(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】発光装置およびプロジェクター
(51)【国際特許分類】
H01S 5/30 20060101AFI20240705BHJP
G03B 21/14 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
H01S5/30
G03B21/14 A
(21)【出願番号】P 2020169006
(22)【出願日】2020-10-06
【審査請求日】2023-10-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】502350504
【氏名又は名称】学校法人上智学院
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100148323
【氏名又は名称】川▲崎▼ 通
(74)【代理人】
【識別番号】100168860
【氏名又は名称】松本 充史
(72)【発明者】
【氏名】西岡 大毅
(72)【発明者】
【氏名】岸野 克巳
【審査官】皆藤 彰吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-024978(JP,A)
【文献】特開2018-142660(JP,A)
【文献】特開2013-009002(JP,A)
【文献】特開2009-117510(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/30
G03B 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
p個の柱状部からなる柱状部集合体を複数有する積層体を有し、
前記p個の柱状部の各々は、発光層を有し、
前記積層体の積層方向からみて、前記p個の柱状部のうちq個の第1柱状部における前記発光層の最小幅に対する最大幅の比は、前記p個の柱状部のうちr個の第2柱状部における前記発光層の前記比よりも大きく、
前記p個の柱状部における前記発光層の形状は、回転対称ではなく、
前記pは、2以上の整数であり、
前記qは、1以上p未満の整数であり、
前記rは、r=p-qを満たす整数であ
り、
前記p個の柱状部の各々の径は、50nm以上500nm以下であり、
前記発光層で発生した光は、前記柱状部集合体によるフォトニック結晶の効果により、レーザー光として出射される、発光装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記積層方向からみて、前記第1柱状部における前記発光層の面積は、前記第2柱状部における前記発光層の面積と等しい、発光装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記p個の柱状部の各々は、n型の第1半導体層と、p型の第2半導体層と、を有し、
前記発光層は、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられ、
前記積層方向からみて、前記第1柱状部における前記第2半導体層の前記比と前記第2柱状部における前記第2半導体層の前記比との差は、前記第1柱状部における前記発光層の前記比と前記第2柱状部の前記発光層の前記比との差よりも小さい、発光装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記第1柱状部における前記第2半導体層のキャリア濃度は、前記第2柱状部における前記第2半導体層のキャリア濃度よりも大きい、発光装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の発光装置を有する、プロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置およびプロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体レーザーは、高輝度の次世代光源として期待されている。中でも、ナノコラムを適用した半導体レーザーは、ナノコラムによるフォトニック結晶の効果によって、狭放射角で高出力の発光が実現できると期待されている。このような半導体レーザーは、例えば、プロジェクターの光源として適用される。液晶ライトバルブを用いるプロジェクターでは、光源から出射される光は、直線偏光であることが望まれている。
【0003】
GaN系ナノコラムのフォトニック結晶を利用した半導体レーザーでは、ナノコラムの配列周期や直径を変えることによって、RGBの3原色の波長に合わせた設計が可能である。ただし、赤色領域で発振させるためには、直径の大きなナノコラムを用いる必要があり、欠陥や歪みが少なく発光効率がよいというナノコラムの効果が得られ難い。そのため、直径の小さな複数のナノコラムによって構成されたナノコラム集合体をナノコラムとみなして、周期的に配列させる技術が知られている。
【0004】
