(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】表示装置及び表示システム
(51)【国際特許分類】
G09F 9/302 20060101AFI20240705BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20240705BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20240705BHJP
G02F 1/1335 20060101ALI20240705BHJP
G02F 1/1343 20060101ALI20240705BHJP
G02F 1/1345 20060101ALI20240705BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
G09F9/302 C
G02F1/133 535
G02F1/133 575
G02F1/1333
G02F1/1335 505
G02F1/1343
G02F1/1345
G09F9/00 313
G09F9/00 336E
(21)【出願番号】P 2020205274
(22)【出願日】2020-12-10
【審査請求日】2023-08-09
(31)【優先権主張番号】P 2020063769
(32)【優先日】2020-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 好浩
【審査官】石本 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-067045(JP,A)
【文献】特表2005-529368(JP,A)
【文献】特開2008-287285(JP,A)
【文献】国際公開第2016/039184(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0162955(US,A1)
【文献】特開2019-120929(JP,A)
【文献】特開2020-004708(JP,A)
【文献】特開2010-256912(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0099629(KR,A)
【文献】特開2007-264258(JP,A)
【文献】特開平02-135425(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B27/00-30/60
G02F1/133-1/1334
1/13357
1/1339-1/1341
1/1347
G09F9/00-9/46
G09G3/00-3/08
3/12
3/16-3/26
3/30
3/34-5/42
H04N5/64-5/655
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズを介して、視認される表示領域を有する表示装置において、
基板と、
複数の画素と、第1の方向に延在する複数の走査線と、第2の方向に延在する複数の信号線とが前記基板に設けられる前記表示領域を有し、
前記第1の方向は、前記第2の方向と直交する方向と非平行かつ非直交であ
り、
複数の前記画素は、第1色を表示するための第1画素と、前記第1色とは異なる第2色を表示するための第2画素と、前記第1色及び前記第2色とは異なる第3色を表示するための第3画素と、を含み、
前記第1画素、前記第2画素及び前記第3画素がそれぞれ前記第2の方向に連続して並べられており、
1つの前記第1画素と、当該第1画素から前記第1の方向にみて次に配置された第1画素とは、前記第2の方向に、前記第1画素の半分の長さがずれるように配置されている、
表示装置。
【請求項2】
前記基板の端部と前記表示領域との間に位置する周辺領域と、
前記周辺領域に配置され、複数の前記走査線と接続される少なくとも1つの走査線駆動回路と、
前記周辺領域に配置され、複数の前記信号線と接続される信号線接続回路と、
前記周辺領域に配置され、かつ前記走査線駆動回路及び信号線接続回路を制御するドライバICと、
前記基板には、前記ドライバICを前記基板に接続するための端子と、を有し、
前記端子が並ぶ方向は、前記第2の方向と直交する方向と平行である、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1の方向は、1つの走査線に接続された複数の前記第1画素における第1基準位置を結んだ方向であり、
前記第2の方向は、1つの信号線に接続された複数の前記第1画素における第2基準位置を結んだ方向である、
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記基板の端部と前記表示領域との間に位置する周辺領域に配置され、複数の前記走査線と接続される少なくとも1つの走査線駆動回路を有し、前記走査線駆動回路は、屈曲部を有している、請求項1から3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示領域の外形は、円形である、請求項1から
4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示領域の外形は、多角形である、請求項1から
4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記基板の端部と前記表示領域との間に位置する周辺領域に配置され、複数の前記走査線と接続される走査線駆動回路は、第1の走査線駆動回路と、前記表示領域を挟んで前記第1の走査線駆動回路の反対側の周辺領域に配置された第2の走査線駆動回路とを有し、
前記第1の走査線駆動回路に接続された走査線と、前記第2の走査線駆動回路に接続された走査線とは、第2の方向に所定の間隔をおいて交互に配置されている、請求項1から
6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
平面視で前記表示領域に重なる位置に複数の発光素子が配置されるバックライトを有し、
前記バックライトは、
前記第2の方向に延在し、前記発光素子に接続される発光出力信号線と、
前記第2の方向に直交する方向に延在し、前記発光素子に接続される発光素子走査線と、を備える請求項1から
7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
平面視で前記表示領域に重なる位置に複数の発光素子が配置されるバックライトを有し、
前記バックライトは、
前記第1の方向に延在し、前記発光素子に接続される発光素子走査線と、
前記第2の方向に延在し、前記発光素子に接続される発光出力信号線と、
を備える請求項1から
8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
レンズと、
前記レンズを介して、視認される表示領域を有する表示装置と、
前記表示装置に画像を出力する制御装置と、を備え、
基板と、
複数の画素と、第1の方向に延在する複数の走査線と、第2の方向に延在する複数の信号線とが前記基板に設けられる前記表示領域を有し、
前記第1の方向は、前記第2の方向と直交する方向と非平行かつ非直交であ
り、
複数の前記画素は、第1色を表示するための第1画素と、前記第1色とは異なる第2色を表示するための第2画素と、前記第1色及び前記第2色とは異なる第3色を表示するための第3画素と、を含み、
前記第1画素、前記第2画素及び前記第3画素がそれぞれ前記第2の方向に連続して並べられており、
1つの前記第1画素と、当該第1画素から前記第1の方向にみて次に配置された第1画素とは、前記第2の方向に、前記第1画素の半分の長さがずれるように配置されている、
表示システム。
【請求項11】
前記制御装置は、前記走査線が延在する前記第1の方向が前記第2の方向と直交する方向に対してなす角度の影響により前記画像を変形させる歪みを補償する補償処理を実行する、請求項
10に記載の表示システム。
【請求項12】
前記表示装置は、前記表示領域の表示を制御する表示制御回路を有し、
前記表示制御回路は、前記走査線が延在する前記第1の方向が前記第2の方向と直交する方向に対してなす角度の影響により、前記制御装置から入力された画像を変形させる歪みを補償する補償処理を実行する、請求項
10に記載の表示システム。
【請求項13】
前記表示装置は、平面視で前記表示領域に重なる位置に複数の発光素子が配置されるバックライトを有し、
前記バックライトは、
前記第1の方向に延在し、前記発光素子に接続される発光素子走査線と、
前記発光素子に接続され、前記第2の方向に延在する発光出力信号線と、
を備える請求項
10から
12のいずれか1項に記載の表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置、表示システム及び光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
VR(Virtual Reality:仮想現実)システムは、3次元のオブジェクトを立体表示し、視点移動に伴って立体画像の表示を変更することにより、利用者に仮想現実感を生じさせる。例えば、特許文献1には、2枚のレンズを通して表示装置上で画像を視認できる表示システムが開示されている。
【0003】
一方、特許文献2から特許文献4の表示装置の画素が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2017-511041号公報
【文献】特開平8-313923号公報
【文献】特開平10-170924号公報
【文献】特開平10-078590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、レンズを通して表示装置の画素を視認するので、視認性が低下することがある。
【0006】
本開示の目的は、レンズを通して視認しても、画像の解像感が向上し、画像の視認性の低下を抑制する表示装置、表示システム及び光源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様の表示装置は、レンズを介して、視認される表示領域を有し、基板と、複数の画素と、第1の方向に延在する複数の走査線と、第2の方向に延在する複数の信号線とが前記基板に設けられる前記表示領域を有し、前記第1の方向は、前記第2の方向と直交する方向と非平行かつ非直交である。
【0008】
