(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】大きい農産物品用の高速ラベラ
(51)【国際特許分類】
B65C 9/26 20060101AFI20240705BHJP
B65C 9/18 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
B65C9/26
B65C9/18
(21)【出願番号】P 2021559485
(86)(22)【出願日】2020-03-09
(86)【国際出願番号】 US2020000008
(87)【国際公開番号】W WO2020197608
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2023-01-11
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506297577
【氏名又は名称】シンクレア システムズ インターナショナル エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン グラハム
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル アーロン グリア
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル アラン ジェンセン
(72)【発明者】
【氏名】ケビン グァダニーニ
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー ベンジャミン イッシュ
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0043897(US,A1)
【文献】特開昭55-042833(JP,A)
【文献】特開平02-180136(JP,A)
【文献】特開2003-054525(JP,A)
【文献】特開2006-117283(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0272493(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65C 9/00
B65H 20/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラベルストリップによって搬送されるラベルを、物品に貼付するために使用される装置であって、
該ラベルストリップを供給するラベルカセットと、
該ラベルカセットから該ラベルストリップを引き出し、該ラベルストリップを搬送し、該物品に該ラベルを貼付するラベル貼付
機と、
を備え、
該ラベルカセットは、該ラベル貼付
機の上方に配置され、
該ラベルストリップは、該ラベルカセットと該ラベル貼付
機との間を搬送され、
該ラベル貼付機は、
複数の拡張型ベローズ、
該拡張型ベローズを搬送する回転ヘッド、
該回転ヘッドの上方に位置し、該ラベルのそれぞれが該ラベルストリップから剥離され、該複数の拡張型ベローズのそれぞれに転送されるラベル転送点、
該ラベル転送点の上方にあり、該ラベルストリップが該ラベル転送点に向かってオーバーランすることを防止するように構成されたラベルストリップ偏向手段、及び
従動スカラップホイール、テンションローラ、該従動スカラップホイール及び該テンションローラを相互連結する第1及び第2の支持アーム、並びにニップローラ軸を有するニップローラ、を備え、該ラベルストリップを該ラベルカセットから該ラベル転送点へ搬送するように構成されたラベルストリップ駆動手段、を備え、
該ラベルストリップ偏向手段は、該ラベル転送点と該ラベルカセットとの間に配置された、該ラベル転送点とは反対の方向に上向きに傾斜した固定プレートであり、
該第1及び第2の支持アームは、最も高い位置から、該第1及び第2の支持アームが該ニップローラ軸に当接する最も低い位置まで移動可能であり、
該第1及び第2の支持アームのそれぞれには凹部が形成され、該第1及び第2の支持アームが該最も低い位置の時に、該ニップローラ軸は該凹部と係合する、
前記装置。
【請求項2】
前記ラベルストリップ駆動手段は、毎分30メートルを超える動作速度で前記ラベルストリップを推進して運ぶように構成される、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記ラベルストリップ偏向手段は、前記ラベルストリップの経路の上方に、前記ラベルストリップ駆動手段と前記ラベル転送点との間に横方向に配置される、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記ニップローラが、前記従動スカラップホイールと固定された関係に配置されて、前記従動スカラップホイールと前記ラベルストリップとの間に少なくとも270度の弧の一定した摩擦係合を達成する、請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記ラベルストリップ偏向手段は、前記ラベル貼付機上に取り付けられる第1の部分、及び、該第1の部分から延長している第2の部分を有する、請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記第2の部分は前記ラベル転送点とは反対方向に傾斜している、請求項5記載の装置。
