特許 7515309 シースルーエレベーター

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2024-07-04

(45)【発行日】2024-07-12

(54)【発明の名称】シースルーエレベーター

(51)【国際特許分類】

   B66B 7/06 20060101AFI20240705BHJP

   B66B 7/00 20060101ALI20240705BHJP

【ＦＩ】

B66B7/06 Z

B66B7/00 F

【請求項の数】 5

(21)【出願番号】P 2020098147

(22)【出願日】2020-06-05

(65)【公開番号】P2021187671

(43)【公開日】2021-12-13

【審査請求日】2023-05-29

(73)【特許権者】

【識別番号】000236056

【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100110423

【弁理士】

【氏名又は名称】曾我 道治

(74)【代理人】

【識別番号】100111648

【弁理士】

【氏名又は名称】梶並 順

(74)【代理人】

【識別番号】100147566

【弁理士】

【氏名又は名称】上田 俊一

(74)【代理人】

【識別番号】100161171

【弁理士】

【氏名又は名称】吉田 潤一郎

(74)【代理人】

【識別番号】100188514

【弁理士】

【氏名又は名称】松岡 隆裕

(72)【発明者】

【氏名】末木 美画子

【審査官】中島 亮

(56)【参考文献】

【文献】特開２００９－２８０３８９（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１２－１２６５０３（ＪＰ，Ａ）

【文献】実開昭６１－１６０１８５（ＪＰ，Ｕ）

【文献】実開昭６０－１５４４０５（ＪＰ，Ｕ）

【文献】特開２０００－１７７９４８（ＪＰ，Ａ）

【文献】米国特許出願公開第２０１９／０２４１４０１（ＵＳ，Ａ１）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｂ６６Ｂ ７／００－ ７／１２

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

昇降路を昇降する移動体と、
前記移動体を支持するロープと、
一端部が前記昇降路に接続され、他端部が前記移動体に接続され、前記ロープの外周面を覆うロープカバーと、
を備え、
前記ロープカバーは、前記移動体が昇降する方向である昇降方向に伸縮可能となっており、
前記昇降方向の前記ロープカバーの寸法は、前記移動体の昇降にともなって変化するシースルーエレベーター。

【請求項2】

前記ロープカバーの構造は、蛇腹構造となっている請求項１に記載のシースルーエレベーター。

【請求項3】

前記ロープカバーの一端部は、前記昇降路に対して着脱可能となっており、
前記ロープカバーの他端部は、前記移動体に対して着脱可能となっている請求項１または請求項２に記載のシースルーエレベーター。

【請求項4】

前記ロープカバーは、紫外線の透過を抑制する材料から構成されている請求項１から請求項３までの何れか一項に記載のシースルーエレベーター。

【請求項5】

前記ロープカバーには、広告が付けられており、
前記昇降方向の前記広告の寸法は、前記移動体の昇降にともなって変化する請求項１から請求項４までの何れか一項に記載のシースルーエレベーター。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本開示は、シースルーエレベーターに関する。

【背景技術】

【0002】

従来、展望用の昇降路に設けられたかごを備えたシースルーエレベーターが知られている（例えば、特許文献１参照）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【文献】特開２０１０－０７６８５４号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

シースルーエレベーターのかごは、透明な昇降路の壁に囲まれている。かごは、昇降路を移動するロープに支持されている。従来のシースルーエレベーターでは、ロープに太陽光が照射する。太陽光がロープに照射することによって、ロープが劣化するという問題点があった。

【0005】

本開示は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ロープの劣化を抑制することができるシースルーエレベーターを提供するものである。

【課題を解決するための手段】

【0006】

本開示に係るシースルーエレベーターは、昇降路を昇降する移動体と、移動体を支持するロープと、一端部が昇降路に取り付けられた第１接続部材に接続され、他端部が移動体に接続され、ロープの外周面を覆うロープカバーと、を備え、ロープカバーは、移動体が昇降する方向である昇降方向に伸縮可能となっており、昇降方向のロープカバーの寸法は、移動体の昇降にともなって変化する。

