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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】微動観測システム
(51)【国際特許分類】
   G01V 1/00 20240101AFI20240705BHJP
   G01V 1/30 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
G01V1/00 Z
G01V1/30
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020206205
(22)【出願日】2020-12-11
(65)【公開番号】P2022093101
(43)【公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-05-22
(73)【特許権者】
【識別番号】501138231
【氏名又は名称】国立研究開発法人防災科学技術研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110000844
【氏名又は名称】弁理士法人クレイア特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】先名 重樹
(72)【発明者】
【氏名】藤原 広行
【審査官】佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-091657(JP,A)
【文献】国際公開第2018/174296(WO,A1)
【文献】先名 重樹,最新の微動探査観測技術とシステムの構築について,日本地震工学会誌,日本,公益社団法人 日本地震工学会,2017年10月31日,No.32,13-16
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01V 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークで接続された、微動観測装置と微動データベースとクラウド型解析システムとを含む微動観測システムであって、
前記微動観測装置は、データ転送装置と複数の微動計とを備え、
前記データ転送装置は、前記微動計の測定データの一次品質管理を行なうとともに、前記微動観測装置の位置情報を取得して前記位置情報のデータを前記微動計の前記測定データに追加して、前記微動データベースへ前記測定データを転送し、
前記微動データベースは、前記測定データを測定地域ごとに登録し、
前記クラウド型解析システムは、前記微動データベースに登録された前記測定データの二次品質管理と、前記測定データおよび外部データである地盤情報を用いた解析とを行い、
前記一次品質管理は、前記微動計の前記測定データと前記微動計自体の雑音データとの比であるSN比が所定の値以上であるかどうかにより判断され、
前記SN比の前記所定の値との比較は、複数の周波数範囲毎に前記測定データと前記雑音データとの比を計算し、前記所定の値と比較して行われる、微動観測システム。
【請求項2】
前記微動観測装置は、4台の前記微動計が、半径0.6mの仮想円の中心と、前記仮想円の円周上でかつ前記仮想円に内接する仮想正三角形の頂点に配置されて極小微動アレイを構成する、請求項1に記載の微動観測システム。
【請求項3】
前記データ転送装置は、スマートフォン、またはタブレットであって、
前記データ転送装置による前記位置情報は、GPSによる前記位置情報が、携帯電話基地局、および/またはWiFi基地局との通信によって補強される、請求項1または2に記載の微動観測システム。
【請求項4】
前記クラウド型解析システムによる解析は、極小微動アレイの各点の表面波の位相差から求められる位相速度の周波数依存性の解析、および前記位相速度の前記周波数依存性に合致するS波速度の深さ依存性の解析を含む、請求項1からのいずれか1項に記載の微動観測システム。
【請求項5】
前記地盤情報は、ボーリング調査による地盤モデルの情報を含む、請求項1からのいずれか1項に記載の微動観測システム。
【請求項6】
前記データ転送装置は、前記クラウド型解析システムによる解析結果の閲覧および解析データの利用を行うことができる、請求項1からのいずれか1項に記載の微動観測システム。
【請求項7】
前記クラウド型解析システムによる解析結果は、前記位置情報のデータとともに、マップ表示された地盤モデルの作成に用いられる、請求項1からのいずれか1項に記載の微動観測システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、常時微動と呼ばれる地面の微小な揺れを用いて、地盤のS波速度の深さ依存性などの解析を行う、微動観測システムに関する。
【背景技術】
【0002】
微動解析システムに関しては、例えば特許文献1(特開2006-284200号公報)に、100m~1km程度の範囲に4~5点の地震計によるアレイを構築し、それらの間の無線によるリアルタイム通信およびデータ解析を同時に行うことにより、精度の高い地震諸元の推定を行うことができる、極小アレイによる早期地震検知システムについて開示されている。
