(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】蓋付き箱を開梱及び荷空けするためのシステム
(51)【国際特許分類】
B65B 69/00 20060101AFI20240705BHJP
【FI】
B65B69/00 Z
(21)【出願番号】P 2021539018
(86)(22)【出願日】2020-02-05
(86)【国際出願番号】 EP2020052874
(87)【国際公開番号】W WO2020161188
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2022-12-12
(32)【優先日】2019-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】521162931
【氏名又は名称】マレル・サーモン・アクティエセルスカブ
【氏名又は名称原語表記】Marel Salmon A/S
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】スヴォルゴー,ピーター テステズ
(72)【発明者】
【氏名】ダール,マス オーゴー
(72)【発明者】
【氏名】ネアゴー、ラスムス トム ライマス
(72)【発明者】
【氏名】ダムゴー,イェンス スコウ
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-081230(JP,A)
【文献】特開2008-001431(JP,A)
【文献】特開平05-254525(JP,A)
【文献】特開昭59-152132(JP,A)
【文献】特開平04-154527(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第00528772(EP,A1)
【文献】実開平06-037208(JP,U)
【文献】実開平06-056037(JP,U)
【文献】特開2013-100118(JP,A)
【文献】米国特許第09827678(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0375388(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0107750(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部(230)及び蓋(232)を有する箱(104)を開梱するために設けたシステム(100)であって、前記箱(104)から1以上の食品を取り出すために設けられたシステム(100)において、
アクチュエータを有し、前記本体部(230)に付着させるための第1ツール(101)と、
アクチュエータを有し、
i)1以上の接触点で、蓋(232)の表面に付着させるステップと、
ii)前記1以上の接触点のそれぞれで、前記接触点の表面に、垂直方向の成分を有する、引っ張り力を含む力(538)を前記蓋(232)に付与するステップと、
を実行するための第2ツール(102)と、
を備え、
前記第1ツール(101)及び前記第2ツール(102)は共通の動力ツール(106)に取り付けられ、
前記第1ツール(101)は前記動力ツール(106)に取り付けられたフレームに保持され、前記第2ツール(102)は前記フレームに保持され、
前記蓋(232)付き箱(104)を開梱するために、前記第2ツール(102)により、本体部(230)に対して蓋(232)を方向変換及び/又は変位させるステップと、
前記箱(104)を回転させて重力により前記箱(104)から1以上の食品を取り出すために、前記第1ツール(101)により、前記本体部(230)を移動及び/又は方向転換するステップと、
を実行するために設けられている、箱(104)を開梱するためのシステム(100)。
【請求項2】
前記1以上の接触点は、前記表面の縁から、少なくとも、1mm、5mm、10mm、20mm、50mm、又は100mm離れて設けられている、請求項1に記載の箱(104)を開梱するためのシステム(100)。
【請求項3】
前記第2ツール(102)は、前記蓋(232)に付着させる際、前記蓋(232)を貫通するように設けられた、針(236)を含む1以上の要素を備える、請求項1又は2に記載の箱(104)を開梱するためのシステム(100)。
【請求項4】
前記第2ツール(102)は、前記蓋(232)に付着させる際、1以上の要素と蓋(230)との間に部分的な真空を形成するために設けられた、1以上の吸盤を含む1以上の要素を備える、請求項1から3のいずれか1項に記載の箱(104)を開梱するためのシステム(100)。
【請求項5】
前記第1ツール(101)はさらに、
前記本体部(230)を、除氷エリア、容器、受取ビン、又は内容物受取コンベアを含む受取エリア(116)の上方位置に移動させるステップを含む、前記本体部(230)を水平方向に移動させるステップのために設けられている、請求項1から4のいずれか1項に記載の箱(104)を開梱するためのシステム(100)。
【請求項6】
前記箱(104)から1以上の食品アイテムを取り除くように、前記本体部(230)を移動及び/又は方向転換するステップと、
前記箱(104)から重力によって1以上の食品アイテムを取り除くことができるように、前記本体部(230)を方向転換するステップと、
