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特許7515227決済システムで用いられる前払式支払手段発行業者端末
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】決済システムで用いられる前払式支払手段発行業者端末
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/06 20120101AFI20240705BHJP
【FI】
G06Q20/06 300
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2024083833
(22)【出願日】2024-05-23
(62)【分割の表示】P 2023072151の分割
【原出願日】2023-04-26
【審査請求日】2024-05-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518309460
【氏名又は名称】株式会社Kort Valuta
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】柴田 秀樹
【審査官】上田 智志
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-80177(JP,A)
【文献】特開2023-66890(JP,A)
【文献】田中 計士,会計・監査への影響は? 1からわかる暗号資産・ブロックチェーン,企業会計 第74巻 第7号 ACCOUNTING,株式会社中央経済社,2022年06月02日,第74巻,pp. 112-117
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
NFTマーケットでのNFT売買における決済システムで用いられる前払式支払手段発行業者端末であって、
購入者アカウントと出品者アカウントを有しており、
ネットワークを介して、NFTマーケットプレイス端末と、暗号資産交換業者端末と、NFT出品者端末と、NFT購入者端末と接続されており、
前記NFT出品者端末から前記NFTマーケットプレイス端末に出品されたNFTに対して、前記NFTマーケットプレイス端末が前記NFT購入者端末からの購入希望通知を受けたときに、自動的に前記購入者アカウントから法定通貨を電子的に引き出して前記暗号資産交換業者端末に予め設置された前払式支払手段発行業者アカウントに送金する第1法定通貨送金手段を有し、
前記暗号資産交換業者端末で前記前払式支払手段発行業者アカウントに送金された法定通貨を仮想通貨に自動的に交換する第1交換手段が作動し、
自動的に前記前払式支払手段発行業者アカウントから仮想通貨を電子的に引き出して前記NFTマーケットプレイス端末に予め設置された購入者ダミーアカウントに送金する第1仮想通貨送金手段が作動し、
自動的に前記NFTマーケットプレイス端末内で前記購入者ダミーアカウントに送金された仮想通貨を電子的に引き出して出品者ダミーアカウントに送金する第2仮想通貨送金手段が作動し、
自動的に前記出品者ダミーアカウントに送金された仮想通貨を電子的に引き出して前記暗号資産交換業者端末の前記前払式支払手段発行業者アカウントに送金する第3仮想通貨送金手段が作動し、
前記暗号資産交換業者端末で前記前払式支払手段発行業者アカウントに送金された仮想通貨を法定通貨に自動的に交換する第2交換手段が作動した後で、
自動的に前記前払式支払手段発行業者アカウントから法定通貨を電子的に引き出して前記出品者アカウントに送金する第2法定通貨送金手段を有することを特徴とするNFT売買における決済システムで用いられる前払式支払手段発行業者端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済システムに関し、特に仮想通貨を用いた決済システムで用いられる前払式支払手段発行業者端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、法定通貨での決済に加え、仮想通貨を利用した決済が行われるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-145060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、仮想通貨を用いた決済を行うためには、利用者はウォレット(口座、アカウントと言う場合もある)を開設する必要があり、仮想通貨を利用するまでに手間が掛かるため、仮想通貨の利用を敬遠する者もいた。
