(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/45 20140101AFI20240705BHJP
A63F 13/52 20140101ALI20240705BHJP
A63F 13/822 20140101ALI20240705BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240705BHJP
【FI】
A63F13/45
A63F13/52
A63F13/822
A63F13/79
(21)【出願番号】P 2020061015
(22)【出願日】2020-03-30
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮元 晋平
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 亮太
(72)【発明者】
【氏名】張 雪霏
【審査官】松谷 洋平
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-108322(JP,A)
【文献】Civilization IV,Civilization Wiki[online],2020年03月14日,[2023年12月19日検索], <URL: https://civilization.fandom.com/wiki/Civilization_IV?oldid=211013>,特に本文を参照
【文献】City (Civ4),Civilization Wiki[online],2019年04月19日,[2023年12月19日検索], <URL:https://civilization.fandom.com/wiki/City_(Civ4)?oldid=200149>,特に本文参照
【文献】Civ4 外交解説,Civilization IV 解説[online],2017年05月17日,[2023年12月19日検索], <URL: https://web.archive.org/web/20170517213640/http://tomatoemperor.sugoihp.com/civ4/civ4diplo.htm>,特に本文参照。(なお、URLの「20170517213640」から読み取れる協定世界時2017年5月17日21時36分40秒に相当する日本標準時2017年5月17日12時36分40秒には当該ウェブページが公開されていたといえる。)
【文献】Territory,Rise of Nations Wiki[online],2018年07月07日,[2024年02月28日検索], <URL: https://riseofnations.fandom.com/wiki/Territory?oldid=24108>,特に「Attrition」の項を参照。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/45
A63F 13/52
A63F 13/822
A63F 13/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置を、
1人以上のプレイヤが所属しているグループと対応付けが可能な1つ以上のゲーム内オブジェクトが点在するマップの表示制御を行うマップ画面表示制御部、
前記ゲーム内オブジェクトを対応付けるためのゲーム内行動の要求をグループに所属するプレイヤから受け付け、前記グループによる前記ゲーム内オブジェクトを対応付ける処理を実行する対応付け処理部、
前記ゲーム内オブジェクトと対応付けられた前記グループに所属しているプレイヤから受け付けたゲーム内への影響の内容及び対象に基づき、前記ゲーム内オブジェクトごとに設定されている影響エリアのプレイヤから前記対象のプレイヤを選択し、選択した前記プレイヤに対して前記内容の影響を与える影響処理部、
として機能させ
、
前記影響処理部は、選択した前記プレイヤに対してゲーム内における不利な影響を与え、前記不利な影響は能力低下を含む、
プログラム。
【請求項2】
前記不利な影響は逆賊指定を更に含み、前記逆賊指定されたプレイヤを倒すことで、他のプレイヤはゲーム内においてメリットを受けられること
を特徴とする請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記影響処理部は、前記ゲーム内オブジェクトの種類ごとに異なる大きさの前記影響エリアと対応付けられたプレイヤの中から前記対象のプレイヤを選択すること
を特徴とする請求項1又は2記載のプログラム。
【請求項4】
前記マップ画面表示制御部は、前記ゲーム内オブジェクトごとに設定されている前記影響エリアを視認可能に表示すること
