(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】植物由来の樹皮を処理するための方法
(51)【国際特許分類】
B27K 9/00 20060101AFI20240705BHJP
【FI】
B27K9/00 R
(21)【出願番号】P 2021516697
(86)(22)【出願日】2019-09-19
(86)【国際出願番号】 IB2019057912
(87)【国際公開番号】W WO2020058901
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】102018000008714
(32)【優先日】2018-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】521116244
【氏名又は名称】ノリ、フランチェスカ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ノリ、フランチェスカ
【審査官】小林 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-168041(JP,A)
【文献】特開2008-253696(JP,A)
【文献】特開平10-080349(JP,A)
【文献】特開昭54-088397(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107912470(CN,A)
【文献】特開2006-167377(JP,A)
【文献】登録実用新案第3096623(JP,U)
【文献】登録実用新案第3143807(JP,U)
【文献】実開昭57-106793(JP,U)
【文献】特開平07-040312(JP,A)
【文献】特開2000-108107(JP,A)
【文献】特開2002-337116(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G2/00-2/38
A01G5/00-7/06
A01G9/28
A01G17/00-17/02
A01G17/18
A01G20/00-22/67
A01G24/00-24/60
A23K10/00-40/35
A23K50/15
B27H1/00-7/00
B27J1/00-7/00
B27K1/00-9/00
B27L1/00-3/00
B27L7/00-11/08
D01B1/00-9/00
D01C1/00-5/00
D03D1/00-27/18
D21B1/00-1/38
D21C1/00-11/14
D21D1/00-99/00
D21F1/00-13/12
D21G1/00-9/00
D21H11/00-27/42
D21J1/00-7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グルタルアルデヒド、アセトアルデヒド、グリオキサール及びそれらの混合物からなる群から選択される処理剤の水溶液を含む浴槽に前記果実の皮を浸漬する工程を含む、果実の皮を処理するための方法であって、
前記浸漬工程の前に、少なくとも中性の塩及び酸を含む水溶液中での前記果実の皮の前処理工程をさらに含む、方法。
【請求項2】
前記
浴槽に、糖及び/又はタンパク質物質に由来する製品が添加される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記果実の皮が、1時間~3日間の範囲の時間、攪拌下で前記
浴槽に浸漬されたままである、請求項1~2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記水溶液が、溶液の総重量に対して2重量%より高い前記処理剤の濃度を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記
浴槽が2~8の範囲のpHを有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記処理剤がグルタルアルデヒドである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の果実の皮の処理方法で得られる植物由来の材料であって、前記処理方法に供される前の果実の皮と同じ美的外観を有し、安定性並びに熱水及び機械的耐性が改善された、上記材料。
【請求項8】
動物ベースの皮革の代替品としての、請求項7に記載の材料の使用。
【請求項9】
請求項7に記載の材料で、完全に又は部分的に製造された物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、材料の処理の分野に関連し、より具体的には、植物由来の樹皮、特にパイナップルやメロンの樹皮を処理するための方法に言及するもので、この方法により、樹皮の物理的及び機械的特性を改善しながらも元の外観を維持し、極めて多様な用途に対して安定で防腐性を備えたものとすることが可能となる。
【背景技術】
【0002】
