(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】ビーム失敗検出方法、装置、デバイス及び読み取り可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 16/28 20090101AFI20240705BHJP
H04W 72/232 20230101ALI20240705BHJP
H04W 72/23 20230101ALI20240705BHJP
H04W 24/10 20090101ALI20240705BHJP
【FI】
H04W16/28
H04W72/232
H04W72/23
H04W24/10
(21)【出願番号】P 2022560050
(86)(22)【出願日】2020-04-09
(86)【国際出願番号】 CN2020083873
(87)【国際公開番号】W WO2021203342
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2022-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】リ,ミンジュ
【審査官】齊藤 晶
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第03525516(EP,A1)
【文献】MediaTek Inc.,Physical layer feasibility considerations for mobility enhancement[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting RAN1 #98 R1-1908392,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_98/Docs/R1-1908392.zip>,2019年08月30日
【文献】Intel Corporation,Summary 3 on SCell BFR and L1-SINR[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #96b R1- 1905844,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_96b/Docs/R1-1905844.zip>,2019年04月12日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1-4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーム失敗検出方法であって、端末機器に適用され、前記方法は、
第1の隣接セルのビーム失敗(beam failure)検出のためのターゲット基準信号リソースを決定するステップと、
前記ターゲット基準信号リソースに基づいて、前記第1の隣接セルに対してbeam failure検出を行うステップと、
前記ターゲット基準信号リソースのチャネル品質が第1の閾値よりも低いことに応答して、前記第1の隣接セルでbeam failureが発生したと決定するステップと、
物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)におけるビーム失敗回復のためのスケジューリング要求によって、サービングセル及び/又は第2の隣接セルに前記第1の隣接セルのbeam failure情報を報告するステップと、を含む、
ことを特徴とするビーム失敗検出方法。
【請求項2】
ビーム失敗検出方法であって、ネットワークデバイスに適用され、前記方法は、
端末に構成シグナリングを送信するステップであって、前記構成シグナリングは、ターゲット情報フィールドを含み、前記ターゲット情報フィールドは、ターゲット基準信号リソースを受信するための時間周波数リソースの位置を示し、前記ターゲット基準信号リソースは、前記端末によって第1の隣接セルに対してビーム失敗(beam failure)検出を行うために使用されるステップ
と、
物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)を介して、ビーム失敗回復のためのスケジューリング要求を受信するステップであって、前記スケジューリング要求には、前記第1の隣接セルでbeam failureが発生したことを示すためのbeam failure情報が含まれるステップと、を含む、
ことを特徴とするビーム失敗検出方法。
【請求項3】
ビーム失敗検出装置であって、端末機器に適用され、前記装置は、
第1の隣接セルのビーム失敗(beam failure)検出のためのターゲット基準信号リソースを決定するように構成される処理モジュールを含み、
前記処理モジュールが、さらに、前記ターゲット基準信号リソースに基づいて、前記第1の隣接セルに対してbeam failure検出を行
い、前記ターゲット基準信号リソースのチャネル品質が第1の閾値よりも低いことに応答して、前記第1の隣接セルでbeam failureが発生したと決定するように構成され
、
物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)におけるビーム失敗回復のためのスケジューリング要求によって、サービングセル及び/又は第2の隣接セルに前記第1の隣接セルのbeam failure情報を報告するように構成される送信モジュールをさらに含む、
ことを特徴とするビーム失敗検出装置。
【請求項4】
構成シグナリングを受信するように構成される受信モジュールであって、前記構成シグナリングはターゲット情報フィールドを含み、前記ターゲット情報フィールドは、前記ターゲット基準信号リソースを受信するための時間周波数リソースの位置を示し、前記ターゲット基準信号リソースは1つ又は複数の基準信号リソースを含む受信モジュールをさらに含む、
ことを特徴とする請求項3に記載のビーム失敗検出装置。
【請求項5】
前記ターゲット基準信号リソースはデフォルト基準信号リソースを含み、前記デフォルト基準信号リソースは、前記第1の隣接セルの制御リソースセットの伝送構成指示(TCI)状態に対応する基準信号リソースを含む、
ことを特徴とする請求項3に記載のビーム失敗検出装置。
【請求項6】
前記処理モジュールが、さらに、前記第1の隣接セルのn個の前記制御リソースセットのうちのm個の前記制御リソースセットを決定し、m個の前記制御リソースセットの前記TCI状態に対応する前記基準信号リソースを、前記デフォルト基準信号リソースとして決定するように構成され、mとnは正の整数であり、m<nである、
ことを特徴とする請求項5に記載のビーム失敗検出装置。
【請求項7】
前記送信モジュールが、さらに、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)を介して前記beam failure情報を報告するように構成される、
ことを特徴とする請求項
3に記載のビーム失敗検出装置。
【請求項8】
前記第1の隣接セルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求と、前記サービングセルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求とは、時間周波数ドメインリソースおよびコードワード指示方法が同じである、
ことを特徴とする請求項
3に記載のビーム失敗検出装置。
【請求項9】
前記第1の隣接セルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求と、前記サービングセルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求とは、時間周波数ドメインリソースが異なり、
又は、
前記第1の隣接セルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求と、前記サービングセルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求とは、コードワード指示方法が異なる、
ことを特徴とする請求項
3に記載のビーム失敗検出装置。
【請求項10】
前記送信モジュールが、さらに、前記PUSCHを介して、beam failureが発生した前記第1の隣接セルのセル番号を報告するように構成される、
ことを特徴とする請求項
7に記載のビーム失敗検出装置。
【請求項11】
前記処理モジュールが、さらに、前記サービングセルと隣接セルとの共同番号から、前記第1の隣接セルの前記セル番号を決定するように構成され、
又は、
前記処理モジュールが、さらに、隣接セルの個別番号から前記第1の隣接セルの前記セル番号を決定するように構成される、
ことを特徴とする請求項1
0に記載のビーム失敗検出装置。
【請求項12】
前記送信モジュールが、さらに、前記第1の隣接セルの候補ビームに対応する候補基準信号リソースを検出するように構成され、
