IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 光陣三維科技有限公司の特許一覧

特許7515223組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生するシステムとその方法
<>
  • 特許-組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生するシステムとその方法 図1
  • 特許-組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生するシステムとその方法 図2
  • 特許-組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生するシステムとその方法 図3
  • 特許-組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生するシステムとその方法 図4
  • 特許-組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生するシステムとその方法 図5
  • 特許-組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生するシステムとその方法 図6
  • 特許-組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生するシステムとその方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生するシステムとその方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/2365 20110101AFI20240705BHJP
   H04N 21/2665 20110101ALI20240705BHJP
   H04N 21/482 20110101ALI20240705BHJP
【FI】
H04N21/2365
H04N21/2665
H04N21/482
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023563142
(86)(22)【出願日】2021-12-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-31
(86)【国際出願番号】 CN2021139040
(87)【国際公開番号】W WO2022143212
(87)【国際公開日】2022-07-07
【審査請求日】2023-06-27
(31)【優先権主張番号】202011620239.0
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】523244037
【氏名又は名称】光陣三維科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】陳韋廷
【審査官】富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0336702(US,A1)
【文献】特開2004-129003(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111447461(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 - 21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生する方法であって、
アレイサーバーが2組の信号源同時に受信し複数の第1信号源が出力する各第1ビデオストリーミング及び複数の第2信号源が出力する各第2ビデオストリーミングを備え
前記アレイサーバーが複数の第1マルチアングルフレームを含む第1マルチソースストリーミングメディア及び複数の第2マルチアングルフレームを含む第2マルチソースストリーミングメディアを生成し、前記第1マルチソースストリーミングメディア及び前記第2マルチソースストリーミングメディアをストリーミングメディアサーバーに伝送し、前記アレイサーバーは各前記第1ビデオストリーミング中から第1シングルアングルフレームをそれぞれ抽出し、各前記第1シングルアングルフレームを前記第1マルチアングルフレームとして組み合わせ、及び各前記第2ビデオストリーミング中から第2シングルアングルフレームをそれぞれ抽出し、各前記第2シングルアングルフレームを前記第2マルチアングルフレームとして組み合わせるステップと
クライアントを前記ストリーミングメディアサーバーに接続し、前記第1マルチソースストリーミングメディア及び前記第2マルチソースストリーミングメディア同時に受信するステップと、
前記クライアントがこれら前記第1マルチアングルフレーム中から同じ前記第1信号源により生成された前記第1シングルアングルフレームを持続的に取得し、取得された前記第1シングルアングルフレームを表示し、前記第1ビデオストリーミングを再生するステップと、
前記クライアントは第1切り換え信号が生成された際に、これら前記第1マルチアングルフレーム中から前記第1切り換え信号に対応する他の前記第1信号源により生成された前記第1シングルアングルフレームを持続的に抽出し、抽出された他の前記第1シングルアングルフレームを表示し、他の前記第1ビデオストリーミングを再生するステップと、
前記クライアントは第2切り換え信号が生成された際に、前記第2切り換え信号が対応する前記第2マルチソースストリーミングメディアに含まれる前記第2マルチアングルフレーム中から現在表示中の前記第1シングルアングルフレームが対応する前記第2シングルアングルフレームを持続的に抽出するように改変し、抽出された前記第2シングルアングルフレームを表示するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする、
組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生する方法。
【請求項2】
前記方法は、前記第1ビデオストリーミングを再生するステップの後、前記クライアントにおいて一時停止制御信号が生成された後に前記第1切り換え信号が生成された際に、現在表示中の前記第1シングルアングルフレームを含む前記マルチアングルフレーム中から前記第1切り換え信号に対応する他の前記第1シングルアングルフレームを抽出し、抽出された他の前記第1シングルアングルフレームを表示するステップを更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の、組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生する方法。
【請求項3】
前記第1切り換え信号を生成するステップでは前記クライアントが移動方向に移動距離をスライドするタッチ制御信号を生成し、前記クライアントを、これら前記マルチアングルフレーム中から前記第1切り換え信号に対応する他の前記第1信号源により生成された前記第1シングルアングルフレームを持続的に抽出するように改変するステップは、前記クライアントが現在表示中の前記第1シングルアングルフレームの前記第1信号源が前記移動方向に対応する方向において、前記移動距離に対応する間隔位置に配列されている他の前記第1信号源が出力する他の前記第1シングルアングルフレームを取得及び発信することを特徴とする、請求項1に記載の、組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生する方法。
【請求項4】
前記アレイサーバーが各前記第1シングルアングルフレームを前記第1マルチアングルフレームとして組み合わせるステップは、前記アレイサーバーがM*N個のブロックを含む前記第1マルチアングルフレームを生成し、各前記第1信号源のソース識別データに基づいて各前記第1シングルアングルフレームを互いに対応する前記ブロック中にそれぞれ配置することを特徴とする、請求項1に記載の、組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生する方法。
【請求項5】
組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生するシステムであって、前記システムは、
複数の第1信号源であって、各前記第1信号は第1ビデオストリーミングを出力するために用いられている複数の第1信号源と、複数の第2信号源であって、各前記第2信号は第2ビデオストリーミングを出力するために用いられている複数の第2信号源と、
ストリーミングメディアサーバーと、各前記第1ビデオストリーミング及び各前記第2ビデオストリーミング同時に受信し、複数の第1マルチアングルフレームを含む第1マルチソースストリーミングメディア及び複数の第2マルチアングルフレームを含む第2マルチソースストリーミングメディアを生成し、前記第1マルチソースストリーミングメディア及び前記第2マルチソースストリーミングメディアを前記ストリーミングメディアサーバーに伝送するアレイサーバーであって、前記アレイサーバーは各前記第1ビデオストリーミング中から第1シングルアングルフレームをそれぞれ抽出し、各前記第1シングルアングルフレームを前記第1マルチアングルフレームとして組み合わせ、各前記第2ビデオストリーミング中から第2シングルアングルフレームをそれぞれ抽出し、各前記第2シングルアングルフレームを前記第2マルチアングルフレームとして組み合わせるアレイサーバーと、