最近、食品部門だけでなく、衣料品やファッションアクセサリー部門を含む他の部門でも、植物由来の製品に対する消費者の需要が高まっている。この要望は、綿、リネン又は麻をベースにした伝統的な繊維製品だけでなく、大豆ベースの繊維製品や植物性廃棄物から得られる材料など、これらの分野での使用についてこれまで全く知られていなかった材料にも及んでいる。
【0003】
さらに、ますます強くなるアニマリスト(animalist)感受性の広がりのため、特に皮革製品の分野で考える場合、伝統的な皮革を植物由来の製品に置き換えることは、製品の自然さとエコロジーを保証することに加えて、動物虐待を伴わないこと、すなわち動物の皮を手に入れることのみを目的とした動物への虐待行為が回避されるといった消費者にとっての魅力を提示するものである。
【0004】
しかしながら、これらの材料で作られた製品は、適用性や使用目的に応じた多かれ少なかれ高い作業性と耐性に加えて、消費者が明らかに諦めたくない心地よい美的外観、及びより高品質の性能を備えていることが常に要求される。特に、エコロジカルレザーの場合、材料は、同一若しくは異なる材料の部分をつなぎ合わせる場合、又は、例えばバッグ、財布、ベルトなどの形で完成品を製造するために縫製することができるように十分な強度と耐性を保証するものでなくてはならないため、材料に要求される物理的及び機械的特性は特に厳格である。
【0005】
前述の特性を備えた材料を得ることを目指すために、明らかに出発植物材料は、処理後の製品だけでなく方法自体及びそれを作るために使用される試薬と溶媒の望ましいエコロジーが保証されなければならない処理にかけられなければならない。
【0006】
これまで、前述の市場の需要を満たすために、廃棄物又は果物、野菜、キノコ類などの場合を含む植物製品から始めて、衣料品及びファッションアクセサリー部門で使用するための材料を作り出す、いくつかの試みがなされている。しかしながら、これまでのところ、出願人が知る限り、前述の試みは、自然の組成及び植物由来であることが保証され得る材料を得ることを目的としてきたが、例えばバッグを作成するのに要求される堅牢性及び耐性といった特性に注意を払うことはなかった。あるいは、これらの堅牢性と堅固さといった特徴を得るために、これまでに行われた試みには、要求される耐性を得るために、出発材料の構造を完全に変換する処理を含み、そして必然的に元の美的外観に対する何らかの改修も含まれていた。
【0007】
これらの理由から、今日まで、元の出発製品の独創的な外観を維持しながらも、衣料品及びファッションアクセサリー部門での使用に適したものにするために必要な安定性と耐性を備えた、高品質の処理された材料を提供することができる、植物由来の製品のエコロジカルな処理方法の必要性が依然として認識されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
ここで、出願人は、例えばパイナップルやメロンの樹皮などの植物由来の樹皮が、下記のアルデヒド剤の水溶液で処理する方法に供される場合、出発製品の美的外観を維持しながらも、堅牢で安定した、防腐性の材料をもたらすことを発見した。
【0009】
有利なことに、この処理方法で使用されるすべての試薬及び溶媒は、人に毒性を示さず環境にも有害ではないため、使用の安全性及びそれらを取り扱う作業者の健康に関連する問題を引き起こすことも、処理された製品に痕跡や有毒な残留物を残すこともない。
【0010】
したがって、本発明の主題は、添付の特許請求の範囲の請求項1に記載された植物由来の樹皮を処理するための方法である。
【0011】
本明細書に添付された特許請求の範囲の独立請求項8、9及び10に記載された、前述の方法から得られる処理された材料、動物ベースの皮革の代替物としてのその使用及びそれで作られた物品は、本発明のさらなる主題を表す。
【0012】
植物由来の樹皮を処理するための方法、そのように処理された材料及びその使用、並びに本発明による材料で作られた物品の他の重要な特徴は、以下の詳細な説明に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】後記の例1による本発明の方法で処理されたパイナップル樹皮のサンプルである。
【
図2】後記の比較例2による本発明の処理なしで風乾したパイナップル樹皮のサンプルである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の記載において、特に明記しない限り、パーセンテージ量は、それらを含む組成物の総重量に対する重量パーセンテージとして表されている。
【0015】
本出願人は、驚くべきことに、植物由来の樹皮を、グルタルアルデヒド、アセトアルデヒド、グリオキサール及びそれらの混合物からなる群から選択される処理剤の水溶液を含む浴槽に浸漬すると、出発樹皮の美的外観を変更せずに維持しながら、出発製品に関する熱水及び機械的耐性の改善された特性並びにはるかに優れた安定性が獲得されることを発見した。高い耐性と安定性に加えて、本方法で得られる植物材料はまた、出発植物製品とは対照的に、防腐性であることが証明された。
【0016】
グルタルアルデヒドは低分子量脂肪族ジアルデヒドで、下式で示される。
【化1】
【0017】