【発明の効果】

【0007】

本開示に係るシースルーエレベーターによれば、ロープの劣化を抑制することができる。

【図面の簡単な説明】

【0008】

【図1】実施の形態１に係るシースルーエレベーターを示す模式図である。

【発明を実施するための形態】

【0009】

実施の形態１．
図１は、実施の形態１に係るシースルーエレベーターを示す模式図である。実施の形態１に係るシースルーエレベーターは、機械室レスエレベーターとなっている。実施の形態１に係るシースルーエレベーターは、移動体であるかご１と、移動体であるつり合いおもり２と、かご１およびつり合いおもり２を支持するロープ３と、巻上機４と、一対のつり車５と、を備えている。かご１、つり合いおもり２、ロープ３、巻上機４および一対のつり車５は、透明な壁を有する昇降路６に配置されている。

【0010】

かご１は、昇降路６を昇降可能となっている。かご１の昇降方向は、上下方向Ａとなっている。かご１は、かご本体１１と、かご本体１１の下部に回転可能に設けられた一対の滑車１２と、を有している。一対の滑車１２のそれぞれには、下方からロープ３が巻き掛けられている。ロープ３は、一対の滑車１２に渡って巻き掛けられている。

【0011】

つり合いおもり２は、昇降路６を昇降可能になっている。つり合いおもり２の昇降方向は、上下方向Ａとなっている。つり合いおもり２は、おもり本体２１と、おもり本体２１の上部に回転可能に設けられた滑車２２と、を有している。滑車２２には、下方からロープ３が巻き掛けられている。

【0012】

巻上機４は、昇降路６の下部に配置されている。巻上機４は、昇降路６に取り付けられている。巻上機４の綱車には、ロープ３が下方から巻き掛けられている。巻上機４が駆動することによって、ロープ３が移動する。ロープ３が移動することによって、かご１およびつり合いおもり２は、互いに反対方向に昇降路６を昇降する。

【0013】

一対のつり車５のそれぞれは、昇降路６の上部に配置されている。一対のつり車５のそれぞれは、昇降路６に取り付けられている。一対のつり車５は、水平方向に互いに離れて配置されている。上下方向Ａに見た場合に、巻上機４は、一対のつり車５の間に配置されている。一対のつり車５のうちの一方のつり車５を第１つり車５１とし、他方のつり車５を第２つり車５２とする。

【0014】

ロープ３の長手方向一端部は、昇降路６の天井に固定されている。ロープ３は、昇降路６の天井から下方に向かって延びて、かご１の一対の滑車１２に順に下方から巻き掛けられている。また、ロープ３は、一対の滑車１２に順に下方から巻き掛けられた後、最後に巻き掛けられた滑車１２から上方に向かって延びて、第１つり車５１に上方から巻き掛けられている。また、ロープ３は、第１つり車５１に上方から巻き掛けられた後、第１つり車５１から下方に延びて、巻上機４の綱車に下方から巻き掛けられている。また、ロープ３は、巻上機４の綱車に下方から巻き掛けられた後、巻上機４の綱車から上方に延びて、第２つり車５２に上方から巻き掛けられている。また、ロープ３は、第２つり車５２に上方から巻き掛けられた後、下方に向かって延びて、つり合いおもり２の滑車２２に下方から巻き掛けられている。また、ロープ３は、滑車２２に下方から巻き掛けられた後、上方に向かって延びている。ロープ３の長手方向他端部は、昇降路６の天井に固定されている。

【0015】

実施の形態１に係るシースルーエレベーターは、４個のロープカバー７をさらに備えている。４個のロープカバー７を、第１ロープカバー７１、第２ロープカバー７２、第３ロープカバー７３および第４ロープカバー７４とする。それぞれのロープカバー７は、かご１およびつり合いおもり２の昇降方向である上下方向Ａに伸縮可能となっている。それぞれのロープカバー７の構造は、蛇腹構造となっている。それぞれのロープカバー７は、紫外線の透過を抑制する材料から構成されている。それぞれのロープカバー７には、広告が付けられている。かご１およびつり合いおもり２の昇降方向である上下方向Ａの広告の寸法は、かご１およびつり合いおもり２の昇降にともなって変化する。