【0005】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、仮想通貨を用いた決済を容易に行うことができる決済システムで用いられる前払式支払手段発行業者端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を達成するために、本発明は、NFTマーケットでのNFT売買における決済システムで用いられる前払式支払手段発行業者端末であって、購入者アカウントと出品者アカウントを有しており、ネットワークを介して、NFTマーケットプレイス端末と、暗号資産交換業者端末と、NFT出品者端末と、NFT購入者端末と接続されており、前記NFT出品者端末から前記NFTマーケットプレイス端末に出品されたNFTに対して、前記NFTマーケットプレイス端末が前記NFT購入者端末からの購入希望通知を受けたときに、自動的に前記購入者アカウントから法定通貨を電子的に引き出して前記暗号資産交換業者端末に予め設置された前払式支払手段発行業者アカウントに送金する第1法定通貨送金手段を有し、前記暗号資産交換業者端末で前記前払式支払手段発行業者アカウントに送金された法定通貨を仮想通貨に自動的に交換する第1交換手段が作動し、自動的に前記前払式支払手段発行業者アカウントから仮想通貨を電子的に引き出して前記NFTマーケットプレイス端末に予め設置された購入者ダミーアカウントに送金する第1仮想通貨送金手段が作動し、自動的に前記NFTマーケットプレイス端末内で前記購入者ダミーアカウントに送金された仮想通貨を電子的に引き出して出品者ダミーアカウントに送金する第2仮想通貨送金手段が作動し、自動的に前記出品者ダミーアカウントに送金された仮想通貨を電子的に引き出して前記暗号資産交換業者端末の前記前払式支払手段発行業者アカウントに送金する第3仮想通貨送金手段が作動し、前記暗号資産交換業者端末で前記前払式支払手段発行業者アカウントに送金された仮想通貨を法定通貨に自動的に交換する第2交換手段が作動した後で、自動的に前記前払式支払手段発行業者アカウントから法定通貨を電子的に引き出して前記出品者アカウントに送金する第2法定通貨送金手段を有するNFT売買における決済システムで用いられる前払式支払手段発行業者端末としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、利用者はアカウントを開設せずに仮想通貨を用いた取引を行うことができ、容易に仮想通貨を用いた決済を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態に係る決済システムを説明するシステム構成図である。
図2】同実施の形態に係る決済システムのフローを説明する機能フロー図である。
図3】同実施の形態に係る決済システムのフローを説明する機能フロー図である。
図4】同実施の形態に係る決済システムのフローを説明する機能フロー図である。
図5】同実施の形態に係る決済システムのフローを説明する機能フロー図である。
図6】同実施の形態に係る決済システムのフローを説明する機能フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図1図6を参照して説明する。
<システムの概要>
以下、本実施の形態に係る決済システム1を用いた販売支援システムについて説明する。本実施の形態の販売支援システムは、NFT(Non-Fungible Token、ノンファンジブルトークン、非代替性トークン)の販売を支援するものである。NFTは、例えば、ERC(Ethereum Request for Comments)721規格に従って発行されたトークンである。ERC721規格に準拠したNFTは、NFT-721トークンとも呼ばれる。本実施の形態では、一例として、NFTは、NFT-721トークンであることを想定する。本実施の形態では、利用者間でNFTを販売することを想定し、一例として、購入者としての利用者Aが、出品者としての利用者Bがマーケットプレイスに出品したNFTを購入する場合について説明する。
【0010】
本実施の形態の販売支援システムにおいて、マーケットプレイス(マーケットプレイス端末10)では、スマートコントラクトにより、利用者Bから利用者AにNFTを移転させるとともに、対価としての仮想通貨が利用者Aから利用者Bに支払われるようになっている。ここで、利用者A、Bともに、NFTのアカウント(ウォレット、フォルダ)はマーケットプレイス端末10内に開設するものの、仮想通貨(本実施の形態では、イーサリアム(ETH)を想定する。)のアカウント(ウォレット)は開設しなくてよい。
【0011】
図1は、本実施の形態に係る決済システム1を用いた販売支援システムにおける決済処理の全体像を説明するシステム構成図である。