ここで、ナノコラムは、特許文献1に記載されているように、三角形、正方形、六角形など回転対称性を有する格子パターンで配列されているため、発光装置から出射される光は、直線偏光でない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、複数のナノコラムによってナノコラム集合体を形成した場合においても、ナノコラム集合体が回転対称性を有する格子パターンで配列されていると、発光装置から出射される光は、直線偏光でない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る発光装置の一態様は、
p個の柱状部からなる柱状部集合体を複数有する積層体を有し、
前記p個の柱状部の各々は、発光層を有し、
前記積層体の積層方向からみて、前記p個の柱状部のうちq個の第1柱状部における前記発光層の最小幅に対する最大幅の比は、前記p個の柱状部のうちr個の第2柱状部における前記発光層の前記比よりも大きく、
前記p個の柱状部における前記発光層の形状は、回転対称ではなく、
前記pは、2以上の整数であり、
前記qは、1以上p未満の整数であり、
前記rは、r=p-qを満たす整数である。
【0008】
本発明に係るプロジェクターの一態様は、
前記発光装置の一態様を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【
図2】本実施形態に係る発光装置を模式的に示す平面図。
【
図3】本実施形態に係る発光装置を模式的に示す平面図。
【
図4】本実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
【
図5】本実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
【
図6】本実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
【
図7】本実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
【
図8】本実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
【
図9】本実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
【
図10】本実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
【
図11】本実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
【
図12】本実施形態に係るプロジェクターを模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0011】
1. 発光装置
まず、本実施形態に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る発光装置100を模式的に示す断面図である。
図2は、本実施形態に係る発光装置100を模式的に示す平面図である。なお、
図1は、
図2のI-I線断面図である。
【0012】
発光装置100は、
図1および
図2に示すように、基板10と、積層体20と、第1電極50と、第2電極52と、を有している。なお、便宜上、
図2では、第2電極52の図示を省略している。
【0013】
基板10は、例えば、Si基板、GaN基板、サファイア基板などである。
【0014】
積層体20は、基板10に設けられている。図示の例では、積層体20は、基板10上に設けられている。積層体20は、例えば、バッファー層22と、柱状部30と、を有している。
【0015】
本明細書では、積層体20の積層方向(以下、単に「積層方向」ともいう)において、発光層33を基準とした場合、発光層33から第2半導体層35に向かう方向を「上」とし、発光層33から第1半導体層31に向かう方向を「下」として説明する。また、積層方向と直交する方向を「面内方向」ともいう。
【0016】
また、本発明において、「積層体20の積層方向」とは、柱状部30の第1半導体層31と発光層33との積層方向のことである。
【0017】
バッファー層22は、基板10上に設けられている。バッファー層22は、例えば、Siがドープされたn型のGaN層などである。バッファー層22上には、柱状部30を形成するためのマスク層60が設けられている。マスク層60は、例えば、酸化シリコン層、チタン層、酸化チタン層、酸化アルミニウム層などである。
【0018】
柱状部30は、バッファー層22上に設けられている。柱状部30は、バッファー層22から上方に突出した柱状の形状を有している。柱状部30は、例えば、ナノコラム、ナ
ノワイヤー、ナノロッド、ナノピラーとも呼ばれる。柱状部30の平面形状は、例えば、正六角形などの多角形、または円である。
図2に示す例では、柱状部30の平面形状は、正六角形である。
【0019】
柱状部30の径は、例えば、50nm以上500nm以下である。柱状部30の径を500nm以下とすることによって、高品質な結晶の発光層33を得ることができ、かつ、発光層33に内在する歪みを低減することができる。これにより、発光層33で発生する光を高い効率で増幅することができる。
【0020】
