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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】接着装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20240705BHJP
   G03G 15/22 20060101ALI20240705BHJP
   B65H 37/04 20060101ALI20240705BHJP
   B65H 45/12 20060101ALI20240705BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
G03G21/00 370
G03G15/22 103Z
B65H37/04 A
B65H45/12
G03G15/00 431
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020130772
(22)【出願日】2020-07-31
(65)【公開番号】P2022027017
(43)【公開日】2022-02-10
【審査請求日】2023-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松田 考平
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 拓
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 俊
(72)【発明者】
【氏名】嶋野 努
(72)【発明者】
【氏名】西沢 祐樹
【審査官】佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-181027(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0260977(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0292030(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/00
G03G 15/01
G03G 15/22
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真プロセスにより、搬送されるシートに粉末接着剤の接着剤像を形成する像形成手段と、
前記シートの搬送方向と直交する幅方向の一部に対応する接着区間の像形成パターンとして、第1搬送期間において第1パターンを使用し、前記第1搬送期間に後続する第2搬送期間において前記第1パターンと異なる第2パターンを使用するように、前記像形成手段を制御する制御手段と、
を備え
前記接着区間は、前記幅方向において前記シートの一端に位置する第1接着区間及び前記シートの他端に位置する第2接着区間を含み、
前記第1パターンは、前記第1接着区間において前記搬送方向に沿って連続的に前記粉末接着剤をシートに付着させ、前記第2接着区間において前記粉末接着剤をシートに付着させないパターンであり、
前記第2パターンは、前記第2接着区間において前記搬送方向に沿って連続的に前記粉末接着剤をシートに付着させ、前記第1接着区間において前記粉末接着剤をシートに付着させないパターンであり、
前記第1搬送期間は、第1シートに接着剤像を形成するための期間であり、前記第2搬送期間は、前記第1シートに後続する第2シートに接着剤像を形成するための期間である、
ことを特徴とする、接着装置。
【請求項2】
前記像形成手段は、電子写真プロセスにより、前記シートにさらにトナー像を形成し、
前記制御手段は、前記第1シート及び前記第2シートに同一のトナー像を形成することが要求される場合に、前記第1シートに形成されるトナー像を180度回転させた回転トナー像を前記第2シートに形成するように、前記像形成手段を制御する、
ことを特徴とする、請求項に記載の接着装置。
【請求項3】
電子写真プロセスにより、搬送されるシートに粉末接着剤の接着剤像を形成する像形成手段と、
前記シートの搬送方向と直交する幅方向の一部に対応する接着区間の像形成パターンとして、第1搬送期間において第1パターンを使用し、前記第1搬送期間に後続する第2搬送期間において前記第1パターンと異なる第2パターンを使用するように、前記像形成手段を制御する制御手段と、
を備え、
前記接着区間は、前記幅方向において少なくとも前記シートの一端に位置し、前記幅方向において少なくとも第1接着区間及び第2接着区間に区分され、
前記第1パターンは、前記第1接着区間において前記搬送方向に沿って連続的に前記粉末接着剤をシートに付着させ、前記第2接着区間において前記粉末接着剤をシートに付着させないパターンであり、
前記第2パターンは、前記第2接着区間において前記搬送方向に沿って連続的に前記粉末接着剤をシートに付着させ、前記第1接着区間において前記粉末接着剤をシートに付着させないパターンである、
ことを特徴とする、接着装置。
【請求項4】
前記接着区間は、隣り合う前記第1接着区間及び前記第2接着区間からなることを特徴とする、請求項に記載の接着装置。
【請求項5】
前記第1搬送期間は、第1シートに接着剤像を形成するための期間であり、前記第2搬送期間は、前記第1シートに後続する第2シートに接着剤像を形成するための期間である、ことを特徴とする、請求項又はに記載の接着装置。
【請求項6】
前記第1搬送期間及び前記第2搬送期間の両方が、1つのシートに接着剤像を形成するための期間に含まれる、ことを特徴とする、請求項又はに記載の接着装置。
【請求項7】
前記像形成手段は、静電潜像が形成される感光体と、前記静電潜像の現像のために前記粉末接着剤を前記感光体へ供給する現像ローラと、を含み、
前記制御手段は、前記第2接着区間では前記第1搬送期間にわたって前記粉末接着剤が前記感光体へ供給されず、前記第1接着区間では前記第2搬送期間にわたって前記粉末接着剤が前記感光体へ供給されないように、前記像形成手段を制御し、
前記第1搬送期間及び前記第2搬送期間の各々の長さは、前記現像ローラの回転周期以上である、
ことを特徴とする、請求項乃至のいずれか1項に記載の接着装置。
【請求項8】
前記像形成手段は、前記現像ローラへ供給される前記粉末接着剤を収容している収容部、をさらに備え、
前記第1搬送期間及び前記第2搬送期間を通じて、前記収容部から前記現像ローラへ前記粉末接着剤が供給される、
ことを特徴とする、請求項に記載の接着装置。
【請求項9】
電子写真プロセスにより、搬送されるシートに粉末接着剤の接着剤像を形成する像形成手段と、
前記シートの搬送方向と直交する幅方向の一部に対応する接着区間の像形成パターンとして、第1搬送期間において第1パターンを使用し、前記第1搬送期間に後続する第2搬送期間において前記第1パターンと異なる第2パターンを使用するように、前記像形成手段を制御する制御手段と、
を備え、
前記接着区間は、前記幅方向において少なくとも前記シートの一端に位置し、前記シートの中央には位置せず、
前記第1搬送期間及び前記第2搬送期間の両方が、1つのシートに接着剤像を形成するための期間に含まれ
前記第1パターン及び前記第2パターンの各々は、前記粉末接着剤が前記シートに付着する区間が前記シートの搬送と共に前記接着区間内で前記幅方向に変位するパターンである、
