(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】加熱装置及び電子霧化装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/46 20200101AFI20240705BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20240705BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F40/40
(21)【出願番号】P 2022544395
(86)(22)【出願日】2021-01-29
(86)【国際出願番号】 CN2021074488
(87)【国際公開番号】W WO2021190136
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】202010215077.6
(32)【優先日】2020-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519403945
【氏名又は名称】深▲せん▼麦時科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】張 幸福
(72)【発明者】
【氏名】廖 ▲いぇん▼程
【審査官】河内 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-164956(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110613169(CN,A)
【文献】中国実用新案第207653582(CN,U)
【文献】国際公開第2018/002989(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00~47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱素子と、固定座と、を備える加熱装置であって、
前記加熱素子は基体、発熱回路及び導電回路を備え、前記基体が第1領域及び第2領域を含み、前記導電回路が前記第2領域に設置され、前記発熱回路が前記第1領域に設置され、前記発熱回路が前記導電回路に接続され、且つ前記発熱回路の抵抗が前記導電回路の抵抗よりも大きく、
前記固定座の一端に前記加熱素子が固定され、前記第1領域に接触され、
前記固定座は固定部材を備え、前記固定部材の中央に貫通孔を有し、前記加熱素子が前記貫通孔を通っており、前記固定部材が前記発熱回路に接触され、
前記固定座は
台座及び回路基板を更に備え、前記固定部材と
前記回路基板との間を密封するように
前記台座の一端が前記固定部材に当接され、
前記台座の他端が前記回路基板に係着さ
れ、
前記回路基板は前記発熱回路及び前記導電回路を給電することに用いられ、
前記固定部材は、本体部と、前記本体部の一方の表面に位置する係止台とを備え、
前記貫通孔が前記本体部及び前記係止台を貫通し、前記本体部の直径が前記係止台の直径よりも大きく、前記係止台の縁部には前記本体部に接続される少なくとも1つの係止部を有し、
前記台座の前記固定部材を係止するための端には前記係止部に対応する第1係止溝を有し、前記固定部材の前記係止台が前記台座の内側に係止され、前記係止部が前記第1係止溝内に嵌め込まれ、更に固定部材を台座に固定する加熱装置。
【請求項2】
前記固定座は前記加熱素子の第2領域を収容し、且つ前記第1領域に接触し、
前記固定部材が前記発熱回路の位置する第1領域に固定され、更に前記加熱素子を前記固定座に固定し、
前記固定部材がセラミックス固定部材である請求項1に記載の加熱装置。
【請求項3】
前記基体は縦長構造であり、前記第1領域の長さが前記第2領域よりも大きく、前記第2領域の前記第1領域から離れる側には前記導電回路を接続し且つ部分的に前記基体の外部まで延在する第1接続端子及び第2接続端子が設置される請求項2に記載の加熱装置。
【請求項4】
前記回路基板は、前記第1接続端子及び前記第2接続端子の前記発熱回路から離れる端に位置
し、
前記回路基板の前記第1接続端子及び前記第2接続端子に対応する位置には前記第1接続端子及び前記第2接続端子に接触する第1電極及び第2電極が設置される請求項3に記載の加熱装置。
【請求項5】
前記台座は第1台座及び第2台座を備え、
