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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】活性汚泥処理設備の改造方法
(51)【国際特許分類】
   C02F 3/12 20230101AFI20240705BHJP
   C02F 1/44 20230101ALI20240705BHJP
【FI】
C02F3/12 Z
C02F3/12 S
C02F1/44 F
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020124665
(22)【出願日】2020-07-21
(65)【公開番号】P2022021204
(43)【公開日】2022-02-02
【審査請求日】2023-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】矢次 壮一郎
(72)【発明者】
【氏名】永江 信也
(72)【発明者】
【氏名】松林 由樹
【審査官】山崎 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-104780(JP,A)
【文献】特開2000-263093(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 3/28
1/44
B01D 53/22
61/00-71/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理水の活性汚泥処理を実施可能な第一生物処理槽と、前記第一生物処理槽において活性汚泥処理して得られた処理水と活性汚泥とを分離可能な固液分離槽と、を備える活性汚泥処理設備を、被処理水の活性汚泥処理を実施可能な第二生物処理槽と、前記第一生物処理槽を改造して設けられる改造槽と、を備える活性汚泥処理設備に改造する、活性汚泥処理設備の改造方法であって、
前記第二生物処理槽を新たに設け、当該第二生物処理槽と前記固液分離槽とを流体連通させる新設工程と、
前記新設工程より後に、前記第一生物処理槽を改造して前記改造槽を設ける改造工程と、
前記改造槽と前記第二生物処理槽とを流体連通させる接続工程と、を含み、
前記改造工程の実施中に、前記活性汚泥処理設備に流入する被処理水を前記固液分離槽に受け入れるとともに、当該被処理水と活性汚泥とを前記固液分離槽と前記第二生物処理槽との間で循環させながら当該被処理水の活性汚泥処理を実施する活性汚泥処理設備の改造方法。
【請求項2】
前記新設工程の前に、前記第一生物処理槽に流入する被処理水中のし渣を分離可能なし渣分離装置を新たに設け、当該し渣分離装置を前記第一生物処理槽と流体連通させるし渣分離装置設置工程をさらに含む請求項1に記載の活性汚泥処理設備の改造方法。
【請求項3】
前記改造工程の実施中に、前記固液分離槽は、前記第二生物処理槽に対する被処理水の流量を調整可能な流量調整槽として機能する請求項1または2に記載の活性汚泥処理設備の改造方法。
【請求項4】
前記接続工程の後に、前記改造槽は、少なくとも、前記第二生物処理槽に対する被処理水の流量を調整可能な流量調整槽として機能する請求項1~3のいずれか一項に記載の活性汚泥処理設備の改造方法。
【請求項5】
前記第二生物処理槽は、膜分離装置を有する請求項1~4のいずれか一項に記載の活性汚泥処理設備の改造方法。
【請求項6】
被処理水の活性汚泥処理を実施可能な第一生物処理槽と、前記第一生物処理槽において活性汚泥処理して得られた処理水と活性汚泥とを分離可能な固液分離槽と、を備える活性汚泥処理設備を、被処理水の活性汚泥処理を実施可能な第二生物処理槽と、前記第一生物処理槽を改造して設けられる改造槽と、を備える活性汚泥処理設備に改造する、活性汚泥処理設備の改造方法であって、
前記第二生物処理槽を新たに設ける新設工程と、
前記新設工程より後に、前記第一生物処理槽の活性汚泥を前記第二生物処理槽に移送し、前記第一生物処理槽を改造して前記改造槽を設ける改造工程と、
前記改造槽と前記第二生物処理槽とを流体連通させる接続工程と、
前記新設工程において設けた前記第二生物処理槽のうちの一部を撤去する撤去工程と、を含み、
前記改造工程の実施中に、前記活性汚泥処理設備に流入する被処理水の活性汚泥処理を、前記第二生物処理槽において実施し、
前記新設工程において設けられる前記第二生物処理槽は、改造後の前記活性汚泥処理設備において必要とされる活性汚泥処理能力を有する常設部分と、前記撤去工程において撤去可能な仮設部分と、を有し、