ことを特徴とする、接着装置。
【請求項10】
前記像形成手段は、電子写真プロセスにより、前記シートにさらにトナー像を形成する、ことを特徴とする、請求項乃至のいずれか1項に記載の接着装置。
【請求項11】
前記像形成手段により前記接着剤像が形成された前記シートを折り畳む折り手段と、
前記折り手段により折り畳まれた前記シートを加熱、かつ、加圧する加熱手段と、
をさらに備えることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の接着装置。
【請求項12】
前記像形成手段により前記接着剤像が形成された前記シートを加熱、かつ、加圧することで、前記シートに前記接着剤像を定着させる定着手段、をさらに備え、
前記折り手段は、前記シートの搬送方向において前記定着手段より下流側に設けられる、
ことを特徴とする、請求項11に記載の接着装置。
【請求項13】
前記加熱手段は、前記接着区間において前記シートに付着した前記粉末接着剤を加熱して再溶融させることにより、折り畳まれた前記シートの対向する領域同士を接着し、
前記幅方向に非接着区間が設けられていることで、前記加熱手段による前記接着の後に前記シートは袋状となる、
ことを特徴とする、請求項11又は12に記載の接着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真プロセスによりシートに粉末接着剤の像を形成する接着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1から特許文献4は、電子写真プロセスによりシートにトナーを付着させてトナー画像を形成すると共に、電子写真プロセスによりシートに粉末接着剤を付着させる装置を開示している。粉末接着剤が付着されたシートは、折り畳まれた後、加熱及び加圧される。これにより、折り畳まれたシートの対向する領域同士が、粉末接着剤により接着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-171607号公報
【文献】特開2007-193004号公報
【文献】特開2008-36957号公報
【文献】特開2008-162029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、シートを折り畳んで袋を形成する場合、シートの搬送方向と直交する幅方向の少なくとも一端を占める区間で、搬送方向において連続してシートに粉末接着剤を付着させる必要がある。これは、現像ローラの回転軸方向(シートの幅方向に対応)の同じ位置から連続して感光体に粉末接着剤を供給することを意味する。現像ローラの回転軸方向の同じ位置から連続して感光体に粉末接着剤を供給すると、現像ローラの当該位置から感光体に供給される粉末接着剤の量が次第に少なくなり、よって、シートに付着する粉末接着剤の量も上記区間において少なくなる。付着した粉末接着剤の量の少ない箇所での接着力は低下するため、成果物である袋の十分な品質が得られない虞がある。
【0005】
本発明は、電子写真プロセスによりシートに粉末接着剤を付着させる場合の接着力の低下を抑制する技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によると、接着装置は、電子写真プロセスにより、搬送されるシートに粉末接着剤の接着剤像を形成する像形成手段と、前記シートの搬送方向と直交する幅方向の一部に対応する接着区間の像形成パターンとして、第1搬送期間において第1パターンを使用し、前記第1搬送期間に後続する第2搬送期間において前記第1パターンと異なる第2パターンを使用するように、前記像形成手段を制御する制御手段と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、電子写真プロセスによりシートに粉末接着剤を付着させる場合の接着力の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態による画像形成装置の構成図。
図2】一実施形態によるプロセスカートリッジの構成図。
図3】一実施形態による折り器における処理の説明図。
図4】一実施形態によるシートに付着される各粉体の位置関係を示す図。
図5】ある成果物に関連する接着区間及び非接着区間の例を示す図。
図6】第1の実施例における像形成パターンの時間的な切替えの例を比較例と対比して示す図。
図7】第2の実施例における像形成パターンの時間的な切替えの例を示す図。
図8】第3の実施例における像形成パターンの時間的な切替えの例を示す図。
図9】第4の実施例における像形成パターンの例を示す図。
図10】第4の実施例における像形成パターンのさらなる例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
<1.装置の概要>
ここでは、接着装置の1つの実施形態として、シートにトナー像及び接着剤像の両方を形成可能な画像形成装置の例を説明する。しかしながら、以下に述べる仕組みは、別段の説明のない限り、シートにトナー像を形成せず接着剤のみを付着させる接着装置にも適用可能である。
【0011】
図1は、本実施形態による、電子写真プロセスにより画像形成を行う画像形成装置1の構成図である。画像形成装置1は、像形成手段である画像形成ユニット10と、後処理ユニット30と、を有する。画像形成ユニット10は、画像データに基づき、予めカセット8に格納され搬送路に沿って搬送されてくるシートPにトナー像を形成し、かつ、シートPに粉末接着剤を付着させる。シートPに付着した粉末接着剤は、ある2次元的なパターンを形成し、その像を接着剤像という。本明細書において、「像」との語は、トナー像及び接着剤像を含むものとする。また、「電子写真プロセス」は、概して、感光体に静電潜像を形成し、静電潜像を粉体で現像して粉体像を生成し、粉体像を感光体からシートへ転写するプロセスをいう。使用される粉体がトナーである場合には、粉体像はトナー像であり、使用される粉体が粉末接着剤である場合には、粉体像は接着剤像である。画像形成ユニット10は、4つのプロセスカートリッジ7n、7y、7m及び7cと、プロセスカートリッジ7n、7y、7m及び7cそれぞれに対応する一次転写ローラ4と、を備えている。各プロセスカートリッジ7n、7y、7m及び7cは、画像形成装置1の交換部品であり、画像形成装置1の本体に対して着脱可能に構成される。
【0012】
各プロセスカートリッジ7n、7y、7m及び7cの構成は同様であり、以下では、纏めてプロセスカートリッジ7と表記する。但し、プロセスカートリッジ7y、7m及び7cと、プロセスカートリッジ7nには、異なる種別の粉体が収納される。具体的には、粉体の種別"トナー"がプロセスカートリッジ7y、7m及び7cに収納され、粉体の種別"粉末接着剤"がプロセスカートリッジ7nに収納される。なお、プロセスカートリッジ7y、7m及び7cに収納されるトナーの色は、それぞれ、イエロー、マゼンタ及びシアンである。
【0013】
図2は、プロセスカートリッジ7の構成図である。プロセスカートリッジ7は、感光体ユニットCCと、現像ユニットDTと、を備えている。感光体ユニットCCは、感光体101と、帯電ローラ102と、クリーニング部材103と、を備え、現像ユニットDTは、図2に示す残りの部材を備えている。感光体101は、像形成時、図の時計回り方向に回転駆動される。帯電ローラ102は、帯電電圧を出力することにより、感光体101の表面を一様な電位に帯電させる。帯電された感光体101の表面は、スキャナユニット2(図1)により発せられるレーザ光に露光され、これにより感光体101に静電潜像が形成される。
