(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】開放可能な上部構造
(51)【国際特許分類】
B60J 7/12 20060101AFI20240705BHJP
E05F 15/605 20150101ALI20240705BHJP
F16H 19/02 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
B60J7/12 M
B60J7/12 K
E05F15/605
F16H19/02 D
(21)【出願番号】P 2021510038
(86)(22)【出願日】2019-08-20
(86)【国際出願番号】 DE2019100752
(87)【国際公開番号】W WO2020038531
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2022-08-19
(31)【優先権主張番号】202018104786.8
(32)【優先日】2018-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】521070854
【氏名又は名称】ユーロピーアン トレーラー システムズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リューカース、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】レンメル、ロジャー
【審査官】池田 晃一
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-186734(JP,A)
【文献】特開2015-001237(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0259652(US,A1)
【文献】仏国特許出願公開第02505904(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60J 7/12
E05F 15/00 - 15/79
F16H 7/00 - 7/24
F16H 19/00 ; 37/16 ; 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走式トラック、トラック、セミトレーラー、トレーラー、コンテナ、ダンプトラック、鉄道貨車、建物などの下部構造(14)のための開放可能な上部構造であって、
折り畳み可能なトップフレーム(16)、
前記トップフレーム(16)に接続され得るカバー(12)と、
前記トップフレーム(16)を折り畳みおよび/または展開するための駆動部(70)と、
を含み、
前記駆動部(70)は、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素(71)を動かし、
少なくとも引張抵抗性である前記少なくとも1つの張力要素(71)は、前記トップフレーム(16)の遠位キャリッジ(32’)に結合され得、前記遠位キャリッジ(32’)を前記駆動部(70)の作動方向の関数として前方および/または後方に動かし、
前記駆動部(70)は、駆動される第1の回転体(73)を含み、
前記駆動部(70)が第2の回転体(74)を含み、
前記第1の回転体(73)および前記第2の回転体(74)が互いに隣接して配置され、駆動装置(75)を形成し、
少なくとも引張抵抗性である前記少なくとも1つの張力要素(71)が、前記第1の回転体(73)および前記第2の回転体(74)の周りに、交互に部分的に数回巻かれ、
前記第1の回転体(73)および/または前記第2の回転体(74)が、少なくとも引張抵抗性である前記張力要素(71)の長さを調整するために相互に可変の距離を有することを特徴とする、開放可能な上部構造。
【請求項2】
少なくとも引張抵抗性である前記少なくとも1つの張力要素(71)が前記駆動装置(75)の周りに少なくとも3回巻かれることを特徴とする、請求項1に記載の開放可能な上部構造。
【請求項3】
前記第2の回転体(74)が、少なくとも引張抵抗性である前記少なくとも1つの張力要素(71)によって駆動され、前記第1の回転体(73)が前記駆動部(70)のモータ(72)による回転に設定され得ることを特徴とする、請求項2に記載の開放可能な上部構造。
【請求項4】
前記第1の回転体がシリンダ(73)として設計され、少なくとも引張抵抗性である前記少なくとも1つの張力要素(71)がガイドされる円周方の向溝(73b)を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の開放可能な上部構造。
【請求項5】
前記第1の回転体(73)および前記第2の回転体(74)が平行軸(730;740)を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の開放可能な上部構造。
【請求項6】
前記第1の回転体(73)と前記第2の回転体(74)との間に、前記第1の回転体(73)から離れる方向に前記第2の回転体(74)に作用するばね部材が配置され、少なくとも引張抵抗性である前記少なくとも1つの張力要素(71)の張力が達成されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の開放可能な上部構造。
【請求項7】
前記少なくとも第2の回転体(74)が、複数の独立して回転可能な円盤状のシリンダセクション(174)を含み、前記円盤状のシリンダセクション(174)が、少なくとも引張抵抗性である前記少なくとも1つの張力要素(71)によって約180°で1回巻かれていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の開放可能な上部構造。
【請求項8】
動力が前記第1の回転体(73)から少なくとも引張抵抗性である前記少なくとも1つの張力要素(71)に摩擦によって伝達されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の開放可能な上部構造。
【請求項9】
前記第1の回転体(73)の一部に対して前進することができるロックピン(80a)が設けられ、
前記ロックピン(80a)は、前記第1の回転体(73)を回転に対して固定し、したがって、前記駆動部(70)が駆動されていない場合であっても前記キャリッジ(32’)を阻止すること
を特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の開放可能な上部構造。
【請求項10】
前記ロックピン(80a)が前進位置と格納位置との間で電磁的に作動され得ることを特徴とする、請求項9に記載の開放可能な上部構造。
【請求項11】
前記ロックピン(80a)が、ばね要素によって前記前進位置にロードされ、前記ロックピン(80a)が、前記ばね要素の負荷に抗して、リフト装置(80)によって前記前進位置から格納可能であることを特徴とする、請求項10に記載の開放可能な上部構造。
【請求項12】
前記ロックピン(80a)が前記駆動部(70)の駆動された第1の回転体(73)を阻止し、前記ロックピン(80a)が前記第1の回転体(73)の凹部(73e)に前進することができることを特徴とする、請求項9から11のいずれか一項に記載の開放可能な上部構造。
【請求項13】
前記第1の回転体が、第1のシリンダ(73)として設計され、一端側に複数の穴(73e)を有する円盤セクション(73d)を有し、前記ロックピン(80a)が前記穴(73e)の各々の中に前進することができ、前記第1の回転体(73)が、前記ロックピン(80a)が係合している場合に、前記トップフレーム(16)の負荷の下で、または前記駆動部(70)の動力の下で回転するのを防止されることを特徴とする、請求項11または12に記載の開放可能な上部構造。
【請求項14】
前記ロックピン(80a)を解放するために、前記駆動部(70)を意図した変位方向に反して最初に移動させることができ、それによって前記ロックピン(80a)を少なくとも一時的に解放して、前記ロックピン(80a)を格納できるようにすることを特徴とする、請求項9から13のいずれか一項に記載の開放可能な上部構造。
【請求項15】
水平面に対する前記上部構造(10)および/または前記下部構造(14)の傾斜を検出し、前記傾斜が限界値を超える場合には前記駆動部(70)を阻止するセンサ構成(91)が設けられることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の開放可能な上部構造。
【請求項16】
前記駆動部(70)が制御部(99)を含み、前記センサ構成(91)が前記制御部(99)に接続され、前記制御部(99)が、前記下部構造(14)の前記傾斜の関数として前記駆動部(70)の最大消費電力のデータを格納し、消費電力が予め設定された最大値を超えた場合に前記駆動部(70)の機能が停止され得ることを特徴とする、請求項15に記載の開放可能な上部構造。
【請求項17】
前記下部構造(14)がダンプトラックとして設計されている場合、前記駆動部(70)の制御部(99)が、
前記ダンプトラックの負荷の放出角度位置に対応する、前記センサ構成(91)によって検出された許容されない角度位置に達する前に、前記キャリッジ(32’)を格納位置に変位させることを特徴とする、請求項15または16に記載の開放可能な上部構造。
【請求項18】
通常動作における前記駆動部(70)の消費電力を制限する、前記駆動部(70)の消費電流の第1のしきい値が提供され、
作業ピークに対処するために、前記第1のしきい値を超える前記駆動部(70)の消費電力が第1の期間の間許容されること
を特徴とする、請求項1から17のいずれか一項に記載の開放可能な上部構造。
【請求項19】
前記消費電流の前記第1のしきい値が、前記駆動部(70)のモータ(72)の定格電流に対応し、前記第1の期間が0.0001秒から10秒の間であり、前記第1のしきい値を超える消費電力が許容される2つの連続する第1の期間の間に、前記駆動部(70)の前記消費電力が通常動作において制限される最小時間間隔が設けられ、前記最小時間間隔が少なくとも前記第1の期間と同じ長さであることを特徴とする、請求項18に記載の開放可能な上部構造。
【請求項20】
ターポリンとして構成された前記カバー(12)用の折り畳み装置(36)を持ち上げることによって、または開放運動を開始することによって、またはボウを旋回させることによって前記作業ピークに到達することを特徴とする、請求項18または19に記載の開放可能な上部構造。
【請求項21】
前記駆動部(70)の制御部(99)が、前記駆動部(70)の予想される消費電力を決定し、前記張力要素(71)の駆動速度を、前記消費電力の関数として前記第1のしきい値および前記第1の期間のパラメータに動的に設定することを特徴とする、請求項18から20のいずれか一項に記載の開放可能な上部構造。
【請求項22】
少なくとも引張抵抗性である前記少なくとも1つの張力要素(71)が、エンドレスの閉じた張力要素(71)として設計されており、少なくとも引張抵抗性である前記少なくとも1つの張力要素(71)が、支柱(34)に接続された少なくとも1つの遠位キャリッジ(32’)に接続されており、前記折り畳み式トップフレーム(16)を少なくとも一方の側で駆動し、少なくとも引張抵抗性である前記少なくとも1つの張力要素(71)が、前記接続された1つまたは複数のキャリッジ(32’)をそれらの位置に固定することを特徴とする、請求項1から21のいずれか一項に記載の開放可能な上部構造。
【請求項23】
前記駆動部が制御部(99)に割り当てられ、
前記制御部(99)は、前記駆動部(70)が駆動されない場合であっても前記キャリッジ(32’)を阻止するために、前記キャリッジ(32’)の一時的ではない停止位置に到達したときに、前記駆動部(70)の回転可能部分(73)に対してロックピン(80a)を係合させ、
前記制御部(99)は、前記ロックピン(80a)の係合を解除し、前記キャリッジ(32’)の変位の解放を可能にするために、前記キャリッジ(32’)が変位方向に駆動される前に、前記キャリッジ(32’)の所望の変位方向に逆らって前記キャリッジ(32’)を駆動させることを特徴とする、請求項1から22のいずれか一項に記載の開放可能な上部構造。
【請求項24】
前記駆動部が制御部(99)に割り当てられ、
前記制御部(99)は、前記キャリッジ(32’)を変位させるために、前記駆動部(70)の消費電力に対する第1のしきい値を下回る電力で前記キャリッジ(32’)を駆動させ、
