(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】身体管腔内の血栓を治療するためのシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/22 20060101AFI20240705BHJP
【FI】
A61B17/22
(21)【出願番号】P 2022518251
(86)(22)【出願日】2020-09-18
(86)【国際出願番号】 US2020051551
(87)【国際公開番号】W WO2021061523
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2023-08-16
(32)【優先日】2019-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515000292
【氏名又は名称】ショックウェーブ メディカル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】グエン, ホア
【審査官】滝沢 和雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-035491(JP,A)
【文献】特表2003-500098(JP,A)
【文献】特表2011-524203(JP,A)
【文献】国際公開第2019/099218(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルであって、前記カテーテルは、
少なくとも1つのエミッタを備えているエミッタアセンブリであって、
各エミッタは、電極対を備え、
各エミッタは、電圧パルスが前記電極の対に印加されると、複数のキャビテーション気泡を発生させるように構成されている、
エミッタアセンブリと、
前記カテーテルの外壁の少なくとも一部によって形成された注入管腔であって、前記注入管腔は、伝導性流体を受け取るように構成され、
前記エミッタアセンブリは、前記注入管腔内に格納されており、
前記注入管腔の遠位セグメントは、前記カテーテルの前記外壁の部分上に複数の孔を含み、
前記複数の孔は、前記カテーテルから外に前記伝導性流体および前記複数のキャビテーション気泡を放出し、治療部位において血栓を治療するように構成されている、
注入管腔と、
前記カテーテル内に形成された吸引管腔と
を備え、
前記吸引管腔は、
前記吸引管腔の遠位セグメントにおいて複数の吸引ポートを含む、カテーテル。
【請求項2】
前記エミッタアセンブリは、
細長い伝導性管と、
絶縁ワイヤと
を備え、
前記絶縁ワイヤは、
前記絶縁ワイヤの端部における螺旋コイル状部分を有し、
前記
螺旋コイル状部分は、露出させられた先端を含み、
前記
螺旋コイル状部分は、前記細長い伝導性管内に位置付けられており、
パルス化電圧が前記絶縁ワイヤと前記細長い伝導性管とを横断して印加されると、電流が、前記絶縁ワイヤの前記露出させられた遠位先端から前記細長い伝導性管まで流動し、前記複数のキャビテーション気泡を発生させるように構成される、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記細長い伝導性管は、スロットを備え、前記電流は、前記絶縁ワイヤの前記露出させられた遠位先端から前記スロットの縁まで流動するように構成されている、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記電流は、前記絶縁ワイヤの前記露出させられた遠位先端から前記細長い伝導性管の内壁まで流動するように構成されている、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記エミッタアセンブリは、第1のワイヤと第2のワイヤとを備え、
絶縁体の少なくとも一部が、前記第1のワイヤの一部から除去され、前記電極の対の1つの電極を画定し、
絶縁体の少なくとも一部が、前記第2のワイヤの一部から除去され、前記電極の対の第2の電極を画定し、
前記第1のワイヤの部分は、前記第2のワイヤの部分と交互配置され、
パルス化電圧が前記第1のワイヤと前記第2のワイヤとを横断して印加されると、電流が、前記第1のワイヤから前記第2のワイヤまで流動し、前記複数のキャビテーション気泡を発生させるように構成される、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記エミッタアセンブリは、
伝導性シースと、
露出させられた先端を有する絶縁ワイヤと
を備え、
電流が、前記絶縁ワイヤの前記露出させられた遠位先端から前記伝導性シースまで流動し、前記複数のキャビテーション気泡を発生させるように構成される、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記複数の孔は、前記カテーテルの前記外壁上で120度間隔を置かれた3つの列で配置されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記注入管腔は、Y形である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項9】