を備える、請求項1から5のいずれか1項に記載の箱(104)を開梱するためのシステム(100)。
【請求項7】
前記1以上の要素は、少なくとも2、4、8又は16を含む複数の要素を備える、請求項1から6のいずれか1項に記載の箱(104)を開梱するためのシステム(100)。
【請求項8】
前記複数の要素は、互いに異なる角度で蓋(232)を貫通するように設けられている、請求項7に記載の箱(104)を開梱するためのシステム(100)。
【請求項9】
前記箱(104)の周囲に設けたストラップを切断するための切断装置(703)をさらに備える、請求項1から8のいずれか1項に記載の箱(104)を開梱するためのシステム(100)。
【請求項10】
前記本体部及び/又は前記蓋は、押出ポリスチレンフォームを含むポリスチレンフォームのように、50kg/m
3未満、又は25kg/m
3未満を含む100kg/m
3未満の密度を有する材料で構成されている、請求項1から9のいずれか1項に記載の箱(104)を開梱するためのシステム(100)。
【請求項11】
前記箱(104)を第1ツール(101)及び/又は第2ツール(102)に搬送するためのコンベア(112)を含む移送手段をさらに備える、請求項1から10のいずれか1項に記載の箱(104)を開梱するためのシステム(100)。
【請求項12】
前記移送手段はさらに、裁置された1以上の箱(108)を有するパレット(110)を移送するために設けられている、請求項11に記載の箱(104)を開梱するためのシステム(100)。
【請求項13】
前記箱(104)の位置及び/又は向きを検出するための1以上のセンサをさらに備える、請求項1から12のいずれか1項に記載の箱(104)を開梱するためのシステム(100)。
【請求項14】
1以上の欠陥箱に関する情報、及び/又は、内容物を除去すべきではない1以上の箱に関する情報を入力するためのユーザ入力インターフェース(128)と、
i)前記情報を受信するステップと、
ii)前記情報に基づいて、前記第1ツール(101)及び/又は前記第2ツール(102)を制御するステップと、
を実行するために設けたプロセッサと、
をさらに備える、請求項1から13のいずれか1項に記載の箱(104)を開梱するためのシステム(100)。
【請求項15】
前記箱は、発泡ポリスチレン、押出発泡ポリスチレンを含むポリスチレンから構成され、
前記箱(104)は、魚、冷凍魚を含む1以上の食品を備える、蓋(232)付きの箱(104)を開梱するための請求項1から14のいずれか1項に記載のシステム(100)の使用方法。
【請求項16】
アクチュエータを有する第1ツール(101)を本体部(230)に付着させるステップと、
アクチュエータを有する第2ツール(102)を、1以上の接触点で、蓋(232)の表面に付着させるステップと、を備え、
前記第1ツール(101)及び前記第2ツール(102)は共通の動力ツール(106)に取り付けられ、
前記第1ツール(101)は前記動力ツール(106)に取り付けられたフレームに保持され、前記第2ツール(102)は前記フレームに保持され、
1以上の接触点のそれぞれで、接触点の表面に垂直な方向の成分を有する引っ張り力を含む力(538)を蓋に付与するステップと、
蓋付き箱を開梱するために、前記第2ツール(102)により、本体部(230)に対して蓋(232)を方向転換及び/又は変位させるステップと、
前記箱から1以上の食品を取り出すために、前記第1ツール(101)により、前記本体部(230)を移動及び/又は方向転換し、重力によって前記箱(104)から1以上の食品を取り出せるようにするステップと、
をさらに備える、本体部(230)及び蓋(232)を有する箱(104)を開梱するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱を取り扱うためのシステム、より詳細には、箱を開梱して荷空けするためのシステム、並びに対応する使用及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水産加工工場では、箱の取り扱い、特に、魚や氷が収容された発泡ポリスチレン箱などの箱を開梱し、荷空けすることは、一般に手作業で行われる。手作業は、例えば、箱の数が多いことや、各箱の重量が大きいことなどから、手間がかかる。自動化は、箱の壊れやすさや高速処理の必要性などの理由で困難である。
【0003】
したがって、箱を取り扱うための改良されたシステム、使用及び方法が有効であり、特に、上述の問題のいくつか又はすべてを軽減又は克服するシステム、使用及び方法が有効である。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、上述の問題を解決することができるシステム及び方法を提供することである。したがって、上述の目的及び他のいくつかの目的は、本発明の第1の態様では、本体部及び蓋を有する箱を開梱するために配置したシステムを提供することによって得ることを意図している。さらにこのシステムは、前記箱から1以上の食品を取り出すために設けられている。前記システムは、
第1機械作動ツールなどのアクチュエータを備え、本体部に付着させるための少なくとも1つの第1ツールと、
第2機械作動ツールなどのアクチュエータを備え、少なくとも1つの第2ツールと、
を備え、前記第2ツールは、
i)1以上の接触点で、蓋の表面に付着させるステップと、