一態様の表示装置は、基板と、複数の画素と、第1の方向に延在する複数の走査線と、第2の方向に延在する複数の信号線とが前記基板に設けられる表示領域を有し、前記第1の方向は、前記第2の方向と直交する方向と非平行かつ非直交であり、複数の前記画素は、第1色を表示するための第1画素と、前記第1色とは異なる第2色を表示するための第2画素と、前記第1色及び前記第2色とは異なる第3色を表示するための第3画素と、を含み、前記第1の方向において、前記第1画素が、前記第2画素と前記第3画素とに挟まれており、前記第2の方向において、当該第1画素が、前記第2画素と前記第3画素とに挟まれており、前記第1の方向において、前記第2画素が、前記第1画素と前記第3画素とに挟まれており、前記第2の方向において、当該第2画素が、前記第1画素と前記第3画素とに挟まれており、前記第1の方向において、前記第3画素が、前記第2画素と前記第1画素とに挟まれており、前記第2の方向において、当該第3画素が、前記第2画素と前記第1画素とに挟まれており、複数の前記第1画素が、前記第1の方向及び前記第2の方向の両方に交差する第3の方向に並び、複数の前記第2画素が前記第3の方向に並び、複数の前記第3画素が前記第3の方向に並ぶ。
【0009】
一態様の表示システムは、レンズと、前記レンズを介して、視認される表示領域を有する表示装置と、前記表示装置に画像を出力する制御装置と、を備え、基板と、複数の画素と、第1の方向に延在する複数の走査線と、第2の方向に延在する複数の信号線とが前記基板に設けられる前記表示領域を有し、前記第1の方向は、前記第2の方向と直交する方向と非平行かつ非直交である。
【0010】
一態様の光源装置は、平面視で表示装置の表示領域に重ね合わせる光源装置であって、平面視で前記表示領域に重なる位置に複数の発光素子を有し、第1の方向に延在し、前記発光素子に接続される発光素子走査線と、第2の方向に延在し、前記発光素子に接続される発光出力信号線と、前記第1の方向は、前記第2の方向と直交する方向と非平行かつ非直交である。
【0011】
一態様の表示装置は、表示領域を有する表示パネルと、前記表示領域に重ね合わせる光源装置と、画像調整回路とを有し、前記表示パネルは、基板と、前記基板の前記表示領域に設けられる、複数の画素と、第1の方向に延在する複数の走査線と、第2の方向に延在する複数の信号線とを有し、前記第1の方向は、前記第2の方向と直交する方向と非平行かつ非直交であり、前記光源装置は、平面視で前記表示領域に重なる位置に複数の発光素子を有し、前記第2の方向に延在し、前記発光素子に接続される発光出力信号線と、前記第2の方向に直交する方向に延在し、前記発光素子に接続される発光素子走査線と、を備え、前記画像調整回路は、前記第2の方向を第1軸、前記第1の方向を第2軸とする画像の第1座標を前記第2の方向を第1軸、前記第2の方向に直交する方向を第2軸とする画像の第2座標に変換して、各前記発光素子の点灯量を計算する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る表示システムの一例を示す構成図である。
【
図2】
図2は、表示装置とユーザの目との相対関係の一例を示す模式図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係る表示システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態1に係る表示領域の画素配列を表す回路図である。
【
図5】
図5は、実施形態1に係る表示パネルの一例を示す模式図である。
【
図6】
図6は、実施形態1において、表示領域の一部を拡大して模式的に示す模式図である。
【
図7】
図7は、
図6における、信号線と走査線との関係を示す模式図である。
【
図8】
図8は、
図7のVIII-VIII’の断面を模式的に示す断面図である。
【
図9A】
図9Aは、実施形態1に係る表示システムに入力される画像の一例を示す図である。
【
図9B】
図9Bは、実施形態1に係る表示システムが表示する画像の歪みを補償する補償処理の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態2に係る表示領域として、表示領域の一部を拡大して模式的に示す模式図である。
【
図11】
図11は、実施形態3に係る表示領域の一例を示す模式図である。
【
図12】
図12は、実施形態4に係る表示領域の一例を示す模式図である。
【
図13】
図13は、実施形態5において、表示領域の一部を拡大して模式的に示す模式図である。
【
図15】
図15は、実施形態5において、同色画素間隔と第2の方向の画素の基準となる距離との比と、走査線の傾きとの関係を示す説明図である。
【
図16】
図16は、実施形態6において、同色画素間隔と第2の方向の画素の基準となる距離との比と、走査線の傾きとの関係を示す説明図である。
【
図17】
図17は、実施形態7に係る表示領域の一例を示す模式図である。
【
図18】
図18は、実施形態8に係る表示領域の一例を示す模式図である。
【
図19】
図19は、実施形態9において、表示領域の一部を拡大して模式的に示す模式図である。
【
図20】
図20は、実施形態10において、表示領域の一部を拡大して模式的に示す模式図である。
【
図21】
図21は、実施形態11において、表示領域の一部を拡大して模式的に示す模式図である。
【
図22】
図22は、実施形態12に係る表示システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図23】
図23は、実施形態12に係るバックライトの一例を示す模式図である。
【
図24】
図24は、実施形態12に係る画像調整回路の処理を説明するためのフローチャートである。
【
図25】
図25は、実施形態13に係る表示システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図26A】
図26Aは、実施形態13に係るバックライトの点灯量を計算するにあたり、変換前のバックライトの光学プロファイルデータを示す模式図である。
【
図26B】
図26Bは、実施形態13に係るバックライトの点灯量を計算するにあたり、変換後のバックライトの光学プロファイルデータを示す模式図である。
【
図27】
図27は、実施形態13に係るバックライトの一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0014】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る表示システムの一例を示す構成図である。
図2は、表示装置とユーザの目との相対関係の一例を示す模式図である。
【0015】
本実施形態において、表示システム1は、ユーザの動きに伴って表示を変更する表示システムである。例えば、表示システム1は、仮想空間上の3次元のオブジェクト等を示すVR(Virtual Reality)画像を立体表示し、ユーザの頭部の向き(位置)に伴って立体表示を変更することにより、ユーザに仮想現実感を生じさせるVRシステムである。
【0016】
表示システム1は、例えば、表示装置100と、制御装置200と、を有する。表示装置100と制御装置200とは、ケーブル300を介して情報(信号)の入出力が可能な構成になっている。ケーブル300は、例えば、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High-Definition Multimedia Interface)等のケーブルを含む。表示装置100と制御装置200とは、無線通信によって情報の入出力が可能な構成としてもよい。
【0017】
また、表示装置100は、制御装置200からケーブル300を介して電力が供給されている。例えば、表示装置100は、制御装置200の電源部からケーブル300を介して電力が供給される受電部を有し、表示装置100の表示パネル110、センサ120等の各構成が制御装置200から供給される電力を用いて駆動するようにしてもよい。このようにすることで、表示装置100からバッテリー等を除くことができ、より安価で軽量な表示装置100を提供できる。なお、装着部材400又は表示装置100に、バッテリーが備えられており、表示装置に供給されるようにしてもよい。
【0018】
表示装置100は、表示パネルを有する。表示パネルは、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)であるが、有機EL(Organic Electro-Luminescence)パネル、μ-OLED、μ―LEDパネル、mini-LEDパネル等であってもよい。
【0019】
表示装置100は、装着部材400に固定される。装着部材400は、例えば、ヘッドセット、ゴーグル、ユーザの両目を覆うヘルメット及びマスク等を含む。装着部材400は、ユーザの頭部に装着される。装着部材400は、装着時に、ユーザの両目を覆うように、ユーザの正面に配置される。装着部材400は、内部に固定した表示装置100をユーザの両目の前に位置付けることにより、没入型の装着部材として機能する。装着部材400は、制御装置200から出力される音信号等を出力する出力部を有してもよい。また、装着部材400は、制御装置200の機能を内蔵する構造であってもよい。
【0020】
図1に示す一例では、表示装置100は、装着部材400にスロットインされる場合を示しているが、装着部材400に固定されてもよい。言い換えると、表示システムは、装着部材400と表示装置100を含む装着型表示装置と制御装置200とで構成されてもよい。
【0021】
図2に示すように、装着部材400は、例えば、ユーザに両目に対応したレンズ410を有する。レンズ410は、ユーザの目に画像を結像させるための拡大レンズである。装着部材400は、ユーザの頭部に装着されると、レンズ410をユーザの目Eの前方に位置付ける。ユーザは、レンズ410によって拡大された表示装置100の表示領域を視認する。そのため、表示装置100は、画像(画面)を鮮明に表示するため、解像度を高める必要がある。なお、本開示において、レンズが1つを例示して説明したが、例えば、複数のレンズを有し、表示装置100を眼前とは異なる位置に配置してもよい。
【0022】
制御装置200は、例えば、画像を表示装置100に表示させる。制御装置200は、例えば、パーソナルコンピュータ、ゲーム機器等の電子機器を用いることができる。仮想画像は、例えば、コンピュータグラフィック映像、360度の実写映像等の画像を含む。制御装置200は、ユーザの両目の視差を利用した3次元の画像を表示装置100に出力する。制御装置200は、ユーザの頭部の向きに追従する右目用及び左目用の画像を表示装置100に出力する。
【0023】
図3は、実施形態1に係る表示システムの構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、表示装置100は、2つの表示パネル110と、センサ120と、画像分離回路150と、インタフェース160と、を備える。