グルタルアルデヒドは水溶性の化合物であり、その水溶液は安定しており、揮発性が低い。グルタルアルデヒドはまた、広く使用されている市販製品であり、その主たる用途は、
-様々な市販の製剤で入手可能であり、グルタルアルデヒドが希釈水溶液(濃度2~5重量%)の形で消毒剤として使用されている医療部門、及び
-一般に濃縮水溶液(濃度25~50重量%)の形で、グルタルアルデヒドが動物の皮のなめし剤及び前なめし剤として使用される皮革工業
におけるものである。
【0018】
アセトアルデヒドは、式
【化2】
で示される、分子量が低く、最も単純な脂肪族アルデヒドである。
【0019】
アセトアルデヒドは、室温では無色の液体であり、工業的有機合成で広く使用されている。
【0020】
同様に、室温で無色の液体の形態で、グリオキサールは、式
【化3】
を有する最も単純なジアルデヒドである。
【0021】
グリオキサールは既に製紙、繊維及び製薬業界で広く使用されており、有機化合物の合成の前駆体として使用されている。
【0022】
本方法の好ましい実施形態において、グルタルアルデヒドは処理剤として使用される。
【0023】
この結果は、植物由来の樹皮の性質、組成及び一貫性において完全に予想外であり、例えば、あらゆるタイプの動物ベースの皮革とは完全に異なっていた。さらに、植物由来の出発樹皮の美的側面は、浸漬段階がアルデヒド処理剤を樹皮の内側及びあらゆる部分に浸透させるような段階であっても、完全に保存されている。樹皮の内部へのこの浸透は、最終材料の強度及び安定性を改善するのにより効果的であるため、本発明の方法の好ましい条件であり、例えば、好ましくは穏やかである、攪拌浴槽中に樹皮を浸漬し、及び/又は十分に長い時間、浸漬を延長することによって得ることができる条件である。本方法の一実施態様において、樹皮浸漬段階は、1時間~3日間続くことがあり得る。パイナップル樹皮に関する最適な結果は、樹皮を穏やかに攪拌しながら約2日間浴槽に浸したままにすることで観察された。種々の樹皮について、攪拌の有無にかかわらず最適な時間は、上記の条件内で当該部門における通常の技能をもつ専門家によって簡単に決定され得る。
【0024】
後記の実験部分で詳細に説明するように、これは、互いに融合した状態のプラーク(plaques)によって形成された、特定の本来の外観を呈する植物由来の樹皮、特にパイナップル樹皮で観察され、本発明の方法で処理した後、材料中で完全に保存される。同じことが、同じくその特定の外観のために選択され、多かれ少なかれ明白な縦フランジ及び多かれ少なかれ厚く明白な網状構造を特徴とする、メロン樹皮に対し本発明の方法を実施することによって見出されている。パイナップル及びメロンの樹皮は、本明細書において非限定的な例と挙げられており、植物由来の他の樹皮、特にそれらの美的外観故に独創的である樹皮も、本発明の範囲内に含まれることが理解される。本処理により得られた材料は、特に独創的で見た目も魅力的であると同時に、未処理のパイナップルやメロンの樹皮には全く知られていない安定性並びに熱水及び機械的耐性を獲得しているため、本発明に従って処理された樹皮を用いて、バッグやポーチなどの複雑な物品が、ひな形に従って予め切断された材料の部品を縫製することによって製造された。概してさらに、植物由来の樹皮について、本方法は、それらの機能的特徴及び性能を改善し、経時的な防腐性があり、高い安定性と熱水耐性が付与された、物理的及び機械的観点から高性能である完成材料をもたらすという驚くべき効果を提供した。これらの特性のおかげで、こうして得られた材料は、特に衣料品及び皮革製品の製造及び/又は装飾のためのファッション部門だけでなく、家具及びデザイン部門、並びに他の同様の分野においてもうまく使用され得る。
【0025】
本発明の範囲内で、上記のように、「処理剤の水溶液」は、グルタルアルデヒド、アセトアルデヒド、グリオキサール及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、溶液の総重量に対して2重量%より高い濃度で前述の処理剤を含有する水溶液、より好ましくは約2.5重量%に等しい濃度を有する前述の薬剤の水溶液を意味する。
【0026】
本方法の浸漬工程での浴槽は、水及び処理剤に加えて、この分野で一般的に使用され、許容され得る任意の添加剤、染料、フレーバー及び薬剤、特に水分補正剤(moisture correctors)や充填剤など糖及び/又はタンパク質物質に由来する製品をさらに含むことができる。これらの後者の添加物、すなわち、それぞれ湿度の補正作用及び材料の内部構造に対する充填作用を有する糖及びタンパク質物質に由来する製品は、本処理方法における最終材料の安定性及び製品特性をさらに改善するのに効果的であることが証明された。
【0027】
本発明の方法の一実施形態によれば、浸漬工程の浴は、前述の糖及びタンパク質物質の由来物のうちの1つ以上を含む前述の処理剤の水溶液からなる。本発明の方法のさらなる実施形態によれば、浸漬工程の浴は、さらなる添加剤、薬剤又は何らかの物質を一切含まない処理剤の水溶液からなる。
【0028】