【0016】

第１ロープカバー７１は、一端部が昇降路６の天井に接続され、他端部がかご１に接続されている。第１ロープカバー７１は、昇降路６の天井からかご１の滑車１２まで延びているロープ３の部分の外周面を覆っている。上下方向Ａの第１ロープカバー７１の寸法は、かご１の昇降にともなって変化する。この例では、昇降路６の天井からかご１の滑車１２まで延びているロープ３の部分におけるかご本体１１に隣り合う部分を、第１ロープカバー７１が覆っていない。なお、第１ロープカバー７１は、かご本体１１に隣り合うロープ３の部分を覆ってもよい。第１ロープカバー７１の一端部は、昇降路６の天井に対して着脱可能となっている。第１ロープカバー７１の他端部は、かご１に対して着脱可能となっている。

【0017】

第２ロープカバー７２は、一端部が第１つり車５１を介して昇降路６に接続され、他端部がかご１に接続されている。第２ロープカバー７２は、かご１の滑車１２から第１つり車５１まで延びているロープ３の部分の外周面を覆っている。上下方向Ａの第２ロープカバー７２の寸法は、かご１の昇降にともなって変化する。この例では、かご１の滑車１２から第１つり車５１まで延びているロープ３の部分におけるかご本体１１に隣り合う部分を、第２ロープカバー７２が覆っていない。なお、第２ロープカバー７２は、かご本体１１に隣り合うロープ３の部分を覆ってもよい。第２ロープカバー７２の一端部は、第１つり車５１に対して着脱可能となっている。第２ロープカバー７２の他端部は、かご１に対して着脱可能となっている。

【0018】

第３ロープカバー７３は、一端部が第２つり車５２を介して昇降路６に接続され、他端部がつり合いおもり２に接続されている。第３ロープカバー７３は、第２つり車５２からつり合いおもり２まで延びているロープ３の部分の外周面を覆っている。上下方向Ａの第３ロープカバー７３の寸法は、つり合いおもり２の昇降にともなって変化する。第３ロープカバー７３の一端部は、第２つり車５２に対して着脱可能となっている。第３ロープカバー７３の他端部は、つり合いおもり２に対して着脱可能となっている。

【0019】

第４ロープカバー７４は、一端部が昇降路６の天井に接続され、他端部がつり合いおもり２に接続されている。第４ロープカバー７４は、つり合いおもり２から昇降路６の天井まで延びているロープ３の部分の外周面を覆っている。上下方向Ａの第４ロープカバー７４の寸法は、つり合いおもり２の昇降にともなって変化する。第４ロープカバー７４の一端部は、昇降路６の天井に対して着脱可能となっている。第４ロープカバー７４の他端部は、つり合いおもり２に対して着脱可能となっている。

【0020】

上下方向Ａに垂直な面のロープカバー７の断面形状は、円環形状となっている。周方向のロープカバー７の一部には、ジッパーが形成されている。ロープカバーにジッパーが形成されていることによって、ロープカバー７の形状は、円環形状とＣ字形状との間で変形可能である。

【0021】

ロープカバー７を構成する材料としては、例えば、和紙およびウレタン樹脂が挙げられる。

【0022】

実施の形態１に係るシースルーエレベーターは、２個の固定ロープカバー８をさらに備えている。２個の固定ロープカバー８を、第１固定ロープカバー８１および第２固定ロープカバー８２とする。それぞれの固定ロープカバー８は、かご１およびつり合いおもり２の昇降方向である上下方向Ａに伸縮可能となっていない。それぞれの固定ロープカバー８は、紫外線の透過を抑制する材料から構成されている。それぞれの固定ロープカバー８には、広告が付けられている。

【0023】

第１固定ロープカバー８１は、一端部が第１つり車５１を介して昇降路６に接続され、他端部が巻上機４を介して昇降路６に接続されている。第１固定ロープカバー８１は、第１つり車５１から巻上機４まで延びているロープ３の部分の外周面を覆っている。第１固定ロープカバー８１の一端部は、第１つり車５１に対して着脱可能となっている。第１固定ロープカバー８１の他端部は、巻上機４に対して着脱可能となっている。

【0024】

第２固定ロープカバー８２は、一端部が第２つり車５２を介して昇降路６に接続され、他端部が巻上機４を介して昇降路６に接続されている。第２固定ロープカバー８２は、巻上機４から第２つり車５２まで延びているロープ３の部分の外周面を覆っている。第２固定ロープカバー８２の一端部は、第２つり車５２に対して着脱可能となっている。第２固定ロープカバー８２の他端部は、巻上機４に対して着脱可能となっている。