【0024】
表示装置100は、2つの表示パネル110から構成され、1つを左目用の表示パネル110とし、他方を右目用の表示パネル110として用いる。
【0025】
2つの表示パネル110のそれぞれは、表示領域111と、表示制御回路112と、を有する。なお、表示パネル110は、表示領域111を背後から照射する図示しない光源装置(後述するバックライトIL)を有する。
【0026】
表示領域111は、画素Pixが、P
0×Q
0個(行方向にP
0個、列方向にQ
0個)、2次元のマトリクス状(行列状)に配列されている。本実施形態では、P
0=2880、Q
0=1700とする。
図3では、複数の画素Pixの配列を模式的に表しており、詳細な画素Pixの配列は、後述する。
【0027】
表示パネル110は、Vx方向に延在する走査線と、Vx方向と交差するVy方向に延在する信号線を有する。例えば、表示パネル110は、2880本の信号線SLと、1700本の走査線GLとを有する。表示パネル110において、信号線SLと走査線GLとに囲まれた領域には、画素Pixが配置される。画素Pixは、信号線SL及び走査線GLと接続されるスイッチング素子(TFT:薄膜トランジスタ)、及び、スイッチング素子に接続された画素電極を有する。1つの走査線GLは、走査線GLの延在方向に沿って配置される複数の画素Pixが接続される。また、1つの信号線SLは、信号線SLの延在方向に沿って配置される複数の画素Pixが接続される。
【0028】
2つの表示パネル110のうち、一方の表示パネル110の表示領域111が右目用であり、他方の表示パネル110の表示領域111が左目用である。実施形態1では、表示パネル110は、左目用と右目用の2つの表示パネル110を有する場合について説明する。ただし、表示装置100は、上述のように2つの表示パネル110を用いる構造に限定されない。例えば、表示パネル110は、1つであって、右半分の領域には右目用の画像を表示し、左半分の領域には左目用の画像を表示するように、1つの表示パネル110の表示領域を2分割するようにしてもよい。
【0029】
表示制御回路112は、ドライバIC(Integrated Circuit:集積回路)115、信号線接続回路113及び走査線駆動回路114を備えている。信号線接続回路113は、信号線SLと電気的に接続されている。ドライバIC115は、走査線駆動回路114によって、画素Pixの動作(光透過率)を制御するためのスイッチング素子(例えば、TFT)のON/OFFを制御する。走査線駆動回路114は、走査線GLと電気的に接続されている。
【0030】
センサ120は、ユーザの頭部の向きを推定可能な情報を検出する。例えば、センサ120は、表示装置100や装着部材400の動きを示す情報を検出し、表示システム1は、表示装置100や装着部材400の動きを示す情報に基づいて、表示装置100を頭部に装着したユーザの頭部の向きを推定する。
【0031】
センサ120は、例えば、表示装置100や装着部材400の角度、加速度、角速度、方位、距離の少なくとも1つを用いて、視線の向きを推定可能な情報を検出する。センサ120は、例えば、ジャイロセンサ、加速度センサ、方位センサ等を用いることができる。センサ120は、例えば、ジャイロセンサによって表示装置100や装着部材400の角度及び角速度を検出してもよい。センサ120は、例えば、加速度センサによって表示装置100や装着部材400に働く加速度の方向及び大きさを検出してもよい。センサ120は、例えば、方位センサによって表示装置100の方位を検出してもよい。センサ120は、例えば、距離センサ、GPS(Global Positioning System)受信機等によって表示装置100や装着部材400の移動を検出してもよい。センサ120は、ユーザの頭部の向き、視線の変化、移動等を検出するためのセンサであれば、光センサ等の他のセンサでもよく、複数のセンサを組み合わせて用いてもよい。センサ120は、後述するインタフェース160を介して、画像分離回路150と電気的に接続されている。
【0032】
画像分離回路150は、ケーブル300を介して制御装置200から送られてきた左目用の画像データと右目用の画像データを受けとり、左目用の画像データを左目用の画像を表示する表示パネル110に送り、右目用の画像データを右目用の画像を表示する表示パネル110に送る。
【0033】
インタフェース160には、ケーブル300(
図1)が接続されるコネクタを含む。インタフェース160は、接続されたケーブル300を介して、制御装置200からの信号が入力される。画像分離回路150は、インタフェース160及びインタフェース240を介して、センサ120から入力された信号を制御装置200へ出力する。ここで、センサ120から入力された信号には、上述した視線の向きを推定可能な情報が含まれる。あるいは、センサ120から入力された信号は、インタフェース160を介して直接、制御装置200の制御部230へ出力されてもよい。インタフェース160は、例えば、無線通信装置とし、無線通信を介して制御装置200との間で情報の送受信を行ってもよい。
【0034】
制御装置200は、操作部210と、記憶部220と、制御部230と、インタフェース240と、を備える。
【0035】
操作部210は、ユーザの操作を受け付ける。操作部210は、例えば、キーボード、ボタン、タッチスクリーン等の入力デバイスを用いることができる。操作部210は、制御部230と電気的に接続されている。操作部210は、操作に応じた情報を制御部230に出力する。
【0036】
記憶部220は、プログラム及びデータを記憶する。記憶部220は、制御部230の処理結果を一時的に記憶する。記憶部220は、記憶媒体を含む。記憶媒体は、例えば、ROM、RAM、メモリカード、光ディスク、又は光磁気ディスク等を含む。記憶部220は、表示装置100に表示させる画像のデータを記憶してもよい。
【0037】
記憶部220は、例えば、制御プログラム211、VRアプリケーション212等を記憶する。制御プログラム211は、例えば、制御装置200を稼働させるための各種制御に関する機能を提供できる。VRアプリケーション212は、仮想現実の画像を表示装置100に表示させる機能を提供できる。記憶部220は、例えば、センサ120の検出結果を示すデータ等の表示装置100から入力された各種情報を記憶できる。
【0038】
制御部230は、例えば、MCU(Micro Control Unit)、CPU(Central Processing Unit)等を含む。制御部230は、制御装置200の動作を統括的に制御できる。制御部230の各種機能は、制御部230の制御に基づいて実現される。
【0039】
制御部230は、例えば、表示する画像を生成するGPU(Graphics Processing Unit)を含む。GPUは、表示装置100に表示する画像を生成する。制御部230は、GPUが生成した画像を、インタフェース240を介して表示装置100に出力する。本実施形態では、制御装置200の制御部230は、GPUを含む場合について説明するが、これに限定されない。例えば、GPUは、表示装置100又は表示装置100の画像分離回路150に設けてもよい。この場合、表示装置100は、例えば、制御装置200、外部の電子機器等からデータを取得し、当該データに基づいてGPUが画像を生成すればよい。
【0040】
インタフェース240には、ケーブル300(
図1参照)が接続されるコネクタを含む。インタフェース240は、ケーブル300を介して、表示装置100からの信号が入力される。インタフェース240は、制御部230から入力された信号を、ケーブル300を介して表示装置100へ出力する。インタフェース240は、例えば、無線通信装置とし、無線通信を介して表示装置100との間で情報の送受信を行ってもよい。
【0041】
制御部230は、VRアプリケーション212を実行すると、ユーザ(表示装置100)の動きに応じた画像を表示装置100に表示させる。制御部230は、画像を表示装置100に表示させた状態で、ユーザ(表示装置100)の変化を検出すると、当該変化した方向の画像へ表示装置100に表示している画像を変化させる。制御部230は、画像の作成開始時に、仮想空間上の基準視点及び基準視線に基づく画像を作成し、ユーザ(表示装置100)の変化を検出した場合、表示させている画像を作成する際の視点又は視線を、基準視点又は基準視線方向からユーザ(表示装置100)の動きに応じて変更し、変更した視点又は視線に基づく画像を表示装置100に表示させる。
【0042】
例えば、制御部230は、センサ120の検出結果に基づいて、ユーザの頭部の右方向への移動を検出する。この場合、制御部230は、現在表示させている画像から右方向へ視線を変化させた場合の画像へ変化させる。ユーザは、表示装置100に表示されている画像の右方向の画像を視認することができる。
【0043】
例えば、制御部230は、センサ120の検出結果に基づいて、表示装置100の移動を検出すると、検出した移動に応じて画像を変化させる。制御部230は、表示装置100が前方へ移動したことを検出した場合、現在表示させている画像の前方へ移動した場合の画像へ変化させる。制御部230は、表示装置100が後方方向へ移動したことを検出した場合、現在表示させている画像の後方へ移動した場合の画像へ変化させる。ユーザは、表示装置100に表示されている画像から、自身の移動方向の画像を視認することができる。
【0044】
図4は、実施形態1に係る表示領域の画素配列を表す回路図である。以下、上述した走査線GLは、複数の走査線G1、G2、G3を総称している。上述した信号線SLは、複数の信号線S1、S2、S3を総称している。本開示では、走査線GLと、信号線SLとは直角に交わっていないが、
図3では説明の便宜上、走査線GLと、信号線SLとは直角になっている。
【0045】
表示領域111には、
図4に示す各画素PixR、PixG、PixBのスイッチング素子TrD1、TrD2、TrD3、信号線SL、走査線GL等が形成されている。信号線S1、S2、S3は、各画素電極PE1、PE2、PE3(
図8参照)に画素信号を供給するための配線である。走査線G1、G2、G3は、各スイッチング素子TrD1、TrD2、TrD3を駆動するゲート信号を供給するための配線である。
【0046】
図4に示す表示領域111の画素Pixには、配列された複数の画素PixR、PixG、PixBが含まれる。以下、複数の画素PixR、PixG、PixBを総称して、画素Pixとすることがある。画素PixR、PixG、PixBは、それぞれスイッチング素子TrD1、TrD2、TrD3及び液晶層LCの容量を備えている。スイッチング素子TrD1、TrD2、TrD3は、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。後述する画素電極PE1、PE2、PE3と共通電極COMとの間に第6絶縁膜16(