を特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記ゲーム内オブジェクトと対応付けられた前記グループに所属しているプレイヤから受け付ける前記影響の内容及び対象は、前記グループに所属しているプレイヤからの指示又は命令により設定されること
を特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記情報処理装置は、複数のグループ間において前記ゲーム内オブジェクトを奪い合う争うゲームを、通信可能に接続された前記プレイヤの情報処理端末で実行させるための制御を行うこと
を特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
情報処理装置に、
1人以上のプレイヤが所属しているグループと対応付けが可能な1つ以上のゲーム内オブジェクトが点在するマップの表示制御を行うマップ画面表示ステップと、
前記ゲーム内オブジェクトを対応付けるためのゲーム内行動の要求をグループに所属するプレイヤから受け付け、前記グループによる前記ゲーム内オブジェクトを対応付ける処理を実行する対応付け処理ステップと、
前記ゲーム内オブジェクトと対応付けられた前記グループに所属しているプレイヤから受け付けたゲーム内への影響の内容及び対象に基づき、前記ゲーム内オブジェクトごとに設定されている影響エリアのプレイヤから前記対象のプレイヤを選択し、選択した前記プレイヤに対して前記内容の影響を与える影響処理ステップと、
を実行させ
、
前記影響処理ステップは、選択した前記プレイヤに対してゲーム内における不利な影響を与えるステップを含み、前記不利な影響は能力低下を含む、
情報処理方法。
【請求項8】
1人以上のプレイヤが所属しているグループと対応付けが可能な1つ以上のゲーム内オブジェクトが点在するマップの表示制御を行うマップ画面表示制御部と、
前記ゲーム内オブジェクトを対応付けるためのゲーム内行動の要求をグループに所属するプレイヤから受け付け、前記グループによる前記ゲーム内オブジェクトを対応付ける処理を実行する対応付け処理部と、
前記ゲーム内オブジェクトと対応付けられた前記グループに所属しているプレイヤから受け付けたゲーム内への影響の内容及び対象に基づき、前記ゲーム内オブジェクトごとに設定されている影響エリアのプレイヤから前記対象のプレイヤを選択し、選択した前記プレイヤに対して前記内容の影響を与える影響処理部と、
を有
し、
前記影響処理部は、選択した前記プレイヤに対してゲーム内における不利な影響を与え、前記不利な影響は能力低下を含む、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、占領戦で勝利し領地を獲得すると、その領地内の住民の他、領地からも税金を徴収できるゲームは知られている(例えば非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】"黒い砂漠 総合ガイド ゲーム情報 領主"、[online]、[令和2年1月30日検索]、インターネット<URL:https://service.pmang.jp/blackdesert/game_guides/2101.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のゲームでは、獲得した領地内の住民、及び領地から税金を徴収できるようにすることでプレイヤによる領地の奪い合いを促進することでゲームを活性化しているが、領地の奪い合い(争奪戦)を更に促進する新たな仕組みが求められていた。
【0005】
本開示は、プレイヤによるゲーム内オブジェクトの奪い合いを促進させる新たな仕組みを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、情報処理装置を、1人以上のプレイヤが所属しているグループと対応付けが可能な1つ以上のゲーム内オブジェクトが点在するマップの表示制御を行うマップ画面表示制御部、前記ゲーム内オブジェクトを対応付けるためのゲーム内行動の要求をグループに所属するプレイヤから受け付け、前記グループによる前記ゲーム内オブジェクトを対応付ける処理を実行する対応付け処理部、前記ゲーム内オブジェクトを対応付け中の前記グループに所属しているプレイヤから受け付けたゲーム内への影響の内容及び対象に基づき、前記ゲーム内オブジェクトごとに設定されている影響エリアのプレイヤから前記対象のプレイヤを選択し、選択した前記プレイヤに対して前記内容の影響を与える影響処理部、として機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、プレイヤによるゲーム内オブジェクトの奪い合いを促進させる新たな仕組みを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係るゲームシステムの一例を示す図である。
【
