(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】電池セル及びそれを含む電池モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/178 20210101AFI20240705BHJP
H01M 50/105 20210101ALI20240705BHJP
H01M 50/184 20210101ALI20240705BHJP
H01M 50/186 20210101ALI20240705BHJP
H01M 50/193 20210101ALI20240705BHJP
H01M 50/198 20210101ALI20240705BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20240705BHJP
H01M 50/35 20210101ALI20240705BHJP
H01M 50/533 20210101ALI20240705BHJP
H01M 50/534 20210101ALI20240705BHJP
H01M 50/557 20210101ALI20240705BHJP
H01M 50/562 20210101ALI20240705BHJP
H01M 50/564 20210101ALI20240705BHJP
【FI】
H01M50/178
H01M50/105
H01M50/184 C
H01M50/186
H01M50/193
H01M50/198
H01M50/342 101
H01M50/35 101
H01M50/533
H01M50/534
H01M50/557
H01M50/562
H01M50/564
(21)【出願番号】P 2022567854
(86)(22)【出願日】2022-03-08
(86)【国際出願番号】 KR2022003314
(87)【国際公開番号】W WO2022191613
(87)【国際公開日】2022-09-15
【審査請求日】2022-11-08
(31)【優先権主張番号】10-2021-0030398
(32)【優先日】2021-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】フン-ヒ・リム
(72)【発明者】
【氏名】サン-フン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ミン-ヒョン・カン
(72)【発明者】
【氏名】ヒュン-キュン・ユ
(72)【発明者】
【氏名】ス-ジ・ファン
【審査官】守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/002421(WO,A1)
【文献】特開2004-362935(JP,A)
【文献】特開2006-128038(JP,A)
【文献】特表2010-525524(JP,A)
【文献】特表2023-523206(JP,A)
【文献】特開2017-097984(JP,A)
【文献】特開2006-294367(JP,A)
【文献】特開2004-055290(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/10
H01M 50/30
H01M 50/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体が取り付けられる収納部、及び該収納部の外周辺が密封されて形成されるシーリング部を含む電池ケースと、
前記電極組立体に含まれた電極タブと電気的に接続され、前記シーリング部を通って前記電池ケースの外側に突出している電極リードと、
前記電極リードの上部及び下部の少なくとも一方において、前記シーリング部に対応する部分に位置するリードフィルムと、を含み、
前記電極リードの外面に表面変形部が形成されており、
前記表面変形部は、前記リードフィルムと前記電極リードとの間に位置して
おり、
前記表面変形部における前記電極リードと前記リードフィルムとの接着力は、前記表面変形部以外における前記電極リードと前記リードフィルムとの接着力より弱いか、前記表面変形部において前記電極リードと前記リードフィルムとが全く接着されない、電池セル。
【請求項2】
前記表面変形部は、前記電極リードの外面の一部が除去されて形成されている、請求項1に記載の電池セル。
【請求項3】
前記電極リードの外面にコーティング層が形成されており、
前記表面変形部は、前記コーティング層のうちの一部が除去されて形成されている、請求項1または2に記載の電池セル。
【請求項4】
前記表面変形部は、前記コーティング層がレーザーエッチングによって除去されて形成されている、請求項3に記載の電池セル。
【請求項5】
前記コーティング層は、金属物質からなる、請求項3に記載の電池セル。
【請求項6】
前記金属物質は、クロム及びニッケルの少なくとも一つを含む、請求項5に記載の電池セル。
【請求項7】
前記表面変形部は、前記電極リードの突出方向に沿って延設され、
前記電極リードの突出方向を基準にして、前記シーリング部の外側に隣接して位置する前記表面変形部の端部は、前記リードフィルムの端部よりも内側に位置している、請求項1から6のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項8】
前記表面変形部は、前記電極リードの突出方向に沿って延設され、
前記電極リードの突出方向を基準にして、前記シーリング部の内側に隣接して位置する前記表面変形部の端部は、前記リードフィルムの端部よりも内側に位置している、請求項1から7のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項9】
前記表面変形部は、前記電極リードの突出方向に沿って延設され、
前記電極リードの突出方向を基準にして、前記シーリング部の外側に隣接して位置する前記表面変形部の端部は、前記リードフィルムの端部よりも外側に位置している、請求項1から6のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項10】
前記表面変形部は、前記電極リードの突出方向に沿って延設され、
前記電極リードの突出方向を基準にして、前記シーリング部の内側に隣接して位置する前記表面変形部の端部は、前記リードフィルムの端部よりも外側に位置している、請求項1から6および9のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項11】
