(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】ヒト老化から防御するためおよびそれによる劣化を修復するための生物学的経路のリセット
(51)【国際特許分類】
A61K 31/706 20060101AFI20240705BHJP
A61K 31/10 20060101ALI20240705BHJP
A61K 31/105 20060101ALI20240705BHJP
A61K 31/133 20060101ALI20240705BHJP
A61K 31/155 20060101ALI20240705BHJP
A61K 31/205 20060101ALI20240705BHJP
A61K 31/327 20060101ALI20240705BHJP
A61K 31/7084 20060101ALI20240705BHJP
A61K 33/00 20060101ALI20240705BHJP
A61K 33/30 20060101ALI20240705BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240705BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240705BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
A61K31/706
A61K31/10
A61K31/105
A61K31/133
A61K31/155
A61K31/205
A61K31/327
A61K31/7084
A61K33/00
A61K33/30
A61K45/00
A61P29/00
A61P43/00 121
(21)【出願番号】P 2018538047
(86)(22)【出願日】2016-10-03
(86)【国際出願番号】 US2016055173
(87)【国際公開番号】W WO2017062311
(87)【国際公開日】2017-04-13
【審査請求日】2019-10-02
【審判番号】
【審判請求日】2022-05-25
(32)【優先日】2015-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518123143
【氏名又は名称】ハイゼンガ,ジョエル
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】ハイゼンガ,ジョエル
【合議体】
【審判長】原田 隆興
【審判官】池上 京子
【審判官】吉田 佳代子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/158212(WO,A1)
【文献】再公表特許第2002/089606(JP,A1)
【文献】中国特許出願公開第102010790(CN,A)
【文献】Cell Metabolism,2011年,Vol.14,P.528-536,特にSUMMARY
【文献】日老医誌,2005年,Vol.42,P.137-143,特に加齢に伴うDNAメチル化の変化
【文献】基礎老化研究,2011年,Vol.35/No.4,P.27-37,特に4.DNAメチル化と老化の関連
【文献】東北薬科大学研究誌,2010年,Vol.57,P.41-45,特にはじめに、Fig1、Fig4
【文献】IRYO,2015年 7月,Vol.69/No.7,P.317-324,特に要旨
【文献】実験医学, 2013, Vol.31 No.20(増刊), pp.202-208
【文献】Handb. Exp. Pharmacol., Vol.196, pp.369-405, Author manuscript, 2011
【文献】J. Appl. Toxicol., 2005, Vol.25, pp.20-29
【文献】日本透析医学会雑誌, 2003, 36(4), pp.267-271
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K31/00-33/44
A61K47/00-47/69
A61K9/00-9/72
A61P1/00-43/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/BIOSIS/EMBASE(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象に投与するための栄養組成物であって、
ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、ニコチンアミドリボシド(NR)、
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、ニコチン酸リボシド(NAR)、およびこれらの任意の組合せから選択される修復系活性化因子と、
ベタイン、コリン、およびこれらの任意の組合せから選択されるメチル供与体と、
H
2O
2、H
2S、NaSH、Na
2S、O
2・
-、メトホルミン
、ジアリルトリスルフィド
、およびこれらの任意の組合せから選択される抗酸化防御活性化因子と
を含む、栄養組成物。
【請求項2】
対象に投与するための栄養組成物であって、
ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、ニコチンアミドリボシド(NR)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、ニコチン酸リボシド(NAR)、およびこれらの任意の組合せから選択される修復系活性化因子と、
ベタインであるメチル供与体と、
H
2
O
2
、H
2
S、NaSH、Na
2
S、O
2
・
-
、メトホルミン、ジアリルトリスルフィド、亜鉛、およびこれらの任意の組合せから選択される抗酸化防御活性化因子と
を含む、栄養組成物。
【請求項3】
前記修復系活性化因子、前記メチル供与体、および前記抗酸化防御活性化因子
を合わせた量が、前記組成物の少なくとも5重量%である、請求項1
または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記抗酸化防御活性化因子が、H
2O
2、H
2S、またはNaSHである、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
水をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
少なくとも1×10
-8モルの前記修復系活性化因子、少なくとも1×10
-8モルの前記メチル供与体、および少なくとも1×10
-9モルの前記抗酸化防御活性化因子を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、ベタイン、およびH
2O
2を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物を含む、注射用製剤。
【請求項9】
ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、ニコチンアミドリボシド(NR)、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、ニコチン酸リボシド(NAR)、およびこれらの任意の組合せから選択される修復系活性化因子と、
ベタイン、コリン、およびこれらの任意の組合せから選択されるメチル供与体と、
H
2
O
2
、H
2
S、NaSH、Na
2
S、O
2
・
-
、メトホルミン、ジアリルトリスルフィド、亜鉛、およびこれらの任意の組合せから選択される抗酸化防御活性化因子と
を含む、注射用製剤。
【請求項10】
請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物を含む、錠剤。
【請求項11】
対象における炎症を低減するための、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
対象に、前記対象に対して少なくとも1×10
-6モル/kgの前記修復系活性化因子、前記対象に対して1×10
-6モル/kgの前記メチル供与体、および前記対象に対して1×10
-7モル/kgの前記抗酸化防御活性化因子の投与量で投与される、請求項1
1に記載の組成物。
【請求項13】
8~12日間にわたって注射される、請求項1
1または1
2に記載の組成物。
【請求項14】
エアロゾル、凍結乾燥、粉末、またはエマルジョン形態である、請求項1
1~1
3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
少なくとも2ヶ月間、前記対象に投与される、請求項1
1または1
2に記載の組成物。
【請求項16】
少なくとも1日1回経口投与される錠剤である、請求項1
1または1
2に記載の組成物。
【請求項17】
1日1回、前記対象に投与される、請求項1
1または1
2に記載の組成物。
【請求項18】
前記修復系活性化因子、前記メチル供与体、および前記抗酸化防御活性化因子が、ほぼ同時に投与される、請求項1
1~1
7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
前記修復系活性化因子が、前記対象の体内時計のNAD+ピークの15、30、60、90、または120分以内に投与される、請求項1
1~1
7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
前記修復系活性化因子、前記メチル供与体、および前記抗酸化防御活性化因子が、異なる時点で投与される、請求項1
1~1
7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
前記対象が、ヒトである、請求項1
1~
20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
(i)ニコチンアミドリボシド(NR)と、
ベタイン、コリン、およびこれらの任意の組合せから選択されるメチル供与体と、
H
2O
2、H
2S、NaSH、Na
2S、O
2・
-、メトホルミン
、ジアリルトリスルフィド
、およびこれらの任意の組合せから選択される抗酸化防御活性化因子と
を含む
か、または
(ii)ニコチンアミドリボシド(NR)と、
ベタインと、
H
2
O
2
、H
2
S、NaSH、Na
2
S、O
2
・
-
、メトホルミン、ジアリルトリスルフィド、亜鉛、およびこれらの任意の組合せから選択される抗酸化防御活性化因子と
を含む、組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の主題は、概して、老化から防御するためおよび老化の作用を修復するための組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
初期の人類の祖先は、行えば利益が得られるすべてのことを行うだけの十分なエネルギーを持っていなかった。初期のヒト進化の間、エネルギー入手可能性が制限されていたことにより、エネルギーの使用を統括する生物学的トレードオフ機序が生じ、これにより、ヒトの細胞損傷の防止および修復のためのエネルギー使用は制限される。細胞損傷は、ヒトの生物学的老化の原因であると提唱されている(Olson C 1987、Holliday R 2004、Kirkwood T 2005、Gavrilov L 2001)。ヒトの生物学的老化は、ヒトの「老化による疾患」の原因であると提案されている(Cutler R 2006)。
【0003】
フィードバックループはエネルギートレードオフ制御の一部である
生化学的合成経路のフィードバックループは、使用していない領域のエネルギー消費を停止して、生物全体でのエネルギー使用の効率性を向上させる。進化の過程で、エネルギーおよび栄養素の使用は、変動的で限られた環境からこれらのカロリーおよび栄養素を得る能力とのバランスを取る必要があった。部分的には、これは、必要性に基づいた適応型上方制御/下方制御である、医薬の分野では「使わなければ駄目になるの原理(The use it or lose it principle)」として知られているものによって、達成されていた。一例は、抗酸化酵素系のものであり、抗酸化酵素を高い状態に保つための新しい酸化パルスを長期間にわたって受容しなければ、抗酸化酵素系は低い状態となる。
【0004】
細胞修復はエネルギートレードオフを伴う
細胞損傷の修復に使用されるエネルギーは、細胞の機能および生存に有益な他の機能には使用できないエネルギーである。細胞修復系および複雑なヒト免疫系は、エネルギーを要するそのような2つの競合する系を表し、これらは、エネルギー使用に関して競合する。KirkwoodおよびRoseは、「使い捨ての体の老化理論(Disposable Soma Theory of Aging)」(Kirkwood and Rose 1991)において、エネルギー使用を最適化するために、生体系は、そのエネルギーの大部分を成長および発達に費やし、損傷の制御および非生殖細胞系(体)細胞の修復にはほとんど費やさない可能性があると提唱した。
【0005】
食事から得られるエネルギーによりエネルギートレードオフが生じる
熱力学第2法則は、閉鎖系におけるエントロピー状態が、時間とともに一方向にだけ変化し得ることを教示している。動物は食物を食べる必要があり(したがって、開放系を維持している)、食べた食物を費やして、時間をかけてそれらの構造を改善、修復、または維持し、これにより、エントロピーが増大して、糞便が生じる。
【0006】
進化の過程では、食物ならびにその栄養素およびエネルギーは、限られていることが多く、散発的に利用できるにすぎなかった。進化は、これに適応しなければならなかった。カロリーが制限されていた時代に、エネルギー経路は、これらの制限に適応した。これらの経路には、利点がある。カロリー制限の有益な効果は、近年の研究によると、サーチュイン酵素によってもたらされるとみられる。サーチュイン酵素は、ヒト細胞修復に関与している。7つのヒトサーチュイン酵素が知られている。これらのヒトサーチュイン酵素は7つすべてが、NAD+を使用する(Imai S 2000)。ニコチンアミドは、これらのサーチュイン反応の最終生成物である。
【0007】
サーチュイン経路におけるフィードバックループの例は、最終生成物であるニコチンアミドが、サーチュイン酵素に結合し、それらの酵素特性を減少させることができることである。ニコチンアミドが、S-5’アデノシル-L-メチオニン(SAM)を使用して、細胞において、ヒトニコチンアミド-N-メチルトランスフェラーゼ(NNMT)酵素によってメチル化されると、フィードバックループが変化する。新しいメチル化されたニコチンアミドは、そうすると、ニコチンアミドに新しく結合したメチル基の物理的サイズによる立体障害のために、ニコチンアミド結合部位での結合ができなくなる(Schmeisser K 2013)。このメチル化による変化により、サーチュイン酵素は、活性を停止せずに、機能し続けることができる。
【0008】
病原体に対する防御にはエネルギートレードオフが付随する
疾患、特に、慢性疾患を有する人は、老化が早い。自然免疫系(例えば、白血球)は、病原体を殺滅するために病原体に酸化剤(例えば、Cl-)を投入すると、自己の細胞にバックグラウンド損傷をもたらし、これにより、生物の老化が早くなる。病原体は、ヒトの主な死因であったため、これらの病原体と闘うためのエネルギーがなければ、個体は、より早い時点で、進化から外れていたであろう。病原体による攻撃にどのくらいのエネルギーを費やすのか、どのくらいのエネルギーを病原体の攻撃による損傷を修復するために使用するのか、およびさらには免疫攻撃に備えるように免疫系を高めるために使用するエネルギーですら、すべてが、進化において重要なトレードオフである。
【0009】
このトレードオフの例は、100歳を超える個体684人および85歳~99歳の個体536人の研究においてみられる(Arai Y 2015)。炎症レベルが低いこと(免疫の可変複合スコア4)は、誰が生存し続け(生存寿命)、身体的および認知的に健康であり続けるか(健康寿命)の最良の予測因子であった。免疫マーカー(Araiの4つのマーカーのうちの2つである、血清インターロイキン-6(IL-6)および腫瘍壊死因子アルファ(TNF-アルファ)の単純な指標)は、10年間の総死亡率研究において、死因となることがすでに判明している変数を調節した後、1,155人の高齢者における死亡の最も良好な予測因子であることがわかった(Varadhan R 2014)。1つの免疫マーカー血清IL-6だけで、1843人の前向きコホート研究において、総死亡率、がん、心臓血管疾患、および肝臓疾患が予測された(Lee JK 2012)。これらの研究により、以前の小規模な研究での結果が確認された(Derhovanessian E 2010、Reuben DB 2002、Taaffe DR 2000)。
【0010】
生物学的な細胞のこのトレードオフ機序は、Nrf2がKeap1を放出すると、これがIKKBetaを捕捉するために利用可能となり、したがって、NF-kB標的遺伝子を阻害することに起因する可能性がある。この相互作用は、Nrf2による抗酸化酵素の発現、ならびにNF-kBによる免疫系の作動および停止の切替えと相関する。
【0011】
有性生殖動物は、無性生殖動物が有さないエネルギー使用のトレードオフを有する
イソギンチャクのような無性生殖動物は、老化しない。無性生殖するヒドラには、明らかな老化は存在しないが、ヒドラが有性生殖を行う場合には、老化の兆候が存在する(Yoshida K 2006)。ヒドラは、6071個の遺伝子がヒトと共通しており(Wenger Y 2013)、公知のヒト老化遺伝子のうちの少なくとも80%が、ヒドラと共通している(Tomczyk S 2014)。ヒトのような有性生殖動物は、春機発動期の後、体細胞が急速に老化し、性ホルモンが低下するとあまり老化しないことが、研究により示されている。ヒトの例は、インドおよび韓国における睾丸を有さない去勢男性であり、平均で9~13年長く生存する。扁虫動物の場合、C.エレガンス(C. elegans)と称される研究モデルでは、タンパク質恒常性および細胞の健康に必須である熱ショック応答(HSR)は、性的成熟後には、ストレス遺伝子座におけるトリプルメチル化(triple methylation)により、体(非性)細胞において、生殖(性)細胞によって抑制される。生殖細胞の目的と体細胞の目的との間のこの競合(Kirkwood TL 2000)が、性的に成熟した個体における老化の速度を決定する(Labbadia J 2015)。子供を産む能力と老化との間のトレードオフも、研究により示されている。一例は、中絶薬であるRU-486の低用量使用であり、平均すると、受胎能力は低くなるが、生存寿命は長くなる(Landis G. 2015)。出産、特に高齢での出産(Sun F 2015、Perls TT 1997)は、女性の寿命が延びる確率の増大と関連付けられているが、因果関係は依然として不確かである。閉経の時期もまた、老化の速度と相関付けられている。
【0012】
暦年齢でみられるエネルギー使用のトレードオフ
若齢期には、ヒトは、平均して、細胞および器官によって必要とされるものを上回って、過剰な能力およびエネルギーまたはそれらの貯蔵庫を有するが、これは、年齢とともに減少する。若齢期には、知識および知恵が少なく、身体の大きさも小さいが、進化は、この欠点を、高い代謝で埋め合わせ、より多くのエネルギー消費(特に、体重当たりで)を許容し、したがって、より多くの単位時間の生存が可能である。より高い代謝は、一般に、種全体でより早い老化と相関付けられるが、ヒトは、春機発動期後により急速に老化することが知られており、これが、必ずしも厳格な規則ではないことが示される。「生存の速度(Rate of Living)」理論(Pearl R 1928)は、当初の酸素使用の観察から(Rubner M 1908)、温度、休眠、繁殖力、および代謝能を含む「生存性(Livingness)」(Sohal R 2012)へと更新された。より高齢の個体は、より多くの経験、知識、および知恵を有しており、したがって、より少ないエネルギー消費で依然として生活を維持することができる。この低いエネルギー産生は、少なくとも部分的には、生存寿命の間にミトコンドリアがエネルギーを産生する量および機能が低下することに起因し得る。
【0013】
ヒトにおいて使用される過剰な脳エネルギーは、エネルギートレードオフを伴う
動物は、脂肪の蓄えが少なくなり、筋肉組織が少なくなることと引き換えに、より大きなサイズの脳を得ることが知られている。ヒトは、より大きな(細胞が3倍高密度な)脳(身体サイズ基準で)によって必要とされるエネルギーが増大したため(ヒトの脳は、生物のエネルギーの約30%を使用する)、この両方を進化の過程で行った。これは、ヒトの祖先の進化の過程で、エネルギーが供給不足であったことを示す。エネルギーをより多く利用できるようにするために食物を調理することも、同様に、このエネルギー方程式に役立っていた。
【0014】
運動はエネルギートレードオフを伴う
生物学的フィードバックループの「使わなければ駄目になる」の原理のため、より多くの運動は、組織および筋肉などの生体系、ならびに抗酸化防御系が通常量よりも過剰に使用された場合に、それらへのエネルギーの流動を継続することになる。使用されていない場合、身体は、エネルギーを保存するために、それらへのエネルギーの流動を停止させる。医科学によって、長期的な運動がヒトにとって「良いもの」であるが、短期的な運動は、ヒトにとって「悪いもの」であることが、長く知られている。
【0015】
この作用の機序は、運動の「悪い部分」が、ミトコンドリアにおけるエネルギー産生に由来する酸化剤を含む、酸化剤の放出により生じるとして考えられる。この酸化パルスにより、防御および修復の機序が作動し、これが、次いで、1日のうちの運動していない時間中に、細胞および身体に有益となる。これは、酸化プレコンディショニングと称される。
【0016】
睡眠はエネルギー使用のトレードオフである
ニューロンを有するすべての動物は睡眠をとる。睡眠をとることで、細胞損傷を修復するための時間がより多く確保され、したがって、睡眠時間中に達成することができない事柄がある代わりに、生活の質および期間が拡張される。
【0017】
年齢的老化に対する生物学的老化
ヒトの生物学的老化の量は、暦上の1年の間に、変動することが示されている。30代および40代(研究終了時に、暦年齢が38歳であり、老化による疾患の徴候がない)の「若齢の」ヒト954人の研究(Belsky DW 2015)において、ニュージーランドの同じ町で1年間の期間に出生した全員が、3つの時点で測定した10種類の試験によって判定すると、暦上の1年当たり生物学的1年から、暦上の1年当たり生物学的3年近くまで多様な速度で(生物学的年齢で)老化した。954人のうち3人は、この期間で、生物学的年齢が逆行したようにすらみられた。暦上の1年間のヒトの生物学的老化の量におけるこの変動性は、ヒトにおける生物学的老化の速度が、固定ではなく、変化する可能性を有することを示す。
【0018】
「統合型の老化理論(Unified Theory of Aging)」
長年にわたり、4つの主要な老化理論が開発されてきた。これらの4つの理論は、多数の分野の科学的探求から生じてきた。4つの主要な老化理論は、以下である。
・カロリー制限の老化理論(McCay C 1935)
・フリーラジカルの老化理論(現在では、酸化還元と呼ばれている)(Harmon D 1956)
・1967年のメチル化の老化理論(Vanyushin B 2005)、および
・体細胞変異の老化理論(Szilard L 1959)
【0019】
他の老化理論には、次のものがある。
・生存速度の老化理論(Pearl R 1928、Rubner M 1908、Sohal R 2012)
・使い捨ての体の老化理論(Kirkwood and Rose 1991)
・酸化還元ストレスの老化仮説(Sohal R 2012)
・炎症老化(Inflammaging)(Franceschi C 2007, 2007, 2014)前炎症(Para-inflammation)(Medzhitov R 2008)
・「メチニコフの老化仮説」(Metchnikoff E 1901)
【0020】
これらの9個の老化理論の間には関連性および重複があり、本明細書に開示される化合物、組成物、製剤、および方法が、これらの理論をさらに裏付け、実際、これらの統一を提供する。
【0021】
カロリー制限(CR)の老化理論
1935年に、Clive McCayは、カロリー制限(CR)により動物の寿命が延びることを初めて発見した。CRは、栄養失調を誘導することなく、カロリー消費を低減することを実践することである。これは、生物が、適切な量の水、ビタミン類、ミネラル類、およびタンパク質をとることを必要とするが、炭水化物および脂質のカロリーを(ヒトの推奨食事許容量(RDA)よりも低く)制限する。CRは、総カロリーをRDAの推奨よりも10~40%少ない範囲に制限することにより、健康上有害な影響を伴うことなく、安全に行うことができる。1986年には、Richard Weindruchが、マウスにおいてカロリーを通常量の3分の2に制限することにより、生存寿命が40%延びたことを示している。現在までに、動物モデルにおける膨大な数の実験が、これらの結果を裏付けている。CRの動物モデルはまた、研究者らが、生存寿命および健康寿命の延長を説明する分子生物学経路を発見するのにも役立った(Colman RJ 2014)。ヒトにおける2年間のカロリー制限の無作為化コントロール研究(Ravussin E 2015)により、健康寿命および寿命(生存寿命)の予測因子に関する実行可能性および効果が示された。
【0022】
サーチュインおよびカロリー制限
1990代には、Leonard Guarente率いるMITの研究チームが、酵母において見出される特定の酵素が、「栄養素センサー」であり、カロリー制限の効果を説明する分子機序であり得る可能性があることを発見した(Guarente L 2000)。酵母では、カロリー制限により、酵母の生存寿命が40%延長された。このサーチュインと呼ばれる酵素が、「ノックアウト」されていた場合には、酵母は、カロリー制限に応答してより長く生存することはなかった。
【0023】
サーチュイン、NAD+、およびNAD+生合成の速度制限段階に対する解決法