【請求項7】
前記ラベルストリップ偏向手段は、全体的にL字形である、請求項5記載の装置。
【請求項8】
前記ラベル貼付機は、フレーム、該フレーム上に取り付けられて前記ラベル転送点を画定するラベルストリッピングエッジ、及び、該フレーム上、かつ該ラベルストリッピングエッジの上方に取り付けられた支持体、を更に備え、
前記ラベルストリップ偏向手段の前記第1の部分は該支持体上に取り付けられる、請求項5記載の前記装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年3月22日に出願された米国仮特許出願第62 / 919,671号の利益と優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
本発明は、一般に、スイカ、カボチャ(squash)、マスクメロン、カボチャ(pumpkin)、及び他の大きい農産物などのサイズのばらつきが大きい農産物品の自動高速ラベリングに関する。
【0003】
従来技術には、典型的にはサイズのばらつきが大きい、そのような大きい農産物品にラベリングするための2つのシステムがある。例えば、スイカのサイズは、5~30ポンド(約2.27~13.61 kg)と様々であり得るため、あらゆる自動ラベリングシステムの設計が複雑になる。
【0004】
出願人が知っている第1の先行技術のシステムは、手作業のラベリングであり、これは、比較的時間がかかり、労働集約的であり、且つ高くつく。収穫時の労働力不足は最悪の事態であり得る。
【0005】
第2の先行技術のシステムは、「スタンドアロン装置」であるCheetah Systems LLCによる自動ラベラであり、所与の一連の大きい農産物のラベリングのために、その垂直高さをコンベヤから一定の高さに設定しなければならない。その結果、より小さい農産物品が高い割合でラベリングに失敗し、これは、商業的に受け入れられない。
【0006】
20年以上の間、5~30ポンド(約2.27~13.61 kg)の間の様々なサイズの大きい農産物品の効率的な高速自動ラベラが必要とされてきた。
【0007】
そのような大きい農産物品の著しいサイズのばらつきの問題に加えて、顧客は、かなり大きいサイズのラベル、典型的には幅が60 mm、好ましくは81 mm、長さがほぼ同じであるラベルを要求する。小さい農産物品用の典型的な従来技術の自動ラベラは、約29 mmの幅と長さを有するラベルに対応している。顧客が要求するより大きいラベルは、リンゴやナシ用の従来技術のラベルの約7倍大きい。長さと幅が81mmの好ましいラベルは、長さと幅が29 mmのラベルの約7倍の運動量と慣性を有する。より大きいラベル用のキャリアストリップもまた、ラベルストリップの運動量と慣性を増加させる。
【0008】
述べられたニーズを満たすために克服しなければならない2つの主要な問題がある。
【0009】
第1に、5~30ポンド(約2.27~13.61 kg)の農産物の非常に大きいサイズのばらつきの問題を克服するために、当技術分野で公知の拡張型ベローズは、この問題を克服するのに十分な距離に拡張するために容易に変更することができる。
【0010】
第2に、本発明者らは、高速で動作するより大きいラベルストリップのかなり大きい重量、慣性、及び運動量の取り扱い及び制御において非常に困難な問題に直面した。毎分500個の大きい農産物品にラベリングするには、毎分500ベローズインデックス(bellow indexes)の操作速度と30メートル/分を超えるラベルストリップ速度が必要である;これらの速度は、本発明で達成される。顧客が好む大きいラベルは、リンゴやナシ用の従来技術のラベルの約7倍大きい。これは、リンゴやナシ用の既知のラベルの7倍を超える重量、慣性、及び運動量の増加である。ラベルキャリアストリップはまた、リンゴやナシに使用されるものよりも大幅に重くなるはずであり、その結果、好ましい81 mm幅のラベルストリップ(ラベル及びキャリアストリップを含む)の重量、慣性、及び運動量が従来技術のラベルストリップの約10倍に全体で増加すると推定される。60 mm幅のラベルストリップの重量、慣性、及び運動量の推定される増加は従来技術の約6倍である。
【0011】