なお、「柱状部の径」とは、柱状部30の平面形状が円の場合は、直径であり、柱状部30の平面形状が円ではない形状の場合は、当該形状における最小包含円の直径である。例えば、柱状部30の径は、柱状部30の平面形状が多角形の場合、該多角形を内部に含む最小の円の直径であり、柱状部30の平面形状が楕円の場合、該楕円を内部に含む最小の円の直径である。「柱状部の中心」とは、柱状部30の平面形状が円の場合は、当該円の中心であり、柱状部30の平面形状が円ではない形状の場合は、当該形状における最小包含円の中心である。また、「柱状部集合体の中心」とは、積層方向からの平面視において、柱状部集合体40を構成する柱状部30を内部に含む最小の円、すなわち最小包含円の中心である。
【0021】
柱状部30は、
図1に示すように、例えば、第1半導体層31と、第1ガイド層32と、発光層33と、第2ガイド層34と、第2半導体層35と、を有している。
【0022】
第1半導体層31は、バッファー層22上に設けられている。第1半導体層31は、基板10と発光層33との間に設けられている。第1半導体層31は、例えば、Siがドープされたn型のGaN層などである。
【0023】
第1ガイド層32は、第1半導体層31上に設けられている。第1ガイド層32は、第1半導体層31の径よりも大きい径を有している。第1ガイド層32は、例えば、i型のGaN層とi型のInGaN層とから構成された半導体超格子(SL)構造を有している。第1ガイド層32を構成するGaN層およびInGaN層の数は、特に限定されない。
【0024】
発光層33は、第1ガイド層32上に設けられている。発光層33は、第1半導体層31と第2半導体層35との間に設けられている。発光層33は、例えば、第1半導体層31よりも大きい径を有している。発光層33は、電流が注入されることで光を発生させる。発光層33は、例えば、i型のGaN層とi型のInGaN層とから構成された量子井戸(MQW)構造を有している。発光層33を構成するGaN層およびInGaN層の数は、特に限定されない。
【0025】
第2ガイド層34は、発光層33上に設けられている。第2ガイド層34は、例えば、i型のGaN層とi型のInGaN層とから構成された半導体超格子(SL)構造を有している。第2ガイド層34を構成するGaN層およびInGaN層の数は、特に限定されない。第1ガイド層32および第2ガイド層34は、発光層33と面内方向に伝搬する光との重なりを大きくする層である。これにより、光閉じ込め係数を大きくすることができる。
【0026】
第2半導体層35は、第2ガイド層34上に設けられている。第2半導体層35は、例えば、発光層33よりも大きい径を有している。第2半導体層35は、第1半導体層31と導電型の異なる層である。第2半導体層35は、例えば、Mgがドープされたp型のGaN層などである。第1半導体層31および第2半導体層35は、発光層33に光を閉じ込める機能を有するクラッド層である。
【0027】
発光装置100では、p型の第2半導体層35、不純物がドープされていないi型の発光層33およびガイド層32,34、ならびにn型の第1半導体層31により、pinダイオードが構成される。発光装置100では、第1電極50と第2電極52との間に、pinダイオードの順バイアス電圧を印加すると、発光層33に電流が注入されて発光層33において電子と正孔との再結合が起こる。この再結合により発光が生じる。発光層33で発生した光は、面内方向に伝搬し、複数の柱状部30によるフォトニック結晶の効果により定在波を形成し、発光層33で利得を受けてレーザー発振する。そして、発光装置100は、+1次回折光および-1次回折光をレーザー光として、積層方向に出射する。
【0028】
なお、図示はしないが、基板10とバッファー層22との間、または基板10の下に反射層が設けられていてもよい。該反射層は、例えば、DBR(Distributed Bragg Reflector)層である。該反射層によって、発光層33において発生した光を反射させることができ、発光装置100は、第2電極52側からのみ光を出射することができる。
【0029】
柱状部30は、柱状部集合体40を構成している。積層体20は、
図2に示すように、柱状部集合体40を複数有している。図示の例では、複数の柱状部集合体40は、三角格子状に配列されている。積層方向からみて、隣り合う柱状部集合体40の中心の間の距離は、例えば、50nm以上350nm以下である。ここで、
図3は、柱状部集合体40を模式的に示す平面図であり、発光層33と第2半導体層35とを図示している。
【0030】
柱状部集合体40は、
図2および
図3に示すように、p個の柱状部30からなる。「p」は、2以上の整数であり、例えば3以上15以下の整数であり、好ましくは3以上7以下の整数である。図示の例では、「p」は4であり、柱状部集合体40は、4個の柱状部30からなる。柱状部集合体40は、赤色領域の光を発振させることができる柱状部30の集合体である。積層方向からみて、柱状部集合体40において、隣り合う柱状部30の中心の間の距離は、例えば、50nm以上150nm以下である。
【0031】
柱状部集合体40において、
