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特許7515465光吸収材料を含むコーティングで被覆された物品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】光吸収材料を含むコーティングで被覆された物品
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/22 20060101AFI20240705BHJP
   B32B 15/04 20060101ALI20240705BHJP
   G02B 5/26 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
G02B5/22
B32B15/04 Z
G02B5/26
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021516676
(86)(22)【出願日】2019-09-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 US2019052562
(87)【国際公開番号】W WO2020068726
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2022-06-10
(31)【優先権主張番号】62/735,632
(32)【優先日】2018-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518301590
【氏名又は名称】ビトロ フラット グラス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マ、チーシュン
(72)【発明者】
【氏名】ポルシン、アダム、ディー.
(72)【発明者】
【氏名】オショーネシー、デニス、ジェイ.
【審査官】辻本 寛司
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-500267(JP,A)
【文献】特表2013-523494(JP,A)
【文献】特表2008-540320(JP,A)
【文献】特開2014-094448(JP,A)
【文献】特表2012-513369(JP,A)
【文献】特開平06-242312(JP,A)
【文献】特開2017-066304(JP,A)
【文献】特開2012-204438(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/22
B32B 15/04
G02B 5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板;および
前記基板の少なくとも一部の上に塗布されたコーティング
を含む被覆された物品であって、前記コーティングは、
前記基板の少なくとも一部の上に第1の誘電体層;
前記第1の誘電体層の少なくとも一部の上に第1の金属層;
前記第1の金属層の少なくとも一部の上に第2の誘電体層;
前記第2の誘電体層の少なくとも一部の上にオーバーコート;
前記第2の誘電体層と前記オーバーコートとの間に光吸収層
を含むか、または前記光吸収層は前記オーバーコート内に配置され、
前記光吸収層は、SiAl、SiAl、SiCo、SiCo、SiCoCu、SiCoCu、SiCr、SiCr、SiNi、SiNiO、またはこれらの任意の組合せを含み、
前記オーバーコートは、シリカ、アルミナ、またはこれらの混合物からなる2つの保護膜を含み、前記2つの保護膜は前記光吸収層とは異なる材料で形成され、
a、b、およびcは元素の重量パーセントであり、
bは1-a以下であり、
cは1-a-b以下であり、および
xは、0重量パーセントから完全な酸化物である任意の数までの範囲の重量パーセントである、
被覆された物品。
【請求項2】
前記光吸収層がSiCoを含み、aが30重量%~50重量%の範囲にある、請求項1に記載の被覆された物品。
【請求項3】
前記光吸収層がSiCoを含み、xが、20%~40%の酸素を有する雰囲気下で光吸収材料が形成されたときに得られる酸素含有量である、請求項1に記載の被覆された物品。
【請求項4】
前記光吸収層が前記第2の誘電体層と前記オーバーコートとの間にある、請求項1~3のいずれか一項に記載の被覆された物品。
【請求項5】
前記光吸収層が前記オーバーコート内に配置される、請求項1~3のいずれか一項に記載の被覆された物品。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の被覆された物品であって、
前記第2の誘電体層の少なくとも一部の上に第2の金属層、および前記第2の金属層の少なくとも一部の上に第3の誘電体層をさらに含み、ならびに
前記オーバーコートが前記第3の誘電体層の少なくとも一部の上にあり、前記光吸収層が前記第3の誘電体層の間にあるか、または光吸収層が前記オーバーコート内に配置される、
前記被覆された物品。
【請求項7】
請求項6に記載の被覆された物品であって、
前記第3の誘電体層の少なくとも一部の上に第3の金属層、および前記第3の金属層の少なくとも一部の上に第4の誘電体層をさらに含み、
前記オーバーコートが前記第4の誘電体層の少なくとも一部の上にあり、前記光吸収層が前記第4の誘電体層と前記オーバーコートとの間にあるか、または前記光吸収層が前記オーバーコート内に配置される、
前記被覆された物品。
【請求項8】
請求項7に記載の被覆された物品であって、
前記第4の誘電体層の少なくとも一部の上に第4の金属層、および前記第4の金属層の少なくとも一部の上に第5の誘電体層をさらに含み、
前記オーバーコートが前記第5の誘電体層の少なくとも一部の上にあり、前記光吸収層が前記第5の誘電体層と前記オーバーコートとの間にあるか、または前記光吸収層が前記オーバーコート内に配置される、
前記被覆された物品。
【請求項9】
前記金属層の少なくとも1つの上に形成された少なくとも1つのプライマ層をさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の被覆された物品。
【請求項10】
被覆された物品を作製する方法であって:
基板を提供し;および
前記基板の少なくとも一部の上にコーティングを塗布し、前記塗布工程は、
前記基板の少なくとも一部の上に第1の誘電体層を形成すること;
前記第1の誘電体層の少なくとも一部の上に第1の金属層を形成すること;
前記第1の金属層の少なくとも一部の上に第2の誘電体層を形成すること;
前記第2の誘電体層の少なくとも一部の上にオーバーコートを形成すること;
前記第2の誘電体層と前記オーバーコートとの間に光吸収層を形成するか、または前記オーバーコート内に前記光吸収層を形成すること
を含み、前記光吸収層は、SiAl、SiAl、SiCo、SiCo、SiCoCu、SiCoCu、SiCr、SiCr、SiNi、SiNiO、またはこれらの任意の組合せを含み、
前記オーバーコートは、シリカ、アルミナ、またはこれらの混合物からなる2つの保護膜を含み、前記2つの保護膜は前記光吸収層とは異なる材料で形成され、
a、b、およびcは元素の重量パーセントであり、
bは1-a以下であり、
cは1-a-b以下であり、および
xは、0重量パーセントから完全な酸化物である任意の数までの範囲の重量パーセントである、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年9月24日に出願された米国仮特許出願第62/735,632号の権利を有し、それに対する優先権を主張するものであり、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、光吸収材料を含み、所望の範囲の電磁放射を吸収および伝達するために使用することができる被覆された物品に関する。
【背景技術】
【0003】
建築用途、自動車用途、家電製品などを含む様々な用途で使用される基板は、典型的には機能的および/または美的コーティングで被覆されている。例えば、太陽光制御コーティングは、一般に、光を反射および/または吸収するために透明な建築用および自動車用基板に適用される。例えば、太陽光制御コーティングは、典型的には、特定の範囲の電磁放射を遮断またはフィルタリングして、車両または建物に入る太陽エネルギーの量を減らすために使用される。この太陽エネルギー透過率の低下は、車両または建物の冷却ユニットへのエネルギー負荷を軽減するのにも役立つ。したがって、特定の範囲の電磁放射を遮断またはフィルタリングする新しいコーティングを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、基板、基板の少なくとも一部に塗布されたコーティング、および光吸収層を含む被覆された物品に関する。コーティングは、基板の少なくとも一部の上に第1の誘電体層、第1の誘電体層の少なくとも一部の上に第1の金属層、第1の金属層の少なくとも一部の上に第2の誘電体層、および第2の誘電体層の少なくとも一部の上にオーバーコートを含む。光吸収層は、第2の誘電体層とオーバーコートとの間にあり、および/またはオーバーコートの一部である。光吸収層は、Ge、GeO、Hf、HfO、HfO、NbN、NbN、SiAl、SiAl、SiCo、SiCo、SiCoCu、SiCoCu、SiCr、SiCr、SiNi、SiNiO、SiO、SnN、SnO、SnO、TiN、TiNb、TiNb、TiNb、TiO、WO、WO、ZnO:Co、ZnO:Fe、ZnO:Mn、ZnO:Ni、ZnO:V、ZnO:Cr、ZnSn、ZnSn、またはこれらの任意の組合せを含むか、またはこれらからなる群より選択され得る。
【0005】
光吸収材料は、第2の誘電体層の上、第2の誘電体層とオーバーコートとの間、オーバーコートの下にあり得るか、またはオーバーコートの一部であり得る。
【0006】
