(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】取付具、取付具セット及びそれを用いた照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20240705BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20240705BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20240705BHJP
F21V 31/00 20060101ALI20240705BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240705BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20240705BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21S8/04 130
F21V19/00 600
F21V19/00 450
F21V17/00 152
F21V31/00 150
F21Y115:10
F21Y115:15
(21)【出願番号】P 2023104781
(22)【出願日】2023-06-27
(62)【分割の表示】P 2022125224の分割
【原出願日】2018-01-26
【審査請求日】2023-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】519147348
【氏名又は名称】株式会社ホタルクス
(74)【代理人】
【識別番号】100115255
【氏名又は名称】辻丸 光一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201732
【氏名又は名称】松縄 正登
(74)【代理人】
【識別番号】100154081
【氏名又は名称】伊佐治 創
(72)【発明者】
【氏名】奥村 宣雄
【審査官】下原 浩嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-039044(JP,A)
【文献】特開2014-146429(JP,A)
【文献】特開2015-095428(JP,A)
【文献】特開2016-219161(JP,A)
【文献】特開2014-130737(JP,A)
【文献】特開2016-076466(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0356462(US,A1)
【文献】中国実用新案第206459106(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/04
F21V 19/00
F21V 17/00
F21V 31/00
F21Y 115/10
F21Y 115/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体の光照射面側に、光源、光拡散カバー及びカバー部材が配置される照明器具に用いられ、前記本体の光照射面の一部に固定される取付具であって、
保持部、支持部材、結合部材及び係合部を備え、
前記保持部は、上側の面に前記光源の少なくとも一部を保持し、端部において前記支持部材と逆L字状に結合し、
前記係合部は、天井部と側壁部を有し、前記天井部と前記側壁部は互いに逆L字状に結合し、
前記結合部材は、前記支持部材と前記側壁部の端部と結合し、
前記支持部材、前記結合部材及び前記側壁部の間に前記光拡散カバーの端部を収容する収容部が設けられ、
前記天井部及び前記側壁部の間に前記カバー部材の端部を収容する収容空間が形成されたことを特徴とする照明器具用の取付具。
【請求項2】
端部に内側凸部が形成された前記カバー部材を前記本体に取り付けるために、
前記内側凸部が前記収容空間に収容されるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の照明器具用の取付具。
【請求項3】
前記保持部は、光照射方向に突出した凸状ガイド部を備え、
前記凸状ガイド部は、前記凸状ガイド部の側壁により前記光源の一部の搭載位置をガイドすることを特徴とする請求項1に記載の照明器具用の取付具。
【請求項4】
第1の弾性突起部及び停止壁を備え、
前記第1の弾性突起部は、前記側壁部の前記収容空間側に配置され、
前記停止壁は、前記側壁部と前記天井部とが接する辺の一端を含むように、前記側壁部及び前記天井部の両者が接する辺とは異なる一辺から前記収容空間側に突出し、