図3に示すように、積層方向からみて、例えば、p個の柱状部30の各々の中心Cで構成される図形Fは、回転対称である。すなわち、図形Fは、nを2以上の整数とした場合に、n回対称である。図示の例では、図形Fは、4回対称である。このように、例えば3個以上の中心Cからなる図形Fが回転対称であるため、図形Fが回転対称でない場合、例えば、3個以上の柱状部が1直線に並んでいる場合に比べて、面内方向において、複数の方向に共振する光をより等方的に閉じ込める。そのため、赤色領域の光を発振させることができる柱状部集合体40を構成し易い。図示の例では、柱状部30の中心Cは、図示しない平行四辺形の各頂点に配置されている。本実施形態において、図形Fが回転対称である、とは、図形Fの中心Cf周りに回転対称であることをいう。図形Fの中心Cfとは、図形Fを内部に含む最小包含円の中心である。
【0032】
柱状部集合体40において、積層方向からみて、p個の柱状部30のうちq個の第1柱状部30aにおける発光層33の最小幅に対する最大幅の比(以下、「幅比」ともいう)は、p個の柱状部30のうちr個の第2柱状部30bにおける発光層33の幅比よりも大
きい。「q」は、1以上p未満の整数であり、図示の例では、1である。「r」は、r=p-qを満たす整数であり、図示の例では、3である。
【0033】
ここで、発光層33の最大幅は、発光層33の中心を通る最大の幅である。発光層33の最小幅は、発光層33の中心を通る最小の幅である。
図3に示す例では、発光層33は、最大幅W1maxと、最小幅W1minと、を有し、最大幅W1maxの方向および最小幅W1minの方向は、互いに直交している。第1柱状部30aにおける発光層33の最大幅W1maxは、第2柱状部30bにおける発光層33の最大幅W1maxよりも大きい。第1柱状部30aにおける発光層33の最小幅W1minは、第2柱状部30bにおける発光層33の最大幅1Wminよりも小さい。
【0034】
柱状部集合体40では、第1柱状部30aの発光層33の幅比が第2柱状部30bの発光層33の幅比よりも大きいため、積層方向からみて、柱状部集合体40を構成するp個の柱状部30の発光層33の形状は、回転対称ではない。すなわち、mを2以上の整数とした場合に、柱状部集合体40の発光層33の形状は、m回対称ではない。
【0035】
柱状部集合体40では、積層方向からみて、第1柱状部30aにおける発光層33の面積は、例えば、第2柱状部30bにおける発光層33の面積と等しい。図示の例では、第1柱状部30aにおける第2半導体層35の面積は、第2柱状部30bにおける第2半導体層35の面積よりも小さい。なお、図示はしないが、柱状部30は、第1半導体層31の側方にも発光層33および第2半導体層35が配置されるコアシェル構造を有してもよく、この場合、第1柱状部30aにおける発光層33の上面および側面の面積の合計は、第2柱状部30bにおける発光層33の上面および側面の面積の合計と等しくてもよい。
【0036】
柱状部集合体40では、第1柱状部30aにおける発光層33の幅比は、第1柱状部30aにおける第2半導体層35の幅比、および第2柱状部30bにおける第2半導体層35の幅比よりも大きい。図示の例では、第2柱状部30bにおける発光層33の幅比は、第2柱状部30bにおける第2半導体層35の幅比と等しい。第2半導体層35の最大幅は、第2半導体層35の中心を通る最大の幅である。第2半導体層35の最小幅は、第2半導体層35の中心を通る最小の幅である。
図3に示す例では、第2半導体層35は、最大幅W2maxと、最小幅W2minと、を有し、最大幅W2maxの方向および最小幅W2minの方向は、互いに直交している。
【0037】
柱状部集合体40では、積層方向からみて、第1柱状部30aにおける第2半導体層35の幅比と第2柱状部30bにおける第2半導体層35の幅比との差は、例えば、第1柱状部30aにおける発光層33の幅比と第2柱状部30bにおける発光層33の幅比との差よりも小さい。積層方向からみて、第1柱状部30aにおける発光層33の幅比と第1柱状部30aにおける第2半導体層35の幅比との差は、第2柱状部30bにおける発光層33の幅比と第2柱状部30bにおける第2半導体層35の幅比との差よりも大きい。
【0038】
柱状部集合体40では、第1柱状部30aにおける第2半導体層35のキャリア濃度は、例えば、第2柱状部30bにおける第2半導体層35のキャリア濃度よりも大きい。第2半導体層35のキャリア濃度は、例えば、アトムプローブ分析法によって不純物濃度を測定することで見積もることができる。
【0039】
第1電極50は、バッファー層22上に設けられている。バッファー層22は、第1電極50とオーミックコンタクトしていてもよい。第1電極50は、第1半導体層31と電気的に接続されている。図示の例では、第1電極50は、バッファー層22を介して、第1半導体層31と電気的に接続されている。第1電極50は、発光層33に電流を注入するための一方の電極である。第1電極50としては、例えば、バッファー層22側から、
Cr層、Ni層、Au層の順序で積層したものなどを用いる。
【0040】
第2電極52は、第2半導体層35上に設けられている。第2電極52は、第2半導体層35と電気的に接続されている。第2半導体層35は、第2電極52とオーミックコンタクトしていてもよい。第2電極52は、発光層33に電流を注入するための他方の電極である。第2電極52としては、例えば、ITO(indium tin oxide)などを用いる。
【0041】