すべてのサーチュイン酵素には、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)と呼ばれる補因子が必要であった(Imai S 2000)。この化合物は、天然に存在し、すべての細胞において見出され、ATPのように、細胞の「エネルギー通貨」の1つである。NAD+は、NADHの「エネルギー枯渇形態」であり、これが、分子の実際の「エネルギー通貨形態」である。したがって、NAD+は、細胞がエネルギー不足であるという「シグナル」であり、この「シグナル」がサーチュイン酵素を活性化し、それによって使用される。これにより、「エネルギー枯渇状態」であるカロリー制限が、どのようにして、細胞を活性化して、生存を促進するように細胞ストレス経路をトリガーするかが説明される。ヒトにおいて見出されるサーチュインは7つすべてが、細胞の栄養ストレスによってトリガーされるとみられる。NAD+は、この応答のトリガーである。NAD+は、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)から産生され、NMNは、NAMPTと称される酵素によって作られ得る。NAD+は、非ストレス細胞においては、3~5時間の半減期を有する(Suave A lab: Canto C 2013で報告されている)。残念ながら、ヒトにおいては、エネルギー使用制御に起因して、体内で作られているNAD+が不十分だとは考えられない。2011年に、NAD+の合成における制御停止点が、NAMPT酵素であることが示され、この酵素は、NMNの前駆体を、化合物NMNに変換する。NMNをマウスに与えると、15分間で、NMNからNAD+を作り出す。したがって、「NAD+合成制限問題」の解決策は、速度制限段階をバイパスすることであり、これが、NMNの産生であった。これは、2011年に実証された(Jun Yoshino and Kathryn Mills 2011)。
【0024】
ヒトサーチュイン1、2、3、4、5、6、7
サーチュイン1(Sirt1)
サーチュイン1(Sirt1)は、核および細胞質に局在化している。サーチュイン1は、H2O2酸化阻害に対して極めて感受性である。1μM程度の低い細胞外濃度のH2O2は、サーチュイン活性中心において極めて重要なシステイン残基を酸化することによって、Sirt1を阻害する(Jung S-B 2013)。加えて、RNA結合タンパク質HURが、Sirt1をコードするmRNAの3’非翻訳領域に結合し、その安定化およびレベルの上昇をもたらす。H2O2は、HUR-Sirt1 mRNA複合体からのHURの解離をトリガーし、Sirt1 mRNAの崩壊を促進し、豊富なSirt1を低減し、これは、Chk2キナーゼによって制御されるとみられるプロセスである(Abdelmohsen K 2007)。酸化還元因子-1(REF-1)は、Sirt1システイン残基を化学的に還元し、その活性を刺激することがわかった(Jung S-B 2013)。還元形態のSirt1においてシステイン残基のスルフヒドリル(チオール)基を維持し、Sirt1をH2O2による酸化から保護するREF-1は、APE1(脱プリン部位/脱ピリミジン部位エンドヌクレアーゼ)-1とも呼ばれているが、これは、この酵素における別個の活性部位では、REF-1が、哺乳動物の塩基除去修復経路における速度制限酵素であるためである。サーチュイン1は、現在のところ、最も研究されているヒトサーチュインである。
【0025】
サーチュイン2(Sirt2)
Sirt2は、主として、細胞質に存在する(Yudoh K 2015、Gomes P 2015)。Sirt2は、細胞周期の制御において重要である(Nie H 2014)。Sirt2は、ヒストンデアセチラーゼであることが示されている(Moscardo A 2015)。Sirt2は、忠実な染色体の分裂および複製を維持することが示されている(Kim HS 2011)。Sirt2の機序は、複製ストレスに応答して、Sirt2がATR相互作用タンパク質(ATRIP)をリジン32において脱アセチル化することであることが報告されている。有糸分裂チェックポイントキナーゼであるBubR1は、Sirt2の脱アセチル化標的である。リジン668の脱アセチル化により、Sirt2は、BubR1を安定化し、ユビキチン化および分解が起こらないようにする。これは、マウスにおいて、顕著な58%(雄性については122%)の中央値生存寿命の増加および21%の最大生存寿命の増加をもたらす(North BJ 2014)。
【0026】
Sirt2活性は、おそらくは神経形成の増加によって、(ストレスによりうつを生じさせたラットモデル系において)うつの減少と相関付けられている(Liu R 2015)。
【0027】
サーチュイン3(Sirt3)
サーチュイン3は、ミトコンドリア内膜に局在化し、細胞のエネルギー恒常性の重要な制御因子である(Nogueiras R 2012)。特定のSirt3対立遺伝子は、高い活性レベルを活性化し、ヒトにおいて90歳を超える生存寿命に必要であることが示されている(Rose G 2003、Bellizzi D 2005、Halaschek-Wiener J 2009)。Sirt3は、主要なミトコンドリアデアセチラーゼ活性である(Lombard DB 2007)。肝臓におけるSirt3の発現は、絶食後に増加する(Hirschey MD 2010)。筋肉におけるSirt3の発現は、運動後(Hokari F 2010)、絶食後、およびカロリー制限後に増加し、慢性的な高脂質食により減少する(Palacios OM 2009)。全体として、これらの研究は、Sirt3が、ワールブルグ効果として知られる代謝スイッチを含め(Guarente L 2014)、エネルギー不足に適応して、ATP産生を維持する主スイッチとして作用することを示す(Cho E-H 2014)。Sirt3は、リジン926および931を脱アセチル化して、ミトコンドリア融合タンパク質であるOPA1を活性化し、そのGTPase活性を上昇させる。ミトコンドリアタンパク質のうちの約20%が、アセチル化され得る。タンパク質のアセチル化/脱アセチル化は、ミトコンドリアにおける主要な制御機序であると考えられる(Kim SC 2006)。PGC-アルファ/ERR-アルファ複合体の活性化を通じてミトコンドリア生合成を制御することにおけるSirt3の役割が、実証されている(Giralt A 2012、Hirschey MD 2011、Kong X 2010)。
【0028】
Sirt3依存性経路は、不眠と神経変性との間における推定上の分子のつながりである(Fifel K 2014、Zhang J 2014)。Sirt3は、OPA1により、酸化損傷の低減および加齢関連の難聴(Someya S 2010)の予防を媒介する(Leruez S 2013)。Sirt3はまた、アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(Kincaid B 2013)、および非アルコール性脂肪肝疾患(Cho E-H 2014)においても関係している。
【0029】
サーチュイン4(Sirt4)
サーチュイン4は、ミトコンドリアに局在化している。サーチュイン4は、細胞内リポアミダーゼ(またはデリポイラーゼ(delipoylase))であり、基質のリジン残基からリポイル修飾を除去する。Sirt4は、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体(PHD)を脱リポイル化し、その活性を調節し、これにより、アセチル-CoAの産生を阻害する(Mathias RA 2014)。Sirt4は、マロニル-CoAデカルボキシラーゼ(MCD)を脱アセチル化して、脂質の異化作用を制御する(Laurent G 2013)。Sirt4はまた、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GLUDI)にADP-リボシル化も行う(Haigis MC 2006)。
【0030】
サーチュイン5(Sirt5)
サーチュイン5は、ミトコンドリアに局在化している。Sirt5は、カルバモイルリン酸シンターゼ1(CPS1)などのタンパク質基質を脱スクシニル化、脱マロニル化、および脱グルタリル化して、尿素回路を制御する(Du J 2011、Peng C 2011、Tan M 2014)。Sirt5の脱アセチル化活性は、弱い(Du J 2011、Tan M 2014)。Sirt5は、グルタミン代謝を制御することによって、アンモニア産生ならびにアンモニア誘導型オートファジーおよびマイトファジーを制御することが提唱されている(Polletta L 2015)。
【0031】
サーチュイン6(Sirt6)
サーチュイン6は、核内に局在化し、クロマチン関連ヒストンデアセチラーゼである(Kugel S 2014)。サーチュイン6は、ヒストンH3のリジン9(H3K9)を脱アセチル化し得、したがって、テロメアクロマチンおよび細胞老化の制御に関与する(Michishita E 2008)。サーチュイン6が、ヒストンH3のリジン56(H3K56)を脱アセチル化すると、NF-kB、Foxo3、およびHIF1-アルファなどの転写因子のそれらの標的プロモーターへのクロマチン到達可能性を減少させ、それによって、それらの標的遺伝子の発現を阻害する(Kugel S 2014)。Sirt6は、卵母細胞における減数分裂装置を制御する、ヒストンH4K16を脱アセチル化する(Han L 2015)。Sirt6は、生存寿命および健康寿命の制御に関連付けられている(Kanfi Y 2012、Cardus A 2013、Shen J 2013、Liu R 2014、Sharma A 2013)。Sirt6の活性化は、アテローム性血管疾患を低減することが想定される。Sirt6の発現は、細胞老化を防止し、TNF-アルファなど、ヒトの膝における骨関節炎の発症をもたらすNF-kB媒介性炎症応答を抑制する(Wu Y 2015)。Sirt6活性の増加はまた、特発性肺線維症(IPF)における治療法としても関係付けられている(Minagawa S 2011)。
【0032】
サーチュイン7(Sirt7)
サーチュイン7は、核小体に局在化している。Sirt7は、転写制御に機能的に関連付けられている。Sirt7は、Poll機構との直接的な相互作用を通じてリボソーム産生の正の制御を行う(Ford E 2006、Grob A 2009、Chen S 2013)。一方で、Sirt7は、ヒストンH3K18の脱アセチル化を介して、rDNAリピートの外側の遺伝子の転写を負に制御する(Barber MF 2012)。Sirt7は、ヒストンH3のN末端尾部におけるアセチル化リジン(H3K18Ac)を標的とする。Sirt7は、DNA損傷シグナル伝達カスケードにおいて、Sirt1およびSirt6の下流にある。DNA損傷部位へのSirt7の動員は、PARP1活性に依存する。そこで、Sirt7は、H3K18Acを脱アセチル化し得る。H3K18Acは、DNAにおける二本鎖破断部への損傷応答因子53BP1の動員を実行し、末端接合およびゲノム安定性をもたらす。
【0033】
環状アデノシン一リン酸(cAMP)
第2のメッセンジャーとしてのCAMPの発見は、1971年のノーベル賞をもたらした。カロリー制限は、cAMPを増加させる。CAMPは、年齢とともに減少する。cAMPレベルの高さは、現在では、寿命の長さと相関付けられている。CAMPは、様々な代謝関連ホルモンのシグナル伝達プロセスを行う。NAD+は、AMP部分を含有する。CAMPは、サーチュインのNAD+結合ポケットと相互作用する。この結合により、NAD+からNAMおよび2’-O-アセチル-ADP-リボースへの加水分解が増加する。したがって、cAMPは、サーチュインの酵素活性のプロモーターであり(Wang Z 2015)、NAD+のエネルギー枯渇シグナルに対する強化として作用する。
【0034】
リン酸化
Sirt1は、サーチュイン触媒部位にある高度に保存されているセリン434の位置でリン酸化され得る。S434でのリン酸化は、Sirt1デアセチラーゼ活性を増加させる。タンパク質キナーゼA(PKA)またはPKAの下流のキナーゼが、Sirt1をリン酸化すると考えられている。このリン酸化の制御は、NAD+レベルを増加させる通常の手段よりも短い時間フレーム(5~15分)で、サーチュイン活性を制御すると考えられる。時間フレームが短いことにより、短期間の脂肪酸利用のためのcAMP/PKAの誘導が可能となる(Gerhart-Hines Z 2011)。加えて、Sirt1の転写レベルは、プロモーター部位結合に関して、環状AMP応答エレメント結合タンパク質(CREB)および炭水化物応答エレメント結合タンパク質(ChREBP)が競合することによって制御される。CREB自体がリン酸化され得、それによって、その核輸送が引き起こされ、そのため、CREBは、Sirt1におけるプロモーター部位およびSirt1転写のより良好な競合因子となっている。このmRNAは、12~18時間で最大に達し、24時間で基底レベルに戻るため(Noriega LG 2011)、毎日12時間は食事をとらないことが望ましいことが示される(Chaix A 2014)。
【0035】
Sirt1タンパク質は、セリンアミノ酸側鎖にいくつかの他のリン酸化部位を有する。Ser27は、これらの部位のうちの1つであり、JNK2活性化によって間接的にリン酸化される。Sirt1におけるSer27部位がリン酸化されると、Sirt1タンパク質は、プロテアソームに媒介される分解に対して、さらにより耐性となる。したがって、これにより、Sirt1タンパク質の半減期が、2時間未満から9時間を上回るまでに増加する。これは、細胞内でのSirt1タンパク質のレベルを維持することに関する非常に重要な部分である(Ford J 2008)。
【0036】
Keap1は、抗酸化酵素を活性化するNrf2(後述)の負の制御因子として作用する。抗酸化剤に応答したKeap1の分解は、チロシンのリン酸化によって制御される(Kasper JW 2011)。
【0037】
抗老化化合物としてのニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)
NAD+のみが、7つすべてのサーチュインを活性化する。2008年に、NAD+の前駆体であるNMNが、マウスにおいて年齢逆転作用をもたらしたことが示された(Ramsey K and Mills K 2008)。その後、2009年には、NMNが、肥満に誘導される糖尿病(Imai S 2009)ならびに加齢に誘導される糖尿病の作用を逆転させることに強力な効果を有することが示された。2013年には、1週間のNMN投与により、高用量のNMNが、筋肉の老化を逆転させることが示された(Gomes A 2013)。
【0038】
CD38
CD38は、NADase、ならびにNADPaseである。CD38は、細胞外(II型原形質膜酵素)であり得、細胞内でもあり得る。CD38は、NAD+を、ニコチンアミドおよびcADPRに変換する。cADPRは、細胞機能に関与する第2のメッセンジャーである。ニコチンアミドは、前述のように、サーチュイン酵素ならびに次の節で論じられるPARP酵素の両方を阻害するようにフィードバックを行う。CD38は、多くの細胞集団において見出される。CD38は、自然免疫系ならびに適応免疫系と関連している。CD38は、炎症細胞において高度に発現され、CD38の喪失は、免疫応答の損傷と関連している。CD38およびCD157は、通常は無駄になってしまうであろうエネルギー的にコストがかかった産物のエネルギーの回収を可能にすると考えられる。白色人種集団において、2つのCD38アレルが公知である(Malavasi F 2007)。CD157は、このファミリーの第2のメンバーであるが、CD157の触媒効率は、CD38のものよりも数百倍低い(Hussain AM 1998)。CD38およびCD157は、モノマー形態でもダイマー形態でもあり得る。CD38は、内因性Ca++の形成を触媒する主要なCa++制御因子である(Lee S 2015)。Ca++の放出は、IL-6の産生を刺激し得る(Adebanjo OA 1999、Sun L 2003)。本明細書における「実施例」の節において、IL-6が低下することが示されている。
【0039】
NAD+は、年齢とともに減少することが知られている。CD38のタンパク質レベル、mRNAレベル、および酵素活性は、すべてが、年齢が上がるとともに増加する(試験したすべての組織:肝臓、白色脂肪組織、脾臓、骨格筋、腸骨、空腸、および腎臓において)。CD38のこの増加は、加齢関連のNAD減少に必要である。NADを使用する他のタンパク質は、加齢に伴うNAD+の減少の原因とは考えられない。例としては、PARP1およびSirt1が挙げられ、これらはいずれも年齢とともに減少する。加齢時のCD38活性とNAD+減少との間に、素晴らしい逆相関係数が観察された。CD38はまた、NAD+の前駆体であるニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)を分解することができる(Grozio A 2013)。NMN+のkcatは、NAD+のものよりも5倍高く、CD38のあらゆる基質のなかで最も高いkcatを有することが報告されている(Sauve AA 1998)。CD38が、細胞におけるNAD+を低下させると、これにより、Sirt3レベルの変化を伴うことなく、ミトコンドリア機能の喪失が生じた。
【0040】
CD38は、以下によって誘導される。
i.酸化は、CD38の活性化と関連している(Zhang AY 2004、Kumasaka S 1999、Wilson HL 2001、Dipp M 2001、Okabe E 2000、Ge Y 2010)。
これは、Sirt1とは対照的であり、Sirt1が持続するには還元が必要であり、酸化はSirt1を停止させる。酸化はまた、PARP-1を活性化する(Bai P 2011)。
ii.TNF-アルファは、細胞におけるCD38の発現の強力な誘導因子である(Barata H 2004、Lee CU 2012)。
注記:本明細書の「実施例」における3剤療法は、TNF-アルファおよびIL-6の両方の低減を示す。
a)CD38は、TNF受容体を有し(Prasad GS 1996)、
b)TNF-アルファはまた、CD38プロモーターの2倍活性化を誘導する。
そのため、TNFは、(転写制御)RNAレベルおよびタンパク質活性の両方を制御する。この制御の機序は、TNF-アルファが、NF-kB部位への結合およびAP-1結合部位の一部への結合を増加させることである(Tirumurugaan K 2008)。
【0041】
CD38は、最終生成物のフィードバックループによって影響を受けないとみられる。
i.ニコチンアミドは、合成阻害剤による阻害からCD38を救済する(Sauve AA 2002、Sauve AA 1998)。ニコチンアミドは、Sirt1およびPARP(NAD+を使用するその他のもの)を阻害する。ニコチンアミドがメチル化されると、これは、サーチュインおよびPARPにフィードバックを行わず、NAD+を使用するこれらの酵素を停止させない(立体障害に起因する)。
【0042】
CD38は、以下によって阻害される。
ii.ニコチンアミドモノヌクレオチドに類似する分子、例えば、フラボノイド類、ルテオリニジン、クロマニン、およびルテオリンが存在し(Kellenberger E 2011)、これらは、CD38を阻害するが、NMNからNAD+を作る3つの酵素ならびにSIRTおよびPARPなどNAD+を使用する他の酵素が関与する他の反応も阻害する可能性が高い。
iii.CD38の遺伝子のメチル化は、その制御の一部であり得る(Ferrero E 1999)。これは、ニコチンアミドのメチル-ニコチンアミドへのメチル化の作用に加えて、サーチュインおよびPARP酵素のフィードバックループを変化させる。この遺伝子のメチル化(エピジェネティクス)が、おそらくは、CD38が年齢とともに増加する理由であり得る。
iv.アピゲニンは、CD38を阻害する。これはまた、Nrf2を作動させる。アピゲニンは、用量依存性様式で、Nrf2プロモーターにおける15 CpG部位の過メチル化状態を効果的に逆転させた。アピゲニンは、Nrf2の核移行を強化し、mRNAならびにNrf2およびNrf2の下流の標的遺伝子NQ01のタンパク質発現を増加させた。アピゲニンは、CpG脱メチル化によって、NRF2を、サイレンシング状態から回復させた(Parededs-Gonzalez X 2014)。
v.還元は、CD38を停止させる。CD38におけるCys 118-Cys 201ジスルフィドの還元は、不活性化をもたらす(Prasad GS 1996)。ジスルフィドは、酵素のヒンジ領域における二官能性活性に関与し、3次元構造は、10個のシステイン残基に依存する(Lin Q 2005、Prasad GS 1996)。対照的に、Sirt1は、還元によって維持される。
vi.IL-6とのトランス相互作用のための潜在的な結合部位が、CD38転写開始部位の上流にある(注記、「実施例」において3剤療法によりIL-6が低減される)。
【0043】
ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)
DNA切断修復には、大量のエネルギーがかかり、これには、専用のエネルギーが割り当てられる。DNA切断は、平均すると年齢とともに増加するが、これは、部分的に、DNA損傷を修復することができるにもかかわらず、エネルギーが、その修復に割り当てられないためである。ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)は、DNAを修復するNAD+依存性酵素であり(古来および進化的に保存されている生化学反応、Otto H 2005)、他の生物学的機能も同様に担う。ニコチンアミドは、これらのPARP反応の最終生成物として放出される。そのため、サーチュイン酵素は、利用可能なNAD+に関してPARPおよびCD38と競合するだけでなく、サーチュインはまた、NAD+使用の最終生成物(これは、サーチュインによるNAD+の使用、PARPによるNAD+の使用、CD38によるNAD+の使用、ならびにその他のものによるNAD+の使用により生じるニコチンアミドである)によって阻害される。前述のように、NAD+は、年齢とともに減少するとみられている(Braidy N 2011およびMassudi H 2012)。ヒトにおいては17個のPARP酵素が存在する(Ame J 2004)。PARP-1、2、および3(ならびにタンキラーゼ)は、すべてが、DNA修復に関与する。Sirt1およびSirt6も、同様に、DNA修復に関与することが示されている。DNAに誘導されるPARP活性の大半が、PARP-1(85~90%)によって対応され、一方で、PARP-2は、残りを担うと考えられる(Szanto M 2012)。PARP-1は、次のものによって制御される:a)ニコチンアミドフィードバック、b)酸化還元バランス(H2O2による酸化がPARP-1を活性化する)、c)可逆的メチル化、およびd)PARP-1はSirt1脱アセチル化によって停止される。PARP活性化の長期化は、細胞内NAD+プールを枯渇させ得、したがって、NAD+が大幅に減少し、DNA損傷が過剰となる。PARP-1は、Sirt1と比較して、NAD+の高度な触媒代謝回転を示す(Bai P 2012)。Km(20~60μM-Ame J 1999)は、5倍低く、PARP-1は、サーチュイン-1よりも非常に強いVmaxを有する(Houtkooper R 2010)。PARP-2のNAD+との親和性、およびその分解は、Sirt1とほぼ同じである。PARP-2は、Sirt1プロモーターの近傍領域においてDNAに結合する。NAD+に対するほとんどのサーチュインのKmは、100~300μMの範囲であり、NAD+の変動は、200~500μMであると報告されている。NAD+レベルは、通常、2倍の範囲内で変動する(Chen D 2008)。加えて、NAD+は、概日様式で変動する(Ramsey K 2009)。これらの測定は、いくつかの欠点があるが、サーチュインの活性は、NAD+の利用可能性によって速度制限を受け得ると考えられる。
【0044】
フリーラジカルの老化理論
1956年、X線照射の影響を研究していたDenham Harmonが、老化の原因は、「フリーラジカル」と呼ばれる活性酸素種に起因することを提唱し、現在では、「フリーラジカルの老化理論」として知られている(Harman D 2009)。動物へのX線照射の影響に関する彼の観察から、Harmon博士は、X線照射により誘導されるフリーラジカル産生と同様に、通常の加齢がフリーラジカルを生成し、生物に対して同様の影響を有することを提唱した。その時点では、通常の加齢に伴うこれらの「フリーラジカル」の源は、わかっていなかった。その後の努力により、細胞は、それ自体が活性酸素種(すなわち、フリーラジカル)を産生することが確認された。実際に、フリーラジカルは、誕生前から死に至るまで、すべての細胞において産生される。細胞の生化学反応は多くが、細胞内で活性酸素種を作り出す。老化は、これらのフリーラジカルの存在自体に起因するものではなく、むしろ、これらの活性酸素種を抑制する多くの酵素によるフリーラジカル除去が欠如することで、過剰なフリーラジカルによる損傷が細胞に引き起こされるためである。活性酸素種(ROS)の制御は、老齢の動物の筋肉では修飾されており、ROS(スーパーオキシド)の放出は、老齢の筋肉では低減されている。(Jackson M. 2011)。このフリーラジカルの分野は、現在では、酸化還元生物学(Redox Biology)(Nathan C 2013)と呼ばれており、細胞シグナル伝達経路の調節に関与するフリーラジカルの有益な生物学的作用について詳述している報告の数は増え続けている(Powers and Jackson 2008)。「酸化還元ストレスの老化仮説」は、概念が、酸化還元の重要性からシグナル伝達および遺伝子制御にシフトしており、加齢に伴う細胞の酸化還元状態が酸化促進へとシフトし、これにより、酸化還元感受性のタンパク質であるチオールの過剰な酸化、およびそれに続く酸化還元により制御されるシグナル伝達機序の破壊が生じる。この理論の裏付けは、a)酸化の副生成物が、春機発動期から成年期で25~100%増加するという観察、b)タンパク質カルボニルが年齢とともに増加し、カロリー制限により減少すること、ならびにc)平均生存寿命が、タンパク質カルボニルに比例することによるものである(Sohal R 2012)。
【0045】
酸化感受性のタンパク質チオール基
