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特許7515122車軸数計測装置、車軸数計測システム、及び、車軸数計測方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】車軸数計測装置、車軸数計測システム、及び、車軸数計測方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/015 20060101AFI20240705BHJP
   G08G 1/04 20060101ALI20240705BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240705BHJP
【FI】
G08G1/015 A
G08G1/04 C
G06T7/00 650B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021542011
(86)(22)【出願日】2020-05-26
(86)【国際出願番号】 JP2020020800
(87)【国際公開番号】W WO2021038991
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2023-04-21
(31)【優先権主張番号】P 2019157448
(32)【優先日】2019-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】丸山 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】今川 太郎
(72)【発明者】
【氏名】日下 博也
(72)【発明者】
【氏名】野田 晃浩
【審査官】佐藤 吉信
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/064682(WO,A1)
【文献】特開2017-220076(JP,A)
【文献】特開2012-022573(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01B 11/00-11/30
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路を走行する車両の車軸数を計測する車軸数計測装置であって、
前記車両のタイヤを含む第1撮像画像を取得する第1取得部と、
前記第1撮像画像から前記タイヤを検出する検出部と、
前記車両のタイヤを含む距離画像を取得する第2取得部と、
前記第1撮像画像と前記距離画像とに基づいて、前記道路と接触しているタイヤを支持する前記車軸数を計測する計測部とを備え、
前記計測部は、前記検出部による前記タイヤの検出結果に基づいて前記距離画像における前記タイヤの位置を特定し、所定の位置から特定された前記タイヤまでの複数の第1距離、及び、前記所定の位置から、特定された前記タイヤの外部の位置であって、当該タイヤの下方の前記道路までの複数の第2距離を取得し、前記タイヤから前記タイヤの前記外部までの位置で並べた、前記複数の第1距離と前記複数の第2距離との連続性に基づいて、前記車軸数を計測する
車軸数計測装置。
【請求項3】
前記計測部は、前記タイヤにおいて、当該第1距離から前記第2距離への変化量に基づいて、前記連続性を計測する
請求項1に記載の車軸数計測装置。
【請求項4】
前記計測部は、前記タイヤにおいて、当該第1距離から前記第2距離への変化時に、前記第2距離が前記第1距離より所定量より大きいと、前記タイヤが前記道路と接触していないと特定する
請求項1又は3に記載の車軸数計測装置。
【請求項5】
前記距離画像は、TOF(Time Of Flight)方式により測定された前記第1距離及び前記第2距離を含む
請求項1、3、4のいずれか1項に記載の車軸数計測装置。
【請求項6】
前記第2取得部は、前記第1撮像画像とは異なる視点から撮像された前記タイヤを含む第2撮像画像を取得し、前記第1撮像画像と前記第2撮像画像とに基づいて前記距離画像を生成する
請求項1、3、4のいずれか1項に記載の車軸数計測装置。
【請求項7】
道路を走行する車両の車軸数を計測する車軸数計測装置であって、
前記車両のタイヤを含む第1撮像画像を取得する第1取得部と、
前記第1撮像画像から前記タイヤを検出する検出部と、
前記車両のタイヤを含む距離画像を取得する第2取得部と、
前記第1撮像画像が所定以上の明るさの環境下で撮像された画像であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて、前記車軸数を計測する計測部とを備え、
前記計測部は、(i)前記判定部により前記第1撮像画像が所定以上の明るさの環境下で撮像された画像であると判定された場合、前記第1撮像画像から前記タイヤが前記道路と接触しているか否かを特定し、特定結果に基づいて前記車軸数を計測し、(ii)前記判定部により前記第1撮像画像が前記所定以上の明るさの環境下で撮像された画像ではないと判定された場合、前記検出部による前記タイヤの検出結果に基づいて前記距離画像における前記タイヤの位置を特定し、所定の位置から特定された前記タイヤまでの複数の第1距離、及び、前記所定の位置から、特定された前記タイヤの外部の位置であって、当該タイヤの下方の前記道路までの複数の第2距離を取得し、前記タイヤから前記タイヤの前記外部までの位置で並べた、前記複数の第1距離と前記複数の第2距離との連続性に基づいて、前記車軸数を計測する
車軸数計測装置。
【請求項8】
請求項1、3~7のいずれか1項に記載の車軸数計測装置と、
前記第1撮像画像の撮像を行う第1撮像装置と、
前記距離画像を生成するための撮像を行う第2撮像装置とを備える
車軸数計測システム。
【請求項9】
道路を走行する車両の車軸数を計測する車軸数計測方法であって、
前記車両のタイヤを含む撮像画像を取得する第1取得ステップと、
前記撮像画像から前記タイヤを検出する検出ステップと、
前記車両のタイヤを含む距離画像を取得する第2取得ステップと、
前記撮像画像と前記距離画像とに基づいて、前記道路と接触しているタイヤを支持する前記車軸数を計測する計測ステップとを含み、
前記計測ステップでは、前記検出ステップによる前記タイヤの検出結果に基づいて前記距離画像における前記タイヤの位置を特定し、所定の位置から特定された前記タイヤまでの複数の第1距離、及び、前記所定の位置から、特定された前記タイヤの外部の位置であって、当該タイヤの下方の前記道路までの複数の第2距離を取得し、前記タイヤから前記タイヤの前記外部までの位置で並べた、前記複数の第1距離と前記複数の第2距離との連続性に基づいて、前記車軸数を計測する
車軸数計測方法。
【請求項10】
前記検出部は、さらに、前記第1撮像画像から前記タイヤの内部のホイールを検出し、
前記計測部は、前記所定の位置から前記タイヤの前記ホイールまでの複数の第3距離を取得し、前記第1距離から前記第2距離への変化量が、当該第1距離と前記第3距離との差分より大きい場合、前記タイヤが前記道路と接触していないと特定する
請求項1、3~7のいずれか1項に記載の車軸数計測装置。
【請求項11】
前記検出ステップでは、さらに、前記撮像画像から前記タイヤの内部のホイールを検出し、
前記計測ステップでは、前記所定の位置から前記タイヤの前記ホイールまでの複数の第3距離を取得し、前記第1距離から前記第2距離への変化量が、当該第1距離と前記第3距離との差分より大きい場合、前記タイヤが前記道路と接触していないと特定する
請求項9に記載の車軸数計測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の車軸数を計測する車軸数計測装置、車軸数計測システム、及び、車軸数計測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、3軸以上の車軸を有する車両の中には、少なくとも1軸の車軸を持ち上げて、その車軸のタイヤを地面に接しない状態にするリフトアップを行うリフトアクスル機構を装備する車両がある。
【0003】
一方、有料道路の中には、走行中に接地しているタイヤの車軸数によって、通行料金が異なる料金体系の有料道路がある。
【0004】
このような有料道路では、走行する車両に対して、その車両において接地しているタイヤの車軸数を計測する車軸数計測装置の設置が望まれる。
【0005】
特許文献1には、車軸数計測装置の一例として、例えば、カメラで撮影した画像を用いて、タイヤと路面との接地部分の輝度の低さを利用して接地しているタイヤを検出する車種判別装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平11-86185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の車軸数計測装置では、夜間など画像におけるノイズが増加する環境下で撮影された画像を用いて接地しているタイヤを検出する場合、検出精度が低下し、接地しているタイヤの車軸数を正確に計測できないという課題がある。
【0008】
そこで、本開示は、夜間など画像におけるノイズが増加する環境下においても、接地しているタイヤの車軸数を正確に計測することができる車軸数計測装置、車軸数計測システム、及び、車軸数計測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様に係る車軸数計測装置は、道路を走行する車両の車軸数を計測する車軸数計測装置であって、前記車両のタイヤを含む第1撮像画像を取得する第1取得部と、前記第1撮像画像から前記タイヤを検出する検出部と、所定の位置から前記タイヤまでの複数の第1距離、及び、前記所定の位置から、前記第1撮像画像における当該タイヤの外部の位置であって、当該タイヤの下方の前記道路までの複数の第2距離を含む距離画像を取得する第2取得部と、前記タイヤから前記タイヤの外部までの位置で並べた、前記複数の第1距離と前記複数の第2距離との連続性に基づいて、前記道路と接触しているタイヤを支持する前記車軸数を計測する計測部とを備える。
