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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】ケージホルダ
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/46 20060101AFI20240705BHJP
   A61F 2/44 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
A61F2/46
A61F2/44
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020543280
(86)(22)【出願日】2019-02-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 IB2019051520
(87)【国際公開番号】W WO2019162924
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2022-02-08
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2018/051188
(32)【優先日】2018-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IB
(73)【特許権者】
【識別番号】515314867
【氏名又は名称】ネオ・メディカル・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ベイヤー, モーテン
【審査官】寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/088521(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2015/0045892(US,A1)
【文献】特表2016-511082(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0238327(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0319995(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0000627(US,A1)
【文献】特表2014-512883(JP,A)
【文献】特表2010-524642(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/44、2/46
A61B 17/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊椎ケージホルダ(1)において、
近位端部(5)および遠位端部(7)を備える細長い本体(3)であって、前記近位端部(5)から前記遠位端部(7)に伸び、ハンドル(8A)を含む、細長い本体(3)と、
前記脊椎ケージホルダ(1)の中核を通って、前記細長い本体(3)を通って機械的エネルギを導くために、前記脊椎ケージホルダ(1)の近位端部(11)から遠位端部(15)まで機械的エネルギを移動させる為の手段(9)であって、前記細長い本体(3)によって少なくとも部分的に囲まれている、手段(9)と、
を含み、
機械的エネルギを移動させる為の手段(9)は、前記脊椎ケージホルダ(1)の前記中核を通って、前記脊椎ケージホルダ(1)の前記近位端部(11)の外側末端から前記脊椎ケージホルダ(1)の前記遠位端部(15)の外側末端まで延びる前記脊椎ケージホルダ(1)の縦方向(L)でエネルギを移動させるように構成され、前記機械的エネルギを移動させる為の手段(9)は、チューブ(9)と細長いシャフト(19)とを含み、前記チューブ(9)は、前記脊椎ケージホルダ(1)の前記近位端部(11)から、頸椎ケージが取り付けられる前記脊椎ケージホルダ(1)の前記遠位端部(15)まで伸び、前記細長いシャフト(19)は、前記チューブ(9)の内側および前記細長い本体(3)の内側に取り外せるように保持され、前記細長い本体(3)の前記近位端部(5)まで伸び、前記細長いシャフト(19)は、脊椎ケージに取り付ける為の遠位端部と、前記細長いシャフト(19)の近位端部で前記細長いシャフト(19)に取り付けられるノブ(21)とを有し、前記ノブ(21)に力が機械的エネルギの為に加えられ、