前記係合部が第2の弾性突起部を含み、
前記第2の弾性突起部は、前記天井部の前記収容空間側に配置されていることを特徴とする請求項
2に記載の照明器具用の取付具。
【請求項5】
前記内側凸部からさらに内側に突起するストッパー突起部が設けられた前記カバー部材の移動が、前記第1の弾性突起部及び前記停止壁と、前記ストッパー突起部との係合により、制限されることを特徴とする請求項
4に記載の照明器具用の取付具。
【請求項6】
前記第2の弾性突起部の弾性力により前記カバー部材の前記内側凸部が前記本体に加圧状態で固定されることを特徴とする請求項4に記載の照明器具用の取付具。
【請求項7】
前記本体と、
前記本体の天井側に突出するように形成された凹部と、
基板と
発光素子を含み、
前記基板の光出射面側に前記発光素子が配置された前記光源と、
前記基板を含む光照射面を覆うように配置された前記光拡散カバーと、
前記光拡散カバーの光照射面側を覆う前記カバー部材と、
前記本体の光照射面側であって、前記凹部の周囲の複数箇所に配置され、前記光源、前記光拡散カバーおよび前記カバー部材を保持する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の取付具とからなることを特徴とする照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付具、取付具セット及びそれを用いた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)の省電力及び長寿命に着目して、LEDを用いた照明器具が複数提案されている。例えば、特許文献1には、光源と、該光源に電力を供給する電源部と、前記光源及び電源部を保持する保持体とを備えた薄型の照明器具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の照明器具では、本体(シャーシ)に、LED搭載基板、及び、前記照明器具の光出射面の全面を覆う透光性カバーが、取り付けられている。しかし、特許文献1の照明器具の態様では、本体にLED搭載基板を取り付けるための加工が必要となり、かつ、LED素子毎に拡散レンズで覆うため、透光性カバーを本体に取り付けるための特別な器具も必要となり、照明器具の構成が複雑になるという欠点があった。
【0005】
そこで、本発明は、照明器具の構成を単純化することが可能な取付具、取付具セット、及び、それを用いた照明器具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の取付具は、照明器具用の取付具であって、
保持部及び係合部を含み、
前記保持部は、照明器具の光源の少なくとも一部を保持可能であり、
前記係合部は、前記照明器具の出射方向を覆うカバー部材の内側凸部と係合して前記カバー部材を前記照明器具本体に取り付け可能である
ことを特徴とする。
【0007】
本発明の取付具セットは、前記本発明の取付具を少なくとも二つ含むものである。
【0008】
本発明の照明器具は、
本体と、
前記本体の天井側に突出するように形成された凹部と、
基板とLED等の発光素子を含み、前記基板の光出射面側に前記発光素子が配置された光源と、
前記基板を含む光照射面を覆うように配置された光拡散カバーと、
前記光拡散カバーの光照射面側を覆うカバー部材と、
前記本体の光照射面側であって、前記凹部の周囲の複数箇所に配置され、前記光源、前記光拡散カバーおよび前記カバー部材を保持する取付具とからなる照明器具であって、
前記本体の光照射面側に、前記光源、前記光拡散カバー、前記取付具および前記カバー部材が配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、取付具を採用することによって照明器具の構成を単純化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1(A)は、実施形態1の取付具の斜視図であり、同図(B)は、前記取付具を使用した照明器具の部分断面図である。
【
図2】
図2(A)は、実施形態2の取付具の上面図であり、同図(B1)は、前記取付具の保持部側を手前とした斜視図であり、同図(B2)は、前記取付具の係合部側を手前とした斜視図であり、同図(C)は、前記取付具を使用した照明器具の部分断面図である。
【
図3】
図3(A)は、実施形態3の取付具の上面図であり、同図(B)は、前記取付具の斜視図であり、同図(C)は、前記取付具を使用した照明器具の部分断面図である。
【
図4】
図4は、実施形態4の取付具の斜視図である。
【
図5】
