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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】UE間の協調的な資源割り当て
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/40 20230101AFI20240705BHJP
   H04W 28/26 20090101ALI20240705BHJP
   H04W 72/02 20090101ALI20240705BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20240705BHJP
【FI】
H04W72/40
H04W28/26
H04W72/02
H04W92/18
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022571827
(86)(22)【出願日】2021-05-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-30
(86)【国際出願番号】 EP2021063703
(87)【国際公開番号】W WO2021234164
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2023-01-24
(31)【優先権主張番号】20175972.7
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】20203172.0
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591037214
【氏名又は名称】フラウンホッファー-ゲゼルシャフト ツァ フェルダールング デァ アンゲヴァンテン フォアシュンク エー.ファオ
(74)【代理人】
【識別番号】100079577
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 全啓
(74)【代理人】
【識別番号】100167966
【弁理士】
【氏名又は名称】扇谷 一
(72)【発明者】
【氏名】モハメド ソレイマニ ダリウシュ
(72)【発明者】
【氏名】レイ マルティン
(72)【発明者】
【氏名】ロス-マンダッツ エルケ
(72)【発明者】
【氏名】バダウリア シュバンギ
(72)【発明者】
【氏名】ハルーンアバディ メディ
(72)【発明者】
【氏名】リプカ ディエトマル
(72)【発明者】
【氏名】ニーマン ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】アフメド アブドゥ モハメド アマニ アブデルカデル
【審査官】本橋 史帆
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/224893(WO,A1)
【文献】TCL Communication,Views on Sidelink_Enhancement Priorities for R17[online],3GPP TSG RAN #86 RP-192834,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/TSG_RAN/TSGR_86/Docs/RP-192834.zip>,2019年12月12日
【文献】ITRI,Discussion on Radio Resource Allocation for ProSe D2D Service[online],3GPP TSG-RAN WG2♯85 R2-140175,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_85/Docs/R2-140175.zip>
【文献】Intel Corporation,Feature Lead Summary for NR-V2X AI - 7.2.4.1.4 Resource Allocation Mechanism[online],3GPP TSG RAN WG1 #96 R1-1903623,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_96/Docs/R1-1903623.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信システムの少なくとも2つのトランシーバ(2021、2022)間でリソースを共有するための方法であって、前記少なくとも2つのトランシーバ(2021、2022)のうちの少なくとも第1のトランシーバ(2021)及び第2のトランシーバ(2022)は、サイドリンクを介したサイドリンク送信用のリソースがサイドリンクのリソースのセットのうちから自律的に選択される、NRサイドリンクモード2で動作し、前記方法は、
リソースのセットを記述する情報を送信することによって、前記少なくとも2つのトランシーバ(2021、2022)のうちの第1のトランシーバ(2021)によって前記第2のトランシーバ(2022)に前記リソースのセットを報告するステップと、
前記第1のトランシーバ(202 1 )によって報告される前記リソースのセットを考慮して、前記第2のトランシーバ(202 2 )によって、前記サイドリンクのリソースのセットのうちから候補リソースのセットを決定するステップと、
前記第2のトランシーバ(2022)によって、前記候補リソースのセットのうちから選択された選択リソースを用いて前記サイドリンク送信を実行するステップと、
を備え、
前記リソースのセットは、前記第1のトランシーバ(2021)で決定され、
前記リソースのセット、前記第2のトランシーバ(2022)の前記サイドリンク送信によって使用されないことが優先されるリソースのセットである、
方法。
【請求項2】
前記リソースのセットを記述する情報は、
- 前記リソースのセットそのもの、
- センシング情報
- リソースマップ
のうちの1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のトランシーバ(2021)から前記第2のトランシーバ(2022)に報告される前記リソースのセットが、選択基準に依存して前記第1のトランシーバ(2021)により選択されたリソースのセットを含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記リソースのセットを記述する前記情報が、
- 物理層、
- より高い層
を介して前記第1のトランシーバ(2021)から前記第2のトランシーバ(2022)に送信される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記情報によって示される前記リソースのセットが、帯域幅部分におけるリソースプールの数を監視することによって、前記第1のトランシーバ(2021)によって決定され、
監視される前記リソースプールの数は電力消費基準に依存して適応的に調整される、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、前記第1のトランシーバ(2021)から前記第2のトランシーバ(2022)又は前記ワイヤレス通信システムの別のトランシーバに、前記第1のトランシーバ(2021)によって監視される前記帯域幅部分の前記リソースプールを記述する情報を送信するステップをさらに備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記情報は、第2段階のSCIフォーマット又はPC5-RRCメッセージを介して送信される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、前記第1のトランシーバ(2021)から前記第2のトランシーバ(2022)にコンテキスト情報を送信するステップをさらに含み、前記コンテキスト情報は、
- 優先されるリソースのセット、
- 優先されないリソースのセット
のうちの少なくとも1つを記述する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記サイドリンク送信は、前記優先されるリソースのセット及び/又は前記優先されないリソースのセットに基づいて前記候補リソースのセットから選択された選択リソースを用いて前記第2のトランシーバ(2022)により実行される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記コンテキスト情報は、第1のSCIによって示される第2のSCIフォーマットを介して送信される、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記コンテキスト情報が優先されないリソースのセットを記述する場合、それらのリソースは、前記優先されないリソースのセットとは異なる候補リソースのセットから選択される、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
第1のサイドリンク送信のために前記第1のトランシーバ(2021)によって選択された1つ以上の選択リソースの予約を示す第1の予約情報を前記第1のトランシーバ(202 1 )で送信するステップと、
第2のサイドリンク送信のために前記第2のトランシーバ(2022)によって選択された1つ以上の選択リソースの予約を示す第2の予約情報を前記第2のトランシーバ(202 2 )で送信するステップと、
前記第1の予約情報及び前記第2の予約情報を第3のトランシーバで受信し、少なくとも1つの予約リソースが、前記第1の予約情報及び前記第2の予約情報の両方によって予約されているかどうかを判断するステップと、
前記第1のトランシーバ(2021)又は前記第2のトランシーバ(2022)に支援情報又は調整情報を前記第3のトランシーバで送信するステップであって、前記支援情報又は調整情報は、それぞれの前記トランシーバを制御して、前記少なくとも1つの予約リソースを先取りするように構成される、ステップと、
を備える、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記支援情報又は前記調整情報は、優先度、サービス品質パラメータ又はそれぞれの前記予約情報によって示される前記先取り選択のための他のメトリックに依存して、前記第1のトランシーバ(2021)又は前記第2のトランシーバ(2022)のいずれかに送信される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の予約情報及び前記第2の予約情報は同じスロットで送信される、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
無線通信システムの第1のトランシーバ(2021)であって、
前記第1トランシーバ(2021)は、サイドリンクを介したサイドリンク送信用のリソースがサイドリンクのリソースのセットのうちから前記第1トランシーバ(2021)によって自律的に選択されている、NRサイドリンクモード2において動作するように構成され、
前記第1のトランシーバ(2021)が、リソースのセットを決定し、前記リソースのセットを前記無線通信システムの第2のトランシーバ(2022)に報告するように構成され、
前記リソースのセットが、前記第2のトランシーバ(2022)のサイドリンク送信によって使用されないことが優先されるリソースのセットである、
第1のトランシーバ(2021)。
【請求項16】
無線通信システムの第2のトランシーバ(2022)であって、
前記第2のトランシーバ(2022)が、サイドリンクを介したサイドリンク送信用のリソースがサイドリンクのリソースのセットのうちから前記第2のトランシーバ(2022)によって自律的に選択されている、NRサイドリンクモード2において動作するように構成され、
前記第2のトランシーバ(2022)が、前記無線通信システムの第1のトランシーバ(2021)から、リソースのセットを記述する情報を受信するように構成され、
前記第1のトランシーバ(202 1 )によって報告される前記リソースのセットを考慮して、前記第2のトランシーバ(2022)は、前記サイドリンクのリソースセットのうちから候補リソースのセットを決定するように構成され、
前記第2のトランシーバ(2022)は、前記候補リソースのセットのうちから選択された選択リソースを用いて前記サイドリンク送信を実行するように構成され、
前記リソースのセットが前記第1のトランシーバ(2021)で決定され、
前記リソースのセットが、前記第2のトランシーバ(2022)の前記サイドリンク送信よって使用されないことが優先されるリソースのセットである、
第2のトランシーバ(2022)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の実施形態は、ワイヤレス通信の分野に関し、より具体的には、サイドリンク、SLを介した複数のユーザデバイス間のワイヤレス通信に関するものである。いくつかの実施形態は、調整されたUE間リソース割り当てに関する。
【0002】
図1は、図1(a)に示すように、コアネットワーク102と、1つ以上の無線アクセスネットワークRAN1、RAN2、...RANNとを含む地上波無線ネットワーク100の一例を模式的に示す図である。図1(b)は、1つ以上の基地局gNB1~gNB5を含み得る無線アクセスネットワークRANnの一例の概略図であり、それぞれが、それぞれのセル1061~1065によって概略的に表される基地局の周囲の特定の領域にサービスを提供する。基地局は、セル内のユーザにサービスを提供するために提供される。基地局(BS)という用語は、5GネットワークにおけるgNB、UMTS/LTE/LTE-A/LTE-A ProにおけるeNB、又は他の移動通信規格におけるBSを意味する。ユーザは、据え置き型デバイスであってもよいし、移動型デバイスであってもよい。また、ワイヤレス通信システムは、基地局又はユーザに接続する移動型デバイス又は静止型IoTデバイスによってアクセスされてもよい。移動型デバイス又はIoTデバイスは、物理デバイス、ロボット又は自動車などの地上ベースの車両、有人又は無人航空機(UAV)、後者はドローンとも呼ばれるなどの空中車両、建物、及びそこに電子デバイス、ソフトウェア、センサ、アクチュエータなどが埋め込まれた他の物品又はデバイス、ならびにこれらのデバイスが既存のネットワークインフラにわたってデータを収集及び交換することを可能にするネットワーク接続性を含んでもよい。図1(b)は、5つのセルの例示的な図を示しているが、RANnは、より多くの又はより少ないこのようなセルを含んでもよく、RANnはまた、1つの基地局のみを含んでもよい。図1(b)は、セル1062にあり、基地局gNB2によってサービスが提供される、ユーザデバイス、UEとも呼ばれる2つのユーザUE1及びUE2を示している。別のユーザUE3は、基地局gNB4によってサービスが提供されるセル1064に示されている。矢印1081、1082、1083は、ユーザUE1、UE2、UE3から基地局gNB2、gNB4へデータを送信するための、又は基地局gNB2、gNB4からユーザUE1、UE2、UE3へデータを送信するためのアップリンク/ダウンリンク接続を模式的に表している。さらに、図1(b)には、セル1064内の2つのIoTデバイス1101、1102が示されているが、これらは、静止デバイスであってもよいし、移動型デバイスであってもよい。IoTデバイス1101は、矢印1121で模式的に表されるように、基地局gNB4を介してワイヤレス通信システムにアクセスし、データの受信及び送信を行う。IoTデバイス1102は、矢印1122で模式的に表されるように、ユーザUE3を介してワイヤレス通信システムにアクセスする。それぞれの基地局gNB1~gNB5は、例えば、S1インターフェースを介して、図1(b)において「コア」を指す矢印で模式的に表されるそれぞれのバックホールリンク1141~1145を介してコアネットワーク102に接続されてもよい。コアネットワーク102は、1つ以上の外部ネットワークに接続されてもよい。さらに、それぞれの基地局gNB1~gNB5の一部又は全部は、例えば、NRにおけるS1又はX2インターフェース又はXNインターフェースを介して、図1(b)に「gNB」を指す矢印で模式的に表されるそれぞれのバックホールリンク1161~1165を介して互いに接続されてもよい。
