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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】工作機械用測定装置
(51)【国際特許分類】
   B23Q 17/00 20060101AFI20240705BHJP
【FI】
B23Q17/00 A
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021543190
(86)(22)【出願日】2020-01-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-22
(86)【国際出願番号】 GB2020050165
(87)【国際公開番号】W WO2020152476
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2022-11-08
(31)【優先権主張番号】19153749.7
(32)【優先日】2019-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391002306
【氏名又は名称】レニショウ パブリック リミテッド カンパニー
【氏名又は名称原語表記】RENISHAW PUBLIC LIMITED COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デレク マーシャル
【審査官】山本 忠博
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0011444(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 17/00-17/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械エンクロージャ内に取り付けるための、ハードワイヤード測定装置であって、装置は、
前記工作機械エンクロージャ内の物体を測定するための測定センサと、
前記工作機械エンクロージャの外側に配置される、関連する外部インターフェースとの1つまたは複数の電線を介した電気接続を提供するための、ハードワイヤードインターフェースモジュールと、
前記工作機械エンクロージャ内に配置される関連する無線装置との無線通信を可能にする無線通信モジュールを含み、
前記ハードワイヤード測定装置は、前記測定センサ、前記ハードワイヤードインターフェースモジュール、および、前記無線通信モジュールを含む、ハウジングを含み、前記ハウジングは、前記工作機械エンクロージャ内に取り付け可能であることを特徴とするハードワイヤード測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載のハードワイヤード測定装置であって、前記ハウジングは、一体のハウジングであることを特徴とするハードワイヤード測定装置。
【請求項3】
請求項1に記載のハードワイヤード測定装置であって、前記ハウジングが、複数の解放可能に取り付け可能なハウジング部分から形成されることを特徴とするハードワイヤード測定装置。
【請求項4】
請求項3に記載のハードワイヤード測定装置であって、前記測定センサを含む第1のハウジング部分を含むことを特徴とするハードワイヤード測定装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載のハードワイヤード測定装置であって、前記無線通信モジュールの少なくとも一部を含む、第2のハウジング部分を含むことを特徴とするハードワイヤード測定装置。
【請求項6】
請求項3から5のいずれか一項に記載のハードワイヤード測定装置であって、1つまたは複数の電線に接続可能な、前記ハードワイヤードインターフェースモジュールを含む、第3のハウジング部分を含むことを特徴とするハードワイヤード測定装置。
【請求項7】
請求項3から6のいずれか一項に記載のハードワイヤード測定装置であって、前記複数のハウジング部分のうちの少なくとも1つが、前記工作機械の前記エンクロージャに取り付けるように構成された基部を含むことを特徴とするハードワイヤード測定装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載のハードワイヤード測定装置であって、前記測定センサが、前記関連する工作機械によって運ばれる切削工具を測定するように構成されることを特徴とするハードワイヤード測定装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のハードワイヤード測定装置であって、前記ハードワイヤードインターフェースモジュールが、前記1つまたは複数の電線を介して、前記関連する外部インターフェースから電力を受け取り、前記測定センサから得られた少なくとも1つの出力が、前記ハードワイヤードインターフェースモジュールから、前記1つまたは複数の電線を介して、前記関連する外部インターフェースに渡されることを特徴とするハードワイヤード測定装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のハードワイヤード測定装置であって、前記ハードワイヤードインターフェースモジュールは、また、前記無線通信モジュールを、前記関連する外部インターフェースにインターフェースで接続することを特徴とするハードワイヤード測定装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載のハードワイヤード測定装置であって、前記ハードワイヤードインターフェースモジュールが、前記1つまたは複数の電線に接続された第2の電気コネクタとの電気接続が確立されることを可能にする、第1の電気コネクタを含むことを特徴とするハードワイヤード測定装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のハードワイヤード測定装置であって、前記無線通信モジュールが、無線周波数(RF)で動作することを特徴とするハードワイヤード測定装置。
【請求項13】
請求項12に記載のハードワイヤード測定装置であって、少なくとも1つのRF透過部分を有するハウジングを含み、前記無線通信モジュールは、前記少なくとも1つのRF透過部分に隣接して配置されたRFアンテナを含むことを特徴とするハードワイヤード測定装置。
【請求項14】