前記撤去工程において撤去される前記第二生物処理槽のうちの前記一部は、前記仮設部分である活性汚泥処理設備の改造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性汚泥処理設備の改造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下水処理場における活性汚泥処理設備は、処理能力の適正化や老朽化した設備の置き換えなどを目的として、設備の更新が求められる場合がある。かかる更新に際しては、必要な用地、設備、および費用をできる限り抑制することが望ましい。
【0003】
たとえば、特開2004-321862号公報(特許文献1)では、最終沈殿池を最初沈殿池または流量調整槽に転用することを特徴とする下水処理場の更新方法が開示されている。特許文献1の技術では、オキシデーションディッチ法による活性汚泥処理設備を膜分離活性汚泥処理設備に更新するにあたり、使用しなくなった最終沈殿池を別の用途に転用することによって、既存の設備を有効に活用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-321862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1では、更新前後の設備構成については検討されていたが、その具体的な更新の手順については検討されていなかった。特に、下水処理場の運転を停止することは、周辺の住民生活や産業活動などに多大な影響を与えうるため、これを回避または抑制することが求められるところ、特許文献1ではそのための方策が示されていなかった。
【0006】
そこで、活性汚泥処理設備の運転を停止することを回避または抑制しうる活性汚泥処理設備の改造方法の実現が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る活性汚泥処理設備の第一の改造方法は、被処理水の活性汚泥処理を実施可能な第一生物処理槽と、前記第一生物処理槽において活性汚泥処理して得られた処理水と活性汚泥とを分離可能な固液分離槽と、を備える活性汚泥処理設備を、被処理水の活性汚泥処理を実施可能な第二生物処理槽と、前記第一生物処理槽を改造して設けられる改造槽と、を備える活性汚泥処理設備に改造する、活性汚泥処理設備の改造方法であって、前記第二生物処理槽を新たに設け、当該第二生物処理槽と前記固液分離槽とを流体連通させる新設工程と、前記新設工程より後に、前記第一生物処理槽を改造して前記改造槽を設ける改造工程と、前記改造槽と前記第二生物処理槽とを流体連通させる接続工程と、を含み、前記改造工程の実施中に、前記活性汚泥処理設備に流入する被処理水を前記固液分離槽に受け入れるとともに、当該被処理水と活性汚泥とを前記固液分離槽と前記第二生物処理槽との間で循環させながら当該被処理水の活性汚泥処理を実施することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る活性汚泥処理設備の第二の改造方法は、被処理水の活性汚泥処理を実施可能な第一生物処理槽と、前記第一生物処理槽において活性汚泥処理して得られた処理水と活性汚泥とを分離可能な固液分離槽と、を備える活性汚泥処理設備を、被処理水の活性汚泥処理を実施可能な第二生物処理槽と、前記第一生物処理槽を改造して設けられる改造槽と、を備える活性汚泥処理設備に改造する、活性汚泥処理設備の改造方法であって、前記第二生物処理槽を新たに設ける新設工程と、前記新設工程より後に、前記第一生物処理槽の活性汚泥を前記第二生物処理槽に移送し、前記第一生物処理槽を改造して前記改造槽を設ける改造工程と、前記改造槽と前記第二生物処理槽とを流体連通させる接続工程と、前記新設工程において設けた前記第二生物処理槽のうちの一部を撤去する撤去工程と、を含み、前記改造工程の実施中に、前記活性汚泥処理設備に流入する被処理水の活性汚泥処理を、前記第二生物処理槽において実施し、前記新設工程において設けられる前記第二生物処理槽は、改造後の前記活性汚泥処理設備において必要とされる活性汚泥処理能力を有する常設部分と、前記撤去工程において撤去可能な仮設部分と、を有し、前記撤去工程において撤去される前記第二生物処理槽のうちの前記一部は、前記仮設部分であることを特徴とする。
【0009】
これらの構成によれば、第一生物処理槽を改造する改造工程の実施中に、第二生物処理槽を用いて活性汚泥処理を継続できるので、改造の開始から完了までの間に活性汚泥処理設備の運転を停止することを回避または抑制しうる。
【0010】
以下、本発明の好適な態様について説明する。ただし、以下に記載する好適な態様例によって、本発明の範囲が限定されるわけではない。
【0011】