図8参照)が設けられ、これらによって
図4に示す保持容量Csが形成される。
【0047】
図4に示すカラーフィルタCFR、CFG、CFBは、例えば赤(第1色:R)、緑(第2色:G)、青(第3色:B)の3色に着色された色領域が周期的に配列されている。上述した
図4に示す各画素PixR、PixG、PixBに、R、G、Bの3色の色領域が1組として対応付けられる。そして、3色の色領域に対応する画素PixR、PixG、PixBを1組とされる。なお、カラーフィルタは、4色以上の色領域を含んでいてもよい。画素PixR、PixG、PixBがそれぞれ、副画素と呼ばれることもある。
【0048】
図5は、実施形態1に係る表示パネルの一例を示す模式図である。
図6は、実施形態1において、表示領域の一部を拡大して模式的に示す模式図である。
図7は、
図6における、信号線と走査線との関係を示す模式図である。
図8は、
図7のVIII-VIII’の断面を模式的に示す断面図である。
【0049】
図5に示すように、表示パネル110には、基板端部の辺110e1、辺110e2、辺110e3、辺110e4がある。表示パネルの基板端部の辺110e1、辺110e2、辺110e3、辺110e4と、表示領域111との間は、周辺領域と呼ばれる。
【0050】
走査線駆動回路114は、表示パネル110の基板端部の辺110e1と表示領域111との間の周辺領域に配置されている。信号線接続回路113は、表示パネル110の基板端部の辺110e4と表示領域111との間の周辺領域に配置されている。ドライバIC115は、表示パネル110の基板端部の辺110e4と表示領域111との間の周辺領域に配置されている。
【0051】
ドライバIC115は、表示パネル110の後述するアレイ基板SUB1(
図8参照)に電気的に接続するために、端子115bに、導電性部材を介して接合される。端子115bは、一般的に一方向に配列されており、端子115bが並ぶ方向Vpを方向Vxとする。方向Vyは、方向Vxに直交する方向である。本実施形態では、表示パネル110の基板端部の辺110e3、辺110e4は、方向Vxと平行である。表示パネル110の基板端部の辺110e1、辺110e2は、方向Vyと平行である。
【0052】
図5に示すように、信号線SLが延在する方向は、方向Vyと平行である。走査線GLが延在する方向は、方向Vx及び方向Vyのいずれにも平行ではない。走査線GLが延在する方向は、信号線SLが延在する方向と非直交であるので、例えば、各画素PixR、PixG、PixBは、平行四辺形である。
【0053】
各画素PixR、PixG、PixBは、平行四辺形を例示したが、平行四辺形に限られない。例えば、
図6に示すように、各画素PixR、PixG、PixBは、方向Vyにそれぞれずらして並んでいる。各画素PixR、PixG、PixBの方向Vxの長さは、距離Pw1であり、各画素PixR、PixG、PixBの方向Vyの長さは、距離Ph1とすると、Pw1:Ph1=1:3の関係にある。なお、各画素PixR、PixG、PixBは、副画素PixSと呼ぶこともある。
【0054】
図6において、方向Vslは、信号線SL(
図5参照)が延在する方向である。方向Vslと直交する方向Vsgは、方向Vxと平行である。方向Vssは、走査線GL(
図5参照)が延びる方向である。方向Vssと方向Vsgとがなす角度θgだけ、走査線GLが、方向Vxに対して傾いている。方向Vsl及び方向Vssについては、
図7を参照して詳細に説明する。
【0055】
図7に示すように、方向Vssは、1つの走査線GLに接続された複数の画素PixRにおける第1基準位置Pglを結んだ仮想線が延びる方向である。例えば、第1基準位置Pglは、走査線GL上であって、この走査線GLと平面視で交差するともに、隣り合う信号線SLの中点である。第1基準位置Pglは、これに限られず、例えば画素PixRの面積重心としてもよい。なお、画素PixRを基準として、第1基準位置Pglを定義したが、画素PixRの代わりに、画素PixGあるいは、画素PixBとしてもよい。
【0056】
図7に示すように、方向Vslは、1つの信号線SLに接続された複数の画素PixRにおける第2基準位置Pslを結んだ仮想線が延びる方向である。例えば、第2基準位置Pslは、信号線SL上であって、この信号線SLと平面視で交差する走査線GLとの交差位置Ptの中点である。第2基準位置Pslは、これに限られず、例えば画素PixRの面積重心としてもよい。なお、画素PixRを基準として、第2基準位置Pslを定義したが、画素PixRの代わりに、画素PixGあるいは、画素PixBとしてもよい。
【0057】
図7に示すように、画素PixRと、隣接する画素PixGとは、方向Vslに距離Δh1ずれて配置される。1つの走査線GLに接続された2つの画素PixRでは、距離Δh1の3倍ずれる。
図6に示す距離Ph1の半分が、
図7に示す距離Δh1の3倍に等しい場合、方向Vxに隣り合う同色の画素、例えば、画素PixR同士が方向Vslに半分ずれる。従って、同色の画素の位置は、偶数列と奇数列で2種類の位置を取る。その結果、横の白黒線をより細かく表示することができ、表示装置100の実質的な解像が向上する。なお、
図7に示す走査線GLは、方向Vssに沿って直線状に延びると、
図5に示すように、各画素PixR、PixG、PixBが、平行四辺形になる。
【0058】
次に、表示パネル110の断面構造について、
図8を参照して説明する。
図8において、アレイ基板SUB1は、ガラス基板や樹脂基板などの透光性を有する第1絶縁基板10を基体としている。アレイ基板SUB1は、第1絶縁基板10の対向基板SUB2と対向する側に、第1絶縁膜11、第2絶縁膜12、第3絶縁膜13、第4絶縁膜14、第5絶縁膜15、第6絶縁膜16、信号線S1からS3、画素電極PE1からPE3、共通電極COM、第1配向膜AL1などを備えている。以下の説明において、アレイ基板SUB1から対向基板SUB2に向かう方向を上方、あるいは、単に上と称する。
【0059】
第1絶縁膜11は、第1絶縁基板10の上に位置している。第2絶縁膜12は、第1絶縁膜11の上に位置している。第3絶縁膜13は、第2絶縁膜12の上に位置している。信号線S1からS3は、第3絶縁膜13の上に位置している。第4絶縁膜14は、第3絶縁膜13の上に位置し、信号線S1からS3を覆っている。
【0060】
必要があれば、第4絶縁膜14の上には、配線を配置してもよい。この配線は、第5絶縁膜15によって覆われることになる。本実施形態では、配線を省略している。第1絶縁膜11、第2絶縁膜12、第3絶縁膜13、及び、第6絶縁膜16は、例えば、シリコン酸化物やシリコン窒化物などの透光性を有する無機系材料によって形成されている。第4絶縁膜14及び第5絶縁膜15は、透光性を有する樹脂材料によって形成され、無機系材料によって形成された他の絶縁膜と比べて厚い膜厚を有している。ただし、第5絶縁膜15については無機系材料によって形成されたものであってもよい。
【0061】
共通電極COMは、第5絶縁膜15の上に位置している。共通電極COMは、第6絶縁膜16によって覆われている。第6絶縁膜16は、例えば、シリコン酸化物やシリコン窒化物などの透光性を有する無機系材料によって形成されている。
【0062】
画素電極PE1からPE3は、第6絶縁膜16の上に位置し、第6絶縁膜16を介して共通電極COMと対向している。画素電極PE1からPE3、及び、共通電極COMは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透光性を有する導電材料によって形成されている。画素電極PE1からPE3は、第1配向膜AL1によって覆われている。第1配向膜AL1は、第6絶縁膜16も覆っている。
【0063】
対向基板SUB2は、ガラス基板や樹脂基板などの透光性を有する第2絶縁基板20を基体としている。対向基板SUB2は、第2絶縁基板20のアレイ基板SUB1と対向する側に、遮光層BM、カラーフィルタCFR、CFG、CFB、オーバーコート層OC、第2配向膜AL2などを備えている。
【0064】
図8に示すように、遮光層BMは、第2絶縁基板20のアレイ基板SUB1と対向する側に位置している。そして、遮光層BMは、画素電極PE1からPE3とそれぞれ対向する開口の大きさを規定している。遮光層BMは、黒色の樹脂材料や、遮光性の金属材料によって形成されている。
【0065】
カラーフィルタCFR、CFG、CFBのそれぞれは、第2絶縁基板20のアレイ基板SUB1と対向する側に位置し、それぞれの端部が遮光層BMに重なっている。カラーフィルタCFRは、画素電極PE1と対向している。カラーフィルタCFGは、画素電極PE2と対向している。カラーフィルタCFBは、画素電極PE3と対向している。一例では、カラーフィルタCFR、CFG、CFBは、それぞれ青色、赤色、緑色に着色された樹脂材料によって形成されている。
【0066】
オーバーコート層OCは、カラーフィルタCFR、CFG、CFBを覆っている。オーバーコート層OCは、透光性を有する樹脂材料によって形成されている。第2配向膜AL2は、オーバーコート層OCを覆っている。第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2は、例えば、水平配向性を示す材料によって形成されている。
【0067】
以上説明したように、対向基板SUB2は、遮光層BM、カラーフィルタCFR、CFG、CFBなどを備えている。遮光層BMは、
図4に示した走査線G1、G2、G3、信号線S1、S2、S3、コンタクト部PA1、PA2、PA3、スイッチング素子TrD1、TrD2、TrD3などの配線部と対向する領域に配置されている。
【0068】
図8において、対向基板SUB2は、3色のカラーフィルタCFR、CFG、CFBを備えていたが、青色、赤色、及び、緑色とは異なる他の色、例えば白色、透明、イエロー、マゼンタ、シアンなどのカラーフィルタを含む4色以上のカラーフィルタを備えていてもよい。また、これらのカラーフィルタCFR、CFG、CFBは、アレイ基板SUB1に備えられていてもよい。
【0069】
また、
図8において、カラーフィルタCFは対向基板SUB2に設けられているが、アレイ基板SUB1にカラーフィルタCFを備える、いわゆるCOA(Color filter on Array)の構造であってもよい。
【0070】
上述したアレイ基板SUB1及び対向基板SUB2は、第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2が向かい合うように配置されている。液晶層LCは、第1配向膜AL1と第2配向膜AL2との間に封入されている。液晶層LCは、誘電率異方性が負のネガ型液晶材料、あるいは、誘電率異方性が正のポジ型液晶材料によって構成されている。