前記制御部(99)は、前記カバー(12)の押し開きによって作業ピークが要求される場合に前記キャリッジ(32’)を変位させるために、前記駆動部(70)の消費電力に対する前記第1のしきい値を超える電力で第1の期間の間前記キャリッジ(32’)を駆動させることを特徴とする、請求項1から23のいずれか一項に記載の開放可能な上部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自走式自動車、トラック、セミトレーラー、トレーラー、コンテナ、ダンプトラック、鉄道貨車、建築物などの下部構造のための開放可能な上部構造、例えばターポリン上部構造に関し、上部構造は、折り畳み可能なトップフレームと、トップフレームに接続可能なカバー、特にターポリンと、トップフレームを折り畳むおよび/または展開するための駆動部と、を含み、駆動部は、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素に動作を行わせ、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素は、トップフレームの遠位キャリッジに結合することができ、駆動部の作動方向の関数としてキャリッジを前方および/または後方に動かす。
【背景技術】
【0002】
実際には、トップフレームを折り畳むまたは展開することができる駆動部を有する下部構造のためのターポリン上部構造が公知であり、駆動部は、ロープまたはワイヤとして設計された少なくとも引張抵抗性である張力要素を介して、トップフレームの1つまたは複数のキャリッジに動きを伝達する。駆動部の動力は通常、張力要素を引っ張るモータによってキャリッジに伝達され、モータは、発生する大きな力により、下部構造の領域で独自のエネルギー供給に接続される。ここでの欠点は、エネルギー供給のためのスペースが失われ、エネルギー供給も定期的に再充電する必要があることである。さらに、ダンプトラックを傾けたときにトップフレームの可動部分を開いた位置に保持するために駆動部の動力も必要になるため、比較的大きな負荷に対応するように駆動部を設計する必要がある。その結果、エネルギー消費量が多くなり、電力ネットワークを流れる電流が非常に高くなるため、対応する電力消費量が保証されなくなる。特に、下部構造が平らな面ではなく、丘の上、または歩道の片側とある角度にある場合には、公知の駆動部は信頼性が高く機能しなくなる。公知の駆動部は、トップフレームの可動部分が全体として開かれ、キャリッジの最後のセクションが対応する抵抗に逆らって移動する必要がある場合に、特にエネルギーを消費する。最後に、公知の駆動部は、例えばターポリン折り畳み補助具を折り畳むときに発生する負荷のピークを確実に克服するのに十分な柔軟性がない。
【0003】
国際公開第9633882A1号は、複数のフープを備えた折り畳み可能なトップフレームを含み、ターポリンの形態のカバーを接続することができる下部構造の開放可能な上部構造を示し、手動駆動により、単一のプルロープが引張要素として動く。少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素は、エンドレスケーブルとして設計され、フープの2つの遠位端部分に結合され、それぞれは、U字形ガイド内で前後に移動することができ、カップリングは、対応するクリートを介してケーブルの遠位端部分を局所的に固定する。対応する遠位フープは、駆動部の作動方向の関数として前方および/または後方に移動し、ケーブルのエンドレス設計により、ローラの滑りによってフープが傾くことはない。ここでの駆動部は、クランクにしっかりと接続され、それに応じて一方向または他の方向に駆動することができる駆動ローラを含む。
【0004】
米国特許第3964781A号は、下部構造を上方に区切る剛性フレーム上で変位可能な折り畳み式ターポリンを含む、下部構造のための開放可能な上部構造を記載しており、ターポリンに接続されているエンドレスケーブルが各長手方向側に設けられ、下部構造の前部領域には、ケーブルが回転するローラに結合された電動または手動で駆動されるシャフトが設けられている。ケーブルは、前部ローラの上に1.5回、後部偏向ローラの周りに180°回して配置される。両側の前部ローラは、それぞれシャフトの延長として設けられる。公知の上部構造の欠点は、トップフレームを折り畳むことができず、下部構造の2つの長辺にある2つの駆動ケーブルが相互に独立して連続的にエンドレスであるということであり、そのために、抵抗や滑りが発生した場合に2つの駆動ケーブルが同期して動作しなくなり、それに応じてターポリンが傾いたり裂けたりする。キャリッジを介さずにターポリンをケーブルに直接接続しているため、ターポリンは上がらず、制御できない方法で折り畳まれている。
【0005】
独国特許出願公開第10224157A1号は、平行ガイドに沿って移動できる乗用車のスライド式ルーフのカバーについて記載しており、出力シャフトを備えた電動モータ駆動部が下部巻取ローラと上部巻取ローラを同時に駆動し、カバーの駆動部に結合された駆動ケーブルとして設計された張力要素を用いて、一端は下部巻取ドラムに数回巻かれ、他端は上部巻取ドラムに数回巻かれ、駆動ケーブルは、さらなる偏向ローラの上をガイドされる。この目的のために、駆動ケーブルの端はそれぞれの巻取ドラムに取り付けられている。下部巻取ドラムと上部巻取ドラムの間に軸方向に配置され、駆動ケーブルに数回巻き付けられている中間巻取ドラムは、自由に回転可能であり、駆動ケーブルが動くことによって下部巻取ドラムと上部巻取ドラムの巻取運動に追従する。最終的に、一方の巻取ドラムはカバーを一方向に引っ張るために使用され、もう一方の巻取ドラムはカバーをもう一方の方向に引っ張るために使用される。
【0006】
独国特許出願公開第1225976A号は、ベアリングジャーナルを中心に回転でき、ケーブルドラムを動かすためにハンドクランクを受け取るためのピニオンを通るシャフトジャーナルで設計された歯付きリングを備えたケーブルドラムについて記載している。合計2本の牽引ケーブルがそれらの端でケーブルドラムに接続され、ケーブルドラムが回転したときに牽引ケーブルの両端を収容する4つのケーブル溝がケーブルドラムの周囲に設けられている。ケーブルドラムは、自動車のスライド式ルーフを動かすために使用され、ケーブルドラムの最大回転は溝に係合するピンによって制限される。
【0007】
米国特許出願公開第20150188481A1号は、長手方向に走るシャフトに接続された2つのターポリンセクションを含む下部構造の開放可能な上部構造を記載しており、シャフトは、2つのターポリンセクションの共通の巻取りのためにその軸の周りで回転可能であり、さらに、ターポリン上部構造の2つの長手方向側面のうちの1つの方向に変位可能である。軸方向変位および回転運動用に別個のモータが提供され、一方のモータは、ターポリンセクションを区切るロッドの一端にそれぞれ結合された2つの張力要素上でドラムを駆動する。ここでは、現在の電力の持続時間と同様に、モータによって供給された電力が記録され、消費電力のしきい値を超える安全期間が発生すると、電力供給が中断される。
【0008】
独国特許出願公開第102008022870B3号は、乗用車の車両ウィングの電気機械式二次駆動部に欠陥があるかどうかを検出するための装置について記載している。この目的のために、温度と傾斜角の関数としての電動一次駆動部の制限電流として計算されるしきい値が計算され、評価ユニットは電動一次駆動部の消費電力を記録し、しきい値を超えた場合には二次駆動部に欠陥があると認識する。
【0009】
独国特許出願公開第102017111138A1号は、回転可能なローディングフラップを備えた乗用車を記載しており、モータを備えたアクチュエータがローディングフラップを開位置と閉位置の間で駆動する。周囲温度、向き、および方向に応じて、エネルギーの最も好ましい閉鎖力を指定する制御が提供される。
【0010】
独国特許出願公開第102012106804A1号は、車両のスライド式ルーフ用の作動装置について記載しており、可動カバーと可動サンバイザーの両方を1つのモータで操作することができ、この目的のために、歯車が電磁的に動作するロックピンを係合することができる遊星歯車が設けられる。
【0011】
米国特許第420174A号は、スイミングプールの開放可能なカバーについて記載しており、ターポリンをスイミングプールの一方の端側に配置されたローラに巻き上げて、ここから再び広げることができる。ターポリンの端には、保持フープが組み込まれており、保持フープは、両端が円周方向の張力要素に接続されており、シャフトに取り付けられた回転可能なディスクを備えたプーリーを介してガイドされる。両方のプーリーを駆動するシャフトは、ベルトを介してモータによって駆動されるカップリングに結合され、別のカップリングはターポリンを巻き上げるシャフトを駆動する。ターポリンが完全に開いているか完全に閉じているかを示すために、磁気スイッチが設けられる。公知の装置の不利な点は、2つの側面の一方での滑りまたは遊びの結果として傾斜が発生する可能性があるという事実である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】国際公開第9633882A1号
【文献】米国特許第3964781A号明細書
【文献】独国特許出願公開第10224157A1号明細書
【文献】独国特許出願公開第1225976A号明細書
【文献】米国特許出願公開第20150188481A1号明細書
【文献】独国特許出願公開第102008022870B3号明細書
【文献】独国特許出願公開第102017111138A1号明細書
【文献】独国特許出願公開第102012106804A1号明細書
【文献】米国特許第4203174A号明細書
【発明の概要】
【0013】
本発明の目的は、駆動部によって達成されるトップフレームの折り畳みおよび/または展開を改善する開放可能な上部構造を提供することである。
【0014】
この目的は、独立クレームの特徴を備えた開放可能な上部構造によって本発明に従って達成される。
【0015】
本発明の一態様によれば、自走式トラック、トラック、セミトレーラー、トレーラー、コンテナ、ダンプトラック、鉄道貨車、建物などの下部構造のための開放可能な上部構造が作製され、上部構造は、折り畳み可能なトップフレーム、トップフレーム、特にターポリンに接続することができるカバー、およびトップフレームを折り畳むおよび/または展開するための駆動部を含み、駆動部は少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素を動かし、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素は、トップフレームの遠位キャリッジと結合され得、駆動部の作動方向の関数としてキャリッジを前方および/または後方に動かす。上部構造は、駆動部が駆動される第1の回転体を含み、駆動部が第2の回転体を含み、第1および第2の回転体が互いに隣接して配置されて駆動装置を形成し、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素が、第1のシリンダおよび第2のシリンダから形成される駆動装置の周りに数回巻き付けられるか、または配置されることを特徴とする。これにより、駆動される第1の回転体から少なくとも引張抵抗性を有する少なくとも1つの張力要素に力が伝達されることが有利に保証され、キャリッジが数回前後にシフトされても、少なくとも引張抵抗性を有する少なくとも1つの張力要素が第1の回転体および/または第2の回転体の軸の方向に移動してそこに詰まってしまうことがないようになる。むしろ、駆動される第1の回転体から少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素に伝達される力は、トップフレームのキャリッジに確実に伝達されるので、異なる開口位置に正確かつ再現可能に変位させることができる。駆動装置から少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素への伝達中にスリップがあったとしても、駆動部は全体として比較的低い電力しか消費しないので、別個のエネルギー供給が不要となるように、駆動部を下部構造を運ぶ車両の車両バッテリーの有用な出力に接続することが可能である。
【0016】
引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素が、駆動装置の周り、すなわち、第1の回転体および第2の回転体の周りに数回巻かれることが好都合である。この場合、第1の回転体も第2の回転体も完全に巻き付けられていないが、巻き付けは約180度であるため、いずれの場合も回転体は約半分巻き付けられている。巻き付けの数は、好ましくは2から8の間、より好ましくは3から6の間で選択されるが、駆動装置を4回ラップすることが特に好ましい。