【0003】
データ送信のために、物理リソースグリッドが使用されることがある。物理リソースグリッドは、様々な物理チャネル及び物理信号がマッピングされるリソース要素のセットを含むことができる。例えば、物理チャネルは、ダウンリンク、アップリンク、及びサイドリンクペイロードデータとも呼ばれるユーザ固有のデータを搬送する物理ダウンリンク、アップリンク、及びサイドリンク共有チャネル(PDSCH、PUSCH、PSSCH)、例えばマスター情報ブロック(MIB)を搬送する物理ブロードキャストチャネル(PBCH)、例えばシステム情報ブロック(SIB)などを搬送する物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)、例えばダウンリンク制御情報(DCI)、アップリンク制御情報(UCI)及びサイドリンク制御情報(SCI)などを搬送する物理ダウンリンク、アップリンク及びサイドリンク制御チャネル(PDCCH、PUCCH、PSSCH)などを含んでも良い。アップリンクについては、物理チャネル、又はより正確には3GPPによるトランスポートチャネルは、UEが同期され、MIB及びSIBを取得した後にネットワークにアクセスするためにUEsが使用する物理ランダムアクセスチャネル(PRACH又はRACH)をさらに含んでもよい。物理信号は、参照信号又はシンボル(RS)、同期信号等を含むことができる。リソースグリッドは、時間領域においてある持続時間を有し、周波数領域において所定の帯域幅を有するフレーム又は無線フレームを含むことができる。フレームは、事前に定義された長さ、例えば1msのある数のサブフレームを有してもよい。各サブフレームは、サイクリックプレフィックス(CP)長に応じて、12又は14のOFDMシンボルの1つ以上のスロットを含んでもよい。例えば、短縮された送信時間間隔(sTTI)や、わずか数個のOFDMシンボルを含むミニスロット/非スロットベースのフレーム構造を利用する場合、すべてのOFDMシンボルをDL又はULに使用することができ、又はサブセットのみを使用することができる。
【0004】
ワイヤレス通信システムは、直交周波数分割多重(OFDM)システム、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)システムのような周波数分割多重を用いた任意のシングルトーン又はマルチキャリアシステム、又はCPを伴う又は伴わない任意の他のIFFTベースの信号、例えばDFT-s-OFDMであってもよい。他の波形、例えば、多重アクセスのための非直交波形、例えば、フィルタバンクマルチキャリア(FBMC)、一般化周波数分割多重(GFDM)又はユニバーサルフィルタリングマルチキャリア(UFMC)が使用されてもよい。ワイヤレス通信システムは、例えば、LTE-Advanced pro規格又はNR(5G)、New Radio、規格に従って動作してもよい。
【0005】
図1に描かれた無線ネットワーク又は通信システムは、異なるオーバーレイネットワークを有する異種ネットワーク、例えば、各マクロセルが基地局gNB1~gNB5のようなマクロ基地局を含むマクロセルのネットワークと、フェムト又はピコ基地局のようなスモールセル基地局のネットワーク(図1には示されていない)によってもよい。
【0006】
上述した地上無線ネットワークに加えて、衛星のようなスペースボーン・トランシーバ、及び/又は無人航空機システムのようなエアボーン・トランシーバを含む非地上ワイヤレス通信ネットワークもまた存在する。非地上ワイヤレス通信ネットワーク又はシステムは、例えば、LTE-Advanced Pro規格又はNR(5G)、新無線、規格に従って、図1を参照して上述した地上システムと同様の方法で動作し得る。
【0007】
移動通信ネットワークにおいて、例えばLTE又は5G/NRネットワークのように、図1を参照して上述したようなネットワークにおいて、例えばPC5インターフェースを使用して、1つ以上のサイドリンク(SL)チャネルを介して互いに直接通信するUEsが存在し得る。サイドリンクを介して互いに直接通信するUEsは、他の車両と直接通信する車両(V2V通信)、ワイヤレス通信ネットワークの他のエンティティ(V2X通信)、例えばトラフィック信号、トラフィック標識、又は歩行者などの路側エンティティなどと通信する車両を含んでもよい。他のUEsは、車両関連UEsでなくてもよく、上述したデバイスのいずれかを含むことができる。このようなデバイスは、SLチャネルを使用して互いに直接通信(D2D通信)することもできる。
【0008】
サイドリンクを介して互いに直接通信する2つのUEsを考慮する場合、基地局がUEsに対してサイドリンクリソース割り当て設定又は支援を提供できるように、両方のUEsが同じ基地局によってサービスを提供される場合がある。例えば、両方のUEsは、図1に描かれた基地局のうちの1つのような基地局のカバレッジエリア(受信可能エリア、適用範囲エリア)内に存在してもよい。これは、「カバレッジ内(受信可能範囲内)」シナリオと呼ばれる。別のシナリオは、「カバレッジ外(受信可能範囲外)」シナリオと呼ばれる。「カバレッジ外」は、2つのUEsが図1に描かれたセルのうちの1つのセル内にないことを意味するのではなく、むしろ、以下のことを意味することに留意されたい。
それは、これらのUEsが、
- 基地局に接続されていない、例えば、RRC接続状態にないため、UEsは基地局からいかなるサイドリンクリソース割り当て設定又は支援も受信しないことがあり、及び/又は、
- 基地局に接続されているが、1つ以上の理由により、基地局はUEsに対してサイドリンクリソース割り当て設定又は支援を提供しないことがあり、及び/又は、
- NR V2Xサービスをサポートしない基地局(例えば、GSM、UMTS、LTE基地局)に接続されることがある。
【0009】
例えばPC5インターフェースを用いて、サイドリンクを介して互いに直接通信する2つのUEsを考えた場合、一方のUEsは、BSとも接続し、サイドリンクインターフェースを通じて、BSから他方のUEに情報を中継してもよい。中継は、同じ周波数帯で行ってもよいし(帯域内中継)、別の周波数帯を使用してもよい(帯域外中継)。第1の場合、Uu上の通信とサイドリンクを介した通信は、時分割二重通信(TDD)システムのように異なるタイムスロットを用いて切り離されてもよい。
【0010】
図2は、互いに直接通信する2つのUEsが共に基地局に接続されているカバレッジ内シナリオを模式的に表した図である。基地局gNBは、基本的に、図1に模式的に表されたセルに対応するサークル200で模式的に表されるカバレッジエリアを有する。互いに直接通信するUEsは、基地局gNBのカバレッジエリア200内にある第1の車両202と第2の車両204の両方を含む。両車両202,204は、基地局gNBに接続されており、さらに、PC5インターフェースを介して互いに直接接続されている。V2Vトラフィックのスケジューリング及び/又は干渉管理は、基地局とUEsとの間の無線インターフェースであるUuインターフェース上の制御信号を介して、gNBによって支援される。すなわち、gNBは、UEsに対してSLリソース割り当て設定又は支援を行い、gNBは、サイドリンクを介したV2V通信に使用するリソースを割り当てる。この設定は、NR V2Xではモード1設定、LTE V2Xではモード3設定とも呼ばれる。
【0011】
図3は、互いに直接通信するUEsが、ワイヤレス通信ネットワークのセル内に物理的に存在することはあっても、基地局に接続されていないか、互いに直接通信するUEsの一部または全部が基地局に接続しているが、基地局がSLリソース割り当て設定または支援を提供しない場合の、カバレッジ外シナリオを模式的に示す図である。3つの車両206、208、210が、例えばPC5インターフェースを使用して、サイドリンクを介して互いに直接通信しているのが示されている。V2Vトラフィックのスケジューリング及び/又は干渉管理は、車両間で実装されるアルゴリズムに基づく。この構成は、NR V2Xにおけるモード2設定、又はLTE V2Xにおけるモード4設定とも称される。上述したように、カバレッジ外シナリオである図3のシナリオは、必ずしもそれぞれのモード2UEs(NRの場合)又はモード4UEs(LTEの場合)が基地局のカバレッジ200の外にあることを意味するのではなく、それぞれのモード2UEs(NRの場合)又はモード4UEs(LTEの場合)が基地局によってサービスを受けていない、カバレッジエリアの基地局に接続していない、又は基地局に接続しているが基地局からSLリソース割り当て設定又は支援を受け取っていないことを意味している。したがって、図2に示すカバレッジエリア200内に、NRモード1又はLTEモード3 UEs 202、204に加えて、NRモード2又はLTEモード4 UEs 206、208、210も存在する状況が存在する可能性がある。
【0012】
当然、図4及び図5の考察から明らかになるように、第1の車両202がgNBによってカバーされている、すなわちgNBにUuで接続されており、第2の車両204がgNBによってカバーされておらず、PC5インターフェースを介して第1の車両202にのみ接続されている、又は第2の車両がPC5インターフェースを介して第1の車両202に接続しているがUuを介して別のgNBに接続しているという場合もありえる。
【0013】
図4は、2つのUEsがそれぞれ直接通信を行うシナリオを模式的に表した図であり、2つのUEsのうち1つのUEのみが基地局に接続されている。基地局gNBは、基本的に、図1に模式的に表されるセルに対応するサークル200で模式的に表されるカバレッジエリアを有する。互いに直接通信するUEsは、第1の車両202と第2の車両204とを含み、第1の車両202のみが基地局gNBのカバレッジエリア200に存在する。両車両202,204は、PC5インターフェースを介して互いに直接接続されている。
【0014】
図5は、2つのUEsがそれぞれ直接通信するシナリオを模式的に示す図であり、2つのUEsは、異なる基地局に接続されている。第1の基地局gNB1は、第1のサークル2001で模式的に表されるカバレッジエリアを有し、第2の基地局gNB2は、第2のサークル2002で模式的に表されるカバレッジエリアを有している。互いに直接通信するUEsは、第1の車両202及び第2の車両204を含み、第1の車両202は、第1の基地局gNB1のカバレッジエリア2001にあり、Uuインターフェースを介して第1の基地局gNB1に接続され、第2の車両204は、第2の基地局gNB2のカバレッジエリア2002にあり、Uuインターフェースを介して第2の基地局gNB2に接続されている。
【0015】
リソース割り当てモード
【0016】
現在、モード2リソース割り当てを使用する各UEは、最初にセンシングを行い、次にセンシング結果に基づくリソース選択、又はランダムな選択を行う。
【0017】
Release 16 V2X study item(SI)フェーズでは、モード2のリソース割り当てについて3つのサブモードで議論され、後に現在のモード2リソース割り当ての定義に統合された。モード2の3つのサブモードの定義については、以下[2]で簡単に説明する。
【0018】
第1のサブモードはモード2aである。このサブモードでは、UEは、異なるトランスポートブロック(TB)の複数の送信に対してリソース(複数可)が選択されるセミパーシスタント方式及び各TB送信に対してリソース(複数可)が選択される動的方式のコンテキストで送信用のサイドリンクリソースを自律的に選択し得る。
【0019】
第2のサブモードはモード2cである。定義によれば、モード2(c)UEは、サイドリンク送信のための単一又は複数のパターンで(事前に)設定される。ここでいうパターンとは、時間及び周波数におけるリソースの位置(複数可)、サイズ、及びリソースの数を意味する。
カバレッジ外シナリオの場合、UEはリソースプールごとに単一又は複数の送信パターンを事前に設定することを前提としている。カバレッジ内シナリオの場合、gNBはリソースプールごとにUE向けの送信パターンを設定によって示す。単一送信パターンで構成されたUEの場合、センシング手順は実行されないが、複数送信で構成されたUEの場合、センシングが行われる可能性がある。このモードは、最終的にRel.16ではサポートされなかった。
【0020】
第3のサブモードはモード2dである。第3のサブA UEは、上位レイヤの信号を介して、グループベースのSL通信で他のUEにサイドリンク設定を提供する[2]。この機能は、UE能力次第である。グループキャストベースのSL通信のコンテキストでは、UE-A(グループヘッド又はグループリード(グループリーダー)UEとも呼ばれる)は、そのカバレッジ下にあるgNBに、グループメンバーUE-B、UE-Cなどについて通知することができる。gNBは、UE-Aを介して、各グループメンバーに対して、個別のリソースプール設定及び/又は個別のリソース設定を提供することができる。UE-Aは、gNBから付与されたリソース設定を変更する能力を持たず、また、グループメンバーUEとgNBとの間に直接的な関連性はない。
【0021】
Rel-16では、最終的にモード2aがサイドリンクのリソース割り当てのためのモード2として考慮された。
【0022】
UEsの発見(Discovery of UEs)
【0023】
定義に基づくサイドリンク発見手順は、PC5を介してE-UTRA直接無線信号を使用して近接する他のUEを発見することができるUEによって使用されることができる。UEは、カバレッジ内又はカバレッジ外のいずれかになることができる。カバレッジ外シナリオの場合、ProSe有効(ProSe-enabled(ProSe=Proximity Service(近接サービス)))公共安全UEsのみがサイドリンク発見を実行できる。LTE[4]では、発見に関する2つのモデルが定義されており、以下では、これらのモデルについて簡単に説明する。
【0024】
LTE[4]で定義されている発見の第1のモデルは、モデルA("I am here")である。このモデルでは、ProSeが有効でProSe直接発見(Direct Discovery)に参加するUEに対して、2つの役割が定義されている。
- アナウンスUE:発見の許可を有する近接したUEsが使用できる特定の情報を告知するUE。
- モニタリングUE:アナウンスUEsの近傍で、関心のある特定の情報をモニタリングするUE。
【0025】
