(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】病虫害進行度に応じた最適防除レシピ提供装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/02 20240101AFI20240705BHJP
A01N 25/00 20060101ALI20240705BHJP
A01P 19/00 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
G06Q50/02
A01N25/00 102
A01P19/00
(21)【出願番号】P 2020188966
(22)【出願日】2020-11-12
【審査請求日】2020-11-13
【審判番号】
【審判請求日】2023-10-02
(31)【優先権主張番号】10-2020-0110763
(32)【優先日】2020-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520445277
【氏名又は名称】シェルパ スペース インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】ユン,チャ ムン
【合議体】
【審判長】佐藤 智康
【審判官】田中 寛人
【審判官】月野 洋一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-176850(JP,A)
【文献】特開平11-287871(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0052547(KR,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0259108(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0109642(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
A01N1/00-65/48
A01P1/00-23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影装置及びユーザ端末と連結されて最適防除レシピを提供する装置であって、
前記撮影装置から作物の映像データを受け取る入力モジュール;
前記映像データを分析して病虫害の種類及び進行度を判断する診断モジュール;
判断された前記病虫害の種類及び進行度に応じた防除レシピを生成する処方モジュール;及び
前記防除レシピを前記ユーザ端末に伝送する通信モジュール
を含み、
前記入力モジュールは、栽培地に設置された温度センサー、湿度センサー、光センサー、ガスセンサー、土壌センサーによって測定された気温、湿度、光量、光波長、CO
2濃度、土壌pHの少なくとも一つを含む環境情報をさらに受け取り、
前記診断モジュールは、前記映像データと前記環境情報を総合分析して
現在発生した病虫害の種類及び
病虫害の強弱の程度を示す進行度を判断する、病虫害進行度に応じた最適防除レシピ提供装置。
【請求項2】
前記防除レシピは、物理的治癒法、生物学的治癒法、化学的治癒法の少なくとも一つを含む、請求項1に記載の病虫害進行度に応じた最適防除レシピ提供装置。
【請求項3】
前記物理的治癒法は、温度調節、湿度調節、光量調節、光波長調節、換気周期調節、水散布の少なくとも一つであり、
前記生物学的治癒法は、遮断網又はフェロモントラップの設置、天敵又は忌避植物の導入の少なくとも一つを含み、
前記化学的治癒法は、農薬又は環境親和的製剤の散布、土壌pH調節の少なくとも一つである、請求項2に記載の病虫害進行度に応じた最適防除レシピ提供装置。
【請求項4】
前記防除レシピは、選択可能な複数の農薬、選択された農薬の希釈度、選択された農薬の散布周期を含む、請求項3に記載の病虫害進行度に応じた最適防除レシピ提供装置。
【請求項5】
前記防除レシピは、ユーザの選択を助けるために、前記環境情報に類似する栽培環境における最適治癒法を提供する農薬別完治期間情報をさらに提供する、請求項3に記載の病虫害進行度に応じた最適防除レシピ提供装置。
【請求項6】
前記防除レシピは、前記環境情報に類似する栽培環境における農薬別完治期間の比較情報をさらに提供する、請求項5に記載の病虫害進行度に応じた最適防除レシピ提供装置。
【請求項7】
前記防除レシピは、選択された前記農薬の購買方法及び価格、防除装備の購買又はレンタル方法及び価格をさらに含む、請求項4に記載の病虫害進行度に応じた最適防除レシピ提供装置。
【請求項8】
前記診断モジュールによって病虫害の種類及び進行度が診断されると、当該病虫害の種類及び進行度に応じて撮影周期を変更し、変更された撮影周期で撮影が実行されるように、前記撮影装置に撮影周期変更指示を伝送する設定モジュールをさらに含む、請求項1に記載の病虫害進行度に応じた最適防除レシピ提供装置。
【請求項9】
撮影装置及びユーザ端末と連結された防除サーバーの最適防除レシピ提供方法であって、
入力モジュールが前記撮影装置から作物の映像データを受け取る段階;
診断モジュールが前記映像データを分析して病虫害の種類及び進行度を判断する段階;
処方モジュールが判断された前記病虫害の種類及び進行度に応じた防除レシピを生成する段階;及び