【0010】
本開示の一態様に係る車軸数計測装置は、道路を走行する車両の車軸数を計測する車軸数計測装置であって、前記車両のタイヤを含む第1撮像画像を取得する第1取得部と、前記第1撮像画像から前記タイヤを検出する検出部と、前記第1撮像画像が所定以上の明るさの環境下で撮像された画像である場合、前記第1撮像画像から前記タイヤが前記道路と接触しているか否かを特定し、特定結果に基づいて前記車軸数を計測する。
【0011】
本開示の一態様に係る車軸数計測システムは、上記の車軸数計測装置と、前記第1撮像画像の撮像を行う第1撮像装置と、前記距離画像を生成するための撮像を行う第2撮像装置とを備える。
【0012】
本開示の一態様に係る車軸数計測方法は、道路を走行する車両の車軸数を計測する車軸数計測方法であって、前記車両のタイヤを含む撮像画像を取得する第1取得ステップと、前記撮像画像から前記タイヤを検出する検出ステップと、所定の位置から前記タイヤまでの複数の第1距離、及び、前記所定の位置から、前記撮像画像における当該タイヤの外部の位置であって、当該タイヤの下方の前記道路までの複数の第2距離を含む距離画像を取得する第2取得ステップと、前記タイヤから前記タイヤの外部までの位置で並べた、前記複数の第1距離と前記複数の第2距離との連続性に基づいて、前記道路と接触しているタイヤを支持する前記車軸数を計測する計測ステップとを含む。
【発明の効果】
【0013】
本開示の一態様に係る車軸数計測装置等によれば、夜間など画像におけるノイズが増加する環境下においても、接地しているタイヤの車軸数を正確に計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A図1Aは、実施の形態1に係る車軸数計測システムの概略構成を示す図である。
図1B図1Bは、実施の形態1に係る撮像装置の設置例を示す図である。
図2図2は、実施の形態1に係る車軸数計測システムの機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態1に係る車軸数計測システムの動作を示すシーケンス図である。
図4図4は、実施の形態1に係る撮像画像の一例を示す図である。
図5図5は、実施の形態1に係る距離画像の一例を示す図である。
図6図6は、実施の形態1に係る車軸数計測装置の動作を示すフローチャートである。
図7図7は、実施の形態1に係るタイヤと道路とが接触しているか否かの判定を説明するための図である。
図8図8は、実施の形態1の変形例に係る車軸数計測システムの機能構成を示すブロック図である。
図9図9は、実施の形態1の変形例に係る車軸数計測装置の動作を示すフローチャートである。
図10図10は、実施の形態2に係る車軸数計測システムの機能構成を示すブロック図である。
図11図11は、実施の形態2に係る車軸数計測装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(本開示の概要)
車両の車軸数を計測するための画像を撮影するカメラは、例えば、高速道路の料金所付近に設置される。また、料金所付近には、道路灯などが設置され、道路はある程度の明るさで照らされている。このような状況でカメラが夜間などに車両を撮影する場合、道路付近の光量が低いので、撮影された画像はノイズの割合が多い画像となる。そのようなノイズを含む画像を用いて接地しているタイヤを検出する場合、接地しているか否かを正確に判定することが難しい。
【0016】
また、夜間などにカメラで車両を撮影する場合、当該道路灯の明かりでは道路付近の光量が低いので、露光時間が長くなる。例えば、夜間における露光時間は、昼間の露光時間より長くなる。その結果、得られる画像は、車両が尾を引くようなボケ画像となる。例えば、タイヤが尾を引くようなボケ画像となる。ボケ画像は、ノイズを含む画像の一例である。
【0017】
タイヤが回転しているか否かにより当該タイヤが接地しているか否かを判定することも可能であるが、上記のようなボケ画像を2枚以上含む動画像においては、タイヤが回転していることを正確に判定することが難しい。つまり、接地しているタイヤを正確に検出することは、難しい。
【0018】
そこで、発明者らは、夜間などの画像におけるノイズが増加する環境下においても、接地タイヤの車軸数を正確に計測する車軸数計測装置等について鋭意検討を行い、以下に説明する車軸数計測装置等を創案した。なお、以降において、道路に接地しているタイヤを接地タイヤとも記載する。
【0019】
本開示の一態様に係る車軸数計測装置は、道路を走行する車両の車軸数を計測する車軸数計測装置であって、前記車両のタイヤを含む第1撮像画像を取得する第1取得部と、前記第1撮像画像から前記タイヤを検出する検出部と、所定の位置から前記タイヤまでの複数の第1距離、及び、前記所定の位置から、前記第1撮像画像における当該タイヤの外部の位置であって、当該タイヤの下方の前記道路までの複数の第2距離を含む距離画像を取得する第2取得部と、前記タイヤから前記タイヤの外部までの位置で並べた、前記複数の第1距離と前記複数の第2距離との連続性に基づいて、前記道路と接触しているタイヤを支持する前記車軸数を計測する計測部とを備える。
【0020】
これにより、本開示の一態様に係る車軸数計測装置は、距離画像を用いて接地タイヤを支持する車軸数を計測することができるので、夜間など第1撮像画像におけるノイズが増加する環境下においても、接地タイヤの車軸数を正確に計測することができる。なお、計測部は、第1撮像画像におけるタイヤの位置から距離画像におけるタイヤの位置を取得することができる。
【0021】
また、例えば、前記計測部は、前記第1撮像画像が所定以上の明るさの環境下で撮像された画像である場合、さらに、前記第1撮像画像から前記タイヤが前記道路と接触しているか否かを特定し、前記第1撮像画像が前記環境下で撮像された画像である場合、特定結果に基づいて前記車軸数を計測する。
【0022】
所定以上の明るさの環境下においては、距離画像を生成するための距離を測定する撮像装置に外光が入射することがある。撮像装置に外光が入射すると、生成される距離画像は、外光によるノイズを含む画像となる。そのため、外光によるノイズを含む距離画像を用いて車軸数を計測する場合、接地タイヤの車軸数を正確に計測できない。
【0023】
一方、本開示の一態様に係る車軸数計測装置は、外光によるノイズを含む距離画像を用いることなく、ノイズの影響が小さい第1撮像画像を用いて接地タイヤの車軸数を計測するので、所定以上の明るさの環境下であっても、接地タイヤの車軸数を正確に計測することができる。なお、第1撮像画像は、昼間などの所定以上の明るさの環境下で撮像された場合、被写体が暗いことによるノイズの影響が小さくなる。つまり、所定以上の明るさの環境下で撮像された第1撮像画像から、接地タイヤの車軸数をより正確に計測することができる。
【0024】
また、例えば、前記計測部は、前記タイヤにおいて、当該第1距離から前記第2距離への変化量に基づいて、前記連続性を計測する。
【0025】
これにより、本開示の一態様に係る車軸数計測装置は、第1距離から第2距離への変化量が所定値以下である場合に、第1距離と第2距離との連続性があると計測し、道路と接触しているタイヤを支持する車軸であると計測することができるので、より正確に車軸数を計測することができる。
【0026】
また、例えば、前記計測部は、前記タイヤにおいて、当該第1距離から前記第2距離への変化時に、前記第2距離が前記第1距離より所定量より大きいと、前記タイヤが前記道路と接触していないと特定する。
【0027】
これにより、計測部は、所定量を用いてタイヤが道路と接触しているか否かを特定することができる。計測部は、所定量が適切に設定されることで、タイヤが道路と接触しているか否かを、容易にかつ精度よく特定することができる。
【0028】
また、例えば、前記距離画像は、TOF(Time Of Flight)方式により測定された前記第1距離及び前記第2距離を含む。
【0029】
これにより、本開示の一態様に係る車軸数計測装置は、夜間などの画像におけるノイズが増加する環境下においても、正確な距離画像を取得することができる。
【0030】
また、例えば、前記第2取得部は、前記第1撮像画像とは異なる視点から撮像された前記タイヤを含む第2撮像画像を取得し、前記第1撮像画像と前記第2撮像画像とに基づいて前記距離画像を生成する。
【0031】
これにより、本開示の一態様に係る車軸数計測装置は、2つの撮像画像を用いて、距離画像(例えば、第1距離及び第2距離を含む距離画像)を取得することができる。また、距離画像を生成するために新たにTOFカメラなどを設置することなく、例えば、既設の撮像装置を用いて距離画像を生成することができる。
【0032】
また、本開示の一態様に係る車軸数計測装置は、道路を走行する車両の車軸数を計測する車軸数計測装置であって、前記車両のタイヤを含む第1撮像画像を取得する第1取得部と、前記第1撮像画像から前記タイヤを検出する検出部と、前記第1撮像画像が所定以上の明るさの環境下で撮像された画像である場合、前記第1撮像画像から前記タイヤが前記道路と接触しているか否かを特定し、特定結果に基づいて前記車軸数を計測する。
【0033】
所定以上の明るさの環境下で撮像された第1撮像画像は、被写体が暗いことによるノイズの影響を受けにくい。つまり、所定以上の明るさの環境下で撮像された第1撮像画像から、接地タイヤの車軸数を正確に計測することができる。
【0034】
例えば、所定以上の明るさの環境下で取得された距離画像(例えば、TOF方式により取得された距離画像)は、外光によるノイズを含む画像となる。そのため、外光によるノイズを含む距離画像を用いて車軸数を計測する場合、接地タイヤの車軸数を正確に計測できない。