請求項13に記載のハードワイヤード測定装置であって、前記少なくとも1つのRF透過部分が、RFアンテナを収容する、少なくとも1つのドーム形状の突起を含むことを特徴とするハードワイヤード測定装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載のハードワイヤード測定装置と、前記ハードワイヤード測定装置の前記無線通信モジュールと無線で通信し得る無線装置と、外部インターフェースと、複数の電線を含むケーブルであって、前記ケーブルは、前記ハードワイヤード測定装置の、前記ハードワイヤードインターフェースモジュールを、前記外部インターフェースに接続する、前記ケーブルと、を含むことを特徴とする工作機械のための測定装置。
【請求項16】
ワークピースがその中で機械加工され得るエンクロージャを有する工作機械と、前記エンクロージャ内に配置された、ハードワイヤード測定装置を含む工作機械装置であって、前記ハードワイヤード測定装置は、
前記工作機械エンクロージャ内の物体を測定するための測定センサと、
前記工作機械エンクロージャの外側に配置された外部インターフェースとの、1つまたは複数の電線を介した電気接続を提供するための、ハードワイヤードインターフェースモジュールと、
前記工作機械エンクロージャ内に配置された関連する無線装置との無線通信を可能にする無線通信モジュールと、
前記測定センサ、前記ハードワイヤードインターフェースモジュール、および、前記無線通信モジュールを含むハウジングと、を含み、前記ハウジングは、前記工作機械のエンクロージャ内に取り付けられることを特徴とする工作機械装置。
【請求項17】
請求項16に記載の工作機械装置であって、前記工作機械が、ワークピースが配置され得るベッドを含み、前記ハードワイヤード測定装置の前記ハウジングが、前記工作機械の前記ベッドに取り付けられることを特徴とする工作機械装置。
【請求項18】
請求項16または17に記載の工作機械装置であって、前記測定センサは、前記関連する工作機械によって運ばれる、切削工具を測定するように構成されることを特徴とする工作機械装置。
【請求項19】
請求項16から18のいずれか一項に記載の工作機械装置であって、さらに、前記工作機械エンクロージャ内に配置された無線装置を含み、前記無線装置は、前記ハードワイヤード測定装置の無線通信モジュールと無線通信するように構成されることを特徴とする工作機械装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械用の測定装置、特に、工作機械のエンクロージャ内に配置された装置との無線通信用の改良された装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械のエンクロージャ内に、測定装置を取り付けることは知られている。そのような測定装置は、工作機械により使用される切削工具を測定するため、また、工作機械によって切削されたワークピースを検査するために使用され得る。
【0003】
工作機械の固定面に固定され、電気ケーブルを介して、外部インターフェースに接続される測定装置が知られる。たとえば、工具設定装置は、工作機械のベッドにボルトで固定され、外部インターフェースに配線で接続され得る。このような装置の例は、英国ワットン・アンダー・エッジのレニショー公開有限会社により販売される、NC-4レーザー工具設定装置である。また、特許文献1を参照。
【0004】
状況によっては、測定装置に、ハードワイヤード(ケーブル接続された)接続を提供することが可能でなく、または、実用的ではない。たとえば、いわゆるスピンドルプローブは、ワークピースを測定するための工作機械の可動スピンドルによって運ばれる。スピンドルプローブは、通常、切削操作間の短時間のみに使用され、したがって、通常、必要な場合に、必要に応じて、工作機械のスピンドルに自動的に装着される。したがって、工作機械のエンクロージャ内の固定面に固定された受信機と無線で通信する、電池作動のスピンドルプローブが知られる。そして、受信機が、ケーブルで、工作機械のエンクロージャの外側に配置される、プローブインターフェースに接続される。そのようなスピンドルプロービングシステムの例は、英国ワットン・アンダー・エッジのレニショー公開有限会社により販売される、RMP600/RMIシステムである。また、特許文献2を参照。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】欧州特許出願公開第1050368号明細書
【文献】国際公開第2004/057552号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
工作機械の製造中または当初構成中に、工作機械のエンクロージャ内に含まれる測定センサまたは無線インターフェースへ、ハードワイヤード接続を提供することは可能であるが、後で、そのようなハードワイヤード接続を追加することは、困難であり、時間がかかる。
【0007】
これは、たとえば、使用者が、工作機械を使用する、様々な、または、より複雑な測定を実行することを望む場合などに、追加の測定機能を、工作機械に追加導入することを困難にする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によれば、工作機械のエンクロージャ内に取り付けるためのハードワイヤード測定装置が提供され、ハードワイヤード測定装置は、工作機械エンクロージャ内の物体を測定するための測定センサ、工作機械エンクロージャの外部に配置された関連する外部インターフェースとの1つまたは複数の電線を介した電気接続を提供するための、ハードワイヤードインターフェースモジュール、および、工作機械エンクロージャ内に配置された関連する無線装置との無線通信を可能にする、無線通信モジュールを含み、ハードワイヤード測定装置は、測定センサ、ハードワイヤードインターフェースモジュール、および、無線通信モジュールを含む、ハウジングを含み、ハウジングは、工作機械のエンクロージャ内に取り付け可能である。
【0009】
したがって、本発明のハードワイヤード測定装置は、工作機械のエンクロージャ内に通常見られる過酷な環境での使用に適しており、工作機械のエンクロージャは、ワークピースに対して機械加工(穴あけ、フライス加工、切削など)操作が実行される場合に、作業容積を囲む、保護ハウジングまたはケーシングである。測定装置は、オブジェクト(工具など)のいわゆる「オンマシン」測定を実行するために使用され得る、測定センサを含む。以下に説明されるように、一実施形態では、測定センサは、接触または非接触の工具測定、または、いわゆる工具設定機能を実行し得る。ハードワイヤードインターフェースモジュールは、また、装置の一部として設けられ、それは、使用中、1つまたは複数の電線(ケーブル内で束にされ得る)によって、工作機械のエンクロージャ内に配置されない、関連する外部インターフェースに接続される。例えば、関連する外部インターフェースは、工作機械の動作を制御するコンピュータ数値制御装置(CNC)と一緒に、または、隣接して、配置され得る。あるいは、関連する外部インターフェースは、CNCと一体であり得る(例えば、それは、CNC内に特注のインターフェースカードを含み得るか、または、その機能は、CNCの適切にプログラムされた部分によって実行され得る)。
