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特許7515630睡眠状態計測方法、装置、電子機器及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】睡眠状態計測方法、装置、電子機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20240705BHJP
   A61B 5/11 20060101ALI20240705BHJP
   A61B 5/113 20060101ALI20240705BHJP
   A61B 5/16 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
A61B5/00 102A
A61B5/11 100
A61B5/113
A61B5/16 130
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022576425
(86)(22)【出願日】2020-12-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-11
(86)【国際出願番号】 CN2020140646
(87)【国際公開番号】W WO2021253792
(87)【国際公開日】2021-12-23
【審査請求日】2022-12-09
(31)【優先権主張番号】202010554753.2
(32)【優先日】2020-06-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516164151
【氏名又は名称】珠海格力▲電▼器股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】GREE ELECTRIC APPLIANCES, INC. OF ZHUHAI
(73)【特許権者】
【識別番号】522480377
【氏名又は名称】珠海聯云科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHUHAI LEAYUN TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 601, No. 8, Lianshan Lane, Jida Jingshan Road Zhuhai, Guangdong 519015, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】胡 鴻源
(72)【発明者】
【氏名】李 紹斌
(72)【発明者】
【氏名】唐 杰
(72)【発明者】
【氏名】陳 道遠
(72)【発明者】
【氏名】楊 苗
【審査官】磯野 光司
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-202060(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0201267(US,A1)
【文献】特開2013-034605(JP,A)
【文献】特開2004-351110(JP,A)
【文献】特開2018-094372(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110051329(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
睡眠状態計測方法であって、
ベッド上の圧力情報を収集するステップと、
所定の持続時間にわたって収集された圧力情報を計測して前記圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれているか否かを確定するステップと、
含まれている場合、睡眠状態計測機能を起動して睡眠状態計測を行うステップと、を含み、
前記圧力情報は圧力値を含み、
所定の持続時間にわたって収集された圧力情報を計測して前記圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれているか否かを確定する前記ステップは、
所定の持続時間にわたって収集された圧力情報に基づいて圧力曲線を生成するステップと、
前記圧力曲線のピークと、各ピークに対応する圧力値とを確定するステップと、
各ピークに対応する圧力値を、所定の各睡眠身体徴候に対応する圧力区間にマッチングするステップと、
圧力値が睡眠身体徴候に対応する圧力区間にマッチするターゲットピークが存在する場合、前記圧力曲線に基づいて各ターゲットピークに対応する時刻を確定するステップと、
各睡眠身体徴候に対応するターゲットピークの時刻に基づいて、各睡眠身体徴候に対応する算出周波数を計算するステップと、
各睡眠身体徴候に対応する算出周波数をそれぞれ、所定の各睡眠身体徴候に対応する周波数区間にマッチングするステップと、
算出周波数が周波数区間にマッチする睡眠身体徴候が存在する場合、前記所定の持続時間にわたって収集された圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれていると確定するステップと、を含む
ことを特徴とする睡眠状態計測方法。
【請求項2】
所定の持続時間にわたって収集された圧力情報を計測して前記圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれているか否かを確定する前記ステップの前に、前記睡眠状態計測方法は、
前記圧力情報に基づいて前記ベッドに人がいるか否かを確定するステップを更に含み、
人がいる場合、所定の持続時間にわたって収集された圧力情報を計測して前記圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれているか否かを確定する前記ステップが行われる
ことを特徴とする請求項1に記載の睡眠状態計測方法。
【請求項3】
記圧力情報に基づいて前記ベッドに人がいるか否かを確定する前記ステップは、
前記圧力情報に所定の圧力閾値より大きい圧力値が含まれているか否かを計測するステップと、
含まれている場合、前記圧力情報中の圧力値が持続的に前記所定の圧力閾値を超える時間が所定の時間閾値より短いか否かを判断するステップと、
短くない場合、前記ベッドに人がいると確定するステップと、
短い場合、前記ベッドに人がいないと確定するステップと、を含む
ことを特徴とする請求項2に記載の睡眠状態計測方法。
【請求項4】