酸化感受性タンパク質チオールの酸化還元電位を変化させることにより、明確に異なる異化プロセスと同化プロセスとの間の切替え、ならびに生存経路の活性化が可能となり得る。タンパク質メチオニンおよびシステイン残基は、特に、酸化修飾に対して感受性である。メチオニンは、メチル化経路におけるSAM合成の前のステップである。したがって、メチオニンは、メチル化経路に関連しており、酸化還元バランスによって制御される。システイン残基の割合は、生物の複雑性に伴い増加するが、それらの発生率は、依然として、単純にコドン使用頻度に基づく発生よりも有意に低い。クラスター内で生じるシステインは、進化において高度に保存され、通常、構造的または機能的に重要である。チオール基のpKa値は、局所環境によって影響を受ける。酸化状態は、完全に還元されたチオール/チオレートアニオンから完全に酸化されたスルホン酸までの範囲に及び得る(Cremers CM 2013)。タンパク質チオールと、過酸化水素(H2O2)などの酸化剤との反応速度は、7桁以上の大きさに及び、それぞれの活性部位のチオールの酸化数に対していずれの検出可能な相関性も有さない(Ferrer-Sueta G 2011)。
【0046】
可逆的および不可逆的なシステイン修飾が存在する。ROS、RNS、またはRCSによるシステインのチオールの酸化(RSH/RS-)は、高度に反応性のスルフェン酸(RSOH)の形成をもたらし、これが、別のチオールと反応してジスルフィド結合(RSSR)を形成するか、またはGSHと反応してS-グルタチオン付加(RSSG)となるかのいずれかであり得る。これらの酸化修飾は、可逆的であり、還元は、Trxおよび/またはGrx系によって触媒される。スルフェン酸からスルフィン酸(RSO2H)およびスルホン酸(RSO3H)への酸化は、一般に、インビボでは不可逆的と考えられている。チオールの酸化還元により制御されるタンパク質の多くは、抗酸化防御に関与する遺伝子の発現を急速に誘導する転写制御因子(例えば、OxyR、Yap1p)として作用し(Zheng M 1998、Tachibana T 2009)、その他のものは、シグナル伝達カスケードに関与する(Gopalakrishna R 2000およびDinkova-Kostova AT 2005)。(さらなる例については、Cremer CM 2013の補足1を参照されたい)。
【0047】
活性部位にチオールを有する酵素の例は、GAPDHであり、これは、解糖において非常に重要な役割を果たす。GAPDHのチオールの酸化は、解糖を遮断し、NADHではなくNADPHの生成に寄与する(Shenton D 2003)。別の例は、基質のリン酸化によって達成されるシグナル伝達強度を強化するSHP1/2、PTEN、Cdc25のホスファターゼ活性を不活性化する、活性部位におけるチオールの酸化であり、これにより、NF-kB-誘導キナーゼ/IκBなどのシグナル伝達経路の活性化が生じ、抗酸化防御に関与する遺伝子の発現がもたらされる(Jung KJ 2009)。第3の例は、酸化に対して非常に感受性であるサーチュイン活性部位におけるサーチュインチオール基であり、これは、酸化されるとサーチュイン活性を阻害する。ヒトサーチュイン-1は、5つのシステインのうちの3つ(Cys-67、Cys-268、およびCys-623)が、酸化還元バランスによる可逆的チオール修飾の可能性に晒されている(Autiero I 2008)。Cys-67およびCys-623は、これらの末端領域の翻訳後制御と一致しており、Cys-268は、触媒コアが高度に保存されているサーチュインファミリーのすべてのメンバーにおいて、NAD+結合領域に存在する。NAD+の結合は、サーチュインの立体構造の変化をもたらし、これにより、触媒作用が進むことが可能となる(Zee R 2010)。
【0048】
酸化還元生物学の主な構成要素
様々な種類のROSおよびRNS(活性窒素種)が存在する。それらは、まとめて、RONSと称される。それらには、スーパーオキシド、過酸化水素、ヒドロキシルラジカル、一重項酸素、一酸化窒素、過酸化亜硝酸、次亜塩素酸(hyperchlorite)が含まれ、脂質過酸化物「PUFA」も含まれる。様々な特異性のROSがある。ROSは、分子ではなく原子の種類の特異性を呈する。ROSは、細胞シグナル伝達において硫黄と可逆的に反応することが最も多く、これは、生体高分子において最も少ない原子の1つであり、ほとんどの場合、ペプチドまたはタンパク質にシステインまたはメチオニン残基の側鎖を有する(Nathan C 2013)。ROSの内因性酵素源(複数のアイソフォームは、制御時により高い感受性および特異性を可能にする)としては、多様な細胞および種において差次的に発現(制御)されるNADPHオキシダーゼ(NOX)の7つのアイソフォーム、ならびにその他の源一覧(Box 1 page 2 Nathan C 2013を参照されたい)が挙げられる。
【0049】
抗酸化酵素の主な種類(複数のアイソフォームは、制御時により高い感受性および特異性を可能にする)(遷移金属の制御および使用を必要とする)は、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)3アイソフォーム、グルタチオンペルオキシダーゼ(GPX)5アイソフォーム、およびカタラーゼである。チオレドキシン(TRX)2アイソフォーム(チオレドキシンレダクターゼ)もある。チオレドキシンは、REF-1(REF-1は、サーチュインのチオールを還元し続ける)、グルタレドキシン(GRX)3アイソフォーム、ペルオキシレドキシン(PRX)6アイソフォーム(真核生物のミトコンドリアH2O2の90%の還元を担い、細胞質H2O2ではそれ以上を担う)との相互作用によって、リサイクルされ得る。これは、酸化還元シグナル伝達を可能にする制御の機能的ループにより作動および停止が行われ得る(Sies H. 2014)。ペルオキシレドキシンは、主な役割がH2O2の解毒作用である系統発生的に古代のタンパク質ファミリーを構成する。これらはまた、酸化還元リズムを作り出す。ペルオキシレドキシンの過酸化およびスルフィレドキシンによるリサイクルの触媒サイクルは、転写独立的な概日時計の基礎をなし得ると考えられる(Rey, G. 2013)。NAD+レベルは、体内時計と相関しており、12時間おきに、1日に2回のピークがある。NAD+/NADHの細胞比が1を上回る場合、これは、細胞質における0.01を下回るNADP+/NADPHの細胞比よりも高いため、これにより、細胞は、抗酸化剤および生体合成還元相当物(NADPH)を、ミトコンドリアATP生成が予定されるもの(NADH)から分離することが可能となると考えられる。NADPHのリン酸は、異なる基質特異性を付与するが、同じ電子移動特性を有する。ペルオキシレドキシンの過酸化により、シャペロン機能ならびにシグナル伝達が誘導され得る。
【0050】
抗酸化小分子としては、グルタチオン(GSH)、尿酸、ビリルビン、アスコルビン酸(ビタミンC)、ビタミンE、さらにはカロテノイド、コエンザイムQ10、N-アセチルシステイン(acetylcyteine)(NAC)が挙げられる。NACは、還元型チオール供与体として作用し、チオールを酸化するH2O2に対抗する。
【0051】
メチル化の老化理論
すべての遺伝子がすべての細胞で発現されるわけではない。ヒトの細胞におけるタンパク質をコードする21,800個の遺伝子のこの「選択的遺伝子発現」制御により、細胞が脳細胞になるか心臓細胞になるかが決定される。この遺伝子制御系は、「エピジェネティクス」と呼ばれている(Kundaje A 2015)。エピジェネティクスは、老化の速度を制御する(Reynolds L 2014)。遺伝子が制御される方法のうちの1つは、「シトシン」と呼ばれるある特定のDNA残基のメチル化である。1967年に、Boris Vanyushinは、DNAが、加齢に伴いそのメチル化を喪失することを示した(Vanyushin BF 2005)。DNAメチル化の他に、ヒストンタンパク質修飾、マイクロRNA、およびクロマチン再構成(ヘテロクロマチン対ユークロマチン)など、他のエピジェネティック機序が存在する(Kundaje A 2015)。加えて、一部のDNAシトシンは、老化によりメチル化が増加し、他の部位では、老化によりメチル化が減少する。DNAメチル化が、老化と相関するエピジェネティック遺伝子制御の形態であることは、明らかである。これは、最も近年では、Steven Horvathによって示されており、「DNAメチル化時計(DNA methylation clock)」を353個のシトシン残基のみの分析から構築することができ、この「DNAm時計」(Bocklandt S 2014)が、老化と0.96の相関性を有することが示された。より重要なことに、この「時計」は、誕生日以外でいずれの公知の尺度よりも良好に時間を刻む。2歳~92歳の個体から得た間葉幹細胞(MSC)のDNAメチル化プロファイリングにより、老化に関連して、18,735個の過メチル化CpG部位および45,407個の低メチル化CpG部位が特定された。最も重要なことには、低メチル化CpG部位は、幹細胞および分化細胞における活性クロマチンマークH3K4me1において強力にエンリッチであり、これが、老化の際の、DNA低メチル化の細胞型非依存性クロマチンシグネチャーであることを示唆する。これらの結果は、老化時のDNAメチル化の動態が、関与するDNA配列、細胞型、およびクロマチン状況を含む要因の複雑な混合物に依存すること、ならびに遺伝子座に応じて、これらの変化は、遺伝的要因および/または外因的要因によって調節され得ることを示した(Fernandez AF 2015)。カロリー制限は、マウスにおいて、DNAメチル化における老化関連の変化を防止することが示されている(Chouliaras L 2012)。7つのサーチュイン酵素のうちの2つは、ヒストン脱アセチル化に対するそれらの作用を通じて、DNAメチル化に間接的に影響を及ぼすことが示されている(Sirt1およびSirt6)。サーチュイン反応の最終生成物であるニコチンアミドは、メチル化されて1-メチルニコチンアミドとなる必要があり、そうでなければ、最終生成物であるニコチンアミドは、サーチュイン酵素の内部で結合し、その酵素活性を停止させることになる(Schmeisser K 2013)。サーチュイン-1は、ヒストン3におけるリジン36のトリメチル化(H3K36me3)を増加させるNF-kBの活性を減少させる。これは、DNAメチル化の加速と相関する。老化時に劇的な発現の変化を有する遺伝子は、対応するmRNAの豊富さとは関係なく、遺伝子本体におけるH3K36me3のレベルが低いかまたはさらには検出不可能であることが示されている(Pu M 2015)。ヒトの細胞において、H3K9のトリメチル化(H3K9me3)の全体的な喪失は、細胞老化の加速およびヘテロクロマチン構造の変化を繰り返す。これらの発見はまた、7歳~72歳の人々の加齢に伴うヘテロクロマチンの秩序崩壊とも相関する(Zhang W 2015)。2015年1月30日には、血液のDNAメチル化年齢が、健康状態、生活スタイルの要因、および判明している遺伝的要因とは独立して、ヒトのその後の年齢における総死亡率を予測するために使用された(Marioni RE 2015)。2015年2月19日には、Nature誌が、111個のヒトのエピゲノムの結果を公開し、他者による今後の比較および参照を可能にした(Kundaje A 2015)。
【0052】
メチル化経路
メチオニンは、酸化修飾に特に感受性である。メチオニンは、メチル化経路において、ホモシステイン合成の後のステップであり、SAM合成の前のステップである。したがって、メチオニンは、メチル化経路の一部であり、酸化還元バランスによって制御される。システインは、メチオニンから合成され、硫化水素(H2S)の主な前駆体である。ホモシステインレベルの上昇は、内因性硫化水素(H2S)生成の阻害と関連している(Tang X 2011)。硫化水素(H2S)は、メチオニンに誘導される酸化ストレスを軽減する(Tyagi N 2009)。ホモシステイン(Hcy)は、酸化ストレスによって活性化されるトランススルフレーション経路によって不可逆的に分解されて、硫化水素(H2S)となり得る。H2Sは、高ホモシステイン血症において保護的機能を有する(Ohashi, R. 2006、Chang L 2008)。脂肪組織は、メチオニン代謝の重要な器官であり、また、インスリン感受性器官でもある。脂肪組織におけるH2Sの増加は、インスリン感受性を増加させる(Feng X 2009)。膵臓における高いH2Sは、インスリン放出を抑制する(Wu L 2009)。血中H2Sレベルは、2型糖尿病では、年齢が同じ健常な対象よりも低い(Jain S 2010)。アスピリンは、アラキドン酸阻害剤であり、メチオニン-ホモシステインサイクルおよび関連する1炭素代謝に影響を及ぼし得、それによってメチル化および酸化還元バランスに影響を及ぼし得る(Lupoli R 2015)。H2S供与体であるNa2SまたはNaSHを用いたH2S療法は、用量依存性様式で、アスピリンを阻害する(Zanardo RC 2006)。
【0053】
メチル化阻害剤:S-アデノシルホモシステイン(SAH)も存在する。メチオニンが豊富である場合、NNMTは、SAHのみを制御し、SAMは制御しない(Ulanovskaya OA 2013)。
【0054】
ラジカルSAM酵素は、ラジカル化学(5’-dAdo)を使用して、基質修飾を実行する、多様なタンパク質スーパーファミリーである。これらの酵素の基質は、極性機序によってメチル化を受ける求核性基質とは異なる。これらの酵素には、公知のサブクラスが4つ存在する(A、B、C、D)。
【0055】
一般則として、老化関連のDNA低メチル化は、遺伝子の発現の増加をもたらす主な事象であるが、過メチル化は、年齢とともにDNAの一部のプロモーター領域に共通しており、プロモーター抑制をもたらす。酸化還元バランスとメチル化バランスとの間には緊密な関係性がある(Metes-Kosik N 2012)。
【0056】
メチル化と酸化還元とのバランスの関係性が存在し、ホモシステインは、酸化条件下では抗酸化物質グルタチオンへと向かい、還元条件下ではSAMおよびメチル化に向かう(Mosharov E 2000)。
【0057】
体細胞変異の老化理論
体細胞は、クローニングされると、正常に老化する完全な動物へと成長することができる細胞である。有性生殖生物において体細胞は、生殖細胞によるDNAを次世代へとつなげる試みを支持するために生存している。体細胞は、生物の利益のために細胞自体の生存を犠牲にすることが知られている。これを行う1つの手段は、アポトーシスとも呼ばれるプログラム細胞死によるものであり、体細胞は、組織化されており壊死による細胞死よりも近隣の細胞に害が少ない様式で死亡する。Sirt1は、アポトーシスを阻害する。Sirt2は、壊死よりもいくらか組織化された形態であるネクロトーシスの制御に関与することが示されている(Narayan N 2012)。ワクシニアなどの一部のウイルスは、抗アポトーシス遺伝子を有しており、そのため、他の細胞死の方法が必要である。別の手段は、近隣の細胞ほど生存が活発でない体細胞を間引くことである。この特異的選択により、近隣の細胞よりも同化能力が高く、関連c-Mycが高い細胞が、選択され、近隣の細胞よりもc-Mycが低い比較的不適切な細胞は、排除される(Merino M 2015)。ヒトにおいてSirt1は、c-Mycを制御し、したがって、このプロセスならびにアポトーシスを制御する。c-Mycの濃度変化は、IL-6レベルの変化の方向とは逆であることは注目に値する(Hoffman-Liebermann B 1991)。注記:本明細書の「実施例」では、血清中のIL-6濃度が低下する。マウスにおけるmycの発現の低減による結果は、その抗老化療法としての提案をもたらした(Alic N 2015)。
【0058】
オートファジー
オートファジーにより、高分子合成およびエネルギー産生のためにリサイクルされるアミノ酸、糖類、脂肪酸、およびヌクレオシドが生成され、これは、飢餓およびストレスの際の細胞生存のために重要である。NAD+は、オートファジーと緊密に相関し、NAD+およびその代謝は、オートファジーに影響を及ぼし得る。NAD+によるオートファジーの制御機序としては、a)NAD+/NADH、b)NADPH、c)PAR化、d)脱アセチル化、e)NAADP、およびf)cADPR/ADPRに関与する経路が挙げられる。Sirt1によるNAD+依存性脱アセチル化は、複数のオートファジープロセスを制御する。CD38によって触媒されるNAD+代謝産物もまた、複数のオートファジープロセスに関与する。Sirt1は、DNA損傷および酸化ストレスを含む細胞ストレスを感知することにおいて極めて重要な役割を有するp53を介してオートファジーを制御する。p53と壊死との間のつながりもまた、報告されている(Tu H 2009)。オートファジーは、細胞成分の自己分解のプロセスであり、二重膜のオートファゴソームが細胞小器官またはサイトゾルの部分を封鎖し、存在する加水分解酵素による破壊のために、リソソームまたは液胞と融合する。オートファジー機構タンパク質の脱アセチル化修飾もまた、オートファジーには必要であり、脱アセチル化プロセスは、NAD依存性デアセチラーゼSirt1に依存する(He C 2009)。
【0059】
様々な老化理論の間の関連性
本明細書で論じられる様々な老化理論の間には、関連性がある。例えば、カロリー制限/サーチュインの老化理論は、ニコチンアミドのメチル化による、メチル化の老化理論と関連している。ニコチンアミドは、サーチュインがNAD+を使用することによって産生され、ニコチンアミドをメチル化することで、メチル化されたニコチンアミドは、負のフィードバックループにおいてサーチュインを阻害することができない。PARPおよびCD-38もまた、NAD+を使用し、反応の最終生成物としてニコチンアミドを産生するが、これは、負のフィードバックループを通じて、PARPおよびサーチュイン活性を阻害する。したがって、ニコチンアミドのメチル化により、サーチュインおよびPARP酵素の負のフィードバックループを防止することができる。
【0060】
加えて、カロリー制限/サーチュインの老化理論は、サーチュインによる炎症および免疫防御の主な構成要素であるNF-κBの阻害により、フリーラジカル(現在では、酸化還元)の老化理論と関連している。このプロセスにより、DNAのトリメチル化が増加し、それによりDNAラッピングが増加し、それにより総死亡率が減少する。サーチュイン活性部位におけるチオール基は、サーチュインが活性であるためには還元される必要があり、これが、2つの理論を直接結びつけている。
【0061】
さらに、カロリー制限/サーチュインの老化理論はまた、体細胞変異の老化理論にも関連している。細胞損傷が修復されない場合、それは、蓄積され、細胞の適合性に影響を及ぼし、細胞の性能が臨界レベルを下回ると、個体は死亡する。これは、体細胞変異の老化理論と呼ばれている(Kennedy S 2012およびSzilard L 1959)。Sirt1ならびに他のサーチュインは、Mycの発現をもたらす。哺乳動物は、高い同化能力を有する細胞を特異的に選択することができ、相対的なMyc活性から、比較的不適合な細胞を排除することができる(Mareno E 2014)。より適合性のある細胞を選択し、不適合な細胞を排除するこの能力により、ハエの生存寿命は、カロリー制限よりも35%延びる(Merino M 2015)。
【0062】
メチル化の老化理論は、ホモシステインが合成経路を進むときに、上述の例で、抗酸化防御の還元作用下では、1-メチルニコチンアミドを作るのに必要とされるS-アデノシル-メチオニン(SAM)へと進むが、酸化ストレス下では抗酸化剤であるグルタチオンの合成へと転向されることからわかるように、フリーラジカル(現在の酸化還元)の老化理論と関連している。
【0063】
他の老化理論は、本文中に論じられるように、上述の理論に入る。前述の「生存速度の老化理論」(Pearl R 1928、Rubner A 1908、Sohal R 2012)および前述の「使い捨ての体の老化理論」(Kirkwood and Rose 1991)は、いずれも、「カロリー制限」および「サーチュインによるNAD+の使用」の論述に入る。酸化還元ストレスの老化仮説(Sohal R 2012)は、その節で示されたように、フリーラジカル理論の論述に入る。酸化還元バランス自体が、炎症と関連していることも注目されている。IL-6およびTNF-アルファが血漿において減少された本明細書の「実施例」において示される結果は、前炎症(Medzhitov R 2008)とも呼ばれる「炎症の老化理論」(Franceschi C 2007, 2007, 2014)ならびに細菌の腸内層の透過性およびその産物が老化につながることに関する「メチニコフの老化仮説」(Metchnikoff E 1901)と相関しており、この細菌に対する透過性は、Crtcが関与する経路を介した絶食によって低減され得、このCrtcは、本明細書において絶食によって活性化されることが論じられているSirt1経路と関連しているCREBと相互作用する分子である。細菌に対する免疫系の攻撃と、N1rp3インフラマソーム活性化に必要とされるカルジオリピンなどのミトコンドリアタンパク質に対する免疫系の攻撃との間に、つながりがあるとみられる(Iyer SS 2013)。
【0064】
細胞損傷は、老化の原因であり、老化は、「老化による疾患」の原因である
老化そのものに加えて、老化による疾患が存在する(Goldman DP 2013)。これらの老化による疾患において、老化は、疾患の原因要素である。老化による疾患としては、炎症、心臓疾患(心臓発作および心不全)、卒中、アルツハイマー病などの神経変性疾患、糖尿病、がん、呼吸器疾患、全身性自己免疫疾患、ならびに筋消耗が挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0065】
老化作用に対処するための新しい組成物およびアプローチが必要とされている。本明細書に開示される組成物および方法は、この必要性に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0066】
本明細書において具現化され、広義に説明される、本開示の材料および方法の目的により、本開示の主題は、一態様において、化合物、組成物、ならびに化合物および組成物を作製および使用する方法に関する。特定の態様において、本開示の主題は、老化作用のうちの1つまたは複数に対処するための組成物に関する。さらなる態様において、第1の化合物と、第2の化合物と、第3の化合物とを含む組成物であって、第1の化合物が、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)などのNAD+前駆体、NMNの前駆体もしくはプロドラッグ、ニコチンアミドリボシド(NR)、ニコチン酸リボシド(NAR)、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)(Zhou T 2002)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、1-メチルニコチンアミド(MNM)(Hong S 2015)などのNAD+の使用を促進するNAD+の類似体、環状アデノシン一リン酸(cAMP)(Wang Z 2015)を含み、第2の化合物が、S-5’アデノシル-L-メチオニン(SAM)、メチオニン、ベタイン、コリン、葉酸、ビタミンB12などのSAM前駆体を含み、第3の化合物が、核内因子赤血球系2(Nrf2)活性化因子などの抗酸化防御活性化因子[Nrf2の核内移行を増加させる活性化因子、Nrf2 mRNA転写を増加させる活性化因子、Nrf2タンパク質発現を増加させる活性化因子、およびNrf2下流標的遺伝子を増加させる活性化因子、Nrf2阻害剤を低減する活性化因子(Bach 1、カベオラ、TGF-ベータなど)を含む]、例えば、H2O2、H2O2生成因子、硫化水素(H2S)、H2S供与体、例えば、硫化水素ナトリウム(NaHS)、硫化ナトリウム(Na2S)、および任意選択で担体を含む、組成物が開示される。
【0067】
第1の化合物が、NAD+、NMN、NR、NaMN、NaAD、NAR、MNM、cAMPを、単独または組合せで含む、組成物もまた開示される。第1の化合物が、NMNを含む、組成物もまた開示される。第1の化合物が、NMNの前駆体またはプロドラッグ、例えば、体内でのNMN産生を増加させるかまたは代謝してNMNになる化合物を含む、組成物もまた開示される。老化のサロゲートマーカーを低下させる、組成物もまた開示される。サロゲートマーカーが、CMV IgG、C反応性タンパク質、腫瘍壊死因子-アルファ、またはインターロイキン-6血清である、組成物もまた開示される。水を含む、組成物もまた開示される。注射用に製剤化される、組成物もまた開示される。液体中に溶解するための濃縮形態である、組成物もまた開示される。組成物が錠剤形態またはエアロゾル形態である、組成物もまた開示される。少なくとも1×10-8モルの第1の化合物、少なくとも1×10-8モルの第2の化合物、および少なくとも1×10-9モルの第3の化合物を含む、組成物もまた開示される。
【0068】
さらなる態様において、対象における炎症を低減する方法であって、対象に、本明細書に開示される組成物と、任意選択で担体とを投与することを含む、方法が開示される。第1の化合物、第2の化合物、および第3の化合物が、ほぼ同時に投与される、方法もまた開示される。第1の化合物が、対象の体内時計のNAD+ピークの15、30、60、90、または120分以内に投与される、方法もまた開示される。組成物が、対象に、対象に対して少なくとも1×10-6モル/kgの第1の化合物、対象に対して1×10-6モル/kgの第2の化合物、および対象に対して1×10-7モル/kgの第3の化合物の投与量で投与される、方法もまた開示される。組成物が、8~12日間にわたって注射される、方法もまた開示される。組成物が、エアロゾル、凍結乾燥物、粉末、またはエマルジョンである、方法もまた開示される。対象がヒトである方法もまた開示される。ヒトが、少なくとも2ヶ月間治療される、方法もまた開示される。組成物が、少なくとも1日1回経口投与される錠剤である、方法もまた開示される。組成物が、1日1回投与される、方法もまた開示される。
【0069】
追加の利点は、以下の説明において部分的に説明されており、部分的には、その説明から明らかであるか、または以下に記載される態様の実施によって認識され得る。以下に記載される利点は、添付の特許請求の範囲において具体的に示される要素および組合せを使用して、実現され、獲得される。前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、いずれも、例示的および説明的であるにすぎず、制限的ではないことを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0070】
本明細書に記載される材料、化合物、組成物、および方法は、開示される主題および本明細書に含まれる実施例の以下の詳細な説明を参照することによって、より容易に理解され得る。
【0071】