コーティングはまた、第2の誘電体層の少なくとも一部の上に第2の金属層、および第2の金属層の少なくとも一部の上に第3の誘電体層を含むことができる。さらに、オーバーコートは、第3の誘電体層の少なくとも一部の上にあり、光吸収層は、第3の誘電体層の上、オーバーコートと第3の誘電体層の間、オーバーコートの下にあるか、またはオーバーコートの一部であり得る。
【0007】
被覆された物品は、第3の誘電体層の少なくとも一部の上に第3の金属層、および第3の金属層の少なくとも一部の上に第4の誘電体層をさらに含むことができる。オーバーコートは、第4の誘電体層の少なくとも一部の上にある。光吸収層は、第4の誘電体層の上、第4の誘電体層とオーバーコートとの間、オーバーコートの下にあるか、またはオーバーコートの一部であり得る。
【0008】
被覆された物品は、第4の誘電体層の少なくとも一部の上に第4の金属層、および第4の金属層の少なくとも一部の上に第5の誘電体層をさらに含むことができる。オーバーコートは、第5の誘電体層の少なくとも一部の上にある。光吸収層は、第5の誘電体層の上、第5の誘電体層とオーバーコートとの間、オーバーコートの下にあるか、またはオーバーコートの一部であり得る。
【0009】
本発明はまた、ガラス基板と、基板の少なくとも一部の上に塗布されたコーティングとを含む被覆された物品に関し、コーティングは、基板の少なくとも一部の上に第1の誘電体層;第1の誘電体層の少なくとも一部の上に第1の金属層;第1の金属層の少なくとも一部の上に第2の誘電体層;第2の誘電体層の少なくとも一部の上に第2の金属層;第2の金属層の少なくとも一部の上に第3の誘電体層;および第3の誘電体層の少なくとも一部の上にオーバーコートを含む。金属層の少なくとも1つは連続金属層であり、少なくとも1つのプライマ層が金属層の少なくとも1つの上に形成されている。光吸収層は、第3の誘電体層の上、第3の誘電体層とオーバーコートとの間、オーバーコートの下にあるか、またはオーバーコートの一部であり得る。さらに、光吸収層は、Ge、GeO、Hf、HfO、HfO、NbN、NbN、SiAl、SiAl、SiCo、SiCo、SiCoCu、SiCoCu、SiCr、SiCr、SiNi、SiNiO、SiO、SnN、SnO、SnO、TiN、TiNb、TiNb、TiNb、TiO、WO、WO、ZnO:Co、ZnO:Fe、ZnO:Mn、ZnO:Ni、ZnO:V、ZnO:Cr、ZnSn、ZnSn、またはこれらの任意の組合せを含むか、またはこれらからなる群より選択することができる。
【0010】
コーティングは、1つ以上のさらなる金属層および1つ以上の誘電体層をさらに含むことができる。それぞれのさらなる金属層は、先に形成された誘電体層の少なくとも一部の上に形成され、さらなる誘電体層は、それぞれのさらなる金属層の上に形成される。さらに、オーバーコートは、最上部の誘電体層の少なくとも一部の上に形成され、光吸収層は、最上部の誘電体層の上、最上部の誘電体層とオーバーコートとの間、オーバーコートの下に形成されるか、またはオーバーコートの一部であり得る。
すなわち、他の記載と重複するが、本発明およびその諸態様は以下のとおりである。ただし、本発明は以下に限定されるものではない。
[1]
基板;および
前記基板の少なくとも一部の上に塗布されたコーティング
を含む被覆された物品であって、前記コーティングは、
前記基板の少なくとも一部の上に第1の誘電体層;
前記第1の誘電体層の少なくとも一部の上に第1の金属層;
前記第1の金属層の少なくとも一部の上に第2の誘電体層;
前記第2の誘電体層の少なくとも一部の上にオーバーコート;
前記第2の誘電体層と前記オーバーコートとの間に光吸収層
を含むか、または前記オーバーコートは光吸収層を含み、
前記光吸収層は、Ge、GeO 、Hf、HfO 、HfO 、NbN 、NbN 、Si Al 、Si Al 、Si Co 、Si Co 、Si Co Cu 、Si Co Cu 、Si Cr 、Si Cr 、Si Ni 、SiNiO 、SiO 、SnN 、SnO 、SnO 、TiN 、Ti Nb 、Ti Nb 、Ti Nb 、TiO 、WO 、WO 、ZnO:Co、ZnO:Fe、ZnO:Mn、ZnO:Ni、ZnO:V、ZnO:Cr、Zn Sn 、Zn Sn 、またはこれらの任意の組合せを含む、
被覆された物品。
[2]
前記光吸収層が、Si Al 、Si Al 、Si Co 、Si Co 、Si Co Cu 、Si Co Cu 、Si Cr 、Si Cr 、Si Ni 、SiNiO 、SiO 、またはこれらの任意の組合せを含む、[1]に記載の被覆された物品。
[3]
前記光吸収層が、TiN 、Ti Nb 、Ti Nb 、Ti Nb 、TiO 、またはこれらの組合せを含む、[1]に記載の被覆された物品。
[4]
前記光吸収層が、NbN 、NbO 、Ti Nb 、Ti Nb 、Ti Nb 、またはこれらの組合せを含む、[1]に記載の被覆された物品。
[5]
前記光吸収層が、SnN 、SnO 、Zn Sn 、Zn Sn 、またはこれらの組合せを含む、[1]に記載の被覆された物品。
[6]
前記光吸収層が、ZnO:Co、ZnO:Fe、ZnO:Mn、ZnO:Ni、ZnO:V、ZnO:Cr、またはこれらの組合せを含む、[1]に記載の被覆された物品。
[7]
前記光吸収層が、Ge、GeO 、Hf、HfO 、WO 、WO 、またはこれらの組合せを含む、[1]に記載の被覆された物品。
[8]
前記光吸収層がSi Co を含み、aが30重量%~50重量%の範囲にある、[1]に記載の被覆された物品。
[9]
前記光吸収層がSi Co を含み、xが、20%~40%の酸素を有する雰囲気下で光吸収材料が形成されたときに得られる酸素含有量である、[1]に記載の被覆された物品。
[10]
前記光吸収層が前記第2の誘電体層と前記オーバーコートとの間にある、[1]~[9]のいずれかに記載の被覆された物品。
[11]
前記オーバーコートが前記光吸収層を含む、[1]~[9]のいずれかに記載の被覆された物品。
[12]
[1]~[11]のいずれかに記載の被覆された物品であって、
前記第2の誘電体層の少なくとも一部の上に第2の金属層、および前記第2の金属層の少なくとも一部の上に第3の誘電体層をさらに含み、ならびに
前記オーバーコートが前記第3の誘電体層の少なくとも一部の上にあり、前記光吸収層が前記第3の誘電体層の間にあるか、または前記オーバーコートが光吸収層を含む、
前記被覆された物品。
[13]
[12]に記載の被覆された物品であって、
前記第3の誘電体層の少なくとも一部の上に第4の金属層、および前記第4の金属層の少なくとも一部の上に第5の誘電体層をさらに含み、
前記オーバーコートが前記第5の誘電体層の少なくとも一部の上にあり、前記光吸収層が前記第5の誘電体層と前記オーバーコートとの間にあるか、または前記オーバーコートが前記光吸収層を含む、
前記被覆された物品。
[14]
前記金属層の少なくとも1つの上に形成された少なくとも1つのプライマ層をさらに含む、[1]~[13]のいずれかに記載の被覆された物品。
[15]
被覆された物品を作製する方法であって:
基板を提供し;および
前記基板の少なくとも一部の上にコーティングを塗布し、前記塗布工程は、
前記基板の少なくとも一部の上に第1の誘電体層を形成すること;
前記第1の誘電体層の少なくとも一部の上に第1の金属層を形成すること;
前記第1の金属層の少なくとも一部の上に第2の誘電体層を形成すること;
前記第2の誘電体層の少なくとも一部の上にオーバーコートを形成すること;
前記第2の誘電体層と前記オーバーコートとの間に光吸収層を形成するか、または前記オーバーコート内に前記光吸収層を形成すること
を含み、前記光吸収層は、Ge、GeO 、Hf、HfO 、HfO 、NbN 、NbN 、Si Al 、Si Al 、Si Co 、Si Co 、Si Co Cu 、Si Co Cu 、Si Cr 、Si Cr 、Si Ni 、SiNiO 、SiO 、SnN 、SnO 、SnO 、TiN 、Ti Nb 、Ti Nb 、Ti Nb 、TiO 、WO 、WO 、ZnO:Co、ZnO:Fe、ZnO:Mn、ZnO:Ni、ZnO:V、ZnO:Cr、Zn Sn 、Zn Sn 、またはこれらの任意の組合せを含む、
方法。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】単一金属層コーティングスタックについての、光吸収層が基板と第1の誘電体層の第1の膜との間に配置されている、本発明の特徴を組み込んだ被覆された物品の側面図(正確な縮尺ではない)の概略図。
図1B】二重金属層コーティングスタックについての、光吸収層が基板と第1の誘電体層の第1の膜との間に配置されている、本発明の特徴を組み込んだ被覆された物品の側面図(正確な縮尺ではない)の概略図。
図1C】三重金属層コーティングについての、光吸収層が基板と第1の誘電体層の第1の膜との間に配置されている、本発明の特徴を組み込んだ被覆された物品の側面図(正確な縮尺ではない)の概略図。
図1D】四重金属層コーティングについての、光吸収層が基板と第1の誘電体層の第1の膜との間に配置されている、本発明の特徴を組み込んだ被覆された物品の側面図(正確な縮尺ではない)の概略図。
【0012】
図2A】単一金属層コーティングスタックについての、光吸収層が第1のプライマ層と第2の誘電体層の第1の膜との間に配置されている、本発明の特徴を組み込んだ被覆された物品の側面図(正確な縮尺ではない)の概略図。
図2B】二重金属層コーティングスタックについての、光吸収層が第1のプライマ層と第2の誘電体層の第1の膜との間に配置されている、本発明の特徴を組み込んだ被覆された物品の側面図(正確な縮尺ではない)の概略図。
図2C】三重金属層コーティングについての、光吸収層が第1のプライマ層と第2の誘電体層の第1の膜との間に配置されている、本発明の特徴を組み込んだ被覆された物品の側面図(正確な縮尺ではない)の概略図。