図5は、実施形態5の取付具の斜視図である。
【
図6】
図6(A)は、実施形態6の取付具を使用した照明器具の分解斜視図であり、同図(B)は、前記照明器具を天井に取り付けた状態を示す図である。
【
図7】
図7(A)は、実施形態1~5の取付具3個でLED搭載基板を保持した状態を示す上面図であり、同図(B)は、前記取付具6個でLED搭載基板を保持した状態を示す上面図である。
【
図8】
図8(A)は、実施形態7の取付具の斜視図であり、同図(B)は、前記取付具の上面図である。
【
図9】
図9は、実施形態8の照明器具の分解斜視図である。
【
図10】
図10(A)は、実施形態9の照明器具の断面図であり、同図(B)は、同図(A)のX部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
つぎに、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は、以下の実施形態には限定されない。なお、以下の各図において、同一部分には、同一符号を付している。また、各実施形態の説明は、特に言及がない限り、互いの説明を援用できる。さらに、各実施形態の構成は、特に言及がない限り、組合せ可能である。また、本発明の照明器具及び光拡散カバーは、例えば、天井に配置されたアダプターに取り付けられるタイプのシーリングライトや天井から吊り下げられるタイプのペンダントのほか、街路灯等各種照明器具に適用することができる。
【0012】
[実施形態1]
図1(A)及び(B)に、本発明の実施形態1の取付具の例を示す。同図(A)に示す取付具1aは、保持部11及び係合部12を含む。保持部11は、板状部材で形成されており、前記板状部材の同図において上側の面に、光源(例えば、発光素子搭載基板)の少なくとも一部を保持可能である。板状の保持部11は、同図において右方向端部で板状の支持部材14と逆L字状に結合している。係合部12は、板状の天井部121及び板状の側壁部122を含み、これらが逆L字状に結合している。また、板状の天井部121及び板状の側壁部122の間には、収容空間123が形成されている。支持部材14及び側壁部122は、同図において下方向の端部で板状の結合部材13と結合している。結合部材13は、取付具1aを照明器具の本体に固定する固定部として機能してもよいが、これに限定されず、結合部材13以外で照明器具の本体に結合してもよい。同図(B)は、同図(A)の取付具を使用した状態を示す。同図(B)の例では、光源2は、基板21の光照射面に発光素子22(例えば、LED等)が搭載されている。また、同図(B)の例では、カバー部材3は、カバー本体32の端部(同図において下方向端部)に内側凸部31が形成されている。同図(B)に示すように、取付具1aは、結合部材13によって照明器具の本体4の光照射面の一部に固定され、板状の保持部11に光源2の一部が搭載され、係合部12の収容空間123に内側凸部31が収容されることでカバー部材3が照明器具の本体4に取り付けられている。
【0013】
本発明において取付具の材質は、例えば、金属製であってもよいし、樹脂製であってもよい。このような金属の材質としては、例えば、カラー鋼板、亜鉛メッキ鋼板、バネ用ステンレス鋼板等があげられ、樹脂の材質としては、例えば、PP(ポリプロピレン)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等があげられる。
【0014】
本発明において、光源は、特に制限されないが、例えば、基板の光照射面に発光素子が搭載されたものを含む。前記発光素子としては、例えば、LED及び有機EL(Organic Electro-Luminescence)等があげられる。
【0015】
本発明において、カバー部材は、別名で「グローブ」とも呼称されるものであり、照明器具の光照射面を覆うものである。カバー部材は透光性を有する材料で形成されているが、例えば、全体または一部を乳白色にして光散乱機能を付与してもよい。カバー部材の材質は、特に制限されず、例えば、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)等のアクリル、PC(ポリカーボネート)、PS(ポリスチレン)等の樹脂である。
【0016】
[実施形態2]
図2(A)、(B1)、(B2)及び(C)に、本発明の実施形態2の取付具の例を示す。同図(C)は、同図(B1)のA-A´方向から見た断面図である。