【0017】
第2の回転体は、張力抵抗性である少なくとも1つの張力要素によって好都合に駆動され、第1の回転体は、駆動部によって回転するように設定される。したがって、第2の回転体は、受動的であるか、または少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素によって第1の回転体によって引きずられる。
【0018】
好ましい実施形態によれば、第1の回転体は、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素がガイドされる円周方向の溝を有することが提供される。円周方向の溝、特に円周方向の溝を区切るウェブは、駆動方向に応じて、張力要素が第1の回転体に詰まらないように、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素が軸方向に移動しないことを確実にする。円周方向の溝はそれぞれ、シリンダの軸方向に平行な平面に配置され、張力要素の入口勾配を有することができる。第1の回転体が多かれ少なかれ円錐形の輪郭を有することも可能であり、例えば、円周方向の溝が異なる円周を有する円錐台の輪郭である。しかしながら、好ましくは、円周方向の溝は同じ直径を有し、その結果、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素に作用するモーメントは、すべての溝においてほぼ同じである。これにより、様々な溝での様々なモーメント荷重の結果として、張力要素に不要な張力がかかることが回避される。
【0019】
ラジアルウェブは、好ましくは、隣接する円周方向の溝の間に配置され、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素がそれぞれの円周方向の溝を離れることを防ぐ。駆動装置が駆動される場合、動力伝達の一部は、対応するラジアルウェブ上で少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素をこすることによっても伝達され得る。円周方向の溝内で回転体の軸方向に平行に走るローレットを設けることが可能であり、これは、ある点で少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素への力の伝達を増加させる。
【0020】
それぞれが好ましくは円筒として設計されている第1の回転体および第2の回転体は、好都合には平行な軸を有する。これにより、有利には軸距離を調整することにより、少なくとも引張抵抗性のある少なくとも1つの張力要素の張力を調整することが可能であり、また、温度または集中的な使用によって発生する可能性がある張力要素の伸長または短縮を補償することができる。軸が平行であるため、力は張力要素に特に有利に伝達される。しかしながら、あるいは、例えば、回転体が円錐として設計されている場合、回転体の軸を互いにある角度で配置することも可能である。
【0021】
第1の回転体および/または第2の回転体は、好ましくは、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素の長さを調整するための相互に可変の間隔を有する。これは、回転体がその軸の領域で細長い穴に受け入れられ、他の回転体の方向へのインフィードを可能にするという点で起こり得る。これは、第1の回転体が駆動部によって駆動され、駆動部も変位可能であるように設計されなければならないので、第2の回転体に都合よく設けられる。設定距離によっては、少なくとも1つの引張抵抗性のある少なくとも1つの張力要素のたるみを防ぐことができるので、駆動力が駆動部からキャリッジに伝達されるときに実質的に滑りがない。
【0022】
第2の回転体は、第1の回転体の方向に都合よく変位させることができるので、張力要素の張力を調整することができる。別の方法として、第1の回転体からの距離を変えない方向に第2の回転体を調整することが可能である。
【0023】
有利な発展によれば、ばね部材は、第1の回転体と第2の回転体との間に配置され、第2の回転体またはその軸に第1の回転体またはその軸から離れる方向に作用し、したがって、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素の張力を達成する。このようにして、トップフレームまたは下部構造の領域の変形の結果として荷重がピークに達した場合、または克服しなければならない障害物の場合にばね部材に張力をかけることができるので、安定したシステムが有利に達成され、その結果、システム内の張力要素の張力がわずかに均等化される。障害物が克服されるとすぐに、第2の回転体は、ばね部材のばね定数に基づいて事前設定された第1の回転体からの距離を再び仮定し、張力要素のシステムは再びその初期張力を有する。ばね部材はまた、車両およびトップフレームの駆動および移動を通じて、好ましい方法で振動を減衰させる。
【0024】
有利な実施形態は、少なくとも第2の回転体が複数の独立して回転可能な円盤状のシリンダセクションを含み、各円盤状のシリンダセクションが、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素によって包まれていることを特徴とする。その結果、マルチプーリー方式と同様に、独立して回転する円盤状のシリンダセクションが第1の回転体により個別に駆動され、第2の回転体の回転抵抗が全体的に低減される。円盤状のシリンダセクションは、下部構造の領域で張力要素を偏向させるためにどのような場合でも使用されるので、ローラを偏向させる方法で設計することができる。第2の回転体の軸上で互いに同軸に配置された、少なくとも2つ、好ましくは3つ、4つ、5つ、または6つの円盤状のシリンダセクションが好都合に提供される。しかし、シリンダセクションを複数の軸に取り付けることも可能であるが、取り付けがより複雑になる。
【0025】
第1の回転体から少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素への力の伝達は、好ましくは、摩擦によって、特に第1の回転体の円周上で行われる。しかしながら、回転体の周囲に円周方向の歯のように凹部を装備し、張力要素に歯付きベルトのように突起を装備することも可能であり、その結果、接触領域への確実な適合が力の伝達に影響を与えるようにする。
【0026】
別の有利な実施形態によれば、溝およびウェブは、V字形にすることができ、その結果、それらは、円周に部分的にクランプされた張力要素を輸送し、滑りは実質的に排除される。
【0027】
好ましい実施形態によれば、第1の回転体の回転可能部分に対して前方に押し出すことができるロックピンが設けられており、駆動部の非駆動状態においても、ロックピンが第1の回転体を回転に対して固定し、その結果、キャリッジを阻止することができる。
【0028】
本発明の一態様によれば、自走式トラック、トラック、セミトレーラー、トレーラー、コンテナ、ダンプトラック、鉄道貨車、建物などの下部構造のための開放可能な上部構造が作製され、上部構造は、折り畳み可能なトップフレーム、トップフレーム、特にターポリンに接続することができるカバー、およびトップフレームを折り畳むおよび/または展開するための駆動部を含み、駆動部は少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素を動かし、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素は、トップフレームの遠位キャリッジと結合され得、駆動部の作動方向の関数としてキャリッジを前方および/または後方に動かす。上部構造は、駆動部の回転可能部分に対して前方に押すことができるロックピンが設けられ、ロックピンが駆動部および/または回転に対して少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素を固定し、したがって、駆動部の電源がオフの場合でもキャリッジを阻止することを特徴とする。これは有利なことに、完全に、部分的に、または開かれていないトップフレームを保持するために、高い電力消費および熱発生につながる、駆動部に恒久的に通電する必要がないことを意味する。さらに、これは、許容電力消費量を超えて、開いたトップフレームを下部構造の好ましくない角度位置に保持すること、または発生する風のために駆動していることを効果的に防止する。最後に、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素の外側の開放可能な上部構造の手動のロックおよびロック解除が回避されるので、誤った操作が発生することはない。ロックピンは、駆動部の非通電状態で、ロックピンが前進する駆動部の回転可能部分、特に上記の第1のシリンダなどの回転体の回転が、張力要素のバイアスに対してキャリッジを変位させることができないことを保証する。このようにして、キャリッジは、有利に、張力要素を介して駆動されるだけでなく、ロックもされる。これで、手動で解除する必要のある別個の機械的ロックが不要になる。
【0029】
ロックピンは、前進位置と格納位置との間で好都合に作動させることができ、この目的のために、好ましくは、駆動部の制御によって一方向および/または他の方向に容易にトリガーできる電磁駆動部を有する。
【0030】
駆動部の作動が停止したときにロックピンが自動的に前進する回路または構成を設けることが可能である。あるいは、ロックピンは、手動で、または他の適切な方法で、例えば、空気圧または油圧で前進させることもできる。
【0031】
ロックピンは、駆動される第1の回転体、特に駆動部を適切に阻止し、それが回転するのを防止するので、力が第1の回転体を介して一方または他方の方向にキャリッジに伝達されることがない。このようにして、駆動される回転体のロックが有利に達成され、その結果、第1の回転体が張力要素を含むシステムに導入することができる力が効果的に防止される。あるいは、ロックピンはまた、システムの別の回転体、例えば、前述の第2の回転体またはシリンダ、あるいはシステムの任意の偏向ローラを阻止することができる。しかし、この場合、駆動される回転体が張力要素の下で回転しようとする可能性があるため、トップフレームはわずかにフラッタリングする可能性がある。
【0032】
ロックピンは、好ましくは、ばね要素によって前進位置にロードされる。これは、駆動部の電源を切る必要があるときにロックピンが常に回転可能部分と係合することを有利に保証し、それが回転するのを防ぐ。この目的のために、回転可能部分が、回転可能部分がさらに回転するのを防止するように、ロックピンを押し込むことができる凹部を有することが好ましい。ばね要素をロックピンと結合することは可能であるが、好ましくは、ばね要素は、ばね要素のバイアスに逆らってロックピンを引き戻す電気的に作動可能なリフティング磁石にすでに組み込まれている。
【0033】
ロックピンは、好ましくは、第1の回転体の正面の凹部に前進させることができ、これは、好ましくは、モータとは反対側の回転体の側に設けられる。この目的のために、回転体は、その端面に、ロックピンが侵入することができる複数の凹部を好都合に含み、その結果、対応して多数の個別の保持位置が生じる。回転可能部分が回転しているときでさえ、ロックピンが凹部に侵入するのに十分な機会を与えるために、湾曲した細長い穴として凹部を設けることが可能である。しかしながら、適切には、ロックピンが容易に係合することができるロックピンの外寸と比較してわずかに大きい円筒状ボアが設けられる。
【0034】
凹部へのロックピンの侵入を容易にするために、遠位部に先端を設けたり、侵入やセンタリングに有利な円錐形やドーム形の部分を設けたりすることが可能である。特に、これにより、凹部に侵入するために利用できる期間が長くなる。
【0035】
特に好ましい実施形態によれば、第1のシリンダは、端面に、ロックピンを各穴の中に前進させることができるように設計された複数の穴を備えた円盤セクションを有する。穴は、円盤セクションの軸の周りの一定の半径上に適切に配置され、円盤セクションの回転角に応じて、ロックピンと位置合わせされる。適切には、少なくとも8つ、好ましくは10を超え40未満の穴が円盤セクションに設けられ、そこにロックピンが侵入することができる。
【0036】