図2D】四重金属層コーティングについての、光吸収層が第1のプライマ層と第2の誘電体層の第1の膜との間に配置されている、本発明の特徴を組み込んだ被覆された物品の側面図(正確な縮尺ではない)の概略図。
【0013】
図3A】単一金属層コーティングスタックについての、光吸収層が第2の誘電体層の第1の膜と第2の誘電体層の第2の膜との間に配置されている、本発明の特徴を組み込んだ被覆された物品の側面図(正確な縮尺ではない)の概略図。
図3B】二重金属層コーティングスタックについての、光吸収層が第2の誘電体層の第1の膜と第2の誘電体層の第2の膜との間に配置されている、本発明の特徴を組み込んだ被覆された物品の側面図(正確な縮尺ではない)の概略図。
図3C】三重金属層コーティングについての、光吸収層が第2の誘電体層の第1の膜と第2の誘電体層の第2の膜との間に配置されている、本発明の特徴を組み込んだ被覆された物品の側面図(正確な縮尺ではない)の概略図。
図3D】四重金属層コーティングについての、光吸収層が第2の誘電体層の第1の膜と第2の誘電体層の第2の膜との間に配置されている、本発明の特徴を組み込んだ被覆された物品の側面図(正確な縮尺ではない)の概略図。
【0014】
図4A】単一金属層コーティングスタックについての、光吸収層がオーバーコート内に配置されている、本発明の特徴を組み込んだ被覆された物品の側面図(正確な縮尺ではない)の概略図。
図4B】二重金属層コーティングスタックについての、光吸収層がオーバーコート内に配置されている、本発明の特徴を組み込んだ被覆された物品の側面図(正確な縮尺ではない)の概略図。
図4C】三重金属層コーティングについての、光吸収層がオーバーコート内に配置されている、本発明の特徴を組み込んだ被覆された物品の側面図(正確な縮尺ではない)の概略図。
図4D】四重金属層コーティングについての、光吸収層がオーバーコート内に配置されている、本発明の特徴を組み込んだ被覆された物品の側面図(正確な縮尺ではない)の概略図。
【0015】
図5A】単一金属層コーティングスタックについての、光吸収層が最上部の誘電体層とオーバーコートとの間に配置されている、本発明の特徴を組み込んだ被覆された物品の側面図(正確な縮尺ではない)の概略図。
図5B】二重金属層コーティングスタックについての、光吸収層が最上部の誘電体層とオーバーコートとの間に配置されている、本発明の特徴を組み込んだ被覆された物品の側面図(正確な縮尺ではない)の概略図。
図5C】三重金属層コーティングについての、光吸収層が最上部の誘電体層とオーバーコートとの間に配置されている、本発明の特徴を組み込んだ被覆された物品の側面図(正確な縮尺ではない)の概略図。
図5D】および四重金属層コーティングについての、光吸収層が最上部の誘電体層とオーバーコートとの間に配置されている、本発明の特徴を組み込んだ被覆された物品の側面図(正確な縮尺ではない)の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の詳細な説明の目的のために、本発明は、明示的に反対に指定されている場合を除き、様々な代替変形および工程シーケンスを想定し得ることが理解されるべきである。さらに、任意の操作例を除き、または他に指示されている場合を除き、例えば、本明細書および特許請求の範囲で使用される成分の量を表すすべての数字は、すべての場合に「約」という用語によって修飾されていると理解されるべきである。したがって、反対の指示がない限り、以下の明細書および添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明によって得られるべき所望の特性に応じて変動し得る近似値である。少なくとも、均等論の適用を特許請求項の範囲に限定する試みとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも、報告されている有効数字に照らして、通常の丸め手法を適用することによって解釈されるべきである。
【0017】
本発明の広い範囲を示す数値範囲およびパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の例に示される数値は、可能な限り正確に報告される。ただし、いかなる数値も、本質的に、それぞれの試験測定で見出される標準的な変動から必然的に生じる特定の誤差を含む。
【0018】
また、本明細書に列挙される任意の数値範囲は、そこに含まれるすべてのサブ範囲を含むことを意図していることが理解されるべきである。例えば、「1から10」の範囲は、記載されている最小値1と記載されている最大値10との間(およびそれらを含む)のすべてのサブ範囲、すなわち、1またはそれより大きい最小値および10またはそれ未満の最大値を有するすべてのサブ範囲を含むことを意図している。
【0019】
本出願では、特に明記されない限り、単数形の使用には複数形を含み、複数形は単数形を包含する。さらに、本出願では、「または」の使用は、「および/または」が特定の場合に明示的に使用され得るとしても、特に明記されない限り、「および/または」を意味する。さらに、本出願では、「1つの」の使用は、特に明記されない限り、「少なくとも1つ」を意味する。
【0020】
さらに、本明細書で使用される場合、「の上に形成された」、「の上に堆積された」、または「の上に提供された」という用語は、表面上に形成、堆積、または提供されるが、必ずしも表面と接触していないことを意味する。例えば、基板「の上に形成された」コーティング層は、形成されたコーティング層と基板との間に位置する同じまたは異なる組成の1つ以上の他のコーティング層または膜の存在を排除しない。
【0021】
「可視領域」または「可視光」という用語は、380nmから800nmの範囲の波長を有する電磁放射を指す。「赤外領域」または「赤外線放射」という用語は、800nm超から100,000nmまでの範囲の波長を有する電磁放射を指す。「紫外領域」または「紫外線放射」という用語は、300nmから380nm未満の範囲の波長を有する電磁エネルギーを意味する。
【0022】
本発明の考察は、特定の特徴を、特定の制限内で「特に」または「好ましくは」(例えば、特定の制限内で「好ましくは」、「より好ましくは」、または「最も好ましくは」)であると説明し得る。本発明は、これらの特定のまたは好ましい制限に限定されるのではなく、本開示の全範囲を包含することが理解されるべきである。
【0023】
本明細書で使用される場合、「膜」という用語は、所望のまたは選択されたコーティング組成物のコーティング領域を指す。「層」は、1つ以上の「膜」を含むことができ、「コーティング」または「コーティングスタック」は、1つ以上の「層」を含むことができる。「臨界厚さ」という用語は、それを超えるとコーティング材料が連続した途切れのない層を形成し、それを下回るとコーティング材料が連続層ではなくコーティング材料の不連続な領域または島を形成する厚さを意味する。「亜臨界厚さ」という用語は、コーティング材料がコーティング材料の孤立した非接続領域を形成するような臨界厚さを下回る厚さを意味する。「島」という用語は、コーティング材料が連続層ではなく、むしろ、材料が堆積されて孤立した領域または島を形成することを意味する。
【0024】
示されているように、本発明は、被覆された基板に関する。基板の上に塗布されるコーティングは、太陽光制御コーティングとしての機能を果たすことができる。本明細書で使用される場合、「太陽光制御コーティング」という用語は、太陽放射の量、例えば被覆された物品から反射される、被覆された物品によって吸収される、または被覆された物品を通過する可視、赤外線、または紫外線放射の量;シェーディング係数;放射率などであるがこれらに限定されない、被覆された物品の太陽光特性に影響を及ぼす1つ以上の層または膜から構成されるコーティングを指す。太陽光制御コーティングは、IR、UV、および/または可視スペクトルなどであるがこれらに限定されない、太陽スペクトルの選択された部分を遮断、吸収、またはフィルタリングすることができる。
【0025】
本発明のコーティングは、典型的には、断熱ガラスユニット(IGU)を含むがこれに限定されない、ある程度の透明性を示す基板に適用される。本発明のコーティングは、様々なタイプの基板で実施できることが理解される。例えば、本発明のコーティングは、積層または非積層の住宅用および/または商業用の窓、断熱ガラスユニット、および/または陸上車両、飛行体、宇宙船、水上輸送機関、および水中輸送機関用の透明物に適用することができる。適切な基板の他の非限定的な例には、鋼、亜鉛メッキ鋼、ステンレス鋼、およびアルミニウムを含むがこれらに限定されない金属基板;セラミック基板;タイル基板;プラスチック基板(ポリアクリラートなどのアクリルポリマー、ポリメチルメタクリラート、ポリエチルメタクリラート、ポリプロピルメタクリラートなどのポリアルキルメタクリラート;ポリウレタン、ポリカーボナート;ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリプロピレンテレフタラート、ポリブチレンテレフタラートなどのポリアルキルテレフタラート;ポリシロキサン含有ポリマー;もしくはこれらを調製するための任意のモノマーのコポリマー、もしくはこれらの任意の混合物);または上記のいずれかの混合物もしくは組合せが含まれる。
【0026】
前述のように、基板は透明な基板を含むことができる。典型的な透明基板は、材料が透明物を通して見ることができるように十分な可視光透過性を有することができるが、透明物は可視光に対して透明である必要はなく、半透明または不透明であってもよいことが理解される。さらに、基板の透明度は、任意の所望の可視光、赤外線放射、または紫外線放射の透過率および/または反射率を示すことができる。例えば、基板は、任意の所望の量、例えば0%を超える100%までの可視光透過率を有することができる。
【0027】