前記送信モジュールが、さらに、第1の候補基準信号リソースに対応する基準信号の受信電力が第2の閾値に達することに応答して、前記PUSCHを介して新たなビーム方向指示情報を報告するように構成され、前記新たなビーム方向指示情報は、前記第1の候補基準信号リソースに対応する基準信号リソース番号を含み、又は、前記送信モジュールが、さらに、基準信号の受信電力が第2の閾値に達する前記候補基準信号リソースが検出されていないことに応答して、前記PUSCHを介して新たなビーム方向指示情報を報告するように構成され、前記新たなビーム方向指示情報は、新たなビーム方向がないことを示すための情報フィールドを含む、
ことを特徴とする請求項1
0に記載のビーム失敗検出装置。
【請求項13】
前記送信モジュールが、さらに、前記第1の隣接セルに前記beam failure情報を報告するように構成される、
ことを特徴とする請求項
3に記載のビーム失敗検出装置。
【請求項14】
前記送信モジュールが、さらに、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)を介して、前記第1の隣接セルに前記beam failure情報を報告するように構成される、
ことを特徴とする請求項1
3に記載のビーム失敗検出装置。
【請求項15】
ビーム失敗検出装置であって、ネットワークデバイスに適用され、前記装置は、
端末に構成シグナリングを送信するように構成される送信モジュールであって、前記構成シグナリングは、ターゲット情報フィールドを含み、前記ターゲット情報フィールドは、ターゲット基準信号リソースを受信するための時間周波数リソースの位置を示し、前記ターゲット基準信号リソースは、前記端末によって第1の隣接セルに対してビーム失敗(beam failure)検出を行うために使用される送信モジュール
と、
物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)を介して、ビーム失敗回復のためのスケジューリング要求を受信するように構成される受信モジュールであって、前記スケジューリング要求には、前記第1の隣接セルでbeam failureが発生したことを示すためのbeam failure情報が含まれる受信モジュールと、を含む、
ことを特徴とするビーム失敗検出装置。
【請求項16】
前記受信モジュールが、さらに、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)を介して前記beam failure情報を受信するように構成される、
ことを特徴とする請求項1
5に記載のビーム失敗検出装置。
【請求項17】
前記第1の隣接セルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求と、サービングセルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求とは、時間周波数ドメインリソースおよびコードワード指示方法が同じである、
ことを特徴とする請求項
15に記載のビーム失敗検出装置。
【請求項18】
前記第1の隣接セルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求と、サービングセルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求とは、時間周波数リソースの位置が異なり、
又は、
前記第1の隣接セルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求と、サービングセルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求とは、コードワード指示方法が異なる、
ことを特徴とする請求項
15に記載のビーム失敗検出装置。
【請求項19】
前記受信モジュールが、さらに、前記PUSCHを介して指示シグナリングを受信するように構成され、前記指示シグナリングには、beam failureが発生した前記第1の隣接セルのセル番号が含まれる、
ことを特徴とする請求項
16に記載のビーム失敗検出装置。
【請求項20】
前記指示シグナリングには、新たなビーム方向指示情報がさらに含まれ、
前記新たなビーム方向指示情報は、第1の候補基準信号リソースの基準信号リソース番号を含み、前記第1の候補基準信号リソースは、基準信号の受信電力が第2の閾値に達する候補信号リソースであり、又は、前記新たなビーム方向指示情報は、新たなビーム方向がないことを示すために使用される、
ことを特徴とする請求項
19に記載のビーム失敗検出装置。
【請求項21】
端末機器であって、
プロセッサと、
前記プロセッサに接続されるトランシーバとを含み、
前記プロセッサは、請求項1に記載のビーム失敗検出方法を実現するように、実行可能な命令をロードして実行するように構成される、
ことを特徴とする端末機器。
【請求項22】
ネットワークデバイスであって、
プロセッサと、
前記プロセッサに接続されるトランシーバとを含み、
前記プロセッサは、請求項2に記載のビーム失敗検出方法を実現するように、実行可能な命令をロードして実行するように構成される、
ことを特徴とするネットワークデバイス。
【請求項23】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット又は命令セットが格納されており、前記少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット又は命令セットは、請求項1~2のいずれかに記載のビーム失敗検出方法を実現するように、プロセッサによってロードされて実行される、
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、通信の分野に関し、特に、ビーム失敗検出方法、装置、デバイス及び読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
新しい無線(New Radio、NR)では、通信周波数帯域がFR(Frequency Range、周波数範囲)2にある場合、高周波チャネルが急速に減衰するため、カバレッジを確保するために、ビーム(beam)ベースの送受信を使用する必要がある。
【0003】
関連技術では、このユーザ機器(User Equipment、UE)が移動したり、アンテナの方向が回転したりすると、PDCCHを送受信するためにUEに構成されたビームに問題が発生する、すなわち、beam failureの問題が発生する可能性がある。
【0004】
現在、隣接セルのbeam failureを検出する方法がない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例は、ビーム失敗検出方法、装置、デバイス及び読み取り可能な記憶媒体を提供し、隣接セルに対してbeam failure検出を行うための方法を提供することができる。前記技術案は以下のとおりである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の一態様によれば、ビーム失敗検出方法を提供し、端末機器に適用され、前記方法は、第1の隣接セルのビーム失敗(beam failure)検出のためのターゲット基準信号リソースを決定するステップと、前記ターゲット基準信号リソースに基づいて、前記第1の隣接セルに対してbeam failure検出を行うステップと、を含む。
【0007】
別の態様では、ビーム失敗検出方法を提供し、ネットワークデバイスに適用され、前記方法は、端末に構成シグナリングを送信するステップを含み、前記構成シグナリングは、ターゲット情報フィールドを含み、前記ターゲット情報フィールドは、ターゲット基準信号リソースを受信するための時間周波数リソースの位置を示し、前記ターゲット基準信号リソースは、前記端末によって第1の隣接セルに対してビーム失敗(beam failure)検出を行うために使用される。
【0008】
別の態様では、ビーム失敗検出装置を提供し、端末機器に適用され、前記装置は、第1の隣接セルのビーム失敗(beam failure)検出のためのターゲット基準信号リソースを決定するように構成される処理モジュールを含み、前記処理モジュールが、さらに、前記ターゲット基準信号リソースに基づいて、前記第1の隣接セルに対してbeam failure検出を行うように構成される。
【0009】
別の態様では、ビーム失敗検出装置を提供し、ネットワークデバイスに適用され、前記装置は、端末に構成シグナリングを送信するように構成される送信モジュールを含み、前記構成シグナリングは、ターゲット情報フィールドを含み、前記ターゲット情報フィールドは、ターゲット基準信号リソースを受信するための時間周波数リソースの位置を示し、前記ターゲット基準信号リソースは、前記端末によって第1の隣接セルに対してビーム失敗(beam failure)検出を行うために使用される。
【0010】
別の態様では、端末機器を提供し、この端末機器は、プロセッサと、プロセッサに接続されるトランシーバとを含み、ここで、プロセッサは、上記の本願の実施例に記載のビーム失敗検出方法を実現するように、実行可能な命令をロードして実行するように構成される。
【0011】
別の態様では、ネットワークデバイスを提供し、このネットワークデバイスは、プロセッサと、プロセッサに接続されるトランシーバとを含み、ここで、プロセッサは、上記の本願の実施例に記載のビーム失敗検出方法を実現するように、実行可能な命令をロードして実行するように構成される。
【0012】