このモデルでは、アナウンスUEは事前に定義された発見間隔(ディスカバリ間隔)で発見メッセージをブロードキャストし、これらのメッセージに関心のあるモニタリングUEsはそれらを読んで処理する。
【0026】
LTE[4]で定義されている第2のモデルは、モデルB("who is there?"/"are you there?")である。このモデルは、制限付き発見タイプが使用されている場合、ProSe直接発見に参加するProSe有効UEsに対して2つの役割を定義している。
- 発見者UE(Discoverer UE):発見することに関心のあるものに関する特定の情報を含む要求を送信するUE。
- 被発見者UE(Discoveree UE):要求メッセージを受信したUEは、発見者の要求に関連するいくつかの情報で応答することができる。
【0027】
発見者UEは、応答を受信したい他のUEsに関する情報を送信するため、「who is there/are you there」と同等である。たとえば、情報はグループに対応するProSeアプリケーションIDについてであり、グループのメンバーは応答することができる。
【0028】
以上のことから、UEの通信の信頼性を高め、遅延を低減するために、UEsのリソース選択/割り当て手順を強化する必要がある。
【0029】
上記のセクションの情報は、あくまで本発明の背景の理解を深めるためのものであり、従って、先行技術を形成せず、当業者にとってまだ知られていない情報を含んでいる可能性があることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1図1は、ワイヤレス通信システムの一例を模式的に示す図である。
図2図2は、互いに直接通信するUEsが基地局に接続されるカバレッジ内シナリオを模式的に示す図である。
図3図3は、互いに直接通信するUEsが基地局からSLリソース割り当て設定又は支援を受けないカバレッジ外シナリオを模式的に示す図である。
図4図4は、互いに直接通信するUEsの一部が基地局からSLリソース割り当て設定又は支援を受けない部分的なカバレッジ外シナリオを模式的に示す図である。
図5図5は、互いに直接通信するUEsが異なる基地局に接続されているカバレッジ内シナリオを模式的に示す図である。
図6図6は、基地局又は中継器のようなトランシーバと、UEsのような複数の通信デバイスとを含むワイヤレス通信システムの概略図である。
図7図7は、第1のトランシーバ、第2のトランシーバ、及び第3のトランシーバを有するワイヤレス通信システムの概略図であり、これらはワイヤレス通信システムの基地局のカバレッジ内である。
図8図8は、第1のトランシーバ、第2のトランシーバ、及び少なくとも第3のトランシーバを有するワイヤレス通信システムの概略図であり、第1のトランシーバ及び第2のトランシーバは基地局のカバレッジ内であり、少なくとも第3のトランシーバは基地局のカバレッジ外である。
図9図9は、サイドリンクを介して互いに直接通信する第1のトランシーバ及び少なくとも第2のトランシーバを含むワイヤレス通信システムの概略図である。
図10図10は、サイドリンクを介して互いに直接通信する第1のトランシーバ及び少なくとも第2のトランシーバを含むワイヤレス通信システムの概略図である。
図11図11は、サイドリンクを介して互いに直接通信する第1のトランシーバ及び少なくとも第2のトランシーバを含むワイヤレス通信システムの概略図である。
図12図12は、予約されたリソースの支援された先取りを示す例示的な図である。
図13図13は、本発明のアプローチに従って説明される方法のステップと同様にユニット又はモジュールが実行され得るコンピュータシステムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下の説明では、同等又は同等の機能を持つ要素には、同等又は同等の参照番号を付している。
【0032】
以下の説明では、本発明の実施形態のより詳細な説明を提供するために、複数の詳細説明が記載されている。しかしながら、本発明の実施形態は、これらの具体的な詳細説明なしに実施され得ることは、当業者には明らかであろう。他の例では、本発明の実施形態を不明瞭にしないために、周知の構造及びデバイスを詳細ではなくブロック図の形態で示す。さらに、以下に説明する異なる実施形態の特徴は、特に断りのない限り、互いに組み合わせてもよい。
【0033】
本発明の実施形態は、NR sidelink[1]のRel-17 work item(WI)で議論される予定の"UE間調整"の課題に関するものである。UE間調整は、リソース割り当ての強化であり、定義によれば、"UE-Aでリソースのセットが決定される。このセットはモード2でUE-Bに送信され、UE-Bは自身の送信のためのリソース選択でこれを考慮する"と定義されている。
【0034】
本発明の実施形態は、基地局、gNB、又は中継器のようなトランシーバと、ユーザ装置、UEsのような複数の通信デバイスとを含む図1図5に示されるようなワイヤレス通信システム又はネットワークにおいて実装され得る。図6は、基地局又は中継器のようなトランシーバ200と、UEsのような複数の通信デバイス2021~202nとを含むワイヤレス通信システムの模式図である。UEsは、無線リンクのようなワイヤレス通信リンク又はチャネル203を介して(例えば、PC5インターフェース(サイドリンク)を用いて)、互いに直接通信することができる。さらに、トランシーバとUEs202は、無線リンクのようなワイヤレス通信リンク又はチャネル204を介して通信することができる(例えば、uUインターフェースを用いて)。トランシーバ200は、1つ以上のアンテナANT又は複数のアンテナ素子を有するアンテナアレイ、信号処理装置200a及びトランシーバユニット200bを含むことができる。UEs202は、1つ以上のアンテナANT又は複数のアンテナ素子を有するアンテナアレイ、信号処理装置202a1~202an、及びトランシーバユニット202b1~202bnを含む場合がある。基地局200及び/又は1つ以上のUEs202は、本明細書に記載された本発明の教示に従って動作することができる。
【0035】
実施形態は、ワイヤレス通信システムの少なくとも2つのトランシーバ[例えば、UE X及びUE A]間で未使用リソースを共有する方法を提供し、少なくとも2つのトランシーバのうちの少なくとも第2のトランシーバ[例えば、UE A]は、サイドリンクを介したサイドリンク通信[例えば、送信及び/又は受信]のためのリソースがワイヤレス通信システムによって事前に設定されるか、又は第2のトランシーバによって自律的にスケジューリングされる、サイドリンクカバレッジ内、カバレッジ外又は部分的にカバレッジ外のシナリオ[例えば、NRサイドリンクモード[例えば、モード1又はモード2]]で動作する。この方法は、少なくとも2つのトランシーバのうちの第1のトランシーバ[例えば、UE X]によって、第1のトランシーバの未使用リソースのセットを第2のトランシーバに[例えば、未使用リソースのセットを記述する情報を送信することによって]報告するステップを備える。さらに、本方法は、第2のトランシーバ[例えば、UE A]によって、サイドリンクのリソースのうち候補リソースのセットを決定するステップを備え、候補リソースのセットは、第1のトランシーバの未使用リソースの少なくとも一部を含む。さらに、本方法は、第2のトランシーバによって、候補リソースのセットから選択された選択リソースを用いてサイドリンク送信を実行するステップを備える。
【0036】
実施形態において、未使用リソースのセットは、基地局によって第1のトランシーバに割り当てられた、又はサイドリンクのリソースの第1のセット[例えば、サブチャンネル、リソースプール又は帯域幅部分]の連続的又は部分的なセンシングを行うことによって自律的に第1のトランシーバに割り当てられた、割り当てられたリソースのセットのサブセットである。
【0037】
実施形態において、未使用リソースは、通常リソースプール、サイドリンクリソースプール[例えば、共有モード1又はモード2リソースプール]、又は例外的なプールのリソースである。
【0038】
実施形態において、第2のトランシーバによって、候補リソースのセットを決定することは、第2のトランシーバによって、サイドリンクのリソースの第2のセット[例えば、サブチャネル、リソースプール又は帯域幅部分]の連続又は部分センシングを行うことをさらに含み、第1のリソースのセット及び第2のリソースのセットは、同じリソースのセット、異なるリソースのセット、時間又は周波数の両方において連続する又は連続しない部分的に重複するリソースのセットである。
【0039】
実施形態において、第1のトランシーバの未使用リソースは、定期的に、又は外部イベント[例えば、イベントトリガー]に応答して報告される。
【0040】
実施形態において、第1のトランシーバの未使用リソースのセットは、ワイヤレス通信システムの基地局を経由して第2のトランシーバに報告される。
【0041】
実施形態において、第2のトランシーバは、サイドリンクカバレッジ内シナリオ[例えば、サイドリンクモード2]で動作しており、第1のトランシーバから基地局へアップリンク送信を送信することによって、未使用リソースのセットが第1のトランシーバによって報告され、アップリンク送信が、未使用リソースのセットを記述する情報[例えば、時間及び周波数の観点又はビットマップとしてのリソースの位置]を含み、未使用リソースのセット又はその固有のサブセットは、基地局から少なくとも2つのトランシーバのうちの少なくとも第2のトランシーバへのマルチキャスト又はブロードキャスト送信[例えば、SIBブロードキャスト]によって第2のトランシーバに報告され、マルチキャスト又はブロードキャスト送信は、未使用リソースのセット又はその固有のサブセットを記述する情報[例えば、未使用リソースのリスト]を含む。
【0042】
実施形態において、第1のトランシーバの未使用リソースのセットは、さらにワイヤレス通信システムの第3のトランシーバ[例えば、UE-D]を介して第2のトランシーバに報告される。
【0043】
実施形態において、第2のトランシーバは、カバレッジ外シナリオで動作しており、未使用リソースのセットは、第1のトランシーバから基地局へのアップリンク送信を送信することによって第1のトランシーバによって報告され、アップリンク信号送信は、未使用リソースのセットを記述する情報[例えば、時間及び周波数の観点での又はビットマップとしてのリソースの位置]を含み、未使用リソースのセット又はその固有のサブセットは、基地局から少なくとも2つのトランシーバのうちの少なくとも第3のトランシーバへのマルチキャスト送信又はブロードキャスト送信[例えば、SIBブロードキャスト]によって第3のトランシーバに報告され、マルチキャスト又はブロードキャスト送信は、未使用リソースのセット又はその固有のサブセットを記述する情報[例えば、未使用リソースのリスト]を含み、未使用リソースのセット又はその固有のサブセットは、グループキャスト又はユニキャスト送信の手段により、第3のトランシーバから少なくとも第2のトランシーバへのグループキャスト送信によって第2のトランシーバに報告され、グループキャスト又はユニキャスト送信は、未使用リソースのセット又はその固有のサブセットを記述する情報[例えば、未使用リソースのリスト]を含む。
【0044】
実施形態において、本方法は、第2のトランシーバ[例えば、UE A]によって、第2のトランシーバのサイドリンク送信のための候補リソースのセットのうちのリソースを選択するステップと、第2のトランシーバによって、選択されたリソースにおいてサイドリンク送信を送信するステップとをさらに備え、以下のうちの少なくとも1つに依存してサイドリンク送信のリソースの選択するステップにおいて、候補リソースのセットに含まれる第1のトランシーバの未使用リソースのセットのうちの未使用リソースが考慮される。
- 第1のトランシーバと第2のトランシーバとの間の距離。
- 第1のトランシーバ及び第2のトランシーバがワイヤレス通信システムの同じゾーンに配置されているかどうか。
- 第2のトランシーバ又は第2のトランシーバのサイドリンク送信に関連づけられた優先度閾値の優先度。
- 第2のトランシーバのバッテリレベル。
- 基地局から受信した信号情報。
- 最小通信範囲。
【0045】
実施形態において、第1のトランシーバの未使用リソースのセットは、サイドリンク送信を介して第2のトランシーバに直接報告され、第1のトランシーバから第2のトランシーバへのサイドリンク送信は、第1のトランシーバの未使用リソースのセットを記述する情報を含んでいる。
【0046】
実施形態において、第1のトランシーバから第2のトランシーバへのサイドリンク送信は、第1のトランシーバの未使用リソースのセットをフィールドで記述する情報を含む、第1段階のシステム制御情報(SCI)送信である。
【0047】
実施形態において、第1のトランシーバの未使用リソースを記述する情報は、第1のトランシーバによって以前に予約された以前予約リソースの取り消しを示し、ひいては未使用リソースのセットを更新する指標[例えば、トグリングビット]を含む。
【0048】
実施形態において、本方法は、第1のトランシーバによって、第1のトランシーバから第2のトランシーバへさらなるサイドリンク送信を行うステップをさらに備え、さらなる送信は、第1のトランシーバの未使用リソースのセット又はその少なくとも固有のサブセットがもはや利用できないことを示す。
【0049】
実施形態において、第1のトランシーバから第2のトランシーバへの更なるサイドリンク送信は、第2段階のシステム制御情報(SCI)送信である。
【0050】
実施形態において、サイドリンク送信は、第1のトランシーバの未使用リソースのセットをフィールドで記述する情報を含む第2段階のシステム制御情報(SCI)送信であり、第2段階のサイドリンク制御情報に先行する第1段階のシステム制御情報(SCI)送信は、第2段階のシステム制御情報(SCI)送信における第1のトランシーバの未使用リソースのセットを記述する情報の送信を示す指標を含む。
【0051】
実施形態において、第1のトランシーバの未使用リソースを記述する情報は、第1のトランシーバによって以前に予約された以前予約リソースの取り消しを示し、ひいては未使用リソースのセットを更新する指標[例えば、トグルビット]を含む。
【0052】
実施形態において、方法は、第2のトランシーバ[例えば、UE A]によって、第2のトランシーバから第1のトランシーバ[例えば、UE X]にリソース共有要求[例えば、リソース共有要求を伴うサイドリンク送信]を送信するステップをさらに備え、リソース共有要求は、第1のトランシーバの未使用リソースのセットの共有を要求し、未使用リソースのセットは、リソース共有要求に応答して第1のトランシーバによって第2のトランシーバに報告される。
【0053】
実施形態において、リソース共有要求は、専用の制御又はデータ信号、又は第1段のシステム制御情報(SCI)内のフィールドによって、第2のトランシーバから第1のトランシーバに送信される。
【0054】
実施形態において、リソース共有要求は、以下のうちの少なくとも1つに依存して、第2のトランシーバ[例えば、UE A]から第1のトランシーバ[例えば、UE X]に送信される。
- 第1のトランシーバと第2のトランシーバとの間の距離。
- 第1のトランシーバと第2のトランシーバとが最小通信範囲内にあること。
- 第1のトランシーバと第2のトランシーバが同じゾーン内又は近接するゾーン内に配置されていること。