【0014】
現像ユニットDTの収容部104は、供給ローラ106及び現像ローラ105へ供給されるべき粉体(トナー又は粉末接着剤)を収容している。搬送部材108は、図の時計回り方向(矢印f方向)に回転駆動される。これにより、収容部104に収納された粉体は、撹拌されると共に、現像室109に搬送される。供給ローラ106は、図の時計回り方向に回転駆動され、粉体を現像ローラ105に供給すると共に、現像ローラ105に残留した粉体を現像ローラ105から剥ぎ取る。現像ブレード107は、現像ローラ105上の粉体の厚みを規制するために設けられる。現像ローラ105は、図の反時計回り方向に回転駆動され、現像電圧を出力する。現像電圧により、現像ローラ105が担持している粉体は感光体101の静電潜像(露光領域)に付着する。即ち、現像ローラ105は、回転しながら粉体を感光体へ供給する。これにより、プロセスカートリッジ7y、7m及び7cの場合には、感光体101に、イエロー、マゼンタ及びシアンのトナー像が形成される。また、プロセスカートリッジ7nの場合には、感光体101に接着剤像が形成される。感光体101は、形成された像(トナー像又は接着剤像)を担持する。以下の説明では、プロセスカートリッジ7y、7m及び7cにより形成されるトナー像と、プロセスカートリッジ7nにより形成される接着剤像と、を纏めて粉体像ということがある。図中には示していないものの、プロセスカートリッジ7は、プロセスカートリッジ7の使用履歴及び粉体の残量といった情報を記憶する不揮発性メモリをさらに備えていてもよい。
【0015】
図1に戻り、各プロセスカートリッジ7に対応して設けられた一次転写ローラ4は、一次転写電圧を出力することで、各感光体101の粉体像を転写ベルト3に転写する。なお、転写ベルト3は、像形成時、図の反時計回り方向(V方向)に回転駆動される。プロセスカートリッジ7y、7m及び7cの各感光体101に形成されたトナー像を重ねて転写ベルト3に転写することで、イエロー、マゼンタ及びシアン以外の色を形成することができる。例えば、黒色は、イエロー、マゼンタ、シアンのトナーを重畳したプロセスブラックとして形成することができる。転写ベルト3に転写された粉体像は、二次転写ローラ5の対向位置に搬送される。
【0016】
カセット8に格納されたシートPは、主搬送路1mに給送され、二次転写ローラ5の対向位置に搬送される。二次転写ローラ5は、二次転写電圧を出力することで、転写ベルト3の粉体像をシートPに転写する。このように、プロセスカートリッジ7、一次転写ローラ4、スキャナユニット2、転写ベルト3及び二次転写ローラ5は、シートPに粉体像を形成する像形成部を構成している。
【0017】
粉体像の転写後、シートPは、第1定着器6に搬送される。第1定着器6は、シートPを加熱し及び加圧することで、シートPに粉体像を定着させる。シートPの両面に粉体像を形成する場合、フラッパ33は、図の点線で示すように、第1排出ローラ34aと中間ローラ34bとの間のニップ部にシートPを導く向きに設定される。そして、シートPは、第1排出ローラ34a及び中間ローラ34bにより、排出トレイ13の方に向けて挟持搬送される。シートPの後端が、フラッパ33を超えると、第1排出ローラ34a及び中間ローラ34bの回転方向は、それまでとは逆方向に切り替えられる。また、フラッパ33は、図の実線で示すように、両面搬送路1rにシートPを導く向きに設定される。その後、シートPは、両面搬送路1rを介して、再度、画像形成位置(転写位置)である二次転写ローラ5の対向位置に搬送される。
【0018】
両面に粉体像が形成されたシートP、或いは、シートPの片面のみに粉体像を形成する場合において片面に粉体像が形成されたシートPは、第1定着器6を通過した後、第2排出ローラ34c及び中間ローラ34bにより挟持搬送される。なお、この際、フラッパ33は、図の実線で示すように、第2排出ローラ34cと中間ローラ34bとの間のニップ部にシートPを導く向きに設定される。
【0019】
接着剤像が形成されておらず、後処理ユニット30による後処理を要しないシートPは、排出トレイ13に排出される。この際、フラッパ13aは、図の破線で示すように、トレイ13にシートPを導く向きに設定される。一方、接着剤像が形成されており、後処理ユニット30による後処理を要するシートPは、後処理ユニット30の中間パス15に向けて搬送される。この際、フラッパ13aは、図の実線で示すように、中間パス15にシートPを導く向きに設定される。
【0020】
搬送方向において第1定着器6の下流側に設けられる後処理ユニット30は、折り器31と、第2定着器32と、排出ユニット35と、を有する。折り器31において、シートPを折り畳む折り処理が実行される。図3は、折り処理の説明図である。図3(A)は、シートPが、第1ガイドローラ31c及び第2ガイドローラ31dにより中間パス15において挟持搬送されている状態を示している。シートPの先端qが、第1ガイドローラ31c及び第2ガイドローラ31dの位置を通過すると、シートPの先端qは、ガイド壁31f(図3(B))により図の下向きに案内される。そして、シートPの先端qは、図3(B)に示すように、互いに対向している第1折りローラ31aと第2ガイドローラ31dとにより引き込まれて引き込み部31eの壁31gに当接する。その後、シートPは、第1ガイドローラ31c及び第2ガイドローラ31dによって押し込まれることにより、壁31gに摺接しながら引き込み部31eの奥へと進む。そして、図3(C)に示すように、先端qは、引き込み部31eの端部31hに突き当たる。なお、引き込み部31eは、図1に示すように、中間パス15の下方側で中間パス15と略平行に形成されており、図3(C)の段階において、シートPは第2ガイドローラ31dに巻き付いてU字型に曲がった状態となる。
【0021】
図3(C)の状態から第1ガイドローラ31c及び第2ガイドローラ31dによってシートPがさらに押し込まれると、図3(D)に示すように、シートPの中間位置rに撓みが生じる。撓みが生じた中間位置rが第2折りローラ31bに接すると、シートPの中間位置rは、図3(E)に示すように、第2折りローラ31bから受ける摩擦力によって、第1折りローラ31aと第2折りローラ31bとの間のニップ部に引き込まれる。そして、図3(F)に示すように、シートPは、中間位置rを折り目として折り畳まれた状態で、第1折りローラ31aと第2折りローラ31bにより挟持搬送され、中間位置rを先端側として折り器31から排出される。
【0022】
シートPの搬送方向の長さをLとすると、引き込み部31eの深さN(図3(E))は、L/2に設定され得る。なお、引き込み部31eの深さNとは、第1折りローラ31aと第2折りローラ31bとの間のニップ部から引き込み部31eの端部31hまでの距離である。このように深さNを設定することで、折り器31においては、シートPの搬送方向の半分の位置で、シートPを2つ折りにする処理(中折り)が行われる。なお、引き込み部31eの深さNは、シートPの搬送方向の長さLの半分とすることに限定されない。引き込み部31eの深さNは、シートPの折り目の位置に応じて任意に調整され得る。
