(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】プロテアーゼ活性を有するポリペプチドを含む動物用飼料添加物及びその使用
(51)【国際特許分類】
A23K 20/153 20160101AFI20240705BHJP
A23K 10/16 20160101ALI20240705BHJP
C12N 9/54 20060101ALN20240705BHJP
C12N 15/57 20060101ALN20240705BHJP
【FI】
A23K20/153
A23K10/16
C12N9/54 ZNA
C12N15/57
(21)【出願番号】P 2020512477
(86)(22)【出願日】2018-08-31
(86)【国際出願番号】 EP2018073529
(87)【国際公開番号】W WO2019043191
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-08-24
(32)【優先日】2017-09-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】500586299
【氏名又は名称】ノボザイムス アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【氏名又は名称】武居 良太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100182730
【氏名又は名称】大島 浩明
(72)【発明者】
【氏名】レアゲ トビーゼブレンク ホー
(72)【発明者】
【氏名】ティーネ ホフ
(72)【発明者】
【氏名】ピーダ ラーベク ウスタゴー
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/014790(WO,A2)
【文献】独国特許出願公開第102007036756(DE,A1)
【文献】特表2003-521907(JP,A)
【文献】特表2008-546395(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0110910(US,A1)
【文献】特開2004-283034(JP,A)
【文献】特開2008-301779(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0160159(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23K 10/00 - 50/90
C12N 9/54
C12N 15/57
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロテアーゼ活性を有する1つ以上のポリペプチドを含む動物用飼料添加物であって、前記ポリペプチドは、
(a)配列番号1と
、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(b)配列番号2と
、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(c)配列番号3と
、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(d)配列番号4と
、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(e)配列番号5と
、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(f)配列番号6と
、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(g)配列番号7と
、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(h)配列番号8と
、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(i)配列番号9と
、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(j)配列番号1の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29
、又は30位置に含む変異体と;
(k)配列番号2の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29
、又は30位置に含む変異体と;
(l)配列番号3の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29
、又は30位置に含む変異体と;
(m)配列番号5の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29
、又は30位置に含む変異体と;
(n)配列番号6の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29
、又は30位置に含む変異体と;
(o)配列番号7の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29
、又は30位置に含む変異体と;
(p)配列番号8の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29
、又は30位置に含む変異体と;
(q)配列番号9の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29
、又は30位置に含む変異体と;
(r)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)又は(i)の前記ポリペプチド並びにN末端及び/又はC末端のHis-タグ及び/又はHQ-タグを含むポリペプチドと;
(s)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)又は(i)の前記ポリペプチド並びに最大10個のアミノ酸、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のアミノ酸のN末端及び/又はC末端伸長を含むポリペプチドと;
(t)プロテアーゼ活性を有し、且つ成熟ポリペプチドの長さの少なくとも90%を有する、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)又は(i)の前記ポリペプチドの断片と
からなる群から選択されるS8プロテアーゼである、動物用飼料添加物。
【請求項2】
前記S8プロテアーゼは、モチーフTGXK[V/T][I/V]X[N/S]MSLG(配列番号4)を含む、請求項1に記載の動物用飼料添加物。
【請求項3】
1つ以上のビタミンをさらに含む、請求項1又は2に記載の動物用飼料添加物。
【請求項4】
プロテアーゼ活性を有する1つ以上のポリペプチドを含み、前記ポリペプチドは、
(a)配列番号1と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチド;
(b)配列番号2と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチド;
(c)配列番号3と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチド;
(d)配列番号4と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチド;
(e)配列番号5と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチド;
(f)配列番号6と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチド;
(g)配列番号7と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチド;
(h)配列番号8と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチド;
(i)配列番号9と少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチド;
(j)配列番号1の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30位置に含む変異体;
(k)配列番号2の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30位置に含む変異体;
(l)配列番号3の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30位置に含む変異体;
(m)配列番号5の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30位置に含む変異体;
(n)配列番号6の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30位置に含む変異体;
(o)配列番号7の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30位置に含む変異体;
(p)配列番号8の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30又は30位置に含む変異体;
(q)配列番号9の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30位置に含む変異体
からなる群から選択されるS8プロテアーゼである、請求項1~3のいずれか一項に記載の動物用飼料添加物。
【請求項5】
配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8若しくは配列番号9又はその変異体を含み、前記変異体は、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを
、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14若しくは15位置、又は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11若しくは12位置に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の動物用飼料添加物。
【請求項6】
前記置換は、S173P、S175P、T297P;L61P、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;H39D、L61P、S173P、S175P、T297P;L61P、H83T、S173P、S175P、T297P;L61P、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;H123W、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;N59D、H83T、S173P、S175P、T297P;N59D、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;L61Y、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;N59D、L61P、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;I43P、L61P、H123W、V124A、S173P、S175P、T297P;I43P、L61P、H83T、S173P、S175P、T297P;H39D、N59D、H83T、S173P、S175P、T297P;H39D、N59D、L61Y、S173P、S175P、T297P;H39D、H83T、H123W、V124A、S173P、S175P、T297P;H39D、L61Y、H123W、V124A、S173P、S175P、T297P;H39D、H83T、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;H39D、L61Y、H83T、S173P、S175P、T297P;L61Y、H83T、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;H39D、N59D、L61Y、H83T、S173P、S175P、T297P;I43P、L61P、S173P、S175P、T297P;H83T、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;L61Y、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;I43P、N59D、S173P、S175P、T297P;H83T、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;L61P、H123W、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;I43P、L61P、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;H39D、N59D、L61P、S173P、S175P、T297P;I43P、L61P、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;L61P、H83T、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;I43P、H83T、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;I43P、L61Y、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;I43P、N59D、H123W、V124A、S173P、S175P、T297P;N59D、H83T、H123W、V124A、S173P、S175P、T297P;N59D、L61Y、H123W、V124A、S173P、S175P、T297P;H39D、N59D、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;I43P、L61Y、H123W、V124A、S173P、S175P、T297P;H39D、N59D、L61P、H83T、S173P、S175P、T297P;I43P、N59D、L61P、H83T、S173P、S175P、T297P;H39D、I43P、N59D、L61Y、S173P、S175P、T297P;及びL61Y、H83T、S173P、S175P、T297Pからなる群から選択される突然変異を含む複数の突然変異である、請求項1~4のいずれか一項に記載の動物用飼料添加物。
【請求項7】
前記S8プロテアーゼは、配列番号2及び配列番号3からなる群から選択されるポリペプチドと少なくとも90%の同一性、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%の配列同一性を有し、前記ポリペプチドは、S27K、N109K、S111E、S171E、S173P、G174K、S175P、F180Y、G182A、L184F、Q198E、N199K及びT297Pからなる群から選択される突然変異のいずれも含まないか又はそれらの1つ以上を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の動物用飼料添加物。
【請求項8】
配列番号1、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8及び配列番号9からなる群から選択されるポリペプチドと少なくとも90%の同一性、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%の配列同一性を有するS8プロテアーゼを含み、前記ポリペプチドは、S173P、S175P、T297P;L61P、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;H39D、L61P、S173P、S175P、T297P;L61P、H83T、S173P、S175P、T297P;L61P、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;H123W、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;N59D、H83T、S173P、S175P、T297P;N59D、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;L61Y、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;N59D、L61P、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;I43P、L61P、H123W、V124A、S173P、S175P、T297P;I43P、L61P、H83T、S173P、S175P、T297P;H39D、N59D、H83T、S173P、S175P、T297P;H39D、N59D、L61Y、S173P、S175P、T297P;H39D、H83T、H123W、V124A、S173P、S175P、T297P;H39D、L61Y、H123W、V124A、S173P、S175P、T297P;H39D、H83T、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;H39D、L61Y、H83T、S173P、S175P、T297P;L61Y、H83T、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;H39D、N59D、L61Y、H83T、S173P、S175P、T297P;I43P、L61P、S173P、S175P、T297P;H83T、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;L61Y、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;I43P、N59D、S173P、S175P、T297P;H83T、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;L61P、H123W、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;I43P、L61P、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;H39D、N59D、L61P、S173P、S175P、T297P;I43P、L61P、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;L61P、H83T、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;I43P、H83T、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;I43P、L61Y、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;I43P、N59D、H123W、V124A、S173P、S175P、T297P;N59D、H83T、H123W、V124A、S173P、S175P、T297P;N59D、L61Y、H123W、V124A、S173P、S175P、T297P;H39D、N59D、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;I43P、L61Y、H123W、V124A、S173P、S175P、T297P;H39D、N59D、L61P、H83T、S173P、S175P、T297P;I43P、N59D、L61P、H83T、S173P、S175P、T297P;H39D、I43P、N59D、L61Y、S173P、S175P、T297P及びL61Y、H83T、S173P、S175P、T297Pからなる群から選択される突然変異のいずれも含まないか又はそれらの1つ以上を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の動物用飼料添加物。
【請求項9】
配列番号1、配列番号2及び配列番号3からなる群から選択されるポリペプチドと少なくとも90%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%の配列同一性を有するS8プロテアーゼを含み、前記ポリペプチドは、突然変異を配列番号1、配列番号2又は配列番号3の位置27、109、111、171、173、174、175、180、182、184、198、199及び297のいずれにおいても含まないか又はそれらの1つ以上において含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の動物用飼料添加物。
【請求項10】
配列番号2及び配列番号3からなる群から選択されるポリペプチドと少なくとも90%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%の配列同一性を有するS8プロテアーゼを含むか、又は前記S8プロテアーゼは、突然変異を配列番号2又は配列番号3の位置27、109、111、171、173、174、175、180、182、184、198、199及び297のいずれにおいても含まないか又はそれらの1つ以上において含むポリペプチドである、請求項9に記載の動物用飼料添加物。
【請求項11】
前記ポリペプチドは、配列番号1と少なくとも75%、例えば少なくとも76%、少なくとも77%、例えば少なくとも78%の配列同一性を有するバチルス(Bacillus)属種-13380由来のS8プロテアーゼ、配列番号1と少なくとも80%の配列同一性を有するバチルス・イドリエンシス(Bacillus idriensis)由来のS8プロテアーゼ、配列番号1と少なくとも90%の配列同一性を有するバチルス(Bacillus)属種-62451由来のS8プロテアーゼ及び配列番号1と少なくとも85%、例えば少なくとも86%、例えば少なくとも87%の配列同一性を有するバチルス・オセアニセディミニス(Bacillus oceanisediminis)由来のS8プロテアーゼからなる群から選択されるS8プロテアーゼである、請求項1~4のいずれか一項に記載の動物用飼料添加物。
【請求項12】
界面活性剤を含まない、請求項1~11のいずれか一項に記載の動物用飼料添加物。
【請求項13】
1つ以上の配合剤と;
1つ以上の追加の酵素と;
1つ以上の微生物と;
1つ以上のビタミンと;
1つ以上のミネラルと;
1つ以上のアミノ酸と;
1つ以上のプレバイオティクスと;
1つ以上のファイトジェニクスと;
1つ以上の有機酸と;
1つ以上の他の飼料成分と
からなるリストから選択される1つ以上の構成要素をさらに含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の動物用飼料添加物。
【請求項14】
前記S8プロテアーゼは、顆粒として製剤化されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の動物用飼料添加物。
【請求項15】
請求項1~11のいずれか一項に記載の動物用飼料添加物と、20%~80%w/wのポリオールとを含む液体製剤。
【請求項16】
請求項1~11のいずれか一項に記載の動物用飼料添加物又は請求項15に記載の液体製剤と、植物ベースの材料とを含む動物用飼料。
【請求項17】
動物の1つ以上の性能パラメータを向上させる方法であって、1つ以上の動物に、請求項1~11のいずれか一項に記載の動物用飼料添加物、請求項15に記載の液体製剤又は請求項16に記載の動物用飼料を投与することを含む方法。
【請求項18】
動物用飼料を調製する方法であって、請求項1~11のいずれか一項に記載の動物用飼料添加物又は請求項15に記載の液体製剤を少なくとも1つのタンパク質又はタンパク質源と混合することを含む方法。
【請求項19】
タンパク質を処理する方法であって、請求項1~11のいずれか一項に記載の動物用飼料添加物又は請求項15に記載の液体製剤を少なくとも1つのタンパク質又はタンパク質源に加えることを含む方法。
【請求項20】
タンパク質の消化率及び/又は可溶性を増大させる方法であって、請求項1~11のいずれか一項に記載の動物用飼料添加物又は請求項15に記載の液体製剤を少なくとも1つのタンパク質又はタンパク質源と混合することを含む方法。
【請求項21】
動物用飼料の栄養価を向上させる方法であって、請求項1~11のいずれか一項に記載の動物用飼料添加物又は請求項15に記載の液体製剤を前記飼料に加えることを含む方法。
【請求項22】
請求項1~11のいずれか一項に記載の動物用飼料添加物又は請求項15に記載の液体製剤の、動物用飼料に用いる組成物の調製における、
動物用飼料の栄養価を向上させるための;
消化可能な且つ/若しくは可溶性のタンパク質を動物用飼料中で増大させるための;
動物用食餌中でのタンパク質の加水分解の程度を増大させるための;
動物において1つ以上の性能パラメータを向上させるための;及び/又は
タンパク質を処理するための使用。
【請求項23】
ポリペプチドを生成する方法であって、
(a)請求項1~11のいずれか一項に記載のポリペプチドをコードする外因性ポリヌクレオチドを含む組換えバチルス(Bacillus)属宿主細胞を培養するステップであって、前記ポリヌクレオチドは、発現され、及び前記ポリペプチドは、生成される、ステップと;任意選択的に、
(b)前記ポリペプチドを回収するステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列リストの参照
本出願は、参照により本明細書に組み込まれるコンピューター可読形式の配列リストを含有する。
【0002】
本発明は、プロテアーゼ活性を有するポリペプチドを含む動物用飼料又は動物用飼料添加物及びその使用に関する。本発明は、プロテアーゼを生成する方法並びにプロテアーゼを用いて動物の性能及び動物用飼料の栄養価を向上させる方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
動物用飼料中でのプロテアーゼの(インビボ)使用及び/又はそのようなプロテアーゼの、植物性タンパク質を(インビトロ)処理するための使用時、タンパク質は、動物及びヒトに必須の栄養因子であることに留意する必要がある。ほとんどの家畜及び多くのヒトは、必須タンパク質を植物性タンパク質源から得ている。重要な植物性タンパク質源は、例えば、油糧種子作物、豆類及び穀物である。
【0004】
ダイズミール等のタンパク質源が単胃動物、例えばブタ及び家禽の飼料に含まれる場合、ダイズミールの大部分は、効率的に消化されない(子ブタ、成長期ブタ並びに家禽、例えばブロイラー、産卵鶏及び雄鶏における見掛けの回腸窒素消化率は、およそ80%のみである)。タンパク質の消化率を向上させることにより、動物は、タンパク質をより吸収することによって性能、例えば体重増加の増大を向上させることができる。
【0005】
動物の消化管は、それぞれが異なるpH環境を示す一連のセグメントからなる。単胃動物、例えばブタ及び家禽並びに魚の多くの種類において、胃は、強く酸性であり、pHが潜在的に2~3もの低さである一方、腸管は、pHがより中性であり、およそ6~7.5である。胃及び腸管を別として、家禽は、素嚢も胃に先行して有する。素嚢中のpHは、ほとんどの場合、摂取される飼料によって決定されるため、典型的にpH4~6の範囲にある。プロテアーゼによるタンパク質消化が消化管の全体に沿って起こり得るが、プロテアーゼが活性であり、且つ消化管内の条件を生き残る場合に限られる。そのため、高度に酸安定性であり、胃環境内で生き残ることができると同時に、標的動物内の消化管の広範囲の生理学的pHにおいて効率的に活性であるプロテアーゼがとりわけ所望される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
プロテアーゼがタンパク質の吸収を向上させることができるかを判定する一方法として、プロテアーゼが動物用食餌に加えられた場合に回腸窒素消化率が向上するかを調査することによるものがある。インビボ治験のランにより、プロテアーゼの胃安定性及びプロテアーゼの、タンパク質分解の有効性の両方を確認することができる。本発明の目的は、例えば、見掛けの回腸窒素消化率により、成長性能の向上の増大を示すプロテアーゼを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、プロテアーゼ活性を有する1つ以上のポリペプチドを含む動物用飼料添加物であって、ポリペプチドは、
(a)配列番号1と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(b)配列番号2と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(c)配列番号3と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(d)配列番号4と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(e)配列番号5と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(f)配列番号6と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(g)配列番号7と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(h)配列番号8と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(i)配列番号9と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(j)配列番号1の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む変異体と;
(k)配列番号2の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む変異体と;
(l)配列番号3の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む変異体と;
(m)配列番号5の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む変異体と;
(n)配列番号6の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む変異体と;
(o)配列番号7の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む変異体と;
(p)配列番号8の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む変異体と;
(q)配列番号9の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む変異体と;
(r)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)又は(i)のポリペプチド並びにN末端及び/又はC末端のHis-タグ及び/又はHQ-タグを含むポリペプチドと;
(s)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)又は(i)のポリペプチド並びに最大10個のアミノ酸、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のアミノ酸のN末端及び/又はC末端伸長を含むポリペプチドと;
(t)プロテアーゼ活性を有し、且つ成熟ポリペプチドの長さの少なくとも90%を有する、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)又は(i)のポリペプチドの断片と
からなる群から選択されるS8プロテアーゼである、動物用飼料添加物に関する。
【0008】
本発明は、動物用飼料添加物を含む動物用飼料及び液体製剤;動物用飼料添加物を用いて、動物の1つ以上の性能パラメータを向上させる方法;動物用飼料を調製する方法;タンパク質を処理する方法;タンパク質の消化率及び/又は可溶性を増大させる方法、並びに動物用飼料の栄養価を向上させる方法、並びにそれらの使用にさらに関する。本発明は、組換えバチルス(Bacillus)属宿主細胞内で本発明のポリペプチドを生成する方法にさらに関する。
【0009】
本発明は、本発明の動物用飼料添加物又は液体製剤の、動物用飼料に用いる組成物の調製における、動物用飼料の栄養価を向上させるための;消化可能な且つ/若しくは可溶性のタンパク質を動物用飼料中で増大させるための;動物用食餌中でのタンパク質の加水分解の程度を増大させるための;動物において1つ以上の性能パラメータを向上させるための;及び/又はタンパク質を処理するための使用にさらに関する。
【0010】
配列リストの概要
配列番号1は、バチルス・ホルネキアエ(Bacillus horneckiae)由来の成熟S8プロテアーゼのアミノ酸配列である。
【0011】
配列番号2は、バチルス(Bacillus)属種TY145由来の成熟S8プロテアーゼのアミノ酸配列である。
【0012】
配列番号3は、バチルス(Bacillus)属種TY145由来の変異S8プロテアーゼのアミノ酸配列である。
【0013】
配列番号4は、保存モチーフTGXK[V/T][I/V]X[N/S]MSLGである。
【0014】
配列番号5は、バチルス(Bacillus)属種13380由来の成熟S8プロテアーゼのアミノ酸配列であり(国際公開第2017064253号パンフレットにも開示されている)、配列番号1とおよそ78%の同一性を有する。
【0015】
配列番号6は、バチルス・イドリエンシス(Bacillus idriensis)由来の成熟S8プロテアーゼのアミノ酸配列であり(国際公開第2015091989号パンフレットにも開示されている)、配列番号1と80%の同一性を有する。
【0016】
配列番号7は、バチルス(Bacillus)属種13380由来の成熟S8プロテアーゼのアミノ酸配列であり(国際公開第2015091989号パンフレットにも開示されている)、配列番号1と89%の同一性を有する。
【0017】
配列番号8は、バチルス(Bacillus)属種62451由来の成熟S8プロテアーゼのアミノ酸配列であり(国際公開第2015091989号パンフレットにも開示されている)、配列番号1と90%の同一性を有する。
【0018】
配列番号9は、バチルス・オセアニセディミニス(Bacillus oceanisediminis)由来の成熟S8プロテアーゼのアミノ酸配列であり、配列番号1と87%の同一性を有する。
【0019】
配列番号10は、バチルス・オセアニセディミニス(Bacillus oceanisediminis)由来のS8プロテアーゼをコードするDNA配列である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
定義
ダイズ-トウモロコシミールに及ぼすポリペプチドの活性:用語「ダイズ-トウモロコシミールに及ぼすポリペプチドの活性」は、酵素のプロテアーゼ活性を、本明細書に記載されるように、o-フタルジアルデヒド(OPA)アッセイを用いて、30:70の比率で混合したダイズミール-トウモロコシミールで求めたことを意味する。アッセイpH値の例は、pH3.0、4.0、5.0、6.0及び7.0である。アッセイ温度の例は、30、35、40、45及び50℃である。アッセイ時間の例は、2、3及び4時間である。酵素濃度の例は、酵素タンパク質50、100、150、200、250及び300mg/kg基質乾物である。
【0021】
好ましい実施形態において、ダイズミール-トウモロコシミールを30:70の比率で混合(2g)して、100mMコハク酸、100mM HEPES、100mM CHES、100mM CAPS、12.5mM CaCl2、150mM KCl、0.01%Triton X-100(10mL)を含有するバッファ(ダイズ-トウモロコシミール基質をアッセイバッファと混合した後、スラリーの最終pHがpH3.0、4.0、5.0、6.0又は7.0となるようなpH値にHCl又はNaOHを用いて調製又は調整した)に加えてから、基質スラリーのアリコート(2mL)を40℃において30分間混合して、100μl 100mM酢酸ナトリウムバッファ(9.565g/L NaOAc、1.75g/L酢酸、5mM CaCl2、0.01%BSA、0.01%Tween20、pH6.0)中に溶解したプロテアーゼ(200mg酵素タンパク質/kg基質)を加えて、サンプルを40℃において3時間インキュベート(磁気撹拌)して、サンプルを遠心分離(10分、4000rpm、0℃)して、o-フタルジアルデヒド(OPA)アッセイ(本明細書では「ダイズ-トウモロコシミールアッセイ」と呼ぶ)を用いて分析のための上清を収集することにより、ダイズ-トウモロコシミールに及ぼすポリペプチドの活性を求めた。別の好ましい実施形態において、ダイズ-トウモロコシミールに及ぼすポリペプチドの活性を本明細書で実施例4に記載されるように求める。
【0022】
一実施形態において、本発明のポリペプチドは、配列番号1のポリペプチドとしてpH4においてダイズ-トウモロコシミールに及ぼす活性の少なくとも50%、例えば少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも100%を有する。
【0023】
対立遺伝子変異体:用語「対立遺伝子変異体」は、同じ染色体遺伝子座を占める遺伝子の2つ以上の代替形態のいずれかを意味する。対立遺伝子変異は、突然変異を通して天然に生じて、集団内に多型をもたらし得る。遺伝子突然変異は、サイレント(コードされるポリペプチド中で不変)であり得るか、又はアミノ酸配列が変更されたポリペプチドをコードし得る。ポリペプチドの対立遺伝子変異体は、遺伝子の対立遺伝子変異体によってコードされるポリペプチドである。
【0024】
動物:用語「動物用飼料」は、ヒト以外の全ての動物に言及する。動物の例として、非反芻動物及び反芻動物がある。反芻動物として、例えば動物、例えばヒツジ、ヤギ、ウシ、例えば肉牛、乳牛及び仔牛、シカ、ヤンク、ラクダ、ラマ並びにカンガルーが挙げられる。非反芻動物として、単胃動物、例えばブタ又はイノシシ(以下に限定されないが、子ブタ、成長期ブタ及び雌ブタが挙げられる);家禽、例えばシチメンチョウ、カモ及びニワトリ(以下に限定されないが、ブロイラー雛、産卵鶏が挙げられる);ウマ(以下に限定されないが、熱血種、冷血種及び温血種が挙げられる)、仔牛;魚(以下に限定されないが、アンバージャック、ピラルクー、バルブ、バス、ブルーフィッシュ、ボカチコ、ブリーム、ブルヘッド、カチャマ、コイ、ナマズ、カトラ、サバヒー(chanos)、チャー、シクリッド、スギ、タラ、クラッピー、ドラド、ドラム、ウナギ、ハゼ、キンギョ、グーラミ、ハタ、グァポーテ、オヒョウ、ジャワ、ラベオ、イケカツオ、ドジョウ、サバ、ミルクフィッシュ、クロサギ、マッドフィッシュ、ボラ、パコ、パールスポット、ペヘレイ、パーチ、カワカマス、コバンアジ、ローチ、サケ、ヒゲナガヒレナマズ(sampa)、ソーガー、シーバス、タイ、シャイナー、スリーパ、スネークヘッド、フエダイ、アカメ、シタビラメ、アイゴ、チョウザメ、マンボウ、アユ、テンチ、テラー、テラピア、マス、マグロ、ターボット、シロマス、ウォールアイ及びホワイトフィッシュが挙げられる);並びに甲殻類(以下に限定されないが、小エビ及びクルマエビが挙げられる)が挙げられる。
【0025】
動物用飼料:用語「動物用飼料」は、動物による摂取に適した又は動物による摂取が意図されるあらゆる化合物、調製物又は混合物に言及する。単胃動物のための動物用飼料は、典型的に、濃縮物並びにビタミン、ミネラル、酵素、直接供与微生物、アミノ酸及び/又は他の飼料成分を(例えば、プレミックス中に)含むが、反芻動物のための動物用飼料は、通常、飼草(粗飼料及びサイレージが挙げられる)を含み、且つ濃縮物並びにビタミン、ミネラル、酵素、直接供与微生物、アミノ酸及び/又は他の飼料成分を(例えば、プレミックス中に)さらに含み得る。
【0026】
体重増加:用語「体重増加」は、所与の期間中における動物の生体重の増加、例えば1日目から21日目までの体重の増加を意味する。
【0027】
cDNA:用語「cDNA」は、真核細胞又は原核細胞から得られるスプライスされた成熟mRNA分子から逆転写によって調製され得るDNA分子を意味する。cDNAは、対応するゲノムDNAに存在し得るイントロン配列を欠く。初期の一次RNA転写物は、スプライスされた成熟RNAとして生じる前の、スプライシングを含む一連のステップを通してプロセシングされるmRNAに対する前駆体である。
【0028】
コード配列:用語「コード配列」は、ポリペプチドのアミノ酸配列を直接指定するポリヌクレオチドを意味する。コード配列の境界は、一般に、ATG、GTG又はTTGなどの開始コドンで始まり、TAA、TAG又はTGAなどの終止コドンで終わるオープンリーディングフレームによって決定される。コード配列は、ゲノムDNA、cDNA、合成DNA又はこれらの組合せであり得る。
【0029】
組成物:用語「組成物」は、キャリア及び本発明の少なくとも1つの酵素を含む組成物を指す。本明細書に記載される組成物は、動物用飼料と混合され得、「マッシュ飼料」と呼ばれる場合がある。
【0030】
濃縮物:用語「濃縮物」は、魚粉、糖蜜、オリゴ糖、モロコシ、種子及び穀物(全体又は例えばトウモロコシ、カラスムギ、ライムギ、オオムギ、コムギから破砕、粉砕などによって作製される)、脂肪種子油かす(例えば、綿実、ベニバナ、ヒマワリ、ダイズ、ナタネ/キャノーラ、ピーナッツ又は塊茎から)、パームカーネルケーキ、酵母由来材料及び蒸留穀物(未乾燥の蒸留穀物(WDS)及び可溶成分を含む乾燥蒸留穀物(DDGS)など)などの高タンパク質並びに高エネルギー濃縮物を有する飼料を意味する。
【0031】
制御配列:用語「対照配列」は、本発明の成熟ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現に必要な核酸配列を意味する。各制御配列は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに対して天然(すなわち同じ遺伝子由来)若しくは外来(すなわち異なる遺伝子由来)又は互いに対して天然若しくは外来のものであり得る。このような制御配列としては、リーダー、ポリアデニル化配列、プロペプチド配列、プロモータ、シグナルペプチド配列及び転写ターミネータが挙げられるが、これらに限定されない。少なくとも、制御配列は、プロモータ並びに転写及び翻訳終止シグナルを含む。制御配列は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドのコード領域と制御配列とのライゲーションを促進する特定の制限部位を導入するためにリンカーと共に提供され得る。
【0032】
ヨーロッパ生産有効性指数(EPEF):用語「ヨーロッパ生産有効性指数」は、生産効率を決定し、且つ飼料転換、死亡率及び毎日の増加を考慮する一用語である。EEFは、[(生存率(%)×体重増加(kg))/(研究期間日数×FCR)]×100として算出される。
【0033】
発現:用語「発現」は、転写、転写後修飾、翻訳、翻訳後修飾及び分泌を含むが、これらに限定されない、ポリペプチドの産生に関与する任意の工程を含む。
【0034】
発現ベクター:用語「発現ベクター」は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、且つその発現を提供する制御配列に作動可能に連結される線状又は環状のDNA分子を意味する。
【0035】
飼料転換比:用語「飼料転換比」は、指定された量による、動物の体重を増大させるために動物に与えられる飼料の量である。飼料転換比の向上は、より低い飼料転換比を意味する。「より低い飼料転換比」又は「飼料転換比の向上」とは、飼料への飼料添加組成物の使用により、指定された量による、動物の体重を増大させるために動物に与えられるのに必要とされる飼料の量が、飼料が前記飼料添加組成物を含まない場合の、同じ量による、動物の体重を増大させるのに必要とされる飼料の量と比較してより低くなることを意味する。
【0036】
飼料効率:用語「飼料効率」は、動物が自由摂食又は期間中に指定量の飼料で給餌されるときの単位飼料あたりの体重増加の量を意味する。「飼料効率の上昇」により、飼料において本発明による飼料添加物組成物の使用が、存在している前記飼料添加物組成物がない状態で給餌される動物と比較して単位飼料摂取量あたりの体重増加の上昇をもたらすことが意味される。
【0037】
飼草:本明細書で定義される用語「飼草」は、粗飼料を含む。飼草は、飼草植物、牧草及び他の飼草植物の乾草並びにサイレージ、海藻、発芽した穀物並びにマメ科植物又はこれらの任意の組合せなどの新鮮な植物材料である。飼草植物の例は、アルファルファ(ルツェルン)、ミヤコグサ、アブラナ属(brassica)(例えば、ケール、ナタネ(キャノーラ)、ルタバガ(カブハボタン)、カブ)、クローバー(例えば、タチオランダゲンゲ、ムラサキツメクサ、ジモグリツメクサ、シロツメクサ)、牧草(例えば、バミューダグラス、スズメノチャヒキ、オオカニツリ、フェスク属(fescue)、ヒースグラス、ナガハグサ、カモガヤ、ドクムギ、チモシー牧草)、コーン(トウモロコシ)、キビ、オオムギ、カラスムギ、ライムギ、モロコシ、ダイズ及びコムギ並びにビートなどの野菜である。飼草は、穀物生産(トウモロコシ茎葉;コムギ、オオムギ、カラスムギ、ライムギ及び他の穀物のわらなど)からの農作物の残余、ビートトップのような野菜の残余;ダイズ、ナタネ及び他のマメ科植物の茎及び葉のような脂肪種子生産の残余;並びに動物若しくはヒトの消費のための穀物の精製からの又は燃料生産若しくは他の産業からの画分をさらに含む。
【0038】
断片:用語「断片」は、成熟ポリペプチドのアミノ末端及び/又はカルボキシ末端で欠けている1つ以上(例えば、数個)のアミノ酸を有するポリペプチドを意味し、断片は、プロテアーゼ活性を有する。
【0039】
一態様において、断片は、成熟ポリペプチドの長さの少なくとも90%、例えば配列番号1の少なくとも283個のアミノ酸、配列番号2の少なくとも279個のアミノ酸又は配列番号3の少なくとも279個のアミノ酸を含む。
【0040】
一態様において、断片は、成熟ポリペプチドの長さの少なくとも92%、例えば配列番号1の少なくとも290個のアミノ酸、配列番号2の少なくとも286個のアミノ酸又は配列番号3の少なくとも286個のアミノ酸を含む。
【0041】
一態様において、断片は、成熟ポリペプチドの長さの少なくとも94%、例えば配列番号1の少なくとも295個のアミノ酸、配列番号2の少なくとも292個のアミノ酸又は配列番号3の少なくとも292個のアミノ酸を含む。
【0042】
一態様において、断片は、成熟ポリペプチドの長さの少なくとも96%、例えば配列番号1の少なくとも301個のアミノ酸、配列番号2の少なくとも298個のアミノ酸又は配列番号3の少なくとも298個のアミノ酸を含む。