図2】クライアントのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】クライアントの機能構成の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態で利用するプレイヤ情報テーブルの一例の構成図である。
【
図7】本実施形態で利用するマップ情報テーブルの一例の構成図である。
【
図8】本実施形態で利用するオブジェクト情報テーブルの一例の構成図である。
【
図9】本実施形態で利用する布告情報テーブルの一例の構成図である。
【
図10】本実施形態で利用するギルド情報テーブルの一例の構成図である。
【
図11】本実施形態に係るゲームで利用するマップの一例の説明図である。
【
図13】本実施形態に係る主要都市を占拠する処理の一例のフローチャートである。
【
図14】本実施形態に係る布告を発令する処理の一例のフローチャートである。
【
図16】布告対象選択画面の一例のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、ゲーム内で占拠可能なオブジェクト(ゲーム内オブジェクト)の一例として主要都市、拠点の例を説明するが、これに限定するものではない。また、占拠はゲーム内オブジェクトを、1人以上のプレイヤが所属しているグループと対応付けるゲーム内行動の一例であって、占領、所有、購入など、別の呼称であってもよい。ゲーム内オブジェクトの呼称は、ゲームにより様々である。また、布告とはゲーム内オブジェクトを対応付け中のグループに所属しているプレイヤが、対象のグループ又はプレイヤと、その対象のグループ又はプレイヤに対して与える影響とを設定するゲーム内行動の一例であって、指示や命令など、別の呼称であってもよい。また、本実施形態では、1人以上のプレイヤが所属しているグループの一例としてギルドの例を説明するが、これに限定するものでなく、軍団やチーム、メンバなど、様々である。さらに、本実施形態はロールプレイングゲーム、アクションゲーム、シミュレーションゲーム、ストラテジーゲーム、又はパズルゲームなどの様々なジャンルのゲームに適用が可能である。
【0010】
[ゲームシステム]
まず、一実施形態に係るゲームシステム10について、
図1を参照して説明する。一実施形態に係るゲームシステム10は、クライアント20とサーバ30とがネットワーク40を介して通信可能に接続された構成である。
【0011】
クライアント20はプレイヤがゲームをプレイする情報処理端末の一例である。クライアント20は、例えばスマートフォンなどの携帯電話機、携帯ゲーム機、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、家庭用ゲーム装置、業務用ゲーム装置等である。クライアント20はプレイヤからの操作をタッチパネル、コントローラ、マウス、キーボード等で受け付け、プレイヤにゲームをプレイさせる。なお、クライアント20の個数は3つに限定されるものではなく、3つ以外であってもよい。
【0012】
サーバ30はクライアント20との間でデータを送受信することで、ゲームに必要な機能や情報をクライアント20に提供する情報処理装置の一例である。サーバ30はクラウドコンピュータにより実現してもよい。なお、
図1に示したサーバ30の個数は、1つに限定されるものではなく、2つ以上で分散処理してもよい。例えばサーバ30はクライアント20へのゲームプログラム(アプリケーション)などのダウンロード処理やプレイヤのログイン処理、マップ表示に関する処理、占拠に関する処理、布告に関する処理、各種テーブルの管理などに利用される。
【0013】
図2は、クライアント20のハードウェア構成の一例を示す図である。クライアント20は、CPU(Central Processing Unit)121、記憶装置122、通信装置123、入力装置124及び表示装置125を有する。CPU121は、クライアント20を制御する。記憶装置122は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリ、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などのストレージである。
【0014】
通信装置123は、通信を制御するネットワーク回路などの通信デバイスである。入力装置124は、タッチパッド、コントローラ、マウス、キーボード、カメラ、マイクなどの入力デバイスである。また、表示装置125はディスプレイ、スピーカなどの出力デバイスである。タッチパネルはタッチパッドとディスプレイとを組み合わせることで実現される。
【0015】
図3は、サーバ30のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ30は、CPU131、記憶装置132及び通信装置133を有する。CPU131は、サーバ30を制御する。記憶装置132は、例えばROMやRAMなどのメモリ、HDDやSSDなどのストレージである。通信装置133は、通信を制御するネットワークカードなどの通信デバイスである。