本材料、化合物、組成物、および方法を開示し、記載する前に、以下に記載される態様が、特定の合成方法または特定の試薬に限定されるものではなく、したがって、当然ながら、変動し得ることを理解されたい。本明細書において使用される用語は、特定の態様を説明する目的のものにすぎず、限定することを意図するものではないこともまた、理解されたい。
【0072】
さらに、本明細書全体を通じて、様々な刊行物が参照される。これらの刊行物の開示は、全体として、本開示の主題が属する技術分野をより詳細に説明するために、参照により本明細書に組み込まれる。開示される参考文献はまた、参照がなされる文章中で論じられている、参考文献中の材料に関して、参照により本明細書に個別かつ具体的に組み込まれる。
【0073】
カロリー制限に関する研究は、サーチュインの発見をもたらしたが、これは、NAD+と称されるNADHの「エネルギー枯渇」バージョンによって活性化される。NADHは、サーチュイン酵素によって使用されず、細胞に関して予測される濃度よりもはるかに高い濃度においてのみ阻害性である。NADHはまた、細胞質NADK酵素によるNADP+の生成にも使用されず、この生成されたNADP+は、NADPHへと急速に変化する(Pollak N 2007)。カロリー制限は、「栄養ストレス」を誘導し、これが、細胞エネルギー貯蔵(ATP、NADHなど)の枯渇をもたらす。この貯蔵されたエネルギーの「エネルギー枯渇形態」が、cAMPおよびNAD+である。
【0074】
NAD+は、サーチュインならびにPARPと呼ばれる一連の酵素を活性化する。本明細書に開示されるデータは、NAD+または同様の活性を有する化合物もしくは組成物を提供することによって、免疫系マーカーが低減されることを示し、これは、抗老化と関連することが示されている。これらのデータは、NAD+または同様に作用する分子との相互作用を通じて、サーチュインの活性化が増加することと一致している。しかしながら、NAD+の好ましい作用は、おそらくはサーチュイン自体の活性部位を含め、生物において生じる他の反応に起因して、水平状態となり得る。
【0075】
したがって、NAD+または同様に作用する分子とともに、追加の分子を付加することによって、有益な作用が、例えば、抗老化と関連している炎症マーカーの低減の継続、強化、および維持によって延長され得ることが、本開示の方法および組成物によってさらに示されている。この情報により、3つのカテゴリーの組成物を含有する組成物および製剤、または3つの異なるカテゴリーの分子が単独、併用、もしくは組合せで対象に投与される方法が、もたらされた。
【0076】
細胞損傷を修復し、生じ得る老化関連の変化を防止することによって、生存寿命および健康寿命を延ばすことが開示される。本明細書に提供されるデータは、炎症のマーカーを低減するためには、老化に対する防御および老化による劣化を修復するための3つの広義の目標を探求すべきであることを示す。
I.NAD+が、サーチュインの作動に利用可能であり、サーチュインによって使用される必要があり、
II.メチル供与体が、ニコチンアミド-N-メチルトランスフェラーゼ(NNMT)酵素によるニコチンアミドから1-メチルニコチンアミドへの反応など、メチル化を必要とするDNAおよび他の実体をメチル化するために利用可能でなければならず、
III.サーチュインなどの重要な酵素が、還元状態で、反応部位にチオール(硫黄)基を維持できるような還元バランスが提供されるべきである。
【0077】
老化に関連する炎症のマーカーを低減する組成物、製剤、および方法が、本明細書に開示され、これらの3つの目標を強化することと一致する。
【0078】
酸化が、低レベルのH2O2がパルスされる形態で、抗酸化防御および修復系のプレコンディショニングの作動に利用可能であれば、これらの3つの目標を達成することは可能である。この系を作動させることにより、系は、エネルギー節約機序である、抗酸化防御および修復系の下方制御から保護される。こうすることで、抗酸化防御系が、より大きな酸化バーストによる酸化攻撃を受けたときに、細胞損傷および破壊をもたらし得るこの酸化に対して防御することが可能である。
【0079】
一実施形態において、シグナル伝達から抗酸化防御および修復系を作動させるためのプレコンディショニングを提供するのには十分であるが、サーチュイン酵素の活性を停止させるサーチュイン活性部位におけるチオール基の酸化など、酸化損傷をもたらすには不十分である、酸化が、H2O2により提供される。APE-1/Ref-1は、H2O2による酸化からサーチュイン活性部位におけるアミノ酸のチオール基を保護する分子である。これは、活性に維持することができる。ニコチンアミド-N-メチルトランスフェラーゼ(NNMT)酵素がニコチンアミドから1-メチルニコチンアミドを作り、そして、サーチュイン酵素に適合し、その活性を停止させ得るニコチンアミドの供給を断つことによって、このフィードバックループがサーチュイン酵素を遮断するのを阻止するためには、同じかまたは同様のプロセスが必要であることが、理論化される。
【0080】
ヒト内因性防御および修復の経路および機序をリセットすることによる、ヒト老化の逆転に使用可能な解決法が開示される。これらの機序は、通常、進化上のエネルギー不足、進化上の性選択、および病原体防御によって生じる分子環境に起因して、それらのためのエネルギーを、より多くの使用可能なエネルギーおよびリソースを防御および修復の機序から転換することによって、保存するように設定されている。本開示の化合物、組成物、および製剤の投与を通じて、これらの経路を、修復および防御の増加のために、リセットすることができる。
【0081】
飲料水で摂取されるNMNは、NAD+へと変換され、ヒトにおいてサーチュインを作動させるが、これらの効果は、一時的なものであることが、本明細書において示される。ホルミシス/フィードバックループにより、ヒトにおいて、利益がプラトーに達するかまたは逆転するまで、さらには3ヶ月以内の時間フレームで当初の有益な作用を越えるまで、これらの利益がもたらされたことも、本明細書において示される。この発見により、サーチュイン酵素の有益な作用を作動させ、有益な作用を最適化し、これらの有益な作用を作動させたまま保持することによって、有益な作用の問題の欠点が解決する。
【0082】
サーチュイン酵素が関与するヒト防御および修復の機序を作動させ、それを強化し、一部の製剤では、それを継続する、化合物、組成物、製剤、および方法が、本明細書に開示される。これらの化合物、組成物、および製剤は、3つのカテゴリーのそれぞれから、1つまたは複数の品目を、単独または組み合わせて含み、摂取、注射、吸入、皮膚への適用、または任意の他の手段によって、投与することができる。
【0083】
投与されると、本開示の化合物、組成物、および製剤は、以下の活性のうちの少なくとも1つを実行することができる。
A)老化プロセスによるさらなる細胞損傷からの保護
B)老化プロセスによる細胞損傷の修復
C)老化が原因要素である場合の、老化による疾患の発症の遅延
【0084】
老化による疾患としては、炎症、心臓疾患(心臓発作および心不全を含む)、卒中、アルツハイマー病などの神経変性疾患、糖尿病、がん、呼吸器疾患、全身性自己免疫疾患(関節炎を含む)、および筋消耗が挙げられる。
D)体重減少/空腹感低減の促進
E)生産性の高い睡眠、休息感の高い目覚めの促進
【0085】
化合物、組成物、および製剤
以下の3つの一般的なカテゴリーのうちの1つまたは複数に含まれるか、またはそれを含む、化合物、組成物、および製剤もまた開示される。
カテゴリー1、修復系活性化因子
カテゴリー2、メチル供与体
カテゴリー3、抗酸化防御活性化因子
【0086】
第1の化合物と、第2の化合物と、第3の化合物とを含む組成物であって、第1の化合物が、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)などのNAD+前駆体、NMNの前駆体もしくはプロドラッグ、ニコチンアミドリボシド(NR)、ニコチン酸リボシド(NAR)、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、1-メチルニコチンアミド(MNM)などのNAD+の使用を促進するNAD+の類似体、環状アデノシン一リン酸(cAMP)を含み、第2の化合物が、S-5’アデノシル-L-メチオニン(SAM)、メチオニン、ベタイン、コリン、葉酸、ビタミンB12などのSAM前駆体を含み、第3の化合物が、核内因子赤血球系2(Nrf2)活性化因子などの抗酸化防御活性化因子[Nrf2の核内移行を増加させる活性化因子、Nrf2 mRNA転写を増加させる活性化因子、Nrf2タンパク質発現を増加させる活性化因子、およびNrf2下流タンパク質遺伝子を増加させる活性化因子、Nrf2阻害剤を低減する活性化因子(Bach 1、カベオラ、TGF-ベータなど)を含む]、例えば、H2O2、H2O2生成因子、硫化水素(H2S)、H2S供与体、例えば、硫化水素ナトリウム(NaHS)、硫化ナトリウム(Na2S)、および任意選択で担体を含む、組成物が開示される。
【0087】
第1の化合物が、NAD+、NMN、NR、NaMN、NaAD、NAR、MNM、cAMPを、単独または組合せで含む、組成物もまた開示される。第1の化合物が、NMNを含む、組成物もまた開示される。第1の化合物が、NMNの前駆体またはプロドラッグ、例えば、体内でのNMN産生を増加させるかまたは代謝してNMNになる化合物を含む、組成物もまた開示される。老化のサロゲートマーカーを低下させる、組成物もまた開示される。サロゲートマーカーが、CMV IgG、C反応性タンパク質、腫瘍壊死因子-アルファ、またはインターロイキン-6血清である、組成物もまた開示される。水を含む、組成物もまた開示される。注射用に製剤化される、組成物もまた開示される。液体中に溶解するための濃縮形態である、組成物もまた開示される。錠剤形態またはエアロゾルである、組成物もまた開示される。少なくとも1×10-8モルの第1の化合物、少なくとも1×10-8モルの第2の化合物、および少なくとも1×10-9モルの第3の化合物を含む、組成物もまた開示される。
【0088】
カテゴリー1、修復系活性化因子
サーチュイン活性の作動および維持により、本明細書に開示される有益な作用がもたらされる。サーチュインは、NAD+を必要とする。修復系活性化因子を提供することにより、サーチュインを作動させることができる。修復系活性化因子の例としては、NAD+、NMNなどのNAD+前駆体、NR、NaMN、NaAD、NAR、MNMなどのNAD+の使用を促進するNAD+の類似体、およびcAMP、またはこれらの任意の組合せが挙げられる。好ましい修復系活性化因子は、NAD+前駆体NMNである(NAD+を作り、サーチュインを作動させ、サーチュインによって消費されるためであり、これは、カロリー制限による利益をもたらす)。ヒトにおいて、NAD+は、典型的には、通常、朝および夜、例えば、午前8時および午後8時にピークに達し、したがって、NAD+またはNAD+に変換される前駆体の追加は、例えば、優先的には、午前7時から午前8時および午後7時から午後8時の時間フレームで追加されるであろう。ある特定の態様において、体内時計の自然のサイクルを破壊することがないように、好ましくは、12時間おきに1日2回の投与が所望される。典型的な製剤は、投与する場合、対象の体重1kg当たり1.19×10-4モル以上のNMN、NAD+、またはNAD+前駆体を提供する(NMNは、334.22グラム/モルである)。
【0089】
また、典型的には注射によって、NAD+を投与してもよく、または身体の一部の細胞においてNMNとなり得るニコチンアミドリボシド(NR)を使用してもよい。典型的には、NAD+およびNRの投与は、あまり好ましくないが、これは、NAD+が、消化系によって十分に吸収されず、NRからNMNを作る酵素が、身体のすべての細胞に見出されるわけではないためである。経口送達されるNRもまた、大部分が筋肉に到達しないことが示されている。
【0090】
特定の態様において、NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)を、1日当たりおよそ0.08グラム/全体重kgの好ましい投与量で、およそ12時間おきに服用する2つの等用量に分割して、投与することが開示される。ある特定の実施形態において、投与量は、吸収に合わせて調節することができる。NMNなどの修復系活性化因子を、水および飲料を通じて投与することが、好ましい。さらなる実施例では、NMNの前駆体またはプロドラッグもまた、投与され得る。
【0091】
ある特定の実施形態において、修復系活性化因子は、老化に関連する炎症マーカーを低減するために投与される。本明細書に使用されるとき、修復系活性化因子は、サーチュイン酵素を活性化する任意の化合物、組成物、製剤、分子、生物製剤、または物質である。これらの種類の酵素は、最適されるには、還元またはそれに近い酸化還元バランスが好ましい。サーチュインを活性化するそのような分子の例は、NAD+、NMNなどのNAD+の前駆体、NR、NaMN、NaAD、NAR、MNMなどのNAD+の使用を促進するNAD+の類似体、およびcAMPである。
【0092】
NMNの産生を活性化させるであろう化合物および組成物が開示される。例えば、Wangらは、NAMPTに媒介されるサルベージを通じてNADレベルを増加させることによって作用する、P7C3クラスのアミノプロピルカルバゾール化学物質、化合物、および組成物について論じている。(Wang et al. 2014)。
【0093】
カテゴリー2、メチル供与体
メチル化のためのメチル供与体を添加する場合、ベタインを添加することが好ましい。ベタインは、S-5’-アデノシル-L-メチオニン(SAM)を作るために使用される場合、過剰なNAD+の必要性を回避することができる(コリンの使用により)。SAMは、サーチュイン酵素が機能するのを停止させるために老化特性を有するニコチンアミドに、メチル基を提供することができる。このニコチンアミドのメチル化は、N-メチルトランスフェラーゼ(NNMT)による1-メチルニコチンアミドへのN-メチル化を介して生じる。このメチル基が付加されたニコチンアミドは、サーチュイン酵素に接近してサーチュイン酵素の反応能力を減少させ得る利用可能なニコチンアミド分子との競合をもたらす。したがって、2つの競合因子のそれぞれの濃度に比例して、このプロセスが生じるのが防止される。典型的には、添加のタイミングは、NAD+またはNAD+前駆体などの修復系活性化因子と一緒である。
【0094】
SAMはまた、老化時にみられる低メチル化を低減するためにメチル基を提供し、適切な状況において、SAMは、老化と闘うために有益に使用することができる:例えば、特に老人においてみられるDNAのH3K4me3メチル化の必要性(Ulanovskaya OA 2013)。
【0095】
ベタインに加えて、使用することができるメチル供与体としては、SAM、メチオニン、コリン、葉酸、およびB12が挙げられる。典型的には、これらの代替物質はあまり好ましくないが、これは、SAMは、摂取したときに約2%しか体内に入らず(McMillan JM 2005)、コリンは、ベタインを作るのに過剰なNAD+を必要とし、NAD+は体内での供給が不足しているためである。
【0096】
ベタイン(トリメチルグリシン)の投与量は、対象の全体重当たり少なくとも0.03グラム/kg(3×10-4モル/kg)であり得る(0.08グラム(上述のNMNの計算から)に、0.35(ベタイン/NMNの分子量比)を乗じる=0.03グラム/全体重kgで計算)。この用量は、24時間にわたって投与することができ、およそ12時間おきに服用されるほぼ等しい2用量に分割してもよい。用量は、水中に溶解して、対象がそれを飲むことができる。投与は、カテゴリー1の化合物または組成物の投与とともに行われてもよい。
【0097】
ある特定の実施形態において、メチル化供与体が対象に投与され、これらのメチル化供与体は、分子のメチル化を増加させるか、または分子自体をメチル化する、分子、物質、組成物、化合物、および製剤である。典型的に、メチル供与体は、最適な活性のためには、還元よりの酸化還元バランスを好む。S-5’アデノシル-L-メチオニン(SAM)前駆体には、メチオニン、ベタイン、コリン(ベタインの前駆体)、葉酸、ビタミンB12が、単独または組合せで含まれる。
【0098】
カテゴリー3、抗酸化防御活性化因子
カテゴリー3の化合物、組成物、または製剤を提供すると、抗酸化防御が作動する。抗酸化防御酵素が機能していることにより、サーチュイン酵素および類似の制御を有するその他のものの反応部位におけるチオール(硫黄)基の還元が増加する。これにより、チオール酸化に起因するサーチュイン酵素の停止が防止される。
【0099】
過酸化水素(H2O2)
概して還元の環境を作リ出す1つの手段は、H2O2などの酸化剤のバーストパルスによって生物に「ショックを与える」ことである。抗酸化酵素が作られ続け、それらが機能し続けるためには、系にショックを与えるような酸化剤によるプレコンディショニングを使用し、抗酸化酵素が、酸化剤によってチャレンジされていなければそれらを停止または低下させるフィードバックループに起因して停止される前に、さらなる回数の酸化剤のショックパルスによって、抗酸化酵素を作動させ続ける。プレコンディショニングのために酸化剤パルスを行う場合、抗酸化酵素を作動させ、それらを作動させ続けるのに十分なレベルの酸化剤を使用する。プレコンディショニングを行うのに好ましい酸化剤の選択肢は、過酸化水素(H2O2)であるが、これは、酸化還元シグナル伝達経路におけるその中心性、および酸化剤としては比較的安定していること、ならびに細胞がその生存サイクルにおいて対応する他の酸化剤と比較して可能性のある有害作用のレベルが低いためである。H2O2は、タンパク質/酵素のチオール基を酸化し、それによって、酵素特性を変化させることができる。
【0100】
H2O2によるこの低レベル酸化のプレコンディショニングは、過剰な酸化は細胞の損傷および損害をもたらすため、抗酸化防御および修復系の酵素を含む酵素を作動させるのに必要とされる酸化を上回って酸化をもたらすことなく、酵素およびプロセスを作動させるように、パルスによる、時間が制御され用量が制御された様式で、行われ得る。いずれの小分子(酵素ではない)抗酸化剤も、酸化パルスのこの一時的な作用を減少させることがないように、他の期間(酸化パルスの期間以外)で提供されるべきである。
【0101】
過酸化水素(H2O2)による酸化および酸化還元シグナル伝達
過酸化水素(H2O2)は、すべての好気性生物において存在する偏在的な酸化剤である(Marino HS 2014)。H2O2は、現在では、メッセンジャー分子として認識されており、酸化還元シグナル伝達に対する感受性を提供する。H2O2は、タンパク質におけるアミノ酸側鎖(反応性および生物学的可逆性の大きな順に、システイン、メチオニン、プロリン、ヒスチジン、およびトリプトファン)の酸化修飾を提供する。チオールの修飾は、タンパク質におけるH2O2の感知および認識において重要である。過酸化水素は、インスリン活性を模倣し、肺動脈弛緩を誘起し、細胞増殖を刺激し、NF-κBおよびAP-1を活性化することがわかっている。H2O2シグナル伝達の機能的な結果は、基本的な生物学的プロセスに関与する。ホルミシスとして知られている、一連の酵素の遺伝子発現の設定点を変化させるための低レベルの酸化剤での刺激の役割を認識して(Helmut Sies 2014)。H2O2によって影響を受ける転写因子としては、AP-1、Nrf2、CREB、HSF1、HIF-1、TPSS、NF-κB、NOTCH、SP1、およびSCREB-1が挙げられ、大半が、細胞損傷応答の制御、細胞増殖(細胞周期の制御)、分化、およびアポトーシス(Albrecht SC 2011)に関与している。
【0102】
タンパク質のアセチル化は、H2O2によって制御される(Jung S-B 2013)。タンパク質の脱アセチル化は、サーチュインによって制御される(Imai, S. 2000)。H2O2はアセチル化を増加させ、サーチュインはアセチル化を減少させるため、H2O2およびサーチュンの作用は、アセチル化反応経路を、反対方向に押し進めるものである。Sirt1は、1μmolの細胞外H2O2ほどのH2O2阻害に対して非常に感受性である(Jung S-B 2013)。Sirt1は、(APE1/Ref-1)によるチオールの酸化によって保護される。これは、Sirt1の酸化還元状態および活性を統括する。これは、Sirt1の活性部位におけるチオール基を還元し、H2O2は、Sirt1の活性部位におけるチオールを酸化する。Sirt1は、酸化還元依存性リン酸化によっても制御される(Caito, S. 2010)。
【0103】
酸化剤のシグナル伝達をパルスする必要性
低レベルのH2O2は、プレコンディショニングによって防御を増加させ、したがって、最終的には、サーチュインの活性部位における酸化チオールの増加および酸化チャレンジによるSirt1の活性減少から保護することができる。H2O2への適応は、原形質膜のH2O2透過性を減少させる。別の細胞膜は、H2O2に対して完全な透過性を有する。アクアポリンもまた、生体膜を越えたH2O2の輸送を制御する(Marinho HS 2014)。
【0104】
H2O2レベルを変化させる一般的な薬物
世界中で最も広範に処方されている抗糖尿病薬であるメトホルミンは、過酸化水素(H2O2)を増加させ、これが、ペルオキシレドキシン-2(PRDX-2)を上方制御する。メトホルミンは、C.エレガンス(C. elegans)において生存寿命を増加させ、PRDX-2遺伝子を除去すると、この作用は除去される。PRDX-2は、酸化ストレスを、下流の寿命促進シグナルに変換する役割を有するとみられる。小分子抗酸化剤であるN-アセチルシステイン(NAC)およびブチルヒドロキシアニソール(BHA)での処置により、生存寿命に対するメトホルミンの好ましい効果が無効となった(De Haes W 2014)。体内の過酸化水素を増加させる医薬品もまた、H2O2に加えて、または過酸化水素自体を添加する代わりとしてのいずれかで、このカテゴリーにおいて使用され得る。体内のH2O2を増加させる医薬品としては、メトホルミン(De Haes W 2014)およびアセトアミノフェン(Hinson J 2010)が挙げられる。
【0105】
体内のH2O2を増加させる医薬品は、カテゴリー#3で与えられる酸化パルスの計算に含める必要もある。例は、アセトアミノフェン(Tylenolの成分である)であり、これは、体内のH2O2を増加させることが公知の医薬品である(Hinson J 2010)。N-アセチル-l-システイン(NAC)は、体内でH2O2の多数の作用に対抗することが知られている化合物である。
【0106】
H2O2のタイミング、期間、およびレベル
抗酸化防御および修復系を作動させるようにシグナル伝達するためのプレコンディショニングを提供するのに十分であるが、酵素活性を停止させるサーチュイン活性部位におけるチオール基の酸化など、酸化損傷をもたらすのには不十分な酸化が、所望される。このレベルは、「ゴールディロックスゾーン(Goldilocks zone)」と呼ばれている。APE-1/Ref-1は、活性状態に維持する必要のあるサーチュイン酵素のチオール基を保護する分子である。ニコチンアミド-N-メチルトランスフェラーゼ(NNMT)酵素について、同じまたは同様のプロセスが理論化されている。
【0107】
ある特定の実施形態において、低レベルの過酸化水素(H2O2)のパルスを、一過的にヒトに与えて、抗酸化防御および修復系が、作動し、作動したままとなるようにプレコンディショニングすることができる。ある特定の好ましい実施形態において、個別の用量当たりで400~500mLの水中およそ100μMの濃度の食品グレード(商用グレードは、安定剤としてアセトアニリドを有する)のH2O2が好ましく、これは、単独またはカテゴリー1およびカテゴリー2の化合物もしくは組成物とともに摂取され得る。1モルのH2O2=1+1+16+16=およそ34グラムである。H2O2のうち50%は、腸で吸収されると推測されるため、摂取するのにより好ましい濃度は、およそ200μM(500mL中)である。例えば、ある特定の実施形態において、1滴のH2O2は、0.05mLである。食品グレードのH2O2は、35%の濃度となっている。500mLの蒸留水中2滴の35%H2O2(各用量/日)の摂取は、およそ200μMとなる。H2O2は、脱イオンH2O/蒸留H2O中で、光がなく、混入物質がなければ、1年で約10%分解される。H2O2は、-11℃で凍結する。そのため、ある特定の実施形態において、4滴/日または0.2mLの35%H2O2/日を1リットルの水で摂取する。35グラム/100mL=0.07グラム/0.2mLである。ある特定の実施形態において、およそ0.0008グラムの量のH2O2/全体重kgの投与量が、使用され得る。
【0108】
好ましい投与方法は、H2O2を、脱イオン水/蒸留水中に溶解し、それを飲むことによって、H2O2を摂取することである。投与量の濃度、摂取時間、および摂取時間の長さの好ましいタイミングは、水中の場合、#1および#2と同じタイミングで使用することである。ある特定の実施形態において、H2O2が、持久運動により部分的に強化されている場合、直前または直後に運動を行う。
【0109】
メトホルミンの投与(De Haes W 2014)は、液体形態、Riomet、ならびに錠剤で供給され得る。液体形態では、5mLが、500mgの錠剤と等しい。これは、即時放出形態では1~3時間で血漿濃度がピークに達し、1~2日間で定常状態となる。典型的には、絶食条件下において、50~60%がバイオアベイラブルである。メトホルミンに適したタイミングおよび用量を決定するためには、このデータの使用が必要であろう。
【0110】
硫化水素(H2S)