【0023】
なお、折り器31の構成は、図3の構成に限定されない。例えば、シートPにブレードを押し当ててローラ対のニップ部に押し込むことで折り目を形成する折り機構を使用することができる。また、折り処理も2つ折りに限定されず、Z折り、3つ折り等の折り処理を実行するものとすることができる。なお、本実施形態の折り器31は、回転するローラと固定された引き込み部31eで構成されるため、往復運動をするブレードを用いる折り機構に比べて駆動機構の簡素化が可能である。また、本実施形態の折り器31は、4本のローラ以外に、シート長の半分の深さNを有する引き込み部31eを設ければよいため、後処理ユニット30の小型化が可能である。
【0024】
図1に戻り、折り器31を通過したシートPは、第2定着器32に搬送される。第2定着器32は、第1定着器6と同様な定着構成を有する。具体的には、第2定着器32は、加熱部材としての加熱ローラ32bと、加圧部材としての加圧ローラ32aとを有する。加熱ローラ32bは、ハロゲンランプやセラミックヒータ等の発熱体や誘導加熱方式の発熱機構によって加熱される。加圧ローラ32aは、バネ等の付勢部材によって加熱ローラ32aに押圧されており、加熱ローラ32bと加圧ローラ32aとの間のニップ部(圧着ニップ)を通過するシートPを加圧するための加圧力を発生させる。
【0025】
折り器31で折り畳まれたシートPは、第2定着器32によって加熱され及び加圧される。即ち、第2定着器32は、シートPに付着して接着剤像を形成する粉末接着剤を加熱して再溶融させ、折り畳まれたシートPの対向する領域同士を加圧力によって密着させる。第2定着器32を通過後、粉末接着剤Tnが冷えて固まることで、シートPの折り目を挟んで対向する領域同士が接着する。第2定着器32を通過したシートPは、排出ユニット35に排出される。
【0026】
なお、図1に示すように、本実施形態では、プロセスカートリッジ7n、7y、7m、7cの順で粉体像を転写ベルト3に転写する。したがって、図4に示すように、3色のトナー像及び接着剤像を重ねる場合、転写ベルト3においては、粉末接着剤Tnの接着剤像が最下層(転写ベルト3に接触する層)となり、その上にイエロー(Ty)、マゼンタ(Tm)及びシアン(Tc)のトナー像が順に重ねられる。よって、図4に示すように、シートP上では接着剤像が最上層となる。接着剤像が最上層となることで、第2定着器32により折り畳んだシートPの対向する領域同士を接着することができる。
【0027】
トナーTy、Tm及びTcには、公知の種々のトナーを使用することができる。例えば、熱可塑性樹脂を結着樹脂として用いたトナーを使用することができる。また、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂等を用いたトナーを使用することもできる。さらに、トナーは、着色剤、磁性体、荷電制御剤、ワックス、外部添加剤を含有するものとすることもできる。
【0028】
粉末接着剤Tnには、熱可塑性樹脂を含有する粉末接着剤を用いることができる。また、粉末接着剤Tnは、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリオレフィン、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン-アクリル酸共重合樹脂等の公知の熱可塑性樹脂を含有するものであってもよい。また、粉末接着剤Tnは、ワックスを含有するものであってもよい。具体的には、例えば、アルコールと酸とのエステル類であるエステルワックス、パラフィンワックスなどの炭化水素系ワックス等を含有するものとすることができる。さらに、粉末接着剤Tnは、着色剤を含むものとすることもできる。着色剤としては、ブラック用着色剤、イエロー用着色剤、マゼンタ用着色剤、及び、シアン用着色剤等の公知の着色剤を使用することができる。なお、粉末接着剤Tnにおける着色剤の含有量については、1.0質量%以下とすることができる。また、粉末接着剤Tnにおける着色剤の含有量については、0.1質量%以下とすることができる。さらに、粉末接着剤Tnは、磁性体、荷電制御剤、ワックス、外部添加剤を含有するものとすることもできる。
【0029】
なお、電子写真方式を利用してシートPに粉末接着剤Tnを付着させるため、例えば、粉末接着剤Tnの重量平均粒子径は、5.0μm以上、かつ、30μm以下のものを使用することができる。なお、接着性を満たすものであれば、粉末接着剤Tnとして、印刷用に使用されるトナーを使用することもできる。
【0030】
画像形成装置1の制御部100は、画像形成装置1の全体を制御する。例えば、制御部100は、電子写真プロセスによりシートPにトナー像及び接着剤像の少なくとも一方を形成するための、上述した像形成部の動作を制御する。とりわけ、本実施形態において、接着剤像を形成する動作に関し、制御部100は、シートPの搬送方向と直交する幅方向の同じ位置で感光体101に粉末接着剤がある長さにわたって連続的に供給されることに起因する接着力の低下を防止するための制御を行う。制御部100により行われる接着剤像の像形成動作の制御について、後に詳細に説明する。制御部100は、コンピュータプログラムを実行するためのプロセッサと、コンピュータプログラムを記憶するメモリとを含んでいてもよい。制御部100のメモリは、後述する像形成パターンのうちの1つ以上を示すデータを記憶していてもよい。
【0031】
図5は、画像形成装置1により生成され得る成果物の例と、その成果物に関連する接着区間及び非接着区間の例とを示している。図5(A)の例において、シートPは、折り目51を境界として2つの領域52a、52bからなる。領域52aの裏面には、点線の矩形で囲んだトナー像が形成されている。また、2つの領域52aをまたいで、斜線の網掛けで示したコの字状の接着剤像が形成されている。搬送方向Hと直交する幅方向Wの一部に対応する区間Wでは、搬送方向に沿って連続的に粉末接着剤がシートPに付着されている。この区間Wを、以下の説明において接着区間という。幅方向Wの残りの部分に対応する区間Wでは、シートPの搬送方向における先端部分及び後端部分で粉末接着剤が付着されているものの、他の部分では粉末接着剤は付着されていない。この区間Wを、以下の説明において非接着区間という。
【0032】
図5(A)のシートPを折り目51で2つに折り畳み、折り畳まれたシートPを第2定着器32によって加熱し及び加圧すると、対向する領域52a、52b同士が一旦溶融した粉末接着剤の作用によって接着する。そして、図5の例では、幅方向Wに非接着区間Wが設けられていることで、シートPは袋状の成果物55となる(非接着区間Wに相当する部分に内容物を収容することが可能である)。成果物55は、例えば、薬局において処方された医薬品を収容するための、医薬品の名称その他の情報が印刷された薬袋であり得る。このように、画像形成装置1は、トナー像の形成及び粉末接着剤での接着をノンストップで(即ち、1回のジョブで纏めて)行って成果物55を簡易かつ迅速に作成するために使用され得る。
【0033】
画像形成装置1を用いて作成される成果物は、薬袋には限定されない。例えば、成果物は、小物、土産物又はチケットといった任意の物品を収容するための袋であってよい。また、成果物は、個人情報のような秘匿されるべき情報を内側に印字した圧着文書(例えば、圧着はがき又は給与明細書)であってもよい。圧着文書の場合には、図5(A)の例とは異なり、シートPの4辺全てに粉末接着剤が付着され得る。ある程度の封止の強度を要する袋と比較して、ユーザが接着を剥がし文書を開いて内側の情報を確認することを前提とした圧着文書については、単位面積当たりの粉末接着剤Tnの付着量がより少なくなるような調整が行われてもよい。