前述の添加剤は、浸漬浴に最初から添加されることもあれば、又は植物由来の樹皮が既に前記浴内である一定期間浸漬された後に添加されることもあり得る。この添加は、同時又は好ましくは連続して行われ得、浴中に存在する様々な物質の内部構造への浸透を容易にするために、各添加後に樹皮をある一定時間浸漬し続けられる。
【0029】
本方法の一実施態様において、浸漬工程の浴は、約2~約8のpHを有し、好ましくは約3である。
【0030】
本方法において、浸漬工程と可能な前処理工程は両方とも、例えば、約5℃~約45℃の範囲の温度で実施される。
【0031】
本方法の好ましい実施形態によれば、アルデヒド処理剤の水溶液を含む浴に植物由来の樹皮を浸漬する工程の前に、少なくとも中性塩、例えばNaCl、及び酸、例えば蟻酸を含む水溶液中で植物由来の樹皮を前処理する工程が行われる。
【0032】
本発明のアルデヒド剤は、その特性、特に他の溶媒も希釈剤も一切含まない水溶液中でのその水溶性及び安定性のおかげで、本発明の場合がそうであるように、エコロジカルな方法で使用するための理想的な製品を代表している。さらに、本方法は、その単純さと安全性において、出発植物製品の加工処理が非常に強力であるため、エコロジカルレザーの場合よりも外観を平坦にし、植物製品の外観を完全に変形することになる既知の方法とは対照的に、美的側面も維持しながら、出発製品の特性を大幅に改善することを可能にする。
【0033】
本発明を、限定されることのないものとして、例によって以下に説明するが、本発明の範囲内に留まりながらも、記載された試薬の量及びパーセンテージは変化し得、また反応器のタイプ、及びより一般的には使用される条件のタイプも変化し得ることが理解される。
【0034】
例1
6つの新鮮なパイナップルから出発し、それぞれの樹皮を得た。
【0035】
水とNaClを、約8ボーメ(Be)の密度に達するような量で添加してなる前処理浴も調製した。また、0.2g/lのジチオカルバメートをベースにした抗菌剤及び2g/lの蟻酸(約72%濃度)を塩溶液に添加した。
【0036】
そのように構成された浴を、機械的攪拌装置を備えた円筒形の容器に注ぎ、すべての成分が混合されるまで穏やかに攪拌した。この時点で、パイナップルの樹皮を浴に浸し、約3に等しいpHに達するまで浴の穏やかな攪拌を続けた。この前処理段階が終了したら、0.2g/lの蟻酸と25g/lのグルタルアルデヒド(約50%濃度の水溶液)を浴に加え、浸漬した樹皮の穏やかな攪拌を2日間続ける。この期間の後、重炭酸ナトリウムの添加により約7のpHに達するまで浴を徐々に酸性を抑え、次いで動物コラーゲンの加水分解から得られたタンパク質性物質を添加し、穏やかな攪拌をさらに6時間続けた。
【0037】
そのように処理した樹皮を容器から取り出し、新しい容器の水浴に完全に浸した。次に、グリセリンを100g/lの量で添加し、穏やかな攪拌を1日間維持した。
【0038】
上記のように処理した樹皮を、この浴から取り出した後、風乾にかけた。
図1は、上記要領で処理されたパイナップルの樹皮の1つを示している。本発明の方法で処理されたこれらの樹皮は、動物ベースの皮革の代わりに、いくつかの皮革製品を作るために使用された。上記のように処理された樹皮は、切断と縫製が著しく容易で、高い機械的強度と経時的な安定性を示し、それらはまた、完成品にかなりの強度を与えた。特に、パイナップルの樹皮の構造を構成するブロックの剥離は観察されなかった。同時に、
図1からわかるように、出発樹皮の美的及び寸法的特性は完全に維持されており、特に、出発樹皮の着色は処理後も正確に維持され、個々のブロックの外観も維持されていた。
【0039】
例2(比較)
上記例1で使用したサンプルの場合と同じサイズ及び成熟度の果実から出発して、例1の樹皮と同じ寸法を有する樹皮を得た。
【0040】
次いで、新鮮な果実の樹皮を、いかなる処理もせずに、本発明の方法で処理した例1の樹皮と並行して、同時に風乾にかけた。風乾した植物の皮で得られた結果と同等の結果が、添付の
図2に示されている。
【0041】
図からわかるように、サンプルのサイズは
図1のサンプルに比べて大幅に縮小されており、色が非常にくすんで見え、ブロックの形状が損なわれていた。さらに、ねじりやその他の機械的応力にさらされると、このサンプルは壊れ、実験開始から数日後、カビの発生も観察された。
【0042】
例3
上記例1のパイナップル樹皮に対する処理と同じ処理を、果肉を除去した後、パイナップル樹皮についての上記と同じ実験処理条件を使用して、新鮮な果実から作られたメロン樹皮に対しても実施した。結果は非常に類似しており、本発明方法で処理されたメロン樹皮は、複雑な物品を作るための精密な切断及び縫製を可能にする堅牢性に加えて、特に高い機械的強度及び安定性を示した。それどころか、独創的な浮き出たグリッドと縦リブを特徴とする出発樹皮の美的特性は、処理後も完全に維持されていた。天然樹皮の形態に加えて、元の色も維持されていた。
【0043】
本発明について、以上、その好ましい実施形態を参照しながら説明してきた。下記の特許請求の範囲の保護の範囲によって定義されるように、同じ本発明の核心に言及する他の実施形態があり得ることが理解されるべきである。