ii)前記1以上の接触点のそれぞれで、前記接触点での表面に垂直な方向成分を有する引っ張り力などの力を前記蓋に付与するステップと、
を備え、
前記第1ツール及び前記第2ツールは、
蓋付き箱を開梱するために、本体部に対して蓋を方向転換及び/又は変位させるステップと、
前記箱から1以上の食品を取り出すために前記本体部を移動及び/又は方向転換する(例えば、重力によって前記箱から1以上の食品を取り出すことができるように前記本体部を方向付ける)ステップと、
を備える。
【0005】
本発明は、特に、第1動力ツールと第2動力ツールを介して、1以上の食品を入れた箱など、箱を開梱したり荷空けしたりする際の手作業の必要性を低減又は排除するシステムを得るために利点があると考えられるが、それだけではない。
【0006】
もう一つの利点は、1以上の接触点で蓋に付着させ、各接触点で付与する力が、接触点の表面に垂直な方向の成分を持つことで、(例えば、上面が箱のキャビティに面する蓋の外面である場合)蓋の上面の位置に付着し、付与した力で蓋を引き上げることが可能になることである。これにより、蓋の側面、縁、取手などの位置を確認する必要がなくなり、手順が簡単になる。(水平な)上面の面積は、通常、蓋の(垂直な)側面の面積よりも大きいので、比較的大きな上面をすぐに特定することができ、大きな面積により、1以上の接触点の位置の(小さな)偏差に対して工程が堅牢になり、時間のかかる精度要件を不要にすることができるため、工程を高速化することが可能となる。
【0007】
表面に対する「法線」とは、接触点において表面に「垂直」であることを意味する。力が表面に対して垂直な成分を持つためには、その接触点での力は表面から離れていなければならないが、法線ベクトルと平行である必要はないことが理解される。力と法線ベクトルの間の最小の角度は、0°-90°、0°-60°、0°-45°、0°-30°、ほぼ0°、0°などとすることができる。
【0008】
1以上の接触点は、箱を閉じたときに、箱のキャビティに面する蓋の外面としてもよい。また、1以上の接触点は、箱の一面など、側面にあってもよい。第2ツールは、一方向からのみ蓋に接近させてもよい。
【0009】
「蓋で箱を開梱するために、本体部に対して蓋を方向転換及び/又は変位させる」とは、第1及び第2ツールが本体部と蓋に係合したときに、蓋自体が本体部から離れて移動することを意味するが、蓋が静止した状態に保持され、本体部のみが蓋から離れて移動することを意味してもよい。これにより、本体部の取り扱いから本体部を空にするまでの間、蓋はほぼ水平な位置に保持されていてもよい。
【0010】
本体部及び/又は蓋は、例えば、50kg/m3未満、25kg/m3未満など、100kg/m3未満の密度をそれぞれ有する軽量材料などの材料で構成してもよい。「箱」とは、押出発泡ポリスチレン(EPS)で構成された(例えば、本体部と蓋のそれぞれの)箱などと理解してもよい。内容物が入った箱(空になる前)は、1kg、5kg、10kg、又は20kgを超える質量であってもよく、20から40kg、22から27kgの質量であってもよい。箱及び/又は蓋のそれぞれの最大寸法に沿ったサイズ(長さ)は、50cm以上、例えば50cmから100cmであってもよい。蓋、例えば箱を閉じたときの蓋のアクセス可能な部分は、ほぼ長方形の六面体であってもよく、2つの辺のそれぞれが、残りの4つの辺のそれぞれよりも大きいか、著しく大きい、例えば少なくとも1.1倍、1.5倍、2倍、5倍又は10倍大きい。
【0011】
本システムで扱う箱や蓋は、箱と蓋が別々のユニットになっているタイプが好ましく、被包装物を箱に入れると蓋が箱の天井部に置かれ、蓋は箱の4辺を1枚以上、通常は2枚のストラップで囲んで位置を固定することができる。箱も蓋も、ポリスチレンのような柔らかいプラスチックでできているのが好ましい。箱の周りのストラップが、閉じた箱から取り外されていれば、そのような箱を開梱する際に、蓋や箱に切り込みを入れる必要はない。
【0012】
第1ツールと第2ツールは、電動など、動力をそれぞれ備えてもよい。油圧式、空気圧式、電気式のアクチュエータなどの「アクチュエータ」とは、ツールの一部を動かしたり制御したりするための部品を意味する。第1ツールと第2ツールは、共通の産業用ロボットなどの共通のツールのような共通の要素に取り付けられてもよい。第1ツール及び第2ツールは、共通のツールと協働してもよく、例えば、第1ツールは、本体部の一部を把持し、共通のツールによって本体部の一部と共に移送されることにより、本体部の一部を移送させるように設けてもよい。この場合、第1ツールが本体部の一部を移送することが理解される。
【0013】
箱から取り出される1以上の食品には、植物や動物に由来する食品が含んでもよい。例えば、野菜、ベリー類、魚(鮭など)、肉(鶏、牛、豚のいずれか)などがある。食品は、新鮮なものであってもよいし、冷凍されたものであってもよいし、魚の氷漬けのように氷で冷やされたものであってもよい。
【0014】
一実施形態によれば、箱を開梱するためのシステムが提示されている。このシステムは、2つなど、複数の箱を同時に開梱する(付着させる、開梱する、移動させるなどの)ために設けられている。2つの箱を扱う場合、システムにより一度に1つの箱を受け取ることができる。一度に2つの箱を扱うことの利点は、容量が増加することである。
【0015】