前記細長いシャフト(19)は、エネルギの効率的な移動のため、前記チューブ(9)の中にぴったりと適合するように前記チューブ(9)に対して相補的形状を有し、前記細長いシャフト(19)が中実ロッドの細長いシャフトである、脊椎ケージホルダ(1)。
【請求項2】
エネルギを移動させる為の手段(9)は、前記ケージホルダ(1)の近位端部(11)から前記ケージホルダ(1)の遠位端部(15)まで、前記ケージホルダ(1)の縦方向で、前記ケージホルダ(1)を通って、エネルギを移動させるように構成され、エネルギを移動させる為の手段(9)は、前記ケージホルダ(1)の前記近位端部(11)の外側末端から、前記ケージホルダ(1)の前記遠位端部(15)の外側末端まで、前記ケージホルダの縦方向で、前記ケージホルダ(1)を通って、エネルギを移動させるように構成される、請求項1に記載の脊椎ケージホルダ(1)。
【請求項3】
エネルギを移動させる為の手段(9)は、遠位端部(15)にあるケージ保持又はケージ取付け手段を含む、請求項1~2のいずれか一項に記載の脊椎ケージホルダ(1)。
【請求項4】
前記チューブ(9)は、前記細長い本体(3)より高い剛性または低い可撓性を有する、請求項1に記載の脊椎ケージホルダ(1)。
【請求項5】
前記チューブ(9)は、前記ケージホルダの前記近位端部(11)から前記ケージホルダ(1)の前記遠位端部(15)まで伸びる、請求項1~4のいずれか一項に記載の脊椎ケージホルダ(1)。
【請求項6】
前記チューブ(9)は、前記ケージホルダの前記近位端部(11)の外側末端から前記ケージホルダの前記遠位端部(15)の外側末端まで伸びる、請求項5に記載の脊椎ケージホルダ(1)。
【請求項7】
前記細長い本体(3)は、通路を区切り、前記通路の中には、チューブ(9)が置かれ、更に/又は、保持されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の脊椎ケージホルダ(1)。
【請求項8】
前記通路は、前記細長い本体(3)の前記近位端部(5)の外側末端から前記細長い本体(3)の前記遠位端部(7)の外側末端に伸びている、請求項7に記載の脊椎ケージホルダ(1)。
【請求項9】
前記チューブ(9)は、中空管である、または、中空管を画成する、請求項1~8のいずれか一項に記載の脊椎ケージホルダ(1)。
【請求項10】
前記チューブ(9)は、第1材料を備え、又は、前記第1材料から成り、前記細長い本体(3)は、前記第1材料とは異なる第2材料を備え、又は、前記第2材料から成り、前記第1材料は、前記第2材料より高い材料密度を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の脊椎ケージホルダ(1)。
【請求項11】
前記細長いシャフト(19)は、前記ケージホルダの前記近位端部(11)の外側末端から前記ケージホルダの前記遠位端部(15)の外側末端まで、前記ケージホルダ(1)の内部を移動できるように摺動するように構成されている、請求項1に記載の脊椎ケージホルダ(1)。
【請求項12】
前記細長いシャフト(19)は、前記チューブの近位端部の外側末端から前記チューブ(9)の遠位端部(15)の外側末端まで、前記チューブ(9)の内部を移動できるように摺動するように構成されている、請求項1又は11に記載の脊椎ケージホルダ(1)。
【請求項13】
前記細長い本体(3)は可塑物を備え、または、可塑物から成り、前記細長い本体(3)又は前記チューブ(9)を通って前記近位端部(5)から前記遠位端部(7)までエネルギを移動させる為の手段(9)は、金属を備える、または、金属から成る、請求項1~12のいずれか一項に記載の脊椎ケージホルダ(1)。
【請求項14】
細長い前記チューブ(9)の前記遠位端部は、少なくとも1つの突出部を含み、前記突出部は、前記脊椎ケージの対応するソケットと協働する、または、前記ソケットにより受容される、請求項3に記載の脊椎ケージホルダ(1)。
【請求項15】
前記細長いシャフト(19)の前記遠位端部は、前記脊椎ケージと協働するように構成されたネジ付き末端部を含む、請求項1に記載の脊椎ケージホルダ(1)。
【請求項16】
前記チューブ(9)は、前記細長い本体の材料より高い剛性を有する材料からなる、請求項1又は10に記載の脊椎ケージホルダ(1)。
【請求項17】
前記細長い本体(3)は、前記細長い本体(3)の前記近位端部(5)に置かれた前記ハンドル(8A)を含み、前記細長い本体(3)の前記遠位端部(7)に置かれたスリーブ(8B)を含む、請求項16に記載の脊椎ケージホルダ(1)。