- 第1のトランシーバと第2のトランシーバがTX-RX距離とzoneconfigとMCRの両方の組合せに属していること。
【0055】
実施形態において、第1のトランシーバの未使用リソースのセットを記述するサイドリンク送信は、以下の条件の少なくとも1つが当てはまる場合、第1のトランシーバから第2のトランシーバにのみ送信される。
- 第1のトランシーバと第2のトランシーバとの間に距離。
- 第1のトランシーバと第2のトランシーバが最小通信範囲内にあること。
- 第1のトランシーバと第2のトランシーバが同じゾーン内又は近接するゾーンのグループ内に配置されていること。
- 第2のトランシーバによって送信されるデータは、第1のトランシーバによって送信されるデータよりも高い優先度又は高いサービス品質(QoS)要件を有すること。
- 第2のトランシーバから第1のトランシーバへの送信の測定されたRSSI値が閾値[例えば、事前に定義された閾値]以下であること。
- 第1のトランシーバが未使用リソースのセットの共有を受け入れるためのサイドリンクCSIベースの手順。
- ハイブリッド自動リピート要求(HARQ)送信のNACKを受信しないこと。
【0056】
実施形態では、第1のトランシーバから第2のトランシーバへのサイドリンク送信は、サイドリンク発見ビーコン送信である。
【0057】
実施形態では、第1のトランシーバから第2のトランシーバへのサイドリンク送信は発見チャネルである。
【0058】
実施形態において、第1のトランシーバの未使用リソースのセットを記述する情報を含む第1のトランシーバから第2のトランシーバへのサイドリンク送信は、第2のトランシーバ又は別のトランシーバが未使用リソースのセットを使用できる時間帯[例えば、有効時間]を記述する情報をさらに含む。
【0059】
実施形態において、方法は、第2のトランシーバによって、第2のトランシーバから第1のトランシーバにリソース共有要求を送信するステップをさらに備え[例えば、ディスカバリータイプ2を介して]、リソース共有要求は、第1のトランシーバの未使用リソースのセットの共有を要求し、本方法は、第1のトランシーバによって、第1のトランシーバから第2のトランシーバにリソース共有応答を送信するステップをさらに備え、リソース共有応答は、未使用リソースのセットの利用可能性を示す。前記方法は、第2のトランシーバによって、第1のトランシーバから第2のトランシーバへリソース共有確認を送信するステップをさらに含み、未使用リソースのセットを記述する情報を有するサイドリンク送信は、リソース共有要求に応答して、第1のトランシーバから第2のトランシーバへ送信される。
【0060】
実施形態において、第2のトランシーバは、脆弱なロードユーザ装置(VRU-UE)[例えば、歩行者UE又はオートバイUE]であり、未使用リソースのセットは、脆弱なロードユーザ装置に直接又はロード側ユニット又は中継器[例えば、L2又はL3]を介して報告される。
【0061】
実施形態において、脆弱なロードユーザ装置は、第2のトランシーバのサイドリンク送信のためのサイドリンクのリソースのうち、候補リソースのセット[例えば、上位層、例えば、MACに報告される]を未使用リソースのセットに基づいてのみ決定する[例えば、候補リソースのセットは未使用リソースのセットのサブセットであり][例えば、センシングに基づいていない]。
【0062】
実施形態において、未使用リソースのセットは、第1のトランシーバによってワイヤレス通信システムのトランシーバのグループに報告され、グループは第2のトランシーバを含み、未使用リソースのセットの報告は、第1のトランシーバからトランシーバのグループの各トランシーバへのサイドリンク送信[例えば、PC5-RRC]によって専ら実行されるか、又は、未使用リソースのセットの報告が、トランシーバのグループに対するグループキャスト又はブロードキャストサイドリンク送信によって実行され、及び/又は、未使用リソースのセットの報告が、トランシーバのグループのトランシーバのDRXアクティブ期間に依存して実行される。
【0063】
実施形態において、未使用リソースのセットは、渋滞測定に応答して、第1のトランシーバによって報告される。
【0064】
実施形態において、未使用リソースのセットは、予測されたカバレッジ外シナリオに起因して第1のトランシーバによって予測され、未使用リソースのセットは、カバレッジ外シナリオを予測することに応答して、第1のトランシーバによって第2のトランシーバに報告される。
【0065】
実施形態において、未使用リソースのセットは、予測されるハンドオーバーに応答して、第1のトランシーバによって第2のトランシーバに報告される。
【0066】
実施形態において、未使用リソースのセットは、後続の送信期間[例えば、サブフレーム]における第1のトランシーバのサービス品質(QoS)、要件に依存して、第1のトランシーバによって第2のトランシーバに報告される。
【0067】
さらなる実施形態は、ワイヤレス通信システムの少なくとも2つのトランシーバ[例えば、UE X及びUE A]間でリソースを共有する方法を提供し、少なくとも2つのトランシーバのうち少なくとも第2のトランシーバ[例えば、UE A]は、サイドリンクを介したサイドリンク通信[例えば、送信及び/又は受信]のためのリソースがワイヤレス通信システムによって事前に設定されるか、又は第2のトランシーバによって自律的にスケジューリングされる、サイドリンクカバレッジ内、カバレッジ外又は部分的にカバレッジ外のシナリオ[例えば、NRサイドリンクモード[例えば、モード1又はモード2]]において動作する。この方法は、少なくとも2つのトランシーバの第1のトランシーバ[例えば、UE X]によって、リソースのセットを記述する情報[例えば、支援情報又は調整情報]を送信することによって、リソースのセットを第2のトランシーバに報告するステップを含む。
【0068】
方法は、第2のトランシーバ[例えば、UE A]によって、サイドリンクのリソースのうち候補リソースのセットを決定するステップを備え、候補リソースのセットは、第1のトランシーバによって報告されたリソースのセットの少なくとも一部を含む。さらに、方法は、第2のトランシーバによって、候補リソースのセットのうち選択された選択リソースを使用してサイドリンク送信を実行するステップを含む。
【0069】
実施形態において、リソースのセットは、以下のうち少なくとも1つである。
- 未使用リソースのセット。
- 利用可能なリソースのセット。
- 優先されるリソースのセット。
- 優先されないリソースのセット。
【0070】
実施形態では、リソースのセットを記述する情報は、以下のうち1つである。
- リソースのセットそのもの。
- センシング情報[例えば、完全な生信号測定又はセンシングレポート]。
- リソースマップ。
【0071】
実施形態において、第1のトランシーバから第2のトランシーバに報告されるリソースのセットは、選択基準[例えば、第2のトランシーバのサイドリンク送信にとって優先されるそれらのリソース、又は第2のトランシーバのサイドリンク送信に使用しないリソース]に依存して第1のトランシーバによって選択されるリソースのセットを含む。
【0072】
実施形態において、リソースのセットを記述する情報[例えば、支援情報又は調整情報]は、第1のトランシーバから第2のトランシーバに、以下を介して送信される。
- 物理層[例えば、ロングSCIフォーマット、ショートSCIフォーマット、又は第1段階もしくは第2段階の支援情報もしくは調整情報メッセージ中]。
- 上位層[例えば、RRCメッセージ、PC5-RRCメッセージ、又はMAC CE]。
【0073】
実施形態において、情報[例えば、支援情報又は調整情報]によって示されるリソースのセットは、帯域幅部におけるリソースプールの数を監視することによって第1のトランシーバによって決定され、監視されるリソースプールの数は、電力消費基準に依存して適応的に調整される。
【0074】
実施形態において、方法は、第1のトランシーバから第2のトランシーバ又はワイヤレス通信システムの別のトランシーバに、第1のトランシーバによって監視される帯域幅部のリソースプールを記述する情報[例えば、支援情報]を送信するステップをさらに備える。
【0075】
実施形態では、情報は第2段階のSCIフォーマット又はPC5-RRCメッセージを介して送信される。
【0076】
実施形態において、この方法は、第1のトランシーバから第2のトランシーバにコンテキスト情報を送信するステップをさらに備え、コンテキスト情報は、以下のうちの少なくとも1つを記述する。
- 優先されるリソースのセット。
- 優先されないリソースのセット。
【0077】
実施形態において、サイドリンク送信は、優先されるリソースのセット及び/又は優先されないリソースのセットに基づいて候補リソースのセットから選択された選択リソースを用いて、第2のトランシーバによって実行される。
【0078】
実施形態では、コンテキスト情報は、第1のSCIによって示される第2のSCIフォーマットを介して送信される。
【0079】
実施形態において、コンテキスト情報が優先されるリソースのセットを記述する場合、それらのリソースが、優先されるリソースのセットと一致する候補リソースのセットのうちから選択されることが好ましいか、又は、コンテキスト情報が優先されないリソースのセットを記述する場合、それらのリソースが、優先されないリソースのセットと異なる候補リソースのセットのうちから選択されることが好ましい。
【0080】
実施形態において、この方法は、第1のトランシーバで、第1のサイドリンク送信のために第1のトランシーバによって選択された1つ以上の選択リソースの予約を示す第1の予約情報を送信するステップをさらに備え、この方法は、第2のトランシーバで、第2のサイドリンク送信のために第2のトランシーバによって選択された1つ以上の選択リソースの予約を示す第2の予約情報を送信するステップをさらに備え、この方法は、第3のトランシーバで、第1の予約情報及び第2の予約情報を受信し、第1の予約情報及び第2の予約情報の両方によって少なくとも1つの予約リソースが予約されているかどうかを判断するステップをさらに備え、この方法は、第3のトランシーバによって、第1のトランシーバ又は第2のトランシーバに支援情報又は調整情報を送信するステップをさらに備え、支援情報又は調整情報が少なくとも1つの予約リソースを先取りするようにそれぞれのトランシーバを制御するように構成される。
【0081】
実施形態において、支援情報又は調整情報は、優先度、サービス品質パラメータ又はそれぞれの予約情報によって示される先取り選択(pre-emption selection)のための他のメトリックに依存して、第1のトランシーバ又は第2のトランシーバのいずれかに送信される。
【0082】
実施形態では、第1の予約情報と第2の予約情報とは、同じスロットで送信される。
【0083】
さらなる実施形態は、ワイヤレス通信システムの第1のトランシーバを提供し、第1のトランシーバは、サイドリンクを介したサイドリンク通信用のリソース[例えば、送信及び/又は受信]がワイヤレス通信システムによって事前に設定されるか、又は第1のトランシーバによって自律的にスケジュールされる、サイドリンクカバレッジ内、カバレッジ外又は部分的にカバレッジ外のシナリオ[例えば、NRサイドリンクモード[例えば、モード1又はモード2]]内で動作するように構成され、第1のトランシーバは、第1のトランシーバの未使用リソースのセットをワイヤレス通信システムの第2のトランシーバに[例えば、未使用リソースのセットを記述する情報を送信することによって]報告するよう構成される。
【0084】
さらなる実施形態は、ワイヤレス通信システムの第2のトランシーバを提供し、第2のトランシーバは、サイドリンクを介したサイドリンク通信用のリソース[例えば、送信及び/又は受信]が、ワイヤレス通信システムによって事前に設定されるか、又は第2のトランシーバによって自律的にスケジュールされる、サイドリンクカバレッジ内、カバレッジ外又は部分的にカバレッジ外のシナリオ[例えば、NRサイドリンクモード[例えば、モード1又はモード2]]で動作するように構成され、第2のトランシーバが、ワイヤレス通信システムの第1のトランシーバの未使用リソースのセットを記述する情報を受信するように構成され、第2のトランシーバは、サイドリンクのリソースのうち候補リソースのセットを決定するように構成され、候補リソースのセットは、第1のトランシーバの未使用リソースの少なくとも固有のサブセットを含み、第2のトランシーバは、候補リソースのセットのうち選択された選択リソースを使用してサイドリンク送信を実行するように構成される。
【0085】
さらなる実施形態は、第1のトランシーバ及び第2のトランシーバを備える、ワイヤレス通信システムを提供する。
【0086】
さらなる実施形態は、ワイヤレス通信システムの第1のトランシーバを動作させるための方法を提供する。この方法は、ワイヤレス通信システムの第1のトランシーバを、サイドリンクを介したサイドリンク通信[例えば、送信及び/又は受信]用のリソースがワイヤレス通信システムによって事前に設定されるか、又は第1のトランシーバによって自律的にスケジューリングされる、サイドリンクカバレッジ内、カバレッジ外又は部分的にカバレッジ外のシナリオ[例えば、NRサイドリンクモード[例えば、モード1又はモード2]]で動作させるステップを備える。さらに、本方法は、第1のトランシーバの未使用リソースのセットをワイヤレス通信システムの第2のトランシーバに[例えば、未使用リソースのセットを記述する情報を送信することによって]報告するステップを含む。
【0087】
さらなる実施形態は、ワイヤレス通信システムの第2のトランシーバを動作させる方法を提供する。本方法は、ワイヤレス通信システムの第2のトランシーバを、サイドリンクを介したサイドリンク通信[例えば、送信及び/又は受信]用のリソースがワイヤレス通信システムによって事前に設定されるか、又は第2のトランシーバによって自律的にスケジューリングされる、サイドリンクカバレッジ内、カバレッジ外又は部分的にカバレッジ外のシナリオ[例えば、NRサイドリンクモード[例えば、モード1又はモード2]]で動作させるステップを備える。さらに、本方法は、ワイヤレス通信システムの第1のトランシーバから未使用リソースのセットを記述する情報を受信するステップを備える。さらに、本方法は、サイドリンクのリソースのうち候補リソースのセットを決定するステップを備え、候補リソースのセットは、第1のトランシーバの未使用リソースの少なくとも固有のサブセットを含む。さらに、本方法は、候補リソースのセットから選択された選択リソースを使用してサイドリンク送信を実行するステップを備える。
【0088】
本実施形態は、V2Xのリソース割り当て手順を強化することにより、UE間の調整を可能にする。この強化の動機は、TR37.885で定義されたPRRとPIRの両方を考慮した、信頼性の向上と遅延の低減にある。
【0089】
実施形態では、UE間調整のために専用のリソースセットを使用し、衝突(collision、競合)を最小化することによってPRR及びPIRを改善するのに役立つ。
【0090】
さらに、実施形態では、カバレッジ内、カバレッジ外又は部分的にカバレッジ外で動作するUEのためのUE間調整に関して、以下の態様が議論されている。
1.UE Aは、モード2のUE-B(複数可)に未使用である決定されたリソースをどのように発見し、送信するか?
