(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】鼻緒付中敷き及び靴
(51)【国際特許分類】
A43B 17/00 20060101AFI20240705BHJP
A43B 13/14 20060101ALI20240705BHJP
A43B 23/02 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
A43B17/00 Z
A43B13/14 B
A43B23/02 105
(21)【出願番号】P 2020003676
(22)【出願日】2020-01-14
【審査請求日】2022-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】304053669
【氏名又は名称】有限会社 のさか
(74)【代理人】
【識別番号】100137394
【氏名又は名称】横井 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】野坂 哲也
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-117726(JP,A)
【文献】登録実用新案第3111466(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2008/0098616(US,A1)
【文献】特表2013-509246(JP,A)
【文献】特開2006-130211(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 17/00
A43B 13/14
A43B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状であり、足底を支持する中敷き本体と、
紐状であり、前記中敷き本体に載置した足の足趾側から足の内側にかけて配置された第1の横緒と、
紐状であり、前記中敷き本体に載置した足の足趾側から足の外側にかけて配置された第2の横緒と、
載置した足の内側にあたる前記中敷き本体の周縁に設けられ、前記中敷き本体の厚み方向に貫通してなるスリットであって、当該スリットに前記第1の横緒の端部を挿入して取り付ける第1の取付部と、
載置した足の外側にあたる前記中敷き本体の周縁に設けられ、前記中敷き本体の厚み方向に貫通してなるスリットであって、当該スリットに前記第2の横緒の端部を挿入して取り付ける第2の取付部と
を有し、
前記中敷き本体における足の載置する面の反対面に面ファスナーが設けられ、
前記第1の横緒及び前記第2の横緒の端部に面ファスナーが設けられ、
前記第1の取付部のスリットの長さは、前記第1の横緒の幅よりも長く、前記第1の横緒は、前記スリットに挿通した状態で前記面ファスナーを着脱して複数の取り付け位置に変更でき、
前記第2の取付部のスリットの長さは、前記第2の横緒の幅よりも長く、前記第2の横緒は、前記スリットに挿通した状態で前記面ファスナーを着脱して複数の取り付け位置に変更できる
鼻緒付中敷き。
【請求項2】
載置した足の足趾近傍を支持する前記中敷き本体のつま先側に設けられ、当該中敷き本体に前記第1の横緒及び前記第2の横緒を取り付ける第3の取付部
をさらに有し、
前記第3の取付部は、前記中敷き本体の長さ方向に複数の取り付け位置を含む
請求項1に記載の鼻緒付中敷き。
【請求項3】
前記第1の横緒及び前記第2の横緒は、扁平な紐状であり、
前記第1の横緒及び前記第2の横緒と、前記中敷き本体における足の載置する面の反対面とを着脱自在に接続する接続部
をさらに有する
請求項2に記載の鼻緒付中敷き。
【請求項4】
前記第1の取付部、前記第2の取付部、及び前記第3の取付部は、複数の取り付け位置において、前記中敷き本体の厚み方向に、当該中敷き本体を貫通している
請求項3に記載の鼻緒付中敷き。
【請求項5】
鼻緒付中敷きを含む靴であって、
前記鼻緒付中敷きは、
シート状であり、足底を支持する中敷き本体と、
紐状であり、前記中敷き本体に載置した足の足趾側から足の内側にかけて配置された第1の横緒と、
紐状であり、前記中敷き本体に載置した足の足趾側から足の外側にかけて配置された第2の横緒と、
載置した足の内側にあたる前記中敷き本体の周縁に設けられ、前記中敷き本体の厚み方向に貫通してなるスリットであって、当該スリットに前記第1の横緒の端部を挿入して取り付ける第1の取付部と、
載置した足の外側にあたる前記中敷き本体の周縁に設けられ、前記中敷き本体の厚み方向に貫通してなるスリットであって、当該スリットに前記第2の横緒の端部を挿入して取り付ける第2の取付部と
を有し、