【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、ケージホルダに関し、より具体的には、脊椎ケージホルダに関する。この装置は、たとえば、脊椎の2つ以上の椎骨間の脊椎融合の為の使用される脊椎ケージを扱う又は操作する為に使用することができる。
【0002】
【背景】
【0003】
患者の椎骨間に脊椎ケージを挿入または配置している間、しばしば、ケージを椎骨間の所望の位置に押し込む必要があり、そのため、たとえば、脊椎ケージが取り付けられたケージホルダの端部にハンマーで打つことによって加えられる機械的力のような力を必要とする。
【0004】
既知のケージホルダは、脊椎ケージの正しい配置または位置決めを達成するためにケージホルダに加えられる力を繰り返して加える必要があるので、外科的手順を複雑にし、または、外科医または患者が負傷する危険性が高くなる。WO2015162514は、脊椎ケージの一例を開示する。
【0005】
【概要】
【0006】
本発明は、前述した不便を克服するケージホルダを提供することを目的とする。特に、本発明の目的は、そのような力を繰り返して加えることを避け、少なくとも最小限に抑えることである。
【0007】
そのため、本発明は、近位端部および遠位端部を備えた細長い本体であって、細長い本体が近位端部から遠位端部に伸びる、細長い本体と、細長い本体を通って近位端部から遠位端部にエネルギを中央に移動させる手段と、を含むケージホルダである。
【0008】
エネルギを中央に移動させる手段は、細長い本体(3)によって少なくとも部分的に囲まれてもよい。
【0009】
本発明によるケージホルダは、都合の良いことに、ケージホルダを通って近位端部から遠位端部までエネルギを中央に移動させる為の手段を含む。これにより、機械的エネルギがケージホルダの中核を通って導かれ、エネルギの効率的な伝達の為にケージに直接案内されることが可能になるので、力を繰り返して加える必要がなくなり、または、少なくとも力を最小限に抑えられることが保証される。
【0010】
他の有利な特徴は、従属請求項に見出すことができる。
【0011】
本開示の態様によると、エネルギを移動させる手段は、ケージホルダを通って、ケージホルダの縦方向でエネルギを中央に移動させるように構成される。
【0012】
本開示の他の態様によると、エネルギを移動させる為の手段は、ケージホルダの近位端部の外側末端からケージホルダの遠位端部の外側末端にケージホルダの縦方向でケージホルダを通ってエネルギを中央に移動させるように構成されている。
【0013】
本開示の他の態様によると、エネルギを中央に移動させる為の手段は、遠位端部におけるケージ保持またはケージ取付け手段を含む。
【0014】
本開示の態様によると、エネルギを中央に移動させる為の手段は、細長い本T内の近位端部から遠位端部に伸びる部材を含み、この部材は、第1材料を備え、又は、第1材料から成り、細長い本体は、第1材料とは異なる第2材料を備え、又は、第2材料から成る。
【0015】
本開示の態様によると、第1材料は、第2材料より高い材料密度を有する。
【0016】
本開示の他の態様によると、部材は、細長い本体より、高い剛性または低い可撓性を有する。
【0017】
本開示の他の態様によると、エネルギを中央に移動させる手段は、細長い本体の近位端部から遠位端部に伸びるチューブを含む。
【0018】
本開示の他の態様によると、エネルギを中央に移動させる手段は、ケージホルダの近位端部からケージホルダの遠位端部に伸びるチューブを含む。
【0019】
本開示の他の態様によると、ケージホルダの近位端部の外側末端からケージホルダの遠位端部の外末端にチューブが伸びる。
【0020】
本開示の他の態様によると、細長い本体は、チューブが内部に配置および/または保持される通路を区切る。
【0021】
本開示の他の態様によると、通路は、細長い本体の近位端部の外側末端から細長い本体の遠位端部の外側末端に伸びている。
【0022】
本開示の他の態様によると、チューブは中空管であり、又は、中空管を画成し、あるいは、チューブは中空でない、中実管または中実ロッドである。
【0023】
本開示の他の態様によると、チューブの外壁は、ケージホルダの中心縦軸から少なくとも0.1mmの距離に置かれている。
【0024】
本開示の他の態様によると、チューブの外壁は、ケージホルダの中心縦軸から0.5mm~5mmの間の距離に置かれている。
【0025】
本開示の他の態様によると、ケージホルダの中心縦軸は、ケージホルダおよび/または細長い本体の幾何学的中心または対称中心に置かれている。
【0026】