なお、上記では、InGaN系の発光層33について説明したが、発光層33としては、出射される光の波長に応じて、電流が注入されることで発光可能な様々な材料系を用いることができる。例えば、AlGaN系、AlGaAs系、InGaAs系、InGaAsP系、InP系、GaP系、AlGaP系などの半導体材料を用いることができる。
【0042】
発光装置100は、例えば、以下の作用効果を奏することができる。
【0043】
発光装置100では、p個の柱状部30からなる柱状部集合体40を複数有する積層体20を有し、p個の柱状部30の各々は、発光層33を有する。そして、積層方向からみて、p個の柱状部30のうちq個の第1柱状部30aにおける発光層33の幅比は、p個の柱状部30のうちr個の第2柱状部30bにおける発光層33の幅比よりも大きく、p個の柱状部30における発光層33の形状は、回転対称ではない。そのため、発光装置100から出射される光は、直線偏光である。したがって、発光装置100は、例えば、液晶ライトバルブを用いるプロジェクターの光源として、好適に用いられる。また、発光装置100は、例えば、単峰性の光を出射することができる。
【0044】
ここで、
図4は、柱状部集合体を構成するp個の柱状部における発光層の形状が回転対称の場合の偏光を説明するための図である。
図5は、
図4に示すV-V線の光の強度を説明するためのグラフである。
図6は、発光装置100の偏光を説明するための図である。p個の柱状部における発光層の形状が回転対称の場合、例えば、
図4に示すように、出射される光Lの各位置における電場Eの振動方向は揃っておらず、
図4および
図5に示すように、中央部では電場Eが打ち消し合う。そのため、出射される光Lの形状、すなわちビームの形状は、ドーナツ状となる。一方、発光装置100では、p個の柱状部30における発光層33の形状は回転対称ではないため、
図6に示すように、電場Eの振動方向は全て揃っており、発光装置100から出射される光は、直線偏光である。
図6に示す例では、出射される光Lの形状は、円である。すなわち、出射される光Lは、単峰性となる。
【0045】
発光装置100では、積層方向からみて、第1柱状部30aにおける発光層33の面積は、第2柱状部30bにおける発光層33の面積と等しい。そのため、発光装置100では、第1柱状部における発光層の面積が第2柱状部における発光層の面積と異なる場合に比べて、第1柱状部30aにおける発光層33の発光特性を、第2柱状部30bにおける発光層33の発光特性に近づけることができる。
【0046】
発光装置100では、p個の柱状部30の各々は、n型の第1半導体層31と、p型の第2半導体層35と、を有し、発光層33は、第1半導体層31と第2半導体層35との間に設けられている。そして、積層方向からみて、第1柱状部30aにおける第2半導体層35の幅比と第2柱状部30bにおける第2半導体層35の幅比との差(以下、「第1の差」ともいう)は、第1柱状部30aにおける発光層33の幅比と第2柱状部30bにおける発光層33の幅比との差(以下、「第2の差」ともいう)よりも小さい。そのため、発光装置100では、第1の差が第2の差よりも大きい場合に比べて、第1柱状部30aの第2半導体層35の平面形状を、第2柱状部30bの第2半導体層35の平面形状に近づけることができ、第1柱状部30aにおける第2半導体層35の比表面積を、第1柱状部30aにおける第2半導体層35の比表面積に近づけることができる。これにより、
第1柱状部30aと第2柱状部30bとの電流-電圧(I-V)特性の差を小さくすることができる。第2半導体層35の表面近傍には、電流が流れない空乏領域が存在する。そのため、第1柱状部30aにおける第2半導体層35の比表面積を、第1柱状部30aにおける第2半導体層35の比表面積に近づけることにより、第1柱状部30aと第2柱状部30bとのI-V特性の差を小さくすることができる。特に、p型の第2半導体層35は、n型の第1半導体層31よりも抵抗が高いため、第1半導体層31よりも第2半導体層35を制御する方が、I-V特性にきき易い。
【0047】
例えば、I-V特性に応じて、各柱状部に注入されるキャリア量に偏りが生じると、キャリア注入量が少ない柱状部では、相対的に利得が減少し、極端な場合には光を吸収する光学損失の原因になる。また、キャリア注入量が多い柱状部では、過剰にキャリアが注入されることで微分利得の減少や量子効率の低下が発生する。以上により、各柱状部のI-V特性が異なると、発光効率が低下する。発光装置100では、このような問題を回避することができ、直線偏光を有する高効率なレーザーを実現することができる。
【0048】
発光装置100では、第1柱状部30aにおける第2半導体層35のキャリア濃度は、第2柱状部30bにおける第2半導体層35のキャリア濃度よりも大きい。そのため、発光装置100では、例えば、第1柱状部30aにおける発光層33の幅比が第2柱状部30bにおける発光層33の幅比よりも大きいことによって、第1柱状部30aにおける第2半導体層35の面積が第2柱状部30bにおける第2半導体層35の面積よりも小さくなったとしても、第1柱状部30aにおける第2半導体層35の抵抗を、第2柱状部30bにおける第2半導体層35の抵抗に近づけることができる。
【0049】
2. 発光装置の製造方法