前述のように抗酸化防御系をプレコンディショニングするために過酸化水素(H2O2)を使用する以外に、酸化感受性のタンパク質であるチオールの酸化還元電位を変化させるための別の手段は、硫化水素(H2S)を用いて抗酸化防御系を直接的に増強することによるものである。NaSH(H2S供与体)(0.025~0.1ミリモル/リットル)処置は、用量依存的に、H2O2処置に対抗した。血漿H2Sレベルは、ヒトにおいて、50~80歳では減少し(Chen Y 2005)、心臓血管疾患(CHD)を有する患者における血漿H2Sレベルは、CHDの重症度および冠状動脈における変化と有意な逆相関を示す(Jiang H 2005)。NaSHは、ROSを減少させ、SOD、GPx、およびGSTの発現を強化する。脂質およびタンパク質の酸化生成物は、H2Sを多く含む水(500mL/日を2週間)を摂取した健常なボランティアの血漿サンプルにおいて、有意に減少する(Benedetti S 2009)。0.1mM NaSH/リットルは、時間依存性様式で、Sirt1を増加させ得る(Wu D 2015)。外因性H2Sは、NAD+/NADHの比を変化させ、Sirt1タンパク質を強化することによって、時計遺伝子の概日リズムを維持することに対して保護効果を有する(Shang Z 2012)。H2Sはまた、NF-kBを下方制御することまたはヘムオキシゲナーゼ1の発現を上方制御することによって(Jin H 2008、Kim K 2008、Oh G 2006、Pan L 2011)、急性炎症反応の鍵となる要素の重要な内因性阻害剤である(Zanardo R 2006)。H2Sは、システインS-スルフヒドリル化を通じて、ATP感受性、中間コンダクタンス、および低コンダクタンスのカリウムチャネルを活性化し(Mustafa A 2011、Yang G 2008)、内皮細胞および平滑筋細胞の過分極をもたらし、これが、血管内皮の血管弛緩および血圧の低下をもたらす。H2Sは、アンジオテンシン変換酵素(ACE)活性に対する直接的な阻害作用を有する(Laggner H 2007)。NaSHは、eNOSおよびPGC-1アルファの発現を増加させ(Wu D 2015)、これらは、いずれも、ミトコンドリア生合成および機能において役割を果たす(Wu, CC 2013、Lagouge M 2006)。H2Sは、MAPK経路を上方制御する(Barr LA 2014、Papapetropoulos A 2009、Yong QC 2008)。カロリー制御は、H2Sシグナル伝達の維持に役立ち得ることが、推論される(Predmore B 2010)。持続放出性H2S供与体であるGYY4237は、濃度依存性様式で、7つの異なるヒトがん細胞株を殺滅させることができる(Lee Z 2011)。これもH2S供与体であるスルホラファンは、用量依存性の抗前立腺がん(PC-3)特性を有する(Pei Y 2011)。
【0111】
H2Sは、ガス状伝達物質である。ガス状伝達物質は、低レベルで内因的に産生され、細胞シグナル伝達を誘起するように、細胞膜を通じて自由に拡散することができる(Calvert JW 2010)。3つのガス状伝達物質は、一酸化窒素(NO)、一酸化炭素(CO)、および硫化水素(H2S)である。
【0112】
硫化水素は、L-システインから合成される。シスタチオニンガンマ(gama)リアーゼ(CSE)、シスタチオニンベータ-シンターゼ(CBS)、システインアミノトランスフェラーゼ(CAT)、および3-メルカプトピルビン酸スルファートランスフェラーゼ(MST)は、硫化水素(H2S)の内因性酵素源である。これらの酵素による程度の異なる肝臓でのH2Sの産生が示されており、H2Sが、H2S供与体であるNaSHを、0.05mMのNaSH/体重kg/日を10mL/体重kgの生理食塩水中に溶解させたものを注射することによってマウスに投与することにより、肝臓における脂質過酸化および抗酸化酵素(GPx、T-SOD、Cu/Zn-SOD、およびMn-SOD)の活性を制御することが、示されている(Wu D 2015)。ミトコンドリアは、低酸素症およびストレス条件下において、H2Sを使用してATPを産生することができる(Fu M 2012)。
【0113】
H2Sの抗酸化能力に関する当初の報告は、H2Sが、スーパーオキシドを除去し得(Geng B 2004)、H2Sが、グルタチオンを上方制御し得ることであった(Kimura Y 2004)。その後、その抗酸化酵素の活性化に関するより詳細な報告が出てきた。H2Sは、核内因子-赤血球2-関連因子2(Nfr2)を活性化することが示されており(Peake BF 2013)、このNfr2は、抗酸化遺伝子を作動させる。Na2Sを7日間毎日投与することにより、細胞質画分および核画分の両方におけるNrf2の発現が増加した(Calvert JW 2010)。抗酸化剤応答エレメント制御遺伝子を上方制御するNrf2は、H2Sによって上方制御される(Islam KN 2015)。H2Sの活性化により、Nrf2が、細胞質においてその接着性阻害剤Kelch様ECH関連タンパク質1から分離し(Wakabayashi N 2004)、次いで、核内に移行し、HO-1およびチオレドキシン1を含む抗酸化遺伝子のプロモーター領域において、抗酸化剤応答性エレメントとして知られる特定のエンハンサー配列に結合することがもたらされる(Calvert JW 2009)。H2Sは、ミトコンドリア機能(Helmy N 2014、Wang CN 2014)、抗酸化ストレス(Bos EM 2013、Du JT 2013)、アポトーシス(Yao LL 2010)、炎症(Lo Faro ML 2014)、血管新生(Szabo C 2013、Coletta C 2012、Wang MJ 2010)、敗血症およびショック(Kida, F. 2015)、ならびに血圧(Polhemus DJ 2014、Ge SN 2014、Yang G 2008)に効果を発揮する。
【0114】
H2Sは、グルタチオンと同様に、NO3
-から保護する。H2Sはまた、HOClの毒性作用を有意に低減する。H2Sは、N-アセチル-l-システイン(NAC)の抗酸化作用を強化する。
【0115】
H2Sの治療効果は、現在のところ、心疾患に関して最も研究されている。心疾患に対するH2Sの効果としては、次のものが挙げられる:マクロファージは、H2Sを内因的に産生することができる(Zhu XY 2010)。NaHS(H2S供与体)は、アテローム生成促進性の酸化低密度リポタンパク質に誘導されるマクロファージにおける泡沫細胞形成を阻害した(Wang Y 2009)。H2Sは、ミトコンドリアにおいてROSを下方制御し、呼吸低減により保護を提供することができる(Chen Q 2006)。H2S産生(10~100nM)により、ミトコンドリア電子輸送および細胞の生体エネルギーが強化されたが(Modis K 2013)、高濃度のH2Sは、毒性である(Hill BC 1984、Nicholls P 1982)。食事におけるH2Sは、心不全における有害な左心室(LV)の再構成を減少させた(Kondo K 2013)。H2Sは、NOを作る内皮型一酸化窒素シンターゼを上方制御することができ(Kondo K 2013)、NOは、H2S合成酵素CSEを上方制御することができる(Zhao, W. 2001)。H2S供与体で処置したマウスは、eNOSを生じるリン酸化を有意に増加させ、H2SとNOとの間の相互干渉を示唆する(Kondo K 2013)。COとH2Sとの間にも相互干渉が存在するとみられる(Zhange QY 2004、Majid AS 2013)。H2Sは、血管拡張を誘導し、血圧の低下を引き起こす(Cheng Y 2004)。Na2Sの形態のH2S(10分前)により、再灌流傷害が防止される(Sodha NR 2008)。外因性H2Sはまた、腎機能の向上をもたらす(Xu Z 2009)。
【0116】
インビボ条件下におけるH2Sは、極めて短い半減期を有し、この半減期は、数秒から数分と推測される(Wang R 2002、Insko MA 2009)。H2Sの血漿濃度は、0.034~0.065mMの範囲内であり(Whiteman M 2009)、脳においては、血漿よりも3倍高い(Hogg P 2009、Zhao W 2001)。H2S濃度は、O2濃度と逆関係にあり、H2Sは、細胞内O2消費を減少させる(Olson K 2015)。0.030~0.300のH2S濃度はまた、血液および血漿においても報告されている(Olson K 2009)。H2S供与体であるNaHSおよびNa2Sは、数秒から数分以内にH2S濃度を増加させる。
【0117】
H2Sの生理学的範囲は、0.005~0.300mMで広範に変動性である(Predmore BL 2012)。ヒトの脳における内因性H2Sレベルは、0.05~0.16mMで検出されており(Whiteman M 2004)、アルツハイマー患者の脳においては、H2S濃度は、より低い(Seshadri S 2002、Tang X 2010)。ジアリルトリスルフィド(DATS)は、安定なH2S供与体であり、注射の30分後に効果を示し、より長く持続する。NaHSは、飲料水で摂取することができる(Givvimani S 2011)。水溶液中のNaHS(H2S供与体)は、6週間の間、飲料水中のH2Sを放出する。外因的な補給により、血漿H2S濃度の増加があった(Peake BF 2013、Kondo K 2013)。NaHSで処置したマウスの群と、未処置の群との間に、水の消費に差はなかった。他のH2S供与体としては、数時間にわたってH2Sを持続放出するH2S供与体である(Li L 2008)GYY 4137(CAS# 106740-09-4)、ならびにSulfagenix,IncからのSG 1002が挙げられる。AP97、AP39、AP67、およびAP105もまた、持続放出のH2S供与体である(Whiteman M 2015、Wallace J 2015、Hancock J 2014)。H2Sは、オルガノスルフィドを含有する食物により摂取してもよく、オルガノスルフィドのポリスルフィドは、H2S供与体であり得る。
【0118】
水中に溶解したH2Sを摂取することに加えて、H2Sは、吸入することができ、吸入により、血中H2Sレベルが増加する(8時間で40ppmを7日間、マウスに使用)。吸入はまた、摂取可能なH2S供与体、例えば、Na2SおよびNaHSと組み合わせることもできる(Kida K 2011 and 2015)。血液および組織中のH2Sの測定は、高感度で信頼できる手段により行われている(Wintner E 2010)。
【0119】
H2Sはまた、サルフェン硫黄の形態で細胞に貯蔵され、生理学的刺激に応答して輸送および放出が行われ得る(Ishigami M. 2009)。
【0120】
NRF2活性化因子
転写因子NF-E2 p45関連因子2(Nrf2:遺伝子名NFE212)は、多様な細胞保護活性を有するタンパク質をコードする遺伝子ネットワークの発現を制御する。Nrf2自体は、主として、タンパク質安定性のレベルで制御される。Nrf2は、継続的なユビキチン化およびプロテアーゼ分解に供される、短命のタンパク質である。Nrf2の分解に寄与する3つのユビキチンリガーゼ系が知られている:a)カリン-3の基質アダプタータンパク質であるKeap-1、b)グリコーゲンシンターゼキナーゼ、およびc)E3ユビキチンリガーゼHrd1。Keap-1はまた、誘導因子とも呼ばれる広範な小分子活性化因子のセンサーでもある。Nrf2が、分解されず、核内に移行すると、小Mafタンパク質とヘテロダイマーを形成し、その標的遺伝子の上流の制御領域であり転写を開始する抗酸化剤応答エレメントに結合する。Nrf2は、細胞の酸化還元恒常性の主な制御因子である。(Dinkova-Kostova AT 2015)。50個を上回る遺伝子が、ヒトにおいてNrf2によって制御される(Pall ML 2015、Choi B-H 2014)。酸化還元機序を伴わない炎症遺伝子の直接的な作用において、Nrf2はまた、IL6遺伝子の上流領域に結合し、結合すると、RNAポリメラーゼIIの動員を有意に破壊して、ヒトマクロファージ細胞におけるIL6の転写を制御する。
【0121】
Nrf2シグナル伝達は、転写機序、翻訳機序、翻訳後機序、およびエピジェネティック機序によって、ならびにp62、p21、およびIQモチーフ含有GTPase活性化タンパク質1を含む他のタンパク質パートナーによって、制御される(Huand Y 2015)。核内因子赤血球2(Nrf2)活性化因子には、Nrf2の核内移行を誘導する活性、Nrf2 mRNA転写を増加させる活性、Nrf2のタンパク質発現を増加させる活性、およびNrf2下流標的化遺伝子を増加させる活性を有するクラスの活性化因子が含まれる。Nrf2阻害剤(Bach 1、カベオラ、TGF-ベータ)もまた存在する(Gegotek A 2015)。Keap1-Nrf2経路は、タンパク質毒性と闘うためにオートファジーと協働して作用する(Dodson M 2015)。
【0122】
Keap-1は、原形質膜付近に局在化する亜鉛金属タンパク質である。それは、3つの機能性ドメインを有し、少なくとも25個の反応性チオールは、大部分が中間リンカー領域にある。Keap-1は、各ダイマーにおいて、「ラッチとヒンジ」を形成するNrf2結合部位を有する。Keap-1は、酸化に対して高度に感受性であり、その異なるチオール基は、異なる酸化還元電位を有する。これらの異なるシステイン残基により、センサー系が作られる(Suzuki T 2013)。
【0123】
Nrf2は、6つのドメインから構成される605個のアミノ酸の転写因子である。N末端Neh2ドメインは、阻害性タンパク質Keap-1の結合部位である。Keap-1から分離された場合のNrf2の半減期は、20分である(Kasper JW 2011)。Keap-1は、0.5時間以内に核外へと輸送される。Nrf2の活性化により、マウスの線維芽細胞の細胞培養物においてSirt1活性が強化される(Jodar L 2010)。
【0124】
Nrf2がKeap-1を放出すると、これが、IKKBetaを捕捉し、したがって、NF-κB標的遺伝子を阻害するために利用可能となる。この相互作用は、NrF2による抗酸化酵素の発現、ならびにNF-κBによる免疫系の作動および停止の切替えと相関する。Nrf2およびNF-kBは、CREB結合タンパク質(CBP)に関して競合する(Liu GH 2008)。様々な様式でKeap-1と相互作用することによってNrf2活性化能力を有する、多数の植物性化学物質が存在する。即時アルキル化剤は、活性化が急速である。電子求引性基に共役したアセチレン化合物である「マイケル受容体」は、Keap-1センサーチオールと可逆的アルキル化反応を形成する。
【0125】
Nrf2に対して最も直接的に作用するとみられるフェノール類は、酸化してキノンとなり得るオルトまたはパラジヒドロキシフェノールである(Kumar H 2014)。キノンは、芳香族化合物の酸化誘導体であり、しばしば、環の求核性を増加させ、芳香族性を破壊するために必要とされる大きな酸化還元電位に寄与する、電子供与性置換基を有する反応性芳香族化合物、例えば、フェノールおよびカテコールから容易に作製される。キノンは、共役しているが、芳香族ではない。キノンは、共役によって安定化される電子求引性マイケル受容体である。キノンおよび還元の部位に応じて、還元は、化合物を再度芳香族化するか、または共役を破壊するかのいずれかであり得る。共役付加反応では、ほぼ常に共役が破壊される。
【0126】
H2O2およびH2Sは、Nrf2活性化因子である(上記に別個に記載されている)。Nrf2活性化因子であると言われるものはすべて、抗酸化防御系活性化因子でもあるが、Nrf2によって活性化される一部のものは、抗酸化防御系活性化の付加的なものと考えられ得る。活性化は、Nrf2系を作動させ続けることに関して上記に列挙した複数の方法により生じる。Nrf2の制御の1つの形態は、可逆的リン酸化である。前述のように、Sirt1およびPARP1もまた、可逆的にリン酸化される。
【0127】
Nrf2の活性化および抗酸化防御系の作動は、NAD+利用可能性およびメチル化可能性と時間的に相関する必要があり、その人物の体内時計のNAD+ピークと同時に起こる必要がある。Nrf2系は、停止する必要があるため(例:NAD+濃度が、通常、毎日の体内時計で低い状態にある午後2時付近)、身体は、酸化還元バランスが酸化に傾いているときに、行うべきことを行うことができる。
【0128】
カテゴリー3の化合物
抗酸化防御活性化因子、例えば、核内因子赤血球2(Nrf2)活性化因子(Nrf2の核内移行、Nrf2 mRNA転写の増加、Nrf2のタンパク質発現の増加、およびNrf2下流標的遺伝子の増加などの活性を含む)、H2O2、ROS、RNS、RCS、RSOH、O2
1、O2、H2S、O3、HOCl、HOBr、HOI、ROOH(Rは、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル(heteralkyl)、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、シクロアルケニル、またはヘテロシクロアルケニルである)、H2O2生成因子、例えば、メトホルミンまたはアセトアミノフェン、酸化されてキノンとなり得るオルトヒドロキシフェノール(Kumar H 2014)、酸化されてキノンとなり得るパラジヒドロキシフェノール(Kumar H 2014)、キノン(芳香族化合物の酸化誘導体である)、硫化水素(H2S)、H2S供与体(例えば)、硫化水素ナトリウム(NaHS)、硫化ナトリウム(Na2S)、ジアリルトリスルフィド(DATS)、GYY4137(水溶性H2S供与体(国際公開第WO2014018569号パンフレット)(Li L 2008))、SG-1002(SulfaGENEXからのH2S合成供与体)(Kondo K 2013)、ペニシラミン系H2S供与体(Zhao Y 2013)、ポリオルガノスルフィド(Tocmo R 2015)、2-メルカプトエタノール(mercaptothanol)、ジチオスレイトール、イソチオシネート、スルホラファン(ブロッコリーに含まれる)(Nallasamy P 2014)、グルコラファニン(ブロッコリー)(Armah CN 2013)、クルクミン(ターメリックに含まれる)(Pae H-O 2007、He HJ 2012、Balogun E 2003、Goel A 2007、ピロリドン(水溶性)、セラクミン(Theracumin)(ナノ粒子)、ゼルンボン(Zerumbone)(Stefanson AL 2014)、チオケトン共役型アルファ-ベータ-不飽和部分を有するシンナメート類似体(Kumar S 2013)など、シンナムアルデヒド、ケルセチン(タマネギ、リンゴ、紅茶に含まれる)(Magesh S 2012、Kimura S 2009)、イソケルセチン(吸収が2~6倍良好)、ケンフェロール(Kang BY 2008)、チョウセンニンジン(オタネニンジンおよびアメリカニンジン)、カルノシン酸、キサントフモール、Dh404、(R)-アルファ-リポ酸(Flier J 2002、Suh JH 2004、Cao Z 2003)、イソチオシアネート、ベンジルイソチオシアネート(Sahu RP 2009)、ネオグルコブラシシン(Stefanson AL 2014)、グルコシノレート(Stefanson AL 2014)、リコピンの親水性酸化誘導体(Stefanson AL 2014)、(HNE)4-ヒドロキシノネナール(Forman HJ 2008)、(15-dPGJ2)15-デオキシデルタプロスタグランジンJ2(Mochizuki M 2005)、ファルカリンジオール(Stefanson AL 2014)、ヒドロキシチロソール(Stefanson AL 2014)、オオムギベータ-グルカン、スペルミジン(Kwak MK 2003)、スペルミン(Kwak MK 2003)、ルテオリン(Paredes-Gonzalez X 2015)、4-メチルアルキルカテコール、4ビニルカテコール、4-エチルカテコール(ethlycatechol)、ピロロキノリンキノン(Zhang Q 2012、Liang C 2015)、マンガホジピール三ナトリウム(Mangafodipir trisodium)(MnDPDP)(磁気共鳴撮像で現在使用されている造影剤)(Mosbah IB 2012)、N-アセチルシステイン(Wallace J 2015)、Antibe TherapeuticsからのATB-346(Wallace J 2015)、City College of New YorkからのNBS-1120(Wallace J 2015)、GI care PharmaからのGIC-101(Wallace J 2015)、AP39(国際公開第WO2013045951号パンフレット、University of Exeter)、Alos AP67、AP97、およびAP105(国際公開第WO2014018569号パンフレット、Sialor)(Wallace J 2015)、スルファレム(Wallace J 2015)、およびアネトールトリチオン(Wallace J 2015)、DHEA(Jeon S 2015)、コールタール(Van den Bogaard EH 2013)、ニンニク(H2Sにより)、β-ラパコン(南アメリカの樹木の樹皮由来であり、細胞内NADHをNAD+に循環させることによって酸化をもたらす)、プテロスチルベン(McCormack D 2013)、レスベラトロール(Cheng L 2015、Mokni M 2007、Kitada M 2011)、アピゲニン(パセリに含まれる)(Paredes-Gonzalez X 2015 and 2014、Escande C 2013)、亜鉛(Wang F 2015、Sternberg P 2007、Magesh S 2012)、ならびに任意選択で担体。
【0129】
特定の組成物
特定の例において、本開示の栄養組成物は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、ベタイン、およびH2O2を含み得る。特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、葉酸+ビタミンB12、およびH2O2を含み得る。特定の例において、本開示の栄養組成物は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、メチオニン、およびH2O2を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドリボシド(NR)、メチオニン、およびH2O2を含み得る。特定の例において、本開示の栄養組成物は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、コリン、およびH2O2を含み得る。
【0130】
特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、ベタイン、およびNaHSを含み得る。特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、葉酸+ビタミンB12、およびNaHSを含み得る。特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、メチオニン、およびNaHSを含み得る。特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、コリン、およびNaHSを含み得る。
【0131】
特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、ベタイン、およびNa2Sを含み得る。特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、葉酸+ビタミンB12、およびNa2Sを含み得る。特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、メチオニン、およびNa2Sを含み得る。特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、コリン、およびNa2Sを含み得る。
【0132】
特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、ベタイン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、葉酸+ビタミンB12、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、メチオニン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、コリン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性の酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。
【0133】
特定の例において、本開示の栄養組成物は、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、ベタイン、およびH2O2を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドリボシド(NR)、ベタイン、およびH2O2を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数を、ベタインおよびH2O2とともに含み得る。他の例において、本開示の組成物は、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、ベタイン、ならびにH2O2を含み得る。
【0134】
特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、葉酸+ビタミンB12、およびH2O2を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドリボシド(NR)、葉酸+ビタミンB12、およびH2O2を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、葉酸+ビタミンB12、ならびにH2O2を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、葉酸+ビタミンB12、ならびにH2O2を含み得る。
【0135】
特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、ベタイン+ビタミンB12、およびH2O2を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドリボシド(NR)、ベタイン+ビタミンB12、およびH2O2を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、ベタイン+ビタミンB12、ならびにH2O2を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、ベタイン+ビタミンB12、ならびにH2O2を含み得る。
【0136】
特定の例において、本開示の栄養組成物は、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、メチオニン、およびH2O2を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドリボシド(NR)、メチオニン、およびH2O2を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数を、メチオニンおよびH2O2とともに含み得る。他の例において、本開示の組成物は、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、メチオニン、ならびにH2O2を含み得る。