駆動部の回転可能部分で同時に前進できるように、特に回転可能部分に作用する力が大きく、いくつかのロックピンによってよりよく吸収できるように、いくつかのロックピンを設けることが可能である。この場合、複数のロックピンが同時に係合する。代替的な実施形態によれば、ロックピンはまた、ロックピンの数に対応するピッチで互いに離間することができ、その結果、キャリッジの保持位置の精度は、ピッチに対応する係数によって改善される。しかしながら、この場合、一方のロックピンのみが回転可能部分に係合することができ、残りのロックピンは、例えば、穴に侵入することができずに、円盤セクションを押す。
【0037】
特に好ましい実施形態によれば、ロックピンが係合されると、第1の回転体は、トップフレームの負荷または駆動部の動力の下で回転することが防止される。これにより、反対方向に作用する力を補償するために駆動部が大量のエネルギーを消費するのを防ぐ。例えば、ロックピンで回転可能部分をロックすることにより、ダンプトラックとして設計された下部構造が中身を傾けるために45度以上の角度位置に移動しても、エネルギーを供給せずに完全に開いたトップフレームをこの位置に保持することができる。風、水や雪などの降水、氷床などの閉じた上部構造に作用する力だけでなく、クレーンによる誤った方向の荷重も、トップフレームを開いた位置に保つための消費電力の増加にはつながらない。
【0038】
あるいは、ロックピンを第1のシリンダの半径方向凹部に前進できるようにすることができる。半径方向の凹部は、複数の穴または凹部を備えた回転体の円周上に設けられた穴パターンであってもよく、ロックピンはまた、回転体の回転を防止する。しかし、ここでの欠点は、回転体の全体の高さが高くなり、張力要素から必要な距離が長くなることである。
【0039】
別の実施形態によれば、ロックピンは、係合方向に付勢された枢動可能な爪の端部に配置され、トップフレームが閉じる方向にずれるのを防止するように、駆動部の回転可能部分の周辺の歯形と協働することが提供される。この爪は、パーキングブレーキの係合爪に対応するように設計できるため、駆動状態では、ばねのバイアスに逆らって上昇するが、キャリッジのキックバックは許可されない。
【0040】
特に好ましい実施形態によれば、ロックピンを解除するためには、駆動部を意図された変位方向に反して移動させるだけでよく、それによってロックピンが少なくとも一時的に解放され、ロックピンを引き戻すことができることが提供される。駆動部のこの構成は、制御部の適切なプログラミングによって簡単に実装でき、これにより、半径方向にロードされたロックピンは、回転可能部分の凹部または穴から簡単に引き出すことができないが、それでも引き抜くことができる。下部構造、上部構造の位置、および対応する部品の荷重に応じて、ロックピンは比較的大きな荷重を吸収することができ、これらの荷重は通常、閉鎖方向に作用するが、例えば、下部構造が傾斜面にある場合には開放方向にも作用し得ることに留意されたい。駆動部が意図された変位方向と反対方向、すなわち開口部が設けられていれば閉鎖方向にのみ移動する場合、および閉鎖が開放方向に意図されている場合には、ロックピンがどの方向に荷重されても、最初の逆回転運動またはその後の主運動のいずれかで十分に長い時間解放され、ロックピンが対応する穴から引き出されることが保証される。回転可能な本体を介してロックピンに伝達される力は、本質的に、ロックピンのラジアルベアリングを介して伝達される。しかし、これは非常に高いため、張力要素を前後にシフトせずにロックピンを駆動するためにロックピンを引っ込めることができないことがよくある。このようにして、ロックピンの変位のための力を小さくし、トップフレームの質量が張力要素を介して回転可能部分に作用することで、ロックピンのロックを可能にすることが、特に有利に可能である。
【0041】
好ましい実施形態によれば、ロックピンが形状適合で回転可能部分を阻止することが提供される。形状適合結合を達成することができる上記の可能性に加えて、さらなる形状適合ロックの可能性が考慮される。
【0042】
さらに有利な実施形態によれば、ロックピンは、摩擦嵌合で回転可能部分を阻止する。これは、例えば、ロックピンの先端が摩擦ライニングを備えた回転可能部分に押し付けられることで行うことができる。この場合、例えば対応するばね部材によって、特定の摩擦力を加える必要がある。次に、ロックピンの駆動は、本質的に、ばね部材の力を克服するのに役立つ。ポジティブロックと摩擦阻止を組み合わせることも可能である。
【0043】
ロックピンは、好都合に電気的に作動可能であり、駆動部の制御部に接続されている。結果として、駆動部の動きがその終わりに達したとき、またはわずかに動き続けるとき、それは有利にすでに前進していてもよい。特に、制御部は、ロックピンが阻止位置に正常に移動するまで駆動部を作動させたままにすることができ、これは対応するセンサによって検出することができる。この目的のために、駆動部はクリープ速度を装備することができ、それはそのより低い駆動速度のために、回転可能部分の凹部に侵入する可能性を容易にする。同時に、ロックピンは信号送信機に適切に接続され得、信号送信機は、一方ではコンバーチブルトップフレームがロックされていることを示し、他方では動力のない駆動部が滑ってトップフレームが損傷するリスクを回避して駆動部をオフにできることを制御部に通知する。
【0044】
本発明の一態様によれば、自走式トラック、トラック、セミトレーラー、トレーラー、コンテナ、ダンプトラック、鉄道貨車、建物などの下部構造のための開放可能な上部構造を開閉するための方法が作成され、上部構造は、折り畳み可能なトップフレーム、トップフレーム、特にターポリンに接続することができるカバー、およびトップフレームを折り畳むおよび/または展開するための駆動部を含み、駆動部は少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素を動かし、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素は、トップフレームの遠位キャリッジと結合され得、駆動部の作動方向の関数としてキャリッジを前方および/または後方に動かす。本方法は、駆動部が駆動されない場合であってもキャリッジを阻止するために、キャリッジの一時的ではない停止位置に到達したときに、駆動部の回転可能部分に対してロックピンを係合させるステップと、ロックピンの係合を解除し、キャリッジの変位を解放することができるように、キャリッジが所望の変位方向に駆動される前に、キャリッジをキャリッジの所望の変位方向の反対に駆動するステップとを特徴とする。本方法は、対応する制御部に好都合に実装することができ、トップフレームの駆動を自動化すると同時に、無動力状態でもトップフレームを開位置に固定することができるため、低消費電力での装備が可能となる。結果として、駆動部は、例えば、車両バッテリーの有用な出力で提供されるような低電力で有利に動作することができ、その結果、駆動部への別個のエネルギー供給を省くことができる。
【0045】
特に好ましい上部構造は、それが上記の方法の実行のために準備され、特に本方法を実行する制御部を有することを特徴とする。これは有利に、駆動およびロックが意味のある順序でロックピンによって実行されることを確実にし、ロックピンの手動ロック解除を回避することを可能にする。
【0046】
特に好ましい発展によれば、上部構造がセンサ構成を有するか、または水平面に対する上部構造および/または下部構造の傾斜を検出し、傾斜が限界値を超える場合に駆動を阻止する下部構造のセンサ構成に接続されることが提供される。
【0047】
本発明の一態様によれば、自走式トラック、トラック、セミトレーラー、トレーラー、コンテナ、ダンプトラック、鉄道貨車、建物などの下部構造のための開放可能な上部構造が作製され、上部構造は、折り畳み可能なトップフレーム、トップフレーム、特にターポリンに接続することができるカバー、およびトップフレームを折り畳むおよび/または展開するための駆動部を含み、駆動部は少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素を動かし、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素は、トップフレームの遠位キャリッジと結合され得、駆動部の作動方向の関数としてキャリッジを前方および/または後方に動かす。上部構造は、水平面に対する上部構造および/または下部構造の傾斜を検出し、傾斜が限界値を超える場合に駆動を阻止するセンサ構成が設けられることを特徴とする。これは、下部構造の傾斜が、提供されたエネルギー源またはその保護を超える消費電力をもたらさない場合にのみ、駆動部が作動されることを有利に保証する。特に、下部構造がキャリッジの変位方向に対して水平に傾斜して配置されている場合には、キャリッジが上り坂、すなわち傾斜に逆らって移動するときの消費電力が非常に高くなるリスクがある。センサ構成は、このような場合に電気システムが過負荷になったり、ヒューズが溶けたりするのを防ぎ、特に必要な変位作業を実行できないようにする。これにより、本体が正しく操作されなくなり、下部構造が操作できなくなる可能性がある。
【0048】
センサ構成はまた、下部構造が移動しているかどうかを好都合に検出し、同時に、下部構造が移動している間にトップフレームが作動するのを防ぐ。これは、例えば気流や他の相対速度から、トップフレームに作用する力を検出することによっても検出できる。
【0049】
センサ構成は、傾斜を決定するように設計されたジャイロスコープを適切に含む。ジャイロスコープは、トップフレームの変位方向とフレーム全体の両方の傾斜値を確実に記録し、それに応じて信頼できる情報を提供する。
【0050】
別の実施形態によれば、センサ構成は、実際の傾斜に加えて、傾斜方向の動きも検出することができる加速度センサを含むことが提供される。加速度センサは、例えば、ダンプトラックとして設計された下部構造の傾斜運動を検出するのにも有利に適している。
【0051】
有利な実施形態によれば、傾斜の限界値は、20パーセント以下、好ましくは15パーセント以下の絶対値、特に10パーセント以下の傾斜の絶対値に対応する。傾斜は一方向でも他方向でもよく、許容消費電力を超えずに傾斜と反対方向に移動できなくなったとしても、トップフレームを傾斜方向に変位させることが可能である。
【0052】
駆動部は、好都合には、制御部を含み、センサ構成は制御部に接続されている。これは、センサ構成によって検出された値が許容範囲内にある場合にのみ駆動部をトリガーする可能性を有利に作り出す。
【0053】
好ましい実施形態によれば、駆動部の最大消費電力のデータは、下部構造の傾斜の関数として制御部に格納され、消費電力の事前設定された最大値を超えると、駆動部の機能を停止し得ることが提供される。このようにして、上部構造および/または下部構造の角度位置または傾斜に応じて、駆動部の機能のいくつかを提供することができ、消費電力の増加につながる有効な力が傾斜の値の関数として制御部に格納される。実際の消費電力を記録し、それに応じて制限値を動的に変化させる自己学習システムと制御部をリンクすることが可能である。
【0054】
好ましい実施形態によれば、制限値を超えた場合、キャリッジは上り坂に移動することが防止され、制限値を超えた場合、キャリッジは下り坂に移動することができる。上記の逆回転初期運動の結果、消費電力が増加する場合があるが、これは時間に制限があるのでヒューズは溶けない。
【0055】
好ましい実施形態によれば、駆動部は、20アンペアのヒューズを備えた車両バッテリーからエネルギーを供給される。これは、サーチライトなどの負荷のために車両バッテリーの出力によって提供される電力に対応する。
【0056】
センサ構成は、キャリッジの変位経路を検出するための手段を好都合に含むので、傾斜が許容範囲内にあるかどうかを計算するときに、まだカバーされていない距離を考慮に入れることができる。
【0057】
下部構造がダンプトラックとして設計されている場合、駆動部の制御により、負荷の放出に対応するセンサ構成によって検出された許容できない角度位置に到達する前に、キャリッジが格納位置にシフトされることが好ましい。これは、ダンプトラックがその転倒位置に到達する少し前にトップフレームが開かれることを有利に保証し、その結果、ダンプトラックに含まれるバルク材料がトップフレームに負荷をかけたり損傷したりしない。
【0058】
上部構造は、好ましくは、キャリッジ用の位置センサを含むセンサ装置を含み、キャリッジが2つの端部位置のうちの一方に達すると、駆動部が停止される。
【0059】