前記睡眠身体徴候は心拍と呼吸のうちの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の睡眠状態計測方法。
【請求項5】
ベッド上の圧力情報を収集する前記ステップは、
マットレスの下に設置された圧力センサによってベッド上のアナログ圧力信号を収集するステップと、
前記アナログ圧力信号を増幅し、増幅されたアナログ圧力信号をフィルタリングするステップと、
フィルタリングされたアナログ圧力信号をデジタル信号に変換し、前記デジタル信号を前記ベッド上の圧力情報とするステップと、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の睡眠状態計測方法。
【請求項6】
睡眠状態計測装置であって、
ベッド上の圧力情報を収集するように構成される圧力計測モジュールと、
所定の持続時間にわたって収集された圧力情報を計測して前記圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれているか否かを確定するように構成される睡眠身体徴候計測モジュールと、
所定の持続時間にわたって収集された圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれている場合に睡眠状態計測機能を起動して睡眠状態計測を行うように構成される起動モジュールと、を備え
前記圧力情報は圧力値を含み、
前記睡眠身体徴候計測モジュールは、
所定の持続時間にわたって収集された圧力情報に基づいて圧力曲線を生成するように構成される曲線生成サブモジュールと、
前記圧力曲線のピークと各ピークに対応する圧力値とを確定するように構成されるピーク情報確定サブモジュールと、
各ピークに対応する圧力値を、所定の各睡眠身体徴候に対応する圧力区間にマッチングするように構成される圧力マッチングサブモジュールと、
圧力値が睡眠身体徴候に対応する圧力区間にマッチするターゲットピークが存在するか否かを判断するように構成される第1確定サブモジュールと、
圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれている場合、前記圧力曲線に基づいて各ターゲットピークに対応する時刻を確定するように構成される時刻確定サブモジュールと、
各睡眠身体徴候に対応するターゲットピークの時刻に基づいて、各睡眠身体徴候に対応する算出周波数を計算するように構成される周波数算出サブモジュールと、
各睡眠身体徴候に対応する算出周波数をそれぞれ、所定の各睡眠身体徴候に対応する周波数区間にマッチングするように構成される周波数マッチングサブモジュールと、
算出周波数が周波数区間にマッチする睡眠身体徴候が存在する場合、所定の持続時間にわたって収集された圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれていると確定するように構成される第2の確定サブモジュールと、を備える
ことを特徴とする睡眠状態計測装置。
【請求項7】
前記圧力計測モジュールは、
マットレスの下に設置されてベッド上のアナログ圧力信号を収集するように構成される圧力センサと、
前記アナログ圧力信号を増幅するように構成される増幅器と、
増幅されたアナログ圧力信号をフィルタリングするように構成されるフィルタ回路と、
フィルタリングされたアナログ圧力信号をデジタル信号に変換し、前記デジタル信号を前記ベッド上の圧力情報とするように構成されるアナログデジタル変換器と、を備える
ことを特徴とする請求項6に記載の睡眠状態計測装置。
【請求項8】
電子機器であって、
プロセッサとメモリとを備え、
前記プロセッサは、前記メモリに記憶されたデータ処理プログラムを実行して、請求項1ないしのいずれか1項に記載の睡眠状態計測方法を実行するように構成される
ことを特徴とする電子機器。
【請求項9】
記憶媒体であって、
前記記憶媒体には1つ以上のプログラムが記憶され、
前記1つ以上のプログラムは、1つ以上のプロセッサにより実行可能であり、請求項1ないしのいずれか1項に記載の睡眠状態計測方法を実行する
ことを特徴とする記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、2020年06月17日に中国特許庁に出願された、出願番号が202010554753.2であって発明の名称が「睡眠状態計測方法、装置、電子機器及び記憶媒体」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容全体は本開示において参照により組み込まれる。
【0002】
本開示は、スマートデバイスの分野に関し、特に睡眠状態計測方法、装置、電子機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
社会中の人々の仕事生活がスピードアップしてきた中、健康に対する大衆の意識も段々と変わって、重視するようになってきた。その中、普遍的に際立っている睡眠問題は最も注目される焦点の1つになっている。
【0004】
睡眠問題は人に対して生理的及び精神的にネガティブな影響を与える。新興のコンシューマー級の睡眠状態計測アプリケーション技術を利用して睡眠状態計測を行って睡眠障害問題を早速に発見することは、ユーザの睡眠問題の解決に効果的に寄与する。
【0005】
従来のコンシューマー級の睡眠状態計測装置は睡眠マットレス、睡眠ボタン、睡眠計測ベルトなどが挙げられる。それらは機能が類似しており、睡眠状態データの計測を実現することができる。しかしながら、これらの装置の睡眠状態計測の起動はいずれもユーザの手動操作に依頼するため、手間がかかって不便である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
睡眠状態計測の起動が手動操作に依頼するという技術的課題を解決するために、本開示は、睡眠状態計測方法、装置、電子機器及び記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1態様において、本開示の実施例は睡眠状態計測方法を提供する。該睡眠状態計測方法は、ベッド上の圧力情報を収集するステップと、所定の持続時間にわたって収集された圧力情報を計測して、前記圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれているか否かを確定するステップと、含まれている場合に睡眠状態計測機能を起動して睡眠状態計測を行うステップと、を含む。
【0008】