【0137】
特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、コリン、およびH2O2を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドリボシド(NR)、コリン、およびH2O2を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、コリン、ならびにH2O2を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、コリン、ならびにH2O2を含み得る。
【0138】
特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、およびH2O2を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドリボシド(NR)、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、およびH2O2を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、ならびにH2O2を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、ならびにH2O2を含み得る。
【0139】
特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、ベタイン、およびNaHSを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドリボシド(NR)、ベタイン、およびNaHSを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、ベタイン、ならびにNaHSを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、ベタイン、ならびにNaHSを含み得る。
【0140】
特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、葉酸+ビタミンB12、およびNaHSを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドリボシド(NR)、葉酸+ビタミンB12、およびNaHSを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、葉酸+ビタミンB12、ならびにNaHSを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、葉酸+ビタミンB12、ならびにNaHSを含み得る。
【0141】
特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、ベタイン+ビタミンB12、およびNaHSを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドリボシド(NR)、ベタイン+ビタミンB12、およびNaHSを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、ベタイン+ビタミンB12、ならびにNaHSを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、ベタイン+ビタミンB12、ならびにNaHSを含み得る。
【0142】
特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、メチオニン、およびNaHSを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドリボシド(NR)、メチオニン、およびNaHSを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、メチオニン、ならびにNaHSを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、メチオニン、ならびにNaHSを含み得る。
【0143】
特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、コリン、およびNaHSを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドリボシド(NR)、コリン、およびNaHSを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、コリン、ならびにNaHSを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、コリン、ならびにNaHSを含み得る。
【0144】
特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、およびNaHSを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドリボシド(NR)、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、およびNaHSを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、ならびにNaHSを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、ならびにNaHSを含み得る。
【0145】
特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、ベタイン、およびNa2Sを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドリボシド(NR)、ベタイン、およびNa2Sを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、ベタイン、ならびにNa2Sを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、ベタイン、ならびにNa2Sを含み得る。
【0146】
特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、葉酸+ビタミンB12、およびNa2Sを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドリボシド(NR)、葉酸+ビタミンB12、およびNa2Sを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、葉酸+ビタミンB12、ならびにNa2Sを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、葉酸+ビタミンB12、ならびにNa2Sを含み得る。
【0147】
特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、ベタイン+ビタミンB12、およびNa2Sを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドリボシド(NR)、ベタイン+ビタミンB12、およびNa2Sを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、ベタイン+ビタミンB12、ならびにNa2Sを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、ベタイン+ビタミンB12、ならびにNa2Sを含み得る。
【0148】
特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、メチオニン、およびNa2Sを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドリボシド(NR)、メチオニン、およびNa2Sを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、メチオニン、ならびにNa2Sを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、メチオニン、ならびにNa2Sを含み得る。
【0149】
特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、コリン、およびNa2Sを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドリボシド(NR)、コリン、およびNa2Sを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、コリン、ならびにNa2Sを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、コリン、ならびにNa2Sを含み得る。
【0150】
特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、およびNa2Sを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドリボシド(NR)、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、およびNa2Sを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、ならびにNa2Sを含み得る。他の例において、本開示の組成物は、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、ならびにNa2Sを含み得る。
【0151】
特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、ベタイン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドリボシド(NR)、ベタイン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、ベタイン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、ベタイン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。
【0152】
特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、葉酸+ビタミンB12、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドリボシド(NR)、葉酸+ビタミンB12、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、葉酸+ビタミンB12、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、葉酸+ビタミンB12、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。
【0153】
特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、ベタイン+ビタミンB12、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドリボシド(NR)、ベタイン+ビタミンB12、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、ベタイン+ビタミンB12、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、ベタイン+ビタミンB12、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。
【0154】
特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、メチオニン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドリボシド(NR)、メチオニン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、メチオニン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、メチオニン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。
【0155】
特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、コリン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドリボシド(NR)、コリン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、コリン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、コリン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。
【0156】
特定の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチンアミドリボシド(NR)、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。他の例において、本開示の組成物は、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を含み得る。
【0157】
本開示の組成物において、組成物中のカテゴリー1、2、および3の化合物を合わせた量は、組成物の少なくとも5重量%であり得る。例えば、修復系活性化因子、メチル供与体、および抗酸化防御活性化因子は、組成物の少なくとも5重量%であり得る。他の例において、組成物中のカテゴリー1、2、および3の化合物を合わせた量は、組成物の少なくとも10重量%、少なくとも15重量%、少なくとも20重量%、少なくとも25重量%、少なくとも30重量%、少なくとも35重量%、少なくとも40重量%、少なくとも45重量%、少なくとも50重量%、少なくとも55重量%、少なくとも60重量%、少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、または100重量%であり、ここで、記述した値のいずれも、ある範囲の上限または下限を形成し得る。
【0158】
カテゴリー1、2、および3の成分の送達系
粉末または凍結乾燥形態でパッケージングすることができ、続いてそれらに高温または低温のいずれかの液体を添加して溶液に再構成することができる、製剤が開示される。例えば、本開示の組成物は、個別にパッケージングされた成分および水の添加により、温かいかもしくは冷たいコーヒーもしくは紅茶、またはホットチョコレートを作るパーソナル飲料システムにおいて行われるもののように、組成物と混合することができる。本開示の組成物は、単独または薬学的に許容される担体においてのいずれかで、インビボ投与することができる。「薬学的に許容される」とは、生物学的にもそれ以外でも望ましくないものではない材料を意味し、すなわち、材料は、いずれの望ましくない生物学的作用を引き起こすことなく、本明細書に開示される組成物とともに、対象に投与することができる。担体は、当然ながら、当業者には周知のように、活性成分の任意の分解を最小限に抑え、対象における任意の有害な副作用を最小限に抑えるように選択される。材料は、溶液、懸濁液中のものであってもよい(例えば、マイクロ粒子、リポソーム、または細胞に組み込まれ得る)。
【0159】
消化管または皮膚を介した送達に伴うマイクロバイオーム相互作用
哺乳動物の腸内微生物叢は、2つの主要な門、すなわち、バクテロイデス門およびファーミキューテス門の500種類以上の細菌属の微生物最大100兆個から構成される。研究が多くなされている哺乳動物のプロバイオティクス、ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)GGは、ROSの強力な誘導因子である(Jones R 2014)。酸化還元シグナル伝達は、腸内微生物叢と腸との間の共生を媒介する。ハエの場合、生存寿命の増加は、腸内での酸化剤H2O2の形成の増加と相関する。H2Sは、消化管の粘膜を酸化ストレスから保護し、流体輸送、炎症、酸誘導型HCO3
-分泌を含む様々な機能の制御も行う(Yonezawa D 2007、Ise F 2011、Wallace J 2009+2010、Fiorucci S 2006、Kasparek M 2008、Takeuchi K 2011+2015)。高齢者における腸内微生物叢の組成は、血漿Il-6レベルと相関付けられている(Claesson MJ 2012)。
【0160】
空腹分子Crtcは、腸バリアの細菌に対する透過性を低くすることによって免疫を高める。腸バリアを通過する腸内細菌は、炎症を引き起こす。このCrtcは、エネルギーバランスを制御する脳内の遺伝子スイッチである。脳と消化管との間のこの一定の通信は、身体がエネルギーの消費および貯蔵の経路を確保することを可能にする。Crtcは、CREB(cAMP応答エレメント結合タンパク質)と相互作用する。ヒトの脳におけるCrtcのパートナーは、神経ペプチドYであり、これは、哺乳動物に食物を求めさせる。CREB活性は、エネルギーを感知するSirt1およびCREBを脱アセチル化するその能力によって制御される(Paz JC 2014)。これは、NAD+のレベルと空腹感とを関連付ける。Hes-1転写に関するCREBとSirt1との間の(さらにはそれに合わせた)グルコース制御型アンタゴニズムは、神経形成の代謝制御に関与しており、これは、神経形成の低下が脳の老化を伴い(Bondolfi L 2004)、CREB転写因子がサーチュイン酵素活性と相関する栄養枯渇によって活性化されるため、重要である。
【0161】
老化プロセスの一部として生じるヒトの循環TNFは、炎症性単球発生機能を損傷し、抗肺炎球菌免疫にとって有害である。これは、TNFの薬理学的低減によって逆転する。
【0162】
製剤は、マイクロバイオームに細菌などの生物を有し、所望されるこれらの3つのカテゴリーの化合物のいずれかまたはすべてを排出し、それらを腸内に直接加えることができる。これらの生物は、所望される化合物を所望される量およびタイミングで排出することができる。これらの生物は、マイクロバイオームに天然に存在する生物の選択により、またはマイクロバイオームに天然に存在する生物の遺伝子操作によってのいずれかで、マイクロバイオームに導入することができる。遺伝子操作された生物は、導入された生物の体内時計および/または宿主の体内時計に従って、これらの化合物を排出するように遺伝子操作され得る。導入された生物は、所望される量の1つまたは複数の化合物を排出するように遺伝子操作され得る。遺伝子による駆動が、この型の腸内の種のすべてを、所望される導入された生物の遺伝子型に切り替えるために使用され得る。この導入種には、これらの遺伝子操作種が後に所望されなくなった場合にそれらを排除することを可能にするために、殺滅スイッチが同様に組み込まれてもよい。
【0163】
薬学的に許容される担体
本明細書に開示される組成物は、薬学的に許容される担体と組み合わせて治療的に使用することができる。
【0164】
好適な担体およびそれらの製剤は、Remington: The Science and Practice of Pharmacy (22nd ed.) ed. L.V. Loyd Jr., CBS Publishers & Distributors Grandville MI USA 2012に記載されている。典型的には、適切な量の薬学的に許容される塩が、製剤を等張性にするために製剤中に使用される。薬学的に許容される担体の例としては、生理食塩水、リンガー溶液、およびデキストロース溶液が挙げられるが、これらに限定されない。溶液のpHは、約5~約8であることが好ましく、約7~約7.5であることがより好ましい。さらなる担体としては、持続放出調製物、例えば、固体疎水性ポリマーの半透性マトリクスが挙げられ、このマトリクスは、成形物品、例えば、フィルム、リポソーム、またはマイクロ粒子の形態にある。例えば、投与の経路および投与される組成物の濃度に応じて、ある特定の担体がより好ましい場合があることは、当業者には明らかである。
【0165】
薬学的担体は、当業者には公知である。これらは、最も典型的には、滅菌水、生理食塩水、および生理学的pHの緩衝溶液などの溶液を含め、薬物をヒトに投与するための標準的な担体であろう。本組成物は、筋肉内または皮下に投与することができる。他の化合物は、当業者が使用する標準的な手順に従って投与されるであろう。
【0166】
薬学的組成物は、選択した分子に加えて、担体、増粘剤、希釈剤、緩衝液、保存剤、表面活性剤などを含み得る。薬学的組成物はまた、抗微生物剤、抗炎症剤、麻酔薬など、1つまたは複数の活性成分も含み得る。
【0167】
薬学的組成物は、局所治療が所望されるか全身治療が所望されるかに応じて、また治療しようとする場所に応じて、いくつかの手段で投与され得る。投与は、局所(点眼、経膣、直腸内、鼻腔内を含む)、経口、吸入によって、または非経口、例えば、静脈内点滴、皮下、腹腔内、もしくは筋肉内注射によるものであり得る。本開示の化合物は、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、体腔内、または経皮投与され得る。
【0168】
非経口投与のための調製物としては、滅菌水溶液または非水性溶液、懸濁液、およびエマルジョンが挙げられる。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、およびオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルである。水性担体としては、水、アルコール溶液/水溶液、エマルジョン、または懸濁液が挙げられ、生理食塩水および緩衝媒体が含まれる。非経口ビヒクルとしては、塩化ナトリウム溶液、デキストロース加リンガー液、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸加リンガー液、または不揮発性油が挙げられる。静脈内ビヒクルとしては、体液および栄養補液、電解質補液(デキストロース加リンガー液に基づくものなど)などが挙げられる。例えば、抗微生物剤、キレート剤、および不活性ガスなど、保存剤および他の添加剤もまた存在し得る。
【0169】
局所投与のための製剤としては、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、点眼剤、坐剤、スプレー、液剤、および粉末剤を挙げることができる。従来的な薬学的担体、水溶液、粉末、または油性基剤、増粘剤などが、必要とされる場合があるか、または望ましい場合がある。
【0170】
経口投与のための組成物としては、粉末剤もしくは顆粒剤、水もしくは非水性媒体中の懸濁液もしくは溶液、カプセル、サシェ剤、または錠剤が挙げられる。増粘剤、香味剤、希釈剤、乳化剤、分散補助剤、または結合剤が、望ましい場合がある。
【0171】
一部の組成物は、塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、硝酸、チオシアン酸、硫酸、およびリン酸などの無機酸、ならびにギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、およびフマル酸などの有機酸との反応によって、または水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カリウムなどの無機塩基、ならびにモノ、ジ、トリアルキルおよびアリールアミン、ならびに置換エタノールアミンなどの有機塩基との反応によって形成される、薬学的に許容される酸付加塩または塩基付加塩として投与することができる。
【0172】
カテゴリー1、2、および3の様々な化合物および組成物は、同時に摂取してもよく、または1分以内、5分以内、10分以内、30分以内、60分以内、90分以内、または120分以内など、近接して摂取してもよい。
【0173】
十分であるが過剰でないカテゴリー1、2、および3からの1つまたは複数の各品目の投与量(体重に対するモル単位で記載)ならびに成分の投与量は、これらの用量の相互関係のバランスがとれるようなものである。
【0174】
カテゴリー1、2、および3の好ましい成分が使用される場合、水中送達系が好ましい。これは、正しいタイミングを誘起するのに役立つであろう(3つすべての好ましい成分は、容易に吸収され、水に可溶性である)。それほど水溶性でないか、またはそれほど容易に吸収されない一部の他のあまり好ましくない成分については、それらの送達は、これらの3つのカテゴリーの成分のパルスのタイミングに関して、利益の低減をもたらすであろう。
【0175】
対象における炎症を低減する方法であって、対象に、本明細書に開示される化合物、組成物、または製剤、ならびに任意選択で担体を投与することを含む、方法が開示される。
【0176】
第1の化合物、第2の化合物、および第3の化合物が、ほぼ同時に投与される、方法もまた開示される。
【0177】
第1の化合物が、対象の体内時計のNAD+ピークの15、30、60、90、または120分以内に投与される、方法もまた開示される。
【0178】
組成物が、対象に、対象に対して少なくとも1×10-8モルの第1の化合物、対象に対して1×10-8モルの第2の化合物、および対象に対して1×10-9モルの第3の化合物の投与量で投与される、方法もまた開示される。
【0179】
組成物が、8~12日間にわたって注射される、方法もまた開示される。
【0180】
組成物が、エアロゾル、凍結乾燥物、粉末、またはエマルジョンである、方法もまた開示される。
【0181】
対象がヒトである方法もまた開示される。
【0182】
ヒトが、少なくとも2ヶ月間治療される、方法もまた開示される。
【0183】
組成物が、少なくとも1日1回経口で投与される錠剤である、方法もまた開示される。
【0184】
組成物が、1日1回投与される、方法もまた開示される。
【0185】