通信モジュールが前記防除レシピを前記ユーザ端末に伝送する段階
を含み、
前記防除レシピは、物理的治癒法、生物学的治癒法、化学的治癒法の少なくとも一つを提供し、
前記物理的治癒法は、温度調節、湿度調節、光量調節、光波長調節、換気周期調節、水散布の少なくとも一つであり、
前記生物学的治癒法は、遮断網又はフェロモントラップの設置、天敵又は忌避植物の導入のいずれか一つを含み、
前記化学的治癒法は、農薬又は環境親和的製剤の散布、土壌pH調節の少なくとも一つであり、
前記入力モジュールは、栽培地に設置された温度センサー、湿度センサー、光センサー、ガスセンサー、土壌センサーによって測定された気温、湿度、光量、光波長、CO
2濃度、土壌pHの少なくとも一つを含む環境情報をさらに受け取り、
前記診断モジュールは、前記映像データと前記環境情報を総合分析して
現在発生した病虫害の種類及び
病虫害の強弱の程度を示す進行度を判断する病虫害進行度に応じた最適防除レシピ提供方法。
【請求項10】
前記防除レシピは、選択可能な複数の農薬、選択された農薬の希釈度、選択された農薬の散布周期を含む、請求項9に記載の病虫害進行度に応じた最適防除レシピ提供方法。
【請求項11】
前記防除レシピは、選択された前記農薬の購買方法及び価格、防除装備の購買又はレンタル方法及び価格をさらに含む、請求項9に記載の病虫害進行度に応じた最適防除レシピ提供方法。
【請求項12】
前記防除レシピは、前記作物又は前記病虫害に関する専門家情報をさらに含む、請求項9に記載の病虫害進行度に応じた最適防除レシピ提供方法。
【請求項13】
前記処方モジュールは、治癒中の作物の治癒経過によって前記防除レシピを更新して提供する、請求項9に記載の病虫害進行度に応じた最適防除レシピ提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病虫害進行度に応じた最適防除レシピ提供装置及び方法に関し、より詳細には、病虫害の進行度に応じて、病虫害を駆除するための様々な方式の防除レシピを提供する、病虫害進行度に応じた最適防除レシピ提供装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、病虫害は病害と虫害とに区別され、病害は、穀物、野菜、果樹、花、林木などの農作物を含む全ての有用植物が病菌によって枯死、腐敗して収穫量が減ったり品質が落ちたりすることを指し、虫害は、虫によって食害、吸収害などを受けることを指す。ここで、植物に被害を与える虫を害虫という。
【0003】
病害は、植物に寄生する病原によって発生するが、伝搬が速く、被害の範囲が広い。病害の被害程度は、病原菌の種類、作物の種類・品種、病害の発生時期、気象条件によって大きく異なってくる。病原にはかび、細菌、ミコプラズマ(mycoplasma)、ウイルス、ウイロイド(viroid)などがある。害虫には昆虫の他に、ダニ、線虫類が含まれることもあり、害虫の種類によって虫害を負わせる方法が異なる。
【0004】
しかしながら、従来は病虫害が目につくまで放置してから薬剤を散布しており、病虫害が多く進行した状態では薬剤を散布しても効果がわずかであった。また、病虫害の進行度に応じて、散布する薬剤、薬剤の希釈比率、防除方式などを区別していないため、防除費用及び化学物質の使用量が大きくなるという短所もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】韓国公開特許第2020-0057839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するために導出されたものであり、病虫害の進行度に応じて、病虫害を駆除するための様々な方式の防除レシピを提供できる、病虫害進行度に応じた最適防除レシピ提供装置及び方法を提供することにその目的がある。
【0007】
本発明の他の目的は、病虫害の進行度に応じて病虫害を駆除するため、早期防除が可能で、防除費用及び化学物質の使用量を低減できる、病虫害進行度に応じた最適防除レシピ提供装置及び方法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、作物に病虫害が発生すると、作物の撮影周期を変更し、作物の治癒経過に基づいて防除レシピを持続して更新できる病虫害の最適治癒レシピ提供装置及び方法を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、以下に述べる実施例から、より明確になるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る病虫害進行度に応じた最適防除レシピ提供撮影装置及びユーザ端末と連結されて最適防除レシピを提供する装置であって、前記撮影装置から作物の映像データを受け取る入力モジュール;前記映像データを分析して病虫害の種類及び進行度を判断する診断モジュール;判断された前記病虫害の種類及び進行度に応じた防除レシピを生成する処方モジュール;及び前記防除レシピを前記ユーザ端末に伝送する通信モジュールを含むことができる。
【0011】
前記入力モジュールは、栽培地に設置された温度センサー、湿度センサー、光センサー、ガスセンサー、土壌センサーによって測定された気温、湿度、光量、光波長、CO2濃度、土壌pHの少なくとも一つを含む環境情報をさらに受け取ることができる。
