(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】磁気位置の追跡を伴う高密度電極カテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20240705BHJP
A61B 5/367 20210101ALI20240705BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B5/367 100
(21)【出願番号】P 2022580549
(86)(22)【出願日】2021-08-18
(86)【国際出願番号】 IB2021057610
(87)【国際公開番号】W WO2022038546
(87)【国際公開日】2022-02-24
【審査請求日】2023-02-21
(32)【優先日】2020-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511177374
【氏名又は名称】セント・ジュード・メディカル,カーディオロジー・ディヴィジョン,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トロイ ティー. テッグ
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー ケー. オルソン
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー エス. マラス
(72)【発明者】
【氏名】デレク シー. ズーターマイスター
(72)【発明者】
【氏名】ブルース エブナー
(72)【発明者】
【氏名】ホン カオ
(72)【発明者】
【氏名】ヴラディスラフ ドミドリエビッチ ポポフ
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0116539(US,A1)
【文献】特表2019-516455(JP,A)
【文献】国際公開第2019/195439(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/108664(WO,A2)
【文献】特開2016-144642(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/14
A61B 5/367
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高密度電極カテーテルであって、
近位端部及び遠位端部を含むカテーテル・シャフトであって、カテーテル・シャフト長手方向軸を画定するカテーテル・シャフトと、
前記カテーテル・シャフトの遠位部分に沿って配設されるシャフト磁気位置センサと、
前記カテーテル・シャフトの前記遠位端部に隣接して位置する可撓性先端部分であって、可撓性枠組を含む可撓性先端部分と、
前記可撓性枠組上に配設される複数の電極と、
近位結合器と、
前記可撓性枠組の
遠位部分上に配設される先端磁気位置センサと、を備え
、
前記可撓性枠組は、
第1の長手方向延在外側腕部及び第2の長手方向延在外側腕部と、
第1の長手方向延在内側腕部及び第2の長手方向延在内側腕部と、
前記第1及び第2の長手方向延在内側腕部の間に延在する中心腕部と、を含み、
前記第1及び第2の長手方向延在外側腕部と前記第1及び第2の長手方向延在内側腕部と前記中心腕部が、前記近位結合器から延在しており、
前記第1及び第2の長手方向延在外側腕部と前記第1及び第2の長手方向延在内側腕部が、第1の平面上で前記近位結合器から出ており、
前記中心腕部は、前記第1の平面の両側のうち一方で前記近位結合器から出て、前記近位結合器から離れて前記第1平面に向かって遠位に延在する、
高密度電極カテーテル。
【請求項2】
前記可撓性先端部分の前記遠位部分は、管腔を画定し、
前記先端磁気位置センサは、前記管腔内に配設される、請求項
1に記載の高密度電極カテーテル。
【請求項3】
複数の前
記長手方向延在腕部の少なくとも1つは、前記
先端磁気位置センサが中に配設される
前記管腔を画定する、請求項
2に記載の高密度電極カテーテル。
【請求項4】
複数の前
記長手方向延在腕部の少なくとも1つに沿って配設される電極を更に備え、前記電極は、前記
先端磁気位置センサが中に配設される前記管腔を画定する、請求項
2に記載の高密度電極カテーテル。
【請求項5】
前記第1
及び第2の外側腕部
と前記
第1及び第2の
内側腕部
と前記中心腕部
が、前記カテーテル・シャフトの前記遠位端部に対して遠位に延在し、
前記先端磁気位置センサは、前記中心腕部の遠位端部に配設される、請求項
1に記載の高密度電極カテーテル。
【請求項6】
前記中心腕部は、前記中心腕部の遠位端部に配設される電極を含み、
前記電極は、長手方向延在溝を画定し、
前記
先端磁気位置センサは、前記長手方向延在溝内に配設される、請求項
1に記載の高密度電極カテーテル。
【請求項7】
前記第1
及び第2の外側腕部
と前記
第1及び第2の
内側腕部
と前記中心腕部の遠位
部分を結合する遠位結合器を更に備え、
前記遠位結合器は、前記先端磁気位置センサを含む、請求項
1に記載の高密度電極カテーテル。
【請求項8】
前記遠位結合器は、前記先端磁気位置センサが中に配設される管腔を画定する、請求項
7に記載の高密度電極カテーテル。
【請求項9】
前記遠位結合器は、前記中心腕部の前記遠位端部が中に配設される鍵付きスロットを画定する、請求項
7に記載の高密度電極カテーテル。
【請求項10】
前記先端磁気位置センサは、前記第
1及び第2の外側腕部上に配設された第1の磁気位置センサ及び第2の磁気位置センサを含む、請求項1に記載の高密度電極カテーテル。
【請求項11】
前記中心腕部は、単一長手方向延在腕部を含み、
前記中心腕部は、伸長特徴部を含む、請求項
1に記載の高密度電極カテーテル。
【請求項12】
前記伸長特徴部は、前記単一長手方向延在腕部内に形成される屈曲部を含み、
前記伸長特徴部は、前記可撓性先端部分が折り畳まれた状態の際、伸びるように構成される、請求項
11に記載の高密度電極カテーテル。
【請求項13】
前記第
1及び第2の
長手方向延在外側腕部
と前記第1及び第2の長手方向延在内側腕部と前
記中心腕部の近位端部はそれぞれ、組付け部分を含む、請求項
11に記載の高密度電極カテーテル。
【請求項14】
前記組付け部分は、前記近位結合器に締結されるクリップを含む、請求項
13に記載の高密度電極カテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年8月18日出願の米国仮特許出願第63/067,284号に対する優先権を主張するものであり、当該出願は、参照により、完全に記載されるように本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、磁気位置の追跡を伴う高密度電極カテーテルに関する。
【背景技術】
【0003】
カテーテルは、長年、心臓の医療処置で使用されている。カテーテルは、例えば、心不整脈の診断及び治療に使用される一方で、それ以外の場合ではより侵襲的な処置がなければアクセスが不可能な体内の特定の場所に配置し得る。
【0004】
従来のマッピング・カテーテルは、例えば、カテーテルの長手方向軸を取り囲む複数の隣接リング電極を含むことができ、リング電極は、白金又は何らかの他の金属から構成し得る。これらのリング電極は、比較的硬質である。同様に、従来の焼灼カテーテルは、治療を送出する(例えば、RF焼灼エネルギーを送出する)ため、比較的硬質の先端電極を備え、複数の隣接リング電極も含み得る。これら従来のカテーテル及びカテーテルの比較的硬質な(又は順応しない)金属電極を使用する際、特に、急勾配及び起伏が存在する場合、心臓組織との良好な電気接触を維持することが困難である場合がある。
【0005】
心臓内でのマッピングであろうと、傷の形成であろうと、心臓の鼓動は、特に、一定ではない又は不規則である場合、事態を複雑化し、十分な時間の長さの間、電極と組織との間で十分な接触を保つことを困難にする。これらの問題は、傾斜のある又は柱状の表面上で悪化する。電極と組織との間の接触が十分に維持できない場合、質の高い傷又は正確なマッピングがもたらされる可能性は低い。
【0006】
上記の説明は、本発明の分野を説明する意図にすぎず、特許請求の範囲の否認として解釈すべきではない。
【発明の概要】
【0007】
本開示の様々な実施形態は、高密度電極カテーテルを含み得る。いくつかの実施形態では、高密度電極カテーテルは、近位端部及び遠位端部を含むカテーテル・シャフトを含むことができ、カテーテル・シャフトは、カテーテル・シャフト長手方向軸を画定する。いくつかの実施形態では、高密度電極カテーテルは、カテーテル・シャフトの遠位部分に沿って配設されるシャフト磁気位置センサを含み得る。いくつかの実施形態では、高密度電極カテーテルは、カテーテル・シャフトの遠位端部に隣接して位置する可撓性先端部分を含むことができ、可撓性先端部分は、可撓性枠組を含む。いくつかの実施形態では、高密度電極カテーテルは、可撓性枠組上に配設される複数の電極を含み得る。いくつかの実施形態では、高密度電極カテーテルは、可撓性枠組の一部分上に配設される先端磁気位置センサを含み得る。
【0008】
本開示の様々な実施形態は、高密度電極カテーテルを含み得る。いくつかの実施形態では、高密度電極カテーテルは、近位端部及び遠位端部を含むカテーテル・シャフトを含むことができ、カテーテル・シャフトは、カテーテル・シャフト長手方向軸を画定する。いくつかの実施形態では、高密度電極カテーテルは、前記カテーテル・シャフトの前記遠位端部に隣接して位置する可撓性先端部分を含むことでき、前記可撓性先端部分は、長手方向に延在する第1の外側腕部、第2の外側腕部及び中心腕部を含む。いくつかの実施形態では、高密度電極カテーテルは、前記第1の外側腕部、前記第2の外側腕部及び前記中心腕部のそれぞれの上に配設された複数の電極を含み得る。いくつかの実施形態では、高密度電極カテーテルは、前記中心腕部の遠位部分上に配設された先端磁気位置センサを含み得る。
【0009】
本開示の様々な実施形態は、高密度電極カテーテルを含み得る。いくつかの実施形態では、高密度電極カテーテルは、近位端部及び遠位端部を含むカテーテル・シャフトを含むことができ、カテーテル・シャフトは、カテーテル・シャフト長手方向軸を画定する。いくつかの実施形態では、高密度電極カテーテルは、カテーテル・シャフトの遠位端部に隣接して位置する可撓性先端部分を含むことができ、可撓性先端部分は、可撓性枠組を含む。いくつかの実施形態では、高密度電極カテーテルは、前記可撓性枠組上に配置された可撓性回路を含むことができ、前記可撓性回路はその上に配設される複数の電極を含む。いくつかの実施形態では、高密度電極カテーテルは、前記可撓性枠組の遠位部分上に配設された先端磁気位置センサを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本開示の実施形態によるカテーテル・システムの概略的な概要図である。
【0011】
【
図1B】本開示の実施形態による電気穿孔治療のためのシステムの概略ブロック図である。
【0012】
【
図2A】本開示の様々な実施形態による高密度電極カテーテルの上面図である。
【
図2B】本開示の様々な実施形態による高密度電極カテーテルの等角側面上面図である。
【0013】
【
図3A】本開示の様々な実施形態による高密度電極カテーテルの等角側面上面図である。
【
図3B】本開示の様々な実施形態による高密度電極カテーテルの底面図である。
【0014】
【
図3C】本開示の実施形態による、
図3A及び
図3Bに示される高密度電極カテーテルの側面図である。
【0015】
【
図3D】本開示の実施形態による、
図3Aから
図3Cに示される高密度電極カテーテルの等角側面底面図である。
【0016】
【
図3E】本開示の実施形態による、
図3Aから