【0043】
一態様において、断片は、成熟ポリペプチドの長さの少なくとも98%、例えば配列番号1の少なくとも308個のアミノ酸、配列番号2の少なくとも304個のアミノ酸又は配列番号3の少なくとも304個のアミノ酸を含む。
【0044】
一態様において、断片は、成熟ポリペプチドの長さの少なくとも99%、例えば配列番号1の少なくとも311個のアミノ酸、配列番号2の少なくとも307個のアミノ酸又は配列番号3の少なくとも307個のアミノ酸を含む。
【0045】
宿主細胞:用語「宿主細胞」は、本発明のポリヌクレオチドを含む核酸構築物又は発現ベクターによる形質転換、トランスフェクション、トランスダクションなどを受けやすい任意の細胞型を意味する。用語「宿主細胞」は、複製中に起こる変異に起因して親細胞と同一でない親細胞の任意の後代を包含する。
【0046】
見掛けの回腸窒素消化率:用語「見掛けの回腸窒素消化率」(又はAIDN)は、小腸管の終端(回腸)での乾物の見掛けの消失を考慮したときの、回腸消化物と飼料との窒素濃度の差のパーセンテージである。AIDNは、小腸管内因性タンパク質の放出を考慮しない、小腸管粗化合物タンパク質消化率の推定値として用いられる。これは、粗タンパク質の真の消化率が常にAIDNと比較してより大きいことを意味する。AIDNの増大は、アミノ酸の小腸管吸収の増大と概して相関しており、動物の性能の向上のマーカーである。見掛けの回腸窒素消化率(AIDN)は、以下の式を用いて算出される。
AIDN(%)=100-[(CMf/CMe)×(CNe/CNf)]×100
式中、
CMf=飼料中のマーカーの濃度;CMe=回腸消化物中のマーカーの濃度;
CNf=飼料中の栄養素の濃度;CNe=回腸消化物中の栄養素の濃度。
【0047】
用語「陰性対照と比較して回腸窒素消化率が少なくともx%(例えば、4%)向上させる」は、陰性対照(すなわち同じ飼料であるが、プロテアーゼを食餌に加えていない)についての見掛けの回腸窒素消化率のパーセンテージがy%(例えば、75%)であれば、プロテアーゼを有する群についての見掛けの回腸窒素消化率のパーセンテージが少なくともy%+x%(すなわちこの例では>79%)であることを意味する。
【0048】
単離された:用語「単離された」は、天然に存在しない形態又は環境における物質を意味する。単離された物質の例としては、(1)天然に存在しない任意の物質、(2)限定されるものではないが、任意の酵素、変異体、核酸、タンパク質、ペプチド若しくは補因子を含む、天然で会合している天然に存在する成分の1つ以上又は全てから少なくとも部分的に取り出された任意の物質;(3)天然に見出される物質に対して人間の手により修飾された任意の物質;又は(4)天然で会合している他の成分に対する物質の量の増加(例えば、宿主細胞中の組換え体産生;物質をコードする遺伝子の多重コピー;及び物質をコードする遺伝子と天然で会合しているプロモータよりも強力なプロモータの使用)により修飾された任意の物質が挙げられる。
【0049】
成熟ポリペプチド:用語「成熟ポリペプチド」は、翻訳及びN末端プロセシング、C末端短縮化、グリコシル化、リン酸化などの任意の翻訳後修飾後の最終形態のポリペプチドを意味する。一態様において、成熟ポリペプチドは、EDMAN N末端配列決定データ及びインタクトMSデータに基づいて配列番号1のアミノ酸1~314である。一態様において、成熟ポリペプチドは、EDMAN N末端配列決定データ及びインタクトMSデータに基づいて配列番号2のアミノ酸1~311である。一態様において、成熟ポリペプチドは、EDMAN N末端配列決定データ及びインタクトMSデータに基づいて配列番号3のアミノ酸1~311である。
【0050】
宿主細胞が、同じポリヌクレオチドによって発現される2つ以上の異なる成熟ポリペプチド(すなわち異なるC末端及び/又はN末端アミノ酸を有する)の混合物を生成する場合があることが当技術分野で知られている。異なる宿主細胞がポリペプチドを別様にプロセシングし、それにより、ポリヌクレオチドを発現するある宿主細胞が、同じポリヌクレオチドを発現する別の宿主細胞と比較して異なる成熟ポリペプチド(例えば、異なるC末端及び/又はN末端アミノ酸を有する)を産生する場合があることも当技術分野で知られている。
【0051】
核酸構築物:用語「核酸構築物」は、天然に存在する遺伝子から単離されるか、又はそうでなければ天然に存在しないであろう様式の核酸のセグメントを含有するように修飾されるか又は合成的である、1つ以上の制御配列を含む一本鎖又は二本鎖のいずれかの核酸分子を意味する。
【0052】
~から得られるか又は入手可能な:用語「~から得られるか又は入手可能な」は、ポリペプチドを特定の分類上の階級由来の生物中に見出し得ることを意味する。一実施形態において、ポリペプチドは、バチラス(Bacillales)目から得られるか又は入手可能である。ここで、用語目は、分類上の階級である。別の好ましい実施形態において、ポリペプチドは、バチラス(Bacillaceae)科、プラノコッカス(Planococcaceae)科又はパエニバチラス(Paenibacillaceae)科から得られるか又は入手可能である。ここで、用語科は、分類上の階級である。別の好ましい実施形態において、ポリペプチドは、バチルス(Bacillus)属から得られるか又は入手可能である。ここで、用語属は、分類上の階級である。
【0053】
ポリペプチドの分類学上のランクが知られていない場合、それは、ポリペプチドのBLASTP検索(例えば、国立生物工学情報センター(National Center for Biotechnology Information)(NCBI)のウェブサイト - www.ncbi.nlm.nih.gov/を使用する)を実施し、それを最も近縁のホモログと比較することにより、当業者により容易に決定することができる。既知のポリペプチドの断片である未知のポリペプチドは、同じ分類学上の種のものであると見なされる。最大10カ所で置換、欠失及び/又は挿入を含む未知の天然ポリペプチド又は人工変異体は、既知のポリペプチドと同じ分類学上の種のものであると見なされる。
【0054】
作動可能に連結される:用語「作動可能に連結される」は、制御配列が、コード配列の発現を誘導するようにポリペプチドのコード配列に対して適切な位置に置かれる配置を意味する。
【0055】
ペレット:用語「ペレット」及び/又は「ペレット化」は、固体の丸い、球形の、且つ/又は円筒状のタブレット又はペレット並びにそのような固体の形状、特に飼料ペレット及び固体の押し出された動物用飼料を形成するプロセスに言及する。本明細書で用いられる用語「押出し」又は「押出成形」は、当技術分野において周知の用語であり、本明細書に記載される組成物を圧力下でオリフィスに強制的に通過させるプロセスを指す。
【0056】
性能パラメータ:用語「性能パラメータ」は、体重増加、ヨーロッパ生産効率指数(EPEF)、ヨーロッパ生産有効性指数(EFF)及びFCRからなるリストから選択される用語の1つ以上を意味する。用語「1つ以上の性能パラメータの向上」は、1つ以上の動物の体重増加の増大、ヨーロッパ生産効率指数(EPEF)の増大、ヨーロッパ生産有効性指数(EFF)の増大及び/又はFCRの低下があることを意味する。
【0057】
プロテアーゼ:用語「プロテアーゼ」は、本明細書では、ペプチド結合を加水分解する酵素と定義される。プロテアーゼとして、EC3.4酵素群(その13のサブクラスをそれぞれ含む(en.wikipedia.org/wiki/Category:EC_3.4))に属するあらゆる酵素が挙げられる。EC番号は、NC-IUBMB,Academic Press,San Diego,CaliforniaのEnzyme Nomenclature 1992(Eur.J.Biochem.223:1-5(1994);Eur.J.Biochem.232:1-6(1995);Eur.J.Biochem.237:1-5(1996);Eur.J.Biochem.250:1-6(1997);及びEur.J.Biochem.264:610-650(1999)中にそれぞれ公開されている補足1~5を含む)を参照する。用語「スブチラーゼ」は、Siezen et al.,1991,Protein Engng.4:719-737及びSiezen et al.,1997,Protein Science 6:501-523に従うセリンプロテアーゼのサブグループに言及する。セリンプロテアーゼ又はセリンペプチダーゼは、活性部位内において、基質と共有結合付加物を形成するセリンを有することによって特徴付けられるプロテアーゼのサブグループである。さらに、スブチラーゼ(及びセリンプロテアーゼ)は、セリンの他に2つの活性部位アミノ酸残基、すなわちヒスチジン残基及びアスパラギン酸残基を有することによって特徴付けられる。スブチラーゼは、6つの下位区分、すなわちスブチリシンファミリー、テルミターゼファミリー、プロテイナーゼKファミリー、ランチビオティックペプチダーゼファミリー、ケキシン(Kexin)ファミリー及びピロリシン(Pyrolysin)ファミリーに分けることができる。
【0058】
プロテアーゼ活性:用語「プロテアーゼ活性」は、タンパク質分解活性を意味する(EC3.4)。プロテアーゼ活性を有するポリペプチド又はプロテアーゼは、ときにペプチダーゼ、プロテイナーゼ、ペプチドヒドロラーゼ又はタンパク質分解酵素とも呼ばれる。プロテアーゼは、エキソ型(そのいずれかの末端から始まってペプチドを加水分解する)であり得るか、又はエンド型(ポリペプチド鎖内で内部的に作用する(エンドペプチターゼ))であり得る。エンドペプチターゼは、対象のプロテアーゼの特異性に関連する、N末端でブロックされたペプチド基質及びC末端でブロックされたペプチド基質に及ぶ活性を示す。
【0059】
いくつかのプロテアーゼ活性型があり、例えばArg残基及びLys残基のカルボキシ末端側でのトリプシン様プロテアーゼ切断及び疎水性アミノ酸残基のカルボキシ末端側でのキモトリプシン様プロテアーゼ切断がある。本発明のプロテアーゼは、わずかにアルカリpHが最適な(最適pH8~9.5)セリンエンドペプチターゼ(EC3.4.21)である。
【0060】
プロテアーゼ活性は、対象のプロテアーゼの特異性に関連するペプチド結合を含む基質が使用されるあらゆるアッセイを用いて測定することができる。アッセイpH及びアッセイ温度は、同様に、対象のプロテアーゼに適合される。アッセイpH値の例は、pH2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12である。アッセイ温度の例は、15、20、25、30、35、37、40、45、50、55、60、65、70、80、90又は95℃である。一般的なプロテアーゼ基質の例は、カゼイン、ウシ血清アルブミン及びヘモグロビンである。古典的なAnson及びMirsky法では、変性ヘモグロビンを基質として用いて、対象のプロテアーゼとのアッセイインキュベーション後のトリクロロ酢酸可溶性のヘモグロビンの量をプロテアーゼ活性の尺度として判定する(Anson and Mirsky,1932,J.Gen.Physiol.16:59及びAnson,1938,J.Gen.Physiol.22:79)。
【0061】
本発明について、プロテアーゼ活性を、「材料及び方法」に記載されるアッセイ、例えばSuc-AAPF-pNAアッセイ及びProtazyme AKアッセイを用いて求めた。Protazyme AKアッセイについて、不溶性のProtazyme AK(Azurine-Crosslinked Casein)基質は、プロテアーゼとインキュベートされると、青色を遊離させ、この色をプロテアーゼ活性の尺度として判定する。Suc-AAPF-pNAアッセイについて、無色のSuc-AAPF-pNA基質は、プロテアーゼとインキュベートされると、黄色のパラニトロアニリンを遊離させ、黄色をプロテアーゼ活性の尺度として判定する。
【0062】
本発明のポリペプチドは、配列番号1のポリペプチドのプロテアーゼ活性の少なくとも20%、例えば少なくとも40%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%及び少なくとも100%を有する。
【0063】
粗飼料:用語「粗飼料」は、種子及び穀物及び農作物の残余(茎葉、コプラ、わら、籾殻、サトウダイコンの廃棄物など)からの繊維、糠、穀皮などの高レベルの繊維を有する乾燥植物材料を意味する。
【0064】
配列同一性:2つのアミノ酸配列間又は2つのヌクレオチド配列間の関連性は、パラメータ「配列同一性」によって説明される。
【0065】
本発明の目的のために、2つのアミノ酸配列間の配列同一性の度合いは、好ましくは、バージョン3.0.0以降のEMBOSSパッケージ(EMBOSS:The European Molecular Biology Open Software Suite,Rice et al.,2000,Trends Genet.16:276-277)のNeedleプログラムにおいて実装されている、Needleman-Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch,1970,J.Mol.Biol.48:443-453)を用いて判定される。バージョン6.1.0を用いた。用いられる任意選択的なパラメータは、10のギャップオープンペナルティ、0.5のギャップエクステンションペナルティ及びEBLOSUM62(BLOSUM62のEMBOSSバージョン)置換マトリックスである。Needle標識された「最長の同一性」(-nobriefオプションを用いて得られる)の出力が同一性パーセントとして用いられ、以下のとおり算出される:
(同一の残基×100)/(アラインメントの長さ-アラインメント中のギャップの総数)。
【0066】
本発明の目的のために、2つのデオキシリボヌクレオチド酸配列間の配列同一性の度合いは、好ましくは、バージョン3.0.0以降のEMBOSSパッケージ(EMBOSS:The European Molecular Biology Open Software Suite,Rice et al.,2000、前出)のNeedleプログラムにおいて実装されている、Needleman-Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch,1970、前出)を用いて判定される。バージョン6.1.0を用いた。用いられる任意選択的なパラメータは、10のギャップオープンペナルティ、0.5のギャップエクステンションペナルティ及びEDNAFULL(NCBI NUC4.4のEMBOSSバージョン)置換マトリックスである。Needle標識された「最長の同一性」(-nobriefオプションを用いて得られる)の出力が同一性パーセントとして用いられ、以下のとおり算出される:
(同一のデオキシリボヌクレオチド×100)/(アラインメントの長さ-アラインメント中のギャップの総数)。
【0067】
サイレージ:用語「サイレージ」は、発酵した高水分貯蔵飼葉を意味し、これは、反芻動物(食い戻し動物、例えばウシ及びヒツジ)に与えることができるか、又は嫌気性ダイジェスタのためのバイオ燃料フィードストックとして用いることができる。これは、エンシレージ、エンサイリング又はサイレージングと呼ばれるプロセスにおいて発酵且つ貯蔵され、通常、イネ科作物又は禾穀類(例えば、トウモロコシ、モロコシ、エンバク、ライムギ、チモシー等、飼草イネ科植物)又はクローバー/シロツメクサ、アルファルファ、ベッチのようなマメ科作物から、(穀粒のみならず)緑葉植物体全体を用いて製造される。サイレージは、多くの農作物から製造することができ、特殊用語がタイプに応じて用いられる場合がある(エンバクについてオートレージ、アルファルファについてヘイレージ)。サイレージは、切断された緑葉植物をサイロ内に配置することにより、これをプラスチックシートでカバーした大きいヒープ内に詰め込むことによって又は大きい包みをプラスチックフィルム内に包装することによって製造される。
【0068】
実質的に純粋なポリペプチド:用語「実質的に純粋なポリペプチド」は、最大10重量%、最大8重量%、最大6重量%、最大5重量%、最大4重量%、最大3重量%、最大2重量%、最大1重量%及び最大0.5重量%の天然に又は組み換え的に結合した他のポリペプチド材料を含有する調製物を意味する。好ましくは、ポリペプチドは、調製物中に存在する全ポリペプチド材料の重量に対して少なくとも92%純粋、例えば少なくとも94%純粋、少なくとも95%純粋、少なくとも96%純粋、少なくとも97%純粋、少なくとも98%純粋、少なくとも99%、少なくとも99.5%純粋及び100%純粋である。本発明のポリペプチドは、実質的に純粋な形態であることが好ましい。これは、例えば、よく知られている組換え法又は古典的な精製方法によってポリペプチドを調製することにより達成され得る。
【0069】
変異体:用語「変異体」は、改変、すなわち1つ以上(数カ所)の位置での1つ以上(数個)のアミノ酸残基の置換、挿入及び/又は欠失を含むプロテアーゼ活性を有するポリペプチドを意味する。置換とは、ある位置のアミノ酸の異なるアミノ酸による置き換えを意味し;欠失とは、ある位置のアミノ酸の除去を意味し;また、挿入とは、ある位置のアミノ酸に隣接する1~3個のアミノ酸を付加することを意味する。本発明の変異体は、配列番号1のプロテアーゼ活性の少なくとも20%、例えば少なくとも40%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも100%を有する。
【0070】
命名法
本発明の目的のために、命名法[E/Q]は、この位置のアミノ酸がグルタミン酸(Glu、E)又はグルタミン(Gln、Q)であり得ることを意味する。同様に、命名法[V/G/A/I]は、この位置のアミノ酸がバリン(Val、V)、グリシン(Gly、G)、アラニン(Ala、A)又はイソロイシン(Ile、I)であり得ることを意味し、本明細書に記載される他の組合せについても同様である。他でさらに限定されない限り、アミノ酸Xは、20種の天然アミノ酸のいずれかであり得ると定義される。
【0071】
プロテアーゼ活性を有するポリペプチドを含む動物用飼料添加物
プロテアーゼは、タンパク質を、動物によってより容易に消化及び利用されるより小さい断片に分解することによって機能する。動物用食餌は、主に、炭水化物源(例えば、トウモロコシ、コムギ、ライムギ)及びタンパク質源(典型的にはダイズミール)を含み、その後、少量の脂肪及び例えばビタミン及びミネラルを含有するプレミックスが補充される。プロテアーゼは、主に、タンパク質源の消化を補助し、この利用を測定する一方法は、動物、例えばブロイラーにおける回腸窒素消化率を求める。回腸窒素消化率が高いほど、タンパク質が適切に分解して、典型的には動物において体重増加及びFCRが向上する。
【0072】
プロテアーゼが回腸窒素消化率を実際に向上させたかを判定するために、陽性対照及び陰性対照の両方でインビボ治験をランすることが所望される。酵素は、陰性対照の最上部に加えられる一方、陽性対照は、ダイズミールの一部をダイズタンパク質濃縮物等のより消化可能なタンパク質源と交換する。PCは、通常、NCと比較して回腸窒素消化率の向上を示すが、NC内のタンパク質含有量が高度に消化可能であれば、差は、非常に小さくなり得る。しかしながら、注目するプロテアーゼ、例えば本発明のプロテアーゼは、NC及び好ましくはPCとも比較して回腸窒素消化率の向上を示す。
【0073】
このように、第1の態様において、本発明は、プロテアーゼ活性を有する1つ以上のポリペプチドを含む動物用飼料添加物であって、ポリペプチドは、S8プロテアーゼであり、且つ配列番号1と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する、動物用飼料添加物に関する。一実施形態において、ポリペプチドは、配列番号1由来のアミノ酸と最大50個、例えばアミノ酸と1~50個、例えばアミノ酸と1~45、1~40、1~35、1~30、1~25、1~20、1~15、1~10若しくは1~5個又はアミノ酸と1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49若しくは50個異なる。
【0074】
動物用飼料添加物は、好ましくは、配列番号1若しくはその対立遺伝子変異体を含むか若しくはそれからなり;配列番号1並びにN末端及び/若しくはC末端のHis-タグ及び/若しくはHQ-タグを含み;配列番号1並びに1~10個のアミノ酸のN末端及び/若しくはC末端伸長を含み;又はプロテアーゼ活性を有し、且つ配列番号1の長さの少なくとも90%、例えば少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%を有するその断片である。別の実施形態において、動物用飼料添加物は、配列番号1のアミノ酸1~314を含むか又はそれからなる。別の実施形態において、動物用飼料添加物は、配列番号1のアミノ酸2~314を含むか又はそれからなる。別の実施形態において、動物用飼料添加物は、配列番号1のアミノ酸4~314を含むか又はそれからなる。一実施形態において、ポリペプチドは、単離されている。
【0075】
第1の態様の続きで、本発明は、配列番号1の1つ以上の変異体を含む動物用飼料添加物であって、変異体は、プロテアーゼ活性を有するS8プロテアーゼであり、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは欠失、及び/若しくは挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む、動物用飼料添加物に関する。一実施形態において、配列番号1における、置換、及び/若しくは欠失、及び/若しくは挿入又はそれらの任意の組合せを含む位置の数は、1~50、例えば1~45、1~40、1~35、1~30、1~25、1~20、1~15、1~10又は1~5位置である。一実施形態において、配列番号1における、置換、及び/若しくは欠失、及び/若しくは挿入又はそれらの任意の組合せを含む位置の数は、10以下、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10である。別の実施形態において、配列番号1における置換、及び/又は欠失、及び/又は挿入の数は、10以下、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10である。さらなる実施形態において、配列番号1における置換、好ましくは保存的置換の数は、10以下、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10である。
【0076】
述べたように、本発明の実施形態は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8又は配列番号9の変異体を含む動物用飼料又は動物用飼料添加物であって、変異体は、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む、動物用飼料又は動物用飼料添加物に関する。配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8及び配列番号9の単一の突然変異の変異体及び複数の突然変異の変異体のいくつかが調製された。実施例12、実施例14及び実施例15は、配列番号1の胃安定性及びインビボ性能を示す。単一の突然変異の変異体(データ示さず)及び複数の突然変異の変異体が試験されて、配列番号1の親ポリペプチドと比較してより良好な酸安定性、胃安定性及び残留活性を有することが見出された。したがって、本発明の実施形態は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8若しくは配列番号9又はその変異体を含む動物用飼料添加物又は動物用飼料組成物であって、変異体は、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置、典型的には1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30、より典型的には1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19若しくは20位置、又は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14若しくは15位置、又は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11若しくは12位置に含む、動物用飼料添加物又は動物用飼料組成物に関する。
【0077】
突然変異S173P、S175P、T297Pの組合せを有する変異体は、配列番号1と比較して酸安定性が向上しており、これをさらなる突然変異のための出発点として用いた。したがって、本発明の一実施形態において、ポリペプチドは、S173P、S175P、T297P突然変異を含む配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8又は配列番号9のいずれか1つと少なくとも80%、例えば少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%の配列同一性を有する。興味深いことに、配列番号2の突然変異形態である配列番号3は、突然変異S173P、S175P、T297Pを含む。実施例に示すように、動物用飼料添加物は、適切には、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8及び配列番号9からなる、より典型的には配列番号1、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8及び配列番号9からなる群から選択されるポリペプチドと少なくとも90%の同一性を有するS8プロテアーゼを含み、ポリペプチドは、S173P、S175P、T297P;L61P、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;H39D、L61P、S173P、S175P、T297P;L61P、H83T、S173P、S175P、T297P;L61P、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;H123W、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;N59D、H83T、S173P、S175P、T297P;N59D、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;L61Y、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;N59D、L61P、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;I43P、L61P、H123W、V124A、S173P、S175P、T297P;I43P、L61P、H83T、S173P、S175P、T297P;H39D、N59D、H83T、S173P、S175P、T297P;H39D、N59D、L61Y、S173P、S175P、T297P;H39D、H83T、H123W、V124A、S173P、S175P、T297P;H39D、L61Y、H123W、V124A、S173P、S175P、T297P;H39D、H83T、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;H39D、L61Y、H83T、S173P、S175P、T297P;L61Y、H83T、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;H39D、N59D、L61Y、H83T、S173P、S175P、T297P;I43P、L61P、S173P、S175P、T297P;H83T、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;L61Y、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;I43P、N59D、S173P、S175P、T297P;H83T、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;L61P、H123W、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;I43P、L61P、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;H39D、N59D、L61P、S173P、S175P、T297P;I43P、L61P、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;L61P、H83T、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;I43P、H83T、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;I43P、L61Y、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;I43P、N59D、H123W、V124A、S173P、S175P、T297P;N59D、H83T、H123W、V124A、S173P、S175P、T297P;N59D、L61Y、H123W、V124A、S173P、S175P、T297P;H39D、N59D、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;I43P、L61Y、H123W、V124A、S173P、S175P、T297P;H39D、N59D、L61P、H83T、S173P、S175P、T297P;I43P、N59D、L61P、H83T、S173P、S175P、T297P;H39D、I43P、N59D、L61Y、S173P、S175P、T297P及びL61Y、H83T、S173P、S175P、T297Pからなる群から選択される突然変異のいずれも含まないか又はそれらの1つ以上を含む。
【0078】
動物用飼料添加物は、本発明の一実施形態において、典型的には配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8若しくは配列番号9からなる群から選択されるポリペプチド又はその変異体を含み、変異体は、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを含み、1つ以上の置換は、S173P、S175P、T297P;L61P、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;H39D、L61P、S173P、S175P、T297P;L61P、H83T、S173P、S175P、T297P;L61P、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;H123W、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;N59D、H83T、S173P、S175P、T297P;N59D、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;L61Y、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;N59D、L61P、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;I43P、L61P、H123W、V124A、S173P、S175P、T297P;I43P、L61P、H83T、S173P、S175P、T297P;H39D、N59D、H83T、S173P、S175P、T297P;H39D、N59D、L61Y、S173P、S175P、T297P;H39D、H83T、H123W、V124A、S173P、S175P、T297P;H39D、L61Y、H123W、V124A、S173P、S175P、T297P;H39D、H83T、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;H39D、L61Y、H83T、S173P、S175P、T297P;L61Y、H83T、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;H39D、N59D、L61Y、H83T、S173P、S175P、T297P;I43P、L61P、S173P、S175P、T297P;H83T、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;L61Y、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;I43P、N59D、S173P、S175P、T297P;H83T、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;L61P、H123W、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;I43P、L61P、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;H39D、N59D、L61P、S173P、S175P、T297P;I43P、L61P、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;L61P、H83T、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;I43P、H83T、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;I43P、L61Y、V124A、R130D、S173P、S175P、T297P;I43P、N59D、H123W、V124A、S173P、S175P、T297P;N59D、H83T、H123W、V124A、S173P、S175P、T297P;N59D、L61Y、H123W、V124A、S173P、S175P、T297P;H39D、N59D、E127N、S129M、S173P、S175P、T297P;I43P、L61Y、H123W、V124A、S173P、S175P、T297P;H39D、N59D、L61P、H83T、S173P、S175P、T297P;I43P、N59D、L61P、H83T、S173P、S175P、T297P;H39D、I43P、N59D、L61Y、S173P、S175P、T297P及びL61Y、H83T、S173P、S175P、T297Pからなる群から選択される突然変異を含む複数の突然変異である。
【0079】
さらに、いくつかのホモログを調製した。配列番号1、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8及び配列番号9は、互いにホモログである。
【0080】
【0081】
本発明の実施形態は、本発明の動物用飼料添加物であって、ポリペプチドは、配列番号1と少なくとも75%、例えば少なくとも76%、少なくとも77%、例えば少なくとも78%の配列同一性を有するバチルス(Bacillus)属種-13380由来のS8プロテアーゼ、配列番号1と少なくとも80%の配列同一性を有するバチルス・イドリエンシス(Bacillus idriensis)由来のS8プロテアーゼ、配列番号1と少なくとも90%の配列同一性を有するバチルス(Bacillus)属種-62451由来のS8プロテアーゼ及び配列番号1と少なくとも85%、例えば少なくとも86%、例えば少なくとも87%の配列同一性を有するバチルス・オセアニセディミニス(Bacillus oceanisediminis)由来のS8プロテアーゼからなる群から選択されるS8プロテアーゼである、動物用飼料添加物に関する。本発明のさらなる実施形態は、配列番号1、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8及び配列番号9からなる群から選択されるポリペプチドと少なくとも90%の同一性を有するS8プロテアーゼを含む飼料添加物に関する。
【0082】
第1の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、ポリペプチド(又は変異体)は、1つ以上のモチーフTGXK[V/T][I/V]X[N/S]MSLG(配列番号4)を含む。第1の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、ポリペプチド(又は変異体)は、分類上の目バチラス(Bacillales)目、好ましくは分類上の科バチラス(Bacillaceae)科又はより好ましくは分類上の属バチルス(Bacillus)属から得られるか又は入手可能である。
【0083】
第1の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、ポリペプチド(又は変異体)は、配列番号1のポリペプチドのプロテアーゼ活性の少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも100%を有する。第1の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、ポリペプチド(又は変異体)は、回腸窒素消化率を、プロテアーゼ(変異体)が食餌に加えられていない陰性対照と比較して少なくとも1%、例えば少なくとも1.5%、少なくとも2.0%、少なくとも2.5%、少なくとも3.0%、少なくとも3.5%又は少なくとも4.0%向上させる。
【0084】
アミノ酸の変化は、タンパク質の折り畳み及び/又は活性に著しく影響を及ぼさない保存的アミノ酸置換又は挿入;典型的には1~30アミノ酸の小規模な欠失;アミノ末端メチオニン残基などの小規模なアミノ末端又はカルボキシル末端伸長;最大20~25残基の小さいリンカーペプチド;又は正味の電荷又は別の機能を変えることにより精製を容易にする、ポリヒスチジン配列、抗原エピトープ又は結合ドメインなどの小規模な伸長である軽微なものであり得る。
【0085】
保存的置換の例は、塩基性アミノ酸(アルギニン、リジン及びヒスチジン)、酸性アミノ酸(グルタミン酸及びアスパラギン酸)、極性アミノ酸(グルタミン及びアスパラギン)、疎水性アミノ酸(ロイシン、イソロイシン及びバリン)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシン)並びに小さいアミノ酸(グリシン、アラニン、セリン、トレオニン及びメチオニン)の群に含まれる。概して比活性を変えないアミノ酸置換は、当技術分野で知られており、例えばH. Neurath and R.L.Hill,1979,In,The Proteins,Academic Press,New Yorkによって記載されている。一般的な置換は、Ala/Ser、Val/Ile、Asp/Glu、Thr/Ser、Ala/Gly、Ala/Thr、Ser/Asn、Ala/Val、Ser/Gly、Tyr/Phe、Ala/Pro、Lys/Arg、Asp/Asn、Leu/Ile、Leu/Val、Ala/Glu,及びAsp/Glyである。保存的置換の他の例は、GからA;AからG、S;VからI、L、A、T、S;IからV、L、M;LからI、M、V;MからL、I、V;PからA、S、N;FからY、W、H;YからF、W、H;WからY、F、H;RからK、E、D;KからR、E、D;HからQ、N、S;DからN、E、K、R、Q;EからQ、D、K、R、N;SからT、A;TからS、V、A;CからS、T、A;NからD、Q、H、S;QからE、N、H、K、Rである。
【0086】
ポリペプチドにおいて必須のアミノ酸は、部位特異的変異誘発又はアラニンスキャニング変異誘発などの当技術分野で知られる手順に従って同定され得る(Cunningham and Wells,1989,Science 244:1081-1085)。後者の技術は、1つのアラニン変異を分子のあらゆる残基に導入し、得られた変異体分子をプロテアーゼ活性について試験して、分子の活性に対して重大な意味を持つアミノ酸残基を同定する。Hilton et al.,1996,J.Biol.Chem.271:4699-4708も参照されたい。酵素の活性部位又は他の生物学的相互作用は、推定される接触部位アミノ酸の変異との組合せにより、核磁気共嗚、結晶構造解析、電子回折又は光親和性標識などの技術によって測定される構造の物理的分析によって判定することもできる。例えば、de Vos et al.,1992,Science 255:306-312;Smith et al.,1992,J.Mol.Biol.224:899-904;Wlodaver et al.,1992,FEBS Lett.309:59-64を参照されたい。必須アミノ酸の同一性は、関連するポリペプチドとのアライメントから推定することもできる。
【0087】
ペプチダーゼファミリーS8は、セリンエンドペプチターゼを含有し、配列数及び特徴付けられているペプチダーゼの両方に関して2番目に大きいセリンペプチダーゼファミリーである。サブファミリーS8Aにおいて、活性部位残基は、多くの場合、モチーフAsp-Thr/Ser-Gly、His-Gly-Thr-His及びGly-Thr-Ser-Met-Ala-Xaa-Pro内に存在する。これから、触媒残基をAsp-35、His-72及びSer-251と同定し、第4の活性部位アミノ酸を配列番号1、2及び3についてAsn-170と同定した。触媒残基のいずれかのアミノ酸の突然変異が酵素活性の変化又は低下をもたらす。
【0088】
単一又は複数のアミノ酸の置換、欠失及び/又は挿入は、既知の変異誘発、組換え及び/又はシャッフリングの方法、続いてReidhaar-Olson and Sauer,1988,Science 241:53-57;Bowie and Sauer,1989,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:2152-2156;国際公開第95/17413号パンフレット;又は国際公開第95/22625号パンフレットによって開示されるものなど、関連したスクリーニング手順を用いて実施及び試験され得る。使用することができる他の方法としては、エラープローンPCR、ファージディスプレイ(例えば、Lowman et al.,1991,Biochemistry 30:10832-10837;米国特許第5,223,409号明細書;国際公開第92/06204パンフレット)及び領域特異的変異誘発(Derbyshire et al.,1986,Gene 46:145;Ner et al.,1988,DNA 7:127)が挙げられる。
【0089】
変異誘発/シャッフリング方法は、宿主細胞によって発現されるクローン化された変異誘発ポリペプチドの活性を検出するためのハイスループットの自動化されたスクリーニング方法と組み合わされ得る(Ness et al.,1999,Nature Biotechnology 17:893-896)。活性ポリペプチドをコードする変異誘発DNA分子を宿主細胞から回収し、当技術分野における標準的な方法を用いて迅速に配列決定することができる。これら方法は、ポリペプチドにおける個々のアミノ酸残基の重要性の迅速な決定を可能にする。
【0090】
ポリペプチドは、あるポリペプチドの領域が別のポリペプチドの領域のN末端又はC末端に融合しているハイブリッドポリペプチドであり得る。
【0091】
ポリペプチドは、別のポリペプチドが本発明のポリペプチドのN末端又はC末端に融合している融合ポリペプチド又は切断可能融合ポリペプチドであり得る。融合ポリペプチドは、別のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを本発明のポリヌクレオチドに融合させることによって生成される。融合ポリペプチドを生成する技術は、当技術分野において知られており、それらのポリペプチドをコードするコーディング配列同士を、フレーム内にあるように、且つ融合ポリペプチドの発現が同じプロモータ及びターミネータの制御下にあるようにライゲートすることを含む。融合ポリペプチドは、融合ポリペプチドが翻訳後にもたらされるインテイン技術(Cooper et al.,1993,EMBO J.12:2575-2583;Dawson et al.,1994,Science 266:776-779)を用いても構築され得る。
【0092】
融合ポリペプチドは、2つのポリペプチド間に切断部位をさらに含み得る。融合タンパク質の分泌直後にその部位が切断されて、2つのポリペプチドを放出する。切断部位の例として、以下に限定されないが、Martin et al.,2003,J.Ind.Microbiol.Biotechnol.3:568-576;Svetina et al.,2000,J.Biotechnol.76:245-251;Rasmussen-Wilson et al.,1997,Appl.Environ.Microbiol.63:3488-3493;Ward et al.,1995,Biotechnology 13:498-503;Contreras et al.,1991,Biotechnology 9:378-381;Eaton et al.,1986,Biochemistry 25:505-512;Collins-Racie et al.,1995,Biotechnology 13:982-987;Carter et al.,1989,Proteins:Structure,Function,and Genetics 6:240-248;及びStevens,2003,Drug Discovery World 4:35-48に開示される部位が挙げられる。
【0093】
第2の態様において、本発明は、プロテアーゼ活性を有する1つ以上のポリペプチドを含む動物用飼料添加物であって、ポリペプチドは、S8プロテアーゼであり、且つ配列番号2と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する、動物用飼料添加物に関する。一実施形態において、ポリペプチドは、配列番号2由来のアミノ酸と最大50個、例えばアミノ酸と1~50個、例えばアミノ酸と1~45、1~40、1~35、1~30、1~25、1~20、1~15、1~10若しくは1~5個又はアミノ酸と1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49若しくは50個異なる。
【0094】
動物用飼料添加物は、好ましくは、配列番号2若しくはその対立遺伝子変異体を含むか若しくはそれからなり;配列番号2並びにN末端及び/若しくはC末端のHis-タグ及び/若しくはHQ-タグを含み;配列番号2並びに1~10個のアミノ酸のN末端及び/若しくはC末端伸長を含み;又はプロテアーゼ活性を有し、且つ配列番号2の長さの少なくとも90%、例えば少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%を有するその断片である。別の実施形態において、動物用飼料添加物は、配列番号2のアミノ酸1~311を含むか又はそれからなる。一実施形態において、ポリペプチドは、単離されている。
【0095】