【0025】

上下方向Ａに垂直な面の固定ロープカバー８の断面形状は、円環形状となっている。周方向の固定ロープカバー８の一部には、ジッパーが形成されている。ロープカバーにジッパーが形成されていることによって、固定ロープカバー８の形状は、円環形状とＣ字形状との間で変形可能である。

【0026】

次に、シースルーエレベーターの動作について説明する。図示しないエレベーター制御盤によって巻上機４の駆動が制御される。巻上機４が駆動することによって、ロープ３が移動する。ロープ３が移動することによって、かご１およびつり合いおもり２は、互いに反対方向に昇降路６を昇降する。

【0027】

かご１が昇降することによって、第１ロープカバー７１および第２ロープカバー７２は、上下方向Ａに伸縮する。第１ロープカバー７１が上下方向Ａに伸縮することによって、かご１の位置に関わりなく、昇降路６の天井からかご１の滑車１２まで延びているロープ３の部分の外周面が第１ロープカバー７１に覆われる。これにより、昇降路６の天井からかご１の滑車１２まで延びているロープ３の部分の劣化が抑制される。また、第２ロープカバー７２が上下方向Ａに伸縮することによって、かご１の位置に関わりなく、かご１の滑車１２から第１つり車５１まで延びているロープ３の部分の外周面が第２ロープカバー７２に覆われる。これにより、かご１の滑車１２から第１つり車５１まで延びているロープ３の部分の劣化が抑制される。

【0028】

昇降路６の天井からかご１の滑車１２まで延びているロープ３の部分の外周面が第１ロープカバー７１に覆われることによって、昇降路６の天井からかご１の滑車１２まで延びているロープ３の部分の水平方向の移動が制限される。また、かご１の滑車１２から第１つり車５１まで延びているロープ３の部分の外周面が第２ロープカバー７２に覆われることによって、かご１の滑車１２から第１つり車５１まで延びているロープ３の部分の水平方向の移動が制限される。

【0029】

第１ロープカバー７１および第２ロープカバー７２が上下方向Ａに伸縮することによって、第１ロープカバー７１および第２ロープカバー７２に付けられている広告が上下方向Ａに伸縮する。したがって、かご１が昇降路６における下部に配置された場合には、第１ロープカバー７１および第２ロープカバー７２に付けられている広告は、昇降路６の外部から目視可能となる。

【0030】

つり合いおもり２が昇降することによって、第３ロープカバー７３および第４ロープカバー７４は、上下方向Ａに伸縮する。第３ロープカバー７３が上下方向Ａに伸縮することによって、つり合いおもり２の位置に関わりなく、第２つり車５２からつり合いおもり２まで延びているロープ３の部分の外周面が第３ロープカバー７３に覆われる。これにより、第２つり車５２からつり合いおもり２まで延びているロープ３の部分の劣化が抑止される。また、第４ロープカバー７４が上下方向Ａに伸縮することによって、つり合いおもり２の位置に関わりなく、つり合いおもり２から昇降路６の天井まで延びているロープ３の部分の外周面が第４ロープカバー７４に覆われる。これにより、つり合いおもり２から昇降路６の天井まで延びているロープ３の部分の劣化が抑制される。

【0031】

第２つり車５２からつり合いおもり２まで延びているロープ３の部分の外周面が第３ロープカバー７３に覆われることによって、第２つり車５２からつり合いおもり２まで延びているロープ３の部分の水平方向の移動が制限される。また、つり合いおもり２から昇降路６の天井まで延びているロープ３の部分の外周面が第４ロープカバー７４に覆われることによって、つり合いおもり２から昇降路６の天井まで延びているロープ３の部分の水平方向の移動が制限される。

【0032】

第３ロープカバー７３および第４ロープカバー７４が上下方向Ａに伸縮することによって、第３ロープカバー７３および第４ロープカバー７４に付けられている広告が上下方向Ａに伸縮する。したがって、つり合いおもり２が昇降路６における下部に配置された場合には、第３ロープカバー７３および第４ロープカバー７４に付けられている広告は、昇降路６の外部から目視可能となる。