前記ストリーミングメディアサーバーに接続するために用いられ、前記第1マルチソースストリーミングメディア及び前記第2マルチソースストリーミングメディア同時に受信し、これら前記第1マルチアングルフレーム中から同じ前記第1信号源により生成された前記第1シングルアングルフレームを持続的に取得し、取得された前記第1シングルアングルフレームを表示し、前記第1ビデオストリーミングを再生し、第1切り換え信号が生成される際に、これら前記第1マルチアングルフレーム中から前記第1切り換え信号に対応する他の前記第1信号源により生成された前記第1シングルアングルフレームを持続的に抽出するように改変し、抽出された他の前記第1シングルアングルフレームを表示し、他の前記第1ビデオストリーミングを再生し、第2切り換え信号が生成された際に、第2切り換え信号が対応する前記第2マルチソースストリーミングメディアに含まれる前記第2マルチアングルフレーム中から現在表示中の前記第1シングルアングルフレームに対応する前記第2シングルアングルフレームを持続的に抽出すうるように改変し、抽出された前記第2シングルアングルフレームを表示するクライアントと、を少なくとも備えていることを特徴とする、
組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生するシステム。
【請求項6】
前記クライアントは、一時停止制御信号が生成された後に前記第1切り換え信号が生成された際に、現在表示中の前記第1シングルアングルフレームを抽出した前記マルチアングルフレーム中から前記第1切り換え信号に対応する他の前記第1シングルアングルフレームを抽出し、抽出された他の前記シングルアングルフレームを表示するために更に用いられていることを特徴とする、請求項に記載の、組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生するシステム。
【請求項7】
前記クライアントは、移動方向に移動距離をスライドするタッチ制御信号が生成された際に前記第1切り換え信号が生成されたと判断し、現在表示中の前記第1シングルアングルフレームの前記第1信号源が前記移動方向に対応する方向において前記移動距離に対応する間隔位置に配列されている他の前記第1信号源が出力する他の前記第1シングルアングルフレームを取得及び発信することを特徴とする、請求項に記載の、組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生するシステム。
【請求項8】
各前記第1マルチアングルフレームはM*N個ブロックを含み、前記アレイサーバーは各前記第1信号源のソース識別データに基づいて各前記第1シングルアングルフレームを互いに対応する前記ブロック中にそれぞれ配置して前記第1マルチアングルフレームを生成することを特徴とする、請求項に記載の、組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストリーミング再生システムおよびその方法に関し、更に詳しくは、組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生するシステムとその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ストリーミングメディア(Streaming media)とは、一連のフレームを含むマルチメディアファイルを圧縮した後、圧縮されたマルチメディアファイルを分割してインターネットを介して伝送することで、マルチメディアファイルのコンテンツを鑑賞するためにリアルタイムに提供する技術を指す。この技術によりマルチメディアファイルのパケットをパッケージ化して流水のようにサーバー端から受信端に伝送し、受信端がマルチメディアファイルをダウンロードすると同時にダウンロードしたコンテンツを再生するため、完全なマルチメディアファイルを予めダウンロードする必要がなかった。
【0003】
現在、ストリーミングメディアを使用する1種の応用としてインターネットのライブ配信がある。ライブ配信主またはライブ配信ユニットが映像音声信号をストリーミングメディアサーバーに伝送し、クライアント端がストリーミングメディアサーバーから伝送された映像音声信号を含むビデオストリーミング(ストリーミングメディア)を受信することで、ライブ配信主やライブ配信ユニットがライブ配信を行っている画面を再生する。ライブ配信ユニットが異なるアングルから見たライブ配信の現場画面を提供する場合、ライブ配信ユニットは複数の映像音声信号をストリーミングメディアサーバーに伝送し、ストリーミングメディアサーバーはユーザーが見たいアングルのビデオストリーミングをクライアント端に伝送する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
事実上、ビデオストリーミングを大量の異なるクライアント端に伝送するとストリーミングメディアサーバーが負荷可能な上限に近付くため、ストリーミングメディアサーバーは通常異なるアングルのビデオストリーミングを同じクライアント端に同時に提供することはない。このため、クライアント端のユーザーはアングルを切り換える場合、アングル切り換えリクエストをストリーミングメディアサーバーに送信し、ストリーミングメディアサーバーが受信したアングル切り換えリクエストに基づいて対応するアングルに変更した後のビデオストリーミングをクライアント端に伝送する。しかしながら、ストリーミングメディアサーバーの負荷上限に近付くと、ストリーミングメディアサーバーが受信不能になったり、クライアント端が送信したアングル切り換えリクエストをリアルタイムに処理できなくなり、アングル変更後のビデオストリーミングが遅れてしまいクライアント端に伝送できなくなった。また、クライアント端がアングル変更後のビデオストリーミングを受信しても、受信したビデオストリーミングに含まれるフレーム数(即ち、再生可能な時間)が既定値に達する前には、クライアント端はアングル変更後のビデオストリーミングの再生を開始できず、クライアント端が再生した画面が停止し、クライアント端のユーザーがライブ配信画面を一定時間見れなくなることがあった。
【0005】
以上を総合すると、既知の従来の技術には、ライブ配信を鑑賞する際に、アングルを切り換えるために反応時間が必要であるという問題が長年存在している。よって、改善した技術的手段を提供してこの問題を解決する必要があった。
【0006】
本発明は、従来技術に存在するライブ配信を鑑賞する際にアングルの切り換えに反応時間が必要であるという問題に鑑みて本発明者の鋭意研究により成されたものであり、その目的は、組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生するシステムとその方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の開示された組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生するシステムは、第1ビデオストリーミングをそれぞれ出力する複数の第1信号源と、ストリーミングメディアサーバーと、各第1ビデオストリーミングを受信するために用いられ、各第1ビデオストリーミング中から各第1シングルアングルフレームをそれぞれ持続的に抽出し、抽出した全ての第1シングルアングルフレームを第1マルチアングルフレームとして組み合わせ、第1マルチアングルフレームを第1マルチソースストリーミングメディアによりストリーミングメディアサーバーに伝送するアレイサーバーと、ストリーミングメディアサーバーに接続するために用いられ、第1マルチソースストリーミングメディアを受信し、第1マルチアングルフレーム中から同じ第1信号源により生成された第1シングルアングルフレームを持続的に取得し、取得した第1シングルアングルフレームを表示し、第1ビデオストリーミングを再生し、第1切り換え信号が生成された際に、第1マルチアングルフレーム中から第1切り換え信号に対応する他の第1信号源により生成された第1シングルアングルフレームを持続的に抽出するために用いられるように改変され、抽出した他の第1シングルアングルフレームを表示し、他の第1ビデオストリーミングを再生するクライアント端と、を少なくとも備えている。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明の開示された組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生する方法は、そのステップとして、アレイサーバーが複数の第1信号源が出力する第1ビデオストリーミングを受信するステップと、アレイサーバーが各第1ビデオストリーミング中から各第1シングルアングルフレームをそれぞれ持続的に抽出し、抽出した全ての第1シングルアングルフレームを第1マルチアングルフレームとして組み合わせ、各第1マルチアングルフレームを第1マルチソースストリーミングメディアによりストリーミングメディアサーバーに伝送するステップと、クライアント端がストリーミングメディアサーバーに接続され、且つ第1マルチソースストリーミングメディアを受信するステップと、クライアント端が第1マルチアングルフレーム中から同じ第1信号源により生成された第1シングルアングルフレームを持続的に取得し、取得した第1シングルアングルフレームを表示し、第1ビデオストリーミングを再生するステップと、クライアント端は第1切り換え信号が生成された際に、第1マルチアングルフレーム中から第1切り換え信号に対応する他の第1信号源により生成された第1シングルアングルフレームを持続的に抽出するように改変され、抽出した他の第1シングルアングルフレームを表示し、他の第1ビデオストリーミングを再生するステップと、を少なくとも含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明が開示する上述のシステム及び方法は、従来技術との相違点について、本発明ではアレイサーバーを利用して複数の信号源が出力するビデオストリーミングを、全てのビデオストリーミングを含むマルチソースストリーミングメディアとして組み合わせると共に、組み合わせて生成したマルチソースストリーミングメディアをストリーミングメディアサーバーに伝送し、ストリーミングメディアサーバーがマルチソースストリーミングメディアをクライアント端に提供し、クライアント端は受信したマルチソースストリーミングメディア中から再生したいビデオストリーミングを抽出する。こうすることで、従来技術に存在する問題を解決し、ライブ配信のサーバーの負荷を軽減する技術的効果を達成する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生するシステムを示す構成図である。