一実施形態によれば、第2ツールを蓋の表面に取り付ける際の前記1以上の接触点が、前記表面の縁から離れた位置、例えば、少なくとも1mm、5mm、10mm、20mm、50mm、100mm離れた位置に設けられている箱を開梱するためのシステムが提示されている。この利点は、上面などの表面の一部を縁から離して利用することができ、蓋への付着や箱の開梱時に縁の正確な位置を特定する必要がなくなることである。例えば、蓋の縁に頼る工程では、蓋の縁を探すのに時間がかかるが、縁から離れた面の接点に接触させる工程では、単に(より大きな)面を探せばよいので、より少ない時間で済む。言い換えれば、第2ツールは、表面の任意の縁から離れた表面の位置に付着させることができる。これにより、目指すべき大きな領域が得られる可能性がある。その結果、付着がずれや精度の欠如に対して強くなる(例えば、縦横が10cmを超える箱の場合、cm単位で精度を低くすることができる)。「前記表面の縁から離れた」とは、前記表面の任意の縁から離れると理解してもよい。
【0016】
一実施形態によれば、第2ツールは、蓋に付着させる際に蓋を貫通するように設けた針などの1以上の要素、例えば、蓋に少なくとも1mm、2mm、5mm、10mm、20mm、50mm貫通して入るような要素を備える箱を開梱するシステムが提示されている。この利点は、蓋を貫通するための要素が、表面に垂直な成分を持つ力を蓋に容易に付与することができることである。また、1以上の要素を、汚れや水分に対して強くすることができるという利点もある。要素は、1以上の針であってもよく、例えば、鉤を有する針であっても鉤を有しない針であってもよい。
【0017】
一実施形態によれば、第2ツールが、1以上の要素、例えば、1以上の吸盤を備え、蓋に取り付ける際、1以上の要素と蓋との間に部分的な真空を生成するように設けられる、箱を開梱するためのシステムが提示されている。この利点は、部分的な真空を生成するための要素には、表面に垂直な成分で蓋に力を付与することを容易にすることである。もう一つの利点は、蓋を損傷することなく箱を開梱することができることである。
【0018】
一実施形態によれば、第1ツールが、除氷エリア、レセプタクル、受信ビン、又はコンテンツ受信コンベアなどの受取エリアの上方位置に移動させるなど、本体部を、いくらかの垂直方向の移動も含まれる水平方向すなわち横方向に移動させるためにさらに設けられる、箱を開梱するためのシステムが提示されている。この利点は、第1ツールが、箱の開梱を補助することと、本体部を移動させることの両方について、二重に機能することである。さらに、箱の開梱と少なくとも本体部の一部の移動に同じ時間を使うことができるため、より効率的な工程を実現することが可能となる。
【0019】
一実施形態によれば、前記箱から1以上の食品を取り出すために本体部を移動及び/又は方向転換するステップが、前記箱から1以上の食品を取り出すために重力を利用できるように本体部を方向転換するステップを備える、蓋付き箱を開梱するためのシステムが提示されている。この利点は、1以上の食品に力を付与して本体部から取り出す際の作業の一部又は全部を行うために重力を利用した効率的な方法であるということである。「重力を利用できるように本体部を方向転換する」ステップは、非垂直軸の周りで回転させるステップ、水平軸の周りで回転させるステップ、少なくとも90°、120°、135°回転させるステップなど、箱を逆さまにするステップを含んでもよい。
【0020】
一実施形態によれば、第2ツールを蓋に付着させるための1以上の要素が、少なくとも2、4、8又は16個の要素など、複数の要素で構成される、箱を開梱するためのシステムが提示されている。この利点は、複数の要素がある場合、蓋を移動及び/又は再配置するために各要素が発揮する力が少なくて済むことである。一実施形態によれば、複数の要素が、互いに異なる角度で蓋を貫通するように設けられる、箱を開梱するためのシステムが提示されている。この利点は、蓋が要素から滑り落ちにくくなることである。「異なる角度」とは、10°、10°~80°、15°~75°、60°など、少なくとも1°の角度であると理解してもよい。
【0021】
一実施形態によれば、箱の開梱直後などの蓋の変位方向は、各要素とゼロでない角度、例えば、少なくとも、1°、10°、10°~80°、15°~75°、30°の角度である。
【0022】
箱の蓋の良好な保持状態を確保するために、箱の1つの蓋に係合する少なくとも1つの第2ツールは、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10個のツールであってもよい。好ましいのは、箱の1つの蓋と係合する4から8個の第2ツールである。
【0023】
一実施形態によれば、第1ツールは、任意に繰り返し、本体部に力を付与して加速及び/又は減速させるために設けられ、例えば、箱の本体部が重力によって1以上の食品を前記箱から取り出すことができるように方向転換されている間、本体部に付与された前記力が垂直成分を有するように設けられている、箱を開梱するためのシステムが提示されている。この利点は、本体部に最初に付着した内容物など、箱の内容物を振るい落とすことができることである。
【0024】