別の態様では、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、当該コンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット又は命令セットが格納されており、前記少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット又は命令セットは、上記の本願の実施例に記載のビーム失敗検出方法を実現するように、プロセッサによってロードされて実行される。
【発明の効果】
【0013】
本願の実施例によって提供される技術案は、少なくとも以下の有益な効果を有する。
構成された基準信号リソース又はデフォルト基準信号リソースによって、端末による隣接セルのビーム失敗の検出が実現され、端末による隣接セルのビーム失敗検出方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本願の実施例における技術案をより明確に説明するために、以下では、実施例の説明で使用される図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の説明における図面は、本願のいくつかの実施例にすぎず、当業者は、創造的な努力なしに、これらの図面から他の図面を得ることができる。
【
図1】本願の例示的な一実施例によって提供される通信システムのブロック図である。
【
図2】本開示の例示的な一実施例によって提供される複数のTRP又は複数のアンテナパネル(multi-TRP/panel)に基づくデータ伝送の模式図である。
【
図3】本願の例示的な一実施例によって提供されるビーム失敗検出方法のフローチャートである。
【
図4】本願の別の例示的な実施例によって提供されるビーム失敗検出方法のフローチャートである。
【
図5】本願の別の例示的な実施例によって提供されるビーム失敗検出方法のフローチャートである。
【
図6】本願の別の例示的な実施例によって提供されるビーム失敗検出方法のフローチャートである。
【
図7】本願の例示的な一実施例によって提供されるビーム失敗検出装置の構造ブロック図である。
【
図8】本願の別の例示的な実施例によって提供されるビーム失敗検出装置の構造ブロック図である。
【
図9】本願の例示的な一実施例によって示される通信機器の構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本願の目的、技術案、および利点をより明確にするために、以下、本願の実施形態を、添付の図面と併せてさらに詳細に説明する。
【0016】
図1は、本願の例示的な一実施例によって提供される通信システムのブロック図であり、この通信システムは、アクセスネットワーク12と端末機器14とを含む。
【0017】
アクセスネットワーク12は、いくつかのネットワークデバイス120を含む。ネットワークデバイス120は、端末機器に無線通信機能を提供するためにアクセスネットワーク内に配置されたデバイスである基地局であってもよい。基地局は、様々な形態のマクロ基地局、マイクロ基地局、中継局、アクセスポイントなどを含むことができる。異なる無線アクセス技術を使用するシステムでは、基地局機能を持つデバイスの名前が異なる場合があり、例えば、LTEシステムでは、eNodeBまたはeNBと呼ばれ、5G NR-Uシステムでは、gNodeBまたはgNBと呼ばれる。通信技術の進化に伴い、「基地局」の記述が変わる可能性がある。本願の実施例における説明の便宜上、端末機器14に無線通信機能を提供するための上述のデバイスは、ネットワークデバイスと総称される。
【0018】
端末機器14は、無線通信機能を有するさまざまなハンドヘルドデバイス、車載デバイス、ウェアラブルデバイス、コンピューティングデバイス、またはワイヤレスモデムに接続された他の処理デバイス、ならびにさまざまな形態のユーザ機器、移動局(Mobile Station、MS)、端末(terminal device)などを含み得る。説明の便宜上、上記のデバイスを端末機器と総称する。ネットワークデバイス120と端末機器14は、Uuインターフェースなどの特定のエアインターフェース技術を介して互いに通信する。
【0019】
本願の実施例の技術案は、様々な通信システム、例えば、グローバル移動通信(Global System of Mobile Communication、GSM)システム、符号分割多元接続(Code Division Multiple Access、CDMA)システム、広帯域符号分割多元接続(Wideband Code Division Multiple Access、WCDMA(登録商標))システム、ジェネラル パケット ラジオ サービス(General Packet Radio Service、GPRS)、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution、LTE)システム、LTE周波数分割デュプレックス(Frequency Division Duplex、FDD)システム、LTE時分割デュプレックス(Time Division Duplex、TDD)システム、アドバンスト ロング ターム エボリューション(Advanced long Term Evolution、LTE-A)システム、新しい無線(New Radio、NR)システム、NRシステムのエボリューションシステム、アンライセンスバンドのLTE(LTE-based access to Unlicensed spectrum、LTE-U)システム、NR-Uシステム、ユニバーサル移動体通信システム(Universal Mobile Telecommunication System、UMTS)、グローバルインターコネクションマイクロ波アクセス(Worldwide Interoperability for Microwave Access、WiMAX)通信システム、ワイヤレローカルエリアネットワーク(Wireless Local Area Networks、WLAN)、ワイヤレスフィデリティ(Wireless Fidelity、WiFi)、次世代通信システム又は他の通信システムなどに適用され得る。
【0020】
通常、従来の通信システムは限られた数の接続をサポートし、実装が容易であるが、通信技術の発展に伴い、移動通信システムは従来の通信だけではなく、例えば、デバイスからデバイスへの(Device to Device、D2D)通信、マシンからマシンへの(Machine to Machine、M2M)通信、マシンタイプの通信(Machine Type Communication、MTC)、車両間(Vehicle to Vehicle、V2V)通信、およびカーネットワーキング(Vehicle to Everything、V2X)システムもサポートする。本願の実施例は、これらの通信システムにも適用することができる。
【0021】
5G NRシステムにおいて、上記のネットワークデバイス120は、N個の送受信ポイント(Transmission Reception Point、TRP)に置き換えることができる。
【0022】
図2は、本願の例示的な実施例によって提供される複数のTRP又は複数のアンテナパネル(multi-TRP/panel)に基づくデータ伝送の模式図である。
【0023】
端末機器210は、サービングセル(serving cell)に位置し、隣接セル(neighboring cell)にも位置する。
【0024】
ここで、各セルは、複数のTRPによってカバーされ得る。図に示すように、serving cellは、TRP1とTRP2によって共同でカバーされ、それによってserving cellのカバー半径が増加する。neighboring cellはTRP3によってカバーされる。
【0025】
各TRPには、1つ以上のアンテナパネル(panel)が設けられてもよい。異なるアンテナパネルの向きが異なってもよいため、異なる伝送方向のビームを送受信することができ、それによってマルチスペースダイバーシティが実現される。ネットワークデバイスは、複数のパネル(この複数のpanelは、同じTRPまたは異なるTRPからのものであり得る)を使用して、同時にPDCCHを端末機器210に送信することができる。この場合、異なるpanelの送信方向は異なるため、端末機器210も異なるpanelを使用して、PDCCHを受信する必要があり、ネットワークデバイスは異なる伝送構成指示(Transmission Configuration Indication、TCI)状態を端末機器に示す必要があり、各TCI状態は、端末機器の各panelの1つの受信ビーム方向に対応する。上記のビーム(beam)ベースの送受信方法により、カバレッジを保証することができる。
【0026】