1つの可能な実施態様において、所定の持続時間にわたって収集された圧力情報を計測して、前記圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれているか否かを確定する前記ステップの前に、前記睡眠状態計測方法は、前記圧力情報に基づいて前記ベッドに人がいるか否かを確定するステップを更に含み、人がいる場合、所定の持続時間にわたって収集された圧力情報を計測して、前記圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれているか否かを確定する前記ステップが行われる。
【0009】
1つの可能な実施態様において、前記圧力情報は圧力値を含み、前記圧力情報に基づいて前記ベッドに人がいるか否かを確定する前記ステップは、前記圧力情報に所定の圧力閾値より大きい圧力値が含まれているか否かを計測するステップと、含まれている場合、前記圧力情報中の圧力値が持続的に前記所定の圧力閾値を超える時間が所定の時間閾値より短いか否かを判断するステップと、短くない場合に前記ベッドに人がいると確定するステップと、短い場合に前記ベッドに人がいないと確定するステップと、を含む。
【0010】
1つの可能な実施態様において、前記圧力情報は圧力値を含み、所定の持続時間にわたって収集された圧力情報を計測して、前記圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれているか否かを確定する前記ステップは、所定の持続時間にわたって収集された圧力情報に基づいて圧力曲線を生成するステップと、前記圧力曲線のピークと各ピークに対応する圧力値とを確定するステップと、各ピークに対応する圧力値を、所定の各睡眠身体徴候に対応する圧力区間にマッチングするステップと、睡眠身体徴候に対応する圧力区間にマッチする圧力値に対応するターゲットピークが存在する場合、前記圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれていると確定するステップと、を含む。
【0011】
1つの可能な実施態様において、前記圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれていると確定する前記ステップの前に、前記睡眠状態計測方法は、前記圧力曲線に基づいて各ターゲットピークに対応する時刻を確定するステップと、各睡眠身体徴候に対応するターゲットピークの時刻に基づいて各睡眠身体徴候に対応する算出周波数を計算するステップであって、前記睡眠身体徴候に対応するターゲットピークは圧力値が前記睡眠身体徴候に対応する圧力区間にマッチするターゲットピークであるステップと、各睡眠身体徴候に対応する算出周波数をそれぞれ、各睡眠身体徴候に対応する所定の周波数区間にマッチングするステップと、周波数区間にマッチする算出周波数に対応する睡眠身体徴候が存在する場合、所定の持続時間にわたって収集された圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれていると確定するステップと、を更に含む。
【0012】
1つの可能な実施態様において、前記睡眠身体徴候は心拍及び呼吸のうちの少なくとも1つを含む。
【0013】
1つの可能な実施態様において、ベッド上の圧力情報を収集するステップは、マットレスの下に設置された圧力センサによってベッド上のアナログ圧力信号を収集するステップと、前記アナログ圧力信号を増幅し、増幅されたアナログ圧力信号をフィルタリングするステップと、フィルタリングされたアナログ圧力信号をデジタル信号に変換し、前記デジタル信号を前記ベッド上の圧力情報とするステップと、を含む。
【0014】
第2態様において、本開示の実施例は睡眠状態計測装置を提供する。前記睡眠状態計測装置は、ベッド上の圧力情報を収集するように構成される圧力計測モジュールと、所定の持続時間にわたって収集された圧力情報を計測して、前記圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれているか否かを確定するように構成される睡眠身体徴候計測モジュールと、所定の持続時間にわたって収集された前記圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれていると確定した場合に睡眠状態計測機能を起動して睡眠状態計測を行うように構成される起動モジュールと、を備える。
【0015】
第3態様において、本開示の実施例は電子機器を提供する。前記電子機器は、プロセッサとメモリとを備え、前記プロセッサは、前記メモリに記憶されたデータ処理プログラムを実行して第1態様に記載の睡眠状態計測方法を実施するように設置される。
【0016】
第4態様において、本開示の実施例は記憶媒体を提供する。前記記憶媒体には1つ又は複数のプログラムが記憶され、前記1つ又は複数のプログラムは、1つ又は複数のプロセッサにより実行可能であり、それによって第1態様に記載の睡眠状態計測方法を実施する。
【発明の効果】
【0017】
関連技術に対して、本開示の実施例は睡眠状態計測方法を提案する。上述の関連技術に比べて、本開示の実施例に係る睡眠状態計測方法は以下の長所を有する。
本開示の実施例に係る睡眠状態計測方法においては、ベッド上の圧力情報を収集し、所定の持続時間にわたって収集された圧力情報を計測して、圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれているか否かを確定する。それに、圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれていると確定した場合、ユーザが睡眠状態になったと判断し、睡眠状態計測機能を起動して睡眠状態計測を行う。本技術案は睡眠状態計測機能付きの機器に適用されることができ、それにより睡眠状態計測機能付きの機器における睡眠状態計測機能の自動的起動を実現して、ユーザを手動操作から解放させて手間を節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
ここの図面は明細書に組み込まれて明細書の一部を構成し、本開示に一致する実施形態を示しながら明細書の記載と一緒に本開示の原理を説明する。
以下、本開示の実施形態又は関連技術による技術案をより明確に説明するために、実施形態又は関連技術に対する説明で使用される図面について簡単に説明する。明らかに、当業者であればこれらの図面に基づいて創造的な労働をせずに他の図面を得ることである。
【0019】
図1】本開示の実施例に係る睡眠状態計測方法のフローチャートである。
図2】本開示の実施例に係る圧力計測モジュールの概略図である。