【0010】
測定機能を実行する測定センサを有することに加えて、本発明の装置はまた、無線通信モジュールを含む。上記で説明されるように、ハードワイヤード測定装置は、使用中、工作機械のエンクロージャ内に配置される(たとえば、工作機械のテーブルまたはベッドに取り付けられる)。したがって、無線通信モジュールは、工作機械のエンクロージャ内に配置され、理想的には、工作機械のエンクロージャ内に存在する、関連する無線装置(関連する無線装置は、上記の測定センサではない)と無線で通信するために配置される。例えば、無線リンク(一方向または双方向リンクであり得る)は、無線通信モジュールと、工作機械のスピンドルによって運ばれ、工作機械のエンクロージャ内のオブジェクトを測定するために使用される、無線測定プローブとの間に確立され得る。
【0011】
以下でより詳細に説明されるように、本発明のハードワイヤード測定装置は、測定センサ、ハードワイヤードインターフェースモジュール、および、無線通信モジュールを含む、ハウジング(一体のハウジングであり得るか、または、複数のハウジング部分またはユニットから形成され得る)を含む。ハウジングは工作機械のエンクロージャ内に取り付けられ得、例えば、機械加工作業のためにワークピースが固定される、工作機械のベッドに取り付けられ得る。したがって、本発明の装置は、単一のハウジング内に、測定装置(例えば、工具セッター)、および、無線装置のための無線インターフェース(例えば、スピンドルプローブとの通信のための)の両方を設ける。
【0012】
上記の配置は、工作機械のエンクロージャ内に取り付けられる必要のある構成要素の数を減らし、それによって、貴重なスペースを節約し、搭載された機器に対する物理的損傷の可能性を減少させるという利点を有する。また、それは、1本のケーブルが、測定装置と無線インターフェースの両方を、外部インターフェースに接続するために使用され、それによって、そのようなケーブルの通過のために工作機械のハウジングに形成される必要のある穴の数を減らし得ることを意味する。本発明は、また、追加の機能が、追加のケーブルなどのために工作機械ケーシングに穴を形成する必要なく、当初の設置の後に、工作機械システムに追加されることを可能にする。
【0013】
測定センサは、任意の適切なタイプのものであり得る。測定センサは、接触センサであり得る。測定センサは、非接触センサであり得る。測定センサは、工作機械によって製造されるワークピースを測定するように構成され得る。有利には、測定センサは、関連する工作機械(例えば、工作機械のスピンドルまたは工具ホルダー内)により運ばれる切削工具を測定するように構成される。測定センサは、光送信機および光受信機を含む、非接触工具設定装置を含み得る。あるいは、測定センサは、接触工具設定プローブを含み得る。接触工具設定プローブは、(突出する)撓み得るスタイラスと、スタイラスの撓みを感知するための撓みセンサを含み得る。
【0014】
有利なことに、ハードワイヤードインターフェースモジュールは、1つまたは複数の電線を介して、関連する外部インターフェースから電力を受け取る。言い換えれば、装置は、好ましくは、ハードワイヤードインターフェースモジュールを介して、その電力を受け取る。電力は、便利には、測定センサと無線通信モジュールの両方に電力を供給するために使用される。測定センサと無線通信モジュールに電力を供給するために、別々の電源線が使用され得る。あるいは、すべての電力が、共通の電源線から得られ得る。
【0015】
有利なことに、測定センサから得られた少なくとも1つの出力は、ハードワイヤードインターフェースモジュールから、1つまたは複数の電線を介して、関連する外部インターフェースに渡される。測定センサから得られる出力は、生のセンサ信号、例えば、受信光強度またはスタイラス撓みに関連するアナログ電圧値であり得る。あるいは、生のセンサ信号は、出力される前に、何らかの方法で処理され得る。例えば、装置は、測定センサからの生信号を分析し、適切な出力を生成する、処理エレクトロニクスを含み得る。一例では、関連する外部インターフェースに渡される出力は、生のセンサ信号(例えば、受信光強度またはスタイラス撓みに関連する)が、特定の閾値を超えたことを示す、トリガー信号であり得る。出力はデジタル出力であり得る。出力は、アナログ出力であり得る。測定センサから得られた単一の出力が、外部インターフェースに渡され得る。あるいは、複数の出力(例えば、処理されたトリガー信号および生のセンサ信号)が、外部インターフェースに渡され得る。
【0016】
有利なことに、ハードワイヤードインターフェースモジュールは、また、無線通信モジュールを、関連する外部インターフェースに、インターフェースで接続する。換言すれば、ハードワイヤード接続は、無線通信モジュールと、無線通信モジュールを制御する外部インターフェースとの間の、ハードワイヤードインターフェースモジュールを介して提供される。したがって、無線通信モジュールは、工作機械のエンクロージャ内に配置された、別の無線装置(例えば、無線測定プローブ)と無線で通信し得、無線装置から受信されたデータは、ハードワイヤード接続を超えて、外部インターフェースに渡される。通信は、例えば、ただ、無線装置からデータ(測定データなど)を受信するために、一方向であり得る。あるいは、通信リンクは、双方向であり得、それにより、関連する無線装置と外部インターフェースとの間で、データが往復して渡されることを可能にする。
【0017】
ハードワイヤード測定装置は、一体のハウジングを含み得る。測定センサ、無線通信モジュール、および、ハードワイヤードインターフェースモジュールは、そのような一体のハウジング内に含まれ得る。言い換えれば、ハードワイヤード測定装置は、一体の、統合されたユニットを含む、ハウジングから形成され得る。そのような実施形態では、測定センサ、ハードワイヤードインターフェースモジュール、および、無線通信モジュールは、通常の使用中に、互いに分離可能ではない。しかし、一体のハウジングは、製品の製造プロセス中に相互に取り付けられた、複数の部品で作成され得るであろうことが留意されるべきである。装置の設置面積または形状は、便利なことに、無線通信モジュールを含まない従来技術の測定装置のものと同様であり得る。たとえば、一体のハウジングは、上記のNC4製品と同様の形状または設置面積を有し得る。