【0033】

かご１およびつり合いおもり２の位置に関わりなく、第１つり車５１から巻上機４まで延びているロープ３の部分の外周面が第１固定ロープカバー８１に覆われる。これにより、第１つり車５１から巻上機４まで延びているロープ３の部分の劣化が抑制される。また、かご１およびつり合いおもり２の位置に関わりなく、巻上機４から第２つり車５２まで延びているロープ３の部分の外周面が第２固定ロープカバー８２に覆われる。これにより、巻上機４から第２つり車５２まで延びているロープ３の部分の劣化が抑制される。

【0034】

第１つり車５１から巻上機４まで延びているロープ３の部分の外周面が第１固定ロープカバー８１に覆われることによって、第１つり車５１から巻上機４まで延びているロープ３の部分の水平方向の移動が制限される。また、巻上機４から第２つり車５２まで延びているロープ３の部分の外周面が第２固定ロープカバー８２に覆われることによって、巻上機４から第２つり車５２まで延びているロープ３の部分の水平方向の移動が制限される。

【0035】

かご１およびつり合いおもり２の位置に関わりなく、第１固定ロープカバー８１および第２固定ロープカバー８２に付けられている広告は、昇降路６の外部から目視可能である。

【0036】

以上説明したように、実施の形態１に係るシースルーエレベーターは、一端部が昇降路６に接続され、他端部がかご１に接続され、ロープ３の外周面を覆う第１ロープカバー７１を備えている。第１ロープカバー７１は、上下方向Ａに伸縮可能となっており、上下方向Ａの第１ロープカバー７１の寸法は、かご１の昇降にともなって変化する。この構成によれば、昇降路６の天井からかご１の滑車１２まで延びているロープ３の部分の劣化が抑制される。その結果、ロープ３の劣化を抑制することができる。

【0037】

また、実施の形態１に係るシースルーエレベーターは、一端部が第１つり車５１を介して昇降路６に接続され、他端部がかご１に接続され、ロープ３の外周面を覆う第２ロープカバー７２を備えている。第２ロープカバー７２は、上下方向Ａに伸縮可能となっており、上下方向Ａの第２ロープカバー７２の寸法は、かご１の昇降にともなって変化する。この構成によれば、かご１の滑車１２から第１つり車５１まで延びているロープ３の部分の劣化が抑制される。その結果、ロープ３の劣化を抑制することができる。

【0038】

また、実施の形態１に係るシースルーエレベーターは、一端部が第２つり車５２を介して昇降路６に接続され、他端部がつり合いおもり２に接続され、ロープ３の外周面を覆う第３ロープカバー７３を備えている。第３ロープカバー７３は、上下方向Ａに伸縮可能となっており、上下方向Ａの第３ロープカバー７３の寸法は、つり合いおもり２の昇降にともなって変化する。この構成によれば、第２つり車５２からつり合いおもり２まで延びているロープ３の部分の劣化が抑制される。その結果、ロープ３の劣化を抑制することができる。

【0039】

また、実施の形態１に係るシースルーエレベーターは、一端部が昇降路６に接続され、他端部がつり合いおもり２に接続され、ロープ３の外周面を覆う第４ロープカバー７４を備えている。第４ロープカバー７４は、上下方向Ａに伸縮可能となっており、上下方向Ａの第４ロープカバー７４の寸法は、つり合いおもり２の昇降にともなって変化する。この構成によれば、つり合いおもり２から昇降路６の天井まで延びているロープ３の部分の劣化が抑制される。その結果、ロープ３の劣化を抑制することができる。

【0040】

それぞれの固定ロープカバー８の構造は、蛇腹構造となっている。これにより、それぞれの固定ロープカバー８を簡単に構成することができる。

【0041】

第１ロープカバー７１の一端部は、昇降路６に対して着脱可能となっており、第１ロープカバー７１の他端部は、かご１に対して着脱可能となっている。この構成によれば、第１ロープカバー７１を簡単に交換することができる。

【0042】

第２ロープカバー７２の一端部は、第１つり車５１に対して着脱可能となっており、第２ロープカバー７２の他端部は、かご１に対して着脱可能となっている。この構成によれば、第２ロープカバー７２を簡単に交換することができる。

【0043】

第３ロープカバー７３の一端部は、第２つり車５２に対して着脱可能となっており、第３ロープカバー７３の他端部は、つり合いおもり２に対して着脱可能となっている。この構成によれば、第３ロープカバー７３を簡単に交換することができる。