図2(A)の上面図、同図(B1)の保持部11側を手前とした斜視図及び同図(B2)の係合部12側を手前とした斜視図に示すように、取付具1bにおいて、係合部12の側壁部122の収容空間123側に、板バネ状の第1の弾性突起部124が形成され、側壁部122と天井部121とが接する辺の一端を含むように、側壁部122及び天井部121の両者が接する辺とは異なる一辺から収容空間123側に、停止壁126が突出しており、その他の構成は、実施形態1と同じである。同図(C)に示すように、カバー部材の内側凸部31からさらに突起したストッパー突起部311が形成されている場合、カバー部材の取付時に、カバー部材の内側凸部31を係合部12の収容空間123に配置して回動(同図において下矢印方向)させると、第1の弾性突起部124がストッパー突起部311と接触すると、第1の弾性突起部124が変形してストッパー突起部311が第1の弾性突起部124を乗り越えるようにカバー部材の回動を可能とし、ストッパー突起部311がその先の停止壁126に突き当たることで、カバー部材の回動をストップ可能である。また、カバー部材の取外し時の回動方向に対しては、ストッパー突起部311が第1の弾性突起部124に突き当たることで、同図(C)において上矢印方向の回動をストップ可能である。なお、本実施形態には、カバー部材の内側凸部31とストッパー突起部311とを別個に構成した例を示したが、内側凸部31とストッパー突起部311とを一体化して、一つの凸部として構成することも可能である。このような形態であれば、カバー部材の構成をさらに単純化できる。
【0017】
本発明において、第1の弾性突起部の形態及び材質等は、特に制限されず、前記板バネ状のものの他に、例えば、ゴム等の弾性部材で形成されていてもよい。
【0018】
[実施形態3]
図3(A)、(B)及び(C)に、本発明の実施形態3の取付具の例を示す。同図(C)は、同図(B)のB-B´方向に見た断面図である。
図3(A)の上面図及び同図(B)の斜視図に示すように、取付具1cにおいて、係合部12の天井部121に切り込みが入って板バネ部125が形成され、板バネ部125の収容空間123側に、突起部120が形成され、板バネ部125及び突起部120により、第2の弾性突起部が形成されており、その他の構成は、実施形態1と同じである。そして、同図(C)の断面図に示すように、カバー部材の内側凸部31を係合部12の収容空間123に配置した場合、板バネ部125と突起部120から形成された第2の弾性突起部により、同図(C)の矢印で示すように、カバー部材の内側凸部31が、本体4側に圧力で押し付けられて固定される。この圧力による押し付けにより、カバー部材と本体4との間に隙間が生じることを防止でき、防虫部材を別途用いることなく、簡単な構成で、外部からの虫、粉塵等のカバー部材等への侵入を防ぐことができる。
【0019】
本発明において、第2の弾性突起部の形態及び材質等は、特に制限されず、前記板バネ状のものの他に、例えば、ゴム等の弾性部材で形成されていてもよい。
【0020】
[実施形態4]
図4の斜視図に、本発明の実施形態4の取付具の例を示す。同図に示すように、取付具1dにおいて、実施形態2と同様に、係合部12の側壁部122に第1の弾性突起部124が形成され、側壁部122と天井部121とが接する辺の一端を含むように、側壁部122及び天井部121の両者が接する辺とは異なる一辺から収容空間123側に、停止壁(
図4には表れず)が突出しており、実施形態3と同様に、係合部12の天井部121に第2の弾性突起部(板バネ部125及び突起部120)が形成されており、これら以外の構成は、実施形態1と同様である。
【0021】
[実施形態5]
図5の斜視図に、本発明の実施形態5の取付具の例を示す。同図に示すように、取付具1eにおいて、板状の保持部11の光照射面側に、光照射方向に突出し、かつ緩やかな円弧状に伸びて形成された凸状ガイド部111が形成されており、これ以外の構成は、実施形態1と同じである。板状の保持部11の光照射面側に光源を搭載した場合、凸状ガイド部111は、凸状ガイド部111の側壁により前記光源の一部の搭載位置をガイド可能である。凸状ガイド部111は、周形状が円弧状の光源(基板)をガイドするのに適している。
【0022】
[実施形態6]