一実施形態によれば、先行する請求項のいずれか1項に記載の箱を開梱するためのシステムであって、本体部及び/又は蓋、例えば本体部及び蓋のそれぞれが、例えば押出発泡ポリスチレン(EPS)などの発泡ポリスチレンのように、50kg/m3未満、25kg/m3未満など、100kg/m3未満の密度を有する材料で構成されていることを特徴とするシステムが提示されている。
【0025】
一実施形態によれば、箱を開梱するためのシステムであって、第1ツール及び第2ツールがさらに、スペースを節約するために、蓋で箱を閉鎖するように、本体部に対して蓋を方向転換及び/又は変位させるために設けられているシステムが提示されている。
【0026】
第1ツール及び第2ツールは、少なくとも、1以上の食品を箱から取り出すために本体部を移動及び/又は方向転換する間、本体部及び蓋にそれぞれ同時に接触させるのが好ましい。食品が箱から取り出された後、蓋は再び箱に配置されるのが好ましい。
【0027】
箱から1以上の食品を取り出すために本体部を移動及び/又は方向転換するステップは、第1及び第2ツールによる係合のために起こり得るある穿孔を除いて、実質的に箱を損傷することなく本体部を荷空けすることを意味するのが好ましい。
【0028】
一実施形態によれば、
第1ツールは、本体部を解放するために設けられ、
第2ツールは、蓋を解放するために設けられ、
「解放」は、蓋及び/又は本体部を以前に貫通した1以上の要素を引き抜くステップ、及び/又は、1以上の要素と蓋及び/又は本体部との間の部分真空を解放するステップとを含んでもよい、箱を開梱するためのシステムが提示されている。
【0029】
一実施形態によれば、箱を第1ツール及び/又は第2ツールに搬送するためのコンベアなどの移送手段をさらに備える、箱を開梱するためのシステムが提示されている。一実施形態によれば、移送手段がパレット上に置かれた1以上の箱を有するパレットを移動させるためにさらに設けられる、箱を開梱するためのシステムが提示されている。一実施形態によれば、第1ツール及び第2ツールから離れて箱を搬送するためのコンベアなどの移送手段をさらに備える、箱を開梱するためのシステムが提示されている。
【0030】
一実施形態によれば、箱の位置(1次元、2次元、3次元の位置など)及び/又は向き(少なくとも垂直軸周りの角度など)を検出する、箱を検出するための1以上のセンサをさらに備える、箱を開梱するためのシステムが提示されている。この利点は、1以上のセンサによって、第1ツール及び/又は第2ツールを、本体部や蓋などの箱に付着させることができるということである。1以上のセンサは、単に箱の存在を検出してもよいし、位置及び/又は向きを検出してもよい。例えば、パレット上の3次元的な位置や、垂直軸周りの方向を検出してもよい。
【0031】
一実施形態によれば、
1以上の欠陥箱に関する情報、及び/又は、内容物を取り除いてはいけない1以上の箱に関する情報を入力するためのタッチスクリーンなどのユーザ入力インターフェースと、
i)前記情報を受信し、
ii)前記情報に基づいて、前記第1ツール及び/又は前記第2ツールを制御するために設けられたプロセッサと、
をさらに備える、箱を開梱するためのシステムが提示されている。
【0032】
この利点は、ユーザがシステムに追加情報を提供できることである。例えば、箱に欠陥がある場合(発泡ポリスチレン製の軽量な箱で、比較的重い内容物を運んでいる場合が多い)、ユーザはユーザ入力インターフェースを介してこの情報を提供することができ、システムのプロセッサは、箱に付着させない、又は箱を開梱しないなどして、この情報を考慮することができる。これにより、システムによる取扱い中に箱が壊れて、望ましくない位置に内容物が漏出するのを回避することができる。また、ユーザは、内容物を取り出すべきではない1以上の箱に関する情報を、ユーザ入力インターフェースを介して提供することができる。ユーザ入力インターフェースは、タッチスクリーンなどの画面で構成され、開梱して内容物を取り出すことができる箱の概要をグラフィック表示し、ユーザが1以上の特定の箱に関する情報を選択して入力できるようになっている。
【0033】
さらに本システムは、箱の周囲にあるストラップを切断することができる少なくとも1の切断装置を備えてもよい。少なくとも1の切断装置は、蓋の長さに沿って切断するように設けられていてもよいし、箱の周りにある1以上のストラップの位置を垂直に切断するように配置してもよい。切断装置は、任意のストラップを切断するために、例えば、蓋の一端から他端までナイフを導くレールに配置してもよい。切断装置は、蓋部、底部、及び蓋部と底部の間の側面に配置してもよい。切断装置は、蓋部でストラップを切断するように配置するのが好ましい。
【0034】
箱の周囲にストラップが設けられた箱を取り扱う場合、少なくとも1つの第2ツールが蓋と係合してから、蓋と本体部の少なくとも一方が他方から離れ始めるまでの間に、切断装置を作動させてストラップを切断し、箱の向きを変えたり、開梱したりすることができる。
【0035】
第2の態様によれば、
箱は、発泡ポリスチレン、押出発泡ポリスチレンなどのポリスチレンで構成され、
箱は、例えば、魚、冷凍魚、氷で冷やされた新鮮な魚など、1以上の食品を収容する、蓋付き箱を開梱するための第1の態様に係るシステムの使用が提示されている。
【0036】
第3の態様によれば、
機械的に作動する第1ツールなど、アクチュエータを含む少なくとも1つの第1ツールを本体部の一部に付着させる(第2ツールのアクチュエータを用いて第1ツールを付着させるなど)ステップと、