本発明の一態様によれば、自走式トラック、トラック、セミトレーラー、トレーラー、コンテナ、ダンプトラック、鉄道貨車、建物などの下部構造のための開放可能な上部構造が作製され、上部構造は、折り畳み可能なトップフレーム、トップフレーム、特にターポリンに接続することができるカバー、およびトップフレームを折り畳むおよび/または展開するための駆動部を含み、駆動部は少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素を動かし、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素は、トップフレームの遠位キャリッジと結合され得、駆動部の作動方向の関数としてキャリッジを前方および/または後方に動かす。上部構造は、キャリッジの位置センサを含むセンサ装置が提供されていること、およびキャリッジが2つの端部位置のうちの一方に到達すると駆動部が停止することを特徴とする。これは、キャリッジが終了位置に到達したことを検出するために、終了位置に到達したときに増加する抵抗に対して駆動部に負荷をかける必要があることを有利に防止する。むしろ、キャリッジが変位したときの負荷の増加を使用して、障害物または外乱を検出することができる。同時に、位置センサを使用して、必要な電力を供給できるかどうかを判断するために、移動距離と関連する推定移動時間、および関連するエネルギー消費量を推定することができる。
【0060】
位置センサは、好ましくは、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素上に配置された変位変換器の通過を検出することができる。変位エンコーダは、磁石として設計することが好ましいが、別の検出可能な部品にすることもできる。位置センサは、遠位キャリッジの通過を検出できるフィールドセンサとして設計することもできる。変位エンコーダは、遠位キャリッジの領域により適切に配置されるか、または遠位キャリッジの一部であるため、遠位キャリッジの位置は、トップフレームの開状態または閉状態を決定する上で決定的な役割を果たす。
【0061】
別の実施形態によれば、位置センサは、例えばラインカメラまたはマトリクスカメラなどの光学センサとして設計されており、遠位キャリッジまたはそれに接続された変位トランスデューサの通過を検出するか、またはトップフレーム上の遠位キャリッジの位置からトップフレームの開状態を決定する。
【0062】
代替的な実施形態によれば、位置センサが、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素上のマーキングを検出することが提供される。結果として、マーキングが遠位キャリッジからも離れて提供される場合には、位置センサはまた、遠位キャリッジから離れて有利に配置することができる。
【0063】
代替的な実施形態によれば、センサデバイスが駆動部の消費電力を検出し、2つの端部位置のうちの一方へのキャリッジの変位が、駆動部の消費電力の増加の関数として決定されることが提供される。この場合、位置センサは、例えば、駆動部の消費電力を格納された値の曲線と比較できる誘導センサとして設計されている。この場合、ターポリン折り畳み補助具などを折り畳むための駆動部の消費電力も、制御部の制御のメモリに格納することができ、計画外の消費電力を故障状態の典型として記録することができる。
【0064】
好ましくは、駆動部の消費電力に第1のしきい値が設けられており、通常の動作では制限されているが、作業ピークに対応するために、第1の期間中には第1のしきい値を超える駆動部の消費電力が許容される。
【0065】
本発明の一態様によれば、自走式トラック、トラック、セミトレーラー、トレーラー、コンテナ、ダンプトラック、鉄道貨車、建物などの下部構造のための開放可能な上部構造が作製され、上部構造は、折り畳み可能なトップフレーム、トップフレーム、特にターポリンに接続することができるカバー、およびトップフレームを折り畳むおよび/または展開するための駆動部を含み、駆動部は少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素を動かし、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素は、トップフレームの遠位キャリッジと結合され得、駆動部の作動方向に応じてキャリッジを前方および/または後方に動かす。上部構造は、駆動部の消費電力に第1のしきい値を設け、通常動作時の消費電力を制限するとともに、作業ピークに対応するために第1の期間中は第1のしきい値を超える駆動部の消費電力を許容することを特徴とする。これにより、通常は車両のバッテリーによって提供され、ヒューズによって固定される最大消費電力が連続動作で超えられないことが有利になり、バッテリーまたはオンボードネットワークが過熱したり、ヒューズがとんだり切れたりすることがなくなる。しきい値は、安全な消費電力より約15%低くなるように適切に選択されているため、消費電力のランダムな変動を考慮する必要はない。しかし、車両バッテリーの商用出力のエネルギー供給の確保は非常に遅いため、第1の期間を超えない限り、最大消費量を一時的に超えても無害である。これにより、駆動部は、比較的大きな重量力を克服しなければならないトップフレームのターポリン折り畳み補助具を起動して押し上げるという、特にエネルギーを消費するプロセスを、増加した消費電力で行うことができ、その結果、全体として、ターポリン折り畳み補助具が押し上げられたときに常に負荷のピークを有する振動する消費電力が存在する。その結果、トップフレームの駆動システムは、ヒューズをトリガーすることなく、車両バッテリーの有用な出力によって提供される公称電力を繰り返し超える電力を装備することができる。第1の期間は、上部構造の変位中に数回設けることができる。
【0066】
消費電流の第1のしきい値は、駆動部のモータの定格電流に適切に対応し、例えば10アンペアである。モータがより強力になるように設計されている場合、モータの安全な消費電力と定格電流の最大値が、第1のしきい値の最大値として適切である。安全な消費電力から安全のためのしきい値の低下を選択することが可能であり、例えば、19アンペア、特に好ましくは18アンペアであり、特に好ましい実施形態では17.5アンペアである。このようにして、車両バッテリーの安全な電力から十分な距離が維持されるが、同時に、適切な速度でトップフレームを開閉することができる。対照的に、モータの公称電流は、安全のためのしきい値の低下は必要ない。比較的短時間で、定格電流を超える消費電力でモータを運転することもできる。
【0067】
第1の期間は、好ましくは0.0001秒(10分の1ミリ秒)から10秒の間、特に好ましくは0.001秒(1ミリ秒)から5秒の間、そして非常に特に有利には0.01(10ミリ秒)から3秒の間である。このように、第1の期間は、特に車両が一定の傾斜を有する場合、および/または雪、氷、または雨がターポリンに積もっている場合に、ターポリン折り畳み補助具を持ち上げる作業を開始するのに十分な長さであり、ターポリンを持ち上げる作業が克服された後に、消費電力は再び減少する。実際には、第1の期間は10分の数秒、約10分の2~8秒であるため、24ボルトの公称電圧が印加されると、消費電力が一時的に増加する可能性がある。
【0068】
さらに、第1の期間中の駆動部の消費電力に第2のしきい値が設けられており、第1の期間中の消費電力を、例えば、車両用バッテリーの有用な出力のうち、確保された量(例えば、20アンペア)に制限することが有利に提供される。これにより、作業ピークを処理する場合でも、ヒューズがとぶことがなくなる。第1の期間が非常に短い、つまり8秒未満、より適切には10分の3秒未満に選択されている場合には、駆動部の消費電力の第2のしきい値は、保護された消費電力よりもさらに高くなるように選択することができ、ヒューズの慣性によってこれが可能である。20アンペアの安全な消費電力と、同じく20アンペアのモータの定格電流により、第2のしきい値を30アンペアに設定して、電力を増やすことができる。
【0069】
例えば、システムが過熱しないようにするため、または慣性にもかかわらずヒューズがアクティブになるようにするために、連続する第1の期間の間にある最小時間間隔を設けることが可能である。間隔は、好都合には第1の期間の間であり、好ましくは第1の期間の間の2倍であり、特に有利には第1の期間の少なくとも5倍である。このように、間隔および第1の期間は、キャリッジの距離に関連して大まかに一致しているので、トップフレームを開閉する作業を行うためのキャリッジの移動速度は、少なくとも第1の近似では一定であり、外部の観察者にとっては、より均一で、揺れの少ない、調和のとれた動きとなる。
【0070】
運転中にコンバーチブルトップフレームを開閉するためのキャリッジの変位の消費電力を記録し、パラメータのしきい値と第1の期間に到達したかどうかの関数として運転速度を適応させることができる。
【0071】
駆動部の消費電力は適切に振動しているので、ターポリン折り畳み補助具を押したり、下部構造の変形、ガイドの損傷などの抵抗を克服したりする領域では消費電力が大きく、キャリッジの変位の残りの部分では消費電力が小さい。
【0072】
駆動部は、下部構造を輸送する車両のエネルギー源、例えば、車両のバッテリーまたはその有用な出力によって、好都合に電気的に供給される。その結果、下部構造または上部構造に独自のバッテリーまたは電源を装備する必要がないため、このエネルギー源を充電または維持する必要がない。
【0073】
上部構造の好ましい発展によれば、車両の制御が上部構造の駆動を制御することが提供される。
【0074】
好ましい実施形態によれば、駆動部の最大消費電力は、ターポリン折り畳み補助具が上げられたときに達成される。しかし、起動時、障害物の克服時、下部構造の変形補償時に最大消費電力に達する可能性もある。
【0075】
上部構造の変位運動の最大消費電力は、水平に対する上部構造または下部構造の傾斜を含む、いくつかのパラメータに依存する。勾配に対する変位は、勾配の方向の変位よりも高い消費電力に関連している。したがって、上部構造または下部構造の傾斜を検出するセンサ構成が適切に提供され、制御には、車両の傾斜の関数として予想される消費電力を決定する手段が含まれる。この場合、傾斜や傾斜していない状態での消費電力によっては、傾斜が臨界しきい値を超えるとトップフレームの駆動が阻止されることがある。
【0076】
本発明の一態様によれば、自走式車両、トラック、セミトレーラー、トレーラー、コンテナ、ダンプトラック、建物などの下部構造のための上部構造を開閉するための方法が作成され、上部構造は、折り畳み可能なトップフレーム、トップフレーム、特にターポリンに接続することができるカバー、およびトップフレームを折り畳むおよび/または展開するための駆動部を含み、駆動部は少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素を動かし、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素は、トップフレームの遠位キャリッジと結合され得、駆動部の作動方向に応じてキャリッジを前方および/または後方に動かす。本方法は、キャリッジを変位させるために駆動部の消費電流の第1のしきい値を下回る電力でキャリッジを駆動するステップと、カバーの押し開きによって作業ピークが要求される場合にキャリッジを変位させるために、駆動部の消費電力に対する第1のしきい値を超える電力で第1の期間の間キャリッジを駆動するステップとを特徴とする。この方法は、電力に対する保護のレベルが比較的低いにもかかわらず、上部構造に電力ピークを提供することを好都合に可能にする。
【0077】
本発明の一態様によれば、上記の方法を実行するように適合された制御部を含む上部構造が設けられる。制御部は、上部構造がトップフレームを開閉するために独自のエネルギー源を必要としないように設計されているが、既存のエネルギー源またはそれらの有用な出力にアクセスできる。
【0078】
上部構造の好都合な実施形態は、少なくとも下部構造の内部をスキャンするカメラが設けられることを特徴とする。このようにして、下部構造が充填されているかどうか、およびバルク材料または不純物がキャリッジの変位の領域に提供される可能性があるかどうかを決定することが有利に可能である。
【0079】
上部構造の別の好ましい発展は、少なくとも下部構造の内部を照らす作業灯が設けられるという事実から生じる。作業灯は、駆動部と同じエネルギー供給を介して供給することができ、例えば、下部構造のロードに必要な照明を提供することができる。
【0080】
エネルギー供給の消費電力の制限を超えないようにするために、駆動部がモータによって駆動されるとき、作業灯は適切にオフにされる。
【0081】