〇L1/L2及びL3信号手順により、他のUEのために送信/受信のリソースを提供(スケジュール/支援)する。
・他のUEのスケジュール/支援に使用できるリソースはどれか。
〇近隣のUE-B(複数)を決定するための発見手順(L1&L2の両方]
【0091】
実施形態において、UE間調整は、UE、例えばUE-Aがその未使用リソースのセットを別のUE、例えばUE-Bに送信することが可能である、最初に定義されたサブモード2a及びモード2dを広く包含することが分かる。未使用リソースのセットは、完全なリソース又は例えばUE-Aで決定されたリソースのサブセットのいずれかであることができる。UE間の調整の問題がグループキャストの観点から見られる場合、SLでさえも階層的なセットアップに従う、すなわち、UEはこの特定のグループに関連するUEsに対するローカルマネージャ又はグループヘッドとして動作する。したがって、この場合、リソースを送信する必要があるUEsを発見する必要はない。逆に、UEsがどのグループにも属さない場合、D2D通信[3]と同様の発見手順で、又はRel-16[2]の最小通信範囲などの地理位置(ジオロケーション)情報に基づいて、近接したUEを特定することが可能である。
【0092】
したがって、実施形態は、近接するUEsを発見し、既に認可された未使用リソースを他のUEに伝達することに関するものである。UEsは、完全なカバレッジ外、カバレッジ内、又は部分的なカバレッジのシナリオで動作し得るモード2(自律的リソース割り当て)であると仮定される。また、未使用リソースとして識別されるリソースは、通常リソースプール、モード1及びモード2の共有リソースプール、又は例外的なプールからのものである可能性がある。
【0093】
実施形態において、L1信号は、主に、制御チャネルPSCCH及びフィードバックチャネルPSFCH、すなわちSCI及びフィードバックチャネルの拡張が含まれ、上位層によって与えられる関連するQoS及びTX-RX距離が考慮される。
リソース情報の交換に関する手順、及びこれをどのUEsと共有するかについては以下の実施形態で説明する。
- すべてのUEsがRRC_IDLE状態/RRC_INACTIVE状態でSIBを受信できるカバレッジ内のモード2におけるUEのためのサイドリンク未使用リソース報告及び手順。
- カバレッジ外のモード2のUEのためのサイドリンク制御情報の拡張。さらに、グループキャストやユニキャストなど、特定のケースに対するフィードバックチャネルの強化。
- 部分的にカバレッジのモード2用のサイドリンク未使用リソース報告。
- 未使用リソースを専ら共有するUEsを特定するための発見手順。
- 歩行者の場合のUE-UE信号手順。
- グループキャストシナリオに固有のUE間調整。
- 手順のための追加トリガ条件
【0094】
以下、本発明の実施の形態についてさらに詳細に説明する。
【0095】
実施の形態1:基地局及び制御チャネルを介した未使用リソース報告
【0096】
本実施形態では、カバレッジ内、カバレッジ外、又は部分的にカバレッジ外の場合に、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)の未使用リソースを近接するUEs、例えば、第2のトランシーバ(例えば、UE-A)及び第3のトランシーバ(例えば、UE-B)と交換する方法についての報告手順について説明する。以下に述べるオプションは、報告手順に関する異なる可能なオプションの例をカバーするものである。
【0097】
それによって、本明細書では、利用可能な未使用又は未使用リソースを有するUEは、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)と呼ばれることに留意されたい。グループキャスト通信の場合、このUEは、グループのグループヘッド/グループリード、例えば、小隊におけるグループヘッドとして機能し得る。リソースを要求するUEsは、第2トランシーバ(例えば、UE-A)、第3トランシーバ(例えば、UE-B)、第4トランシーバ(例えば、UE-C)等と称される。
【0098】
オプション1:すべてのUEsがカバレッジ内にある場合
【0099】
このオプションでは、カバレッジ内モード2のために、単一のトランシーバ(例えば、UE)又は複数のトランシーバ(例えば、UEs)にその未使用リソースを提供することを望むトランシーバ(例えば、UE)の信号態様が議論される。
【0100】
図7は、ワイヤレス通信システムの基地局200(gNB)のカバレッジ内である第1のトランシーバ2021(UE-X)、第2のトランシーバ2022(UE-A)及び第3のトランシーバ2023(UE-B)を備えるワイヤレス通信システムの模式図である。第1のトランシーバ2021(UE-X)は、例えば、未使用リソースのセットを記述する情報を送信することによって、基地局200(gNB)を介して第2のトランシーバ2022(UE-B)及びオプションとして第3のトランシーバ2023(UE-B)に未使用リソースのセットを報告するよう構成される。すなわち、図7は、第2のトランシーバ(例えば、UE-A)及び第3のトランシーバ(例えば、UE-B)がモード2であり、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)がモード1であるカバレッジ内シナリオの一例を示す説明図である。
【0101】
図7に示すようにステップを要約すると、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)は、それに付与された未使用リソースを有する。これは、所定の期間に必要とされない、定期的に予約されたリソースに起因する場合がある。それは、これらの未使用リソースを基地局(例えば、gNB)に報告し、基地局は、このリソースセットを、例えば、SIBを介して、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)の近傍にあるトランシーバ(例えば、UEs)にブロードキャスト送信する。第1のトランシーバ(例えば、UE-X)によるこの報告は、イベントトリガされ得る。
【0102】
続いて、第1のトランシーバから少なくとも第2のトランシーバに未使用リソースを報告する異なるステップについて、さらに詳細に説明する。
【0103】
実施形態において、第1のステップ(ステップ1)において、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)は、例えば、センシングを介して、又は基地局(例えば、gNB)によって付与された、その既存のサービス(複数可)に対するリソースのセットを特定し、いくつかの追加の利用可能な未使用リソース(複数可)を有することができる。トランシーバ(例えば、UE-X)は、専用信号を介して、その未使用リソースを基地局(例えば、gNB)に報告する。未使用リソースは、例えば、時間及び周波数の観点からリソース要素の位置として、又はビットマップとして、周期性又は有効時間と共に、任意にトランシーバ(例えば、UE-X)の地理位置(例えば、MCR/TX-RX距離又はゾーンID)及び速度と共に報告されることが可能である。また、このレポートをトリガするための1つの追加の基準は、QoSベースの閾値である可能性があり、例えば、優先度(例えば、thresSL-TxPrioritizationと同様)が送信される可能性があり、この閾値を超えたときにトランシーバ(例えば、UE-X)だけがこの未使用リソースを報告することを可能にすることができる。この未使用リソースの報告は、RRC内の新しい情報要素(IE)であるか、又はこの情報がUE-Assistance[5]に追加されるかのいずれかである可能性がある。対応する情報要素の例を以下に示す。基地局(例えば、gNB)は、例えば、モード1のUEsにリソースを付与するレポートをセンシングするリリース15から利用可能な情報を使用することができる。
【0104】
具体的には、対応するSL測定報告(SL Measurement Reporting)[5]情報要素であるIEの例は、以下のようになり得る。これにより、以下の例において、黄色でハイライトされている要素(網掛けされている要素)は、本明細書に記載される発明的アプローチに従って、提供、修正又は変更され得る。
【0105】
【0106】
実施形態では、第2のステップ(ステップ2)において、基地局(例えば、gNB)は、次に、ステップ1において特定されたリソースを、SIB Xを介してトランシーバ(例えば、UEs(UE-A及び/又はUE-B))にブロードキャストしてもよい。例えば、このブロードキャストメッセージには、トランシーバ(例えば、UE-X)が提供する未使用リソース(これは、基地局、例えば、gNBによる速度及び地理位置に基づいて推測される)の未使用リソースのリスト(例えば、SIBX内のv2x-Communused Resources)がMCR及びリソースの時間周波数位置と共に含まれる。
【0107】
対応するSystemInformationBlockTypeX[5]情報要素、IEの例は、以下のようになり得る。これにより、以下の例において、黄色でハイライトされている要素(網掛けされている要素)は、本明細書に記載された発明的アプローチに従って提供、修正、又は変更され得る。
【0108】
【0109】
実施形態に従って、これは、将来のリリースSIB、例えば、SIBXに適合させることができ、SIBXは、TS 36.331[5]に定義されるV2Xサイドリンク通信の構成を含む。
【0110】
SIBX情報要素に対応する例として、[6]のSystemInformationBlockTypeX情報要素の拡張は、以下のようになる可能性がある。これにより、以下の例において、黄色でハイライトされている要素(網掛けされている要素)は、本明細書に記載された発明的アプローチに従って、提供、修正、又は変更され得る。
【0111】
【0112】
これにより、sl-V2X-ConfigCommon-r16には、以前のリリースの設定が含まれる。
【0113】
実施形態に従って、第3のステップ(Step3)は、どのトランシーバ(例えば、UEs)がSIBの情報を考慮し、それによってこの未使用リソースのリストを使用することができるかを説明する。ここでのトランシーバ(例えば、UEs)は、RRC-idle、RRC-inactive又はRRC-activeの状態にあると仮定される。いくつかの可能なオプションは以下のとおりである。
- トランシーバ(例えばUEs)は、このTX-RX距離計算、すなわちサイドリンク相対位置を使用して、リソースを考慮することを許可するかどうかを決定する。これは、トランシーバ(UEsなど)が、例えばCAMやDENMなどのV2Xメッセージを介して互いの位置を認識していることを前提としている。
- 別の選択肢としては、Rel.16に記載されているように、同じゾーン、すなわちTX-RX距離を持つトランシーバ(UEsなど)が、これらの提供されるリソースを考慮することができる。
- 任意選択で、関連する優先度又は優先度閾値(より高い/等しい)に応じて、近接したトランシーバ(例えば、UEs)は、それらのリソース選択のためにこれらの未使用リソースを利用し得る。
- 任意選択で、トランシーバ(例えば、UEs)は、そのセンシング手順を継続し、IE SL-CommTxPoolSensingConfigに従って、自身のリソース選択において受信した未使用リソースを考慮する。IE SL-CommTxPoolSensingConfigは、UE自律的リソース選択に使用されるV2Xサイドリンク通信設定を指定し、例えば、以下を参照する。あるいは、トランシーバ(UEsなど)は、バッテリ電力を節約するためなどに、センシングを控えたり、部分的なセンシングに切り替えたりすることができる。
【0114】
対応するSL-CommTxPoolSensingConfig情報要素[5]の一例は、以下のようになり得る。これにより、以下の例において、黄色で強調されている要素(網掛けされている要素)は、本明細書に記載された発明的アプローチに従って、提供、修正又は変更され得る。
【0115】
【0116】
別の可能性は、基地局(例えば、gNB)がUE(s)に専用の設定を提供し、例えば、SPSのような、Configured grant type 1で、トランシーバ(s)(例えば、UE(s))がリソースプール設定(IE SL-ResourcePool)自体を介してそのリソース用の未使用リソースを利用させることである可能性がある。これは、これらのリソースがトランシーバ(s)(例えば、UE(s))によって使用されるように構成されている期間も含む。
【0117】
対応するSL-ResourcePool情報要素[6]の例は、以下のようになり得る。これにより、以下の例において、黄色でハイライトされている要素(網掛けされている要素)は、本明細書に記載される発明的アプローチに従って、提供、修正又は変更され得る。
【0118】
【0119】
なお、Sl-ResourceUnusedFlag-r*は、リソースの提供を停止するためのカバレッジ外の1ビットを参照することに留意されたい。
【0120】
実施形態によれば、ステップ3におけるリソース選択で利用されているこれらの未使用リソースが、最初にそれらを提供した第1のトランシーバ(例えば、UE-X)によって必要とされ返されるときはいつでも、第4ステップ(ステップ4)が発生することになる。この状態は、トランシーバ(例えば、UE-X)にとって、そのバッファに到着したイベントトリガトラフィック、例えば、緊急通知などの高QoSメッセージの場合に生じるかもしれない。この場合、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)は、例えば[9]のように、他のトランシーバ(例えば、UEs)に対してその提供リソースのセットで現在の送信を先取りすることができる。
【0121】
オプション2:カバレッジ内及びカバレッジ外(部分的なカバレッジ)UEs
【0122】
このオプションでは、1つ以上のトランシーバ(UEsなど)が基地局(gNBなど)のカバレッジ内にあり、残りのトランシーバ(UEsなど)がカバレッジ外シナリオにある場合の例として、シナリオを議論する。次に、トランシーバ(例えば、UEs)が、どのように未使用リソースをトランシーバ(例えば、UEs)とカバレッジ内、又はカバレッジ外で交換すべきか、又はその逆の方法で交換すべきかを議論すべきである。例えば、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)はカバレッジ外である可能性があり、第2のトランシーバ(例えば、UE-A)はカバレッジ内である可能性がある。
【0123】
以下で例示的に説明する手順では、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)は、基地局(例えば、gNB)のカバレッジ内にあると仮定し、近接するトランシーバ(例えば、UE)はモード2(例えば、カバレッジ内及びカバレッジ外のモード2)にあるものと仮定する。例えば、図8に示すように、モビリティ(移動性)の間、1つのトランシーバ(例えば、UEs)又はトランシーバ(例えば、UEs)のグループのみが基地局(例えば、gNB)のカバレッジ下に入り、他のトランシーバ(例えば、UEs)は依然としてカバレッジ外に留まることが可能である。
【0124】