【0016】
図4はクライアント20の機能構成の一例を示す図である。クライアント20は、記憶部21、クライアント制御部22、操作部23、表示部24、及びクライアント側通信部25を有する。記憶部21は、ゲームプログラム51などのプログラム、そのプログラムが利用する例えばマップ情報テーブル52、オブジェクト情報テーブル53などのデータを記憶している。記憶部21は記憶装置122により実現されてもよいし、ネットワーク40を介して接続された記憶装置により実現されてもよい。
【0017】
クライアント制御部22はクライアント20の全体の制御を行う。クライアント20の全体の制御には、プレイヤがプレイするゲーム全般に関する制御のうち、クライアント20が受け持つ制御が含まれる。クライアント制御部22は、CPU121がゲームプログラム51に記載された処理を実行することにより実現される。
【0018】
クライアント制御部22は、要求送信部54、結果受信部55、表示処理部56、及びゲーム制御部57を有する。要求送信部54はプレイヤの操作に基づいてサーバ30に各種要求を行う。結果受信部55は各種要求に対する結果をサーバ30から受信する。表示処理部56は後述のマップ画面、布告画面、及び布告対象選択画面などの各種画面を表示部24に表示させるための処理を行う。ゲーム制御部57は後述のマップ画面、布告画面、及び布告対象選択画面などの各種画面から受け付けたプレイヤの操作に基づき、ゲームに関する制御を行う。
【0019】
操作部23は入力装置124に対するプレイヤの各種操作を受け付ける。表示部24は表示装置125にゲーム画像を表示する。なお、操作部23はCPU121が入力装置124を制御することで実現される。また、表示部24は、CPU121が表示装置125を制御することで実現される。
【0020】
入力装置124に対するプレイヤの各種操作とは、CPU121に処理を実行させるため、ゲームをプレイするプレイヤが操作部23を操る操作をいう。操作部23はゲームをプレイするプレイヤから各種操作を受け付ける。クライアント制御部22はプレイヤから受け付けた各種操作に基づき、ゲームを進行させる。表示部24はクライアント制御部22の表示処理部56に従い、ゲーム画像を表示する。
【0021】
クライアント側通信部25はサーバ30と通信する。クライアント側通信部25は、CPU121がゲームプログラム51を実行し、ゲームプログラム51に従って通信装置123を制御することで実現される。
【0022】
図5は、サーバ30の機能構成の一例を示す図である。
図5のサーバ30は、記憶部31、サーバ制御部32、及びサーバ側通信部33を有する。記憶部31は、サーバプログラム61、ゲームプログラム62などのプログラム、それらのプログラムが利用するプレイヤ情報テーブル63、マップ情報テーブル64、オブジェクト情報テーブル65、布告情報テーブル66、及びギルド情報テーブル67などのデータを記憶している。記憶部31は記憶装置132により実現されてもよいし、ネットワーク40を介して接続された記憶装置により実現されてもよい。
【0023】
サーバ制御部32は、サーバ30の全体の制御を行う。サーバ30の全体の制御にはプレイヤがプレイするゲーム全般に関する制御のうち、サーバ30が受け持つ制御が含まれる。サーバ制御部32は、CPU131がサーバプログラム61に記載された処理を実行することにより実現される。
【0024】
例えばサーバ制御部32は、記憶部31に記憶されているゲームプログラム62、そのゲームプログラム62が利用するデータなどをクライアント20へダウンロードさせるダウンロード処理、後述のマップ表示に関する処理、占拠に関する処理、布告に関する処理などを行う。
【0025】
サーバ制御部32は、要求受信部68、処理部69、結果送信部70、マップ画面表示制御部71、占拠処理部72、及び布告処理部73を有する。要求受信部68はクライアント20からの各種要求を受信する。処理部69は各種要求に対する処理を行う。結果送信部70は各種要求に対する処理の結果を、クライアント20に送信する。
【0026】
マップ画面表示制御部71はクライアント20に表示させる後述のマップ画面の表示制御など、マップ表示に関する処理を行う。占拠処理部72はゲーム内で占拠可能な後述の主要都市の占拠に関する処理を行う。布告処理部73はクライアント20に表示させる後述の布告画面及び布告対象選択画面の表示制御など、布告に関する処理を行う。
【0027】
サーバ側通信部33はクライアント20と通信する。サーバ側通信部33は、CPU131がサーバプログラム61を実行し、サーバプログラム61に従って通信装置133を制御することで実現される。
【0028】
なお、
図4に示したクライアント20の機能構成、及び
図5に示したサーバ30の機能構成は一例であって、例えば