本開示の他の態様によると、細長い本体を通って近位端部から遠位端部にエネルギを中心に移動させる手段は、ケージホルダ内で移動できるように保持された細長いシャフトを更に含む。
【0027】
本開示の他の態様によると、細長いシャフトは、ケージホルダの近位端部の外側末端からケージホルダの遠位端部の外側末端に、ケージホルダ内部を移動できるように摺動するように構成されている。
【0028】
本開示の他の態様によると、細長いシャフトは、チューブによって受容、又は、チューブによって取り外せるように保持されるように構成されている。
【0029】
本開示の他の態様によると、細長いシャフトは、チューブの近位端部の外側末端からチューブの遠位端部の外側末端に、チューブ内部を移動できるように摺動するように構成されている。
【0030】
本開示の他の態様によると、細長いシャフトは、中実ロッドまたは中空のロッド又はシャフトである。
【0031】
本開示の他の態様によると、細長いシャフトは、第1端部にあるノブを含む。
【0032】
本開示の他の態様によると、細長いシャフトは、第2端部にあるケージ保持又はケージ取付け手段を含む。
【0033】
本開示の他の態様によると、ケージホルダの遠位端部は、脊椎ケージを保持又は取り付けるように構成されている。
【0034】
本開示の他の態様によると、細長い本体は、ハンドルを含み、細長い本体の近位端部は、ハンドルの端部に置かれている。
【0035】
本開示の他の態様によると、ケージホルダは、脊椎ケージホルダである。
【0036】
本開示の他の態様によると、エネルギを中心に移動させる手段は、機械的エネルギを移動させるように構成されている。
【0037】
本開示の他の態様によると、前記手段は、細長い本体の近位端部から遠位端部に中心に、更に、細長い本体の全長を通って中心に、エネルギを移動させるように構成されている。
【0038】
本開示の他の態様によると、細長い本体は、可塑物を備え、又は、可塑物から成り、細長い本体を通って近位端部から遠位端部にエネルギを中心に移動させる手段は、金属を備え、又は、金属から成り、さらに/または、チューブは、金属を備え、又は、金属から成る。
【0039】
本開示の他の態様によると、細長いシャフトは、金属を備え、又は、金属から成る。
【0040】
また、本発明は、前述したケージホルダを含む器具のキットに関する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本開示の上記目的、特徴および他の利点は、添付図面と併せて、以下の詳細な説明から最も良く理解されるであろう。図1から図11は、限定されない」本開示の例示的実施形態を示す。
図1図1は、本開示の例示的実施形態によるケージホルダを示す。
図2図2は、中央シャフトが完全に挿入された図1のケージホルダを示す。
図3図3は、本開示のケージホルダの近位端部の図を示す。
図4図4は、中央シャフトが部分的に挿入された図1のケージホルダを示す。
図5図5は、本開示のケージホルダの一端部におけるシャフトおよびノブを示し、存在するシャフトはケージホルダの本体から部分的に取り外されている。
図6A図6Aは、本開示のケージホルダの図5の末端部とは反対側の末端部を示す。
図6B図6Bは、図5のシャフトが完全に挿入された図6Aのシャフトの同一末端部を示す。
図7図7は、脊椎ケージに取り付けられたケージホルダの末端部を示す。図7は、脊椎ケージに取り付けられたケージホルダの末端部を示す。
図8図8は、中央シャフトが存在しない本開示の例示的実施形態によるケージホルダを示す。
図9図9は、図8のケージホルダの(図8のA1-A1に沿った)断面図かつ上面図を示す。
図10図10は、中央シャフトが存在する本開示の例示的実施形態によるケージホルダを示す。
図11図11は、図10のケージホルダの(図10のA-Aに沿った)断面および上面図を示す。 本書において、可能な限り、図に共通する同一要素には、同一の参照番号を使用する。
【実施形態の詳細な説明】
【0042】
本開示による例示的ケージホルダ1は、たとえば、図1および図2に示されている。
【0043】
ケージホルダ1は、細長い本体3を含み、細長い本体3は、近位端部5および遠位端部7を備え、細長い本体3は、近位端部5から遠位端部7に延びている。
【0044】
細長い本体3は、たとえば、可塑物または高分子からできており、又は、これらを備え、又は、これらから成る。細長い本体3は、たとえば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン、ポリスチル、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK),超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)またはポリアリルアミドで作られ、又は、これらを備え、又は、これらから成る。