端末機器210がセルの端に移動すると、panel#1で測定されたサービングセルの性能が良好であり、panel#2で測定された隣接セルの性能が良好である場合、端末機器210が引き続きサービングセルに滞在したり、隣接セルに切り替えたりしても、スループットは最適ではない。端末が2つのセルのカバレッジの重複位置にある可能性があるため、異なるcellが同時にビームに基づいて端末機器210とデータ伝送を行い、かつ、ビームが動的に切り替えられることは最適な方法である。異なるcell間の通信は遅延をもたらすため、inter-cell multi-TRPが端末機器210にサービスを提供する場合、マルチダウンリンク制御情報(Downlink Control Information、DCI)シグナリングモード、即ちmulti-DCIモードが使用され、各cellは、それぞれDCIを送信して、物理ダウンリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel、PDSCH)または物理アップリンク共有チャネル(Physical Uplink Shared Channel、PUSCH)などのチャネル伝送をスケジュールし、つまり、隣接セルも端末にDCIシグナリングを送信する必要があり、DCIシグナリングは、物理ダウンリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel、PDCCH)を介して送信される。
【0027】
具体的には、ネットワークデバイスは、シグナリングを介してTCI状態を示すことにより、受信時に使用される受信ビームを端末機器210に通知することができる。ここで、各TCI状態は1つの基準信号(Reference Signal、RS)識別子に対応し、このRSは非ゼロ電力チャネル状態情報基準信号(Channel State Information Reference Signal、CSI-RS)であってもよいし、同期信号ブロック(Synchronization Signal Block、SSB)またはサウンディング基準信号(Sounding Reference Signal、SRS)であってもよい。
【0028】
図3は、本願の例示的な一実施例によって提供されるビーム失敗検出方法のフローチャートであり、この方法が
図1に示す端末機器に適用されることを例として説明し、
図3に示すように、この方法は、以下のステップ301~302を含む。
【0029】
ステップ301では、第1の隣接セルのビーム失敗(beam failure)検出のためのターゲット基準信号リソースを決定する。
【0030】
ターゲット基準信号リソースは、第1の隣接セルのbeam failureを検出するために基地局によって端末機器に特別に構成された基準信号リソースであってもよいし、デフォルト基準信号リソースであってもよい。
【0031】
ここで、基地局によって構成された基準信号リソースとデフォルト基準信号リソースについて、それぞれ説明する。
【0032】
第1に、ターゲット基準信号リソースの時間周波数リソースの位置が、基地局によって端末機器に構成され、端末機器が構成命令を受信し、この構成命令は、ターゲット情報フィールドを含み、ターゲット情報フィールドは、ターゲット基準信号リソースを受信するための時間周波数リソースの位置を示し、ここで、ターゲット基準信号リソースは1つ又は複数の基準信号リソースを含み、端末機器は、この構成命令に基づいて、構成命令によって示される時間周波数リソースの位置でターゲット基準信号リソースを検出する。
【0033】
可能な一実施形態では、構成命令は、端末機器が位置するサービングセルの基地局によって端末機器に送信される命令であり、この構成命令は無線リソース制御(Radio Resource Control、RRC)シグナリングであってもよく、即ち、サービングセルの基地局は、RRCシグナリングによって、第1の隣接セルのbeam failureを検出するためのRSリソースを構成する。いくつかの実施形態では、RSリソースを構成するプロセスにおいて、基地局はまた、RSリソースを受信するために必要な情報を端末機器に通知する必要があり、この情報は、例えば、第1の隣接セルID、RS ID、RSタイプ、及びこのRSに対応する時間周波数リソースの位置のうちの1つまたは複数であり得、この第1の隣接セルIDは、物理セル識別子(Physical Cell ID)であり得、または、この第1の隣接セルIDは、端末にサービスを提供する複数のサービングセル及び/又は隣接セルにおける第1の隣接セルのセル番号である。
【0034】
第2に、ターゲット基準信号リソースはデフォルト基準信号リソースを含む。いくつかの実施例では、サービングセルの基地局が、端末機器に第1の隣接セルに対してbeam failure検出を行うためのRSリソースを構成しない場合、端末機器は、デフォルトRSリソースを使用する。いくつかの実施例では、デフォルトRSリソースは、端末がこの第1の隣接セルによって送信された制御リソースセット(Control Resource Set、CORESET)を受信するときに使用されるTCI状態に対応するRSリソースを含む。可能な一実施形態では、各CORESETが1つのTCI状態に対応し、各TCI状態が1つのRSリソースに対応する。
【0035】
可能な一実施形態では、端末機器がTCI状態によって受信ビームを決定する場合、基地局は、RRCシグナリングを介して、TCI状態の識別子と、それに対応するRSタイプおよびRS識別子とを含む少なくとも1つのTCI状態を端末機器に通知し、端末機器がPDCCHを受信するときに使用される受信ビームは、このTCI状態に対応するRSを受信する場合の受信電力が最も強いときに使用される受信ビームと同じである。即ち、TCI状態は、PDCCHまたはPDSCHを受信するときに、基地局によって送信されたターゲットRSを受信する受信beamと同じ受信beamを使用するように端末機器に指示するために使用され、または、PUCCHまたはPUSCHを受信するときに、ターゲットRSを送信する送信beamと同じ送信beamを使用するように端末機器に指示するために使用される。
【0036】
いくつかの実施例では、端末機器に構成された受信が必要な第1の隣接セルのCORESETにはn個のCORESETが含まれる場合、端末機器は、第1の隣接セルのn個のCORESETのうちのm個のCORESETを決定し、m個のCORESETのTCI状態に対応するRSリソースをデフォルト基準信号リソースとして決定し、ここで、mとnは正の整数であり、m<nである。
【0037】
いくつかの実施例では、端末機器は、beam failure検出を行うために、n個のCORESETから、CORESET IDが最も小さいm個のCORESETのTCI状態に対応するRSリソースを選択する。
【0038】
ステップ302では、ターゲット基準信号リソースに基づいて、第1の隣接セルに対してbeam failure検出を行う。
【0039】
ターゲット基準信号リソースのチャネル品質が第1の閾値よりも低いことに応答して、第1の隣接セルでbeam failureが発生したと決定する。
【0040】
いくつかの実施例では、第1の隣接セルにおける検出対象のすべてのターゲットRSリソースのチャネル品質が第1の閾値よりも低いことがUEによって検出された場合、第1の隣接セルでbeam failureが発生したと決定する。
【0041】
いくつかの実施例では、チャネル品質は、レイヤ1の基準信号の受信電力(L1 Reference Signal Receiving Power、L1-RSRP)を含み、及び/又は、チャネル品質は、レイヤ1の信号対干渉雑音比(L1 Signal-to-Interference and Noise Ratio、L1-SINR)を含む。
【0042】
いくつかの実施例では、第1の隣接セルでbeam failureが発生したとUEによって検出された場合、基地局の構成に基づいて、第1の隣接セルの候補ビームに対応する候補RSリソースを検出し、候補ビームに対応する候補RSリソースのうち、第1の候補RSリソースの基準信号の受信電力(Reference Signal Receiving Power、RSRP)が第2の閾値に達することに応答して、第1の候補RSリソースに対応する候補ビーム方向を、第1の隣接セルの新たなビーム方向とする。
【0043】
要約すると、本願の実施例によって提供されるビーム失敗検出方法は、構成されたターゲット基準信号リソース又はデフォルト基準信号リソースを通じて、端末による隣接セルのビーム失敗の検出が実現され、隣接セルのビーム失敗検出方法が提供される。
【0044】
図4は、本願の別の例示的な実施例によって提供されるビーム失敗検出方法のフローチャートであり、この方法が
図1に示す端末機器とネットワークデバイスに適用されることを例として説明し、
図4に示すように、この方法は、ステップ401~404含む。
【0045】
ステップ401では、ネットワークデバイスが構成シグナリングを端末機器に送信する。構成シグナリングは、ターゲット情報フィールドを含み、ターゲット情報フィールドは、ターゲット基準信号リソースを受信するための時間周波数リソースの位置を示す。
【0046】
いくつかの実施例では、ターゲットRSリソースは、端末によって第1の隣接セルに対してビーム失敗検出を行うために使用される。
【0047】
いくつかの実施例では、このネットワークデバイスは、端末機器が位置するサービングセルの基地局であってもよく、この基地局によって、端末機器にターゲットRSリソースが構成される。
【0048】
いくつかの実施例では、この構成命令は、RRCシグナリングであってもよく、即ち、サービングセルの基地局は、RRCシグナリングを介して、第1の隣接セルのbeam failureを検出するためのRSリソースを構成する。いくつかの実施例では、RSリソースを構成するプロセスにおいて、基地局はまた、RSリソースを受信するために必要な情報を端末に通知する必要があり、この情報は、例えば、第1の隣接セルID、RS ID、RSタイプ、およびこのRSに対応する時間周波数リソースの位置のうちの1つまたは複数である。