前記中敷き本体における足の載置する面の反対面に面ファスナーが設けられ、
前記第1の横緒及び前記第2の横緒の端部に面ファスナーが設けられ、
前記第1の取付部のスリットの長さは、前記第1の横緒の幅よりも長く、前記第1の横緒は、前記スリットに挿通した状態で前記面ファスナーを着脱して複数の取り付け位置に変更でき、
前記第2の取付部のスリットの長さは、前記第2の横緒の幅よりも長く、前記第2の横緒は、前記スリットに挿通した状態で前記面ファスナーを着脱して複数の取り付け位置に変更できる
靴。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鼻緒付中敷き及び靴に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、中敷と、この中敷の表面つま先側で、足の親指と其の隣の第2 指との間にできる親指間股部の間に位置するように立設された扁平形状の指間挟持部と、この指間挟持部の上方端部から左右に別れて伸びて足の甲側から側部にいたる間を押さえるように設けられた偏平形状の鼻緒紐部とからなるものであって、前記鼻緒紐部の夫々は該中敷の左右の中間側方を通って下面後方部でお互いの端部が回動自在に結合されていることを特徴とする鼻緒付き靴中敷が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、靴の中底と略同形状に形成された中敷き本体と、該中敷き本体に設けられた鼻緒部材取付け用の複数の鼻緒部材固定部と、この鼻緒部材固定部を介して人の足を固定する前記鼻緒部材とで構成され、前記鼻緒部材固定部は、前記中敷き本体の先端部寄りの部位に設けられた前方固定部と、この前方固定部よりも後方であり、少なくとも前記中敷き本体の前記足の中足部又はカカト部のいずれかの対応する部位に設けられた後方固定部によって、前記靴の先端部の内面と前記足の足指部の先との間に所要の間隙を有するように設けられていることを特徴とする中敷きが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-229378号公報
【文献】特開2017-221433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、着用者の足に合わせて適切な位置を抑えることができる鼻緒付中敷き及び靴を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る鼻緒付中敷きは、シート状であり、足底を支持する中敷き本体と、紐状であり、前記中敷き本体に載置した足の足趾側から足の内側にかけて配置された第1の横緒と、紐状であり、前記中敷き本体に載置した足の足趾側から足の外側にかけて配置された第2の横緒と、載置した足の内側にあたる前記中敷き本体の周縁に設けられ、当該中敷き本体に前記第1の横緒の端部を取り付ける第1の取付部と、載置した足の外側にあたる前記中敷き本体の周縁に設けられ、当該中敷き本体に前記第2の横緒の端部を取り付ける第2の取付部とを有し、前記第1の取付部及び前記第2の取付部の少なくとも一方は、前記中敷き本体の長さ方向、幅方向、又はその両方向に、複数の取り付け位置を含む。
【0007】
好適には、載置した足の足趾近傍を支持する前記中敷き本体のつま先側に設けられ、当該中敷き本体に前記第1の横緒及び前記第2の横緒を取り付ける第3の取付部
をさらに有し、前記第3の取付部は、前記中敷き本体の長さ方向に複数の取り付け位置を含む。
【0008】
好適には、前記第1の横緒及び前記第2の横緒は、扁平な紐状であり、前記第1の横緒及び前記第2の横緒と、前記中敷き本体における足の載置する面の反対面とを着脱自在に接続する接続部をさらに有する。
【0009】
好適には、前記第1の取付部、前記第2の取付部、及び前記第3の取付部は、複数の取り付け位置において、前記中敷き本体の厚み方向に、当該中敷き本体を貫通している。
【0010】
また、本発明に係る靴は、鼻緒付中敷きを含む靴であって、前記鼻緒付中敷きは、
シート状であり、足底を支持する中敷き本体と、紐状であり、前記中敷き本体に載置した足の足趾側から足の内側にかけて配置された第1の横緒部材と、紐状であり、前記中敷き本体に載置した足の足趾側から足の外側にかけて配置された第2の横緒部材と、
載置した足の内側にあたる前記中敷き本体の周縁に設けられ、当該中敷き本体に前記第1の横緒の端部を取り付ける第1の取付部と、載置した足の外側にあたる前記中敷き本体の周縁に設けられ、当該中敷き本体に前記第2の横緒の端部を取り付ける第2の取付部とを有し、前記第1の取付部及び前記第2の取付部の少なくとも一方は、前記中敷き本体の長さ方向、幅方向、又はその両方向に、複数の取り付け位置を含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、着用者の足に合わせて適切な位置を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施例における鼻緒付中敷き1の表面側を例示する図である。