図3Dに示される高密度電極カテーテルの等角上面側面図であり、マニホルド部分を更に示す。
【0017】
【
図3F】本開示の実施形態による、
図3Aから
図3Eに示される高密度電極カテーテルの等角底面側面図であり、
図3E内のマニホルド部分を更に示す。
【0018】
【
図3G】本開示の実施形態による、
図3Aから
図3Fに示される高密度電極カテーテルの等角上面側面図であり、組付け部分を更に示す。
【0019】
【
図3H】本開示の実施形態による、
図3Aから
図3Gに示される高密度電極カテーテルの等角底面側面図であり、
図3G内の組付け部分を更に示す。
【0020】
【
図3I】本開示の実施形態による、本明細書に示される高密度電極カテーテルの可撓性下部構造の等角上面側面図である。
【0021】
【
図3J】本開示の実施形態による、
図3Aから
図3Iに示される高密度電極カテーテルの可撓性下部構造の等角底面側面図である。
【0022】
【
図3K】本開示の実施形態による双管腔管の断面図である。
【0023】
【
図3L】本開示の実施形態による、
図3Hに示される高密度電極カテーテルの等角底面側面図であり、可撓性下部構造を覆う管を伴わない。
【0024】
【
図3M】本開示の実施形態による、
図3G及び
図3Hに示される組付け部分の等角近位端面図である。
【0025】
【
図3N】本開示の実施形態による、可撓性下部構造の近位端部の等角底面側面図である。
【0026】
【
図3O】本開示の実施形態による、可撓性下部構造の近位端部の底面図である。
【0027】
【
図3P】本開示の実施形態による、断面図を介して示される、組付け部分内に配設される可撓性下部構造の近位端部の底面図である。
【0028】
【
図3Q】本開示の実施形態による、接続幹部分の等角遠位端面図である。
【0029】
【
図3R】本開示の実施形態による、
図3Gに示される接続幹部分の等角近位端面図の図である。
【0030】
【
図3S】本開示の実施形態による、
図3Jに示される可撓性下部構造の遠位部分の底面図であり、電極、遠位外側下部構造管類、及び非外傷性先端部が追加されている。
【0031】
【
図3T】本開示の実施形態による、
図3Jに示される可撓性下部構造の遠位部分の底面等角図であり、電極、遠位内側下部構造管類、及び非外傷性先端部が追加されている。
【0032】
【
図3U】本開示の実施形態による、
図3Jに示される可撓性下部構造の遠位部分の底面等角図であり、遠位結合器及び磁気位置センサ台を伴わない。
【0033】
【
図4】本開示の実施形態による、高密度電極カテーテルの上面図であり、可撓性先端部分は、可撓性先端部分の遠位部分上に配設された一対の磁気位置センサを有する。
【0034】
【
図5A】本開示の実施形態による、6つの長手方向延在腕部を含む高密度電極カテーテルの等角図である。
【0035】
【
図5B】本開示の実施形態による、
図5Aに示される高密度電極カテーテルの遠位に向けた等角図であり、高密度電極カテーテルは、6つの長手方向延在腕部を含む。
【0036】
【
図5C】本開示の実施形態による、
図5Aの高密度電極カテーテルの図であり、近位結合器の遠位端部及び枠組付け部分を更に示す。
【0037】
【
図5D】本開示の実施形態による、
図5Aの高密度電極カテーテルの側面図である。
【0038】
【
図6A】本開示の実施形態による、高密度電極カテーテルの可撓性先端部の下部構造の等角図である。
【0039】
【
図6B】本開示の実施形態による、
図6Aに示される組付け部分の近位端面図である。
【0040】
【
図7】本開示の実施形態による、特定の電極構成を有する高密度電極カテーテルの遠位可撓性先端部分の図である。
【0041】
【
図8A】本開示の実施形態による、電極が高密度電極カテーテルの遠位可撓性先端部分上に配設される、一電極間隔構成の図である。
【
図8B】本開示の実施形態による、電極が高密度電極カテーテルの遠位可撓性先端部分上に配設される、一電極間隔構成の図である。
【
図8C】本開示の実施形態による、電極が高密度電極カテーテルの遠位可撓性先端部分上に配設される、一電極間隔構成の図である。
【
図8D】本開示の実施形態による、電極が高密度電極カテーテルの遠位可撓性先端部分上に配設される、一電極間隔構成の図である。
【
図8E】本開示の実施形態による、電極が高密度電極カテーテルの遠位可撓性先端部分上に配設される、一電極間隔構成の図である。
【0042】
【
図9】本開示の実施形態による、磁気位置センサ台と遠位結合器とを含む遠位先端組立体の等角背面図である。
【0043】
【
図10】本開示の実施形態による、磁気位置センサ台と遠位結合器とを含む遠位先端組立体の側面図である。
【0044】
【
図11】本開示の実施形態による、電極が互い違いである高密度電極カテーテルの上面図である。
【0045】
【
図12A】本開示の実施形態による、高密度電極カテーテルの可撓性先端部の下部構造の上面図であり、下部構造は、外側枠内に磁気位置センサを含む。
【0046】
【
図12B】本開示の実施形態による、
図12Aに示す高密度電極カテーテルの可撓性先端部の下部構造に対する近接図であり、外側枠内の磁気位置センサを更に示す。
【0047】
【
図13A】本開示の実施形態による、高密度電極カテーテルの可撓性先端部の下部構造の上面図であり、下部構造は、外側枠内に磁気位置センサを含む。
【0048】
【
図13B】本開示の実施形態による、
図13Aに示す高密度電極カテーテルの可撓性先端部の下部構造に対する近接図であり、外側枠内の磁気位置センサを更に示す。
【0049】
【
図14】本開示の実施形態による高密度電極カテーテルの上面図であり、磁気位置センサは、高密度電極カテーテルの外側腕部内に配設される。
【発明を実施するための形態】
【0050】
様々な図における同一のコンポーネントを識別するために同様の参照番号が使用されている図面を参照すると、
図1Aは、本発明が実施され得るカテーテルシステムの概略図である。当該システムは、例えば、本明細書でさらに論じるように、とりわけ、Abbott Laboratories社から市販されているEnSite(商標)Precision(商標)心臓マッピングおよび可視化システムを含む、当技術分野で既知の様々な可視化、マッピング、およびナビゲーションコンポーネントを備えてもよい。
【0051】
当該システムは、例えば、心臓のマッピングおよび/または心臓アブレーション処置などの様々な医療処置に関連して、またはそのような医療処置のために、使用されてよい。一実施形態では、医療位置決めシステム14は、例えば、Biosense Webster社から入手可能なCARTO(商標)システムなどの磁場ベースのシステム、ならびに米国特許第6,498,944号、第6,788,967号、および第6,690,963号のうちの1つまたは複数を参照して概して示されるような磁場ベースのシステム(これらの開示全体は、本明細書に完全に明記されているかのように、それらの全体が組み込まれる)を備えてもよい。別の実施形態では、磁場ベースのシステムは、Abbott Laboratories社からのMediGuide(商標)技術システムなどの磁場ベースのシステム、ならびに米国特許第6,233,476号、第7,197,354号、第7,386,339号、2014年3月13日に出願された「Medical Device Navigation System」と題する米国特許出願第14/208,120号、2013年6月12日に出願された「Medical Device Navigation System」と題する米国仮特許出願第61/834,223号、および2014年3月13日に出願された「Medical Device Navigation System」と題する国際出願第PCT/IB2014/059709号のうちの1つまたは複数を参照して概して示されるような磁場ベースのシステム(これらの開示は、本明細書に完全に明記されているかのように、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる)を部分的に備えることができる。
【0052】
さらに別の実施形態では、医療位置決めシステム14は、例えば、限定するものではないが、2011年9月13日に出願された「Catheter Navigation Using Impedance and Magnetic Field Measurements」と題する係属中の米国特許出願第13/231,284号、および2011年4月14日に出願された「System and Method for Registration of Multiple Navigation Systems to a Common Coordinate Frame」と題する米国特許出願第13/087,203号に記載されたシステム(これらの各々は本明細書に完全に記載されているかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、またはBiosense Webster社から市販されているCARTO(商標)3システムなどの、磁場ベースのシステムと電場ベースのシステムとの組合せを備えてもよい。いくつかの実施形態では、医療位置決めシステム14は、例えば、限定するものではないが、蛍光透視法、コンピュータ断層撮影法(CT)、および磁気共鳴イメージング(MRI)ベースのシステムなどの他の一般的に利用可能なシステムを備えるか、またはそれらと併用することができる。明確さおよび例示のみを目的として、医療位置決めシステム14は、ハイブリッド磁気およびインピーダンス追跡システムを備えるものとして、以下に説明される。心臓の心臓マッピングについて言及するが、本開示の1つまたは複数の態様は、他の解剖学的構造に適用されてもよい。
【0053】
図1Aを参照すると、カテーテルシステムは、患者11の心臓10の概略図を含む。このシステムは、カテーテルの遠位端が心臓の心腔付近および心腔内で動かされるときに、複数のカテーテル位置を受信する能力を含む。この目的のために、
図1Aは、1つまたは複数のカテーテル位置センサの位置を特定するために使用される直交電場であって、外部から印加される直交電場に基づくタイプの例示的なカテーテル位置特定システムを示す。このようなシステムは、EnSite(商標)NavX(商標)電子解剖学的マッピングシステム、EnSite(商標)Velocity(商標)電子解剖学的マッピングシステム、およびEnSite Precision(商標)電子解剖学的マッピングシステム(これらは、すべてAbbott Laboratories社から市販されている)、または米国特許第7,263,397号(’397特許)、米国特許公開第2007/0060833A1号、2005年9月15日に出願された米国出願第11/227,580号(’580出願)、米国公開第2018/0296111A1号、もしくは2018年4月13日に出願された米国出願第15/953,155号(’155出願)を参照して概して見られるようなシステムなどの、インピーダンス位置特定システム、および/またはハイブリッド磁気およびインピーダンス追跡システムを含んでよい。’397特許、’580出願、および’155出願はすべて、本明細書に完全に記載されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0054】