【0034】
ここで、1つ以上のシートPに接着剤像を連続して形成する場合を考える。シートPの幅方向Wの一部に対応する接着区間Wにおいては、成果物の使用時の内容物のこぼれ出しや秘匿すべき情報の覗き見を防ぐために、搬送方向に沿って連続的に粉末接着剤をシートPに付着させることを要する。しかし、現像ローラ105の回転軸方向(幅方向Wに対応)の同じ位置から途切れることなく連続して粉末接着剤を感光体101に供給しようとすると、供給ローラ106から現像ローラ105への粉末接着剤の供給が追い付かなくなることがある。結果として感光体101に所要の量の粉末接着剤が付着しなければ、シートPに転写される粉末接着剤も少なくなり、接着面の意図しない剥がれ、袋の底抜け、あるいは成果物の作成時に接着すべき箇所が接着しないといった不具合が生じる虞がある。
【0035】
そこで、本実施形態において、制御部100は、接着区間の像形成パターンとして、異なるタイミングで異なるパターンを使用するように、像形成部における接着剤像の形成のための動作を制御する。例えば、1つ以上のシートPが搬送される期間のうちの第1搬送期間では、制御部100は、接着区間において形成される接着剤像の像形成パターンを第1パターンとする。次いで、第1搬送期間に後続する第2搬送期間では、制御部100は、接着区間において形成される接着剤像の像形成パターンを第1パターンと異なる第2パターンとする。接着区間のうちのある位置では、第1パターンにおいて感光体101がレーザ光に露光され、その一方で、第2パターンにおいては同じ位置で感光体101はレーザ光に露光されない。これは、接着区間のうちの1つの位置に着目した場合に、その位置で現像ローラ105から感光体101へ粉末接着剤が供給されない空白期間が設けられることを意味する。但し、制御部100は、第1搬送期間及び第2搬送期間を通じて、収容部104から供給ローラ106及び現像ローラ105への粉末接着剤の供給は継続する。それにより、現像ローラ105で担持される粉末接着剤が空白期間の間に補充され、必要なタイミングでシートPに付着すべき粉末接着剤の量が不足することが防止される。
【0036】
接着区間において異なる複数の像形成パターンを時間的に切替えながら使用するために、図5(A)に示した例と比較して、接着区間は拡張されてよい。接着区間全体の幅がより広ければ、より強い接着力を確保できる一方で、例えばシートPから袋を作成した場合の袋の容量はより小さくなる。どの程度の幅の接着区間を確保するかは、作成される成果物に課される要件次第であり、本開示に係る技術を限定しない。接着区間の構成と搬送期間との関係及び各搬送期間で使用される像形成パターンに関するいくつかの実施例について、次節以降でさらに説明する。
【0037】
<2.第1の実施例>
第1の実施例において、接着区間Wは、幅方向Wにおいてシートの一端に位置する第1接着区間及び他端に位置する第2接着区間を含むように拡張されるものとする。制御部100は、接着区間Wの接着剤像の形成のために、第1搬送期間においては像形成パターンA1を、第1搬送期間に後続する第2搬送期間においては像形成パターンA2を像形成部に使用させる。典型的には、第1搬送期間は、第1シートP1に接着剤像を形成するための期間であり、第2搬送期間は、第1シートP1に後続する第2シートP2に接着剤像を形成するための期間であり得る。
【0038】
図6は、第1の実施例における像形成パターンの時間的な切替えの例を比較例と対比して示す図である。図6(A)には比較例が示されている。この比較例では、接着区間Wは拡張されておらず、第1シートP1及び第1シートP1に後続する第2シートP2にわたって、途切れることなく接着区間Wの全体に粉末接着剤が付着される。図中では、粉末接着剤が付着されるシート上の領域が斜線(及びドット)の網掛けで示されている。この網掛けは、感光体101がレーザ光に露光される領域、即ち静電潜像の様子を示しているとも言える。
【0039】
図6(B)には本実施例による像形成パターンの時間的な切替えの例が示されている。図6(B)を参照すると、接着区間Wは、第1接着区間WA1及び第2接着区間WA2を含む。第1接着区間WA1は図中でシートの左端に位置し、第2接着区間WA2は図中でシートの右端に位置する。第1シートP1に接着剤像を形成するための第1搬送期間H11では、像形成パターンA1が使用される。像形成パターンA1は、第1接着区間WA1において搬送方向Hに沿って連続的に粉末接着剤をシートに付着させ、第2接着区間WA2において粉末接着剤をシートに付着させないパターンである。一方、後続する第2シートP2に接着剤像を形成するための第2搬送期間H12では、像形成パターンA2が使用される。像形成パターンA2は、第2接着区間WA2において搬送方向Hに沿って連続的に粉末接着剤をシートに付着させ、第1接着区間WA1において粉末接着剤をシートに付着させないパターンである。図には示していないものの、第2シートP2に後続する1つ以上のシートがさらに存在する場合、それらシートについてそれぞれ像形成パターンA1、A2、A1、A2、...というように、2つの像形成パターンが順次交互に適用され得る。このように像形成パターンを時間的に切替えることで、シートの幅方向Wのあらゆる位置で、一定の期間にわたる、感光体101へ粉末接着剤が供給されない空白期間を設けることができる。即ち、第2接着区間WA2に属する位置にとっては第1搬送期間H11が空白期間となり、第1接着区間WA1に属する位置にとっては第2搬送期間H12が空白期間となる。なお、図6の例では、第1搬送期間H11及び第2搬送期間H12の各々の前後に、各シートの幅方向Wの全体に粉末接着剤が付着される短い期間(ドットの網掛け)も設けられている。
【0040】
図6(C)の例では、各シートに同一のトナー像を形成することが要求されるものとする。使用される像形成パターンは図6(B)の例と同様であり、即ち、第1搬送期間H11では第1シートP1について像形成パターンA1が使用され、第2搬送期間H12では第2シートP2について像形成パターンA2が使用される。図6(C)を参照すると、図中で第1シートP1の上側の領域(の裏面)にトナー像61が形成されている。ここで、第1シートP1に後続する第2シートP2については、粉末接着剤が付着される位置がシートの左辺から右辺へ切替わる。そこで、制御部100は、トナー像61を180度回転させた回転トナー像62を、第2シートP2の下側の領域(の裏面)に形成するように、像形成部を制御する。こうした制御と共に各シートを2つに折り畳むことで、同じデザインの複数の袋を連続して作成することができる。
【0041】
本実施例において、第1搬送期間H11及び第2搬送期間H12の各々の長さは、例えば現像ローラ105の回転周期以上である。この場合、各空白期間において現像ローラ105が少なくとも1周分回転することが保証され、現像ローラ105の回転方向の全体に供給ローラ106から粉末接着剤を確実に補充することができる。
【0042】