<決済システムの概要>
図1図6を用いて、決済処理(決済システム)の概要について説明する。本実施の形態の決済システム1は、NFTマーケットプレイス端末10と、暗号資産交換業者端末20と、前払式支払手段発行業者端末30と、NFT出品者端末40と、NFT購入者端末50と、がネットワークNを介して接続されて構成されている。以下、決済システム1の手順に沿って説明する。
【0012】
NFTの購入者Aは、NFTの購入代金を法定通貨で支払い、販売支援システムは、交換所20において、利用者Aから支払われた法定通貨により仮想通貨を購入し、マーケットプレイス10において、購入した仮想通貨を用いてNFTの購入に係る支払を行う。
【0013】
また、販売支援システムは、交換所20において、NFTの購入のために支払われた仮想通貨により法定通貨を購入し、購入した法定通貨をNFTを販売した利用者Bに支払う。
【0014】
マーケットプレイス10には、利用者Aに対応するNFTのためのアカウント13は利用者Aにより開設されるが、利用者Aに対応する仮想通貨のためのアカウント(利用者Aダミーアカウント11)は、マーケットプレイス10の運営業者(以下、販売所業者という。)が開設し運用する。販売所業者は交換所20にも仮想通貨のアカウント23を開設する。
【0015】
販売支援システムは、交換所20において購入した仮想通貨を、交換所20に開設された販売所業者の仮想通貨のアカウント23に入金し、この交換所20の仮想通貨のアカウント23から仮想通貨を出庫して、マーケットプレイス10の利用者Aダミーアカウント11に入庫し、マーケットプレイス10におけるNFTの対価支払のスマートコントラクトに用いる。
【0016】
同様に、マーケットプレイス10には、利用者Bに対応するNFTのためのアカウント14は利用者Bにより開設されるが、利用者Bに対応する仮想通貨のためのアカウント(利用者Bダミーアカウント12)は販売所業者が開設し運用する。
【0017】
マーケットプレイス10においてNFTの対価の仮想通貨は、利用者Aダミーアカウント11から利用者Bダミーアカウント12に送金される。販売支援システムは、利用者Bダミーアカウント12から仮想通貨を出庫して、交換所の販売所業者の仮想通貨のアカウント23に入庫させる。交換所には、決済業者の仮想通貨のアカウント22と、決済業者の法定通貨のアカウント21とが開設される。交換所の販売所業者の仮想通貨のアカウント23から、決済業者の仮想通貨のアカウント22に、NFTの対価の仮想通貨を移動し、この仮想通貨により法定通貨を購入して、決済業者の法定通貨のアカウント21に入金する。決済業者の法定通貨のアカウント21に入金された法定通貨を利用者Bに支払うことができる。
【0018】
以上のようにして、本実施の形態の販売支援システムによれば、NFTの売買の当事者である利用者A,Bは、仮想通貨のアカウントを、マーケットプレイスにも交換所にも開設することなく、法定通貨のみを用いてNFTの決済を行うことが可能となる。
【0019】
以下、図1図6を用いて、より具体的な決済処理について説明する。なお、図1において、点線の矢印は法定通貨(日本円)の流れを示し、一点鎖線の矢印は仮想通貨(ETH)の流れを示す。また、図1において、実線の矢印は、当該処理に対する通知の流れを示している。
【0020】
利用者Aが、例えばスマートフォンやパーソナルコンピュータなどの利用者A端末50を用いて、マーケットプレイス10に対してNFTの購入のための注文を送信する(1)。マーケットプレイス10は、ブロックチェーンネットワークを構成するノードコンピュータにより実装される。マーケットプレイス10のノードコンピュータはスマートコントラクトを実行することにより以下の処理を行うことができる。マーケットプレイス10のノードコンピュータは、決済要求を、決済業者(前払式支払手段)30に送信する(2)。
【0021】
決済要求には、NFT代金のETHの額と、決済のための利用者Aのアカウント(利用者Aa/c)31とが設定される。利用者Aa/c31は、例えば銀行の口座とすることができる。
【0022】
前払式支払い手段30は、例えば、決済業者のサーバにより実装することができる。決済業者のサーバは、交換所(暗号資産交換業者)に対して、ETHと日本円(JPY)との交換レート(ETH/JPY)を照会する(3)。交換所20も、ブロックチェーンネットワークを構成するノードコンピュータにより実装することができる。交換所20のノードコンピュータは、決済業者のサーバ30からの交換レートの照会に応じて、ETH/JPYの通貨ペアのレートを通知する(4)。決済業者のサーバ0は、通知されたレートにより、決済に必要なETH額を購入するための日本円を利用者Aのアカウント31から引き落とすことができる(5)。交換所20には、決済業者により仮想通貨のアカウント(ETH決済業者a/c)22と、法定通貨のアカウント(JPY決済業者a/c)21とが開設される。利用者Aa/c31から引き落とされた日本円は、JPY決済業者a/c21に入金される。