図3】本開示の実施例に係る睡眠身体徴候パラメータを計測する方法のフローチャートである。
図4】本開示の実施例に係る睡眠状態計測方法の概略図である。
図5】本開示の実施例に係る睡眠状態計測装置のブロック図である。
図6】本開示の実施例に係る電子機器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示の実施形態の目的、技術案及びメリットをより明確にするために、以下、本開示の実施形態による発明について図面を参考しながら明確かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施形態は本開示の実施形態の一部に過ぎず、そのすべてではない。本開示の実施形態に基づき、当業者が創造的な労働をせずに得られる他の実施形態はすべて本開示の保護範囲に含まれることを理解されたい。
【0021】
睡眠状態計測器は睡眠状態計測機能付きの機器であり、睡眠状態計測機能はユーザの睡眠品質を計測するように設定される機能である。睡眠状態計測器の睡眠状態計測機能が起動されると、睡眠状態計測器はユーザの睡眠データを収集し、収集した睡眠データに基づいてユーザの睡眠品質を分析する。従来の睡眠状態計測器の睡眠状態計測機能は通常、ユーザにより手動で起動されなければならない。長期的な使用を考えると、ユーザの必要以上の参与を減らすことができる機器こそ真の「スマート」機器である。それに鑑みて、本開示の実施例は睡眠状態計測方法を提供する。この睡眠状態計測方法はユーザによる介入が必要なく、睡眠状態計測器の睡眠状態計測機能を自動的に起動させることができるため、感知されないままで睡眠状態計測プロセスをユーザの生活に組み込ませる。それにより、ユーザが学習にかかる手間をある程度削減し(すなわち睡眠状態計測機能の起動方法を学習する必要がない)、ユーザは就寝前に機器の睡眠状態計測機能を手動で起動する必要がなくなる。煩雑な手動操作に頼る睡眠状態計測機能の起動に比べ、ゼロ介入の方式はユーザに自由さと快適さを提供する。
【0022】
図1は、本実施例に係る睡眠状態計測方法のフローチャートである。当該睡眠状態計測方法は、睡眠状態計測器などの睡眠状態計測機能付きの装置に適用されることにより、睡眠状態計測機能の自動起動を実現できる。睡眠状態計測機能が起動されると、ユーザの睡眠状態データが計測される。図1に示すように、当該睡眠状態計測方法は以下のステップを含むことができる。
【0023】
S11において、ベッド上の圧力情報を収集する。
ここで、圧力情報は、ベッドで検知される圧力値を表す情報である。
具体的な実施に際して、圧力計測モジュールを用いてベッド上の圧力情報を収集することができる。圧力計測モジュールをマットレスの下に設置する。ここで、気付かれない計測を実現するために、計測の精度を確保する前提で、マットレスはある程度の厚さを有してもよい。マットレスは圧力を受けるときに圧力変形が生じる。生じた変形は圧力計測モジュールに伝えられ、これにより圧力計測モジュールは圧力変形に基づいて圧力情報を取得する。
具体的な実施に際して、当該睡眠状態計測方法を睡眠状態計測器に適用する場合、睡眠状態計測器に設置されている圧力計測モジュールを利用してベッド上の圧力情報を収集することができる。
【0024】
S12において、所定の持続時間にわたって収集された圧力情報を計測して、前記圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれているか否かを確定する。
身体徴候は、心拍、呼吸、体動、いびきなどを含むことができる。身体徴候パラメータは身体徴候の特徴を表すためのデータである。例えば、身体徴候の特徴は心拍強度、呼吸強度、体動強度などであってもよい。
人がベッドにいる時、その身体徴候によってマットレスには対応する圧力変形が生じて、圧力計測モジュールは対応する圧力情報を生成する。そのため、圧力情報には一般に身体徴候を反映するデータ、すなわち身体徴候パラメータが含まれる。
【0025】
睡眠状態又は非睡眠状態によってユーザの姿勢は通常異なり、例えば、睡眠状態にあるユーザのベッドでの姿勢は通常横になっている姿勢であり、非睡眠状態にあるユーザのベッドでの姿勢は通常座っている姿勢である。また、異なる姿勢によってユーザのマットレスとの接触状況も異なるため、マットレスにおいて生じる圧力変形も異なる。ひいては、ユーザの睡眠状態又は非睡眠状態によって、圧力計測モジュールにより収集される圧力情報も異なる。しかも、心拍や呼吸などのような一部の身体徴候パラメータは、ユーザが横になっているときにしか収集できない。座っている姿勢でいるユーザは上半身がマットレスに接触しないため、ユーザがマットレスに座っているとき、これらの身体徴候パラメータは圧力計測モジュールにより収集されることができない。ユーザが横姿勢になるのは通常睡眠が開始するときであるため、本実施例においては、横になる姿勢でいればユーザは睡眠開始したと考えられ、ユーザが横になっている場合のみに収集可能な身体徴候パラメータを睡眠身体徴候パラメータとする。
【0026】
本実施例においては、ユーザが睡眠を開始したか否かを確定するために、所定の持続時間にわたって収集された圧力情報を計測して、睡眠身体徴候を表すデータ、すなわち睡眠身体徴候パラメータが圧力情報に含まれているか否かを確定する。圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれている場合には、ユーザが睡眠を開始したと確定し、圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれていない場合には、ユーザが睡眠を開始していないと確定する。
【0027】
なお、所定の持続時間にわたって収集された圧力情報は連続的なものであるため、ここでは所定の持続時間にわたって収集された圧力情報を計測する。個別の圧力情報又は不連続的な圧力情報は前後に参照値がないため、このような孤立した圧力情報を計測すると、計測結果の正確度が低くなる。それに鑑みて、本実施例においては、所定の持続時間にわたって収集された圧力情報を計測することにより、計測結果の正確性を確保する。ここで、所定の持続時間は、具体的な需要に応じて設定されるものであり、例えば1分間などであってもよいが、ここではその時間を具体的に限定しない。
【0028】
S13において、含まれている場合、睡眠状態計測機能を起動して睡眠状態計測を行う。
圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれていないと確定した場合には、睡眠状態計測機能を起動しない。