【0049】
ステップ402では、端末機器が構成シグナリングを受信する。
【0050】
いくつかの実施例では、ターゲット基準信号リソースは1つ又は複数の基準信号リソースを含む。
【0051】
ステップ403では、端末機器が、第1の隣接セルのbeam failure検出のためのターゲット基準信号リソースを決定する。
【0052】
端末機器は、構成シグナリングによって示される時間周波数リソースの位置に基づいて、ターゲットRSリソースを受信する。
【0053】
ステップ404では、端末機器が、ターゲット基準信号リソースに基づいて、第1の隣接セルに対してbeam failure検出を行う。
【0054】
ターゲット基準信号リソースのチャネル品質が第1の閾値よりも低いことに応答して、第1の隣接セルでbeam failureが発生したと決定する。
【0055】
いくつかの実施例では、第1の隣接セルにおける検出対象のすべてのターゲットRSリソースのチャネル品質が第1の閾値よりも低いとUEによって検出された場合、第1の隣接セルでbeam failureが発生したと決定する。
【0056】
いくつかの実施例では、第1の隣接セルでbeam failureが発生したとUEによって検出された場合、基地局の構成に基づいて、第1の隣接セルの候補ビームに対応する候補RSリソースを検出し、候補ビームに対応する候補RSリソースのうち、第1の候補RSリソースのRSRPが第2の閾値に達することに応答して、第1の候補RSリソースに対応する候補ビーム方向を、第1の隣接セルの新たなビーム方向とする。
【0057】
要約すると、本願の実施例によって提供されるビーム失敗検出方法は、構成されたターゲット基準信号リソース又はデフォルト基準信号リソースを通じて、隣接セルのビーム失敗の検出が実現され、隣接セルのビーム失敗検出方法が提供される。
【0058】
選択的な実施例では、UEが第1の隣接セルのbeam failureを検出したとき、beam failure情報をネットワークデバイスに報告する必要があり、
図5は、本願の例示的な一実施例によって提供されるビーム失敗の報告方法のフローチャートであり、この方法が端末機器に適用されることを例として説明し、
図5に示すように、この方法は、ステップ501~505を含む。
【0059】
ステップ501では、第1の隣接セルのビーム失敗(beam failure)検出のためのターゲット基準信号リソースを決定する。
【0060】
ターゲット基準チャネルリソースは、第1の隣接セルのbeam failureを検出するために基地局によって端末機器に特別に構成された基準信号リソースであってもよいし、デフォルト基準信号リソースであってもよい。
【0061】
ここで、基地局によって構成された基準信号リソースとデフォルト基準信号リソースについて、それぞれ説明する。
【0062】
第1に、ターゲット基準信号リソースの時間周波数リソースの位置が、基地局によって端末機器に構成され、端末機器が構成命令を受信し、この構成命令にはターゲット情報フィールドが含まれ、ターゲット情報フィールドは、ターゲット基準信号リソースを受信するための時間周波数リソースの位置を示す。
【0063】
第2に、ターゲット基準信号リソースはデフォルト基準信号リソースを含む。
【0064】
ステップ502では、ターゲット基準信号リソースのチャネル品質が第1の閾値よりも低いことに応答して、第1の隣接セルでbeam failureが発生したと決定する。
【0065】
いくつかの実施例では、第1の隣接セルにおける検出対象のすべてのターゲットRSリソースのチャネル品質が第1の閾値よりも低いことがUEによって検出された場合、第1の隣接セルでbeam failureが発生したと決定する。
【0066】
ステップ503では、サービングセルに第1の隣接セルのbeam failure情報を報告する。
【0067】
サービングセルは、プライマリセル(Primary Cell、PCell)又はプライマリおよびセカンダリセル(Primary Secondary Cell、PScell)又はPUCCHが構成されたセカンダリセル(Secondary Cell、SCell)を含む。
【0068】
ステップ504では、第2の隣接セルにbeam failure情報を報告する。
【0069】
第2の隣接セルは、プライマリ隣接セル、またはプライマリおよびセカンダリ隣接セルであり、例えば、複数の隣接セルが端末にサービスを提供し、そのうちの1つの隣接セルが端末のプライマリ隣接セルまたはプライマリおよびセカンダリ隣接セルとして設定される。
【0070】
上記のステップ503および504において、ステップ503のみが実行されてもよいし、ステップ504のみが実行されてもよいし、ステップ503および504が同時に実行されてもよいことに留意されたい。
【0071】
いくつかの実施例では、beam failure情報の報告は、第1の隣接セルのbeam failureが検出された後に実行されてもよく、または第1の隣接セルのbeam failureが検出され、かつ第1の隣接セルの新たなビーム方向が検出された後に実行されてもよい。beam failure情報の報告が、第1の隣接セルでbeam failureが検出された直後に実行される場合、このbeam failure情報は、第1の隣接セルでbeam failureが発生したことを示すために使用され、第1の隣接セルの新たなビーム方向を検出してからbeam failure情報の報告を行う場合、beam failure情報は、第1の隣接セルのbeam failureの発生および第1の隣接セルの新たなビーム方向を示すために使用される。
【0072】
いくつかの実施例では、beam failure情報を報告する場合、PUCCHまたはPUSCHを介して報告することができる。
【0073】
PUCCHを介してbeam failure情報を報告することおよびPUSCHを介してbeam failure情報を報告することについて、それぞれ説明する。
【0074】
第1に、PUCCHを介してbeam failure情報を報告する。
【0075】
いくつかの実施例では、PUCCHを介してbeam failure情報を報告する場合、beam failure情報は、第1の隣接セルでbeam failureが発生したことを示すために使用され、ここで、第1の隣接セルのbeam failureを報告する方法とサービングセルのbeam failureを報告する方法とは、同じであっても異なっていてもよい。
【0076】
ここで、第1の隣接セルのbeam failureを報告する方法が、サービングセルのbeam failureを報告する方法と同じである場合、サービングセルのbeam failureを報告するプロセスにおいて、PUCCHのビーム失敗回復(Beam Failure Recovery、BFR)のためのスケジューリング要求(Scheduling Request、SR)を使用して報告する場合、第1の隣接セルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求と、サービングセルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求とは、時間周波数ドメインリソースおよびコードワード指示方法が同じであり、即ち、第1の隣接セルのbeam failureの発生を報告することと、サービングセルのbeam failureの発生を報告することとは、同じSRを共有する。
【0077】
第1の隣接セルのbeam failureを報告する方法が、サービングセルのbeam failureを報告する方法と異なる場合、その相違は、以下の状況のうちの少なくとも1つを含む。
【0078】
1)第1の隣接セルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求と、サービングセルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求とは、時間周波数ドメインリソースが異なる。
【0079】
即ち、第1の隣接セルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるSRの時間ドメインリソースと、サービングセルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるSRの時間ドメインリソースとは異なり、及び/又は、第1の隣接セルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるSRの周波数ドメインリソースと、サービングセルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるSRの周波数ドメインリソースとは異なる。
【0080】
2)第1の隣接セルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるSRと、サービングセルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるSRとのコードワード指示方法は異なる。
【0081】