【0003】
特許文献1(特開2006-284200号公報)記載の早期地震検知システムは、(a)中央地点に配置される統合地震情報処理装置を有する1機の地震計と、(b)該地震計を中心にして略等距離に配置される複数個の観測点の地震計と、(c)それぞれの地震計毎に配置され、それぞれの地震計の消費電力を供給する太陽電池と、(d)観測点の地震計からの地震情報を統合地震情報処理装置へリアルタイムに送信し、統合地震情報処理装置にてデータを解析し、該解析されたデータを送信する無線送受信装置と、を具備するものである。
【0004】
また、非特許文献1(極小微動アレイによる浅部構造探査システム)には、地質・地盤に関連する様々な社会的ニーズに対応して、できる限り高密度・高分解能で定量的な地下S波速度構造の情報を提供するための一環として、半径0.6mの極小アレイを用いて常時微動を15分間観測するだけで数mから数十mの深さのS波速度を探査する観測・解析システムを構築中であることが記載されている。
【0005】
また、特許文献2(特許第6319613号公報)には、測定対象に発生する事象を検出し、その検出結果を収集して解析装置で解析するデータ収集解析システムについて開示されている。
【0006】
特許文献2(特許第6319613号公報)に記載のデータ収集解析システムは、測定対象に発生する事象を検出する検出装置と、複数の検出装置と無線を介して接続され、各検出装置の検出結果を収集する収集装置と、収集装置と無線通信回線を介して接続され、収集装置から各検出結果を取得し、取得した各検出結果に基づいて各測定対象の異常の有無を判別する解析装置とを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2006-284200号公報
【文献】特許第6319613号公報
【非特許文献】
【0008】
【文献】長 郁夫、先名 重樹著、「極小微動アレイによる浅部構造探査システム-大量データの蓄積と利活用に向けて-」、シンセシオロジー編集委員会発行、Synthesiology Vol.9 No.2 pp86-96(May.1016)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
近年、地震災害軽減のために、地盤の揺れやすさおよび固さの情報を広範囲に把握する必要性が高まっている。しかし、ボーリング調査など従来の地盤調査方法では地盤の地質・土質は分かっても地震時の「揺れ」は分からなかった。
これに対して、常時微動を利用した微動探査法では、微動計で微小な揺れを感知し、地面に数時間置くだけで地盤の揺れに関する様々なデータを集める事ができる。
しかし、従来の微動探査法では、例えば、数十mから1000m程度の半径のアレイに4台以上の微動計を設置する必要があるため、微動計の設置および測定が困難であった。
【0010】
これに対して、4台の微動計が、半径0.6mの仮想円の中心と、仮想円の円周上でかつ仮想円に内接する仮想正三角形の頂点に配置される極小微動アレイを用いた極小微動観測では、微動計を正確な相対位置に設置するための治具が開発されたこと、また、測定時間も15分程度と短いことから、微動計の設置および測定が大幅に容易になった。
しかし、従来の極小微動観測の解析および解析結果のデータベース化には以下の課題があった。
a)従来の微動計のGPSによる位置情報の取得では、微動計の位置の精度が不足している。
b)微動計の測定データは雑音の影響によって測定データの品質すなわちSN比が低く、解析に用いることができない場合がある。
c)データの基礎処理および解析には極小微動観測の熟練者が必要である。
【0011】
特許文献1に記載の早期地震検知システムによっても、地震そのものではなく常時微動を検知することで地盤の解析を行うことも可能ではあるが、統合地震情報処理装置および地震計を観測点に設置する必要があり、多くの観測点の地盤の解析を行うことは困難である。
【0012】
また、非特許文献1に記載の技術は、地質・地盤に関連する様々な社会的ニーズに対応して、できる限り高密度・高分解能で定量的な地下S波速度構造の情報を提供するとの目的は本発明と類似しているが、まだシステムを構築中の技術であり、未完成である。
特に、観察者が現場にて品質管理・解析結果を確認することの必要性は記載されているが、そのために必要な簡易的な微動のSN比管理等の測定データの品質管理の方法については記載されていない。
また、微動観測装置の位置情報取得の高精度化に関しては、全く記載されていない。
【0013】
また、特許文献2に記載のデータ収集解析システムは、測定対象の異常の有無を判別することを目的としており、検出装置の位置情報の取得、あるいは検出装置の出力データの品質管理については記載されていない。
【0014】