【0029】
圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれている場合、ユーザは睡眠を開始したと考えられ、このとき睡眠状態計測機能を起動する。圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれていない場合、ユーザは睡眠を開始していないと考えられ、このときには睡眠状態計測機能を起動しない。このようにして、ユーザによる手動操作が必要なく、睡眠計測機能の自動的な起動を実現することができる。さらに、圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれていると確定した場合(すなわちユーザが睡眠開始時)のみに睡眠計測機能を起動することにより、ユーザがまだ睡眠を開始していないときに睡眠状態計測機能を起動して無駄なエネルギーを消費することを避ける。
【0030】
具体的な実施に際して、当該睡眠状態計測方法を睡眠状態計測器に適用すると、圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれている場合には、睡眠状態計測器を計測状態に設定する。計測状態では、睡眠状態計測器はユーザに対して睡眠状態計測を行う。圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれていない場合には、ユーザが睡眠していないと考えられ、このとき睡眠状態計測器のエネルギー消費を低減するように、睡眠状態計測器をスタンバイ状態(すなわち睡眠状態計測機能を起動しない状態)に設定することができる。
【0031】
本開示の実施例で提供される睡眠状態計測方法においては、ベッド上の圧力情報を収集し、所定の持続時間にわたって収集された圧力情報を計測して圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれているか否かを確定し、圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれている場合にユーザが睡眠を開始したと判断し、睡眠状態計測機能を自動的に起動してベッド上のユーザに対して睡眠状態計測を行う。本技術案によれば、ユーザによる手動操作を必要とせずに睡眠状態計測を自動的に起動することができ、手間を節約することができる。
【0032】
以上の実施例に基づき、図2に示すように、圧力計測モジュールは、圧力センサ、増幅器、フィルタ回路及びアナログデジタル変換器を含んでもよい。具体的な適用シーンにおいては、圧力センサをマットレスの下に設置することができる。図2に示す圧力計測モジュールによってベッド上の圧力情報を収集することは以下の内容を含むことができる。
マットレスの下に設置された圧力センサによってベッド上のアナログ圧力信号を収集する。ただし、圧力センサが収集した信号は通常振幅が小さいため、増幅器を用いて前記アナログ圧力信号を増幅する。また、収集されたアナログ信号は通常ノイズを含むので、ノイズによる悪影響を低減するために、増幅されたアナログ圧力信号をフィルタ回路によりフィルタリングする。S12等のステップは、通常、睡眠状態計測器などの睡眠状態計測機能付きの装置中のワンチップマイコン(例えば、ADCモジュール)により実行される。ここで、ワンチップマイコンはアナログ信号を認識できないため、フィルタリングされたアナログ圧力信号をアナログデジタル変換器によりデジタル信号に変換し、前記デジタル信号を前記ベッド上の圧力情報としてワンチップマイコンに送信してS12等のステップを実行する。
【0033】
1つの実施可能な態様において、フィルタ回路は、1つのバンドパスフィルタと1つのローパスフィルタから構成されてもよく、2組のバンドパスフィルタから構成されてもよい。フィルタ回路によってアナログ信号を2回フィルタリングすることができ、より多くのノイズを除去することができる。
【0034】
1つの実施可能な態様において、圧力センサは圧電フィルムセンサであってもよい。圧電フィルムセンサは、圧電フィルムに発生する変形に応じてアナログ圧力信号を生成することができる。
【0035】
本実施例においては、上述の手段で圧力情報を収集することにより、一部のノイズ信号をフィルタリングによって除去することができるとともに、アナログ圧力信号を、睡眠検知器などの睡眠状態検知機能付きの装置におけるワンチップマイコンにより認識可能な圧力情報に変換して、後続の処理を容易にする。
【0036】
以上の実施例をもとに、S12を実行する前に、当該睡眠状態計測方法は以下の内容を更に含んでもよい。
前記圧力情報に基づいて、前記ベッドに人がいるか否かを確定し、人がいる場合にS12を実行し、人がいない場合にS12を実行しない。
また、ベッドに人がいない場合には、睡眠状態計測装置をスタンバイ状態に設定することを更に含んでもよい。それにより、睡眠状態計測装置の消費電力を低減する。
本実施例においては、ベッドに人がいるか否かを先に計測し、ベッドに人がいる場合のみにS12を実行する。それにより、ベッドに人がいないときにS12を実行して電力を浪費してしまうことを回避し、睡眠状態計測器の作業量を削減して睡眠状態計測器の寿命をより一層長くした。
【0037】
以上の実施例のもとに、前記圧力情報は圧力値を含む。ここで、圧力情報に基づいてベッドに人がいるか否かを確定することは、以下の方式により実現することができる。
前記圧力情報に所定の圧力閾値より大きい圧力値が含まれているか否かを計測し、含まれている場合、前記圧力情報中の圧力値が持続的に所定の圧力閾値を超える時間が所定の時間閾値より短いか否かを判断し、短くない場合には前記ベッドに人がいると確定し、短い場合には前記ベッドに人がいないと確定する。
【0038】
ここで、所定の圧力閾値は需要に応じて設置された圧力値である。例えば、ユーザの体重及びマットレスの重量に基づいて対応する圧力値を算出し、算出された圧力値を所定の圧力閾値とすることができる。
圧力情報に所定の圧力閾値より大きい圧力値がある場合、マットレスの上にユーザがいると考えられる。