次に、本実施形態に係る発光装置100の製造方法について、図面を参照しながら説明する。
図7は、本実施形態に係る発光装置100の製造工程を模式的に示す断面図である。
【0050】
図7に示すように、基板10上に、バッファー層22をエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法などが挙げられる。
【0051】
次に、バッファー層22上に、マスク層60を形成する。マスク層60は、例えば、電子ビーム蒸着法やプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法などによる成膜、ならびにフォトリソグラフィーおよびエッチングによるパターニングによって形成される。
【0052】
マスク層60のパターニングは、積層方向からみて、第1柱状部30aを形成するための開口部62の幅比が、第2柱状部30bを形成するための開口部64の幅比よりも大きくなるように行われる。これにより、第1柱状部30aにおける発光層33の幅比を、第2柱状部30bにおける発光層33の幅比よりも大きくすることができる。
【0053】
さらに、マスク層60のパターニングは、例えば、積層方向からみて、第1柱状部30aにおける発光層33の面積と、第2柱状部30bにおける発光層33の面積とが等しくなるように行われる。
【0054】
図1に示すように、マスク層60をマスクとしてバッファー層22上に、第1半導体層31、第1ガイド層32、発光層33、第2ガイド層34、および第2半導体層35を、この順でエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD法、MBE法などが挙げられる。
【0055】
第2半導体層35のエピタキシャル成長は、積層方向からみて、例えば、発光層33の中心から、等方的に横方向(面内方向)に成長するような条件で行う。これにより、第1柱状部30aにおける第2半導体層35の幅比と第2柱状部30bにおける第2半導体層35の幅比との差を、第1柱状部30aにおける発光層33の幅比と第2柱状部30bの発光層33の幅比との差よりも小さくすることができる。該条件としては、成膜温度、成膜速度、組成、柱状部30の位置の条件が挙げられる。
【0056】
さらに、第2半導体層35のエピタキシャル成長は、例えば、第1柱状部30aにおける第2半導体層35のキャリア濃度が第2柱状部30bにおける第2半導体層35のキャリア濃度よりも大きくなるように行う。例えば半導体層がc面とファセット面とを有する場合、c面の方がファセット面よりもドーパントの取り込み量が多くなる。そのため、例えば、第1柱状部30aにおけるc面の割合が第2柱状部30bにおけるc面の割合よりも大きくなるような成長条件で、第1柱状部30aおよび第2柱状部30bを成長させる。これにより、第1柱状部30aにおける第2半導体層35のキャリア濃度を、第2柱状部30bにおける第2半導体層35のキャリア濃度よりも大きくすることができる。
【0057】
以上の工程により、複数の柱状部30からなる柱状部集合体40を形成することができる。
【0058】
次に、バッファー層22上に第1電極50を形成し、第2半導体層35上に第2電極52を形成する。第1電極50および第2電極52は、例えば、真空蒸着法などにより形成される。なお、第1電極50および第2電極52の形成順序は、特に限定されない。
【0059】
以上の工程により、発光装置100を製造することができる。
【0060】
3. 製造方法の変形例
次に、本実施形態に係る発光装置100の製造方法の変形例について、図面を参照しながら説明する。
図8~
図11は、本実施形態に係る発光装置100の製造工程を模式的に示す断面図である。
【0061】
上記の「2. 発光装置の製造方法」では、第1柱状部30aにおける第2半導体層35のキャリア濃度を、第2柱状部30bにおける第2半導体層35のキャリア濃度よりも大きくする例として、c面とファセット面との割合を変化させることについて説明した。
【0062】
これに対し、以下では、柱状部30を2段階で形成することにより、第1柱状部30aにおける第2半導体層35のキャリア濃度を、第2柱状部30bにおける第2半導体層35のキャリア濃度よりも大きくする例について説明する。なお、以下では、「2. 発光装置の製造方法」で説明した製造方法と同様の部分については、説明を省略または簡略する。
【0063】
上記の「2. 発光装置の製造方法」と同様に、マスク層60を形成した後、
図8に示すように、第1選択領域成長(SAG)層70と、第2SAG層72と、を形成する。SAG層70,72は、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、スパッタ法によって形成される。SAG層70,72は、例えば、酸化シリコン層、窒化シリコン層、酸化チタン層、酸化アルミニウム層などである。第2SAG層72の厚さは、第1SAG層70の厚さよりも大きい。
【0064】
次に、第1SAG層70をパターニングして開口部71を形成し、第2SAG層72をパターニングして開口部73を形成する。パターニングは、例えば、フォトリソグラフィーおよびエッチングによって行われる。開口部71は、開口部64と連通する。開口部7