前記表面変形部は、前記電極リードの突出方向の垂直方向に延設され、前記表面変形部の長さは、前記電極リードの幅よりも短い、請求項1から10のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項12】
前記表面変形部は、円形状または長方形状である、請求項1から11のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項13】
前記電極リードの突出方向を基準にして、前記表面変形部の一端部は、前記シーリング部の内側面よりも内側に位置している、請求項1から12のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項14】
前記電極リードの突出方向を基準にして、前記表面変形部の他端部は、前記シーリング部の外側面よりも外側に位置している、請求項13に記載の電池セル。
【請求項15】
前記シーリング部の外側面よりも外側に露出する前記表面変形部の面積は、前記シーリング部の内側面よりも内側に露出する前記表面変形部の面積よりも大きい、請求項14に記載の電池セル。
【請求項16】
前記表面変形部は、互いに連結されている第1表面変形部及び第2表面変形部を含み、
前記第1表面変形部は、前記シーリング部の長手方向に沿って延設され、
前記第2表面変形部は、前記電極リードの突出方向に沿って延設されている、請求項1から11のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項17】
前記第1表面変形部の長さは、前記電極リードの幅よりも短い、請求項16に記載の電池セル。
【請求項18】
前記第1表面変形部は、電池ケースの内部に隣接して位置し、
前記第2表面変形部は、電池ケースの外部に隣接して位置している、請求項16または17に記載の電池セル。
【請求項19】
前記第1表面変形部は、電池ケースの外部に隣接して位置し、
前記第2表面変形部は、電池ケースの内部に隣接して位置している、請求項16または17に記載の電池セル。
【請求項20】
前記第1表面変形部の全体がリードフィルム上に位置し、
前記第2表面変形部の一端部がリードフィルムによって覆われていない、請求項16から19のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項21】
前記リードフィルムは、第1リードフィルム及び第2リードフィルムを含み、前記第1リードフィルムは前記電極リードの上部に位置し、前記第2リードフィルムは前記電極リードの下部に位置している、請求項1から20のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項22】
前記電極リードは、前記第1リードフィルムと前記第2リードフィルムとの間に位置し、前記第1リードフィルムと前記第2リードフィルムとは一体化されている、請求項21に記載の電池セル。
【請求項23】
前記電極リードの上面または前記電極リードの下面の少なくとも一つに前記表面変形部が位置している、請求項1から22のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項24】
前記リードフィルムのガス透過度が60℃で20バーラー~60バーラーである、請求項1から23のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項25】
前記リードフィルムの水分浸透量が25℃及び50%RHで10年の間に0.02g~0.2gである、請求項1から24のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項26】
前記リードフィルムは、ポリプロピレンを含む、請求項1から25のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項27】
前記表面変形部上に位置するリードフィルムの厚さが100μm~300μmである、請求項1から26のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項28】
前記表面変形部の他端部と前記リードフィルムの最外側端部との間の幅が2mm以上である、請求項1に記載の電池セル。
【請求項29】
請求項1から28のいずれか一項に記載の電池セルを含む、電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年3月8日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0030398号に基づく優先権を主張する。
【0002】
本発明は、電池セル及びそれを含む電池モジュールに関し、より具体的には、製造工程が容易でありながらも、電池セルの内部で発生したガスの外部排出能が向上した電池セル及びそれを含む電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
モバイル機器に対する技術開発及び需要が増加するにつれ、エネルギー源としての二次電池の需要が急増している。特に、二次電池は、携帯電話、デジタルカメラ、ノートパソコン、ウェアラブルデバイスなどのモバイル機器だけでなく、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車などの動力装置のエネルギー源としても多くの関心を集めている。
【0004】
このような二次電池は、電池ケースの形状によって、電極組立体が円筒型または角形の金属缶に収納されている円筒型電池及び角形電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートからなるパウチ型ケースに収納されているパウチ型電池とに分けられる。ここで、電池ケースに収納される電極組立体は、正極、負極、及び前記正極と前記負極との間に介在された分離膜を備え、充放電が可能な発電素子であって、活物質が塗布された長尺シート型の正極と負極との間に分離膜を介在して巻き取ったゼリーロール型と、複数の正極と負極とを、分離膜を介在した状態で順次に積層した積層型とに分けられる。
【0005】