第2の態様の続きで、本発明は、配列番号2の1つ以上の変異体を含む動物用飼料添加物であって、変異体は、プロテアーゼ活性を有するS8プロテアーゼであり、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは欠失、及び/若しくは挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む、動物用飼料添加物に関する。一実施形態において、配列番号2における、置換、及び/若しくは欠失、及び/若しくは挿入又はそれらの任意の組合せを含む位置の数は、1~50、例えば1~45、1~40、1~35、1~30、1~25、1~20、1~15、1~10又は1~5位置である。一実施形態において、配列番号2における、置換、及び/若しくは欠失、及び/若しくは挿入又はそれらの任意の組合せを含む位置の数は、10以下、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10である。別の実施形態において、配列番号2における置換、及び/又は欠失、及び/又は挿入の数は、10以下、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10である。さらなる実施形態において、配列番号2における置換、好ましくは保存的置換の数は、10以下、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10である。アミノ酸の変化、保存的置換及び融合ペプチドの例が本明細書の第2の態様に記載されている。
【0096】
第2の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、ポリペプチド(又は変異体)は、1つ以上のモチーフTGXK[V/T][I/V]X[N/S]MSLG(配列番号4)を含む。第2の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、ポリペプチド(又は変異体)は、分類上の目バチラス(Bacillales)目、好ましくは分類上の科バチラス(Bacillaceae)科又はより好ましくは分類上の属バチルス(Bacillus)属から得られるか又は入手可能である。
【0097】
第2の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、ポリペプチド(又は変異体)は、配列番号1のポリペプチドのプロテアーゼ活性の少なくとも40%、例えば少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも100%を有する。第2の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、ポリペプチド(又は変異体)は、回腸窒素消化率を、プロテアーゼ(変異体)が食餌に加えられていない陰性対照と比較して少なくとも1%、例えば少なくとも1.5%、少なくとも2.0%、少なくとも2.5%、少なくとも3.0%、少なくとも3.5%又は少なくとも4.0%向上させる。
【0098】
第3の態様において、本発明は、プロテアーゼ活性を有する1つ以上のポリペプチドを含む動物用飼料添加物であって、ポリペプチドは、S8プロテアーゼであり、且つ配列番号3と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有する、動物用飼料添加物に関する。一実施形態において、ポリペプチドは、配列番号3由来のアミノ酸と最大50個、例えばアミノ酸と1~50個、例えばアミノ酸と1~45、1~40、1~35、1~30、1~25、1~20、1~15、1~10若しくは1~5個又はアミノ酸と1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49若しくは50個異なる。
【0099】
動物用飼料添加物は、好ましくは、配列番号3若しくはその対立遺伝子変異体を含むか若しくはそれからなり;配列番号3並びにN末端及び/若しくはC末端のHis-タグ及び/若しくはHQ-タグを含み;配列番号3並びに1~10個のアミノ酸のN末端及び/若しくはC末端伸長を含み;又はプロテアーゼ活性を有し、且つ配列番号3の長さの少なくとも90%、例えば少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%若しくは少なくとも99%を有するその断片である。別の実施形態において、動物用飼料添加物は、配列番号3のアミノ酸1~311を含むか又はそれからなる。一実施形態において、ポリペプチドは、単離されている。
【0100】
第3の態様の続きで、本発明は、配列番号3の1つ以上の変異体を含む動物用飼料添加物であって、変異体は、プロテアーゼ活性を有するS8プロテアーゼであり、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは欠失、及び/若しくは挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む、動物用飼料添加物に関する。一実施形態において、配列番号3における、置換、及び/若しくは欠失、及び/若しくは挿入又はそれらの任意の組合せを含む位置の数は、1~50、例えば1~45、1~40、1~35、1~30、1~25、1~20、1~15、1~10又は1~5位置である。一実施形態において、配列番号3における、置換、及び/若しくは欠失、及び/若しくは挿入又はそれらの任意の組合せを含む位置の数は、10以下、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10である。別の実施形態において、配列番号3における置換、及び/又は欠失、及び/又は挿入の数は、10以下、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10である。さらなる実施形態において、配列番号3における置換、好ましくは保存的置換の数は、10以下、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10である。アミノ酸の変化、保存的置換及び融合ペプチドの例が本明細書の第2の態様に記載されている。
【0101】
本発明のさらに興味深い態様は、配列番号2及び配列番号3からなる群から選択されるポリペプチドと少なくとも90%の同一性、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%の配列同一性を有するS8プロテアーゼを含む飼料添加物に関する。配列番号2及び配列番号3のアミノ酸配列は、13位置において異なる。したがって、本発明の実施形態は、配列番号1、配列番号2及び配列番号3、特に配列番号2及び配列番号3からなる群から選択されるポリペプチドと少なくとも90%の同一性、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%の配列同一性を有するS8プロテアーゼを含む飼料添加物であって、ポリペプチドは、突然変異を位置27、109、111、171、173、174、175、180、182、184、198、199及び297のいずれにおいても含まないか又はそれらの1つ以上において含む、飼料添加物に関する。本発明の動物用飼料添加物は、好ましくは、配列番号2及び配列番号3からなる群から選択されるポリペプチドと少なくとも90%の同一性を有するS8プロテアーゼを含むか、又はS8プロテアーゼは、突然変異を配列番号2若しくは配列番号3の位置27、109、111、171、173、174、175、180、182、184、198、199及び297のいずれにおいても含まないか若しくはそれらの1つ以上において含むポリペプチドである。本発明の実施形態は、配列番号1、配列番号2及び配列番号3、典型的には配列番号2及び配列番号3からなる群から選択されるポリペプチドと少なくとも90%の同一性、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%の配列同一性を有するS8プロテアーゼを含む飼料添加物であって、ポリペプチドは、S27K、N109K、S111E、S171E、S173P、G174K、S175P、F180Y、G182A、L184F、Q198E、N199K及びT297Pからなる群から選択される突然変異のいずれも含まないか又はそれらの1つ以上を含む、飼料添加物に関する。
【0102】
本発明の実施形態は、配列番号1、配列番号2及び配列番号3、典型的には配列番号2及び配列番号3からなる群から選択されるポリペプチドと少なくとも90%の同一性、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%又は少なくとも99%の配列同一性を有するS8プロテアーゼを含む飼料添加物であって、ポリペプチドは、S27K+N109K、S27K+S111E、S27K+S171E、S27K+S173P、S27K+G174K、S27K+S175P、S27K+F180Y、S27K+G182A、S27K+L184F、S27K+Q198E、S27K+N199K、N109K+S111E、N109K+S171E、N109K+S173P、N109K+G174K、N109K+S175P、N109K+F180Y、N109K+G182A、N109K+L184F、N109K+Q198E、N109K+N199K、S111E+S171E、S111E+S173P、S111E+G174K、S111E+S175P、S111E+F180Y、S111E+G182A、S111E+L184F、S111E+Q198E、S111E+N199K、S171E+S173P、S171E+G174K、S171E+S175P、S171E+F180Y、S171E+G182A、S171E+L184F、S171E+Q198E、S171E+N199K、S173P+G174K、S173P+S175P、S173P+F180Y、S173P+G182A、S173P+L184F、S173P+Q198E、S173P+N199K、G174K+S175P、G174K+F180Y、G174K+G182A、G174K+L184F、G174K+Q198E、G174K+N199K、S175P+F180Y、S175P+G182A、S175P+L184F、S175P+Q198E、S175P+N199K、F180Y+G182A、F180Y+L184F、F180Y+Q198E、F180Y+N199K、G182A+L184F、G182A+Q198E、G182A+N199K、L184F+Q198E、L184F+N199K及びQ198E+N199Kからなる群から選択される突然変異のいずれも含まないか又はそれらの1つ以上を含む、飼料添加物に関する。
【0103】
本発明の実施形態は、配列番号1、配列番号2及び配列番号3、典型的には配列番号2及び配列番号3からなる群から選択されるポリペプチドと少なくとも90%の同一性を有するS8プロテアーゼを含む飼料添加物であって、ポリペプチドは、S27K+N109K+S111E、S27K+N109K+S171E、S27K+N109K+S173P、S27K+N109K+G174K、S27K+N109K+S175P、S27K+N109K+F180Y、S27K+N109K+G182A、S27K+N109K+L184F、S27K+N109K+Q198E、S27K+N109K+N199K、S27K+S111E+S171E、S27K+S111E+S173P、S27K+S111E+G174K、S27K+S111E+S175P、S27K+S111E+F180Y、S27K+S111E+G182A、S27K+S111E+L184F、S27K+S111E+Q198E、S27K+S111E+N199K、S27K+S171E+S173P、S27K+S171E+G174K、S27K+S171E+S175P、S27K+S171E+F180Y、S27K+S171E+G182A、S27K+S171E+L184F、S27K+S171E+Q198E、S27K+S171E+N199K、S27K+S173P+G174K、S27K+S173P+S175P、S27K+S173P+F180Y、S27K+S173P+G182A、S27K+S173P+L184F、S27K+S173P+Q198E、S27K+S173P+N199K、S27K+G174K+S175P、S27K+G174K+F180Y、S27K+G174K+G182A、S27K+G174K+L184F、S27K+G174K+Q198E、S27K+G174K+N199K、S27K+S175P+F180Y、S27K+S175P+G182A、S27K+S175P+L184F、S27K+S175P+Q198E、S27K+S175P+N199K、S27K+F180Y+G182A、S27K+F180Y+L184F、S27K+F180Y+Q198E、S27K+F180Y+N199K、S27K+G182A+L184F、S27K+G182A+Q198E、S27K+G182A+N199K、S27K+L184F+Q198E、S27K+L184F+N199K、S27K+Q198E+N199K、N109K+S111E+S171E、N109K+S111E+S173P、N109K+S111E+G174K、N109K+S111E+S175P、N109K+S111E+F180Y、N109K+S111E+G182A、N109K+S111E+L184F、N109K+S111E+Q198E、N109K+S111E+N199K、N109K+S171E+S173P、N109K+S171E+G174K、N109K+S171E+S175P、N109K+S171E+F180Y、N109K+S171E+G182A、N109K+S171E+L184F、N109K+S171E+Q198E、N109K+S171E+N199K、N109K+S173P+G174K、N109K+S173P+S175P、N109K+S173P+F180Y、N109K+S173P+G182A、N109K+S173P+L184F、N109K+S173P+Q198E、N109K+S173P+N199K、N109K+G174K+S175P、N109K+G174K+F180Y、N109K+G174K+G182A、N109K+G174K+L184F、N109K+G174K+Q198E、N109K+G174K+N199K、N109K+S175P+F180Y、N109K+S175P+G182A、N109K+S175P+L184F、N109K+S175P+Q198E、N109K+S175P+N199K、N109K+F180Y+G182A、N109K+F180Y+L184F、N109K+F180Y+Q198E、N109K+F180Y+N199K、N109K+G182A+L184F、N109K+G182A+Q198E、N109K+G182A+N199K、N109K+L184F+Q198E、N109K+L184F+N199K、N109K+Q198E+N199K、S111E+S171E+S173P、S111E+S171E+G174K、S111E+S171E+S175P、S111E+S171E+F180Y、S111E+S171E+G182A、S111E+S171E+L184F、S111E+S171E+Q198E、S111E+S171E+N199K、S111E+S173P+G174K、S111E+S173P+S175P、S111E+S173P+F180Y、S111E+S173P+G182A、S111E+S173P+L184F、S111E+S173P+Q198E、S111E+S173P+N199K、S111E+G174K+S175P、S111E+G174K+F180Y、S111E+G174K+G182A、S111E+G174K+L184F、S111E+G174K+Q198E、S111E+G174K+N199K、S111E+S175P+F180Y、S111E+S175P+G182A、S111E+S175P+L184F、S111E+S175P+Q198E、S111E+S175P+N199K、S111E+F180Y+G182A、S111E+F180Y+L184F、S111E+F180Y+Q198E、S111E+F180Y+N199K、S111E+G182A+L184F、S111E+G182A+Q198E、S111E+G182A+N199K、S111E+L184F+Q198E、S111E+L184F+N199K、S111E+Q198E+N199K、S171E+S173P+G174K、S171E+S173P+S175P、S171E+S173P+F180Y、S171E+S173P+G182A、S171E+S173P+L184F、S171E+S173P+Q198E、S171E+S173P+N199K、S171E+G174K+S175P、S171E+G174K+F180Y、S171E+G174K+G182A、S171E+G174K+L184F、S171E+G174K+Q198E、S171E+G174K+N199K、S171E+S175P+F180Y、S171E+S175P+G182A、S171E+S175P+L184F、S171E+S175P+Q198E、S171E+S175P+N199K、S171E+F180Y+G182A、S171E+F180Y+L184F、S171E+F180Y+Q198E、S171E+F180Y+N199K、S171E+G182A+L184F、S171E+G182A+Q198E、S171E+G182A+N199K、S171E+L184F+Q198E、S171E+L184F+N199K、S171E+Q198E+N199K、S173P+G174K+S175P、S173P+G174K+F180Y、S173P+G174K+G182A、S173P+G174K+L184F、S173P+G174K+Q198E、S173P+G174K+N199K、S173P+S175P+F180Y、S173P+S175P+G182A、S173P+S175P+L184F、S173P+S175P+Q198E、S173P+S175P+N199K、S173P+F180Y+G182A、S173P+F180Y+L184F、S173P+F180Y+Q198E、S173P+F180Y+N199K、S173P+G182A+L184F、S173P+G182A+Q198E、S173P+G182A+N199K、S173P+L184F+Q198E、S173P+L184F+N199K、S173P+Q198E+N199K、G174K+S175P+F180Y、G174K+S175P+G182A、G174K+S175P+L184F、G174K+S175P+Q198E、G174K+S175P+N199K、G174K+F180Y+G182A、G174K+F180Y+L184F、G174K+F180Y+Q198E、G174K+F180Y+N199K、G174K+G182A+L184F、G174K+G182A+Q198E、G174K+G182A+N199K、G174K+L184F+Q198E、G174K+L184F+N199K、G174K+Q198E+N199K、S175P+F180Y+G182A、S175P+F180Y+L184F、S175P+F180Y+Q198E、S175P+F180Y+N199K、S175P+G182A+L184F、S175P+G182A+Q198E、S175P+G182A+N199K、S175P+L184F+Q198E、S175P+L184F+N199K、S175P+Q198E+N199K、F180Y+G182A+L184F、F180Y+G182A+Q198E、F180Y+G182A+N199K、F180Y+L184F+Q198E、F180Y+L184F+N199K、F180Y+Q198E+N199K、G182A+L184F+Q198E、G182A+L184F+N199K、G182A+Q198E+N199K及びL184F+Q198E+N199Kからなる群から選択される突然変異のいずれも含まないか又はそれらの1つ以上を含む、飼料添加物に関する。
【0104】
本発明の実施形態は、配列番号1、配列番号2及び配列番号3、典型的には配列番号2及び配列番号3からなる群から選択されるポリペプチドと少なくとも90%の同一性を有するS8プロテアーゼを含む飼料添加物であって、ポリペプチドは、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+L184F、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+Q198E、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+G182A+L184F、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+G182A+Q198E、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+G182A+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+L184F+Q198E、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+L184F+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+F180Y+G182A+L184F、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+F180Y+G182A+Q198E、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+F180Y+G182A+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+F180Y+L184F+Q198E、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+F180Y+L184F+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+F180Y+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+G182A+L184F+Q198E、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+G182A+L184F+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+G182A+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+S175P+F180Y+G182A+L184F、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+S175P+F180Y+G182A+Q198E、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+S175P+F180Y+G182A+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+S175P+F180Y+L184F+Q198E、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+S175P+F180Y+L184F+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+S175P+F180Y+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+S175P+G182A+L184F+Q198E、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+S175P+G182A+L184F+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+S175P+G182A+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+S175P+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+F180Y+G182A+L184F+Q198E、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+F180Y+G182A+L184F+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+F180Y+G182A+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+F180Y+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F、
S27K+N109K+S111E+S171E+G174K+S175P+F180Y+G182A+Q198E、
S27K+N109K+S111E+S171E+G174K+S175P+F180Y+G182A+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+G174K+S175P+F180Y+L184F+Q198E、
S27K+N109K+S111E+S171E+G174K+S175P+F180Y+L184F+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+G174K+S175P+F180Y+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+G174K+S175P+G182A+L184F+Q198E、
S27K+N109K+S111E+S171E+G174K+S175P+G182A+L184F+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+G174K+S175P+G182A+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+G174K+S175P+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+G174K+F180Y+G182A+L184F+Q198E、
S27K+N109K+S111E+S171E+G174K+F180Y+G182A+L184F+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+G174K+F180Y+G182A+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+G174K+F180Y+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+G174K+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E、
S27K+N109K+S111E+S171E+S175P+F180Y+G182A+L184F+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S175P+F180Y+G182A+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S175P+F180Y+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S175P+G182A+L184F+Q198E+N199K、
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N109K+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+Q198E+N199K、
N109K+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+L184F+Q198E+N199K、
N109K+S171E+S173P+G174K+S175P+G182A+L184F+Q198E+N199K、
N109K+S171E+S173P+G174K+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
N109K+S171E+S173P+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
N109K+S171E+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
N109K+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E、
S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+N199K、
S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+Q198E+N199K、
S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+L184F+Q198E+N199K、
S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S111E+S171E+S173P+G174K+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S111E+S171E+S173P+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S111E+S171E+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S111E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、及び
S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K
からなる群から選択される突然変異のいずれも含まないか又はそれらの1つ以上を含む、飼料添加物に関する。
【0105】
本発明の実施形態は、配列番号1、配列番号2及び配列番号3、典型的には配列番号2及び配列番号3からなる群から選択されるポリペプチドと少なくとも90%の同一性を有するS8プロテアーゼを含む飼料添加物であって、ポリペプチドは、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+Q198E、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+L184F+Q198E、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+L184F+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+G182A+L184F+Q198E、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+G182A+L184F+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+G182A+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+F180Y+G182A+L184F+Q198E、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+F180Y+G182A+L184F+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+F180Y+G182A+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+F180Y+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+S175P+F180Y+G182A+L184F+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+S175P+F180Y+G182A+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+S175P+F180Y+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+S175P+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E、
S27K+N109K+S111E+S171E+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+G174K+S175P+F180Y+G182A+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+G174K+S175P+F180Y+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+G174K+S175P+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+G174K+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E、
S27K+N109K+S111E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+N199K、
S27K+N109K+S111E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S173P+G174K+S175P+F180Y+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S173P+G174K+S175P+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S173P+G174K+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S173P+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E、
S27K+N109K+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+N199K、
S27K+N109K+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S171E+S173P+G174K+S175P+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S171E+S173P+G174K+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S171E+S173P+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S171E+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S27K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E、
S27K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+N199K、
S27K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+Q198E+N199K、
S27K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+L184F+Q198E+N199K、
S27K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S27K+S111E+S171E+S173P+G174K+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S27K+S111E+S171E+S173P+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S27K+S111E+S171E+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S27K+S111E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S27K+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E、
N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+N199K、
N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+Q198E+N199K、
N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+L184F+Q198E+N199K、
N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+G182A+L184F+Q198E+N199K、
N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
N109K+S111E+S171E+S173P+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
N109K+S111E+S171E+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
N109K+S111E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
N109K+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、及び
S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K
からなる群から選択される突然変異のいずれも含まないか又はそれらの1つ以上を含む、飼料添加物に関する。
【0106】
本発明の実施形態は、配列番号1、配列番号2及び配列番号3、典型的には配列番号2及び配列番号3からなる群から選択されるポリペプチドと少なくとも90%の同一性を有するS8プロテアーゼを含む飼料添加物であって、ポリペプチドは、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+S173P+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S171E+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S111E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S27K+N109K+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、
S27K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K、及び
N109K+S111E+S171E+S173P+G174K+S175P+F180Y+G182A+L184F+Q198E+N199K
からなる群から選択される突然変異のいずれも含まないか又はそれらの1つ以上を含む、飼料添加物に関する。
【0107】
第3の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、ポリペプチド(又は変異体)は、1つ以上のモチーフTGXK[V/T][I/V]X[N/S]MSLG(配列番号4)を含む。第3の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、ポリペプチド(又は変異体)は、分類上の目バチラス(Bacillales)目、好ましくは分類上の科バチラス(Bacillaceae)科又はより好ましくは分類上の属バチルス(Bacillus)属から得られるか又は入手可能である。
【0108】
第3の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、ポリペプチド(又は変異体)は、配列番号1のポリペプチドのプロテアーゼ活性の少なくとも40%、例えば少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも100%を有する。第3の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、ポリペプチド(又は変異体)は、回腸窒素消化率を、プロテアーゼ(変異体)が食餌に加えられていない陰性対照と比較して少なくとも1%、例えば少なくとも1.5%、少なくとも2.0%、少なくとも2.5%、少なくとも3.0%、少なくとも3.5%又は少なくとも4.0%向上させる。
【0109】
態様1、2又は3のいずれかの動物用飼料添加物は、1つ以上の配合剤と;1つ以上の追加の酵素と;1つ以上の微生物と;1つ以上のビタミンと;1つ以上のミネラルと;1つ以上のアミノ酸と;1つ以上のプレバイオティクスと;1つ以上のファイトジェニクスと;1つ以上の有機酸と;1つ以上の他の飼料成分とからなるリストから選択される1つ以上の構成要素をさらに含み得る。
【0110】
態様1、2又は3のいずれかの動物用飼料添加物は、以下の製剤化の節で考察される1つ以上の配合剤をさらに含み得る。好ましい配合剤として、グリセロール、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール若しくは1,3-プロピレングリコール、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、チオ硫酸ナトリウム、炭酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、デキストリン、グルコース、スクロース、ソルビトール、ラクトース、デンプン及びセルロース又はそれらの任意の組合せがある。
【0111】
態様1、2又は3のいずれかの動物用飼料添加物は、以下の酵素の節で考察される1つ以上の追加の酵素をさらに含み得る。好ましい酵素として、アセチルキシランエステラーゼ、アシルグリセロールリパーゼ、アミラーゼ、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、アラビノフラノシダーゼ、セロビオヒドロラーゼ、セルラーゼ、フェルロイルエステラーゼ、ガラクタナーゼ、α-ガラクトシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、β-グルカナーゼ、β-グルコシダーゼ、リゾホスホリパーゼ、リゾチーム、α-マンノシダーゼ、β-マンノシダーゼ(マンナナーゼ)、フィターゼ、ホスホリパーゼA1、ホスホリパーゼA2、ホスホリパーゼD、プロテアーゼ、プルラナーゼ、ペクチンエステラーゼ、トリアシルグリセロールリパーゼ、キシラナーゼ、β-キシロシダーゼ又はそれらの任意の組合せがある。
【0112】
態様1、2又は3のいずれかの動物用飼料添加物は、以下のプロバイオティクスの節で考察される1つ以上の微生物をさらに含み得る。好ましい微生物は、枯草菌(Bacillus subtilis)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・ポリミクサ(Bacillus polymyxa)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、バチルス・サークランス(Bacillus circulans)、ビフィズス菌(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・アニマリス(Bifidobacterium animalis)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属種、カルノバクテリウム(Carnobacterium)属種、クロストリジウム・ブチリカム(Clostridium butyricum)、クロストリジウム(Clostridium)属種、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、エンテロコッカス(Enterococcus)属種、ラクトバチルス(Lactobacillus)属種、ラクトバチルス・アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ファルシミナス(Lactobacillus farciminus)、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・サリバリウス(Lactobacillus salivarius)、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、ラクトコッカス(Lactococcus)属種、ロイコノストック(Leuconostoc)属種、メガスファエラ・エルスデニイ(Megasphaera elsdenii)、メガスファエラ(Megasphaera)属種、ペディオコッカス・アシディラクティシ(Pediococsus acidilactici)、ペディオコッカス(Pediococcus)属種、プロピオニバクテリウム・ソエニイ(Propionibacterium thoenii)、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)属種、ストレプトコッカス(Streptococcus)属種又はそれらの任意の組合せ由来である。
【0113】
態様1、2又は3のいずれかの動物用飼料添加物は、以下のビタミン及びミネラルの節で考察される1つ以上のビタミンをさらに含み得る。態様1、2又は3のいずれかの動物用飼料添加物は、以下のビタミン及びミネラルの節で考察される1つ以上のミネラルをさらに含み得る。態様1、2又は3のいずれかの動物用飼料添加物は、以下のアミノ酸の節で考察される1つ以上のアミノ酸をさらに含み得る。態様1、2又は3のいずれかの動物用飼料添加物は、以下のプレバイオティクスの節で考察される1つ以上のプレバイオティクスをさらに含み得る。態様1、2又は3のいずれかの動物用飼料添加物は、以下のファイトジェニクスの節で考察される1つ以上のファイトジェニクスをさらに含み得る。態様1、2又は3のいずれかの動物用飼料添加物は、以下の有機酸の節で考察される1つ以上の有機酸をさらに含み得る。
【0114】
一実施形態において、動物用飼料添加物中のS8プロテアーゼは、顆粒として製剤化される。一実施形態において、動物用飼料添加物中のS8プロテアーゼは、顆粒として製剤化され、顆粒は、コア粒子及び1つ以上のコーティングを含む。一実施形態において、動物用飼料添加物中のS8プロテアーゼは、コア粒子及び1つ以上のコーティングを含む顆粒として製剤化され、コーティングは、塩、及び/又はワックス、及び/又は小麦粉を含む。
【0115】