【0018】
有利なことに、ハードワイヤード測定装置は、互いに物理的に取り付け可能な、複数のユニットまたは部分から形成される。言い換えれば、装置は、装置の様々な部分が、必要に応じて、使用者によって組み立てられ、分解され得る、モジュール(非一体)の構造を有し得る。好ましい実施形態では、ハウジングは、複数の解放可能に取り付け可能なハウジング部分から形成される。一例では、ハウジングは、第1のハウジング部分および第2のハウジング部分から形成され得る。ハウジングは、また、第3のハウジング部分を含み得る。第1のハウジング部分は、測定センサを含み得る。第2のハウジング部分は、無線通信モジュールの少なくとも一部を含み得る。第3のハウジング部分は、ハードワイヤードインターフェースモジュール(すなわち、それは、1つまたは複数の電線に接続可能である)を含み得る。複数のハウジング部分のうちの少なくとも1つは、工作機械のエンクロージャへの取り付けのために構成された基部を含み得る。例えば、第3のハウジング部分は、それを工作機械のエンクロージャに固定するための基部または他の取り付け手段を含み得る。そして、第1のハウジング部分(例えば、測定センサを含む)は、第3のハウジング部分に直接取り付け可能であり得、また、第2のハウジング部分は、第1のハウジング部分と第3のハウジング部分との間に配置され得る。
【0019】
以下の様々な例で説明されるように、ハードワイヤード測定装置は、様々な異なるモジュラー構成要素を用いる、様々な異なる方法で形成され得る。例えば、ハードワイヤード測定装置は、基部ユニット(基部部分)、および、測定ユニット(測定部分)を含み得る。測定ユニットは、基部ユニットに、(直接的または間接的に)解放可能に取り付け可能であり得る。測定ユニットは、測定センサを含み得る。基部ユニットは、1つまたは複数の電線に接続可能な、ハードワイヤードインターフェースモジュールを含み得る。無線通信モジュールの少なくとも一部は、基部ユニットに設けられ得る。一例では、無線通信モジュール全体が、基部ユニットに設けられる。無線通信モジュールの少なくとも一部は、測定ユニットに設けられ得る。一例では、無線通信モジュール全体が測定ユニットに設けられる。あるいは、無線通信モジュールの構成要素は、基部ユニットおよび測定ユニット全体に分散させられ得る。例えば、無線通信モジュールは、モデム(また、トランシーバと呼ばれるかもしれない)を含み得る。無線周波数で動作する場合、無線通信モジュールは、アンテナを含み得る。そのような例では、モデムは、基部ユニットに、アンテナは、測定ユニットに(またはその逆で)設けられ得る。無線通信モジュールは、光信号を送受信し得ることが留意されるべきである。そのような例では、無線通信モジュールは、モデム、1つまたは複数の光源(例えば、発光ダイオード)、および/または、1つまたは複数の光センサを含み得る。そのような光学システムの構成要素は、また、必要に応じて、基部ユニットと測定ユニットとの間に分配され得る。
【0020】
一実施形態では、無線通信モジュールの少なくとも一部を含む、通信ユニット(通信部分)が提供され得る。便利なことに、すべての無線通信モジュールが、通信ユニットに含まれ得る。通信ユニットは、ハードワイヤード測定装置の残りの部分に解放可能に取り付けられ得る。これは、必要に応じて、無線通信機能が追加され、および/または、除去されることを可能にする。たとえば、使用者は、追加の測定機能を提供するために(たとえば、スピンドルプローブとの通信を可能にすることによって)、単に通信ユニットを追加し得る。通信ユニットは、例えば、上記のタイプの基部ユニットまたは測定ユニットに取り付けられ得る。一実施形態では、通信ユニットは、基部ユニットと測定ユニットとの間に挟まれ得る。
【0021】
ハードワイヤードインターフェースは、1つまたは複数の電線に恒久的に接続され得る。例えば、ケーブルは、装置に、直接的に固定(例えば、一体成形または一体的に固定)され得る。便利なことに、ハードワイヤードインターフェースモジュールは、第1の電気コネクタを含む。第1の電気コネクタは、好ましくは、1つまたは複数の電線に接続された第2の(相補的な)電気コネクタとの電気接続を可能にするように構成される。1つまたは複数の電線は、便利には、少なくとも1つのケーブルに束ねられることが、留意されるべきである。たとえば、単一の(マルチコア)ケーブルが、使用され得る。しかしながら、また、複数のケーブルに電線を分配すること、または、複数の個別の電線を使用することが可能であろう。ケーブルが設けられる場合、ケーブルは、上記の第2の電気コネクタで終端し得る。
【0022】
無線通信モジュールは、任意の適切なタイプのものであり得る。無線通信モジュールは、光無線通信を提供し得る。あるいは、無線通信モジュールは、無線周波数(RF)無線通信を提供し得る。そのようなRF通信は、2.4GHz無線帯域内であり得る。無線通信モジュールは、アナログ信号を送信および/または受信し得る。あるいは、無線通信モジュールは、デジタル通信を実施し得る。例えば、チャネライズドまたはスペクトラム拡散(例えば、周波数ホッピングまたは直接シーケンス)RF通信リンクが提供され得る。無線通信モジュールは、好ましくは、リアルタイム通信プロトコルを実装する(例えば、時間の制約が厳しい測定データの送信を可能にするために)。例えば、特許文献2に記載されるスペクトラム拡散通信技術が使用され得る。
【0023】
装置は、便利には、無線通信モジュールの放射に対して実質的に透明である、少なくとも1つの部分を有するハウジングを含む。好ましい実施形態では、無線通信モジュールは、RF通信モジュールである。装置は、少なくとも1つのRF透過部分を有するハウジングを含み得る。無線通信モジュールは、各RF透過部分に隣接して配置された、RFアンテナを含み得る。上記で説明されるように、ハードワイヤード測定装置は、一体またはモジュールの構造であり得、そのような例では、RF透過部分は、その装置を形成する1つまたは複数のモジュールまたはハウジング部分の一部として設けられ得る。単一のRF透過部分が設けられ得る。あるいは、複数のRF透過部分が設けられ得る。各RF透過部分は、プラスチック、ガラス、または、セラミックなどの、非金属材料から形成され得る。空気ノズルが、各RF透過部分に空気の流れを向けて、そうでなければ、RF透過部分を覆い隠すかもしれない切断破片または冷却剤の収集を防止するために設けられ得る。そのようなエアノズルは、装置の外側にあり得る。便利には、そのようなエアノズルは、装置に一体であり得る。
【0024】