【0012】
前記診断モジュールは、前記映像データと前記環境情報を総合分析して病虫害の種類及び進行度を判断できる。
【0013】
前記防除レシピは、物理的治癒法、生物学的治癒法、化学的治癒法の少なくとも一つを含むことができる。
【0014】
前記物理的治癒法は、温度調節、湿度調節、光量調節、光波長調節、換気周期調節、水散布の少なくとも一つであり、前記生物学的治癒法は、遮断網又はフェロモントラップの設置、天敵又は忌避植物の導入の少なくとも一つを含み、前記化学的治癒法は、農薬又は環境親和的製剤の散布、土壌pH調節の少なくとも一つであり得る。
【0015】
前記防除レシピは、選択可能な複数の農薬、選択された農薬の希釈度、選択された農薬の散布周期を含むことができる。
【0016】
前記防除レシピは、ユーザの選択を助けるために、前記環境情報に類似する裁培環境における最適治癒法を提供する農薬別完治期間情報をさらに提供することができる。
【0017】
前記防除レシピは、前記環境情報に類似する裁培環境で農薬別完治期間の比較情報をさらに提供することができる。
【0018】
前記防除レシピは、選択された前記農薬の購買方法及び価格、防除装備の購買又はレンタル方法及び価格をさらに含むことができる。
【0019】
前記診断モジュールによって病虫害の種類及び進行度が診断されると、当該病虫害の種類及び進行度に応じて撮影周期を変更し、変更された撮影周期で撮影が実行されるように、前記撮影装置に撮影周期変更指示を伝送する設定モジュールをさらに含むことができる。
【0020】
撮影装置及びユーザ端末と連結された防除サーバーの最適防除レシピ提供方法であって、入力モジュールが前記撮影装置から作物の映像データを受け取る段階;診断モジュールが前記映像データを分析して病虫害の種類及び進行度を判断する段階;処方モジュールが判断された前記病虫害の種類及び進行度に応じた防除レシピを生成する段階;及び通信モジュールが前記防除レシピを前記ユーザ端末に伝送する段階を含むことができる。
【0021】
前記防除レシピは、物理的治癒法、生物学的治癒法、化学的治癒法の少なくとも一つを提供することができる。
【0022】
前記物理的治癒法は、温度調節、湿度調節、光量調節、光波長調節、換気周期調節、水散布の少なくとも一つであり、前記生物学的治癒法は、遮断網又はフェロモントラップの設置、天敵又は忌避植物の導入のいずれか一つを含み、前記化学的治癒法は、農薬又は環境親和的製剤の散布、土壌pH調節の少なくとも一つであり得る。
【0023】
前記防除レシピは、選択可能な複数の農薬、選択された農薬の希釈度、選択された農薬の散布周期を含む病虫害進行度に応じたものであり得る。
【0024】
前記防除レシピは、選択された前記農薬の購買方法及び価格、防除装備の購買又はレンタル方法及び価格をさらに含むことができる。
【0025】
前記防除レシピは、前記作物又は前記病虫害に関する専門家情報をさらに含むことができる。
【0026】
前記処方モジュールは、前記治癒中である作物の治癒経過に基づいて前記防除レシピを更新して提供することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る、病虫害進行度に応じた最適防除レシピ提供装置及び方法は、次のような効果を提供する。
【0028】
本発明は、病虫害の進行度に応じて、病虫害を駆除するための様々な方式の防除レシピを提供して病虫害を効率的に防除でき、また、病虫害を駆除するための農薬の購買方法及び価格情報を共に提供してユーザの農薬購買の便宜性を向上できる効果がある。
【0029】
また、本発明は、病虫害の進行度に応じて病虫害を駆除するため、早期防除が可能で、防除費用及び化学物質の使用量を低減できる効果がある。
【0030】
また、本発明は、作物に病虫害が発生すると、作物の撮影周期を変更し、作物の治癒経過に基づいて防除レシピを持続的に更新し、病虫害の防除効率を向上できる効果がある。
【0031】
本発明の効果は、以上で言及したものに限定されず、言及していない他の効果は、以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明の一実施例に係る最適防除レシピ提供装置の模式図である。
【
図2】
図1に例示した最適防除レシピ提供装置の構成を例示するブロック図である。
【
図3】本発明の他の実施例に係る最適防除レシピ提供装置の構成を例示するブロック図である。
【
図4】本発明の他の実施例に係る防除レシピ提供方法の模式図である。
【
図5】
図4に示した実施例の防除レシピ提供方法を段階別に例示する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明は、様々な改変を加えることができ、種々の実施例を有することができるところ、特定実施例を図面に例示し、詳細な説明において詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の実施形態に対して限定するためのものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変換、均等物又は代替物を含むものとして理解すべきである。
【0034】