様々なEnSite(商標)システムは、電流が胸郭を通過するときに、心臓などの内部器官で電圧降下が生じ、この電圧降下を測定および使用して体内の医療装置の位置を決定することができるという原理に基づいている。しかしながら、この実施形態は例示的なものに過ぎず、一切限定的なものではないことを理解されたい。MediGuide(商標)システムなど、カテーテルの3D空間内での位置を特定するための他の技術が、本発明を実施する際に使用されてもよく、そのような技術は、例えば、Biosense Webster社のCARTO(商標)ナビゲーションおよび位置特定システムまたはNorthern Digital社のAURORA(登録商標)システムを含み、この2つのシステムは、電場ではなく磁場を利用する。したがって、本明細書では、センサは、カテーテル位置情報を示す信号を生成するために提供され、1つまたは複数の位置センサを含んでよい。位置センサは、例えばインピーダンスベースの位置特定システムの場合には、電場の1つまたは複数の特性を検出するように構成された1つまたは複数の電極を含んでよく、あるいは、例えば磁場ベースの位置特定システムの場合には、磁場の1つまたは複数の特性を検出するように構成された1つまたは複数のコイル(例えば、巻線)を含んでよい。
【0055】
いくつかの位置特定システムでは、1つまたは複数の位置センサが、集合的にセンサを規定してよいことをさらに理解されたい。1つまたは複数の位置センサは、カテーテルの遠位端に設けられてもよく、位置特定システムは、1つまたは複数の位置センサから位置情報を取得するように構成されてもよい。位置特定システムは、受信した位置情報だけでなく、位置情報を提供する1つまたは複数の位置センサとカテーテルの遠位位置との間の幾何学的関係も使用して、カテーテルの遠位位置を計算してもよい(例えば、幾何学的情報の1つは、リング電極から先端までの距離であってよい)。最後に、位置特定システムは、計算された位置が直接収集されたかのように、計算された位置を使用してもよい。同様に、磁場ベースの位置特定の実施形態では、カテーテル先端と磁気コイルとの間に幾何学的関係があり、位置特定システムは、計算された先端位置(すなわち、磁気コイル信号と、コイルと先端との間の幾何学的関係の事前把握と、に基づいて計算された先端位置)が直接収集されたかのように、その計算された先端位置を使用するように構成される。もちろん、他の変形も可能である。
【0056】
図1Aを引き続き参照すると、図示のインピーダンスベースの位置特定システムの実施形態では、3組の表面電極(例えば、パッチを介して適用される)、すなわちX軸電極12、14と、Y軸電極18、19と、Z軸電極16、22とが示されている。いくつかの実施形態では、追加の表面電極21(例えば、「腹部」パッチを介して適用される)が使用されてもよい。表面電極はすべて、スイッチ24に接続されている。代表的なカテーテル13が図示されており、カテーテル13は、本明細書において「ロービング」電極または「測定」電極と呼ばれ得る単一の遠位電極17を有する。いくつかの実施形態では、カテーテル13は、冠状静脈洞カテーテルまたは右室心尖部カテーテルであってよい。本実施形態では、電極17は位置センサを規定してもよいが、上述部で暗示したように、多くの変形が可能であり、カテーテル13は、本明細書でさらに論じるように、複数の位置センサを含んでもよい。
図1Aはまた、較正目的のために心臓10上に定置され得る固定基準電極31を有する第2の独立カテーテル29を示す。
【0057】
図1Aはさらに、コンピュータシステム20、信号発生器25、アナログ-デジタルコンバータ26、およびローパスフィルタ27を示す。コンピュータシステム20は、本明細書で説明されるいくつかの機能を行うために、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、および/またはロジックを利用することができる。コンピュータシステム20は、情報を共有するためのハードウェアと命令との組合せであってよい。ハードウェアは、例えば、処理リソース32、および/またはメモリリソース33(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体(CRM)データベースなど)を含んでよい。処理リソース32は、本明細書では、メモリリソース33によって記憶された命令を実行可能ないくつかのプロセッサを含んでよい。処理リソース32は、単一の装置に統合されてもよいし、または複数の装置に分散されてもよい。命令(例えば、コンピュータ可読命令(CRI))は、メモリリソース33に記憶され、処理リソース32によって実行可能な心臓モデルを調整するための命令を含むことができる。
【0058】
コンピュータシステム20は、個々の表面電極対を選択的に通電するために、所定の方策に従って信号発生器25を制御するように構成されている。動作中、コンピュータシステム20は、フィルタ27およびADコンバータ26を介して生パッチデータ(すなわち、電圧測定値)を取得し、この生パッチデータを使用して、心臓10またはその心腔の内部に配置されたカテーテル電極(例えば、上述のロービング電極17)の3次元空間(X、Y、Z)における生電極位置座標を決定するように構成されている。いくつかの実施形態では、そのような電極位置座標が受信されているときに、患者11の心周期の位相が、測定されるかまたは他の方法で決定されてよい。この目的のために、一実施形態では、身体表面電極に結合され、参照番号15によってまとめて示される従来の12個のECGリードのほとんどまたはすべてが、患者11の心電図(ECG)の取得を支援するために、設けられている。
【0059】
あるいは、固定基準電極31などの、心臓10内の固定位置に配置された(例えば、冠状静脈洞に置かれた)基準電極は、心周期における心臓10の心位相を決定するために分析可能な比較的安定した信号を提供するために使用されてもよい。より一般的には、心位相を示す比較的安定した信号を取得するために、移動カテーテルまたはロービングカテーテル以外の電極を有する別のカテーテルが、心臓10に対して一定の位置に置かれて維持されてもよい。図示のように、ECGリード15は、心周期における心臓10の位相を取得するための収集および後続の処理のために、コンピュータシステム20に直接結合される。ECGリード15は、他のシステム(図示せず)にも提供されてよい。
【0060】
前述のように、本開示の実施形態は、磁場ベースのシステムと共に使用されてよい。いくつかの実施形態は、様々な入力/出力機構を有する主電子制御ユニット(例えば、1つまたは複数のプロセッサ)、ディスプレイ23、オプションの画像データベース、医療位置決めシステム(MPS)(電磁センサ追跡システム)などの位置特定システム、心電図(ECG)モニタ、1つまたは複数のMPS位置センサ(例えば、患者基準センサ)、および、1つまたは複数の上述のMPS位置センサを含むMPS対応医療装置(細長いカテーテルまたは導入器など)を含んでよい。
【0061】
論じたように、いくつかの実施形態では、医療位置決めシステムは、例えば、Abbott Laboratories社からのMediGuide(商標)テクノロジーシステムなどの磁場ベースのシステム、ならびに米国特許第6,233,476号、第7,197,354号、第7,386,339号、2014年3月13日に出願された「Medical Device Navigation System」と題する米国特許出願第14/208,120号、2013年6月12日に出願された「Medical Device Navigation System」と題する米国仮特許出願第61/834,223号、および2014年3月13日に出願された「Medical Device Navigation System」と題する国際出願第PCT/IB2014/059709号のうちの1つまたは複数を参照して概して示されるような磁場ベースのシステム(これらの開示は、本明細書に完全に明記されているかのように、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる)を備えてよい。
【0062】
実施形態は入力/出力機構を含んでよく、入力/出力機構は、コンピュータベースの制御ユニットと連動するための従来の装置、例えば、キーボード、マウス、タブレット、フットペダル、スイッチなどを含み得る。実施形態はディスプレイ23も含んでよく、ディスプレイ23も従来の装置を備えてよい。
【0063】
実施形態は、関心領域のイメージングを使用するナビゲーション応用での用途を見出してもよい。したがって、磁場ベースのシステムは、画像データベースを任意で含んでもよい。画像データベースは、例えば、医療装置が目標とする部位を取り囲む関心領域、および/または、目標とする部位に至るために、装置が横断すると予期されるナビゲーション経路に沿う複数の関心領域などの、患者の身体に関する画像情報を記憶するように構成されてよい。画像データベース内の画像データは、(1)過去の別々の時刻にそれぞれ取得された1つまたは複数の2次元静止画像、(2)画像取得装置からリアルタイムで取得された複数の関連2次元画像(例えば、X線イメージング装置からの蛍光透視画像)、および/または(3)シネループ(CL)を規定する関連2次元画像のシーケンスを含む、既知の画像タイプを備えてもよく、(2)の場合、画像データベースはバッファとして機能し(ライブ蛍光透視)、(3)の場合、シーケンスの各画像は、ECGモニタから得られた取得済みのリアルタイムECG信号に従ってシーケンスの再生を可能にするのに適当な、各画像に関連する少なくとも1つのECGタイミングパラメータを有する。前述のものは、例示に過ぎず、一切限定するものではないことを理解されたい。例えば、画像データベースは、3次元画像データも含んでもよい。画像は、現在既知であるまたは今後開発されるあらゆるイメージングモダリティ、例えば、X線、超音波、コンピュータ断層撮影、核磁気共鳴などを使って取得してよいことがさらに理解されるべきである。
【0064】
MPSは、位置特定システムとして機能するように構成されてよく、したがって、1つまたは複数のMPS位置センサ、1つまたは複数の医療装置、および/または1つまたは複数の患者基準センサ(PRS)に関する位置決め(位置特定)データを決定し、それぞれの位置測定値を出力するように構成されてよい。位置測定値はそれぞれ、基準座標系に対する位置および向き(P&O)のうちの少なくとも1つまたは両方を含んでよく、この座標系はMPSの座標系であってよい。例えば、P&Oは、磁場発生器または送信器に対する磁場内の磁場センサの位置(すなわち、X、Y、およびZの3つの軸における座標)および向き(すなわち、方位角および仰角)として表されてもよい。
【0065】
MPSは、制御された低強度交流磁場内に配置された磁場センサから受信した信号の捕捉および処理に基づいて、基準座標系内でのそれぞれの位置(すなわち、P&O)を決定する。電磁気の観点から、これらのセンサは、ここで思料されるように、変化する磁場内に存在するコイル上で誘導される電圧を生じる。したがって、センサは、センサが配置されている磁場の1つまたは複数の特性を検出し、表示信号を生成するように構成され、表示信号は、センサのそれぞれのP&Oを取得するために、MPSによってさらに処理される。センサおよびこのようなセンサを組み込んだ医療装置の例示的な設計特徴ならびに製造プロセスおよび方法は、米国特許第8,636,718号に見出すことができ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0066】
MPSセンサおよびさらなる実施形態におけるオプションの追加のMPSセンサは、MPS対応の医療装置に関連してよい。別のMPSセンサ、すなわち、患者基準センサ(PRS)は、患者の身体の動き全体および/または呼吸によって誘導された動きの動作補償を可能にするように、患者の身体の位置基準を提供するように構成されている。PRSは、患者の胸部における安定した場所である胸骨柄、または位置的に比較的安定した別の場所に取り付けられてもよい。MPS位置センサと同様に、PRSは、PRSが配置されている磁場の1つまたは複数の特性を検出するように構成され、MPSは、基準座標系におけるPRSの位置および向きを示す位置測定値(例えば、P&O測定値)を提供する。
【0067】