【0071】
アレイ基板SUB1がバックライトILと対向し、対向基板SUB2が表示面側に位置する。バックライトILとしては、種々の形態のものが適用可能であるが、その詳細な構造については説明を省略する。
【0072】
第1偏光板PL1を含む第1光学素子OD1は、第1絶縁基板10の外面、あるいは、バックライトILと対向する面に配置される。第2偏光板PL2を含む第2光学素子OD2は、第2絶縁基板20の外面、あるいは、観察位置側の面に配置される。第1偏光板PL1の第1偏光軸及び第2偏光板PL2の第2偏光軸は、例えばX-Y平面においてクロスニコルの位置関係にある。なお、第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2は、位相差板などの他の光学機能素子を含んでいてもよい。
【0073】
例えば、液晶層LCがネガ型液晶材料である場合であって、液晶層LCに電圧が印加されていない状態では、液晶分子LMは、Vx-Vy平面内において、その長軸が所定の方向に沿う方向に初期配向している。一方、液晶層LCに電圧が印加された状態、つまり、画素電極PE1からPE3と共通電極COMとの間に電界が形成されたオン時において、液晶分子LMは、電界の影響を受けてその配向状態が変化する。オン時において、入射した直線偏光は、その偏光状態が液晶層LCを通過する際に液晶分子LMの配向状態に応じて変化する。
【0074】
以上説明したように、表示装置100は、レンズ410を介して、視認される表示領域111を有する。表示領域111は、アレイ基板SUB1に設けられる。表示領域111には、複数の画素PixR、PixG、PixBと、第1の方向Vssに延在する複数の走査線GLと、第2の方向Vslに延在する複数の信号線SLがある。第1の方向Vssは、第2の方向Vslと直交する方向と非平行かつ非直交である。第1画素PixR、第2画素PixG及び第3画素PixBがそれぞれ第2の方向Vslに連続して並べられている。1つの第1画素PixRと、当該第1画素PixRから第1の方向Vssにみて次に配置された第1画素PixRとは、第2の方向Vslに、第1画素PixRの距離Ph1の半分の長さがずれるように配置されている。これにより、表示装置100の実質的な解像が向上する。
【0075】
次に、走査線GLが延在する方向Vssは、信号線SLが延在する方向Vslと非直交であるので、ユーザに認識される画像が歪まないように、表示システム1は、画像に補償処理を実行する。
図9Aは、実施形態1に係る表示システムに入力される画像の一例を示す図である。
図9Bは、実施形態1に係る表示システムが表示する画像の歪みを補償する補償処理の一例を示す図である。
【0076】
図9Aに示す一例では、ユーザに表示させたい画像Mnが方向Vx及び方向Vyに、行列配置されている。
図3に示す制御部230のGPUは、
図9Aに示す画像Mnに対して、レンズ410(
図2参照)のレンズ歪を補正する画像変形処理を加えた第1補償画像MIを演算する。
図3に示す制御部230のGPUは、角度θgの影響により
図9Aに示す画像Mnを変形させる歪みを補償する画像変形処理を加えた第2補償画像Mgを演算する。
図3に示す制御部230のGPUは、
図9Aに示す画像Mnに対して、第1補償画像MIと、第2補償画像Mgとを重ね合わせた第3補償画像MIgを表示装置100へ送出する。
【0077】
また、
図9Bにおいて、最終的に第3補償画像Mlgを得るための第1補償画像MI及び第2補償画像Mgの2つの画像変形処理は、GPUを使った画像処理で一般的に用いられるテクスチャマッピングの方法で、一度に処理される。具体的には、
図9Bの第3補償画像Mlgの目的となる歪を反映したポリゴンメッシュ(画像)にマッピングしたテクスチャの像が、目的とする第3補償画像Mlgの歪んだ像素物となる。このため、第3補償画像Mlgに対応するポリゴンメッシュ(画像)を記憶部220の中に保持しておくか、又は表示システム1の起動時に制御部230で演算して第3補償画像Mlgのポリゴンメッシュ(画像)を生成することで、毎フレームの表示処理時にそのポリゴンメッシュ(画像)が適用できる。これにより、1回のテクスチャマッピングの処理だけで最終目的の第3補償画像Mlgの結果を得ることができる。これは第2補償画像Mgの処理がなく第1補償画像Mlのみを適用している一般的なVRの画像歪補償の処理と比べても画像処理の工程が増えないため、本実施形態の第2補償画像Mgの処理の実行によるコストアップを抑えることができる。
【0078】
以上説明したように、制御装置200は、走査線GLが延在する第1の方向Vssが第2の方向Vslと直交する方向Vsgに対して、なす角度θgの影響により画像を変形させる歪みを補償する第2補償処理を実行する。その結果、表示装置100は、第3補償画像MIgを表示することで、
図9Aに示す画像Mnをユーザに認識させることができる。
【0079】
第2補償処理は、上述した表示制御回路112のドライバIC115が処理してもよい。ドライバIC115は、角度θgの影響により画像を変形させる歪みを補償する第2補償処理を実行する。これにより、制御装置200は、GPUの演算負荷を軽減することができる。
【0080】
(実施形態2)
実施形態1では、方向Vslは、方向Vyと平行であったが、実施形態2では、方向Vyに対して、方向Vslが角度θsだけ傾いている。以下の説明において、同様の構成要素について同一の符号を付すことがある。さらに、重複する説明は省略する。
【0081】
図10において、方向Vslは、信号線SL(
図7参照)が延在する方向である。方向Vslと直交する方向Vsgは、方向Vxに対して、角度θsを有することになる。方向Vssは、走査線GL(
図7参照)が延びる方向である。上述したように、方向Vssと方向Vsgとがなす角度θgを有する。このため、走査線GLが、方向Vxに対して傾く角度は、角度(θg-θs)となる。
【0082】
実施形態2の表示装置100は、実施形態1の表示装置100と比較して、走査線GLが、方向Vxに対して傾く角度が小さくなる。このため、走査線GLの延在する方向が信号線SLの延在する方向と直交する方向に対してなす角度θgの影響を抑制する画像変形処理の負荷が軽減される。
【0083】
(実施形態3)
実施形態1では、走査線駆動回路114は、1つであったが、実施形態3では、走査線駆動回路は、2つである。以下の説明において、実施形態1及び実施形態2と同様の構成要素について同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0084】
図11は、実施形態3に係る表示領域の一例を示す模式図である。
図11に示すように、第1の走査線駆動回路114Aは、表示パネル110の基板端部の辺110e1と表示領域111との間の周辺領域に配置されている。第2の走査線駆動回路114Bは、表示パネル110の基板端部の辺110e2と表示領域111との間の周辺領域に配置されている。第2の走査線駆動回路114Bは、表示領域111を挟んで第1の走査線駆動回路114Aの反対側に配置されている。第1の走査線駆動回路114Aに接続された走査線GLと、第2の走査線駆動回路114Bに接続された走査線GLとは、方向Vyに所定の間隔をおいて交互に配置されている。これにより、走査線駆動回路114Aと走査線駆動回路114Bそれぞれの出力回路の数を1/2に減らすことができ、画素ピッチが狭くなっても走査線駆動回路を形成することができる。
【0085】
走査線GLが、方向Vxに対して傾いているため、第2の走査線駆動回路114Bが、第1の走査線駆動回路114Aよりも方向Vyにずれている。信号線SLと走査線GLとに囲まれた領域は、画素PixR、PixG、PixBのいずれかとすることができる。ここで、基板端部の辺110e4側には、信号線SLと走査線GLとに囲まれた領域であっても、表示領域111としない領域ができる。このため、基板端部の辺110e4側に近い第1の走査線駆動回路114Aに接続された走査線GLは、第2の走査線駆動回路114Bに接続された走査線GLよりも長さが短くなる。反対に、基板端部の辺110e3側に近い第2の走査線駆動回路114Bに接続された走査線GLは、第1の走査線駆動回路114Aに接続された走査線GLよりも長さが短くなる。
【0086】
(実施形態4)
実施形態3では、第1の走査線駆動回路114Aは、方向Vyに延びる直線状に配置されていたが、実施形態4では、第1の走査線駆動回路114Aは、屈曲している。以下の説明において、実施形態1から実施形態3と同様の構成要素について同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0087】
図12は、実施形態4に係る表示領域の一例を示す模式図である。走査線GLが、方向Vxに対して傾いているため、第2の走査線駆動回路114Bが、第1の走査線駆動回路114Aよりも方向Vyにずれている。このため、第1の走査線駆動回路114Aは、方向Vyに延びる直線部114Cと、方向Vxに延びる直線部114Dとを有している。直線部114Cと、直線部114Dとは、屈曲部114Xで連結されている。これにより、基板端部の辺110e3と、表示領域111との間の周辺領域に直線部114Dが配置されるので、実施形態3に比べ、実施形態4の表示パネル110は、方向Vyの長さを短くすることができる。
【0088】
(実施形態5)
実施形態1では、方向Vslには、同色の画素Pixが連続して並べられていたが、実施形態5では、方向Vslには、同色の画素Pixが連続して並べられていない。以下の説明において、実施形態1から実施形態4と同様の構成要素について同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0089】
図13は、実施形態5において、表示領域の一部を拡大して模式的に示す模式図である。
図14は、
図13における、信号線と走査線との関係を示す模式図である。
図15は、実施形態5において、同色画素間隔と第2の方向の画素の基準となる距離との比と、走査線の傾きとの関係を示す説明図である。実施形態5においても、
図5に示すように、信号線SLが延在する方向は、方向Vyと平行である。走査線GLが延在する方向は、方向Vx及び方向Vyのいずれにも平行ではない。走査線GLが延在する方向は、信号線SLが延在する方向と非直交であるので、例えば、各画素PixR、PixG、PixBは、平行四辺形である。
【0090】
図13において、方向Vslは、信号線SL(
図5参照)が延在する方向である。方向Vslと直交する方向Vsgは、方向Vxと平行である。方向Vssは、走査線GL(