図5に示したサーバ30の機能構成の少なくとも一つが
図4に示したクライアント20の機能構成に含まれていてもよい。つまり、
図4及び
図5に示した機能構成は、クライアント20又はサーバ30の何れか一方が有していればよい。
【0029】
サーバ30の記憶部31に記憶されるプレイヤ情報テーブル63、マップ情報テーブル64、オブジェクト情報テーブル65、布告情報テーブル66、及びギルド情報テーブル67の構成例は、以下の通りである。
【0030】
図6は本実施形態で利用するプレイヤ情報テーブルの一例の構成図である。プレイヤ情報テーブルはクライアント20でゲームを行うプレイヤの情報が設定されている。
図6のプレイヤ情報テーブルは、プレイヤID、及びプレイヤ都市位置情報を項目として有している。
【0031】
プレイヤIDは、プレイヤの識別情報の一例である。プレイヤ都市位置情報は、プレイヤが所有しているプレイヤ都市のマップ上における位置情報の一例である。プレイヤ都市はゲームに参加している全プレイヤがそれぞれ所有している。プレイヤ都市のマップ上の位置は、ゲーム内アイテムなどの効果により転移できるようにしてもよい。
図6のプレイヤ情報テーブルによれば、プレイヤIDを特定できれば、そのプレイヤのプレイヤ都市のマップ上の位置を特定できる。
【0032】
図7は、本実施形態で利用するマップ情報テーブルの一例の構成図である。マップ情報テーブルはマップに点在する主要都市、拠点、採集場などのオブジェクトを表示するための情報が設定される。
図7のマップ情報は、オブジェクトID、オブジェクト種別、及びオブジェクト位置情報を項目として有している。
【0033】
オブジェクトIDは、オブジェクトの識別情報の一例である。オブジェクト種別は主要都市、拠点、採集場などのオブジェクトの種別情報の一例である。また、オブジェクト位置情報はオブジェクトIDで識別されるオブジェクトのマップ上における位置情報の一例である。
図7のマップ情報テーブルによれば、オブジェクトIDを特定できれば、そのオブジェクトのマップ上の位置を特定できる。
【0034】
なお、本実施形態において主要都市はギルド単位で占拠可能なゲーム内オブジェクトの一例であり、ギルド間で奪い合う対象となる。本実施形態において拠点はプレイヤ単位で占拠可能なゲーム内オブジェクトの一例であり、プレイヤ間で奪い合う対象となる。拠点の具体例は、例えば集落、交易所、砦、支城など、ゲームによって様々である。また、採集場はゲーム内の資源などを採集する場所であって、その場所に留まることで、資源などを採集できる。1つの採集場に留まることのできるプレイヤは1人であっても、複数人であってもよく、また、同一のギルドに所属している場合にのみ、1つの採集場で複数人のプレイヤが採集できるようにしてもよい。
【0035】
図8は、本実施形態で利用するオブジェクト情報テーブルの一例の構成図である。オブジェクト情報テーブルは、マップに点在する主要都市、拠点、採集場などのオブジェクトの情報が設定されている。
図8のオブジェクト情報は、オブジェクトID、オブジェクト名、特殊効果、占拠情報、布告対象情報、布告内容情報、配下拠点情報、及び布告影響エリア情報を項目として有している。
【0036】
オブジェクトID及びオブジェクト名は、オブジェクトの識別情報の一例である。特殊効果は、オブジェクトID又はオブジェクト名で識別されるゲーム内オブジェクトがギルドやプレイヤに与える影響(効果)の情報である。例えばゲーム内オブジェクトが主要都市の場合、特殊効果には、その主要都市を占拠したギルドのプレイヤに与える影響の情報が設定される。ゲーム内オブジェクトが拠点の場合、特殊効果には、その拠点を占拠したプレイヤに与える影響の情報が設定される。ゲーム内オブジェクトが採集場の場合、特殊効果には、その採集場の場所に留まることでプレイヤが採集できる資源などが設定されている。また、占拠情報はオブジェクトID又はオブジェクト名で識別されるゲーム内オブジェクトを占拠しているギルド又はプレイヤの識別情報が設定されている。
【0037】
布告対象情報は、主要都市を占拠しているギルドが布告を発令した対象のギルド(布告対象ギルド)又はプレイヤ(布告対象プレイヤ)の情報が設定されている。また、布告内容情報は布告対象ギルド又は布告対象プレイヤに対して発令した布告内容の情報が設定されている。
【0038】
配下拠点情報は主要都市の配下の拠点が設定されている。主要都市の配下の拠点は後述の攻城戦の権利を取得するために占拠が必要なゲーム内オブジェクトの一例である。布告影響エリア情報は、発令された布告の影響があるエリア(影響エリア)の情報が設定されている。
【0039】
例えば
図8のオブジェクトID「ob001」のレコードでは「主要都市A」を「ギルドA」が占拠しており、布告対象「ギルドZ」及び布告内容「能力10%低下」とした布告を影響エリア「エリア1」に対して発令している。影響エリア「エリア1」のプレイヤのうち、布告対象ギルド「ギルドZ」のプレイヤは布告内容「能力10%低下」の影響を受けることになる。