機械的に作動する第2ツールなど、アクチュエータからなる少なくとも1つの第2ツールを、(第2ツールのアクチュエータによって第2ツールを付着させるなど)1以上の接触点で蓋の表面に付着させるステップと、
を備え、
前記第1ツール及び前記第2ツールのそれぞれは動力を備え、
さらに、前記1以上の接触点のそれぞれで、前記接触点の表面に垂直な方向の成分を有する引っ張り力などの力を前記蓋に付与するステップと、
蓋で箱を開梱するために、本体部に対して蓋を方向転換及び/又は変位させるステップと、
前記本体部を方向転換し、重力を利用して前記箱から前記1以上の食品を取り出すなど、前記箱から前記1以上の食品を取り出すために前記本体部を移動及び/又は方向転換するステップと、
を備える、本体部と蓋を有する箱(本体部及び/又は蓋、例えば本体部と蓋のそれぞれが、例えば押出発泡ポリスチレン(EPS)など、発泡ポリスチレンのような、50kg/m3未満、25kg/m3未満など、100kg/m3未満の密度を有する材料で構成されている)を開梱するための方法が提示されている。
【0037】
この方法は、本システムを1、2又はそれ以上の箱に接続し、同時に又はほぼ同時に、
蓋付き箱を開梱するために、本体部に対して蓋を方向転換及び/又は変位させるステップと、
本体部を方向転換し、重力によって1以上の食品を前記箱から取り出すことができるようにするなど、1以上の食品を前記箱から取り出すために、本体部を移動及び/又は方向転換するステップと、
を備えるようにしてもよい。
【0038】
本方法は、空の箱を箱送出しコンベアに配置するステップをさらに備えるようにしてもよい。
【0039】
一実施形態によれば、本体部及び/又は蓋、例えば本体部及び蓋のそれぞれが、例えば50kg/m3未満、25kg/m3未満など、100kg/m3未満の密度を有する材料、例えば押出発泡ポリスチレン(EPS)などで構成される方法が提示されている。
【0040】
本発明の第4の態様は、
箱の本体部と係合するように構成された少なくとも1つの第1ツールと、
箱の蓋と係合するように構成された少なくとも1つの第2ツールと、
適宜、箱が第1ツール及び/又は第2ツールと係合する際、箱からストラップを切断するように設けられた切断装置と、
を備える、箱を開梱するためのシステムに関する。
【0041】
第4の態様に係る実施形態では、好ましい実施形態を選択し、任意に組み合わせてもよい(但し、本明細書の他の箇所に記載された実施形態も第4の態様と組み合わせてもよい)。
【0042】
第2ツールは、任意の適切な方法で箱の蓋と係合させてもよい。これは、本明細書の他の箇所に記載されているように、及び/又は、蓋の縁(例えば、蓋の長辺に沿った縁及び/又は蓋の短辺に沿った縁)の周りをクランプするなど、蓋を保持することによって行うようにしてもよい。
【0043】
第2ツールは、本体部が閉位置から本体部が空になる開位置に移動する間、ほぼ水平な静止位置で蓋を保持してもよい。
【0044】
第1ツール、又は第1ツールに接続されたフレーム及びアクチュエータは、本体部を閉位置と開位置の間で移動させ、開位置で本体部を荷空けしてもよい。
【0045】
切断装置は、箱の蓋部、底部、及び/又は側面に配置してもよい。
【0046】
本システムは、1つの箱を取り扱うために構築されてもよいし、2以上の箱を取り扱うために構築されてもよい。
【0047】
本システムは、ロボットアームに接続されてもよい。
【0048】
本発明の異なる態様の実施形態は、それぞれ他の態様のいずれと組み合わせてもよい。本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下に説明する実施形態を参照することで明らかになり、解明される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
次に、本発明に係る、本体部と蓋を有する箱を開梱し、前記箱から1以上の食品を取り出すためのシステム、使用及び方法を、添付図面を参照してより詳細に説明する。図面は、本発明を実施する方法を示しており、添付の特許請求の範囲に入る他の可能な実施形態を制限するものと解釈されるものではない。
【0050】
【
図1】本体部と蓋を有するEPS箱を開梱ために設けられたシステムを示す。
【
図2】蓋を貫通する前の針付きの第1及び第2ツールを示す。
【
図3】蓋を貫通する前の針付きの第1及び第2ツールを示す。
【
図4】蓋の貫通後の針付きの第1及び第2ツールを示す。
【
図5】第1及び第2ツールと、蓋に加えられた力の力ベクトルとを示す。
【
図7】2つの箱を同時に開くように構成されたシステムを示す。システムは、箱を持ち上げる閉位置にある。
【
図8】システムが開位置にあり、箱が開梱された、2つの箱を扱うことができるシステムを示す。
【
図9】システム内に箱はないが、2つの箱を扱うことができるシステムを示す。
【
図10】2つの箱の開梱と荷空けを同時に行うシステムを示す。箱は、空になる位置にある。
【