好ましい実施形態によれば、制御パネルが下部構造または上部構造に配置され、その制御パネルが駆動部の制御部に接続されていることが提供される。制御パネルには、駆動部を操作できる複数の制御ボタンといくつかの表示が好都合に装備されている。制御ボタンを使用して駆動部を開くことができる。別の制御ボタンを使用して、トップフレームを閉じることができる。ディスプレイは、例えば、誤動作または許容されるもしくは許容されない傾斜を示すことができ、ライトまたはカメラの制御ボタンも設けることができる。制御パネルに、カメラで撮影した画像を表示することもできる。
【0082】
さらなる有利な実施態様によれば、駆動部は、ホットスポット、特にWiFiまたはブルートゥース(登録商標)ホットスポットとのインターフェースを有する制御部を含み、それを介して、ホットスポットに接続された操作デバイス、例えばスマートフォンまたはタブレットコンピュータを用いて駆動部を操作することができる。その結果、オペレータが制御パネルに直接入力を入力する必要はないが、これは外部制御ユニットを介して行うことができる。例えば、セミトレーラートラックの運転手は、タブレットPCまたはスマートフォンを使用してトレーラーの上部構造をリモートで制御できると同時に、制御ユニットのディスプレイにカメラ画像を表示できる。
【0083】
さらに、制御パネルは対応するトラックの運転席に配置することもできる。
【0084】
外部操作デバイスを使用できる可能性があるため、特に、運転手が下部構造または上部構造を操作できない自走式トラックを使用することが可能になる。この場合、目的地に操作デバイスを装備している人が、ホットスポットを介して自分を許可された操作者として識別し、適切なコマンドを実行すれば十分である。これは、コンピュータによって自動的に実行することもできる。
【0085】
下部構造がダンプトラックとして有利に設計されている場合、キャリッジは、荷重をかけることに対応してセンサ構成によって検出された角度設定に達したときに有利に格納されるので、荷重がトップフレーム、特にターポリンを損傷することがない。この場合、ダンプトラックが最終的な角度位置に到達する前に、キャリッジの移動または後退をすでに開始することができる。
【0086】
トップフレームの片側のさらなるキャリッジは、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素がないことが好ましい。これにより、キャリッジがトップフレームのガイド上を自由に移動し、遠位キャリッジのみが対応する装置によって張力要素に結合されることが可能になる。あるいは、遠位キャリッジは、張力要素に接続されたスライダによって運ばれることができ、これは、遠位キャリッジに一方向にのみ作用するので、キャリッジは、駆動部によってトップフレームの質量の復元力に抗して開かれ、一方、駆動部なしで質量の負荷の下で閉じられる。
【0087】
少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素は、キャリッジのガイドレールに平行なセクションで適切に動作する。これにより、それを簡単な方法で遠位キャリッジに結合することができる。
【0088】
少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素は、駆動部がそれを両方向に動かすことができるように、エンドレスな閉じた張力要素として好都合に設計される。張力要素は、任意選択で、トップフレームの片側の遠位キャリッジ、またはトップフレームの両側の両方の遠位キャリッジを駆動することができる。
【0089】
好都合には、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素は、金属ワイヤとして設計され、特に鋼でできており、柔軟性が低く、温度変動に伴ってわずかに長くまたは短くなり、外部干渉に対して非常に頑丈である。
【0090】
エンドレスに回転する張力要素を達成するために、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素の端部は、好ましくは、クランプで互いに接続され、クランプによって、有利に同時にトップフレームの遠位キャリッジに接続される。複数のキャリッジが張力要素によって駆動される場合、第2のクランプを張力要素に容易に接続することができる。
【0091】
好ましい実施形態では、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素が、共通の支柱に接続された2つの遠位キャリッジに接続され、張力要素が2つの遠位キャリッジを同時に駆動することが提供される。このため、2つの張力要素を提供する必要はなく、むしろ、駆動部によって2つのキャリッジを同時に駆動することができる。トップフレームに十分な剛性のある端部キャリッジがある場合には、これにより遠位キャリッジを片側からのみ駆動できるため、2つの遠位キャリッジを同時に駆動する必要はない。
【0092】
好ましい実施形態によれば、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素が、支柱に接続された遠位キャリッジに接続され、折り畳み可能なトップフレームを片側で駆動することが提供される。例えば、ターポリン折り畳み補助具が吊り上げ支柱を有する場合、遠位キャリッジが支柱に接続されていない可能性もあり、この場合、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素が遠位キャリッジに接続され、折り畳み可能なトップフレームを片側で駆動する。
【0093】
好都合には、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素は、回転可能部分が回転角位置で阻止されたときに、接続された1つまたは複数のキャリッジをそれらの位置に固定する。その結果、手動で解放可能なロックを設ける必要はない。
【0094】
駆動部は、好ましくは、市場で標準製品として容易に入手可能であり、また、大きな設置スペースを必要としない24ボルトのモータを含む。
【0095】
あるいは、駆動部にハンドクランク用のアタッチメントを含めることができるため、電動モータを取り付ける代わりに、ハンドクランクを使用してトップフレームを開閉することもできる。
【0096】
第1の好ましい実施形態によれば、上部構造は、下部構造のトップルーフ開口部を閉鎖可能な方法で区切ることが提供される。この場合、カバーは、例えば、荷積みおよび/または荷降ろしのために開閉されるルーフのターポリンである。
【0097】
代替的な実施形態では、上部構造は、閉鎖可能な方法で下部構造の横方向のルーフ開口部、例えば、カーテンサイダーの横方向の荷積み開口部を区切ることが提供される。この場合、カバーは、例えば、下部構造の側面ターポリンとして設計される。
【0098】
カバーは、折り畳み式ターポリンとして便利に設計されているが、折り畳み式の堅いルーフにまたがる複数の関節式の折り畳み式プレート本体からカバーを形成することも可能である。しかし、パネル本体を折り畳むための駆動部の消費電力は、可動質量が高いだけでなく、パネル本体の柔軟性の欠如も運動学を阻害するため、ターポリンの消費電力よりも大幅に高くなる。
【0099】
トップフレームは、遠位キャリッジを駆動してトップフレームを出すだけでなく、近位キャリッジも駆動できるという点で、両方向に開くことができるように設計することもできる。この場合、キャリッジに対して少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素の接続は、接続がキャリッジを一方向にのみ引き込み、他の方向にも引き込まないように設計されるべきである。その結果、張力要素を両方向に使用して、一方および/または他方のキャリッジを駆動することができる。
【0100】
好ましい実施形態によれば、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素がキャリッジに直接接続され、その結果、駆動力が、いくつかの介在要素を伴う張力要素を介して遠位キャリッジに伝達され得ることが提供される。あるいは、キャリッジの高さで張力要素を下部構造またはガイドに直接取り付ける必要がないように、例えば、キャリッジから下方に突出し、張力要素の変位領域に延びる接続部分をキャリッジに設けることも可能である。好ましい実施形態では、引張抵抗性である張力要素が、キャリッジに枢動可能に接続されたレバーに結合されることも提供される。レバーは、有利には、遠位キャリッジにすでに取り付けられている部品の延長であり、例えば、レバーの軸の周りに枢動可能に配置されている遠位カバーである。しかし、これとは別に、遠位キャリッジのレバーを関節運動させることも可能である。
【0101】
少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素は、張力要素がその周りに配置される第1の偏向装置を好都合に含み、これは、好都合にはトップフレームが閉じている場合に遠位キャリッジの領域に配置され得る遠位偏向ローラである。第1の偏向装置は、水平軸の周りで好都合に回転可能であり、下部構造に直接または間接的に取り付けられ、その結果、張力要素は、上部ランまたは下部ランの方法で第1の偏向装置上をエンドレスに移動できる。
【0102】
好ましくは、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素は、第2の偏向装置の周囲にさらに配置され、この第2の偏向装置は、好ましくは偏向ローラとして設計されており、このローラは、例えば下部構造を延長するセクションの領域において、垂直軸を中心に回転することができ、これにより、第2の偏向装置と第1の偏向装置との間の張力要素の延長部に対して少なくともほぼ垂直な一方向に、張力要素を偏向させることができる。このようにして、下部構造の1つの長手方向側はまた、下部構造の第2の長手方向側と同じ張力要素によって有利に作動させることができる。
【0103】
好ましくは、少なくとも引張抵抗性である少なくとも1つの張力要素はまた、第3の偏向装置の周りに配置され、これは、好ましくは、実質的に垂直な軸の周りで下部構造を継続する領域に回転可能に接続される偏向ローラであり、その結果、第1の偏向装置から来る上部ランおよび下部ランは、張力要素を駆動する回転体と結合されている。結合は、張力要素がモータによって駆動される第1の回転体に結合されるように行うことができ、張力要素は第1の回転体の周りに数回巻かれる。トップフレームが両側から駆動される場合、一方の張力要素は、第2の偏向装置および第3の偏向装置から反対の偏向装置に接続され、次に、後方に到達する張力要素の部分は、駆動部の駆動する第1の回転体に接続される。駆動部は、上記で詳細に説明したように設計できることを理解する必要がある。
【0104】
本発明のさらなる利点、特徴、特性、および発展は、従属請求項および好ましい実施形態の以下の説明から生じる。
【0105】
本発明は、好ましい実施形態を使用して、添付の図面を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【
図1】ターポリン上部構造として設計された開放可能な上部構造の好ましい実施形態の斜視図である。
【
図2】
図1の上部構造の遠位キャリッジの領域の側面斜視図である。
【
図3】
図1の上部構造の後部領域の側面からの斜視図である。
【
図4】
図1の上部構造の後部領域の後方からの斜視図である。
【
図6】
図1の上部構造の後部領域の
図3の反対側からの斜視図である。
【
図9】
図1の上部構造の制御パネルの正面図である。
【0107】
図1は、ターポリン上部構造10として設計された開放可能な上部構造の斜視図を示しており、一点鎖線で示されたターポリン12が示されているが、よりよく説明するために他の図には示されていない。さらに、コンテナ14のシルエットの一部は、トップフレーム16で覆われた破線で示されている。コンテナ14は、例えば、廃材トラフとして設計されており、廃材だけでなく、粉塵の多い材料も受け入れることができ、そのため、トラックで輸送する際には、ターポリン上部構造10によるカバーが好都合であり、場合によっては規定される。コンテナ14の前端壁は、スイベルジョイントを介してコンテナ14に接続され、それを傾けることによってコンテナを空にすることを可能にするダンプトラックフラップとして設計されている。
【0108】
ターポリン上部構造10は、コンテナ14の両側でその横方向の外壁に、それぞれの場合において、連結されたガイドレール20を有しており、このガイドレール20は、コンテナ外壁から距離を置いて、例えばリベット、ねじ、またはコンテナ14の外壁に対して定義された距離を可能にする他の適切な締結手段によって固定された複数のガイドレールセクションから構成される。その結果、ガイドレール20は、長方形の輪郭を有する複数の部品からなる連続部品として形成され、上辺と下辺が狭い辺であって、広い辺がコンテナ壁と平行になっている。