具体的には、図8は、第1のトランシーバ2021(UE-X)、第2のトランシーバ2022(UE-D)及び少なくとも第3のトランシーバ2023(UE-A)を備えるワイヤレス通信システムを模式的に示す。第1のトランシーバ2021(UE-X)及び第2のトランシーバ2022(UE-D)は基地局200(gNB)のカバレッジ内にあり、少なくとも第3のトランシーバ2023(UE-A)は基地局200(gNB)のカバレッジ外にある。その場合、第1のトランシーバ2021(UE-X)は、例えば、未使用リソースのセットを記述する情報を送信することによって、基地局200(gNB)を介して第2のトランシーバ2022(UE-D)に未使用リソースのセットを報告するように構成され得る。第2のトランシーバ2022(UE-D)は、サイドリンクを介して第3のトランシーバ2023(UE-A)に対して少なくとも未使用リソースのセットを直接報告するよう構成され得る。すなわち、図8は、グループキャストの場合における部分的なカバレッジシナリオの一例を示す説明図である。ここで、第2のトランシーバ(例えば、UE-D)は、受信したリソースを制御チャネルを介してグループ全体にブロードキャストするか、又はユニキャストリンクを介して特定のグループメンバに特別に送信している。
【0125】
未使用リソースのブロードキャストは、イベントトリガ型の報告と見なすことができる。サポートされるサービス及びQoSに応じて、例えば、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)は、そのような報告メカニズムをいつ開始したいかを決定することができる。さて、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)が未使用リソースのリストを専用のトランシーバ(例えば、UE)又はトランシーバのグループ(例えば、UEs)に転送したい場合、例えば、リリース15のセンシング報告と同様に、追加の情報をセンシング報告に付加することが可能である。次に、図8に見られるように、第2のトランシーバ(例えば、UE-D)は次に、この未使用リソースを、例えば、制御チャネルを介して他のトランシーバ(例えば、UEの、すなわち、UE-A、UE-B、UE-C)に送ることができる。1つの例示的な方法は、第2段階のSCI又は第1段階のSCIにおける宛先IDのようなインデックスを介してこれらの未使用リソースを送信することであり得る。さらに、図8で説明したように、第2のトランシーバ(例えば、UE-D)は、特定のトランシーバ(例えば、UE)に対してユニキャストとして、又はグループ全体に対してブロードキャストとして送信することができる。
【0126】
ここでは、オプション1のステップ1で説明した対応する情報要素の例を再利用することができる。
【0127】
実施の形態2:制御チャネルを介した未使用リソース告知
【0128】
本実施形態では、制御チャネルを介してモード2の場合に第1のトランシーバ(例えば、UE-X)の未使用リソースを近接するトランシーバ(例えば、UEs)に転送又は提供する手順の一例について説明する。(例えば、事前に設定されている)利用可能な未使用リソースを有する第1のトランシーバ(例えば、UE-X)は、例えば、告知手順、すなわち、図9のオプション1を介して、他のトランシーバ(例えば、UEs)にそれらを提供し得る。
【0129】
詳細には、図9は、サイドリンクを介して互いに直接通信する第1のトランシーバ2021(例えば、UE-X)及び少なくとも第2のトランシーバ2002(例えば、UE_A)を含むワイヤレス通信システムの概略図を示している。図9に示されるように、第1のトランシーバ2021(たとえば、UE-X)は、たとえば、未使用リソースのセットを記述する情報を送信することによって、未使用リソースのセットを第2のトランシーバ2022(UE-B)及びオプションとして第3のトランシーバ2023(UE-B)に直接サイドリンクを介して報告するように構成され得る。すなわち、図9は、Resource Announcementの一例を示している。
【0130】
オプション1:第1のトランシーバー(例:UE-X)は未使用リソースを発表する。
【0131】
実施形態において、既に付与されたリソースを使用しないことを決定した第1のトランシーバ(例えば、UE-X)は、その決定について近接する他のトランシーバ(例えば、UE)に通知する必要がある。これにより、これらの未使用リソースは、他のトランシーバ(例えば、UE)がそのリソースを選択するために使用することができるので、リソースの過少利用を回避することができる。1つの可能な手順は、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)によって、既に予約されているが未使用リソースをブロードキャストすることである。これは、例えば、第1段階のSCIを介して、任意に以下の方法で信号化することができる。
【0132】
また、1ビットのフィールドを追加することで、予約済みリソースの取り消しを示すことができる。これは、予約済みリソースがキャンセルされるたびに1に設定されるトグリングビットとして機能することができる。次に、それに応じて、第1段階のSCIにおいて、リソースの時間周波数位置が更新される。なお、これは第1のトランシーバ(例えば、UE-X)の観点からのものである。近接するすべての受信トランシーバ(例えば、UEs)が第1段階のSCIを復号化するので、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)からのこれらの未使用リソースの位置は、トランシーバ(例えば、UE)に知られることになる。このビットをトグルすることの第1のトランシーバ(例えば、UE-X)に対する意味合いは、その再送信に関するものである。これは、第1のトランシーバ(UE-Xなど)が再び送信を開始したい場合、リソースを再選択する必要があるか、別のトランシーバ(UEなど)による進行中の送信を先取りできることを意味する。
【0133】
ユニキャスト又はグループキャスト通信に特化した別の可能性は、これらの未使用リソースを第2段階のSCIにのみ含めることである可能性がある。その理由は、トランシーバ(例えば、UEs)がグループ内にあるか、又はユニキャストリンクが確立されている場合、ソースレイヤ2IDは、すべての受信トランシーバ(例えば、UEs)にとって明確であるからである。未使用リソース情報を明示的に示すビットマップを第2段階に含めることができる。
【0134】
実施の形態3:未使用リソースを専用報告
【0135】
本実施形態では、他のトランシーバ(例えば、UEs)による要求に応じて、モード2の場合に第1のトランシーバ(例えば、UE-X)の未使用リソースを近接のトランシーバ(例えば、UEs)に転送又は提供するための例示的な手順が専用的に示される。例えば、カバレッジ外シナリオでは、利用可能な未使用リソース(事前に設定されている)を有する第1のトランシーバ(例えば、UE-X)は、図9のオプション2でも示されるように、他のトランシーバ(例えば、UEs)によって第1のトランシーバ(例えば、UE-X)に送信される専用の要求を通じて他のトランシーバ(例えば、UEs)にそれらを提供することができる。
【0136】
オプション2:UEによるUE-Xへの専用リクエストの送信
【0137】
実施形態において、トランシーバ(例えば、UEの(例えば、UE-A))は、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)に対して未使用リソースの利用可能性の要求を送信することができる。そこで、この手順は、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)からの専用リソース要求と付与応答とを含むことになる。
【0138】
第2のトランシーバ(例えば、UE-A)は、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)を含む、その近傍にある他のトランシーバ(例えば、UE(複数可))に専用リソース要求を送信し、専用リソース要求は、第2のトランシーバ(例えば、UE-A)が低遅延制約でいくつかのデータを送信するためのリソースを必要とすることを示し、これはセンシングすることだけに依存するとこの制約が達成できないからである。
【0139】
専用リソース要求は、第2のトランシーバ(たとえば、UE-A)からその近傍にある他のトランシーバ(複数可)(たとえば、UE(s))に専用の制御又はデータ信号によって送信されるかもしれない。別の選択肢では、例えば、第2のトランシーバ(例えば、UE-A)が専用リソースを要求していることを指摘する新しい1ビットフィールドを第1段階のSCIに追加することかもしれない。第2のトランシーバ(例えば、UE-A)は、以下の例の条件に基づいて専用要求を送信し得る。
- 最小通信範囲(MCR)以内であること。
- 同じゾーンIDに属すること。
- 最小のゾーンID差(例えば、次の4つのゾーンだけがこのSCIを符号化できる)又はTX-RX距離のある閾値以内。
- TX-RX距離とzoneconfigとMCRの両方の組み合わせに属すること。
【0140】
専用リソース要求を受信すると、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)は、以下の例の条件の少なくとも1つが当てはまる場合にのみ、未使用又は完全に使用されていないリソースを送信することを受け入れる。
- 第1のトランシーバ(例えば、UE-X)と第2のトランシーバ(例えば、UE-A)が最小通信範囲(MCR)内にあり、及び/又は同じゾーンIDに属している。
- 第1のトランシーバ(例えば、UE-X)と第2のトランシーバ(例えば、UE-A)が最小ゾーンID差内にある(例えば、次の4つのゾーンだけがこのSCIを復号化することができる)。
- 第1のトランシーバ(例えば、UE-X)及び第2のトランシーバ(例えば、UE-A)は、TX-RX距離とzoneconfig及びMCRの両方の組み合わせに属している。
- 専用要求を送信する第2のトランシーバ(例えば、UE-A)のデータは、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)のデータよりも高い優先度/高いQoSを有し、リソース選択のためにセンシングのみに依存すると、第2のトランシーバ(例えば、UE-A)のデータの遅延要件を満たさない結果となる多くの時間が消費されることになる。
- 第1のトランシーバ(例えば、UE-X)が完全に使用されていないリソースを放棄する場合、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)及び第2のトランシーバ(例えば、UE-A)の送信は、そのリソースのいくつかで共存することになる。一定の品質レベルを維持するために、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)は、自身の送信に対する干渉の影響の指標として、専用リソース要求(複数可)から受信したSL-RSSIを測定する。したがって、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)は、測定されたRSSI値がある閾値(任意選択:Pre-defined)以下であるトランシーバ(例えば、UEs)にリソース許可(グラント)を送信することを選択する。
- 第1のトランシーバ(例えば、UE-X)が他のトランシーバ(例えば、UE)との自身のリソースの共有を受け入れるためのサイドリンクCSIベースの手順。
〇 専用リソース要求を受信すると、第1のトランシーバ(UE-Xなど)は、「CSI要求」フィールドを有効にしたSCIフォーマット0-1を自身のピア及び/又はリソース要求トランシーバ(UEsなど)に送信してチャネル状態情報(Channel State Information)の報告を有効にする[7]、[8]。第1のトランシーバ(UE-Xなど)は、バンド全体ではなく、特定のリソースのセットに対してCSI報告を設定する。
〇 CSI報告を受信した後、第1のトランシーバ(UE-Xなど)はCQI報告された値と送信を意図した自身の値とを比較する。CSI報告のCQI指数が低いほど、第1のトランシーバ(UE-X など)とそのピアとの間のチャネルでの通信のためにMCS値を低くすることができる。第1のトランシーバ(例えば、UE-X)は、以下の場合に、リソース付与を受け入れ、及び/又は自身のリソースで共存する。
・第1のトランシーバ(例えば、UE-X)と通信するUEsから報告されたCQI>第1のトランシーバ(例えば、UE-X)の送信のために意図されたCQI値なので、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)が、将来の送信のために自身のリソースの全て又は一部を使用する場合、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)によってアドレス指定されたトランシーバ(例えば、UEs)の受信者が依然としてトランシーバ(例えば、UE-X)からデータを正常に受信できることが保証される。
・HARQプロセスを有効にしたユニキャスト及び/又はマルチキャスト通信の場合、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)がPSFCHでNACKメッセージを受信しなかった。つまり、再送信が必要なく、第1のトランシーバ(UE-Xなど)がアドレス指定したUEsはそのデータを正しく受信することができる。
〇 複数の専用リソース要求がある場合、報告されたCQI値が最も低いリソース要求トランシーバ(UEsなど)は、第1のトランシーバ(UE-Xなど)からリソースグラント(リソース付与:resource grants)を受信するチャンスが高くなる。低いCQI値は、それらと第1のトランシーバ(例えば、UE-X)の間のチャネルがかなり悪いことを示すので、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)の送信に対するそれらの干渉効果は大きくないだろう。
【0141】
ユニキャスト又はグループキャストリンクが既に確立されているトランシーバ(UEsなど)に特有のもう1つの点は、第1のトランシーバ(UE-Xなど)の近傍にあるすべてのトランシーバ(UEなど)がPSFCHチャネルを監視することである。第1のトランシーバ(例えば、UE-X)がPSFCH上でNACKを受信するときはいつでも、それは未使用リソースを近傍のトランシーバ(例えば、UEs)と共有することはない。したがって、同様のリソースで競合するトランシーバ(例えば、UEs)の数も減少する。
【0142】
実施の形態4:発見タイプ1による未使用リソースの転送
【0143】
本実施形態では、発見タイプ1を介して、限定されたトランシーバのセット(例えば、UE’s)に未使用リソースを専ら提供する手順の一例を説明する。トランシーバ(例えば、UE’s)がカバレッジ外であり、設定された時間の間、その未使用リソースを提供することができる第1のトランシーバ(例えば、UE-X)の存在を認識させる必要がある場合、発見手順は別の可能性となり得る。
【0144】
告知による発見
【0145】
本特許出願の冒頭で述べたD2Dからの発見のモデルA(「I am here」)に沿って、以下の一般的な手順を確立することができる(図10参照)。
【0146】
詳細には、図10は、第1のトランシーバ2021(例えば、UE-X)と、少なくとも第2のトランシーバ2002(例えば、UE_A)とがサイドリンクを介して直接通信するワイヤレス通信システムを模式的に示す図である。すなわち、図10は、告知(Announcement)を介した発見手順(Discovery Procedure)の一例を示す説明図である。
【0147】
オプション1:発見ビーコン
【0148】
この手順では、サイドリンク発見ビーコンは、第1段階のSCIの前にスタンドアローン情報として送信されるか、又は第1段階のSCIでパンクチャーされ(punctured)、以下を含む。
- 以下に沿った、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)による未使用リソースの時間周波数位置。
-これらのリソースが利用できる機会の数(RSVPのような)。
【0149】