図5参照)が延びる方向である。方向Vssと方向Vsgとがなす角度θgだけ、走査線GLが、方向Vxに対して傾いている。方向Vsl及び方向Vssについては、
図14を参照して詳細に説明する。
【0091】
各画素PixR、PixG、PixBは、平行四辺形を例示したが、平行四辺形に限られない。
図14に示すように、方向Vssは、1つの走査線GLに接続された複数の画素PixRにおける第1基準位置Pglを結んだ仮想線が延びる方向である。例えば、第1基準位置Pglは、走査線GL上であって、この走査線GLと平面視で交差するともに、隣り合う信号線SLの中点である。
【0092】
方向Vslは、1つの信号線SLに接続された複数の画素PixRにおける第2基準位置Pslを結んだ仮想線が延びる方向である。例えば、第2基準位置Pslは、信号線SL上であって、この信号線SLと平面視で交差する走査線GLとの交差位置Ptの中点である。
【0093】
図14に示すように、画素PixRと、隣接する画素PixGとは、方向Vslに距離Δh2ずれて配置される。Δh2は、Pw2×tan(θg)とほぼ等しい。
【0094】
図1に示す表示システム1は、ユーザの頭部に装着されるので、表示装置100は小さいことが望まれる。このように、表示パネル110の大きさが制約されている状況において、表示領域111がレンズ410を通して視認されるため、解像度を高めるためには、より画素Pixを小さくする必要がある。例えば、
図7に示す画素配列において、画素PixR、PixG、PixBの方向Vxの長さは、距離Pw1である。例えば、距離Pw1が12μmまで小さくなると、上述した遮光層BMの面積比率が大きく、開口率が小さくなり、一定の輝度を確保するために消費電力が上がってしまう可能性がある。
【0095】
そこで、実施形態5では、
図13に示すような画素PixR、PixG、PixBの配置としている。
【0096】
図13に示すように、方向Vssにおいて、画素PixRが、画素PixBと画素PixGとに挟まれており、方向Vslにおいて、画素PixRが、画素PixBと画素PixGとに挟まれている。
【0097】
また、方向Vssにおいて、画素PixGが、画素PixRと画素PixBとに挟まれており、方向Vslにおいて、画素PixGが、画素PixRと画素PixBとに挟まれている。
【0098】
また、方向Vssにおいて、画素PixBが、画素PixGと画素PixRとに挟まれており、方向Vslにおいて、画素PixBが、画素PixGと画素PixRとに挟まれている。
【0099】
方向Vssにおいて、画素PixR、画素PixG、画素PixBの順に繰り返し並べられている。方向Vslにおいて、画素PixR、画素PixG、画素PixBの順に繰り返し並べられている。
【0100】
図14に示す画素配列において、画素PixR、PixG、PixBの方向Vxの長さは、距離Pw2であり、方向Vyの長さは、距離Ph2である。距離Pw2は、
図7に示す距離Pw1の3/2倍であり、距離Ph2は、
図7に示す距離Ph1の2/3倍である。
図13に示すような画素PixR、PixG、PixBの配置としていることで、距離Pw2を十分に確保することができ、画素PixR、PixG、PixBの開口率を向上させることができる。なお、
図14に示す走査線GLは、方向Vssに沿って直線状に延びると、
図5に示すように、各画素PixR、PixG、PixBが、平行四辺形になる。
【0101】
しかしながら、
図13に示すような画素PixR、PixG、PixBの配置では、例えば、ユーザの視感度の高い緑色の画素PixGが方向Vxに対して、斜め(第3の方向Vt)に連続して並べられる。ここで、角度θgが0度の場合には、画素PixGがユーザにとって斜め線となって、視認されやすい。ユーザによって、画素構造が視認される現象をスクリーンドア効果という。
【0102】
以上説明したように、表示装置100は、レンズ410を介して、視認される表示領域111を有する。表示領域111は、アレイ基板SUB1に設けられる。表示領域111には、複数の画素PixR、PixG、PixBと、第1の方向Vssに延在する複数の走査線GLと、第2の方向Vslに延在する複数の信号線SLがある。実施形態5の表示装置100では、方向Vssが方向Vxに対して、非平行かつ非直交とすると、スクリーンドア効果が生じにくい。
【0103】
上述したように、方向Vssと方向Vsgとがなす角度がθgである。
図13では、ユーザの視感度の高い緑色の画素PixGの画素間隔がL1、L2とされている。ここで、
図7に示す距離Ph1を比較のための基準距離とする。
図15では、角度θgと、
図7に示す距離Ph1に対する同色画素間隔L1、L2のそれぞれの比と、の関係が示されている。
【0104】
図15に示すように、角度θgに応じて、同色画素の間隔L1及び間隔L2が変わる。間隔L1と間隔L2で、スクリーンドア効果の改善には異色画素を間に挟んだ同色画素の間隔L1を小さくすることが必要である。L1/Ph1が1.2の場合に比べて、L1/Ph1が1.1以下0.9以上の場合は、スクリーンドア効果が小さくなり、ユーザに斜め線状の模様が視認されにくくなる。なお、L1/Ph1が0.8の場合、ユーザに斜め線状の模様が視認されることがある。
【0105】
このため、実施形態5の表示装置において、角度θgが10.49度以上33.07度以下であれば、L1/Ph1が1.1以下0.9以上となり、スクリーンドア効果が低減される。間隔L1と、間隔L2との比は、1に近い方がよりスクリーンドア効果が小さくなる。このため、角度θgが12.53度以上23.96度以下であると、よりスクリーンドア効果が小さくなる。
【0106】
(実施形態6)
図16は、実施形態6において、同色画素間隔と第2の方向の画素の基準となる距離との比と、走査線の傾きとの関係を示す説明図である。上述した実施形態5においては、
図14において、距離Pw2が
図7に示す距離Pw1の3/2倍であり、距離Ph2が
図7に示す距離Ph1の2/3倍である画素配列を説明した。実施形態6は、実施形態5で示した距離Ph2の長さが異なる点で実施形態5と相違する。以下の説明において、
図13、
図14及び
図16を参照しつつ、実施形態6の画素配列が説明される。なお、実施形態1から実施形態5と同様の構成要素について同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0107】
実施形態6においても、
図14に示すように、画素配列の各画素PixR、PixG、PixBの方向Vxの長さは、距離Pw2であり、方向Vyの長さは、距離Ph2である。実施形態6において、
図14に示す距離Pw2が、
図7に示す距離Pw1の3/2倍であり、
図14に示す距離Ph2が、
図7に示す距離Ph1と同じである。
図13に示すような各画素PixR、PixG、PixBの配置としていることで、距離Pw2を十分に確保することができ、各画素PixR、PixG、PixBの開口率を向上させることができる。
【0108】
図16に示すように、角度θgに応じて、同色画素の間隔L1/Ph1及び間隔L2/Ph1が変わる。実施形態6の画素サイズでは、θg=0度では間隔L1/Ph1が1.34と大きく、スクリーンドア効果による斜め線が視認されないためには、L1/Ph1を狭くすることが重要になる。
【0109】
間隔L1/Ph1がθg=0の1.34よりも5%小さい1.275以下であって、かつ間隔L1/Ph1が0.9以上の場合は、スクリーンドア効果の低減がみられ、ユーザに斜め線状の模様が視認されにくくなる。
【0110】
このため、実施形態6の表示装置において、角度θgが7.45度以上49.72度以下であれば、L1が1.275以下0.9以上となり、スクリーンドア効果が低減される。
【0111】
(実施形態7)
実施形態1から実施形態6では、表示領域111は、略矩形であるが、実施形態7の表示領域111は、円形である。以下の説明において、実施形態1から実施形態6と同一の構成には同一の符合を付し、重複する説明は省略する。
【0112】
図17は、実施形態7に係る表示領域の一例を示す模式図である。第1の走査線駆動回路114Aは、方向Vyに延びる直線部114Cと、方向Vxに延びる直線部114Eと、直線部114Cと直線部114Eとを繋ぐ直線部114Dと、を有している。直線部114Cと、直線部114Dとは、屈曲部114X1で連結されている。直線部114Dと、直線部114Eとは、屈曲部114X2で連結されている。表示領域111は、円形であるので、直線部114C、直線部114D、直線部114Eが表示領域111に沿う。これにより、実施形態3に比べ、実施形態7の表示パネル110は、周辺領域を小さくすることができる。
【0113】
第2の走査線駆動回路114Bは、方向Vyに延びる直線部114Fと、方向Vyに対して傾いた方向に延びる直線部114Gと、を有している。直線部114Fと、直線部114Gとは、屈曲部114X3で連結されている。表示領域111が円形であるので、直線部114F、直線部114Gが表示領域111に沿う。これにより、実施形態3に比べ、実施形態7の表示パネル110は、周辺領域を小さくすることができる。
【0114】
なお、実施形態7の信号線接続回路113は、方向Vxに対して非平行である。
【0115】
上述したように、ユーザは、レンズ410によって拡大された表示装置100の表示領域を視認する。レンズ410を介してユーザが表示領域111を視認すると、表示パネル110の周辺部分、特に中心から遠いコーナー部分はレンズの視野範囲から外れて見えないことが多い。このため、表示領域111が円形であっても、ユーザは違和感なく、画像を視認できる。
【0116】
(実施形態8)
実施形態7では、表示領域111は、円形であるが、実施形態8の表示領域111は、多角形である。実施形態1と同一の構成には同一の符合を付し、重複する説明は省略する。
【0117】
図18は、実施形態8に係る表示領域の一例を示す模式図である。実施形態8の表示領域111は、多角形のうち六角形である。これにより、直線部114C、直線部114D、直線部114E、直線部114F、直線部114Gから表示領域111までの間の非表示領域が小さくなる。その結果、実施形態8の表示パネル110は、周辺領域を小さくしても、表示領域111の面積を確保することができる。
【0118】
(実施形態9)
実施形態9では、方向Vssに並べられる、実施形態5の画素PixR、PixG、PixBの順序とは異なる配置となっている。上述した実施形態と同一の構成には同一の符合を付し、重複する説明は省略する。
【0119】
図19は、実施形態9において、表示領域の一部を拡大して模式的に示す模式図である。
図19に示すように、方向Vssにおいて、画素PixRが、画素PixBと画素PixGとに挟まれており、方向Vslにおいて、画素PixRが、画素PixBと画素PixGとに挟まれている。