本発明に係る活性汚泥処理設備の改造方法は、一態様として、前記新設工程の前に、前記第一生物処理槽に流入する被処理水中のし渣を分離可能なし渣分離装置を新たに設け、当該し渣分離装置を前記第一生物処理槽と流体連通させるし渣分離装置設置工程をさらに含むことが好ましい。
【0012】
この構成によれば、新設工程に先立ってし渣分離装置を設けるので、新設工程の実施と並行して汚泥中のし渣を低減できる。これによって、新設工程が完了した後、第二生物処理槽による活性汚泥処理を速やかに開始しうる。
【0013】
本発明に係る活性汚泥処理設備の改造方法は、一態様として、前記改造工程の実施中に、前記固液分離槽は、前記第二生物処理槽に対する被処理水の流量を調整可能な流量調整槽として機能することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、固液分離槽を一時的に流量調整槽として機能させることによって、第二生物処理槽の処理能力を過大にすることなく被処理水の流入量の変動に対応できる。
【0015】
本発明に係る活性汚泥処理設備の改造方法は、一態様として、前記接続工程の後に、前記改造槽は、少なくとも、前記第二生物処理槽に対する被処理水の流量を調整可能な流量調整槽として機能することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、改造後の活性汚泥処理設備において改造槽を流量調整槽として機能させることによって、第二生物処理槽に求められる処理能力を抑制しうる。
【0017】
本発明に係る活性汚泥処理設備の改造方法は、一態様として、前記第二生物処理槽は、膜分離装置を有することが好ましい。
【0018】
この構成によれば、改造後の活性汚泥処理方法として能力の調整が容易な膜分離活性汚泥処理法を採用できるので、現地の要求能力の実情に応じた改造を行いやすい。
【0019】
本発明のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】改造前の既設の活性汚泥処理設備の概略図である。
図2】改造後の活性汚泥処理設備の概略図である。
図3】第一の改造方法の実施形態の途中状態を示す概略図である。
図4】第一の改造方法の実施形態の途中状態を示す概略図である。
図5】第一の改造方法の実施形態の途中状態を示す概略図である。
図6】第一の改造方法の実施形態の途中状態を示す概略図である。
図7】第二の改造方法の実施形態の途中状態を示す概略図である。
図8】第二の改造方法の実施形態の途中状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る活性汚泥処理設備の二通りの改造方法の実施形態について、図面を参照して説明する。以下では、本発明に係る活性汚泥処理設備の各改造方法を、オキシデーションディッチ1と最終沈殿池2とを備える活性汚泥処理設備10(既設の活性汚泥処理設備10、という場合がある。)を、し渣分離装置3、改造槽4、好気槽5、および薬液洗浄装置6を備える活性汚泥処理設備20(改造後の活性汚泥処理設備20、という場合がある。)に改造する改造方法に適用した実施形態について説明する。なお、以下の説明において、「被処理水」の用語は、活性汚泥処理の対象となる水(下水など)を意味し、「処理水」の用語は、被処理水に対して活性汚泥処理を施して河川などに放流可能な水質になった水を意味する。
【0022】
〔既設の活性汚泥処理設備の構成〕
既設の活性汚泥処理設備10は、オキシデーションディッチ1(第一生物処理槽の例)と最終沈殿池2(固液分離槽の例)とを備える(図1)。
【0023】
オキシデーションディッチ1は、活性汚泥処理設備10に流入する被処理水W1を受容し、被処理水W1を活性汚泥と混合して活性汚泥処理を実施するための槽である。活性汚泥と混合された被処理水W1は、オキシデーションディッチ1の循環流路1aに沿って循環し、当該循環の間に曝気されて活性汚泥処理が実施される。
【0024】
最終沈殿池2は、オキシデーションディッチ1において活性汚泥処理を受けた被処理水W1および活性汚泥の移送を受ける槽である。最終沈殿池2において、活性汚泥が槽の下方に沈降し、上澄みとして処理水W2が得られる。すなわち、最終沈殿池2では、重力を駆動力とする固液分離が行われる。
【0025】
〔改造後の活性汚泥処理設備の構成〕
改造後の活性汚泥処理設備20は、し渣分離装置3、改造槽4、好気槽5(第二生物処理槽の例)、および薬液洗浄装置6を備える(図2)。活性汚泥処理設備10との関係で言えば、し渣分離装置3、好気槽5、および薬液洗浄装置6は新設されたものであり、改造槽4はオキシデーションディッチ1を改造して得られたものである。
【0026】