前記第1台座の内壁に第1接続柱及び分離柱を有し、前記第2台座の前記第1接続柱に対応する位置には第2接続柱を有し、前記第2接続柱には前記第1接続柱を収納するための第1接続孔が設置され、前記第1台座と前記第2台座を係止して前記台座を形成するように前記第1台座の前記第1接続柱が前記第2台座上の前記第1接続孔に挿入され、
前記台座が前記固定部材及び前記回路基板に係合されて密封を行うとき、前記分離柱は前記第1接続端子と前記第2接続端子との間に位置し、且つ前記加熱素子を支持する請求項3に記載の加熱装置。
【請求項6】
前記固定部材の本体部の前記係止台から離れる表面にはボスが設置され、前記貫通孔が前記本体部、前記係止台及び前記ボスを貫通し、
前記固定座は更にシール材を備え、前記シール材は当接部と、前記当接部を貫通し且つ前記ボスの形状に対応する貫孔とを含み、前記シール材を前記固定部材に固定するように前記シール材の貫孔が前記ボスの外側に套設される請求項1に記載の加熱装置。
【請求項7】
前記台座は前記回路基板に近接する端の第1部分と、前記第1部分以外の第2部分とを備え、前記第1部分及び前記第2部分がいずれも中空の円柱体であり、前記第1部分の内側には前記回路基板の厚さに対応する係止レールを有し、前記回路基板が前記係止レールに嵌め込まれ、前記回路基板の一方の縁部位置には内向きに凹んで切欠が形成され、前記係止レールの前記回路基板の切欠に対応する位置には係止柱を有し、前記回路基板が前記係止レール内に嵌め込まれる場合、前記回路基板が揺れることを防止するように前記回路基板の切欠が前記係止柱に係止される請求項6に記載の加熱装置。
【請求項8】
前記シール材は、前記当接部の前記固定部材を離れる表面から突出する嵌合部を更に備え、前記貫孔が前記嵌合部を貫通し、
前記加熱装置は前記台座の外側に套設されるスリーブを更に備え、前記スリーブが中空であり、且つ前記スリーブの一端には前記スリーブの軸方向に垂直な方向に沿って延在するフランジを有し、前記フランジの内側に取付孔が形成され、前記スリーブが前記台座の外側に套設され、前記取付孔が前記嵌合部の外側に套設される請求項7に記載の加熱装置。
【請求項9】
前記第2部分の外側には少なくとも1つの突起が設置され、及び前記第2部分の外側には係止軸が更に設置され、前記係止軸は前記第1部分の断面に垂直であり、且つ前記第1部分の外表面と面一であり、
前記スリーブの内壁の前記突起に対応する位置には係着口を有し、前記係止軸に対応する位置には第2係止溝を有し、前記スリーブが前記台座の外側に套設された後、前記スリーブと前記台座を固定するように突起が係着口に係止され、係止軸が第2係止溝に係合され、
前記スリーブの外径が前記第1部分の外径に合わせられる請求項8に記載の加熱装置。
【請求項10】
前記回路基板は、前記第1接続端子と前記第2接続端子を接続し、且つ前記第1接続端子と前記第2接続端子との間の電圧を検出するための第3電極及び第4電極を更に備える請求項4に記載の加熱装置。
【請求項11】
前記回路基板は、加熱過程において生成されたデータを記憶するための記憶チップを更に備える請求項4に記載の加熱装置。
【請求項12】
電子霧化装置であって、給電装置及び加熱装置を備え、
前記給電装置が前記加熱装置を給電するためのものであり、前記加熱装置が請求項1~11のいずれか1項に記載の加熱装置である、電子霧化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2020年03月24日に提出した中国特許出願第202010215077.6号、発明の名称「加熱装置及び電子霧化装置」の優先権を主張し、引用によりその全ての内容が本願に取り込まれたものとする。
本発明は霧化技術分野に関し、特に加熱装置及び電子霧化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
既存の加熱非燃焼型の電子霧化装置の加熱片は固定座により固定される場合、固定座と加熱片との接触位置を発熱回路の発熱量よりも低い導電回路領域に設置し、該領域が加熱片の下端に位置するが、該領域が比較的小さく、加熱片の固定を堅固にすることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は加熱素子の安定した固定を実現するための加熱装置及び電子霧化装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記技術的問題を解決するために、本発明が採用する1番目の技術案は以下のとおりである。加熱装置を提供し、基体、発熱回路及び導電回路を備え、前記基体が第1領域及び第2領域を含み、前記導電回路が前記第2領域に設置され、前記発熱回路が前記第1領域に設置され、前記発熱回路が前記導電回路に接続され、且つ前記発熱回路の抵抗が前記導電回路の抵抗よりも大きい加熱素子と、一端に前記加熱素子が固定され、前記第1領域に接触する固定座と、を備える。