ポンプが、前記注入管腔を通して伝導性流体の連続流動を前記エミッタアセンブリに送達するように構成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記伝導性流体は、生理食塩水を備えている、請求項9に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記伝導性流体の前記連続流動は、前記複数の吸引ポートを介して前記吸引管腔の中に破片を洗い流す、請求項9に記載のカテーテル。
【請求項12】
ポンプが、前記吸引管腔の近位端において吸入力を印加し、前記複数の吸引ポートを介して前記吸引管腔の中に破片を吸入するように構成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記複数の吸引ポートの吸引ポートは、前記複数の孔の孔より大きい、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項14】
ガイドワイヤを収容するためのガイドワイヤ管腔をさらに備えている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項15】
前記カテーテルの遠位端をシールするように構成された遠位キャップをさらに備え、前記遠位キャップは、前記ガイドワイヤを収容するための孔を備えている、請求項14に記載のカテーテル。
【請求項16】
前記エミッタアセンブリの1本以上のワイヤを収容するための電気ワイヤ管腔をさらに備えている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項17】
前記印加される電圧パルスの電圧は、500V~1,200Vである、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記印加される電圧パルスの繰り返し率は、25Hz~200Hzで調節可能である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項19】
前記電極対は、前記対の電極間のスパーク間隙を備え、前記スパーク間隙は、
0.13mmより小さい、請求項1に記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その内容が参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる2019年9月24日に出願され、「SYSTEM FOR TREATING THROMBUS IN BODY LUMENS」と題された米国仮特許出願第62/904,974号の優先権を主張する。
(開示の分野)
【0002】
本開示は、概して、血栓除去デバイスに関し、より具体的に、患者の血管系から血栓を減らすことまたは除去することを行うためのキャビテーション気泡を発生させるように設計された血栓除去デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
血栓除去デバイスは、患者の血管系から凝血塊負担を減少させ、凝血塊(すなわち、血栓)を部分的または完全に除去するように設計される。現在、殆どの血栓除去デバイスにおける血栓を除去する機構は、機械的であるか、または、それは、プラスミノゲンアクチベータ(「tPA」)治療および機械的プロセスの組み合わせを伴う。これらのデバイスのうちのいくつかは、組織プラスミノゲンアクチベータ(tPA)を拡散させる目的のために超音波を使用する。それは、血栓構造の透過性を増加させることによってこれを行い、血栓構造の透過性を増加させることは、血栓溶解剤が結合し得るより多くの部位を露出させる。これらのデバイスの全ては、それらが望ましくなく遅い凝血塊除去の率(それは、典型的に、病院における一晩の入院を要求する)を提供するので、欠陥を有する。さらに、これらのデバイスは、高価であり、嵩張り、動作させることが困難である傾向がある。なおもさらに、これらのデバイスは、患者における血液の高損失を伴い得る。
【0004】
故に、薬物(例えば、tPA)の使用を伴わずに凝血塊を治療し、血栓を治療するための費用効果および時間効率の高い解決策を提供するデバイスの必要性が、存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、患者の血管系から血栓を減らすことまたは除去することを行うためのキャビテーション気泡を発生させるように設計された血栓除去デバイスに関する。本発明の実施形態は、薬物(例えば、tPA)の使用を要求せず、迅速に(例えば、2時間未満)作業することができるので、本発明は、血栓を治療するための費用効果の高い効率的な解決策を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、本発明は、キャビテーション気泡を発生させるためのデバイスを提供する。例示的カテーテルは、少なくとも1つのエミッタを備えているエミッタアセンブリであって、各エミッタは、電極対を備え、各エミッタは、電圧が電極の対に印加されると、複数のキャビテーション気泡を発生させるように構成されている、エミッタアセンブリと、カテーテルの外壁の少なくとも一部によって形成された注入管腔であって、注入管腔は、伝導性流体を受け取るように構成され、エミッタアセンブリは、注入管腔内に格納されており、注入管腔の遠位セグメントは、カテーテルの外壁の部分上に複数の孔を含み、複数の孔は、カテーテルから外に伝導性流体および複数のキャビテーション気泡を放出し、治療部位において血栓を治療するように構成されている、注入管腔と、カテーテル内に形成され、その遠位セグメントにおいて複数の吸引ポートを含む吸引管腔とを備えている。