心電図(ECG)モニタは、患者の身体の外側に外面的に貼り付けられ得る複数のECG電極(図示せず)を使用することによって、心臓器官の電気的タイミング信号を連続的に検出するように構成されている。タイミング信号は概して、とりわけ、心周期の特定の位相に対応する。一般に、データベースに記憶されている過去に撮られた画像のシーケンス(シネループ)のECG同期再生のために、ECG信号は、制御ユニットによって使用されてもよい。ECGモニタおよびECG電極は、両方とも従来のコンポーネントを備えてもよい。
【0068】
磁場ベースのシステムは、透視撮影システムに組み込まれるかまたは関連付けられ、透視撮影システムは、例えば、x線源、Cアーム、および/または、x線画像増強器もしくは検出器(すなわち、「カテーテルラボ」)などの市販の蛍光透視撮像コンポーネントを含んでよい。MPS(電磁センサ追跡システム)は、磁気送信機アセンブリ(MTA)(電磁場発生器)と、位置(P&O)測定値を決定するための磁気処理コアとを含む。MTAは、モーションボックスとして同定される所定の3次元空間において、患者の胸腔内およびその近くに磁場を生成するように構成されている。
【0069】
MPSセンサは、上述のように、センサがモーションボックス内にあるときに、磁場の1つまたは複数の特性を感知するように構成されており、センサのそれぞれが、磁気処理コアに提供されるそれぞれの信号を生成する。処理コアは、これらの検出された信号に応じ、モーションボックス内の各MPSセンサのそれぞれのP&O測定値を計算するように構成されている。処理コアは、MPSセンサがモーションボックスから出るのを検出することができる。したがって、MPSは、3次元空間における各センサのリアルタイム追跡を可能にする。
【0070】
モーションボックスの実際のボリュームは、例えば、処理コアに記憶されてもよく、処理コアは、モーションボックスの境界に対する各センサの位置および向きを決定することができる。あるいは、モーションボックスの実際のボリュームは、例えば、主制御部に記憶されてもよく、主制御部は、モーションボックスの境界に対する各センサの位置および向きを決定することができてよい。したがって、システムは、センサがモーションボックス内にあるか、モーションボックスの境界上にあるか、またはモーションボックスの外側にあるかを(例えば、処理コアまたは主制御部において)評価することができる。本明細書の他の箇所でより詳細に説明されるように、この情報に基づいて、モーションボックスおよびセンサが、ディスプレイ上に互いに関連して表示される。
【0071】
いくつかの代替実施形態では、MTAは、x線源と患者診察台との間において、患者診察台の下に配置されてよい。例えば、MTAは、患者診察台に接続されてよい。いくつかの実施形態では、本明細書で論じるように、MTAは、患者の胸部上に置かれて、物体を追跡するための磁場を生成するために使用可能なモバイル装置であってよい。
【0072】
画像座標系とMPS基準座標系(電磁追跡座標系)との間の位置関係は、システムの既知の光学磁気較正に基づいて計算されてもよい(例えば、セットアップ中に確立されてよい)。これは、そのような実施形態では、位置決めシステムとイメージングシステムとが互いに対して固定されていると考えられ得るからである。しかしながら、画像データが先に取得され、その後外部ソース(例えば、データベースに記憶された撮像データ)からインポートされる実施形態を含む、他のイメージングモダリティを使用する他の実施形態に関しては、MPS座標系と画像座標系とを位置合わせする位置合わせステップは、MPS位置測定値が使用されているいかなる特定の画像とも適切に調整されるように、行われる必要があり得る。
【0073】
既に述べたように、本開示の実施形態は、様々な処置、例えば、心臓のマッピング及び/又は心臓焼灼治療処置に関連して又はこれらのために使用し得る。いくつかの実施形態では、焼灼治療は、人体を苦しめる様々な症状を治療するために使用し得る。焼灼治療を使用し得る1つのそのような症状は、心不整脈の治療である。組織を焼灼する又は組織が焼灼エネルギーを受けると、傷が組織内に出現する。焼灼エネルギーは、少なくとも焼灼発生器によって生成され、焼灼カテーテルによって送出される。焼灼カテーテル上又はその中に組み付けられる電極は、心臓組織内に組織の壊死をもたらし、心房性不整脈等(限定はしないが、異所性心房頻拍、心房細動及び心房粗動を含む)の症状を修正するために使用される。不整脈は、同期的な房室収縮の消失及びお血を含め、様々な危険な症状をもたらし得る。心房性不整脈の主な原因は、左心房又は右心房内での電気信号の迷走であると考えられている。焼灼カテーテルは、焼灼エネルギー(例えば、ラジオ波エネルギー、冷凍焼灼、レーザー、化学薬品、高密度焦点式超音波等)を心臓組織に与え、心臓組織内に傷をもたらすものである。この傷は、望ましくない電気経路を中断させ、これにより、不整脈につながる電気信号の迷走を制限又は防止する。
【0074】
いくつかの実施形態では、焼灼は、電気穿孔を含み得る。電気穿孔は、強力な電界の印加により、細胞膜内に孔の形成を引き起こすことを伴う、熱を生じさせない焼灼技法である。電界は、例えば、1ナノ秒から数ミリ秒の間継続し得る、比較的短時間のパルスを印加することによって引き起こし得る。そのようなパルスは、パルス列を形成するために繰り返し得る。そのような電界を生体内環境で組織に印加する際、組織内の細胞は、膜貫通電位を受け、これにより、細胞壁上に孔を開口させる。電気穿孔は、可逆的(即ち、一時的に開口した孔が元通り封止される)であっても、非可逆的(即ち、孔が開口したままである)であってもよく、細胞破壊を生じさせる。例えば、遺伝子治療の分野において、可逆的電気穿孔は、高分子量治療ベクターを細胞に導入するために使用される。他の治療用途では、適切に構成されたパルス列を単独で使用し、例えば、不可逆的電気穿孔を生じさせることによって、細胞破壊を生じさせ得る。
【0075】
図1Bは、本開示の実施形態による電気穿孔治療のためのシステム40の概略ブロック図である。概して、様々な実施形態は、カテーテル44の遠位端部に配設される電極組立体42を含む。電極組立体42は、1つ又は複数の個々の絶縁電極要素を含む。本明細書ではカテーテル電極とも呼ばれる各電極要素は、双極又は多極電極として働くため、任意の他の電極要素と選択的に対にする又は組み合わせ得るように、個々に接続される。
【0076】
システム40は、組織を破壊する不可逆的な電気穿孔に使用し得る。特に、システム40は、電気穿孔により誘発される原始的な壊死治療に使用でき、この原始的な壊死治療は、電流を送出し、細胞膜(細胞壁)の完全性に不可逆的な損失を直接生じさせ、細胞膜の崩壊及び細胞壊死をもたらす効果を指す。この細胞死の機序は、「外側から内側への(outside-in)」過程と考えることができ、細胞の外壁の破壊により細胞の内側に有害な影響を及ぼすことを意味する。典型的には、古典的な細胞膜電気穿孔の場合、電流は、短時間の直流電流(DC)パルス(例えば、0.1から20msの継続時間)の形態で、約0.1から1.0kV/cmの電界強度を送出可能である近接配置された電極の間にパルス電界(即ち、パルス・フィールド・アブレーション(PFA))として送出される。
【0077】
システム40は、少なくとも1つのカテーテル電極を含むカテーテル電極組立体42を含み、少なくとも1つのカテーテル電極は、上記で手短に概説し、以下でより詳細に説明する使用のために構成される。電極組立体42は、患者の体48内の組織46に対する電気穿孔治療用カテーテル44等の医療デバイスの一部として組み込まれる。例示的な実施形態では、組織46は、心臓又は心臓の組織を含む。しかし、実施形態は、様々な他の体組織に対して電気穿孔治療を実施するために使用し得ることを理解されたい。
【0078】
図1Aは、50、52及び54で示される複数の戻り電極を更に示し、複数の戻り電極は、体への接続部の概略であり、電気穿孔発生器56、ECGモニタ等の電気生理(EP)モニタ60、体内構造を可視化し、マッピングし、誘導する位置特定誘導システム62等、システム40全体内に含まれる様々なサブシステムによって使用し得る。図示の実施形態では、戻り電極50、52及び54は、パッチ電極である。単一パッチ電極の図は、(明快にするために)概略のみであり、これらのパッチ電極が接続されるそのようなサブシステムは、2つ以上のパッチ(体表面)電極を含み得る、及び典型的には含むであろうことを理解されたい。
【0079】
いくつかの実施形態では、戻り電極50、52及び54は、例えば、1つ又は複数のカテーテル電極を含む、戻り電極としての使用に適するあらゆる他の種類の電極とし得る。カテーテル電極である戻り電極は、電極組立体42の一部、又は個別カテーテル(図示せず)の一部とし得る。システム40は、特定の実施形態ではシステム62と統合し得る主コンピュータ・システム64(電子制御ユニット78とデータ記憶域-メモリ80とを含む)を更に含み得る。いくつかの実施形態では、主コンピュータ・システム64は、
図1Aに示すコンピュータ・システム20と統合し得る。システム64は、構成要素の中でも、様々なユーザ入力/出力機構66A及びディスプレイ66B等の従来のインターフェース構成要素を更に含み得る。可変インピーダンス・デバイス58は、システムのインピーダンスを変化させ、カテーテル44のカテーテル電極からのアークを制限するのを可能にする。いくつかの実施形態では、可変インピーダンス・デバイス58は、コンピュータ・システム64からの適切な制御信号に応じて可変である。
【0080】
例示的な実施形態では、カテーテル44は、ケーブル接続器又はインターフェース68と、ハンドル70と、近位端部74及び遠位端部76を有するシャフト72とを含む。カテーテル44は、温度センサ、更なる電極及び対応する導体又は導線等、本明細書に図示しない他の従来の構成要素を含んでもよい。接続器68は、発生器56から延在するケーブル82に機械的及び電気的な接続(複数可)をもたらす。接続器68は、当技術分野で公知である従来の構成要素を備えることができ、図示のように、カテーテル44の近位端部に配設される。
【0081】
図2Aは、本開示の様々な実施形態による、高密度電極カテーテル101の上面図であり、
図2Bは、高密度電極カテーテル101の等角側面上面図である。いくつかの実施形態では、高密度電極カテーテル101は、電極102の可撓性アレイを形成する可撓性先端部分110を含み得る。この電極102の平坦アレイ(又は「パドル」構成)は、4つの並んでいる長手方向延在腕部103、104、105、106を備え、腕部103、104、105、106は、電極102が上に配設される可撓性枠組を形成し得る。4つの電極保持腕部は、遠位接続部分109によって遠位端部で接合し得る第1の外側腕部103と、第2の外側腕部106と、第1の内側腕部104と、第2の内側腕部105とを備え得る。これらの腕部は、互いに横に離間し得る。
【0082】
4つの腕部のそれぞれは、複数の電極102を保持し得る。例えば、4つの腕部のそれぞれは、4つの腕部のそれぞれの長さ部に沿って電極102を離間して保持し得る。
図2A及び
図2Bに示す高密度電極カテーテル101のそれぞれは、4つの腕部を示すが、高密度電極カテーテル101は、より多い又はより少ない腕部を備え得る。更に、
図2A及び
図2Bに示す高密度電極カテーテル101は、18個の電極を示す(例えば、5個の電極が第1の外側腕部103及び第2の外側腕部106上にあり、4個の電極が第1の内側腕部104及び第2の内側腕部105上にある)が、カテーテルは、18個より多い又は少ない電極を含み得る。更に、第1の外側腕部103及び第2の外側腕部106は、5個より多い又は少ない電極を含み、第1の内側腕部104及び第2の内側腕部105は、4個より多い又は少ない電極を含み得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、電極102は、診断、治療及び/又はマッピング処置で使用し得る。例えば、限定はしないが、電極102は、電気生理学的調査、ペース測定、心臓マッピング及び焼灼で使用し得る。いくつかの実施形態では、電極102は、単極又は双極焼灼を実施するために使用し得る。この単極又は双極焼灼は、特定の線又はパターンの傷を生成し得る。いくつかの実施形態では、電極102は、心臓からの電気信号を受信し、電気信号を電気生理学的調査のために使用し得る。いくつかの実施形態では、電極102は、心臓マッピングに関連する場所又は位置検知機能を実施し得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、高密度電極カテーテル101は、カテーテル・シャフト107を含み得る。カテーテル・シャフト107は、近位端部と遠位端部とを含み得る。遠位端部は、カテーテル・シャフト107の遠位端部を平坦アレイの近位端部に結合し得る接続器108を含み得る。カテーテル・シャフト107は、