本発明の説明において、関連する公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にさせると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0035】
本出願で使われる用語は、単に特定の実施例を説明するためのもので、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、部中に別に断りのない限り、複数の表現も含む。本出願において、“含む”又は“有する”などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定するためのもので、1つ又はそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加の可能性をあらかじめ排除するものではないと理解すべきである。
【0036】
特に定義しない限り、技術的又は科学的な用語を含めてここで使われる全ての用語は、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって通常理解されるのと同じ意味を有する。通常使われる辞書に定義されているような用語は、関連技術の文中における意味と一致する意味があるものと解釈すべきであり、本出願において明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されない。
【0037】
本明細書に記載したモジュール(MODULE)という用語は、特定の機能や動作を処理する一つの単位を意味し、これは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの結合を意味できる。
【0038】
また、第1、第2などの用語は、様々な構成要素を説明するために用いることができるが、これらの用語によって前記構成要素が限定されてはならない。これらの用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使われる。
【0039】
以下、添付の図面を参照して、本発明に係る実施例を詳細に説明する。添付の図面を参照して説明するに当たって、図面番号に関係なく、同一又は対応の構成要素には同一の参照符号を付し、それに関する重複説明は省略する。
【実施例1】
【0040】
図1は、第1実施例に係る最適防除レシピ提供装置100の模式図である。
【0041】
第1実施例の防除レシピ提供装置100は、撮影装置10によって撮影された作物の映像データを分析して、作物に発生した病虫害の種類及び進行度を診断し、診断結果に基づいて病虫害を予防したり駆除するための最適の防除レシピをユーザ端末11に提供する。
図1では、撮影装置10の撮影した映像データがレシピ提供装置100に直接伝送される場合を示しているが、撮影装置10の撮影した映像データは、ユーザ端末11を経由してレシピ提供装置100に伝送されてもよい。
【0042】
撮影装置10は、作物の栽培地に少なくとも一つ設置され、あらかじめ設定された周期で作物を撮影する。撮影装置10は作物の全部位又は一部の部位(例えば、葉の前面、葉の背面、又は茎)を写真撮影又は動映像撮影でき、選択的に様々なフィルターを適用して作物を撮影できる。また、撮影装置10は、RGBセンサー、熱画像センサー、CCDセンサー又は多重分光センサーのうち少なくとも一つのイメージセンサーを用いて作物を撮影できる。
【0043】
RGBセンサーは、赤色、緑色、青色を混ぜて映像やイメージを表現し、熱画像センサーは、温度によって撮影対象を異なる色で表現し、CCDセンサーは、光を電荷に変換させてイメージを得る。そして、多重分光センサーは、可視領域と赤外線領域内で通常10個以下の不連続したバンドからイメージを得、データに保存された領域が分離された形態であるため、各ピクセルに該当する独立したデータを生成する。
【0044】
本実施例において、ユーザ端末11は、ラップトップコンピュータ(Laptop Computer)、スマートフォン(Smart Phone)、タブレット(Tablet)PC、PDA(Personal Digital Assistant)、EDA(Enterprise Digital Assistant)、モバイルインターネット装置(Mobile Internet Device(MID))及びe-ブック(e-Book)のいずれか一つであり得る。また、ユーザ端末11は、これらの装置の他にも、レシピ提供装置100から提供された防除レシピを出力できるディスプレイ装置(例えば、栽培地に設置されたモニター)を含むものであれば、いかなる形態のコンピュータもユーザ端末11に該当する。
【0045】
撮影装置10、レシピ提供装置100及びユーザ端末11は、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標)又はBLU)、ワイファイ(Wifi)、ジグビー(Zigbee)などのような近距離無線通信又はローラ(LoRa)、4G LTE、5G移動通信網などのような広帯域無線通信を通じて信号を送受信できる。
【0046】
本発明において、作物に発生する病虫害は、いずれか一種類に限定しない。例えば、病害は、かび、細菌、ミコプラズマ(mycoplasma)、ウイルス、ウイロイド(viroid)のいずれか一つであり得、虫害は、ダニ、カイガラムシ、アブラムシ、オンシツコナジラミ、グンバイムシ、ネキノコバのいずれか一つであり得る。勿論、これらは一例示に過ぎず、必ずしもこれに限定されない。