いくつかの例では、基板は従来の断熱ガラスユニットである。そのような基板の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2011/0236715号に記載されている。例えば、および米国特許出願公開第2011/0236715号に記載されているように、基板は、第1の主表面および反対側の第2の主表面を有する第1のプライを含む従来の断熱ガラスユニットである。基板はまた、外側(第1の)主表面および内側(第2の)主表面を有し、第1のプライから離れて配置されている第2のプライを含むことができる。第1および第2のプライは、従来のスペーサフレームに接着接合されることなどによって、任意の適切な方法で一緒に接続することができる。2つのプライの間にギャップまたはチャンバが形成される。チャンバは、空気などの選択された雰囲気、またはアルゴンもしくはクリプトンガスなどの非反応性ガスで満たすことができる。断熱ガラスユニットの非限定的な例は、米国特許第4,193,236号;同第4,464,874号;同第5,088,258号;および同第5,106,663号にも記載されており、これらは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0028】
断熱ガラスユニットを使用する場合、プライは同じ材料であっても異なる材料であってもよい。例えば、プライの1つ以上は、可視光に対して透明または半透明であり得る。本明細書で使用される場合、「半透明」という用語は、電磁エネルギー(例えば可視光)を通過させるが、反対側の物体が観察者に明瞭に見えないようにエネルギーを拡散する基板を指す。例えば、プライの1つ以上は、従来のソーダ石灰ケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸ガラス、または有鉛ガラスを含むことができる。ガラスは、非ティンテッドまたは非着色のガラスなどの透明なガラスであり得る。あるいは、ガラスは、ティンテッドガラスまたは着色ガラスであり得る。ガラスは、焼きなましまたは熱処理されたガラスであり得る。本明細書で使用される場合、「熱処理された」という用語は、焼き戻しされたかまたは少なくとも部分的に焼き戻しされたことを意味する。ガラスは、従来のフロートガラスなどの任意のタイプであり得、任意の光学特性、例えば任意の値の可視透過率、紫外線透過率、赤外線透過率、および/または全太陽エネルギー透過率を有する任意の組成物であり得る。さらに、本明細書で使用される場合、「フロートガラス」という用語は、溶融ガラスが溶融金属浴上に堆積され、制御可能に冷却されてフロートガラスリボンを形成する従来のフロートプロセスによって形成されたガラスを指す。フロートガラスプロセスの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第4,466,562号および同第4,671,155号に開示されている。
【0029】
被覆された物品10は、図1~5(サブ図を含む)によって表されている。基板12の少なくとも一部の上に堆積される本発明のコーティングは、基板12の少なくとも一部の上に形成された第1の誘電体層14、第1の誘電体層14の少なくとも一部の上に形成された第1の金属層16、第1の金属層16の少なくとも一部の上に形成された第2の誘電体層20、および第2の誘電体層の少なくとも一部の上に形成されたオーバーコート80を含む。
【0030】
第1の誘電体層14は、単層であり得るか、あるいは金属もしくは金属合金の酸化物、窒化物、酸窒化物、またはこれらの混合物などであるがこれらに限定されない、反射防止材料および/または誘電体材料の2つ以上の膜を含むことができる。第1の誘電体層14はまた、可視光に対して透明であり得る。第1の誘電体層に適した金属の非限定的な例には、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、ニオブ、亜鉛、ビスマス、鉛、インジウム、スズ、シリコン、またはこれらの混合物が含まれる。これらの金属は、酸化物、窒化物、または酸窒化物であり得る。これらはまた、マンガン、インジウムなどの少量の他の材料を含むことができる。非限定的な例では、第1の誘電体層14は、亜鉛およびスズを含む酸化物(例えばスズ酸亜鉛)、インジウム-スズ合金の酸化物、窒化ケイ素、窒化ケイ素アルミニウム、または窒化アルミニウムなどの金属合金または金属混合物の酸化物を含むことができる。
【0031】
さらに、第1の誘電体層14(単一膜層または多重膜層のいずれでも)は、200Å~600Å、好ましくは250Å~550Å、より好ましくは300Å~500Å、最も好ましくは375Å~425Åの範囲の厚さを有することができる。
【0032】
前述のように、第1の誘電体層14は、多重膜構造を含むことができる。例えば、第1の誘電体層は、基板の少なくとも一部の上に堆積された第1の膜114と、第1の金属合金酸化物膜の上に堆積された第2の膜116とを有する多重膜構造を含むことができる。例えば、第1の膜114はスズ酸塩であり得、第2の膜は酸化亜鉛(例えば亜鉛90重量%およびスズ10重量%の酸化物)であり得る。多重膜構造を含む第1の誘電体層14の非限定的な例は、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2011/0236715号の段落[0036]~[0039]に記載されている。
【0033】
示されているように、本発明のコーティングは、第1の誘電体層14の上に堆積された第1の金属層16を含むことができる。第1の金属層16は、金属金、銅、パラジウム、アルミニウム、銀、またはこれらの混合物、合金、もしくは組合せなどであるがこれらに限定されない、反射性または非反射性金属を含むことができる。いくつかの例では、第1の金属層16は連続層である。あるいは、第1の金属層16は不連続層である。第1の金属層16は、50Å~150Å、好ましくは70Å~130Å、より好ましくは80Å~120Å、最も好ましくは95Å~115Åの範囲の厚さを有することができる。
【0034】
本明細書で使用される場合、「連続層」は、材料の連続膜を形成し、孤立したコーティング領域を有さないコーティング層を指す。これに対し、「不連続層」は、材料の不連続膜を形成し、孤立したコーティング領域を含むコーティング層を指す。金属層は、臨界厚さ未満に堆積されて(「亜臨界層」とも称される)、連続層ではなく、不連続層の不連続な領域または島を形成し得ることが理解される。これらの不連続層は、表面プラズモン共鳴として公知の作用を通じて電磁放射を吸収する。これらの亜臨界層は、典型的には、同じ材料の連続層よりも可視領域での吸光度が高く、太陽エネルギーの反射率もより低い。
【0035】
第2の誘電体層20を、第1の金属層16の上に堆積させることもできる。第2の誘電体層20は、第1の誘電体層14に関して上記で説明したものなどの1つ以上の金属または金属合金含有膜と、第2の誘電体層の第1の膜120、第2の誘電体層の第2の膜122、および第2の誘電体層の第3の膜124とを含むことができる。第2の誘電体層20は、600Å~1100Å、好ましくは700Å~1000Å、より好ましくは750Å~950Å、最も好ましくは820Å~860Åの範囲の総厚(例えば層の合計厚さ)を有することができる。
【0036】
オーバーコート80は、第2の誘電体層20の上に位置することができる。オーバーコートは、下にあるコーティング層を機械的および化学的攻撃から保護するのに役立ち得る。オーバーコート80は、例えば金属酸化物または金属窒化物層であり得る。例えば、オーバーコート80は、シリカ、アルミナ、シリカとアルミナの混合物、窒化ケイ素、窒化ケイ素アルミニウム、酸窒化ケイ素アルミニウム、チタニア、酸化チタンアルミニウム、ジルコニア、またはこれらの混合物を含むことができる。オーバーコート80は、400Å~750Å、好ましくは450Å~700Å、より好ましくは500Å~675Å、最も好ましくは520Å~650Åの範囲の総厚を有し得る。オーバーコートは、2つまたは3つの保護膜に含まれ得、さらに、光吸収層(80aおよび80b)を含み得る。
【0037】
本発明によれば、光吸収層100は、第2の誘電体層20の上、第2の誘電体層20とオーバーコート80との間、オーバーコート80の下にあるか、またはオーバーコート80の一部である。例えば、光吸収層100は、オーバーコート80を堆積する前に、第2の誘電体層20の上に堆積させることができる。本明細書で使用される場合、「光吸収層」は、特定の範囲の電磁放射を吸収して特定の色を生成する層を指す。例えば、光吸収層100は、青色および無彩色を生成するために、青色波長領域または無彩色波長領域においてより低い吸収を有することができる。
【0038】
本発明で使用される光吸収層100は、Ge、GeO、Hf、HfO、HfO、NbN、NbN、SiAl、SiAl、SiCo、SiCo、SiCoCu、SiCoCu、SiCr、SiCr、SiNi、SiNiO、SiO、SnN、SnO、SnO、TiN、TiNb、TiNb、TiNb、TiO、WO、WO、ZnO:Co、ZnO:Fe、ZnO:Mn、ZnO:Ni、ZnO:V、ZnO:Cr、ZnSn、ZnSn、またはこれらの任意の組合せを含むことができる。
【0039】