なお、本実施例において、像形成パターンA1及びA2の各々は、粉末接着剤の供給量の不足が発生しない限り、2つ以上のシートにわたって連続して使用されてもよい。即ち、図6の例には限定されず、シートごとにパターンA1、A1、A2、A2、A1、A1、...といったような像形成パターンのシーケンスが採用されてもよい。
【0043】
発明者らは、図6(A)の比較例、及び図6(B)の第1の実施例のそれぞれの像形成パターンのシーケンスで、1000枚のシートから連続的に1000個の袋を作成する実験を行った。実験に際して、比較例における接着区間Wの幅、並びに第1の実施例における第1接着区間WA1及び第2接着区間WA2の各々の幅を、約5mmとした。実験の結果、比較例では約100枚目のシートへの接着剤像の形成の際に粉末接着剤の供給量の不足が発生し、袋の底抜け又は未接着といった不具合が発生した。一方で、第1の実施例の手法では、不具合が発生することなく1000個の袋を連続的に作成することに成功した。このように、第1の実施例によれば、現像ローラ105の回転軸方向の同じ位置からの粉末接着剤の連続的な供給が抑制されることから、粉末接着剤の供給量の不足を回避して、成果物にとって所要の接着力を確保することができる。なお、所要の接着力が確保される限り、各接着区間の幅は、上述した例には限定されない。
【0044】
図6から理解されるように、第1の実施例では、シートにデッドスペース、即ち粉末接着剤が付着されないにも関わらず成果物の目的のために使用されない領域(例えば、袋の容量に寄与しない領域)が生まれない。そのため、第1の実施例は、材料としてのシートの有効活用の観点で有益である。
【0045】
<3.第2の実施例>
第2の実施例において、接着区間Wは、幅方向Wにおいてシートの一端に位置し、幅方向Wにおいて少なくとも第1接着区間及び第2接着区間に区分されるように拡張されるものとする。制御部100は、接着区間Wの接着剤像の形成のために、第1搬送期間及び後続する第2搬送期間で異なる像形成パターンを像形成部に使用させる。第2の実施例においても、第1搬送期間は、第1シートP1に接着剤像を形成するための期間であり、第2搬送期間は、第1シートP1に後続する第2シートP2に接着剤像を形成するための期間であり得る。
【0046】
図7は、第2の実施例における像形成パターンの時間的な切替えの例を示す図である。図7(A)を参照すると、接着区間Wは、隣り合う第1接着区間WA1及び第2接着区間WA2からなる。接着区間Wは、図中でシートの左端に位置する。第1シートP1に接着剤像を形成するための第1搬送期間H11では、像形成パターンB11が使用される。像形成パターンB11は、第1接着区間WA1において搬送方向Hに沿って連続的に粉末接着剤をシートに付着させ、第2接着区間WA2において粉末接着剤をシートに付着させないパターンである。一方、後続する第2シートP2に接着剤像を形成するための第2搬送期間H12では、像形成パターンB12が使用される。像形成パターンB12は、第2接着区間WA2において搬送方向Hに沿って連続的に粉末接着剤をシートに付着させ、第1接着区間WA1において粉末接着剤をシートに付着させないパターンである。図には示していないものの、第2シートP2に後続する1つ以上のシートがさらに存在する場合、それらシートについてそれぞれ像形成パターンB11、B12、B11、B12、...というように、2つの像形成パターンが順次交互に適用され得る。このように像形成パターンを時間的に切替えることで、シートの幅方向Wのあらゆる位置で、一定の期間にわたる、感光体101へ粉末接着剤が供給されない空白期間を設けることができる。即ち、第2接着区間WA2に属する位置にとっては第1搬送期間H11が空白期間となり、第1接着区間WA1に属する位置にとっては第2搬送期間H12が空白期間となる。なお、図7の例でも、第1搬送期間H11及び第2搬送期間H12の各々の前後に、各シートの幅方向Wの全体に粉末接着剤が付着される短い期間(ドットの網掛け)も設けられている。
【0047】
図7(B)の例では、接着区間Wは、隣り合う第1接着区間WA1、第2接着区間WA2及び第3接着区間WA3からなる。接着区間Wは、図中でシートの左端に位置する。第1シートP1に接着剤像を形成するための第1搬送期間H11では、像形成パターンB21が使用される。像形成パターンB21は、第1接着区間WA1において搬送方向Hに沿って連続的に粉末接着剤をシートに付着させ、第2接着区間WA2及び第3接着区間WA3において粉末接着剤をシートに付着させないパターンである。後続する第2シートP2に接着剤像を形成するための第2搬送期間H12では、像形成パターンB22が使用される。像形成パターンB22は、第2接着区間WA2において搬送方向Hに沿って連続的に粉末接着剤をシートに付着させ、第1接着区間WA1及び第3接着区間WA3において粉末接着剤をシートに付着させないパターンである。さらに後続する第3シートP3に接着剤像を形成するための第3搬送期間H13では、像形成パターンB23が使用される。像形成パターンB23は、第3接着区間WA3において搬送方向Hに沿って連続的に粉末接着剤をシートに付着させ、第1接着区間WA1及び第2接着区間WA2において粉末接着剤をシートに付着させないパターンである。図には示していないものの、第3シートP3に後続する1つ以上のシートがさらに存在する場合、それらシートについてそれぞれ像形成パターンB21、B22、B23、B21、B22、B23...というように、3つの像形成パターンが反復的に適用され得る。このように像形成パターンを時間的に切替えることで、シートの幅方向Wのあらゆる位置で、一定の期間にわたる空白期間を設けることができる。
【0048】
図7(C)の例でも、接着区間Wは、隣り合う第1接着区間WA1、第2接着区間WA2及び第3接着区間WA3からなる。但し、第1シートP1に接着剤像を形成するための第1搬送期間H11では、像形成パターンB31が使用される。像形成パターンB31は、第2接着区間WA2において搬送方向Hに沿って連続的に粉末接着剤をシートに付着させ、第1接着区間WA1及び第3接着区間WA3において粉末接着剤をシートに付着させないパターンである。後続する第2シートP2に接着剤像を形成するための第2搬送期間H12では、像形成パターンB32が使用される。像形成パターンB32は、第1接着区間WA1及び第3接着区間WA3において搬送方向Hに沿って連続的に粉末接着剤をシートに付着させ、第2接着区間WA2において粉末接着剤をシートに付着させないパターンである。このように像形成パターンを時間的に切替えることで、シートの幅方向Wのあらゆる位置で、一定の期間にわたる空白期間を設けることができる。図7(C)の像形成パターンB32は、粉末接着剤が付着される帯状の領域をシート上に複数本ストライプ状に形成するパターンであるが、その帯の数は2本には限定されず、例えば3本以上であってもよい。
【0049】