【0040】
図9は本実施形態で利用する布告情報テーブルの一例の構成図である。布告情報テーブルは、布告画面及び布告対象選択画面の表示に必要な情報など、布告に関する情報が設定されている。
図9の布告情報は、オブジェクトID、布告名、布告内容情報、消費情報、及び布告対象種別を項目として有している。
【0041】
オブジェクトIDは、オブジェクトの識別情報の一例である。布告名は、布告の識別情報の一例である。布告内容情報は、布告対象ギルド又は布告対象プレイヤに対して発令が可能な布告内容の情報が設定されている。消費情報は、布告の発令に必要な対価の情報が設定されている。布告対象種別は、主要都市を占拠しているギルドが布告を発令可能な布告対象の種別が設定されている。
【0042】
例えば
図9の布告情報テーブルでは、オブジェクトID「ob001」の主要都市を占拠しているギルドは、能力低下、能力向上、税金徴収、又は税金免除などの布告を発令可能であることを示している。また、
図9の布告情報テーブルでは、発令可能な布告ごとに布告内容情報、消費情報、及び布告対象種別が設定されている。例えば
図9の布告名「能力低下」のレコードでは、ギルド単位、プレイヤ単位、又はプレイヤ全員を布告対象として選択可能であることを示している。また、
図9の布告名「能力低下」のレコードでは布告対象ギルド又は布告対象プレイヤが受ける布告内容が「布告対象の能力10%低下」であることを示している。さらに、また、
図9の布告名「能力低下」のレコードでは布告の発令に必要な対価が「金貨50枚」であることを示している。
【0043】
なお、布告には「逆賊指定」が含まれていてもよい。例えば「逆賊指定」されたプレイヤを倒すことで、他のプレイヤはメリットを受けられるようにする。このような「逆賊指定」の布告により、主要都市を占拠しているギルドは、特定のプレイヤを他のプレイヤに攻撃させることができる。
【0044】
図10は本実施形態で利用するギルド情報テーブルの一例の構成図である。ギルド情報テーブルは、ギルドに関する情報が設定されている。
図10のギルド情報は、ギルド名、ギルド加入プレイヤ情報、及びギルドマスタを項目として有している。
【0045】
ギルド名はギルドの識別情報の一例である。ギルド加入プレイヤ情報は、ギルド名により識別されるギルドに加入(所属)しているプレイヤ(所属プレイヤ)の識別情報が設定されている。ギルドマスタは、ギルド名により識別されるギルドの代表プレイヤが設定されている。
【0046】
[ゲーム動作]
図11は本実施形態に係るゲームで利用するマップの一例の説明図である。
図11に示したマップ1000には、主要都市1002a~1002e、主要都市以外のゲーム内オブジェクト1004が点在している。主要都市1002a~1002eは、特殊効果や布告の影響を与える影響エリア1006a~1006eが設定されている。
【0047】
例えば
図11の例では主要都市1002aの影響エリア1006aがマップ全体に設定されている。したがって、主要都市1002aを占拠したギルドはマップ全体に影響を与える布告の発令が可能となる。また、主要都市1002aを占拠したギルドはマップ全体において、主要都市1002aの特殊効果を受けることができる。また、主要都市1002bを占拠したギルドは影響エリア1006bの範囲内で影響を与える布告の発令が可能となる。また、主要都市1002bを占拠したギルドは影響エリア1006bの範囲内において、主要都市1002bの特殊効果を受けることができる。なお、2つ以上の影響エリア1006に属している場所では、複数の主要都市1002の特殊効果を重複して受けることができてもよく、又、布告が発令された順番や優先度等に応じて、どちらか一方の特殊効果を受けることができてもよい。また、2つ以上の影響エリア1006に属している場所では、複数の主要都市1002の布告の影響を重複して受けることができてもよく、又、布告が発令された順番や優先度等に応じて、どちらか一方の布告の影響を受けることができてもよい。
【0048】
したがって、本実施形態に係るゲームでは、主要都市1002a~1002eを占拠しているギルドのメリットが大きいため、ギルド間における主要都市1002a~1002eの奪い合いが促進される。主要都市1002a~1002eの占拠には後述する攻城戦に勝利する必要がある。なお、以下では主要都市1002a~1002e、及び影響エリア1006a~1006eを、主要都市1002、及び影響エリア1006とそれぞれ総称することがある。
【0049】
図11の主要都市以外のゲーム内オブジェクト1004には、拠点、採集場、及びプレイヤ都市が含まれている。そこで、
図11のマップ1000の一部を部分マップ1010として切り出し、拠点及び採集場について説明する。