【0035】
よって、上記のように、所定以上の明るさの環境下で撮像された第1撮像画像を用いることで、所定以上の明るさの環境下で取得された距離画像を用いる場合に比べて、接地タイヤの車軸数を正確に計測することができる。
【0036】
また、本開示の一態様に係る車軸数計測システムは、上記に記載の車軸数計測装置と、前記第1撮像画像の撮像を行う第1撮像装置と、前記距離画像を生成するための撮像を行う第2撮像装置とを備える。
【0037】
これにより、外部から撮像画像等を取得することなく、自システムが備える第1撮像装置及び第2撮像装置からの第1撮像画像及び距離画像を用いて、接地タイヤの車軸数を計測することができる。
【0038】
また、本開示の一態様に係る車軸数計測方法は、道路を走行する車両の車軸数を計測する車軸数計測方法であって、前記車両のタイヤを含む撮像画像を取得する第1取得ステップと、前記撮像画像から前記タイヤを検出する検出ステップと、所定の位置から前記タイヤまでの複数の第1距離、及び、前記所定の位置から、前記撮像画像における当該タイヤの外部の位置であって、当該タイヤの下方の前記道路までの複数の第2距離を含む距離画像を取得する第2取得ステップと、前記タイヤから前記タイヤの外部までの位置で並べた、前記複数の第1距離と前記複数の第2距離との連続性に基づいて、前記道路と接触しているタイヤを支持する前記車軸数を計測する計測ステップとを含む。
【0039】
これにより、上記の車軸数計測装置と同様の効果を奏する。
【0040】
なお、これらの全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータで読み取り可能なCD-ROM等の非一時的記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたは記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。プログラムは、記録媒体に予め記憶されていてもよいし、インターネット等を含む広域通信網を介して記録媒体に供給されてもよい。
【0041】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0042】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0043】
また、本明細書において、同一、垂直などの要素間の関係性を示す用語、および、数値は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
【0044】
また、以下の明細書において、画像は、例えば、静止画像であるが、動画像であってもよい。また、画像は、例えば、カラー画像であるが、モノクロ画像であってもよい。
【0045】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本開示の一態様として、撮像装置が被写体を撮像して得られる撮像画像と、他の撮像装置が当該被写体を撮像して得られる距離画像とを用いて、車軸がリフトアップされている車両において、接地タイヤの車軸数を計測する車軸数計測装置等について説明する。
【0046】
[1-1.構成]
まずは、本実施の形態に係る車軸数計測装置30を備える車軸数計測システム1の構成について、図1A図2を参照しながら説明する。図1Aは、本実施の形態に係る車軸数計測システム1の構成を示す概略図である。図1Bは、本実施の形態に係る撮像装置の設置例を示す図である。図2は、本実施の形態に係る車軸数計測システム1の機能構成を示すブロック図である。
【0047】
図1A図2に示すように、車軸数計測システム1は、第1撮像装置10と、第2撮像装置20と、車軸数計測装置30とを備える。車軸数計測システム1は、道路50を走行する車両40における、接地タイヤの車軸数を計測するための情報処理システムである。
【0048】
第1撮像装置10及び第2撮像装置20は、道路50を走行する車両40を車両40の側方から撮像する。第1撮像装置10及び第2撮像装置20は、例えば、同じ領域を撮像するように道路50(又は、道路脇)に設置される。第1撮像装置10及び第2撮像装置20は、例えば、同じ画角で車両40を撮像してもよい。また、第1撮像装置10及び第2撮像装置20は、例えば、近接して設置されてもよい。本実施の形態では、第1撮像装置10と第2撮像装置20とは、車両40が走行する道路50に沿って隣接して設置される。
【0049】
第1撮像装置10は、画像センサを有し、道路50を走行する車両40の1以上のタイヤを含む1以上の撮像画像(後述する図4に示す撮像画像P1を参照)を撮像する。画像センサは、例えば、撮像素子を有する。撮像素子は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサやCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサなどの固体撮像素子を利用することができる。第1撮像装置10は、例えば、カメラ(例えば、可視光カメラ)により実現されるが、これに限定されない。また、撮像画像は、例えば、可視光画像である。
【0050】
第2撮像装置20は、距離センサを有し、道路50を走行する車両40の1以上のタイヤを含む1以上の距離画像(後述する図5に示す距離画像P2を参照)を取得する。距離センサは、発光素子と、受光素子とを有する。つまり、第2撮像装置20は、第1撮像装置10とは異なる撮像装置である。本実施の形態では、距離センサは、発光素子からの光が照射されてから受光素子が受光するまでの時間を測定し、時間差を距離に換算するTOF(Time Of Flight)方式により距離画像を取得するが、距離画像の取得方法は、これに限定されない。距離センサは、例えば、受光素子にPSD(Position Sensitive Detector)を用いて、距離変化に伴う受光素子の結像位置の変化を距離に換算する三角測距方式により距離画像を取得してもよい。第2撮像装置20は、例えば、TOF方式の距離画像カメラにより実現されるが、これに限定されない。
【0051】
なお、距離画像は、第2撮像装置20と車両40の1以上のタイヤのそれぞれとの第1距離、及び、第2撮像装置20と道路50との第2距離を含む。第2距離は、第2撮像装置20から路面までの距離であるとも言える。また、第2撮像装置20が撮像する車両40の1以上のタイヤは、第1撮像装置10が撮像する1以上のタイヤを含む。
【0052】
なお、第1撮像装置10及び第2撮像装置20のそれぞれは、例えば、現在の日時を計測するタイマ装置を有していてもよい。タイマ装置は、例えば、リアルタイムクロックによって実現される。
【0053】
上記のように、第1撮像装置10及び第2撮像装置20は、撮像により得られる情報が互いに異なる。
【0054】
ここで、第1撮像装置10及び第2撮像装置20の設置例について、図1Bを参照しながら説明する。図1Bは、車両40を前方側から見た図である。なお、図1Bでは、第2撮像装置20のみを図示しているが、第1撮像装置10においても同様のことが言える。
【0055】
図1Bに示すように、第2撮像装置20は、道路50に対して所定の角度θで設置される。角度θは、例えば、車軸数計測装置30が接地タイヤの車軸数を計測可能な距離画像を取得することができる角度である。角度θは、例えば、車両40の前方から見た場合、道路50と、第2撮像装置20の光軸Jとがなす角度である。第2撮像装置20は、例えば、光軸Jが接地タイヤと道路50との接地箇所又は設置個所付近を通るような姿勢で固定される。
【0056】
角度θは、例えば、60°以下であり、より好ましくは45°以下であり、さらに好ましくは30°以下である。また、第2撮像装置20は、角度θが0°となる道路50上(路面上)に設置されてもよいが、砂、埃などの物体が付着することを抑制する観点から、道路50に対して所定値以上の高さに設置されるとよい。そのため、角度θは、例えば、角度θが5°以上であるとよく、より好ましくは角度θが10°以上であるとよく、さらに好ましくは角度θが15°以上であるとよい。なお、所定値は、例えば、50cmであってもよく、より好ましくは100cmであってもよく、さらに好ましくは150cmであってもよい。
【0057】
なお、第1撮像装置10の角度θと、第2撮像装置20の角度θとは、互いに異なっていてもよい。
【0058】
図1A及び図2に示すように、車軸数計測装置30は、第1撮像装置10からの撮像画像と、第2撮像装置20からの距離画像とに基づいて、車両40のタイヤの接地の有無を判定し、接地タイヤの車軸数を計測し、計測結果を出力する情報処理装置である。
【0059】
図2に示すように、車軸数計測装置30は、第1通信部31と、第2通信部32と、検出部33と、計測部34とを有する。車軸数計測装置30は、例えば、マイクロプロセッサ(図示しない)とメモリ(図示しない)とを備えるコンピュータ(図示しない)において、メモリに記憶されたプログラムをマイクロプロセッサが実行することによって実現される。
【0060】
第1通信部31は、車軸数計測装置30が第1撮像装置10と通信を行うための通信回路(言い換えれば、通信モジュール)である。第1通信部31は、例えば、第1撮像装置10から撮像画像を取得する。第1通信部31は、第1取得部の一例である。
【0061】
第2通信部32は、車軸数計測装置30が第2撮像装置20と通信を行うための通信回路(言い換えれば、通信モジュール)である。第2通信部32は、例えば、第2撮像装置20から距離画像を取得する。第2通信部32は、第2取得部の一例である。
【0062】
第1通信部31及び第2通信部32のそれぞれは、例えば、無線通信を行うための無線通信回路であるが、有線通信を行うための有線通信回路であってもよい。第1通信部31及び第2通信部32が行う通信の通信規格については特に限定されない。また、第1通信部31と第2通信部32とは、1つの通信回路により構成されてもよい。