図7(D)の例では、接着区間Wは、わずかに重なり合う第1接着区間WA1´及び第2接着区間WA2´からなる。第1シートP1に接着剤像を形成するための第1搬送期間H11では、像形成パターンB41が使用される。像形成パターンB41は、第1接着区間WA1´において搬送方向Hに沿って連続的に粉末接着剤をシートに付着させ、残りの区間において粉末接着剤をシートに付着させないパターンである。第2シートP2に接着剤像を形成するための第2搬送期間H12では、像形成パターンB42が使用される。像形成パターンB42は、第2接着区間WA2´において搬送方向Hに沿って連続的に粉末接着剤をシートに付着させ、残りの区間において粉末接着剤をシートに付着させないパターンである。図7(D)の例では、第1接着区間WA1´及び第2接着区間WA2´が重なり合っているわずかな区間WOLについては、空白期間が存在しなくなる。しかし、このような重複区間WOLが十分に幅狭であれば粉末接着剤の供給量の不足は生じないことから、こうした接着区間の構成もまた採用されてよい。例えば、第1接着区間WA1´及び第2接着区間WA2´の各々の幅を6mmとし、重複区間WOLの幅を1mmとした場合に、粉末接着剤の供給量の不足に起因する不具合は発生せず、所要の接着力を確保できることを、発明者らは確認済みである。
【0050】
当然ながら、図示した例に限定されず、接着区間Wは、図中でシートの右端に位置してもよい。
【0051】
図7に示したいずれの例においても、接着剤像に加えてトナー像が各シートに形成されてもよい。これら例では、幅方向において粉末接着剤が付着される位置はシートごとに左右反転しないため、トナー像はシートごとに回転されなくてよい。
【0052】
本実施例においても、各搬送期間の長さは、例えば現像ローラ105の回転周期以上である。この場合、各空白期間において現像ローラ105が少なくとも1周分回転することが保証され、現像ローラ105の回転方向の全体に供給ローラ106から粉末接着剤を確実に補充することができる。但し、図7(B)の例においては、2つの搬送期間の長さの合計が現像ローラ105の回転周期以上であれば、粉末接着剤の確実な補充という上述した効果を達成することができる。また、粉末接着剤の供給量の不足が発生しない限り、同一の像形成パターンが2つ以上のシートにわたって連続して使用されてもよい。
【0053】
発明者らは、図7(A)の第2の実施例の像形成パターンのシーケンスで、第1の実施例に関連して上で説明した実験と同様に、1000枚のシートから連続的に1000個の袋を作成する実験を行った。ここでも、第1接着区間WA1及び第2接着区間WA2の各々の幅を、約5mmとした。実験の結果、第2の実施例の手法でも、袋の底抜け又は未接着といった不具合が発生することなく1000個の袋を連続的に作成することに成功した。このように、第2の実施例においても、現像ローラ105の回転軸方向の同じ位置からの粉末接着剤の連続的な供給が抑制されることから、粉末接着剤の供給量の不足を回避して、成果物にとって所要の接着力を確保することができる。なお、ここでも、所要の接着力が確保される限り、各接着区間の幅は、上述した例には限定されない。
【0054】
前節で説明した第1の実施例と比較すると、第2の実施例では、幅方向において粉末接着剤が付着される位置がシートごとに左右反転しない。これは、複数のシートから複数の成果物を連続的に作成した場合に、成果物の向きが一定となることを意味する。よって、ジョブの終了時に、ユーザが排出ユニット35から成果物を取り出した時点で、それら成果物の向きは揃った状態となっている。そのため、第2の実施例は、第1の実施例と比較するとユーザの作業負担を軽減できるという利点を提供する。また、第2の実施例では、複数のシートに同一のトナー像を形成することを要する場合にトナー像をシートごとに回転させなくてよいため、像形成処理の実装の複雑化を回避することができる。
【0055】
また、第1の実施例及び第2の実施例では、1つのシートに着目すると、粉末接着剤が実際にシートへ付着される(即ち、感光体101がレーザ光に露光される)幅方向Wの区間は、搬送方向の位置によらず一定である。よって、制御部100は、接着剤像の2次元的なパターンを予め記憶しておかなくても、幅方向Wの各画素位置が上記区間に属するか否かを判定するだけで、適切な像形成パターンを像形成部へ指示することができる。このように、本実施例は、像形成パターンを記憶するために多くのメモリリソースを消費しないという利点を提供する。これは、上述した第1の実施例にも当てはまる。
【0056】
なお、図5の例では、搬送方向Hに平行な1辺及び幅方向Wに平行な2辺に粉末接着剤を付着させて搬送方向中央の折り目51で折り畳むことにより、袋としての成果物55が作成されている。接着区間Wがある辺は袋の底部に、逆側(図中上側)の辺は袋の開口部になる。他の例として、搬送方向Hに平行な2辺にのみ粉末接着剤を塗布して折り目51で折り畳むことにより、折り目51を袋の底部とする袋を作成することも可能である。この場合、幅方向Wの両端に接着区間Wが設けられるが、本実施例の手法は、そうした2つの接着区間Wの各々に適用されてもよい。これは、後述する第3の実施例及び第4の実施例にも当てはまる。
【0057】
<4.第3の実施例>
第3の実施例においても、接着区間Wは、幅方向Wにおいてシートの一端に位置し、幅方向Wにおいて少なくとも第1接着区間及び第2接着区間に区分されるように拡張されるものとする。制御部100は、接着区間Wの接着剤像の形成のために、第1搬送期間及び後続する第2搬送期間で異なる像形成パターンを像形成部に使用させる。但し、第3の実施例では、第1搬送期間及び第2搬送期間の両方が、1つのシートに接着剤像を形成するための期間に含まれる。
【0058】
図8は、第3の実施例における像形成パターンの時間的な切替えの例を示す図である。図8(A)を参照すると、接着区間Wは、隣り合う第1接着区間WA1及び第2接着区間WA2からなる。接着区間Wは、図中でシートの左端に位置する。シートPに接着剤像を形成するための期間の前半に対応する第1搬送期間H21では、像形成パターンC1が使用される。像形成パターンC1は、第1接着区間WA1において搬送方向Hに沿って連続的に粉末接着剤をシートに付着させ、第2接着区間WA2において粉末接着剤をシートに付着させないパターンである。一方、シートPに接着剤像を形成するための期間の後半に対応する第2搬送期間H22では、像形成パターンC2が使用される。像形成パターンC2は、第2接着区間WA2において搬送方向Hに沿って連続的に粉末接着剤をシートに付着させ、第1接着区間WA1において粉末接着剤をシートに付着させないパターンである。このように像形成パターンを時間的に切替えることで、シートの幅方向Wのあらゆる位置で、一定の期間にわたる、感光体101へ粉末接着剤が供給されない空白期間を設けることができる。なお、図8の例では、第1搬送期間H21の前、及び第2搬送期間H22の後に、各シートの幅方向Wの全体に粉末接着剤が付着される短い期間(ドットの網掛け)も設けられている。図8(B)の例は、第1搬送期間H21において像形成パターンC2が使用され、第2搬送期間H22において像形成パターンC1が使用される点で、図8(A)の例と異なる。
【0059】
図8(C)の例でも、接着区間Wは、隣り合う第1接着区間WA1及び第2接着区間WA2からなる。シートPに接着剤像を形成するための期間は、ここでは4つの搬送期間H31、H32、H33及びH34に区分される。第1搬送期間H31では、像形成パターンC1が使用される。第2搬送期間H32では、像形成パターンC2が使用される。第3搬送期間H33では、像形成パターンC1が再び使用される。第4搬送期間H34では、像形成パターンC2が再び使用される。図8(C)の例では、シートPの搬送方向の長さの約1/4が、1回の空白期間の長さとなる。例えば、シートPの搬送方向の長さLがA4サイズの長手方向の長さである297mmに等しい場合、長さLの1/4は約74mmである。この場合、例えば現像ローラ105の周長が74mm以下であれば、各空白期間の間に現像ローラ105は少なくとも1周分回転できることになり、現像ローラ105の回転方向の全体への粉末接着剤の確実な補充が可能である。図8(D)の例は、第1搬送期間H31及び第3搬送期間H33において像形成パターンC2が使用され、第2搬送期間H32及び第4搬送期間H34において像形成パターンC1が使用される点で、図8(C)の例と異なる。