【0005】
選択肢として、前記固定座は前記加熱素子の第2領域を収容し、且つ前記第1領域に接触し、前記固定座は固定部材を備え、前記固定部材が前記発熱回路の位置する第1領域に固定され、更に前記加熱素子を前記固定座に固定し、前記固定部材がセラミックス固定部材である。
【0006】
選択肢として、前記固定部材の中央に貫通孔を有し、前記加熱素子が前記貫通孔を通っており、前記固定部材が前記発熱回路に接触する。
【0007】
選択肢として、前記基体は縦長構造であり、前記第1領域の長さが前記第2領域よりも大きく、前記第2領域の前記第1領域から離れる側には前記導電回路を接続し且つ部分的に前記基体の外部まで延在する第1接続端子及び第2接続端子が設置される。
【0008】
選択肢として、前記固定座は、前記第1接続端子及び前記第2接続端子の前記発熱回路から離れる端に位置する回路基板を更に備え、前記回路基板の前記第1接続端子及び前記第2接続端子に対応する位置には前記第1接続端子及び前記第2接続端子に接触する第1電極及び第2電極が設置される。
【0009】
選択肢として、前記固定座は、前記固定部材と前記回路基板との間を密封するように一端が前記固定部材に当接され、他端が前記回路基板に係着される台座を更に備える。
【0010】
選択肢として、前記台座は第1台座及び第2台座を備え、前記第1台座の内壁には第1接続柱及び分離柱を有し、前記第2台座の前記第1接続柱に対応する位置には第2接続柱を有し、前記第2接続柱には前記第1接続柱を収納するための第1接続孔が設置され、前記第1台座と前記第2台座を係止して前記台座を形成するように前記第1台座の前記第1接続柱が前記第2台座上の前記第1接続孔に挿入され、前記台座が前記固定部材及び前記回路基板に係合されて密封を行うとき、前記分離柱は前記第1接続端子と前記第2接続端子との間に位置し、且つ前記加熱素子を支持する。
【0011】
選択肢として、前記固定部材は、本体部と、前記本体部の一方の表面に位置する係止台とを備え、前記貫通孔が前記本体部及び前記係止台を貫通し、前記本体部の直径が前記係止台の直径よりも大きく、前記係止台の縁部には前記本体部に接続される少なくとも1つの係止部を有し、前記台座の前記固定部材を係止するための端には前記係止部に対応する第1係止溝を有し、前記固定部材の前記係止台が前記台座の内側に係止され、前記係止部が前記第1係止溝内に嵌め込まれ、更に固定部材を台座に固定する。
【0012】
選択肢として、前記固定部材の本体部の前記係止台から離れる表面にはボスが設置され、前記貫通孔が前記本体部、前記係止台及び前記ボスを貫通し、前記固定座は更にシール材を備え、前記シール材は当接部と、前記当接部を貫通し且つ前記ボスの形状に対応する貫孔とを含み、前記シール材を前記固定部材に固定するように前記シール材の貫孔が前記ボスの外側に套設される。
【0013】
選択肢として、前記台座は前記回路基板に近接する端の第1部分と、前記第1部分以外の第2部分とを備え、前記第1部分及び前記第2部分がいずれも中空の円柱体であり、前記第1部分の内側には前記回路基板の厚さに対応する係止レールを有し、前記回路基板が前記係止レールに嵌め込まれ、前記回路基板の一方の縁部位置には内向きに凹んで切欠が形成され、前記係止レールの前記回路基板の切欠に対応する位置には係止柱を有し、前記回路基板が前記係止レール内に嵌め込まれる場合、前記回路基板が揺れることを防止するように前記回路基板の切欠が前記係止柱に係止される。
【0014】
選択肢として、前記シール材は、前記当接部の前記固定部材を離れる表面から突出する嵌合部を更に備え、前記貫孔が前記嵌合部を貫通し、前記加熱装置は前記台座の外側に套設されるスリーブを更に備え、前記スリーブが中空であり、且つ前記スリーブの一端には前記スリーブの軸方向に垂直な方向に沿って延在するフランジを有し、前記フランジの内側に取付孔が形成され、前記スリーブが前記台座の外側に套設され、前記取付孔が前記嵌合部の外側に套設される。
【0015】
選択肢として、前記第2部分の外側には少なくとも1つの突起が設置され、及び前記第2部分の外側には前記第1部分に垂直且つ面一な係止軸が更に設置され、前記スリーブの内壁の前記突起に対応する位置には係着口を有し、前記係止軸に対応する位置には第2係止溝を有し、前記スリーブが前記台座の外側に套設された後、前記スリーブと前記台座を固定するように突起が係着口に係止され、係止軸が第2係止溝に係合され、前記スリーブの外径が前記第1部分の外径に合わせられる。