好気槽5は、槽本体5aおよび補機ユニット5bを有し、槽本体5aには膜分離装置51が設けられている。好気槽5は、活性汚泥と混合された被処理水W1を曝気して活性汚泥処理を実施するとともに、膜分離装置51によって活性汚泥をろ別して処理水W2のみを排出できるように構成されている。好気槽5および膜分離装置51としては、膜分離活性汚泥法に用いられる公知の装置を用いることができる。なお、好気槽5と改造槽4との間には、移送配管54とオーバーフロー配管55とが設けられる。
【0027】
また、膜分離装置51の破損を防ぐために、好気槽5に流入する被処理水W1から、粒子径が比較的大きい異物をあらかじめ取り除く必要がある。これに鑑み、微細目スクリーン(目開き1mm)を有するし渣分離装置3が設けられている。加えて、膜分離装置51を定期的に洗浄する必要があるため、当該洗浄に用いる薬液洗浄装置6が設けられている。し渣分離装置3および薬液洗浄装置6としては、膜分離活性汚泥法を実施する際に付属的に設けられる公知の装置を使用できる。
【0028】
改造槽4は、オキシデーションディッチ1を改造して、膜分離活性汚泥法に用いられる、流量調整槽としての機能と、無酸素槽(嫌気槽)としての機能と、を果たすことができるように構成した槽である。具体的には、改造槽4は、オキシデーションディッチ1に対して、コンクリート防食塗装、隔壁の追加、槽上部の形状の変更、などの処置を施して得られた槽である。
【0029】
〔第一の改造方法の実施形態〕
まず、本発明に係る活性汚泥処理設備の第一の改造方法の実施形態について説明する。当実施形態に係る改造方法は、し渣分離装置設置工程S11、新設工程S21、改造工程S31、および接続工程S41を含む。
【0030】
し渣分離装置設置工程S11は、既設の活性汚泥処理設備10に隣接する空地に、し渣分離装置3を新たに設ける工程である(図3)。また、し渣分離装置設置工程S11では、新たに設けたし渣分離装置3を、既設のオキシデーションディッチ1と流体連通させる(配管31)。改造に着手する前の活性汚泥処理設備10では、活性汚泥処理設備10に流入する被処理水W1は、オキシデーションディッチ1に直接流入しているが、し渣分離装置3を設けてこれをオキシデーションディッチ1と流体連通させたあとは、活性汚泥処理設備10に流入する被処理水W1が、し渣分離装置3を経由してオキシデーションディッチ1に流入するように、流入経路を切り替える。この手順により、オキシデーションディッチ1に流入する被処理水W1から、粒子径が比較的大きい異物(約1mm以上の異物)が取り除かれるようになる。
【0031】
新設工程S21は、既設の活性汚泥処理設備10に隣接する空地に好気槽5(槽本体5aおよび補機ユニット5b)を新たに設ける工程である(図4)。また、新設工程S21では、新たに設けた好気槽5を、既設の最終沈殿池2と流体連通させる。より具体的には、好気槽5と最終沈殿池2との間に、被処理水W1および活性汚泥を最終沈殿池2から好気槽5へ移送するための移送配管52と、好気槽5においてオーバーフローした被処理水W1を最終沈殿池2に戻すオーバーフロー配管53と、が設けられ、これらの配管によって好気槽5と最終沈殿池2とが流体連通する。
【0032】
新設工程S21に先立ってし渣分離装置設置工程S11を実施しているので、新設工程S21の工期中に活性汚泥処理設備10に流入する被処理水W1は、し渣分離装置3を経由してオキシデーションディッチ1に流入する。これによって、新設工程S21の実施中(たとえば、約3ヶ月間)に、オキシデーションディッチ1および最終沈殿池2に蓄積するし渣の量が徐々に低減される。また同時に、オキシデーションディッチ1の運転条件を変更して、活性汚泥浮遊物質濃度(MLSS濃度)を2000~3000mg/Lから1000~2000mg/Lに引き下げる。さらに、最終沈殿池2からオキシデーションディッチ1への返送汚泥ポンプの回転数制御のSV値を最大とするなどして返送汚泥率を引き上げて、最終沈殿池2の汚泥界面を引き下げる。
【0033】
改造工程S31は、オキシデーションディッチ1を改造して改造槽4を設ける工程である。前述のように、具体的には、オキシデーションディッチ1に対して、コンクリート防食塗装、隔壁の追加、槽上部の形状の変更、などの処置を施す。
【0034】
改造工程S31の実施にあたり、まず、オキシデーションディッチ1への被処理水W1の流入が少ない時間帯(たとえば夜間)に、被処理水W1の受け入れを一時的に停止する。そして、当該停止中に、最終沈殿池2に仮設の排水ポンプを設け、最終沈殿池2に貯留されている処理水W2を汚泥界面付近まで排出する。ここで用いる排水ポンプは、最終沈殿池2の上部から設置可能なものであると、使用後の撤去が容易であるため好ましい。ここで、新設工程S21の実施中に最終沈殿池2の汚泥界面が引き下げられており、すなわち、最終沈殿池2に貯留されている処理水W2および活性汚泥のうち処理水W2が占める割合が高い状態になっている。このため、最終沈殿池2を空にする操作の全体に対する、処理水W2を排出する操作が占める割合を大きくできる。これは、処理水W2(液体)を排出する操作が活性汚泥(固液混合物)を移送する操作より簡単であることから、最終沈殿池2を空にする操作の全体を容易化することに繋がる。