【0063】
検出部33は、第1撮像装置10から取得された1以上の撮像画像から、1以上のタイヤを検出する。検出部33におけるタイヤの検出方法は、特に限定されず、従来技術が用いられてもよい。検出部33は、例えば、予め、タイヤ認識に関する機械学習を行っておくことで、タイヤの検出を行ってもよい。つまり、検出部33は、タイヤ認識に関する学習済みモデルを用いることで、タイヤの検出を行ってもよい。また、検出部33は、例えば、テンプレートマッチング法を利用して、タイヤの検出を行ってもよい。
【0064】
検出部33は、1以上のタイヤを検出することで、1以上のタイヤのそれぞれの位置を示す情報を取得することができる。タイヤの位置を示す情報は、撮像画像上の位置(例えば、ピクセル位置)であってもよい。また、タイヤの位置は、タイヤの中心位置であってもよいし、タイヤが存在する領域であってもよい。
【0065】
また、検出部33は、さらに、検出された1以上のタイヤのそれぞれにおけるホイールを検出してもよい。検出部33におけるホイールの検出方法は、タイヤの検出方法と同様に特に限定されず、従来技術が用いられてもよい。
【0066】
検出部33は、例えば、1以上のホイールを検出することで、1以上のホイールのそれぞれの位置を示す情報を取得することができる。ホイールの位置を示す情報は、撮像画像上の位置であってもよい。また、ホイールの位置は、ホイールの中心位置であってもよいし、ホイールが存在する領域であってもよい。
【0067】
計測部34は、検出部33が検出された1以上のタイヤのそれぞれの位置を示す位置情報と、第2撮像装置20からの距離画像とに基づいて、車両40における、道路50と接触するタイヤ(接地タイヤ)を支持する車軸の車軸数を計測する。計測部34は、位置情報と距離画像とに基づいて、タイヤが道路50と接触しているか否かを判定し、接触していると判定したタイヤの車軸数を計測する。計測部34は、例えば、距離画像におけるタイヤの位置までの複数の第1距離と、撮像画像P1における当該タイヤの外部の位置であって、当該タイヤの下方の道路50までの複数の第2距離との連続性に基づいて、タイヤが道路50と接触しているか否かを判定し、接触していると判定したタイヤの車軸数を計測する。第1距離及び第2距離は、距離画像から取得される。計測部34は、例えば、第1距離から第2距離への変化量に基づいて、タイヤが道路50と接触しているか否かを判定し、接触していると判定したタイヤの車軸数を計測する。
【0068】
[1-2.動作]
次に、上記の車軸数計測システム1の動作について、図3図7を参照しながら説明する。図3は、本実施の形態に係る車軸数計測システム1の動作を示すシーケンス図である。
【0069】
図3に示すように、第1撮像装置10は、車両40を撮像し(S11)、撮像により得られた撮像画像を車軸数計測装置30に出力する(S12)。また、第2撮像装置20は、車両40を撮像し(S21)、撮像により得られた距離画像を車軸数計測装置30に出力する(S22)。ステップS21において、第2撮像装置20の発光素子は、パルス光を照射し、第2撮像装置20の受光素子は、当該パルス光が対象物で反射された反射光を受光する。第2撮像装置20の演算部は、パルス光を照射してから反射光を受光するまでの時間差を距離に換算する演算を実行する。これにより、距離画像が得られる。
【0070】
なお、ステップS11で撮像される領域とステップS21で撮像される領域とは、車両40の1以上のタイヤを含む領域であり、例えば、同一の領域であってもよい。ステップS11で撮像される領域、及び、ステップS21で撮像される領域はそれぞれ、図1Aに示す破線領域IVであってもよい。
【0071】
なお、ステップS12で出力される撮像画像と、ステップS22で出力される距離画像とは、同時刻に撮像された画像であってもよい。同時刻に撮像された画像は、第1撮像装置10及び第2撮像装置20の撮像タイミングが同期しており、同一のタイミングで撮像動作が実行されたことにより得られた画像であってもよい。また、第1撮像装置10及び第2撮像装置20は、常時撮像を実行しており、同時刻に撮像された画像は、同時刻に撮像された画像を切り出して得られた画像であってもよい。
【0072】
次に、車軸数計測装置30は、第1撮像装置10から撮像画像を取得し、第2撮像装置20から距離画像を取得する(S31)。具体的には、車軸数計測装置30の第1通信部31は、第1撮像装置10から撮像画像を取得し、かつ、車軸数計測装置30の第2通信部32は、第2撮像装置20から距離画像を取得する。撮像画像及び距離画像の取得タイミングは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。ステップS31は、第1取得ステップ及び第2取得ステップの一例である。
【0073】
ここで、撮像画像及び距離画像について、図4及び図5を参照しながら説明する。図4は、本実施の形態に係る撮像画像P1の一例を示す図である。図5は、本実施の形態に係る距離画像P2の一例を示す図である。なお、図4及び図5のそれぞれは、図1Aに示す破線領域IVを撮像した画像である。また、図5では、第2撮像装置20からの距離をグレースケールで示しており、近いほど白く、遠いほど黒くなるように示している。
【0074】
図4及び図5に示すように、車軸数計測装置30は、車両40における後方側車軸の後輪タイヤ41及び42を含む撮像画像P1及び距離画像P2を取得する。撮像画像P1は、第1撮像画像の一例である。また、距離画像P2は、所定の位置から計測された距離により形成される。所定の位置は、例えば、第2撮像装置20が設置されている位置であるが、これに限定されない。所定の位置は、例えば、第1撮像装置10が設置されている位置であってもよい。この場合、第2撮像装置20が撮像した距離画像に対して、第1撮像装置10と第2撮像装置20との設置位置の違いに応じた距離の補正が行われる。
【0075】
なお、ステップS31において、第1通信部31は、車両40における前方側車軸の前輪タイヤ43と、車両40における後方側車軸の後輪タイヤ41及び42とを含む撮像画像P1を第1撮像装置10から取得してもよい。また、ステップS31において、第2通信部32は、車両40における前方側車軸の前輪タイヤ43と、車両40における後方側車軸の後輪タイヤ41及び42とを含む距離画像P2を第2撮像装置20から取得してもよい。
【0076】
第1通信部31は、取得された撮像画像P1を検出部33に出力する。また、第2通信部32は、取得された距離画像P2を計測部34に出力する。
【0077】
図3を再び参照して、検出部33は、取得された撮像画像P1から1以上のタイヤを検出する(S32)。図4の例では、検出部33は、後輪タイヤ41及び42を検出する。検出部33は、例えば、後輪タイヤ41の位置を示すタイヤ領域R1と、後輪タイヤ42の位置を示すタイヤ領域R2とを検出する。また、検出部33は、取得された撮像画像P1から1以上のタイヤのそれぞれのホイールの位置を検出してもよい。後輪タイヤ41及び42は、1以上のタイヤの一例である。ステップS32は、検出ステップの一例である。
【0078】
なお、夜間等のノイズの影響が大きくなる環境下で撮像された撮像画像P1であっても、タイヤの検出は可能である。例えば、道路灯などの明かりにより道路50周辺が照らされているので、第1撮像装置10は、タイヤの検出が可能な程度の画質の撮像画像P1を撮像することができる。
【0079】
検出部33は、検出された1以上のタイヤの位置を示す位置情報を計測部34に出力する。図4の例では、検出部33は、タイヤ領域R1及びR2を示す情報を位置情報として計測部34に出力する。
【0080】
計測部34は、距離画像P2に基づいて車軸数を計測する(S33)。具体的には、計測部34は、検出部33から取得した位置情報に基づいて、距離画像P2内における1以上のタイヤの位置を特定し、特定された1以上のタイヤのそれぞれにおいて、道路50と接触しているか否かの判定を行い、判定結果に基づいて、接地タイヤの車軸数を計測する。なお、タイヤと道路50とが接触しているか否かの判定方法については、後述する。ステップS33は、計測ステップの一例である。
【0081】
次に、計測部34は、ステップS33で計測された車軸数を出力する(S34)。計測部34は、外部の装置に車軸数を出力してもよいし、車軸数計測装置30がディスプレイなどの表示部を有する場合、当該表示部に車軸数を表示させてもよい。計測部34によって計測された車軸数は、計測結果の一例である。
【0082】
続いて、車軸数計測装置30の動作について、図6を参照しながら説明する。図6は、本実施の形態に係る車軸数計測装置30の動作を示すフローチャートである。
【0083】
図6に示すように、車軸数計測装置30は、撮像画像P1及び距離画像P2を取得する(S101)。撮像画像P1は、検出部33に出力される。また、距離画像P2は、計測部34に出力される。ステップS101は、図3に示すステップS31に相当する。
【0084】
次に、検出部33は、撮像画像P1から1以上のタイヤを検出する(S102)。検出部33は、例えば、撮像画像P1から1以上のタイヤのそれぞれの位置を特定する。検出部33は、検出された1以上のタイヤの位置を示す位置情報を計測部34に出力する。ステップS102は、図3に示すステップS32に相当する。
【0085】
次に、計測部34は、検出部33から取得した位置情報に基づいて、距離画像P2における1以上のタイヤの位置を特定する(S103)。本実施の形態では、撮像画像P1と距離画像P2とは同一の領域(例えば、破線領域IV)を撮像した画像である。そのため、撮像画像P1におけるタイヤの位置と、距離画像P2におけるタイヤの位置とは、等しい。よって、計測部34は、例えば、図5に示すように、位置情報に含まれるタイヤ領域R1及びR2を距離画像P2に重畳する。