【0016】
選択肢として、前記回路基板は、前記第1接続端子と前記第2接続端子を接続し、且つ前記第1接続端子と前記第2接続端子との間の電圧を検出するための第3電極及び第4電極を更に備える。
【0017】
選択肢として、前記回路基板は、加熱過程において生成されたデータを記憶するための記憶チップを更に備える。
【0018】
選択肢として、加熱動作を行うとき、第1領域の温度T1と第2領域の温度Tとの関係は(T1-T環)/(T2-T環)<2であり、ここで、T1の温度区間は100~500摂氏度であり、T2の温度区間は250~T環摂氏度であり、T環は標準気圧における温度を示す。
【0019】
上記技術的問題を解決するために、本発明に係る他の技術案は以下のとおりである。電子霧化装置を提供し、給電装置及び加熱装置を備え、前記給電装置が前記加熱装置を給電するためのものであり、前記加熱装置が上記いずれか1つに記載の加熱装置である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。従来技術と異なり、本発明に係る加熱装置及び電子霧化装置において、固定座と加熱素子との接触位置を加熱素子の発熱回路位置に設置することにより、固定座を設置する領域をより多くすることができ、加熱素子の固定の堅固性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の加熱装置の一実施例の断面模式図である。
【
図2】本発明の加熱装置の一実施例の分解模式図である。
【
図3】本発明の加熱装置の一実施例の立体構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本願の実施例の図面を参照しながら本願の実施例の技術案を明確且つ完全に説明し、無論、説明される実施例は本願の実施例の一部であり、実施例の全部ではない。本願の実施例に基づいて、当業者が創造性ある労働を行うことなく取得した他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0023】
図1は本発明の加熱装置の一実施例の断面図である。該実施例の加熱装置は加熱素子11及び固定座を備え、固定座が固定部材12、回路基板13、台座14、シール材15及びスリーブ16を備えてもよい。
【0024】
図2を参照し、一実施例において、加熱素子11は基体115、発熱回路111及び導電回路112を備える。基体115は電気絶縁材料で形成され、例えばアルミナ(Al
2O
3)又は安定化二酸化ジルコニウム(ZrO
2)であってもよい。当業者にとって明らかなことは、電気絶縁材料がいかなる適切な電気絶縁材料であってもよく、例えばセラミックス材料も電気絶縁基体115としての使用に適する。他の実施例では、更に金属材料を基体115として選択使用してもよく、金属材料を基体115として選択使用するとき、金属材料の表面に絶縁層を設置すればよい。本実施例では、基体115はシート状であり、導電回路112は並列接続される1対の回路を更に備え、該回路が具体的に外周に位置するほぼU字型の回路であり、主に熱を発生させることに用いられ、内周に位置し且つ主に測温するための測温回路(TCR曲線に基づいて測温する)を更に有する。導電回路112及び発熱回路111はシート状基体115の一方の表面に設置される。導電回路112はニッケル又は白金等の正の温度係数を有する金属材料又は合金であってもよい。
【0025】
導電回路112は基体115の下端に近接する部分に設置される。例えば、導電回路112は基体115の長さの二等分線下方のいかなる位置に設置されてもよい。発熱回路111は基体115の残りの部分に設置され、導電回路112は発熱回路111に接続される。一実施例において、発熱回路111の抵抗は導電回路112の抵抗よりも大きい。例えば、一実施例では、発熱回路111の材料は白金、白金合金等であり、導電回路112の材料は銀である。それに対応して、基体115は更に、発熱回路111を設置する第1領域と、導電回路112を設置する第2領域とに分割されてもよく、即ち該第2領域は上記基体115の一部に対応してもよく、該第1領域は上記基体115の残りの部分に対応してもよく、基体は縦長構造であり、第1領域の長さが第2領域よりも大きい。第2領域の第1領域から離れる側には導電回路112を接続し且つ部分的に基板115の外部まで延在する第1接続端子113及び第2接続端子114が設置される。具体的に、第1接続端子113及び第2接続端子114と発熱回路111は導電回路112により接続され、導電回路112は一端が発熱回路111に接続され、他端が第1接続端子113及び第2接続端子114に接続される。