ラベルストリップの重量のこの極端な増加は、様々な重大な問題を引き起こす。
【0012】
推定される6倍~10倍の重量の増加によって引き起こされる問題の主なものは、より大きくて高速で移動するラベルストリップ及び該ラベルストリップが搭載されている回転カセットリールの慣性及び運動量の増加を制御する際の困難さである。様々な理由で、動作中のはるかに大きいラベルストリップを定期的かつ頻繁に(典型的には1日に数十回)一時停止する必要がある場合は必ず、「運動量及び慣性」の問題の例が発生する。リンゴやナシ用の既知の小さいラベルを使用しているラベルストリップを停止させるための当技術分野で公知の技術は、該ラベルストリップを推進する従動スカラップホイール(scallop wheel)を突然停止させることであった。比較的小さくて軽いラベルストリップは、僅かに巻きが緩み、問題なく停止する。しかしながら、新しいはるかに重いラベルストリップでは、従動スカラップホイールが突然停止すると、取り外し可能なラベルカセット内の該ラベルストリップを保持しているカセットリールは、該ラベルストリップと該リールの運動量がはるかに大きいため巻きが緩み続ける。ラベルストリップの巻きの緩みがラベル転送領域に達すると、ラベリング機構が故障し、この故障は、到底許容できるものではない。
【0013】
突然の停止又は一時停止後のラベルストリップの許容できない巻きの緩みを解決しようとする際の複雑な原因は、取り外し可能なカセットのラベルリールの回転を突然停止させるための複雑なブレーキ機構を設計する必要性を回避することが重要であるということである。このようなブレーキ機構は、コストがかかり、設計が困難なはずである。
【0014】
ラベルストリップの運動量の大幅な増加によって引き起こされるさらに困難な問題は、駆動ローラ、ニップローラ、及びテンションローラの系を介して運搬されるときの該ラベルストリップの滑りである。たとえ僅かな滑りでも、ラベルストリップと回転ベローズ及び農産物品との同期のずれが起こり得る。これにより、ベローズ及び/又は農産物品へのラベルの貼付に失敗し、結果として、ラベルストリップの再同期及びラベリングに失敗した農産物品の再ラベリングでダウンタイムが発生する。
【0015】
本発明は、上記の問題を克服し、毎分500ベローズインデックス、毎分30メートルを超えるラベルストリップ速度、及び95%の貼付成功率が可能である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0016】
(発明の概要)
上記のように、サイズのばらつきが大きい農産物品に使用するために拡張性が増した回転式の拡張型ベローズの使用は、はるかに重くて大きいラベルストリップを取り扱う際の問題を克服することと比べて比較的容易に達成された。
【0017】
ラベルストリップの運動量の大幅な増加を制御することに関して、ラベルの貼付を妨げるほどラベルストリップが巻き緩んだりオーバーランしたりすることなく、ラベリングの突然の一時停止又は停止を可能にする新規なアプローチが見出された。従来技術は、単に駆動(又はスカラップ)ホイールを停止することによって一時停止を達成し、はるかに小さいラベルストリップの比較的小さい運動量により、ラベルストリップは問題なく停止することになる。本発明は、複雑で堅牢なブレーキ機構を追加する必要なしに、ラベルストリップの許容できない巻き緩みを回避する。むしろ、該ラベルストリップが部分的に巻き緩むと、制御された方法で該ラベルストリップがそれ自体で折れ曲がって戻り、ラベリング機構を妨げることなく停止するようにするラベルストリップ偏向板が開発された。
【0018】
本発明の最も好ましい実施態様は、幅が60 mmを超えるラベルストリップ及び毎分30メートルを超えるラベルストリップの速度を含む。本発明の他の実施態様は、ラベルのオーバーランがラベルの貼付を妨げる、幅が60 mm未満のラベルストリップ及び毎分30メートル未満又はそれを超えるラベルストリップの速度を含む。ラベラが一時停止されたときにラベルの貼付を妨げるのに十分なラベルストリップのオーバーランを引き起こす十分な運動量を発生させるラベルストリップの幅と速度のすべての組み合わせが本発明の範囲内である。
【0019】
新規なラベルストリップの滑りの問題は、従動スカラップホイールに対するニップローラ及びテンションローラの設計及び配置にいくつかの重要な変更を加えることによって解決された。
【0020】
新規なはるかに重いラベルストリップと共に使用されるときのニップローラ及びテンションローラの従来技術の配置及び設計は、以下にさらに詳細に説明するように、より大きくて重いラベルストリップと従動スカラップホイールとの間に比較的少ない摩擦係合をもたらした。本発明のニップローラ及びテンションローラの設計及び配置は、従動スカラップホイールとラベルストリップとの約270度の弧の一定した摩擦係合を達成し、そのような摩擦係合の程度の実質的な増加は、この特定の滑り問題を解消した。