【0035】
次に、最終沈殿池2の底部に溜まっている活性汚泥の一部を好気槽5に移送する。これは、当該活性汚泥を、好気槽5における活性汚泥処理に用いる種汚泥とするためである。その後、最終沈殿池2の底部に溜まっている活性汚泥の残りをオキシデーションディッチ1に移送する。以上の手順により、最終沈殿池2が空になるため、最終沈殿池2を流量調整槽として機能させることができるようになる。
【0036】
なおこのとき、最終沈殿池2に、槽内の被処理水W1を攪拌可能なミキサーや槽内の被処理水W1の水位を測定可能な水位計などの機器を設ける。ここで設けられる各種の機器が最終沈殿池2の上部から設置可能なものであると、使用後の撤去が容易であるため好ましい。また、これらの機器は、改造工程S31の実施後に改造槽4に移設可能なものであると、用意すべき機器の総数を減らせる点で好ましい。
【0037】
また、このとき、好気槽5に活性汚泥が移送されるため、好気槽5において被処理水W1の活性汚泥処理を実施できるようになる。なお、前述のように、活性汚泥処理設備10に流入する被処理水W1は、し渣分離装置3を経由してオキシデーションディッチ1に流入するようにしたことによって、最終沈殿池2に蓄積するし渣の量が低減されているので、最終沈殿池2の底部に溜まっている活性汚泥を、好気槽5における活性汚泥処理にそのまま用いることができる。すなわち、最終沈殿池2の底部に溜まっている活性汚泥を好気槽5に移送する前に、除塵作業を行う必要がない。
【0038】
続いて、活性汚泥処理設備10に流入する被処理水W1が、し渣分離装置3を経由して最終沈殿池2に流入するように、流入経路を切り替える(図5、配管32)。その後、活性汚泥処理設備10への被処理水W1の受け入れを再開する。以後、最終沈殿池2に受容された被処理水W1は、移送配管52を通じて好気槽5へ移送され、好気槽5において活性汚泥処理される。そして、膜分離装置51によって活性汚泥と処理水W2とがろ別され、処理水W2のみが排出される。このとき最終沈殿池2は、膜分離活性汚泥法に用いられる、流量調整槽としての機能と、無酸素槽としての機能と、を果たす。なお、被処理水W1がし渣分離装置3を経由して最終沈殿池2に流入するように構成されているので、当該被処理水W1は、膜分離装置51による膜分離処理に適した水質になっている。
【0039】
このように、改造工程S31の実施中に活性汚泥処理設備10に流入する被処理水W1を、最終沈殿池2と好気槽5とを用いて活性汚泥処理できる。すなわち、オキシデーションディッチ1に被処理水W1を受容する必要がなくなるので、オキシデーションディッチ1の改造に着手できる。具体的には、まずオキシデーションディッチ1内の被処理水W1および活性汚泥を排出し、続いて隔壁の追加などの土木改造処置を施すとともに攪拌装置などの機器を設置して、オキシデーションディッチ1を改造した改造槽4を設ける。なお、このときオキシデーションディッチ1から排出される被処理水W1および活性汚泥は、好気槽5を用いて活性汚泥処理してから搬出してもよいし、そのまま搬出して他の下水処理設備において処理してもよい。
【0040】
接続工程S41は、改造工程S31において設けられた改造槽4と、好気槽5とを、移送配管54およびオーバーフロー配管55によって流体連通させる工程である。ここで、移送配管54は被処理水W1および活性汚泥を改造槽4から好気槽5へ移送するための配管であり、オーバーフロー配管55は好気槽5においてオーバーフローした被処理水W1を改造槽4に戻すための配管である。また、活性汚泥処理設備20に流入する被処理水W1が、し渣分離装置3を経由して改造槽4に流入するように、し渣分離装置3と改造槽4とを流体連通させる(配管31)。なおこのとき、移送配管52およびオーバーフロー配管53を最終沈殿池2から切り離し、最終沈殿池2を活性汚泥処理が行われる系から分離する(図6)。
【0041】