本開示の組成物は、様々な投与量で投与され得る。例えば、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)などのカテゴリー1の化合物は、1日当たり、1×10-6モル/kg~1×10-2モル/kg、または1×10-5モル/kg~1×10-3モル/kg、または1×10-4モル/kg~1×10-3モル/kg、または2×10-4モル/kg~7×10-4モル/kgの投与量であり得る。ある特定の実施形態において、カテゴリー1の分子の1日当たりの投与量は、少なくとも1×10-6モル/kg、1×10-5モル/kg、1×10-4モル/kg、1×10-3モル/kg、または1×10-2モル/kgであり得る。投与量はまた、1日当たり少なくとも2.38モル/kgであってもよい。同じ投与量が、本明細書において、他のカテゴリー1の化合物であるNAD+、NR、NaMN、NaAD、NAR、MNM、およびcAMPに企図される。
【0186】
ベタインなどのカテゴリー2の化合物の投与量は、1日当たり、1×10-6モル/kg~1×10-2モル/kg、または1×10-5モル/kg~1×10-3モル/kg、または1×10-4モル/kg~1×10-3モル/kg、または2×10-4モル/kg~7×10-4モル/kgの投与量であり得る。ある特定の実施形態において、カテゴリー2の化合物の1日当たりの投与量は、少なくとも1×10-6モル/kg、1×10-5モル/kg、1×10-4モル/kg、1×10-3モル/kg、または1×10-2モル/kgであり得る。投与量はまた、少なくとも5.82×10-4モル/体重kg/日であってもよい。
【0187】
H2O2などのカテゴリー3の化合物の投与量は、1日当たり、1×10-7モル/kg~1×10-2モル/kg、または1×10-6モル/kg~1×10-3モル/kg、または1×10-5モル/kg~1×10-4モル/kg、または1×10-5モル/kg~7×10-5モル/kgの投与量であり得る。ある特定の実施形態において、カテゴリー3の化合物の1日当たりの投与量は、少なくとも1×10-7モル/kg、1×10-6モル/kg、1×10-5モル/kg、1×10-4モル/kg、または1×10-3モル/kgであり得る。投与量はまた、少なくとも2.34×10-5モル/体重kg/日の投与量であってもよい。
【0188】
NaSHなどのカテゴリー3の化合物の投与量は、1日当たり、1×10-8モル/kg~1×10-3モル/kg、または1×10-7モル/kg~1×10-4モル/kg、または1×10-6モル/kg~1×10-5モル/kg、または1×10-6モル/kg~7×10-6モル/kgの投与量であり得る。ある特定の実施形態において、カテゴリー3の化合物の1日当たりの投与量は、少なくとも1×10-8モル/kg、1×10-7モル/kg、1×10-6モル/kg、1×10-4モル/kg、または1×10-3モル/kgであり得る。ある特定の実施形態において、投与量はまた、少なくとも3.02×10-6モル/体重Kg/日であってもよい。
【0189】
特定の方法
ヒト老化から防御するためおよびそれによる劣化を修復するために生物学的経路をリセットする方法が開示される。これらの方法により、対象における炎症を低減することができる。特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、およびH2O2を投与することを含み得る。特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、およびNaSHを投与することを含み得る。特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、およびNa2Sを投与することを含み得る。特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。
【0190】
特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、ベタイン、およびH2O2を投与することを含み得る。特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、葉酸+ビタミンB12、およびH2O2を投与することを含み得る。特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、メチオニン、およびH2O2を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドリボシド(NR)、メチオニン、およびH2O2を投与することを含み得る。特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、コリン、およびH2O2を投与することを含み得る。
【0191】
特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、ベタイン、およびNaHSを投与することを含み得る。特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、葉酸+ビタミンB12、およびNaHSを投与することを含み得る。特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、メチオニン、およびNaHSを投与することを含み得る。特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、コリン、およびNaHSを投与することを含み得る。
【0192】
特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、ベタイン、およびNa2Sを投与することを含み得る。特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、葉酸+ビタミンB12、およびNa2Sを投与することを含み得る。特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、メチオニン、およびNa2Sを投与することを含み得る。特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、コリン、およびNa2Sを投与することを含み得る。
【0193】
特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、ベタイン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、葉酸+ビタミンB12、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、メチオニン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、コリン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。
【0194】
特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、ベタイン、およびH2O2を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドリボシド(NR)、ベタイン、およびH2O2を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数を、ベタインおよびH2O2とともに投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、ベタイン、ならびにH2O2を投与することを含み得る。
【0195】
特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、葉酸+ビタミンB12、およびH2O2を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドリボシド(NR)、葉酸+ビタミンB12、およびH2O2を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、葉酸+ビタミンB12、ならびにH2O2を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、葉酸+ビタミンB12、ならびにH2O2を投与することを含み得る。
【0196】
特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、ベタイン+ビタミンB12、およびH2O2を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドリボシド(NR)、ベタイン+ビタミンB12、およびH2O2を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、ベタイン+ビタミンB12、ならびにH2O2を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、ベタイン+ビタミンB12、ならびにH2O2を投与することを含み得る。
【0197】
特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、メチオニン、およびH2O2を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドリボシド(NR)、メチオニン、およびH2O2を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数を、メチオニンおよびH2O2とともに投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、メチオニン、ならびにH2O2を投与することを含み得る。
【0198】
特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、コリン、およびH2O2を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドリボシド(NR)、コリン、およびH2O2を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、コリン、ならびにH2O2を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、コリン、ならびにH2O2を投与することを含み得る。
【0199】
特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、およびH2O2を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドリボシド(NR)、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、およびH2O2を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、ならびにH2O2を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、ならびにH2O2を投与することを含み得る。
【0200】
特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、ベタイン、およびNaHSを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドリボシド(NR)、ベタイン、およびNaHSを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、ベタイン、ならびにNaHSを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、ベタイン、ならびにNaHSを投与することを含み得る。
【0201】
特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、葉酸+ビタミンB12、およびNaHSを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドリボシド(NR)、葉酸+ビタミンB12、およびNaHSを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、葉酸+ビタミンB12、ならびにNaHSを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、葉酸+ビタミンB12、ならびにNaHSを投与することを含み得る。
【0202】
特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、ベタイン+ビタミンB12、およびNaHSを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドリボシド(NR)、ベタイン+ビタミンB12、およびNaHSを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、ベタイン+ビタミンB12、ならびにNaHSを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、ベタイン+ビタミンB12、ならびにNaHSを投与することを含み得る。
【0203】
特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、メチオニン、およびNaHSを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドリボシド(NR)、メチオニン、およびNaHSを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、メチオニン、ならびにNaHSを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、メチオニン、ならびにNaHSを投与することを含み得る。
【0204】
特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、コリン、およびNaHSを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドリボシド(NR)、コリン、およびNaHSを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、コリン、ならびにNaHSを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、コリン、ならびにNaHSを投与することを含み得る。
【0205】
特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、およびNaHSを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドリボシド(NR)、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、およびNaHSを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、ならびにNaHSを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、ならびにNaHSを投与することを含み得る。
【0206】
特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、ベタイン、およびNa2Sを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドリボシド(NR)、ベタイン、およびNa2Sを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、ベタイン、ならびにNa2Sを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、ベタイン、ならびにNa2Sを投与することを含み得る。
【0207】
特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、葉酸+ビタミンB12、およびNa2Sを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドリボシド(NR)、葉酸+ビタミンB12、およびNa2Sを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、葉酸+ビタミンB12、ならびにNa2Sを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、葉酸+ビタミンB12、ならびにNa2Sを投与することを含み得る。
【0208】
特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、ベタイン+ビタミンB12、およびNa2Sを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドリボシド(NR)、ベタイン+ビタミンB12、およびNa2Sを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、ベタイン+ビタミンB12、ならびにNa2Sを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、ベタイン+ビタミンB12、ならびにNa2Sを投与することを含み得る。
【0209】
特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、メチオニン、およびNa2Sを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドリボシド(NR)、メチオニン、およびNa2Sを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、メチオニン、ならびにNa2Sを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、メチオニン、ならびにNa2Sを投与することを含み得る。
【0210】
特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、コリン、およびNa2Sを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドリボシド(NR)、コリン、およびNa2Sを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、コリン、ならびにNa2Sを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、コリン、ならびにNa2Sを投与することを含み得る。
【0211】
特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、およびNa2Sを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドリボシド(NR)、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、およびNa2Sを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、ならびにNa2Sを投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、ならびにNa2Sを投与することを含み得る。
【0212】
特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、ベタイン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドリボシド(NR)、ベタイン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、ベタイン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、ベタイン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。
【0213】
特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、葉酸+ビタミンB12、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドリボシド(NR)、葉酸+ビタミンB12、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、葉酸+ビタミンB12、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、葉酸+ビタミンB12、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。
【0214】
特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、ベタイン+ビタミンB12、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドリボシド(NR)、ベタイン+ビタミンB12、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、ベタイン+ビタミンB12、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、ベタイン+ビタミンB12、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。
【0215】
特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、メチオニン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドリボシド(NR)、メチオニン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、メチオニン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、メチオニン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。
【0216】
特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、コリン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドリボシド(NR)、コリン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、コリン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、コリン、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。
【0217】
特定の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)またはNMNの前駆体もしくはプロドラッグ、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチンアミドリボシド(NR)、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、およびニコチン酸リボシド(NAR)のうちの1つまたは複数、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。他の例において、本開示の方法は、対象に、1-メチルニコチンアミド(MNM)および/または環状アデノシン一リン酸(cAMP)、S-アデノシル-メチオニン(SAM)、ならびにH2S、O3、メトホルミン、アセトアミノフェン、スルホラファン、グルコラファニン、クルクミン、ケルセチン、イソケルセチン、チョウセンニンジン、(R)-アルファ-リポ酸、リコピンの親水性酸化誘導体、N-アセチルシステイン、DHEA、ニンニク、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、アピゲニン、および亜鉛のうちのいずれか1つまたは複数を投与することを含み得る。
【0218】
老化のサロゲートマーカー
様々なマーカーを、老化をモニタリングするためのサロゲートとして使用することができる。
【0219】
DNAメチル化レベル
DNAメチル化レベルは、年齢とともに変化する。研究により、「エピジェネティック時計」と称される、DNAメチル化レベルに基づく暦年齢のバイオマーカーが特定されている(Horvath S 2013、353個のジヌクレオチドCpGマーカーに基づく)。DNAメチル化年齢と暦年齢との差は、DNAメチル化から導出した生物学的老化の尺度が、健康状態、生活スタイル要因、および判明している遺伝的要因とは独立して死亡率を予測する特質であるという結論をもたらした(Marioni RE 2015)。このエピジェネティック時計は、組織特異的であるが、これは、一部の組織が他の組織よりも早く老化するためである。小脳は、身体の他の部分よりも緩徐に老化する(Horvath S 2015)。HIV-1に感染した個体は、このエピジェネティック時計で、老化の加速を示す(Rickabaugh TM 2015)。メチル化のデータは、循環T細胞および単球から収集することができ、1264人の参加者の集団コホートにおいてそのように収集した(Reynolds LM 2014)。
【0220】
DNA切断
一本鎖および二本鎖のDNAの切断は、メチル化が体内時計に関して使用されているほどには使用されていないが、老化と相関し(Yu Q 2015)、高齢者は、平均してより多くの切断を有する。Exogen Biotechnologyなどの企業は、一本鎖および二本鎖のDNAの切断に関して試験することができる。NAD+は、PARPおよびサーチュイン酵素によってDNA修復において使用されるため、DNAの切断が少ないことは、これらの酵素系が機能していることを示す。
【0221】
炎症マーカー
2015年のAraiによる研究においてみられるマーカーを含む、炎症マーカーは、老化に関して分析することができる。Araiは、誰が生存し続け(生存寿命)、誰が身体的および認知的に健康であるか(健康寿命)を予測する炎症マーカーを発見した。使用されたマーカーは、CMV IgG、IL-6、TNF-アルファ、およびCRPであった。
【0222】
老化と関連付けられている他のマーカー