図2】本発明の一実施形態によるM×Nブロックを示す概略図である。
図3】本発明の一実施形態に係る組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生する方法を示すフローチャートである。
図4】本発明の一実施形態に係る操作インターフェースを示す概略図である。
図5】本発明の一実施形態に係る信号源の配置を示す概略図である。
図6】本発明の他の実施形態に係る組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生する方法を示すフローチャートである。
図7】本発明の他の実施形態に係る信号源の配置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることは言うまでもない。
【0012】
本発明は従来のストリーミングサービスの枠組みを改変せずに、アレイサーバーにより複数の信号源が発信するビデオストリーミングを、解像度が高く且つ全てのビデオストリーミングを含む他のマルチソースストリーミングメディアとして組み合わせ、マルチソースストリーミングメディアを既存のストリーミングメディアサーバーに伝送し、クライアント端がストリーミングメディアサーバーからマルチソースストリーミングメディアを取得すると共にマルチソースストリーミングメディア中から特定の信号源が発信するビデオストリーミングを抽出して再生し、ユーザーの操作に基づいてマルチソースストリーミングメディア中から他のビデオストリーミングを抽出して再生する。このようすることで、ユーザーが異なるアングルの他のビデオストリーミングを表示して鑑賞するように高速に切り換えることができる。アレイサーバー、ストリーミングメディアサーバー、及びクライアント端は計算機でもよい。
【0013】
本発明に係る計算機は1つまたは複数の処理モジュールと、1本または複数本のメモリーモジュールと、異なるハードウェア(メモリーモジュール及び処理モジュールを含む)に接続されているバス等のハードウェアと、を含むが、本発明はこれらに限られない。含まれる複数のハードウェア、計算機を利用してオペレーティングシステムをロードすると共に実行し、計算機上でオペレーティングシステムを運用してもよく、ソフトウェアやプログラムを実行してもよい。また、計算機は1つのハウジングを備え、上述の各ハードウェアはハウジング内に設置されている。
【0014】
本発明に係る計算機のバスは1種類または複数種類のタイプを含んでもよく、例えば、データバス(data bus)、アドレスバス(address bus)、制御バス(control bus)、拡張バス(expansion bus)、及び/またはローカルバス(local bus)等のタイプのバスを含む。計算機のバスは、ISA(Industry Standard Architecture, ISA)バス、PCI(Peripheral Component Interconnect, PCI)バス、VESA(Video Electronics Standards Association, VESA)ローカルバス、及びUSB(Universal Serial Bus, USB)、PCIe(PCI Express, PCI-E/PCIe)バス等を含むが、本発明はこれらに限定されない。
【0015】
本発明に係る計算機の処理モジュールはバスに結合されている。処理モジュールはレジスタ(Register)グループまたはレジスタスペースを備え、レジスタグループまたはレジスタスペースは処理モジュールの処理チップに完全に設置されてもよく、或いは処理チップの外に全部または部分的に設置されると共に、専用の電気的接続及び/またはバスを介して処理チップに結合されてもよい。処理モジュールは中央処理装置、マイクロプロセッサ、或いは適合するあらゆる処理装置でもよい。計算機が複数の処理装置である場合、すなわち、計算機が複数の処理モジュールを備え、計算機が備えている処理モジュールは全て同じまたは類似しており、且つバスを利用して結合及び通信を行う。処理モジュールは1つのコンピューター命令または一連の複数のコンピューター命令により特定の演算や操作を行ってもよく、例えば、数学的演算、論理演算、データの比較、データの複製/移動等を行ってもよい。こうすることで、計算機中の他のハードウェアを駆動し、或いはオペレーティングシステムを実行し、もしくは各種プログラム及び/またはモジュールを実行する。
【0016】
計算機中には通常1つまたは複数のチップセット(Chipset)を備えてもよい。計算機の処理モジュールはチップセットに結合されるか、バスを介してチップセットに電気的に接続されてもよい。チップセットは1つまたは複数の集積回路(Integrated Circuit, IC)で構成され、メモリーコントローラ及び周辺の入出力(I/O)コントローラ等を含み、すなわち、メモリーコントローラ及び周辺の入出力コントローラは1つの集積回路内に含まれてもよく、2つまたはより多くの集積回路を使用して実現してもよい。チップセットは通常入出力及びメモリー管理機能、及び複数の共有及び/または専用レジスタ、タイマー等を提供する。上述する共有及び/または専用のレジスタ及びタイマーはチップセットの1つまたは複数の処理モジュールにアクセスまたは使用するように結合されるか電気的に接続されてもよい。
【0017】
計算機の処理モジュールはメモリーコントローラを利用して計算機に装設されているメモリーモジュール及び大容量ストレージエリア中にあるデータにアクセスしてもよい。上述するメモリーモジュールはあらゆるタイプの揮発性メモリー(volatile memory)及び/または不揮発性(non-volatile memory, NVRAM)メモリーを含み、例えば、SRAM(Static Random Access Memory, SRAM)、DRAM(Dynamic Random Access Memory, DRAM)、ROM(Read-Only Memory, ROM)、フラッシュメモリー(Flash memory)等を含む。上述した大容量ストレージエリアはあらゆるタイプの保存装置や保存メディアを含み、例えば、ハードディスク、光ディスク(optical disc)、フラッシュドライブ(flash drive)、メモリーカード(memory card)、SSD(Solid State Disk, SSD)、或いはあらゆる他の保存装置等を含む。すなわち、メモリーコントローラはSRAM、DRAM、フラッシュメモリー、ハードディスク、SSD中のデータにアクセス可能である。
【0018】
計算機の処理モジュールは周辺の入出力コントローラを利用して周辺の入出力バスにより周辺の出力装置、周辺の入力装置、通信インターフェース、及びGPS受信機等の周辺機器やインターフェースに接続すると共に通信を行ってもよい。周辺の入力装置はあらゆるタイプの入力装置でもよく、例えば、キーボード、マウス、トラックボール、タッチコントロールパネル、ジョイスティック等でもよい。周辺の出力装置はあらゆるタイプの出力装置でもよく、例えば、ディスプレイ、プリンター等でもよい。周辺の入力装置と周辺の出力装置とは同じ装置でもよく、例えば、タッチスクリーン等でもよい。通信インターフェースはワイヤレス通信インターフェース及び/または有線通信インターフェースを含んでもよく、ワイヤレス通信インターフェースは、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(例えば、Wi-Fi(登録商標)、Zigbee(登録商標)等)、ブルートゥース(登録商標)、赤外線、近距離無線通信(Near-field communication, NFC)、3G/4G/5G等の移動体通信ネットワーク(セルラーネットワーク)や他のワイヤレスデータ伝送プロトコルをサポートするインターフェースを含んでもよい。有線通信インターフェースはイーサネット装置、DSLモデム、ケーブル(Cable)モデム、非同期転送モード(Asynchronous Transfer Mode, ATM)装置、或いは光ファイバー通信インターフェース及び/または部材等でもよい。処理モジュールは各種周辺機器及びインターフェースに周期的にポーリング(polling)し、計算機が各種周辺機器及びインターフェースを利用してデータの入出力を行うことが可能であり、上述したハードウェアの他の計算機を有して通信を行うこともできる。
【0019】
以下、まず、図1の本発明に係る組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生するシステムの構成図を例に挙げて本発明のシステムの動作について説明する。図1に示す如く、本発明のシステムは、第1信号源110と、アレイサーバー151と、ストリーミングメディアサーバー153と、クライアント端160と、付加可能な第2信号源130と、を含んで構成されている。第1信号源110、第2信号源130、及びストリーミングメディアサーバー153は物理的な接続ケーブルまたはワイヤレス通信方式でアレイサーバー151に接続され、且つストリーミングメディアサーバー153とクライアント端160との間はワイヤレスネットワークを介して接続されているが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】