【0021】
従来技術のテンションローラは、より重いラベルストリップの滑りを起こりやすくする片持ち支持アームを使用する。テンションローラの支持アームは、該テンションローラの両端に支持アームを設けることによって改善され、この滑りの原因を効果的に排除した。
【0022】
より重いラベルストリップを備えた従来技術のテンションローラは、該ラベルストリップがストップに接触することによって挟まれ得る最も低い位置に移動することになり、滑りが生じる。新規なテンションローラは、ラベルストリップがその最も低い位置で挟まれるのを防止する。
【0023】
その他の改善点は、以下に説明して示す。
【0024】
本発明の主な目的は、典型的には重量が5~30ポンド(約2.27~13.61 kg)の大きい農産物品の高速ラベリング用の自動システムを提供することである。
【0025】
その他の目的及び利点は、以下の説明及び図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
(図面の簡単な説明)
【
図1】
図1は、小さい農産
物品の従来技術の高速ラベラを示す。
【
図2】
図2Aは、大きい農産
物品用の改善されたラベラを示す。
図2Bは、コンベヤ上の大きい農産
物品用のスタビライザを示す。
【
図3】
図3は、従来技術の駆動部を備えた、より大きく、より重いラベルストリップを使用するときのラベルストリップのオーバーランの問題を例示する。
【
図4】
図4は、新規なラベルストリップデフレクタがラベルストリップのオーバーランをどのように防止するかを例示する。
【
図5】
図5A及び
図5Bは、縮尺通りではないスケッチであり、はるかに重くて幅の広いラベルストリップと共に従来技術のニップローラ及びテンションローラを使用する際の問題を例示する。
【
図6】
図6A及び
図6Bは、より重いラベルストリップの滑りを低減するためのニップローラ及びテンションローラの新規な配置及び支持を例示する。
【
図7】
図7Aは、ニップローラ及びテンションローラの従来技術の片持ち取り付けを例示する。
図7Bは、ニップローラ及びテンションローラの改善された取り付け及び配置を例示する。
【
図8】
図8Aは、従来技術のテンションローラストップを例示する。
図8Bは、はるかに重いラベルストリップと共に使用するための改善されたテンションローラストップを例示する。
【
図9】
図9は、従来技術の小さい農産物ラベルと、大きい農産
物品に使用されるはるかに大きいラベルとの間のサイズの違いを例示する。
【
図10】
図10A及び
図10Bは、従来技術の廃棄物除去装置をはるかに重くて大きいラベルストリップで使用する際の問題を例示する。
図10C及び
図10Dは、改善されたデュアルストリーム廃棄物除去装置を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(図面の詳細な説明)
図1は、
物品19a~19fとして示されるリンゴやナシなどの小さい農産
物品をラベリングするために使用される従来技術の高速自動ラベリング装置1の斜視図である。ラベル貼付機5は、取り外し可能なラベルカセット10を
搭載する。ラベルストリップ15は、ラベルカセット10の中央にあるリール(
図1では確認できない)に
搭載されている。インデックス可能な回転ヘッド16は、当技術分野で公知の複数のベローズを
搭載する。コンベヤ18は、回転ヘッド16の下に農産
物品19a~19fを運搬する。当技術分野で公知の感知手段(見やすくするために示されていない)が、農産
物品の存在を検出し、次いで、貼付機5が、「粘着面を上向きにして」個々のラベルを16aなどのベローズの1つ
の上にディスペンスする。1つ又は複数の空きスペースがコンベヤ18で検出されると、貼付機は、農産
物品が検出されるまで一時停止されることに留意することが重要である。上記のように、このような貼付機5の一時停止は、リンゴやナシなどの小さい農産
物品に小さいラベルを貼付する場合には問題にならない。ラベルストリップ15は、僅かに巻き
緩むが、ラベリングを妨げるほどには巻き
緩まない。
【0028】
図1に示されている先行技術のラベラは、参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4,217,164号;同第4,303,461号;同第4,454,180号;及び同第4,547,252号にさらに十分に説明されている。
図1に示されているラベラはまた、Sinclair Systems International, 3115 South Willow Avenue, Fresno, CA 93725が販売している。
【0029】