いくつかの実施例では、スケジューリング要求には指示フィールドが含まれ、この指示フィールドの値が第1の値である場合、この指示フィールドは、隣接セルでbeam failureが発生したことを表し、指示フィールドが第2の値である場合、サービングセルでbeam failureが発生したことを表す。即ち、SRの指示対象がサービングセルであるか隣接セルであるかを区別するために、SRコードワードのもとに、指示フィールドが追加される。
【0082】
この指示フィールドが1bitであることを例にすると、例えば、指示フィールドの値が1である場合、SRが、隣接セルでbeam failureが発生したことを示していることを表し、指示フィールドの値が0である場合、SRが、サービングセルでbeam failureが発生したことを示していることを表す。
【0083】
いくつかの実施例では、サービングセルと第1の隣接セルとの、BFRのためのSRでリソース衝突が発生し、beam failureを示すために1ビットフィールドのみを使用できる場合、サービングセルのSRが優先的に送信される。
【0084】
この指示フィールドが2bitであることを例にすると、例えば、指示フィールドの値が00である場合、送信する必要があるアップリンクデータがあることを表し、01である場合、サービングセルでbeam failureが発生したことを表し、10である場合、隣接セルでbeam failureが発生したことを表し、11である場合、送信する必要があるアップリンクデータがあり、かつ、サービングセル及び/又は隣接セルでbeam failureが発生したことを表す。
【0085】
第2に、PUSCHを介してbeam failure情報を報告する。
【0086】
いくつかの実施例では、PUSCHを介してbeam failure情報を報告する場合、beam failure情報は、第1の隣接セルのセル番号を示すために使用され、即ち、PUSCHを介して、beam failureが発生した第1の隣接セルのセル番号を報告する。いくつかの実施例では、PUSCHを介して指示シグナリングを送信し、この指示シグナリングには、beam failureが発生した第1の隣接セルのセル番号が含まれる。いくつかの実施例では、PUSCHのメディア介入制御の制御ユニットMAC CEシグナリングによって、beam failureが発生した第1の隣接セルのセル番号を送信する。
【0087】
いくつかの実施例では、サービングセルと隣接セルが共同で番号付けされ、又は、サービングセルと隣接セルが個別に番号付けされている。
【0088】
サービングセルと隣接セルが共同で番号付けされている場合、サービングセルと隣接セルの共同番号から、第1の隣接セルのセル番号を決定し、又は、サービングセルと隣接セルが個別に番号付けされている場合、隣接セルの個別番号から第1の隣接セルのセル番号を決定する。
【0089】
例として、サービングセルと隣接セルが共同で番号付けされている場合、隣接セルもSCell番号を使用して1、2、3、...の値を順に取り、サービングセルと隣接セルが個別に番号付けされている場合、隣接セルの番号は隣接セル(Neighboring Cell、NCell)番号であり、0、1、2、3、...の値を順に取る。
【0090】
いくつかの実施例では、PUSCHを介してbeam failure情報を報告する場合、第1の隣接セルでbeam failureが発生したと決定された後、PUSCHを介して第1の隣接セルのセル番号を報告してもよく、即ち、上記の指示シグナリングには第1の隣接セルのセル番号が含まれ、または第1の隣接セルでbeam failureが発生したと決定され、かつ第1の隣接セルの新たなビーム方向が決定された後、PUSCHを介して第1の隣接セルのセル番号を報告し、第1の隣接セルの新たなビーム方向を示してもよく、または、第1の隣接セルでbeam failureが発生したと決定された場合、PUSCHを介して第1の隣接セルのセル番号を報告し、第1の隣接セルに新たなビーム方向がないことを示してもよい。
【0091】
端末が、第1の隣接セルでbeam failureが発生したと検出したときに、第1の隣接セルの候補ビームに対応する候補RSリソースを検出し、第1の候補RSリソースに対応する基準信号の受信電力RSRPが第2の閾値に達することに応答して、PUSCHを介して新たなビーム方向指示情報を報告し、新たなビーム方向指示情報は、第1の候補基準信号リソースに対応する基準信号リソース番号を含み、又は、PUSCHを介して新たなビーム方向指示情報を報告し、新たなビーム方向指示情報は、新たなビーム方向がないことを示すために使用され、いくつかの実施例では、第1の隣接セルの候補ビームに対応する候補RSリソースが検出され、RSRPが第2の閾値に達する候補RSリソースが検出されていない場合、新たなビーム方向指示情報によって、第1の隣接セルに新たなビーム方向がないことを示す。
【0092】
ステップ505では、第1の隣接セルにbeam failure情報を報告する。
【0093】
いくつかの実施例では、第1の隣接セルにbeam failure情報を報告する場合、物理ランダムアクセスチャネル(Physical Random Access Channel、PRACH)を介して、第1の隣接セルにbeam failure情報を報告することができ、このbeam failure情報は、第1の隣接セルでbeam failureが発生したことを示すために使用される。いくつかの実施例では、端末は、第1の隣接セルでbeam failureが発生したと検出した後、第1の隣接セルの候補ビームに対応する候補RSリソースを検出し、第2の候補RSリソースに対応する基準信号の受信電力RSRPが第2の閾値に達する場合、端末は、このRSリソースに対応するPRACH時間周波数コードリソースに基づいて、対応するPRACH時間周波数リソースで、対応するランダムアクセスプリアンブルを送信し、即ちbeam failure情報を送信して、第1の隣接セルでbeam failureが発生したことを報告する。
【0094】
いくつかの実施例では、上記の第2の候補RSリソースと第1の候補RSリソースは、同じ候補RSリソースであってもよいし、異なる候補RSリソースであってもよいが、本願の実施例では限定されない。
【0095】
いくつかの実施例では、第1の隣接セルにbeam failure情報を報告する場合、端末機器とネットワークデバイスとの間のアップリンクチャネル及びダウンリンクチャネルが非対称である場合、PUCCHまたはPUSCHを介して報告することもでき、端末機器とネットワークデバイスとの間のアップリンクチャネル及びダウンリンクチャネルが対称である場合、PUCCHまたはPUSCHを介してbeam failure情報を報告すると、beam failureのために送信に失敗する。
【0096】
要約すると、本願の実施例によって提供されるビーム失敗検出方法は、構成されたターゲット基準信号リソース又はデフォルト基準信号リソースを通じて、隣接セルのビーム失敗の検出が実現され、隣接セルのビーム失敗検出方法が提供される。
【0097】
本実施例によって提供される方法は、PUCCH又はPUSCHを介して、beam failure情報を報告することにより、サービングセルのネットワークデバイス又は隣接セルのネットワークデバイスが、隣接セルのbeam failure情報を受信し、隣接セルで発生したbeam failureを知ることができ、beam failureの回復を実現することができる。
【0098】
図6は、本願の例示的な一実施例によって提供されるビーム失敗検出方法のフローチャートであり、この方法が
図1に示す端末機器とネットワークデバイスに適用されることを例として説明し、
図6に示すように、この方法は、ステップ601~604含む。
【0099】
ステップ601では、端末機器が、第1の隣接セルのbeam failure検出のためのターゲット基準信号リソースを決定する。
【0100】
ターゲット基準チャネルリソースは、第1の隣接セルのbeam failureを検出するために基地局によって端末機器に特別に構成された基準信号リソースであってもよいし、デフォルト基準信号リソースであってもよい。
【0101】
ステップ602では、ターゲット基準信号リソースのチャネル品質が第1の閾値よりも低いことに応答して、端末機器が、第1の隣接セルでbeam failureが発生したと決定する。
【0102】
いくつかの実施例では、第1の隣接セルにおける検出対象のすべてのターゲットRSリソースのチャネル品質が第1の閾値よりも低いことがUEによって検出された場合、第1の隣接セルでbeam failureが発生したと決定する。
【0103】
ステップ603では、端末機器が第1の隣接セルのbeam failure情報を報告する。
【0104】
いくつかの実施例では、端末機器は、サービングセルのネットワークデバイスに第1の隣接セルのbeam failure情報を報告することができ、隣接セルのネットワークデバイスに第1の隣接セルのbeam failure情報を報告することもでき、サービングセルのネットワークデバイスにも隣接セルのネットワークデバイスにも第1の隣接セルのbeam failure情報を報告することもできる。ここで、端末機器は、第1の隣接セル自体にbeam failure情報を報告することができ、第2の隣接セルにbeam failure情報を報告することもできる。