本発明の主な目的は、極小微動観測の熟練者ではない利用者が、短時間の簡単な準備および測定により、確実に、測定地点の位相速度の周波数依存性、S波速度の深さ依存性などの解析結果を受け取り、測定地点の揺れやすさの程度を知ることができる微動観測システムを提供することにある。
本発明の第2の目的は、各測定地点の解析結果をデータベース化し、マップ表示することにより、詳細な地盤モデルを作成することができる微動観測システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
(1)
一局面に従う微動観測システムは、ネットワークで接続された、微動観測装置と微動データベースとクラウド型解析システムとを含む微動観測システムであって、微動観測装置は、データ転送装置と複数の微動計とを備え、データ転送装置は、微動計の測定データの一次品質管理を行ない、微動観測装置の位置情報を取得して位置情報のデータを微動計の測定データへ追加し、微動データベースへ測定データを転送し、微動データベースは、測定データを測定地域ごとに登録し、クラウド型解析システムは、微動データベースに登録された測定データの二次品質管理と、測定データおよび外部データである地盤情報を用いた解析とを行う。
【0016】
一局面に従う微動観測システムでは、データ転送装置が測定データの微動データベースへの登録と、微動計の測定データの一次品質管理と、微動観測装置の位置情報の取得とを行うことを特徴としている。
微動観測では、周囲の雑音の状況等によっては微動計の測定データのSN比が悪く、解析に使用できない場合がある。これまでの微動観測は、現場観測が終了した後に測定データの解析を行う必要があったため、微動観測装置を撤収した後に測定データが使用できないことがわかると、再度、現場に出かけて微動観測装置の設置から始めなければならなかった。これに対して、一局面に従う微動観測システムでは、現場での測定終了直後に微動計の測定データが解析に用いることのできる品質であるかどうかがわかり、速度構造解析が可能なデータが得られるまで再測定を行うことができる。
また、クラウド型解析システムによる解析では、解析にあたって従来のボーリング等に基づく地盤情報(地盤情報管理システムの地盤モデル)を使用する。この地盤情報に基づく応答計算結果と、測定された微動測定データとを用いて速度構造解析を行うことによって、より正確で空間的に詳細な地盤モデルを作成することができる。
しかし、地盤情報に基づく応答計算結果と測定された微動測定データとを照合するためには、測定した微動計の正確な位置情報が必要である。さらに、解析データの活用にあたっても、測定地点の正確な位置情報が必要になる。しかし、従来の微動計に備えられたGPSでは微動計の位置情報の精度が十分ではなかった。これに対して、一局面に従う微動観測システムでは、より精度の高い位置情報取得機能をデータ転送装置に備え、測定データにデータ転送装置で取得した位置情報のデータを追加することで、微動観測装置の情報の精度を向上させている。
【0017】
(2)
第2の発明にかかる微動観測システムは、一局面に従う微動観測システムにおいて、微動観測装置は、4台の微動計が、半径0.6mの仮想円の中心と、仮想円の円周上でかつ仮想円に内接する仮想正三角形の頂点に配置されて極小微動アレイを構成し、一次品質管理は、微動計の測定データと微動計自体の雑音データとの比であるSN比が所定の値以上であるかどうかにより判断されてもよい。
【0018】
従来の微動アレイ探査法では1つのアレイで解析可能な波長領域はアレイサイズに依存し、概ねアレイ半径の2倍から数倍もしくは10数倍までの範囲と言われていた。探査の最大深度は解析可能な波の最大波長に依存するので、必要な深度範囲をカバーする広い波長領域でデータを得るためにはアレイ半径の異なる複数のアレイで観測する必要があった。したがって、従来の微動アレイ探査法の考え方では、半径0.6mのアレイを用いた微動観測システムでは、情報を得ることのできる深さは数m以下となる。
【0019】
しかし、微動アレイ探査に関する基礎理論の研究に基づき、雑音の影響を補正することにより、測定データのSN比が高ければ半径0.6mのアレイを用いた微動観測システムでも数十mから場合によっては100m以上の波長領域における位相速度の分散特性が得られることが分かった。そこで、第2の発明にかかる微動観測システムでは、一次品質管理の基準として、微動計の測定データと微動計自体の雑音データとの比であるSN比が所定の値以上であるかどうかを採用している。なお、所定の値とは例えば2倍(6dB)、または5倍(14dB)である。
なお、SN比が所定の値に満たない場合には、SN比の劣化が偶発的な要因によるものであれば再測定を行う、SN比が所定の値を満たす波長範囲のみで解析する、または、例えば半径5m程度の仮想円の中心と仮想円の円周上に微動計を配置して追加測定する、などの対策が検討される。
【0020】
(3)
第3の発明にかかる微動観測システムは、第2の発明にかかる微動観測システムにおいて、SN比の所定の値との比較は、複数の周波数範囲毎に測定データと雑音データとの比を計算し、所定の値と比較して行われてもよい。