図2Aに示すように、カテーテル・シャフト長手方向軸aaを画定することができ、カテーテル・シャフト長手方向軸aaに沿って、第1の外側腕部103、第1の内側腕部104、第2の内側腕部105及び第2の外側腕部106は、カテーテル・シャフト長手方向軸aaに対して概ね平行に延在し得る。カテーテル・シャフト107は、患者の曲りくねった血管に通すことができるように、可撓性材料から作製し得る。いくつかの実施形態では、カテーテル・シャフト107は、カテーテル・シャフト107の長さ部に沿って配設される1つ又は複数のリング電極111を含み得る。リング電極111は、一例では、診断、治療及び/又はマッピング処置で使用し得る。
【0085】
図2Bに示すように、可撓性先端部分110は、組織(例えば、心臓組織)に順応するように適合し得る。例えば、可撓性先端部分110が組織に接触すると、可撓性先端部分110は、偏向し、可撓性枠組が組織に順応することを可能にし得る。いくつかの実施形態では、
図2A及び
図2Bに示すカテーテルの遠位端部において、パドル構造(又は複数の腕部をもち、電極を支持する可撓性枠組)を備える腕部(若しくは腕部の下部構造)は、好ましくは、本明細書で説明するニチノール及び/又は可撓性基材等の可撓性又はばね状材料から構成される。構成(例えば、腕部の長さ及び/又は直径を含む)並びに腕部の材料は、例えば、所望の弾力性、可撓性、折り曲げ可能性、順応性及び剛性特性をもたらすように調節又は調整でき、これらの特徴には、単一腕部の近位端部から当該腕部の遠位端部まで変化し得る1つ又は複数の特性、又は単一パドル構造を備える複数の腕部の間、若しくは複数の腕部の中で変化し得る1つ又は複数の特性を含む。
【0086】
ニチノール及び/又は可撓性基材等の材料の折り曲げ可能性は、カテーテルを体内に送出する間であるか、処置の終了時に体内からカテーテルを除去する間であるかにかかわらず、送出カテーテル又は導入器へのパドル構造の挿入を促進するという更なる利点をもたらす。いくつかの実施形態では、腕部の下部構造を形成する材料(例えば、ニチノール)にわたり、非導電性シェルを配設し得る。本明細書で説明するいくつかの実施形態では、非導電性シェルは、長手方向に延在する管腔を画定する管を含むことができ、管を通じて、下部構造が配設される。いくつかの実施形態では、管は、ポリマーを含む材料から形成し得る。
【0087】
とりわけ、開示するカテーテルは、カテーテルの複数の電極と共に、(1)心臓の心房壁内で特定のサイズの面積(例えば、1センチメートル平方の面積)の局部的伝播マップを画定する、(2)焼灼のため、複雑に細分化された心房のエレクトログラムを識別する、(3)より高度のエレクトログラム解像度のため、電極の間で局所化された焦点電位を識別する、及び/又は(4)焼灼のため、より正確に標的化するのに有用である。これらのマッピング・カテーテル及び焼灼カテーテルは、心臓組織に順応し、可能性として不規則な心臓運動にもかかわらず、依然として心臓組織と接触したままであるように構成される。このように、心臓運動の間、心臓壁に対してカテーテルの安定性が強化されると、組織-電極接触の維持のために、より正確なマッピング及び焼灼をもたらす。
【0088】
更に、本明細書で説明するカテーテルは、心外膜及び/又は心内膜での使用に有用であり得る。例えば、本明細書に示す平坦アレイの実施形態は、平坦電極アレイが心筋表面と心膜との間に配置される心外膜処置で使用し得る。代替的に、平坦アレイの実施形態は、心筋の内面を迅速に掃引及び/又は分析し、心臓組織の電気特性に対する高密度マップを迅速に生成するため、心内膜処置で使用し得る。
【0089】
いくつかの実施形態では、高密度電極カテーテル101の使用は、高密度電極カテーテル101の様々な部分で血液が凝固しやすい場合がある。例えば、血液の凝固は、高密度電極カテーテル101の可撓性先端部分110及び/又は接続器108上で生じる場合がある。血液の凝固を本明細書で論じるが、いくつかの例では、可撓性先端部分110及び/又は接続器108上に、例えば組織細胞等の他の物質が集まる場合がある。血液の凝固は、血液が電極上で凝固した場合、電極の機能を損なう場合がある。更に、可撓性先端部分110及び/又は接続器108上に血液が凝固すると、凝固した血液が壊れて解放された場合に血栓を生じさせる場合がある。したがって、可撓性先端部分110及び/又は接続器108上での血液の凝固及び/又は他の物質の蓄積を防止することは、有益であり、このことは、本開示で論じる実施形態の使用により達成し得る。
【0090】
Flexible High-Density Mapping Catheter Tips and Flexible Ablation Catheter Tips with Onboard High-Density Mapping Electrodesという名称の国際出願第PCT/US2014/011940号、High Density Electrode Mapping Catheterという名称の米国出願第15/331,562号、及びHigh Density Electrode Mapping Catheterという名称の米国出願第15/331,369号の内容は、完全に本明細書に記載されているように、参照により本明細書に組み込まれる。本開示のいくつかの実施形態は、診断及び/又は治療電極を含む可撓性先端部分を含むが、本開示の実施形態は、可撓性先端部分の代わりに、又は可撓性先端部分に加えて、可撓性及び/又は剛性先端部分(例えば、遠位組立体)を含むことができ、これらは、電極組立体、又は任意の数の末端使用治療及び/若しくは診断デバイスとし得る。例えば、先端部分は、心臓内超音波検査(ICE)カテーテル、レーザー、バルーン又は任意の数の他の治療及び/又は診断デバイスに関連するもの等、超音波センサ及び/又は変換器を含み得る。
【0091】
いくつかの実施形態では、図示されていないが、磁気位置センサは、高密度電極カテーテル101のカテーテル・シャフト107内に含め得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサの位置は、本明細書で説明するように決定し得る。磁気位置センサの位置に基づき、可撓性先端部分110の位置を決定し得る。しかし、いくつかの実施形態では、可撓性先端部分110のサイズに応じて、可撓性先端部分110は、カテーテル・シャフト107内に配設された磁気位置センサにより可撓性先端部分110の位置を正確に決定し得る範囲を越えて延在し得る。例えば、可撓性先端部分110の長手方向長さ部は、カテーテル・シャフト107内に配設された磁気位置センサにより可撓性先端部分110の位置を正確に決定し得る範囲を越えて延在し得る。したがって、本開示の実施形態は、更に本明細書で論じるように、高密度電極カテーテル101の可撓性先端部分110上に配設される磁気位置センサを含み得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の磁気位置センサは、磁気位置センサをカテーテル・シャフト107内に配設する代わりに、可撓性先端部分上に配設し得る。
【0092】
図3Aは、本開示の様々な実施形態による、高密度電極カテーテル120の等角側面上面図であり、
図3Bは、本開示の様々な実施形態による、高密度電極カテーテル120の底面図である。いくつかの実施形態では、高密度電極カテーテル120は、電極124の可撓性アレイを形成する可撓性先端部分122を含み得る。可撓性先端部分122は、図示しないカテーテル・シャフトの遠位端部に隣接して配置し得る。いくつかの実施形態では、可撓性先端部分122は、本明細書で更に論じる近位結合器128を介してカテーテル・シャフトに接続し得る。この電極124の平坦アレイ(又は「パドル」構成)は、5つの並んでいる長手方向延在腕部126-1、126-2、126-3、126-4、126-5を備え、腕部126-1、126-2、126-3、126-4、126-5は、電極124が上に配設される可撓性枠組を形成し得る。図示のように、7個の電極124は、合計35個の電極で、長手方向延在腕部126-1、126-2、126-3、126-4、126-5のそれぞれに沿って配設し得る。いくつかの実施形態では、より多い又はより少ない数の電極124を可撓性先端部分122上に配設し得る。いくつかの実施形態では、更に本明細書で論じるように、1つ又は複数の更なる電極130を中心腕部126-5に沿って、又は可撓性先端部分122の別の部分に沿って配設し得る。
【0093】
5つの並んだ腕部126-1、126-2、126-3、126-4、126-5が示されるが、本開示の実施形態は、5個より少ない腕部又は5個より多い腕部を含み得る。いくつかの実施形態では、5つの電極保持腕部は、遠位結合器136によって遠位端部で接合し得る第1の外側腕部126-1と、第2の外側腕部126-4と、第1の内側腕部126-2と、第2の内側腕部126-3と、中心腕部126-5とを備え得る。いくつかの実施形態では、遠位結合器136は、長手方向に延在し、遠位結合器136を通って延在する1つ又は複数の横断管腔138-1、138-2を画定し得る。いくつかの実施形態では、第1の外側腕部126-1、第2の外側腕部126-4、第1の内側腕部126-2及び第2の内側腕部126-3は、横断管腔138-1、138-2を通って延在し、これにより、腕部126-1、126-2、126-3、126-4を一緒に結合し得る。しかし、本明細書で更に論じるように、いくつかの実施形態では、腕部126-1、126-2、126-3、126-4、126-5は、遠位端部で一緒に結合しなくてよい。
【0094】
いくつかの実施形態では、可撓性先端部分122は、
図3Jで更に示されるように、磁気位置センサ209を含み得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ209は、可撓性先端部分122を形成する可撓性枠組の遠位部分に沿って配設し得る。
図3Aの図からは隠されているが、磁気位置センサ209は、中心電極130内に配設し得る。例えば、
図3Jで更に示されるように、中心電極130は、磁気位置センサ209が中に配設される管腔を画定し得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、磁気位置センサ209は、可撓性先端部分122の一部分上及び/又は中に配設し得る。いくつかの実施形態では、可撓性先端部分122の遠位部分は、磁気位置センサ209のための組付け特徴部を画定し得る。いくつかの実施形態では、組付け特徴部は、可撓性先端部分122の一部分内の切欠き、可撓性先端部分の一部分内の溝、可撓性先端部分の一部分内の管腔等を含み得る。いくつかの実施形態では、切欠きは、腕部126-1、126-2、・・・126-5、遠位結合器136、腕部126-1、126-2、・・・126-5の1つを形成する枠組、又は可撓性先端部分122内の他の場所の1つ内に画定し得る。
【0096】