図6(A)は、本発明の実施形態6の照明器具の分解斜視図である。同図に示すように、実施形態6の照明器具は、本体4、電源装置5、光源2、取付具1、光拡散カバー6、及び、カバー部材3から構成されている。光源2は、中央に円形の開口が形成された円形基板の上に複数の発光素子(例えば、LED)が配置されたものである。前記基板は、複数枚の基板の連結により全体が円形とされていてもよい。前記基板としては、例えば、絶縁材であるガラスエポキシ樹脂(FR-4)の平板からなり、表面側に銀箔によって配線パターンが形成されたものを用いることができる。また、前記配線パターンの上、すなわち、前記基板の表面には、反射層として作用する白色のレジスト層を施してもよい。なお、前記基板の材料としては、絶縁材とする場合には、前記ガラスエポキシ樹脂(FR-4)以外に、セラミックス材料、合成樹脂材料等を適用できる。また、前記基板を金属製とする場合には、アルミニウム等の熱伝導性が良好で放熱性に優れたベース板の一面に絶縁層が積層されたベース基板等を適用できる。前記発光素子は、例えば、表面実装型のLEDパッケージであってもよい。前記LEDパッケージは、例えば、前記基板の周方向に、略円周状に複数列(本実施形態では3列)に亘って実装される。また、前記LEDパッケージに、発光色が昼白色のものと電球色のものとを用い、これらを交互に並べて、各列の隣接する発光素子を略等間隔をあけて配置してもよい。この昼白色と電球色のLEDパッケージを流れる電流等を調整することにより、調色が可能となる。なお、前記発光素子は、必ずしも複数列に実装する必要はなく、例えば、前記基板の周方向に沿って、1列に実装してもよい。前記発光素子の列数及び個数は、例えば、所望の出力等に応じて、適示設定できる。前記LEDパッケージは、例えば、セラミックスや合成樹脂で形成されたベースに配設されたLEDチップと、このLEDチップを封止するエポキシ樹脂やシリコーン樹脂等のモールド用の透光性樹脂とから構成されていてもよい。前記LEDチップは、例えば、青色光を発光する青色のLEDチップである。前記透光性樹脂には、昼白色や電球色の光を出射可能とするために蛍光体が混入されている。なお、LEDは、LEDチップを直接前記基板に実装するようにしてもよいし、砲弾型のLEDを実装するようにしてもよく、実装方式や形式は、特に限定されない。取付具1は、実施形態5の取付具1eである。実施形態6の照明器具において、本体4の光出射面側に、電源装置5、光源2、取付具1、光拡散カバー6、及び、カバー部材3が配置されている。電源装置5は、外部電源と接続可能であり、電源装置5と光源2は電気的に接続されて外部電源から光源(例えば、基板のLED)に電気を供給する。電源装置5は、例えば、交流100V等の外部電源から供給された電流を整流する整流回路、整流された電圧を所定の電圧に変換するトランス、一定電流を光源2に供給する定電流供給回路等を備える。光拡散カバー6は、光源2の基板の光照射面を覆うように配置されている。略円形のカバー部材3は、カバー本体を有し、その端部の内側には、内側に向かって延びる略L字状の内側凸部が、周方向において複数箇所設けられている。取付具1の保持部によって、光源2の基板の一部が保持(搭載)されるとともに、取付具1の係合部に、カバー部材3の内側凸部が係合されている。
【0023】
本体4は、別称で「シャーシ」とも言われる部材であり、例えば、冷間圧延鋼板等の金属材料の平板から円形状に形成され、中央に、円形の開口が形成されたものである。本体4は、例えば、照明器具を天井に取り付けるためのアダプターを取り付け可能である。アダプターは、例えば、従来公知のものを利用できる。このようなアダプターの一例としては、扁平な円柱形状であり、一端側に、建造物の天井に配置された既存の角型の引掛シーリングボディの引掛刃係合穴に係合する引掛刃を有するものがあげられる。また、アダプターは、電源装置5に接続されるコネクタを有してもよい。引掛シーリングボディ及びアダプターは、引掛刃係合穴及び引掛刃を係合させることで、電気的、機械的に接合される。アダプターを用いれば、天井との隙間を小さくして照明器具を取付可能である。
図6(B)に、本実施形態6の照明器具を天井7に取り付けた状態を示す。
【0024】
光拡散カバー6は、光源2を覆うものであり、例えば、LED等の直線光を拡散して全方位に光を照射できるようにするものである。光拡散カバー6は、例えば、乳白色の樹脂から形成される。前記樹脂としては、例えば、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)等のアクリル、PC(ポリカーボネート)、PS(ポリスチレン)等があげられる。
【0025】
図6(A)において、電源装置5は、光源2の下側に、本体4に形成された凹部のなかに配置され、かつ、光拡散カバー6で覆われる態様である。この態様により、カバー部材3を取り外した場合であっても、光拡散カバー6により、電源装置5が外部に露出しない構成となっており、手指等の接触による感電等を防ぐことができ、安全性に優れた照明器具を提供できる。
【0026】
図7(A)及び(B)に、取付具1を用いた光源2(基板の上にLED等が搭載されている)の保持の形態を示す。
【0027】