RF透過部分は、実質的に平坦であり得る。例えば、それは、RF透過窓を含み得る。有利には、少なくとも1つのRF透過部分は、少なくとも1つのドーム形状の突起を含む。各ドーム形状の突起は、便利には、RFアンテナを収容する。ドーム形状の突起の使用は、RF信号が、それを超えて、送信および/または受信され得る角度を拡大し、それにより、RFエンクロージャ内で提供される範囲を拡大する。複数のそのようなドーム形状の突起は、範囲をさらに拡大し、および/または、工作機械エンクロージャ内の一時的なRF障害物に対する障害許容力を提供するために使用され得る。他の放射線(例えば、光)が使用される場合、適切に透過部分が設けられ得る。
【0025】
本発明は、また、ハードワイヤード測定装置の無線通信モジュールと無線で通信し得る無線装置と組み合わせた、上記のハードワイヤード測定装置を含む装置に及ぶ。有利には、無線装置は、無線(例えば、RF)測定装置である。好ましくは、無線装置は、電池式の測定プローブである。電池式の測定プローブは、工作機械のスピンドルに取り付けるように構成され得る。電池式の測定プローブは、測定センサ、および、撓み可能なスタイラスを含み得る。あるいは、無線装置は、温度感知プローブ、圧力測定プローブ、または、カメラを含み得る。無線測定装置は、ハードワイヤード測定装置の測定センサとは異なる測定機能を実行し得る。
【0026】
装置は、さらに、外部インターフェースを含み得る。複数の電線を含むケーブルが、また、設けられ得る。ケーブルは、ハードワイヤード測定装置の、ハードワイヤードインターフェースモジュールを、外部インターフェースに接続するために使用され得る。繰り返しになるが、1本のケーブルが、便利であるが、代わりに複数のケーブルが使用され得ることが留意されるべきである。外部インターフェースは、単一のユニットとして設けられ得る。あるいは、インターフェースは、複数の別個のインターフェースユニットから形成され得る。例えば、第1の外部インターフェースユニットは、ハードワイヤード測定装置の測定センサに、配線で接続され、第2の外部インターフェースユニットは、無線通信モジュールに、配線で接続され得るであろう。外部インターフェースは、工作機械の制御装置に適切に接続され得る。工作機械の制御は、制御のタイプに応じて、インターフェース機能のすべて、または、一部を、実行し得る。
【0027】
本発明は、また、上記の装置を含む工作機械に及ぶ。関連する無線装置と通信するために装置を使用する方法が、また、説明される。
【0028】
したがって、本発明の第2の態様は、その中でワークピースが機械加工され得るエンクロージャと、エンクロージャ内に配置されたハードワイヤード測定装置を有する工作機械を含む、工作機械装置に及び、ハードワイヤード測定装置は、工作機械のエンクロージャ内の物体を測定するための測定センサと、工作機械のエンクロージャの外側に配置される外部インターフェースとの、1つまたは複数の電線を介した電気接続を提供するための、ハードワイヤードインターフェースモジュールと、工作機械のエンクロージャ内に配置される関連する無線装置との無線通信を可能にする無線通信モジュールを含む。
【0029】
ハードワイヤード測定装置は、測定センサ、ハードワイヤードインターフェースモジュール、および、無線通信モジュールを含む、ハウジングを含み得る。モジュール式または一体型であり得るハウジングは、便利には、工作機械のエンクロージャ内に取付けられる。有利には、工作機械は、ワークピースが配置され得るベッドを含み、ハードワイヤード測定装置のハウジングは、工作機械のベッドに取り付けられる。あるいは、ハードワイヤード測定装置の部品は、単一のハウジングの代わりに、複数のハウジング(例えば、ケーブルによって共に接続される)に設けられ得る。
【0030】
上記で概説されたように、測定センサは、関連する工作機械によって運ばれる切削工具を測定するように構成され得る。装置は、さらに、工作機械エンクロージャ内に配置された無線装置を含み得、無線装置は、ハードワイヤード測定装置の通信モジュールと無線線通信するように構成される。また、工作機械のエンクロージャ内に取り付け可能な、ハードワイヤード測定装置が、本明細書に記載される。ハードワイヤード測定装置は、工作機械のエンクロージャ内の物体を測定するための測定センサを含み得る。ハードワイヤード測定装置は、工作機械エンクロージャの外側に配置された関連する外部インターフェースとの、1つまたは複数の電線を介した電気接続を提供するための、ハードワイヤードインターフェースモジュールを含み得る。ハードワイヤード測定装置は、無線通信モジュールを含み得る。無線通信モジュールは、工作機械エンクロージャ内に配置された、関連する無線装置との無線通信を可能にし得る。装置は、一体のハウジング内に設けられ得る。あるいは、装置は、2つ以上のハウジング部分から形成された(非一体の)ハウジングを含み得る。ハウジング部分は、ハードワイヤード測定装置を提供するために組み立てられ得る。装置は、単独でまたは組み合わせて、本明細書に記載される特徴のいずれかを有し得る。
【0031】
また、工作機械のエンクロージャ内に取り付け可能な工具設定装置が、本明細書に記載され、工具設定装置は、工具を測定するための測定センサ、および、測定センサを、複数の電線を介して、工作機械エンクロージャの外側に配置された関連インターフェースモジュールに電気的に接続する、ハードワイヤードインターフェースモジュールを含み、工具設定装置は、さらに、工作機械のエンクロージャ内に配置された測定プローブとの無線通信用の無線通信モジュールを含む。装置は、単独でまたは組み合わせて、本明細書に記載される特徴のいずれかを有し得る。
【0032】
ここで、本発明は、例としてのみ、添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】工作機械エンクロージャ内に取り付けられた本発明のハードワイヤード測定装置を示す図である。
図2】ハードワイヤード測定装置の一実施形態をより詳細に示す図である。
図3】無線通信モジュールの代わりにブランキングプレートを備えた、図2の装置を示す図である。
図4】基部ユニットと測定ユニットを有する、ハードワイヤード測定装置を示す図である。
図5】複数のユニットで構成された、ハードワイヤード測定装置を示す図である。
図6】RFアンテナを含む基部ユニットを有する、ハードワイヤード有線測定装置を示す図である。
図7図6の装置の変形を示す図である。
図8】複数のユニットから形成された、代替のハードワイヤード測定装置を示す図である。
図9】3つのユニットから形成され、積み重ねられた、ハードワイヤード測定装置を示す図である。
図10】装置が接触工具設定装置を含む実施形態を示す図である。