なお、接続工程S41において改造槽4と好気槽5とを流体連通させることは、オキシデーションディッチ1の改造の後に、改造槽4と好気槽5との間で被処理水W1および活性汚泥を移送することが可能な状態を実現することを意味する。そのため、接続工程S41は、接続工程S41において移送配管54およびオーバーフロー配管55を設置するという態様に限られず、たとえば、接続工程S41より前に設置した移送配管54およびオーバーフロー配管55をバルブなどで一時的に封止しておき、接続工程S41において当該封止を解除して改造槽4と好気槽5とを流体連通させる、という態様でもありうる。この態様の例としては、好気槽5の設置と同時(すなわち、接続工程S41より前)に、オキシデーションディッチ1と好気槽5を流体連通させる配管として移送配管54およびオーバーフロー配管55を設置する態様が挙げられる。この場合、オキシデーションディッチ1の改造に着手するにあたってオキシデーションディッチ1内の被処理水W1および活性汚泥を排出するときに、すでに移送配管54が設置されているので、移送配管54を通じて被処理水W1および活性汚泥を好気槽5に移送できる。
【0042】
活性汚泥処理設備20の運転にあたっては、活性汚泥処理設備20に流入する被処理水W1が、し渣分離装置3を経由して改造槽4に流入する。ここで改造槽4は、膜分離活性汚泥法に用いられる、流量調整槽としての機能と、無酸素槽としての機能と、を果たす。ここで、被処理水W1がし渣分離装置3を経由して改造槽4に流入するように構成されているので、被処理水W1は、膜分離装置51による膜分離処理に適した水質になっている。また、改造槽4は、改造前はオキシデーションディッチ1であった槽であるので、活性汚泥処理設備20に流入する被処理水W1の時間当たりの量に対して十分な容量を有する。
【0043】
被処理水W1は、移送配管54を通じて改造槽4から好気槽5へ移送され、好気槽5において活性汚泥処理される。そして、膜分離装置51によって活性汚泥と処理水W2とがろ別され、処理水W2のみが排出される。なお、好気槽5においてオーバーフローが生じた場合は、当該オーバーフローは、オーバーフロー配管55を通じて好気槽5から改造槽4へ移送される。
【0044】
また、この時点において、最終沈殿池2を運転する必要がなくなっているので、最終沈殿池2を空地として活用できる。そこで、当該空地に、膜分離装置51の洗浄に用いる薬液洗浄装置6を設ける。以上の手順によって、し渣分離装置3、改造槽4、好気槽5、および薬液洗浄装置6を備える活性汚泥処理設備20の設置が完了する(図2)。
【0045】
以上の実施形態によれば、改造工程S31の冒頭に被処理水W1の受け入れを一時的に停止する他は、被処理水W1の活性汚泥処理を停止することなく、一連の改造を実施できる。なお、上記の一時的な受け入れ停止は、オキシデーションディッチ1への被処理水W1の流入が少ない時間帯(たとえば夜間)を選択して実施できるので、活性汚泥処理設備10による処理が行われる地域に対する影響は実質的に生じない。また、改造工程S31を実施する際に最終沈殿池2を流量調整槽として機能させることができるので、好気槽5の処理能力を過剰にすることなく、流入する被処理水W1の流量の変動に対応できる。したがって、被処理水W1の活性汚泥処理を実質的に中断することなく活性汚泥処理設備を改造するにあたって、改造完了後に不要となる仮設の設備の導入を回避または抑制できる。また、一連の手順の冒頭にし渣分離装置設置工程S11を設けていることによって、改造工程S31を実施する時点において最終沈殿池2に貯留されている活性汚泥が膜分離装置51による膜分離処理に適した水質になっているので、活性汚泥を除塵する作業を省略しうる。
【0046】
〔第二の改造方法の実施形態〕
次に、本発明に係る活性汚泥処理設備の第二の改造方法の実施形態について説明する。当実施形態に係る改造方法は、し渣分離装置設置工程S12、新設工程S22、改造工程S32、接続工程S42、および撤去工程S52を含む。ここでは、第一の改造方法の実施形態について説明した上記の各工程との相違点について詳細に説明し、上記の各工程との共通部分については説明を省略または簡略化する。
【0047】
し渣分離装置設置工程S12は、上記のし渣分離装置設置工程S11と同様である。
【0048】
新設工程S22は、既設の活性汚泥処理設備10に隣接する空地に好気槽5(槽本体5aおよび補機ユニット5b)を新たに設ける工程であり、この点において上記の新設工程S21と同様である。しかし、上記の新設工程S21では、新たに設けた好気槽5を既設の最終沈殿池2と流体連通させるのに対し、本実施形態に係る新設工程S22では、活性汚泥処理設備10に流入した被処理水W1がし渣分離装置3を経由して好気槽5に流入するように配管33を設ける。
【0049】