【0105】
ステップ604では、ネットワークデバイスが端末によって報告されたbeam failure情報を受信する。
【0106】
いくつかの実施例では、このネットワークデバイスは、端末機器のサービングセルに対応するネットワークデバイスであってもよいし、端末機器の隣接セルに対応するネットワークデバイスであってもよい。
【0107】
いくつかの実施例では、beam failure情報を受信するとき、ネットワークデバイスがサービングセルのネットワークデバイスまたは第2の隣接セルのネットワークデバイスである場合、PUCCHを介してbeam failure情報を受信することができ、PUSCHを介してbeam failure情報を受信することもできる。
【0108】
PUCCHを介してbeam failure情報を受信することおよびPUSCHを介してbeam failure情報を受信することについて、それぞれ説明する。
【0109】
第1に、PUCCHを介してbeam failure情報を受信する。
【0110】
PUCCHにおけるBFRのためのSRを使用して報告する。ここで、第1の隣接セルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求と、サービングセルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求とは、時間周波数ドメインリソースおよびコードワード指示方法が同じであり、又は、第1の隣接セルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求と、サービングセルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求とは、時間周波数ドメインリソースが異なり、又は、第1の隣接セルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求と、サービングセルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求とは、コードワード指示方法が異なる。
【0111】
第2に、PUSCを介してHbeam failure情報を受信する。
【0112】
いくつかの実施例では、PUSCHから指示シグナリングを受信し、指示シグナリングには、beam failureが発生した第1の隣接セルのセル番号が含まれる。
【0113】
いくつかの実施例では、サービングセルと隣接セルが共同で番号付けされ、又は、サービングセルと隣接セルが個別に番号付けされている。
【0114】
サービングセルと隣接セルが共同で番号付けされている場合、共同番号から、指示シグナリングによって示されるセル番号に対応する第1の隣接セルを決定し、又は、サービングセルと隣接セルが個別に番号付けされている場合、隣接セルの個別番号から、指示シグナリングによって示されるセル番号に対応する第1の隣接セルを決定する。
【0115】
いくつかの実施例では、指示シグナリングには、新たなビーム方向指示情報がさらに含まれる。ここで、この新たなビーム方向指示情報は、第1の候補基準信号リソースの基準信号リソース番号を含み、第1の候補基準信号リソースは、基準信号の受信電力が第2の閾値に達する候補信号リソースであり、又は、新たなビーム方向指示情報は、第1の隣接セルに新たなビーム方向がないことを示すために使用され、即ち、候補基準信号リソースの基準信号の受信電力が第2の閾値に達することが検出されていないことを示すために使用される。
【0116】
いくつかの実施例では、ネットワークデバイスが第1の隣接セルのネットワークデバイスである場合、PRACHを介してbeam failure情報を受信することができ、このbeam failure情報は、第1の隣接セル自体と端末機器の間にbeam failureが発生したことを示すために使用される。
【0117】
要約すると、本願の実施例によって提供されるビーム失敗検出方法は、構成されたターゲット基準信号リソース又はデフォルト基準信号リソースを通じて、隣接セルのビーム失敗の検出が実現され、隣接セルのビーム失敗検出方法が提供される。
【0118】
本実施例によって提供される方法は、PUCCH又はPUSCHを介してbeam failure情報を報告することにより、サービングセルのネットワークデバイス又は隣接セルのネットワークデバイスは、隣接セルのbeam failure情報を受信し、隣接セルで発生したbeam failureを知ることができ、beam failureの回復を実現することができる。
【0119】
図7は本願の例示的な一実施例によって提供されるビーム失敗検出装置の構造ブロック図であり、この装置が端末機器に適用されることを例として説明し、前記装置は、第1の隣接セルのビーム失敗(beam failure)検出のためのターゲット基準信号リソースを決定するように構成される処理モジュール710を含み、前記処理モジュール710が、さらに、前記ターゲット基準信号リソースに基づいて、前記第1の隣接セルに対してbeam failure検出を行う。
【0120】
選択的な一実施例では、前記装置は、構成シグナリングを受信するように構成される受信モジュール720であって、前記構成シグナリングはターゲット情報フィールドを含み、前記ターゲット情報フィールドは、前記ターゲット基準信号リソースを受信するための時間周波数リソースの位置を示し、前記ターゲット基準信号リソースは1つ又は複数の基準信号リソースを含む受信モジュール720をさらに含む。
【0121】
選択的な一実施例では、前記ターゲット基準信号リソースはデフォルト基準信号リソースを含み、前記デフォルト基準信号リソースは、前記第1の隣接セルの制御リソースセットの伝送構成指示(TCI)状態に対応する基準信号リソースを含む。
【0122】
選択的な一実施例では、前記処理モジュール710は、さらに、前記第1の隣接セルのn個の前記制御リソースセットのうちのm個の前記制御リソースセットを決定し、m個の前記制御リソースセットの前記TCI状態に対応する前記基準信号リソースを、前記デフォルト基準信号リソースとして決定するように構成され、ここで、mとnは正の整数であり、m<nである。
【0123】
選択的な一実施例では、前記処理モジュール710は、さらに、前記ターゲット基準信号リソースのチャネル品質が第1の閾値よりも低いことに応答して、前記第1の隣接セルでbeam failureが発生したと決定するように構成される。
【0124】
選択的な一実施例では、前記装置は、サービングセルに前記第1の隣接セルのbeam failure情報を報告し、及び/又は、第2の隣接セルに前記第1の隣接セルのbeam failure情報を報告するように構成される送信モジュール730をさらに含む。
【0125】
選択的な一実施例では、前記送信モジュール730は、さらに、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)を介して前記beam failure情報を報告するように構成され、及び/又は、前記送信モジュール730は、さらに、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)を介して前記beam failure情報を報告するように構成される。
【0126】
選択的な一実施例では、前記送信モジュール730は、さらに、前記PUCCHにおけるビーム失敗回復のためのスケジューリング要求によって前記beam failure情報を報告するように構成される。
【0127】
選択的な一実施例では、前記第1の隣接セルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求と、前記サービングセルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求とは、時間周波数ドメインリソースおよびコードワード指示方法が同じである。
【0128】
選択的な一実施例では、前記第1の隣接セルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求と、前記サービングセルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求とは、時間周波数ドメインリソースが異なり、又は、前記第1の隣接セルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求と、前記サービングセルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求とは、コードワード指示方法が異なる。
【0129】
選択的な一実施例では、前記送信モジュール730は、さらに、前記PUSCHを介してbeam failureが発生した前記第1の隣接セルのセル番号を報告するように構成される。
【0130】
選択的な一実施例では、前記処理モジュール710は、さらに、前記サービングセルと隣接セルとの共同番号から、前記第1の隣接セルの前記セル番号を決定するように構成され、又は、前記処理モジュール710は、さらに、隣接セルの個別番号から前記第1の隣接セルの前記セル番号を決定するように構成される。
【0131】