第1信号源110は第1ビデオストリーミングを出力するために用いられ、第2信号源130は第2ビデオストリーミングを出力する。一般的には、本発明において、信号源(第1信号源110、第2信号源130)が出力するビデオストリーミング(第1ビデオストリーミング、第2ビデオストリーミング)は通常、信号源自身が生成し、例えば、信号源が外部のイメージを持続的にキャプチャして連続的なフレーム(frame)を生成し、生成されたフレームは生成順序に基づいてビデオストリーミングとして順次出力されるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0021】
一般的には、信号源はイメージ及び音声をキャプチャすると共にキャプチャしたイメージ及び音声を映像音声信号に変換して出力する計算機でもよく、例えば、ビデオカメラ等でもよいが、本発明はこれに限定されず、一例を挙げると、信号源は映像音声ファイルを保存すると共に保存した映像音声ファイルをアレイサーバー151に伝送する計算機でもよい。信号源は従来の各種プロトコルを使用して映像音声信号/映像音声ファイルをアレイサーバー151に伝送してもよく、例えば、Network Device Interface(NDI)プロトコルを使用してもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0022】
ちなみに、本発明において、2つまたは2つ以上の第1信号源110を備えてもよく、2つまたは2つ以上の第2信号源130を備えてもよい。一般的には、第2信号源130の数量は通常第1信号源110の数量と同じであり、異なる各第1信号源110は異なる第2信号源130に対応してもよく、即ち、第1信号源110と第2信号源130とが1対1の対応関係であってもよい。
【0023】
アレイサーバー151は第1信号源110が出力する第1ビデオストリーミングを受信するために用いられ、且つ受信した各第1ビデオストリーミング中から異なる1つの第1シングルアングルフレームをそれぞれ抽出し、異なる第1ビデオストリーミングから抽出した各第1シングルアングルフレームを1つの第1マルチアングルフレームとして組み合わせるために用いられている。
【0024】
より詳しくは、アレイサーバー151はまず図2に示すM*N個のブロックのマルチアングルフレーム200を生成し、マルチアングルフレーム200中のブロックの数量は第1信号源110の数量以上である。M及びNは1より大きい。大部分の実施例において、M及びNは同じ数値であり、且つ2のべき乗であるが、本発明はこれに限定されず、すなわち、M及びNは2、4等の数値以外、3や5等でもよく、且つM及びNは必ずしも同じである必要はない。
【0025】
アレイサーバー151は第1信号源110のソース識別データに基づいて取得した各第1シングルアングルフレームとマルチアングルフレーム200中の各ブロックとの対応関係を定義し、取得した各第1シングルアングルフレームをマルチアングルフレーム200中の対応するブロック中に配置して第1マルチアングルフレームを生成する。ソース識別データは特定の信号源を表示するデータでもよく、通常は特定の数量の文字、字母、数字、符号を特定の方式で配列することで形成され、例えば、信号源が使用するネットワークアドレス、信号源が接続されているインターフェースの番号、信号源の製品のシリアル番号、信号源に予め設定された特定のデータ等であるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】
一例を挙げると、アレイサーバー151は各信号源(第1信号源110)のソース識別データに基づいて各信号源を配列し、配列後の信号源により生成されたフレーム(第1シングルアングルフレーム)を、左から右並びに上から下の順序で各第1シングルアングルフレームとマルチアングルフレーム200中の各ブロックとの対応関係を順次定義する。例えば、いくつかの実施形態では、4個の第1信号源(111~114)が存在し、アレイサーバー151が2*2個のブロック(左上、左下、右上、右下の位置に配列する)を定義し、且つ第1信号源(111~114)のソース識別データに基づいて配列した各第1信号源の順序を第1信号源114、第1信号源113、第1信号源112、第1信号源111とし、第1信号源114により生成された第1シングルアングルフレームは左上隅に位置しているブロックに対応し、第1信号源113により生成された第1シングルアングルフレームは右上隅に位置しているブロックに対応し、第1信号源112により生成された第1シングルアングルフレームは左下隅に位置しているブロックに対応し、第1信号源111により生成された第1シングルアングルフレームは右下隅に位置しているブロックに対応する。
【0027】
いくつかの実施形態では、第1シングルアングルフレームの解像度がマルチアングルフレーム200中のブロックの解像度と異なる場合、アレイサーバー151は第1シングルアングルフレームの解像度を調整(拡大または縮小)し、第1シングルアングルフレームの解像度をマルチアングルフレーム200中のブロックの解像度と同じにしてもよい。
【0028】
事実上、アレイサーバー151は1回につき1つの第1マルチアングルフレームを生成する動作を実行するのみならず、上述した動作を持続的に不断で重複して実行してもよく、こうすることで、一連の第1マルチアングルフレームを生成する。すなわち、アレイサーバー151は1つの第1マルチアングルフレームを生成した後、異なる信号源から受信した各第1ビデオストリーミング中から他の異なる第1シングルアングルフレーム(通常は従来の抽出した第1シングルアングルフレームの後に配列されると共に従来の抽出した第1シングルアングルフレームに隣接する他の第1シングルアングルフレーム)を継続的に抽出し、且つ再度抽出した他の異なる第1シングルアングルフレームを他の異なる第1マルチアングルフレームとして組み合わせ、あらゆる信号源が伝送した第1ビデオストリーミングを受信しなくなるまでこのように不断で重複して実行してもよい。
【0029】
アレイサーバー151は第1マルチソースストリーミングメディアを生成するためにも用いられている。アレイサーバー151により生成された第1マルチソースストリーミングメディア中にはアレイサーバー151により生成された第1マルチアングルフレームを含み、且つ第1マルチソースストリーミングメディア中の各第1マルチアングルフレームはアレイサーバー151の生成順序に基づいて配列されている。
【0030】
アレイサーバー151は生成された第1マルチソースストリーミングメディアをストリーミングメディアサーバー153に伝送するためにも用いられている。一般的には、アレイサーバー151はRTMP(Real-Time Messaging Protocol, RTMP)を使用して第1マルチソースストリーミングメディアをストリーミングメディアサーバー153に伝送するが、本発明はこれに限定されるものではなく、ビデオストリーミングを伝送する方式は全てアレイサーバー151とストリーミングメディアサーバー153との間で使用可能である。アレイサーバー151は通常、1つのマルチアングルフレームが生成される度に、生成されたマルチアングルフレームをストリーミングメディアサーバー153に伝送する。
【0031】
アレイサーバー151は上述したように、第1マルチソースストリーミングメディアを生成する過程において、全ての第2信号源130が出力する第2ビデオストリーミングにより第2マルチソースストリーミングメディアを構成し、生成された第2マルチソースストリーミングメディアをストリーミングメディアサーバー153に伝送してもよい。すなわち、アレイサーバー151は各第2信号源130が出力する第2マルチソースストリーミングメディアを受信し、各第2マルチソースストリーミングメディア中から1つの第2シングルアングルフレームをそれぞれ持続的に抽出し、抽出した全ての第2シングルアングルフレームを1つの第2マルチアングルフレームとして持続的に組み合わせ、順次生成される第2マルチアングルフレームを含む第2マルチソースストリーミングメディアを生成してもよい。
【0032】
ストリーミングメディアサーバー153はアレイサーバー151が生成した第1マルチソースストリーミングメディアを受信してもよい。アレイサーバー151が第2マルチソースストリーミングメディアも生成する場合、ストリーミングメディアサーバー153はアレイサーバー151が生成した第2マルチソースストリーミングメディアを受信してもよい。
【0033】
ストリーミングメディアサーバー153はクライアント端160に接続するために用いられ、第1マルチソースストリーミングメディアをリクエストしているクライアント端160に第1マルチソースストリーミングメディアを提供する。いくつかの実施形態では、ストリーミングメディアサーバー153が第1マルチソースストリーミングメディアをリクエストするクライアント端160に第2マルチソースストリーミングメディア及び第1マルチソースストリーミングメディアを一緒に提供してもよい。
【0034】
クライアント端160は通常携帯電話、タブレット端末等のユーザーが携帯するのに便利な装置であるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0035】