【0086】
このように、計測部34は、検出部33から取得した位置情報に基づいて、距離画像P2における1以上のタイヤの位置を特定する。本実施の形態では、撮像画像P1は、距離画像P2において1以上のタイヤの位置を特定するために用いられる。言い換えると、本実施の形態では、撮像画像P1は、タイヤが道路50と接触しているか否かの判定には用いられない。
【0087】
なお、計測部34は、位置情報に所定の補正を加えて、補正後の位置情報に基づいて距離画像P2内の1以上のタイヤの位置を特定してもよい。所定の補正を加えるとは、例えば、撮像画像P1における、タイヤ領域R1の位置及び大きさの少なくとも1つを補正することを含む。計測部34は、例えば、第1撮像装置10及び第2撮像装置20の設置状態の違いに応じて、撮像画像P1で検出されたタイヤ領域R1及びR2を、当該タイヤ領域R1及びR2に対応する距離画像P2上の領域に変換して重畳する処理を行ってもよい。設置状態は、第1撮像装置10及び第2撮像装置20が設置されている位置、及び、光軸Jの向きなどを含む。
【0088】
次に、計測部34は、1以上のタイヤの位置が特定された距離画像P2に基づいて、タイヤが道路50と接触しているか否かを判定する(S104)。言い換えると、計測部34は、距離画像P2におけるタイヤから道路50における距離の値の連続性に基づいて、車両40における、道路50と接触するタイヤの車軸数を計測する。具体的には、計測部34は、距離画像P2における第2撮像装置20からタイヤまでの第1距離と、第2撮像装置20から、撮像画像P1における当該タイヤの外部の位置であって、当該タイヤの下方の道路50までの第2距離との連続性に基づいて、車両40における、道路50と接触するタイヤの車軸数を計測する。
【0089】
計測部34は、例えば、タイヤから当該タイヤの外部までの位置で並べた、複数の第1距離と複数の第2距離との連続性に基づいて、道路50と接触しているタイヤを支持する車軸数を計測する。
【0090】
計測部34は、例えば、タイヤの中心を通る直線であり、かつ、車両40を側方から見たときに垂直方向の下向きに伸びる直線上であって、当該タイヤから道路50における第2撮像装置20との距離の連続性に基づいて、車両40のタイヤの道路50との接地を判定し、車両40における、道路50と接触するタイヤの車軸数を計測する。タイヤの中心は、例えば、ホイールの中心であってもよい。
【0091】
計測部34は、例えば、後輪タイヤ41においては、計測領域R3内における距離の連続性に基づいて、後輪タイヤ41が道路50と接触しているか否かを判定する。計測領域R3は、例えば、後輪タイヤ41の一部、及び、タイヤ領域R1より下方の領域を含む。例えば、計測領域R3は、後輪タイヤ41の中心と、当該後輪タイヤ41の中心の下方の道路50とを含む領域である。
【0092】
また、計測部34は、例えば、後輪タイヤ42においては、計測領域R4内における距離の連続性に基づいて、後輪タイヤ42が道路50と接触しているか否かを判定する。計測領域R4は、例えば、後輪タイヤ42の一部、及び、タイヤ領域R2より下方の領域を含む。例えば、計測領域R4は、後輪タイヤ42の中心と、当該後輪タイヤ42の中心の下方の道路50とを含む領域である。
【0093】
計測部34は、計測領域R3及びR4のそれぞれにおいて、タイヤから道路50における距離の連続性の有無を判定する。図7は、本実施の形態に係るタイヤと道路50とが接触しているか否かの判定を説明するための図である。図7の(a)は、計測領域R3における距離の連続性の判定を説明するための図である。つまり、図7の(a)は、後輪タイヤ41が道路50と接触しているか否かを判定するための距離の計測結果を示す。また、図7の(b)は、計測領域R4における距離の連続性の判定を説明するための図である。つまり、図7の(b)は、後輪タイヤ42が道路50と接触しているか否かを判定するための距離の計測結果を示す。
【0094】
なお、図7の(a)及び図7の(b)は、ホイールから道路50における第2撮像装置20との距離を計測した計測結果であるが、少なくともタイヤと第2撮像装置20との距離及びタイヤの直下周辺の位置の道路50と第2撮像装置20の距離を計測した計測結果を含んでいればよい。なお、車両40の進行方向とは、図7の紙面に対する垂直方向である。また、図7の(a)及び(b)における距離は、車両40を側方から見たときの距離である。「距離:小」とは、第2撮像装置20との距離が近いことを意味する。
【0095】
図7の(a)に示すように、後輪タイヤ41と道路50との境界において、距離が連続していない。具体的には、図7の(a)に示す二点鎖線領域において、距離が連続していない。後輪タイヤ41の最下点と、距離画像P2上における後輪タイヤ41の直下の位置とは、距離の変化量d1が発生している。これは、後輪タイヤ41が道路50から浮いており、距離画像P2において、後輪タイヤ41の直下の位置が後輪タイヤ41より遠方の道路50となるためである。なお、図7の(a)におけるタイヤと道路50との境界の破線は、図5のタイヤ領域R1を構成する、車両40の進行方向に伸びる破線のうち下側(道路50側)の破線の位置を示す。後輪タイヤ41の直下の位置は、タイヤの道路50方向に隣接する位置の一例である。本実施の形態では、後輪タイヤ41の直下の位置は、例えば、道路50である。
【0096】
また、距離画像P2における後輪タイヤ41の直下の位置とは、後輪タイヤ41の最下点に対応するピクセル(以降において、最下点ピクセルとも記載する)から、所定ピクセル数だけ下方にあるピクセル(以降において、直下ピクセルとも記載する)の位置であってもよい。所定ピクセル数は、リフトアクスル機構により、タイヤが道路50に接触しない程度に持ち上げられていることを判定できる値であれば、どのような値であってもよい。所定ピクセル数は、例えば、1であってもよい。つまり、直下ピクセルは、最下点ピクセルに隣接するピクセルであってもよい。また、所定ピクセル数は、例えば、最下点ピクセルから、実空間換算時における所定距離(例えば、数cm)に相当するピクセル数であってもよい。
【0097】
計測部34は、例えば、変化量d1が所定量より大きい場合に、後輪タイヤ41が道路50に接触していないと判定する。つまり、計測部34は、後輪タイヤ41は、リフトアップされていると判定する。
【0098】
所定量は、後輪タイヤ41が接触しているか否かを判定できれば、どのような値であってもよい。所定量は、例えば、第2撮像装置20における角度θ等により適宜決定される。所定量は、例えば、後輪タイヤ41までの第1距離とホイールまでの第3距離との差分である凹み量d2より大きいとよい。所定量は、例えば、凹み量d2より大きく、かつ、変化量d1より小さいとよい。
【0099】
これにより、計測部34による後輪タイヤ41が道路50と接触しているか否かの判定において、誤判定が行われることを抑制することができる。例えば、変化量d1が所定量より小さく、かつ、所定量が凹み量d2より小さい場合に、凹み量d2が所定値より大きいために後輪タイヤ41が道路50と接触していないと計測部34により誤判定されてしまうことを抑制することができる。
【0100】
図7の(b)に示すように、後輪タイヤ42と道路50との境界においては、距離がなだらかに変化している。つまり、後輪タイヤ42と道路50との境界においては、距離が連続している。例えば、後輪タイヤ42の最下点と、距離画像P2上における後輪タイヤ42の直下の位置とは、距離が一致している。これは、後輪タイヤ42が道路50と接触しており、距離画像P2において、後輪タイヤ42の直下の道路50が後輪タイヤ42と同じ距離となるためである。なお、図7の(b)におけるタイヤと道路50との境界の破線は、図5のタイヤ領域R2を構成する、車両40の進行方向に伸びる破線のうち下側(道路50側)の破線の位置を示す。後輪タイヤ42の直下の位置は、タイヤの道路方向に隣接する位置の一例である。本実施の形態では、後輪タイヤ42の直下の位置は、例えば、道路50である。
【0101】
計測部34は、例えば、後輪タイヤ42と道路50との間において、距離が連続している場合に、後輪タイヤ42が道路50に接触していると判定する。つまり、計測部34は、後輪タイヤ42は、リフトアップされていないと判定する。また、計測部34は、図7の(a)に示す変化量d1が所定量以下である場合に、後輪タイヤ42が道路50に接触していると判定してもよい。
【0102】
このように、計測部34は、タイヤにおいて、第1距離から第2距離への変化量d1に基づいて、距離の連続性を計測する。すなわち、計測部34は、タイヤにおいて、第1距離から第2距離への変化量d1に基づいて、距離の連続性を判定する。
【0103】
図6を再び参照して、計測部34は、例えば、図7の(b)に示すように、後輪タイヤ42の最下点までの第1距離と、タイヤ領域R2外の位置であり、かつ、当該最下点と隣接する位置までの第2距離とが一致している、又は、2つの距離の変化量が所定量以下である場合、後輪タイヤ42が道路50と接触していると判定し(S104でYes)、後輪タイヤ42の車軸を接地タイヤの車軸数にカウントする(S105)。計測部34は、例えば、ステップS104でYesの場合、接地タイヤの車軸数に1を加算する。
【0104】
また、計測部34は、例えば、図7の(a)に示すように、後輪タイヤ41の最下点までの第1距離と、タイヤ領域R1外の位置であり、かつ、当該最下点と隣接する位置までの第2距離との変化量d1が所定量より大きい場合、タイヤが道路50と接触していないと判定し(S104でNo)、ステップS106に進む。つまり、計測部34は、タイヤにおいて、距離画像P2における当該第1距離から第2距離への変化時に、第2距離が第1距離より所定量より大きいと、タイヤが道路50と接触していないと特定する。