本明細書で使用される場合、「亜酸化物」という用語は、電気陽性元素(例えば金属元素)が通常の酸化物と比較して過剰である酸化物のクラスを指す。酸化物または亜酸化物は、0%Oより大きく80%O以下の雰囲気を形成するための特定の流量を有する酸素(O)雰囲気中で、金属または金属合金をスパッタリングすることによって形成される。流量は雰囲気中のOの量の近似値であるが、当業者は、コーティングチャンバが外部環境から密閉されていないため、さらなるOがコーティングチャンバ内に漏れ出す可能性があることを認識する。例えば、Oの流量(すなわち、材料が堆積されているチャンバの雰囲気中のOの濃度)は、0%~50%、例えば10%~50%、例えば20%~30%、例えば20%~40%、例えば20%~50%、例えば30%~40%、例えば30%~50%の範囲であり得る。あるいは、Oの流量は、5%~30%、例えば10%~20%であり得る。「亜窒化物」という用語は、電気陽性元素(例えば金属元素)が通常の窒化物と比較して過剰である窒化物のクラスを指す。窒化物または亜窒化物は、金属または金属合金を、0%Nより大きく80%N以下の雰囲気を形成するための特定の流量を有する窒素(N)雰囲気中でスパッタリングすることによって形成される。例えば、N流量は、0%~50%、好ましくは1%~40%、より好ましくは3%~35%、最も好ましくは5%~30%であり得る。あるいは、Nの流量は5%~80%であり得る。流量は雰囲気中のNの量の近似値であるが、当業者は、コーティングチャンバが外部環境から密閉されていないため、さらなるNがコーティングチャンバ内に漏れ出す可能性があることを認識する。いずれの場合も(酸素または窒素雰囲気)、雰囲気の残りの部分は、アルゴンなどの不活性ガスであり得る。
【0040】
さらに、「金属合金」は、金属と、例えば第2の異なる金属などの第2の材料との組合せを指す。光吸収層100の化学構造は、元素a、b、およびcの重量パーセントによって指定される。いくつかの実施形態では、bは1-aに等しい。他の実施形態では、bは1-a未満であり得る。いくつかの実施形態では、cは1-a-bに等しくあり得る。他の実施形態では、cは1-a-b未満であり得る。本明細書に示されるa、bおよびcの重量パーセントは、酸素または窒化物の重量を無視する。代わりに、光吸収化合物の酸化物および/または窒化物の結果として生じる重量パーセントは、化学構造内のxおよび/またはyによって指定され、ここで、xおよびyは、0重量%から完全な酸化物および/または窒化物である任意の数までの範囲の重量パーセントを有することができる。光吸収層100の組成物は表1に見出すことができる。
【0041】
本発明で使用される光吸収層100は、シリコンおよび1つ以上の金属を含む金属合金、亜酸化物、または亜窒化物から選択することができる。1つ以上の金属は、元素の周期表の第3族~第15族の金属から選択することができる。例えば、1つ以上の金属は、遷移金属または遷移後金属から選択することができる。
【0042】
シリコンおよび1つ以上の金属を含む金属合金、亜酸化物、または亜窒化物の非限定的な例には、SiAl、SiAl、SiCo、SiCo、SiCoCu、SiCoCu、SiCr、SiCr、SiNi、SiNiO、SiO、またはこれらの任意の組合せが含まれる。例えば、光吸収層100は、bが12.5重量%~79重量%の範囲内であるSiCoを含むことができる。他の非限定的な例には、aが39重量%~46重量%であるSiNi、aが43重量%であるSiCo、aが19重量%または14重量%であるSiCoCu、aが48重量%であるSiCr、およびSiの重量%が85重量%であるSiAlが含まれる。
【0043】
光吸収体構成要素100は、チタンを含む金属、金属合金、亜酸化物、亜窒化物、または窒化物からさらに選択することができる。そのような化合物の非限定的な例には、TiN、TiNb、TiNb、TiNb、TiO、またはこれらの組合せが含まれる。
【0044】
光吸収体構成要素100はまた、ニオブを含む金属、金属合金、亜酸化物、亜窒化物、または窒化物から選択することができる。そのような化合物の非限定的な例には、Nb、NbN、NbN、TiNb、TiNb、TiNb、TiO、またはこれらの組合せが含まれる。
【0045】
本発明で使用される光吸収層100は、スズを含む亜酸化物または亜窒化物化合物を含むことができる。そのような化合物の非限定的な例には、SnN、SnO、SnO、ZnSn、ZnSn、またはこれらの組合せが含まれる。例えば、光吸収層100は、Zn対Snの重量比が、99~85:1~15、95~85:5~15、約90:10、約85:15、40~60:60~40、45~55:55~45、または約52:48を含むがこれらに限定されない、ZnSnまたはZnSnを含むことができる。
【0046】
前述のように、光吸収体構成要素100は、ZnO:Co、ZnO:Fe、ZnO:Mn、ZnO:Ni、ZnO:V、ZnO:Cr、またはこれらの組合せからさらに選択することができる。
【0047】
光吸収層100は、Ge、GeO、Hf、HfO、WO、WO、またはこれらの組合せからさらに選択することができる。
【0048】
光吸収層は、以下の表1に記載されるように、金属合金を含むことができる。金属合金は、金属合金、亜酸化物、亜窒化物、亜酸窒化物、酸化物、窒化物、または酸窒化物であり得る。光吸収層100は、表2に記載されているように、遷移金属などのさらなる材料でドープされたZnOを含むことができる。
【表1】

【表2】
【0049】
前述の光吸収体のいずれもが、単一の光吸収膜として別々に、または複数の光吸収膜として組み合わせて一緒に堆積させ得ることが理解される。
【0050】
さらに、亜酸化物および亜窒化物の光吸収層100の酸素または窒化物の量は、色吸収を調整するように選択することができる。例えば、酸素または窒素の量を、より無彩色な色を生成するように調整することができる。
【0051】
本発明のコーティングは、さらなるコーティング層をさらに含むことができる。例えば、コーティングは、1つ以上のさらなる金属層(亜臨界または非亜臨界金属層)および1つ以上のさらなる誘電体層を含むことができる。例えば、コーティングは、第2の誘電体層20の少なくとも一部の上に第2の金属層22をさらに含むことができる。第2の金属層22は、50Å~120Å、好ましくは60Å~110Å、より好ましくは70Å~100Å、最も好ましくは75Å~95Åの範囲の厚さを有することができる。第3の誘電体層30は、第2の金属層22の少なくとも一部の上に位置することができる。第3の誘電体層30は、第1の誘電体層14に関して上述したものなどの1つ以上の金属酸化物または金属合金酸化物含有膜と、第3の誘電体層の第1の膜130(例えば金属酸化物または金属酸化物混合物)、第3の誘電体層の第2の膜132(例えば金属合金酸化物)、および任意で、第3の誘電体層の第3の膜134(例えば金属酸化物または金属酸化物混合物)とを含むことができる。第3の誘電体層30は、150Å~400Å、好ましくは200Å~350Å、より好ましくは230Å~300Å、より好ましくは260Å~280Åの範囲の総厚(例えば層の合計厚さ)を有することができる。そのような例では、オーバーコート80は、第3の誘電体層30の少なくとも一部の上にあり、光吸収層100は、第3の誘電体層30の上、第3の誘電体層30とオーバーコート80との間、オーバーコート80の下、またはオーバーコート80内にある。
【0052】
本発明のコーティングは、例えば、第3の誘電体層30の少なくとも一部の上に第3の金属層26、および第3の金属層の少なくとも一部の上に第4の誘電体層40などの、複数の金属層および誘電体層を有することができることが理解される。第4の誘電体層40は、第1の誘電体層14に関して上述したものなどの1つ以上の金属酸化物または金属合金含有膜と、第4の誘電体層の第1の膜140(例えば金属酸化物または金属酸化物混合物)、第4の誘電体層の第2の膜142(例えば金属合金酸化物)、および任意で、第4の誘電体層の第3の膜144(例えば金属酸化物または金属酸化物混合物)とを含むことができる。第4の誘電体層は、450Å~800Å、好ましくは500Å~750Å、より好ましくは550Å~700Å、最も好ましくは600Å~650Åの範囲の総厚(例えば層の合計厚さ)を有することができる。次に、オーバーコート80は、第4の誘電体層40の少なくとも一部の上にあり、光吸収層100は、第4の誘電体層40の上、第4の誘電体層40とオーバーコート80との間、オーバーコート80の下、またはオーバーコート80内にある。
【0053】
本発明のコーティングは、さらなるコーティング層をさらに含むことができる。例えば、コーティングは、第4の誘電体層40の少なくとも一部の上に第4の金属層32をさらに含むことができる。第4の金属層32は、20Å~200Å、好ましくは40Å~150Å、より好ましくは60Å~110Å、最も好ましくは70Å~100Åの範囲の総厚を有することができる。第5の誘電体層50は、第4の金属層32の少なくとも一部の上に位置することができる。第5の誘電体層50は、第1の誘電体層14に関して記載されたものなどの1つ以上の金属酸化物または金属合金含有膜と、第5の誘電体層の第1の膜152(例えば金属酸化物または金属酸化物混合物)、第5の誘電体層の第2の膜154、および任意で、第5の誘電体層の第3の膜(例えば金属酸化物または金属酸化物混合物)とを含むことができる。第5の誘電体層50は、100Å~450Å、好ましくは150Å~400Å、より好ましくは200Å~350Å、最も好ましくは230Å~280Åの範囲の総厚を有することができる。次に、オーバーコート80は、第5の誘電体層50の少なくとも一部の上にあり、光吸収層100は、第5の誘電体層50の上、第5の誘電体層50とオーバーコート80との間、オーバーコート80の下、またはオーバーコート80内にある。
【0054】
したがって、それぞれのさらなる金属層は、先に形成された誘電体層の少なくとも一部の上にあり、さらなる誘電体層は、それぞれのさらなる金属層の上に形成される。さらに、さらなる金属層および誘電体層が使用される場合、オーバーコート80は、最上部の誘電体層の少なくとも一部の上にあり、光吸収層100は、最上部の誘電体層の上、最上部の誘電体層とオーバーコート80との間、オーバーコート80の下、またはオーバーコート80内に形成される。
【0055】
さらなる金属層および誘電体層は、金属層および誘電体層を形成するために使用される前述の材料のいずれかから形成することができる。例えば、さらなる誘電体層は、第1および第2の誘電体層14、20に関して上記で論じたような1つ以上の金属酸化物または金属合金酸化物含有膜を含むことができ、さらなる金属層は、第1の金属層16に関して上記で論じたような金属金、銅、パラジウム、アルミニウム、銀、またはこれらの混合物、合金、もしくは組合せを含む反射性または非反射性金属を含むことができる。さらなる層も、前述の厚さのいずれかを含むことができる。