中でも、特に積層型または積層/折畳み型電極組立体をアルミニウムラミネートシートからなるパウチ型電池ケースに収納した構造のパウチ型電池は、製造コストが低くて軽量であり、変形が容易であるなどの理由から使用量が次第に増加している。
【0006】
図1は、従来の電池セルの上面図である。
図2は、
図1のa-a’に沿った断面図である。
図1及び
図2を参照すると、従来の電池セル10は、電極組立体11が収納部21に取り付けられ、外周辺が密封された構造のシーリング部25を含む電池ケース20を含む。ここで、シーリング部25を通って電池ケース20の外側に突出している電極リード30を含み、電極リード30の上下部とシーリング部25との間にはリードフィルム40が位置する。
【0007】
しかし、近年、電池セルのエネルギー密度の増加とともに、電池セルの内部で発生するガスの量も増加するという問題がある。従来の電池セル10の場合、電池セルの内部で発生したガスを排出する部品が含まれておらず、電池セルにガス発生によるベンティング現象が生じ得る。さらに、ベンティング現象によって損傷された電池セルの内部に水分が浸透して副反応が引き起こされ、電池性能の低下及びさらなるガスの発生につながるおそれがある。そこで、電池セルの内部で発生したガスの外部排出能が向上した電池セルに対する開発要求が高まっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、製造工程が容易でありながらも、電池セルの内部で発生したガスの外部排出能が向上した電池セル及びそれを含む電池モジュールを提供することである。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、上述した課題に制限されず、言及されていない課題は、本明細書及び添付される図面から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様による電池セルは、電極組立体が取り付けられる収納部、及び該収納部の外周辺が密封されて形成されるシーリング部を含む電池ケースと、前記電極組立体に含まれた電極タブと電気的に接続され、前記シーリング部を通って前記電池ケースの外側に突出している電極リードと、前記電極リードの上部及び下部の少なくとも一方において、前記シーリング部に対応する部分に位置するリードフィルムと、を含み、前記電極リードの外面に表面変形部が形成されており、前記表面変形部は、前記リードフィルムと前記電極リードとの間に位置する。
【0011】
前記表面変形部は、前記電極リードの外面の一部が除去されて形成され得る。
【0012】
前記電極リードの外面にコーティング層が形成されており、前記表面変形部は、前記コーティング層のうちの一部が除去されて形成され得る。
【0013】
前記表面変形部は、前記コーティング層がレーザーエッチングによって除去されて形成され得る。
【0014】
前記コーティング層は、金属物質からなり得る。
【0015】
前記金属物質は、クロム及びニッケルの少なくとも一つを含み得る。
【0016】
前記表面変形部は、前記電極リードの突出方向に沿って延設され得、前記電極リードの突出方向を基準にして、前記シーリング部の外側に隣接して位置する前記表面変形部の端部は、前記リードフィルムの端部よりも内側に位置し得る。
【0017】
前記表面変形部は、前記電極リードの突出方向に沿って延設され得、前記電極リードの突出方向を基準にして、前記シーリング部の内側に隣接して位置する前記表面変形部の端部は、前記リードフィルムの端部よりも内側に位置し得る。
【0018】
前記表面変形部は、前記電極リードの突出方向に沿って延設され得、前記電極リードの突出方向を基準にして、前記シーリング部の外側に隣接して位置する前記表面変形部の端部は、前記リードフィルムの端部よりも外側に位置し得る。
【0019】
前記表面変形部は、前記電極リードの突出方向に沿って延設され得、前記電極リードの突出方向を基準にして、前記シーリング部の内側に隣接して位置する前記表面変形部の端部は、前記リードフィルムの端部よりも外側に位置し得る。
【0020】
前記表面変形部は、前記電極リードの突出方向の垂直方向に延設され、前記表面変形部の長さは前記電極リードの幅よりも短くなり得る。
【0021】
前記表面変形部は、円形状または長方形状であり得る。
【0022】
前記電極リードの突出方向を基準にして、前記表面変形部の一端部は、前記シーリング部の内側面よりも内側に位置し得る。
【0023】
前記電極リードの突出方向を基準にして、前記表面変形部の他端部は、前記シーリング部の外側面よりも外側に位置し得る。
【0024】
前記シーリング部の外側面よりも外側に露出する前記表面変形部の面積が、前記シーリング部の内側面よりも内側に露出する前記表面変形部の面積よりも大きくなり得る。
【0025】
前記表面変形部は、互いに連結されている第1表面変形部及び第2表面変形部を含み、前記第1表面変形部は前記シーリング部の長手方向に沿って延設され、前記第2表面変形部は前記電極リードの突出方向に沿って延設され得る。
【0026】
前記第1表面変形部の長さは、前記電極リードの幅よりも短くなり得る。
【0027】
前記第1表面変形部は、電池ケースの内部に隣接して位置し得、前記第2表面変形部は、電池ケースの外部に隣接して位置し得る。
【0028】
前記第1表面変形部は、電池ケースの外部に隣接して位置し得、前記第2表面変形部は、電池ケースの内部に隣接して位置し得る。
【0029】
前記第1表面変形部の全体はリードフィルム上に位置し得、前記第2表面変形部の一端部はリードフィルムによって覆われない位置に位置し得る。
【0030】
前記リードフィルムは、第1リードフィルム及び第2リードフィルムを含み得、前記第1リードフィルムは前記電極リードの上部に位置し得、前記第2リードフィルムは前記電極リードの下部に位置し得る。
【0031】
前記電極リードは、前記第1リードフィルムと前記第2リードフィルムとの間に位置し得、前記第1リードフィルムと前記第2リードフィルムとは一体化され得る。
【0032】
前記電極リードの上面または前記電極リードの下面の少なくとも一つに、前記表面変形部が位置し得る。
【0033】
前記リードフィルムのガス透過度(permeability)は、60℃で20~60バーラー(barrer)であり得る。
【0034】
前記リードフィルムの水分浸透量は、25℃及び50%RHで10年の間に0.02~0.2gであり得る。
【0035】