【0045】
細長い本体3は、たとえば、ハンドル8Aを含んでもよく、細長い本体3の近位端部5は、ハンドル8の端部に置かれる。また、細長い本体3は、たとえば、スリーブ8Bを含んでもよい。
【0046】
ケージホルダ1は、近位端部5から遠位端部7に中心に、更に、細長い本体の全長を通って中心に、エネルギを移動させる為の手段を更に含む。エネルギを移動させる手段9は、ケージホルダの縦方向において、ケージホルダ1を通ってエネルギを中心に移動させるように構成される。エネルギを移動させる手段9は、ケージホルダ1の縦軸L(図1を参照)において、ケージホルダ1の近位端部11からケージホルダ1の遠位端部15に、ケージホルダを通ってエネルギを中心に移動させるように構成されている。縦方向Lは、細長い本体3の長さ又は拡張部に沿って、または、細長い本体3の長さまたは拡張部に対して平行に続く方向に伸びている。
【0047】
エネルギを移動させる為の手段9は、たとえば、細長い本体3によって、部分的に又は完全に囲まれる。
【0048】
エネルギを移動させる為の手段9は、ケージホルダ1の近位端部11の外側末端からケージホルダ1の遠位端部15の外側末端に、縦方向Lで、ケージホルダ1を通って、エネルギを中心に移動させるように構成されている。その結果、このエネルギ又は力は、ケージホルダ1の末端に置かれ又は取り付けられるときの脊椎ケージに効率良く移動され、脊椎骨間の所望の位置にケージの簡単な挿入が可能になる。
【0049】
ケージホルダ1の遠位端部15は、脊椎ケージを保持または取り付けるように構成されている。
【0050】
エネルギを中心に移動させる為の手段9は、遠位端部(特に、図6を参照)において、ケージホルダ、または、ケージ保持手段、またはケージ取付け手段17を含む。ケージ保持手段またはケージ取付け手段17は、たとえば、一つ又は複数の突出部を含んでもよく、一つ又は複数の突出部は、ケージの対応するソケット(たとえば、図7に示されるような、たとえば、脊椎ケージ)と協働し、または、これによって受容されるように構成される。ケージは、たとえば、この突出部をケージのソケットに摺動または挿入させることによって取付け可能である。
【0051】
この手段9は、コアまたは中心部材であり、又は、これを含むことができ、このコアまたは中心部材は、ケージホルダ内で中心に置かれ、ケージホルダ1の近位端部11から遠位端部15に伸びている。コア又は中心部材は、ケージホルダ1の近位端部11から遠位端部15に、ケージホルダ1のコア内で、エネルギを中心に移動または案内するように構成されている。近位端部11に加えられた機械的エネルギは、ケージホルダのコアを通って、近位端部に導かれる。装置の中心でない区域におけるエネルギの分散または喪失が避けられ、最適量のエネルギがケージに移動可能である。
【0052】
エネルギを中心に移動させる為の手段9は、細長い本体3の近位端部5から遠位端部7に伸びる部材9を含む。この部材9は、第1材料を備え、又は、第1材料から成り、細長い本体3は、第2材料を備え、又は、第2材料から成り、好ましい実施形態において、第2材料は第1材料とは異なる。あるいは、第1材料と第2材料は、同一の材料でもよい。
【0053】
第1材料は、たとえば、第2材料より、高い材料密度を有してもよい。代替または追加で、この部材9は、細長い本体3より高い剛性または低い可撓性を有してもよい。
【0054】
部材9または中心にエネルギを移動させる為の手段9(またはコア又は中心部材)は、たとえば、チューブ9を含み、又は、チューブ9である。チューブ9は、たとえば、細長い本体3によって部分的または完全に囲まれる。
【0055】
チューブ9は、細長い本体3の近位端部5から遠位端部7に伸び、本体3の遠位端部を超えて伸びてもよい。
【0056】
チューブ9は、ケージホルダ1の近位端部11からケージホルダ1の遠位端部15に伸びてもよい。チューブ9は、ケージホルダ1の近位端部11の外側末端からケージホルダ1の遠位端部15の外側末端に伸びてもよい。
【0057】
細長い本体3は、通路を区切り、この通路の中には、チューブが置かれ、更に/又は、保持されている(たとえば、図3を参照)。通路は、細長い本体3の近位端部5の外側末端から細長い本体3の遠位端部7の外側末端に伸びている。
【0058】
チューブ9は、中空管を画成してもよい。あるいは、チューブは、中空でない中実管または中実ロッドでもよい。
【0059】