図2Aは、本発明の改善された自動高速ラベリング装置100の斜視図である。自動高速ラベリング装置100は、重量が5~30ポンドとサイズにばらつきのある大きい農産
物品190a~190eにラベリングすることができる。
物品190bは、示されている他の
物品よりも大幅に小さく、5ポンドの重量であり得、他の
物品は最大30ポンドの重量であり得る。
【0030】
ラベル貼付機105は、複数の拡張型ベローズを備えるインデックス可能な回転ヘッド160を備え、このうちの2つのベローズ161、162は、
図2で十分に確認することができる。細長いラベルストリップ150は、取り外し可能なラベルカセット110のリール151(
図2では確認できない)に搭載されている。ラベルストリップ150は、以下に説明するように、貼付機105によって、V字形ストリップエッジ159aと159bとの間の領域として本明細書で画定されるラベル転送点159(図
9)に引き寄せられる。ラベル転送点159において、個々のラベル(見やすくするために示されていない)は、V字形のラベルストリッピングエッジ159a及び159bによってラベルキャリアストリップから剥離され、
図2に一部が示されているように、単一の拡張型ベローズ163の先端部に「粘着面を上にして」転送される。その個々のラベルは、ベローズ163によって運搬され、該ベローズは、当技術分野で公知のように、拡張してそのラベルを、物品190c~190eで示されるような個々の農産物品に貼付する。コンベヤ180は、毎分30メートルを超える速度で農産物品を運搬する。
【0031】
図2Bは、
図2Aに示されている農産
物品190a~190eのそれぞれを安定させるためにコンベヤ180の表面に支持された一連のスタビライザ181a及び181bのうちの2つを例示する。コンベヤ180は、このようなスタビライザ又はクレードルの連続したストリームを運搬する。
図2Bに示されている各スタビライザは、農産
物品が移動してしまうのを防止するために、182a及び182bなどの下方に傾斜した4つの表面を備えた長方形の形状を有する。他のスタビライザの設計を利用してもよい。
【0032】
図3は、取り外し可能なラベルカセット10、ラベルストリップ15、ラベルストリップ駆動部20(
図5Aを参照)、及びV字型ラベルストリップエッジ59a及び59bを備える、
図1の従来技術のラベラ1の一部の斜視図である。
【0033】
図3は、上記のように60mmを超える好ましい幅を有する、はるかに大きくて重く、高速移動するラベルを使用する際に直面する最も重大な問題を例示する。ラベル貼付機が入ってくる農産
物品を感知しない場合、駆動手段20が、従動スカラップホイール25を停止することによって一時停止される。しかしながら、カセットリール11が回転し続けて、矢印12で示されているように反時計回りの方向に巻き
緩むと、ラベルストリップ15が巻き
緩む。この巻き
緩みにより、ラベルストリップ15の部分15aがオーバーランし、ストリップエッジ59aと59bとの間のラベル転送点の領域内に及ぶ。この位置で、ラベルストリップ15のオーバーラン部分15aは、転送されるラベル(
図3には示されていない)の粘着面に付着し得るか、さもなければラベル貼付プロセスを妨げ得る。ラベラは1日に数十回一時停止されるため、この問題は受け入れ難い。一時停止の最も一般的な理由は、農産物センサーが頻繁に発生するコンベヤ上の空きスペースの存在を検出することである。
【0034】
図4は、
図3のラベルストリップのオーバーランの問題がどのように解決されたかを示す斜視図である。駆動手段120が一時停止されると、より重いラベルストリップ150及びカセットリール111が回転して続けて巻き
緩むため、ラベルストリップ150のオーバーラン部分151が、ラベルストリップ偏向手段
(deflection means)155に接触する。
【0035】
図4に示されているラベルストリップ偏向手段155は、固定プレート156であり、該固定プレート156がラベル貼付機105によって支持され、ラベリングストリップ150の経路152(
図6A及び6Bを参照)の上に配置され、好ましくは、該ラベルストリップ150の移動方向とは反対方向に上向きに傾いている。プレート156は、
図4に最もよく示されているように、駆動手段120とラベル転送点159との間に横方向に配置されている。プレート156は、貼付機105のフレーム106に取り付けられた支持体157に支持されている。プレート156の効果は、ラベルストリップのオーバーラン部分151が、ラベルストリッピングエッジ159aと159bとの間の領域(
図9に最もよく示されている)であるラベル転送点159に向かって前進するのを停止させて、
図4に示されているようにそれ自体を折り返して、ラベルストリップ150のあらゆる部分が、オーバーランしてラベル貼付プロセスを妨げる又は邪魔するのを十分に防止することである。駆動手段120の一時停止が終了すると、例えば、ラベリングの準備ができている農産