【0060】
図8(E)の例では、接着区間Wは、わずかに重なり合う第1接着区間WA1´及び第2接着区間WA2´からなる。図7(D)に関連して説明したように、こうしたわずかな重複区間について空白期間が存在しないとしても、その重複区間が十分に幅狭である場合には粉末接着剤の供給量の不足は生じないことから、こうした接着区間の構成もまた採用されてよい。
【0061】
当然ながら、図示した例に限定されず、接着区間Wは、図中でシートの右端に位置してもよい。また、接着剤像に加えてトナー像が各シートに形成されてもよい。
【0062】
第3の実施例でも、幅方向において粉末接着剤が付着される位置はシートごとに反転せず、よって複数のシートから作成される成果物の向きはジョブの終了時に既に揃った状態となる。そのため、第3の実施例も、第2の実施例と同様にユーザの作業負担を軽減できるという利点を提供する。トナー像のシートごとの回転も不要であるため、像形成処理の実装の複雑化を回避することもできる。加えて、第3の実施例では、1つのシートに形成される接着剤像を、シートごとに切替える必要がない。よって、1シート用の接着剤像の適切なパターンを予め定義しておけば、制御部100は、そのパターンを複数のシートに共通的に使用することができる。このように、第3の実施例は、像形成部の制御を一層簡略化できるという利点を提供する。
【0063】
<5.第4の実施例>
第1乃至第3の実施例では、各搬送期間において、幅方向の一次元的な像形成パターン(例えば、幅方向に沿ったラインごとの感光体101の露光パターン)は一定である。これに対し、本節で説明する第4の実施例では、幅方向の一次元的な像形成パターンがシートの搬送と共に線形的に又は非線形的に変位し得る。1つのシートに接着剤像を形成するための期間を2つ以上の搬送期間に区分して見た場合、ある搬送期間における接着区間内の像形成パターンは、他の搬送期間における接着区間内の像形成パターンとは異なる。
【0064】
図9及び図10は、第4の実施例における像形成パターンの様々な例を示している。図9(A)を参照すると、接着区間Wは、図中でシートの左端に位置する。接着区間Wの幅に対して、実際に粉末接着剤がシートに付着する区間(以下、付着区間という)の幅は半分に等しい。付着区間は、接着区間W内でシートの搬送と共に線形的に幅方向に変位して、傾斜した帯状の2次元パターンを描く。図9(A)のこの例において、第1搬送期間H21の像形成パターンは、第2搬送期間H22の像形成パターンと異なる。このようにして、シートの幅方向Wの各位置において、感光体101へ粉末接着剤が供給されない空白期間が生まれる。図9(B)は、図9(A)と同じ像形成パターンを、接着区間W内で左右反転させた例を示している。図9(C)の例では、付着区間は、接着区間W内でシートの搬送と共に幅方向の線形的な変位を2回繰り返している。図9(C)のこの例において、第1搬送期間H31の像形成パターンは、第2搬送期間H32の像形成パターンと異なる。図9(D)~(I)の例においても、付着区間は、より幅広な接着区間内でシートの搬送と共に幅方向に変位しており、結果的に、ある搬送期間における像形成パターンが他の搬送期間における像形成パターンと異なることとなる。
【0065】
図10(A)を参照すると、接着区間Wは、図中でシートの左端に位置する。付着区間は、接着区間W内でシートの搬送と共に非線形的に幅方向に変位して、弧状の2次元パターンを描く。図10(A)のこの例において、第1搬送期間H21の像形成パターンは、第2搬送期間H22の像形成パターンと異なる。このようにして、シートの幅方向Wの各位置において、感光体101へ粉末接着剤が供給されない空白期間が生まれる。図10(B)は、図10(A)の弧状の像形成パターンを、接着区間W内で左右反転させた例を示している。図10(C)の例では、付着区間は、接着区間W内で時間軸に沿って幅方向の非線形的な変位を2回繰り返している。図10(C)のこの例において、第1搬送期間H31の像形成パターンは、第2搬送期間H32の像形成パターンと異なる。図10(D)~(H)の例においても、付着区間は、より幅広な接着区間内でシートの搬送と共に幅方向に変位しており、結果的に、ある搬送期間における像形成パターンが他の搬送期間における像形成パターンと異なることとなる。
【0066】
当然ながら、図示した例に限定されず、接着区間Wは、図中でシートの右端に位置してもよい。また、接着剤像に加えてトナー像が各シートに形成されてもよい。
【0067】
第4の実施例でも、幅方向において粉末接着剤が付着される位置はシートごとに反転せず、よって複数のシートから作成される成果物の向きはジョブの終了時に既に揃った状態となる。そのため、第4の実施例も、第2の実施例及び第3の実施例と同様にユーザの作業負担を軽減できるという利点を提供する。トナー像のシートごとの回転も不要であるため、像形成処理の実装の複雑化を回避することもできる。加えて、第4の実施例では、第3の実施例と同様に、1つのシートに形成される接着剤像をシートごとに切替える必要がないため、像形成部の制御を一層簡略化できるという利点を提供する。
【0068】
ここまで、図6図10を用いて、接着区間の構成と搬送期間との関係及び各搬送期間で使用される像形成パターンに関するの数多くの例を説明したが、これら例は互いにどのように組み合わされてもよい。例えば、図8図10に例示した接着剤像のうちの任意の2つ以上が、第2の実施例のようにシートごとに接着剤像を切替える形で使用されてもよい。また、各図には接着剤像が二値画像である例を示したが、接着剤像は階調を有する多値画像であってもよい。例えば、上述した像形成パターンにおいて粉末接着剤をシートに付着させないとした領域で、実際には粉末接着剤がシートに薄く付着されてもよい。
【0069】
また、1つのシートに形成される接着剤像は、必ずしも線対称でも回転対称でもなくてよい。但し、折り目を中心として線対称な接着剤像を形成すれば、折り畳まれたシートの対向する領域の両方に接着剤が付着していることになり、より強固な接着力を得ることができる。成果物の用途において接着力が強固であることが望ましい場合には、こうした折り目を中心として線対称な接着剤像が有益であろう。
【0070】
<6.その他の実施形態>
上記実施形態は、1つ以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行する処理の形式でも実現可能である。また、1つ以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0071】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0072】
7n、7y、7m、7c:プロセスカートリッジ、100:制御部
図1
図2
図3
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図8
図9
図10