図7(A)は、取付具1を三つ使用した状態である。同図(A)の場合、少なくとも一つの取付具1として、例えば、実施形態2の取付具1bを使用すれば、カバー部材の回動をストップすることが可能である。また、同図(A)の場合、三つの取付具1として実施形態3の取付具1cを使用すれば、カバー部材を均等に加圧して本体に押し付けることができ、虫及び埃等の内部への侵入を効果的に防止可能である。
【0028】
図7(B)は、取付具1を六つ使用した状態である。同図(B)の場合は、少なくとも一つの取付具1として、例えば、実施形態2の取付具1bを使用すれば、カバー部材の回動をストップすることが可能である。また、同図(B)の場合、三つもしくは六つの取付具1として実施形態3の取付具1cを使用すれば、カバー部材を均等に加圧して本体に押し付けることができ、虫及び埃の侵入を効果的に防止可能である。なお、取付具は、三つ、六つに限られるものでなく、必要に応じて数を増減することで、各種の照明器具に対応することが可能である。
【0029】
[実施形態7]
図8(A)の斜視図及び同図(B)の上面図は、本発明の実施形態7の取付具の例を示す。同図に示すように、実施形態7の取付具1fは、板状の保持部11の光照射面側に、光照射方向に突出し、かつ途中で折れ曲がった直線状に伸びて形成された凸状ガイド部111が形成されており、これ以外の構成は、実施形態4と同じである。板状の保持部11の光照射面側に光源を搭載した場合、凸状ガイド部111は、凸状ガイド部111の側壁により前記光源の一部の搭載位置をガイド可能である。凸状ガイド部111は、周形状に角を持つ多角形状の光源(基板)をガイドするのに適している。
【0030】
[実施形態8]
図9は、本発明の実施形態8の照明器具の例を示す分解斜視図である。同図に示すように、光源2は、中央に円形の開口を有し、かつ、周形状が略四角形の基板に、複数の発光素子(例えば、LED)が搭載されたものであり、取付具1fの保持部には、途中で折れ曲がって直線状に伸びて形成された凸状ガイド部が形成されていること以外は、実施形態6の照明器具と同じ構成である。
【0031】
[実施形態9]
図10(A)及び(B)は、本発明の実施形態9の照明器具の例を示す。
図10(A)は、実施形態9の照明器具の断面図であり、同図(B)は、同図(A)のX部の拡大図である。同図(A)及び(B)に示すように、実施形態9では、取付具1において保持部11と係合部12の間(板状の支持部材14と側壁部122の間)に、光拡散カバー収容部が設けられており、ここに光拡散カバー6の端部が収容されている。このような形態によれば、取付具1によって拡散カバー6を本体に取り付けることができ、照明器具の構成がさらに単純なものとなる。また、同図(A)及び(B)に示すように、実施形態9の照明器具では、板状の保持部11に搭載された光源2(基板21)の一部の光出射側の少なくとも一部が、光拡散カバー6の一部と接触して保持部11に固定されている。このような形態によれば、光源2の固定も簡単な構造で可能となり、照明器具の構成をさらに単純化できる。
【0032】
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0033】
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
保持部及び係合部を含み、
前記保持部は、照明器具の光源の少なくとも一部を保持可能であり、
前記係合部は、前記照明器具の出射方向全面を覆うカバー部材の内側凸部と係合して前記カバー部材を前記照明器具本体に取り付け可能である
ことを特徴とする照明器具用の取付具。
(付記2)
前記係合部は、側壁部及び天井部を含み、
前記側壁部及び前記天井部の間に収容空間が形成され、
前記収容空間に前記カバー部材の内側凸部を収容可能とされて前記天井部及び前記カバー部材の内側凸部が係合することにより、前記カバー部材が前記照明器具本体に取り付け可能であることを特徴とする付記1記載の照明器具用の取付具。
(付記3)
前記係合部が第1の弾性突起部及び停止壁を含み、
前記第1の弾性突起部は、前記側壁部の前記収容空間側に配置され、
前記停止壁は、前記側壁部と前記天井部とが接する辺の一端を含むように、前記側壁部及び前記天井部の両者が接する辺とは異なる一辺から前記収容空間側に突出していることを特徴とする付記2記載の照明器具用の取付具。
(付記4)
前記第1の弾性突起部が、板バネであることを特徴とする付記3記載の照明器具用の取付具。
(付記5)
前記係合部が第2の弾性突起部を含み、
前記第2の弾性突起部は、前記天井部の前記収容空間側に配置されていることを特徴とする付記2から4のいずれかに記載の照明器具用の取付具。