【0026】
固定座は加熱素子11を固定するためのものであり、具体的に、固定座の一端に加熱素子11が固定され、固定座の加熱素子11を固定する箇所が発熱回路111に接触し、且つ導電回路112に近接する。
【0027】
具体的に、一実施例において、固定座は固定部材12を備え、固定部材12の中央に貫通孔121を有し、固定部材12を発熱回路111の位置する領域に固定するように加熱素子11が貫通孔121を通っており、更に加熱素子11を固定座に固定する。固定部材12が発熱回路111に接触し、
図3に示される。一実施例では、発熱回路111の温度が高すぎて固定部材12を損傷することを防止するために、固定部材12は耐熱材料を用い、例えば固定部材12はセラミックス材料である。セラミックス材料とは、天然又は合成化合物を成形及び高温焼結により製造してなる1種の無機非金属材料を指す。それは融点が高く、硬度が高く、耐摩耗性が高く、酸化に耐えられるなどの利点を有する。セラミックス材料は融点が2000℃以上であり、且つ高温において極めて高い化学安定性を有し、セラミックス材料の熱伝導性が金属材料よりも低く、良好な断熱材料でもある。他の実施形態において、前記固定部材12と加熱素子11は一体成型され、具体的に、加熱素子11が導電回路112及び発熱回路111を形成した後に加熱素子11を成型金型内に置いて、加熱素子11において型鍛造してセラミックス材料で製造されてなる発熱回路111に接触する固定部材12を形成し、次に加熱素子11及び固定部材12を同時に焼結する。このとき、固定部材12は貫通孔121を有しない。本実施形態では、前記固定部材12は円柱形の本体部125、本体部125の上表面から突出延在して形成されたボス122、及び下表面と同軸に形成された円形係止台123を備え、下表面の係止台123の縁部に1対の係止部124が更に形成される。貫通孔121は本体部125、ボス122及び係止台123を貫通する。
【0028】
固定座は、第1接続端子113及び第2接続端子114の発熱回路111から離れる端に位置する回路基板13を更に備える。回路基板13の第1接続端子113及び第2接続端子114に対応する位置には第1接続端子113及び第2接続端子114に接触する第1電極131及び第2電極132が設置される。第1電極131及び第2電極132がそれぞれ第1接続端子113及び第2接続端子114に接触する場合、回路基板13は導電回路112及び発熱回路111を給電する。具体的に、回路基板13の外側縁部に切欠135が形成され、回路基板13は不規則な形状であり、その切欠135を形成する側に相対する側が円弧形であり、切欠135に隣接する両側が直線型であり、且つ該直線型辺と切欠135を形成する側が傾斜辺により接続される。
【0029】
一実施例において、固定座は更にシール材15を備え、シール材15が固定部材12と組み合わせて使用される。シール材15の形状は固定部材12に対応し、シール材15のボス122に対応する位置には貫孔151を有し、貫孔151の外側には嵌合部152を有し、固定部材12がシール材15に係合される場合、シール材15の貫孔151はボス122の外側に套設される。具体的に、シール材15は円形の当接部153と、当接部153の台座14を離れる表面から突出形成される嵌合部152とを備え、貫孔151が当接部153及び嵌合部152を貫通する。具体的に、本実施例において、固定部材12の貫通孔121は基体115を固定するためのものであり、従って、固定部材12の貫通孔121の形状は基体115の横断面形状に対応し、シール材15の貫孔151は固定部材のボス122に套設され、従って、貫孔151の形状はボス122の形状に対応する。具体的に、
図2に示すように、固定部材12のボス122の形状は矩形であり、そのシール材15の貫孔151の形状も矩形である。シール材15が固定部材12に套設される場合、シール材15の当接部153は固定部材12の本体部125に接触する。
【0030】
固定座は、固定部材12と回路基板13との間を密封するように一端が固定部材12に当接され、他端が回路基板13に係着される台座14を更に備える。
【0031】