スタンドアローンサイドリンク発見情報は、第1段階のSCIに隣接しているか、又は隣接していないかのいずれかである可能性がある。サポートされるトラフィックタイプ(周期的/非周期的)、サポートされるMCRを含むQoSに基づいた近接するトランシーバ(例えば、UE)は、上位層によって設定された発見期間に基づいて、このサイドリンク発見ビーコンを都合の良いように復号化しようとする。第1のトランシーバ(例えば、UE-X)が、例えば、トリガされた緊急メッセージのために、未使用リソースの共有を停止することを決定した場合、それは、例えば、サイドリンク発見ビーコンを介して、共有を停止する、又は機会の数を「0」に設定するように近接するトランシーバ(例えば、UE)に告知をブロードキャスト送信する。
【0150】
オプション2:発見チャンネル
【0151】
あるいは、NR-V2X用の発見チャンネルを定義し、これは、発見期間、リソースの有効期間、時間の第2段階のSCIからの情報、周波数リソースの位置、及びデ宛先IDを含むことが可能である。
【0152】
オプション3:キープアライブメッセージKeep-alive message
【0153】
リソース共有が適用される期間を特定するために、グループキャスト又はユニキャストの場合において適用可能な別のアプローチは、PC5-S信号を使用することである。上位層(NAS)のキープアライブ信号は、確立されたリンクに基づいてリソースの有効性を第2のトランシーバ(UE1など)、第3のトランシーバ(UE2など)に通知するために、第1のトランシーバ(UE-Xなど)が代わりに使用することが可能である。タイマーT402[TS23.334]が切れると、リソースの共有は自動的に終了する。したがって、ここでは、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)は、未使用リソースが利用可能であれば、新しいキープアライブ手順を開始する能力を有し、キープアライブカウンタは第1のトランシーバ(例えば、UE_X)に応じて設定されることになる。
【0154】
実施の形態5:発見タイプ2による未使用リソースの転送
【0155】
本実施形態では、発見タイプ2を介した専用要求で、限られたトランシーバのセット(例えば、UE)に未使用リソースを専ら提供する手順の一例について説明する。トランシーバ(例えば、UE)がカバレッジ外にあり、設定された時間の間、その未使用リソースを提供することができる第1のトランシーバ(例えば、UE X)の存在を認識させる必要がある場合、発見手順は別の可能性であり得る。
【0156】
図11は、第1のトランシーバ2021(例えば、UE-X)と、少なくとも第2のトランシーバ2002(例えば、UE_A)とがサイドリンクを介して直接通信するワイヤレス通信システムを模式的に示す図である。すなわち、図11は、専用発見レスポンス(Dedicated Discovery response.)の一例を示す説明図である。
【0157】
このオプションでは、第2のトランシーバ(例えば、UE-A)が近傍のトランシーバ(例えば、UEs)からリソースを要求し、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)がそのリソースを介してこの要求に応答する。そして、未使用リソースを必要としているトランシーバ(例えば、UE)は、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)(図11の第2のトランシーバ(例えば、UE1))に確認応答を返送することになる。確認応答を受信した後、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)は、トランシーバ(例えば、UE)、例えば、第1のトランシーバ(例えば、UE-1)がこのリソースを使用できる意図する時間と共に、未使用リソースの位置に関連する情報を送出する。第1のトランシーバ(例えば、UE-X)によって送信される発見要求は、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)自体によってサポートされるMCRによって制限され、またTX-RX距離、すなわち近接するトランシーバ(例えば、UE)のゾーン設定によっても制限されうる。
【0158】
実施の形態6:歩行者に特化しており、RSU又は中継器を使用したトランシーバ間(例えば、UE-UE)信号手順[初期版]
【0159】
トランシーバ間(例えば、UE間)の調整、すなわち第1のトランシーバ(例えば、UE-X)による未使用リソースの転送は、歩行者、バイク、自転車などの歩行者トランシーバ(例えば、UEs)に転送することもでき、その後、このリソースセットを直接利用し、エネルギーを節約するためにセンシングを中止することが可能である。別の可能性としては、UEタイプのRSU又は中継器、例えばL3又はL2が、これらの未使用リソースセットを収集し、歩行者UEsの地理位置に基づいて、近傍の歩行者UEsにそれをブロードキャストすることが考えられる。
【0160】
実施の形態7:グループキャストのためのUE間調整[初期版]
【0161】
本実施形態は、グループ内のトランシーバ間(例えば、UE間)調整の特殊なケースを扱う。集中型グループ方式の場合、グループリーダーとして動作する第1のトランシーバ(例えば、UE-X)は、それによって未使用リソースを、そのグループに属するトランシーバ(例えば、UEs)へ転送する。このリソースの転送は、PC5-RRCを介して専ら行うこともできるし、つまりトランシーバ(例えばUE)ごとにユニキャストリンクを確立することができる。測定サイドリンクIE(MeasurementSidelink IE)を介してこれらの未使用リソースを共有する例は、以下の通りである。それによって、以下の例において、黄色でハイライトされている要素(網掛けされている要素)は、本明細書に記載された発明的アプローチに従って提供、修正又は変更され得る。
【0162】
【0163】
あるいは、別の例は、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)が、グループ内のそれぞれの宛先IDを有するトランシーバ(例えば、UEs)に、そのソース層2 IDでこのリソースセットをブロードキャストすることであり得る。歩行者型UEのグループに特有の別の可能性として、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)が他のトランシーバ(例えば、UEs)に提供する未使用リソースセットが、DRXアクティブ期間の関数であることが考えられる。これは、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)の同じセットの未使用リソースが、個々のDRXオン時間に基づいて、異なるトランシーバ(例えば、UEs)に提供される可能性があることを意味する。したがって、これは効率的なリソース利用をもたらすことになる。
【0164】
実施の形態8:信号手順の追加基準
【0165】
この実施形態は、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)が未使用/中止リソースの報告をトリガするために利用できる追加の基準を指摘している。
【0166】
1. 混雑度測定
【0167】
第1のトランシーバ(例えば、UE-X)は、未使用リソースを報告するか否かを決定するために、それによって評価される例えばCBR測定値を考慮することもできる。例えば、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)が次のスロットのためにそれを使用するつもりがなくても、リソースプールのCBRが60%より大きい場合、このリソースにアクセスしようとするトランシーバ(例えば、UE)にとってより多くの衝突につながる可能性があるので、これらのリソースを報告しない方がよい。CBRが高い場合(リソースプールに対する高いトラフィック負荷)、すなわち、定義されたCBR閾値を超える場合、他のトランシーバ(UEsなど)がセンシングを使用してリソースを割り当てる機会が少ないため、予約リソースを提供することが可能である。CBRが低い場合、任意のトランシーバ(例えば、UEs)が十分なリソースを割り当てることができるため、リソースの提供は必要ない場合がある。
【0168】
2. 第1のトランシーバ(例えば、UE-X)は予測ベースのリソースを告知する
【0169】
NR V2Xモード2では、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)は、基地局(例えば、gNB)のカバレッジが何らかの障害物、例えば、トンネルによって制限されている状況を予測し、近くのユーザが使用できる無線時間/周波数リソースを告知することが可能である。
【0170】
ここで、ユーザは、例えば、GNSS、GISデータ、他のセンサからの補助情報を利用して、トンネル、影になるエリアなどの状況を予測することができる。
【0171】
ここで、上位層の信号、例えば、RRC信号メッセージ、又はSCIによって設定される無線リソース時間インスタンスは以下においてシグナルインすることができる。
- リソース予約の中止/予約を示すために第1段階のSCIに1ビットが存在する場合、第1段階のSCIの時間/周波数フィールド。
【0172】
リソース予約中止信号を伴う制御情報を受信したトランシーバ(例えば、UE)は、[7、サブクラス8.1.4]のリソース選択手順において、以下の手順を実行することができる。
- セットScを空セットに初期化する。
- SCIフォーマット0-1で「リソース予約期間」フィールドが存在する場合、UEは、スロットnのSCIフォーマット、第1段階のSCIで示される無線時間/周波数リソースのリスト、又は無線時間/周波数リソースを受信する。ここで、UEは、第1段階のSCIフォーマット0-1において「初期予約の中止」フィールドが存在する場合、無線時間/周波数リソースのリストをセットScに追加する。
- セットSa+Scに残っているシングルスロットリソースの候補の数が0.2 Mtotalより小さい場合、Th(pi)は各優先度piに対して3dB増加し、リソースの20%が満たされるまでセンシング手順が継続される。
【0173】
ここで、Mtotal、Th(pi)は上位層の信号によって設定された無線周波数/時間リソースの和であり、Th(pi)は受信SCIフォーマット0-1の特定の優先度piに対するRSRP閾値である。
【0174】
3. 予測されるハンドオーバーと代替QoS
【0175】
また、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)は、経験するかもしれないモビリティ情報例予測ハンドオーバーを考慮し、その後、実施の形態1~7に記載の手順のいずれかを実行するかどうかを決定することもできる。また、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)が次のサブフレームで経験する可能性のあるQoSについて知っている場合、代替QoSが良好であると予想される場合、未使用リソースを自身のために保持することを決定する可能性がある。この代替QoSはUuとサイドリンクの両方に対して有効である。また、第1のトランシーバ(例えば、UE-X)が他のUEsから未使用リソースに関する要求を受信した場合、実施の形態1-7のメカニズムが適用される。
【0176】
実施の形態9:リソースセット、メッセージフォーマットの追加定義
【0177】
トランシーバ間(例えば、UE間)調整は、提案されたリソース割り当ての強化である。定義によると、「リソースのセットは、第1のトランシーバ(例えば、UE-A)で決定される。このセットはモード2で第2のトランシーバ(例えば、UE-B)に送信され、第2のトランシーバ(例えば、UE-B)は自身の送信のためのリソース選択でこれを考慮する」
【0178】
このリソースのセットは、支援情報又は調整情報と見なすことができる。この支援情報又は調整情報は、例えば、以下のように定義することができるが、これらに限定されるものではない。
- 未使用リソースのセット。
- 利用可能なリソースのセット。
- センシング情報、すなわち、完全な生信号測定、センシングレポート。
- 第2のトランシーバ(例えば、UE-Bの)の送信に対して優先されるリソースセット。例えば、以下である。
・ 第1のトランシーバ(例えば、UE-Aの)の受信に対して優先されるリソースセット。
・第2のトランシーバ(例えば、UE-Bの)の送信の意図された受信機(複数可)に対して優先されるリソースセット。
- 第2のトランシーバ(例えば、UE-Bの)の送信によって使用されないことが優先されるリソースセット。
・第1のトランシーバ(例えば、UE-Aの)の受信によって使用されないことが優先されるリソースセット。
・第2のトランシーバ(例えば、UE-Bの)の送信の意図された受信機(複数可)にとって問題のあるリソースセット。
- リソースマップ(Resource Map)、例えば、将来の予約(複数可)とともに現在の送信用のリソース(複数可)。例えば、第1のトランシーバ(例えば、UE-A)が認識している近接したトランシーバ(例えば、UEs)の第1のトランシーバ(例えば、UE-A)の計画された予約及び/又は付加的な他の予約リソース(複数可)のセットを含む行列を見ることができる。
【0179】
これは、トランシーバ(例えば、UE)に送信され、例えば、センシング手順、リソース選択手順又はリソース除外手順において、そのリソース割り当て手順を支援するためのものである。以前の実施形態で説明した報告だけでなく、信号手順も、この代替定義に適用可能である。この支援情報又は調整情報のフォーマットは、上位層、例えばRRC又はPC5-RRCメッセージ、MAC CE及び/又は物理層フォーマットとすることができる。物理層では、第2段階のための新しいSCIフォーマットを定義することができ、それは例えば以下のような2つの可能なタイプであろう。
1. 長いSCIフォーマット:これは、例えば、完全または詳細な支援情報又は調整情報、例えばセンシング測定、宛先ID(グループID)、ソースIDまたは、支援情報または調整情報であることを区別するための支援情報または調整情報IDも含むすべての送信のリソースマップの完全セット、QoS、例えば優先度、ゾーンID(例えば位置情報)、MCRを含む。
2. 短いSCIフォーマット:これは、例えば、リソースの正確な位置を含む。これは、宛先ID、ソースIDまたは、支援情報又は調整情報であることを区別するための支援情報又は調整情報ID、QoS、例えば優先度、ゾーンID(例えば、位置情報)、MCRが含まれる。
3. 第1段階又は第2段階の支援情報又は調整情報のメッセージIDを既存のSCIフォーマットに追加することも可能である。
【0180】
実施の形態10:トランシーバ間(例えば、UE間)調整を用いた省電力トランシーバ(例えば、UEs)における帯域適応
【0181】
省電力トランシーバ(例えば、UE)、例えば、歩行者ユーザは、(事前に)設定されたBWPにおいて監視されるリソースプールの数を変更してもよく、無線周波数/時間リソースは、RRC、DCIを介して設定され得る、設定又は事前設定される帯域幅部分(BWP)における複数のサブチャネルを含むリソースプールであり得る。
【0182】
省電力トランシーバ(例えば、UE)は、受信側での電力消費を低減するために、RXリソースプール(複数可)を縮小する可能性がある。一方、省電力トランシーバ(例えば、UE)に送信するトランシーバ(例えば、UEs)は、受信者が監視していない帯域幅の部分における送信を回避するように通知される必要がある。そのために、省電力トランシーバ(例えば、UE)は、優先監視帯域幅を示す支援情報を信号化する必要がある。ここで、監視される帯域幅は、リソースプールIDによって識別されるリソースプール(複数可)を含む。さらに、支援情報は、新しい第2段階のSCIフォーマット又はPC5-RRCメッセージによって伝達され、省電力条件が満たされたときにトリガされる。
【0183】