【0109】
図1の左側に示されている、トップフレーム16の開口方向の後端では、トップフレーム16がコンテナ14の端部を超えて突出しており、コンテナ14の外壁の延長線上として、実質的に三角形のブラケットまたはプレート22がコンテナ14の後部に接続されており、そこにガイドレール20が続いている。突出領域の目的は、コンテナ14の充填開口部全体を開いた状態で完全に解放することができることであり、これにより、まだ説明されていないトップフレーム16の可動部分をそこで変位させることができる。特に、ターポリン上部構造10のどの部分も、コンテナ14の充填を妨げてはならない。三角形のプレート22は、ガイドレール20の平面よりも高く延在し、この高さでコンテナ14の横方向外壁を後方に延伸させる。実際には、コンテナの側面は、コンテナが移動する方向に応じて参照されることが多く、フラップは通常、車両の後部にあるが、しかし、この場合、ターポリン上部構造10が開いているときにトップフレーム16の可動部分が集まる領域は後端と呼ばれ、前端は閉じたターポリン上部構造10から最初に解放される領域である。
【0110】
さらに、コンテナの幅にまたがるエンドストップ24が提供され、これは、本質的にガイドレール20に垂直な平面にあり、逆U字形を有し、Uの端部と三角形のプレート22にそれらの端部で接続されている。
【0111】
トップフレーム16はまた、ガイドレール20に沿って移動可能であり、コンテナ14の装填開口部を解放するために開くことができ、またそれを覆うために再び閉じることができるスライド式トップ構成30を有する。
【0112】
スライド式ルーフ構成30は、ガイドレール20に沿って移動することができる複数のキャリッジ32を含む。縦二等分線の反対側の各キャリッジ32、すなわち、コンテナ14の側壁の間に中央に配置された平面、または中央でガイドレール20に平行に走る平面は、U字形の支柱34を介して互いに接続され、2つの湾曲したコーナーピースおよび任意選択で丸管で作られた細長い接続ピースを有する支柱34は、一緒に差し込まれ、それにより、部品の好ましい標準化が達成される。キャリッジ32に設けられたすべての支柱34は同じ高さであり、これは、ターポリン上部構造10が閉じられたときのターポリン12の高さにほぼ対応する。この目的のために、ターポリン12は、例えば、ターポリン12に形成されたバックルまたはベルトまたはレセプタクルによって、適切な接続手段を介して支柱34に接続される。キャリッジ32の数、したがって支柱34は、ターポリン上部構造10の長さに応じて変化し得る。
【0113】
スイベルボウ36はまた、支柱34の両側の各キャリッジ32上で、ジョイントを介して枢動可能に関節運動され、ジョイントはまた、アングルピースおよび細長い接続ピースを介して円筒管から一緒に差し込まれる。スイベルボウ26もまた、キャリッジ32の高さでエンドストップ24に連結されているが、ガイドレール20に沿って変位させることはできない。全体として、スイベルボウ26、36をキャリッジに対してさらに上に、すなわち、コーナーピースによって形成された支柱34の脚に配置することが可能である。例えば、荷台の上にのみ構築されるターポリン上部構造の場合、支柱の中間の高さで接続されたボウで十分である。スイベルボウ26、36は、水平に対して約30°の平坦な角度で突出し、関連する支柱34またはエンドストップ24で約60°の角度を囲む。スイベルボウ26、36はそれぞれ、水平に対して約90°の角度位置まで旋回することができ、それらは、それぞれの支柱34またはエンドストップ24と実質的に平行に走る。
【0114】
他の支柱34よりも安定している支柱34’によって互いに接続されているキャリッジ32’の最前部の対において、カバーボウ46は、コンバーチブルトップフレーム16の残りの部分とは反対側のヒンジで接続され、これは、下向きに枢動する、本質的に水平な位置、つまり水平に対して約0°の傾斜、および垂直位置、つまり水平に対して約135°の傾斜の間で枢動可能である。カバーボウ46の枢動運動は、ターポリン12に張力をかける。次に、カバーボウ46は、2つの(複数の)湾曲したボウセクションおよび細長い接続部品を含み、これらは、支柱34’から距離を置いて最前部キャリッジ32’のフレームセクションに接続されていることが分かる。カバーボウ46と支柱34’の関節の間で、補助ボウ36’は、水平に対して約45°の角度で突出するヒンジで関節運動している。
【0115】
コンテナ14用のターポリン上部構造10の特別な特徴は、コンテナ14が高度の剛性を有するため、トップフレーム16がコンテナの形状の変化に従わなければならないことである。これらは、例えばコンテナが高温のときの熱膨張、または例えば充填物の質量または機械的損傷によるコンテナの変形によって引き起こされる可能性がある。したがって、トップフレームの特徴は、U字形の支柱34、スイベルボウ36、およびカバーボウ46が、Y方向、すなわち変位方向(X軸)を横切る水平軸において特定の弾性変形を可能にすることである。このようにして、ルーフフレーム16は、キャリッジ32、32’の動きが恒久的に妨げられることなく、最大50mmの公差を補償することができる。コンテナ14の操作は、ガイドレール20の損傷につながることがあるので、それは、必要に応じて緩め、交換または真っ直ぐにすることができる部品から有利に構成される。上記の角度は、ボウが水平に対して横たわる平面の角度も指定する。ジョイントのピボット軸はY方向である。
【0116】
隣接するキャリッジ32、32’の互いに向き合ったボウ36は、2つのピボット角度リミッタ38を介してアングルピース36aの領域で互いに接続されている。エンドストップ24に連結されたボウ26および最後部ボウ36は、膝関節として設計されたリンク運動学138を介して互いに接続されている。
【0117】
最前部支柱34’に接続された両方のキャリッジ32’は、電動駆動部70によって駆動されて、ガイドレール20に沿ってスライド式ルーフ構成30を移動させることができる。駆動部70は、エンドレスワイヤとして設計された、すなわち閉じた引張抵抗性である張力要素71を含み、クランプ構成71aを介して最前部キャリッジ32’に結合され、ワイヤ71の動きが最前部または遠位のキャリッジ32’変位させる。駆動部70はさらに、24ボルトの電動モータ72を含み、その出力シャフト72aは、第1のシリンダ73として設計された第1の回転体の入力シャフト73aと噛み合うウォーム72bに結合されている。機械的過負荷の場合に部品を切り離すために、モータ72と第1のシリンダ73との間にスリップクラッチを配置することが可能である。モータ72と入力シャフト73aとの間に歯車または他の接続を提供することも可能である。
【0118】
ハウジング22aは、下部構造またはコンテナ14の2つの三角形のプレート22のうちの1つに接続され、第1のシリンダ73および第2のシリンダ74として設計された第2の回転体が収容される。第1のシリンダ73および第2のシリンダ74は、それぞれ、ハウジング22aに回転可能に接続されている。ここで、第1のシリンダ73はハウジング22aに固定して取り付けられ、第2のシリンダ74の軸740はハウジング22aの細長い穴220に収容され、その主軸の細長い穴220は第1のシリンダ73を指しており、したがって、第2のシリンダ74は、第1のシリンダ73またはその軸730からの距離が調整可能である。第1のシリンダ73と第2のシリンダ74は一緒になって、張力要素71のための駆動装置75を形成し、これは、2つのシリンダ73、74の周りに数回配置される。この場合、張力要素71は、シリンダの一方の周りに完全に巻き付けられていないが、2つのシリンダ73、74のそれぞれの周りで常に約180度で交互になっている。
【0119】
第1のシリンダ73は、第1のシリンダ73の軸730に垂直に走り、張力要素71がガイドされる複数の円周方向の溝73bを有する。円周方向の溝73bは、わずかにクランプする方法で張力要素71をガイドするわずかにV字形の輪郭を有する。張力要素71がそれぞれの円周方向の溝73bを離れることを防ぐラジアルウェブ73cが、隣接する溝73bの間に配置される。特に
図8では、第1のシリンダ73上に合計5つの円周方向の溝73bが形成されていることが分かる。
【0120】
第2のシリンダ74は、互いに独立して軸740の周りを回転することができる4つの回転可能な円盤状のシリンダセクション174を含む。シリンダセクション174は、偏向ローラのパッケージのように設計されている。シリンダセクション174はそれぞれ、張力要素71をガイドするための円周方向の溝174bを有し、これはまたV字形であり得るが、この場合、これは2つのコイル円盤領域間の階段状の凹部として設計される。
【0121】
モータ72からの力を張力要素71に確実に導入するために、第1のシリンダ73および第2のシリンダ74は、張力要素71がシリンダ73の第1の最上部の溝73bに約180°巻き付き、次に第2のシリンダ74の第1の最上部のシリンダセクション174がその溝174bの領域に約180°巻き付き、次に再びシリンダ73の第2の最上部の溝73bに約180°巻き付くように、駆動装置75を形成する。これは、張力要素71が第5の最下部の溝73bを離れるまで、溝174bを有するさらなるすべての溝73bおよびシリンダセクション174に対して繰り返される。その結果、引張力が張力要素71に確実に導入される。同時に、駆動運動の結果として、張力要素71が単一のシリンダの周りで詰まることが回避される。同時に、2つのシリンダ73、74上の張力要素71の間隔が、張力要素71が自己ロックするのを防ぐことが確実になる。
【0122】
図10は、張力要素71がどのように配置されるかを概略的に示す。張力要素71は、接続部71aの領域で遠位キャリッジ32’に接続され、ターポリン上部構造10を開くために矢印71bの方向に巻き込み、またはターポリン上部構造10を閉じるために反対方向に巻き込む。張力要素71は、遠位偏向ローラ75a、75a’の周りに配置され、偏向ローラ75aから延在する2つのセクションは、偏向ローラ75b、75b’、75c、75c’の周りで偏向される。
【0123】
遠位偏向ローラ75a、75a’は、水平軸を中心に回転することができ、その結果、張力要素71は、
図1にも見られるように、ガイドレール20に本質的に平行に走る。さらなる偏向ローラ75b、75b’、75c、75c’はそれぞれ、垂直軸の周りの2つの三角形のプレート22のうちの1つに接続されている。張力要素71は、一方の側の偏向ローラ75cから他方の側の偏向ローラ75b’にガイドされ、その結果、同じ張力要素71が2つの遠位キャリッジ32’を駆動する。張力要素71は、他の近位偏向ローラ75cから、駆動装置75の第1のシリンダ73の最上部の溝73bにガイドされる。数回巻き付けられた駆動装置75から、張力要素71は、次に、さらなる偏向ローラ75c’に移る。
【0124】
図8において、第1のシリンダ73の下端面73dは、第1のシリンダ73の軸730の周りに固定半径で配置された複数の円筒形の穴73eを備えたリングを有することが分かる。第1のシリンダ73を囲むハウジング部分22aには、ねじ81aによって支持プレート81が接続され、その上には電磁的に作動可能なリフティング磁石80が配置されており、そのリフティングアーマチュアは、遠位端が第1のシリンダ73の方を向いているロックピン80aに結合されている。第1のシリンダに面する側で、支持プレート81は、ロックピン80aを変位させることができる円筒状ボア81cを備えたプレート81bを有する。円筒状ボア81cは、ねじれまたは曲げに対する半径方向の力にさらされるときに、ロックピン80aを支持する。ロックピン80aは、その近位端に、リフティングアーマチュア80の雌ねじ80cにねじ込まれる雄ねじを備えている。
【0125】
ロックピン80aは、駆動部70の回転可能部分を形成する第1のシリンダ73の端面73dに対して前進させることができ、その結果、ロックピン80aが穴73eの1つに侵入すると、ロックピン80aが駆動部または少なくとも1つの張力要素71を回転に対して固定し、したがって遠位キャリッジ32’を阻止する。
【0126】