図11】箱の周りのストラップを切断するための切断装置の拡大図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1は、本体部と蓋を有するEPS箱104を開梱するために設けられたシステム100を示す。このシステムはさらに、質量合計が約22~27kgの魚や氷などの1以上の食品を前記箱から取り出すために設けられている。前記システムは、グリッパーであり、アクチュエータを有し、本体部に付着させるために設けた第1ツール101と、アクチュエータを有し、1以上の接触点で蓋の表面に付着させるために設けた第2ツール102とを備え、1以上の接触点のそれぞれで、接触点の表面に垂直方向成分を有する引っ張り力を蓋に付与する。本実施形態では、第2ツール102は、一方向からのみ蓋に接近する。第1ツール及び第2ツールのそれぞれは、(電気モータ、空気圧及び/又は油圧によるものなど)電動で機械的に作動するものである。第1ツール及び第2ツールは、さらに、蓋付き箱を開梱するために本体部に対して蓋を方向転換及び/又は変位させ、重力によって1以上の食品を前記箱から取り出すことができるように本体部を方向転換する(例えば、逆さまにする)ために設けられている。図はさらに、第1ツール101及び第2ツール102の両方が取り付けられた動力ツール106を示す。動力ツール106は、ロボットであり、より詳細には、多関節型の汎用の産業用ロボットである。一般に、箱108は、パレット110などのパレット上に配置されている。このパレットは、入口ゲート114を介して搬送されるパレット送込みコンベア112によって第1ツール101及び第2ツール102に移送される。パレット110上の箱108の配置を検出するため、2つのセンサが設けられている。この配置は、ロボット106及び第1ツール101と第2ツール102を制御するためのプロセッサに提供される。さらに、これら2つのセンサは、セキュリティ目的で、入口ゲート114からの不当な侵入を検出するために設けられている。箱104のような箱を荷空けする準備ができると、第1ツール101が本体部を把持し、第2ツール102が1以上の接触点で蓋の表面に付着し、各接触点の表面に対して垂直な方向の成分を持つ引っ張り力を蓋に作用させる。その後、第1ツール101及び第2ツール102は、本体部から蓋を取り外すことにより箱を開梱し、少なくとも本体部を水平に移動させて受け皿116(先行する箱118から魚が空になった状態を示す)の上方に位置させ、本体部を逆さにして、重力によって1以上の食品を前記箱から受け皿116上に取り出すことを可能とする。箱118のように空になった箱は、箱送出しコンベア120上に裁置される。パレット122など、空になった又は一部が空になったパレットは、パレット送出コンベア120によって取り出される。本実施形態では、出口ゲート124は、セキュリティのために不当な侵入を検出するためのセンサを備える。本システムでは、例えば、6以上、8以上、10以上など、4以上の箱に対して、1分毎に付着し、開梱し、荷空けし、梱包し、離脱することが可能である。
【0052】
同図には、さらに、1以上の欠陥箱に関する情報及び/又はコンテンツを削除すべきでない1以上の箱に関する情報を入力するためのタッチスクリーンであるユーザ入力インターフェース128が示されている。本システムはさらに、前記情報を受信し、前記情報に基づいて第1ツール及び/又は第2ツールを制御するために設けたプロセッサ(図示せず)を含む。例えば、ユーザは、第1ツール101及び第2ツール102に向かう、パレットに載せて運ばれた箱108の配列に関する情報をタッチスクリーン128で受信することができる。その後、(パレット122上の箱126の場合のように)いくつかの箱が不良であることを観察した場合、ユーザは、ユーザ入力インターフェース128を介して、1以上の欠陥箱に関する情報を入力することができる。プロセッサは、それに応じて第1ツール101及び第2ツール102を制御することができ、例えば、前記欠陥箱を荷空けしないようにすることができる。これは、前記欠陥箱が開梱及び荷空けの間に破損し、その内容物が誤った位置で荷空けされ、システムの清掃及び/又は停止が必要になることを回避するのに有効である。同様に、ユーザは、他の理由で荷空けしない箱に関する情報を入力することができ、例えば、特定の数の箱のみを空にし、残りのパレットに載せて運ばれた箱は単に、パレット搬出コンベア112上で未開梱のまま返却されるべきであるという情報を入力することができる。
【0053】
図2は、第1ツール101及び第2ツール102を示す。この図では、第1ツール101が本体部230の周りを把持し、第2ツール102を蓋232に付着させる準備ができている状態を示す。より詳細には、ツール102は、針236を蓋に押し込むためのシリンダ234などの4つのシリンダを備えるが、本図では針が蓋を貫通する前の状態が示されている。
図2(a)及び
図2(b)は同様であるが、
図2(a)は本体部230と蓋232を図示し、
図2(b)は明確にするために本体部と蓋を取り除いて図示している。
【0054】
図3は、第1ツール及び第2ツールを示す。
図3(a)は、異なる角度で示した以外は、
図2(a)と同様である。
図3(b)は、
図2(b)を異なる角度で示した以外は、
図2(b)と同様である。
【0055】
図4は、第1ツール及び第2ツールを示す。この図では、特に、蓋を貫通するために押圧するシリンダの作動後の第1ツールが示されている。
図4(a)は、本体部と蓋(但し、針は蓋の中に押し込まれているので見えない)を示し、
図4(b)は、明確にするために本体部と蓋を取り除いた状態を示す。
【0056】