送信側では、トランシーバ(例えば、UEs)が帯域削減要求を含む支援情報メッセージを受信すると、TS38.214のステップ5のリソース選択手順に従い、以下の動作を行う。
- トランシーバ(例えば、UEs)は、自身の送信の識別された候補リソースと、送信を優先すべきでないリソースプールのセットとの組み合わせを上位層に送信することができる。又は、
- トランシーバ(例えば、UEs)は、自身のセンシングによって識別されたリソースセットから優先されないリソースのセットを除外し、残りのリソースを上位層に送信することができる。
【0184】
実施の形態11:トランシーバ間(例えば、UEs間)調整メッセージのトランシーバ挙動を受信する。
【0185】
ネットワークにおいてトランシーバ間(例えば、UE間)調整機能が有効である場合、受信した支援メッセージのコンテキスト情報に応じてリソース選択手順を強化することができる。
【0186】
実施形態において、コンテキスト情報は、以下のリソースのセットを含むことができる。
- 優先されるリソースのセット。
- 優先されないリソースのセット。
【0187】
実施形態では、コンテキスト情報は、第1段階のSCIで示される第2段階のSCIフォーマットXXXで伝達され得る。
【0188】
リソースの優先されるセットの場合、受信トランシーバ(例えば、UE)は、38.214のリソース選択手順に従って、以下のステップを実行することができる。
- 受信トランシーバ(例えば、UE)は、優先されるリソースのセットを考慮し、それをセンシングによって識別されたリソースと組み合わせる。トランシーバ(例えば、UE)は、次に、この組み合わせを上位層(例えば、MAC)に送信する。又は、
- 受信トランシーバ(例えば、UE)は、優先されるリソースのセットとその識別されたリソースのセットとをセンシングを通じて比較し、2つのセット間の差分を上位層例えばMACに送信する。
【0189】
優先されないリソースのセットが示されたとき、受信トランシーバ(たとえば、UE)は、以下のように動作し得る。
- 受信トランシーバ(例えば、UE)は、指示されたリソース及びその識別されたリソースのセットをセンシングによって組み合わせ、この組み合わせを上位層に送信し、ここで、組み合わせはリソースの2つのセットの減算であり得る。又は、
- トランシーバ(例えば、UE)は、リソースの両方のセットを上位層(例えば、MAC)に送信し、排除手順が上位層(例えば、MAC)で行われる。又は、
- トランシーバ(例えば、UE)は、リソースの2つのセットの間に重複がある場合、38.214のステップ5に従って、優先されないリソースのセットをそのモニターされるリソースセットから除外する。
【0190】
実施の形態12:支援された先取り
【0191】
高密度なシナリオで問題となるのは、リソース選択の衝突である。rel.16で紹介したリソース予約手順では、衝突確率をある程度改善することができる。リソース予約情報の衝突のない送信を保証することはできないが、リソース予約は最小のリソースサイズ、すなわち1サブチャネルと1スロットを占有するため、確率は最小化される。リソース予約が衝突しない場合でも、衝突するリソースを要求する可能性がある。これを防ぐために、rel.16では先取りを導入している。
【0192】
しかし、先取りを伴うリソース予約では、異なるトランシーバ(例えば、UEs)が同じスロットでリソース予約を送信する場合、衝突を防止することはできない。半二重動作のため、それらは他の予約(複数可)について通知されず、したがってそれらが重複しているかどうかを認識することができない。この場合、先取りは決して生じない。
【0193】
しかし、予約情報を受信した別の第3のトランシーバ(例えば、UE)は、これから起こる衝突を認識することができる。そのようなトランシーバ(例えば、UE)は、先取り送信を引き継ぐことを支援することができる。
【0194】
図12は、このシナリオを説明する図である。詳細には、図12は、(例えば、予約されたリソースの)支援された先取りを例示的に示す図である。図12に示すように、2つのトランシーバ(例えば、UE-A及びUE-BのようなUEs)は、互いを意識しないように、同じスロットで予約情報を送信する。第3のトランシーバ(例えば、UE-CのようなUE)は、同時に受信していたため、両方の予約について知らされる。予約を比較することで、第3のトランシーバ(UE-Cなど)は、それらが重複しているかどうかを検出することができる。優先度に基づいて、優先度の低い予約を先取りすることができ、そうすることができない送信トランシーバ(例えば、UEs)を支援することができる。
【0195】
優先度が等しい場合、先取りされたトランシーバ(例えば、UE)はランダムに選択されるか、先取りが送信されないことが可能である。後者の場合、衝突は受け入れられる。
【0196】
また、2つ以上のトランシーバ(例えば、UEs)が同一スロットで衝突するリソースの予約を送信する場合にも、先取り支援が可能である。
先取り支援を準備するトランシーバ(例えば、UE)は、同じターゲットの複数の先取りを回避するために、他の先取りを観察する必要がある。
【0197】
その他の実施形態
【0198】
いくつかの態様はデバイス(装置)の文脈で説明されてきたが、これらの態様はまた、ブロック又はデバイスが方法ステップ又は方法ステップの特徴に対応する、対応する方法の説明を表すことは明らかである。同様に、方法ステップの文脈で説明される側面は、対応するブロック又は項目又は対応する装置の特徴の説明も表す。方法ステップのいくつか又はすべては、例えば、マイクロプロセッサ、プログラマブルコンピュータ又は電子回路のようなハードウェア装置によって(又はそれを用いて)実行されてもよい。いくつかの実施形態では、最も重要な方法ステップの1つ以上が、そのような装置によって実行されてもよい。
【0199】
本発明の様々な要素及び特徴は、アナログ及び/又はデジタル回路を用いたハードウェアにおいて、1つ以上の汎用又は特殊用途プロセッサによる命令の実行を通じて、又はハードウェアとソフトウェアの組み合わせとして、実装されてもよい。例えば、本発明の実施形態は、コンピュータシステム又は別の処理システムの環境において実施されてもよい。図13は、コンピュータシステム500の一例を示す図である。ユニット又はモジュール、ならびにこれらのユニットによって実行される方法のステップは、1つ以上のコンピュータシステム500上で実行されてもよい。コンピュータシステム500は、特殊用途又は汎用デジタル信号プロセッサのような、1つ以上のプロセッサ502を含む。プロセッサ502は、バス又はネットワークのような通信インフラストラクチャ504に接続されている。コンピュータシステム500は、主メモリ506、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)、及び二次メモリ508、例えばハードディスクドライブ及び/又はリムーバブルストレージドライブを含む。二次メモリ508は、コンピュータプログラム又は他の命令がコンピュータシステム500にロードされることを可能にし得る。コンピュータシステム500は、コンピュータシステム500と外部装置との間でソフトウェア及びデータを転送することを可能にするために、通信インターフェース510をさらに含んでもよい。通信は、電子的、電磁的、光学的、又は通信インターフェースによって処理することができる他の信号によるものであってよい。通信は、ワイヤ又はケーブル、光ファイバー、電話回線、携帯電話リンク、RFリンク、及び他の通信チャネル512を使用してもよい。
【0200】
「コンピュータプログラム媒体」及び「コンピュータ可読媒体」という用語は、一般に、取り外し可能な記憶装置又はハードディスクドライブにインストールされたハードディスクなどの有形の記憶媒体を指すために使用される。これらのコンピュータプログラム製品は、コンピュータシステム500にソフトウェアを提供するための手段である。コンピュータ制御ロジックとも呼ばれるコンピュータプログラムは、主メモリ506及び/又は二次メモリ508に格納される。また、コンピュータプログラムは、通信インターフェース510を介して受信されてもよい。コンピュータプログラムは、実行されると、コンピュータシステム500が本発明を実施することを可能にする。特に、コンピュータプログラムは、実行されると、プロセッサ502が、本明細書に記載された方法のいずれかなど、本発明のプロセスを実施することを可能にする。したがって、このようなコンピュータプログラムは、コンピュータシステム500のコントローラを代表ことができる。本開示がソフトウェアを用いて実施される場合、ソフトウェアは、コンピュータプログラム製品に格納され、取り外し可能な記憶装置、通信インターフェース510のようなインターフェースを用いてコンピュータシステム500にロードされてもよい。
【0201】
特定の実装要件に応じて、本発明の実施形態は、ハードウェア又はソフトウェアで実装することができる。実装は、デジタル記憶媒体、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、DVD、Blu-Ray、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROM又はFLASHメモリであって、その上に格納された電子的に読み取り可能な制御信号を有し、それぞれの方法が実行されるようにプログラム可能なコンピュータシステムと協力する(又は協力できる)ものを用いて行うことが可能である。したがって、デジタル記憶媒体は、コンピュータ可読であってもよい。
【0202】
本発明によるいくつかの実施形態は、電子的に読み取り可能な制御信号を有するデータキャリアであって、本明細書に記載の方法の1つが実行されるように、プログラム可能なコンピュータシステムと協働することが可能であるデータキャリアを備える。
【0203】
一般に、本発明の実施形態は、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品として実装することができ、プログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されるときに、方法の1つを実行するために動作可能である。プログラムコードは、例えば、機械読み取り可能な担体上に格納されてもよい。
【0204】
他の実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを、機械可読担体に格納したものである。
【0205】
すなわち、本発明方法の一実施形態は、したがって、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行される場合に、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0206】
したがって、本発明方法のさらなる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムをその上に記録してなるデータキャリア(又はデジタル記録媒体、又はコンピュータ読み取り可能な媒体)である。データキャリア、デジタル記憶媒体、又は記録媒体は、典型的には、有形及び/又は非遷移的である。
【0207】
したがって、本発明方法のさらなる実施形態は、本明細書に記載された方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを表すデータストリーム又は信号のシーケンスである。データストリーム又は信号のシーケンスは、例えば、データ通信接続、例えばインターネットを介して転送されるように構成されてもよい。
【0208】
さらなる実施形態は、本明細書に記載された方法の1つを実行するように構成された、又は適合された、例えばコンピュータ、又はプログラマブルロジックデバイスなどの処理手段を具備する。
【0209】
さらなる実施形態は、本明細書に記載された方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムをその上にインストールしたコンピュータを具備する。
【0210】
本発明による更なる実施形態は、本明細書に記載の方法の1つを実行するためのコンピュータプログラムを受信機に(例えば、電子的又は光学的に)転送するように構成された装置又はシステムからなる。受信機は、例えば、コンピュータ、移動型デバイス、メモリデバイス等であってもよい。装置又はシステムは、例えば、コンピュータプログラムを受信機に転送するためのファイルサーバを含んでいてもよい。
【0211】
いくつかの実施形態では、プログラマブルロジックデバイス(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ)を使用して、本明細書に記載の方法の機能性の一部又は全部を実行してもよい。いくつかの実施形態では、フィールドプログラマブルゲートアレイは、本明細書に記載される方法の1つを実行するためにマイクロプロセッサと協働してよい。一般に、本方法は、任意のハードウェア装置によって実行されることが好ましい。
【0212】
本書で説明する装置は、ハードウェア装置、コンピュータ、又はハードウェア装置とコンピュータの組合せで実施することができる。
【0213】
本明細書に記載の装置、又は本明細書に記載の装置の任意の構成要素は、少なくとも部分的にハードウェア及び/又はソフトウェアで実装されてもよい。
【0214】
本明細書で説明する方法は、ハードウェア装置を用いて行ってもよいし、コンピュータを用いて行ってもよいし、ハードウェア装置とコンピュータを組み合わせて行ってもよい。
【0215】
本明細書に記載された方法、又は本明細書に記載された装置の任意の構成要素は、少なくとも部分的にハードウェア及び/又はソフトウェアによって実行されてもよい。
【0216】
上述した実施形態は、本発明の原理について単に例示したに過ぎない。本明細書に記載された配置及び詳細の修正及び変形は、当業者には明らかであることが理解される。したがって、差し迫った特許請求の範囲の範囲によってのみ限定され、本明細書における実施形態の説明及び解説によって提示される特定の詳細によって限定されないことが意図される。
【0217】
参照
[1] RP-193231: New WID on NR sidelink enhancement, Dec. 2019
[2] TR 38.885
[3] TS 36.300
[4] TS 23.303
[5] TS 36.331
[6] TS 38.331
[7] TS 38.214
[8] TR 37.985
[9] 38.213
【0218】
略語
VRU Vulnerable road user(脆弱なロードユーザ)
DRX Discontinuous reception(不連続受信)
V-UE Vehicular UE(車載UE)
P-UE Pedestrian UE: should not be limited to pedestrians, but represents any UE with a need to save power, e.g., electrical cars, cyclists,(歩行者に限らず、電気自動車や自転車など、電力を節約する必要のあるUEを表すべき。)
MCR Minimum Communication Range(最小通信範囲)
CSI-RS Channel State Information - Reference Signal(チャネル状態情報 - 参照 信号(
CQI Channel Quality Indicator(チャネル品質インジケーター)
PSFCH Physical Sidelink Feedback Channel(物理サイドリンクフィードバックチャ ネル)
HARQ Hybrid Automatic Repeat Request(ハイブリッド自動再送信要求)
NACK Negative Acknowledgement(負の確認応答)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13