リフティング磁石80は、ロックピン80を前進位置と格納位置との間で作動させることができるので、リフティング磁石80の作動に応じて、駆動部70を解放または阻止することができる。リフティング磁石80に通電することにより、ロックピン80aが前進位置に対して引き抜かれ、リフティング磁石にすでに取り付けられているばね要素がロックピン80aに前進位置の方向に作用する。第1のシリンダ73が十分ゆっくりと回転すると、ロックピン80aは、ロックピン80aの反対側の穴73eに侵入し、リフティング磁石80が通電されていないときにばね要素の負荷の下で第1のシリンダ73をロックすることができる。したがって、駆動部70が作動している間、リフティング磁石が通電されることが提供される。この目的のために、駆動部70およびリフティング磁石80は両方とも、駆動部70の制御部99に接続されている。
【0127】
ここで特に重要なのは、穴73eの円周が、穴73e内に突出するロックピン80aの外周上に半径方向に載っていることであり、張力要素71との接続、ならびに第1のシリンダ73へのその摩擦および/またはクランプ力の伝達によるトップフレームの全荷重は、穴73eを介してロックピン80aにかかる。この荷重は、トップフレーム32の実際の質量に加えて、ターポリン12に蓄えられたばね力がキャリッジ32’の変位の一方または他方の方向に作用することができ、また、下部構造14をダンプトラックとして設計した場合には、トップフレームにかかる重力を加えることができるため、軽微なものではない。
【0128】
この背景に対して、ロックピン80aに半径方向に作用する力のために、リフティング磁石80のばね要素の負荷に対して、リフティング磁石80を備えた対応する穴73eからロックピン80aを引き抜くことができないことが多い。
【0129】
このため、駆動部70の制御部99は、オペレータが最前列のキャリッジをある方向に移動させる指令を出した場合に、最初に反対方向の短い移動経路または短い移動パルスが開始されるように設計されており、これにより、ロックピン80aの周面に負荷がかかった場合には、その救済が行われ、リフティング磁石80がロックピン80aを第1のシリンダ73との係合から外すことができる。他方、負荷が反対方向にある場合、駆動部70のその後の実際の変位運動により、ロックピン80aが解放され、その結果、リフティング磁石80がロックピン80aを引っ込めることができる。
【0130】
開放可能な上部構造10または開放可能な上部構造10の開閉運動を制御するための上記の方法は、例えば、制御部99にプログラムとして格納される。
【0131】
ロックピン80aは、第1のシリンダ73とは反対側を向いたリフティング磁石80の端部から突出する引張端部80cを備えており、リングとして設計されており、ロックピン80aを手動でロック解除することもできる。このようにして、電気系統に障害が発生した場合でも、本体10の開口部を解放することができる。
【0132】
ロックピン80aは、回転可能な第1のシリンダ73を形状適合で阻止し、特に、駆動部80が第1のシリンダ73を張力要素71に対して移動させるのを防止することが分かる。したがって、第1のシリンダ73を阻止することは、張力要素71を同時に阻止し、駆動部70および偏向ローラ75a、75b、75cのシステム内の動きが発生するのを防ぐ好ましいオプションである。
【0133】
リフティング磁石80は、電圧を印加することによって好都合に作動させることができ、駆動部70の動きおよびリフティング磁石80の変位仕事が互いに調整され得るように、駆動部の制御部に接続されている。同時に、両方の部品は、リフティング磁石80のロックピン80aが第1のシリンダ73に係合しているかどうかを制御部に通知する信号送信機を備えている。
【0134】
図4から、モータ72がハウジング22aの上部に接続され、一方、リフティング磁石80を備えた支持プレート81がハウジング22aの下側に接続されていることが分かる。
【0135】
クランプ構成71aの領域には、磁石も設置され、これは、遠位キャリッジ32’の位置、したがってトップフレーム16の開放度を決定するためのセンサ装置によって検出することができる。
【0136】
駆動部70はまた、ジャイロスコープとして設計されたセンサ構成91を有し、これは、
図9に示す制御パネル90の領域に収容される。センサ構成91はまた、上部構造10、下部構造14、またはそれらを輸送する車両の他の場所に収容することができる。
【0137】
センサ構成91は、駆動部70の制御部99に接続されている。センサ構成91は、上部構造10の水平方向への傾斜を決定することができる。許容傾斜角の限界値は制御部に格納されており、これらを超えると、駆動部70は動作を停止する。制御パネルは、駆動装置75の近くに取り付けられているが、さらにまたは代わりに、下部構造14を輸送する車両の運転席に制御パネル90を収容することが可能である。
【0138】
制御パネル90は、駆動部70によって開放方向にトップフレームを変位させるための第1のボタン92aと、駆動部70によって閉鎖方向にトップフレームを変位させるための第2のボタン92bと、を含む。両方のボタン92a、92bは、駆動部70の制御部99に接続されている。さらなるボタン92cは、下部構造14の内部を照らす作業灯をオンまたはオフに切り替えることを可能にする。別のボタン92dは、下部構造14の内部を観察するカメラをオンまたはオフに切り替えることを可能にする。
【0139】
制御パネル90の表示93aは、それが点灯すると電気系統の障害を通知する。別の表示93bは、それが点灯すると別の誤動作を通知する。別の表示93cは、それが点灯すると許容傾斜角を超えたことを通知する。すべてのボタンおよび表示は、駆動部70の制御部99に接続されている。制御パネルは、駆動装置75の近くに配置されている。
【0140】
モータ72を含む駆動部70は、下部構造14を輸送する車両の24ボルトのエネルギー源の有用な出力に接続されているので、下部構造14、上部構造10、または独自のエネルギー源を備えた
図1で符号99で示される制御部を装備する必要はない。しかし、サーチライトなどの通常の用途は高い消費電力を示さないので、トラックの車両バッテリーの有用な出力は、特定の消費電力に制限される。通常、有用な出力は20アンペアのヒューズを備えている。
【0141】
ヒューズがとぶことがないように、駆動部70の消費電流に対して第1のしきい値が設定され、これが通常の動作における駆動部70の消費電力を制限することが有利に提供される。設計に応じて、第1のしきい値は保護電流の約85%から100%であり、この場合、モータ72の定格電流は10アンペアである。
【0142】
しかしながら、ガイド20に沿ったトップフレーム16の移動経路の特定のセクションは、第1のしきい値によって制限された消費電力では処理できない可能性がある作業ピークの処理を必要とする。これは、例えば、氷や雪がターポリン12を覆っている場合や、下部構造14および上部構造10が、傾斜をマスターしなければならないように配置されている場合や、重量の負荷が2つの前部キャリッジ32’に不均一に分布している場合などの状況の結果として生じる場合がある。さらに、トップフレーム16の比較的大きなカバー部材46を上昇位置に枢動させる必要があるため、開放動作が開始されたときに作業ピークが記録され、枢動作業はカバー部材46のレバーが当たるストップによって実行される。ピボット角度リミッタ38を介して互いに接続された2つのボウ36によって実装されるターポリン12のターポリン折り畳み補助具を押して開く必要がある場合は、さらなる作業ピークが生じる可能性がある。本実施形態では、作業ピークは低いが、ターポリン折り畳み補助具が死点に近い水平位置に配置されている場合は、架設にはより多くのエネルギーが必要となる。
【0143】
モータ72の過負荷を回避するために、作業ピークに対処するために、通常動作時の駆動部の消費電力、したがって消費電力の第1のしきい値を超えてもよい第1の期間が3秒以下であることが提供される。ここでは、エネルギー供給ヒューズがトリガーされるのを回避するために、第1の期間中に駆動部の消費電力の第2のしきい値である20アンペアを超えないことも提供されている。実際には、追加の電力が10分の数秒しか提供されない場合はそれで十分である。消費電力の第2のしきい値を、最大値の約85%、例えば17アンペアに設定することも可能であるが、必須ではない。車載ネットワークのヒューズは比較的遅く、車載電気系統の領域の温度変化はそれほど強くない。
【0144】
2つの連続する第1の期間の間に最小時間間隔が提供されることが好都合であり、これにより、駆動部の消費電力に対して第1のしきい値があまりにも短く連続して超過することを防ぐことができ、最小時間間隔は第1の期間の長さ、すなわち3秒に応じて選択される。制御部99がカバー部材48を押し開き、ターポリン折り畳み補助具36を持ち上げることである場合には、その結果は、トップフレーム16が完全に折り畳まれて下部構造の対応する開口部が解放されるまで、ガイド20の全長にわたって遠位キャリッジ32’が対応してゆっくりと動くことである。
【0145】
トップフレーム16を全体的により迅速に開くことができるか、または開く必要がある場合には、第1の期間の値を提供することが可能であり、最小時間間隔をそれに応じて短くすることができる。例えば、20アンペアのより高い定格電流を有するより強力なモータ72を組み込むことも可能であり、その結果、定格電力は約2倍になる。作業ピーク時には、第1の期間に消費電力を20アンペア以上に増やすことができる。
【0146】
あるいは、駆動部70の予想される消費電力は、算術演算で制御部99によって決定することもでき、それにより、牽引要素71の駆動速度は、動的に決定されたパラメータ、第1のしきい値、および第1の期間から設定することができる。
【0147】
特に、上記の実施形態は、オペレータが開口方向を数回変更し、したがってカバー部材46またはターポリン折り畳み補助具36、38のいずれかを持ち上げる領域でより長い時間を費やす場合であっても、車両バッテリーの許容消費電力を超えない。
【0148】
同時に、駆動部の消費電力は、予期しない障害物が上部構造10の開閉を妨げているかまたは阻止しているかどうかを決定するために、制御部によって監視することができる。
【0149】
さらに、制御部は、ロックピン80aが第1の回転体73に係合することを確実にするために、駆動部が停止されたときに第1のしきい値を超える駆動部の消費電力も可能であることを提供する。
【0150】
対応するコマンドは、ユーザが制御パネル90を介して入力することができるが、ブルートゥースホットスポット(図示せず)を介して、外部コンピュータがホットスポットに接続されている場合、外部コンピュータを介して制御コマンドを入力することも可能である。同様に、カメラからの画像や、タブレットPCやスマートフォンなどのコンピュータ上のその他のデータを表示できる。
【0151】
本発明は、遠位キャリッジ32’のロックが、ロックピン80a、第1の回転体73、および張力要素71を介して行われる実施形態を使用して上で説明された。さらに、トップフレームと下部構造との機械的ロックも提供できることを理解されたい。
【0152】
本発明は、遠位キャリッジ32’から開始して開閉運動が可能である実施形態に基づいて上で説明された。別の実施形態では、トップフレームの近位キャリッジ32も張力要素71に結合することができ、その結果、トップフレームを他の方向または両方向に開くこともできることを理解されたい。
【0153】
本発明は、張力要素71が、支柱34’を介して互いに接続されている両方の遠位キャリッジ32’のトップフレームを駆動する実施形態に基づいて上で説明された。トップフレームが十分に安定するように設計されている場合、駆動部は片側からのみ行うことができ、その場合、トップフレームの端部キャリッジにより、力が両側に配置されたキャリッジに均一に伝達される。
【0154】
本発明は、支柱34、34’が本質的にU字形のボウとして設計されている実施形態に基づいて上で説明された。U字形のボウの代わりに、細長いフープで対向するキャリッジ32を互いに接続することもでき、それはもはやキャリッジから上方に延びることはないことを理解されたい。ターポリン上部構造の長手方向の二等分線に関して反対側のキャリッジが、不動の支柱によって互いに接続されておらず、キャリッジに連結されたボウ36などのボウを介してのみ接続されている可能性もある。しかし、ここでは、いわゆるリフティングフープを搭載したトラック上部構造のスライド式ルーフから知られているように、関節接続には折り畳みパネルを含めることができる。
【0155】
本発明は、オペレータがトップフレームを開閉するためのコマンドで制御部を制御する実施形態に基づいて上で説明された。特に自走式システムの場合、コマンドは、自動化された方法またはコンピュータ制御された方法で、例えば、自走式商用車が積み降ろしする場合にも発行できることを理解されたい。