図5は、第1ツール及び第2ツールを示す。また、同図には、第2ツール102と蓋232との接触点において蓋232に加わる力の力ベクトル538が示されている。この力ベクトル538は、蓋の表面(に垂直な)の法線ベクトルと平行である。また図は、接触点が前記表面の縁から離れて設けられていることを示す。特に、接触点が前記表面の縁から50mm、75mm又は100mmなど、50~100mmの距離540に設けられていることを示す。箱は、80cmの最大寸法(長さ)542を有する(箱の寸法は、80cm×40cm×[20~25]cmの長さ×深さ×高さで与えもよいが、0~1000%、20~500%、50~200%の寸法など、そこから逸脱したサイズの箱も考えられる)。第1ツールの一方側(図では左側)での表面法線と貫通針の方向との間の角度544は30°である。他方側(図では右側)では、表面法線との角度は-30°である。蓋は、力ベクトル538の方向が(少なくとも最初は)表面の法線になるように開梱される。このように、各針は、開梱方向と角度(30°又は-30°)をなす。さらに、複数の要素は、互いに異なる角度で蓋を貫通するように設けられ、図では、60°の複数の角度内の角度差がある。表面法線に対する絶対的な角度差は、例では30°であるが、この角度は、例えば10°~80°、15°~75°、15°~45°、20°~40°など、(任意に針と組み合わせた)0°~90°の任意の角度とすることができる。
【0057】
図6は、第1ツール及び第2ツールが、蓋付き箱を開梱するため、(軸周りの蓋の回転を示す破線矢印で示すように)本体部に対して蓋を変位させ、さらに(力ベクトル648で示すように)重力が前記箱から1以上の食品を取り出すことができるように本体部を方向転換させたこと、すなわち、箱から魚及び氷の内容物を吐き出すために本体部を逆さまにしたことを示す。システムは、箱の本体部が重力によって前記箱から1以上の食品アイテムを取り除くことができるように方向転換している間、前記力が垂直成分を有し、本体部を加速及び減速する力(両方向矢印646で示す)を付与するように配置してもよい。
【0058】
図7は、2つの箱を同時に開梱するように構成されたシステムを示す。このシステムは、第1ツール101を保持するフレーム704が閉位置にあり、第1ツール101が箱の本体部230の各端部に連結可能な状態にあるとき、箱を持ち上げる位置にある。この図では、2つの箱がシステムによって保持され、本体部230は蓋232の下方に位置している。第1ツール101は本体部230の端を把持し、第2ツール102は蓋232に係合する。第2ツール102は蓋232の両端に図示されている。ロボットアームに接続するためのフランジ702が図示されている。アクチュエータ601も図示されている。これらのアクチュエータは、
図8から
図10に図示すように、フレーム704の位置、つまり本体部230の位置を制御するためのものである。切断装置703は、蓋232の上面に沿って設けられており、各切断装置703は、ストラップで囲まれた閉じた箱の蓋の外面に沿って切断できるように構成されている。
【0059】
図8は、2つの箱を同時に開梱するためのシステムを示す。2つの箱は、
図7に示すように、システムによってそれぞれ持ち上げられる。システムは、アクチュエータ601が、第1ツール101によって本体部230にそれぞれ連結されたフレーム704を、本体部230が
図7に示す位置に対して下及び外向きに回転するように移動させた開位置にある。本体部230は、内部の物体がそのまま内部に位置し続けることができるように、主に下側の位置に底部を有している。また図示されているのは、切断装置703である。
【0060】
図9は、2つの箱を開位置で把持することができるシステムを示す。この図のシステムは、2つの箱の本体部と蓋がない状態で図示しているが、
図8に示したシステムと同様である。
【0061】
図10は、2つの箱を同時に開梱したり荷空けしたりするためのシステムを示す。このシステムは、
図8に関して説明したように開位置にある。本体部230は、底部が逆さまになるように回転し、本体部230内の物体が重力の力で廃棄されることが示されている。回転機構は、本体部230を回転させて空にし、本体部230を、底部が下向きになる元の位置に戻すことができる第1ツール101に設けられている。その後、フレームは、本体部230を蓋232の真下に位置するように戻してもよい。
【0062】
図11は、切断装置703のナイフ704の拡大図を示す。
図7から
図9に示すように、切断装置703は、箱の周りに設けたストラップを切断するために、各蓋に沿ってシステム内に配置することができる。切断装置は、レールシステムの蓋の長さに沿って方向付けることができ、これにより箱の周りのストラップを切断する。
【0063】
明細書に記載された実施形態について本発明を説明してきたが、本発明は、提示された例に何ら限定されるものではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定められる。特許請求の範囲の文脈において、「有し」又は「備え」という用語は、他の可能な要素又はステップを除外するものではない。また、各部材は、複数のものを除外するものと解釈すべきではない。また、図示された要素に関する特許請求の範囲での参照符号の使用も、本発明の範囲を限定するものと解釈してはならない。さらに、異なる請求項に記載された個々の特徴は、有効に組み合わせてもよく、異なる請求項にこれらの特徴が記載されていることは、特徴の組み合わせが可能かつ有効でないことを排除するものではない。