クライアント端160はストリーミングメディアサーバー153に接続するために用いられ、ストリーミングメディアサーバー153に対し第1マルチソースストリーミングメディアをリクエストすることで、ストリーミングメディアサーバー153が提供した第1マルチソースストリーミングメディアを受信する。クライアント端160は第1マルチソースストリーミングメディアを受信する際に、ストリーミングメディアサーバー153からの第2マルチソースストリーミングメディアを一緒に受信してもよい。クライアント端160はHTTP Live Streamingの伝送プロトコル(HLS)を使用して第1マルチソースストリーミングメディア及び第2マルチソースストリーミングメディアを受信してもよく、ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、映像音声信号を伝送可能な伝送方式であれば全てストリーミングメディアサーバー153とクライアント端160との間で使用可能である。
【0036】
クライアント端160は第1マルチソースストリーミングメディア中から1つの第1マルチアングルフレームを抽出し、抽出した第1マルチアングルフレーム中から1つの第1シングルアングルフレームを取得し、取得した第1シングルアングルフレームを表示してもよい。実務上、クライアント端160は第1マルチソースストリーミングメディアに含まれる各第1マルチアングルフレームの順序に基づいて、第1マルチソースストリーミングメディア中の各第1マルチアングルフレームから同じ位置(同じブロック)にある第1シングルアングルフレームを持続的に抽出すると共に抽出した第1シングルアングルフレームを順次表示し、抽出した第1シングルアングルフレームを含む第1ビデオストリーミングを再生してもよい。本発明において、クライアント端160は既定値に基づいて対応する位置(ブロック)にある第1シングルアングルフレームを抽出し、既定値は特定の隅(例えば、左上隅や右上隅)にあるブロックに対応し、中央に位置しているブロックに対応し、或いは総ブロック数の半分に配列されているブロック(例えば、16個のブロックがある場合、8個目の位置に配列されているブロック)に対応する等であるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0037】
また、クライアント端160が第1マルチソースストリーミングメディア中から第1マルチアングルフレームを持続的に抽出すると共に第1マルチアングルフレームから第1シングルアングルフレームを取得して再生すると同時に、クライアント端160のユーザーがクライアント端160に対し行った特定の操作に追随して第1切り換え信号または第2切り換え信号或いは一時停止制御信号が生成される。第1切り換え信号/第2切り換え信号は、クライアント端160のユーザーが図4に示すようにクライアント端160のタッチスクリーン400のメイン表示エリア410上で移動方向に向けて一定の移動距離スライドすることで生成されたタッチ制御信号であり、ユーザーがクライアント端160を移動方向または角度に向けて回転することで生成された回転信号でもよいが、第1切り換え信号/第2切り換え信号を生成する特定の操作は上述のものに限定されない。一時停止制御信号はユーザーがメイン表示エリア410上で1回または2回押すことで生成されたタッチ制御信号であるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0038】
クライアント端160は第1切り換え信号が生成された際に、第1マルチソースストリーミングメディアが抽出した第1マルチアングルフレーム中から第1切り換え信号に対応する他の異なる第1シングルアングルフレームを取得し、取得した他の第1シングルアングルフレームを表示し、第1切り換え信号に対応する第1シングルアングルフレームを含む他の異なる第1ビデオストリーミング(本発明では、第1切り換え信号に対応する第1ビデオストリーミングを表示する)を再生してもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、全ての第1信号源110が一定の順序で配列されている場合、クライアント端160は第1切り換え信号が表示する移動方向に対応する方向に基づいて、第1マルチアングルフレーム中から現在表示中の第1シングルアングルフレームを出力する第1信号源110と一定間隔を置いて配列されている他の第1信号源110が出力する第1シングルアングルフレームを取得してもよい。
【0040】
例えば、現在表示中の第1シングルアングルフレームに対応するブロックが9個目の位置に配列されているブロック231であり(図2参照)、第1マルチアングルフレーム中の各ブロックの配列順序が左から右並びに上から下である場合(すなわち、2個の隣接するブロック中で、左/上にあるブロックの配列順序が右/下にあるブロックよりも先にある)、第1切り換え信号が左に向けてスライドするタッチ制御信号であれば、第1切り換え信号は8個目の位置に配列されているブロック224に対応し、クライアント端160は第1マルチアングルフレーム中からブロック224中に配置されている第1シングルアングルフレームを持続的に取得するように改変し、第1切り換え信号が右に向けてスライドするタッチ制御信号であれば、第1切り換え信号は10個目の位置に配列されているブロック232に対応し、クライアント端160は第1マルチアングルフレーム中からブロック232中に配置されている第1シングルアングルフレームを持続的に取得するように改変する。同様に、現在表示中の第1シングルアングルフレームが8個目の位置に配列されているブロック224に対応する場合、第1切り換え信号が左に向けてスライドするタッチ制御信号であれば、第1切り換え信号は7個目の位置に配列されているブロック223に対応し、クライアント端160は第1マルチアングルフレーム中からブロック223中に配置されている第1シングルアングルフレームを持続的に取得するように改変し、第1切り換え信号が右に向けてスライドするタッチ制御信号であれば、第1切り換え信号は9個目の位置に配列されているブロック231に対応し、クライアント端160は第1マルチアングルフレーム中からブロック231中に配置されている第1シングルアングルフレームを持続的に取得するように改変する。
【0041】
なお、例えば、第1切り換え信号が対応するブロックは第1切り換え信号が表示する移動方向及び移動距離に関連し、すなわち、仮に現在表示中の第1シングルアングルフレームに対応するブロックが9個目の位置に配列されているブロック231であり、複数の異なる長さの値の距離閾値が存在している場合、第1切り換え信号が左に向けてスライドするタッチ制御信号であれば、第1切り換え信号の移動距離が第1距離閾値に適合しない場合、第1切り換え信号は1個前の位置(8個目)に配列されているブロック224に対応し、第1切り換え信号の移動距離が第1距離閾値にのみ適合する場合、第1切り換え信号は2個前の位置(7個目)に配列されているブロック223に対応し、第1切り換え信号の移動距離が第1距離閾値及び第2距離閾値に適合する場合、第1切り換え信号は3個前の位置(6個目)に配列されているブロック222に対応し、以降同様に推移する。同様に、第1切り換え信号が右に向けてスライドするタッチ制御信号であれば、第1切り換え信号の移動距離が第1距離閾値に適合しない場合、第1切り換え信号は1個後の位置(10個目)に配列されているブロック232に対応し、第1切り換え信号の移動距離が第1距離閾値にのみ適合する場合、第1切り換え信号は2個後の位置(11個目)に配列されているブロック233に対応し、第1切り換え信号の移動距離が第1距離閾値及び第2距離閾値に適合する場合、第1切り換え信号は3個後の位置(12個目)に配列されているブロック234に対応し、以降同様に推移する。
【0042】
クライアント端160は一時停止制御信号が生成される際に、第1マルチソースストリーミングメディア中からの第1マルチアングルフレームの抽出を一時停止し、第1マルチアングルフレーム中からの第1シングルアングルフレームの取得を一時停止してもよく、或いは第1マルチアングルフレーム中から取得した第1シングルアングルフレームを表示しなくてもよい。例えば、一時停止制御信号が生成される前に最後に取得した第1シングルアングルフレームを持続的に表示し、第1ビデオストリーミングの再生を一時停止してもよい。クライアント端160は一時停止制御信号が生成された後、再生制御信号が生成される前に、第1切り換え制御信号が生成された際に、現在表示中の第1シングルアングルフレームを含むマルチアングルフレーム中から第1切り換え信号に対応する他の異なる第1シングルアングルフレームを抽出し、抽出した他のシングルアングルフレームを表示してもよい。クライアント端160は同様に上述する方式により、第1切り換え制御信号が表示する移動方向または移動方向及び移動距離に基づいて現在表示中の第1シングルアングルフレームから抽出したマルチアングルフレーム中から異なる第1シングルアングルフレームを抽出するように選択してもよい。クライアント端160は一時停止制御信号が生成された後、再生制御信号が生成された際に、既定値に基づいて現在受信した第1マルチソースストリーミングメディア中から抽出した第1マルチアングルフレームを継続表示するように選択し、或いは、一時停止制御信号が生成された後に受信した第1マルチソースストリーミングメディア中から抽出した第1マルチアングルフレームの表示を開始するように選択してもよいが、本発明は特に限定されるものではない。
【0043】
クライアント端160は第1切り換え信号が生成された後、生成された第1切り換え信号が対応するブロックに対応するように既定値を設定してもよい。このようにすることで、クライアント端160が第1マルチソースストリーミングメディアから抽出した第1マルチアングルフレーム中から第1シングルアングルフレームを継続的に取得する場合、第1切り換え信号に対応するブロック中から第1シングルアングルフレームを取得し、すなわち、第1マルチアングルフレーム中の同じ位置に位置しているブロックから第1シングルアングルフレームを持続的に取得する。
【0044】