【0056】
金属層のいずれも、使用される場合、コーティングスタック内の連続層または不連続層であり得ることが理解されるべきである。例えば、複数の金属コーティング層を有するコーティングスタックの場合、複数の金属層は、不連続な亜臨界金属層または連続金属層であり得る。
【0057】
他のさらなるコーティング層を本発明で使用することができる。例えば、プライマ層18、24、28、34は、金属層の1つ以上、例えばすべての上に位置することができる。プライマ層18、24、28、34は、単一膜層または複数膜層であり得る。プライマ層18、24、28、34は、スパッタリングプロセス中またはその後の加熱プロセス中の第1の反射層の劣化または酸化を防ぐために、堆積プロセス中に犠牲にすることができる酸素捕捉材料を含むことができる。プライマ層18、24、28、34はまた、コーティングを通過する可視光などの電磁放射の少なくとも一部を吸収することができる。プライマ層18、24、28、34に適した材料の非限定的な例には、チタン、シリコン、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、ニッケルクロム合金(インコネルなど)、ジルコニウム、アルミニウム、シリコンとアルミニウムの合金、コバルトとクロムを含む合金(例えばStellite(登録商標))、および/またはこれらの混合物が含まれる。例えば、プライマ層18、24、28、34はチタンであり得、1Å~60Å、好ましくは5Å~50Å、より好ましくは7Å~40Å、最も好ましくは10Å~35Åの範囲の総厚を有することができる。
【0058】
本発明でプライマ層(1つまたは複数)が使用される場合、誘電体層は、プライマ層の少なくとも一部の上に形成される。例えば、第1のプライマ層18は、第1の金属層16の上にあり得、第2の誘電体層20は、第1のプライマ層18の上に形成され得る。第2のプライマ層24は、第2の金属層22の上に位置することができる。第3のプライマ層は、第3の金属層30の上に位置することができる。第4のプライマ層は、第4の金属層32の上に位置することができる。
【0059】
本発明のコーティングは、従来の化学蒸着(CVD)および/または物理蒸着(PVD)法などであるがこれらに限定されない任意の従来の方法によって堆積させることができる。CVDプロセスの例には、スプレー熱分解が含まれる。PVDプロセスの例には、電子ビーム蒸着および真空スパッタリング(マグネトロンスパッタ蒸着(MSVD)など)が含まれる。ゾルゲル堆積などであるがこれに限定されない他のコーティング方法も使用することができる。
【0060】
MSVDプロセスは、典型的には、1つ以上のコーティングゾーンを有するコータで実施される。各ゾーンには、特定のタイプの材料を基板上に堆積するための1つ以上のターゲットが含まれる。各ターゲットは、ガスがゾーンに入るそれ自体のガス供給口を有するベイに配置される。ガスは様々な位置でゾーンに入るが、ゾーンに入ったガスはすべてゾーン内の特定の位置に置かれる。堆積プロセス中に使用されるガスには、反応性および/または非反応性ガスが含まれる。一般的に使用される反応性ガスの非限定的な例には、水素、酸素、窒素、およびこれらの組合せが含まれる。さらに、一般的に使用される非反応性ガスの非限定的な例には、アルゴンなどの1つ以上の希ガスが含まれる。
【0061】
コータの各ゾーンは、金属モード、遷移モード、または酸化物モードの3つのモードのいずれかで実行される、すなわち、コーティング層を堆積するように操作される。ゾーン内のターゲットと反応することができる反応性ガスの量がモードを決定することが理解される。例えば、遷移モードは、酸素などの反応性ガスを、金属酸化物および/または亜酸化物を実質的に堆積させることができる特定のパーセンテージ範囲に増加させることによって起こり得る。
【0062】
さらに、MSVD法は、それぞれが1つ以上のモードで独立して実行される1つ以上のゾーンを使用することができる。例えば、MSVD法は、金属モードなどの単一モードでそれぞれ独立して実行される複数のゾーンを含むことができる。あるいは、MSVD法は、ゾーンの少なくとも1つが、金属モードおよび遷移または酸化物モードなどの複数のモードを使用して実行される1つ以上のゾーンを含むことができる。少なくとも1つのゾーンで複数のモードを使用するMSVD法の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第8,500,965号に記載されている。
【0063】
本明細書で前述した光吸収層100を含む本発明のコーティングは、透明な基板を通って車両または建物に入る太陽エネルギーの量を低減すると同時に、青色および無彩色を示す(すなわち、青色と無彩色範囲では少量の放射のみを吸収する)ことが見出された。コーティングはまた、それらの熱特性を犠牲にすることなく熱安定性である。さらに、本発明のコーティングは、ヘイズをほとんどまたは全く示さず、熱を加える必要なしに室温で塗布することができる。
【0064】
本発明はまた、以下の条項を対象とする。
【0065】
条項1:基板と、基板の少なくとも一部の上に塗布されたコーティングとを含む被覆された物品であって、コーティングは、基板の少なくとも一部の上に第1の誘電体層;第1の誘電体層の少なくとも一部の上に第1の金属層;第1の金属層の少なくとも一部の上に第2の誘電体層;および第2の誘電体層の少なくとも一部の上にオーバーコートを含み、光吸収層が第2の誘電体層とオーバーコートとの間に配置されているか、またはオーバーコートが光吸収層を含み、光吸収層は、Ge、GeO、Hf、HfO、HfO、NbN、NbN、SiAl、SiAl、SiCo、SiCo、SiCoCu、SiCoCu、SiCr、SiCr、SiNi、SiNiO、SiO、SnN、SnO、SnO、TiN、TiNb、TiNb、TiNb、TiO、WO、WO、ZnO:Co、ZnO:Fe、ZnO:Mn、ZnO:Ni、ZnO:V、ZnO:Cr、ZnSn、ZnSn、またはこれらの任意の組合せを含むか、またはこれらからなる群より選択され得る、被覆された物品。
【0066】
条項2:光吸収層が、SiAl、SiAl、SiCo、SiCo、SiCoCu、SiCoCu、SiCr、SiCr、SiNi、SiNiO、SiO、またはこれらの任意の組合せを含むか、またはこれらからなる群より選択され得る、条項1に記載の被覆された物品。
【0067】
条項3:光吸収層が、TiN、TiNb、TiNb、TiNb、TiO、またはこれらの任意の組合せを含むか、またはこれらからなる群より選択され得、任意で、X(Oに関して)が、0%超~50%、好ましくは5%~40%、より好ましくは10%~35%、最も好ましくは20%~30%である、条項1に記載の被覆された物品。
【0068】
条項4:光吸収層が、NbN、NbO、TiNb、TiNb、TiNb、またはこれらの任意の組合せを含むか、またはこれらからなる群より選択され得る、条項1に記載の被覆された物品。
【0069】
条項5:光吸収層が、SnN、SnO、ZnSn、ZnSn、またはこれらの任意の組合せを含むか、またはこれらからなる群より選択され得る、条項1に記載の被覆された物品。
【0070】
条項6:光吸収層が、ZnO:Co、ZnO:Fe、ZnO:Mn、ZnO:Ni、ZnO:V、ZnO:Cr、またはこれらの組合せを含むか、またはこれらからなる群より選択され得る、条項1に記載の被覆された物品。
【0071】
条項7:光吸収層が、Ge、GeO、Hf、HfO、WO、WO、またはこれらの任意の組合せを含むか、またはこれらからなる群より選択され得る、条項1に記載の被覆された物品。
【0072】
条項8:光吸収層がSiCoを含み、aが30重量%~50重量%の範囲にある、条項1に記載の被覆された物品。
【0073】
条項9:光吸収層がSiCoを含み、xが、20%~40%の酸素を有する雰囲気下で光吸収材料が形成されたときに得られる酸素含有量である、条項1に記載の被覆された物品。
【0074】
条項10:誘電体層の少なくとも1つが、スズ酸亜鉛層、酸化亜鉛層、窒化ケイ素層、窒化ケイ素アルミニウム層、窒化アルミニウム層、またはこれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む、条項1~9のいずれかに記載の被覆された物品。
【0075】
条項11:第1の誘電体層が、スズ酸亜鉛、およびスズ酸亜鉛の少なくとも一部の上に酸化亜鉛を含む、条項1~9のいずれかに記載の被覆された物品。
【0076】
条項12:第1の誘電体層が200Å~600Åの範囲の総厚を含む、条項1~11のいずれかに記載の被覆された物品。
【0077】
条項13:第2の誘電体層が、酸化亜鉛、酸化亜鉛の少なくとも一部の上にスズ酸亜鉛、およびスズ酸亜鉛の少なくとも一部の上に酸化亜鉛を含む、条項1~12のいずれかに記載の被覆された物品。
【0078】
条項14:第2の誘電体層が600Å~1100Åの範囲の総厚を含む、条項1~13のいずれかに記載の被覆された物品。
【0079】
条項15:第2の誘電体層の少なくとも一部の上に第2の金属層、および第2の金属層の少なくとも一部の上に第3の誘電体層をさらに含み、光吸収層が第3の誘電体層とオーバーコートとの間に配置されているか、またはオーバーコートが光吸収層を含む、条項1~14のいずれかに記載の被覆された物品。
【0080】
条項16:第3の誘電体層の少なくとも一部の上に第3の金属層、および第3の金属層の少なくとも一部の上に第4の誘電体層をさらに含み、光吸収層が第4の誘電体層とオーバーコートとの間に配置されているか、またはオーバーコートが光吸収層を含む、条項15に記載の被覆された物品。
【0081】