【0007】
いくつかの実施形態において、エミッタアセンブリは、細長い伝導性管と、絶縁ワイヤの端部において螺旋コイル状部分を有する絶縁ワイヤであって、コイル状部分は、露出させられた先端を含み、コイル状部分は、細長い伝導性管内に位置付けられており、電圧が、絶縁ワイヤおよび細長い伝導性管を横断して印加されると、電流が、絶縁ワイヤの露出させられた遠位先端から細長い伝導性管まで流動し、複数のキャビテーション気泡を発生させるように構成される、絶縁ワイヤとを備えている。
【0008】
いくつかの実施形態において、細長い伝導性管は、スロットを備え、電流は、絶縁ワイヤの露出させられた遠位先端からスロットの縁まで流動するように構成されている。
【0009】
いくつかの実施形態において、電流は、絶縁ワイヤの露出させられた遠位先端から細長い伝導性管の内壁まで流動するように構成されている。
【0010】
いくつかの実施形態において、エミッタアセンブリは、第1のワイヤと第2のワイヤとを備え、絶縁体の少なくとも一部が、第1のワイヤの一部から除去され、絶縁体の少なくとも一部が、第2のワイヤの一部から除去され、第1のワイヤの部分は、第2のワイヤの部分と交互配置され、電圧が第1のワイヤおよび第2のワイヤを横断して印加されると、電流が、第1のワイヤから第2のワイヤまで流動し、複数のキャビテーション気泡を発生させるように構成される。
【0011】
いくつかの実施形態において、エミッタアセンブリは、伝導性シースと、露出させられた先端を有する絶縁ワイヤであって、電流が、絶縁ワイヤの露出させられた遠位先端から伝導性シースまで流動し、複数のキャビテーション気泡を発生させるように構成される、絶縁ワイヤとを備えている。
【0012】
いくつかの実施形態において、複数の孔は、カテーテルの外壁上で120度間隔を置かれた3つの列で配置されている。
【0013】
いくつかの実施形態において、注入管腔は、Y形である。
【0014】
いくつかの実施形態において、ポンプが、注入管腔を通して伝導性流体の連続流動をエミッタアセンブリに送達するように構成されている。
【0015】
いくつかの実施形態において、伝導性流体の連続流動は、複数の吸引ポートを介して吸引管腔の中に破片を洗い流す。
【0016】
いくつかの実施形態において、ポンプが、吸引管腔の近位端において吸入力を印加し、複数の吸引ポートを介して吸引管腔の中に破片を吸入するように構成されている。
【0017】
いくつかの実施形態において、複数の吸引ポートの吸引ポートは、複数の孔の孔より大きい。
【0018】
いくつかの実施形態において、カテーテルは、ガイドワイヤを収容するためのガイドワイヤ管腔をさらに備えている。
【0019】
いくつかの実施形態において、カテーテルは、カテーテルの遠位端をシールするように構成された遠位キャップをさらに備え、遠位キャップは、ガイドワイヤを収容するための孔を備えている。
【0020】
いくつかの実施形態において、カテーテルは、エミッタアセンブリの1本以上のワイヤを収容するための電気ワイヤ管腔をさらに備えている。
【0021】
いくつかの実施形態において、電圧は、500V~1,200Vである。
【0022】
いくつかの実施形態において、印加される電圧の繰り返し率は、25Hz~200Hzで調節可能である。
【0023】
いくつかの実施形態において、電極対は、対の電極間のスパーク間隙を備え、スパーク間隙は、0.005インチより小さい。
本明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
カテーテルであって、前記カテーテルは、
少なくとも1つのエミッタを備えているエミッタアセンブリであって、
各エミッタは、電極対を備え、
各エミッタは、電圧パルスが前記電極の対に印加されると、複数のキャビテーション気泡を発生させるように構成されている、
エミッタアセンブリと、
前記カテーテルの外壁の少なくとも一部によって形成された注入管腔であって、前記注入管腔は、伝導性流体を受け取るように構成され、
前記エミッタアセンブリは、前記注入管腔内に格納されており、
前記注入管腔の遠位セグメントは、前記カテーテルの前記外壁の部分上に複数の孔を含み、
前記複数の孔は、前記カテーテルから外に前記伝導性流体および前記複数のキャビテーション気泡を放出し、治療部位において血栓を治療するように構成されている、
注入管腔と、
前記カテーテル内に形成された吸引管腔と
を備え、
前記吸引管腔は、その遠位セグメントにおいて複数の吸引ポートを含む、カテーテル。