【0105】
なお、計測部34は、タイヤの最下点までの第1距離を用いて、上記判定を行うことに限定されない。計測部34は、タイヤまでの第1距離を用いて上記の判定を行えばよい。第1距離は、例えば、タイヤの外周までの距離であってもよいし、タイヤの外周から所定距離内側の位置までの距離であってもよい。この場合、計測部34は、タイヤの最下点以外の位置までの第1距離と、後輪タイヤ41の外部の位置であって、後輪タイヤ41の最下点と隣接する位置までの第2距離との変化量d1が所定量以下である場合に、後輪タイヤ41が道路50に接触していると判定する(S104でYes)。これも、第1距離と第2距離との連続性に基づいて、道路50と接触しているタイヤを判定することに含まれる。
【0106】
次に、計測部34は、ステップS105の処理が実行された場合、又は、ステップS104でNoと判定された場合、全てのタイヤを判定したか否かを確認する(S106)。計測部34は、例えば、ステップS102で検出された1以上のタイヤのそれぞれにおいて、ステップS104の判定が実行されたか否かを判定する。
【0107】
計測部34は、全てのタイヤを判定した場合(S106でYes)、車軸数を出力し(S107)、処理を終了する。また、計測部34は、全てのタイヤを判定していない場合(S106でNo)、ステップS104に戻り、残りのタイヤについてステップS104以降の処理を実行する。
【0108】
なお、ステップS103~S106は、図3に示すステップS33に相当する。また、ステップS107は、図3に示すステップS34に相当する。
【0109】
次に、計測部34は、ステップS106でYesと判定した場合、ステップS105でカウントされた車軸数を出力する(S107)。ステップS107は、図4に示すステップS34に相当する。
【0110】
以上のように、本実施の形態に係る車軸数計測装置30は、撮像画像P1及び距離画像P2を取得する取得部(例えば、第1通信部31及び第2通信部32)と、距離画像P2における1以上のタイヤの位置を特定するために、撮像画像P1に基づいて、1以上のタイヤを検出する検出部33と、距離画像P2における第1距離及び第2距離の連続性に基づいて、接地タイヤの車軸数を計測する計測部34とを有する。計測部34は、接地タイヤと道路50との境界(接点)では、距離画像P2上において距離が連続しており、かつ、リフトアップされたタイヤと道路50との間では、距離画像P2上において距離が連続していないことを利用して、タイヤと道路50の接地を判定し、距離の連続性から接地タイヤの車軸数を計測する。
【0111】
このように、車軸数計測装置30は、夜間など撮像画像P1におけるノイズが増加する環境下において、よりノイズが少ない距離画像P2を用いて、上記の計測を行う。よって、車軸数計測装置30は、夜間など撮像画像P1におけるノイズが増加する環境下においても、接地タイヤの車軸数を正確に計測することができる。
【0112】
(実施の形態1の変形例)
本変形例では、本開示の一態様として、所定の条件を満たす場合に、撮像画像P1から車軸数を計測する車軸数計測装置等について説明する。
【0113】
まずは、本変形例に係る車軸数計測装置30aを備える車軸数計測システム1aの構成について、図8を参照しながら説明する。図8は、本変形例に係る車軸数計測システム1aの機能構成を示すブロック図である。なお、実施の形態1に係る車軸数計測システム1と同様の構成については、実施の形態1と同様の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
【0114】
図8に示すように、車軸数計測システム1aは、第1撮像装置10と、第2撮像装置20と、車軸数計測装置30aとを備える。車軸数計測装置30aは、実施の形態1に係る車軸数計測装置30に加えて、判定部35を有する。
【0115】
本変形例において、第1撮像装置10は、車軸数計測装置30aに露光時間を示す露光時間情報を出力する。第1撮像装置10が車軸数計測装置30aに露光時間情報を出力するタイミングは、特に限定されない。第1撮像装置10は、例えば、撮像画像P1に当該撮像画像P1を撮像したときの露光時間を示す露光時間情報を含めて、車軸数計測装置30aに出力してもよい。また、第1撮像装置10は、例えば、所定の時間間隔ごとに、露光時間情報を車軸数計測装置30aに出力してもよい。また、第1撮像装置10は、撮像を開始する前に当該撮像における露光時間情報を車軸数計測装置30aに出力してもよい。また、第1撮像装置10は、例えば、車両40が第2撮像装置20の前方を走行することを示す情報を取得すると、当該車両40が第2撮像装置20の前方を走行する前に露光時間情報を車軸数計測装置30aに出力してもよい。
【0116】
第1通信部31は、車軸数計測装置30aが第1撮像装置10と通信を行うための通信回路(言い換えれば、通信モジュール)である。第1通信部31は、例えば、第1撮像装置10から撮像画像P1及び露光時間情報を取得する。第1通信部31は、第1取得部の一例である。
【0117】
判定部35は、第1撮像装置10から取得した撮像画像P1が所定以上の明るさの環境下で撮像された画像であるか否かを判定する。本実施の形態では、判定部35は、第1撮像装置10において撮像画像P1が撮像されたときの露光時間に基づいて、当該撮像画像P1が所定以上の明るさの環境下で撮像された画像であるか否かを判定する。判定部35は、例えば、撮像画像P1が撮像したときの露光時間が所定時間以下である場合、撮像画像P1が所定以上の明るさの環境下で撮像された画像であると判定する。所定時間は、第2撮像装置20における撮像において外光によるノイズが接地タイヤの検出に影響がでない程度の時間である。
【0118】
所定以上の明るさの環境とは、例えば、太陽光などの外光が道路50に照射されている環境であり、例えば、昼間の環境である。所定以上の明るさの環境は、例えば、第1撮像装置10及び第2撮像装置20の撮像領域における環境であってもよい。判定部35は、道路50に照射される外光の光量が所定値以上であるか否かを判定するとも言える。なお、撮像領域は、例えば、図4及び図5に示す破線領域IVである。
【0119】
この場合、外光が道路50により反射され、第2撮像装置20に入射することが起こり得る。当該入射した外光は、距離画像P2におけるノイズとなる。つまり、所定以上の明るさの環境下では、第2撮像装置20は、距離を制度よく測定することが困難である。
【0120】
そこで、本変形例では、計測部34は、実施の形態1の処理に加えて、判定部35により撮像画像P1が所定以上の明るさの環境下で撮像された画像であると判定されると、撮像画像P1及び距離画像P2のうち、撮像画像P1のみを用いて接地タイヤの車軸数を計測する。なお、外光とは、第2撮像装置20が出射した光以外の光であり、例えば、太陽光又は照明光などである。
【0121】
続いて、車軸数計測装置30aの動作について、図9を参照しながら説明する。図9は、本変形例に係る車軸数計測装置30aの動作を示すフローチャートである。なお、実施の形態1と同様の動作については、実施の形態1と同様の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。また、以下では、第1撮像装置10は、撮像を開始する前に当該撮像における露光時間情報を車軸数計測装置30aに出力する場合について説明する。
【0122】
図9に示すように、車軸数計測装置30aの第1通信部31は、第1撮像装置10から撮像画像P1における露光時間情報を取得する(S201)。第1通信部31は、定期的に露光時間情報を取得してもよいし、車両40が通過することが事前に検出された場合、当該車両40が第2撮像装置20の撮像領域に進入する前に露光時間情報を取得してもよい。第1通信部31は、露光時間情報を判定部35に出力する。
【0123】
次に、判定部35は、露光時間情報が示す露光時間が所定時間以下であるか否かを判定する(S202)。露光時間情報が示す露光時間が所定時間以下であるか否かを判定することは、撮像画像P1が所定以上の明るさの環境下で撮像される画像であるか否かを判定することの一例である。例えば、判定部35は、道路50付近の外光の光量が所定値以上であるか否かを判定する。
【0124】
判定部35は、露光時間情報が示す露光時間が所定時間以下である場合に、撮像画像P1が所定以上の明るさの環境下で撮像される画像であると判定し(S202でYes)、ステップS203に進む。また、判定部35は、露光時間情報が示す露光時間が所定時間より大きい場合に、撮像画像P1が所定以上の明るさの環境下で撮像される画像ではないと判定し(S202でNo)、ステップS101に進む。なお、ステップS101以降の処理は、実施の形態1の図6と同様であり説明を省略する。
【0125】
なお、上記では、判定部35は、露光時間情報に基づいて、撮像画像P1が所定以上の明るさの環境下で撮像される画像であるか否かを判定したが、これに限定されない。判定部35は、例えば、第1撮像装置10から取得された撮像画像P1に基づいて、ステップS202の判定を行ってもよい。判定部35は、例えば、撮像画像P1に含まれる画素ごとの画素値に基づいて、ステップS202の判定を行ってもよい。判定部35は、例えば、画素ごとの画素値に基づく値が所定値以上である場合に、当該撮像画像P1が所定以上の明るさの環境下で撮像された画像であると判定してもよい。この場合、第1撮像装置10は、撮像画像P1を車軸数計測装置30aに出力する。そして、第1通信部31は、取得された撮像画像P1を計測部34及び判定部35の両方に出力する。なお、画素ごとの画素値に基づく値は、例えば、画素ごとの画素値の最大値、最小値、平均値、中央値、最頻値などのいずれであってもよいし、予め定められた所定の1以上の画素の画素値であってもよいし、画素値に所定の演算が行われた値であってもよい。ステップS202の判定を行うための用いられる撮像画像P1は、例えば、前回、第1撮像装置10から取得した撮像画像P1であってもよい。