条項17:第4の誘電体層の少なくとも一部の上に第4の金属層、および第4の金属層の少なくとも一部の上に第5の誘電体層をさらに含み、光吸収層が第5の誘電体層とオーバーコートとの間に配置されているか、またはオーバーコートが光吸収層を含む、条項16に記載の被覆された物品。
【0082】
条項18:オーバーコートがシリカ、アルミナ、またはこれらの混合物を含む、条項1~17のいずれかに記載の被覆された物品。
【0083】
条項19:オーバーコートが酸化ケイ素アルミニウムを含む、条項1~18のいずれかに記載の被覆された物品。
【0084】
条項20:オーバーコートが400Å~750Åの範囲の総厚を含む、条項1~19に記載の被覆された物品。
【0085】
条項21:光吸収層が第2の誘電体層とオーバーコートとの間に配置されている、条項1~20のいずれかに記載の被覆された物品。
【0086】
条項22:光吸収層がオーバーコート内に配置されている、条項1~21のいずれかに記載の被覆された物品。
【0087】
条項23:1つ以上のさらなる金属層および1つ以上の誘電体層をさらに含み、それぞれのさらなる金属層が先に形成された誘電体層の少なくとも一部の上にあり、さらなる誘電体層がそれぞれのさらなる金属層の上にあり、オーバーコートが最上部の誘電体層の少なくとも一部の上にあり、光吸収層が最上部の誘電体層とオーバーコートとの間に配置されているか、またはオーバーコート内に配置されている、条項1~22のいずれかに記載の被覆された物品。
【0088】
条項24:金属層の少なくとも1つが、金、銅、パラジウム、アルミニウム、銀、これらの混合物、これらの合金、またはこれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む、条項1~23のいずれかに記載の被覆された物品。
【0089】
条項25:金属層の少なくとも1つが銀である、条項1~24のいずれかに記載の被覆された物品。
【0090】
条項26:金属層の少なくとも1つが連続金属層である、条項1または25のいずれかに記載の被覆された物品。
【0091】
条項27:金属層の少なくとも1つが不連続金属層である、条項1または26のいずれかに記載の被覆された物品。
【0092】
条項28:第1の金属層が50Å~150Åの範囲の総厚を含む、条項1~27のいずれかに記載の被覆された物品。
【0093】
条項29:第2の金属層が50Å~120Åの範囲の総厚を含む、条項1~28のいずれかに記載の被覆された物品。
【0094】
条項30:金属層の少なくとも1つの上に形成された少なくとも1つのプライマ層をさらに含む、条項1~29のいずれかに記載の被覆された物品。
【0095】
条項31:プライマ層の少なくとも1つが、チタン、シリコン、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、ニッケルクロム合金、ジルコニウム、アルミニウム、シリコンとアルミニウムの合金、コバルトとクロムを含む合金、またはこれらの混合物からなる群より選択される、条項30に記載の被覆された物品。
【0096】
条項32:プライマ層が20Å~40Åの範囲の総厚を含む、条項30または31に記載の被覆された物品。
【0097】
条項33:第3の誘電体層が、酸化亜鉛、および酸化亜鉛の少なくとも一部の上にスズ酸亜鉛を含む、条項16~32のいずれかに記載の被覆された物品。
【0098】
条項34:第3の誘電体層が150Å~300Åの範囲の総厚を含む、条項16~33のいずれかに記載の被覆された物品。
【0099】
条項35:基板がガラスである、条項1~34のいずれかに記載の被覆された物品。
【0100】
条項36:それぞれの金属層の上にプライマをさらに含む、条項1~35のいずれかに記載の被覆された物品。
【0101】
条項37:ガラス基板と、ガラス基板の少なくとも一部の上に塗布されたコーティングとを含む被覆された物品であって、コーティングは、基板の少なくとも一部の上に第1の誘電体層;第1の誘電体層の少なくとも一部の上に第1の金属層;第1の金属層の少なくとも一部の上に第2の誘電体層;第2の誘電体層の少なくとも一部の上に第2の金属層;第2の金属層の少なくとも一部の上に第3の誘電体層;第3の誘電体層の少なくとも一部の上にオーバーコートを含み、金属層の少なくとも1つは連続金属層であり、少なくとも1つのプライマ層は金属層の少なくとも1つの上にあり、光吸収層は、第3の誘電体層とオーバーコートとの間に配置されているか、またはオーバーコートが光吸収層を含み、光吸収層は、Ge、GeO、Hf、HfO、HfO、NbN、NbN、SiAl、SiAl、SiCo、SiCo、SiCoCu、SiCoCu、SiCr、SiCr、SiNi、SiNiO、SiO、SnN、SnO、SnO、TiN、TiNb、TiNb、TiNb、TiO、WO、WO、ZnO:Co、ZnO:Fe、ZnO:Mn、ZnO:Ni、ZnO:V、ZnO:Cr、ZnSn、ZnSn、またはこれらの任意の組合せを含む、被覆された物品。
【0102】
条項38:光吸収層が第3の誘電体層とオーバーコートとの間に配置されている、条項37に記載の被覆された物品。
【0103】
条項39:オーバーコートが光吸収層を含む、条項37に記載の被覆された物品。
【0104】
条項40:1つ以上のさらなる金属層および1つ以上の誘電体層をさらに含み、それぞれのさらなる金属層が先に形成された誘電体層の少なくとも一部の上にあり、さらなる誘電体層がそれぞれのさらなる金属層の上にあり、オーバーコートが最上部の誘電体層の少なくとも一部の上にあり、光吸収層が最上部の誘電体層とオーバーコートとの間に配置されているか、またはオーバーコート内に配置されている、条項1~39のいずれかに記載の被覆された物品。
【0105】
条項41:基板を提供し、基板の少なくとも一部の上にコーティングを塗布した、被覆された物品を作製する方法であって、コーティングは、基板を提供すること;基板の少なくとも一部の上にコーティングを塗布することを含み、塗布工程は、基板の少なくとも一部の上に第1の誘電体層を形成すること;第1の誘電体層の少なくとも一部の上に第1の金属層を形成すること;第1の金属層の少なくとも一部の上に第2の誘電体層を形成すること;第2の誘電体層の少なくとも一部の上にオーバーコートを形成すること;第2の誘電体層の間に光吸収層を形成するか、またはオーバーコート内に光吸収層を形成することを含み、光吸収層は、Ge、GeO、Hf、HfO、HfO、NbN、NbN、SiAl、SiAl、SiCo、SiCo、SiCoCu、SiCoCu、SiCr、SiCr、SiNi、SiNiO、SiO、SnN、SnO、SnO、TiN、TiNb、TiNb、TiNb、TiO、WO、WO、ZnO:Co、ZnO:Fe、ZnO:Mn、ZnO:Ni、ZnO:V、ZnO:Cr、ZnSn、ZnSnを含む、方法。
【0106】
条項42:第1の金属の少なくとも一部の上にプライマを形成することをさらに含む、条項41に記載の方法。
【0107】
条項43:光吸収層が、SiAl、SiAl、SiCo、SiCo、SiCoCu、SiCoCu、SiCr、SiCr、SiNi、SiNiO、SiO、またはこれらの任意の組合せを含むか、またはこれらからなる群より選択され得る、条項41~42のいずれかに記載の方法。
【0108】
条項44:光吸収層が、TiN、TiNb、TiNb、TiNb、TiO、またはこれらの任意の組合せを含むか、またはこれらからなる群より選択され得、任意で、X(Oに関して)が、0%超~50%、好ましくは5%~40%、より好ましくは10%~35%、最も好ましくは20%~30%である、条項41~42のいずれかに記載の方法。
【0109】
条項45:光吸収層が、NbN、NbO、TiNb、TiNb、TiNb、またはこれらの任意の組合せを含むか、またはこれらからなる群より選択され得る、条項41~42のいずれかに記載の方法。
【0110】
条項46:光吸収層が、SnN、SnO、ZnSn、ZnSn、またはこれらの任意の組合せを含むか、またはこれらからなる群より選択され得る、条項41~42のいずれかに記載の方法。
【0111】
条項47:光吸収層が、ZnO:Co、ZnO:Fe、ZnO:Mn、ZnO:Ni、ZnO:V、ZnO:Cr、またはこれらの組合せを含むか、またはこれらからなる群より選択され得る、条項41~42のいずれかに記載の方法。
【0112】
条項48:光吸収層が、Ge、GeO、Hf、HfO、WO、WO、またはこれらの任意の組合せを含むか、またはこれらからなる群より選択され得る、条項41~42のいずれかに記載の方法。
【0113】
条項49:光吸収層がSiCoを含み、aが30重量%~50重量%の範囲にある、条項41~42のいずれかに記載の方法。
【0114】
条項50:光吸収層がSiCoを含み、xが、20%~40%の酸素を有する雰囲気下で光吸収材料が形成されたときに得られる酸素含有量である、条項41~42のいずれかに記載の方法。
【0115】
条項51:誘電体層の少なくとも1つが、スズ酸亜鉛層、酸化亜鉛層、窒化ケイ素層、窒化ケイ素アルミニウム層、窒化アルミニウム層、またはこれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む、条項41~50のいずれかに記載の方法。
【0116】
条項52:第1の誘電体層が、スズ酸亜鉛、およびスズ酸亜鉛の少なくとも一部の上に酸化亜鉛を含む、条項41~51のいずれかに記載の方法。
【0117】
条項53:第1の誘電体層が200Å~600Åの範囲の総厚を含む、条項41~52のいずれかに記載の方法。
【0118】
条項54:第2の誘電体層が、酸化亜鉛、酸化亜鉛の少なくとも一部の上にスズ酸亜鉛、およびスズ酸亜鉛の少なくとも一部の上に酸化亜鉛を含む、条項41~53のいずれかに記載の方法。
【0119】
条項55:第2の誘電体層が600Å~1100Åの範囲の総厚を含む、条項41~54のいずれかに記載の方法。
【0120】