【
図2】本実施例における鼻緒付中敷き1の裏面側を例示する図である。
【
図4】本実施例における鼻緒付中敷き1を装着した靴10を例示する図である。
【
図5】本実施例における鼻緒付中敷き1の変形例を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施形態の構成を、図面を参照して説明する。本実施形態では、説明の便宜上、右足用の鼻緒付中敷き1及び靴10を中心に説明するが、右足用及び左足用は略左右対称であり、左足用においても、右足用と同様の構成を採用することができるものとする。
【0014】
鼻緒付中敷き1の構成を説明する。
図1は、本実施例における鼻緒付中敷き1の表面側を例示する図である。
図2は、本実施例における鼻緒付中敷き1の裏面側を例示する図である。
図1及び
図2に例示するように、鼻緒付中敷き1は、鼻緒2と、中敷き本体3とを有する。
(鼻緒2)
鼻緒2は、前緒22と、横緒20と、面ファスナー320Aとを有する。
前緒22は、後述する横緒20を中敷き本体3の前部取付部314に挿入し取り付ける緒である。前緒22は、横緒20と別部材で構成してもよいし、横緒20の端部を前緒としてもよい。なお、本例の前緒22は、後者であり、第1横緒200及び第2横緒210を分離しないよう接着し構成されている。
【0015】
横緒20は、第1横緒200と、第2横緒210とを有する。
第1横緒200は、扁平な紐状であり、中敷き本体3に載置した着用者の足Ftの足趾側、具体的には第1趾及び第2趾の間から足の内側にかけて配置された緒である。第1横緒200は、一方の端部を前部取付部314の前部取付位置315に挿通して中敷き本体3の裏面にて固定され、また、他方の端部を内側取付部310の内側取付位置311に挿通して中敷き本体3の裏面にて固定される。なお、第1横緒200は、本発明に係る第1の横緒の一例である。
【0016】
第2横緒210は、扁平な紐状であり、中敷き本体3に載置した着用者の足Ftの足趾側、具体的には第1趾及び第2趾の間から足の外側にかけて配置された横緒である。第2横緒210は、一方の端部を前部取付部314の前部取付位置315に挿通して中敷き本体3の裏面にて固定され、また、他方の端部を外側取付部312の外側取付位置313に挿通して中敷き本体3の裏面にて取り付けられる。なお、第2横緒210は、本発明に係る第2の横緒の一例である。
【0017】
また、
図2に例示した第1横緒200及び第2横緒210の両端部には、面ファスナー320Aが設けられる。面ファスナー320Aは、中敷き本体3の裏面に設けた面ファスナー320Bと着脱自在に接続する接続具である。面ファスナー320Aは、面ファスナー320Bと接続しているため
図2に現れていないが、着用者の足Ftの内側に位置する第1横緒200の端部(第1横緒端部202)、着用者の足Ftの外側に位置する第2横緒210の端部(第2横緒端部212)、及び、着用者の足Ftの第1趾及び第2趾の間に位置する第1横緒200及び第2横緒210の端部(前緒端部222)に設けられ、面ファスナー320Bと着脱自在に接続する。なお、面ファスナー320A及び面ファスナー320Bは、本発明に係る接続部の一例である。
【0018】
(中敷き本体3)
中敷き本体3は、足底を支持する中敷きであり、例えば、靴の内部に予め設置された中敷き、又は、市販品の中敷きで代用することができる。中敷き本体3の載置面形状は、中敷き本体3全体的に平坦な形状のものであってもよいし、また、土踏まず近傍を支持する領域において凸曲面状に形成され、踵近傍を支持するする領域において凹曲面状に形成したのものであってもよい。中敷き本体3は、内側取付部310と、外側取付部312と、前部取付部314と、面ファスナー320Bとを有する。
【0019】
内側取付部310は、中敷き本体3に第1横緒200の第1横緒端部202を取り付ける取り付け部分である。内側取付部310は、載置した足Ftの内側にあたる中敷き本体3の周縁に設けられ、中敷き本体3に第1横緒端部202を取り付けるための複数の取付位置(内側取付位置311)にスリットを設けている。ここで、本例の内側取付部310には、内側取付位置311A~311Eが含まれる。なお、説明の便宜上、足Ftの踵側からつま先側に向かって順に内側取付位置311A~311Eと付する。内側取付位置311A~311Eは、実質的に同様の構成であり、内側取付位置311A~311Eを特に区別する必要がない場合は、単に内側取付位置311と称呼する。