前記リードフィルムは、ポリプロピレンを含み得る。
【0036】
前記表面変形部上に位置するリードフィルムの厚さは、100~300μmであり得る。
【0037】
前記表面変形部の他端部と前記リードフィルムの最外側端部との間の幅は、2mm以上であり得る。
【0038】
本発明の他の一態様による電池モジュールは、上述した電池セルを含む。
【発明の効果】
【0039】
本発明の実施形態によれば、表面変形部が形成されている電極リードを含む電池セル及びそれを含む電池モジュールを提供し、製造工程が容易でありながらも、電池セルの内部で発生したガスの外部排出能を向上させることができる。
【0040】
本発明の効果は上述した効果に制限されず、言及されていない効果は本明細書及び添付される図面から当業者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図3】本発明の一実施形態による電池セルの上面図である。
【
図4】
図3の電池セルに含まれた電極リードの斜視図である。
【
図7】
図3に示された電池セルの電極リード及びリードフィルムを拡大した図である。
【
図9】
図3の電極リードの表面が処理される様子を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、図面を参照して本発明の多様な実施形態について当業者が容易に実施できるように詳しく説明する。本発明は、様々な異なる形態で具現でき、後述する実施形態に限定されるものではない。
【0043】
本発明を明確に説明するため、説明と関係ない部分は省略し、明細書の全体を通して同一または類似の構成要素に対しては、同じ参照符号を付することにする。
【0044】
また、図示された各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜上、任意に示されているため、本発明が図示によって限定されることはない。図面においては、多様な層及び領域を明確に示すため、厚さを拡大して示している。そして、図面において、説明の便宜上、一部の層及び領域の厚さを誇張して示している。
【0045】
また、明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、これは特に言及されない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0046】
また、明細書の全体において、「平面図」とするとき、これは対象部分を上方から眺めた場合を意味し、「断面図」とするとき、これは対象部分を垂直に切った断面を側方から眺めた場合を意味する。
【0047】
以下、本発明の一実施形態によるパウチ電池セル100について説明する。但し、パウチ電池セル100の両側面のうちの一側面を基準にして説明するが、必ずしもこれに限定されるものではなく、他側面の場合にも同一または類似の説明が適用され得る。
【0048】
図3は、本発明の一実施形態による電池セルの上面図である。
【0049】
図3を参照すると、本実施形態による電池セル100は、電池ケース200、電極リード300、及びリードフィルム400を含む。
【0050】
電池ケース200は、電極組立体110が取り付けられる収納部210、及び収納部210の外周辺が密封されて形成されるシーリング部250を含む。前記シーリング部250は、熱またはレーザーなどによって密封され得る。電池ケース200は、樹脂層及び金属層を含むラミネートシートからなり得る。より具体的には、電池ケース200は、ラミネートシートからなり、最外郭を成す外側樹脂層、物質の通過を防止する遮断性金属層、及び密封のための内側樹脂層で構成され得る。
【0051】
また、電極組立体110は、ゼリーロール型(巻取型)、積層型(スタック型)、または複合型(積層/折畳み型)の構造からなり得る。より具体的には、電極組立体110は、正極、負極、これらの間に配置される分離膜からなり得る。
【0052】
以下、電極リード300及びリードフィルム400を中心に説明する。
【0053】
図4は、
図3の電池セルに含まれた電極リードの斜視図である。
【0054】
図3及び
図4を参照すると、電極リード300は、電極組立体110に含まれた電極タブ(図示せず)と電気的に接続され、シーリング部250を通って電池ケース200の外側に突出している。また、リードフィルム400は、電極リード300の上部及び下部の少なくとも一方において、シーリング部250に対応する部分に位置する。これにより、リードフィルム400は、密封時に電極リード300で短絡が発生することを防止するとともに、シーリング部250と電極リード300との密封性を向上させることができる。
【0055】
図5は
図4のc-c’に沿った断面図であり、
図6は
図4のd-d’に沿った断面図である。
【0056】
図5及び
図6を参照すると、電極リード300において、電極リード300の外面に表面変形部350が形成されており、表面変形部350はリードフィルム400と電極リード300との間に位置する。表面変形部350では電極リード300とリードフィルム400との接着力が弱いか、それとも、全く接着されない。より具体的には、電極リード300において、表面変形部350はリードフィルム400に対応する位置に形成され得る。
【0057】
表面変形部350は、電極リード300の外面の一部が除去されて形成され得る。但し、
図5及び
図6では表面変形部350の厚さを多少誇張して図示しているが、実際に肉眼では電極リード300の外観の変形が殆ど見えない程度の厚さで表面変形部350が形成され得る。
【0058】
一例として、表面変形部350は、0.01μm~数百μmの厚さを有し得る。但し、表面変形部350の厚さはこれに限定されるものではなく、電極リード300とリードフィルム400との間の気密性及び耐久性に影響を及ぼすことなく接着力を弱化できる厚さであれば、適用可能である。
【0059】
本実施形態では、表面変形部350によって電極リード300とリードフィルム400との間の一部が離隔するため、表面変形部350は電極リード300とリードフィルム400との間の一部分の接着力を弱化させることができる。
【0060】
このように、表面変形部350は、リードフィルム400と電極リード300との間の少なくとも一部の接着力を弱化させ、表面変形部350によって接着力が弱くなった部分(以下、弱接着部と称する)は、電池ケース200内部の気体が外部に排出されるガス排出通路の役割を果たすことができる。