(項目2)
前記エミッタアセンブリは、
細長い伝導性管と、
絶縁ワイヤと
を備え、
前記絶縁ワイヤは、その端部における螺旋コイル状部分を有し、
前記コイル状部分は、露出させられた先端を含み、
前記コイル状部分は、前記細長い伝導性管内に位置付けられており、
パルス化電圧が前記絶縁ワイヤと前記細長い伝導性管とを横断して印加されると、電流が、前記絶縁ワイヤの前記露出させられた遠位先端から前記細長い伝導性管まで流動し、前記複数のキャビテーション気泡を発生させるように構成される、項目1に記載のカテーテル。
(項目3)
前記細長い伝導性管は、スロットを備え、前記電流は、前記絶縁ワイヤの前記露出させられた遠位先端から前記スロットの縁まで流動するように構成されている、項目2に記載のカテーテル。
(項目4)
前記電流は、前記絶縁ワイヤの前記露出させられた遠位先端から前記細長い伝導性管の内壁まで流動するように構成されている、項目2に記載のカテーテル。
(項目5)
前記エミッタアセンブリは、第1のワイヤと第2のワイヤとを備え、
絶縁体の少なくとも一部が、前記第1のワイヤの一部から除去され、前記電極の対の1つの電極を画定し、
絶縁体の少なくとも一部が、前記第2のワイヤの一部から除去され、前記電極の対の第2の電極を画定し、
前記第1のワイヤの部分は、前記第2のワイヤの部分と交互配置され、
パルス化電圧が前記第1のワイヤと前記第2のワイヤとを横断して印加されると、電流が、前記第1のワイヤから前記第2のワイヤまで流動し、前記複数のキャビテーション気泡を発生させるように構成される、項目1に記載のカテーテル。
(項目6)
前記エミッタアセンブリは、
伝導性シースと、
露出させられた先端を有する絶縁ワイヤと
を備え、
電流が、前記絶縁ワイヤの前記露出させられた遠位先端から前記伝導性シースまで流動し、前記複数のキャビテーション気泡を発生させるように構成される、項目1に記載のカテーテル。
(項目7)
前記複数の孔は、前記カテーテルの前記外壁上で120度間隔を置かれた3つの列で配置されている、項目1に記載のカテーテル。
(項目8)
前記注入管腔は、Y形である、項目1に記載のカテーテル。
(項目9)
ポンプが、前記注入管腔を通して伝導性流体の連続流動を前記エミッタアセンブリに送達するように構成されている、項目1に記載のカテーテル。
(項目10)
前記伝導性流体は、生理食塩水を備えている、項目9に記載のカテーテル。
(項目11)
前記伝導性流体の前記連続流動は、前記複数の吸引ポートを介して前記吸引管腔の中に破片を洗い流す、項目9に記載のカテーテル。
(項目12)
ポンプが、前記吸引管腔の近位端において吸入力を印加し、前記複数の吸引ポートを介して前記吸引管腔の中に破片を吸入するように構成されている、項目1に記載のカテーテル。
(項目13)
前記複数の吸引ポートの吸引ポートは、前記複数の孔の孔より大きい、項目1に記載のカテーテル。
(項目14)
ガイドワイヤを収容するためのガイドワイヤ管腔をさらに備えている、項目1に記載のカテーテル。
(項目15)
前記カテーテルの遠位端をシールするように構成された遠位キャップをさらに備え、前記遠位キャップは、前記ガイドワイヤを収容するための孔を備えている、項目14に記載のカテーテル。
(項目16)
前記エミッタアセンブリの1本以上のワイヤを収容するための電気ワイヤ管腔をさらに備えている、項目1に記載のカテーテル。
(項目17)
前記印加される電圧パルスの電圧は、500V~1,200Vである、項目1に記載のカテーテル。
(項目18)
前記印加される電圧パルスの繰り返し率は、25Hz~200Hzで調節可能である、項目1に記載のカテーテル。
(項目19)
前記電極対は、前記対の電極間のスパーク間隙を備え、前記スパーク間隙は、0.005インチより小さい、項目1に記載のカテーテル。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1Aは、いくつかの実施形態による、例示的エミッタアセンブリを描写する。
図1Bは、いくつかの実施形態による、例示的エミッタアセンブリを描写する。
【0025】
【
図2A】
図2Aは、いくつかの実施形態による、エミッタアセンブリを格納する例示的カテーテルの断面図を描写する。
【0026】
【
図2B】
図2Bは、いくつかの実施形態による、エミッタアセンブリを格納する別の例示的カテーテルを描写する。
【0027】
【
図3】
図3は、いくつかの実施形態による、別の例示的エミッタアセンブリを描写する。
【0028】
【
図4】
図4は、いくつかの実施形態による、別の例示的エミッタアセンブリを描写する。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下の説明は、当業者が種々の実施形態を作製および使用することを可能にするために提示される。具体的デバイス、技法、および用途の説明は、例としてのみ提供される。本明細書に説明される例の種々の修正が、当業者に容易に明白であり、本明細書に定義される一般的原理は、種々の実施形態の精神および範囲から逸脱することなく、他の例および用途に適用され得る。したがって、種々の実施形態は、本明細書に説明され、示される例に限定されることを意図しておらず、請求項と一貫する範囲を与えられるものである。