【0023】
決済業者のサーバ30からマーケットプレイス10には、決済完了通知が送信される(6)。決済完了通知には、日本円の金額(円価額)と、ETH/JPYのレートとが含まれうる。マーケットプレイス10のノードコンピュータは、NFTの購入注文が成立したことを示す通知(NFT購入注文成立通知)を利用者Aに送信する(7)。NFT購入注文成立通知には、ETH額、円価額、ETH/JPYのレートを含めることができる。マーケットプレイス10のノードコンピュータはまた、利用者B(利用者B端末40)に対してNFTの売却が成立した旨の通知(NFT売却成立通知)を送信する(8)。NFT売却成立通知には、ETH額を含めることができる。
【0024】
次に決済業者のサーバ30は、ETHの購入注文を交換所20に送信する(9)。交換所20のノードコンピュータは、スマートコントラクトにより決済業者30に対してETHを販売してETH決済業者a/c22に入金するとともに、JPY決済業者a/c21から円資金を引き落とす(10)。交換所20のノードコンピュータは、ETHの購入注文が成立した通知(ETH購入注文成立通知)を決済業者のサーバに送信する(11)。ETH購入注文成立通知には、ETH/JPYのレートと、円対価額とが含まれる。
【0025】
決済業者のサーバ30は、ETHの送金依頼を交換所20に送信する(12)。交換所には、販売所業者により仮想通貨のアカウント(ETH販売所業者a/c)が開設され、ETH送金依頼には、このETH販売所業者a/cが指定される。交換所20のノードコンピュータは、ETH送金依頼に応じて、ETH決済業者a/c22からETH販売所業者a/c23にETHを送金し(13)、送金が完了した旨の通知(ETH送金完了通知)を決済業者30のサーバに送信する(14)。ETH送金完了通知により、ETH決済業者a/cからETH販売所業者a/cに送金されたことが示される。販売所業者は、決済業者にとってのいわゆる加盟店として、マーケットプレイスにおけるユーザ(利用者A、利用者B)によるNFTの売買取引に関する決済を決済業者に依頼する形となる。
【0026】
決済業者のサーバ30は、ETHによる送金が完了した旨の通知(ETH送金完了通知)をマーケットプレイスに送信する(15)。ETH送金完了通知により、ETH販売所業者a/c23に送金がされたことが示される。マーケットプレイス10には、利用者Aにより、NFTのためのアカウント(NFT利用者Aa/c)13が開設されるとともに、販売所業者自身により、利用者Aに対応する仮想通貨のためのダミーアカウント(ETH利用者Aダミーa/c)11が開設される。同様に、利用者Bにより、NFTのためのアカウント(NFT利用者Bからa/c)14が開設されるとともに、販売所業者自身により、利用者Bに対応する仮想通貨のためのダミーアカウント(ETH利用者Bからダミーa/c)12が開設される。
【0027】
マーケットプレイス10のノードコンピュータは、交換所のETH販売所業者a/c23からETHを出庫して、マーケットプレイス10のETH利用者Aダミーa/c11に入庫する(16)。マーケットプレイスのノードコンピュータは、スマートコントラクトにより、ETHの決済処理(ETH利用者Aダミーa/cからETH利用者Bダミーa/cへのETHの移動)(17)とともに、NFTの所有権移転処理(NFT利用者Aa/cからNFT利用者Ba/cへの移転)(18)を行う。
【0028】
マーケットプレイス10のノードコンピュータは、ETH利用者Bダミーa/c12からETHを出庫して、交換所のETH販売所業者a/c23に入庫する(19)。マーケットプレイス10のノードコンピュータはまた、交換所に対して、ETH決済業者a/cへのETHの送金依頼(ETH送金依頼)を通知する(20)。ETH送金依頼には、ETH決済業者a/c22が指定される。マーケットプレイス10のノードコンピュータは、送金手続が完了した旨の通知(送金手続完了通知)と、販売対価を利用者Bに入金する旨の要求(売却円価額入金要求)とを決済業者のサーバに対して送信する(21)。売却円価額入金要求には、利用者Bのアカウント(利用者Ba/c)32が指定される。利用者Ba/c32は、例えば、銀行口座とすることができる。
【0029】
決済業者のサーバは、売却円価額入金要求に応じて、ETH/JPYのレートを交換所に照会し(22)、交換所20からETH/JPYのレートの通知を受け取り(23)、JPY決済業者a/c21から円資金を利用者Ba/c32に送金する(24)。
