 報知部
104 操作入力受付部
105 電源部
106 第一制御部(親機制御部)
107 アンテナ
108 スイッチ
109 第一記憶部(親機記憶部)
201 送受信部
202 検知部
203 報知部
204 操作入力受付部
205 電源部
206 第二制御部(子機制御部)
207 アンテナ
208 スイッチ
209 第二記憶部(子機記憶部)
301 第一送受信部
302 第二送受信部
303 報知部
304 操作入力受付部
305 電源部
306 第一制御部(親機制御部)
307 第一記憶部(親機記憶部)
308 第一アンテナ
309 第二アンテナ
310 スイッチ
401 送受信部
402 検知部
403 報知部
404 操作入力受付部
405 電源部
406 第二制御部(子機制御部)
407 アンテナ
408 スイッチ
409 第二記憶部(子機記憶部)
501 無線送受信部
502 有線送受信部
503 操作部
504 報知部
505 表示部
506 操作入力受付部
507 電源部
508 表示灯
509 第一制御部(親機制御部)
510 第一記憶部(親機記憶部)
511 アンテナ
512 通信線
513 スイッチ
601 送受信部
602 検知部
603 報知部
604 操作入力受付部
605 電源部
606 第二制御部(子機制御部)
607 アンテナ
608 スイッチ
609 第二記憶部(子機記憶部)