クライアント端160は第2切り換え信号が生成された際に、第2マルチソースストリーミングメディアから抽出された第2マルチアングルフレーム中から現在表示中の第1シングルアングルフレームに対応する第2シングルアングルフレームを持続的に取得するように改変し、取得した第2シングルアングルフレームを表示し、第2シングルアングルフレームを含む第2ビデオストリーミング(本発明の第2切り換え信号に対応する第2ビデオストリーミングを表示してもよい)を再生してもよい。一般的には、現在表示中の第1シングルアングルフレームに対応する第2シングルアングルフレームは、第2マルチアングルフレームにおける位置が第1マルチアングルフレームにおいて現在表示中の第1シングルアングルフレームに対応するブロックの位置と同じ(配列順序が同じ)であるブロックに対応する第2シングルアングルフレームである。例えば、現在表示中の第1シングルアングルフレームに対応するブロックが第1マルチアングルフレーム中の9個目の位置に配列されている場合、現在表示中の第1シングルアングルフレームに対応する第2シングルアングルフレームが対応するブロックは、第2マルチアングルフレームの9個目の位置に配列されている。
【0045】
本発明において、1組の第2信号源130のみならず、複数組の第2信号源130を有する場合、第2切り換え信号が表示する移動距離により、第2切り換え信号が異なる組の第2信号源130に対応する。例えば、第1信号源110の平面上方に設置されている2組の第2信号源130を有する場合、クライアント端160は1つの距離閾値を有し、第2切り換え信号が表示する移動距離が距離閾値を超過していない場合、第2切り換え信号は第1信号源110との距離が近い1組の第2信号源130に対応し、第2切り換え信号が表示する移動距離が距離閾値を超過している場合、第2切り換え信号は第1信号源110との距離が遠い他の1組の第2信号源130に対応する。
【0046】
次は、第1実施例を例に挙げて本発明の動作システム及び方法を説明し、図3の本発明に係る組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生する方法のフローチャートを参照する。本実施例では、仮に第1信号源110がビデオカメラであり、第1信号源110が計16個あるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0047】
まず、本発明に係るストリーミングサービスを使用する前に、まず、第1信号源110を架設する必要がある。本実施例では、仮に第1信号源(111~126)が舞台の周囲に架設され、第1信号源(111~126)が1つの円形(または弧形)の軌跡で同じ水平面に架設されている場合、図5に示す如く、第1信号源(111~126)のネットワークアドレスがそれぞれ172.0.0.1~16であり、第1信号源(111~126)がネットワークアドレスの順序に基づいて小から大の順に配列され、すなわち、ネットワークアドレスが172.0.0.1である第1信号源111は、ネットワークアドレスが172.0.0.2である第1信号源112及び172.0.0.16である第1信号源126に隣接し、ネットワークアドレスが172.0.0.2である第1信号源112は、ネットワークアドレスが172.0.0.1である第1信号源111及び172.0.0.3である第1信号源113に隣接し、…、ネットワークアドレスが172.0.0.15である第1信号源125は、ネットワークアドレスが172.0.0.14である第1信号源124及び172.0.0.16である第1信号源126に隣接し、ネットワークアドレスが172.0.0.16である第1信号源126は、ネットワークアドレスが172.0.0.15である第1信号源125及び172.0.0.1である第1信号源111に隣接する。
【0048】
第1信号源110の架設が完了した後、第1信号源110は舞台上のイメージの撮影を開始し、撮影したイメージをビデオストリーミング(ストリーミングメディア)方式でアレイサーバー151に伝送する。本実施例では、仮に第1信号源(111~126)により生成された第1ビデオストリーミングの解像度が960*540であり、第1信号源(111~126)はNDIプロトコルを利用して第1ビデオストリーミングをアレイサーバー151に伝送する。
【0049】
アレイサーバー151が第1信号源110から伝送された第1ビデオストリーミングを受信(ステップ310)した後、アレイサーバー151は各第1ビデオストリーミング中から異なる1つの第1シングルアングルフレームをそれぞれ持続的に抽出し、アレイサーバー151は毎回各第1ビデオストリーミングから抽出した異なる各第1シングルアングルフレームを1つの第1マルチアングルフレームとして組み合わせ、第1マルチアングルフレームを第1マルチソースストリーミングメディアによりストリーミングメディアサーバー153に伝送する(ステップ330)。本実施例では、仮にアレイサーバー151が解像度3840*2160の第1マルチアングルフレームを生成し、第1マルチアングルフレーム中で図2に示す4*4個のブロック(各ブロックの解像度は960*540である)を定義し、第1信号源(111~126)のネットワークアドレス(ソース識別データ)に基づいて異なる第1ビデオストリーミング中から抽出した各第1シングルアングルフレームと第1マルチアングルフレーム中の各ブロックとの対応関係を定義する。アレイサーバー151が4*4のブロックを左から右並びに上から下の順序で配列するように定義した場合、アレイサーバー151はネットワークアドレスが172.0.0.1であるビデオカメラ(第1信号源111)により生成された第1ビデオストリーミング中の第1シングルアングルフレームが対応するブロック211、ネットワークアドレスが172.0.0.2であるビデオカメラ(第1信号源112)により生成された第1ビデオストリーミング中の第1シングルアングルフレームが対応するブロック212、ネットワークアドレスが172.0.0.3であるビデオカメラ(第1信号源113)により生成された第1ビデオストリーミング中の第1シングルアングルフレームが対応するブロック213、…、ネットワークアドレスが172.0.0.5であるビデオカメラ(第1信号源115)により生成された第1ビデオストリーミング中の第1シングルアングルフレームが対応するブロック221、…、ネットワークアドレスが172.0.0.13であるビデオカメラ(第1信号源123)により生成された第1ビデオストリーミング中の第1シングルアングルフレームが対応するブロック241、…、ネットワークアドレスが172.0.0.15であるビデオカメラ(第1信号源125)により生成された第1ビデオストリーミング中の第1シングルアングルフレームが対応するブロック243、及びネットワークアドレスが172.0.0.16であるビデオカメラ(第1信号源126)により生成された第1ビデオストリーミング中の第1シングルアングルフレームが対応するブロック244を定義する。次に、アレイサーバー151は各第1シングルアングルフレームを対応するブロック(211~244)中に挿入することで、アレイサーバー151が16個の第1シングルアングルフレームを含む1つの第1マルチアングルフレームを生成し、複数の第1マルチアングルフレームを含む第1マルチソースストリーミングメディアをさらに生成し、プルストリーム方式を使用し、RTMPを利用して第1マルチソースストリーミングメディアをストリーミングメディアサーバー153に伝送する。
【0050】
ストリーミングメディアサーバー153がアレイサーバー151により生成された第1マルチソースストリーミングメディアを受信した後、クライアント端160がストリーミングメディアサーバー153に接続され、ストリーミングメディアサーバー153に対し第1マルチソースストリーミングメディアをリクエストする。ストリーミングメディアサーバー153はクライアント端160から発信されたリクエストを受信した後、第1マルチソースストリーミングメディアをクライアント端160に伝送し、クライアント端160が第1マルチソースストリーミングメディアを受信する(ステップ350)。本実施例では、仮にクライアント端160がプルストリーム方式を使用し、HLSプロトコルを利用して第1マルチソースストリーミングメディアを受信する。
【0051】
クライアント端160がマルチソースストリーミングメディアを受信した後、クライアント端160が受信した第1マルチソースストリーミングメディア中から第1マルチアングルフレームを持続的に抽出し、各第1マルチアングルフレーム中から第1シングルアングルフレームを持続的に取得し、取得した第1シングルアングルフレームを持続的に表示し、第1ビデオストリーミングを再生してもよい(ステップ360)。本実施例では、仮に既定値が1個目の位置に配列されているブロック中からシングルアングルフレームを取得したことを示している場合、クライアント端160は左上隅から計算を開始し(左上隅の画素の第1マルチアングルフレームにおける座標は(1,1))、各第1マルチアングルフレーム中からX軸を1個目から960個目の画素とし、Y軸を1個目から540個目の画素とするイメージを抽出し(抽出したイメージは第1シングルアングルフレームとする)、抽出したイメージ(第1シングルアングルフレーム)を表示する。こうすることで、第1信号源111が撮影し生成した第1ビデオストリーミングがクライアント端160で再生される。クライアント端160は第1マルチソースストリーミングメディアのフレームレート(frames per second, FPS)を第1マルチソースストリーミングメディア中から第1マルチアングルフレームを抽出する周波数とする。
【0052】