いくつかの実施形態では、溝は、腕部126-1、126-2、・・・126-5、遠位結合器136、腕部126-1、126-2、・・・126-5の1つを形成する枠組、又は可撓性先端部分122内の他の場所の1つ内に画定し得る。いくつかの実施形態では、本明細書で説明するように、中心電極130は、磁気位置センサ209を中に配設し得る管腔を画定し得る。いくつかの実施形態では、管腔は、可撓性先端部分122内に含まれる他の構造で形成し得る。例えば、管腔は、腕部126-1、126-2、・・・126-5、遠位結合器136、腕部126-1、126-2、・・・126-5の1つを形成する枠組、又は可撓性先端部分122内の他の場所の1つ内に画定し得る。組付け特徴部に対していくつかの例を提供したが、例は、そのように限定されず、他の種類の組付け特徴部を含み得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、磁気位置センサ209は、中心腕部126-5の遠位端部に配設し得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ209は、5つの自由度(5DOF)又は6つの自由度(6DOF)で位置及び/又は向きを検知し得る。本明細書で更に論じるように、1つ又は複数の磁気位置センサ134-1、134-2(
図3B)は、近位結合器128内、及び/又は近位結合器128に結合されたカテーテル・シャフトに沿って配設し、ワイヤ154-1、154-2(例えば、ツイスト・ペア・ワイヤ)を介してコンピュータ・システム20に電気的に結合し得る。磁気位置センサ209、134-1、134-2は、磁界内に配設され、磁気位置センサ209、134-1、134-2の位置及び/又は向きを示し得る1つ又は複数の信号を生成し得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、可撓性先端部分122の長手方向長さは、可撓性先端部分122の遠位端部の位置が、カテーテル・シャフトの遠位端部に配置される磁気位置センサによって決定できないようなものである場合がある。例えば、可撓性先端部分122の遠位部分は、磁気的に正確な位置情報及び可撓性先端部分の位置決定で使用されるソフトウェアの領域を越えて延在し得る。したがって、可撓性先端部分122の位置及び/又は向きは、正確に決定することが可能ではない場合がある。これに応じて、可撓性先端部分122の遠位端部内に配設される磁気位置センサ209の位置及び/又は向きを決定でき、磁気位置センサ209の位置は、磁気的に正確な位置情報の領域を越えて延在し得る可撓性先端部分122の遠位端部の位置及び/又は向きを決定するために使用し得る。
【0099】
いくつかの実施形態では、磁気位置センサ209は、1つ又は複数の磁気位置センサ134-1、134-2によって提供される磁気的に正確な位置情報の領域を越える可撓性先端部分122の一部分上に配設でき、1つ又は複数の磁気位置センサ134-1、134-2は、近位結合器128上に配設される及び/又は可撓性先端部分122が延在するカテーテル・シャフトの遠位端部上に配設される。磁気位置センサ209の場所は、概して、中心腕部126-5上に配設されるものとして説明するが、磁気位置センサ209は、可撓性先端部分122の場所の決定を可能にするように、可撓性先端部分122に沿って他の位置に位置し得る。
【0100】
いくつかの実施形態では、中心電極130は、円筒形状であり、中心腕部126-5から遠位に延在し得る。中心電極130は、磁気位置センサ209(
図3J)を収容し得る一方で、更に、本明細書で説明する診断及び/又は治療目的で使用し得る電極の機能をもたらす。中心電極130は、遠位端部で遠位結合器136に接続し得る。遠位結合器136は、中心腕部126-5の遠位端部、第1の外側腕部126-1及び第2の外側腕部126-4の遠位端部、並びに第1の内側腕部126-2及び第2の内側腕部126-3の遠位端部を結合し得る。前述のように、
図3Aに対して遠位結合器136が示されたが、遠位結合器136は、必要とされない。例えば、高密度電極カテーテル120の可撓性先端部分122を形成する枠組は、近位結合器128の遠位端部及び/又は可撓性先端部分122が延在するカテーテル・シャフトに遠位の場所で一緒に結合さないことがある。いくつかの実施形態では、図示されていないが、磁気位置センサは、非結合枠組及び/又は非結合枠組の1つ若しくは複数の部分の場所の決定を可能にするように、非結合枠組の1つ又は複数の部分上に配設し得る。
【0101】
いくつかの実施形態では、図示されていないが、中心電極130は、磁気位置センサ209の外側に配設される1つ又は複数の電極を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、中心電極130は、中心電極130の周囲に配設される複数の部分(例えば、上半分、底半分)に分割し得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のスポット電極を磁気位置センサ209上に配設し得る。いくつかの実施形態では、中心電極130は、1つ又は複数の電極が上に形成される可撓性回路から形成でき、1つ又は複数の電極は、磁気位置センサ209にわたり配設し得る。
【0102】
いくつかの実施形態では、中心腕部126-5は、伸長特徴部140を含み得る。
図3Aに示すように、伸長特徴部140は、非線形伸長特徴部140を含み得る。非線形伸長特徴部140は、中心腕部126-5の一部分内に屈曲部を含み、この屈曲部は、まっすぐにすることができ、屈曲部がまっすぐな構成にある場合に中心腕部126-5の長手方向長さを増大可能にする。いくつかの実施形態では、例えば、高密度電極カテーテル120は、シースを介して体内に導入し得る。高密度電極カテーテル120は、シース内に配設されている間、保管状態とすることができ、保管状態では、長手方向延在腕部のそれぞれの間の距離は、低減される。このことにより、
図3Aに示すように、展開された長さのデバイスと比較して、保管された長手方向長さの可撓性先端部分122を増大し得る。
【0103】
図示のように、第1の外側腕部126-1及び第2の外側腕部126-4並びに第1の内側腕部126-2及び第2の内側腕部126-3は、長手方向長さに沿って屈曲部(例えば、ひじ部)を有し、腕部を横に張り出させる。例えば、第2の外側腕部126-4に関し、この腕部は、近位屈曲部142-1及び遠位屈曲部142-2を含む。可撓性先端部分122を保管状態に折り畳んだ結果、これらの屈曲部142-1、142-2がまっすぐになると、第2の外側腕部126-4の長手方向長さは、増大し得る。この実施形態では、非線形伸長特徴部140を含む伸長特徴部140を中心腕部125-5上に含めることによって、中心腕部125-5は、第1の外側腕部126-1及び第2の外側腕部126-4並びに第1の内側腕部126-2及び第2の外側腕部126-3と共に伸長させることができるため、保管状態の際に中心腕部126-5が可撓性先端部分122を引っ張り、位置合わせをずらすのを防止する。伸長特徴部140がなければ、保管状態において、第1の外側腕部126-1及び第2の外側腕部126-4並びに第1の内側腕部126-2及び第2の内側腕部126-3の長さは長くなる一方で、中心腕部126-5の長さは同じままであり、可撓性先端部分122の一部分がそれ自体の上に折り重なることになる。
【0104】
図示のように、近位結合器128は、遠位結合器頭部144を含み得る。いくつかの実施形態では、遠位結合器頭部144は、かん注される遠位結合器頭部144とし得る。いくつかの実施形態では、遠位結合器頭部144は、流体(例えば、かん注流体)を排出するように構成される1つ又は複数のかん注ポート146-1、146-2を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、かん注ポート146-1、146-2は、可撓性先端部分122を実質的に覆う様式で流体を分散させるように配置し得る。いくつかの実施形態では、かん注ポート146-1、146-2は、可撓性先端部分122上での血液の凝固又は他の物質の蓄積の防止を助けるため、可撓性先端部分122にわたり流体を分散させるように構成し得る。いくつかの実施形態では、可撓性先端部分122の1つ又は複数の部分は、血液の凝固を受けやすい場合がある。したがって、本開示の実施形態は、血液の凝固を防止するため、可撓性先端部分122の1つ又は複数のこれらの部分に流体を分散させるように構成し得る。いくつかの実施形態では、近位結合器128及び近位結合器128の遠位結合器頭部144に関連するかん注特徴は、参照により、完全に本明細書に記載されるように本明細書に組み込まれる米国特許第15/585,859号に関して説明される1つ又は複数の特徴を含み得る。
【0105】
図3Aに関して示されるように、近位結合器128は、カテーテル・シャフトによって画定される管腔に挿入し得る接続幹部分150を含み得る。いくつかの実施形態では、接続幹部分150は、接続幹部分150の外面内152に画定される第1のセンサ溝148-1及び第2のセンサ溝148-2を画定し得る。いくつかの実施形態では、第1のセンサ溝148-1及び第2のセンサ溝148-2は、互いに対して及び/又は高密度電極カテーテル120の長手方向軸に対して角度を付けることができる。いくつかの実施形態では、第1のセンサ溝148-1及び第2のセンサ溝148-2並びに磁気位置センサ134-1、134-2は、参照により、完全に本明細書に記載されるように本明細書に組み込まれる米国特許第15/585,859号に関して説明される特徴を含み得る。磁気位置センサ134-1、134-2の構成は、近位結合器128、したがって高密度電極カテーテル120の位置及び/又は向きを6自由度で決定することを可能にし得る。
【0106】
いくつかの実施形態では、図示されていないが、矢印156-1、156-2で示されるように、腕部126-1、126-2、126-3、126-4の遠位部分に沿って更なる電極を配設し得る。例えば、
図3Aは、腕部126-1、126-2、126-3、126-4の線形部分に沿って互いに線形に位置合わせされた電極124を示すが、本開示の実施形態は、矢印156-1、156-2によって示される腕部126-1、126-2、126-3、126-4の領域に沿って配設された更なる電極から利益を得ることができる。
【0107】
いくつかの実施形態では、高密度電極カテーテル120上に配設される電極(例えば、電極124、130の1つ又は複数)は、限定はしないが、心臓マッピング及び/又は焼灼を含め、様々な診断及び/又は治療目的で使用し得る。いくつかの実施形態では、電極によって実施される焼灼は、複数の異なる種類の焼灼を含み得る。例えば、電極によって実施される焼灼は、本明細書で以前に説明した単極及び/若しくは双極高周波焼灼並びに/又は電気穿孔を含み得る。
【0108】
いくつかの実施形態では、可撓性先端部分122は、双極電極ベースの電気穿孔治療に使用される双極電極組立体として構成される電極組立体とし得る。具体的には、上記のように、可撓性枠組上に配設される電極124及び/又は中心電極130の1つ又は複数は、
図1Bに示される(例えば、カテーテル・シャフト44を通じて延在する適切な電気ワイヤ又は他の適切な電導体を介して)発生器56に個々に電気的に結合でき、反対の極で(例えば、電気穿孔発生器56及び/又はコンピュータ・システム64によって)選択的に通電し、IRE治療のために可能な対応する電界を間に生成するように構成される。即ち、電極124、130の1つ又は複数は、陰極として機能するように構成され、もう一方は、陽極として機能するように構成される。電極124、130の1つ又は複数は、あらゆる適切な電気穿孔電極とし得る。例示的な実施形態では、電極124、130の1つ又は複数は、リング電極とし得る。電極124、130の1つ又は複数は、あらゆる他の形状又は構成を有し得る。
【0109】