なお、複数の周波数範囲とは、例えば、0.2Hz~0.5Hz、0.5Hz~2.0Hz、2.0Hz~5Hz、および5Hz~20Hzである。
【0021】
測定される微動は、周波数範囲によって、例えば、交通振動・波浪、人間活動等と波の性質が異なる。複数の周波数範囲毎にSN比を計算する理由は、周波数範囲毎にSN比の劣化する原因が異なり、どの周波数においてSN比が劣化しているかを知ることで、例えば、再測定を行う、SN比が所定の値を満たす波長範囲のみで解析する等の対策検討に有効なためである。
【0022】
(4)
第4の発明にかかる微動観測システムは、一局面から第3の発明にかかる微動観測システムにおいて、データ転送装置は、スマートフォン、またはタブレットであって、データ転送装置による微動計の位置情報の取得は、GPSによる位置情報が、携帯電話基地局、および/またはWiFi基地局との通信によって補強されてもよい。
【0023】
GPSによる位置情報取得では、ビルの乱立する都心部および木々の立ち並ぶ山林において、また、天候などにより、位置情報を正確に取得できない場合がある。このような場合、携帯電話基地局および/またはWiFi基地局の情報を参照することによってより正確な位置情報を取得することができる。例えば、データ転送装置がWiFi基地局に接続することができれば、WiFi基地局の識別番号(MACアドレス)と位置情報とを結び付けた位置情報データベースを用いることにより、データ転送装置の位置情報を取得することができる。さらに、周囲に複数のWiFi基地局がある場合には、それぞれの基地局とデバイスの位置関係を電波の強弱から割り出すことで、より詳細な位置情報を取得することができる。
【0024】
また、近年、「準天頂衛星システム・みちびき」によるGPS精度の改善が進められている。スマートフォンおよびタブレットでも準天頂衛星システムの測位補強に対応した機種が増えており、微動観測装置の位置情報の精度を向上させるためには、データ転送装置として準天頂衛星システムの測位補強に対応したスマートフォンおよびタブレットを用いることが望ましい。
【0025】
(5)
第5の発明にかかる微動観測システムは、一局面から第4の発明にかかる微動観測システムにおいて、クラウド型解析システムによる解析は、極小微動アレイの各点の表面波の位相差から求められる位相速度の周波数依存性の解析、および位相速度の周波数依存性に合致するS波速度の深さ依存性の解析を含んでもよい。
【0026】
クラウド型解析システムでは、複数の微動計で測定した表面波のデータをフーリエ変換し、各周波数ごとに、複数の微動計の測定データの間の位相遅れを計算し、位相速度の周波数依存性を求める。次に、求められた位相速度の周波数依存性を用いてシンプルプロファイリング手法(SPM)によりS波速度の深さ依存性を計算し、さらにS波速度の深さ依存性に対応したS波速度構造モデルを求めることによって、測定地点の地盤の揺れやすさを調べることができる。
なお、これらの解析は利用者が測定現場で待機できる時間、例えば数分程度で完了することが望ましい。
【0027】
(6)
第6の発明にかかる微動観測システムは、一局面から第5の発明にかかる微動観測システムにおいて、地盤情報は、ボーリング調査による地盤モデルの情報を含むものであってもよい。
【0028】
この場合、地盤を直接掘削してサンプリングするボーリング調査の結果を参照することにより、微動観測の結果の正確かつ多面的な分析が可能となり、より詳細で正確な地盤モデルを作成することができる。
【0029】
(7)
第7の発明にかかる微動観測システムは、一局面から第6の発明にかかる微動観測システムにおいて、データ転送装置は、クラウド型解析システムによる解析結果の閲覧および解析データの利用を行うことができてもよい。
【0030】
この場合、15分程度の微動測定後、引き続き解析を行ことができるため、現場で微動計を撤収することなく数分後には、クラウド型解析システムによる解析結果をデータ転送装置で閲覧することができる。これにより、ノイズ等の影響によって再測定が必要な場合には、続けて再測定を行うことができるため、確実に測定地点の測定および解析を完了することができる。
また、測定地点の土地の所有者などの関係者は、ボーリング等の大規模な調査を行うことなく、データ転送装置に表示される土地の揺れやすさなどのデータを、建物の地震対策などの基礎データとして利用することができる。
【0031】
(8)
第8の発明にかかる微動観測システムは、一局面から第7の発明にかかる微動観測システムにおいて、クラウド型解析システムによる解析結果は、位置情報のデータとともに、マップ表示された地盤モデルの作成に用いられてもよい。
【0032】
この場合、微動観測装置の設置および測定が容易で短時間で行えること、測定地点の位置情報が正確であることから、本発明の微動観測システムを用いることにより、位置情報の正確な多地点での速度構造モデルの解析結果が得られ、例えば50mメッシュ毎の詳細な地盤モデルの作成に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】微動観測システムの構成を示す模式的ブロック図である。