3は、開口部62と連通する。
【0065】
図9に示すように、バッファー層22上であって、開口部71,73に、第1半導体層31、第1ガイド層32、発光層33、および第2ガイド層34をエピタキシャル成長させる。図示の例では、第1SAG層70の高さは、第2ガイド層34の高さと同じである。
【0066】
図10に示すように、例えばウェットエッチングによって、第1SAG層70を除去する。該ウェットエッチングの際には、開口部73に位置する第2ガイド層34がエッチングされないように、開口部73に位置する第2ガイド層34上に図示せぬ被覆層を形成してもよい。該被覆層は、第2半導体層35を成長させる際に除去される。さらに、第2SAG層72が該ウェットエッチングによって除去されないように、第2SAG層72は、図示せぬ被覆層によって覆われていてもよい。また、第2SAG層72が該ウェットエッチングによって除去されないように、第1SAG層70と第2SAG層72とで材質を変えてもよい。
【0067】
図11に示すように、第2ガイド層34上に第2半導体層35をエピタキシャル成長させる。第2半導体層35のエピタキシャル成長は、第1SAG層70を除去するためのウェットエッチングによって結晶面が出ていない第2ガイド層34(開口部73に位置する第2ガイド層34)の方が、ウェットエッチングによって結晶面が出ている第2ガイド層34よりもドーパントを取り込み易い条件で行う。これにより、第1柱状部30aにおける第2半導体層35のキャリア濃度を、第2柱状部30bにおける第2半導体層35のキャリア濃度よりも大きくすることができる。図示の例では、第2SAG層72の高さは、第2半導体層35の高さと同じである。
【0068】
その後、例えばウェットエッチングによって、第2SAG層72を除去し、第1電極50および第2電極52を形成する。
【0069】
以上の工程により、発光装置100を製造することができる。
【0070】
4. プロジェクター
次に、本実施形態に係るプロジェクターについて、図面を参照しながら説明する。
図12は、本実施形態に係るプロジェクター900を模式的に示す図である。
【0071】
プロジェクター900は、例えば、光源として、発光装置100を有している。
【0072】
プロジェクター900は、図示しない筐体と、筐体内に備えられている赤色光、緑色光、青色光をそれぞれ出射する赤色光源100R、緑色光源100G、青色光源100Bと、を有している。なお、便宜上、
図12では、赤色光源100R、緑色光源100G、および青色光源100Bを簡略化している。
【0073】
プロジェクター900は、さらに、筐体内に備えられている、第1光学素子902Rと、第2光学素子902Gと、第3光学素子902Bと、第1光変調装置904Rと、第2光変調装置904Gと、第3光変調装置904Bと、投射装置908と、を有している。第1光変調装置904R、第2光変調装置904G、および第3光変調装置904Bは、例えば、透過型の液晶ライトバルブである。投射装置908は、例えば、投射レンズである。
【0074】
赤色光源100Rから出射された光は、第1光学素子902Rに入射する。赤色光源100Rから出射された光は、第1光学素子902Rによって集光される。なお、第1光学
素子902Rは、集光以外の機能を有していてもよい。後述する第2光学素子902Gおよび第3光学素子902Bについても同様である。
【0075】
第1光学素子902Rによって集光された光は、第1光変調装置904Rに入射する。第1光変調装置904Rは、入射した光を画像情報に応じて変調させる。そして、投射装置908は、第1光変調装置904Rによって形成された像を拡大してスクリーン910に投射する。
【0076】
緑色光源100Gから出射された光は、第2光学素子902Gに入射する。緑色光源100Gから出射された光は、第2光学素子902Gによって集光される。
【0077】
第2光学素子902Gによって集光された光は、第2光変調装置904Gに入射する。第2光変調装置904Gは、入射した光を画像情報に応じて変調させる。そして、投射装置908は、第2光変調装置904Gによって形成された像を拡大してスクリーン910に投射する。
【0078】
青色光源100Bから出射された光は、第3光学素子902Bに入射する。青色光源100Bから出射された光は、第3光学素子902Bによって集光される。
【0079】
第3光学素子902Bによって集光された光は、第3光変調装置904Bに入射する。第3光変調装置904Bは、入射した光を画像情報に応じて変調させる。そして、投射装置908は、第3光変調装置904Bによって形成された像を拡大してスクリーン910に投射する。
【0080】
また、プロジェクター900は、第1光変調装置904R、第2光変調装置904G、および第3光変調装置904Bから出射された光を合成して投射装置908に導くクロスダイクロイックプリズム906を有することができる。
【0081】