本実施形態に係る新設工程S22では、好気槽5を設ける際に、膜分離装置51(常設部分の例)に加えて、仮設膜分離装置56(仮設部分の例)を設ける(図7)。ここで、膜分離装置51は一連の改造が完了した後も継続して使用するものであり、好気槽5は、膜分離装置51のみを有する状態において、改造後の活性汚泥処理設備20において必要とされる活性汚泥処理能力を有する。ここで、必要とされる活性汚泥処理能力とは、改造槽4を流量調整槽として機能させることを前提として、改造槽4から被処理水W1を溢れさせることなく被処理水W1の活性汚泥処理を実施できる能力をいう。すなわち、必ずしも、被処理水W1の流入量の最大値を超える活性汚泥処理能力でなくてもよい。また、改造を行うにあたり、必要な活性汚泥処理能力の水準が見直されうる。たとえば、人口減少などの要因により、活性汚泥処理設備10が設置された時点において必要とされていた活性汚泥処理能力が、現在の使用状況に鑑みて過大となっている場合がある。この場合、過大な活性汚泥処理能力を最適化するために、改造前に比べて活性汚泥処理能力を減少させた活性汚泥処理設備20を設ける。
【0050】
一方、仮設膜分離装置56は、改造槽4を流量調整槽として機能させることができるようになった段階で撤去してもよいものである。改造工程の実施中の被処理水W1の処理について、第一の改造方法の実施形態では、最終沈殿池2を流量調整槽として機能させることによって被処理水W1の流入量の変動に対応するのに対し、本実施形態では、改造工程の実施中に流量調整槽として機能する槽が存在しない。そこで本実施形態では、膜分離装置51に加えて、仮設膜分離装置56を設けることによって好気槽5の処理能力を一時的に増強し、被処理水W1の流入量の変動に対応するようにしている。すなわち、好気槽5の、膜分離装置51および仮設膜分離装置56を有するときの活性汚泥処理能力を、オキシデーションディッチ1の活性汚泥処理能力より大きくしてあり、これによって、被処理水W1の流入量が上振れする時間帯であっても、流入する被処理水W1の全量を好気槽5によって処理できる。なお、仮設膜分離装置56の運転に必要な送風機および曝気装置についても、仮設としている。
【0051】
改造工程S32は、オキシデーションディッチ1を改造して改造槽4を設ける工程であり、この点において上記の改造工程S31と同様である。しかし、上記の改造工程S31では、その実施中に活性汚泥処理設備10に流入する被処理水W1を、最終沈殿池2と好気槽5とを用いて活性汚泥処理するのに対し、本実施形態に係る改造工程S32では、その実施中に活性汚泥処理設備10に流入する被処理水W1を、好気槽5のみを用いて活性汚泥処理する(図8)。なお、上記の改造工程S31では、最終沈殿池2の活性汚泥を好気槽5に移送して好気槽5における活性汚泥処理に用いるが、本実施形態に係る改造工程S32では、オキシデーションディッチ1の活性汚泥を好気槽5に移送して好気槽5における活性汚泥処理に用いる。
【0052】
接続工程S42は、上記の接続工程S41と同様である。また、最終沈殿池2の上部に生じた空地に膜分離装置51の洗浄に用いる薬液洗浄装置6を設ける点も同様である。
【0053】
撤去工程S52は、新設工程S22において設けた仮設膜分離装置56などの仮設設備を撤去する工程である。ここで、改造後の好気槽5の活性汚泥処理能力(好気槽5の、仮設膜分離装置56を撤去したのちの活性汚泥処理能力)を、改造前のオキシデーションディッチ1の活性汚泥処理能力より小さくしてあるが、改造槽4を流量調整槽として機能させることによって好気槽5において処理する必要がある被処理水W1の量を平準化してあり、これによって被処理水W1の流量変動に対応できる。以上の手順によって、し渣分離装置3、改造槽4、好気槽5、および薬液洗浄装置6を備える活性汚泥処理設備20の設置が完了する(図2)。
【0054】
なお、接続工程S42と撤去工程S52との実施順序は、上記の例と反対に、撤去工程S52を先に行う手順としてもよい。ただしこの場合、流入する被処理水W1の全量を、仮設膜分離装置56を撤去したのちの好気槽5によって処理できるようにするべく、被処理水W1の流入が少ない時間帯(たとえば夜間)を選択して撤去工程S52を実施する必要がある。
【0055】
以上の実施形態によれば、被処理水W1の活性汚泥処理を一切中断することなく、活性汚泥処理設備を改造できる。また、改造完了後に運用する好気槽5を活用して改造途中の活性汚泥処理を行うので、設備の無駄が少ない。また、一連の手順の冒頭にし渣分離装置設置工程S11を設けていることによって、改造工程S31を実施する時点において最終沈殿池2に貯留されている活性汚泥が膜分離装置51による膜分離処理に適した水質になっているので、活性汚泥を除塵する作業を省略しうる。
【0056】
また、本実施形態によれば、最終沈殿池2の容量が流量調整槽として機能するために必要な容量に満たないことに起因して第一の改造方法を適用することが難しい場合であっても、活性汚泥処理設備を好適に改造できる。この場合であっても、第二の改造方法では、好気槽5の処理能力を一時的に増強して被処理水W1の流量変動に対応しており、最終沈殿池2の容量の影響を受けないためである。