【0030】
本明細書に説明されるものは、電圧源を介してキャビテーション気泡を発生させることによって、患者の血管系から血栓を減らすことまたは除去することを行うための例示的システムおよび方法である。いくつかの実施形態によると、治療システムは、カテーテルと、カテーテル内に格納された1つ以上のエミッタとを含む。カテーテルは、身体管腔(例えば、血管)内で治療部位まで(例えば、ガイドワイヤを介して)前進させられる。各エミッタは、電極を含み、電極は、比較的に低い電圧かつ高いPRF(パルス繰り返し率)の発生器に接続されると、プラズマアークを形成し、それらは、次に、大量のキャビテーション気泡が生じ、崩壊することにつながる。いくつかの実施形態において、カテーテルは、無指向性様式でキャビテーション気泡を放出するためのキャビテーション孔の1つ以上の列を備えている。キャビテーション気泡は、機械的振動、乱流、噴射、および/または力強い崩壊を作成し、フィブリン線維網を弱くし、破壊し、したがって、血栓を減らし、除去する。
【0031】
本発明は、電気水圧砕石と異なる。各エミッタにおける(すなわち、スパーク間隙を横断する)電圧は、血管内砕石(「IVL」)治療より低い。いくつかの実施形態において、発生器の電圧は、500V~1,200Vで調節され、繰り返し率は、25Hz~200Hzで調節される。破壊電圧を維持するために、エミッタにおけるスパーク間隙(例えば、電極対の2つの電極の間に形成されるスパーク間隙)は、スパークを可能にするために十分に小さい。いくつかの実施形態において、間隙は、0.005インチ未満である。さらに、送達されるエネルギーは、IVLより低く、したがって、音響パワーは、通常、任意の衝撃波から圧力振幅を発生させるために十分ではない。
【0032】
図1Aは、いくつかの実施形態による、例示的エミッタアセンブリ100を描写する。エミッタアセンブリ100は、2つの伝導性の細長い管110および112を備えている。各細長い管は、下で議論されるように、キャビテーション気泡の発生を促進するために、複数の縦方向スロットを有する。さらに、エミッタアセンブリ100は、3本のワイヤ102、104、および106を備えている。いくつかの例では、細長い管は、ステンレス鋼ハイポチューブであり得、ワイヤは、ポリイミド絶縁銅ワイヤであり得る。
【0033】
第1の絶縁ワイヤ102は、その遠位端において螺旋コイル状部分を備え、それは、第1の細長い管110内に設置されている。いくつかの実施形態において、螺旋コイル状部分は、接着剤(例えば、エポキシまたはシアノアクリレート接着剤)を用いて細長い管110の内壁に接合される。同様に、第2の絶縁ワイヤ104は、その遠位端において螺旋コイル状部分を備え、それは、第2の細長い管112内に設置されている。第3の絶縁ワイヤ106は、第2の細長い管112に接続(例えば、溶接)された遠位端を有する。さらに、第2の絶縁ワイヤ104の近位端は、第1の細長い管110に接続(例えば、溶接)されている。
【0034】
エミッタアセンブリ100が電圧源に接続されると、電流が、2つの細長い管および3本のワイヤを通して横断し、2つの場所においてキャビテーション気泡を発生させる。
図1Aを参照すると、第1のワイヤ102の近位端は、電圧発生器(描写せず)の正のポートに接続され、第3のワイヤ106の近位端は、電圧発生器の負の部分に接続される。発生器は、連続パルスモードまたは一連の短いバーストにおいてエネルギーを送達する。故に、電流iが、矢印によって示されるように、エミッタアセンブリを横断する。示されるように、電流iは、第1の絶縁ワイヤ102の近位端からその遠位コイル状部分に向かって横断する。第1の絶縁ワイヤ102の遠位端において、ワイヤの伝導性コアは、露出させられ、したがって、電流がワイヤ102の遠位端から第1の細長い管110まで横断することを可能にする。第1のワイヤ102の露出させられた遠位端と第1の細長い管110とは、キャビテーション気泡を発生させるための第1の電極対を形成する。
【0035】
電流iは、第1の細長い管110から、第2の絶縁ワイヤ104の近位端まで、次いで、第2の絶縁ワイヤ104の遠位コイル状部分までさらに横断する。第2の絶縁ワイヤ104の遠位端において、ワイヤの伝導性コアは、露出させられ、したがって、電流がワイヤ104の遠位端から第2の細長い管112まで横断することを可能にする。第2のワイヤ104の露出させられた遠位端と第2の細長い管112とは、キャビテーション気泡を発生させるための第2の電極対を形成する。電流iは、次いで、第3の絶縁ワイヤ106を介して電圧発生器に戻る。
【0036】