条項56:第2の誘電体層の少なくとも一部の上に第2の金属層を形成すること、および第2の金属層の少なくとも一部の上に第3の誘電体層を形成することをさらに含み、光吸収層が第3の誘電体層とオーバーコートとの間に配置されているか、またはオーバーコートが光吸収層を含む、条項41~55のいずれかに記載の方法。
【0121】
条項57:第3の誘電体層の少なくとも一部の上に第3の金属を形成すること、および第3の金属層の少なくとも一部の上に第4の誘電体層を形成することをさらに含み、光吸収層が第4の誘電体層とオーバーコートとの間に配置されているか、またはオーバーコートが光吸収層を含む、条項41~56のいずれかに記載の方法。
【0122】
条項58:第4の誘電体層の少なくとも一部の上に第4の金属層、および第4の金属層の少なくとも一部の上に第5の誘電体層を形成することをさらに含み、光吸収層が第5の誘電体層とオーバーコートとの間に配置されているか、またはオーバーコートが光吸収層を含む、条項57に記載の方法。
【0123】
条項59:オーバーコートがシリカ、アルミナ、またはこれらの混合物を含む、条項41~58のいずれかに記載の方法。
【0124】
条項60:オーバーコートが酸化ケイ素アルミニウムを含む、条項41~58のいずれかに記載の方法。
【0125】
条項61:オーバーコートが400Å~750Åの範囲の総厚を含む、条項41~60のいずれかに記載の方法。
【0126】
条項62:光吸収層が第2の誘電体層とオーバーコートとの間に配置されている、条項41~61のいずれかに記載の方法。
【0127】
条項63:光吸収層がオーバーコート内に配置されている、条項41~61のいずれかに記載の方法。
【0128】
条項64:1つ以上のさらなる金属層および1つ以上の誘電体層を形成することをさらに含み、それぞれのさらなる金属層が先に形成された誘電体層の少なくとも一部の上にあり、さらなる誘電体層がそれぞれのさらなる金属層の上にあり、オーバーコートが最上部の誘電体層の少なくとも一部の上にあり、光吸収層が最上部の誘電体層とオーバーコートとの間に配置されているか、またはオーバーコート内に配置されている、条項41~42のいずれかに記載の方法。
【0129】
条項65:金属層の少なくとも1つが、金、銅、パラジウム、アルミニウム、銀、これらの混合物、これらの合金、またはこれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む、条項41~64のいずれかに記載の方法。
【0130】
条項66:金属層の少なくとも1つが銀である、条項41~65のいずれかに記載の方法。
【0131】
条項67:金属層の少なくとも1つが連続金属層である、条項41~66のいずれかに記載の方法。
【0132】
条項68:金属層の少なくとも1つが不連続金属層である、条項41~67のいずれかに記載の方法。
【0133】
条項69:第1の金属層が50Å~150Åの範囲の総厚を含む、条項41~68のいずれかに記載の方法。
【0134】
条項70:第2の金属層が50Å~120Åの範囲の総厚を含む、条項41~69のいずれかに記載の方法。
【0135】
条項71:プライマ層の少なくとも1つが、チタン、シリコン、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、ニッケルクロム合金、ジルコニウム、アルミニウム、シリコンとアルミニウムの合金、コバルトとクロムを含む合金、またはこれらの混合物からなる群より選択される、条項41~70のいずれかに記載の方法。
【0136】
条項72:プライマ層が20Å~40Åの範囲の総厚を含む、条項42~71のいずれかに記載の方法。
【0137】
条項73:第3の誘電体層が、酸化亜鉛、および酸化亜鉛の少なくとも一部の上にスズ酸亜鉛を含む、条項56~72のいずれかに記載の方法。
【0138】
条項74:第3の誘電体層が150Å~300Åの範囲の総厚を含む、条項56~73のいずれかに記載の方法。
【0139】
条項75:基板がガラスである、条項41~74のいずれかに記載の方法。
【実施例
【0140】
【0141】
前述の説明に開示されている概念から逸脱することなく本発明に変更を加え得ることは、当業者によって容易に理解されるであろう。したがって、本明細書で詳細に説明される特定の実施形態は、単なる例示であり、本発明の範囲に限定されず、添付の特許請求の範囲およびそのありとあらゆる等価物の全範囲が与えられるべきである。
【0142】
例1
【0143】
被覆された物品10を、光吸収層100をスタック内の異なる位置に組み込むことによって作製した。光吸収層は、金属合金の光吸収層の場合は100%アルゴン下で堆積させ、亜酸化物を形成するために20%~40%の酸素下で堆積させた。一実施形態では、光吸収層100は、第1の誘電体層14のZnSn膜114と基板12との間(図1A図1B図1C、および図1D)、プライマ層18と第2の誘電体層20の酸化亜鉛膜120との間(図2A図2B図2C、および図2D)、ならびに酸化亜鉛膜120と第2の誘電体層20のZnSn膜122との間(図3A図3B図3C、および図3D)に配置した。被覆された物品10を光透過率および色について分析し、ヘイズのある仕上がりの基板が得られた。
【0144】
例2
【0145】
図4Bの被覆された物品10を、20%~30%のO雰囲気(すなわち、SiCoが堆積されるチャンバに20%~30%のOがポンプで送り込まれときに生成される雰囲気)下で堆積させた、Siが50重量%であり、Coが50重量%であるSiCoを光吸収層として用いて作製し、これは次の構造を有していた:
Si85Al15 PPO 530Å
光吸収体 600Å
Si85Al15 PPO 20Å
スズ酸亜鉛 180Å
酸化亜鉛 90Å
チタン 20~40Å
銀 80Å
酸化亜鉛 70Å
スズ酸亜鉛 710Å
酸化亜鉛 60Å
チタン 20~40Å
銀 105Å
酸化亜鉛 60Å
スズ酸亜鉛 340Å
透明ガラス 2.1mm
【0146】
光吸収層100を、Si85Al15 PPOオーバーコート層80(80aおよび80b)内に配置した。得られた被覆された物品10を光透過率および色について分析した(表3)。光吸収層100をSi85Al15 PPO層80内に配置した場合、ヘイズはなく、光透過率(LTA)の低下が観察された。
【0147】
例3
【0148】
図5Bの被覆された物品10を、100%Ar雰囲気下で堆積させた、Siが50重量%であり、Coが50重量%であるSiCoを光吸収層として用いて作製し、これは次の構造を有していた:
Si85Al15 PPO 530Å
光吸収体 25Å
スズ酸亜鉛 180Å
酸化亜鉛 90Å
チタン 20~40Å
銀 80Å
酸化亜鉛 70Å
スズ酸亜鉛 710Å
酸化亜鉛 60Å
チタン 20~40Å
銀 105Å
酸化亜鉛 60Å
スズ酸亜鉛 340Å
透明ガラス 2.1mm
【0149】
光吸収層100を、第3の誘電体層30のZnSn層132とSi85Al15 PPOオーバーコート80との間に挿入した。得られた被覆された物品を光透過率および色について分析した(表3)。光吸収層100を第3の誘電体層30とSi85Al15 PPOオーバーコート80との間に挿入した場合、ヘイズはなく、LTAの低下が観察された。SiCoの厚さを25Åから30Åに増加させると、LTAはさらに低下したが、被覆されたスタック内の酸化の結果として、Rgの色の変化が生じた。
【表3】
【0150】
例4
【0151】
図4Bの被覆された物品10を、100%Arの下で堆積させた、Siが50重量%であり、Niが50重量%であるSiNi光吸収層100を用いて作製し、これは次の構造を有していた:
Si85Al15 PPO 530Å
光吸収体 100Å
Si85Al15 PPO 100Å
スズ酸亜鉛 180Å
酸化亜鉛 90Å
チタン 20~40Å
銀 80Å
酸化亜鉛 70Å
スズ酸亜鉛 710Å
酸化亜鉛 60Å
チタン 20~40Å
銀 105Å
酸化亜鉛 60Å
スズ酸亜鉛 340Å
透明ガラス 2.1mm
【0152】
光吸収層100をSi85Al15 PPOオーバーコート80(80aおよび80b)内に配置した。得られた被覆された物品10を光透過率および色について分析した。光吸収層をSi85Al15 PPOオーバーコート80内に配置した場合、ヘイズは観察されなかった。しかしながら、0%酸素環境での試料の加熱後、被覆された物品10はヘイズを生じた。
【0153】
例5
【0154】
図5Bの被覆された物品10を、10%O雰囲気下で堆積させた、Siが50重量%であり、Niが50重量%であるSiNi光吸収層を用いて作製し、これは次の構造を有していた:
Si85Al15 PPO 530Å
光吸収体 100Å
スズ酸亜鉛 180Å
酸化亜鉛 90Å
チタン 20~40Å
銀 80Å
酸化亜鉛 70Å
スズ酸亜鉛 710Å
酸化亜鉛 60Å
チタン 20~40Å
銀 105Å
酸化亜鉛 60Å
スズ酸亜鉛 340Å
透明ガラス 2.1mm
【0155】
光吸収層100をSi85Al15 PPOオーバーコート80内に配置した。得られた被覆された物品10を光透過率および色について分析した。光吸収層をSi85Al15 PPO層80に挿入した場合、ヘイズは観察されなかった。しかしながら、0%酸素環境での試料の加熱後、被覆された物品10はヘイズを生じた。
【0156】
例6
【0157】
図5Bの被覆された物品10を、20%O雰囲気下で堆積させた、Siが28重量%であり、Crが52重量%であるSiCr光吸収層を用いて作製した。光吸収層を第3の誘電体層30とオーバーコート80との間に挿入した場合、ヘイズは観察されなかった。
【0158】
本発明の特定の実施形態を、例示のために上記で説明したが、本発明の詳細の多数の変形が、添付の特許請求の範囲で定義される本発明から逸脱することなく行われ得ることは、当業者には明らかであろう。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D