【0061】
より具体的には、電池セル100の内部圧力は前記弱接着部の内部圧力よりも高く、これによる圧力差がガスの推進力(driving force)として作用する。このとき、電極リード300とリードフィルム400との間で、前記弱接着部が位置する部分は接着力が相対的に弱く、電池セル100の内部で発生したガスが上述した圧力差によって前記弱接着部内に流れ得る。また、前記弱接着部には電池セル100の内部から流れ込んだガスによって外部圧力との差が生じ、前記弱接着部の内部に流れ込んだガスは電池ケース200の外部へと排出され得る。
【0062】
このように、本実施形態による電池セル100において、電池ケース200の内部で発生したガスは前記弱接着部の内部との圧力差によって前記弱接着部に流れ、前記弱接着部に流れ込んだガスは外部との圧力差によって外部に向かって排出され得る。
【0063】
さらに、本発明の一実施形態によれば、表面変形部350の厚さ、位置、形状などによって、リードフィルム400と電極リード300との間に形成される前記弱接着部の位置及び形状を制御でき、表面変形部350は前記弱接着部によるパウチ内のガス排出度とパウチの気密性及び耐久性を適切に調節することができる。
【0064】
一例として、電極リード300の外面にはコーティング層(図示せず)が形成され得る。ここで、前記コーティング層(図示せず)は、電極リード300の外面がコーティングされて形成される層であり得る。ここで、表面変形部350は、前記コーティング層(図示せず)の一部が除去されて形成され得る。但し、説明の便宜上、前記コーティング層は図示されておらず、表面変形部350の両側面に位置する電極リード300の外面が前記コーティング層(図示せず)として説明され得る。
【0065】
一般に、電極リード300とリードフィルム400とは接着が容易ではないため、電極リード300の外面にリードフィルム400との接着のためのコーティング層が形成される場合がある。
【0066】
本発明の一実施形態のように、電極リード300の外面に形成されたコーティング層の一部が除去されて表面変形部350が形成される場合、表面変形部350では電極リード300とリードフィルム400との間の接着力が弱化するか、または、全く接着されない。これにより、電池ケース200の内部で発生したガスが電極リード300とリードフィルム400との間の界面の表面変形部350に排出されて電池ケース200の外部へと排出される。
【0067】
より具体的には、表面変形部350は、前記コーティング層(図示せず)がレーサー、UVオゾン(UvO)処理、スパッタリングなどによってエッチングされて形成され得る。但し、表面変形部350のエッチング方式がこれに制限されることはなく、電極リード300の表面を加工して所定の形状を形成できる工程であれば適用可能である。
【0068】
一例として、前記コーティング層(図示せず)は、金属物質からなり得る。より具体的には、前記金属物質はクロム及びニッケルの少なくとも一つを含み得る。但し、前記コーティング層(図示せず)は、これに限定されるものではなく、電極リード300の外面に一般にコーティングされている物質を含み得る。
【0069】
このように、表面変形部350は、電極リード300の外面に形成された前記コーティング層(図示せず)が除去されて形成されるため、比較的に簡単な製造工程を通じて製造できるだけでなく、追加的な部品を必要としないという利点がある。また、表面変形部350が電極リード300の外面に形成された前記コーティング層(図示せず)が除去されて形成される場合、実際に表面変形部350を肉眼で見たとき電極リード300の外観変形を最小化することができる。
【0070】
他の一例として、表面変形部350は、電極リード300の外面に該当する部分自体が除去されて形成され得る。すなわち、電極リード300の外面は、表面変形部350によって段差構造を有し得る。
【0071】
より具体的には、表面変形部350は、電極リード300の外面をレーザー、UVオゾン(UvO)処理、スパッタリングなどによってエッチングして形成され得る。但し、表面変形部350のエッチング方式がこれに制限されることはなく、電極リード300の表面を加工して所定の形状を形成できる工程であれば適用可能である。
【0072】
このように、表面変形部350は、電極リード300の外面が除去されて形成されるため、比較的に簡単な製造工程を通じて製造できるだけでなく、追加的な部品を必要としないという利点がある。
【0073】
一例として、
図5及び
図6を参照すると、リードフィルム400は、電極リード300を基準にして上部及び下部にそれぞれ位置する第1リードフィルム及び第2リードフィルムを含み得る。また、前記第1リードフィルムと前記第2リードフィルムとは一体化され得る。これにより、リードフィルム400は、電極リード300の側面が外部に露出することを防止するとともに、シーリング部250と電極リード300との密封性を向上させることができる。
【0074】
ここで、電極リード300の上面または電極リード300の下面の少なくとも一つに表面変形部350が位置し得る。
図5の(a)及び
図6の(a)のように、電極リード300の上面に表面変形部350が位置する場合、表面変形部350は、リードフィルム400のうちの前記第1リードフィルムによって覆われ得る。逆に、電極リード300の下面に表面変形部350が位置する場合も同様に説明され得る。また、
図5の(b)及び
図6の(b)のように、電極リード300の上面及び下面に表面変形部350がそれぞれ位置する場合、表面変形部350は、前記第1リードフィルム及び前記第2リードフィルムによってそれぞれ覆われ得る。但し、表面変形部350の個数は上述した内容に限定されず、電極リード300の外面に適切な個数で形成され得る。
【0075】
このように、電極リード300の外面に形成されている表面変形部350の個数を調節することで、電極リード300とリードフィルム400との間の耐久性及び気密性を制御することができる。また、必要に応じて表面変形部350の個数を最小化し、製造工程を簡便にし、コストを節減することができる。
【0076】
図7は、
図3に示された電池セルの電極リード及びリードフィルムを拡大した図である。
【0077】
図5~