図2】微動観測装置の4台の微動計の配置を示す模式図である。
図3】微動観測システムの微動観測からデータ登録、解析、解析結果提供に至るフローを示す模式図である。
図4】微動計の測定データのうち、SN比の良いものと悪いものの周波数特性を微動計自体のノイズと比較して示したグラフである。
図5】クラウド型解析システムによる解析結果の一例を示す図である。
図6】マップ表示されたS波速度構造モデルの一例を示す図である。
図7】マップ表示された地質・土質モデルの一例を示す図である。
図8】従来の微動観測、解析方法と本発明の微動観測システムを用いた微動観測、解析方法とのフローの違いを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付す。また、同符号の場合には、それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さないものとする。
【0035】
[実施形態]
図1は、本発明の微動観測システム100の構成を示す模式的ブロック図であり、図2は微動観測装置30の4台の微動計10の配置を示す模式図であり、図3は微動観測システム100の微動観測からデータ登録、解析、解析結果提供に至るフローを示す模式図である。
【0036】
(微動観測システム100の構成)
図1に示すように、本発明の微動観測システム100は、複数の微動計10およびデータ転送装置20からなる微動観測装置30と、微動データベース40と、クラウド型解析システム50とがネットワーク60で接続されている。
微動計10は持ち運び可能な地震計である。データ転送装置20はインターネットに接続可能なスマートフォン、またはタブレット端末であって、微動計10とデータ転送装置20とは無線LANのネットワークで接続されている。ただし、微動計10とデータ転送装置20とは、有線LAN、あるいはBluetooth(登録商標)で接続してもよい。
【0037】
微動データベース40およびクラウド型解析システム50はコンピュータであり、データ転送装置20と、微動データベース40およびクラウド型解析システム50とは携帯電話ネットワークまたは無線LANのネットワークで接続されている。
微動データベース40とクラウド型解析システム50とは有線または無線LANのネットワークで接続されている。コンピュータの演算能力、および記憶容量が十分であれば、微動データベース40とクラウド型解析システム50とを1つのコンピュータで構成してもよい。
【0038】
図2に示すように、微動観測装置30はデータ転送装置20と4台の微動計10とから構成されている。4台の微動計10は半径rが0.6mの仮想円16の中心15と、仮想円16の円周上でかつ仮想円16に内接する仮想正三角形17の頂点に配置されて、極小微動アレイを構成している。
データ転送装置20と4台の微動計10とは、それぞれ無線LANアンテナ11を備え、無線LANのネットワークで接続されている。なお、データ転送装置20と4台の微動計10とは、有線LANまたはBluetooth(登録商標)で接続されていてもよい。
データ転送装置20は、スマートフォンまたはタブレット端末であって、さらに携帯ネットワークアンテナ12を備え、携帯電話ネットワーク、無線LANのネットワークまたはインターネットを介して、微動データベース40およびクラウド型解析システム50を含むネットワーク60に接続されている。
【0039】
データ転送装置20は、さらに位置情報取得のためにGPS装置を備えている(図示せず)。しかし、GPSによる位置情報取得では、ビルの乱立する都心部および木々の立ち並ぶ山林において、また、天候などにより、位置情報を正確に取得できない場合がある。このような場合、データ転送装置20(スマートフォンまたはタブレット)は携帯電話基地局および/またはWiFi基地局の情報を参照することによってより正確な位置情報を取得することができる。
例えば、データ転送装置20がWiFi基地局に接続することができれば、WiFi基地局の識別番号(MACアドレス)と位置情報とを結び付けた位置情報データベースを用いることにより、データ転送装置20の位置情報を取得することができる。さらに、周囲に複数のWiFi基地局がある場合には、それぞれの基地局とデバイスの位置関係を電波の強弱から割り出すことで、より詳細な位置情報を取得することができる。
また、近年、「準天頂衛星システム・みちびき」によるGPS精度の改善が進められている。スマートフォンおよびタブレットでもみちびき対応機種が増えており、データ転送装置20も準天頂衛星システムの測位補強に対応したスマートフォンまたはタブレットであることが望ましい。みちびき対応のスマートフォンまたはタブレットを用いることで、微動観測装置30の位置情報の精度を大幅に向上させることができる。
【0040】
なお、微動観測装置30では、4台の微動計10の相対位置の精度が重要である。半径rが0.6mの仮想円16に4台の微動計10を設置する場合に対しては、本願出願人より機器を設置するための治具の発明が特許第6544704号として出願されている。