しかし、ユーザはマットレスの上に短い時間留まっただけでマットレスから離れてしまうかもしれない。この場合にもS12を実行する必要がない。そのため、睡眠状態計測器の作業量を低減するために、マットレスの上にユーザがいると確定した後、本実施例においてはさらに、前記圧力情報中の圧力値が持続的に所定の圧力閾値を超える時間が所定の時間閾値より短いか否かを判断する。その目的は、ユーザがマットレスの上に留まった時間が所定の時間閾値に達したか否かを判断することである。圧力情報中の圧力値が持続的に所定の圧力閾値を超える時間が所定の時間閾値より短くないと判断した場合、ユーザがマットレスの上に留まった時間が所定の時間閾値に達したと確定し、S12を実行する。圧力情報中の圧力値が持続的に所定の圧力閾値を超える時間が所定の時間閾値より短いと判断した場合、ユーザがマットレスの上に留まった時間が所定の時間閾値に達していないと確定し、S12を実行しない。ここで、時間閾値は具体的な需要に応じて設定されるものである。
【0039】
本実施例において、圧力値の大きさによってマットレスの上に人がいるか否かを計測するため、簡単で便利であり、計算量が少ない。マットレスの上に人がいると確定してから、ユーザがマットレスの上に留まった時間が時間閾値に達したか否かを確定し、ユーザがマットレスの上に留まった時間が時間閾値に達した場合のみにマットレスの上に人がいるという結果を出力してS12を実行する。このように、ユーザがマットレスの上に非常に短く留まったときにもS12が実行されて電力が浪費されてしまうことを回避するとともに、睡眠状態計測器の作業量を軽減することができる。
【0040】
以上の実施例のもとに、心拍の特徴及び呼吸の特徴を示すデータは、ユーザがマットレスの上で仰向け状態になるときにしか収集できない。一方、ユーザが仰向けの姿勢になるのは、通常、睡眠を開始しようとするときである。そのため、本実施例においては、心拍及び呼吸を睡眠身体徴候とし、心拍の特徴及び呼吸の特徴を示すデータを睡眠身体徴候パラメータとする。
【0041】
以上の実施例のもとに、図3に示すように、S12においては以下のステップによって所定の持続時間にわたって収集された圧力情報を計測して前記圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれているか否かを確定することができる。
S121において、所定の持続時間にわたって収集された圧力情報に基づいて圧力曲線を生成する。
収集した圧力情報と、対応する収集時間とに基づいて、横軸が時間であって縦軸が圧力情報中の圧力値である圧力曲線を生成することができる。
S122において、前記圧力曲線におけるピークと、各ピークに対応する圧力値とを確定する。
【0042】
圧力曲線は、所定の持続時間内の圧力値が時間に従って変化する様子を示す。人体の心拍、呼吸、体動、いびきなどの身体徴候は、いずれもマットレスの圧力変形を引き起こす。且つ、心拍、呼吸、体動、いびきなどによるマットレスの圧力変形はそれぞれ、大きさ及び発生周波数が異なる区間にある。同じ条件で発生する振幅応答において、体動による圧力変形が最も大きく、その次が呼吸による圧力変形であり、心拍による圧力変形が最も小さい。圧力曲線においては、体動による圧力値が最も大きく、その次が呼吸であり、最も小さいのが心拍となる。周波数応答において、体動の周波数は一定ではないが、圧力値の大きさにより体動に対応する圧力値を確定してから圧力値に対応する時間に基づいて体動の回数及び体動の持続時間を容易に算出することができる。心拍と呼吸の周波数は一般に規則的なものであり、例えば、正常な人の睡眠中の心拍数は60~70回/分、すなわち対応する周波数が1~1.2Hz程度であり、呼吸回数は心拍数の1/4程度であってすなわち15~18回/分程度であり、対応する周波数も心拍数の1/4程度であってすなわち0.25~0.3Hz程度である。よって、これらの異なる睡眠身体徴候パラメータは、異なる圧力値及び/又は圧力値が現れる頻度によって区別することができる。
【0043】
S123において、各ピークに対応する圧力値を、所定の各睡眠身体徴候に対応する圧力区間にマッチングする。
各睡眠身体徴候に対応する圧力区間はそれぞれ異なるため、圧力区間によって睡眠身体徴候を区別することができる。
例えば、呼吸と心拍を睡眠身体徴候とする場合、呼吸によりマットレスで発生する圧力区間と心拍によりマットレスで発生する圧力区間を予め設定し、各ピークに対応する圧力値を、呼吸に対応する圧力区間と心拍に対応する圧力区間のそれぞれに比較する。ピークに対応する圧力値が、呼吸に対応する圧力区間に含まれる場合、当該ピークは呼吸という睡眠身体徴候に対応するターゲットピークである。当該ピークの圧力値が呼吸の強度を表すことができるため、当該ピークの圧力値はすなわち呼吸という睡眠身体徴候のパラメータである。ピークに対応する圧力値が、心拍に対応する圧力区間に含まれる場合、当該ピークは心拍という睡眠身体徴候に対応するターゲットピークであり、当該ピークの圧力値が心拍の強度を表すことができるため、当該ピークの圧力値はすなわち心拍という睡眠身体徴候のパラメータである。
【0044】
S124において、睡眠身体徴候に対応する圧力区間にマッチする圧力値に対応するターゲットピークが存在する場合、前記圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれていることを確定する。
ピークに対応する圧力値が睡眠身体徴候に対応する圧力区間にマッチすると、当該ピークは、対応する睡眠身体徴候によって発生したものであると考えられる。例えば、心拍を睡眠身体徴候とした場合、あるピークに対応する圧力値が心拍に対応する圧力区間にマッチすると、当該ピークは心拍によって発生したものであると考えられる。
【0045】
ユーザが睡眠を開始した場合のみに、収集された圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれるので、圧力値が睡眠身体徴候パラメータに対応する圧力区間にマッチするターゲットピークさえ存在すれば、圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれていると確定する。
圧力値が睡眠身体徴候に対応する圧力区間にマッチするターゲットピークが存在しない場合、所定の持続時間にわたって収集された圧力情報には睡眠身体徴候パラメータが含まれていないと確定する。
【0046】
本実施例においては、圧力情報中のピークに対応する圧力値と睡眠身体徴候パラメータに対応する圧力区間との比較結果に基づいて、収集された情報に睡眠身体徴候パラメータが存在するか否かを確定し、簡単で便利である。
【0047】