第1光変調装置904R、第2光変調装置904G、および第3光変調装置904Bによって変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム906に入射する。クロスダイクロイックプリズム906は、4つの直角プリズムを貼り合わせて形成され、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが配置されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成され、カラー画像を表す光が形成される。そして、合成された光は、投射装置908によりスクリーン910上に投射され、拡大された画像が表示される。
【0082】
なお、赤色光源100R、緑色光源100G、および青色光源100Bは、発光装置100を映像の画素として画像情報に応じて制御することで、第1光変調装置904R、第2光変調装置904G、および第3光変調装置904Bを用いずに、直接的に映像を形成してもよい。そして、投射装置908は、赤色光源100R、緑色光源100G、および青色光源100Bによって形成された映像を、拡大してスクリーン910に投射してもよい。
【0083】
また、上記の例では、光変調装置として透過型の液晶ライトバルブを用いたが、液晶以外のライトバルブを用いてもよいし、反射型のライトバルブを用いてもよい。このようなライトバルブとしては、例えば、反射型の液晶ライトバルブや、デジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micro Mirror Device)が挙げられる。また、投射装置の構成は、使用されるライトバルブの種類によって適宜変更される。
【0084】
また、光源を、光源からの光をスクリーン上で走査させることにより、表示面に所望の
大きさの画像を表示させる画像形成装置である走査手段を有するような走査型の画像表示装置の光源装置にも適用することが可能である。
【0085】
上述した実施形態に係る発光装置は、プロジェクター以外にも用いることが可能である。プロジェクター以外の用途には、例えば、屋内外の照明、ディスプレイのバックライト、レーザープリンター、スキャナー、車載用ライト、光を用いるセンシング機器、通信機器等の光源がある。
【0086】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成、例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0087】
上述した実施形態および変形例から以下の内容が導き出される。
【0088】
発光装置の一態様は、
p個の柱状部からなる柱状部集合体を複数有する積層体を有し、
前記p個の柱状部の各々は、発光層を有し、
前記積層体の積層方向からみて、前記p個の柱状部のうちq個の第1柱状部における前記発光層の最小幅に対する最大幅の比は、前記p個の柱状部のうちr個の第2柱状部における前記発光層の前記比よりも大きく、
前記p個の柱状部における前記発光層の形状は、回転対称ではなく、
前記pは、2以上の整数であり、
前記qは、1以上p未満の整数であり、
前記rは、r=p-qを満たす整数である。
【0089】
この発光装置によれば、発光装置から出射される光は、直線偏光である。したがって、例えば、液晶ライトバルブを用いるプロジェクターの光源として、好適に用いられる。
【0090】
発光装置の一態様において、
前記積層方向からみて、前記第1柱状部における前記発光層の面積は、前記第2柱状部における前記発光層の面積と等しくてもよい。
【0091】
この発光装置によれば、第1柱状部における発光層の発光特性を、第2柱状部における発光層の発光特性に近づけることができる。
【0092】
発光装置の一態様において、
前記p個の柱状部の各々は、n型の第1半導体層と、p型の第2半導体層と、を有し、
前記発光層は、前記第1半導体層と前記第2半導体層との間に設けられ、
前記積層方向からみて、前記第1柱状部における前記第2半導体層の前記比と前記第2柱状部における前記第2半導体層の前記比との差は、前記第1柱状部における前記発光層の前記比と前記第2柱状部の前記発光層の前記比との差よりも小さくてもよい。
【0093】
この発光装置によれば、第1柱状部と第2柱状部とのI-V特性の差を小さくすることができる。
【0094】
発光装置の一態様において、
前記第1柱状部における前記第2半導体層のキャリア濃度は、前記第2柱状部における
前記第2半導体層のキャリア濃度よりも大きてもよい。
【0095】
この発光装置によれば、例えば、第1柱状部における第2半導体層の抵抗を、第2柱状部における第2半導体層の抵抗に近づけることができる。
【0096】
プロジェクターの一態様は、
前記発光装置の一態様を有する。
【符号の説明】
【0097】
10…基板、20…積層体、22…バッファー層、30…柱状部、30a…第1柱状部、30b…第2柱状部、31…第1半導体層、32…第1ガイド層、33…発光層、34…第2ガイド層、35…第2半導体層、40…柱状部集合体、50…第1電極、52…第2電極、60…マスク層、62,64…開口部、70…第1SAG層、71…開口部、72…第2SAG層、73…開口部、100…発光装置、900…プロジェクター、902R…第1光学素子、902G…第2光学素子、902B…第3光学素子、904R…第1光変調装置、904G…第2光変調装置、904B…第3光変調装置、906…クロスダイクロイックプリズム、908…投射装置、910…スクリーン