しかし、半径6mの仮想円16に4台の微動計10を設置する場合はこの治具は使用できない。この場合には、データ転送装置20をそれぞれの微動計10の位置に移動し、データ転送装置20で取得する位置情報を利用することで4台の微動計10の相対位置の精度を向上させることができる。
【0041】
(微動観測、解析フロー)
図3に、微動観測システム100の微動観測からデータ登録、解析、解析結果提供に至るフローを示した。以下、各ステップごとにその内容を説明する。
【0042】
(ステップ S1)微動観測、品質管理/位置情報取得
微動観測装置30によって微動観測と一次品質管理および位置情報取得を行う。具体的には、
1)データ転送装置20が4台の微動計10に指示して、15分程度常時微動を測定する。
2)データ転送装置20が4台の微動計10の測定データを収集し、微動計10の測定データと、微動計10自体の雑音データとの比であるSN比が所定の値以上であるかどうかを判定する(一次品質管理)。所定の値とは例えば2倍(6dB)、または5倍(14dB)である。
SN比が所定の値以上であるかどうかは、微動計10の測定データを例えば、0.2Hz~0.5Hz、0.5Hz~2.0Hz、2.0Hz~5Hz、および5Hz~20Hzの帯域通過フィルタに入力し、それぞれの帯域通過フィルタ通過後の成分を、それぞれの帯域の微動計10自体の雑音データ成分と比較することによって判断することが望ましい。
測定される微動は、周波数範囲によって、例えば、交通振動・波浪、人間活動等と波の性質が異なる。複数の周波数範囲毎にSN比を計算する理由は、周波数範囲毎にSN比の劣化する原因が異なり、どの周波数においてSN比が劣化しているかを知ることで、例えば、再測定を行う、SN比が所定の値を満たす波長範囲のみで解析する等の対策検討に有効なためである。
【0043】
図4は、微動計10の測定データのうち、SN比の良いデータと悪いデータの周波数特性を微動計自体のノイズと比較して示したグラフである。図4において、境界1から3で区切られる4つの周波数帯域それぞれに対して、微動計10の測定データと微動計10自体の雑音(Self Noise)とを比較し、その差が6dBまたは14dBあれば、一次品質管理合格である。
図4ではSN比の良いデータ(Good Samples)はすべての周波数帯域において微動計10自体の雑音(Self Noise)に対して14dB以上のSN比を確保できているが、SN比の悪いデータ(Bad Samples)は少なくとも0.5Hzから2Hz、および2Hzから5Hzの帯域では14dB以上のSN比が確保できていない。ただし、例えば、0.2Hzから0.5Hzの帯域ではほぼ14dBのSN比が確保できているので、この帯域についてはSN比の悪いデータも解析に利用できる可能性がある。
SN比が所定の値に満たない場合には、SN比の劣化が偶発的な要因によるものであれば再測定を行う、SN比が所定の値を満たす波長範囲のみで解析する、または、例えば半径5m程度の仮想円16の中心15と仮想円16の円周上に微動計10を配置して追加測定する、などの対策が検討される。
微動計10自体の雑音は、振動の少ない場所で微動計10の出力を測定し、これを微動計10自体の雑音としてもよいが、4台の微動計10の測定データを周波数毎に分解し、さらに、4台の微動計10の測定データのうち互いに相似形となっている部分(コヒーレントデータ)と相似形となっていない部分(インコヒーレントデータ)とに分解して、インコヒーレントデータの振幅を計算し、これを微動計10自体の雑音とするとより正確な値が得られる。
【0044】
3)データ転送装置20は、SN比が所定の値以上である場合において、例えば40.96秒1区間のデータが50個あった場合、そのデータを振幅の大きさ順に並べ、正規分布していると考えて平均値と標準偏差σを計算する。次に、その平均値から±1σに入る値のみを10個以上抽出し、送信用データとする。平均値±1σの範囲に10個のデータが無い場合には、±1σに近い次点のものを合計10個選択して送信データとする。
4)データ転送装置20が微動観測装置30の位置情報を取得して、測定データに追加する。
なお、上記位置情報の取得において、従来のGPSによる測定では、都市のビル群や山間部の木々の多い場所等では精度が悪くなる(50m程度位置がずれることがある)。このため、本実施形態では、GPSによる測定に加えて、携帯電話基地局および/またはWiFi基地局の情報を参照することによって、より高精度な位置情報を取得する。
また、google地図、またはゼンリン地図等を利用して現在位置を確認してもよい。
また、今後はデータ転送装置20で「準天頂衛星システム・みちびき」を利用して位置情報を取得することにより、さらに位置情報の精度を向上させることが望ましい。
【0045】
(ステップ S2)微動観測データ送信
微動観測装置30によって測定され、一次品質管理に合格し、高精度な位置情報を追加された微動観測データが、携帯ネットワークあるいは無線LANネットワークとインターネットとを含むネットワーク60を介して、微動データベース40に送信される。