複数の内側取付位置311に設けたスリットは、中敷き本体3の厚み方向に貫通してなり、中敷き本体3の長さ方向に長尺である。本例の内側取付位置311に設けたスリットの長さを、例えば、第1横緒200の幅より長く形成している。これにより、第1横緒端部202を取り付けた内側取付位置311内であっても、中敷き本体3の長さ方向に取り付け位置を変更することができる。また、内側取付部310は、中敷き本体3の幅方向に内側取付位置311A~311Eを互いに重ならない位置に並べて配置しているため、中敷き本体3の幅方向において任意の内側取付位置311に第1横緒端部202を取り付けることができる。
また、内側取付部310は、中敷き本体3の長さ方向において、載置した足Ftの土踏まず近傍からMP関節を支持する範囲内に設けられる。内側取付部310のスリット幅は、第1横緒200の厚みと同じ、又は、第1横緒200の厚みより細い。
【0020】
外側取付部312は、中敷き本体3に第2横緒210の第2横緒端部212を取り付ける取り付け部分である。外側取付部312は、載置した足Ftの外側にあたる中敷き本体3の周縁に設けられ、中敷き本体3に第2横緒端部212を取り付けるための複数の取付位置(外側取付位置313)にスリットを設けている。ここで、本例の外側取付部312には、外側取付位置313A~313Eが含まれる。なお、説明の便宜上、足Ftの踵側からつま先側に向かって順に外側取付位置313A~313Eと付する。外側取付位置313A~313Eは、実質的に同様の構成であり、外側取付位置313A~313Eを特に区別する必要がない場合は、単に外側取付位置313と称呼する。
複数の外側取付位置313に設けたスリットは、中敷き本体3の厚み方向に貫通してなり、中敷き本体3の長さ方向に長尺である。本例の外側取付位置313に設けたスリットの長さを、例えば、第2横緒210の幅より長く形成している。これにより、第2横緒端部212を取り付けた外側取付位置313内であっても、中敷き本体3の長さ方向に取り付け位置を変更することができる。また、外側取付部312は、中敷き本体3の幅方向に外側取付位置313A~313Eを互いに重ならない位置に並べて配置しているため、中敷き本体3の幅方向において任意の外側取付位置313に第2横緒端部212を取り付けることができる。
また、外側取付部312は、中敷き本体3の長さ方向において、載置した足Ftの土踏まず近傍からMP関節を支持する範囲内に設けられる。外側取付部312のスリット幅は、第2横緒210の厚みと同じ、又は、第2横緒210の厚みより細い。
【0021】
前部取付部314は、前緒22を中敷き本体3に取り付ける取り付け部分である。前部取付部314は、中敷き本体3における載置した足Ftの足趾近傍を支持する領域に設けられ、中敷き本体3に前緒22を取り付けるための取付位置(前部取付位置315)にスリットを設けている。前部取付位置315は、載置した足Ftの第1趾と第2趾の間に設けられるため、スリットは、載置した足Ftの第1趾と第2趾の間に設けられる
。前部取付位置315に設けたスリットは、中敷き本体3の厚み方向に貫通してなり、中敷き本体3の長さ方向に長尺である。本例の前部取付位置315に設けたスリットの長さを、例えば、前緒22(本例では、第1横緒200又は第2横緒210)の幅より長く形成している。これにより、前緒22を取り付けた前部取付位置315内であっても、中敷き本体3の長さ方向に取り付け位置を変更することができる。また、前部取付部314のスリット幅は、第1横緒200の厚みと同じ、又は、第1横緒200の厚みより細い。
【0022】
面ファスナー320Bは、
図2に例示したように、中敷き本体3の裏面に設けられ、第1横緒200及び第2横緒210の両端部に設けた面ファスナー320Aと着脱自在に接続する接続具である。面ファスナー320Bは、中敷き本体3の裏面において、前部取付部314の前部取付位置315の両側、内側取付部310の内側取付位置311と隣接する位置、及び、外側取付部312の外側取付位置313と隣接する位置に配置されている。なお、面ファスナー320A及び面ファスナー320Bは、本発明に係る接続部の一例である。
【0023】
次に、鼻緒2の取り付け位置を調節した鼻緒付中敷き1を説明する。
図3は、横緒20の接続位置を比較した図である。
図3に例示するように、鼻緒付中敷き1は、着用者の足Ftの大きさに応じて、横緒20の取り付け位置を調節することができる。
図3(A)は、位置A線上の取り付け位置に第1横緒200及び第2横緒210の端部を取り付けた図示例であり、