(付記6)
前記第2の弾性突起部が、板バネであることを特徴とする付記5記載の照明器具用の取付具。
(付記7)
前記保持部が、光源を搭載する搭載台部を含むことを特徴とする付記1から6のいずれかに記載の照明器具用の取付具。
(付記8)
前記保持部が、前記搭載台部の光照射方向に突出した凸状ガイド部を含み、
前記凸状ガイド部は、前記凸状ガイド部の側壁により前記光源の一部の搭載位置をガイド可能であることを特徴とする付記7記載の照明器具用の取付具。
(付記9)
さらに、本体固定部を含み、
前記本体固定部によって、前記照明器具の本体に前記取付具が固定可能であることを特徴とする付記1から8のいずれかに記載の照明器具用の取付具。
(付記10)
前記保持部及び前記係合部が、一定距離を保った状態で配置され、前記保持部及び前記係合部の間に、前記照明器具の光拡散カバーの側壁部の一部を収容可能な光拡散カバー収容部が設けられていることを特徴とする付記1から9のいずれかに記載の照明器具用の取付具。
(付記11)
前記本体固定部が、前記保持部及び前記係合部の間に配置され、前記本体固定部、前記保持部及び前記係合部から囲まれた空間に、前記光拡散カバー収容部が設けられていることを特徴とする付記10記載の照明器具用の取付具。
(付記12)
付記1から11のいずれかに記載の取付具を少なくとも二つ含む照明器具用の取付具セット。
(付記13)
本体、電源装置、光源、取付具、及び、カバー部材を含み、
前記本体の光出射面側に、前記電源装置、前記光源、前記取付具、及び、前記カバー部材が配置され、
前記電源装置は、外部電源と接続可能であり、
前記電源装置及び前記光源は電気的に接続され
前記カバー部材の内側には内側凸部が設けられ、
前記取付具が、付記1から11のいずれかに記載の取付具を少なくとも一つ含み、
前記取付具の前記保持部に、前記光源の少なくとも一部が保持され、
前記取付部の前記係合部に、前記カバー部材の内側凸部が係合されている
ことを特徴とする照明器具。
(付記14)
少なくとも一つの前記取付具の少なくとも一つが付記3又は4記載の取付具であり、
前記カバー部材の内側凸部からさらに内側に突起するストッパー突起部が設けられ、
前記第1の弾性突起部及び前記停止壁と、前記ストッパー突起部との係合により、前記カバー部材の移動が制限される
ことを特徴とする付記13記載の照明器具。
(付記15)
少なくとも一つの前記取付具の少なくとも一つが付記5又は6記載の取付具であり、
前記第2の弾性突起部の弾性力により前記カバー部材の前記内側凸部が前記本体に加圧状態で固定されていることを特徴とする付記13又は14記載の照明器具。
(付記16)
さらに、光拡散カバーを含み、
前記光拡散カバーが、前記光源の光出射側に配置されている
ことを特徴とする付記13から15のいずれかに記載の照明器具。
(付記17)
少なくとも一つの前記取付具の少なくとも一つが付記10又は11記載の取付具であり、
前記光拡散カバー収容部に、前記光拡散カバーの側壁部の一部が収容されていることを特徴とする付記16記載の照明器具。
(付記18)
前記保持部に搭載された光源の一部の光出射側の少なくとも一部が、前記光拡散カバーの一部と接触して前記保持部に固定されていることを特徴とする付記16又は17に記載の照明器具。
(付記19)
前記光源及び電源装置が、前記光拡散カバーで覆われていることを特徴とする付記16から18のいずれかに記載の照明器具。
(付記20)
前記本体の光出射面側において、前記光源が、前記本体と一定の距離を保持した状態で配置され、
前記電源装置が、前記本体と前記光源との間に配置されている
ことを特徴とする付記13から19のいずれかに記載の照明器具。
(付記21)
前記光源が、基板と発光素子を含み、
前記基板の光出射面に前記発光素子が配置されている
ことを特徴とする付記13から20のいずれかに記載の照明器具。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明によれば、照明器具の構成を単純化することが可能な取付具、取付具セット、及び、それを用いた照明器具を提供することができる。
【符号の説明】
【0035】
1a、1b、1c、1d、1e、1f 取付具
2 光源
3 カバー部材
4 本体
5 電源装置
6 光拡散カバー
7 天井
11 保持部
12 係合部
13 結合部材
14 支持部材
21 基板
22 発光素子
31 内側凸部
32 カバー本体
111 凸状ガイド部
120 突起部
121 天井部
122 側壁部
123 収容空間
124 弾性突起部
125 板バネ部
126 停止壁
311 ストッパー突起部