図12は部分マップの一例の説明図である。なお、プレイヤ都市はギルド間やプレイヤ間で奪い合うゲーム内オブジェクトでないため、図示を省略している。
【0050】
図12の部分マップ1010には、主要都市1002d、複数の拠点1012、及び複数の採集場1014が点在している。拠点1012は拠点戦に勝利したプレイヤが占拠できる。拠点戦は、拠点1012を占拠している防衛側のプレイヤと、その拠点1012を攻撃する攻撃側のプレイヤとの、プレイヤ対プレイヤ形式の戦闘である。
【0051】
拠点戦に勝利して拠点1012を占拠したプレイヤは、その拠点1012の特殊効果を受けることができる。拠点1012の特殊効果は、占拠したプレイヤの他、そのプレイヤが所属しているギルドの所属プレイヤも受けることができるようにしてもよい。例えば拠点1012の特殊効果が生産品の生産であれば、占拠したプレイヤが所属するギルドの所属プレイヤが、その生産品を購入できるようにしてもよい。その際、どのプレイヤが占拠している拠点1012の生産品なのかを表示するようにしてもよい。
【0052】
なお、本実施形態では、拠点1012の影響エリアを設定していないが、主要都市1002の影響エリアと同様に設定してもよい。
【0053】
採集場1014は占拠するゲーム内オブジェクトではなく、プレイヤの部隊などが留まることで、時間経過と共にゲーム内の資源などを採取できる。一つの採集場1014には例えば同一のギルドであれば複数部隊、留まれるようにしてもよい。また、異なるギルドの部隊が一つの採集場1014に到達したら、戦闘を発生させ、戦闘に勝利した部隊が留まれるようにしてもよい。また、採集場1014からプレイヤ都市に戻る部隊を、他のプレイヤの部隊が攻撃可能としてもよい。
【0054】
前述したように主要都市1002は配下の拠点1012が設定されている。例えば
図12に示した拠点1012を主要都市1002dの配下の拠点とする。他のギルドが占拠している主要都市1002dを奪いたいギルドのプレイヤは、同一のギルドに所属する他のプレイヤと協力しながら、
図13に示すような手順で、主要都市1002dを占拠する。
【0055】
図13は本実施形態に係る主要都市を占拠する処理の一例のフローチャートである。ステップS10において、他のギルドが占拠している主要都市1002dを奪いたいギルドの1人以上のプレイヤは、クライアント20を操作し、主要都市1002dの配下の拠点1012を拠点戦により占拠する。
【0056】
サーバ30のサーバ制御部32は、同一のギルドに所属するプレイヤが主要都市1002dの配下の拠点1012を一定割合(例えば70%など)以上、占拠すると、ステップS12に進み、主要都市1002dの配下の拠点1012を一定割合以上、占拠したギルドに対して主要都市1002dの攻城戦の権利を与える。このように、主要都市1002dの配下の拠点1012を一定割合以上、占拠したギルドは、主要都市1002dの攻城戦の権利を取得できる。
【0057】
例えば主要都市1002dの攻城戦の権利を取得したギルドのギルドマスタはクライアント20から主要都市1002dの攻城戦を開始する操作を行うことで、ステップS14に進み、主要都市1002dの攻城戦を開始できる。サーバ30のサーバ制御部32は主要都市1002dを占拠中のギルドを防御側、攻城戦の権利を取得したギルドを攻撃側とした、ギルド対ギルド形式の攻城戦を開始する。
【0058】
ステップS14の攻城戦の形式は、攻撃側のギルドと防御側のギルドとの戦闘により勝敗が付く内容であればよく、リアルタイム制の戦闘であっても、ターン制の戦闘であってもよい。また、ステップS14の攻城戦の形式は、プレイヤが部隊を直接操作するものであっても、部隊がAIなどにより自律行動するものであってもよい。さらに、ステップS14の攻城戦の形式は、攻撃側のギルドの部隊をプレイヤが直接操作し、防御側のギルドの部隊をAIなどにより自律行動させてもよい。
【0059】
攻城戦が終了すると、サーバ30のサーバ制御部32はステップS16に進み、攻城戦に勝利したギルドに、主要都市1002dを占拠させる。例えば防御側のギルドが勝利すると、サーバ制御部32の占拠処理部72は、防御側のギルドに主要都市1002dをそのまま占拠させる。攻撃側のギルドが勝利すると、占拠処理部72は
図8のオブジェクト情報テーブルの主要都市1002dのレコードを更新し、攻撃側のギルドを、主要都市1002を占拠する新たなギルドとして設定する。なお、攻城戦の結果、新たなギルドが主要都市1002dを占拠する場合は、
図8のオブジェクト情報テーブルの主要都市1002dのレコードの項目「布告対象情報」及び「布告内容情報」をクリアしてもよい。
【0060】
主要都市1002を占拠しているギルドは、例えば
図14に示すような手順で主要都市1002の影響エリアに布告を発令できる。
図14は本実施形態に係る布告を発令する処理の一例のフローチャートである。
【0061】