【0030】
決済業者のサーバは、マーケットプレイス10に対して、入金が完了した旨の通知(入金完了通知)を送信する(25)。入金完了通知には、円価額と、ETH/JPYのレートとが設定されうる。マーケットプレイス10のノードコンピュータは、利用者Bに対して、入金が完了した旨の通知(入金完了通知)を送信する(26)。入金完了通知には、ETH額、円価額、ETH/JPYのレートが含まれうる。入金完了通知は、例えば、電子メールであってもよいし、スマートフォンなどに対するプッシュ通知であってもよい。
【0031】
交換所20のノードコンピュータは、ETH販売所業者a/c23からETH決済業者a/c22にETHを送金し(27)、送金が完了した旨の通知(ETH送金完了通知)をマーケットプレイスに送信する(28)。ETH送金完了通知により、ETH販売所業者a/cからETH決済業者a/cへの送金が示される。
【0032】
マーケットプレイスのノードコンピュータは、ETH送金完了通知を決済業者のサーバに送信する(29)。決済業者のサーバは、これに応じてETHの売却注文を交換所に送信する(30)。交換所のノードコンピュータは、ETH決済業者a/cからETHを買い取って、円資金をJPY決済業者a/cに入金し(31)、ETHの売却が完了した旨の通知(ETH売却完了通知)を決済業者のサーバに送信する(32)。ETH売却完了通知には、ETH/JPYのレートと、円対価額とが含まれうる。
【0033】
以上のように、本実施の形態の決済システム1によれば、利用者はアカウントを開設せずに仮想通貨を用いた取引を行うことができ、容易に仮想通貨を用いた決済を行うことができるようになる。
【0034】
また、本実施の形態の決済システム1によれば、決済が完了したら自動的にNFTを購入者に引き渡すようにできるため、より利便性高く、仮想通貨を用いた決済を利用することができる。
【0035】
また、本実施の形態の決済システム1によれば、各手段での作動毎に何れかの端末に通知が送付されるようにできるため、決済の推移を確認することができ、より確実に取引を行うことができる。
【0036】
なお、本発明について前記した実施の形態を用いて説明したが、前記実施の形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【0037】
例えば、前記した実施の形態では、ETH決済業者a/cからETH販売所業者a/cを介してETH利用者Aダミーa/cに入庫(送金)するものとしていたが、これに限るものではなく、ETH利用者Aダミーa/cを決済業者が開設するようにし、ETH決済業者a/cからETH利用者Aダミーa/cにETHを出入庫(送金入金)するようにしてもよい。
【0038】
同様に、ETH利用者Bダミーa/cからETH決済業者a/cにETHを出入庫(送金入金)するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 決済システム
10 NFTマーケットプレイス端末
11 購入者ダミーアカウント
12 出品者ダミーアカウント
13 購入者フォルダ(NFT購入者アカウント)
14 出品者フォルダ(NFT出品者アカウント)
20 暗号資産交換業者端末
21 前払式支払手段発行業者アカウント(法定通貨用)
22 暗号資産交換業者アカウント
23 前払式支払手段発行業者アカウント(仮想通貨用)
30 前払式支払手段発行業者端末
31 購入者アカウント
32 出品者アカウント
40 NFT出品者端末
50 NFT購入者端末
N ネットワーク

【要約】
【課題】仮想通貨を用いた決済を容易に行える決済システムで用いられる前払式支払手段発行業者端末を提供する。
【解決手段】NFTマーケットでのNFT売買における決済システム1で用いられる前払式支払手段発行業者端末30で、購入者アカウント31と出品者アカウント32を有し、購入者アカウント31から法定通貨を前払式支払手段発行業者アカウント21に送金する第1法定通貨送金手段と、法定通貨を仮想通貨に交換し、前払式支払手段発行業者アカウント23から仮想通貨を購入者ダミーアカウント11に送金し、購入者ダミーアカウント11に送金された仮想通貨を出品者ダミーアカウント12に送金し、出品者ダミーアカウント12に送金された仮想通貨を前払式支払手段発行業者アカウント23に送金し、仮想通貨を法定通貨に交換後、前払式支払手段発行業者アカウント21から法定通貨を出品者アカウント32に送金する第2法定通貨送金手段を有する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6