【0120】
また、方向Vssにおいて、画素PixGが、画素PixRと画素PixBとに挟まれており、方向Vslにおいて、画素PixGが、画素PixRと画素PixBとに挟まれている。
【0121】
また、方向Vssにおいて、画素PixBが、画素PixGと画素PixRとに挟まれており、方向Vslにおいて、画素PixBが、画素PixGと画素PixRとに挟まれている。
【0122】
方向Vssにおいて、画素PixR、画素PixB、画素PixGの順に繰り返し並べられている。方向Vslにおいて、画素PixR、画素PixB、画素PixGの順に繰り返し並べられている。ユーザの視感度の高い緑色の画素PixGが方向Vxに対して、斜め(第3の方向Vt)に連続して並べられる。同色画素間隔L1、L2については、実施形態5と同じであるので説明を省略する。
【0123】
(実施形態10)
実施形態5の方向Vssの傾きが紙面右下がりであるのに対し、実施形態10では、方向Vssの傾きが紙面右上がりである。上述した実施形態と同一の構成には同一の符合を付し、重複する説明は省略する。
【0124】
図20は、実施形態10において、表示領域の一部を拡大して模式的に示す模式図である。
図20に示すように、方向Vssにおいて、画素PixRが、画素PixBと画素PixGとに挟まれており、方向Vslにおいて、画素PixRが、画素PixBと画素PixGとに挟まれている。
【0125】
また、方向Vssにおいて、画素PixGが、画素PixRと画素PixBとに挟まれており、方向Vslにおいて、画素PixGが、画素PixRと画素PixBとに挟まれている。
【0126】
また、方向Vssにおいて、画素PixBが、画素PixGと画素PixRとに挟まれており、方向Vslにおいて、画素PixBが、画素PixGと画素PixRとに挟まれている。
【0127】
方向Vssにおいて、画素PixR、画素PixG、画素PixBの順に繰り返し並べられている。方向Vslにおいて、画素PixR、画素PixB、画素PixGの順に繰り返し並べられている。
【0128】
図20において、方向Vslと直交する方向Vsgは、方向Vxと平行である。方向Vssは、走査線GLが延びる方向である。方向Vssと方向Vsgとがなす角度θgだけ、走査線GLが、方向Vxに対して傾いている。ユーザの視感度の高い緑色の画素PixGが方向Vxに対して、斜め(第3の方向Vt)に連続して並べられる。同色画素間隔L1、L2については、実施形態5と同じであるので説明を省略する。
【0129】
(実施形態11)
実施形態11では、方向Vssに並べられる、実施形態10の画素PixR、PixG、PixBの順序とは異なる配置となっている。上述した実施形態と同一の構成には同一の符合を付し、重複する説明は省略する。
【0130】
図21は、実施形態11において、表示領域の一部を拡大して模式的に示す模式図である。
図21に示すように、方向Vssにおいて、画素PixRが、画素PixBと画素PixGとに挟まれており、方向Vslにおいて、画素PixRが、画素PixBと画素PixGとに挟まれている。
【0131】
また、方向Vssにおいて、画素PixGが、画素PixRと画素PixBとに挟まれており、方向Vslにおいて、画素PixGが、画素PixRと画素PixBとに挟まれている。
【0132】
また、方向Vssにおいて、画素PixBが、画素PixGと画素PixRとに挟まれており、方向Vslにおいて、画素PixBが、画素PixGと画素PixRとに挟まれている。
【0133】
方向Vssにおいて、画素PixR、画素PixB、画素PixGの順に繰り返し並べられている。方向Vslにおいて、画素PixR、画素PixG、画素PixBの順に繰り返し並べられている。ユーザの視感度の高い緑色の画素PixGが方向Vxに対して、斜め(第3の方向Vt)に連続して並べられる。同色画素間隔L1、L2については、実施形態5と同じであるので説明を省略する。
【0134】
(実施形態12)
実施形態12では、バックライトIL(
図8参照)の一例について説明する。上述した実施形態と同一の構成には同一の符合を付し、重複する説明は省略する。
【0135】
図22は、実施形態12に係る表示システムの構成の一例を示すブロック図である。
図23は、実施形態12に係るバックライトの一例を示す模式図である。
図24は、実施形態12に係る画像調整回路の処理を説明するためのフローチャートである。
図22に示すように、表示装置100は、2つの表示パネル110と、センサ120と、画像分離回路150と、画像調整回路170と、インタフェース160と、を備える。
図8に示すように、2つの表示パネル110の背面には、それぞれバックライトILが配置される。説明を容易にするため、
図22には、バックライトILが記載されている。
図22に示すように、画像調整回路170は、入力画像変換部171と、点灯量計算部172と、輝度分布計算部175と、階調値補正部174と、を備える。
【0136】
バックライトILは、いわゆる直下型光源装置である。バックライトILには、ローカルディミングと呼ばれる光源制御がなされ、発光領域511の一部分である部分発光領域PLA毎に点灯量が制御される。
【0137】
2つのバックライトILのそれぞれは、発光領域511と、光源制御回路512と、を有する。発光領域511は、部分発光領域PLAが、2次元のマトリクス状(行列状)に配列されている。
【0138】
実施形態12の1つの部分発光領域PLAには、例えば縦200画素、横200画素の画素Pixが重なり合う。
図22では、複数の部分発光領域PLAの配列を模式的に表しており、画素Pixに対する部分発光領域PLAの大きさは、説明を容易にするため、実際とは異なる。
【0139】
バックライトILは、Vx方向に延在する発光素子を選択する発光素子走査線LGLと、Vx方向と直行するVy方向に延在する発光出力信号線LSLを有する。バックライトILにおいて、発光出力信号線LSLと発光素子走査線LGLとに囲まれた領域には、発光素子が配置される。
【0140】
2つのバックライトILのうち、一方の表示パネル110の表示領域111に重ね合わせるバックライトILが右目用であり、他方の表示パネル110の表示領域111に重ね合わせるバックライトILが左目用である。実施形態12では、バックライトILは、左目用と右目用の2つのバックライトILを有する場合について説明する。ただし、バックライトILは、上述のように2つのバックライトILを用いる構造に限定されない。例えば、バックライトILは、1つであって、右半分の領域には表示パネル110を重ね合わせ、左半分の領域には左目用の表示パネル110を重ね合わせ、1つのバックライトILの発光領域511を左目用と右目用の表示領域111に重ね合わされていてもよい。
【0141】
画像分離回路150は、ケーブル300を介して制御装置200から送られてきた左目用の画像データと右目用の画像データを受けとり、左目用の画像データを左目用の画像を表示する表示パネル110の画像調整回路170に送り、右目用の画像データを右目用の画像を表示する表示パネル110の画像調整回路170に送る。画像調整回路170の詳細な構成については、後述する。
【0142】
実施形態12では、表示領域111において、実施形態5と同様に、走査線GLが延在する方向は、信号線SLが延在する方向と非直交である。実施形態12の表示パネル110は、実施形態5の表示パネルと同じ構成であるので、詳細な説明を省略する。
【0143】
図23に示すように、発光素子516は、平面視で、3μm以上300μm以下程度の大きさを有する無機の発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)チップであり、マイクロLED(micro LED)又はミニLED(mini LED)と呼ばれる。発光出力信号線LSLは、Vy方向に延在し、発光素子516のカソードに接続される。発光出力信号線LSLは、Vx方向に間隔をおいて並ぶ。発光素子走査線LGLは、Vx方向に延在し、Vy方向に間隔をおいて並び、発光素子516のアノードに接続される。
【0144】
1つの発光素子走査線LGLは、発光素子走査線LGLの延在方向に沿って配置される複数の発光素子516が接続される。また、1つの発光出力信号線LSLは、発光出力信号線LSLの延在方向に沿って配置される複数の発光素子516が接続される。
【0145】
図22及び
図23に示すように、光源制御回路512は、発光電流制御回路513と、スイッチアレイ514と、タイミング制御回路515を備えている。発光電流制御回路513は、発光出力信号線LSLのそれぞれと電気的に接続されている。点灯量データDlaに基づいて、発光電流制御回路513は、各発光出力信号線LSLに電流を供給する。スイッチアレイ514は、各発光素子走査線LGLを選択するスイッチング素子Lsw(例えば、FET(Field Effect Transistor))を複数備えている。スイッチング素子LswがONになると、当該スイッチング素子Lswに接続された発光素子走査線LGLが選択される。光源同期信号Dsyncに基づいて、タイミング制御回路515は、発光電流制御回路513と、スイッチアレイ514を制御する。スイッチアレイ514は、発光素子スキャン信号Dswに基づいて、スイッチング素子LswのON/OFFをする。
【0146】
例えば、実施形態12では、
図23に示すように、1つの部分発光領域PLAには、1つの発光素子516がある。なお、1つの部分発光領域PLAには、予め定められた複数の発光素子516があってもよい。
【0147】
上述したように、
図13において、方向Vslは、信号線SL(
図5参照)が延在する方向である。方向Vslと直交する方向Vsgは、方向Vxと平行である。方向Vssは、走査線GL(
図5参照)が延びる方向である。方向Vssと方向Vsgとがなす角度θgだけ、走査線GLが、方向Vxに対して傾いている。これに対して、発光素子走査線LGLの延びる方向は、方向Vxと平行である。発光素子走査線LGLの延びる方向と、走査線GLが延びる方向とがなす角度θgだけ、走査線GLが、発光素子走査線LGLに対して傾いている。この傾きの違いを考慮して点灯量を決定し、各画素の位置のバックライトの明るさを計算する必要がある。
【0148】
そこで、実施形態12では、
図24に示すように、入力画像変換部171が、せん断変形されている画像データから四角形の一般的な画像データの形式に変換する(ステップS101)。このように、入力画像変換部171は、せん断変形されている画像データを四角形の一般的な画像データに変換する画像の変換部である。
【0149】