【0047】
図2は、
図1に例示された防除レシピ提供装置100の構成を示すブロック図である。
【0048】
図2を参照すると、一実施例の防除レシピ提供装置100は、入力モジュール110、診断モジュール120、処方モジュール130及び通信モジュール140を含む。
【0049】
入力モジュール110は、撮影装置10から作物の映像データを受け取る。
【0050】
入力モジュール110は、有線又は無線で直接連結されている撮影装置10から映像データを受信する。また、入力モジュール110は、USB装置のような移動式記憶装置を用いて映像データを受信してもよい。一方、撮影装置10は映像データをユーザ端末11を経由して入力モジュール110に伝送してもよい。
【0051】
入力モジュール110は、栽培地に設置された複数のセンサーから、裁培環境を感知した環境情報をさらに受け取ってもよい。例えば、栽培地には、温度センサー、湿度センサー、光センサー、ガスセンサー、土壌センサーの少なくとも一つが設置され、入力モジュール110は、これらのセンサーから測定された栽培地の気温、湿度、光量、光波長、CO2濃度、土壌pHの少なくとも一つの環境情報をさらに受信することができる。
【0052】
診断モジュール120は、入力モジュール110に入力された映像データを分析し、作物に発生した病虫害の種類及び進行度を判断する。診断モジュール120は、映像分析アルゴリズムを用いて病虫害の種類及び進行度を判断したり、或いはあらかじめ保存された正常状態の作物映像データと比較して病虫害の種類及び進行度を判断することができる。
【0053】
診断モジュール120は、撮影装置10から提供された映像データの他に、複数のセンサーから提供された環境情報も共に総合分析して、病虫害の種類及び進行度を判断してもよい。
【0054】
例えば、診断モジュール120は、映像データを分析し、作物に根こぶ病に対する病虫害が発生したと診断したが、提供された環境情報のうち土壌のPH状態が、根こぶ病が発生し難い条件であれば、最初診断した根こぶ病の診断結果を暫定決定した状態で、前記提供された環境情報に基づいて再び分析を行い、根こぶ病の他に発病可能な類似の病害を探すなどして病虫害診断結果の正確度を高めることができる。
【0055】
処方モジュール130は、診断モジュール120で診断された病虫害の種類及び進行度に対応する防除レシピを生成する。処方モジュール130は、物理的治癒法、生物学的治癒法、化学的治癒法の少なくとも一つを含む防除レシピを生成できる。
【0056】
前記防除レシピのうち、物理的治癒法は、栽培地の温度調節、湿度調節、光量調節、光波長調節、換気周期調節のいずれか一つを含むことができる。例えば、処方モジュール130は、発生した病虫害が温度に弱い場合、病虫害を駆除するための最適の温度を提示することができる。
【0057】
また、処方モジュール130は、発生した病虫害が複数の物理的治癒法の少なくとも2つ以上の物理的治癒法に弱い場合、栽培地の環境情報と物理的治癒法を比較した値に基づいて、病虫害を駆除するためのいずれか一つの物理的治癒法を優先的に決定することができる。
【0058】
例えば、発生した病虫害が温度及び光量に弱い場合、処方モジュール130は、物理的治癒法として提示する温度及び光量を、栽培地環境情報の温度及び光量と比較する。このとき、物理的治癒法として提示する温度と栽培地環境情報の温度とを比較した値が3で、物理的治癒法として提示する光量と栽培地環境情報の光量とを比較した値が5であれば、処方モジュール130は、最適の物理的治癒法を光量調節と判断し、病虫害を駆除するための最適の光量を優先的に提示できる。
【0059】
前記防除レシピのうち、生物学的治癒法は、遮断網設置、フェロモントラップ設置、天敵又は忌避植物の導入のいずれか一つを含む。生物学的治癒法は、害虫の接近を防ぐか又は害虫を他のところに誘引して捕殺する。例えば、遮断網は、作物の周囲に設置して害虫の接近を防ぎ、遮断網の外部には害虫忌避剤を塗布することができる。フェロモントラップは、性誘引物質を用いて害虫を誘引して捕殺する装置である。フェロモントラップは、対象害虫の行動習性に応じて適切なトラップを用いることができる。
【0060】
前記防除レシピのうち、化学的治癒法は、農薬又は環境親和的製剤の散布、土壌pH調節の少なくともいずれか一つを含むことができる。化学的治癒法は、農薬散布、土壌pH調節を用いて病害虫を直接除去したり又は病害虫が生存できない環境を作る。
【0061】
処方モジュール130は、病虫害の進行度に応じて、病虫害を防除するための治癒法を段階別又は順次に提示することができる。例えば、病虫害の進行度を1段階から3段階まで段階化し、病虫害の進行度が比較的弱い1段階では、物理的治癒法を提示できる。そして、病虫害の進行度が最も高い3段階では、病虫害の速い駆除のために化学的治癒法を提示することができる。
【0062】
仮に、前記防除レシピに、化学的治癒法のうち農薬散布が含まれる場合は、処方モジュール130は、作物に発生した病虫害を駆除するために選択可能な複数の農薬情報を、防除レシピにさらに含めることができる。のみならず、処方モジュール130は、選択された農薬の希釈度、選択された農薬の散布周期に関する情報も、当該防除レシピにさらに含めることができる。