電極124、130の1つ又は複数の形状、サイズ及び/又は構成は、適用される電気穿孔治療の様々なパラメータに影響を与え得ることがわかる。例えば、電極124、130の1つ又は複数の表面積が増大すると、同じレベルの組織破壊を生じさせるのに必要な印加電圧を低減し得る。説明では電極124のみに言及しているが、本明細書の説明は、高密度電極カテーテル120の可撓性先端部分122上に示される電極のいずれか1つへ適用し得る。可撓性先端部分122上に配設される電極124、130は、双極電極組立体として説明されるが、いくつかの実施形態では、可撓性先端部分122上に配設される電極124、130は、単極電極組立体として構成し、戻り電極又は不関電極としてパッチ電極(例えば、戻り電極50)を使用し得ることを理解されたい。
【0110】
図3Cは、本開示の実施形態による、
図3A及び
図3Bに示される高密度電極カテーテル120の側面図である。図示のように、可撓性先端部分122は、近位結合器128から遠位に延在し得る。いくつかの実施形態では、遠位結合器頭部144の遠位端部は、第1の外側腕部126-1及び第2の外側腕部126-4並びに第1の内側腕部126-2及び第2の内側腕部126-3が中に延在し得る断面-長手方向スロット157を含み得る。更に示されるように、第1の外側腕部126-1及び第2の外側腕部126-4並びに第1の内側腕部126-2及び第2の内側腕部126-3は、遠位結合器頭部144及び接続幹部分150の長手方向軸a-aを二等分する平面から、遠位結合器頭部144から遠位に延在し得る。
【0111】
いくつかの実施形態では、中心腕部126-5は、遠位結合器頭部144から、長手方向軸a-aの下に延在し、第1の外側腕部126-1及び第2の外側腕部126-4並びに第1の内側腕部126-2及び第2の内側腕部126-3が遠位結合器頭部144から延在する場所の下に延在し得る。いくつかの実施形態では、中心腕部126-5は、伸長特徴部140を含み得る。例えば、中心腕部126-5は、遠位結合器頭部144の遠位端部を出て、遠位に、上方に延在し、第1の外側腕部126-1及び第2の外側腕部126-4並びに第1の内側腕部126-2及び第2の内側腕部126-3によって画定される平面を通じて上昇し得る。
図3Cを参照すると、長手方向軸a-aは、第1の外側腕部126-1及び第2の外側腕部126-4並びに第1の内側腕部126-2及び第2の内側腕部126-3によって画定される平面を通って延在し得る。中心腕部126-5は、尖頭158に到達した後、腕部126-1、126-2、126-3、126-4によって画定される平面に向かって下方に延在し得る。既に説明したように、可撓性枠組が保管構成にある場合、腕部126-1、126-2、・・・、126-5の長手方向長さ部は延長し、伸長特徴部140内の湾曲部を平らにし、中心腕部126-5を延長可能にし得る。
【0112】
図3Dは、本開示の実施形態による、
図3Aから
図3Cに示される高密度電極カテーテル120の等角側面底面図である。
図3Dは、遠位結合器頭部144の遠位面内に画定される第3のかん注ポート146-3及び第4のかん注ポート146-4を示す。いくつかの実施形態では、遠位結合器頭部144は、本明細書で更に示されるように、腕部の126-1、126-2、・・・、126-5の下部構造の近位接続部分を収容する内側空洞を充填するために接着剤を中に注入し得る管腔160を画定し得る。いくつかの実施形態では、管腔160は、
図5Aに関して示され、説明されるように、可撓性先端部分が6つの腕部を含む一実施形態では、第6の腕部の挿入を可能にし得る。
【0113】
図3Eは、本開示の実施形態による、
図3Aから
図3Dに示される高密度電極カテーテル120’の等角上面側面図であり、マニホルド部分162を更に示す。
図3Fは、本開示の実施形態による、
図3Aから
図3Eに示される高密度電極カテーテル120’の等角底面側面図であり、マニホルド部分162を更に示す。いくつかの実施形態では、マニホルド部分162は、遠位結合器頭部144の遠位面内に画定されるかん注ポートのそれぞれに流体を誘導し得る。いくつかの実施形態では、マニホルド部分162は、接続幹部分150及び/又は組付け部分176(
図3G)の遠位端部にわたり延在する中空円筒管とし得る。
【0114】
マニホルド部分162は、マニホルド部分162の外面内に画定される周方向マニホルド164を画定し得る。図示のように、周方向マニホルド164は、マニホルド部分162の回りで円周方向に延在し、陥没マニホルド部分170、遠位結合器頭部144の内面及びマニホルド壁166-1、166-2によって画定し得る。
図3Fに示すように、マニホルド壁166-1、166-2は、周方向マニホルド164の近位端部及び遠位端部を画定し、遠位結合器頭部144の内面で流体封止し得る。
【0115】
いくつかの実施形態では、流体管腔は、本明細書で更に図示され、説明されるように、接続幹部分150内に画定し得る。流体管腔は、流体投入部168と流体連通でき、流体投入部168は、陥没マニホルド部分170内に画定し、マニホルド部分162の内面と陥没マニホルド部分170の外面との間に延在し得る。一例では、流体は、流体投入部168によって周方向マニホルド164に投入され、周方向マニホルド164を流体で充填し得る。陥没マニホルド部分170は、流体排出部172-1、172-2、172-3、172-4を更に画定し得る(流体排出部172-4は図から隠れている)。流体排出部172-1、172-2、172-3、172-4のそれぞれは各々、流体導管174-1、174-2、174-3、174-4と流体結合し得る。
【0116】
流体導管174-1、174-2、174-3、174-4は、
図3Gに関して更に説明される組付け部分176内に画定し得る。
図3Fに示すように、導管174-1、174-2、174-3、174-4のそれぞれは、組付け部分176の遠位面内に画定し得る。
図3Gは、本開示の実施形態による、
図3Aから
図3Fに示される高密度電極カテーテル120’’の等角上面側面図であり、組付け部分176を更に示す。
図3Hは、本開示の実施形態による、
図3Aから
図3Gに示される高密度電極カテーテル120’’の等角底面側面図であり、組付け部分176を更に示す。組付け部分176は、いくつかの実施形態では、接続幹部分150の遠位端部上に配設し得る。図示のように、組付け部分176は、円筒形状であり、導管174-1、174-2、174-3、174-4を画定でき、導管174-1、174-2、174-3、174-4を通じてかん注ポート146-1、146-2、146-3、146-4(
図3A及び
図3D)からかん注流体を流し、誘導し得る。
【0117】
いくつかの実施形態では、組付け部分176は、接続幹部分150を中に受け入れ得る受入れ管腔を画定し得る。いくつかの実施形態では、複数の接着剤穴180-1、180-2、180-3、180-4を組付け部分176の外面内に画定し得る(180-4は図から隠れている)。接着剤は、接着剤管腔178に注入され、組付け部分176の内側部分を通じて、接着剤穴180-1、180-2、180-3、180-4に流れるため、組付け部分176を接続幹部分150及びマニホルド部分162(
図3F)に固着し得る。更に示されるように、腕部126-1、126-2、・・・、126-5の近位端部は、近位端部が組付け部分176に対して所定の位置に配設されるように、組付け部分176の遠位端部内に配設し得る。
【0118】
いくつかの実施形態では、組付け部分176は、
図3Mで更に示されるように、かん注貫通孔182を含み得る。かん注貫通孔182は、接続幹部分150内に画定されるかん注管腔280(
図3Q)と流体結合し得る。例えば、かん注管腔280は、接続幹部分150内に画定され、接続幹部分150を通じて長手方向に延在し得る。かん注管腔280は、かん注流体を貫通孔182、したがって流体投入部168に供給し得る。
【0119】
図3Iは、本開示の実施形態による、本明細書に示される高密度電極カテーテル120の可撓性下部構造190の等角上面側面図である。
図3Jは、本開示の実施形態による、
図3Aから
図3Iに示される高密度電極カテーテルの可撓性下部構造190の等角底面側面図である。可撓性下部構造190は、第1の外側枠192-1と、第1の内側枠192-2と、中心枠192-5と、第2の内側枠192-3と、第2の外側枠192-4とを含み得る。第1の外側枠192-1及び第1の内側枠192-2は、第1の外側枠192-1及び第1の内側枠192-2が中を通過するそれぞれの管194-1、194-2によって覆われるように示される。いくつかの実施形態では、管194-1、194-2は、
図3Kに更に示されるように、双管腔管とすることができ、枠192-1が双管腔管の第1の管腔198を通過し、複数のワイヤ196が、平坦横材202を介して第1の管腔198から分離する双管腔管の第2の管腔200を通過することを可能にする。
【0120】
図3Iを更に参照すると、中心枠192-5は、外側枠192-1、192-4及び内側枠l92-2、192-3が保管構成で伸長する際に中心枠192-5を伸長可能にする、既に説明した非線形伸長特徴部204を含み得る。図示のように、1つの非線形伸長特徴部204が示されるが、2つ以上の非線形伸長特徴部を中心腕部192-5に沿って含め得る。例えば、いくつかの実施形態では、一連の起伏部を中心腕部192-5に沿って含めることができ、中心腕部192-5として平らになる一連の起伏部のそれぞれは、外側枠192-1、l92-4及び内側枠l92-2、192-3と共に伸ばされる。
【0121】
いくつかの実施形態では、枠192-1、192-2、・・・、192-5のそれぞれの近位端部は、本明細書で説明するように、組付け部分176を係合し得る枠組付け部分206-1、206-2、・・・、206-5を含む。枠192-1、192-2、・・・192-5は、いくつかの実施形態では金属(例えば、ニチノール)を含み得る可撓性材料から形成し得る。更に示されるように、枠192-1、192-2、・・・、192-5は、参照により、完全に本明細書に記載されるように本明細書に組み込まれるHigh Density Electrode Mapping Catheterという名称の米国出願第15/331,369号に関して更に説明される平坦断面を含み得る。いくつかの実施形態では、枠組付け部分206-1、206-2、・・・、206-5は、
図3Mに対して本明細書で更に説明されるように、組付け部分176内に画定される対応する開口及び/又は管腔内に配設し得る。
【0122】
図3Lは、本開示の実施形態による、
図3Hに示される高密度電極カテーテル120’’’の等角底面側面図であり、可撓性下部構造190を覆う管194を伴わない。図示のように、枠192-1、192-2、・・・、192-5のそれぞれの近位端部は、組付け部分176内に配設し得る。例えば、図示のように、枠組付け部分206-1の側部は、組付け部分176の近位端部内に画定される組付け切欠き部210内で突出しているのが見える。図示のように、組付け切欠き部210は、少なくとも枠組付け部分206-1の厚さと同じ大きさである周方向幅を有する組付け部分176の近位端部から遠位に延在する開口(例えば、スロット)とし得る。
図3Mに示すように、組付け部分176の反対側には、組付け切欠き部225を含み得る。
【0123】
図3Mは、本開示の実施形態による、組付け部分176の等角近位端部の図である。図示のように、組付け部分176は、本明細書で説明するように、接着剤を配設して組付け部分176を固着し得る接着剤穴180-1、180-2、180-3、180-4を画定する。更に示されるように、組付け部分176は、かん注流体を中に流し、マニホルド部分162(
図3F)によって分散し得るかん注貫通孔182を含み得る。組付け部分の更なる態様は、
図3Pに対して説明される。
【0124】
図3Nは、本開示の実施形態による、可撓性下部構造190の近位端部の等角底面側面図である。