電流iが、ワイヤの遠位コイル状部分からコイル状部分を封入する細長い管まで横断するとき、複数のプラズマアークが、ワイヤの露出させられた遠位端と細長い管の内面との間に形成される。プラズマアークは、制御された方式における(一度に1つずつ、特定の率において)キャビテーション気泡につながり、それは、次に、(例えば、気泡の拡張および崩壊を介して)機械的振動および伝導性流体における崩壊、乱流、噴射等の他の気泡力学関連効果につながる。機械的振動は、血栓を減らすことまたは除去することを行う役割を果たす。キャビテーションは、血栓の基本構造であるフィブリン網架橋を弱くすることが知られている。機械的振動と気泡キャビテーションとの組み合わせは、血栓融解において効果的であり得る。上で言及された従来技術の衝撃波発生システムにおいて使用される発生器と比較して、システムのための発生器は、任意の衝撃波の強度を最小化し、気泡成長および崩壊を最適化し、最大化するために、より高いパルス繰り返し率でより低い電圧パルスを発生させるように構成されている。例えば、従来技術のシステムにおいて、各パルスは、1Hz繰り返し率を伴う約3,000ボルトであり得る。システムの実施形態において、電圧パルスの電圧は、500V~1,200Vで調節され、電圧パルスの繰り返し率は、25Hz~200Hzで調節され、パルスデューティサイクルは、10~50%で調節される。これらのパラメータは、凝血塊条件に基づいて、変動させられることができる。
【0037】
図1Bは、いくつかの実施形態による、2本のワイヤの遠位コイル状部分を示す異なる角度からの例示的エミッタアセンブリ100を描写する。プラズマアークは、動作時に電極への侵食を引き起こすので、ワイヤ102および104の螺旋コイル状ワイヤ部分は、時間と共に侵食され、短くなり得る。ワイヤの遠位端が存在する場所に応じて、スパーク間隙(すなわち、プラズマアークが形成される場所)は、ワイヤの遠位端と細長い管の内壁との間(詳細A図に示されるように)、または、ワイヤの遠位端と細長い管のスロットの縁との間(詳細B図に示されるように)にあり得る。コイル状ワイヤ部分が侵食されるにつれて、キャビテーション気泡の発生の場所が変化するであろうことに留意されたい。図示される実施形態において、キャビテーション気泡の発生の場所は、伝導性管110および112の周辺付近で円周方向に回転するであろう。
【0038】
コイル状ワイヤと細長い管とによって形成される電極対に関する追加の詳細が、可能な変形例とともに、「SYSTEM FOR TREATING OCCLUSIONS IN BODY LUMENS」と題された譲受人の先行出願の米国公開第2019/0388110号(参照することによって組み込まれる)に提供されている。
図1A-Bが、1つの電圧源によって駆動される直列に接続される2つのエミッタを備えているエミッタアセンブリを描写するが、エミッタアセンブリが、1つ以上の電圧源によって駆動される任意の構成において配置された任意の数のエミッタを備え得ることを理解されたい。
【0039】
図2Aは、いくつかの実施形態による、いくつかの管腔を備えている例示的カテーテル200の断面図を描写する。カテーテル200は、Y形注入管腔210と、3つの長円形管腔、すなわち、ガイドワイヤ管腔204と、電気ワイヤ管腔206と、吸引管腔208とを備えている。
図2Aに示されるように、長円形管腔204、206、208は、カテーテルの外壁に沿って約120度間隔を置かれ、少なくとも部分的にカテーテルの外壁から形成されている。ガイドワイヤ管腔204、電気ワイヤ管腔206、および吸引管腔208の内縁は、中心Y形注入管腔206の外縁を画定する。
【0040】
Y形注入管腔210は、本明細書に説明されるエミッタアセンブリ(例えば、100、300、400)のうちのいずれかであり得るエミッタアセンブリ202を格納する。上で議論されるように、エミッタアセンブリ202は、いくつかの細長い伝導性管と、ワイヤとを備え、いくつかのエミッタ(または電極対)を形成する。いくつかの実施形態において、エミッタアセンブリ202は、カテーテルの遠位セグメントにおいて設置される。
【0041】
Y形注入管腔210は、ポンプからエミッタアセンブリ202にイオン性溶液(例えば、生理食塩水または造影剤と混合された生理食塩水等の伝導性溶液)を送達するためにさらに使用されることができる。エミッタアセンブリ202が、電圧源に接続されると、キャビテーション気泡が、カテーテルに沿った複数の場所において、伝導性流体を介して発生させられることができる。
【0042】
Y形注入管腔は、キャビテーション気泡を放出するためのキャビテーション孔の複数の列をさらに備えている。描写される例では、キャビテーション孔212a、212b、および212cの3つの列が、120度間隔を置かれている。
図2Aに示されるように、キャビテーション孔212a、212b、212cは、カテーテルの遠位端の円周の一部に沿って延びている複数の側方孔を含み得る。キャビテーション孔は、キャビテーション気泡の放出を最大化するように位置付けられ、例えば、第1の細長い管、第2の細長い管、またはエミッタアセンブリの別の要素のすぐ上に位置付けられ得る。したがって、エミッタアセンブリからのキャビテーション気泡は、イオン性溶液の圧送された流動によって、キャビテーション孔の列を通して、血栓まで半径方向に運び出される。
【0043】