画像調整回路170は、ステップS101の処理の後、ローカルディミングの画像処理を実行する。ローカルディミングの画像処理について、以下、
図24を参照しつつ説明する。ステップS101の処理の後、点灯量計算部172は、各LEDの点灯量を決定する(ステップS102)。ステップS102の処理の後、輝度分布計算部175は、階調補正を行う表示パネルの画素の選定を行う(ステップS103)。輝度分布計算部175は、ステップS103において選定されるべき画素がなく、全画素が処理されて終了している場合(ステップS104;Yes)、ローカルディミングの画像処理を終了する。輝度分布計算部175は、ステップS103において選定されるべき画素があり、全画素が処理されて終了していない場合(ステップS104;No)、ステップS105の処理へ処理を進める。輝度分布計算部175は、ステップS103で選定した画素に対して、角度θgを考慮した表示パネルの画素の物理的な位置を計算する(ステップS105)。輝度分布計算部175は、ステップS105で計算された画素の物理的な画素位置におけるバックライトの輝度を計算する(ステップS106)。階調値補正部174は、ステップS106で計算されたバックライトの輝度に応じて、画素の階調補正を行う(ステップS107)。次に、画像調整回路170は、他の画素を処理するため、ステップS103の処理を行う。このように、各画素には、角度θgを考慮して必要な補正を行った階調値が反映される。
【0150】
以上説明したように、実施形態12の表示装置は、表示領域111を有する表示パネル110と、表示領域111に重ね合わせるバックライトILと、画像調整回路170とを備える。表示パネル110は、アレイ基板SUB1と、アレイ基板SUB1の表示領域111に設けられる、複数の画素Pixと、方向Vssに延在する複数の走査線GLと、方向Vslに延在する複数の信号線SLとを有する。方向Vssは、方向Vslと直交する方向と非平行かつ非直交である。これに対して、バックライトILは、平面視で表示領域111に重なる位置に複数の発光素子516を有し、方向Vsl(方向Vy)に延在し、発光素子516に接続される発光出力信号線LSLと、方向Vsl(方向Vy)に直交する方向Vxに延在し、発光素子516に接続される発光素子走査線LGLと、を備える。
【0151】
さらに画像調整回路170により、発光素子走査線LGLの延びる方向と、走査線GLが延びる方向とがなす角度θgの影響を低減し、画素Pixに対する部分発光領域PLAの点灯量が適切となり、バックライトILの効果的なローカルディミング制御が行われる。
【0152】
(実施形態13)
実施形態13では、バックライトIL(
図8参照)の一例について説明する。
図25は、実施形態13に係る表示システムの構成の一例を示すブロック図である。実施形態12のバックライトIL(
図23参照)と異なり、実施形態13のバックライトIL(
図25)では、Vss方向に延在する発光素子を選択する発光素子走査線LGLを有する。また、
図25に示す実施形態13における表示システムは、
図22とは入力画像変換部171を有していない点で相違する。上述した実施形態と同一の構成には同一の符合を付し、重複する説明は省略する。
【0153】
図27に示すように、バックライトILは、Vss方向に延在する発光素子を選択する発光素子走査線LGLと、Vx方向と直行するVy方向に延在する発光出力信号線LSLを有する。発光素子走査線LGLは、Vss方向に延在する。バックライトILにおいて、発光出力信号線LSLと発光素子走査線LGLとに囲まれた領域には、発光素子516が配置される。これにより、1つの部分発光領域PLAは、平行四辺形になる。
【0154】
発光素子走査線LGLの延びる方向は、走査線GLと延びる方向と平行である。このため、走査線GLが、発光素子走査線LGLに対して傾いていない。これにより、発光素子516が発光する点灯量が、実際に重なる表示領域111の画素Pixの輝度と合うようになる。
【0155】
なお、平面視で表示領域111と重ならない、発光領域511の部分発光領域PLBにある発光素子516を除去し、発光することのないダミー領域としてもよい。部分発光領域PLBに発光素子516がある場合、各発光出力信号線LSL及び各発光素子走査線LGLの負荷電流が均一となり、場所による発光素子516の特性のばらつきが小さくなる。
【0156】
以上説明したように、実施形態13の表示装置は、表示領域111を有する表示パネル110と、表示領域111に重ね合わせるバックライトILと、を備える。表示パネル110は、アレイ基板SUB1と、アレイ基板SUB1の表示領域111に設けられる、複数の画素Pixと、方向Vssに延在する複数の走査線GLと、方向Vslに延在する複数の信号線SLとを有する。方向Vssは、方向Vslと直交する方向と非平行かつ非直交である。これに対して、バックライトILは、平面視で表示領域111に重なる位置に複数の発光素子516を有し、方向Vsl(方向Vy)に延在し、発光素子516に接続される発光出力信号線LSLと、方向Vssに延在し、発光素子516に接続される発光素子走査線LGLと、を備える。これにより、発光素子走査線LGLの延びる方向と、走査線GLが延びる方向とが平行となり、上述したなす角度θgの影響を低減する。その結果、画素Pixに対する部分発光領域PLAの点灯量は適切となり、バックライトILへ効果的なローカルディミング制御が行われる。
【0157】
表示パネルの画素の位置は、バックライトILにおいてもθgの傾きを有することで容易に計算できる。従って、実施形態13において、実施形態12の様な入力画像変換部171は不要となる。
【0158】
図25に示す実施形態13の表示システムは、
図22に示す実施形態12の表示システムと比較して、画像調整回路170の構成が異なり、画像調整回路170の構成以外の他の部分は同じ構成となっている。ただし、計算に用いる光学プロファイルデータが、一般的な直交座標における光学プロファイルとは異なる。光学プロファイルとは、バックライトの発光単位の明るさがバックライトの明るさとしてどの様に表示面内に広がっているかを示すデータで、バックライトの明るさの分布を計算するために必要となる。本実施形態においては、光源の配置が斜めになっているため、
図25のシステムが直交座標に基づいて構成されている場合は、光学プロファイルを補正する必要がある。
【0159】
図26Aは、実施形態13に係るバックライトの点灯量を計算するにあたり、変換前のバックライトの光学プロファイルデータを示す模式図である。
図26Bは、実施形態13に係るバックライトの点灯量を計算するにあたり、変換後のバックライトの光学プロファイルデータを示す模式図である。
図26Aに示すfreal(Vx,Vy)は、ある(Vx,Vy)=(0,0)において1つの発光素子516の発光の伝播範囲を示す光学プロファイルである。走査線GLは、方向Vssに延び、方向Vxと方向Vssとのなす角度θgがある。このため、画素Pixは平行四辺形として扱われる。平行四辺形の画素Pixを画像データで扱われる直交格子の画素GPixへ変換した場合、光学プロファイルfreal(Vx,Vy)は、方向Xsと方向Ysとが直角となる直交座標において、光学プロファイルfsytem(Xs,Ys)(
図26B参照)へ変換される。
【0160】
実施形態13の表示システムでは、画像データの座標を下記式(1)及び式(2)で、画素Pixが直交格子として、方向Xsと方向Ysとが直角となる直交座標へ変換する。ここで、傾きkは、式(3)で求められる。これら式(1)から式(3)は、変換された光学プロファイルとして、予め画像調整回路170に記憶されている。
【0161】
【0162】
【0163】
【0164】
図26Bに示すように、画像データは、直交格子の座標で表現されているので、点灯量計算部172が光学プロファイルfsytem(Xs,Ys)で点灯量を計算することで、せん断変形されている画像データに対して、直交座標上に配置されていることを想定した計算を実施しても正しい輝度が計算できる。点灯量計算部172は、計算した点灯量データDla及び光源同期信号Dsyncを光源制御回路512へ送出する。
【0165】
輝度分布計算部175は、光学プロファイルfsytem(Xs,Ys)で計算された1つの部分発光領域PLAの点灯量に重なる画素Pix毎の輝度分布を計算する。階調値補正部174は、輝度分布計算部175で計算した輝度分布に基づいて、画像データの各画素Pixの階調値を補正し、補正後の階調値を含む補正画像データDiを表示制御回路112へ送出する。
【0166】
以上説明したように、画像調整回路170は、方向Vsl(方向Vy)を第1軸、方向Vssを第2軸とする画像の座標を、方向Vsl(方向Vy)を第1軸、方向Vsl(方向Vy)に直交する方向Vxを第2軸とする画像の座標に変換して、各発光素子516の点灯量を計算する。これにより、発光素子走査線LGLの延びる方向と、走査線GLが延びる方向とがなす角度θgの影響を低減する。その結果、画素Pixに対する部分発光領域PLAの点灯量は適切となり、バックライトILへ効果的なローカルディミング制御が行われる。
【0167】
以上、好適な実施の形態を説明したが、本開示はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本開示の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本開示の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0168】
1 表示システム
100 表示装置
110 表示パネル
111 表示領域
112 表示制御回路
113 信号線接続回路
114X、114X1、114X2、114X3 屈曲部
114 走査線駆動回路
114A 第1の走査線駆動回路
114B 第2の走査線駆動回路
115 ドライバIC
115b 端子
170 画像調整回路
171 入力画像変換部
172 点灯量計算部
174 階調値補正部
175 輝度分布計算部
200 制御装置
230 制御部
300 ケーブル
400 装着部材
410 レンズ
511 発光領域
512 光源制御回路
513 発光電流制御回路
514 スイッチアレイ
515 タイミング制御回路
516 発光素子
GL 走査線
L1 同色画素間隔
L2 同色画素ピッチ
LGL 発光素子走査線
LSL 発光出力信号線
Mg、MI、MIg 補償画像
Mn 画像
Pgl 基準位置
Ph1 距離
Ph2 距離
Pix、PixR、PixG、PixB 画素
Psl 基準位置
Pt 交差位置
Pw1 距離
Pw2 距離
SL 信号線
SUB1 アレイ基板
SUB2 対向基板
Vp 方向
Vsg 方向
Vsl 方向
Vss 方向
Vx 方向
Vy 方向
Δh1、Δh2 距離
θg 角度
θs 角度