一実施形態において、動物用飼料添加物は、液体製剤の形態である。一実施形態において、動物用飼料添加物は、液体製剤の形態であり、S8プロテアーゼは、液体製剤の0.001%~25%w/w、好ましくは0.01%~25%w/w、より好ましくは0.05%~20%w/w、より好ましくは0.2%~15%w/w、さらにより好ましくは0.5%~15%w/w又は最も好ましくは1.0%~10%w/wのポリペプチドで投与される。
【0116】
一実施形態において、動物用飼料添加物は、液体製剤の形態であり、液体製剤は、20%~80%w/wのポリオールを含む。一実施形態において、動物用飼料添加物は、20%~80%w/wのポリオールを含む液体製剤の形態であり、ポリオールは、グリセロール、ソルビトール、プロピレングリコール(MPG)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール若しくは1,3-プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、平均分子量が約600未満のポリエチレングリコール(PEG)及び平均分子量が約600未満のポリプロピレングリコール(PPG)又はそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0117】
一実施形態において、動物用飼料添加物は、液体製剤の形態であり、液体製剤は、0.01%~2.0%w/wの保存剤を含む。一実施形態において、動物用飼料添加物は、0.01%~2.0%w/wの保存剤を含む液体製剤の形態であり、保存剤は、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム及び安息香酸カリウム又はそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0118】
一実施形態において、動物用飼料添加物は、
(A)0.001%~25%w/wの本発明のS8プロテアーゼ(上述の態様1、2又は3に記載されている)と;
(B)20%~80%w/wのポリオールと;
(C)0.001%~2.0%w/wの保存剤と;
(D)水と
を含む液体製剤の形態である。
【0119】
ポリオール及び保存剤の好ましい例は、以下の段落に記載されている。
【0120】
プロテアーゼ活性を有するポリペプチドを含む顆粒
第4の態様において、本発明は、プロテアーゼ活性を有する1つ以上のポリペプチドを含む顆粒であって、ポリペプチドは、
(a)配列番号1と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(b)配列番号2と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(c)配列番号3と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(d)配列番号1の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む変異体と;
(e)配列番号2の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む変異体と;
(f)配列番号3の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む変異体と;
(g)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f)のポリペプチド並びにN末端及び/又はC末端のHis-タグ及び/又はHQ-タグを含むポリペプチドと;
(h)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f)のポリペプチド並びに最大10個のアミノ酸、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のアミノ酸のN末端及び/又はC末端伸長を含むポリペプチドと;
(i)プロテアーゼ活性を有し、且つ成熟ポリペプチドの長さの少なくとも90%を有する、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f)のポリペプチドの断片と
からなる群から選択されるS8プロテアーゼである、顆粒に関する。
【0121】
第4の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、ポリペプチド(又は変異体)は、1つ以上のモチーフTGXK[V/T][I/V]X[N/S]MSLG(配列番号4)を含む。第4の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、ポリペプチド(又は変異体)は、分類上の目バチラス(Bacillales)目、好ましくは分類上の科バチラス(Bacillaceae)科又はより好ましくは分類上の属バチルス(Bacillus)属から得られるか又は入手可能である。
【0122】
第4の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、ポリペプチド(又は変異体)は、配列番号1のポリペプチドのプロテアーゼ活性の少なくとも40%、例えば少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも100%を有する。第4の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、ポリペプチド(又は変異体)は、回腸窒素消化率を、プロテアーゼ(変異体)が食餌に加えられていない陰性対照と比較して少なくとも1%、例えば少なくとも1.5%、少なくとも2.0%、少なくとも2.5%、少なくとも3.0%、少なくとも3.5%又は少なくとも4.0%向上させる。
【0123】
第4の態様の一実施形態において、顆粒は、コア粒子及び1つ以上のコーティングを含む。一実施形態において、顆粒は、コア粒子及び1つ以上のコーティングを含み、コーティングは、塩、及び/又はワックス、及び/又は小麦粉を含む。
【0124】
第4の態様の顆粒は、1つ以上の配合剤と;1つ以上の追加の酵素と;1つ以上の微生物と;1つ以上のビタミンと;1つ以上のミネラルと;1つ以上のアミノ酸と;1つ以上のプレバイオティクスと;1つ以上のファイトジェニクスと;1つ以上の有機酸と;1つ以上の他の飼料成分とからなる群から選択される1つ以上の構成要素をさらに含み得る。
【0125】
第4の態様の顆粒は、以下の製剤化の節で考察される1つ以上の配合剤をさらに含み得る。好ましい配合剤として、グリセロール、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール若しくは1,3-プロピレングリコール、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、チオ硫酸ナトリウム、炭酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、デキストリン、グルコース、スクロース、ソルビトール、ラクトース、デンプン及びセルロース又はそれらの任意の組合せがある。
【0126】
第4の態様の顆粒は、以下の酵素の節で考察される1つ以上の追加の酵素をさらに含み得る。好ましい酵素として、アセチルキシランエステラーゼ、アシルグリセロールリパーゼ、アミラーゼ、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、アラビノフラノシダーゼ、セロビオヒドロラーゼ、セルラーゼ、フェルロイルエステラーゼ、ガラクタナーゼ、α-ガラクトシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、β-グルカナーゼ、β-グルコシダーゼ、リゾホスホリパーゼ、リゾチーム、α-マンノシダーゼ、β-マンノシダーゼ(マンナナーゼ)、フィターゼ、ホスホリパーゼA1、ホスホリパーゼA2、ホスホリパーゼD、プロテアーゼ、プルラナーゼ、ペクチンエステラーゼ、トリアシルグリセロールリパーゼ、キシラナーゼ、β-キシロシダーゼ又はそれらの任意の組合せがある。
【0127】
第4の態様の顆粒は、以下のプロバイオティクスの節で考察される1つ以上の微生物をさらに含み得る。好ましい微生物は、枯草菌(Bacillus subtilis)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・ポリミクサ(Bacillus polymyxa)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、バチルス・サークランス(Bacillus circulans)、ビフィズス菌(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・アニマリス(Bifidobacterium animalis)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属種、カルノバクテリウム(Carnobacterium)属種、クロストリジウム・ブチリカム(Clostridium butyricum)、クロストリジウム(Clostridium)属種、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、エンテロコッカス(Enterococcus)属種、ラクトバチルス(Lactobacillus)属種、ラクトバチルス・アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ファルシミナス(Lactobacillus farciminus)、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・サリバリウス(Lactobacillus salivarius)、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、ラクトコッカス(Lactococcus)属種、ロイコノストック(Leuconostoc)属種、メガスファエラ・エルスデニイ(Megasphaera elsdenii)、メガスファエラ(Megasphaera)属種、ペディオコッカス・アシディラクティシ(Pediococsus acidilactici)、ペディオコッカス(Pediococcus)属種、プロピオニバクテリウム・ソエニイ(Propionibacterium thoenii)、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)属種、ストレプトコッカス(Streptococcus)属種又はそれらの任意の組合せ由来である。
【0128】
第4の態様の顆粒は、以下のビタミン及びミネラルの節で考察される1つ以上のビタミンをさらに含み得る。第4の態様の顆粒は、以下のビタミン及びミネラルの節で考察される1つ以上のミネラルをさらに含み得る。第4の態様の顆粒は、以下のアミノ酸の節で考察される1つ以上のアミノ酸をさらに含み得る。第4の態様の顆粒は、以下のプレバイオティクスの節で考察される1つ以上のプレバイオティクスをさらに含み得る。第4の態様の顆粒は、以下のファイトジェニクスの節で考察される1つ以上のファイトジェニクスをさらに含み得る。第4の態様の顆粒は、以下の有機酸の節で考察される1つ以上の有機酸をさらに含み得る。
【0129】
プロテアーゼ活性を有するポリペプチドを含む液体製剤
第5の態様において、本発明は、
(A)プロテアーゼ活性を有する0.001%~25%w/wの1つ以上のポリペプチドであって、
(a)配列番号1と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(b)配列番号2と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(c)配列番号3と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(d)配列番号1の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む変異体と;
(e)配列番号2の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む変異体と;
(f)配列番号3の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む変異体と;
(g)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f)のポリペプチド並びにN末端及び/又はC末端のHis-タグ及び/又はHQ-タグを含むポリペプチドと;
(h)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f)のポリペプチド並びに最大10個のアミノ酸、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のアミノ酸のN末端及び/又はC末端伸長を含むポリペプチドと;
(i)プロテアーゼ活性を有し、且つ成熟ポリペプチドの長さの少なくとも90%を有する、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f)のポリペプチドの断片と
からなるリストから選択されるS8プロテアーゼであるポリペプチドと;
(B)水と
を含む液体製剤に関する。
【0130】
第5の態様の一実施形態において、本発明は、
(A)プロテアーゼ活性を有する0.001%~25%w/wの1つ以上のポリペプチドであって、
(a)配列番号1と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(b)配列番号2と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(c)配列番号3と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(d)配列番号1の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む変異体と;
(e)配列番号2の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む変異体と;
(f)配列番号3の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む変異体と;
(g)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f)のポリペプチド並びにN末端及び/又はC末端のHis-タグ及び/又はHQ-タグを含むポリペプチドと;
(h)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f)のポリペプチド並びに最大10個のアミノ酸、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のアミノ酸のN末端及び/又はC末端伸長を含むポリペプチドと;
(i)プロテアーゼ活性を有し、且つ成熟ポリペプチドの長さの少なくとも90%を有する、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f)のポリペプチドの断片と
からなるリストから選択されるS8プロテアーゼであるポリペプチドと;
(B)20%~80%w/wのポリオールと;
(C)任意選択的に、0.001%~2.0%w/wの保存剤と;
(D)水と
を含む液体製剤に関する。
【0131】
第5の態様の一実施形態において、本発明は、
(A)プロテアーゼ活性を有する0.001%~25%w/wの1つ以上のポリペプチドであって、
(a)配列番号1と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(b)配列番号2と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(c)配列番号3と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(d)配列番号1の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む変異体と;
(e)配列番号2の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む変異体と;
(f)配列番号3の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む変異体と;
(g)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f)のポリペプチド並びにN末端及び/又はC末端のHis-タグ及び/又はHQ-タグを含むポリペプチドと;
(h)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f)のポリペプチド並びに最大10個のアミノ酸、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のアミノ酸のN末端及び/又はC末端伸長を含むポリペプチドと;
(i)プロテアーゼ活性を有し、且つ成熟ポリペプチドの長さの少なくとも90%を有する、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)又は(f)のポリペプチドの断片と
からなるリストから選択されるS8プロテアーゼであるポリペプチドと;
(B)0.001%~2.0%w/wの保存剤と;
(C)任意選択的に、20%~80%w/wのポリオールと;
(D)水と
を含む液体製剤に関する。
【0132】
第5の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、ポリペプチド(又は変異体)は、1つ以上のモチーフTGXK[V/T][I/V]X[N/S]MSLG(配列番号4)を含む。第5の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、ポリペプチド(又は変異体)は、分類上の目バチラス(Bacillales)目、好ましくは分類上の科バチラス(Bacillaceae)科又はより好ましくは分類上の属バチルス(Bacillus)属から得られるか又は入手可能である。
【0133】
第5の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、ポリペプチド(又は変異体)は、配列番号1のポリペプチドのプロテアーゼ活性の少なくとも40%、例えば少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも100%を有する。第5の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、ポリペプチド(又は変異体)は、回腸窒素消化率を、プロテアーゼ(変異体)が食餌に加えられていない陰性対照と比較して少なくとも1%、例えば少なくとも1.5%、少なくとも2.0%、少なくとも2.5%、少なくとも3.0%、少なくとも3.5%又は少なくとも4.0%向上させる。
【0134】
第5の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、液体製剤は、グリセロール、ソルビトール、プロピレングリコール(MPG)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール若しくは1,3-プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、平均分子量が約600未満のポリエチレングリコール(PEG)及び平均分子量が約600未満のポリプロピレングリコール(PPG)からなる群から選択される、より好ましくはグリセロール、ソルビトール及びプロピレングリコール(MPG)又はそれらの任意の組合せからなる群から選択される1つ以上のポリオール、好ましくは1つのポリオールを含む。
【0135】
第5の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、液体製剤は、20%~80%のポリオール(すなわちポリオールの総量)、好ましくは25%~75%のポリオール、より好ましくは30%~70%のポリオール、より好ましくは35%~65%のポリオール又は最も好ましくは40%~60%のポリオールを含む。第5の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、液体製剤は、20%~80%のポリオール、好ましくは25%~75%のポリオール、より好ましくは30%~70%のポリオール、より好ましくは35%~65%のポリオール又は最も好ましくは40%~60%のポリオールを含み、ポリオールは、グリセロール、ソルビトール、プロピレングリコール(MPG)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール若しくは1,3-プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、平均分子量が約600未満のポリエチレングリコール(PEG)及び平均分子量が約600未満のポリプロピレングリコール(PPG)からなる群から選択される。第5の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、液体製剤は、20%~80%のポリオール(すなわちポリオールの総量)、好ましくは25%~75%のポリオール、より好ましくは30%~70%のポリオール、より好ましくは35%~65%のポリオール又は最も好ましくは40%~60%のポリオールを含み、ポリオールは、グリセロール、ソルビトール及びプロピレングリコール(MPG)からなる群から選択される。
【0136】
第5の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、保存剤は、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム及び安息香酸カリウム又はそれらの任意の組合せからなる群から選択される。一実施形態において、液体製剤は、0.02%~1.5%w/wの保存剤、より好ましくは0.05%~1.0%w/wの保存剤又は最も好ましくは0.1%~0.5%w/wの保存剤を含む。一実施形態において、液体製剤は、0.001%~2.0%w/wの保存剤(すなわち保存剤の総量)、好ましくは0.02%~1.5%w/wの保存剤、より好ましくは0.05%~1.0%w/wの保存剤又は最も好ましくは0.1%~0.5%w/wの保存剤を含み、保存剤は、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム及び安息香酸カリウム又はそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0137】
第5の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、S8プロテアーゼは、液体製剤の0.001%~25%w/w、好ましくは0.01%~25%w/w、より好ましくは0.05%~20%w/w、より好ましくは0.2%~15%w/w、さらにより好ましくは0.5%~15%w/w又は最も好ましくは1.0%~10%w/wのポリペプチドで投与される。
【0138】
第5の態様のあらゆる部分の液体製剤は、1つ以上の配合剤と;1つ以上の追加の酵素と;1つ以上の微生物と;1つ以上のビタミンと;1つ以上のミネラルと;1つ以上のアミノ酸と;1つ以上のプレバイオティクスと;1つ以上のファイトジェニクスと;1つ以上の有機酸と;1つ以上の他の飼料成分とからなるリストから選択される1つ以上の構成要素をさらに含み得る。
【0139】
第5の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、液体製剤は、グリセロール、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール又は1,3-プロピレングリコール、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、チオ硫酸ナトリウム、炭酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、デキストリン、グルコース、スクロース、ソルビトール、ラクトース、デンプン、PVA、アセタート及びホスファートからなるリストから選択される、好ましくは1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、硫酸ナトリウム、デキストリン、セルロース、チオ硫酸ナトリウム、カオリン及び炭酸カルシウムからなるリストから選択される1つ以上の配合剤(例えば、本明細書に記載されるもの)、好ましくは1つの配合剤を含む。
【0140】
第5の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、液体製剤は、1つ以上の追加の酵素を含む。1つ以上の追加の酵素は、好ましくは、アセチルキシランエステラーゼ、アシルグリセロールリパーゼ、アミラーゼ、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、アラビノフラノシダーゼ、セロビオヒドロラーゼ、セルラーゼ、フェルロイルエステラーゼ、ガラクタナーゼ、α-ガラクトシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、β-グルカナーゼ、β-グルコシダーゼ、リゾホスホリパーゼ、リゾチーム、α-マンノシダーゼ、β-マンノシダーゼ(マンナナーゼ)、フィターゼ、ホスホリパーゼA1、ホスホリパーゼA2、ホスホリパーゼD、プロテアーゼ、プルラナーゼ、ペクチンエステラーゼ、トリアシルグリセロールリパーゼ、キシラナーゼ、β-キシロシダーゼ又はそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0141】
第5の態様のあらゆる部分に対する一実施形態において、液体製剤は、1つ以上のプロバイオティクスを含む。1つ以上のプロバイオティクスは、好ましくは、枯草菌(Bacillus subtilis)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・ポリミクサ(Bacillus polymyxa)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、バチルス・サークランス(Bacillus circulans)、ビフィズス菌(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・アニマリス(Bifidobacterium animalis)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属種、カルノバクテリウム(Carnobacterium)属種、クロストリジウム・ブチリカム(Clostridium butyricum)、クロストリジウム(Clostridium)属種、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、エンテロコッカス(Enterococcus)属種、ラクトバチルス(Lactobacillus)属種、ラクトバチルス・アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ファルシミナス(Lactobacillus farciminus)、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・サリバリウス(Lactobacillus salivarius)、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、ラクトコッカス(Lactococcus)属種、ロイコノストック(Leuconostoc)属種、メガスファエラ・エルスデニイ(Megasphaera elsdenii)、メガスファエラ(Megasphaera)属種、ペディオコッカス・アシディラクティシ(Pediococsus acidilactici)、ペディオコッカス(Pediococcus)属種、プロピオニバクテリウム・ソエニイ(Propionibacterium thoenii)、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)属種及びストレプトコッカス(Streptococcus)属種又はそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0142】
第5の態様のあらゆる部分の液体製剤は、以下のビタミン及びミネラルの節で考察される1つ以上のビタミンをさらに含み得る。第5の態様のあらゆる部分の液体製剤は、以下のビタミン及びミネラルの節で考察される1つ以上のミネラルをさらに含み得る。第5の態様のあらゆる部分の液体製剤は、以下のアミノ酸の節で考察される1つ以上のアミノ酸をさらに含み得る。第5の態様のあらゆる部分の液体製剤は、以下のプレバイオティクスの節で考察される1つ以上のプレバイオティクスをさらに含み得る。第5の態様のあらゆる部分の液体製剤は、以下のファイトジェニクスの節で考察される1つ以上のファイトジェニクスをさらに含み得る。第5の態様のあらゆる部分の液体製剤は、以下の有機酸の節で考察される1つ以上の有機酸をさらに含み得る。
【0143】
性質
pH活性
プロテアーゼのpH活性プロファイルをキネティックSuc-AAPF-pNAアッセイに記載されるように求め得る。より低いpH(例えば、4~7)での活性は、動物におけるタンパク質の消化に有利であり得る。
【0144】
pH安定性
プロテアーゼのpH安定性プロファイルをキネティックSuc-AAPF-pNAアッセイに記載されるように求め得る。より低いpH(例えば、pH3)での安定性は、プロテアーゼが動物の消化管条件を生き残るのに有利であり得る。
【0145】
熱安定性
熱安定性を実施例5に記載されるように求め得る。すなわち、DSC測定を用いて、精製されたプロテアーゼタンパク質の変性温度Tdを求め得る。Tdは、タンパク質の熱安定性を示す。Tdが高いほど、熱安定性が高い。したがって、好ましい実施形態において、本発明のプロテアーゼは、Tdが参照プロテアーゼのTdよりも高く、Tdは、精製されたプロテアーゼサンプル(好ましくはSDS-PAGEによって判定して少なくとも90%又は95%の純度である)で求められる。
【0146】
好ましい実施形態において、本発明のプロテアーゼの残留活性、変性温度Td又は他のパラメータによってもたらされる熱的性質、例えば熱安定性(heat-stability)、温度安定性、熱安定性(thermostability)、蒸気安定性及び/又はペレット化安定性は、配列番号1のプロテアーゼの対応する値、例えば残留活性又はTdよりも高く、より好ましくはその少なくとも101%又はその少なくとも102%、103%、104%、105%、106%、107%、108%、109%又は少なくとも110%である。さらにより好ましくは、本発明のプロテアーゼのパラメータ、例えば残留活性又はTdの値は、配列番号1のプロテアーゼについての値の少なくとも120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%又は少なくとも190%である。
【0147】
さらなる特定の実施形態において、本発明の熱安定プロテアーゼは、実施例5に記載される示差走査熱量測定(DSC)(すなわち20mM酢酸ナトリウム、pH4.0中)を用いて求められる融解温度Tm(又は変性温度Td)が少なくとも50℃である。さらなる特定の実施形態において、Tmは、少なくとも51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99又は少なくとも100℃である。
【0148】
蒸気安定性
蒸気安定性を、実施例6に記載されるように、85℃又は90℃での短時間の蒸気処理後のプロテアーゼ分子の残留活性を判定することによって求め得る。
【0149】
ペレット化安定性
ペレット化安定性を、実施例7に記載されるように、飼料と予め混合した酵素粒状体を用いることによって求め得る。ミキサー由来の飼料を蒸気で95℃に調整する。調整後、飼料をペレットに圧縮成形して残留活性を求める。
【0150】
プロテアーゼ活性を有するポリペプチドの供給源
本発明によるプロテアーゼ活性を有するポリペプチドは、任意の属の微生物から得ることができる。本発明の目的のために、所与の供給源と関連させて本明細書で使用する場合の用語「~から得られる」は、ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドが、供給源によって又は供給源に由来するポリヌクレオチドが挿入された株によって産生されることを意味するものとする。一態様において、所与の供給源から得られるポリペプチドは、細胞外に分泌される。
【0151】
ポリペプチドは、細菌のポリペプチドであり得る。例えば、ポリペプチドは、アクチノバクテリア(Actinobacteria)門等の門内のグラム陽性細菌由来又はプロテオバクテリア(Proteobacteria)門等の門内のグラム陰性細菌由来の、プロテアーゼ活性を有するポリペプチドであり得る。
【0152】
一態様において、ポリペプチドは、バチラス(Bacillales)目の細菌由来又はバチラス(Bacillaceae)科若しくはバチルス(Bacillus)属由来のプロテアーゼである。
【0153】
前述の種に関して、本発明は、完全及び不完全な状態の両方並びにそれらが知られている種の名称にかかわらず、他の分類学上の均等物、例えばアナモルフを包含することが理解されるであろう。当業者であれば、適切な均等物の同一性を容易に認識するであろう。
【0154】
これらの種の株は、American Type Culture Collection(ATCC)、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH(DSMZ)、Centraalbureau Voor Schimmelcultures(CBS)及びAgricultural Research Service Patent Culture Collection、Northern Regional Research Center(NRRL)などのいくつかのカルチャーコレクションにおいて公共に容易に利用可能である。
【0155】
ポリペプチドを、上記のプローブを用いて、自然界(例えば、土壌、堆肥、水など)から単離される微生物又は天然の物質(例えば、土壌、堆肥、水など)から直接得られるDNA試料を含む他の供給源から同定し且つ得ることができる。自然の生育地から微生物及びDNAを直接単離する技術は、当技術分野で知られている。次に、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、別の微生物のゲノムDNA若しくはcDNAライブラリー又は混合DNA試料を同様にスクリーニングすることによって得ることができる。1つ又は複数のプローブを用いてポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを検出してから、当業者に知られる技術を利用することにより、ポリヌクレオチドを単離又はクローン化することができる(例えば、前出のSambrook et al.,1989を参照されたい)。
【0156】
ポリヌクレオチド
本発明は、本明細書で記載されるとおり、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドにも関する。実施形態において、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、単離されている。
【0157】
ポリヌクレオチドの単離又はクローン化に使用される技術は、当技術分野で知られており、ゲノムDNA若しくはcDNA又はその組合せからの単離を含む。ゲノムDNAからのポリヌクレオチドのクローニングは、例えば、よく知られたポリメラーゼ連鎖反応(PCR)又は共有される構造的特徴を有するクローン化されたDNA断片を検出する発現ライブラリーの抗体スクリーニングを使用することによってもたらされ得る。例えば、Innis et al.,1990,PCR:A Guide to Methods and Application,Academic Press,New Yorkを参照されたい。リガーゼ連鎖反応(LCR)、ライゲーション活性化転写(LAT)及びポリヌクレオチドベースの増幅(NASBA)などの他の核酸増幅方法が使用され得る。ポリヌクレオチドは、バチルス(Bacillus)属の株又はバチラス(Bacillales)目由来の関連生物からクローニングされ得るため、例えばポリヌクレオチドのポリペプチドコーディング領域の対立遺伝子変異体又は種変異体であり得る。
【0158】
核酸構築物
本発明は、本発明のポリヌクレオチドを含む核酸構築物であって、ポリヌクレオチドは、制御配列と適合する条件下で好適な宿主細胞においてコード配列の発現を誘導する1つ以上の制御配列に作動可能に連結されている、核酸構築物にも関する。
【0159】
ポリヌクレオチドは、ポリペプチドの発現をもたらす様々な方法において操作され得る。ベクターに挿入する前のポリヌクレオチドの操作は、発現ベクターに応じて望ましいか又は必要であり得る。組換えDNA法を利用するポリヌクレオチドを修飾するための技術は、当技術分野で知られている。
【0160】
制御配列は、本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現のための宿主細胞によって認識されるプロモータのポリヌクレオチドであり得る。プロモータは、ポリペプチドの発現を媒介する転写制御配列を含有する。プロモータは、変異体、短縮型及びハイブリッドプロモータを含む、宿主細胞において転写活性を示す任意のポリヌクレオチドであり得、宿主と同種又は異種のいずれかの細胞外又は細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から得ることができる。
【0161】
細菌宿主細胞において本発明の核酸構築物の転写を誘導するための好適なプロモータの例は、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)のα-アミラーゼ遺伝子(amyQ)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)のα-アミラーゼ遺伝子(amyL)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)のペニシリナーゼ遺伝子(penP)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)のマルトース生成アミラーゼ遺伝子(amyM)、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)のレバンスクラーゼ遺伝子(sacB)、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)のxylA及びxylB遺伝子、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)のcryIIIA遺伝子(Agaisse and Lereclus,1994,Molecular Microbiology 13:97-107)、大腸菌(E.coli)のlacオペロン、大腸菌(E.coli)のtrcプロモータ(Egon et al.,1988,Gene 69:301-315)、ストレプトマイセス・コエリカラー(Streptomyces coelicolor)のアガラーゼ遺伝子(dagA)及び原核生物のβ-ラクタマーゼ遺伝子(Villa-Kamaroff et al.,1978,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75:3727-3731)並びにtacプロモータ(DeBoer et al.,1983,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 80:21-25)から得られるプロモータである。さらなるプロモータは、Gilbert et al.,1980,Scientific American 242:74-94における「Useful proteins from recombinant bacteria」;及び前出のSambrook et al.,1989において記載される。タンデムプロモータの例は、国際公開第99/43835号パンフレットにおいて記載される。
【0162】
糸状真菌宿主細胞において本発明の核酸構築物の転写を誘導するための好適なプロモータの例は、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)のアセトアミダーゼ、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)の中性α-アミラーゼ、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)の酸安定性α-アミラーゼ、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)又はアスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)のグルコアミラーゼ(glaA)、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のTAKAアミラーゼ、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のアルカリプロテアーゼ、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のトリオースリン酸イソメラーゼ、フザリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)のトリプシン様プロテアーゼ(国際公開第96/00787号パンフレット)、フザリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum)アミログルコシダーゼ(国際公開第00/56900号パンフレット)、フザリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum)のダリア(Daria)(国際公開第00/56900号パンフレット)、フザリウム・ベネナタム(Fusarium venenatum)のクイン(Quinn)(国際公開第00/56900号パンフレット)、リゾムコール・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)のリパーゼ、リゾムコール・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)のアスパラギン酸プロテイナーゼ、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のβ-グルコシダーゼ、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のセロビオヒドロラーゼI、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のセロビオヒドロラーゼII、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のエンドグルカナーゼI、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のエンドグルカナーゼII、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のエンドグルカナーゼIII、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のエンドグルカナーゼV、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のキシラナーゼI、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のキシラナーゼII、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のキシラナーゼIII、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のβ-キシロシダーゼ及びトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)の翻訳伸長因子に関する遺伝子から得られるプロモータ並びにNA2-tpiプロモータ(非翻訳リーダーがアスペルギルス属(Aspergillus)のトリオースリン酸イソメラーゼ遺伝子由来の非翻訳リーダーによって置き換えられたアスペルギルス属(Aspergillus)の中性α-アミラーゼ遺伝子に由来する改変プロモータ;非限定的な例としては、非翻訳リーダーが、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)又はアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のトリオースリン酸イソメラーゼ遺伝子由来の非翻訳リーダーによって置き換えられたアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)の中性α-アミラーゼ遺伝子に由来する改変プロモータが挙げられる);並びにその変異体、短縮型及びハイブリッドプロモータである。他のプロモータは、米国特許第6,011,147号明細書に記載されている。
【0163】
酵母宿主において、有用なプロモータは、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のエノラーゼ(ENO-1)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のガラクトキナーゼ(GAL1)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のアルコール脱水素酵素/グリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素(ADH1、ADH2/GAP)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のトリオースリン酸イソメラーゼ(TPI)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のメタロチオネイン(CUP1)及びサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)の3-ホスホグリセリン酸キナーゼに関する遺伝子から得られる。酵母宿主細胞のための他の有用なプロモータは、Romanos et al.,1992,Yeast 8:423-488によって記載されている。
【0164】
制御配列は、宿主細胞によって認識される、転写を終結するための転写ターミネータでもあり得る。ターミネータは、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの3’末端に作動可能に連結される。宿主細胞において機能できる任意のターミネータが本発明において使用され得る。