【0044】

第４ロープカバー７４の一端部は、昇降路６に対して着脱可能となっており、第４ロープカバー７４の他端部は、つり合いおもり２に対して着脱可能となっている。この構成によれば、第４ロープカバー７４を簡単に交換することができる。

【0045】

それぞれロープカバー７は、紫外線の透過を抑制する材料から構成されている。これにより、紫外線によるロープ３の劣化を抑制することができる。

【0046】

第１ロープカバー７１および第２ロープカバー７２のそれぞれには、広告が付けられており、昇降方向の広告の寸法は、かご１の昇降にともなって変化する。これにより、かご１が昇降路６における下部に配置された場合には、第１ロープカバー７１および第２ロープカバー７２のそれぞれに付けられている広告を、昇降路６の外部から目視可能にすることができる。

【0047】

第３ロープカバー７３および第４ロープカバー７４のそれぞれには、広告が付けられており、昇降方向の広告の寸法は、つり合いおもり２の昇降にともなって変化する。これにより、つり合いおもり２が昇降路６における下部に配置された場合には、第３ロープカバー７３および第４ロープカバー７４のそれぞれに付けられている広告を、昇降路６の外部から目視可能にすることができる。

【0048】

なお、実施の形態１では、シースルーエレベーターが機械室レスエレベーターである構成について説明した。しかしながら、シースルーエレベーターは、機械室を有するエレベーターであってもよい。シースルーエレベーターが機械室を有するエレベーターである場合には、昇降路６と機械室との間の床に形成されロープ３が通る貫通孔に、ロープカバー７の一端部が挿入されてもよい。

【0049】

また、実施の形態１では、シースルーエレベーターが２：１ローピングのエレベーターである構成について説明した。しかしながら、シースルーエレベーターは、１：１ローピングのエレベーターであってもよい。

【0050】

また、実施の形態１では、第１ロープカバー７１の一端部が昇降路６に接触して配置された構成について説明した。しかしながら、第１ロープカバー７１の一端部は、昇降路６に取り付けられた部材を介して昇降路６に接続されてもよい。また、実施の形態１では、第１ロープカバー７１の他端部がかご１に接触して配置された構成について説明した。しかしながら、第１ロープカバー７１の他端部は、かご１に取り付けられた部材を介してかご１に接続されてもよい。

【0051】

また、実施の形態１では、第２ロープカバー７２の一端部が第１つり車５１を介して昇降路６に接続された構成について説明した。しかしながら、第２ロープカバー７２の一端部は、昇降路６に接触して配置されてもよい。また、実施の形態１では、第２ロープカバー７２の他端部がかご１に接触して配置された構成について説明した。しかしながら、第２ロープカバー７２の他端部は、かご１に取り付けられた部材を介してかご１に接続されてもよい。

【0052】

また、実施の形態１では、第３ロープカバー７３の一端部が第２つり車５２を介して昇降路６に接続された構成について説明した。しかしながら、第３ロープカバー７３の一端部は、昇降路６に接触して配置されてもよい。また、実施の形態１では、第３ロープカバー７３の他端部がつり合いおもり２に接触して配置された構成について説明した。しかしながら、第３ロープカバー７３の他端部は、つり合いおもり２に取り付けられた部材を介してつり合いおもり２に接続されてもよい。

【0053】

また、第４ロープカバー７４の一端部が昇降路６に接触して配置された構成について説明した。しかしながら、第４ロープカバー７４の一端部は、昇降路６に取り付けられた部材を介して昇降路６に接続されてもよい。また、実施の形態１では、第４ロープカバー７４の他端部がつり合いおもり２に接触して配置された構成について説明した。しかしながら、第４ロープカバー７４の他端部は、つり合いおもり２に取り付けられた部材を介してつり合いおもり２に接続されてもよい。

【符号の説明】

【0054】

１ かご（移動体）、２ つり合いおもり（移動体）、３ ロープ、４ 巻上機、５ つり車、６ 昇降路、７ ロープカバー、８ 固定ロープカバー、１１ かご本体、１２ 滑車、２１ おもり本体、２２ 滑車、５１ 第１つり車、５２ 第２つり車、７１ 第１ロープカバー、７２ 第２ロープカバー、７３ 第３ロープカバー、７４ 第４ロープカバー、８１ 第１固定ロープカバー、８２ 第２固定ロープカバー。

【図1】