また、体動による圧力値は大きくなったり小さくなったりして一定の値ではないので、体動による圧力値は心拍又は呼吸などの睡眠身体徴候に対応する圧力区間に入る可能性がある。そのため、ピークの圧力値のみによって睡眠身体徴候パラメータの存在を確定する場合には誤差が出る可能性がある。上述の実施例のもとに、ターゲットピークが存在すると確定した後、さらに睡眠身体徴候に対応するピークが発生する周波数を算出することができる。算出された周波数が所定の周波数区間に含まれる睡眠身体徴候が存在する場合には、圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれていると確定し、存在しない場合には、圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれていないと確定する。周波数について判断することにより、体動による圧力値からの干渉を排除することができる。加えて、人の覚醒状態と睡眠状態での睡眠身体徴候に対応する周波数区間も異なる。それで、周波数区間を設定する際には、ユーザの睡眠状態の睡眠身体徴候に対応する周波数区間に設定することができ、それにより、周波数の比較によってユーザが睡眠状態にあるか否かをより正確に確定することができ、最後の睡眠状態計測をより正確に確保することができる。
【0048】
具体的には、以下のように周波数を比較することができる。前記圧力曲線に基づいて各ターゲットピークに対応する時刻を確定する。各睡眠身体徴候に対応するターゲットピークの時刻に基づいて各睡眠身体徴候に対応する算出周波数を計算し、ここで、睡眠身体徴候に対応するターゲットピークは圧力値が当該睡眠身体徴候に対応する圧力区間にマッチするターゲットピークである。各睡眠身体徴候に対応する算出周波数をそれぞれ、各睡眠身体徴候に対応する所定の周波数区間にマッチングする。周波数区間にマッチする算出周波数に対応する睡眠身体徴候が存在する場合、所定の持続時間にわたって収集された圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれていると確定する。
【0049】
本実施例においては、上述のようにして、睡眠身体徴候パラメータの判別をより正確にすることができる。
上述の実施例のもとに、ステップS13で睡眠状態計測機能を起動した後、当該睡眠状態計測方法は、ベッド上の圧力情報を継続的に収集することと、収集された圧力情報に基づいて対応的な圧力曲線を生成し、圧力区間に対応するピークを確定し、ピークに対応する圧力値と時間を確定することと、ピークに対応する圧力値を所定の身体徴候に対応する圧力区間とを比較することで、ピークに対応する身体徴候を確定することと、各身体徴候に対応するピークの時間に基づいて各身体徴候に対応する周波数を算出することと、各身体徴候に対応する周波数及び圧力値をそれぞれ、所定の各睡眠状態に対応する周波数区間及び圧力区間に比較して、ユーザの睡眠状態を確定することと、を更に含んでもよい。
ここで、身体徴候は、体動、呼吸、心拍、いびきなどのうちの1つ以上を含むことができる。
【0050】
本実施例においては、圧力情報に基づいてユーザの身体徴候を分析することにより、ユーザの睡眠状態を確定する。その結果が正確であり、かつユーザによる操作を必要としないため、ユーザが介入せずに睡眠状態計測を実現し、ユーザ体験を向上させた。
【0051】
具体的な一例として、本開示の実施例に係る睡眠状態計測方法が睡眠状態計測器に適用されることを例とする。図4に示すように、睡眠計測方法のフローは以下を含む。まず、マットレスに圧力変形が生じる場合、圧力センサがマットレスから送信された圧力変形に基づいて対応するアナログ圧力信号を生成する。アナログ圧力信号を増幅器に入力してアナログ圧力信号を増幅し、増幅されたアナログ圧力信号をフィルタリング回路によりフィルタリングする。フィルタリング後、アナログデジタル変換モジュールによりアナログデジタル変換を行ってデジタル圧力信号を取得する。デジタル圧力信号を圧力情報とし、圧力情報を睡眠状態計測器中のワンチップマイコンに送信する。ワンチップマイコンは圧力情報に基づいてベッドにユーザがいるか否かを判断し、ユーザがいない場合には睡眠状態計測器をスタンバイモードに設置し、ベッドにユーザがいると検出した場合には圧力情報を継続的に収集し、収集された圧力情報に基づいてベッド上のユーザが睡眠を開始したか否かを判断する。睡眠開始していないと判断した場合には睡眠状態計測器をスタンバイモードに設置し、睡眠開始したと判断した場合には睡眠状態計測器の睡眠計測機能を起動して睡眠状態計測を開始する。
【0052】
本実施例は、睡眠状態計測器に適用できる睡眠状態計測装置を更に提供する。図5に示すように、当該装置は、ベッド上の圧力情報を収集するように構成される圧力計測モジュール501と、所定の持続時間にわたって収集された圧力情報を計測して前記圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれているか否かを確定するように構成される睡眠身体徴候計測モジュール502と、所定の持続時間にわたって収集された圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれていると確定した場合に睡眠状態計測機能を起動して睡眠状態計測を行うように構成される起動モジュール503と、を備える。
【0053】
1つの可能な実施態様において、前記装置は、所定の持続時間にわたって収集された圧力情報を計測して圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれているか否かを確定する前に、前記圧力情報に基づいてベッドに人がいるか否かを確定するように構成されるユーザ計測モジュールを更に含んでもよい。
【0054】
1つの可能な実施態様において、前記圧力情報は圧力値を含み、前記ユーザ計測モジュールは、前記圧力情報に所定の圧力閾値より大きい圧力値が含まれているか否かを計測するように構成される圧力計測サブモジュールと、前記圧力情報に所定の圧力閾値より大きい圧力値が含まれている場合、前記圧力情報中の圧力値が持続的に所定の圧力閾値を超える時間を計測するように構成される時間計測サブモジュールと、前記圧力情報中の圧力値が持続的に所定の圧力閾値を超える時間が所定の時間閾値より小さいか否かを判断し、小さくない場合に前記ベッドに人がいると確定し、小さい場合に前記ベッドに人がいないと確定するように構成される判断サブモジュールと、をさらに備える。
【0055】