【0165】
細菌宿主細胞のために好ましいターミネータは、バチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)のアルカリプロテアーゼ(aprH)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)のα-アミラーゼ(amyL)及び大腸菌(Escherichia coli)のリボソームRNA(rrnB)に関する遺伝子から得られる。
【0166】
糸状真菌宿主細胞のために好ましいターミネータは、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)のアセトアミダーゼ、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)のアントラニル酸合成酵素、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)のグルコアミラーゼ、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)のα-グルコシダーゼ、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のTAKAアミラーゼ、フザリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)のトリプシン様プロテアーゼ、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のβ-グルコシダーゼ、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のセロビオヒドロラーゼI、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のセロビオヒドロラーゼII、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のエンドグルカナーゼI、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のエンドグルカナーゼII、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のエンドグルカナーゼIII、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のエンドグルカナーゼV、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のキシラナーゼI、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のキシラナーゼII、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のキシラナーゼIII、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のβ-キシロシダーゼ及びトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)の翻訳伸長因子に関する遺伝子から得られる。
【0167】
酵母宿主のために好ましいターミネータは、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のエノラーゼ、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のシトクロムC(CYC1)及びサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のグリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素に関する遺伝子から得られる。酵母宿主細胞のための他の有用なターミネータは、前出のRomanos et al.,1992によって記載されている。
【0168】
制御配列は、プロモータの下流及び遺伝子の発現を増大させる遺伝子のコード配列の上流のmRNA安定化領域でもあり得る。
【0169】
好適なmRNA安定化領域の例は、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)のcryIIIA遺伝子(国際公開第94/25612号パンフレット)及びバチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)SP82遺伝子(Hue et al.,1995,Journal of Bacteriology 177:3465-3471)から得られる。
【0170】
制御配列は、宿主細胞による翻訳に重要であるmRNAのリーダー非翻訳領域でもあり得る。リーダーは、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの5’末端に作動可能に連結される。宿主細胞において機能できる任意のリーダーが本発明において使用され得る。
【0171】
糸状真菌宿主細胞のために好ましいリーダーは、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のTAKAアミラーゼ及びアスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)のトリオースリン酸イソメラーゼに関する遺伝子から得られる。
【0172】
酵母宿主細胞のために好適なリーダーは、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のエノラーゼ(ENO-1)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)の3-ホスホグリセリン酸キナーゼ、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のα因子及びサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のアルコール脱水素酵素/グリセルアルデヒド-3-リン酸脱水素酵素(ADH2/GAP)に関する遺伝子から得られる。
【0173】
制御配列は、ポリアデニル化配列でもあり得、これは、ポリヌクレオチドの3’末端に作動可能に連結し、転写されると、転写されたmRNAにポリアデノシン残基を付加するためのシグナルとして宿主細胞に認識される配列である。宿主細胞において機能できる任意のポリアデニル化配列が使用され得る。
【0174】
糸状真菌宿主細胞のために好ましいポリアデニル化配列は、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)のアントラニル酸合成酵素、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)のグルコアミラーゼ、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)のα-グルコシダーゼ、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のTAKAアミラーゼ及びフザリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)のトリプシン様プロテアーゼに関する遺伝子から得られる。
【0175】
酵母宿主細胞のために有用なポリアデニル化配列は、Guo and Sherman,1995,Mol.Cellular Biol.15:5983-5990によって記載されている。
【0176】
制御配列は、ポリペプチドのN末端に連結されるシグナルペプチドをコードし、且つポリペプチドを細胞の分泌経路に導くシグナルペプチドコード領域でもあり得る。ポリヌクレオチドのコード配列の5’末端は、ポリペプチドをコードするコード配列のセグメントと共に、翻訳読み枠において本来連結されるシグナルペプチドコード配列を本質的に含有し得る。代わりに、コード配列の5’末端は、コード配列に対して外来性のシグナルペプチドコード配列を含有し得る。コード配列がシグナルペプチドコード配列を本来含有していない場合、外来性のシグナルペプチドコード配列が必要とされる場合がある。代わりに、外来性のシグナルペプチドコード配列により、ポリペプチドの分泌を増強するために天然のシグナルペプチドコード配列を単に置き換え得る。しかしながら、発現されたポリペプチドを宿主細胞の分泌経路に導く任意のシグナルペプチドコード配列が使用され得る。
【0177】
細菌宿主細胞のために効果的なシグナルペプチドコード配列は、バチルス属(Bacillus)NCBI 11837マルトース生成アミラーゼ、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)のサブチリシン、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)のβ-ラクタマーゼ、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)のα-アミラーゼ、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)の中性プロテアーゼ(nprT、nprS、nprM)及びバチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)のprsAに関する遺伝子から得られるシグナルペプチドコード配列である。さらなるシグナルペプチドは、Simonen and Palva,1993,Microbiological Reviews 57:109-137によって記載されている。
【0178】
糸状真菌宿主細胞のために効果的なシグナルペプチドコード配列は、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)の中性アミラーゼ、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)のグルコアミラーゼ、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のTAKAアミラーゼ、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)のセルラーゼ、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)のエンドグルカナーゼV、フミコラ・ラヌギノーサ(Humicola lanuginosa)のリパーゼ及びリゾムコール・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)のアスパラギン酸プロテイナーゼに関する遺伝子から得られるシグナルペプチドコード配列である。
【0179】
酵母宿主細胞のために有用なシグナルペプチドは、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のα因子及びサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のインベルターゼに関する遺伝子から得られる。他の有用なシグナルペプチドコード配列は、前出のRomanos et al.,1992によって記載されている。
【0180】
制御配列は、ポリペプチドのN末端に位置するプロペプチドをコードするポリペプチドコード配列でもあり得る。得られたポリペプチドはプロ酵素又はプロポリペプチド(又は場合によりチモーゲン)として知られる。プロポリペプチドは、一般に不活性であり、プロポリペプチドからのプロペプチドの触媒的又は自己触媒的切断によって活性ポリペプチドに変換することができる。プロペプチドコード配列は、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)のアルカリプロテアーゼ(aprE)、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)の中性プロテアーゼ(nprT)、ミセリオフトラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)のラッカーゼ(国際公開第95/33836号パンフレット)、リゾムコール・ミーヘイ(Rhizomucor miehei)のアスパラギン酸プロテイナーゼ及びサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のα因子に関する遺伝子から得ることができる。
【0181】
シグナルペプチド及びプロペプチド配列の両方が存在する場合、プロペプチド配列は、ポリペプチドのN末端の隣に位置し、シグナルペプチド配列は、プロペプチド配列のN末端の隣に位置する。
【0182】
宿主細胞の増殖に対してポリペプチドの発現を制御する制御配列を加えることが望ましい場合もある。制御配列の例は、制御化合物の存在を含む化学的刺激又は物理的刺激に対して応答して、遺伝子の発現をオン又はオフさせるものである。原核生物系における制御配列としては、lac、tac及びtrpオペレーター系が挙げられる。酵母では、ADH2系又はGAL1系が使用され得る。糸状真菌では、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)のグルコアミラーゼプロモータ、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のTAKAα-アミラーゼプロモータ及びアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のグルコアミラーゼプロモータ、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のセロビオヒドロラーゼIプロモータ及びトリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)のセロビオヒドロラーゼIIプロモータが使用され得る。制御配列の他の例は、遺伝子増幅を可能にするものである。真核生物系では、これらの制御配列として、メトトレキサートの存在下で増幅されるジヒドロ葉酸還元酵素及び重金属で増幅されるメタロチオネイン遺伝子が挙げられる。これらの場合、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを制御配列に作動可能に連結することになる。
【0183】
発現ベクター
本発明は、本発明のポリヌクレオチド、プロモータ並びに転写及び翻訳終止シグナルを含む組換え発現ベクターにも関する。種々のヌクレオチド及び制御配列が共に連結されて、1つ以上の好都合な制限部位をこのような部位でポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの挿入又は置換を可能とするために含み得る組換え発現ベクターが生成され得る。代わりに、ポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチド又はポリヌクレオチドを含む核酸構築物を発現に適切なベクターに挿入することにより発現され得る。発現ベクターの形成において、コード配列は、コード配列が発現に適切な制御配列に作動可能に連結するようにベクター中に配置される。
【0184】
組換え発現ベクターは、組換えDNA法を都合よく受けることが可能であり、且つポリヌクレオチドの発現をもたらすことが可能である任意のベクター(例えば、プラスミド又はウイルス)であり得る。ベクターの選択は、通常、ベクターが導入される宿主細胞に対するベクターの適合性に依存することになる。ベクターは、直鎖状又は閉環状プラスミドであり得る。
【0185】
ベクターは、例えば、プラスミド、染色体外要素、ミニ染色体又は人工染色体など、自己複製ベクター、すなわち染色体外の実体として存在し、その複製が染色体複製に依存しないベクターであり得る。ベクターは、自己複製を確実なものにするための任意の手段を含有し得る。代わりに、ベクターは、宿主細胞に導入される際にゲノム中に統合され、且つ内部に統合された1つ又は複数の染色体と共に複製されるものであり得る。さらに、単一のベクター若しくはプラスミド、又は宿主細胞のゲノムに導入される全DNAを共に含有する2つ以上のベクター若しくはプラスミド、又はトランスポゾンが使用され得る。
【0186】
ベクターは、形質転換、トランスフェクション、トランスダクションなどされた細胞の選択を容易にする1つ以上の選択マーカーを含有することが好ましい。選択マーカーは、その生成物が殺生物剤又はウイルス耐性、重金属に対する耐性、栄養要求体に対する原栄養性などをもたらす遺伝子である。
【0187】
細菌性選択マーカーの例は、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)若しくはバチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)のdal遺伝子又はアンピシリン、クロラムフェニコール、カナマイシン、ネオマイシン、スペクチノマイシン若しくはテトラサイクリン耐性などの抗生物質耐性を付与するマーカーである。酵母宿主細胞のための好適なマーカーとしては、ADE2、HIS3、LEU2、LYS2、MET3、TRP1及びURA3が挙げられるが、これらに限定されない。糸状真菌宿主細胞において使用される選択マーカーとしては、adeA(ホスホリボシルアミノイミダゾール-サクシノカルボキサミド合成酵素)、adeB(ホスホリボシル-アミノイミダゾール合成酵素)、amdS(アセトアミダーゼ)、argB(オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、bar(ホスフィノスリシンアセチルトランスフェラーゼ)、hph(ハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ)、niaD(硝酸レダクターゼ)、pyrG(オロチジン-5’-リン酸デカルボキシラーゼ)、sC(硫酸アデニルトランスフェラーゼ)及びtrpC(アントラニル酸合成酵素)並びにこれらの均等物が挙げられるが、これらに限定されない。アスペルギルス属(Aspergillus)細胞における使用に好適であるのは、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)又はアスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のamdS及びpyrG遺伝子並びにストレプトマイセス・ハイグロスコピカス(Streptomyces hygroscopicus)のbar遺伝子である。トリコデルマ属(Trichoderma)細胞における使用に好適であるのは、adeA、adeB、amdS、hph及びpyrG遺伝子である。
【0188】
選択マーカーは、国際公開第2010/039889号パンフレットに記載される二重の選択マーカー系であり得る。一態様において、二重の選択マーカーは、hph-tkの二重の選択マーカー系である。
【0189】
ベクターは、好ましくは、宿主細胞のゲノム中へのベクターの組込み又はゲノムとは独立して細胞内でのベクターの自律複製を可能にする1つ又は複数の要素を含有する。
【0190】
宿主細胞ゲノム中への組込みに関して、ベクターは、相同又は非相同組換えによるゲノム中への組込みのために、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列又はベクターの任意の他の要素に依存し得る。代わりに、ベクターは、1つ又は複数の染色体中の正確な位置での宿主細胞のゲノム中への相同組換えによる組込みを誘導するために追加のポリヌクレオチドを含有し得る。正確な位置での組込みの可能性を増大させるために、組込みエレメントは、相同的組換えの可能性を高めるように対応する標的配列に対して高度の配列同一性を有する十分な数の核酸、例えば100~10,000塩基対、400~10,000塩基対及び800~10,000塩基対を含有すべきである。組込みエレメントは、宿主細胞のゲノム中の標的配列と相同な任意の配列であり得る。さらに、組込みエレメントは、非コード又はコードポリヌクレオチドであり得る。他方では、ベクターは、非相同組換えにより宿主細胞のゲノム中に組み込まれ得る。
【0191】
自律複製のために、ベクターは、対象の宿主細胞内でベクターの自律複製を可能にする複製起点をさらに含み得る。複製起点は、細胞内で機能する自律複製を媒介する任意のプラスミドレプリケーターであり得る。用語「複製起点」又は「プラスミドレプリケーター」は、インビボでプラスミド又はベクターの複製を可能にするポリヌクレオチドを意味する。
【0192】
細菌性複製起点の例は、大腸菌(E.coli)における複製を可能にするプラスミドpBR322、pUC19、pACYC177及びpACYC184並びにバチルス属(Bacillus)における複製を可能にするpUB110、pE194、pTA1060及びpAMβ1の複製起点である。
【0193】
酵母宿主細胞において使用するための複製起点の例は、2ミクロン複製起点、ARS1、ARS4、ARS1とCEN3との組合せ及びARS4とCEN6との組合せである。
【0194】
糸状真菌細胞において有用な複製起点の例は、AMA1及びANS1である(Gems et al.,1991,Gene 98:61-67;Cullen et al.,1987,Nucleic Acids Res.15:9163-9175、国際公開第00/24883号パンフレット)。AMA1遺伝子の単離及びこの遺伝子を含むプラスミド又はベクターの構築は、国際公開第00/24883号パンフレットに開示される方法に従って実施することができる。
【0195】
本発明のポリヌクレオチドの2つ以上のコピーを宿主細胞内に挿入して、ポリペプチドの産生を増加させ得る。ポリヌクレオチドのコピー数の増加は、配列の少なくとも1つの追加のコピーを宿主細胞ゲノム中に組み込むことによるか、又はポリヌクレオチドと共に増幅可能選択マーカー遺伝子を含むことにより達成することができ、この場合、選択マーカー遺伝子の増幅されたコピー、それによってポリヌクレオチドの追加のコピーを含有する細胞は、適切な選択薬剤の存在下で細胞を培養することにより選択することができる。
【0196】
上記のエレメントを結合して本発明の組換え発現ベクターを構築するために使用される手順は、当業者によく知られている(例えば、前出のSambrook et al.,1989を参照されたい)。
【0197】
宿主細胞
本発明は、本発明のポリヌクレオチドを含む組換え宿主細胞であって、ポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチドの産生を誘導する1つ以上の制御配列に作動可能に連結されている、組換え宿主細胞にも関する。ポリヌクレオチドを含む構築物又はベクターは、構築物又はベクターが染色体組込み体として又は先に記載される自己複製染色体外ベクターとして維持されるように宿主細胞中に導入される。用語「宿主細胞」は、複製中に起こる変異に起因して親細胞と同一ではない親細胞の任意の後代を包含する。宿主細胞の選択は、ポリペプチドをコードする遺伝子及びその供給源に大きく依存することになる。
【0198】
宿主細胞は、本発明のポリペプチドの組換え体産生において有用な任意の細胞、例えば原核生物又は真核生物であり得る。
【0199】
原核生物の宿主細胞は、任意のグラム陽性細菌又はグラム陰性細菌であり得る。グラム陽性細菌としては、バチルス属(Bacillus)、クロストリジウム属(Clostridium)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ゲオバチルス属(Geobacillus)、ラクトバチルス属(Lactobacillus)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、オセアノバチルス属(Oceanobacillus)、スタフィロコッカス属(Staphylococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)及びストレプトマイセス属(Streptomyces)が挙げられるが、これらに限定されない。グラム陰性細菌としては、カンピロバクター属(Campylobacter)、大腸菌(E.coli)、フラボバクテリウム属(Flavobacterium)、フソバクテリウム属(Fusobacterium)、ヘリコバクター属(Helicobacter)、イリオバクター属(Ilyobacter)、ナイセリア属(Neisseria)、シュードモナス属(Pseudomonas)、サルモネラ属(Salmonella)及びウレアプラズマ属(Ureaplasma)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0200】
細菌宿主細胞としては、限定されるものではないが、バチルス・アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)、バチルス・サークランス(Bacillus circulans)、バチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、バチルス・ファーマス(Bacillus firmus)、バチルス・ロータス(Bacillus lautus)、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)及びバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)の細胞を含む任意のバチルス属(Bacillus)細胞であり得る。
【0201】
細菌宿主細胞は、限定されるものではないが、ストレプトコッカス・エクイシミリス(Streptococcus equisimilis)、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)、ストレプトコッカス・ユベリス(Streptococcus uberis)及びストレプトコッカス・エクイ亜種ズーエピデミカス(Streptococcus equi subsp.Zooepidemicus)の細胞を含む任意のストレプトコッカス属(Streptococcus)細胞でもあり得る。
【0202】
細菌宿主細胞は、限定されるものではないが、ストレプトマイセス・アクロモゲネス(Streptomyces achromogenes)、ストレプトマイセス・アベルミティリス(Streptomyces avermitilis)、ストレプトマイセス・コエリカラー(Streptomyces coelicolor)、ストレプトマイセス・グリセウス(Streptomyces griseus)及びストレプトマイセス・リビダンス(Streptomyces lividans)の細胞を含む任意のストレプトマイセス属(Streptomyces)細胞でもあり得る。
【0203】
バチルス属(Bacillus)細胞内へのDNAの導入は、プロトプラスト形質転換(例えば、Chang and Cohen,1979,Mol.Gen.Genet.168:111-115を参照されたい)により、コンピテント細胞形質転換(例えば、Young and Spizizen,1961,J.Bacteriol.81:823-829又はDubnau and Davidoff-Abelson,1971,J.Mol.Biol.56:209-221を参照されたい)、エレクトロポレーション(例えば、Shigekawa and Dower,1988,Biotechniques 6:742-751を参照されたい)又はコンジュゲーション(例えば、Koehler and Thorne,1987,J.Bacteriol.169:5271-5278を参照されたい)によって行われ得る。大腸菌(E.coli)細胞内へのDNAの導入は、プロトプラスト形質転換(例えば、Hanahan,1983,J.Mol.Biol.166:557-580を参照されたい)又はエレクトロポレーション(例えば、Dower et al.,1988,Nucleic Acids Res.16:6127-6145を参照されたい)によって行われ得る。ストレプトマイセス属(Streptomyces)細胞内へのDNAの導入は、プロトプラスト形質転換、エレクトロポレーション(例えば、Gong et al.,2004,Folia Microbiol.(Praha)49:399-405を参照されたい)、コンジュゲーション(例えば、Mazodier et al.,1989,J.Bacteriol.171:3583-3585を参照されたい)又はトランスダクション(例えば、Burke et al.,2001,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 98:6289-6294を参照されたい)によって行われ得る。シュードモナス属(Pseudomonas)細胞内へのDNAの導入は、エレクトロポレーション(例えば、Choi et al.,2006,J.Microbiol.Methods 64:391-397を参照されたい)又はコンジュゲーション(例えば、Pinedo and Smets,2005,Appl.Environ.Microbiol.71:51-57を参照されたい)によって行われ得る。ストレプトコッカス属(Streptococcus)細胞内へのDNAの導入は、自然形質転換能(例えば、Perry and Kuramitsu,1981,Infect.Immun.32:1295-1297を参照されたい)、プロトプラスト形質転換(例えば、Catt and Jollick,1991,Microbios 68:189-207を参照されたい)、エレクトロポレーション(例えば、Buckley et al.,1999,Appl.Environ.Microbiol.65:3800-3804を参照されたい)又はコンジュゲーション(例えば、Clewell,1981,Microbiol.Rev.45:409-436を参照されたい)によって行われ得る。しかしながら、宿主細胞内にDNAを導入するための当技術分野で知られる任意の方法を使用することができる。
【0204】
宿主細胞は、真核生物、例えば哺乳動物、昆虫、植物又は真菌の細胞でもあり得る。
【0205】
宿主細胞は、真菌細胞であり得る。本明細書で使用する場合、「真菌」は、子嚢菌門(Ascomycota)、担子菌門(Basidiomycota)、ツボカビ門(Chytridiomycota)及び接合菌門(Zygomycota)並びに卵菌門(Oomycota)及び全ての不完全菌類(Hawksworth et al.,In,Ainsworth and Bisby’s Dictionary of The Fungi,8th edition,1995,CAB International,University Press,Cambridge,UKにより定義される)を含む。
【0206】
真菌宿主細胞は、酵母細胞であり得る。本明細書で使用する場合、「酵母」は、子嚢酵母(エンドミケス目(Endomycetales))、担子胞子酵母及び不完全菌類に属する酵母(不完全酵母菌綱(Blastomycetes))を含む。酵母の分類は、将来変更される可能性があるため、本発明の目的のために、酵母は、Biology and Activities of Yeast(Skinner,Passmore,and Davenport,editors,Soc.App.Bacteriol.Symposium Series No.9,1980)に記載されるとおりに定義されるものとする。
【0207】
酵母宿主細胞は、カンジダ属(Candida)、ハンゼヌラ属(Hansenula)、クルイベロマイセス属(Kluyveromyces)、ピキア属(Pichia)、サッカロマイセス属(Saccharomyces)、シゾサッカロマイセス属(Schizosaccharomyces)又はヤロウイア属(Yarrowia)の細胞、例えばクルイベロマイセス・ラクティス(Kluyveromyces lactis)、サッカロマイセス・カールスベルゲンシス(Saccharomyces carlsbergensis)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・ディアスタティカス(Saccharomyces diastaticus)、サッカロマイセス・ドウグラシー(Saccharomyces douglasii)、サッカロマイセス・クリュイベリ(Saccharomyces kluyveri)、サッカロマイセス・ノルベンシス(Saccharomyces norbensis)、サッカロマイセス・オヴィフォルミス(Saccharomyces oviformis)又はヤロウイア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)の細胞であり得る。
【0208】
真菌宿主細胞は、糸状真菌細胞であり得る。「糸状真菌」は、細分類の真菌門(Eumycota)及び卵菌門(Oomycota)(前出のHawksworth et al.,1995により定義される)の全ての糸状形態を含む。糸状真菌は、一般的に、キチン、セルロース、グルカン、キトサン、マンナン及び他の複合ポリサッカリドで構成される菌糸体壁により特徴付けられる。栄養生長は、菌糸伸長によるものであり、炭素異化は、偏性好気性である。対照的に、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)などの酵母による栄養生長は、単細胞葉状体の出芽によるものであり、炭素異化は、発酵性であり得る。
【0209】
糸状真菌宿主細胞は、アクレモニウム属(Acremonium)、アスペルギルス属(Aspergillus)、アウレオバシジウム属(Aureobasidium)、ヤケイロタケ属(Bjerkandera)、セリポリオプシス属(Ceriporiopsis)、クリソスポリウム属(Chrysosporium)、コプリナス属(Coprinus)、カワラタケ属(Coriolus)、クリプトコッカス属(Cryptococcus)、フィリバシジウム属(Filibasidium)、フザリウム属(Fusarium)、フミコラ属(Humicola)、マグナポルテ属(Magnaporthe)、ムコール属(Mucor)、ミセリオフトラ属(Myceliophthora)、ネオカリマスティクス属(Neocallimastix)、ニューロスポラ属(Neurospora)、ペシロマイセス属(Paecilomyces)、ペニシリウム属(Penicillium)、ファネロカエテ属(Phanerochaete)、フレビア属(Phlebia)、ピロミセス属(Piromyces)、ヒラタケ属(Pleurotus)、シゾフィラム属(Schizophyllum)、タラロマイセス属(Talaromyces)、サーモアスカス属(Thermoascus)、チエラビア属(Thielavia)、トリポクラディウム属(Tolypocladium)、ホウロクタケ属(Trametes)又はトリコデルマ属(Trichoderma)の細胞であり得る。
【0210】
例えば、糸状真菌宿主細胞は、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・フォティダス(Aspergillus foetidus)、アスペルギルス・フミガタス(Aspergillus fumigatus)、アスペルギルス・ジャポニカス(Aspergillus japonicus)、アスペルギルス・ニデュランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)、ヤケイロタケ(Bjerkandera adusta)、セリポリオプシス・アネイリナ(Ceriporiopsis aneirina)、セリポリオプシス・カレギエア(Ceriporiopsis caregiea)、セリポリオプシス・ギルベッセンス(Ceriporiopsis gilvescens)、セリポリオプシス・パノンシンタ(Ceriporiopsis pannocinta)、セリポリオプシス・リブロサ(Ceriporiopsis rivulosa)、セリポリオプシス・サブルファ(Ceriporiopsis subrufa)、セリポリオプシス・サベルミスポラ(Ceriporiopsis subvermispora)、クリソスポリウム・イノプス(Chrysosporium inops)、クリソスポリウム・ケラチノフィラム(Chrysosporium keratinophilum)、クリソスポリウム・ルクノウェンス(Chrysosporium lucknowense)、クリソスポリウム・メルダリウム(Chrysosporium merdarium)、クリソスポリウム・パニコラ(Chrysosporium pannicola)、クリソスポリウム・クイーンズランジカム(Chrysosporium queenslandicum)、クリソスポリウム・トプロピカム(Chrysosporium tropicum)、クリソスポリウム・ゾナタム(Chrysosporium zonatum)、コプリナス・シネレウス(Coprinus cinereus)、コリオラス・ハースタス(Coriolus hirsutus)、フザリウム・バクトリジオイデス(Fusarium bactridioides)、フザリウム・セレアリス(Fusarium cerealis)、フザリウム・クロックウェレンズ(Fusarium crookwellense)、フザリウム・クルモラム(Fusarium culmorum)、フザリウム・グラミネアラム(Fusarium graminearum)、フザリウム・グラミナム(Fusarium graminum)、フザリウム・ヘテロスポラム(Fusarium heterosporum)、フザリウム・ネグンジ(Fusarium negundi)、フザリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、フザリウム・レチキュラタム(Fusarium reticulatum)、フザリウム・ロゼウム(Fusarium roseum)、フザリウム・サムブシヌム(Fusarium sambucinum)、フザリウム・サルクロウム(Fusarium sarcochroum)、フザリウム・スポロトリキオイデス(Fusarium sporotrichioides)、フザリウム・スルフレウム(Fusarium sulphureum)、フザリウム・トルロサム(Fusarium torulosum)、フザリウム・トリコセシオイデス(Fusarium trichothecioides)、フザリウム・ベネナツム(Fusarium venenatum)、フミコラ・インソレンス(Humicola insolens)、フミコラ・ラヌギノーサ(Humicola lanuginosa)、ムコール・ミーヘイ(Mucor miehei)、ミセリオプソラ・サーモフィラ(Myceliophthora thermophila)、ネウロスポラ・クラサ(Neurospora crassa)、ペニシリウム・プルプロゲナム(Penicillium purpurogenum)、ファネロカエテ・クリソスポリウム(Phanerochaete chrysosporium)、フレビア・ラジアータ(Phlebia radiata)、プレウロツス・エリンギ(Pleurotus eryngii)、チエラビア・テレストリス(Thielavia terrestris)、トラメテス・ビロサ(Trametes villosa)、トラメテス・ベルシカラー(Trametes versicolor)、トリコデルマ・ハルジアナム(Trichoderma harzianum)、トリコデルマ・コニンギ(Trichoderma koningii)、トリコデルマ・ロンギブラキアタム(Trichoderma longibrachiatum)、トリコデルマ・リーゼイ(Trichoderma reesei)又はトリコデルマ・ビリデ(Trichoderma viride)の細胞であり得る。
【0211】
真菌細胞は、それ自体知られている方法において、プロトプラストの形成、プロトプラストの形質転換及び細胞壁の再生を含む方法により形質転換され得る。アスペルギルス属(Aspergillus)及びトリコデルマ属(Trichoderma)宿主細胞の形質転換のための好適な手順は、欧州特許第238023号明細書、Yelton et al.,1984、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:1470-1474及びChristensen et al.,1988,Bio/Technology 6:1419-1422において記載される。フザリウム属(Fusarium)種を形質転換するための好適な方法は、Malardier et al.,1989,Gene 78:147-156及び国際公開第96/00787号パンフレットによって記載されている。酵母は、Becker and Guarente,In Abelson,J.N.and Simon,M.I.,editors,Guide to Yeast Genetics and Molecular Biology,Methods in Enzymology,Volume 194,pp 182-187,Academic Press,Inc.,New York;Ito et al.,1983,J.Bacteriol.153:163;並びにHinnen et al.,1978,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75:1920によって記載される手順を用いて形質転換され得る。
【0212】
生成の方法
本発明は、本発明のポリペプチドを生成する方法であって、(a)野生型形態において、ポリペプチドを、ポリペプチドの生成を引き起こす条件下で生成する細胞を培養することと;(b)任意選択的に、ポリペプチドを単離することと;(c)ポリペプチドを回収することとを含む方法にも関する。一態様において、細胞は、バチルス(Bacillus)属細胞である。別の態様において、細胞は、バチルス・ホルネキアエ(Bacillus horneckiae)細胞である。
【0213】
本発明は、本発明のポリペプチドを生成する方法であって、
(a)本発明のポリペプチドをコードする外因性ポリヌクレオチドを含む組換えバチルス(Bacillus)属宿主細胞を培養するステップであって、ポリヌクレオチドは、発現され、及びポリペプチドは、生成される、ステップと;
(b)任意選択的に、ポリペプチドを単離するステップと;
(c)任意選択的に、ポリペプチドを回収するステップと
を含む方法にも関する。
【0214】
一実施形態において、組換えバチルス(Bacillus)属宿主細胞は、バチルス・アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・ブレビス(Bacillus brevis)、バチルス・サークランス(Bacillus circulans)、バチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、バチルス・ファーマス(Bacillus firmus)、ゲオバチルス・ステアロサーモフィルス(Geobacillus stearothermophilus)、バチルス・ロータス(Bacillus lautus)、バチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、枯草菌(Bacillus subtilis)及びバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)からなるリストから選択される。好ましい実施形態において、組換えバチルス(Bacillus)属宿主細胞は、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)及び枯草菌(Bacillus subtilis)からなるリストから選択される。
【0215】
宿主細胞は、当技術分野において知られる方法を用いるポリペプチドの産生に好適な栄養培地中で培養される。例えば、細胞は、好適な培地中において並びにポリペプチドの発現及び/又は単離が可能になる条件下での、実験用又は工業用発酵槽におけるフラスコ振盪培養又は小規模若しくは大規模発酵(連続、バッチ、流加又は固体発酵を含む)により培養され得る。培養は、当技術分野において知られる手順を用いて、炭素及び窒素源並びに無機塩を含む好適な栄養培地において行われる。好適な培地は、市販業者から入手可能であるか又は公開されている組成物に従って調製され得る(例えば、American Type Culture Collectionの目録中)。ポリペプチドが栄養培地に分泌される場合、ポリペプチドは、培地から直接的に回収することができる。ポリペプチドが分泌されない場合、それは、細胞可溶化物から回収することができる。
【0216】
ポリペプチドは、ポリペプチドに特異的である、当技術分野において知られる方法を用いて検出され得る。これらの検出法としては、特異抗体の使用、酵素生成物の形成又は酵素基質の消失が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、酵素アッセイを用いてポリペプチドの活性を判定し得る。
【0217】
ポリペプチドは、当技術分野において知られる方法を用いて回収され得る。例えば、ポリペプチドは、採取、遠心分離、濾過、抽出、噴霧乾燥、蒸発又は沈殿を含むが、これらに限定されない従来の手順によって栄養培地から回収され得る。一態様において、ポリペプチドを含む発酵ブロスが回収される。
【0218】
ポリペプチドは、実質的に純粋な変異体を得るための、クロマトグラフィ(例えば、イオン交換、親和性、疎水性、クロマトフォーカシング及びサイズ排除)、電気泳動法(例えば、分取等電点電気泳動)溶解度の相違(例えば、硫酸アンモニウム沈殿)、SDS-PAGE又は抽出(例えば、Protein Purification,Janson and Ryden,editors,VCH Publishers,New York,1989を参照されたい)を含むが、これらに限定されない、当技術分野において知られる様々な手順によって精製され得る。
【0219】
別の態様において、ポリペプチドは、回収されず、ポリペプチドを発現する本発明の宿主細胞がポリペプチド源として用いられる。
【0220】
植物
本発明は、回収可能な量でポリペプチド又はドメインを発現及び産生するように本発明のポリヌクレオチドを含む単離された植物、例えばトランスジェニック植物、植物部分又は植物細胞にも関する。ポリペプチド又はドメインは、植物又は植物部分から回収され得る。代わりに、ポリペプチド又はドメインを含有する植物又は植物部分は、例えば、食品又は飼料の品質を改善する、例えば栄養価、嗜好性及び流体学的性質を向上させるため又は非栄養因子を破壊するために使用され得る。
【0221】
トランスジェニック植物は、双子葉の(双子葉植物)又は単子葉の(単子葉植物)であり得る。単子葉植物の例は、ナガハグサ(ブルーグラス、ポア属(Poa))などのイネ科牧草、フェツカ属(Festuca)、ロリウム属(Lolium)などの飼料草、ヌカボ属(Argostis)などの寒地型イネ科牧草並びに穀類、例えばコムギ、カラスムギ、ライムギ、オオムギ、イネ、モロコシ及びトウモロコシ(コーン)である。