図11】ハードワイヤード測定装置が、測定プローブを運ぶためのアームを含む、実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1を参照すると、保護エンクロージャまたはハウジング4を有する工作機械2が概略的に示される。スピンドル6およびテーブル8は、エンクロージャ4の内部に配置される。スピンドル6は、工作機械コントローラ10の制御下で、テーブル8に対して回転可能であり、また移動可能である。切削動作を実行するために、切削工具は、スピンドル6によって運ばれ、テーブル8に取り付けられたワークピース(不図示)に対して、事前にプログラムされた切削経路に沿って移動させられる。スピンドル6は、また、ワークピースが測定されることを可能にする、図1に示される、スピンドルプローブ12を運び得る。自動工具交換装置(不図示)は、通常、工作機械2の一部として設けられ、切削工具、スピンドルプローブ、および、他の付属品が、必要に応じて、コントローラ10の制御下でスピンドル6に自動的に装着されることを可能にする。
【0035】
ハードワイヤード、非接触(レーザー)ベースの、工具設定装置14は、工作機械エンクロージャ4内のテーブル8に固定される(例えば、ボルト止めされる)。工具設定装置14は、光(例えば、レーザー)ビーム16を送信機から受信機に受け渡し、光ビームが遮断される(例えば、光ビームの中に動かされる工具の先端によって)ときはいつでも、いわゆる「トリガー信号」を発出する。したがって、工具設定装置14は、スピンドル6によって運ばれる工具が測定される(例えば、工具の長さまたは直径を知るために)ことを可能にする、測定センサを含む。任意のそのような工具測定値は、ワークピースが所望のサイズおよび形状に切削されることを確実にするために、コントローラ10によって使用され得る。工具設定装置14は、複数の電線(コア)を含むケーブル24によって、外部インターフェース22に接続される。電力は、ケーブル24を介して工具設定装置14に受け渡され、トリガー信号は、また、同じケーブル24を介して、外部インターフェース22に受け渡される。コンフィギュレーションコマンド等は、また、ケーブル24を介して、外部インターフェース22から工具設定装置14に送信され得る。
【0036】
図1の工具設定装置14は、それが、また、RF通信モジュール26を含むという点で、既知の工具設定装置とは異なる。RF通信モジュール26は、また、ケーブル24を介して、外部インターフェース22にハードワイヤードされる(すなわち、それは、外部インターフェース22から電力を受け取り、共通ケーブル24を介して、データを送信/受信する)。工作機械エンクロージャのテーブル8上のRF通信モジュール26の位置は、それが工作機械エンクロージャ内に配置された他の測定装置と無線で通信し得ることを確実にする。この例では、RF通信モジュール26は、バッテリ駆動のスピンドルプローブ12と通信するように構成される。したがって、スピンドルプローブ12からの測定データは、無線で(RFリンクを介して)、RF通信モジュール26に受け渡され、次に、ケーブル24に沿って、外部インターフェース22に受け渡される。次に、外部インターフェース22は、通信リンク28を介して、必要に応じて、工作機械コントローラ10および/または外部コンピュータに、測定データ(例えば、トリガー信号)を受け渡し得る。
【0037】
単一の外部インターフェース22が示されているが、インターフェース機能を複数のインターフェースユニットに分割することが可能であろう。例えば、第1の外部インターフェースユニットは、非接触工具設定装置の測定センサに配線で接続され得、第2の外部インターフェースユニットは、無線通信モジュールに配線で接続され得る。図示される、単一の(マルチコア)ケーブル24は、単純さと堅牢性のために好ましいが、それは、必須ではない。代わりに、電力、および/または、データ信号を搬送するさまざまな電線が、2つ以上のケーブルに束ねられるか、または、ケーブルにまったく束ねられないことが可能であろう。データは、非接触工具設定装置および無線通信モジュールから、異なる個別の電線セットを介して、受け渡され/受信され得る。または、一般的なデータバス、または、複数のデータバス(例:イーサネット、リアルタイムイーサネット、フィールドバスリンクなど)が、非接触工具設定装置と無線通信モジュールの両方からデータを伝送するために設けられ得る。
【0038】
上記で説明されたように、本明細書で説明される装置は、工作機械エンクロージャ4の外部から内部に通される一本のケーブルだけを必要とするという利点を有する。これは、工作機械の製造中に工具設定装置14が搭載される場合、使用者にとって、別のケーブルをエンクロージャに通す必要なしに(通常、エンクロージャに様々な穴を開けることを含むであろう)、余分の測定機能を追加することが簡単であるということを意味する。たとえば、スピンドルプローブは、使用者が、後日、そのような測定機能を追加することを望んだ場合に、当初、非接触工具測定用として設定されただけである工作機械に、簡単に追加され得るだろう。工作機械のエンクロージャ内の単一の装置の存在は、また、測定機器によって占められるエンクロージャ内のスペースを削減させ、エンクロージャ内のケーブルの全長を減少させることによって、ケーブルの損傷の可能性を低減させる。装置は、また、RF通信部分が、エンクロージャの作業容積内の目立った中央の場所に配置されることを可能にし、それにより、無線測定プローブ12との良好な通信が維持され得ることを確実にする。
【0039】
図2を参照すると、本発明のハードワイヤード測定装置50が、より詳細に示される。
【0040】
装置50は、工作機械のテーブルにボルトで固定され得る、基部52を含む。送信機ユニット54および受信機ユニット56は、基部52から上方に突出する。送信機ユニット54は、使用中に、送信機開口58を通して、受信機ユニット56に向かってレーザービームを放出するレーザーを含む。受信機ユニット56は、受信機開口(図2の視野には見えない)と、レーザービームの受信強度を検出する光検出器とを含む。知られているように、空気の流れが、送信機と受信機の開口を通して提供され、冷却剤と切削破片による、送信機と受信機のユニットの汚染を防止するのを助ける。測定される工具に向けて空気を向けるために、エアブラストノズル60が、また、設けられる。入口61は、適切な空気供給を受けるために設けられる。電気信号は、マルチコア電気コネクタ59に接続可能なマルチコアケーブル内の、第1の一連の電線を介して、送信機/受信機ユニットと外部インターフェースとの間で受け渡される。これまでのところ、これらの特徴は、すべて、上記のNC4工具設定装置の特徴と類似する。