図7を参照すると、表面変形部350は、電極リード300の突出方向に沿って延設されており、電極リード300の突出方向を基準にして、シーリング部250の外側に隣接して位置する表面変形部350の端部は、前記リードフィルムの端部よりも内側に位置し得る。ここで、「表面変形部350の端部がリードフィルムの端部よりも内側に位置する」とは、表面変形部350の端部がリードフィルムによって覆われることを意味する。すなわち、シーリング部250の外側に隣接して位置する表面変形部350の端部がリードフィルムの端部よりも電池ケース200の内部側に位置することを意味する。本明細書において、前記シーリング部250の外側とは、電池ケース200の外部に隣接したシーリング部250の端部を意味する。
【0078】
また、電極リード300の突出方向を基準にして、シーリング部250の内側に隣接して位置する表面変形部350の端部は、前記リードフィルムの端部よりも内側に位置し得る。ここで、「表面変形部350の端部がリードフィルムの端部よりも内側に位置する」とは、表面変形部350の端部がリードフィルムによって覆われることを意味する。すなわち、シーリング部250の内側に隣接して位置する表面変形部350の端部がリードフィルムの端部よりも電池ケース200の外部側に位置することを意味する。本明細書において、前記シーリング部250の内側とは、電池ケース200の内部に隣接したシーリング部250の端部を意味する。
【0079】
また、電極リード300の突出方向を基準にして、シーリング部250の外側に隣接して位置する表面変形部350の端部は、前記リードフィルムの端部よりも外側に位置し得る。ここで、「表面変形部350の端部がリードフィルムの端部よりも外側に位置する」とは、表面変形部350の端部がリードフィルムによって覆われないことを意味する。すなわち、シーリング部250の外側に隣接して位置する表面変形部350の端部がリードフィルムの端部よりも電池ケース200の外部側に位置することを意味する。本明細書において、前記シーリング部250の外側とは、電池ケース200の外部に隣接したシーリング部250の端部を意味する。
【0080】
また、電極リード300の突出方向を基準にして、シーリング部250の内側に隣接して位置する表面変形部350の端部は、前記リードフィルムの端部よりも外側に位置し得る。ここで、「表面変形部350の端部がリードフィルムの端部よりも外側に位置する」とは、表面変形部350の端部がリードフィルムによって覆われないことを意味する。すなわち、シーリング部250の内側に隣接して位置する表面変形部350の端部がリードフィルムの端部よりも電池ケース200の内部側に位置することを意味する。本明細書において、前記シーリング部250の内側とは、電池ケース200の内部に隣接したシーリング部250の端部を意味する。
【0081】
一実施形態において、表面変形部350は、電極リード300の突出方向を基準にしてリードフィルム400の一端部と他端部との間に位置し得る。
【0082】
また、表面変形部350は、電極リード300の突出方向の垂直方向に延設され、表面変形部350の長さは電極リード300の幅よりも短くなり得る。本明細書において、表面変形部350の長さとは、電極リード300の突出方向の垂直方向を基準にして表面変形部350の一端と他端との間の距離の最大値を意味し、電極リード300の幅とは、電極リード300の突出方向の垂直方向を基準にして電極リード300の一端と他端との間の距離の最大値を意味する。
【0083】
一例として、
図7の(a)及び
図7の(b)を参照すると、表面変形部350は、円形状または長方形状であり得る。表面変形部350が円形状または長方形状である場合、表面変形部350の面積が広くなり得る。
【0084】
このように、
図7の(a)及び
図7の(b)のように、電極リード300の突出方向を基準にして表面変形部350の一端及び他端が両方ともリードフィルム400の一端部と他端部との間に位置してもガス排出が容易である。
【0085】
図7の(a)及び
図7の(b)には示していないが、表面変形部350が円形状または長方形状である場合、電極リード300の突出方向を基準にして表面変形部350の一端及び/または他端がリードフィルム400によって覆われなくてもよい。この場合、表面変形部350の一端及び他端が両方ともリードフィルム400の一端部と他端部との間に位置する場合よりもガス排出がさらに容易である。
【0086】
他の一例として、
図7の(c)及び
図7の(d)を参照すると、表面変形部350は、互いに連結されている第1表面変形部350a及び第2表面変形部350bを含み、第1表面変形部350aはシーリング部の長手方向に沿って延設し得、第2表面変形部350bは電極リード300の突出方向に沿って延設し得る。本明細書において、シーリング部の長手方向とは、電極リード300の突出方向の垂直方向を意味する。
【0087】
ここで、
図3及び
図7の(c)を参照すると、第1表面変形部350aは、電池ケース200の内部に隣接して位置し得る。すなわち、第1表面変形部350aは、電極リード300の突出方向を基準にしてシーリング部250の内側に隣接して位置し得る。
【0088】
また、
図3及び
図7の(c)を参照すると、第2表面変形部350bは、電池ケース200の外部に隣接して位置し得る。すなわち、第2表面変形部350bは、電極リード300の突出方向を基準にしてシーリング部250の外側に隣接して位置し得る。
【0089】
一例として、第1表面変形部350aの長さは、電極リード300の幅よりも短くなり得る。
【0090】
本明細書において、第1表面変形部350aの長さとは、電極リード300の突出方向の垂直方向を基準にして第1表面変形部350aの一端と他端との間の距離の最大値を意味し、電極リード300の幅とは、電極リード300の突出方向の垂直方向を基準にして電極リード300の一端と他端との間の距離の最大値を意味する。
【0091】
図7の(c)及び
図7の(d)を参照すると、第1表面変形部350aは、全体がリードフィルム400上に位置し得る。
【0092】
図3及び
図7の(c)を参照すると、第2表面変形部350bは、一端部が電池ケース200の外部に向かって延設され、第2表面変形部350bの一端部がリードフィルム400によって覆われていない。これにより、第2表面変形部350bの一端部が電池ケース200の外部に露出するため、表面変形部350によるガス排出量をより効果的に増加することができる。