クライアント端160で第1ビデオストリーミングを再生する場合、第1切り換え信号が生成されると、クライアント端160が受信したマルチソースストリーミングメディア中から他の第1シングルアングルフレームを持続的に抽出するように改変し、取得した第1シングルアングルフレームを持続的に表示し、他の第1ビデオストリーミングを再生する(ステップ370)。本実施例では、仮に第1切り換え信号が、クライアント端160のユーザーが指でクライアント端160のタッチスクリーン400のメイン表示エリア410(図4参照)上を右に向けてスライドすることで生成されたタッチ制御信号であり、メイン表示エリア410上で左右にスライドしたタッチ制御信号が現在再生中のビデオストリーミングのアングルを改変した場合、クライアント端160は第1切り換え信号が生成された後、右に向けてスライドしたタッチ制御信号(第1切り換え信号)に基づいて現在再生中の第1ビデオストリーミングを出力する第1信号源111の位置に隣接すると共に第1信号源111の後(仮に反時計回り方向とする)に配列された第1信号源112が出力する第1ビデオストリーミングを選択してもよい。すなわち、クライアント端160は左上隅から計算を開始し、各第1多源フレーム中からX軸を第961個目から1920個目の画素とし、Y軸を1個目から540個目の画素とするイメージを持続的に抽出し(抽出されたイメージは第1信号源112により生成された第1シングルアングルフレームとする)、抽出された第1シングルアングルフレームを表示する。こうすることで、第1信号源112が撮影し生成した第1ビデオストリーミングをメイン表示エリア410で再生可能となる。
【0053】
同様に、クライアント端160が第1信号源112により撮影されて生成された第2ビデオストリーミングを再生する場合、右に向けてスライドするタッチ制御信号(第1切り換え信号)が再度生成され、クライアント端160が同様に受信した第1マルチソースストリーミングメディア中から第1マルチアングルフレームを持続的に抽出し、各第1マルチアングルフレーム中から第1切り換え信号に対応する他の第1信号源113により生成された第1シングルアングルフレームを持続的に取得する。すなわち、各第1マルチアングルフレーム中からX軸を1921個目から2880個目の画素とし、Y軸を1個目から540個個目の画素とするイメージを抽出し、取得したイメージを持続的に表示し、第1信号源113が撮影し生成した第1ビデオストリーミングを再生する。再度生成された第1切り換え信号が左に向けてスライドするタッチ制御信号である場合、クライアント端160は受信した第1マルチソースストリーミングメディア中から第1マルチアングルフレームを持続的に抽出し、各第1マルチアングルフレーム中から第1切り換え信号に対応する第1信号源111により生成された第1シングルアングルフレームを持続的に取得する。すなわち、各第1マルチアングルフレーム中からX軸を1個目から960個目の画素とし、Y軸を1個目から540個目の画素とするイメージを抽出し、取得したイメージを持続的に表示し、第1信号源111が撮影し生成した第1ビデオストリーミングを再生する。
【0054】
また、クライアント端160は第1切り換え信号が生成された後、現在再生中の第1ビデオストリーミングを出力する第1信号源111が移動方向において対応すると共に移動距離に対応する間隔位置に配列されている他の第1信号源が出力する第1ビデオストリーミングを選択し、右の移動方向は反時計回り方向に第1信号源110を選択することを示す。すなわち、対応するブロックが後に配列されている第1シングルアングルフレームを選択することを示し、移動距離が第1距離閾値より大きくない場合、クライアント端160はメイン表示エリア410中で第1信号源112が出力する第1ビデオストリーミングを再生するように改変する。すなわち、クライアント端160は左上隅から計算を開始し、各第1マルチアングルフレーム中からX軸を961個目から1920個目の画素とし、Y軸を1個目から540個目の画素とするイメージを持続的に抽出するように改変し(抽出されたイメージは第1信号源112が出力する第1シングルアングルフレームとする)、メイン表示エリア410中に抽出した第1シングルアングルフレームを表示する。移動距離が第1距離閾値よりも大きいが、第2距離閾値よりも大きくない場合、クライアント端160はメイン表示エリア410中で第1信号源113が出力する第1ビデオストリーミングを再生するように改変し、クライアント端160は第1マルチアングルフレーム中からX軸を961個目から1920個目の画素とし、Y軸を1個目から540個目の画素とするイメージを持続的に抽出するように改変し、…、移動距離が第3距離閾値大きいが、第4距離閾値より大きくない場合、クライアント端160はメイン表示エリア410中に第1信号源115が出力する第1ビデオストリーミングを再生するように改変し、クライアント端160は第1マルチアングルフレーム中からX軸を1個目から960個目の画素とし、Y軸を541個目から1080個目の画素とするイメージを持続的に抽出し、…、以降同様に推移する。
【0055】
このように、本発明を利用することで、アレイサーバー151は、複数の信号源が出力するビデオストリーミングを、高い解像度で全てのビデオストリーミングを含むマルチソースストリーミングメディアとして組み合わせた後、ストリーミングメディアサーバー153からクライアント端160に伝送し、クライアント端160がローカル(local)で異なる信号源が出力するビデオストリーミングに切り換えて再生可能する。こうすることで、略遅延がない状況において、異なるアングルのビデオストリーミングに切り換えて再生できる。
【0056】
上述の第1実施例において、クライアント端160が第1ビデオストリーミングを再生する際に、一時停止制御信号が先に生成されている場合、クライアント端160は第1マルチソースストリーミングメディア中から抽出される第1マルチアングルフレームを一時停止してもよく、第1マルチアングルフレーム中からの第1シングルアングルフレームの取得を一時停止してもよく、一時停止制御信号が生成される前に最後に取得した第1シングルアングルフレームを持続的に表示し、第1ビデオストリーミングの再生を一時停止してもよい。クライアント端160は一時停止制御信号が生成された後、第1切り換え制御信号が生成された際に、現在表示中の第1シングルアングルフレームを含むマルチアングルフレーム中から第1切り換え信号に対応する他の異なる第1シングルアングルフレームを抽出し、抽出した他のシングルアングルフレームを表示してもよい。例えば、クライアント端160は第1切り換え信号が毎回生成されるのに追随し、前または後に配列されるブロック中から第1シングルアングルフレームを抽出すると共に表示するように改変してもよい。或いは、第1切り換え信号が表示する移動方向及び移動距離に追随して、前または後に一定間隔で配列されるブロック中から第1シングルアングルフレームを抽出すると共に表示するように選択してもよい。
【0057】
次は、第2実施例を例に挙げて本発明の動作システム及び方法を説明し、図6の本発明に係る他の、組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生する方法のフローチャートを参照する。本実施例では、仮に図7に示す如く、第1信号源110及び第2信号源130等の2組の信号源を含み、第1信号源110及び第2信号源130は舞台周囲に架設されているビデオカメラであり、第1信号源110及び第2信号源130は各々16個有しているが、本発明はこれに限定されるものではない。第1信号源(111~126)のネットワークアドレスは172.0.0.1~16であり、第2信号源(131~146)のネットワークアドレスは172.0.1.1~16であり、第1信号源(111~126)はネットワークアドレスの順序に基づいて舞台から約150cm離れた平面に環状に設置され、第2信号源(131~146)はネットワークアドレスの順序に基づいて舞台から約200cm離れた他の平面に環状に設置され、同時に、ネットワークアドレスが172.0.1.1である第2信号源131はネットワークアドレスが172.0.0.1である第1信号源111に対応し、ネットワークアドレスが172.0.1.2である第2信号源132はネットワークアドレスが172.0.0.2である第1信号源112に対応し、…、以降同様に推移する。
【0058】
第1信号源110及び第2信号源130の設置が完了した後、第1信号源110及び第2信号源130は舞台上のイメージの撮影を開始し、撮影したイメージはビデオストリーミング方式によりアレイサーバー151に伝送する。本実施例では、仮に全ての信号源(第1信号源110及び第2信号源130)により生成されたビデオストリーミング(第1ビデオストリーミング及び第2ビデオストリーミング)の解像度は全て960*540であり、全ての信号源はNDIプロトコルを利用してビデオストリーミングをアレイサーバー151に伝送することができる。
【0059】