【0063】
前記防除レシピに、選択可能な複数の農薬情報が含まれるとき、ユーザが複数の農薬のいずれか一つを容易に選択できるように助けるための付加情報をさらに提供してもよい。例えば、処方モジュール130は、栽培地の環境情報に類似する裁培環境における農薬別病虫害の完治期間情報をさらに提供することができる。この時、処方モジュール130は、栽培地の環境情報に類似する裁培環境における農薬別完治期間の比較情報を共に提供することによって、ユーザの農薬選択を助けることができる。このような付加情報は、他のユーザが登録した使用体験情報であるか、他のユーザの使用体験情報を用いて生成した2次情報であり得る。
【0064】
また、処方モジュール130は、選択可能な複数の農薬情報を防除レシピを用いて提供するとき、農薬購買方法及び価格情報を共に提供することができる。このとき、処方モジュール130は、防除装備の購買又はレンタル方法及び価格情報を共に提供することができる。
【0065】
例えば、処方モジュール130は、栽培地の位置情報を受け取り、栽培地近隣に位置しているオフライン農薬販売店で販売中の農薬製品の価格情報などを防除レシピに含める。また、処方モジュール130は、オンライン農薬販売店で販売中の農薬製品の価格情報、配送情報などを防除レシピに共に含めることができる。
【0066】
通信モジュール140はユーザ端末11と通信し、処方モジュール130で生成された防除レシピをユーザ端末11に提供する。のみならず、通信モジュール140は撮影装置10と通信することもできる。通信モジュール140は、ユーザ端末11又は撮影装置10とブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標)又はBLU)、ワイファイ(Wifi)、ジグビー(Zigbee)などのような近距離無線通信又はローラ(LoRa)、4G LTE、5G移動通信網などのような広帯域無線通信を通じて信号を送受信できる。
【0067】
本実施例の最適防除レシピ提供装置100は、病虫害の進行度に応じて様々な方式の治癒法を提供して病虫害を効率的に防除でき、また、病虫害を駆除するための農薬の購買方法及び価格情報を共に提供してユーザの農薬購買の便宜性を高めることができる利点がある。
【0068】
一方、本発明の病虫害進行度に応じた最適防除レシピ提供装置100は、入力モジュール110が、栽培地の位置している地域の気象情報又は気象予報を受け取り、処方モジュール130が、前記気象情報に基づいて防除レシピを生成してもよい。
【0069】
例えば、処方モジュール130は、病虫害の活動量が増加する天気であるか又はこのような天気が予報されると、既に生成された防除レシピを一段階強化して再生成することができる。そして、病虫害の活動量が減少する天気であるか又はこのような天気が予報されると、既に生成された防除レシピを一段階弱化して再生成することができる。
【実施例2】
【0070】
図3は、第2実施例の防除レシピ提供装置200を例示するブロック図である。
【0071】
第2実施例の防除レシピ提供装置200は、第1実施例の防除レシピ提供装置に設定モジュール250がさらに含まれたもので、第2実施例の入力モジュール210、診断モジュール220、処方モジュール230及び通信モジュール240は、第1実施例の入力モジュール110、診断モジュール120、処方モジュール130及び通信モジュール140と構成が同一であり、重複説明を省略する。
【0072】
図3を参照すると、本発明の防除レシピ提供装置200は、設定モジュール250をさらに含む。
【0073】
設定モジュール250は、診断モジュール220によって病虫害の種類及び進行度が診断されると、当該病虫害の種類及び進行度に応じて撮影周期を変更するための制御信号を生成する。設定モジュール250で生成された制御信号は、通信モジュール240を通じて撮影装置に伝送することができる。
【0074】
例えば、作物に発生した病虫害の種類が、相対的に駆除し難い種類であるか、又は病虫害の進行度が多く進行された場合、設定モジュール250は、作物の撮影周期を短縮させ、診断モジュール220は、短縮した撮影周期に従って、作物に発生した病虫害の進行経過又は治癒経過を綿密に観察及び分析することができる。
【0075】
そして、処方モジュール230は、短縮した撮影周期に基づいて治癒中の作物の治癒経過に応じて防除レシピを持続して更新することができる。例えば、処方モジュール230は、治癒中の作物の病虫害進行度が悪化し続くと、撮影周期を漸次さらに短縮させる一方、より強い防除レシピを提供することで、病虫害を速かに駆除することができる。
【実施例3】
【0076】
第3実施例は、最適防除レシピを提供する防除サーバーの防除方法に関する。第3実施例の防除サーバーは、第1実施例又は第2実施例の防除レシピ提供装置と同じ技術構成を有する。
【0077】
図4は、第3実施例の防除レシピ提供方法を段階別に例示する模式図であり、
図5は、
図4に例示した第3実施例の防除レシピ提供方法を示す流れ図である。
【0078】
図4を参照すると、第3実施例の防除レシピ提供方法は、防除サーバー300が、撮影装置30によって撮影された作物の映像データを分析して、作物に発生した病虫害の種類及び進行度を診断し、診断結果に基づいて、病虫害を予防したり駆除するための最適の防除レシピを、ユーザ端末31に提供する。