吸引管腔208は、治療部位から破片(例えば、金属、気泡)および血栓断片を除去するために使用されることができる。示されるように、吸引管腔208は、一連の吸引ポート214を備えている。吸引ポート214は、概して、キャビテーション孔212より大きい。より多くの伝導性流体が、注射されるにつれて、破片および血栓断片は、吸引管腔に向かって洗い流され、治療部位から離れるように運ばれる。加えて、または代替として、吸入力が、吸引管腔208の近位端において提供されることができる。破片および血栓断片は、吸引ポート214の中に吸入され、伝導性流体の流動を介して治療部位から離れるように運ばれることができる。破片の迅速な除去は、キャビテーションをリフレッシュすることに役立つ。
【0044】
電気ワイヤ管腔206は、エミッタアセンブリ202の1本以上のワイヤを収容するために使用されることができる。例えば、エミッタアセンブリの遠位部分を電圧発生器の負のポートに接続するワイヤ(例えば、ワイヤ106)は、より良好な絶縁のために電気ワイヤ管腔206を通して延びていることができる。ワイヤ管腔206は、1つ以上の追加のワイヤ、例えば、エミッタアセンブリの近位部分を電圧発生器の正のポートに接続するワイヤ102も運び得る。ガイドワイヤ管腔204は、ガイドワイヤを収容するために使用されることができ、約0.014インチ~約0.035インチの直径を有するガイドワイヤを運ぶように成形され得る。ガイドワイヤは、カテーテル200を治療部位まで前進させるために使用される。
【0045】
図2Bは、いくつかの実施形態による、エミッタアセンブリを格納する別の例示的カテーテルを描写する。示されるように、カテーテルは、ガイドワイヤ(例えば、カテーテルの前進中にカテーテルのガイドワイヤ管腔内で運ばれるガイドワイヤ)を受け取るためのガイドワイヤポートを含むキャップ230を含む。さらに、吸引ポートおよびキャビテーション孔の形状および場所は、
図2Aに図示される実施形態においけるものと異なる。例えば、
図2Bに示されるように、吸引ポートは、キャビテーションからの破片が吸引ポートを通して脱出することを可能にするようにサイズを決定された縦方向スロットとして形成されることができる。キャビテーションポートは、カテーテル筐体(すなわち、カテーテルの外壁)内に複数のほぼ円形の孔を含み、Y形注入管腔へのアクセスを可能にし得る。
【0046】
図2A-Bのカテーテルは、ポンプと併せて使用されることができる。いくつかの実施形態において、ポンプは、注入管腔を介して、イオン性溶液(すなわち、生理食塩水または造影剤と混合された生理食塩水等の伝導性溶液)をカテーテル先端(そこで、キャビテーションが、起こる)に送達する。ポンプまたは補助ポンプは、血栓領域から離れるように破片を吸引することも行う。注入流動は、エミッタの周囲での適正なイオン性溶液を確実にするために、エミッタの電力送達に同期させられることができる。吸引流動および注入流動は、治療部位における圧力平衡を維持するために、同期させられることができる。いくつかの例では、生理食塩水または生理食塩水/血管造影剤の流動は、過熱問題を回避し、治療効率および率を制御するように調節される。
【0047】
いくつかの実施形態において、エミッタによって生成される破片を捕捉するための近位バルーン、カテーテルを適切にナビゲートし、設置するための可視化システムおよび/または操向システム(例えば、側枝)等、追加の構成要素が、治療システム内に含まれる。治療システムの追加の詳細が、米国公開第2019/0388110号(上で参照され、参照することによって本明細書に組み込まれる)に提供されている。
【0048】
いくつかの実施形態において、手技は、約30分かかり得、その間、エミッタアセンブリ202は、キャビテーション気泡を連続的に発生させる。これらの動作パラメータ(例えば、電圧パルスの電圧、繰り返し率、またはパルスデューティサイクル)は、凝血塊の特性(例えば、凝血塊のサイズ、凝血塊の年齢、凝血塊の組成、凝血塊の軟性、凝血塊の動脈または静脈場所、凝血塊の血小板含有量、凝血塊のフィブリン含有量、または凝血塊のある他の属性)および/または患者の特性(例えば、患者の年齢または既存の医学的条件)に基づいて設定されることができる。いくつかの実施形態において、手技後、術後低侵襲性手技(例えば、出血、血栓再形成の治療)が、実施されることができる。
【0049】
図3は、いくつかの実施形態による、カテーテル300内に格納される別の例示的エミッタアセンブリを描写する。エミッタアセンブリは、4本のワイヤ302、304、306、および308を含む。4本のワイヤの各々は、シャフト320(例えば、ガイドワイヤを運ぶための管腔を有するガイドワイヤシャフト)の周囲に螺旋状に巻きつけられる一部を含み、一緒に、4つのワイヤは、3つの交互配置されたワイヤ部分を形成する。交互配置されたワイヤ部分は、交互配置様式で構成されたワイヤの複数の(すなわち、2つ以上の)部分を備え得る。例えば、交互配置されたワイヤ部分は、別のワイヤの一部とともにコイル状にされたワイヤの一部を含み得る。いくつかの変形例では、ワイヤと交互配置されたワイヤ部分とは、直列に構成されている。例えば、第1のワイヤ302は、電圧源の正の端子に電気的に結合され得る。第1の交互配置されたワイヤ部分は、第2のワイヤ304の第1の部分と交互配置される第1のワイヤ302の一部を備え得る。第1のワイヤ302は、第2のワイヤ304より大きい正である電圧または電位を有し得る。同様に、第2の交互配置されたワイヤ部分304は、第3のワイヤ306の第1の部分と交互配置された第2のワイヤ304の第2の部分を備え得る。第2のワイヤ304は、第3のワイヤ306のそれより大きい正である電圧または電位を有し得る。第3の交互配置されたワイヤ部分306は、第3のワイヤ306の第2の部分と、第4のワイヤ308の一部とを備え得る。第3のワイヤ306は、第4のワイヤ308のそれより大きい正である電圧または電位を有し得る。第4のワイヤ308は、電圧源の負の端子に電気的に結合され得る。