図3(B)は、位置B線上の取り付け位置に第1横緒200及び第2横緒210の端部を取り付けた図示例であり、
図3(C)は、位置C線上の取り付け位置に第1横緒200及び第2横緒210の端部を取り付けた図示例である。
図3(A)に例示するように、着用者は、第1横緒200及び第2横緒210の端部を位置A線上にある内側取付位置311C及び外側取付位置313Cに取り付けることにより、前緒22のある位置Xから位置Aまでの範囲において、横緒20で足Ftを抑えることができる。
また、
図3(B)に例示するように、着用者は、第1横緒200及び第2横緒210の端部を位置B線上にある内側取付位置311B及び外側取付位置313Bのつま先側に取り付けることにより、前緒22のある位置Xから位置Bまでの範囲において、横緒20で足Ftを抑えることができる。
また、
図3(C)に例示するように、着用者は、第1横緒200及び第2横緒210の端部を位置C線上にある内側取付位置311B及び外側取付位置313Bの踵側に取り付けることにより、前緒22のある位置Xから位置Cまでの範囲において、横緒20で足Ftを抑えることができる。
このように、着用者は、中敷き本体3に載置した足Ftに合わせて、第1横緒200及び第2横緒210の端部の取付位置を中敷き本体3の長さ方向に適宜変更することができるため、足Ftに合わせて適切な位置を抑えることができる。
なお、本図では、説明の便宜上、中敷き本体3の長さ方向に第1横緒200及び第2横緒210の端部の取付位置を変更する場合を説明したが、中敷き本体3の幅方向においても同様に取付位置を変更することができる。
【0024】
次に、鼻緒付中敷き1を装着した靴10を説明する図である。
図4は、本実施例における鼻緒付中敷き1を装着した靴10を例示する図である。
図4に例示するように、靴10は、靴の内部に鼻緒付中敷き1を配置されている。靴10を着用した着用者は、足Ftの趾間に前緒22を配置した状態で、横緒20により足Ftを抑えられる。これにより着用者は、靴10を着用しながら、草履やビーチサンダルを着用したときのように、鼻緒2に足Ftの足趾を引っ掛けて歩行することができる。
【0025】
以上説明したように、本実施例における鼻緒付中敷き1を備えた靴10によれば、横緒20の端部を取り付ける位置を着用者の足に応じて調節できるため、足の適切な位置を抑えることができる。これにより、歩行時において、草履やビーチサンダルを着用したときのような足の指使いを行うことができる。また、足の指に力が加わり体重を掛けて歩行することができるため、効率的に足の筋肉を使用することができる。さらに、足の指を使用する歩行を行うことができるため、浮き指、外反母趾、又は偏平足の予防にも効果が期待できる。その結果として、あおり歩行を行うよう促すことが期待できる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、これらに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、追加等が可能である。
なお、上記実施例では、第1横緒200及び第2横緒210の端部の取付位置を左右対称に変更する場合を説明したが、第1横緒200及び第2横緒210のどちらか一方の端部の取付位置のみを変更してもよい。
【0026】
次に、上記実施例における変形例を説明する。
[変形例]
変形例では、上記実施例と実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図5は、本実施例における鼻緒付中敷き1の変形例を例示する図である。
上記実施例では、内側取付位置311、外側取付位置313、及び、前部取付位置315において、第1横緒200の第1横緒端部202の端部をスリット内で位置を適宜調節できるよう、中敷き本体の長さ方向に長尺のスリットを設けた場合を説明したが、
図5に例示するように、本例の内側取付位置311、外側取付位置313、及び、前部取付位置315では、中敷き本体の長さ方向に複数の取付位置を設けてそれぞれにスリットを配置してもよい。例えば、内側取付位置311Aに着目して説明すると、中敷き本体の長さ方向に内側取付位置311A1~内側取付位置311A5の取付位置を設けてれぞれにスリットを配置してもよい。
【符号の説明】
【0027】
1 鼻緒付中敷き
2 鼻緒
20 横緒
200 第1横緒
202 第1横緒端部
210 第2横緒
212 第2横緒端部
22 前緒
222 前緒端部
3 中敷き本体
310 内側取付部
311 内側取付位置
312 外側取付部
313 外側取付位置
314 前部取付部
315 前部取付位置
320 面ファスナー