【0093】
また、
図3及び
図7の(d)を参照すると、第1表面変形部350aは、電池ケース200の外部に隣接して位置し得る。すなわち、第1表面変形部350aは、電極リード300の突出方向を基準にしてシーリング部250の外側に隣接して位置し得る。
【0094】
また、
図3及び
図7の(d)を参照すると、第2表面変形部350bは、電池ケース200の内部に隣接して位置し得る。すなわち、第2表面変形部350bは、電極リード300の突出方向を基準にしてシーリング部250の内側に隣接して位置し得る。
【0095】
より具体的には、
図7の(d)のように、第2表面変形部350bは、一端部が電池ケース200の内部に向かって延設され、第2表面変形部350bの一端部がリードフィルム400によって覆われていない。これにより、第2表面変形部350bの一端部が電池ケース200の内部に露出するため、表面変形部350によるガス排出量をより効果的に増加することができる。
【0096】
但し、表面変形部350の形状は上述した内容に限定されず、電極リード300の外面に適切な形状で形成され得る。
【0097】
このように、電極リード300の外面に形成されている表面変形部350の形状を調節して、電極リード300とリードフィルム400との間の耐久性及び気密性、またはガス排出量を制御することができる。また、必要に応じて表面変形部350の形状を変えて、製造工程を簡便にし、コストを節減することができる。
【0098】
【0099】
図8を参照すると、電極リード300の突出方向を基準にして、表面変形部350の一端部はシーリング部250の内側面よりも内側に位置し得る。本明細書において、前記シーリング部250の内側面とは、電池ケース200の内部に隣接したシーリング部250の端部を意味し、「シーリング部250の内側面よりも内側に位置する」とは、シーリング部250の内側面よりも電池ケース200の内部側に位置することを意味する。表面変形部350の一端部がシーリング部250の内側面よりも内側に位置する場合、シーリング部250による干渉を受けず、表面変形部350にガスがより容易に流れ込むことができる。
【0100】
また、電極リード300の突出方向を基準にして、表面変形部350の他端部はシーリング部250の外側面よりも外側に位置し得る。本明細書において、前記シーリング部250の外側面とは、電池ケース200の外部に隣接したシーリング部250の端部を意味し、「シーリング部250の外側面よりも外側に位置する」とは、シーリング部250の外側面よりも電池ケース200の外部側に位置することを意味する。表面変形部350の他端部がシーリング部250の外側面よりも外側に位置する場合、表面変形部350に流れ込んだガスがより容易に外部へと排出される。例えば、表面変形部350の他端部がシーリング部250による干渉を受けず、表面変形部350に流れ込んだガスがより容易に外部へと排出される。
【0101】
このように、電池セル100の内部で発生したガスは、表面変形部350に向かって流れ、表面変形部350に流れ込んだガスは外部に向かって容易に排出できる。電極リード300の外面に形成された表面変形部350の両端部が電池ケース200の内部及び電池ケース200の外部に露出する場合、電池ケース200の内部で発生したガスが表面変形部350内に流れ込み易く、また、表面変形部350から外部への排出がより容易になる。
【0102】
具体的には、表面変形部350に流れ込んだガスは、表面変形部350上のリードフィルム400を通ってZ軸方向に沿って排出され得る。例えば、表面変形部350の他端部がシーリング部250の外側面よりも外側に位置し、リードフィルム400の端部よりも内側(電池ケース200の内部方向)に位置する場合、表面変形部350に流れ込んだガスは、表面変形部350の他端部とシーリング部250の外側面との間のリードフィルム400部分からZ軸方向に沿って排出され得る。または、
図8には示していないが、表面変形部350の他端部がシーリング部250の外側面よりも外側に位置し、リードフィルム400の端部よりも外側(電池ケース200の外部方向)に位置する場合、表面変形部350に流れ込んだガスは外部へと直ちに排出され得る。
【0103】
本発明の一実施形態において、前記リードフィルム400のガス透過度は、60℃で20~60バーラー、または30~40バーラーであり得る。例えば、前記リードフィルム400の二酸化炭素透過度が上述した範囲を満足し得る。また、リードフィルム400の厚さ200μmを基準にしてガス透過度が60℃で上述した範囲を満足し得る。前記リードフィルム400のガス透過度が上述した範囲を満足する場合、電池セルの内部で発生するガスをより効果的に排出することができる。
【0104】
本明細書において、ガス透過度はASTM F2476-20で測定し得る。
【0105】
本発明の一実施形態において、前記リードフィルム400の水分浸透量は、25℃及び50%RHで10年の間に0.02~0.2g、または0.02~0.04g、または0.06g、または0.15gであり得る。前記リードフィルム400の水分浸透量が上述した範囲を満足する場合、前記リードフィルム400から流入される水分の浸透をより効果的に防止することができる。
【0106】
前記リードフィルム400の水分浸透量は、ASTM F 1249方式を採択して測定し得る。このとき、MCOON社から公式認証された装置を使用して測定し得る。
【0107】
本発明の一実施形態において、前記リードフィルム400は、ガス透過度が60℃で20~60バーラーであり、且つ、水分浸透量が25℃及び50%RHで10年の間に0.02~0.2gであり得る。前記リードフィルム400のガス透過度及び水分浸透量が上述した範囲を満足する場合、二次電池の内部で発生するガスを排出すると同時に、外部からの水分浸透をより効果的に防止することができる。
【0108】
本発明の一実施形態において、前記リードフィルム400は、ポリオレフィン系樹脂を含み得る。例えば、前記リードフィルム400は、上述したガス透過度及び/または水分浸透量を満足するポリオレフィン系樹脂を含み得る。前記ポリオレフィン系樹脂は、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びポリビニルジフルオライド(polyvinyldifluoride、PVDF)からなる群より選択された1種以上の材料を含み得る。前記リードフィルム400は、ポリプロピレンを含み、且つ、前記リードフィルム400のガス透過度が60℃で20~60バーラーであり得る。また、水分浸透量が0.06g~0.15gであり得る。この場合、二次電池の内部で発生するガスの排出がより効果的であるだけでなく、外部からの水分浸透の防止も容易である。