【0222】
双子葉植物の例は、タバコ、ルピナスなどのマメ科植物、ジャガイモ、サトウダイコン、エンドウマメ、マメ及びダイズ、並びに例えばカリフラワー、ナタネなどのアブラナ科植物(アブラナ科(Brassicaceae))、並びに密接に関係したモデル生物であるシロイロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)である。
【0223】
植物部分の例は、茎、カルス、葉、根、果実、種子及び塊茎並びにこれらの部分を含む個々の組織、例えば表皮、葉肉、柔組織、維管束組織、分裂組織である。
【0224】
植物細胞及び特定の植物細胞区画、例えば葉緑体、アポプラスト、ミトコンドリア、液胞、ペルオキシソーム及び細胞質も植物部分であると見なされる。
【0225】
さらに、このような植物、植物部分及び植物細胞の後代も本発明の範囲に含まれる。
【0226】
当技術分野で知られる方法に従い、ポリペプチド又はドメインを発現するトランスジェニック植物又は植物細胞を構築し得る。
【0227】
本発明は、本発明のポリペプチド又はドメインを生成する方法であって、(a)ポリペプチド又はドメインの産生を促す条件下において、ポリペプチド又はドメインをコードするポリヌクレオチドを含むトランスジェニック植物若しくは植物部分を培養すること;及び(b)ポリペプチド又はドメインを回収することを含む方法にも関する。
【0228】
発酵ブロス製剤又は細胞組成物
本発明は、本発明のポリペプチドを含む発酵ブロス製剤又は細胞組成物にも関する。発酵ブロス産物は、例えば、細胞(本発明のポリペプチドをコードする遺伝子を含有する宿主細胞であって、目的のポリペプチドの産生に使用される宿主細胞を含む)、細胞片、バイオマス、発酵培地及び/又は発酵産物などの発酵プロセスで用いられる追加の成分をさらに含む。いくつかの実施形態において、組成物は、1つ又は複数の有機酸、死細胞及び/又は細胞片並びに培養培地を含有する死滅した細胞の全ブロスである。
【0229】
用語「発酵ブロス」は、本明細書で使用する場合、回収及び/又は精製を全く行わないか又は最小限にのみ行う細胞発酵により産生される調製物を指す。例えば、発酵ブロスは、微生物培養物を飽和するまで増殖させ、炭素制限条件下でインキュベートしてタンパク質を合成させて(例えば、宿主細胞による酵素の発現)、細胞培養培地中に分泌させるときに作製される。発酵ブロスは、発酵の終了時に得られる発酵材料の未分画又は分画内容物を含有し得る。通常、発酵ブロスは、未分画であり、使用済みの培養培地及び微生物細胞(例えば、糸状真菌細胞)が例えば遠心分離により除去された後に存在する細胞片を含む。いくつかの実施形態において、発酵ブロスは、使用済みの細胞培養培地、細胞外酵素並びに生存及び/又は非生存微生物細胞を含有する。
【0230】
実施形態において、発酵ブロス製剤及び細胞組成物は、少なくとも1つの1~5炭素の有機酸及び/又はその塩を含む第1の有機酸成分並びに少なくとも1つの6炭素以上の有機酸及び/又はその塩を含む第2の有機酸成分を含む。特定の実施形態において、第1の有機酸成分は、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、その塩又は前述の2つ以上の混合物であり、第2の有機酸成分は、安息香酸、シクロヘキサンカルボン酸、4-メチル吉草酸、フェニル酢酸、その塩又は前述の2つ以上の混合物である。
【0231】
一態様において、組成物は、1つ又は複数の有機酸を含有し、且つ任意選択的に死細胞及び/又は細胞片をさらに含有する。一実施形態において、死細胞及び/又は細胞片は、死滅した細胞の全ブロスから除去されて、これらの成分を含まない組成物が提供される。
【0232】
発酵ブロス製剤又は細胞組成物は、限定されないが、ソルビトール、塩化ナトリウム、ソルビン酸カリウム及び当技術分野において知られる他のものを含む保存剤及び/又は抗菌剤(例えば、静菌剤)をさらに含み得る。
【0233】
死滅した細胞の全ブロス又は組成物は、発酵の終了時に得られる発酵材料の未分画内容物を含有し得る。通常、死滅した細胞の全ブロス又は組成物は、微生物細胞(例えば、糸状真菌細胞)を飽和するまで増殖させ、炭素制限条件下でインキュベートしてタンパク質を合成させた後に存在する使用済みの培養培地及び細胞片を含有する。いくつかの実施形態において、死滅した細胞の全ブロス又は組成物は、使用済みの細胞培養培地、細胞外酵素及び糸状真菌の死細胞を含有する。いくつかの実施形態において、死滅した細胞の全ブロス又は組成物中に存在する微生物細胞は、当技術分野において知られる方法を用いて透過処理及び/又は溶解され得る。
【0234】
本明細書に記載されるとおりの全ブロス又は細胞組成物は、通常、液体であるが、死細胞、細胞片、培養培地成分及び/又は1つ若しくは複数の不溶性酵素などの不溶性成分を含有し得る。いくつかの実施形態において、不溶性成分が除去されて清澄化された液体組成物が提供され得る。
【0235】
本発明の全ブロス製剤及び細胞組成物は、国際公開第90/15861号パンフレット又は国際公開第2010/096673号パンフレットに記載される方法によって作製され得る。
【0236】
酵素組成物
本発明は、本発明のポリペプチドを含む組成物にも関する。好ましくは、組成物は、本発明のポリペプチドにおいて濃縮される。用語「濃縮される」は、組成物のプロテアーゼ活性が、例えば少なくとも1.1、例えば少なくとも1.2、少なくとも1.3、少なくとも1.4、少なくとも1.5、少なくとも2.0、少なくとも3.0、少なくとも4.0、少なくとも5.0、少なくとも10の濃縮倍率で増加していることを示す。
【0237】
製剤
本発明の酵素は、液体又は固体として配合され得る。液体製剤について、配合剤は、ポリオール(例えば、グリセロール、エチレングリコール又はプロピレングリコールなど)、塩(例えば、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウムなど)又は糖若しくは糖誘導体(例えば、デキストリン、グルコース、スクロース及びソルビトールなど)を含み得る。したがって、一実施形態において、組成物は、本発明のポリペプチド並びにグリセロール、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、デキストリン、グルコース、スクロース及びソルビトールからなるリストから選択される1つ以上の配合剤を含む液体組成物である。液体製剤は、飼料をペレット化した後にそれに噴霧され得るか、又は動物に与える飲用水に添加され得る。
【0238】
固体製剤について、製剤は、例えば、顆粒、噴霧乾燥粉末又は集塊物としてであり得る(例えば、国際公開第00/70034号パンフレットに開示されるとおり)。配合剤は、塩(有機又は無機亜鉛、ナトリウム、カリウム又はカルシウム塩、例えば酢酸カルシウム、安息香酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、ソルビン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸カリウム、安息香酸カリウム、炭酸カリウム、塩化カリウム、クエン酸カリウム、ソルビン酸カリウム、硫酸カリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、ソルビン酸亜鉛、硫酸亜鉛)、デンプン又は糖若しくは糖誘導体(例えば、スクロース、デキストリン、グルコース、ラクトース、ソルビトールなど)を含み得る。
【0239】
一実施形態において、組成物は、本発明のプロテアーゼ並びに塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、チオ硫酸ナトリウム、炭酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、デキストリン、グルコース、スクロース、ソルビトール、ラクトース、デンプン及びセルロースからなるリストから選択される1つ以上の配合剤を含む噴霧乾燥組成物などの固体組成物である。好ましい実施形態において、配合剤は、次の化合物:硫酸ナトリウム、デキストリン、セルロース、チオ硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム及び炭酸カルシウムの1つ以上から選択される。
【0240】
本発明は、本発明のプロテアーゼを任意選択的に1つ以上の追加の酵素と組み合わせて含む酵素顆粒/粒子にも関する。顆粒は、コア及び任意選択的にコアを取り囲む1つ以上のコーティング(外層)で構成される。
【0241】
通常、顆粒の顆粒/粒子サイズは、同等の球体直径(体積基準の平均粒径)として計測して、20~2000μm、特に50~1500μm、100~1500μm又は250~1200μmである。
【0242】
コアは、例えば、結晶化、沈殿、パンコーティング、流動層コーティング、流動層凝集、回転噴霧、押出、プリリング、球形化、破砕法、ドラム造粒及び/又は高せん断造粒などの造粒技術を含む方法により、原料のブレンドを造粒することにより調製することができる。
【0243】
コアの調製方法については、C.E.Capes;Volume 1;1980;ElsevierによるHandbook of Powder Technology;Particle size enlargementにおいて見出すことができる。調製方法は、既知の飼料及び顆粒形成技術を含み、例えば、
a)噴霧乾燥生成物、ここで、液体酵素含有溶液は、噴霧乾燥塔で霧化されて小さい液滴を形成し、それらが乾燥塔内を下る間に乾燥して酵素含有粒子材料を形成する;
b)積層生成物、ここで、酵素は、予め形成された不活性コア粒子の周りの層としてコーティングされ、通常、予め形成されたコア粒子が流動化されている流動層装置で酵素含有溶液が霧化され、酵素含有溶液がコア粒子に付着して乾ききると、コア粒子の表面上に乾燥酵素の層が残る。所望の粒径の有用なコア粒子を見出すことができる場合、このようにして所望の粒径の粒子を得ることができる。この種の生成物については、例えば、国際公開第97/23606号パンフレットに記載される;
c)吸収コア粒子、ここで、酵素をコアの周りに層としてコーティングするというよりむしろ、酵素がコアの表面上及び/又はその中に吸収される。このようなプロセスは、国際公開第97/39116号パンフレットに記載されている。
d)押出し又はペレット化された生成物、ここで、酵素含有ペーストが加圧によりペレット化されるか、又は圧力下で小さい開口を通じて押し出されて切断されることにより粒子となり、続いて乾燥される。押出し開口が作られる材料(通常、穿孔を有するプレート)が押出し開口に対する許容圧力降下を制限するため、このような粒子は、通常、かなりのサイズを有する。また、小さい開口を用いる場合に押出し圧力が極めて高くなると酵素ペーストの熱生成が増加し、これは、酵素にとって有害である;
e)プリリング生成物、ここで、酵素含有粉末は、溶融ワックス中において懸濁され、この懸濁液が例えば回転ディスク噴霧器を通じて冷却チャンバー内へと噴霧され、そこで液滴が急速に固化する(Michael S.Showell(編者);Powdered detergents;Surfactant Science Series;1998;vol.71;頁140-142;Marcel Dekker)。得られる生成物は、酵素が不活性材料の表面に集中する代わりに、その全体にわたって均一に分布しているものである。米国特許第4,016,040号明細書及び米国特許第4,713,245号明細書もこの技術に関する;
f)ミキサー造粒生成物、ここで、例えば従来の造粒成分の乾燥粉末組成物に液体が添加され、酵素は、液体又は粉末のいずれか又は両方によって導入される。この液体と粉末とが混合され、液体の水分が乾燥粉末に吸収されるにつれて乾燥粉末の成分が付着して凝集し始めることになり、粒子が構築されて、酵素を含む顆粒が形成されることになる。このようなプロセスは、米国特許第4,106,991号明細書及び関連文献の欧州特許第170360号明細書、欧州特許第304332号明細書、欧州特許第304331号明細書、国際公開第90/09440号パンフレット及び国際公開第90/09428号パンフレットに記載されている。様々な高せん断ミキサーが造粒器として使用され得るこのプロセスの特定の生成物では、酵素、充填剤及び結合剤などからなる顆粒をセルロース繊維と混合して粒子を強化することにより、いわゆるT-顆粒が得られる。より強固である強化粒子は、放出される酵素粉塵が少ない。
g)破砕、ここで、酵素を含有する大きい粒子、ペレット、錠剤、ブリケットなどの粉砕又は破砕によってコアが作製される。求められるコア粒子画分は、粉砕又は破砕生成物を篩分けすることによって得られる。過大及び過小な粒径の粒子は、再利用することができる。破砕については、(Martin Rhodes(編者);Principles of Powder Technology;1990;Chapter 10;John Wiley&Sons)に記載される;
h)流動層造粒、これは、微粒子を気流中に懸濁させ、その流動化粒子にノズルを介して液体を噴霧することを伴う。噴霧液滴が当たった粒子は、湿って粘着性になる。この粘着性粒子が他の粒子に衝突してそれらに付着し、顆粒を形成する;
i)コアは、流動層乾燥機などで乾燥に供され得る。飼料又は洗剤工業における顆粒を乾燥させるための他の既知の方法が当業者によって用いられ得る。乾燥は、好ましくは、25~90℃の生成物温度で行われる。いくつかの酵素について、酵素を含むコアがコーティング前に少量の水を含有することが重要である。過剰な水が除去される前に感水性の酵素がコーティングされる場合、それがコア内に捕捉されることになり、酵素の活性に悪影響を及ぼし得る。乾燥後、コアは、好ましくは、0.1~10%w/wの水を含有する。
【0244】
コアは、充填材、繊維材(セルロース又は合成繊維)、安定化剤、可溶化剤、懸濁剤、粘度調節剤、軽質量の球体、可塑剤、塩、潤滑剤及び芳香剤などの追加の材料を含み得る。
【0245】
コアは、合成ポリマー、ワックス、脂肪又は炭水化物などの結合剤を含み得る。
【0246】
コアは、多価カチオンの塩、還元剤、抗酸化剤、過酸化物分解触媒及び/又は酸性緩衝剤成分を典型的には均質なブレンドとして含み得る。
【0247】
一実施形態において、コアは、塩(酢酸カルシウム、安息香酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、ソルビン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸カリウム、安息香酸カリウム、炭酸カリウム、塩化カリウム、クエン酸カリウム、ソルビン酸カリウム、硫酸カリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、ソルビン酸亜鉛、硫酸亜鉛など)、デンプン又は糖若しくは糖誘導体(例えば、スクロース、デキストリン、グルコース、ラクトース、ソルビトールなど)、糖又は糖誘導体(例えば、スクロース、デキストリン、グルコース、ラクトース、ソルビトールなど)、有機小分子、デンプン、小麦粉、セルロース及びミネラル及び粘土鉱物(含水フィロケイ酸アルミニウムとしても知られる)からなる群から選択される材料を含む。一実施形態において、コアは、カオリナイト又はカオリンなどの粘土鉱物を含む。
【0248】
コアは、酵素が内部に吸収される不活性粒子又は例えば流動層コーティングにより酵素が表面に塗布される不活性粒子を含み得る。
【0249】
コアは、20~2000μm、特に50~1500μm、100~1500μm又は250~1200μmの直径を有し得る。
【0250】
例えば、貯蔵安定性を向上させるか、取り扱い中の粉塵形成を低減するか、又は顆粒を着色するために、コアを少なくとも1つのコーティングによって取り囲み得る。任意選択的なコーティングは、塩、及び/若しくはワックス、及び/若しくは小麦粉コーティング又は他の好適なコーティング材料を含み得る。
【0251】
コーティングは、コアの少なくとも0.1重量%、例えば少なくとも0.5%、1%又は5%などの量で塗布され得る。この量は、最大100%、70%、50%、40%又は30%であり得る。
【0252】
コーティングは、厚さが少なくとも0.1μm、特に少なくとも0.5μm、少なくとも1μm又は少なくとも5μmであるのが好ましい。いくつかの実施形態において、コーティングの厚さは、100μm未満、例えば60μm未満又は40μm未満である。
【0253】
コーティングは、実質的に連続した層を形成することにより、コアユニットを被包する必要がある。実質的に連続的な層とは、孔がほとんど又は全くないコーティングであり、そのため、コーティングされていない範囲がほとんど又は全くない状態でコアユニットが被包又は封入されるものと理解されるべきである。特定の実施形態において、層又はコーティングは、厚さが均一でなければならない。
【0254】
コーティングは、当技術分野で知られる他の材料、例えば充填材、固着防止剤、顔料、染料、可塑剤及び/又は結合剤、例えば二酸化チタン、カオリン、炭酸カルシウム又はタルクをさらに含有することができる。
【0255】
塩コーティングは、少なくとも60重量%、例えば少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%又は少なくとも99重量%の塩を含み得る。
【0256】
塩は、塩を完全に溶解させた塩溶液又は微粒子が10μm未満若しくは5μm未満など、50μm未満である塩懸濁液から添加され得る。
【0257】
塩コーティングは、単一の塩又は3種以上の塩の混合物を含み得る。塩は、水溶性であり、特に20℃で100gの水中で少なくとも0.1g、好ましくは水100gあたり少なくとも0.5g、例えば水100gあたり少なくとも1g、例えば水100gあたり少なくとも5gの溶解度を有し得る。
【0258】
塩は、無機塩、例えば硫酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、硝酸塩、塩化物若しくは炭酸塩の塩又はクエン酸塩、マロン酸塩若しくは酢酸塩などの単純な有機酸(炭素数10未満、例えば炭素数6以下)の塩であり得る。これらの塩のカチオンの例は、アルカリ若しくはアルカリ土類金属イオン、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛若しくはアルミニウムなどの第一遷移金属のアンモニウムイオン又は金属イオンである。アニオンの例としては、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、リン酸塩、一塩基リン酸塩、二塩基リン酸塩、次亜リン酸塩、ピロリン酸二水素、四ホウ酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、メタケイ酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、ソルビン酸塩、乳酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、酪酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、酒石酸塩、アスコルビン酸塩又はグルコン酸塩が挙げられる。特に、硫酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、硝酸塩、塩化物若しくは炭酸塩のアルカリ若しくはアルカリ土類金属塩又はクエン酸塩、マロン酸塩若しくは酢酸塩などの単純な有機酸の塩が使用され得る。
【0259】
コーティング中の塩は、20℃で60%超、特に70%超、80%超若しくは85%超の一定湿度を有するか、又はこのような塩の別の水和物形態(例えば、無水物)であり得る。塩コーティングは、国際公開第97/05245号パンフレット、国際公開第98/54980号パンフレット、国際公開第98/55599号パンフレット、国際公開第00/70034号パンフレット、国際公開第06/034710号パンフレット、国際公開第2008/017661号パンフレット、国際公開第2008/017659号パンフレット、国際公開第00/020569号パンフレット、国際公開第01/004279号パンフレット、国際公開第97/05245号パンフレット、国際公開第00/01793号パンフレット、国際公開第2003/059086号パンフレット、国際公開第2003/059087号パンフレット、国際公開第2007/031483号パンフレット、国際公開第2007/031485号パンフレット、国際公開第2007/044968号パンフレット、国際公開第2013/192043号パンフレット、国際公開第2014/014647号パンフレット及び国際公開第2015/197719号パンフレットに記載されるとおりか、又は国際公開第01/00042号パンフレットに記載されるなどのポリマーコーティングであり得る。
【0260】
好適な塩の具体的な例は、NaCl(CH20℃=76%)、Na2CO3(CH20℃=92%)、NaNO3(CH20℃=73%)、Na2HPO4(CH20℃=95%)、Na3PO4(CH25℃=92%)、NH4Cl(CH20℃=79.5%)、(NH4)2HPO4(CH20℃=93,0%)、NH4H2PO4(CH20℃=93.1%)、(NH4)2SO4(CH20℃=81.1%)、KCl(CH20℃=85%)、K2HPO4(CH20℃=92%)、KH2PO4(CH20℃=96.5%)、KNO3(CH20℃=93.5%)、Na2SO4(CH20℃=93%)、K2SO4(CH20℃=98%)、KHSO4(CH20℃=86%)、MgSO4(CH20℃=90%)、ZnSO4(CH20℃=90%)及びクエン酸ナトリウム(CH25℃=86%)である。他の例としては、NaH2PO4、(NH4)H2PO4、CuSO4、Mg(NO3)2、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、安息香酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、ソルビン酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸カリウム、安息香酸カリウム、炭酸カリウム、塩化カリウム、クエン酸カリウム、ソルビン酸カリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、酢酸亜鉛、安息香酸亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛及びソルビン酸亜鉛が挙げられる。
【0261】
塩は、無水形態であり得、又は水和塩、すなわち国際公開第99/32595号パンフレットに記載されているものなど、結晶化の結合水を含む結晶塩水和物であり得る。具体例としては、無水硫酸ナトリウム(Na2SO4)、無水硫酸マグネシウム(MgSO4)、硫酸マグネシウム七水和物(MgSO4.7H2O)、硫酸亜鉛七水和物(ZnSO4.7H2O)、リン酸ナトリウム二塩基性七水和物(Na2HPO4.7H2O)、硝酸マグネシウム六水和物(Mg(NO3)2(6H2O))、クエン酸ナトリウム二水和物及び酢酸マグネシウム四水和物が挙げられる。
【0262】
好ましくは、塩は、例えば、流動層を用いて塩の溶液として塗布される。
【0263】
ワックスコーティングは、少なくとも60重量%、例えば少なくとも65重量%、少なくとも70重量%、少なくとも75重量%、少なくとも80重量%、少なくとも85重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%又は少なくとも99重量%のワックスを含み得る。
【0264】
ワックスの具体例は、ポリエチレングリコール類;ポリプロピレン類;カルナウバ蝋;カンデリラ蝋;蜜蝋;水素添加植物油又は獣脂、例えばポリエチレングリコール(PEG)、メチルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)、ポリビニルアルコール(PVA)、水素添加牛脂、水素添加パーム油、水素添加綿実及び/又は水素添加ダイズ油;脂肪酸アルコール類;モノグリセリド類及び/又はジグリセリド類、例えばステアリン酸グリセリル(ここでステアリン酸塩はステアリン酸とパルミチン酸との混合物である);微結晶性ワックス;パラフィン;及び脂肪酸、例えば水素添加直鎖長鎖脂肪酸及びその誘導体である。好ましいワックスは、パーム油又は水素添加パーム油である。
【0265】
顆粒は、本発明のプロテアーゼを含むコアと、1つ以上の塩コーティングと、1つ以上のワックスコーティングとを含み得る。複数のコーティングを伴う酵素顆粒の例は、国際公開第93/07263号パンフレット、国際公開第97/23606号パンフレット及び国際公開第2016/149636号パンフレットに示されている。
【0266】
非粉塵性顆粒は、例えば、米国特許第4,106,991号明細書及び同第4,661,452号明細書に開示されるとおり作製され得、任意選択的に当技術分野において知られる方法によってコーティングされ得る。コーティング材料は、蝋様コーティング材料及び薄膜形成コーティング材料であり得る。ワックスコーティング材料の例は、平均モル重量が1000~20000のポリ(エチレンオキシド)製品(ポリエチレングリコール、PEG);16~50のエチレンオキシド単位を有するエトキシル化ノニルフェノール;アルコールが12~20個の炭素原子を含有し、且つ15~80のエチレンオキシド単位が存在するエトキシル化脂肪アルコール;脂肪アルコール;脂肪酸;並びに脂肪酸のモノ-及びジ-及びトリグリセリドである。流動層技術による用途に好適な薄膜形成コーティング材料の例は、英国特許第1483591号明細書に記載されている。
【0267】
顆粒は、1つ以上の酵素をさらに含み得る。その際、各酵素がより多くの顆粒に存在して、より均一な酵素分布を確保することになり、また粒径が異なることに起因する各種酵素の物理的な分離も減少する。多酵素の共顆粒を作製する方法は、ip.com開示IPCOM000200739Dに開示されている。
【0268】
共顆粒の使用による酵素製剤の別の例は、国際公開第2013/188331号パンフレットに開示されている。
【0269】
本発明は、欧州特許第238,216号明細書に開示される方法に従って作製される保護酵素にも関する。
【0270】
したがって、さらなる態様において、本発明は、
(a)本発明によるプロテアーゼを含むコア、及び
(b)コアを取り囲む1つ以上の層からなるコーティング
を含む顆粒を提供する。
【0271】
一実施形態において、コーティングは、本明細書に記載されるとおりの塩コーティングを含む。一実施形態において、コーティングは、本明細書に記載されるとおりのワックスコーティングを含む。一実施形態において、コーティングは、本明細書に記載されるとおりの塩コーティングに続くワックスコーティングを含む。
【0272】
動物用飼料
本発明は、本発明の1つ以上のプロテアーゼを含む動物用飼料にも関する。一実施形態において、本発明は、態様1、2又は3の動物用飼料添加物と、植物ベースの材料とを含む動物用飼料に関する。一実施形態において、本発明は、態様4の顆粒と、植物ベースの材料とを含む動物用飼料に関する。一実施形態において、本発明は、態様5の液体製剤と、植物ベースの材料とを含む動物用飼料に関する。
【0273】
本発明は、ペレット化された動物用飼料にさらに関する。ペレット化された動物用飼料は、先の段落に記載される動物用飼料をペレット化することによって調製され得る。したがって、一実施形態において、本発明は、態様1、2又は3の動物用飼料添加物と、植物ベースの材料とを含むペレット化された動物用飼料に関する。一実施形態において、本発明は、態様4の顆粒と、植物ベースの材料とを含むペレット化された動物用飼料に関する。一実施形態において、本発明は、態様5の液体製剤と、植物ベースの材料とを含むペレット化された動物用飼料に関する。
【0274】
一実施形態において、植物ベースの材料は、豆類、穀物、エンバク、ライムギ、オオムギ、コムギ、トウモロコシ、コーン、モロコシ、スイッチグラス、キビ、トウジンビエ、アワ、ダイズ、野生ダイズ、インゲンマメ、ルピナス、テパリービーン、ベニバナインゲン、スリムジムビーン(slimjim bean)、ライマメ、サヤインゲン、ソラマメ(Broad bean)(ソラマメ(fava bean))、ヒヨコマメ、レンズマメ、ピーナッツ、スパニッシュピーナッツ、キャノーラ、ナタネ(セイヨウアブラナ)、イネ、テンサイ、キャベツ、サトウダイコン、ホウレンソウ、キノア又はエンドウマメをその加工形態(例えば、ダイズミール、ナタネミール)又はそれらの任意の組合せで含む。好ましい実施形態において、植物ベースの材料は、ダイズミールである。
【0275】
動物用飼料組成物又は食餌は、比較的高い含量のタンパク質を有する。家禽及びブタの食餌は、国際公開第01/58275号パンフレットの表Bの列2~3に示されるとおり特徴付けることができる。魚の食餌は、この表Bの列4に示されるとおり特徴付けることができる。さらに、このような魚の食餌は、通常、200~310g/kgの粗脂肪含量を有する。
【0276】
本発明による動物用飼料組成物は、50~800g/kgの粗タンパク質含量を有し、且つ少なくとも1つの本明細書で特許請求されるとおりのプロテアーゼをさらに含む。
【0277】
さらに又は(上記に示される粗タンパク質含量の)代替として、本発明の動物用飼料組成物は、10~30MJ/kgの代謝可能エネルギー含量;及び/又は0.1~200g/kgのカルシウム含量;及び/又は0.1~200g/kgの利用可能なリン含量;及び/又は0.1~100g/kgのメチオニン含量;及び/又は0.1~150g/kgのメチオニン+システイン含量;及び/又は0.5~50g/のリジン含量を有する。
【0278】
特定の実施形態において、代謝可能エネルギー、粗タンパク質、カルシウム、リン、メチオニン、メチオニン+システイン及び/又はリジンの含量は、国際公開第01/58275号パンフレットの表Bにある範囲2、3、4又は5(R.2~5)のいずれか1つの範囲内である。
【0279】
粗タンパク質は、窒素(N)に係数6.25を乗じることにより計算され、すなわち粗タンパク質(g/kg)=N(g/kg)×6.25である。窒素含量は、ケルダール法(A.O.A.C.,1984、Official Methods of Analysis 14th ed.,Association of Official Analytical Chemists,Washington DC)によって決定される。
【0280】
代謝可能エネルギーは、NRC刊行物Nutrient requirements in swine,ninth revised edition 1988,subcommittee on swine nutrition,committee on animal nutrition, board of agriculture,national research council.National Academy Press,Washington,D.C.,pp.2-6及びEuropean Table of Energy Values for Poultry Feed-stuffs,Spelderholt centre for poultry research and extension,7361 DA Beekbergen,The Netherlands.Grafisch bedrijf Ponsen&looijen bv,Wageningen.ISBN 90-71463-12-5に基づいて計算することができる。
【0281】
完全動物食餌中のカルシウム、利用可能リン及びアミノ酸の食餌含量は、Veevoedertabel 1997,gegevens over chemische samenstelling,verteerbaarheid en voederwaarde van voedermiddelen,Central Veevoederbureau,Runderweg 6,8219 pk Lelystad.ISBN 90-72839-13-7などの飼料表に基づいて計算される。
【0282】
特定の実施形態において、本発明の動物用飼料組成物は、上で定義されるとおりの少なくとも1つの植物性タンパク質を含有する。
【0283】
本発明の動物用飼料組成物は、肉骨粉、羽毛粉及び/又は魚粉などの動物性タンパク質を通常0~25%の量で含有することもできる。本発明の動物用飼料組成物は、可溶成分を含む乾燥蒸留穀物(DDGS)を通常0~30%の量で含むこともできる。
【0284】
またさらなる特定の実施形態において、本発明の動物用飼料組成物は、0~80%トウモロコシ;及び/又は0~80%モロコシ;及び/又は0~70%コムギ;及び/又は0~70%オオムギ;及び/又は0~30%カラスムギ;及び/又は0~40%ダイズミール;及び/又は0~25%魚粉;及び/又は0~25%肉骨粉;及び/又は0~20%乳清を含有する。
【0285】
動物用飼料は、植物性タンパク質を含み得る。特定の実施形態において、植物性タンパク質のタンパク質含量は、少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80又は90%(w/w)である。植物性タンパク質は、マメ科植物及び穀類、例えばマメ科(Fabaceae)(マメ科(Leguminosae))、アブラナ科(Cruciferaceae)、アカザ科(Chenopodiaceae)及びイネ科(Poaceae)の植物からの材料、例えばダイズミール、ルピナスミール、ナタネミール及びこれらの組合せなどの植物性タンパク質供給源に由来し得る。
【0286】
実施形態において、植物性タンパク質供給源は、マメ科(Fabaceae)の1つ以上の植物からの材料、例えばダイズ、ルピナス、エンドウマメ又はマメである。別の実施形態において、植物性タンパク質供給源は、アカザ科(Chenopodiaceae)の1つ以上の植物からの材料、例えばテンサイ、サトウダイコン、ホウレンソウ又はキノアである。植物性タンパク質供給源の他の例は、ナタネ及びキャベツである。別の実施形態において、ダイズは、好ましい植物性タンパク質供給源である。植物性タンパク質供給源の他の例は、オオムギ、コムギ、ライムギ、エンバク、トウモロコシ(コーン)、イネ及びモロコシなどの穀類である。
【0287】
動物の食餌は、例えばマッシュ飼料(非ペレット状)又はペレット状飼料として製造することができる。通常、粉砕飼料原料が混合され、目的の種に関する規格に従って十分な量の必須ビタミン及びミネラルが加えられる。酵素は、固体又は液体酵素製剤として加えることができる。例えば、マッシュ飼料について、固体又は液体酵素製剤は、原料混合工程前又はその間に加えられ得る。ペレット状飼料について、(液体又は固体)プロテアーゼ/酵素調製物も飼料原料工程前又はその間に加えられ得る。通常、液体プロテアーゼ/酵素調製物は、本発明のプロテアーゼを任意選択的にグリセロール、エチレングリコール又はプロピレングリコールなどのポリオールと共に含み、液体製剤をペレットに噴霧することによるなど、ペレット化工程後に加えられる。酵素も飼料添加物又はプレミックスに取り込まれ得る。
【0288】
代わりに、プロテアーゼは、粉末ダイズミールなどの増量剤との液体酵素溶液の混合物を冷凍し、続いてその混合物を凍結乾燥することにより調製され得る。
【0289】
食餌中の最終的な酵素濃度は、食餌1kgあたり0.01~200mgの酵素タンパク質、好ましくは0.05~100mg/kg食餌、より好ましくは0.1~50mg、さらにより好ましくは動物の食餌1kgあたり0.2~20mgの酵素タンパク質の範囲内である。
【0290】
現在、酵素は、以下の量(投与量範囲):0.01~200;0.05~100;0.1~50;0.2~20;0.1~1;0.2~2;0.5~5;又は1~10(- これらの範囲は、全て飼料1kgあたりのプロテアーゼタンパク質のmg(ppm)である)の1つ以上で投与されることが企図される。
【0291】
飼料1kgあたりのプロテアーゼタンパク質のmgを決定するために、プロテアーゼが飼料組成物から精製され、適切なアッセイを用いて精製プロテアーゼの比活性が決定される(プロテアーゼ活性の項を参照されたい)。したがって、飼料組成物のプロテアーゼ活性も同じアッセイを用いて決定され、これらの2つの決定に基づいて、飼料1kgあたりのプロテアーゼタンパク質のmgにおける投与量が計算される。
【0292】
特定の実施形態において、本発明の動物用飼料添加物は、動物の食餌又は飼料中に0.01~10.0%;より詳細には0.05~5.0%;又は0.2~1.0%(%は100gの飼料あたりの添加物のgを意味する)のレベルで含まれることが意図される(又は含まれる必要があると規定される)。したがって、これは、特にプレミックス用である。
【0293】
同じ原則が飼料添加物中のプロテアーゼタンパク質のmgの決定に適用される。当然のことながら、飼料添加物又は飼料を調製するために使用されるプロテアーゼの試料が利用可能である場合、比活性は、この試料から決定される(飼料組成物又は添加物からプロテアーゼを精製する必要はない)。
【0294】
追加の酵素
別の実施形態において、本明細書に記載される組成物は、任意選択的に、1つ以上の酵素を含む。酵素は、NC-IUBMB,1992)からのハンドブックEnzyme Nomenclatureに基づいて分類することができ、インターネット://www.expasy.ch/enzyme/のENZYMEサイトも参照されたい。ENZYMEは、酵素の命名法に関する情報のリポジトリである。これは、主として国際生化学分子生物学連合(IUB-MB)の命名法委員会、Academic Press,Inc.,1992の勧告に基づき、EC(酵素委員会)番号が付与された特徴付けられている各種酵素について記載している(Bairoch,2000,The ENZYME database,Nucleic Acids Res.28:304-305)。このIUB-MB酵素命名法は、その基質特異性に基づき、且つ場合によりその分子機構に基づき;このような分類は、これらの酵素の構造的特徴を反映しない。
【0295】
エンドグルカナーゼ、ガラクタナーゼ、マンナナーゼ、デキストラナーゼ、リゾチーム及びガラクトシダーゼなどのある種のグリコシドヒドロラーゼ酵素の別の分類は、Henrissat et al.,“The carbohydrate-active enzymes database(CAZy) in 2013”,Nucl.Acids Res.(1 January 2014)42(D1):D490-D495に記載されている;www.cazy.orgも参照されたい。
【0296】
したがって、本発明の組成物は、アセチルキシランエステラーゼ(EC3.1.1.23)、アシルグリセロールリパーゼ(EC3.1.1.72)、α-アミラーゼ(EC3.2.1.1)、β-アミラーゼ(EC3.2.1.2)、アラビノフラノシダーゼ(EC3.2.1.55)、セロビオヒドロラーゼ(EC3.2.1.91)、セルラーゼ(EC3.2.1.4)、フェルロイルエステラーゼ(EC3.1.1.73)、ガラクタナーゼ(EC3.2.1.89)、α-ガラクトシダーゼ(EC3.2.1.22)、β-ガラクトシダーゼ(EC3.2.1.23)、β-グルカナーゼ(EC3.2.1.6)、β-グルコシダーゼ(EC3.2.1.21)、トリアシルグリセロールリパーゼ(EC3.1.1.3)、リゾホスホリパーゼ(EC3.1.1.5)、リゾチーム(EC3.2.1.17)、α-マンノシダーゼ(EC3.2.1.24)、β-マンノシダーゼ(マンナナーゼ)(EC3.2.1.25)、フィターゼ(EC3.1.3.8、EC3.1.3.26、EC3.1.3.72)、ホスホリパーゼA1(EC3.1.1.32)、ホスホリパーゼA2(EC3.1.1.4)、ホスホリパーゼD(EC3.1.4.4)、プロテアーゼ(EC3.4)、プルラナーゼ(EC3.2.1.41)、ペクチンエステラーゼ(EC3.1.1.11)、キシラナーゼ(EC3.2.1.8、EC3.2.1.136)、β-キシロシダーゼ(EC3.2.1.37)又はそれらの任意の組合せからなる群から選択される少なくとも1つの他の酵素も含み得る。
【0297】
一実施形態において、本発明の組成物は、ガラクタナーゼ(EC3.2.1.89)及びβ-ガラクトシダーゼ(EC3.2.1.23)を含む。
【0298】
一実施形態において、本発明の組成物は、フィターゼ(EC3.1.3.8又は3.1.3.26)を含む。市販のフィターゼの例として、Bio-Feed(商標)Phytase(Novozymes)、Ronozyme(登録商標)P、Ronozyme(登録商標)NP及びRonozyme(登録商標)HiPhos(DSM Nutritional Products)、Natuphos(商標)(BASF)、Natuphos(商標)E(BASF)、Finase(登録商標)及びQuantum(登録商標)Blue(AB Enzymes)、OptiPhos(登録商標)(Huvepharma)、AveMix(登録商標)Phytase(Aveve Biochem)、Phyzyme(登録商標)XP(Verenium/DuPont)並びにAxtra(登録商標)PHY(DuPont)が挙げられる。他の好ましいフィターゼとして、例えば国際公開第98/28408号パンフレット、国際公開第00/43503号パンフレット及び国際公開第03/066847号パンフレットに記載されるものが挙げられる。
【0299】
一実施形態において、本発明の組成物は、キシラナーゼ(EC3.2.1.8)を含む。市販のキシラナーゼの例として、Ronozyme(登録商標)WX(DSM Nutritional Products)、Econase(登録商標)XT及びBarley(AB Vista)、Xylathin(登録商標)(Verenium)、Hostazym(登録商標)X(Huvepharma)、Axtra(登録商標)XB(キシラナーゼ/β-グルカナーゼ、DuPont)及びAxtra(登録商標)XAP(キシラナーゼ/アミラーゼ/プロテアーゼ、DuPont)、AveMix(登録商標)XG 10(キシラナーゼ/グルカナーゼ)及びAveMix(登録商標)02 CS(キシラナーゼ/グルカナーゼ/ペクチナーゼ、Aveve Biochem)並びにNaturgrain(BASF)が挙げられる。
【0300】
一実施形態において、本発明の組成物は、プロテアーゼ(EC3.4)を含む。市販のプロテアーゼの例として、Ronozyme(登録商標)ProAct(DSM Nutritional Products)、Winzyme Pro Plus(登録商標)(Suntaq International Limited)及びCibenza(登録商標)DP100(Novus International)が挙げられる。
【0301】
一実施形態において、本発明の組成物は、α-アミラーゼ(EC3.2.1.1)を含む。市販のα-アミラーゼの例として、Ronozyme(登録商標)A及びRONOZYME(登録商標)RumiStar(商標)(DSM Nutritional Products)が挙げられる。
【0302】
一実施形態において、本発明の組成物は、多成分酵素製品、例えばFRA(登録商標)Octazyme(Framelco)、Ronozyme(登録商標)G2、Ronozyme(登録商標)VP及びRonozyme(登録商標)MultiGrain(DSM Nutritional Products)、Rovabio(登録商標)Excel又はRovabio(登録商標)Advance(Adisseo)、Endofeed(登録商標)DC(エンド-1,3(4)-β-グルカナーゼ及びエンド-1,4-β-キシラナーゼ、Andres Pintaluba SA)又はAmylofeed(登録商標)(エンド-1,3(4)-β-グルカナーゼ及びエンド-1,4-β-キシラナーゼ及びα-アミラーゼ、Andres Pintaluba SA)を含む。
【0303】
ユーバイオティクス
ユーバイオティクスは、胃腸管内の健常なミクロフローラのバランスをもたらすように設計される化合物である。ユーバイオティクスは、以下にさらに詳細に記載されるプロバイオティクス、プレバイオティクス、植物抽出物(精油)及び有機酸など、いくつかの異なる飼料添加物を包含する。
【0304】
プロバイオティクス
実施形態において、動物用飼料組成物は、1つ以上の追加のプロバイオティクスをさらに含む。実施形態において、動物用飼料組成物は、以下の属:ラクトバチルス属(Lactobacillus)、ラクトコッカス属(Lactococcus)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、バチルス属(Bacillus)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、カルノバクテリウム属(Carnobacterium)、プロピオニバクテリウム属(Propionibacterium)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)、クロストリジウム属(Clostridium)及びメガスフェラ属(Megasphaera)の1つ以上からの細菌又はこれらの任意の組合せをさらに含む。
【0305】
実施形態において、動物用飼料組成物は、以下の株:バチルス・サブティルス(Bacillus subtilis)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・ポリミクサ(Bacillus polymyxa)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・コアギュランス(Bacillus coagulans)、バチルス・サーキュランス(Bacillus circulans)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、エンテロコッカス属種(Enterococcus spp)及びペディオコッカス属種(Pediococcus spp)、ラクトバチルス属種(Lactobacillus spp)、ビフィドバクテリウム属種(Bifidobacterium spp)、ラクトバチルス・アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、ペディオコッカス・アシディラクティシ(Pediococsus acidilactici)、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、プロピオニバクテリウム・ソエニイ(Propionibacterium thoenii)、ラクトバチルス・ファルシミニス(Lactobacillus farciminus)、ラクトバチルス・ラムノーサス(lactobacillus rhamnosus)、クロストリジウム・ブチリカム(Clostridium butyricum)、ビフィドバクテリウム・アニマリス亜種アニマリス(Bifidobacterium animalis ssp.animalis)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・サリバリウス亜種サリバリウス(Lactobacillus salivarius ssp.salivarius)、メガスフェラ・エルスデニイ(Megasphaera elsdenii)、プロピオニバクテリウム(Propionibacteria)属種の1つ以上からの細菌をさらに含む。
【0306】