物品が感知されると、ラベルストリップ150の折れ曲がった部分151が駆動手段120によって前方に引き出され、ラベルストリップ
、ベローズ、及び運搬される該農産
物品間の同期を一切失うことなくラベリングが再開される。
【0036】
オーバーランの問題に対するこの解決策は、貼付機105が一時停止されたときにカセットリール111及びラベルストリップ150の巻き緩みを突然停止させるための複雑で高価なブレーキ機構を開発する必要なく達成された。
【0037】
上記のように、本発明の好ましい実施態様は、幅が60 mmを超えるラベルストリップ、及び毎分30メートルを超えるラベルストリップの速度を使用するが、許容できないオーバーランを引き起こすラベルストリップの幅と速度の他の組み合わせも本発明の範囲内である。
【0038】
図5A、
図5B及び
図6A、
図6Bは、縮尺通りではないスケッチであり、より重くてはるかに大きいラベルストリップの滑りの問題及びこの問題がどのように解決されたかを例示するためにやや誇張されている。
【0039】
図5A及び
図5Bは、駆動部20によってカセット10からラベルストリップ15が引き出されるときの該ラベルストリップ15の従来技術の経路を例示する。従来技術の駆動部20は、従動スカラップホイール25、ニップローラ13、及びテンションローラ14を備える。ニップローラ13及びテンションローラは、共通の支持バーによって片持ち式に支持されている(見やすくするために
図5Aには示されていない)。
図5Aでは、ニップローラ13及びテンションローラ14は、それらの最も低い位置で示されている。従動スカラップホイール25は、回転すると、
図5Aに示されているようにテンションローラ14及びニップローラ13を介してラベルストリップ15をカセット10から引き出す。ニップローラ13とテンションローラ14は、13及び14として
図5Aに示されている位置と、13a及び14aとして
図5Bに示されている位置との間で一緒に移動する。
図5Bのニップローラ13aの上側の位置では、ラベルストリップ15と従動スカラップホイール25の表面との間に約180度の摩擦係合の弧が存在する。ニップローラ13が、
図5A及び
図5Bに示されている2つの位置の間で移動すると、はるかに大きくて重い新規なラベルストリップは、スカラップホイール25に対して滑ることになり、ラベルストリップと回転ベローズと移動する農産
物品(見やすくするために示されていない)との間の同期が許容できないほど失われる。
【0040】
図6A及び
図6Bは、
図5A及び
図5Bに示されているラベルストリップの滑りの問題に対する解決策を例示する。ニップローラ130とテンションローラ140は、以下に詳細に示されるように互いに別個に支持されている。ニップローラ130は、ラベルストリップ150とスカラップホイール125の表面との間に270度の固定弧Aの摩擦係合を提供するように、(
図5Aと
図5Bに示されている位置間で
往復するのではなく)固定されて取り付けられている。テンションローラ140は、必要に応じて、
図6Aに示されているその最も低い位置から
図6Bに示されているその最も高い位置まで移動する。ラベルストリップとニップローラとの間の270度の固定弧Aの摩擦係合により、この滑りの問題が解消されている。
【0041】
図6A及び
図6Bはまた、ラベルストリップ150(当技術分野で公知である2部
(two part)テープ又は分割テープ)がスカラップホイール125の下を通過するときの該ラベルストリップ150の経路152を示す。次いで、ラベルストリップ150は、ラベルストリッピングエッジ159a及び159b(見やすくするために
図6Bには示されていない)の下を通過し、次いで、当技術分野で公知のように、ラベルを転送するために上方に引き出される。
【0042】
図7Aは、従来技術の従動スカラップホイール25と、従来技術のニップローラ13及びテンションローラ14が共通の支持アーム13aから片持ち式に支持される方法とを示す斜視図である。はるかに重い新規なラベルストリップは、ラベルストリップ15(見やすくするために
図7Aには示されていない)の滑りを引き起こすのに十分な、支持アーム13aに対するローラ13及び14の撓みを引き起こした。
【0043】
図7Bは、新規なテンションローラ140が2つの支持アーム141及び142によって支持される方法を示す斜視図である。各支持アーム141及び142は、テンションローラ140が固定ニップローラ130に向かって下方に移動することを可能にするために141a及び142aで凹んでいる。この改善された支持は、
図7Aに示されている片持ち支持アーム13aによって引き起こされる滑りの問題を解消している。