【0126】
また、判定部35は、例えば、外部の照度センサから道路50付近の照度(例えば、第2撮像装置20の撮像領域内における照度)を取得し、取得した照度に基づいて、ステップS202の判定を行ってもよい。また、判定部35は、例えば、気象情報を管理する気象情報サーバから、第2撮像装置20が設置されている地域の気象情報を取得し、取得した気象情報に基づいて、ステップS202の判定を行ってもよい。気象情報は、例えば、気温、雨量、雲量、日射量、天気、天候などである。判定部35は、例えば、日射量が所定値以上である、又は、天気が晴れであるなどの場合に、撮像画像P1が所定以上の明るさの環境下で撮像される画像であると判定してもよい。なお、照度及び気象情報は、例えば、第1通信部31及び第2通信部32の少なくとも一方を介して取得される。また、判定部35は、現在時刻を取得し、取得した現在時刻に基づいて、ステップS202の判定を行ってもよい。判定部35は、例えば、現在時刻が昼間を示す時刻である場合に、撮像画像P1が所定以上の明るさの環境下で撮像される画像であると判定してもよい。
【0127】
なお、判定部35は、ステップS202でYesと判定すると、第2撮像装置20の撮像を停止することを示す停止情報を、第2通信部32を介して第2撮像装置20に出力してもよい。これにより、第2撮像装置20は、撮像動作を停止するので、第2撮像装置20における電力消費を削減することができる。また、判定部35は、ステップS202でYesと判定すると、撮像画像P1に基づいて接地タイヤの車軸数を計測することを示す計測制御情報を、計測部34に出力してもよい。これにより、ステップS202でYesである場合に、計測部34が距離画像P2を取得したとき、計測部34が当該距離画像P2を用いて接地タイヤの車軸数を計測することを禁止することができる。
【0128】
第1通信部31は、判定部35がステップS202でYesと判定すると、第1撮像装置10から撮像画像P1を取得する(S203)。第1通信部31は、取得された撮像画像P1を検出部33に出力する。
【0129】
次に、検出部33は、撮像画像P1から1以上のタイヤを検出する(S204)。検出部33は、例えば、撮像画像P1が所定以上の明るさの環境下で撮像された画像である場合、さらに、撮像画像P1から1以上のタイヤのそれぞれが道路50と接触しているか否かを特定する。なお、ステップS204の処理は、ステップS102と同様であり、説明を省略する。
【0130】
次に、計測部34は、1以上のタイヤの位置が特定された撮像画像P1に基づいて、タイヤが道路50と接触しているか否かを判定する(S205)。つまり、計測部34は、撮像画像P1に基づいて、タイヤが道路50と接触しているか否かを特定する。タイヤが道路50と接触しているか否かを撮像画像P1に基づいて判定する判定方法は、特に限定されず、従来技術が用いられてもよい。計測部34は、例えば、後輪タイヤ42の最下点から、車両40の進行方向に伸びる基準線を算出する。そして、計測部34は、例えば、前輪タイヤ43及び後輪タイヤ42を除くタイヤ(例えば、後輪タイヤ41)に対して、当該タイヤの最下点が基準線に対して車両40の上方側に所定値以上離れているか否かにより当該タイヤが道路50と接触しているか否かを判定する。なお、計測部34は、例えば、前輪タイヤ43の最下点と、後輪タイヤ42の最下点とを結ぶ直線を、上記基準線として算出してもよい。
【0131】
ここで、上記の所定値は、前輪タイヤ43及び後輪タイヤ42を除くタイヤが、リフトアクスル機構により、道路50に接触しない程度に持ち上げられていることを示す値であれば、どのような値であってもよい。上記の所定値は、例えば、撮像画像P1における所定ピクセル数(例えば、1000ピクセル)であってもよいし、実空間換算時における所定距離(例えば、10cm)に相当する、撮像画像P1におけるピクセル数であってもよい。
【0132】
また、計測部34は、タイヤが回転しているか否かによりタイヤが道路50と接触しているか否かを判定してもよい。計測部34は、例えば、連続して撮像された2以上の撮像画像P1に基づいて、タイヤが回転しているか否かを判定し、タイヤが回転している場合に、当該タイヤが道路50と接触していると判定してもよい。
【0133】
計測部34は、タイヤが道路50と接触していると判定する(S205でYes)と、当該タイヤの車軸を接地タイヤの車軸数にカウントする(S206)。つまり、計測部34は、撮像画像P1が所定以上の明るさの環境下で撮像された画像である場合、検出部33の特定結果に基づいて、車軸数を計測する。計測部34は、例えば、ステップS205でYesの場合、接地タイヤの車軸数に1を加算する。また、計測部34は、タイヤが道路50と接触していないと判定する(S205でNo)と、ステップS207に進む。
【0134】
次に、計測部34は、ステップS206の処理が実行された場合、又は、ステップS205でNoと判定された場合、全てのタイヤを判定したか否かを確認する(S207)。計測部34は、例えば、ステップS204で検出された1以上のタイヤのそれぞれにおいて、ステップS205の処理が実行されたか否かを判定する。
【0135】
次に、計測部34は、全てのタイヤを判定した場合(S207でYes)、車軸数を出力し(S107)、処理を終了する。また、計測部34は、全てのタイヤを判定していない場合(S207でNo)、ステップS205に戻り、残りのタイヤについてステップS205の処理を実行する。
【0136】
以上のように、本変形例に係る車軸数計測装置30aは、撮像画像P1が所定以上の明るさの環境下で撮像された画像であるか否かを判定する判定部35を有する。そして、計測部34は、判定部35による判定結果により、車軸数の計測方法を切り替える。計測部34は、判定部35により撮像画像P1が所定以上の明るさの環境下で撮像された画像であると判定される(S202でYesに相当)と、撮像画像P1に基づいて、接地タイヤの車軸数を計測する(S203~S207)。また、計測部34は、判定部35により撮像画像P1が所定以上の明るさの環境下で撮像された画像ではないと判定される(S202でNoに相当)と、距離画像P2に基づいて、接地タイヤの車軸数を計測する(S101~S107)。
【0137】
このように、車軸数計測装置30aは、昼間など距離画像P2におけるノイズが増加する環境下において、よりノイズが少ない撮像画像P1を用いて、上記の計測を行う。よって、車軸数計測装置30aは、昼間など距離画像P2におけるノイズが増加する環境下においても、接地タイヤの車軸数を正確に計測することができる。
【0138】
なお、上記では、ステップS202でNoである場合、撮像画像及び距離画像に基づいて車軸数をカウントする処理が行われる例について説明したが、これに限定されない。車軸数計測装置30aは、例えば、ステップS202でNoである場合、車軸数をカウントする処理を行わなくてもよい。言い換えると、車軸数計測装置30aは、少なくともステップS202でYesである場合に、撮像画像を用いて車軸数をカウントする処理を行ってもよい。
【0139】
このように、車軸数計測装置30aは、撮像画像が所定以上の明るさの環境下で撮像された画像であるか否かを判定し、撮像画像が所定以上の明るさの環境下で撮像された画像である場合に、撮像画像を用いて車軸数を計測してもよい。この場合、車軸数の計測に、距離画像は用いられない。
【0140】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本開示の一態様として、第1撮像装置及び第2撮像装置の双方が画像センサを有しており、2つの撮像画像を用いて、車軸がリフトアップされている車両において、接地タイヤの車軸数を計測する車軸数計測装置等について説明する。
【0141】
[2-1.構成]
まずは、本実施の形態に係る車軸数計測装置130を備える車軸数計測システム100の構成について、図10を参照しながら説明する。図10は、本実施の形態に係る車軸数計測システム100の機能構成を示すブロック図である。なお、実施の形態1に係る車軸数計測システム1と同様の構成については、実施の形態1と同様の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
【0142】
図10に示すように、車軸数計測システム100は、第1撮像装置10と、第2撮像装置120と、車軸数計測装置130とを備える。
【0143】
第2撮像装置120の構成は、例えば、第1撮像装置10と同じである。具体的には、第2撮像装置120は、画像センサを有し、道路50を走行する車両40の1以上のタイヤを含む1以上の撮像画像を撮像する。画像センサは、例えば、撮像素子を有する。撮像素子は、例えば、CMOSメージセンサやCCDイメージセンサなどの固体撮像素子を利用することができる。第2撮像装置120は、例えば、カメラ(例えば、可視光カメラ)により実現されるが、これに限定されない。
【0144】
また、第1撮像装置10と第2撮像装置120とは、1つの装置として実現されてもよい。例えば、第1撮像装置10と第2撮像装置120とで、ステレオカメラを構成してもよい。第1撮像装置10と第2撮像装置120とは、例えば、同期撮像を行う。
【0145】
また、第1撮像装置10及び第2撮像装置120が設置されている位置、及び、光軸Jの向きなどは、予め固定されている。
【0146】
車軸数計測装置130は、実施の形態1に係る車軸数計測装置30に加えて、生成部136を有する。
【0147】
生成部136は、第1通信部31を介して第1撮像装置10から撮像画像P1を取得し、第2通信部32を介して第2撮像装置120から撮像画像(図示しない)を取得する。第2撮像装置120から取得する撮像画像は、第2撮像画像の一例であり、以降においては、第2撮像画像とも記載する。