チューブ9は、たとえば、金属管でもよい。チューブ9は、ステンレス鋼、チタン、タンタル、プラチナ、パラジウム又はアルミニウムで作られ、または、ステンレス鋼、チタン、タンタル、プラチナ、パラジウム又はアルミニウムを備え、また、ステンレス鋼、チタン、タンタル、プラチナ、パラジウム又はアルミニウムから成る。
【0060】
チューブ9は、部分的に不連続でもよいが、近位端部から遠位端部へと効率的にエネルギを移動させる為に連続して伸びることができる。
【0061】
チューブ9は、好ましくは円筒であるが、他の形状を有してもよい。
【0062】
チューブ9は、好ましくは、ケージホルダ1の中心縦軸Lの近くに置かれる。
【0063】
チューブ9は、たとえば、ケージホルダ1の中心縦軸Lを囲み、あるいは、中心縦軸Lは、チューブを通って縦方向に伸びる。
【0064】
チューブの外壁は、たとえば、ケージホルダ1の中心縦軸Lから少なくとも0.1mmの距離に置かれる。
【0065】
チューブの外壁は、たとえば、ケージホルダ1の中心縦軸Lから0.1mm~5mmの距離に置かれる。
【0066】
ケージホルダ1の中心縦軸Lは、たとえば、ケージホルダ1および/または細長い本体3の幾何学的中心または対称中心に置かれる。
【0067】
チューブ9の外壁は、細長い本体3内で通路を画成する細長い本体3の壁と直接接触する。
【0068】
中心にエネルギを移動させる為の手段9は、ケージホルダ1に取り外せるように保持された細長いシャフト19を更に含む。細長いシャフト19は、ケージホルダの近位端部11の外側末端からケージホルダの遠位端部15の外側末端に、ケージホルダ内部で移動可能に摺動するように構成されている。
【0069】
そのため、ケージホルダ1は、細長いシャフト19または細長い中心シャフト19(たとえば、図4を参照)を更に含むことができ、これらのシャフト19は、エネルギを中心に移動させる為の手段、たとえば、部材またはチューブ9によって受容されるように構成されている。そのような場合、チューブ9は中空である。
【0070】
細長いシャフト19は、チューブ(9)によって受容され、チューブ9によって取り外せるように保持されるように構成される。細長いシャフト19は、チューブ9の近位端部の外側末端からチューブ9の遠位端部の外側末端に、チューブ9内部を移動可能に摺動するように構成されている。
【0071】
細長いシャフト19は、たとえば、中実ロッドまたは中空シャフトでもよい。シャフト19は、たとえば、ステンレス鋼またはチタンまたはタンタルまたはプラチナまたはパラジウムまたはアルミニウムで作られ、或いは、たとえば、ステンレス鋼またはチタンまたはタンタルまたはプラチナまたはパラジウムまたはアルミニウムを備え、或いは、たとえば、ステンレス鋼またはチタンまたはタンタルまたはプラチナまたはパラジウムまたはアルミニウムから成る。
【0072】
細長いシャフトは、エネルギの効率的な移動のため、中にぴったりと適合するように、たとえば、上記手段(チューブ)9に対して相補的形状を有する。
【0073】
細長いシャフト19は、第1端部に、ノブ21を含んでもよい。細長いシャフト19は、第2端部に、ケージ保持手段またはケージ取付け手段23を含んでもよい。第2端部は、第1端部の反対側にある。
【0074】
ケージ保持手段又はケージ取付け手段23は、たとえば、ネジ付き末端部または突出部を含むことができ、これは、ケージの対応したソケットまたはネジ付きソケット(たとえば、図7の左側に示されるようなケージ)と協働し、あるいは、それらによって受容されるように構成されている。
【0075】
力は、たとえば、ノブ21を経てシャフト19に加えられ、エネルギは、シャフト19およびチューブ9の両方を経てケージホルダ1の近位端部から遠位端部に移動されてもよい。そのため、中心にエネルギを移動させる為の手段は、シャフト9を追加で含んでもよい。
【0076】
ケージホルダは、器具キットの一部でもよい。
【0077】
本発明は、一定の好ましい実施形態を参照して開示されているが、本発明の領域および範囲から逸脱することなく、説明された実施形態およびその均等物に対する多数の変形、改変、変更が可能である。説明された実施形態の一つの特徴は、説明された実施形態の他の実施形態に含まれてもよい。したがって、本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲の文言に従った最も広い合理的な解釈が与えられることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6b
図7
図8
図9
図10
図11