【0044】
図8Aは、従来技術の設計であるより大きくてより重いラベルを使用する際のさらなる問題を例示する。従来技術は、ローラストップ66を使用して、テンションローラ14の下方への移動を制限した。しかしながら、より大きくてより重いラベルストリップでは、テンションローラがさらに下方に移動し、ラベルストリップ(不図示)がストップ66によって挟まれ、該ラベルストリップが滑ってしまう。
【0045】
図8Bは、ニップローラ130の支持ロッドとしても機能する改善されたストップバー200を示す。ストップバー200は、テンションローラ140の支持アーム141及び142の凹部141a及び142aと係合し、テンションローラ140の下方の移動を制限して、ラベルストリップ(
図9Bには不図示)が挟まれるのを完全に回避し、それによってこの滑りの原因を防止する。
【0046】
図9は、本発明で使用される幅が81 mmのより大きくてより重い好ましいラベル150aと比較した、従来技術の1つのラベル15 aの相対的なサイズを例示する。ラベル転送点159は、V字形のラベル
ストリッピングエッジ159aと159bとの間の領域として示されている。
【0047】
図10A~
図10Dは、著しく幅の広い廃棄テープの取り扱いの問題とその問題の解決策を例示する。
図10A及び
図10Bは、廃棄テープ(不図示)の2つのストリームが通過する単一の従来技術の管310を示す。著しく幅の広い2つのストリームが従来技術の管310に入ると、廃棄テープの2つのストリームが交じって絡まることになるであろう。
図10C及び
図10Dに示されているように、拡大管320に取り付けられた2つの廃棄ストリーム分離器330が、2つの廃棄テープストリーム331及び332を分離した状態に維持する。
【0048】
本発明の前述の記載は、例示目的及び説明目的で示されたものであり、網羅的でも、本発明を開示された正確な形態に限定することを意図するものでもない。上記の教示に照らして、修正及び変形が可能である。本発明の原理及びその実際の適用を最もよく説明するために実施態様を選択して記載することにより、当業者が、企図される特定の使用に適した様々な実施態様で本発明を最良に使用できるようにする。
本件出願は、以下の態様の発明を提供する。
(態様1)
重量が5~30ポンドであるサイズにばらつきのある大きい農産物品にラベルを貼付するために使用される自動高速ラベリング装置であって、ラベル貼付機を、インデックス可能な回転ヘッド上に搭載された複数の拡張型ベローズと共に使用して、ラベル転送点において個々のラベルをラベルストリップから単一のベローズの先端部に転送し、その後に個々の農産物品に転送し、該ラベルストリップは、該ラベル貼付機から取り外し可能なカセットのリールに搭載され、ラベルストリップ駆動部が、該ラベルストリップを該カセットから、該個々のラベルが該ベローズの1つに転送されるラベル転送点まで推進して運び、該ラベル貼付機は、定期的に一時停止され、次いで再起動され:
該ラベルストリップのオーバーランを防止しないと該ラベル貼付機が一時停止した時は必ずラベリングプロセスが妨害されるので、該オーバーランを防止するために、ラベルストリップ偏向手段が該ラベル貼付機によって支持されており、該ラベル貼付機が一時停止されると、該ラベルストリップ偏向手段のおかげで必ず該ラベルストリップがそれ自体で折れ曲がり、
それによって、該ラベルストリップが、該ラベル転送点に向かってオーバーランして、該ラベルの貼付が妨げられることが防止されることを特徴とする、前記装置。
(態様2)
前記ラベルストリップが60 mmを超える幅を有し、且つラベルストリップ駆動手段が、毎分30メートルを超える動作速度で該ラベルストリップを推進して運ぶ、態様1記載の装置。
(態様3)
前記ラベルストリップ偏向手段が、前記ラベルストリップの移動方向とは反対の方向に上向きに傾斜した固定プレートである、態様1記載の装置。
(態様4)
前記ラベルストリップ偏向手段が、前記ラベルストリップの経路の上方に、前記ラベルストリップ駆動手段と前記ラベル転送点との間に横方向に配置される、態様3記載の装置。
(態様5)
前記ラベルストリップ駆動手段が、前記ラベルストリップを前記ラベル貼付機によって従動スカラップホイールから前記ラベル転送点に運搬するための該スカラップホイール及びニップローラを含み、該ニップローラが、該従動スカラップホイールと固定された関係に配置されて、該スカラップホイールと該ラベルストリップとの間に少なくとも270度の弧の一定した摩擦係合を達成する、態様1記載の装置。
(態様6)
テンションローラ、該テンションローラ用の第1及び第2の支持アーム;並びに前記ニップローラがその周りを回転するニップローラ軸をさらに備え、該ニップローラ軸が、該テンションローラの下方への運動を制限するように配置されている、態様5記載の装置。