【0109】
また、リードフィルム400は、上述した材料からなることで、電池セル100の気密性を維持することができ、内部電解液の漏れも防止することができる。
【0110】
図8を参照すると、表面変形部350上に位置するリードフィルム400の厚さHは、100~300μm、または100~200μmであり得る。表面変形部350上に位置するリードフィルム400の厚さHが上述した範囲を満足する場合、電池ケース200内部のガスを外部へとより容易に排出できる。
【0111】
図8を参照すると、表面変形部350の他端部がシーリング部250の外側面よりも外側に位置し、リードフィルム400の端部よりも内側(電池ケース200の内部方向)に位置する場合、前記表面変形部350の他端部と前記リードフィルム400の最外側端部との間の幅Wは、2mm以上、または2mm~3mmであり得る。前記表面変形部350の他端部と前記リードフィルム400の最外側端部との間の幅Wが上述した範囲を満足する場合、電池ケース200の内部で発生したガスが外部に排出される過程でリードフィルム400が破れる現象をより容易に防止することができる。
【0112】
本発明の一実施形態において、表面変形部350の一端部がシーリング部250の内側面よりも内側に位置し、表面変形部350の他端部がシーリング部250の外側面よりも外側に位置する場合、シーリング部250の外側面よりも外側に露出する表面変形部350の面積は、シーリング部250の内側面よりも内側に露出する表面変形部350の面積よりも大きくなり得る。ガス排出量はガス排出面積と圧力に比例するが、電池ケース200内側の圧力が電池ケース200外側の圧力よりも高いため、シーリング部250の外側面よりも外側に露出する表面変形部350の面積が、シーリング部250の内側面よりも内側に露出する表面変形部350の面積よりも大きい場合、電池ケース200の内部で発生したガスを外部へとより容易に排出できる。
【0113】
本発明の一実施形態において、シーリング部250の外側に露出する表面変形部350の面積は、40~80mm2であり得る。これは、60℃で内部圧力1気圧基準で、1日の間に約0.5~3ccのガスが排出される大きさである。また、水分浸透量が25℃及び50%RHで10年の間に0.02~0.2gになる大きさである。
【0114】
図8には示していないが、表面変形部350の一端部及び/または他端部がリードフィルム400によって覆われなくてもよい。すなわち、表面変形部350の一端部が電池ケース200の内部に露出し得る。この場合、表面変形部350に電池ケース200内部のガスが流れ込むとき、表面変形部350の一端部がシーリング部250及びリードフィルム400による干渉を受けず、ガスの流れ込みがより容易になる。また、表面変形部350の他端部が電池ケース200の外部に露出し得る。この場合、ガスの外部への排出がより容易になる。
【0115】
図9は、
図3の電極リードの表面が処理される様子を示した図である。
【0116】
図9を参照すると、本発明の他の一実施形態による電池セル製造装置1000は、電極リード300に対してレーザーを照射して、電極リード300の外面に表面変形部350を形成し得る。より具体的には、電池セル製造装置1000は、電極リード300の外面をレーザーによってエッチングして、電極リード300の外面に表面変形部350を形成し得る。ここで、電池セル100の各構成要素の組み立て工程の前に、電池セル製造装置1000による表面変形部350の形成工程が予め行われ得る。但し、表面変形部350の製造方式がこれに制限されることはなく、電極リード300の外面の一部を除去できる工程であれば適用可能である。
【0117】
このように、本実施形態による電池セル製造装置1000は、電極リード300の外面に所定の形状及び大きさを有する表面変形部350を容易に形成することができる。
【0118】
一例として、表面変形部350が電極リード300の外面の一部を除去して形成される場合、電池セル製造装置1000が照射するレーザーの強度は電極リード300の外面を腐食させる程度の強度であり得る。他の一例として、表面変形部350が電極リード300の外面に形成されたコーティング層(図示せず)の一部を除去して形成される場合、電池セル製造装置1000が照射するレーザーの強度は電極リード300の外面に形成されたコーティング層(図示せず)を腐食させる程度の強度であり得る。
【0119】
このように、電極リード300の外面に対して照射されるレーザーの強度を調節することで、電極リード300の外面の構成に応じて表面変形部350を適切に形成できる。
【0120】
本発明の他の一実施形態による電池モジュールは、上述した電池セルを含む。一方、本実施形態による電池モジュールは、一つまたはそれ以上がパックケース内にパッケージングされて電池パックを形成してもよい。
【0121】
上述した電池モジュール及びそれを含む電池パックは、多様なデバイスに適用され得る。このようなデバイスは、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段であり得るが、本発明はこれに制限されず、電池モジュール及びそれを含む電池パックを使用できる多様なデバイスに適用可能であり、これも本発明の権利範囲に属する。
【0122】
以上、本発明の望ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲は、これに限定されるものではなく、特許請求の範囲で請求する本発明の基本概念を用いた当業者の多様な変形及び改良形態も本発明の権利範囲に属することは言うまでもない。
【符号の説明】
【0123】
10 従来の電池セル
11 電極組立体
20 電池ケース
21 収納部
25 シーリング部
30 電極リード
40 リードフィルム
100 パウチ電池セル
110 電極組立体
200 電池ケース
210 収納部
250 シーリング部
300 電極リード
350 表面変形部
350a 第1表面変形部
350b 第2表面変形部
400 リードフィルム
1000 電池セル製造装置