【0050】
図3の図示される実施形態において、各交互配置されたワイヤ部分は、電極の少なくとも1つの対を含む。各対の電極は、交互配置されたワイヤの隣接する部分から絶縁体の小さい領域を除去することによって画定される。ワイヤが、伝導性流体によって包囲されているとき(すなわち、伝導性流体が、ワイヤ管腔を通して流動させられているとき)、高電圧が、ワイヤに送達されると、電気油圧放電が、電極を横断するアーク発生領域においてキャビテーション気泡を発生させるプラズマを発生させる。エミッタアセンブリの動作および可能な変形例の追加の詳細が、「AORTIC LEAFLET REPAIR USING SHOCK WAVE APPLICATORS」と題された譲受人の先行出願の米国公開第2018/0098779号(参照することによって組み込まれる)に見出されることができる。
【0051】
図3の図示される実施形態において、エミッタアセンブリは、カテーテル300、例えば、
図2A-Bに関して説明されるカテーテルのうちのいずれかの中に格納される。示されるように、カテーテルは、無指向性様式でキャビテーション気泡を放出するために、エミッタの上に位置付けられたキャビテーション孔(例えば、縦方向または側方スロットまたは円形孔)の列を備えている。
【0052】
図4は、いくつかの実施形態による、カテーテル400内に格納された別の例示的エミッタアセンブリを描写する。エミッタアセンブリは、4つのワイヤ402、404、406、および408、および3つの伝導性シース410、412、および414を含む。伝導性シースは、シャフト420(例えば、ガイドワイヤを運ぶための管腔を有するガイドワイヤシャフト)の一部の全周に巻きつけられている。外側電極が、伝導性シースによって形成され、内側電極が、絶縁ワイヤの導電性部分を露出させるように絶縁ワイヤの一部を除去する(例えば、ワイヤの端部の近傍の絶縁層において孔を切断する)ことによって形成される。内側電極は、所与の電流および電圧に関して再現可能なアークを可能にするために、伝導性シースの側縁から制御された距離だけ離れて設置される。動作時、プラズマアークが、内側電極および伝導性シースの側縁を横断して形成され得る。
【0053】
図4の図示される実施形態において、エミッタアセンブリは、第1のワイヤ402および第4のワイヤ408を用いて電圧源に接続され、例えば、第1のワイヤは、正のポートに接続され、第4のワイヤは、負のポートの接地に接続される。電流が、第1のワイヤ402から、第1の伝導性シース410に、第2のワイヤ404に、第2の伝導性シース412に、第3のワイヤ406に、第3の伝導性シース414に、第4のワイヤ408に、電圧源の負のポートまで横断する。故に、エミッタアセンブリは、6つの場所(すなわち、シースが、ワイヤの絶縁体除去部分とともに電極対を形成する、各伝導性シースの2つの側縁)においてキャビテーション気泡を発生させる。エミッタアセンブリの動作および可能な変数の追加の詳細が、「LOW PROFILE ELECTRODES FOR A SHOCK WAVE CATHETER」と題された譲受人の先行出願の米国公開第2019/0150960号(参照することによって組み込まれる)に見出されることができる。
【0054】
図4の図示される実施形態において、エミッタアセンブリは、カテーテル400、例えば、
図2A-Bに関して説明されるカテーテルのうちのいずれかの中に格納される。示されるように、カテーテルは、無指向性様式でキャビテーション気泡を放出するために、エミッタの上に位置付けられたキャビテーション孔(例えば、縦方向または側方スロットまたは円形孔)の列を備えている。
【0055】
前述が、本発明の原理の例証にすぎず、種々の修正、改変、および組み合わせが、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者によって行われ得ることを理解されたい。本明細書に開示される種々のキャビテーションデバイスの変形例のうちのいずれかは、本明細書の任意の他のキャビテーションデバイスまたは衝撃波デバイスの組み合わせによって説明される特徴を含むことができる。さらに、方法のうちのいずれかは、開示されるキャビテーションデバイスのうちのいずれかと共に使用されることができる。故に、添付される請求項による場合を除いて、本発明が限定されることを意図していない。上で説明される変形例の全てに関して、方法のステップは、順次実施される必要はない。