【0079】
そのために、一実施例の防除サーバー300は、入力モジュール(図示せず)、診断モジュール(図示せず)、処方モジュール(図示せず)及び通信モジュール(図示せず)を含み、設定モジュール(図示せず)をさらに含むことができる。防除サーバー300の入力モジュール、診断モジュール、処方モジュール、通信モジュール及び設定モジュールは、第1実施例の入力モジュール110、診断モジュール120、処方モジュール130、通信モジュール140及び第2実施例の設定モジュール250と構成が同一である。
【0080】
図5を参照すると、防除サーバー300の最適防除レシピ提供方法は、映像データを受け取る段階(S100)、判断する段階(S200)、防除レシピを生成する段階(S300)、及び防除レシピをユーザ端末に伝送する段階(S400)を含む。
【0081】
映像データを受け取る段階(S100)で、防除サーバー300の入力モジュールは、撮影装置から作物の映像データが提供される。前記入力モジュールは、撮影装置と無線連結され、映像データを受信することができる。例えば、撮影装置は、映像データをユーザ端末に提供し、入力モジュールはユーザ端末と通信して映像データを受信してもよい。
【0082】
映像データを受け取る段階(S100)で、防除サーバー300の入力モジュールは、映像データだけでなく、栽培地に設置された複数のセンサーから裁培環境を感知した環境情報も受け取ることができる。例えば、栽培地には、温度センサー、湿度センサー、光センサー、ガスセンサー、土壌センサーのいずれか一つが設けられており、入力モジュールは、それらのセンサーから測定された栽培地の気温、湿度、光量、光波長、CO2濃度、土壌pHの少なくとも一つの環境情報を受信することができる。
【0083】
判断する段階(S200)で、防除サーバー300の診断モジュールは、前記入力モジュールに入力された映像データを分析して、作物に発生した病虫害の種類及び進行度を判断する。診断モジュールは、映像分析アルゴリズムを用いて病虫害の種類及び進行度を判断したり、或いはあらかじめ保存された正常状態の作物映像データと比較して病虫害の種類及び進行度を判断することができる。
【0084】
例えば、診断モジュールは、撮影装置から提供された映像データ及び複数のセンサーから提供された環境情報を総合分析し、病虫害の種類及び進行度を判断する。
【0085】
例えば、診断モジュールは映像データを分析し、作物に根こぶ病に対する病虫害が発生したと診断したが、提供された環境情報のうち土壌pHでは根こぶ病が発生し難い条件であれば、最初診断した根こぶ病の診断結果を暫定決定した状態で、環境情報に基づいて再び分析し、病虫害診断結果の正確度を高めることができる。
【0086】
防除レシピを生成する段階(S300)で、防除サーバー300の処方モジュールは、前記診断モジュールで判断された病虫害の種類及び進行度に応じた防除レシピを生成する。例えば、処方モジュールは、物理的治癒法、生物学的治癒法、化学的治癒法の少なくとも一つを含む防除レシピを生成する。
【0087】
処方モジュールで生成される防除レシピの物理的治癒法は、栽培地の温度調節、湿度調節、光量調節、光波長調節、換気周期調節、水散布のいずれか一つを含むことができる。例えば、処方モジュールは、発生した病虫害が温度に弱い場合、病虫害を駆除するための最適の温度を提示できる。
【0088】
例えば、処方モジュールは、発生した病虫害を駆除するための物理的治癒法と栽培地の環境情報を比較し、比較値が最も大きい条件に基づいて防除レシピを生成することができる。
【0089】
処方モジュールで生成される防除レシピの生物学的治癒法は、遮断網設置、フェロモントラップ設置のいずれか一つを含む。生物学的治癒法は、害虫の接近を防ぐか、又は害虫を他のところに誘引して捕殺する。例えば、遮断網は、作物の周囲に設置して害虫の接近を防ぎ、遮断網の外部には害虫忌避剤を塗布することができる。フェロモントラップは、性誘引物質を用いて害虫を誘引して捕殺する装置である。フェロモントラップは、対象害虫の行動習性に応じて適切なトラップを用いることができる。
【0090】
処方モジュールで生成される防除レシピの化学的治癒法は、農薬又は環境親和的製剤の散布、土壌pH調節の少なくともいずれか一つを含むことができる。化学的治癒法は、農薬又は環境親和的製剤の散布、土壌pH調節を用いて、病害虫を直接除去したり、又は病害虫が生存できない環境を作る。
【0091】
処方モジュールは、病虫害の進行度に応じて病虫害を防除するための治癒法を段階別又は順次に提示することができる。例えば、病虫害の進行度を1段階から3段階まで段階化し、病虫害の進行度が比較的弱い1段階では物理的治癒法を提示できる。そして、病虫害の進行度が最も高い3段階では、病虫害の速い駆除のために化学的治癒法(例えば、農薬散布)を提示できる。
【0092】
仮に、処方モジュールで生成された防除レシピに、化学的治癒法のうち農薬散布が含まれる場合、処方モジュールは、作物に発生した病虫害を駆除するために選択可能な複数の農薬情報を防除レシピに共に含めることができる。そして、処方モジュールは、選択された農薬の希釈度、選択された農薬の散布周期に関する情報も当該防除レシピに共に含めることができる。
【0093】