【0046】
(ステップ S3)微動観測データ登録
微動観測データが微動データベース40に登録される。その他、現場の写真情報などのデータも微動データベース40に登録される。なお、微動データベース40には微動観測システム100、およびその他ボーリング等によって得られた地盤データも登録されている。
【0047】
(ステップ S4)微動観測データ提供
微動データベース40に登録された微動観測データがネットワーク60を介してクラウド型解析システム50に提供される。なお、関連の地盤データもクラウド型解析システム50に提供される。
【0048】
(ステップ S5)データの品質管理、各解析手法での解析
提供された微動観測データに対して、クラウド型解析システム50により、以下の解析が行われる。
5)データの二次品質管理
より高精度なSN比等の測定データの品質の評価と以降の解析結果の信頼性に対する判断を行い、解析結果の過剰解釈を防ぐ。
6)位相速度解析
表面波の振動の測定データを周波数毎に分解し、4台の微動計10の測定データ間の位相差によって微動観測装置30を伝搬する各周波数の位相速度を評価する。
具体的には、4台の微動計10の測定データを周波数毎に分解し、さらに、4台の微動計10の測定データのうち互いに相似形となっている部分(コヒーレントデータ)と相似形となっていない部分(インコヒーレントデータ)とに分解する。
次に4台の微動計10の各周波数におけるコヒーレントデータの位相差と4台の微動計10の間の距離とを用いて各周波数における位相速度を計算する。
図5(a)に、位相速度解析によって求められた、約3Hzから27Hzの周波数における位相速度と周波数との関係のグラフの一例を示す。
7)速度構造解析
上記位相速度解析結果および外部データである関連の地盤情報に基づいてS波速度の深さ依存性を解析する。関連の地盤情報には、ボーリング調査による地盤モデルの情報も含まれる。
S波速度の深さ依存性の解析はシンプルプロファイリング手法(以降、SPMともいう)に基づいて行われる。SPMについては、本願出願人の発明である、再表2019/049263号公報に詳細に記載されている。
図5(b)に、SPMによって求められた、地盤の深さとS波速度との関係のグラフを示す。
また、図5(c)は、ある速度構造モデルを仮定し、この速度構造モデルから逆解析(Inversion)した時のS波速度(図5(c)のSIM)と、SPMによって求められたS波速度(図5(c)のSPM)とを比較したグラフである。SPMによって求められたS波速度と比較することにより、地盤の速度構造モデルを精度良く求めることができる。
8)地盤増幅解析
上記速度構造解析結果に基づき、周波数毎の地盤増幅率(地震による揺れやすさの程度)を計算する。S波速度が速い地盤は固い地盤であり、地盤増幅率が小さいと考えられる。
【0049】
(ステップ S6)解析結果提供
クラウド型解析システム50の解析結果をネットワーク60を介して微動観測装置30のデータ転送装置20に提供する。
観測者は測定終了後、現場で微動計10を撤収することなく数分待機し、クラウド型解析システム50による解析データをデータ転送装置20で閲覧することにより、再測定が必要な場合には続けて再測定を行ない、確実に測定地点の測定および解析を完了することができる。
また、測定地点の土地の所有者などの関係者は、データ転送装置20に表示される土地の揺れやすさなどのデータを、建物の地震対策などの基礎データとして利用することができる。
また、図3には図示されていないが、クラウド型解析システム50による解析結果は測定地域ごとに登録されている微動データベース40にも提供され、クラウド型解析システム50による新たな解析のためのデータとなる。また、クラウド型解析システム50による解析結果は、位置情報のデータとともに、マップ表示された、詳細な地盤モデルの作成に用いられる。
【0050】
(マップ表示された地盤モデルの一例)
図6にマップ表示されたS波速度構造モデルの一例を示す。
図6(a)は平面地図、図6(b)は図6(a)の中央付近の水平方向のS波速度構造モデル、図6(c)は図6(a)の中央付近の垂直方向のS波速度構造モデルである。図6(b)および(c)において、明るい色の部分はよりS波速度が大きいことを示す。また、S波速度の大きく異なる層の間にはその境界を示す線を記入した。
また、図7にはマップ表示された地質・土質モデルの一例を示す。
図7(a)は平面地図、図7(b)は図7(a)の中央付近の水平方向の地質・土質モデル、図7(c)は図7(a)の中央付近の垂直方向の地質・土質モデルである。図7(b)および(c)において、色の違う部分は地質・土質が異なることを示す。また、地質・土質が大きく異なる層の間にはその境界を示す線を記入した。
図7(b)、(c)の地質・土質モデルは、本発明の微動観測システム100で取得された多地点のS波速度構造解析結果とボーリングデータなどで得られた地盤構造の情報とを組み合わせ、さらに空間平滑化処理を適用して作成された。