1つの実施可能な態様において、前記圧力情報は圧力値を含み、前記睡眠身体徴候計測モジュールは、所定の持続時間にわたって収集された圧力情報に基づいて圧力曲線を生成するように構成される曲線生成サブモジュールと、前記圧力曲線のピークと各ピークに対応する圧力値とを確定するように構成されるピーク情報確定サブモジュールと、各ピークに対応する圧力値を、所定の各睡眠身体徴候に対応する圧力区間にマッチングするように構成される圧力マッチングサブモジュールと、圧力値が睡眠身体徴候に対応する圧力区間にマッチするターゲットピークが存在する場合、圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれていると確定するように構成される第1確定サブモジュールと、を備えることができる。
【0056】
上述の実施例のもとに、前記睡眠身体徴候計測モジュールは、前記圧力曲線に基づいて各ターゲットピークに対応する時刻を確定するように構成される時刻確定サブモジュールと、各睡眠身体徴候に対応するターゲットピークの時刻に基づいて、各睡眠身体徴候に対応する算出周波数を計算する(ここで、睡眠身体徴候に対応するターゲットピークは、圧力値が当該睡眠身体徴候に対応する圧力区間にマッチするターゲットピークである)ように構成される周波数算出サブモジュールと、各睡眠身体徴候に対応する算出周波数をそれぞれ、所定の各睡眠身体徴候に対応する周波数区間にマッチングするように構成される周波数マッチングサブモジュールと、算出周波数が周波数区間にマッチする睡眠身体徴候が存在する場合、所定の持続時間にわたって収集された圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれていると確定するように構成される第2の確定サブモジュールと、を更に備えてもよい。
【0057】
上述の実施例のもとに、前記圧力計測モジュールは、マットレスの下に設置されてベッド上のアナログ圧力信号を収集するように構成される圧力センサと、前記アナログ圧力信号を増幅するように構成される増幅器と、増幅されたアナログ圧力信号をフィルタリングするように構成されるフィルタ回路と、フィルタリングされたアナログ圧力信号をデジタル信号に変換し、前記デジタル信号を前記ベッド上の圧力情報とするように構成されるアナログデジタル変換器と、を備えてもよい。
【0058】
本開示の別の1つの実施例は、上述のいずれかの実施例に記載の睡眠状態計測装置を備える睡眠状態計測器を更に提供する。
【0059】
本開示の別の1つの実施例は、図6に示すように、プロセッサ601と、通信インターフェース602と、メモリ603と、通信バス604とを備える電子機器を更に提供する。ここで、プロセッサ601、通信インターフェース602及びメモリ603は通信バス604を介して互いに通信する。
【0060】
メモリ603は、プログラムを記憶するように構成される。
【0061】
プロセッサ601は、メモリ603に記憶されたプログラムを実行する際に、ベッド上の圧力情報を収集することと、所定の持続時間にわたって収集された圧力情報を計測して圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれているか否かを確定することと、圧力情報に睡眠身体徴候パラメータが含まれていると確定した場合に睡眠状態計測機能を起動して睡眠状態計測を行うことと、を実行するように設置される。
【0062】
上述の電子機器における通信バス604は、PCI(Peripheral Component Interconnect)バスや、EISA(Extended Industry Standard Architecture)バスなどであってもよい。通信バス604は、アドレスバス、データバス、制御バス等に分類されることができる。図6では表現しやすいために太い線1本だけを書いているが、バスが1つしかないか又は1種類しかないと意味しない。
【0063】
通信インターフェース602は、上述した電子機器と他の機器との間の通信に用いられる。
【0064】
メモリ603は、RAM(Random Access Memory)を含んでもよく、不揮発性メモリ(non-volatile memory)、例えば少なくとも1つのディスクメモリを含んでもよい。一部の実施態様において、メモリは、前述のプロセッサから離れた場所にある少なくとも1つの記憶装置であってもよい。
【0065】
上述のプロセッサ601は、CPU(Central Processing Unit)、NP(Network Processor)等を含む汎用プロセッサであってもよく、DSP(Digital Signal Processing)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のプログラム可能な論理デバイス、ディスクリートゲートやトランジスタの論理デバイス、ディスクリートハードコンポーネント等であってもよい。
【0066】
本開示の別の1つの実施例は、コンピュータ可読記憶媒体を更に提供する。前記コンピュータ可読記憶媒体には睡眠状態計測方法プログラムが記憶されている。前記睡眠状態計測方法プログラムがプロセッサによって実行されると、上述のいずれかの睡眠状態計測方法のステップが実行される。
【0067】
本開示の実施例が具体的に実施される場合は、上述した各実施例と対応する技術効果が果たされる。
なお、この明細書では、「第1」、「第2」などの用語は、ある実体や操作を他のものから区別するために使用されるものに過ぎず、これらの実体や操作の間にこのような関係や順序が実際に存在することを必ずしも要求または暗示するものではない。また、「含む」、「備える」或いはそれらの任意の変形は、非排他的に含むことを意味する。それにより、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置はそれらの要素だけでなく、明確に挙げられていない他の要素も含んでもよく、又はこのようなプロセス、方法、物品又は装置の固有の要素を更に含んでもよい。他の制限が記載されていない場合、「1つの…を含む」という文により限定される要素は、当該要素を含むプロセス、方法、物品又は装置に他の同一の要素が含まれることを排除しない。
以上は、当業者が本開示を理解または実施できるように、本開示の具体的な実施形態を示したに過ぎない。これらの実施形態に対する様々な変更は当業者にとっては容易であり、本明細書で定義される一般原理は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく他の実施形態で実施することができる。したがって、本開示は、本明細書に示される実施形態に限定されるものではなく、本明細書に適用される原理および新規な特徴と一致する最も広い範囲に従うものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6