【0041】
非接触測定特徴に加えて、装置50は、また、RF通信モジュール62を含む。RF通信モジュール62は、RF周波数に実質的に透明である材料から形成されたドーム型構造64(またはレードーム)を含む。RFアンテナは、ドーム型構造64内に収容され、したがって、無線装置からRF信号を、受信/送信し得る。RFアンテナは、モノポール、スロット、パッチ、または、平面逆Fアンテナであり得る。突出したドーム型構造64は、全方向性能を最大化する(すなわち、放射極パターンを最適化する)。RFモデムは、また、RF通信モジュール62内に含まれ、RFアンテナに接続される(例えば、同軸ケーブル、ばねピン、または、PCB導波管を介して)。RFモデムは、また、ARMプロセッサを、また、含む、Nordic Semiconductors RFトランシーバ(つまりnRF52832)を含み得る。好ましくは、RF通信モジュール62は2.4GHz無線を使用する。RFモデムは、使用中、マルチコア電気コネクタ59に接続されるケーブル内の複数の電線を介して、外部インターフェースに配線で接続される。このようにして、ハードワイヤード電気接続が、外部インターフェースと、非接触測定センサおよびRF通信モジュール62の両方との間に、(電気コネクタ59および関連するケーブルを介して)提供される。
【0042】
ここで図2および図3の両方を参照すると、RF通信モジュール62は、取り外し可能であり得る。図3に示されるように、図2に示されるRF通信モジュール62は、基部52から取り外され得る。したがって、RF通信モジュール62は、必要とされる場合にのみ取り付けられ得、RF通信モジュール62が存在しない場合、カバープレート70が、装置を密封するために使用される。この配置は、当初、RF通信モジュール62のない装置が、そのような無線通信機能を含める必要があるときに、必要に応じて、アップグレードされることを可能にする。例えば、カバープレート70が取り外され、RF通信モジュール62によって置き換えられるという、設置後のアップグレードが実行され得る。このアップグレードは、工作機械のどの部分も妨害せず、エンクロージャなどからの追加のケーブルの配線も必要としない。あるいは、モジュール構成の代わりに、図2に示される装置は、単一の統合されたユニットとして形成され得る(すなわち、RF通信モジュール62は、装置に恒久的に統合され得る)。
【0043】
図4を参照すると、モジュラー型の(非一体型の)、ハードワイヤード測定装置80を含む代替の実施形態が示される。装置80は、工作機械エンクロージャ内のテーブルに固定され得る基部ユニット82を含む。基部ユニット82は、空気圧入口86と共に、基部ユニット82に取り付けられた、マルチ電線電気ケーブル84を有する。測定ユニット88は、送信機ユニット90および受信機ユニット92を含み、これらは一緒になって、上記で詳細に説明された、非接触工具設定機能を提供する。測定ユニット88は、また、上記の図2を参照して説明されたタイプのRF通信モジュール94を含む。測定ユニット88は、基部ユニット82に解放可能に取り付け可能である。特に、測定ユニットと基部ユニットは、ボルトで、共に固定され得る。必要な電気的接続は、測定ユニット88を基部ユニット82に機械的に固定する前に係合される、一対の電気コネクタ96によって、測定ユニットと基部ユニットとの間でなされる。あるいは、電気接続のすべて、または、一部は、誘導/光結合などによってなされ得る。空気圧コネクタ98は、圧縮空気を、空気圧入口86から、送信機/受信機ユニット、および、エアブラストノズル100に送る。したがって、装置80の測定ユニット88は、必要に応じて、基部ユニット82から取り外され、交換され得る。非接触工具設定機能のみを含む(すなわち、RF通信モジュール94を含まない)、代替の測定ユニット(不図示)が、また、測定ユニット88に置き換わり得る。例えば、そのような代替の測定ユニットが、当初、工作機械に設置され、追加のRF通信機能が必要な場合、測定ユニット88にアップグレードされ得る。
【0044】
図5は、モジュール式のハードワイヤード測定装置120のさらなる例を示す。装置120は、工作機械のテーブルに取り付けられ得る(ボルトで固定され得る)基部ユニット122を含む。非接触工具設定測定センサユニット124は、基部ユニットに取り付けられ得る。非接触工具設定測定センサユニット124は、送信機ユニット126および受信機ユニット128、電気コネクタ130、および、空気圧入口132を含む。RF通信モジュール134は、基部ユニット122に、解放可能に取り付け可能である。電気コネクタ(不図示)は、RF通信モジュール134が、非接触工具設定測定センサユニット124に電気的に接続されることを可能にし、これは、ユニット間または基部ユニット122を介した直接接続であり得る。したがって、電気コネクタ130は、RF通信モジュール134および非接触工具設定測定センサユニット124の両方が、外部インターフェースに、配線で接続されることを可能にする。RF通信モジュール134は、必要な場合に、必要に応じて(例えば、当初の設置後)、基部ユニット122に取り付けられ得る。
【0045】
図6を参照すると、モジュール式のハードワイヤード測定装置160の別の例が示される。装置160は、工作機械のテーブルに(例えば、ボルト166によって)取り付け可能であり、RF透過窓部分164を備えたハウジングを含む、基部ユニット162を含む。アンテナ(不図示)は、窓部分164に隣接するハウジングの内側に配置され、RFモデム(不図示)は、また、基部ユニット162のハウジング内に設けられ、アンテナとRFモデムは、一緒になって、RF通信モジュールを形成する。上記された方法と同様の方法で、RF通信モジュールは、関連する装置(例えば、測定プローブ)との無線通信が確立されることを可能にする。電気ケーブル168および圧縮空気供給ライン170は、基部ユニット162に接続される。測定ユニット172は、基部ユニット162に取り付け可能である。測定ユニット172は、非接触の工具設定機能を提供し、上記のタイプの送信機ユニット174および受信機ユニット176を含む。非接触工具設定構成要素に電力を供給し、非接触工具設定構成要素と通信するために、物理コネクタまたは無線伝送を使用する適切な電気接続(例えば、電力用の誘導接続185およびデータ用の光接続187)が、基部ユニット162と測定ユニット172との間に設けられる。
【0046】