台座14は第1台座141及び第2台座142を備え、第1台座141と第2台座142が係止されて台座14を形成する。具体的に、第1台座141の内壁には第1接続柱145及び分離柱140を有し、第2台座142の第1接続柱145に対応する位置には第2接続柱143を有し、第2接続柱143には第1接続柱145を収納するための第1接続孔144が設置され、第1台座141と第2台座142を係止して前記台座14を形成するように第1台座141の内壁の第1接続柱145が第2台座142の内壁の第1接続孔144に挿入される。一実施例では、第1台座141及び第2台座142はプラスチック材料を用いて製造されてなるものであってもよく、更にセラミックス材料を用いてもよく、一般的にコストを減少させるために、プラスチック材料を選択使用してもよい。一実施例では、第1台座141と第2台座14が係止された後、分離柱140は第1接続端子113と第2接続端子114との間に位置し、且つ基体115を支持する。本実施形態では、第1台座141及び第2台座142は半円柱状であり、第1台座141及び第2台座142の固定部材12に近接する端には固定部材12の係止台123が収容され、第1台座141及び第2台座142の固定部材12の係止部124に対応する位置には係止部124に係合される第1係止溝170が形成される。一実施例では、第1係止溝170は複数であってもよく、1つであってもよく、その具体的な数は固定部材12上の係止部124によって決定される。理解されるように、複数の第1係止溝170は第1台座141に同時に位置してもよく、更に第2台座142に同時に位置してもよく、当然ながら、更に第1台座141に部分的に位置し、第2台座142に部分的に位置してもよく、その具体的な位置は同様に固定部材12上の係止部124の位置によって決定される。
【0032】
具体的に、第1台座141と第2台座142とが形成した台座14は、回路基板13を係止するための端に近接する第1部分148と、第1部分148の一端に接続され且つ固定部材を係着するための第2部分149とを備える。第1部分148及び第2部分149はいずれも円形であり、回路基板13は第1部分148の位置に係止され、具体的に、第1部分148の内側には回路基板13の厚さに対応する係止レール171を有し、回路基板13が前記係止レール171内に嵌め込まれるのであり、回路基板13が係止レール171内を移動することを防止するために、係止レール171の回路基板13の切欠135に対応する位置には係止柱(図示せず)を有し、回路基板13を係止レール171内に固定するように係止柱が回路基板13の切欠135の位置で一方の面から他方の面まで貫通する。一実施例において、係止柱は係止レール171内から第1部分148の第2部分149を離れる側まで延在し、且つ第1部分148の下端に突起172が形成される。第2部分149の外径は第1部分148の外径よりも小さく、第2部分149の外側には少なくとも1つの突起146が設置され、第2部分149の外側には第1部分148に垂直且つ面一な係止軸147が更に設置される。
【0033】
一実施例において、加熱装置は更にスリーブ16を備え、スリーブ16が台座14に係合される。具体的に、スリーブ16は中空構造であり、スリーブ16の一端には嵌合部152の形状に対応する取付孔161を有し、スリーブ16が台座14に係合される場合、取付孔161は嵌合部152の外側に套設され、スリーブ16の発熱回路111から離れる端は第1部分148に当接される。具体的に、スリーブ16と台座14を密着結合させるために、スリーブ16の内壁上の台座14の外側の突起146に対応する位置には係着口163を有し、台座14の外側の係止軸147に対応する位置には第2係止溝162を有し、スリーブ16が台座14の外側に套設された後、突起146は係着口163に係止され、係止軸147は第2係止溝162に係合され、具体的に、一実施例では、スリーブ16を台座14の外側に套設する場合、係止軸147は第2係止溝162の表面で台座14及びスリーブ16の軸方向に平行する方向に沿って移動し、更にスリーブ16と台座14を固定する。理解されるように、スリーブ16の外径は第1部分148の外径に合わせられ、これにより、スリーブ16を台座14に係合した後、スリーブ16は台座14の外表面と面一になる。本実施形態では、スリーブは円柱形であり、取付孔161の一端が、円形スリーブ16に向かう中心位置でフランジ164を形成し、フランジ164がシール材15の当接部153に押し付けられ且つ嵌合部152と面一である。
【0034】
一実施例において、回路基板13は、主回路基板を接続し、且つ加熱装置を給電するための第3電極133及び第4電極134を更に備える。具体的に、第3電極133及び第4電極134は更に第1接続端子113及び第2接続端子114に接続され、第1接続端子113と第2接続端子114との電圧を検出するためのものである。
【0035】
他の実施例において、