アレイサーバー151が第1信号源110から伝送された第1ビデオストリーミング及び第2信号源130から伝送された第2ビデオストリーミングを受信(ステップ610)した後、アレイサーバー151が第1実施例において描写したように、各第1ビデオストリーミング中から1つの第1シングルアングルフレームをそれぞれ持続的に抽出し、毎回抽出した異なる第1シングルアングルフレームを1つの第1マルチアングルフレームとして組み合わせ、第1マルチアングルフレームを第1マルチソースストリーミングメディアによりストリーミングメディアサーバー153に伝送する。また、アレイサーバー151は各第1ビデオストリーミングから第1マルチソースストリーミングメディアを生成する同じ過程において、各第2ビデオストリーミング中から1つの第2シングルアングルフレームをそれぞれ持続的に抽出し、毎回抽出した異なる第2シングルアングルフレームを1つの第2マルチアングルフレームとして組み合わせ、生成された第2マルチアングルフレームを第2マルチソースストリーミングメディアによりストリーミングメディアサーバー153に伝送する(ステップ630)。本実施例では、仮にアレイサーバー151が第1マルチソースストリーミングメディアを生成する過程について、ここでは、繰り返さない。また、アレイサーバー151は同様に図2に示す如く、解像度960*540の4*4個のブロックを含む第2マルチアングルフレームを生成し、第2信号源(131~146)のネットワークアドレス(ソース識別データ)に基づいて各第2シングルアングルフレームと各ブロックとの対応関係を定義し、或いは、第2信号源130が対応する第1信号源110により生成された第1シングルアングルフレームの第1マルチアングルフレームにおける位置に基づいて対応する第2信号源130により生成された第2シングルアングルフレームと各ブロックとの対応関係を定義する。すなわち、アレイサーバー151はブロックを左から右並びに上から下の順序で配列するように定義した場合、アレイサーバー151はネットワークアドレスが172.0.1.1であるビデオカメラ(第2信号源131)により生成された第2ビデオストリーミング中の第2シングルアングルフレームが対応するブロック211、ネットワークアドレスが172.0.1.2であるビデオカメラ(第2信号源132)により生成された第2ビデオストリーミング中の第2シングルアングルフレームが対応するブロック212、…、及びネットワークアドレスが172.0.1.16であるビデオカメラにより生成された第2ビデオストリーミング中の第2シングルアングルフレームが対応するブロック244を定義する。次いで、アレイサーバー151は各第2シングルアングルフレームを対応するブロック中に挿入することで、アレイサーバー151が16個の第2シングルアングルフレームを含む第2マルチアングルフレームを生成し、第2マルチアングルフレームを含む第2マルチソースストリーミングメディアを生成し、プルストリーム方式によりRTMPを利用して第1マルチソースストリーミングメディア及び第2マルチソースストリーミングメディアをストリーミングメディアサーバー153に伝送してもよい。
【0060】
ストリーミングメディアサーバー153がアレイサーバー151から伝送された第1マルチソースストリーミングメディア及び第2マルチソースストリーミングメディアを受信した後、クライアント端160がストリーミングメディアサーバー153に接続され、ストリーミングメディアサーバー153に対し第1マルチソースストリーミングメディアをリクエストする。ストリーミングメディアサーバー153はクライアント端160が発信したリクエストを受信した後、第1マルチソースストリーミングメディア及び第2マルチソースストリーミングメディアをクライアント端160に伝送し、クライアント端160が第1マルチソースストリーミングメディア及び第2マルチソースストリーミングメディアを受信する(ステップ650)。本実施例では、仮にクライアント端160がプルストリーム方式を使用し、HLSプロトコルを利用して第1マルチソースストリーミングメディア及び第2マルチソースストリーミングメディアを受信する。
【0061】
クライアント端160が第1マルチソースストリーミングメディア及び第2マルチソースストリーミングメディアを受信した後、クライアント端160が受信した第1マルチソースストリーミングメディア中から第1マルチアングルフレームを持続的に抽出し、各第1マルチアングルフレーム中から第1シングルアングルフレームを持続的に取得し、取得した第1シングルアングルフレームを持続的に表示し、第1ビデオストリーミングを再生する(ステップ660)。本実施例では、仮に既定値が1個目の位置に配列されているブロック中のシングルアングルフレームを取得することを示す場合、クライアント端160が左上隅から計算を開始し、各第1マルチアングルフレーム中からX軸を1個目から960個目の画素とし、Y軸を1個目から540個目の画素とするイメージを抽出し(抽出されたイメージは第1シングルアングルフレームとする)、抽出したイメージ(第1シングルアングルフレーム)を表示する。このようにすることで、第1信号源111が撮影し生成した第1ビデオストリーミングはクライアント端160上で再生される。
【0062】
クライアント端160が第1ビデオストリーミングを再生する際に、第1切り換え信号が生成されると、クライアント端160は第1実施例で述べた如く、受信した第1マルチソースストリーミングメディア中から第1マルチアングルフレームを持続的に抽出し、各第1マルチアングルフレーム中から第1切り換え信号に対応する他の異なる第1シングルアングルフレームを持続的に取得し、取得した第1シングルアングルフレームを持続的に表示し、他の第1ビデオストリーミングを再生する。第2切り換え信号が生成されると、クライアント端160は第2切り換え信号に対応する第2マルチソースストリーミングメディア中から第2マルチアングルフレームを抽出するように改変し、各第2マルチアングルフレーム中から現在再生中の第1シングルアングルフレームに対応する第2シングルアングルフレームを持続的に取得し、取得した第2シングルアングルフレームを持続的に表示し、第2ビデオストリーミングを再生する(ステップ680)。本実施例では、仮に第2切り換え信号が、クライアント端160のユーザーが指でクライアント端160のタッチスクリーン400のメイン表示エリア410(図4参照)上で上に向けてスライドすることで生成されたタッチ制御信号である場合、メイン表示エリア410上で下にスライドするタッチ制御信号により現在再生中のビデオストリーミングのアングルを改変し、クライアント端160は第2切り換え信号が生成された後、上にスライドするタッチ制御信号(第2切り換え信号)に基づいて現在再生中の第1ビデオストリーミングを出力する第1信号源111に対応する第2信号源131が出力する第2ビデオストリーミングを選択する。すなわち、クライアント端160は左上隅から計算を開始し、各第2シングルアングルフレーム中からX軸を1個目から960個目の画素とし、Y軸を1個目から540個目の画素とするイメージを抽出し(抽出されたイメージは第2信号源131により生成された第2シングルアングルフレームとする)、抽出した第2シングルアングルフレームを表示する。このようにすることで、第2信号源131が撮影し出力した第2ビデオストリーミングをクライアント端160上で再生する。
【0063】
同様に、クライアント端160で第2信号源131が撮影し生成した第2ビデオストリーミングを再生する際に、下にスライドするタッチ制御信号(第2切り換え信号)が生成されると、クライアント端160が第2切り換え信号に対応する第1マルチソースストリーミングメディア中から第1マルチアングルフレームを持続的に抽出するように改変し、各第1マルチアングルフレーム中から現在再生中の第2シングルアングルフレームを出力する第2信号源131に対応する第1信号源111が出力する第1シングルアングルフレームを持続的に取得する。すなわち、各第1マルチアングルフレーム中からX軸を1個目から960個目の画素とし、Y軸を1個目から540個目の画素とするイメージを抽出し、取得したイメージを持続的に表示し、第1信号源111が撮影し生成した第1ビデオストリーミングを再生する。また、生成されたタッチ制御信号が第1切り換え信号であり、第2切り換え信号ではない場合、クライアント端160が受信した第2マルチソースストリーミングメディア中から第2マルチアングルフレームを持続的に抽出し、各第2マルチアングルフレーム中から第1切り換え信号に対応する第2信号源132により生成された第2シングルアングルフレームを持続的に取得する。すなわち、各第2マルチアングルフレーム中からX軸を961個目から1920個目の画素とし、Y軸を1個目から540個目の画素とするイメージを抽出し、取得したイメージを持続的に表示し、第2信号源132が撮影し生成した第2ビデオストリーミングを再生する。第1切り換え信号は第2信号源132に対応するものに限られず、クライアント端160は第1切り換え信号が表示する移動方向及び移動距離に基づいて他の非第2信号源131の第2信号源(133~146)に対応し、第2マルチアングルフレーム中から対応する位置にあるイメージを持続的に抽出すると共に表示する。
【0064】
以上を総合すると、本発明と従来技術との相違点について、アレイサーバーは複数の信号源が出力するビデオストリーミングを全てのビデオストリーミングを含む1つのマルチソースストリーミングメディアとして組み合わせると共に組み合わせて生成したマルチソースストリーミングメディアをクライアント端に提供し、クライアント端は受信したマルチソースストリーミングメディア中から再生したいビデオストリーミングを抽出する技術的手段であり、この技術的手段により従来技術に存在するライブ配信を鑑賞する際にアングルを切り換えるのに反応時間が必要であるという問題を解決し、ライブ配信のサーバーの負荷を軽減する技術的効果を達成している。
【0065】
また、本発明に係る組み合わせて伝送される複数のストリーミングメディアから特定のストリーミングメディアを抽出し再生する方法は、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアとの組み合わせで実現し、コンピューターシステム中で集中方式で実現するか、または異なる素子を相互に接続されている若干のコンピューターシステムにより分散方式で実現する。
【符号の説明】
【0066】
110~126 第1信号源
130~146 第2信号源
151 アレイサーバー
153 ストリーミングメディアサーバー
160 クライアント
200 マルチアングルフレーム
211~244 ブロック
400 タッチスクリーン
410 メイン表示エリア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7