【0051】
(従来の微動観測、解析方法と本発明の微動観測、解析方法とのフローの違い)
図8(a)に従来の微動観測、解析方法のフローを、図8(b)には本発明の微動観測システム100を用いた微動観測、解析方法のフローを示した。以下、図8(a)のフローについて説明する。
【0052】
(ステップ S11)微動観測
微動観測自体は、本発明と同一である。
本発明では微動計10の測定データのSN比等により測定データが解析に使用できるレベルであるかどうかについて一次品質評価し、測定データの品質が悪い場合、再測定等の対策検討を行うが、従来法では一次品質評価は行わない。
また、本発明では微動観測装置30の位置情報を、データ転送装置20(スマートフォン、またはタブレット)により、GPSに加えて、携帯電話基地局および/またはWiFi基地局の情報を用いて、または、google地図、またはゼンリン地図等を利用して現在位置を確認することによって、より正確に位置情報を取得しているが、従来法では微動計10に備えられたGPSのみによって位置情報を取得している。
【0053】
(ステップ S12)データ整理
従来法では微動計10からUSBメモリー等にデータを吸い上げて持ち帰り、さらに解析用データに変換する。
(ステップ S13)データ品質管理
持ち帰った測定データのSN比等を評価し、解析に使用できるレベルであるかを判断する。測定データの品質が不足している場合は、再度現場に出かけ、微動計10の設置から始める必要がある。
(ステップ S14)位相速度解析
解析そのものは自動であるが、データのセットアップ等は熟練者が行う必要がある。
(ステップ S15)速度構造解析
SPM法による解析そのものは自動であるが、関連の地盤データをもとに逆解析(Inversion)により地盤の構造を推定するためには、熟練者が関連の地盤データを探す必要があり、時間を要する。
【0054】
以上の違いにより、一般の観測者が3分程度で実行できる、本発明のクラウド型解析システム50を用いた自動解析に相当するS12からS15に至るステップが、従来の方法では、熟練者でなければデータ編集および解析ができず、所要時間も数時間からまる1日を要する。
【0055】
また、従来の方法では、現場から持ち帰ったデータのSN比等の品質が悪い場合、あるいは、一応解析はできたが解析結果に疑問の点がある場合、再度現場に出かけて微動計10の設定から始めなければならないことも多かった。
これに対して、本発明の微動観測システム100では、データ転送装置20が微動計10の測定データの一次品質管理を行なうこと、および、測定終了後、現場で微動計10を撤収することなく数分待機し、クラウド型解析システム50による解析結果をデータ転送装置20で閲覧することにより、再測定が必要な場合には続けて再測定を行ない、確実に測定地点の測定および解析を完了することができる。
【0056】
さらに、従来の方法では、微動計10に備えられたGPSにより取得された位置情報の精度が低いため、速度地盤解析に用いられる、以前にボーリング等で解析された地盤データとの整合性が悪い場合があった。また、マップ表示された、詳細な地盤モデルの作成に用いた場合に、隣接する位置での地盤データとの整合性が悪い場合もあった。
これに対して、本発明の微動観測システム100では、データ転送装置20(スマートフォンまたはタブレット)により微動観測装置30の位置情報の取得を行う。データ転送装置20による位置情報の取得では、GPSによる測定に加えて、携帯電話基地局および/またはWiFi基地局の情報を参照することによって、または、google地図、またはゼンリン地図を利用して現在位置を確認することによって、より正確に位置情報を取得するため、隣接する地点の地盤データとの整合性の問題は大幅に改善される。
また、さらに位置情報の精度を向上させるためにはデータ転送装置20で「準天頂衛星システム・みちびき」を利用して位置情報を取得することが望ましい。
【0057】
本発明において、ネットワーク60が『ネットワーク』に相当し、微動観測装置30が『微動観測装置』に相当し、微動データベース40が『微動データベース』に相当し、クラウド型解析システム50が『クラウド型解析システム』に相当し、微動観測システム100が『微動観測システム』に相当し、データ転送装置20が『データ転送装置』に相当し、微動計10が『微動計』に相当し、仮想円の中心15が『仮想円の中心』に相当し、仮想円16が『仮想円』に相当し、仮想正三角形17が『仮想正三角形』に相当する。
【0058】
本発明の好ましい実施形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0059】
10 微動計
15 仮想円の中心
16 仮想円
17 仮想正三角形
20 データ転送装置
30 微動観測装置
40 微動データベース
50 クラウド型解析システム
60 ネットワーク
100 微動観測システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8