H3K9me3の全体的な喪失または結果として生じるヘテロクロマチン構造の変化は、ウェルナー症候群の早期老化によって引き起こされるヒト老化において示されたように、生物学的老化と相関し、これも分析することができる(Zhang W 2015)。
【0223】
血液中の様々な化合物が、老化と相関し、老化に影響を及ぼすため、尺度となり得る。一例は、TGF-ベータであり、これは、若齢の個体では高齢の個体よりも低い。
【0224】
メタボロミクスの測定値は、非線形回帰技法および13年のフォローアップを使用して老化と相関付けられている。
【0225】
末梢血白血球のテロメアの長さを測定し、年齢が判明している64,637人の個体と比較することができるが(Rode L 2015)、テロメアの長さは、年齢とは多少相関するだけであり(r=0.5)、細胞老化は、テロメアの長さに関係なく継続される。
【0226】
定義
本明細書および後続の特許請求の範囲において、多くの用語への参照がなされるが、これらの用語は、以下の意味を有すると定義されるものとする。
【0227】
本明細書の説明および特許請求の範囲全体を通じて、「含む(comprise)」、ならびに「含んでいる(comprising)」および「含む(comprises)」などの同用語の他の形態は、例えば、他の添加剤、成分、整数、またはステップを含むが、これらに限定されないことを意味し、また、それらを除外することを意図するものではない。
【0228】
本明細書および添付の特許請求の範囲に使用されるとき、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈により別途明確に指示されない限り、複数形の参照物を含む。したがって、例えば、「1つの組成物」への参照は、2つ以上のそのような組成物の混合物を含み、「その化合物」への参照は、2つ以上のそのような化合物の混合物を含み、「1つの薬剤」への参照は、2つ以上のそのような薬剤の混合物を含むなどとなる。
【0229】
「任意の」または「任意選択で」とは、続いて記載される事象または状況が、発生し得る場合もし得ない場合もあること、ならびにその説明には、事象または状況が発生する事例および発生しない事例が含まれることを意味する。
【0230】
本明細書に使用されるとき、「対象」は、個体を意味する。したがって、「対象」は、飼育動物(例えば、ネコ、イヌなど)、家畜(例えば、畜牛、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギなど)、研究室動物(例えば、マウス、ウサギ、ラット、モルモットなど)、および鳥が含まれる。「対象」はまた、霊長類またはヒトなどの哺乳動物も含み得る。
参考文献
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【実施例】
【0231】
以下の実施例は、開示される主題による方法、組成物、および結果を例示するために以下に記載されている。これらの実施例は、本明細書に開示される主題のすべての態様を含むことを意図するものではなく、むしろ、代表的な方法、組成物、および結果を例示することを意図している。これらの実施例は、本発明の均等物および変化形を除外することを意図するものではなく、それらは、当業者には明らかである。
【0232】
処置の開始時に61歳で体重が88kgの白人男性に、以下に記載されるカテゴリー1、カテゴリー2、およびカテゴリー3の分子のレジメンで処置を行った。
ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)(分子量=334.22)
ベタイン(トリメチルグリシン)(分子量=117.14)
H2O2(分子量=34.01)
NaSH(分子量=56.06)
【0233】
設定グラム数を500mLの水と混合することによって、対象に投与するための様々な化合物の溶液を生成した。
【0234】
対象が摂取するNMNの典型的な最終濃度は、500mLのH2O中3.5グラムであり、ベタインは、500mLのH2O中3グラムであり、H2O2は、(500mLのH2O中35%濃度を2滴)であり、NaSHは、(500mLのH2O中、1滴当たり66uMの濃度で2滴)であった。
【0235】
各組成物の量は、対象が全500mLを飲むことによって、最終的な投与量が、1用量当たり1.19×10-4モル/体重kgのNMN、1用量当たり2.91×10-4モル/体重kgのベタイン、1用量当たり1.17×10-5モル/体重kgのH2O2、ならびに1用量当たり1.51×10-6モル/体重kgのNaSHが、500mLの溶液を飲むことによって対象に与えられるように、設定した。
【0236】
1日につき2回、同様の投与量を摂取することにより、1日2回の等配分量の合計は、次のようになった。
・ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)の投与量--2.38×10-4モル/体重Kg/日
・ベタインの投与量--5.82×10-4モル/体重Kg/日
・過酸化水素(H2O2)の投与量--2.34×10-5モル/体重Kg/日
・硫化水素ナトリウム(NaSH)の投与量--3.02×10-6モル/体重Kg/日
【0237】
対象の体重を毎日計測した。
【0238】
対象は、毎日およそ午前7時および午後7時に溶液を飲むことによって、自分自身で製剤を経口投与した。Ramsey K 2009によって判定された、対象の体内時計によるNAD+のピークと近かったため、これらの時間を選択した。これは、対象の体内時計とほぼ時間を合わせて、1日に2回、成分を体内にパルス投与する効果を有した。
【0239】
LabCor Inc.が、毎月、標準的なプロトコルを使用して、マーカー試験を行った。採血時間は、午前8:19から午後8:54の範囲であった。炎症測定値は、体内時計と相関する。LabCorは、血清中のCMV IgG、C反応性タンパク質、腫瘍壊死因子-アルファ、およびインターロイキン-6のレベルを試験した。
【0240】
対象はまた、LabCorpにおいて、以下を含むデータも、1ヶ月おきに収集した:血清グルコース、血清尿酸、BUN、血清クレアチニン、アフリカ系アメリカ人でない場合はeGRF、BUN/クレアチニン比、血清ナトリウム、血清カリウム、血清塩化物、総炭酸量、血清カルシウム、血清リン、血清総タンパク質、血清アルブミン、血清、総グロブリン、A/G比、総ビリルビン、血清アルカリホスファターゼ、LDH、AST(SGOT)、ALT(SGPT)、血清鉄、総コレステロール、トリグリセリド、HDLコレステロール、計算VLDLコレステロール、計算LDLコレステロール、総コレステロール/HDL比、推定CHDリスク、白血球、赤血球、ヘモグロビン、ヘマトクリット、MCV、MCH、MCHC、RDW、血小板、好中球、リンパ球、単球、好酸球、好塩基球、未成熟細胞、好中球(絶対数)、リンパ球(絶対数)、単球(絶対数)、好酸球(絶対数)、好塩基球(絶対数)、未成熟顆粒球、未成熟顆粒球(絶対数)、NRBC、VAPコレステロールプロファイル、LDLコレステロール、HDLコレステロール、VLDLコレステロール、総コレステロール、トリグリセリド、非HDLコレステロール(LDL+VLDL)、ApoB100=計算値、LDL-R(Real)-C、Lp(a)コレステロール、IDLコレステロール、レムナントリポ(IDL+VLDL3)、メタボリック症候群の可能性、HDL-2(最も保護的)、HDL-3(あまり保護的でない)、VLDL-3(小レムナント)、LDL1パターンA、LDL2パターンA、LDL3パターンB、LDL4パターンB、LDL密度パターン、グルコース耐性(4 Sp血液)、絶食時グルコース、1時間グルコース、2時間グルコース、3時間グルコース、絶食時インスリン、1時間インスリン、2時間インスリン、3時間インスリン、午前のコルチゾール、午後のコルチゾール、IL-1b(血清)、ヘモグロビンA1c、リウマチ性関節炎因子、IGF-1、Cardiac、腫瘍インターロイキン-8(血清)、ホモシスチン(ホモシステイン)血漿)、抗核抗体(直接)、ウェスターグレンのコルチゾール沈降速度、(尿中遊離)、コルチゾール、F、ug、L、U、コルチゾール、Fug、24時間、U、血清免疫グロブリンG、Qn、結成免疫グロブリンA、Qn、結成免疫グロブリンM、Qn、oxLDL、CMV IgM、フェリチン、およびヘリコバクターピロリIgG。
【0241】
カリフォルニア大学サンディエゴ校では、以下を測定した。
a.運動前、運動中、および運動後の右ふくらはぎの筋肉の3テスラスペクトルMRI
b.肝臓の3テスラスペクトルMRI
c.肝臓の3テスラ構造MRI
d.脳(前部および後部)の3テスラスペクトルMRI
e.脳の3テスラ構造MRI
f.右膝(関節炎を示す)の3テスラ構造MRI
g.3-ニトロチロシン(酸化/硝酸化ストレスのマーカー)
h.凝固試験(酸化ストレスのマーカー)
i.F2-イソプロスタン(酸化/硝酸化ストレスのマーカー)
j.GSH:GSSH(酸化/硝酸化ストレスおよびそれからの保護のマーカー)
k.尿中有機酸
l.8-ヒドロキシデオキシグアノシン(8-OHDG)(酸化/硝酸化ストレスのマーカー)
m.マロンジアルデヒド(酸化/硝酸化ストレスのマーカー)
n.hsCRP(酸化ストレスによって悪影響を受け得るマーカー)
o.プロテオミクスプロファイル(酸化/硝酸化ストレスのマーカー)
【0242】
病歴に関する質問リスト(UCSD)に回答を得た。体脂肪およびミネラルの試験を、医療機関にて行った。トレッドミル試験を医療機関において行った。4種類の組織生検(肝臓(針生検)、皮膚、脂肪、筋肉)を得た(UCLAにおいて-80℃で保管)。毎日の運動および体重の記録を得た。また、週1回、NMNの前後のグルコースのモニタリングを得、NMNの前後のBPのモニタリングを得た。
【0243】
結果
【0244】
【表1】
対象の月ごとの投与スケジュールおよび試験の結果を、表1に示す。表1は、対象が、月単位で製剤の提供を受けたこと示し、ここで、製剤は、3ヶ月はNMN単独を含み、1ヶ月間はNMN+ベタインを含み、1ヶ月はNMN+ベタイン+H
2O
2を含み、1ヶ月間はNMN+ベタイン+NaSHを含んだ。
【0245】
研究中の目的とされる他の観察は、対象が、研究の全期間の間、健康であったことである。手の老化した皮膚細胞の見た目が若くなったことが、写真により示されている。対象の顔面皮膚の色が、研究中に向上した。対象は、研究中に、体重が有意に減少し、食欲が低下した。対象は、研究中に、右膝の関節炎の疼痛がなくなった。対象は、研究中、より安眠がとれた。対象は、研究中、エネルギーが増加した。対象は、視力検査での視力がよくなった。
【0246】
考察
61歳という年齢は、本明細書に詳述されるArai Y 2015の研究での非血縁者および子孫世代の年齢と相関する。この研究の結果は、Arai Y 2015の研究を踏まえて、3つのカテゴリーの化合物での3剤療法により、Arai 2015によって特定されたように、この61歳で88kgの白人男性の予測された結果が、良くない老化から良い老化へと変化することを示す。対象のベースライン状態では、C反応性タンパク質(2.77mg/L)およびインターロイキン-6(1.3pg/mL)の測定値はいずれも、それぞれ、「非血縁者」のレベル(0.7mg/lおよび1.13pg/mL)を上回っており(Arai Y 2015、表1)、同様に、「子孫世代」のレベル(0.7mg/lおよび1.03pg/mL)も上回っていた(Arai Y. 2015、表1)。この研究の61歳の男性対象は、Araiの「子孫世代」の群および「非血縁者」の群と類似する年齢を有する。これらの2つの炎症試験スコアにより、予測アルゴリズムが、61歳の対象に対して、Araiの「子孫世代」の群または「非血縁者」の群よりも悪い老化結果を予測することが生じる。
【0247】
2ヶ月間のNMNでの処置後には、しかしながら、61歳の対象のマーカーは、Araiの「子孫世代」の群よりも良好なレベルとなった(CRPが0.43mg/lであり、IL-6が0.7pg/mL未満である)。これらのマーカーはいずれも、1ヶ月目にはわずかに上昇するが、NMN処置の全体的な効果は、これらのマーカーのレベルを低減することである。Araiの「子孫世代」の群よりも低いかまたはほぼ同様のレベルは、3ヶ月目までのNMNの投与によってもたらされ続けたが、効果は、この61歳男性ではプラトーに達したとみられる。
【0248】
3つのカテゴリーすべての成分を加えることで、3つの炎症マーカーはすべてが最も低いレベルに低下する。IL-6は検出できないレベルまで低下し、TNF-アルファは50%を上回って低下し、CRPは元の数値の約10分の1まで低下する。H2O2を、この例においてカテゴリー3の成分に使用した場合、CRPは、NaSHを使用した場合よりも低下し、NaSHをカテゴリー3の成分として使用した場合、TNF-アルファは、H2O2を使用した場合よりも低下した。いずれの3剤療法の事例においても、結果は、非常に良い老化を予測するのに必要なレベルよりもはるかに低い。この61歳男性は、CMV IgGを全く有さなかったかまたは検出可能なレベルではなかったため、CMV力価についてはここでは検討しなかったが、これは、この変数の測定値を得ることができるのも同然である。
【0249】
この実験におけるこの61歳男性の介入療法を、1年間または2年間のカロリー制限によって得られた結果と比較すると、結果は、この3剤カテゴリー療法でははるかに優れており、結果を得ることがはるかに容易であることがわかる(Di Francesco A 2015、Ravussin E 2015)。
【0250】
他の著者による、TNF-アルファおよびIL-6を低下させることによるヒトの健康状態の改善との相関
他の研究(Arai Y 2015と類似)
免疫マーカー(Araiの4つのマーカーのうちの2つである、血清インターロイキン-6(IL-6)および腫瘍壊死因子アルファ(TNF-アルファ)の単純な指標)は、10年間の総死亡率研究において、死因となることがすでに判明している変数を調節した後、1,155人の老人において死亡の最も良好な予測因子であることがわかった(Varadhan R 2014)。単一の免疫マーカー(血清IL-6)で、1843人の前向きコホート研究において、総死亡率、がん、心臓血管疾患、および肝臓疾患が予測された(Lee JK 2012)。これらの研究により、以前の小規模な研究での結果が確認された(Derhovanessian E 2010、Reuben DB 2002、Taaffe DR 2000)。
【0251】
可能性のある作用機序:
2013年12月には、A.Gomesらは、高齢のマウスにおいて前駆体NMNによりNAD+のレベルを上昇させることにより、ミトコンドリア機能を若齢のものまで回復させることを示す研究を公開した。C.Correia-Meloは、老化により、ミトコンドリアが、IL-6の分泌を含め、細胞の炎症促進性表現型を駆動することを示した。
【0252】
免疫機能障害:
2014年7月、I.V.Astrakhantsevaらは、関節破壊および自己免疫疾患などの炎症症状を制御するのに効果的な手段として、TNFおよびIL-6のレベルを低減することの利点を示す報告を発表した。A.Puchtaらは、これらの2つの炎症変数(TNFおよびIL-6)を、生存寿命および健康寿命の予測効果に使用する分子機序の仮説を立てた。研究は、TNFが、老化による免疫機能不全の駆動をどのようにして増やすか、およびTNFのレベルの低下がこの損傷を減少させることを示した。
【0253】
脳疾患:
2014年9月、Brianne Bettcherらは、高齢では、IL-6レベルの増加と脳の白質機能の低下との間に正相関があることを示す研究を公開した。2015年2月、Brianne Bettcherらは、全身炎症の低減は、認知および脳構造に良い影響を有し、これにより神経変性疾患プロセスが逆転し得ることを示す研究を公開した。
【0254】
心疾患:
2000年に、Paul Ridkerらは、見かけ上健康な男性において、IL-6のレベルの上昇は、将来的な心筋梗塞のリスクの増加と関連し、TNFの増加は、心筋梗塞後の再発冠動脈事象のリスクを増加させるという結論の研究を2つ公開した。2005年8月、NJ Goodsonらは、C反応性タンパク質のレベルの増加を、心臓血管疾患による健康の予測と結びつける研究を公開した。
【0255】
腎臓疾患:
2015年、Belinda Leeらは、CRP、TNF、およびIL-6の高いレベルと、慢性腎臓疾患との関連を示す研究を公開した。
【0256】
アルツハイマー病:
TNF-アルファおよびIL-6を低下させることにより、アルツハイマー病を発症する割合が低下し、アルツハイマー病の負の作用が低下する(Butchart J 2015、Holmes C 2011)。マウスアルツハイマー病モデルにNMNを追加することは、有益であった(Long AN 2015)。
【0257】
ウイルスおよび細菌に対するより有効な免疫応答のためにTNF-アルファおよびIL-6を低下させることによる可能性のある利点に関する研究:
McElroy AKは、生命に関わるエボラウイルス疾患における炎症性シグナル伝達の動態を分析した後、これらの患者の臨床介入のために、IL-6の炎症促進性シグナル伝達を低下させることに関する可能性のある治療的利点を提案した。A.Puchtaは、肺炎球菌と闘う能力を増加させるためにIL-6およびTNFアルファを低下させることの潜在的な治療的利点を提案した。
【0258】
TNF-アルファおよびIL-6を低下させることの潜在的な利点と、身体能力の向上との研究の相関
Cesari Mは、2004年に、高いレベルのIL-6が、高齢者における身体能力の低下と相関しており、介入の標的であると結論づけた。Puzianowska-Kuznicka Mは、Il-6およびCRPが、3496人の個体において、身体能力および認知能力、ならびに死亡の危険性の良好な予測因子であることを示した。
【0259】
睡眠:
Irwin MRは、睡眠障害を、72のこれまでの睡眠研究のメタ解析において、T
NFではなく、CRPおよびIL-6の増加と相関付けた。
また、本発明は以下を提供する。
[1]
対象に投与するための栄養組成物であって、
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、ニコチンアミドリボシド(NR)、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、ニコチン酸リボシド(NAR)、1-メチルニコチンアミド(MNM)、環状アデノシン一リン酸(cAMP)、およびこれらの任意の組合せから選択される修復系活性化因子と、
S-5’-アデノシル-L-メチオニン(SAM)、メチオニン、ベタイン、コリン、葉酸、ビタミンB12、およびこれらの任意の組合せから選択されるメチル供与体と、
H
2
O
2
、H
2
S、NaSH、Na
2
S、ROS、RNS、RCS、RSOH、O
2
・
-
、OH・、
1
O
2
、O
3
、HOCl、HOBr、HOI、ROOH(Rは、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、シクロアルケニル、またはヘテロシクロアルケニルである)、メトホルミン、アセトアミノフェン、ジアリルトリスルフィド、イソチオシアネート、クルクミン、スルホラファン、ケルセチン、イソケルセチン、アピゲニン、ルテオリン、チョウセンニンジン、カルノシン酸、4-メチルアルキルカテコール、4ビニルカテコール、4-エチルカテコール、キサントフモール、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、亜鉛、およびこれらの任意の組合せから選択される抗酸化防御活性化因子と
を含む、栄養組成物。
[2]
前記修復系活性化因子、前記メチル供与体、および前記抗酸化防御活性化因子が、前記組成物の少なくとも5重量%である、[1]に記載の組成物。
[3]
前記修復系活性化因子が、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、ニコチンアミドリボシド(NR)、または両方である、[1]に記載の組成物。
[4]
前記メチル供与体が、メチオニン、ベタイン、または両方である、[1]に記載の組成物。
[5]
前記抗酸化防御活性化因子が、H
2
O
2
、H
2
S、またはNaSHである、[1]に記載の組成物。
[6]
前記修復系活性化因子、メチル供与体、および抗酸化防御活性化因子が、ヒトにおける老化レベルのサロゲートマーカーを、投与前の前記サロゲートマーカーのレベルと比較して有益に変化させるのに十分な量である、[1]に記載の組成物。
[7]
前記サロゲートマーカーのレベルにおける前記変化が、低下である、[6]に記載の組成物。
[8]
前記サロゲートマーカーが、CMV IgG、C反応性タンパク質、腫瘍壊死因子-アルファ、またはインターロイキン-6である、[7]に記載の組成物。
[9]
前記サロゲートマーカーのレベルにおける前記変化が、上昇である、[6]に記載の組成物。
[10]
前記サロゲートマーカーが、DNAメチル化である、[9]に記載の組成物。
[11]
水をさらに含む、[1]に記載の組成物。
[12]
少なくとも1×10
-8
モルの前記修復系活性化因子、少なくとも1×10
-8
モルの前記メチル供与体、および少なくとも1×10
-9
モルの前記抗酸化防御活性化因子を含む、[1]に記載の組成物。
[13]
ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、ベタイン、およびH
2
O
2
を含む、[1]に記載の組成物。
[14]
[1]に記載の組成物を含む、注射用製剤。
[15]
[1]に記載の組成物を含む、錠剤。
[16]
対象における炎症を低減する方法であって、前記対象に、[1]に記載の組成物を投与することを含む、方法。
[17]
前記組成物が、対象に、前記対象に対して少なくとも1×10
-6
モル/kgの前記修復系活性化因子、前記対象に対して1×10
-6
モル/kgの前記メチル供与体、および前記対象に対して1×10
-7
モル/kgの前記抗酸化防御活性化因子の投与量で投与される、[16]に記載の方法。
[18]
前記組成物が、8~12日間にわたって注射される、[16]に記載の方法。
[19]
前記組成物が、エアロゾル、凍結乾燥、粉末、またはエマルジョン形態である、[16]に記載の方法。
[20]
前記対象が、ヒトである、[16]に記載の方法。
[21]
前記組成物が、少なくとも2ヶ月間、前記ヒトに投与される、[20]に記載の方法。
[22]
前記組成物が、少なくとも1日1回経口投与される錠剤である、[16]に記載の方法。
[23]
前記組成物が、水をさらに含む、[16]に記載の方法。
[24]
前記組成物が、1日1回、前記対象に投与される、[16]に記載の方法。
[25]
前記組成物が、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、ベタイン、およびH
2
O
2
を含む、[16]に記載の方法。
[26]
対象における炎症を低減する方法であって、前記対象に、
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、ニコチンアミドリボシド(NR)、ニコチン酸アデニンモノヌクレオチド(NaMN)、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)、ニコチン酸リボシド(NAR)、1-メチルニコチンアミド(MNM)、環状アデノシン一リン酸(cAMP)、およびこれらの任意の組合せから選択される修復系活性化因子と、
S-5’-アデノシル-L-メチオニン(SAM)、メチオニン、ベタイン、コリン、葉酸、ビタミンB12、およびこれらの任意の組合せから選択されるメチル供与体と、
H
2
O
2
、H
2
S、NaSH、Na
2
S、ROS、RNS、RCS、RSOH、O
2
・
-
、OH・、
1
O
2
、O
3
、HOCl、HOBr、HOI、ROOH(Rは、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、シクロアルケニル、またはヘテロシクロアルケニルである)、メトホルミン、アセトアミノフェン、ジアリルトリスルフィド、イソチオシアネート、クルクミン、スルホラファン、ケルセチン、イソケルセチン、アピゲニン、ルテオリン、チョウセンニンジン、カルノシン酸、4-メチルアルキルカテコール、4ビニルカテコール、4-エチルカテコール、キサントフモール、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、亜鉛、およびこれらの任意の組合せから選択される抗酸化防御活性化因子と
を投与することを含む、方法。
[27]
前記修復系活性化因子、前記メチル供与体、および前記抗酸化防御活性化因子が、ほぼ同時に投与される、[26]に記載の方法。
[28]
前記修復系活性化因子が、前記対象の体内時計のNAD+ピークの15、30、60、90、または120分以内に投与される、[26]に記載の方法。
[29]
前記修復系活性化因子、前記メチル供与体、および前記抗酸化防御活性化因子が、異なる時点で投与される、[26]に記載の方法。
[30]
前記対象が、ヒトである、[26]に記載の方法。
[31]
前記修復系活性化因子、前記メチル供与体、および前記抗酸化防御活性化因子が、少なくとも2ヶ月間、前記ヒトに投与される、[30]に記載の方法。
[32]
前記修復系活性化因子、前記メチル供与体、および前記抗酸化防御活性化因子が、1日1回、前記ヒトに投与される、[26]に記載の方法。
[33]
ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)の前駆体またはプロドラッグと、
S-5’-アデノシル-L-メチオニン(SAM)、メチオニン、ベタイン、コリン、葉酸、ビタミンB12、およびこれらの任意の組合せから選択されるメチル供与体と、
H
2
O
2
、H
2
S、NaSH、Na
2
S、ROS、RNS、RCS、RSOH、O
2
・
-
、OH・、
1
O
2
、O
3
、HOCl、HOBr、HOI、ROOH(Rは、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アルケニル、ヘテロアルケニル、シクロアルケニル、またはヘテロシクロアルケニルである)、メトホルミン、アセトアミノフェン、ジアリルトリスルフィド、イソチオシアネート、クルクミン、スルホラファン、ケルセチン、イソケルセチン、アピゲニン、ルテオリン、チョウセンニンジン、カルノシン酸、4-メチルアルキルカテコール、4ビニルカテコール、4-エチルカテコール、キサントフモール、β-ラパコン、プテロスチルベン、レスベラトロール、亜鉛、およびこれらの任意の組合せから選択される抗酸化防御活性化因子と
を含む、組成物。