実施形態において、組成物、動物用飼料添加物又は動物用飼料は、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)の以下の株:3A-P4(PTA-6506)、15A-P4(PTA-6507)、22C-P1(PTA-6508)、2084(NRRL B-500130)、LSSA01(NRRL-B-50104)、BS27(NRRL B-501 05)、BS 18(NRRL B-50633)、BS 278(NRRL B-50634)、DSM 29870、DSM 29871、DSM 32315、NRRL B-50136、NRRL B-50605、NRRL B-50606、NRRL B-50622及びPTA-7547の1つ以上からの細菌をさらに含む。
【0307】
実施形態において、組成物、動物用飼料添加物又は動物用飼料は、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)の以下の株:NRRL B-50016、ATCC 700385、NRRL B-50885又はNRRL B-50886の1つ以上からの細菌をさらに含む。
【0308】
実施形態において、組成物、動物用飼料添加物又は動物用飼料は、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus lichenformis)の以下の株:NRRL B 50015、NRRL B-50621又はNRRL B-50623の1つ以上からの細菌をさらに含む。
【0309】
実施形態において、組成物、動物用飼料添加物又は動物用飼料は、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)の以下の株:DSM 29869、DSM 29869、NRRL B 50607、PTA-7543、PTA-7549、NRRL B-50349、NRRL B-50606、NRRL B-50013、NRRL B-50151、NRRL B-50141、NRRL B-50147又はNRRL B-50888の1つ以上からの細菌をさらに含む。
【0310】
動物用飼料組成物中の細菌株の各々の細菌数は、1×104~1×1014CFU/乾燥物質kg、好ましくは1×106~1×1012CFU/乾燥物質kg及びより好ましくは1×107~1×1011CFU/乾燥物質kgである。実施形態において、動物用飼料組成物中の細菌株の各々の細菌数は、1×108~1×1010CFU/乾燥物質kgである。
【0311】
動物用飼料組成物中の細菌株の各々の細菌数は、1×105~1×1015CFU/動物/日、好ましくは1×107~1×1013CFU/動物/日及びより好ましくは1×108~1×1012CFU/動物/日である。実施形態において、動物用飼料組成物中の細菌株の各々の細菌数は、1×109~1×1011CFU/動物/日である。一実施形態において、プロバイオティクスの量は、組成物の重量を基準として0.001%~10%である。
【0312】
別の実施形態において、1つ以上の細菌株は、安定した胞子の形態で存在する。
【0313】
市販の製品の例は、Cylactin(登録商標)(DSM Nutritional Products)、Alterion(Adisseo)、Enviva PRO(DuPont Animal Nutrition)、Syncra(登録商標)(ミックス酵素+プロバイオティクス、DuPont Animal Nutrition)、Ecobiol(登録商標)及びFecinor(登録商標)(Norel/Evonik)及びGutCare(登録商標)PY1(Evonik)である。
【0314】
プレバイオティクス
プレバイオティクスは、宿主の良好な状態に寄与する微生物(例えば、細菌及び真菌)の増殖又は活性を誘導する物質である。プレバイオティクスは、通常、胃腸管の上部を消化されずに通過し、大腸に定着する有利な細菌の増殖又は活性を、それらのための基質として作用することにより刺激する難消化性繊維化合物である。通常、プレバイオティクスは、胃腸管内のビフィズス菌及び乳酸菌の数又は活性を増加させる。
【0315】
酵母派生物(不活化全酵母又は酵母細胞壁)もプレバイオティクスと見なすことができる。それらは、マンナンオリゴ糖、酵母βグルカン又はタンパク質内容物を含むことが多く、通常、酵母、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)の細胞壁に由来する。
【0316】
一実施形態において、プレバイオティクスの量は、組成物の重量を基準として0.001%~10%である。酵母製品の例は、Yang(登録商標)及びAgrimos(Lallemand Animal Nutrition)である。
【0317】
植物抽出物
植物抽出物は、ハーブ、香辛料又は他の植物に由来する、飼料添加物として使用される天然の成長促進物質又は非抗生物質系成長促進物質の群である。植物抽出物は、精油/抽出物から調製される単一の物質、精油/抽出物、単一の植物及び植物の混合物(ハーブ生成物)又は精油/抽出物/植物の混合物(特殊化された生成物)であり得る。
【0318】
植物抽出物の例は、ローズマリー、セージ、オレガノ、タイム、チョウジ及びレモングラスである。精油の例は、チモール、オイゲノール、メタクレゾール、バニリン、サリチル酸塩、レゾルシン、グアイアコール、ギンゲロール、ラベンダー油、イオノン類、イロン、ユーカリプトール、メントール、ハッカ油、α-ピネン;リモネン、アネトール、リナロール、ジヒドロジャスモン酸メチル、カルバクロール、プロピオン酸/プロピオン酸塩、酢酸/酢酸塩、酪酸/酪酸塩、ローズマリー油、チョウジ油、ゲラニオール、テルピネオール、シトロネロール、アミル及び/又はサリチル酸ベンジル、シンナムアルデヒド、植物性ポリフェノール(タンニン)、ターメリック並びにウコン抽出物である。
【0319】
一実施形態において、植物抽出物の量は、組成物の重量を基準として0.001%~10%である。市販の製品の例は、Crina(登録商標)(DSM Nutritional Products);Cinergy(商標)、Biacid(商標)、ProHacid(商標)Classic及びProHacid(商標)Advance(商標)(全てPromivi/Cargill)及びEnvivo EO(DuPont Animal Nutrition)である。
【0320】
有機酸
有機酸(C1~C7)は、植物又は動物組織の通常の構成要素として自然界に広く分布している。それらは、主に大腸内の炭水化物の微生物発酵を通しても形成される。それらは、ニワトリの壊死性腸炎及び子ブタの大腸菌(Escherichia coli)感染のような、腸の問題に対する予防効果を有するため、ブタ及び家禽生産において抗生物質系成長促進物質の代用品として使用されることが多い。有機酸は、単成分として又は典型的には2つ若しくは3つの異なる有機酸の混合物として販売されている場合がある。有機酸の例として、短鎖脂肪酸(例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸)、中鎖脂肪酸(例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸)、ジ/トリカルボン酸(例えばフマル酸)、ヒドロキシ酸(例えば、乳酸)、芳香族酸(例えば、安息香酸)、クエン酸、ソルビン酸、リンゴ酸及び酒石酸又はそれらの塩(典型的にはナトリウム塩又はカリウム塩、例えば二ギ酸カリウム又は酪酸ナトリウム)がある。
【0321】
一実施形態において、有機酸の量は、組成物の重量を基準として0.001%~10%である。市販の製品の例は、VevoVitall(登録商標)(DSM Nutritional Products)、Amasil(登録商標)、Luprisil(登録商標)、Lupro-Grain(登録商標)、Lupro-Cid(登録商標)、Lupro-Mix(登録商標)(BASF)、n-Butyric Acid AF(OXEA)及びAdimix Precision(Nutriad)である。
【0322】
プレミックス
本明細書で上に例示されるとおりの飼料添加物の組成物の動物用飼料、例えば家禽飼料への取り込みは、実際には濃縮物又はプレミックスを使用して行われる。プレミックスは、1つ以上の微量原料と希釈剤及び/又は担体との好ましくは均一な混合物を意味する。プレミックスは、より大量の混合物中における微量原料の一様な分布を促進するために用いられる。本発明によるプレミックスは、飼料原料又は飲用水に固体として(例えば、水溶性粉末として)又は液体として加えることができる。
【0323】
アミノ酸
本発明の組成物は、1つ以上のアミノ酸をさらに含み得る。動物用飼料中に使用されるアミノ酸の例は、リジン、アラニン、β-アラニン、スレオニン、メチオニン及びトリプトファンである。一実施形態において、アミノ酸の量は、組成物の重量を基準として0.001%~10%である。
【0324】
ビタミン及びミネラル
別の実施形態において、動物用飼料は、1つ以上の脂溶性ビタミン及び/又は1つ以上の水溶性ビタミンなど、1つ以上のビタミンを含み得る。別の実施形態において、動物用飼料は、任意選択的に、1つ以上の微量ミネラル及び/又は1つ以上の大量のミネラルなど、1つ以上のミネラルを含み得る。
【0325】
通常、脂溶性及び水溶性ビタミン並びに微量ミネラルは、飼料への添加が意図されるいわゆるプレミックスの一部を形成する一方、多量ミネラルは、通常、飼料に別々に添加される。
【0326】
脂溶性ビタミンの非限定的な例としては、ビタミンA、ビタミンD3、ビタミンE及びビタミンK、例えばビタミンK3が挙げられる。
【0327】
水溶性ビタミンの非限定的な例としては、ビタミンC、ビタミンB12、ビオチン及びコリン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシン、葉酸及びパントテン酸、例えばCa-D-パントテン酸が挙げられる。
【0328】
微量ミネラルの非限定的な例としては、ホウ素、コバルト、塩化物、クロム、銅、フッ化物、ヨウ素、鉄、マンガン、モリブデン、ヨウ素、セレン及び亜鉛が挙げられる。
【0329】
多量ミネラルの非限定的な例としては、カルシウム、マグネシウム、リン、カリウム及びナトリウムが挙げられる。
【0330】
一実施形態において、ビタミンの量は、組成物の重量を基準として0.001%~10%である。一実施形態において、ミネラルの量は、組成物の重量を基準として0.001%~10%である。
【0331】
これらの成分の(家禽及び子ブタ/ブタにより例示される)栄養所要量は、国際公開第01/58275号パンフレットの表Aに挙げられている。栄養所要量とは、これらの成分が指定の濃度で食餌に供給される必要があることを意味する。
【0332】
代替として、本発明の動物用飼料添加物は、国際公開第01/58275号パンフレットの表Aに指定される個別の成分の少なくとも1つを含む。少なくとも1つとは、1つ、又は2つ、又は3つ、又は4つなど、全てで最大13又は全てで最大15の個別の成分のいずれか、1つ又は2つ以上を意味する。より具体的には、この少なくとも1つの個別の成分は、表Aの第4列、又は第5列、又は第6列に示される範囲内の飼料中濃度を提供するような量で本発明の添加物に含まれる。
【0333】
さらに別の実施形態において、本発明の動物用飼料添加物は、以下のビタミンの少なくとも1つを含み、好ましくは以下の表1に指定される範囲内の飼料中濃度を(それぞれ子ブタの食餌及びブロイラーの食餌について)提供する。
【0334】
【0335】
他の飼料原料
本発明の組成物は、着色剤、安定剤、成長向上添加物及びアロマ化合物/香味剤、多価不飽和脂肪酸(PUFA);活性酸素発生種、抗酸化剤、抗菌ペプチド、抗真菌ポリペプチド及びマイコトキシン管理化合物をさらに含み得る。
【0336】
着色剤の例は、β-カロチン、アスタキサンチン及びルテインなどのカロテノイド類である。
【0337】
アロマ化合物/香味剤の例は、クレオソール、アネトール、デカラクトン、ウンデカラクトン及び/又はドデカラクトン、イオノン類、イロン、ギンゲロール、ピペリジン、プロピリデンフタライド(propylidene phatalide)、ブチリデンフタライド(butylidene phatalide)、カプサイシン及びタンニンである。
【0338】
抗菌ペプチド(AMP)の例は、国際公開第03/044049号パンフレット及び国際公開第03/048148号パンフレットに開示される化合物及びポリペプチドを含む、CAP18、ロイコシンA(Leucocin A)、トリトルプチシン、プロテグリン-1、タナチン、デフェンシン、ラクトフェリン、ラクトフェリシン及びノビスピリン(Robert Lehrer,2000)などのオビスピリン、プレクタシン類及びスタチン類並びに抗菌活性を保持する上記の変異体又は断片である。
【0339】
抗真菌ポリペプチド(AFP)の例は、国際公開第94/01459号パンフレット及び国際公開第02/90384号パンフレットに開示されるとおりの、アスペルギルス・ギガンテウス(Aspergillus giganteus)及びアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)ペプチド並びに抗真菌活性を保持するその変異体及び断片である。
【0340】
多価不飽和脂肪酸の例は、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸及びγ-リノール酸など、C18、C20及びC22多価不飽和脂肪酸である。
【0341】
活性酸素発生種の例は、過ホウ酸塩、過硫酸塩又は過炭酸塩などの化学物質;及びオキシダーゼ、オキシゲナーゼ又はシンテターゼなどの酵素である。
【0342】
抗酸化剤を使用して、発生し得る活性酸素種の数を制限して、活性酸素種レベルを抗酸化剤と均衡させることができる。
【0343】
動物用飼料中にデオキシニバレノール、アフラトキシン、ゼアラレノン及びフモニシンなどのマイコトキシンが見出される場合があり、負の動物性能又は病気をもたらし得る。マイコトキシンの失活によるか、又はマイコトキシンの結合によるなどしてマイコトキシンレベルを管理することができる化合物を飼料に添加して、これらの負の効果を改善することができる。マイコトキシン管理化合物の例は、Vitafix(登録商標)、Vitafix Ultra(Nuscience)、Mycofix(登録商標)、Mycofix(登録商標)Secure、FUMzyme(登録商標)、Biomin(登録商標)BBSH、Biomin(登録商標)MTV(Biomin)、Mold-Nil(登録商標)、Toxy-Nil(登録商標)及びUnike(登録商標)Plus(Nutriad)である。
【0344】
動物用飼料を調製する方法
本発明は、動物用飼料を調製する方法であって、態様1、2又は3の動物用飼料添加物を少なくとも1つのタンパク質又はタンパク質源と混合することを含む方法にさらに関する。本発明は、動物用飼料を調製する方法であって、態様4の顆粒を少なくとも1つのタンパク質又はタンパク質源と混合することを含む方法にさらに関する。本発明は、動物用飼料を調製する方法であって、態様5の液体製剤を少なくとも1つのタンパク質又はタンパク質源と混合することを含む方法にさらに関する。
【0345】
一実施形態において、タンパク質又はタンパク質源は、豆類、穀物、エンバク、ライムギ、オオムギ、コムギ、トウモロコシ、コーン、モロコシ、スイッチグラス、キビ、トウジンビエ、アワ、ダイズ、野生ダイズ、インゲンマメ、ルピナス、テパリービーン、ベニバナインゲン、スリムジムビーン、ライマメ、サヤインゲン、ソラマメ(Broad bean)(ソラマメ(fava bean))、ヒヨコマメ、レンズマメ、ピーナッツ、スパニッシュピーナッツ、キャノーラ、ナタネ(セイヨウアブラナ)、イネ、テンサイ、キャベツ、サトウダイコン、ホウレンソウ、キノア又はエンドウマメをその加工形態(例えば、ダイズミール、ナタネミール)又はそれらの任意の組合せで含む。好ましい実施形態において、タンパク質又はタンパク質源は、ダイズミールである。
【0346】
本発明は、動物用飼料を調製する方法であって、態様5の液体製剤を植物ベースの材料に塗布することを含む方法にさらに関する。一実施形態において、液体製剤は、スプレーを介して塗布される。さらなる実施形態において、植物ベースの材料は、豆類、穀物、エンバク、ライムギ、オオムギ、コムギ、トウモロコシ、コーン、モロコシ、スイッチグラス、キビ、トウジンビエ、アワ、ダイズ、野生ダイズ、インゲンマメ、ルピナス、テパリービーン、ベニバナインゲン、スリムジムビーン、ライマメ、サヤインゲン、ソラマメ(Broad bean)(ソラマメ(fava bean))、ヒヨコマメ、レンズマメ、ピーナッツ、スパニッシュピーナッツ、キャノーラ、ナタネ(セイヨウアブラナ)、イネ、テンサイ、キャベツ、サトウダイコン、ホウレンソウ、キノア又はエンドウマメをその加工形態(例えば、ダイズミール、ナタネミール)又はそれらの任意の組合せで含む。好ましい実施形態において、植物ベースの材料は、ダイズミールである。
【0347】
動物性能を向上させる方法
本発明は、動物の1つ以上の性能パラメータを向上させる方法であって、1つ以上の動物に態様1、2又は3の動物用飼料添加物を投与することを含む方法にさらに関する。本発明は、動物の1つ以上の性能パラメータを向上させる方法であって、1つ以上の動物に態様4の顆粒を投与することを含む方法にさらに関する。本発明は、動物の1つ以上の性能パラメータを向上させる方法であって、1つ以上の動物に態様5の液体製剤を投与することを含む方法にさらに関する。
【0348】
一実施形態において、動物用飼料は、本明細書に記載され、且つ動物に投与される動物用飼料添加物、顆粒又は液体製剤から調製される。本発明は、動物の1つ以上の性能パラメータを向上させる方法であって、1つ以上の動物に、本発明のS8プロテアーゼを含む動物用飼料又はペレット化された動物用飼料を投与することを含む方法にさらに関する。
【0349】
一実施形態において、「動物の性能を向上させる」は、体重増加の上昇があることを意味する。別の実施形態において、「動物の性能を向上させる」は、飼料要求率の向上があることを意味する。さらなる実施形態において、「動物の性能を向上させる」は、飼料効率の上昇があることを意味する。さらなる実施形態において、「動物の性能を向上させる」は、体重増加の上昇、及び/又は飼料要求率の向上、及び/又は飼料効率の上昇があることを意味する。
【0350】
動物用飼料の栄養価を向上させる方法
用語動物用飼料の栄養価の向上は、飼料中の栄養素の可用性を向上させることを意味する。本発明において、栄養価の向上は、特に、飼料のタンパク質画分の可用性を向上させることにより、タンパク質抽出の増大、より高いタンパク質収率及び/又はタンパク質利用の向上をもたらすことを指す。飼料の栄養価が増大すると、タンパク質及び/又はアミノ酸の消化率が増大し、動物の成長率及び/又は体重増加及び/又は飼料転換(すなわち体重増加に対する、摂取される飼料の重さ)が向上し得る。
【0351】
したがって、本発明は、動物用飼料の栄養価を向上させる方法であって、態様1、2又は3の動物用飼料添加物を飼料に加えることを含む方法にさらに関する。したがって、本発明は、動物用飼料の栄養価を向上させる方法であって、態様4の顆粒を飼料に加えることを含む方法にさらに関する。したがって、本発明は、動物用飼料の栄養価を向上させる方法であって、態様5の液体製剤を飼料に加えることを含む方法にさらに関する。
【0352】
一実施形態において、飼料は、豆類、穀物、エンバク、ライムギ、オオムギ、コムギ、トウモロコシ、コーン、モロコシ、スイッチグラス、キビ、トウジンビエ、アワ、ダイズ、野生ダイズ、インゲンマメ、ルピナス、テパリービーン、ベニバナインゲン、スリムジムビーン、ライマメ、サヤインゲン、ソラマメ(Broad bean)(ソラマメ(fava bean))、ヒヨコマメ、レンズマメ、ピーナッツ、スパニッシュピーナッツ、キャノーラ、ナタネ(セイヨウアブラナ)、イネ、テンサイ、キャベツ、サトウダイコン、ホウレンソウ、キノア又はエンドウマメをその加工形態(例えば、ダイズミール、ナタネミール)又はそれらの任意の組合せで含む。好ましい実施形態において、飼料は、ダイズミールを含む。
【0353】
使用
本発明は、プロテアーゼ活性を有するポリペプチド又はその組成物を例えば動物用飼料に用いる方法にも関する。
【0354】
動物用飼料中での使用
本発明のプロテアーゼは、動物用飼料に用いられ得る。一実施形態において、本発明は、動物用飼料組成物を調製する方法であって、本発明の1つ以上のプロテアーゼを1つ以上の動物用飼料成分に加えることを含む方法を提供する。
【0355】
本発明の1つ以上のプロテアーゼは、国際公開第00/21381号パンフレット及び国際公開第2004/026334号パンフレットに従い、動物用飼料中において、飼料消化率を向上させて利用効率を増大させる飼料増強酵素としても用いられ得る。
【0356】
さらなる実施形態において、本発明のプロテアーゼは、動物用飼料中において又は飼料添加物として用いられ得、動物の消化管にプラスの作用をもたらすことで、体重増加、飼料転換比(FCR)、ヨーロッパ生産効率指数(EPEF)、ヨーロッパ生産有効性指数(EFF)に従う動物性能を向上させるか又は動物の健康を向上させ、例えば死亡率を引き下げ得る。FCRは、体重増加g/動物に対する飼料摂取g/動物として算出される。
【0357】
本発明に従う使用では、プロテアーゼを動物に食餌前、食餌後又は食餌と同時に供給することができる。後者が好ましい。
【0358】
一実施形態において、プロテアーゼの形態は、飼料に加えられる場合又は飼料添加物内に含まれる場合、明確に定義される。明確に定義されるとは、プロテアーゼ調製物が、サイズ-排除クロマトグラフィ(国際公開第01/58275号パンフレットの実施例12を参照されたい)によって判定されて少なくとも50%純粋であることを意味する。他の実施形態において、プロテアーゼ調製物は、この方法によって判定されて少なくとも60、70、80、85、88、90、92、94又は少なくとも95%純粋である。
【0359】
明確に定義されたプロテアーゼ調製物が有利である。例えば、飼料にプロテアーゼを、他のプロテアーゼへの干渉も混入も本質的にないように正確に投与することがかなり容易となる。用語用量は、特に、一貫した且つ不変の結果を得る目的及び所望の作用に基づいて投与量を最適化する能力に正確に言及する。
【0360】
しかしながら、動物用飼料に用いるのに、プロテアーゼは、純粋である必要がなく、例えば他の酵素を含み得、その場合、プロテアーゼ調製物と呼ぶ場合がある。
【0361】
プロテアーゼ調製物は、(a)飼料に直接加えることができるか、又は(b)1つ以上の中間組成物、例えば後に飼料に加えられる(又は処理プロセスに用いられる)飼料添加物又はプレミックスの生成に用いることができる。先に記載される純度の程度は、上述の(a)又は(b)に従って用いられるかにかかわらず、元のプロテアーゼ調製物の純度に言及する。
【0362】
この規模の純度のプロテアーゼ調製物は、特に、組換え生成方法を用いて入手可能であるが、プロテアーゼが従来の発酵方法によって生成される場合、それほど容易に得られず、そのうえ非常に高いバッチ間変動の影響を受ける。
【0363】
そのようなプロテアーゼ調製物は、当然のことながら、他の酵素と混合され得る。
【0364】
タンパク質は、動物用タンパク質、例えば肉骨粉、羽毛粉及び/又は魚粉であり得るか、又は植物性タンパク質であり得る。
【0365】
本明細書で用いられる用語植物性タンパク質は、修飾タンパク質及びタンパク質誘導体が挙げられる、植物に由来又は起源する少なくとも1つのタンパク質を含むあらゆる化合物、組成物、調製物又は混合物を指す。一実施形態において、植物性タンパク質のタンパク質含有量は、少なくとも10、20、30、40、50又は60%(w/w)である。
【0366】
植物性タンパク質は、植物性タンパク質源、例えば豆類及び穀物に由来し得、例えばマメ科(Fabaceae(Leguminosae))、アブラナ科(Cruciferaceae)、アカザ科(Chenopodiaceae)及びイネ科(Poaceae)の植物由来の材料、例えばダイズミール、ルピナスミール、ナタネミールがある。
【0367】
一実施形態において、植物性タンパク質源は、マメ科の1つ以上の植物、例えばダイズ、ルピナス、エンドウ又はインゲンマメ由来の材料である。
【0368】
別の実施形態において、植物性タンパク質源は、アカザ科(Chenopodiaceae)の1つ以上の植物、例えばテンサイ、サトウダイコン、ホウレンソウ又はキノア由来の材料である。
【0369】
植物性タンパク質供給源の他の例として、ナタネ、ヒマワリの種、綿実及びキャベツがある。
【0370】
ダイズは、好ましい植物性タンパク質源である。
【0371】
植物性タンパク質源の他の例として、穀物、例えばオオムギ、コムギ、ライムギ、エンバク、トウモロコシ(コーン)、イネ、ライコムギ及びモロコシがある。
【0372】
処理プロセスの実施形態において、対象のプロテアーゼは、タンパク質、例えば植物性タンパク質又はタンパク質源に影響を与える(又は作用するか又は加水分解作用若しくは分解作用を及ぼす)。これを達成するために、タンパク質又はタンパク質源は、典型的に、溶媒、例えば水性溶媒、例えば水中に懸濁され、pH及び温度の値は、対象の酵素の特性を十分に考慮して調整される。例えば、処理は、実際のプロテアーゼの活性が少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は少なくとも90%であるpH値において行われ得る。同様に、例えば、処理は、実際のプロテアーゼの活性が少なくとも5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又は少なくとも90%である温度において行われ得る。上述のパーセンテージ活性指標は、最大活性に対するものである。酵素反応は、所望の結果が達成されるまで続けられ、その後、酵素を不活化することにより、例えば熱処理ステップにより止められても止められなくてもよい。
【0373】
本発明の処理プロセスの別の実施形態において、プロテアーゼ作用は、持続する。これは、例えば、プロテアーゼがタンパク質に加えられるが、その加水分解作用がいわば必要に応じてより後までスイッチオンされず、それが、適切な加水分解条件が確立されると、又はあらゆる酵素阻害物質が不活化されるか、若しくは何であれ他の手段が用いられて酵素の作用を延期することができると、スイッチされることを意味する。
【0374】
一実施形態において、処理は、動物用飼料又は動物用飼料に用いられるタンパク質の前処理である。すなわち、タンパク質は、摂取前に加水分解される。
【0375】
用語動物用飼料の栄養価の向上は、飼料中の栄養素の可用性を向上させることを意味する。本発明において、栄養価の向上は、特に、飼料のタンパク質画分の可用性を向上させることにより、タンパク質抽出の増大、より高いタンパク質収率及び/又はタンパク質利用の向上をもたらすことを指す。飼料の栄養価が増大すると、タンパク質及び/又はアミノ酸の消化率が増大し、動物の成長率及び/又は体重増加及び/又は飼料転換(すなわち体重増加に対する、摂取される飼料の重さ)が向上し得る。
【0376】
プロテアーゼは、あらゆる形態で飼料に加えることができ、比較的純粋なプロテアーゼとして又は動物用飼料への添加が意図される他の構成要素との混合物で、すなわち動物用飼料添加物、例えば動物用飼料のためのいわゆるプレミックスの形態で加えることができる。
【0377】
本発明の適切な実施形態
本発明の好ましい実施形態は、以下の項目のセットに記載される。
【0378】
1.1つ以上のビタミン及びプロテアーゼ活性を有する1つ以上のポリペプチドを含む動物用飼料添加物であって、ポリペプチドは、
(a)配列番号1と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(b)配列番号2と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(c)配列番号3と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(d)配列番号4と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(e)配列番号5と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(f)配列番号6と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(g)配列番号7と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(h)配列番号8と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(i)配列番号9と少なくとも75%、例えば少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%の配列同一性を有するポリペプチドと;
(j)配列番号1の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む変異体と;
(k)配列番号2の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む変異体と;
(l)配列番号3の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む変異体と;
(m)配列番号5の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む変異体と;
(n)配列番号6の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む変異体と;
(o)配列番号7の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む変異体と;
(p)配列番号8の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む変異体と;
(q)配列番号9の変異体であって、プロテアーゼ活性を有し、且つ1つ以上の置換、及び/若しくは1つ以上の欠失、及び/若しくは1つ以上の挿入又はそれらの任意の組合せを1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50位置に含む変異体と;
(r)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)又は(i)のポリペプチド並びにN末端及び/又はC末端のHis-タグ及び/又はHQ-タグを含むポリペプチドと;
(s)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)又は(i)のポリペプチド並びに最大10個のアミノ酸、例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のアミノ酸のN末端及び/又はC末端伸長を含むポリペプチドと;
(t)プロテアーゼ活性を有し、且つ成熟ポリペプチドの長さの少なくとも90%を有する、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)又は(i)のポリペプチドの断片と
からなる群から選択されるS8プロテアーゼである、動物用飼料添加物。
【0379】
2.S8プロテアーゼは、分類上の目バチラス(Bacillales)目、好ましくは分類上の科バチラス(Bacillaceae)科又はより好ましくは分類上の属バチルス(Bacillus)属から得られるか又は入手可能である、項目1の動物用飼料添加物。
【0380】
3.S8プロテアーゼは、モチーフTGXK[V/T][I/V]X[N/S]MSLG(配列番号4)を含む、項目1~2のいずれかの動物用飼料添加物。
【0381】
4.界面活性剤を含まない、項目1~3のいずれかの動物用飼料添加物。
【0382】
5.S8プロテアーゼは、配列番号1のポリペプチドのプロテアーゼ活性の少なくとも40%、例えば少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%又は少なくとも100%を有する、項目1~4のいずれかの動物用飼料添加物。
【0383】
6.S8プロテアーゼは、陰性対照と比較して回腸窒素消化率を少なくとも1%、例えば少なくとも1.5%、少なくとも2.0%、少なくとも2.5%、少なくとも3.0%、少なくとも3.5%又は少なくとも4.0%向上させる、項目1~4のいずれかの動物用飼料添加物。
【0384】
7.ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸1~314、配列番号2のアミノ酸1~311又は配列番号3のアミノ酸1~311を含むか又はそれからなる、項目1~6のいずれかの動物用飼料添加物。
【0385】
8.1つ以上のビタミンと;
1つ以上のミネラルと;
1つ以上のアミノ酸と;
1つ以上のプレバイオティクスと;
1つ以上のファイトジェニクスと;
1つ以上の有機酸と;
1つ以上の他の飼料成分と
からなるリストから選択される1つ以上の構成要素をさらに含む、項目1~7のいずれかの動物用飼料添加物。
【0386】
9.1つ以上の配合剤をさらに含む、項目1~8のいずれかの動物用飼料添加物。
【0387】
10.1つ以上の配合剤は、グリセロール、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール又は1,3-プロピレングリコール、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、チオ硫酸ナトリウム、炭酸カルシウム、クエン酸ナトリウム、デキストリン、グルコース、スクロース、ソルビトール、ラクトース、デンプン及びセルロース又はこれらの任意の組合せからなる群から選択される、項目9に記載の動物用飼料添加物。
【0388】
11.1つ以上の追加の酵素をさらに含む、項目1~10のいずれかに記載の動物用飼料添加物。
【0389】
12.1つ以上の追加の酵素は、アセチルキシランエステラーゼ、アシルグリセロールリパーゼ、アミラーゼ、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、アラビノフラノシダーゼ、セロビオヒドロラーゼ、セルラーゼ、フェルロイルエステラーゼ、ガラクタナーゼ、α-ガラクトシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、β-グルカナーゼ、β-グルコシダーゼ、リゾホスホリパーゼ、リゾチーム、α-マンノシダーゼ、β-マンノシダーゼ(マンナナーゼ)、フィターゼ、ホスホリパーゼA1、ホスホリパーゼA2、ホスホリパーゼD、プロテアーゼ、プルラナーゼ、ペクチンエステラーゼ、トリアシルグリセロールリパーゼ、キシラナーゼ、β-キシロシダーゼ又はそれらの任意の組合せからなる群から選択される、項目11の動物用飼料添加物。
【0390】
13.1つ以上の微生物をさらに含む、項目1~12のいずれかに記載の動物用飼料添加物。
【0391】
14.1つ以上の微生物は、バチルス・サブティリス(Bacillus subtilis)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)、バチルス・ポリミクサ(Bacillus polymyxa)、バチルス・メガテリウム(Bacillus megaterium)、バチルス・コアグランス(Bacillus coagulans)、バチルス・サークランス(Bacillus circulans)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)、ビフィドバクテリウム・アニマリス(Bifidobacterium animalis)、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属種、カルノバクテリウム(Carnobacterium)属種、クロストリジウム・ブチリカム(Clostridium butyricum)、クロストリジウム(Clostridium)属種、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、エンテロコッカス(Enterococcus)属種、ラクトバチルス(Lactobacillus)属種、ラクトバチルス・アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・ファルシミナス(Lactobacillus farciminus)、ラクトバチルス・ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)、ラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)、ラクトバチルス・サリバリウス(Lactobacillus salivarius)、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、ラクトコッカス(Lactococcus)属種、ロイコノストック(Leuconostoc)属種、メガスファエラ・エルスデニイ(Megasphaera elsdenii)、メガスファエラ(Megasphaera)属種、ペディオコッカス・アシディラクティシ(Pediococsus acidilactici)、ペディオコッカス(Pediococcus)属種、プロピオニバクテリウム・ソエニイ(Propionibacterium thoenii)、プロピオニバクテリウム(Propionibacterium)属種及びストレプトコッカス(Streptococcus)属種又はこれらの任意の組合せからなる群から選択される、項目13に記載の動物用飼料添加物。
【0392】
15.S8プロテアーゼは、顆粒として製剤化されている、項目1~14のいずれかの動物用飼料添加物。
【0393】
16.顆粒は、コア粒子及び1つ以上のコーティングを含む、項目15の動物用飼料添加物。
【0394】
17.コーティングは、塩、及び/又はワックス、及び/又は小麦粉を含む、項目16の動物用飼料添加物。
【0395】
18.液体製剤の形態である、項目1~14のいずれかの動物用飼料添加物。
【0396】
19.S8プロテアーゼは、液体製剤の0.001%~25%w/w、好ましくは0.01%~25%w/w、より好ましくは0.05%~20%w/w、より好ましくは0.2%~15%w/w、さらにより好ましくは0.5%~15%w/w又は最も好ましくは1.0%~10%w/wのポリペプチドで投与される、項目18の動物用飼料添加物。
【0397】
20.製剤は、20%~80%w/wのポリオールをさらに含む、項目18又は19の動物用飼料添加物。
【0398】
21.ポリオールは、グリセロール、ソルビトール、プロピレングリコール(MPG)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール若しくは1,3-プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、平均分子量が約600未満のポリエチレングリコール(PEG)及び平均分子量が約600未満のポリプロピレングリコール(PPG)又はそれらの任意の組合せからなる群から選択される、項目20の動物用飼料添加物。
【0399】
22.製剤は、0.01%~2.0%w/wの保存剤をさらに含む、項目18~21のいずれかの動物用飼料添加物。
【0400】
23.保存剤は、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム及び安息香酸カリウム又はそれらの任意の組合せからなる群から選択される、項目22の動物用飼料添加物。
【0401】
24.項目1~14のいずれかの動物用飼料添加物を含む顆粒。
【0402】
25.コア粒子及び1つ以上のコーティングを含む、項目24の顆粒。
【0403】
26.コーティングは、塩、及び/又はワックス、及び/又は小麦粉を含む、項目25の顆粒。
【0404】
27.項目1~14のいずれかの動物用飼料添加物を含む液体製剤。
【0405】
28.S8プロテアーゼは、液体製剤の0.001%~25%w/w、好ましくは0.01%~25%w/w、より好ましくは0.05%~20%w/w、より好ましくは0.2%~15%w/w、さらにより好ましくは0.5%~15%w/w又は最も好ましくは1.0%~10%w/wのポリペプチドで投与される、項目27の液体製剤。
【0406】
29.20%~80%w/wのポリオールをさらに含む、項目27又は28に記載の液体製剤。
【0407】
30.ポリオールは、グリセロール、ソルビトール、プロピレングリコール(MPG)、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール又は1,3-プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、約600未満の平均分子量を有するポリエチレングリコール(PEG)及び約600未満の平均分子量を有するポリプロピレングリコール(PPG)又はこれらの任意の組合せからなる群から選択される、項目29に記載の液体製剤。
【0408】
31.0.01%~2.0%w/wの保存剤をさらに含む、項目27~30のいずれかに記載の液体製剤。
【0409】
32.保存剤は、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム及び安息香酸カリウム又はこれらの任意の組合せからなる群から選択される、項目31に記載の液体製剤。
【0410】
33.動物用飼料を作製する方法であって、項目27~32のいずれかに記載の液体製剤を植物系材料上に塗布することを含む方法。
【0411】
34.液体製剤は、スプレーによって塗布される、項目33に記載の方法。
【0412】
35.植物系材料は、マメ科植物、穀類、カラスムギ、ライムギ、オオムギ、コムギ、トウモロコシ、コーン、モロコシ、スイッチグラス、キビ、トウジンビエ、アワ、ダイズ、野生ダイズ、マメ、ルピナス、テパリービーン、ベニバナインゲン、スリムジムビーン(slimjim bean)、ライマメ、サヤインゲン、ソラマメ(Broad bean)(ソラマメ(fava bean))、ヒヨコマメ、レンズマメ、ピーナッツ、スパニッシュピーナッツ、キャノーラ、ナタネ(セイヨウアブラナ)、イネ、テンサイ、キャベツ、サトウダイコン、ホウレンソウ、キノア又はエンドウマメ、これらの加工形態(ダイズミール、ナタネミールなど)又はこれらの任意の組合せを含む、項目33又は34に記載の方法。
【0413】
36.植物系材料は、ペレット化された形態である、項目33~35のいずれかに記載の方法。
【0414】
37.項目1~23のいずれかの動物用飼料添加物、項目24~26のいずれかの顆粒又は項目27~32のいずれかの液体製剤と、植物ベースの材料とを含む動物用飼料。
【0415】
38.植物ベースの材料は、豆類、穀物、エンバク、ライムギ、オオムギ、コムギ、トウモロコシ、コーン、モロコシ、スイッチグラス、キビ、トウジンビエ、アワ、ダイズ、野生ダイズ、インゲンマメ、ルピナス、テパリービーン、ベニバナインゲン、スリムジムビーン、ライマメ、サヤインゲン、ソラマメ(Broad bean)(ソラマメ(fava bean))、ヒヨコマメ、レンズマメ、ピーナッツ、スパニッシュピーナッツ、キャノーラ、ナタネ(セイヨウアブラナ)、イネ、テンサイ、キャベツ、サトウダイコン、ホウレンソウ、キノア又はエンドウマメをその加工形態(例えば、ダイズミール、ナタネミール)又はそれらの任意の組合せで含む、項目37の動物用飼料。
【0416】
39.項目33~36のいずれかの方法を用いて又は項目37若しくは38の動物用飼料をペレット化することによって調製されたペレット化された動物用飼料。
【0417】
40.動物の1つ以上の性能パラメータを向上させる方法であって、1つ以上の動物に項目1~23のいずれかの動物用飼料添加物、項目24~26のいずれかの顆粒、項目27~32のいずれかの液体製剤、項目37若しくは38の動物用飼料又は項目39のペレット化された動物用飼料を投与することを含む方法。
【0418】
41.動物の性能を向上させることは、体重増加の向上、ヨーロッパ生産効率指数(EPEF)の向上及び/又はFCRの向上を意味する、項目40の方法。
【0419】
42.動物用飼料を調製する方法であって、項目1~23のいずれかの動物用飼料添加物、項目24~26のいずれかの顆粒又は項目27~32のいずれかの液体製剤を少なくとも1つのタンパク質又はタンパク質源と混合することを含む方法。
【0420】
43.タンパク質を処理する方法であって、項目1~23のいずれかの動物用飼料添加物、項目24~26のいずれかの顆粒又は項目27~32のいずれかの液体製剤を少なくとも1つのタンパク質又はタンパク質源に加えるステップを含む方法。
【0421】
44.タンパク質の消化率及び/又は可溶性を増大させる方法であって、項目1~23のいずれかの動物用飼料添加物、項目24~26のいずれかの顆粒又は項目27~32のいずれかの液体製剤を少なくとも1つのタンパク質又はタンパク質源と混合することを含む方法。
【0422】
45.タンパク質又はタンパク質源は、豆類、穀物、エンバク、ライムギ、オオムギ、コムギ、トウモロコシ、コーン、モロコシ、スイッチグラス、キビ、トウジンビエ、アワ、ダイズ、野生ダイズ、インゲンマメ、ルピナス、テパリービーン、ベニバナインゲン、スリムジムビーン、ライマメ、サヤインゲン、ソラマメ(Broad bean)(ソラマメ(fava bean))、ヒヨコマメ、レンズマメ、ピーナッツ、スパニッシュピーナッツ、キャノーラ、ナタネ(セイヨウアブラナ)、イネ、テンサイ、キャベツ、サトウダイコン、ホウレンソウ、キノア又はエンドウマメをその加工形態(例えば、ダイズミール、ナタネミール)又はそれらの任意の組合せで含む、項目40~44のいずれかの方法。
【0423】
46.動物用飼料の栄養価を向上させる方法であって、項目1~23のいずれかの動物用飼料添加物、項目24~26のいずれかの顆粒又は項目27~32のいずれかの液体製剤を飼料に加えること含む方法。
【0424】
47.動物用飼料は、豆類、穀物、エンバク、ライムギ、オオムギ、コムギ、トウモロコシ、コーン、モロコシ、スイッチグラス、キビ、トウジンビエ、アワ、ダイズ、野生ダイズ、インゲンマメ、ルピナス、テパリービーン、ベニバナインゲン、スリムジムビーン、ライマメ、サヤインゲン、ソラマメ(Broad bean)(ソラマメ(fava bean))、ヒヨコマメ、レンズマメ、ピーナッツ、スパニッシュピーナッツ、キャノーラ、ナタネ(セイヨウアブラナ)、イネ、テンサイ、キャベツ、サトウダイコン、ホウレンソウ、キノア又はエンドウマメをその加工形態(例えば、ダイズミール、ナタネミール)又はそれらの任意の組合せで含む、項目46の方法。
【0425】
48.項目1~23のいずれかの動物用飼料添加物、項目24~26のいずれかの顆粒又は項目27~32のいずれかの液体製剤の、動物用飼料に用いる組成物の調製における、
動物用飼料の栄養価を向上させるための;
消化可能な且つ/若しくは可溶性のタンパク質を動物用飼料中で増大させるための;
動物用食餌中でのタンパク質の加水分解の程度を増大させるための;
動物において1つ以上の性能パラメータを向上させるための;及び/又は
タンパク質を処理するための使用。
【0426】
49.ポリペプチドを生成する方法であって、