処方モジュールは、選択可能な複数の農薬情報を防除レシピを用いて提供するとき、選択可能な複数の農薬からユーザが農薬を選択することに役立つ情報を共に提供することができる。例えば、処方モジュールは、栽培地の環境情報に類似する裁培環境における農薬別病虫害の完治期間情報をさらに提供することができる。
【0094】
この時、処方モジュールは、栽培地の環境情報に類似する裁培環境における農薬別完治期間の比較情報を共に提供することによって、ユーザの農薬選択を助けることができる
【0095】
処方モジュールは、選択可能な複数の農薬情報を防除レシピを用いて提供するとき、農薬購買方法及び価格情報を共に提供することができる。そして、処方モジュールは、防除装備の購買又はレンタル方法及び価格情報を共に提供することができる。
【0096】
例えば、処方モジュールは、栽培地の位置情報を受け取り、栽培地近隣に位置しているオフライン農薬販売店で販売中の農薬製品の価格情報などを防除レシピに含める。また、処方モジュールは、オンライン農薬販売店で販売中の農薬製品の価格情報配送情報などを防除レシピに共に含めることができる。
【0097】
防除レシピを前記ユーザ端末に伝送する段階は、通信モジュールがユーザ端末と通信し、処方モジュールで生成された防除レシピをユーザ端末に提供する。のみならず、通信モジュールは撮影装置と通信することもできる。通信モジュールは、ユーザ端末又は撮影装置とBLU(Bluetooth(登録商標))、ワイファイ(Wifi)、ジグビー(Zigbee)などのような近距離無線通信又は広帯域無線通信(LoRa又は移動通信網)を通じて通信することができる。
【0098】
一方、防除レシピを生成する段階(S300)は、撮影周期を変更する段階をさらに含むことができる。撮影周期を変更する段階の設定モジュール250は、診断モジュールによって病虫害の種類及び進行度が診断されると、当該病虫害の種類及び進行度に応じて、撮影周期を変更するための制御信号を生成する。設定モジュール250で生成された制御信号は、通信モジュールを通じて撮影装置に伝送される。
【0099】
例えば、作物に発生した病虫害の種類が相対的に駆除し難い種類であるか、又は病虫害の進行度が多く進行された場合、設定モジュール250は、作物の撮影周期を短縮させ、診断モジュールは、短縮した撮影周期に従って、作物に発生した病虫害の進行経過又は治癒経過を綿密に観察又は分析することができる。
【0100】
そして、処方モジュールは、短縮した撮影周期に基づいて治癒中の作物の治癒経過に応じて防除レシピを持続して更新できる。例えば、処方モジュールは、治癒中の作物の病虫害進行度が増加し続くと、より強い防除レシピを提供し、病虫害を速かに駆除することができる。
【0101】
一方、防除レシピを生成する段階(S300)で、防除サーバー300の処方モジュールは、栽培地の位置している地域の気象情報又は気象予報をさらに受け取り、気象情報に基づいて防除レシピを生成することができる。ちなみに、気象情報又は気象予報は、入力モジュールを通じて提供されてもよい。
【0102】
例えば、処方モジュールは、病虫害の活動量が増加する天気であるか、又はこのような天気が予報されると、既に生成された防除レシピを一段階強化して再生成することができる。そして、病虫害の活動量が減少する天気であるか、又はこのような天気が予報されると、既に生成された防除レシピを一段階弱化して再生成することができる。
【0103】
以上説明した本発明の全体又は部分的機能は、一連のプログラム命令、データファイル、データ構造などを単独で又は組み合わせて機械語に翻訳したソフトウェアとして具現したり、このようなソフトウェアがコンピュータ可読記録媒体に含まれて提供され得ることが、当業者には容易に理解できよう。前記コンピュータ可読記録媒体の例には、ハードディスク、フロッピーディスク及び磁気テープのような磁気媒体(magnetic media)、CD-ROM、DVDのような光記録媒体(optical media)、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気光媒体(magneto-optical media)、及びロム(ROM)、ラム(RAM)、フラッシュメモリ、USBメモリなどのようなプログラム命令を格納して実行するように特に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令の例には、コンパイラーによって作られるような機械語コードの他にも、インタープリターなどを用いてコンピュータによって実行可能な高級言語コードを含む。前記ハードウェア装置は、本発明の動作を実行するために一つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成されてもよい。
【0104】
また、以上では本発明に関するいくつかの実施例を参照して説明したが、当該技術の分野における通常の知識を有する者であれば、添付する特許請求の範囲に記載される本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を様々に修正及び変更可能であることが理解できよう。
【符号の説明】
【0105】
10 撮影装置
11 ユーザ端末
100 レシピ提供装置
110 入力モジュール
120 診断モジュール
130 処方モジュール
140 通信モジュール