図7を参照すると、図6に示される装置の変形が示される。この場合も、装置は、基部ユニット182および測定ユニット184を含む。基部ユニット182は、窓部分164およびRF通信モジュールを含む。測定ユニット184は、非接触工具設定測定を提供する、送信機ユニット174および受信機ユニット176を含む。この例では、電気ケーブル186が、測定ユニット184に接続される。物理コネクタまたは無線伝送を使用する適切な電気接続(例えば、電力用の誘導接続185およびデータ用の光接続187)が、基部ユニット182内のRF通信モジュールに電力を供給し、RF通信モジュールと通信するために、測定ユニット184と基部ユニット182との間に設けられる。
【0047】
図8を参照すると、4つの部分からなるモジュール式のハードワイヤード測定装置200が示される。装置200は、ボルト204によって、工作機械のテーブルに取り付けられ得る底板202を含む。載荷スペーサープレート206は、底板202上に配置され得、非耐荷基部ユニット208は、スペーサープレート206の周りに配置され得る。そして、測定ユニット210(送信機ユニット218および受信機ユニット220を有する)は、基部ユニット208上に配置され、基部ユニット208およびスペーサープレート206のそれぞれを通って延び、底板202に設けられたねじ穴212に取り付ける、ボルトを使用して、基部ユニット208に固定され得る。したがって、非耐荷基部ユニット208は、測定ユニット210(スペーサープレート206に直接固定される)の重量をまったく担わない。RF通信モジュールは、非耐荷基部ユニット208内に設けられ、カバープレート217を介してアクセス可能である。基部ユニット208は、また、電気ケーブル214を受け取り、圧縮空気入口216を有する。非耐荷基部ユニット208を提供することは、そのケーシングが、プラスチックまたはセラミックなどの、RF透過性(例えば、非金属)材料から形成されることを可能にする。非接触工具設定構成要素に電力を供給し、非接触工具設定構成要素と通信するために、物理コネクタまたは無線(例えば、誘導/光)伝送を使用する、適切な電気接続(不図示)が、基部ユニット208と測定ユニット210との間に設けられる。基部ユニット208と測定ユニット210との間の圧縮空気接続(不図示)が、また、設けられる。
【0048】
図9は、本発明のさらなる変形例を示す。ハードワイヤード測定装置は、測定ユニット210(送信機218および受信機220を有する)、基部ユニット230、およびRF通信ユニット240から形成される。
【0049】
工作機械のテーブルにボルトで固定され得る基部ユニット230は、電気ケーブル232および圧縮空気供給ライン234に接続される。RF通信ユニット240は、上記でより詳細に説明される、RF通信モジュールのすべての構成要素を含む。特に、アンテナ(不図示)は、窓部分244に隣接して、RF通信ユニット240のハウジング内に配置され、RFモデム(不図示)は、また、RF通信ユニット240内に含まれる。RF通信ユニット240は、基部ユニット230に物理的に取り付けられ得る(ボルトで固定され得る)。基部ユニット230は、また、RF通信ユニット240と無線で(電力用の誘導接続235およびデータ用の光接続237を介して)接続するが、代わりに有線接続が設けられるであろうことに留意する。測定ユニット210は、RF通信ユニット240に物理的に取り付けられ得る。測定ユニット210およびRF通信ユニット240間の無線接続が設けられる(電力用の誘導接続245およびデータ用の光接続247を介して)。この場合も、有線接続が、代わりに設けられ得るであろう。
【0050】
図9の配置は、測定ユニット210が、基部ユニット230に直接取り付けられ得るという利点を有する(すなわち、RF通信ユニット240が、積み重ねから省略され得るであろう)。これは、従来の工具設定機能が提供される(すなわち、RFインターフェースなしで)ことを可能にするが、RF通信ユニット240が、必要に応じて、システムに追加されること(すなわち、測定ユニット210と基部ユニット230との間にそれを挟むことによって)を可能にする。
【0051】
上記の例は、非接触工具設定装置を示すが、RF通信モジュールは、工作機械のエンクロージャ内に装架され得る、任意の測定装置に含まれ得るであろう。
【0052】
図10は、ハードワイヤード工具設定装置250を示す。装置250は、プローブハウジング254に対して偏向可能である、スタイラスディスク252を含む。プローブハウジング254内の偏向センサは、スタイラスディスクがその中立位置から偏向させられたとき(すなわち、工具チップがディスク252と接触したとき)に、トリガー信号を発する。オプションのエアブラストノズル256が、また、ディスク252から切断破片を取り除くために設けられる。装置250は、また、RFアンテナを収容するドーム構造262を有する、RF通信モジュール260を含む。RFモデムは、また、装置250内に設けられる。プローブおよびRF通信モジュール260は、両方とも、マルチコア電気ケーブル264を介して、外部インターフェースに配線で接続される。一体の装置が示されるが、配置は、モジュール式であり得るであろう(例えば、RF通信モジュール260は、装置の残りの部分に、解放可能に取り付け可能であろう)。
【0053】
図11は、測定プローブを担持するための、ハードワイヤード工具設定アーム機構280を示す。装置280は、ボルト282を介して、工作機械エンクロージャの内壁に取り付けられ得、細長いアームの端部上の測定プローブが装着され得る、取り付けプレート284を有する。機構280内のモーターは、取り付けプレート284を回転させ、取り付けられた測定プローブが、必要に応じて、工作機械の作業容積に出入りすることを可能にする。取り付けられた測定プローブからの電力および測定信号は、機構280を通り、ケーブル286を介して、外部インターフェースに送られる。モーター制御信号は、また、同じケーブル286に沿って通過させられる。機構280は、3つのRF透過ドーム構造288a~288c(まとめてドーム構造288と称される)で示される。機構280は、通常、設置に最も適切な場所に、これらのドーム構造288のうちの1つのみを含むであろうことが想定される。しかしながら、複数のドーム構造288が設けられ得るであろう。RFアンテナは、1つまたは各ドーム構造288の内部に設けられ、RFアンテナは、それぞれ、RFモデムに接続される。RFモデムは、また、ケーブル286を介して、外部インターフェースに、インターフェースでつながれる。
【0054】
上記は本発明の単なる例であり、多くの代替オプションが、本開示を読むことで、当業者にはすぐに明らかになるであろう。例えば、上記のRF通信モジュールの代わりに、光通信モジュールが使用され得るであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11