選択的な一実施例では、前記送信モジュール730は、さらに、前記第1の隣接セルの候補ビームに対応する候補基準信号リソースを検出するように構成され、前記送信モジュール730は、さらに、第1の候補基準信号リソースに対応する基準信号の受信電力が第2の閾値に達することに応答して、前記PUSCHを介して新たなビーム方向指示情報を報告するように構成され、前記新たなビーム方向指示情報は、前記第1の候補基準信号リソースに対応する基準信号リソース番号を含み、又は、前記送信モジュール730は、さらに、基準信号の受信電力が第2の閾値に達する前記候補基準信号リソースが検出されていないことに応答して、前記PUSCHを介して前記新たなビーム方向指示情報を報告するように構成され、前記新たなビーム方向指示情報は、新たなビーム方向がないことを示すための情報フィールドを含む。
【0132】
選択的な一実施例では、前記送信モジュール730は、さらに、前記第1の隣接セルに前記beam failure情報を報告するように構成される。
【0133】
選択的な一実施例では、前記送信モジュール730は、さらに、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)を介して、前記第1の隣接セルに前記beam failure情報を報告するように構成される。
【0134】
図8は、本願の例示的な一実施例によって提供されるビーム失敗検出装置の構造ブロック図であり、この装置がネットワークデバイスに適用されることを例として説明し、前記装置は、端末に構成シグナリングを送信するように構成される送信モジュール810を含み、前記構成シグナリングは、ターゲット情報フィールドを含み、前記ターゲット情報フィールドは、ターゲット基準信号リソースを受信するための時間周波数リソースの位置を示し、前記ターゲット基準信号リソースは、前記端末によって第1の隣接セルに対してビーム失敗(beam failure)検出を行うために使用される。
【0135】
選択的な一実施例では、前記装置は、前記端末によって報告されたbeam failure情報を受信するように構成される受信モジュール820であって、前記beam failure情報は、前記第1の隣接セルでbeam failureが発生したことを示すために使用される受信モジュール820をさらに含む。
【0136】
選択的な一実施例では、前記受信モジュール820は、さらに、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)を介して前記beam failure情報を受信するように構成され、及び/又は、前記受信モジュール820は、さらに、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)を介して前記beam failure情報を受信するように構成される。
【0137】
選択的な一実施例では、前記受信モジュール820は、さらに、前記PUCCHを介して、ビーム失敗回復のためのスケジューリング要求を受信するように構成され、前記スケジューリング要求には前記beam failure情報が含まれる。
【0138】
選択的な一実施例では、前記第1の隣接セルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求と、前記サービングセルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求とは、時間周波数ドメインリソースおよびコードワード指示方法が同じである。
【0139】
選択的な一実施例では、前記第1の隣接セルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求と、前記サービングセルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求とは、時間周波数リソースの位置が異なり、又は、前記第1の隣接セルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求と、前記サービングセルでbeam failureが発生したことを報告するときに使用されるスケジューリング要求とは、コードワード指示方法が異なる。
【0140】
選択的な一実施例では、前記受信モジュール820は、さらに、前記PUSCHを介して指示シグナリングを受信するように構成され、前記指示シグナリングには、beam failureが発生した前記第1の隣接セルのセル番号が含まれる。
【0141】
選択的な一実施例では、前記指示シグナリングには、新たなビーム方向指示情報がさらに含まれ、前記新たなビーム方向指示情報は、第1の候補基準信号リソースの基準信号リソース番号を含み、前記第1の候補基準信号リソースは、基準信号の受信電力が第2の閾値に達する候補信号リソースであり、又は、前記新たなビーム方向指示情報は、新たなビーム方向がないことを示すために使用される。
【0142】
要約すると、本願の実施例によって提供されるビーム失敗検出装置は、構成されたターゲット基準信号リソース又はデフォルト基準信号リソースを通じて、隣接セルのビーム失敗の検出が実現され、隣接セルのビーム失敗検出方法が提供される。
【0143】
図9は本願の例示的な一実施例によって提供される通信機器900(端末機器又はネットワークデバイス)の概略構成図であり、この通信機器900は、プロセッサ901、受信機902、送信機903、メモリ904およびバス905を含む。
【0144】
プロセッサ901は、1つの又は複数の処理コアを含み、プロセッサ901は、ソフトウェアプログラム及びモジュールを実行することによって、様々な機能アプリケーション及び情報処理を実行する。
【0145】
受信機902と送信機903は、通信コンポーネントとして実装することができ、この通信コンポーネントは、通信チップであってもよい。
【0146】
メモリ904はバス905を介してプロセッサ901と接続される。
【0147】
メモリ904は、少なくとも1つの命令を格納するように構成され得、プロセッサ901は、少なくとも1つの命令を実行して、上記の方法の実施例における各ステップを実現するように構成され得る。
【0148】
なお、メモリ904は、任意のタイプの揮発性または不揮発性記憶装置、またはそれらの組み合わせによって実装され得、揮発性または不揮発性記憶装置は、磁気ディスクまたは光ディスク、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(Erasable Programmable Read Only Memory、 EEPROM)、消去可能なプログラマブル読み取り専用メモリ(Erasable Programmable Read Only Memory、 EPROM)、スタティックランダムアクセスメモリ(Static Random Access Memory、SRAM)、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory、 ROM)、磁気メモリ、フラッシュメモリ、プログラム可能な読み取り専用メモリ(Programmable Read-Only Memory、PROM)を含むが、これらに限定されない。
【0149】
本願の例示的な一実施例は、ビーム失敗検出システムをさらに提供し、前記システムは、端末機器とネットワークデバイスを含み、前記端末機器は、
図7に示される実施例によって提供されるビーム失敗検出装置を含み、前記ネットワークデバイスは、
図8に示される実施例によって提供されるビーム失敗検出装置を含む。
【0150】
本願の例示的な一実施例は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体をさらに提供し、前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット又は命令セットが格納されており、前記少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット又は命令セットは、上記の各方法の実施例によって提供されるビーム失敗検出方法における端末によって実行されるステップを実現するように、前記プロセッサによってロードされて実行される。
【0151】
なお、本明細書に記載される「複数」は、2つ以上を意味する。「及び/又は」は、関連付けられたオブジェクトの関連付け関係を記述し、3つの関係がありることを表し、例えば、A及び/又はBは、Aのみの存在、AとBの同時存在、およびBのみの存在を表すことができる。文字「/」は、通常、関連付けられたオブジェクトが「又は」の関係であることを示す。
【0152】
本願の他の実施形態は、本明細書に開示された本発明の仕様および実施を考慮すれば、当業者には容易に想起される。本願は、本願の一般原則に従い、本願に開示されていない当分野における周知の知識または慣用的な技術的手段を含む、本願のあらゆる変形、用途、または適応的な変化をカバーすることを意図している。明細書および実施例は、単なる例示とみなされるべきであり、本願の真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【0153】
なお、本願は、以上で説明され、添付の図面に示された正確な構造に限定されず、その範囲から逸脱することなく、さまざまな修正および変更を行うことができる。本出願の範囲は、添付の請求項によってのみ限定される。