【0148】
そして、生成部136は、撮像画像P1と第2撮像画像とから距離画像を生成する。生成部136が距離画像を生成する生成方法は特に限定されないが、離間して配置された2つの撮像装置で撮像された撮像画像を比較して得られた視差情報から被写体までの距離を算出することで、距離画像が生成される。生成部136は、撮像画像P1と第2撮像画像とから距離画像を生成することで当該距離画像を取得する第2取得部の一例である。
【0149】
なお、生成部136は、2つの撮像画像から距離画像を生成することに限定されず、例えば、同時に撮像された3つ以上の撮像画像から距離画像を生成してもよい。
【0150】
なお、上記では、車軸数計測システム100は、タイヤを検出するための撮像画像P1を、距離画像P2を生成するためにも用いる例について説明したが、これに限定されない。車軸数計測システム100は、例えば、3以上の撮像装置を備えていてもよい。車軸数計測システム1aは、例えば、第1撮像装置10、第2撮像装置120、及び、第3撮像装置(図示しない)を備えていてもよい。そして、車軸数計測システム100は、例えば、第1撮像装置10が撮像することで得られた撮像画像に基づいてタイヤを検出し、かつ、第2撮像装置120、及び、第3撮像装置のそれぞれが撮像することで得られた2つの撮像画像から距離画像を生成してもよい。
【0151】
[2-2.動作]
続いて、車軸数計測装置130の動作について、図11を参照しながら説明する。図11は、本実施の形態に係る車軸数計測装置130の動作を示すフローチャートである。なお、実施の形態1と同様の動作については、実施の形態1と同様の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
【0152】
図11に示すように、車軸数計測装置130は、互いに異なる視点から同時に撮像された第1撮像画像(例えば、撮像画像P1)及び第2撮像画像を取得する(S301)。具体的には、車軸数計測装置130の第1通信部31は、第1撮像装置10から第1撮像画像を取得し、かつ、車軸数計測装置130の第2通信部32は、第2撮像装置120から第2撮像画像を取得する。第1撮像画像及び第2撮像画像の取得タイミングは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0153】
第1通信部31は、取得された第1撮像画像を検出部33及び生成部136に出力する。また、第2通信部32は、取得された第2撮像画像を生成部136に出力する。
【0154】
検出部33は、第1撮像画像から1以上のタイヤを検出する(S302)。検出部33は、検出された1以上のタイヤの位置を示す位置情報を計測部34に出力する。
【0155】
生成部136は、取得された第1撮像画像と第2撮像画像とから、距離画像P2を生成する(S303)。ステップS303は、第2取得ステップの一例である。
【0156】
なお、ステップS103以降の処理は、実施の形態1と同様であり、説明を省略する。
【0157】
以上のように、本実施の形態に係る車軸数計測装置130は、2以上の撮像画像から距離画像を生成する生成部136を有する。
【0158】
このように、車軸数計測装置130は、外部から距離画像を取得することなく、接地タイヤの車軸数を計測することができる。そのため、車軸数計測システム100は、TOFカメラなどの距離画像センサを備えていなくてもよい。よって、車軸数計測システム100の構成を、簡略化することができる。また、車軸数計測システム100のコストを低減することができる。
【0159】
(他の実施の形態)
以上、本開示の1つまたは複数の態様に係る車軸数計測装置、車軸数計測システム、及び、車軸数計測方法について、実施の形態1、実施の形態1の変形例、及び、実施の形態2(以降において、実施の形態等とも記載する)に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態等に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態等に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の1つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0160】
例えば、上記実施の形態等では、車軸数計測システムが備える撮像装置は2台である例について説明したが、3台以上であってもよい。
【0161】
また、上記実施の形態等では、後輪タイヤにおいて道路と接触するタイヤの車軸数を計測する処理が実行される例について説明したが、前輪タイヤにおいても2以上のタイヤが検出された場合、後輪タイヤと同様に道路と接触するタイヤの車軸数を計測する処理が実行される。
【0162】
また、上記実施の形態等において、取得部は通信部である例について説明したが、これに限定されない。取得部は、例えば、記録媒体が接続される接続部であってもよい。接続部は、例えば、USB(Universal Serial Bus)が接続されるUSB端子、SDカードが差し込まれるSDカードスロット、光ディスクが挿入される光学ドライブなどであってもよい。
【0163】
また、フローチャートにおける各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
【0164】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0165】
また、上記実施の形態等では、車軸数計測装置は、単一の装置で実現されていたが、互いに接続された複数の装置で実現されてもよい。
【0166】
また、上記実施の形態等では、車軸数計測装置は、第1撮像装置及び第2撮像装置を有していない、つまり、車軸数計測装置と、第1撮像装置及び第2撮像装置とは、別体である例について説明したが、第1撮像装置及び第2撮像装置の少なくとも一方を有していてもよい。例えば、車軸数計測装置は、第1撮像装置及び第2撮像装置の両方を有していてもよい。この場合には、第1撮像装置は、車軸数計測装置の一部である第1撮像部として機能し、第2撮像装置は、車軸数計測装置の一部である第2撮像装置として機能する。このように、車軸数計測システムは、1つの装置(例えば、第1撮像部及び第2撮像部を有する車軸数計測装置)により構成されてもよい。
【0167】
また、上記実施の形態等における車軸数計測システムが備える装置間の通信方法については特に限定されるものではない。装置間では、無線通信が行われてもよいし、有線通信が行われてもよい。また、装置間では、無線通信および有線通信が組み合わされてもよい。
【0168】
また、上記実施の形態等における車軸数計測装置が備える構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。例えば、車軸数計測装置は、検出部と、計測部と、判定部と、生成部とを有するシステムLSIから構成されてもよい。
【0169】
システムLSIは、複数の処理部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含んで構成されるコンピュータシステムである。ROMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0170】
なお、ここでは、システムLSIとしたが、集積度の違いにより、IC、LSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、あるいはLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0171】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0172】
また、上記各種処理の全部又は一部は、電子回路等のハードウェアにより実現されても、ソフトウェアを用いて実現されてもよい。なお、ソフトウェアによる処理は、車軸数計測装置に含まれるプロセッサがメモリに記憶されたプログラムを実行することにより実現されるものである。
【0173】
また、本開示の一態様は、車軸数計測方法に含まれる特徴的な各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであってもよい。また、本開示の一態様は、そのようなプログラムが記録された、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体であってもよい。例えば、そのようなプログラムを記録媒体に記録して頒布又は流通させてもよい。例えば、頒布されたプログラムを、他のプロセッサを有する装置にインストールして、そのプログラムをそのプロセッサに実行させることで、その装置に、上記各処理を行わせることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0174】
本開示は、車両を対象として、接地しているタイヤの車軸数を計測する車軸数計測装置等に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0175】
1、1a、100 車軸数計測システム
10 第1撮像装置
20、120 第2撮像装置
30、30a、130 車軸数計測装置
31 第1通信部(第1取得部)
32 第2通信部(第2取得部)
33 検出部
34 計測部
35 判定部
40 車両
41、42 後輪タイヤ
43 前輪タイヤ
50 道路
136 生成部(第2取得部)
d1 変化量
d2 凹み量
J 光軸
P1 撮像画像(第1撮像画像)
P2 距離画像
R1、R2 タイヤ領域
R3、R4 計測領域
θ 角度
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11