(a)項目1に規定されるポリペプチドをコードする外因性ポリヌクレオチドを含む組換えバチルス(Bacillus)属宿主細胞を培養するステップであって、ポリヌクレオチドは、発現され、及びポリペプチドは、生成される、ステップと;任意選択的に、
(b)ポリペプチドを回収するステップと
を含む方法。
【0427】
50.外因性ポリヌクレオチドは、宿主細胞の染色体中に組み込まれて、プロモータと作動可能に連結される、項目49の方法。
【実施例】
【0428】
株
国際公開第2015/091990号パンフレットに開示されるように、バチルス・ホルネキアエ(Bacillus horneckiae)株を1995年以前にトルコの環境サンプルから単離した。
【0429】
国際公開第92/17577号パンフレットに開示されるように、バチルス(Bacillus)属種TY145をおよそ1989年の南極土のサンプルから単離した。
【0430】
プロテアーゼアッセイ
1)キネティックSuc-AAPF-pNAアッセイ:
pNA基質:Suc-AAPF-pNA(Bachem L-1400)。
温度:室温(25℃)
アッセイバッファ:100mMコハク酸、100mM HEPES、100mM CHES、100mM CABS、1mM CaCl2、150mM KCl、0.01%Triton X-100(HCl又はNaOHでpH値2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10.0及び11.0に調整)。
【0431】
20μlプロテアーゼ(0.01%Triton X-100中に希釈)を100μlアッセイバッファと混合した。100μl pNA基質(50mgを1.0ml DMSO中に溶解して、さらに0.01%Triton X-100で45×希釈した)を加えることによってアッセイを始めた。OD405の増大をプロテアーゼ活性の尺度として監視した。
【0432】
2)エンドポイントSuc-AAPF-pNAアッセイ:
pNA基質:Suc-AAPF-pNA(Bachem L-1400)。
温度:制御(アッセイ温度)。
アッセイバッファ:100mMコハク酸、100mM HEPES、100mM CHES、100mM CABS、1mM CaCl2、150mM KCl、0.01%Triton X-100、pH7.0。
【0433】
200μl pNA基質(50mgを1.0ml DMSO中に溶解して、さらにアッセイバッファで50×希釈した)をEppendorfチューブ中にピペットで取って氷上に置いた。20μlペプチダーゼサンプル(0.01%Triton X-100中に希釈)を加えた。Eppendorfチューブを、アッセイ温度にセットしたEppendorfサーモミキサーに移すことによってアッセイを開始した。チューブをEppendorfサーモミキサー上でその最高振盪速度(1400rpm)において15分間インキュベートした。チューブを氷浴に戻して、600μl 500mMコハク酸、pH3.5を加えることによってインキュベーションを止めた。200μlの上清をマイクロタイタープレートに移した。OD405をペプチダーゼ活性の尺度として読んだ。バッファブラインドを(酵素の代わりに)アッセイに含めた。
【0434】
2)Protazyme AKアッセイ:
基質:Protazyme AKタブレット(架橋且つ染色されたカゼイン;Megazyme由来)
温度:制御(アッセイ温度)。
アッセイバッファ:100mMコハク酸、100mM HEPES、100mM CHES、100mM CABS、1mM CaCl2、150mM KCl、0.01%Triton X-100、pH9.0。
【0435】
Protazyme AKタブレットを、穏やかな撹拌により、2.0ml 0.01%Triton X-100中に懸濁させた。この懸濁液500μl及びアッセイバッファ500μlをEppendorfチューブ中に分配して、氷上に置いた。20μlプロテアーゼサンプル(0.01%Triton X-100中に希釈)を加えた。Eppendorfチューブを、アッセイ温度にセットしたEppendorfサーモミキサーに移すことによってアッセイを開始した。チューブをEppendorfサーモミキサー上でその最高振盪速度(1400rpm)において15分間インキュベートした。チューブを氷浴に戻すことによってインキュベーションを止めた。次に、チューブを、氷冷した遠心分離機内で数分間遠心分離して、200μlの上清をマイクロタイタープレートに移した。OD650をプロテアーゼ活性の尺度として読んだ。バッファブラインドを(酵素の代わりに)アッセイに含めた。
【0436】
3)o-フタルジアルデヒド(OPA)アッセイ:
このアッセイは、一級アミンを検出するため、プロテアーゼによるペプチド結合の切断をプロテアーゼ処理サンプルと対照サンプルとの間の吸光度の差として測定することができる。アッセイをNielsen et al.(Nielsen et al.,2001,“Improved method for determining food protein degree of hydrolysis”,J.Food Sci.66:642-646)に本質的に従って行った。
【0437】
0.5mlサンプルをPALL96ウェルフィルタープレートPN8175(10分、2700rpm、5℃)で濾過した。サンプルを脱イオン水中に適切に(例えば、10、50又は100倍)希釈して、25μlの各サンプルを96ウェルマイクロタイタープレート中にロードした(5反復)。200μl OPA試薬(100mM四ホウ酸二ナトリウム十水和物、3.5mMドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、5.7mMジチオスレイトール(DDT)、6mM o-フタルジアルデヒド)を全てのウェル中に分配して、プレートを振盪させて(60秒、650rpm)、吸光度を340nmにおいて測定した。
【0438】
実施例1:バチルス・ホルネキアエ(Bacillus horneckiae)からのS8プロテアーゼの発現及び精製
国際公開第2015/091990号パンフレットの実施例1に記載されるように、バチルス・ホルネキアエ(Bacillus horneckiae)由来のS8プロテアーゼ(配列番号1)を発現させ且つ精製した。キネティックSuc-AAPF-pNAアッセイを用いて、pH活性プロファイル及びpH安定性プロファイルを得た。エンドポイントSuc-AAPF-pNAアッセイを用いて、pH7での温度-活性プロファイルを得た。
【0439】
バチルス・ホルネキアエ(Bacillus horneckiae)由来のS8プロテアーゼ(配列番号1)の特性
SDS-PAGEによって判定した相対分子量は、およそMr=35kDaであった。
【0440】
EDMAN分解によって決定したN末端配列は、EVTATPSであった。
【0441】
インタクト分子量分析によって判定した主ピーク(およそ50%)の分子量は、32132.0Daであった。
【0442】
主ピークの成熟配列(EDMAN N末端配列決定データ及びインタクトMSデータ由来):
【化1】
【0443】
この成熟配列から算出した分子量は、32132.0Daである。
【0444】
インタクト分子量の分析は、産物のおよそ10%がアミノ酸2~314であり、産物のおよそ40%がアミノ酸4~314であることを示した。
【0445】
実施例2.1:バチルス(Bacillus)属種TY145からのS8プロテアーゼの発現及び精製
国際公開第92/17577号パンフレットの実施例1に記載されるように、バチルス(Bacillus)属種TY145由来のS8プロテアーゼ(配列番号2)を発現させ且つ精製した。キネティックSuc-AAPF-pNAアッセイを用いて、pH活性プロファイル及びpH安定性プロファイルを得た。Protazyme AKアッセイを用いて、pH9での温度-活性プロファイルを得た。
【0446】
バチルス(Bacillus)属種TY145由来のS8プロテアーゼ(配列番号2)の特性
SDS-PAGEによって判定した相対分子量は、およそMr=34kDaであった。
【0447】
EDMAN分解によって決定したN末端配列は、AVPSTQTであった。
【0448】
インタクト分子量分析によって判定した分子量は、31784Daであった。
【0449】
成熟配列(EDMAN N末端配列決定データ及びインタクトMSデータ由来):
【化2】
【0450】
この成熟配列から算出した分子量は、31783.7Daである。
【0451】
また、インタクト分子量の分析は、産物のおよそ10%がN末端上に余分なEVTを含むことを示した。
【0452】
実施例2.2 バチルス(Bacillus)属由来の5つのS8プロテアーゼ(配列番号1の相同体)についての発現例
5つのさらなるS8プロテアーゼを枯草菌(Bacillus subtilis)内で発現させた。配列番号5の発現:バチルス(Bacillus)属種-13380(バチルス(Bacillus)属種-1、GENESEQP:BDV61032)由来のS8プロテアーゼ1は、国際公開第2017064253号パンフレットに記載されている。配列番号6の発現:バチルス・イドリエンシス(Bacillus idriensis)(GENESEQP:BCB40142)由来のS8プロテアーゼ。配列番号7の発現:バチルス(Bacillus)属種-13380(バチルス(Bacillus)属種-1、GENESEQP:BCB40140)由来のS8プロテアーゼ2;配列番号8の発現:バチルス(Bacillus)属種-62451由来のS8プロテアーゼ(バチルス(Bacillus)属種-2、GENESEQP:BCB40144)は、国際公開第2015091989号パンフレットに記載されている。
【0453】
バチルス・オセアニセディミニス(Bacillus oceanisediminis)(配列番号9)からのS8プロテアーゼの発現を以下のように行った。S8プロテアーゼバチルス・オセアニセディミニス(Bacillus oceanisediminis)(配列番号10)をコードする遺伝子をIntegrated DNA Technologies(Interleuvenlaan 12A,B-3001 Leuven,Belgium)によってコドン最適化して合成した。遺伝子を、遺伝子の天然分泌シグナルがバチルス・クラウシイ(Bacillus clausii)分泌シグナルで置き換えられている(後に続くアミノ酸配列:MKKPLGKIVASTALLISVAFSSSIASA)分泌酵素として発現させた。構築体を直鎖状組込み型構築体として形成し、そこで、合成遺伝子を、2つの枯草菌(Bacillus subtilis)相同染色体領域間のPCRにより、ストロングプロモータ及びクロラムフェニコール耐性マーカーと共に融合させた。融合をSOE PCR(Horton,R.M.,Hunt,H.D.,Ho,S.N.,Pullen,J.K.and Pease,L.R.(1989)Engineering hybrid genes without the use of restriction enzymes,gene splicing by overlap extension Gene 77:61-68)によってもたらした。SOE PCR法は、国際公開第2003095658号パンフレットにも記載されている。両方の構築体において、遺伝子を、(国際公開第99/43835号パンフレットに記載されるように)バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)α-アミラーゼ遺伝子(amyL)、バチルス・アミロリクエファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)α-アミラーゼ遺伝子(amyQ)由来のプロモータ及びバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)cryIIIAプロモータ(安定化配列を含む)からなる三重プロモータ系の制御下で発現させた。直鎖状PCR構築体を枯草菌(Bacillus subtilis)中に形質転換した。形質転換体を、1mlあたり6μgのクロラムフェニコールで補充したLBプレート上で選択した。組換え枯草菌(Bacillus subtilis)クローンを液体培養で増殖させた。組換え酵素が自然な細胞溶解直後の上清中に蓄積した。実施例1に記載されているように、酵素含有上清を収穫して、酵素を精製した。
【0454】
実施例3:S8プロテアーゼ変異体(配列番号3)の構築、発現及び精製
国際公開第2016/097354号パンフレットの実施例1に記載されるように、TY145プロテアーゼの変異体(配列番号3)を構築し、発現させ且つ精製した。キネティックSuc-AAPF-pNAアッセイを用いて、pH活性プロファイル及びpH安定性プロファイルを得た。Protazyme AKアッセイを用いて、pH9での温度-活性プロファイルを得た。
【0455】
S8プロテアーゼ変異体(配列番号3)の特性
SDS-PAGEによって判定した相対分子量は、およそMr=37kDaであった。
【0456】
EDMAN分解によって決定したN末端配列は、AVPSTQTであった。
【0457】
インタクト分子量分析によって判定した分子量は、32089.1Daであった。
【0458】
成熟配列(EDMAN N末端配列決定データ及びインタクトMSデータ由来):
【化3】
【0459】
この成熟配列から算出した分子量は、32089.3Daである。
【0460】
また、インタクト分子量の分析は、産物のおよそ10%が余分なEVT又はVTをN末端上に含むことを示した。
【0461】
実施例4:SBM-トウモロコシスラリーのpH曲線
トウモロコシ-ダイズミールスラリーに対する本発明のS8プロテアーゼのpH活性曲線を以下の方法に従って求めた。
基質:SBM-トウモロコシ(30:70)
温度:40℃
アッセイバッファ:100mMコハク酸、100mM HEPES、100mM CHES、100mM CABSバッファ、12.5mM CaCl2、150mM KCl、0.01%Triton X-100(NaOH又はHClで所望のpH(3、4、5、6、7)に調整)
【0462】
2gのSBM-トウモロコシ(30:70)基質に、NaOH又はHClで所望のpHに調整した20mlのアッセイバッファを加えた。スラリーを5分間撹拌して、スラリーの2ml部を、加熱及び磁気混合を組み合わせたプレートミキサー上の24ウェル-プレート内の各ウェルに移した。サンプルを40℃において30分間プレインキュベートした。プロテアーゼを100mM酢酸ナトリウムバッファ(9.565g/L NaOAc、1.75g/L酢酸、5mM CaCl2、0.01%BSA、0.01%Tween20、pH6.0)中で100μlに希釈して、200mg EP/kg基質の最終濃度を達成して、ウェルに加えた。磁気撹拌下で40℃において3時間後にプレートを遠心分離して(10分、4000rpm、0℃)、上清を、OPA(o-フタルジアルデヒド)アッセイを用いて分析した。プロテアーゼの活性は、340nmでの吸光度マイナスブランク(酵素なしでランさせたサンプル)によって求めたフリーα-アミノ末端の量であり、以下の表4に記載する。
【0463】
【0464】
実施例5:熱安定性
プロテアーゼのタンパク質サンプルのアリコートを脱塩するか、又はプレパッケージングしたPD-10カラムを用いて20mM酢酸Na、pH4.0にバッファ交換するか、又は2×500mlの20mM酢酸Na、pH4.0に対して4℃において、2~3時間のステップに続く一晩のステップ内で透析した。サンプルを0.45μmフィルターで濾過して、バッファでおよそ2A280ユニットに希釈する。透析バッファを示差走査熱量測定(DSC)の基準として用いる。サンプルを、真空吸引及び撹拌を用いておよそ10分間脱ガスする。
【0465】
DSCスキャンを20~90℃まで1.5℃/分の一定のスキャン速度においてMicroCal VP-DSCで実行する。MicroCal Originソフトウェア(バージョン4.10)を用いてデータハンドリングを実行して、変性融点Td(融解温度Tmとも呼ばれる)をサーモグラムにおけるピークの頂点での温度として定義する。
【0466】
実施例6:蒸気安定性
蒸気処理後のプロテアーゼの残留活性を以下のアッセイを用いて評価することができる。
【0467】
この実験において、修飾セットアップを用いることにより、蒸気が蒸気発生器から供給されて、ボックス中に導かれる。プレート上に置いたサンプルを、温度がおよそ93~94℃に達したときにドゥロワーによりボックス中に挿入する。サンプルを挿入して直ちに温度を4℃下げる。温度をおよそ90℃において一定にしたまま、インキュベーションを30秒間実行する。その後、プレートをボックスから迅速に取り出してサンプルを氷上に置いて、再懸濁させて、例えばSuc-AAPF-pNA又はo-フタルジアルデヒド(OPA)アッセイを用いてプロテアーゼ活性に関して評価する。各酵素サンプルを、蒸気処理しなかった類似のサンプルと比較して残留活性を算出する。
【0468】
実施例7:ペレット化安定性試験
酵素を米国特許第4,106,991号明細書、実施例1に記載されるようにして顆粒化する。得られた粒状体を流動層内で水含有量1%未満に乾燥させて、篩を通して粒子範囲250μm~850μmの産物を得る。最後に、産物を米国特許第4,106,991号明細書、実施例22に記載されるようにしてパーム油及び炭酸カルシウムでコーティングする。
【0469】
およそ50gの酵素粒状体を小さい水平ミキサー内で10分間、10kgの飼料と予め混合する。このプレミックスをより大きい水平ミキサー内で10分間、90kgの飼料と混合する。ミキサーから飼料をおよそ300kg/時の速度においてコンディショナ(蒸気注入によるカスケードミキサー)に導く。コンディショナは、蒸気を注入することにより、飼料を(放出口で測定して)95℃に加熱する。コンディショナ内での滞留時間は、30秒である。コンディショナから飼料を、3.0×35mm水平ダイを備えるSimon Heesenプレスに導いて、およそ15mmの長さのペレットに圧縮成形した。圧縮成形後、ペレットを空冷機内に入れて15分間冷却する。
【0470】
Suc-AAPF-pNAアッセイを用いて、ペレット化前に且つペレット化後の飼料ペレット内でプロテアーゼ活性を測定する。非ペレット化飼料中の活性に対するペレット化飼料中のプロテアーゼ活性を比較することにより、ペレット化安定性を求める。
【0471】
実施例8:バチルス・ホルネキアエ(Bacillus horneckiae)由来のS8プロテアーゼ(配列番号1)を用いた、ブロイラーにおける回腸窒素消化率の治験
動物及び給餌
民間の孵化場(Accouvoir multiplicateur Grelier,La Bohardiere,France)から得た1日齢ニワトリ(Cobb500)を用いた。ニワトリをワイヤー-フロアバッテリーケージ(0.75m2/ケージ、ニワトリ6羽/ケージ)内に収容して、飼料及び水を不断給餌した。給餌をニワトリの栄養必要量に従って2つの相、スターター及びグロウアー(それぞれ1~7及び8~21)に分けた。ケージ中へのニワトリの割当ては、1日目の体重に基づいてケージ間での体重変動を最小にした。育成の最初の16日間、全羽を同じ給餌戦略にかけてから、17~21日目までの5日の実験期間を設けた。実験期間中、ケージを、陰性対照食餌(NC)、陽性対照食餌(PC)又は液体プロテアーゼ溶液をスプレーしたNCから構築した酵素処理に割り当てた。表5を参照されたい。PCを、NCと同じ代謝エネルギー、粗タンパク質、リシン及びメチオニン濃度を保持するように配合したが、NCと比較してより大きい消化率のタンパク質源を用いた。全ての食餌は、消化率マーカーとしてTiO2を含有した。
【0472】
【0473】
データ及びサンプル収集
総ケージ体重及び飼料消費を16日目~21日目に得た。21日目に全てのニワトリを頚椎脱臼により犠牲にした。ニワトリを解剖して、末端回腸の内容物を収集した。末端回腸は、Jallier et al.(2003,Influence of the methodology of sampling content from different parts of the ileum on the values of apparent ileal digestibility in broiler chickens,Br.Poult.Sci.44:807-809)によって記載されるように、回腸-盲腸接合部前2cmの点の近位17cmと定義した。回腸消化物をケージ内でプールして、凍結乾燥して、化学分析のためにすり潰した。粗タンパク質及びTiO2の濃度を、表6に記載する見掛けの回腸窒素消化率AIDN(%)の後の推定のために消化物及び飼料サンプルの両方で求めた。
AIDN(%)=100-[(CMf/CMe)×(CNe/CNf)]×100
式中、
CMf=飼料中のマーカーの濃度;CMe=回腸消化物中のマーカーの濃度;
CNf=飼料中の栄養素の濃度;CNe=回腸消化物中の栄養素の濃度。
【0474】
窒素含有量をDumas法(Dumas,1831,Procedes de l’Analyse Organique,Ann.Chim.Phys.247:198-213)に従ってLECO装置FP-528(LECO(登録商標)Corporation)によって求めた。6.25の係数を用いて、窒素含有量を粗タンパク質に変換した。
【0475】
サンプルのH2SO4ミネラル化後、DIN EN ISO 11885:1997(DIN EN ISO 1998)に従い、誘導結合プラズマ(ICP)装置ICP-OES 5100(Agilent Technologies)により、飼料及び消化物中の二酸化チタン濃度を求めた。
【0476】
【0477】
バチルス・ホルネキアエ(Bacillus horneckiae)プロテアーゼは、NC及びPCの両方と比較して見掛けの回腸窒素消化率を有意に(P<0.01、NCと比較)増大させた。
【0478】
実施例9:バチルス・ホルネキアエ(Bacillus horneckiae)由来のS8プロテアーゼ(配列番号1)及びバチルス(Bacillus)属種由来の変異S8プロテアーゼを用いた、ブロイラーにおける回腸窒素消化率の治験
治験を実施例8に記載するようにランして、AIDN結果を以下の表7に示す。
【0479】
【0480】
バチルス・ホルネキアエ(Bacillus horneckiae)プロテアーゼ及びバチルス(Bacillus)属種由来のプロテアーゼ変異体の両方は、NC及びPCの両方と比較して見掛けの回腸窒素消化率を増大させた。このインビボ治験では、飼料成分の内在タンパク質消化率は、予想外に高かった。これは、PCが、NCと比較して消化率の最小の増大のみを示したことを意味する。そうであっても、プロテアーゼはなお、PCと比較して見掛けの回腸窒素消化率を増大させた。これは、プロテアーゼが品質の良い食餌にも機能し得ることを示す。
【0481】
実施例10:動物用飼料及び動物用飼料添加物
顆粒
本発明のプロテアーゼをフィラー、例えば硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム及び/又はセルロースで顆粒化し、任意選択的に、その後、顆粒をワックスコーティング(例えば、水添パーム油)又は塩コーティング(例えば、硫酸ナトリウム及び/又は硫酸マグネシウム)でコーティングすることによって顆粒を調製する。
【0482】
代わりに、本発明のプロテアーゼの液体溶液を不活性コア上に吸収させ、任意選択的に、その後、顆粒をワックスコーティング(例えば、水添パーム油)又は塩コーティング(例えば、硫酸ナトリウム及び/又は硫酸マグネシウム)でコーティングすることによって顆粒を調製する。
【0483】
液体製剤
本発明のプロテアーゼの液体製剤は、0.1%~10%w/w酵素タンパク質、40~60%グリセロール、0.1~0.5%安息香酸ナトリウム及び水を含む。液体製剤を、先に記載したペレット化された動物用飼料上又はマッシュ飼料上にスプレーする。
【0484】
動物用飼料添加物
プレミックス1キロあたり0.01g~10gの酵素タンパク質を含有する本発明のプロテアーゼのプレミックス製剤(任意選択的に、コーティングした顆粒として製剤化されている)を以下のプレミックスに加える。
【0485】
【0486】
動物用飼料の例
これは、先に記載した動物用飼料添加物を含むブロイラー飼料の例である:
62.55% トウモロコシ
33.8% ダイズミール(50%粗タンパク質)
1.0% 大豆油
0.2% DL-メチオニン
0.22% DCP(リン酸二カルシウム)
0.76% CaCO3(炭酸カルシウム)
0.32% 砂
0.15% NaCl(塩化ナトリウム)
1% 上述の動物用飼料添加物(プレミックス)。
【0487】
成分を混合して、飼料を所望の温度、例えば60、65、75、80、85、90又は95℃においてペレット化する。
【0488】
単なる一例として、ニワトリ、例えばブロイラーニワトリのための飼料は、一覧にした成分の1つ以上を、以下の表8.1に記載するパーセンテージ例で含み得る。
【0489】
【0490】
単なる一例として、ニワトリ、例えばブロイラーニワトリのための食餌加工品(diet specification)は、以下の表8.2に示すとおりであり得る。
【0491】
【0492】
単なる一例として、産卵鶏のための飼料は、一覧にした成分の1つ以上を、以下の表8.3に記載するパーセンテージ例で含み得る。
【0493】
【0494】
単なる一例として、産卵鶏のための食餌加工品は、以下の表8.4に示すとおりであり得る。
【0495】
【0496】
単なる一例として、シチメンチョウのための飼料は、一覧にした成分の1つ以上を、以下の表8.5に記載するパーセンテージ例で含み得る。
【0497】
【0498】
単なる一例として、シチメンチョウのための食餌加工品は、以下の表8.6に示すとおりであり得る。
【0499】
【0500】
単なる一例として、子ブタのための飼料は、一覧にした成分の1つ以上を、以下の表8.7に記載するパーセンテージ例で含み得る。
【0501】
【0502】
単なる一例として、子ブタのための食餌加工品は、以下の表8.8に示すとおりであり得る。
【0503】
【0504】
単なる一例として、グロウアー/フィニッシャーブタのための飼料は、一覧にした成分の1つ以上を、以下の表8.9に記載するパーセンテージ例で含み得る。
【0505】
【0506】
単なる一例として、グロウアー/フィニッシャーブタのための食餌加工品は、以下の表8.10に示すとおりであり得る。
【0507】
【0508】
実施例11:ベンチマーク(Cibenza)と比較した、新しいプロテアーゼについてのブロイラーにおける見掛けの空腸窒素消化率の治験
動物及び給餌
民間の孵化場(Accouvoir multiplicateur Grelier,La Bohardiere,France)から得た1日齢ニワトリ(Cobb500)を用いた。ニワトリをワイヤー-フロアバッテリーケージ(0.75m2/ケージ、ニワトリ6羽/ケージ)内に収容した。7日目まで、表9に記載する飼料及び水を不断給餌した。7日目にニワトリの体重を量って、体重を基準として用いて6処理の1つに割り当てた。16日目まで同じ食餌をニワトリに与えた。その後、実験期間は、ニワトリ育成の16~21日目まで及んだ。実験期間中、ニワトリに陽性対照食餌(PC)、陰性対照食餌(NC)又はNC+試験酵素(表9)を給餌した。実験に用いた試験酵素は、配列番号1(S8、バチルス・ホルネキアエ(Bacillus horneckiae))及び配列番号3(S8、バチルス(Bacillus)属種-11238)である。
【0509】
酵素を液体形態で提供して、Forberg F60ミキサーと連結させた超低圧系を用いたスプレーによって処理に用いた。PCを、NCと同じ代謝エネルギー、粗タンパク質、リシン及びメチオニン濃度を実現するように配合したが、NCと比較してより大きい消化率のタンパク質源を含有した。全ての食餌は、消化率マーカーとしてTiO2を含有させた。
【0510】
【0511】
データ及びサンプル収集
1ケージあたり及び1処理あたりの平均体重及び飼料消費を16日目~21日目に得た。21日目に全てのニワトリを頚椎脱臼により犠牲にした。ニワトリを解剖して、空腸の内容物を収集した。空腸は、膵臓ループ(十二指腸)の終端において始まって、Meckelの憩室の近位1cmにおいて末端が終わる小腸管のセグメントと定義した。空腸消化物をケージ内でプールして、凍結乾燥して、化学分析のためにすり潰した。粗タンパク質及びTiO2の濃度を、表10に記載する見掛けの空腸窒素消化率AJDN(%)の後の推定のために消化物及び飼料サンプルの両方で求めた。
AJDN(%)=100-[(CMf/CMe)×(CNe/CNf)]×100
式中、
CMf=飼料中のマーカーの濃度;CMe=空腸消化物中のマーカーの濃度;
CNf=飼料中の栄養素の濃度;CNe=空腸消化物中の栄養素の濃度。
【0512】
窒素含有量をDumas法(Dumas,1831,Procedes de l’Analyse Organique,Ann.Chim.Phys.247:198-213)に従ってLECO装置FP-528(LECO(登録商標)Corporation)を用いて求めた。6.25の係数を用いて、窒素含有量を粗タンパク質に変換した。
【0513】
サンプルのH2SO4ミネラル化後、DIN EN ISO 11885:1997(DIN EN ISO 1998)に従い、ICP-OES 5100機器(Agilent Technologies)を用いて飼料及び消化物中の二酸化チタン濃度を求めた。
【0514】
【0515】
結果は、プロテアーゼが、NC及びPCの両方並びにベンチマーク(Cibenza)と比較して見掛けの空腸窒素消化率を増大させたことを実証する。
【0516】
実施例12:ベンチマーク(Cibenza)と比較した、新しいプロテアーゼ相同体についてのブロイラーにおける見掛けの空腸窒素消化率の治験
動物及び給餌
民間の孵化場(Accouvoir multiplicateur Grelier,La Bohardiere,France)から得た1日齢ニワトリ(Cobb500)を用いた。ニワトリをワイヤー-フロアバッテリーケージ(0.75m2/ケージ、ニワトリ6羽/ケージ)内に収容した。7日目まで飼料[どのような飼料?]及び水を不断給餌した。7日目にニワトリの体重を量って、体重を基準として用いて8処理の1つに割り当てた。16日目まで同様の食餌[食餌を記載する?]をニワトリに与えた。その後、実験期間は、ニワトリ育成の16~21日目まで及んだ。実験期間中、ニワトリに陽性対照食餌(PC)、陰性対照食餌(NC)又はNC+試験酵素(表11)を給餌した。実験に用いた試験酵素は、以下のとおりであった。
【0517】
【0518】
酵素を液体形態で提供して、Forberg F60ミキサーと連結させた超低圧系を用いたスプレーによって処理に用いた。PCを、NCと同じ代謝エネルギー、粗タンパク質、リシン及びメチオニン濃度を実現するように配合したが、NCと比較してより大きい消化率のタンパク質源を含有した。全ての食餌は、消化率マーカーとしてTiO2を含有させた。
【0519】
【0520】
データ及びサンプル収集
1ケージあたり及び1処理あたりの平均体重及び飼料消費を16日目~21日目に得た。21日目に全てのニワトリを頚椎脱臼により犠牲にした。ニワトリを解剖して、空腸の内容物を収集した。空腸は、膵臓ループ(十二指腸)の終端において始まって、Meckelの憩室の近位1cmにおいて末端が終わる小腸管のセグメントと定義した。空腸消化物をケージ内でプールして、凍結乾燥して、化学分析のためにすり潰した。粗タンパク質及びTiO2の濃度を、表12に記載する見掛けの空腸窒素消化率AJDN(%)の後の推定のために消化物及び飼料サンプルの両方で求めた。
AJDN(%)=100-[(CMf/CMe)×(CNe/CNf)]×100
式中、
CMf=飼料中のマーカーの濃度;CMe=空腸消化物中のマーカーの濃度;
CNf=飼料中の栄養素の濃度;CNe=空腸消化物中の栄養素の濃度。
【0521】
窒素含有量をDumas法(Dumas,J.B.A.,Procedes de l’Analyse Organique,Ann.Chim.Phys.247:198-213(1831))に従ってLECO装置FP-528(LECO(登録商標)Corporation)を用いて求めた。係数6.25を用いて、窒素含有量を粗タンパク質に変換した。
【0522】
サンプルのH2SO4ミネラル化後、DIN EN ISO 11885:1997(DIN EN ISO 1998)に従い、ICP-OES 5100機器(Agilent Technologies)を用いて飼料及び消化物中の二酸化チタン濃度を求めた。
【0523】
【0524】
結果は、プロテアーゼが、NC及びベンチマーク(Cibenza)の両方と比較して見掛けの空腸窒素消化率を増大させたことを実証する。
【0525】
本明細書に記載され、且つ特許請求される本発明は、開示される本明細書の特定の態様による範囲に限定されるべきではなく、なぜなら、これらの態様は、本発明のいくつかの態様の例示であることが意図されているためである。任意の均等な態様が本発明の範囲内であることが意図される。実際に、本明細書に示され、記載されるものに追加した本発明の種々の変更形態が前述の記載から当業者に明らかとなるであろう。このような変更形態も添付の特許請求の範囲の範囲内に入ることが意図される。競合する場合、定義を含む本開示が優先されることとなる。
【0526】
実施例12.配列番号1の10個のPE-変異体の、飼料関連材料(SBM/コーン)に対するpH7での活性
プロテアーゼをpH7のSBM-コーンスラリーと撹拌下で40℃においてインキュベートする。インキュベーション後、プロテアーゼの作用をOPA法によって測定した。バッファストック(100mMコハク酸、100mM HEPES、100mM CHES、100mM CAPS、12.5mM CaCl2
*2H2O、306mM KCl、0.01%Triton X-100)を製造して、10M NaOH又は37%HClでpH7.36に調整する。1.4gの粉砕SBM(ダイズミール)、0.6gの粉砕コーンを20mlのバッファストックと混合すると、結果的にpH7のスラリーが与えられる。スラリーを磁気スターラーで室温において5分間、予め混合する。
【0527】
24-ウェルプレート(交差磁石を有する)を、加熱及び撹拌を組み合わせた装置上に置いて40℃において予熱する。pH7の2mlスラリーを各ウェルに移して、プレートをシーリングテープで閉じて、30分間予めインキュベートする。100μlバッファ(ブランク)又は酵素溶液をウェルに加えて(200mg酵素/kg飼料に相当する)、シーリングテープを閉じて、プレートを3時間インキュベートする。プレートを0℃、4000rpm(2500×g)において10分間遠心分離する。上清をeppendorfチューブに移して、先に記載したOPA方法論を用いて分析する。
【0528】
試験した全てのPE変異体は、pH7において、SBM:コーンに対する活性が野生型よりも高い。
【0529】
【0530】
実施例13.配列番号3.飼料関連材料に関するインビトロデータ
上記と同じ手順。
【0531】
【0532】
pH7において、配列番号3は、SBM:コーンに対する活性がProAct(登録商標)よりも高い。
【0533】
実施例14 配列番号1のPE変異体についてのクローニング及び発現の例
実施例14.1:部位特異的突然変異誘発による変異体の構築
本発明に従う特定の置換を含むバチルス・ホルネキアエ(Bacillus horneckiae)セリンプロテアーゼS8A(配列番号1)の部位特異的変異体を構築した。適切に設計した突然変異誘発性オリゴヌクレオチド(結果として生じる配列内に所望の突然変異を導入し、全ての当業者が反復することができる)と一緒にPCRを用いる、DNA断片の従来のクローニング(Sambrook et al.,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,2nd Ed.,Cold Spring Harbor,1989)によって変異体を製造した。
【0534】
突然変異誘発性オリゴを、突然変異の所望の部位の側面に位置するDNA配列に対応させて設計して、挿入/欠失/置換を定義するDNA塩基対によってグループ分けして、オリゴベンダー、例えばIntegrated DNA Technologies(IDT)から購入した。本発明のプロテアーゼ変異体を試験するために、本発明の変異体を含む突然変異したDNAをコンピテント枯草菌(B.subtilis)株中に相同組換えによって組み込んで、標準的なプロトコル(酵母抽出物ベースの培地、4日、30℃)を用いて発酵させて、活性アッセイによってスクリーニングする。
【0535】
実施例14.2:活性アッセイのための発現
構築した変異体を、6μg/mlクロラムフェニコールで補充したLBアガー上にプレーティングして、37℃において1日増殖させる。増殖後、コロニーを選択し、6μg/mlクロラムフェニコール及び微量金属(50mM FeCl3、20mM CaCl2、10mM MnCl2、10mM ZnSO4、2mM CuCl2及び2mM NiCl2)で補充した3mL TBglyブロスを含有する標準的な24ディープウェルプレート(DWP)の個々のウェルに移した(F.William Studier,“Protein production by auto-induction in high-density shaking cultures”,Protein Expression and Purification,41(2005)207-234)。
【0536】
また、野生型バチルス・ホルネキアエ(Bacillus horneckiae)セリンプロテアーゼS8Aを各プレート上の4つのウェル内に基準として植菌した。DWPプレートを220rpmにおいて振盪させながら30℃において4日間増殖させた。増殖後、プレートを2500rpmにおいて10分間遠心分離し、上清を、96ウェルマイクロタイタープレートに再グリッド(re-gridded)してから、残留活性についてのスクリーニングに用いた。
【0537】
実施例14.3:精製のための発酵
当技術分野において周知の又は以下の方法によって発酵を実行することができる。変異体を保有する様々な枯草菌(B.subtilis)株をLBアガープレート上にストリークして、37℃において一晩増殖させた。コロニーを500ml振盪フラスコ内の100ml PS-1培地(PS-1:100g/Lスクロース(Danisco cat.no.109-0429)、40g/Lクラスト大豆(大豆粉)、10g/L Na2HPO4・12H2O(Merck cat.no.6579)、0.1ml/L replace-Dowfax63N10(Dow)に移した。培養は、典型的に、30℃において270rpmでの振盪を4日要する。細胞及び他の未溶解の材料を4500rpm、20~25分間の遠心分離によって発酵ブロスから除去した。
【0538】
実施例15 胃安定性の向上について配列番号1変異体をスクリーニングするためのアッセイの記載
培地及び溶液
1リットルの100mM酢酸/MES/HEPES/グリシンバッファを8.2g酢酸ナトリウム、19.5g MES、23.8g HEPES、7.5gグリシンで構成した。このバッファを1mL CaCl2(1M)、50mL 20%SDS、1mL 10%Triton-Xで補充して、pHを5N NaOHでpH7に調整した。
【0539】
715mlの0.1Mクエン酸及び285mlの0,2M Na2HPO4を混合することによって胃チャレンジバッファpH3.4を調製した。
【0540】
停止試薬を0,2M Na2HPO4で構成した。
【0541】
Protazyme AKアッセイプレートpH7をV底Nunc U96PP 0,5ml 96ウェル-プレート内で調製した。100個のProtazyme AKタブレット(Megazyme T-PRAK-200T)(およそ10.825g)を、室温において10分間の撹拌により、200mlの酢酸/ME/HEPES/グリシン/CaCl2/SDS/Triton-X100中に溶解した。この溶液の180μLを、8チャンネルピペット及びワイドボアチップを用いて、MTP V底96ウェルプレート(Nunc U96PP 0,5ml)中に分注した。使用までアッセイプレートをシールして凍結させた。
【0542】
配列番号1変異体のバチルス(Bacillus)属ブロスを2つの同一グリッド内に分注した。各グリッドは、二反復のサンプルを含有し、2つの基準骨格も全てのプレートの各グリッドに存在した。
【0543】
アッセイの説明
アッセイをBiomek FXp(Beckman Coulter)でランした。アッセイは、配列番号1の異なる変異体について、23℃において10分間(一次スクリーニング)及び15分間(一次スクリーニング由来の突然変異の組合せに行った二次スクリーニング)のpH3.4へのpH降下(胃チャレンジ)からなった。インキュベーション時間中、異なる変異体の骨格安定性は、pH降下によって異なって影響された。停止試薬を加えてチャレンジグリッド内での反応を中和することによって胃チャレンジアッセイを止めた。プレート間変動を回避するために、この胃チャレンジアッセイについて試験したサンプルを96ウェルプレート上で2つのグリッド:pH降下に提示しなかった対照グリッド及びpH降下によってストレスを加えたチャレンジグリッドに分けた。
【0544】
アッセイの第2部は、胃チャレンジアッセイ後、Protazyme AK pH7プレート上でのインキュベーションによって残留活性を明らかにすることからなった。Protazyme AKアッセイでは、500rpm振盪下で23℃において15分間インキュベートした。遠心分離によって反応を止めて、上清をリーディング分光光度計プレートに移した。(チャレンジグリッド由来の平均吸光度変化)/(対照グリッド由来の平均吸光度変化)*100の比率を算出することにより、各変異体について残留活性(RA)比を算出した。このRA数を用いて、胃安定性の向上について変異体をランク付けした。2ラウンドのスクリーニング:最も見込みがある一次突然変異を同定する第1のラウンド及び一次突然変異の組合せから形成される最も安定した変異体を同定する第2のラウンドを実行した。分光光度計プレートの吸光度を590nmにおいて分析した。
【0545】
実施例16 プロテアーゼのPE-変異体の精製
活性アッセイ
Suc-AAPF-pNAアッセイ:
pNA基質:Suc-AAPF-pNA(Bachem L-1400)
温度:室温(25℃)
アッセイバッファ:100mMコハク酸、100mM HEPES、100mM CHES、100mM CABS、1mM CaCl2、150mM KCl、0.01%Triton X-100、pH9.0。
【0546】
20μlのプロテアーゼ(0.01%Triton X-100中に希釈)を100μlのアッセイバッファと混合した。100μlのpNA基質(50mgを1.0ml DMSO中に溶解して、さらに0.01%Triton X-100で45×希釈した)を加えることによってアッセイを開始した。OD405の増大をプロテアーゼ活性の尺度として監視した。
【0547】
配列番号1 PE-変異体の精製
PE-変異体を枯草菌(B.subtilis)内で発現させた。培養ブロスを遠心分離(26000×g、20分)して、上清を沈殿物から慎重にデカントした。上清をNalgene 0.2μm濾過ユニットで濾過して、バチルス(Bacillus)属宿主細胞の残りを除去した。0.2μm濾液を3.0M(NH4)2SO4と1:1で混合して、混合液を、50mM H3BO3、10mM MES/NaOH、2mM CaCl2、1.5M(NH4)2SO4、pH6.0内で平衡化したPhenyl-sepharose FF(high sub)カラム(GE Healthcare製)にアプライした。平衡バッファでカラムを洗浄した後、プロテアーゼを50mM H3BO3、10mM MES、2mM CaCl2、pH6.0で段階溶出(step-elute)した。溶出ピーク(プロテアーゼ活性を有する)を収集して、50mM H3BO3、10mM MES、2mM CaCl2、pH6.0内で平衡化したBacitracinアガロースカラム(Upfront chromatography由来)にアプライした。平衡バッファでカラムを充分に洗浄した後、プロテアーゼを50mM H3BO3、10mM MES、2mM CaCl2、1M NaCl、pH6.0(25%(v/v)2-プロパノール入り)で溶出した。溶出ピーク(プロテアーゼ活性を有する)をG25 sephadexカラム(GE Healthcare製)上の20mM MES、2mM CaCl2、pH6.0に移した。G25に移したピークは、精製された調製物であり、さらなる実験に用いた。
【0548】
精製したPE-変異体プロテアーゼ調製物を非還元SDS-PAGEによって分析して、ゲルをクマシーで染色すると、PE-変異体プロテアーゼは、およそ34~37kDaにおいて主要な支配的バンドとして見られた。
【0549】
実施例17.インビボブロイラー治験
材料及び方法
4つの独立したフロア檻治験及び1つのケージ檻ブロイラー研究を実行して、成長性能及び窒素の見掛けの回腸消化率を評価した。
【0550】
動物及びハウジング
到着日(1日目)にニワトリ(Ross 308/708、Cobb 500)を体重によって18~25羽の群に分けた。各群を、木材の削りくずを散りばめた1つのフロア-檻内に配置して、様々な処理の1つに割り当てた。ケージ檻治験では、1反復あたり5羽を用いた。
【0551】
各処理を8~12群で反復した。ニワトリを、環境的に制御された室内に収容した。室温をニワトリの齢に適合させた。ニワトリに飼料及び水を不断給餌した。
【0552】
飼料の組成、処理及び給餌の長さ
給餌相:
・スターター(0~14)
・グローワー(14~28日)
・フィニッシャー(28~35日)
酵素補充した実験食餌:0~35日
飼料分配:ペレット化後又はマッシュ
酵素を液体形態で提供して、ペレット化後又はマッシュ上に塗布した。
生成溶液の最終容量:約200kg食餌について300~500ml。
【0553】
実験食餌(スターター及びグローワー)は、トウモロコシ-ダイズミールに基づいた(以下の表を参照されたい)。食餌を、215~220gの粗タンパク質並びにスターター期間について12.9MJ/kg MEN、グローワー期間について190~195gの粗タンパク質及び13.4MJ/kg MENを含有するように配合した。基礎食餌は、現地の慣行に従って抗コクシジウム剤を含有した。
【0554】
【0555】
以下を補充しない(陰性対照、C)又は補充した食餌を与えた。
1.配列番号1、1kg飼料あたり10mg酵素タンパク質、又は
2.配列番号2、1kg飼料あたり10mg酵素タンパク質、又は
3.陽性対照中の合成アミノ酸。
【0556】
ペレット化後の塗布について、適切な量のプロテアーゼの液体調製物を水中に希釈して、ペレット化されたそれぞれの飼料上にスプレーして、様々な処理に対応する飼料の最終濃度を得た。また、全処理の手続き的バランスのために、同じ容量の水を対照食餌のペレット上にスプレーした。
【0557】
実験パラメータ及び分析
実験について、1、24、28及び35日目に(反復群として)ニワトリの体重を量った。中間期間中の飼料消費を求めた。体重増加及び飼料転換比(飼料/増加)を算出した。また、回腸内容物を、窒素の見掛けの回腸消化率の判定のために治験の終了後(35日目)に収集した。
【0558】
結果及び結論
研究で得られた結果は、プロテアーゼの包含が、食餌を与えたブロイラーの飼料転換比の向上に有効であることを示した。特に、結果は、酵素処理が、本発明の試験した全ての酵素の全体にわたって一貫して性能を向上させることを示した。この一貫性及び向上レベルは、業界において求められているものである。
【配列表】