【0057】
なお、上記のいずれの改造方法の実施形態によっても、再び改造が必要になった場合の対処を行いやすい。上記の両実施形態によれば、改造後の活性汚泥処理設備20では最終沈殿池2を使用しないものの、最終沈殿池2自体は薬液洗浄装置6の下に残っているので、第一の改造方法の実施形態における改造工程S31を実施中の運用と同様に、最終沈殿池2を流量調整槽として機能させることができる。これによって、好気槽5の運転を一時的に中止または低減して、好気槽5をさらに改造する作業などを実施できる。また、再改造の際に必ずしも最終沈殿池2を用いなくてもよく、第二の改造方法のように仮設の設備を設けて被処理水W1の流量変動に対応するようにしてもよい。これらの点は、初回の改造方法が第一の改造方法であっても第二の改造方法であっても同様である。
【0058】
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明に係る活性汚泥処理設備の改造方法のその他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0059】
上記の実施形態では、新設工程S21またはS22の前にし渣分離装置設置工程S11を含む実施形態を例として説明した。しかし、本発明に係る活性汚泥処理設備の改造方法において、必ずしも新設工程の前にし渣分離装置設置工程を含まなくてもよい。なお、新設工程の前にし渣分離装置設置工程を含まない場合は、改造工程の実施中に第二生物処理槽を用いて被処理水の活性汚泥処理を実施するにあたり、あらかじめ汚泥の除塵処理を行う必要がある場合がある。
【0060】
上記の実施形態では、既設の活性汚泥処理設備10が備えるオキシデーションディッチ1を改造して改造槽4として転用する構成を例として説明した。しかし、第一生物処理槽における活性汚泥処理の方式は特に限定されず、第一生物処理槽の構成は選択される活性汚泥処理の方式に応じて適宜変更されうる。
【0061】
上記の実施形態では、既設の活性汚泥処理設備10が最終沈殿池2を備える構成を例として説明した。しかし、固液分離槽における固液分離の方式は特に限定されず、固液分離槽の構成は選択される固液分離の方式に応じて適宜変更されうる。
【0062】
上記の実施形態では、改造後の活性汚泥処理設備20が膜分離装置51を有する好気槽5である構成を例として説明した。しかし、第二生物処理槽における活性汚泥処理の方式は特に限定されず、第二生物処理槽の構成は選択される活性汚泥処理の方式に応じて適宜変更されうる。
【0063】
上記の実施形態では、改造槽4が流量調整槽としての機能と無酸素槽としての機能とを果たす構成を例として説明した。しかし、改造槽が果たす機能は、改造後の活性汚泥処理設備において選択される活性汚泥処理の方式に応じて適宜選択されうる。たとえば、改造槽が流量調整槽としての機能のみを果たすように構成してもよい。なお、この点は、第一の改造方法の改造工程の実施中に最終沈殿池が果たす機能についても同様である。
【0064】
上記の第二の改造方法の実施形態では、膜分離装置51に加えて仮設膜分離装置56を設けることによって好気槽5の処理能力を一時的に増強し、被処理水W1の流入量の変動に対応する構成を例として説明した。しかし、本発明に係る第二の改造方法において、常設部分と仮設部分とを有する第二生物処理槽を設ける方法は、上記の例に限定されない。たとえば、仮設膜分離装置56を設けることに替えて、好気槽5(槽本体5a)(常設部分の例)とは別に、好気槽5(槽本体5a)と同様に槽と膜分離装置とが一体になった仮設ユニット(仮設部分)を一時的に増設する方法によって、被処理水の流入量の変動に対応してもよい。
【0065】
その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、たとえばオキシデーションディッチと最終沈殿池とを備える活性汚泥処理設備を改造する方法に利用することができる。
【符号の説明】
【0067】
10 :既設の活性汚泥処理設備
20 :改造後の活性汚泥処理設備
1 :オキシデーションディッチ
1a :循環流路
2 :最終沈殿池
3 :渣分離装置
31 :配管
32 :配管
33 :配管
4 :改造槽
5 :好気槽
5a :槽本体
5b :補機ユニット
51 :膜分離装置
52 :移送配管
53 :オーバーフロー配管
54 :移送配管
55 :オーバーフロー配管
56 :仮設膜分離装置
6 :薬液洗浄装置
W1 :被処理水
W2 :処理水
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8