主要都市1002を占拠しているギルドの例えばギルドマスタは、占拠している主要都市1002で布告を発令したい場合、クライアント20を操作し、その主要都市1002の布告画面の表示要求を行う。サーバ30のサーバ制御部32は布告画面の表示要求をクライアント20から受け付けると、ステップS20からS22に進み、ギルドマスタに選択された主要都市1002の布告画面の表示制御を行う。
【0062】
図15は布告画面の一例のイメージ図である。
図15の布告画面2000は、布告名選択欄2002、布告内容表示欄2006、消費情報表示欄2008、及び「次へ」ボタン2010が表示された構成である。
【0063】
布告名選択欄2002は
図9の布告情報に基づき、発令可能な布告一覧を表示し、点線枠2004を移動させることにより、発令する布告をギルドマスタに布告一覧から選択させる欄である。
図15では布告名「能力低下」の布告が選択されている。布告内容表示欄2006は、点線枠2004により選択されている布告の布告内容を、
図9の布告情報に基づいて表示させる欄である。消費情報表示欄2008は、点線枠2004により選択されている布告の発令により消費される対価の情報を、
図9の布告情報に基づいて表示させる欄である。
【0064】
ギルドマスタは
図15の「次へ」ボタン2010を押下する操作を行うことで、布告内容を選択できる。布告内容が選択されるとサーバ制御部32の布告処理部73はステップS24からS26に進み、ギルドマスタに選択された布告内容の布告対象選択画面の表示制御を行う。
【0065】
図16は布告対象選択画面の一例のイメージ図である。
図16の布告対象選択画面2100は、布告対象種別選択欄2102、布告対象選択欄2106、及び「実行」ボタン2110が表示された構成である。
【0066】
布告対象種別選択欄2102は、例えば
図9の布告情報に基づき、選択可能な布告対象種別を表示し、点線枠2104を移動させることにより、布告対象種別をギルドマスタに選択させる欄である。
図16では布告対象種別「ギルド」が選択されている。布告対象選択欄2106は、点線枠2104により選択されている布告対象種別「ギルド」の選択肢を、
図10のギルド情報に基づいて表示し、点線枠2108を移動させることにより、布告対象候補をギルドマスタに選択させる欄である。
【0067】
ギルドマスタは
図16の「実行」ボタン2110を押下する操作を行うことで、布告対象を選択できる。布告対象が選択されるとサーバ制御部32の布告処理部73はステップS28からS30に進み、ギルドマスタに選択された布告内容及び布告対象で
図8のオブジェクト情報テーブルの該当するレコードを更新する。そして、布告処理部73は布告を発令し、選択された主要都市1002の影響エリア1006の布告対象のプレイヤに布告内容の影響を与える処理の実行を行う。
【0068】
例えばギルドマスタは、自分が所属しているギルドの所属プレイヤを布告対象として選択し、ゲーム内における有利な影響を与える布告内容を選択することで、自分が所属しているギルドの所属プレイヤに有利な影響を与えることができる。また、ギルドマスタは他のギルドを布告対象として選択し、ゲーム内における不利な影響を与える布告内容を選択することで、他のギルドに所属しているプレイヤに不利な影響を与えることができる。
【0069】
本実施形態によれば、ゲーム内オブジェクトを占拠することのメリットが大きく、ギルド間やプレイヤ間におけるゲーム内オブジェクトの奪い合いを促進させることで、緊張感のあるゲームを実現できる。
【0070】
開示した一実施形態のゲームシステム10、クライアント20及びサーバ30は例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形及び改良が可能である。また、上記した複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0071】
10 ゲームシステム
20 クライアント
21 記憶部
22 クライアント制御部
23 操作部
24 表示部
25 クライアント側通信部
30 サーバ
31 記憶部
32 サーバ制御部
33 サーバ側通信部
40 ネットワーク
51 ゲームプログラム
52 マップ情報テーブル
53 オブジェクト情報テーブル
54 要求送信部
55 結果受信部
56 表示処理部
57 ゲーム制御部
61 サーバプログラム
62 ゲームプログラム
63 プレイヤ情報テーブル
64 マップ情報テーブル
65 オブジェクト情報テーブル
66 布告情報テーブル
67 ギルド情報テーブル
68 要求受信部
69 処理部
70 結果送信部
71 マップ画面表示制御部
72 占拠処理部
73 布告処理部
1000 マップ
1002 主要都市
1006a~1006e 影響エリア
1012 拠点
1014 採集場
2000 布告画面
2100 布告対象選択画面