図2に示すように、回路基板の第1電極131及び第2電極132は1対の電極であり、それぞれ正の電極及び負の電極であり、第3電極133及び第4電極134は1対の電極であり、それぞれ正の電極及び負の電極である。その2対の電極はいずれも加熱素子11上の第1接続端子113及び第2接続端子114に接続される。第1電極131及び第2電極132、第3電極133及び第4電極134はいずれも第1接続端子113及び第2接続端子114に接続され、第1電極131及び第2電極132は加熱素子11に大電流を供給し、更に発熱回路111を加熱するのであり、第3電極133及び第4電極134は小電流を供給し、加熱過程において第1接続端子113と第2接続端子114との間の電圧を検出することにより、加熱温度を制御するためのものである。2対の電極がいずれも主基板回路に接触するため、接触抵抗が生じることとなる。回路基板13に1対のみの電極(第1電極131及び第2電極132)がある場合、電流が大きすぎるため、その接触抵抗を通って生じた電圧降下が大きいこととなり、このため、検出された第1接続端子113と第2接続端子114との間の電圧が十分に正確ではなく、従って、第3電極133及び第4電極134が小電流を供給することにより第1接続端子113と第2接続端子114との間の電圧を検出するように設定する。
【0036】
他の実施例において、回路基板13は、加熱過程において生成されたデータを記憶するための記憶チップ(図示せず)を更に備える。このとき、回路基板13には記憶チップを接続する記憶インターフェースが含まれ、該制御インターフェースが第1電極131及び第2電極132を共有し、第3電極133及び第4電極134が第1接続端子113及び第2接続端子114に接続され、更に加熱素子11が加熱過程において生成されたデータを取得する。他の実施例では、主回路基板は記憶チップに記憶されるデータを読み取って、更に第1電極131及び第2電極132により加熱素子11を制御して発熱させることができる。
【0037】
一実施例において、本願に係る加熱装置及び加熱素子は動作するとき、発熱回路111の位置する第1領域の温度T1と導電回路112の位置する第2領域の温度T2との関係が(T1-T環)/(T2-T環)<2であり、T1の温度区間が100~500摂氏度であり、T2温度区間が250~T環摂氏度であり、T環が標準気圧における温度を示す。1つの具体的な実施例では、標準気圧において298.15Kであり、その対応温度が25℃であり、即ちT環=25℃である。
【0038】
本発明に係る加熱装置は加熱素子と、加熱素子を固定する固定座とを備え、本発明は固定座と加熱素子との接触位置を加熱素子の発熱回路の位置に設置することにより、固定座を設置する領域をより多くすることができ、加熱素子の固定の堅固性を向上させる。また、発熱回路の温度が高すぎて固定座を損傷することを防止するために、本発明は発熱回路に接触する固定部材の材料をセラミックス材料として選択し、他の実施例では、固定座の材料は更にダイカストアルミニウム合金、ダイカスト亜鉛合金であってもよく、又は耐熱高分子材料例えばポリベンゾイミダゾール(PBI)、高温ナイロン(LCP)であってもよい。
【0039】
図4は本発明の霧化装置の一実施例の構造模式図である。電子霧化装置は給電装置32及び加熱装置31を備え、給電装置32が加熱装置31を給電するためのものであり、加熱装置31が上記
図1及び
図2、
図3に記載の加熱装置であり、具体的な構造が
図1及び
図2、
図3に示されるものと同じであり、ここで詳細な説明は省略する。
【0040】
1つの具体的な実施形態において、本発明に係る電子霧化装置は加熱非燃焼型の電子霧化装置、例えば喫煙具に応用されてもよい。1つの具体的な実施形態では、本発明に係る電子霧化装置は霧化吸入治療業界に応用されてもよく、霧化吸入治療は異なる装置により薬物をエアロゾルの形式で送り出して呼吸にとともに体内に入れることである。エアロゾルとは固体微粒子又は液体微粒子が空気に懸濁するもの、又は空気中の組成の分散系を指し、空気の流れにつれて輸送することができる。霧化吸入治療において、適切な装置及び正しい吸入方法の選択は治療効果に大きく影響する。本発明に係る霧化装置は具体的に定量圧力エアゾール剤、乾燥粉末吸入剤、噴射式霧化器等の装置に応用されてもよい。
【0041】
以上は本発明の実施形態であって、本発明の特許範囲を制限するものではなく、本発明の明細書及び図面の内容を利用して行われる等価構造又は等価プロセス変換、又は他の関連する技術分野に直接又は間接的に適用されるものは、いずれも同様に本発明の特許保護範囲内に含まれる。