図3Mは、本開示の実施形態による、可撓性下部構造190の近位端部の底面図である。図示のように、枠192-1、192-2、・・・、192-5のそれぞれの近位端部は、枠組付け部分206-1、206-2、・・・、206-5を含み得る。枠組付け部分206-1、206-2、・・・、206-5は、枠組付け部分206-1、206-2、・・・、206-5、したがって枠192-1、192-2、・・・、192-5を組付け部分176に対して所定の位置で係止させるように、組付け部分176と係合するように構成し得る。いくつかの実施形態では、枠組付け部分206-1、206-2、・・・、206-5は、枠192-1、192-2、・・・、192-5によってもたらされるばね張力を利用するクリップ部分を含むことができ、組付け部分176内に画定される対応するクリップ部分を係合するようにする。いくつかの実施形態では、枠192-1、192-2、・・・、192-5に関連する可撓性により、ばね張力をもたらし得る。
【0125】
いくつかの実施形態では、中心枠組付け部分192-5に対して、中心枠組付け部分206-5は、ばねクリップ228を含み得る。図示のように、ばねポスト230は、中心枠192-5に対して近位に延在し、その近位端部でばね接続器を介してばねクリップ228に接続し得る。いくつかの実施形態では、ばね間隙234は、ばねポスト230とばねクリップ228との間に画定し得る。動作中、ばね間隙234は、本明細書で更に説明されるように、中心枠組付け部分206-5が組付け管腔269を通じて押圧される際(
図3M)にばねクリップ228がばねポスト230に向かって圧縮される空間をもたらし得る。更に説明されるように、組付け管腔269は、中心枠192-5の断面に対して相補形状を有することができ、中心枠組付け部分206-5を組付け管腔269を通じて押圧可能にする。
【0126】
図3Oを更に参照すると、ばねクリップ228のばねクリップ遠位端部232は、ばねクリップ228が係合構成にある際、対応する枠縁部238を越えて突出し得る。ばねクリップ228が対応する組付け管腔269(
図3M)を通じて押圧されると、ばねクリップ228は、ばねポスト230に向かって押圧でき、ばねクリップ遠位端部232を対応する枠縁部238とより面一にさせ、したがって、中心枠組付け部分206-5が組付け管腔269を通じて押圧されることを可能にする。
【0127】
第1の内側枠192-2及び第2の内側枠192-3に対して、それぞれの枠組付け部分206-2、206-3は、図示のように、枠クリップを含み得る。簡単にするため、枠組付け部分に関連する枠クリップの説明は、第2の内側組付け部分206-3に限定される。第1の内側組付け部分206-2は、第2の内側組付け部分206-3と同じ又は同様の特徴を含み得る。図示のように、第2の内側組付け部分206-3は、第2の内側枠192-3の内縁部242内に画定されるクリップ切欠き部240を含み得る。いくつかの実施形態では、クリップ切欠き部240は、
図3Pに更に示され、
図3Pに対して本明細書で説明されるように、組付け部分176内に画定される内側係止ポスト260に対して相補形とし得る。例えば、組付け部分176内に画定される内側係止ポスト260は、クリップ切欠き部240内に配設され、したがって第2の内側組付け部分206-3を適切な位置に係止し得る。
【0128】
更に示されるように、第2の内側組付け部分206-3は、第2の内側枠192-3が組付け部分176に押圧されると、内側係止ポスト260にわたり第2の内側組付け部分206-3を偏向可能にし得る傾斜部分244を含み得る。いくつかの実施形態では、第2の内側枠192-3及び第1の内側枠192-2は、接続され、したがって、組付け部分176内に同時に押圧し得る。図示のように、第1の内側枠組付け部分206-2及び第2の内側組付け部分206-3は、それぞれの傾斜部が内側係止ポスト260に接触するにつれて互いから離れて偏向し得る。
【0129】
図示のように、第2の内側組付け部分206-3は、本明細書で説明するように、第2の外側組付け部分206-4の対向する近位内側縁部上に配設される係合隆起部250が接触し得る保持棚246を更に含み得る。第2の外側組付け部分206-4に関し、第2の外側組付け部分206-4は、第2の内側組付け部分206-3に対して同様の特徴を含み得る。例えば、第2の外側組付け部分206-4は、組付け部分176内に配設される外側係止ポスト262と係合するクリップ切欠き部248と傾斜部分252とを含み得る。
【0130】
本明細書で更に説明されるように、いくつかの実施形態では、最初に、第1の内側組付け部分206-2及び第2の内側組付け部分206-3を組付け部分176に挿入し、次に、第1の外側組付け部分206-1及び第2の外側組付け部分206-4を挿入し得る。第2の外側組付け部分206-4及び第2の内側組付け部分206-3に対して、係合隆起部250を保持棚246に押圧し得るため、保持力を係合隆起部250と保持棚246との間に与え、これにより、クリップ切欠き部240、248がそれぞれの係止ポスト260、262と係合したままであることを保証する。
【0131】
図3Pは、本開示の実施形態による、断面図を介して示される、組付け部分176内に配設される可撓性下部構造190の近位端部の底面図である。図示し、既に述べたように、組付け部分は、内側係止ポスト260と、外側係止ポスト262とを含み得る。説明したように、いくつかの実施形態では、第1の内側枠192-2及び第2の内側枠192-3は、組付け部分176に挿入し得る。いくつかの実施形態では、拡張部(例えば、ワイヤ)を各内側組付け部分及び/又は外側組付け部分206-1、206-2、・・・、206-4の近位端部に取り付け、
図3Mにも示され、内側係止ポスト260と外側係止ポスト262、266との間に画定される開口264、268に通すことができる。いくつかの実施形態では、拡張部は、内側組付け部分/外側組付け部分206-1、206-2、・・・、206-4を近位に付勢し、各内側係止ポスト260/外側係止ポスト262のそれぞれに係合させるのを助けるため、近位に引っ張ることができる。
【0132】
説明したように、いくつかの実施形態では、内側組付け部分206-2、206-3を所定の位置に付勢し、クリップ切欠き部240と内側係止ポスト260との間に係合をもたらす場合、傾斜部分244は、係止ポスト260の外側遠位縁部と接触し得る。傾斜部分244と係止ポスト260の遠位端部との間の接触は、第2の内側組付け部分206-3を第1の内側組付け部分206-2から分離させ得る。表示していないが、第1の内側組付け部分206-2に関連する傾斜部分は、係止ポスト260のそれぞれの近位縁部に接触し、第1の内側組付け部分206-2を第2の内側組付け部分206-3から分離させることもできる。例えば、いくつかの実施形態では、第1の内側枠192-2及び第2の内側枠192-3は、
図3Pで示す構成で自然に付勢し得る。
【0133】
内側組付け部分206-2、206-3を組付け部分176に挿入すると、第1の内側枠192-2及び第2の内側枠192-3は、自然に付勢状態から偏向させ得る。第1の内側枠192-2及び第2の内側枠192-3を組付け部分176に挿入し、それぞれのクリップ切欠き部(例えば、クリップ切欠き部240)が内側係止ポスト260と位置合わせする点に至ると、第1の内側枠192-2及び第2の内側枠192-3は、自然に付勢状態に戻り、これらを内側係止ポスト260に対して所定の位置に係止させ得る。
【0134】
いくつかの実施形態では、第1の外側枠192-1及び第2の外側枠192-4は、内側係止ポスト260と外側係止ポスト262、266との間に画定されるそれぞれの開口264、268に挿入し得る。いくつかの実施形態では、第1の内側組付け部分206-2及び第2の内側組付け部分206-3を開口264、268に挿入し、内側係止ポスト260に対して所定の位置に係止した後、第1の外側組付け部分206-1及び第2の外側組付け部分206-4を開口264、268に挿入し得る。第1の外側組付け部分206-1及び第2の外側組付け部分206-4をそれぞれの開口264、268に挿入すると、第1の外側組付け部分206-1及び第2の外側組付け部分206-4のそれぞれの傾斜部分252、253は、各外側係止ポスト262、266のそれぞれの内側遠位縁部に接触し、第1の外側組付け部分206-1及び第2の外側組付け部分206-4を互いに向かって内側に偏向させ得る。
【0135】
第1の外側組付け部分206-1及び第2の外側組付け部分206-4のそれぞれは、それぞれの第1の外側組付け部分206-1及び第2の外側組付け部分206-4のクリップ切欠き部248、270が、各外側係止ポスト262、266と位置合わせされるまで、それぞれの開口264、268を通じて近位に挿入し得る。外側係止ポスト262、266が、第1のクリップ切欠き部248及び第2の切欠き部270と位置合わせされると、第1の外側組付け部分206-1及び第2の外側組付け部分206-4は、横に拡張し、第1の外側係止ポスト262及び第2の外側係止ポスト266を各クリップ切欠き部248、270内に据え付けることができる。
【0136】
既に説明したように、第1の外側組付け部分206-1及び第2の外側組付け部分206-4のそれぞれは、係合隆起部250を含み得る。簡単にするため、係合隆起部の説明は、第2の外側組付け部分206-4に限定されるが、第1の外側組付け部分206-1は、同じ又は同様の特徴を含む。図示のように、第2の外側組付け部分206-4の挿入、及びクリップ切欠き部248と外側係止ポスト262との係合後、係合隆起部250は、保持棚246を係合し得る。いくつかの実施形態では、係合隆起部250は、保持棚246に当接し、したがってクリップ切欠き部240、248がそれぞれの係止ポスト260、262と共に脱落しないようにし得る。
【0137】
想像線で示されるように、中心枠192-5は、中心枠組付け部分206-5を含み得る。いくつかの実施形態では、組付け部分176は、組付け部分176を通じて長手方向に延在し、中心腕部192-5の断面に対して同様のサイズで作製される組付け管腔269(
図3M)を画定し得る。いくつかの実施形態では、中心組付け部分206-5は、組付け部分176内の長手方向に延在する組付け管腔269を通じて近位方向で前進し得る。中心組付け部分206-5が組付け部分176内の組付け管腔269を通じて前進するにつれて、ばねクリップ236は、ばねクリップが組付け管腔269を通過するまでばねポスト230に向かって圧縮でき、ばねクリップ236を拡張させ、したがって中心組付け部分206-5を適切な位置に係止し、中心組付け部分206-5が組付け管腔269から遠位に引っ張られないようにすることを可能にする。
【0138】
図3Mに対して更に示されるように、いくつかの実施形態では、ワイヤ管腔271、273は、組付け部分176の遠位面内に画定し得る。いくつかの実施形態では、ワイヤ管腔271は、本明細書で説明する可撓性先端部分122(
図3A)にワイヤを通す空間をもたらし得る。
【0139】
図3Qは、本開示の実施形態による、接続幹部分150の等角遠位端面図である。
図3Rは、本開示の実施形態による、
図3Gに示される接続幹部分150の等角近位端面図である。図示のように、接続幹部分150は、中に延在するかん注管腔280を含み得る。既に説明したように、かん注管腔280は、
図3Fに対して説明したように、接続幹部分150の近位端部から流体投入部168にかん注流体を提供し得る。更に示されるように、接続幹部分150は、本明細書で説明する第1のセンサ溝148-1及び第2のセンサ溝148-2を画定し得る。接続幹部分150の遠位端部は、可撓性枠組を挿入するための断面長手方向スロットを画定し得る先細部分284を含み得る。いくつかの実施形態では、先細部分は、マニホルド部分162の内面と接合し得る。
【0140】
図3Qに示すように、かん注管腔280は、第1のセンサ溝148-1及び第2のセンサ溝148-2と共に接続幹部分150の近位端部内に画定し得る。いくつかの実施形態では、接続幹部分150は、中に延在する中心管腔286を含み得る。図示のように、中心管腔286の断面は、形状を楕円形とし得るが、断面は、他の形状(例えば、円形、正方形、長方形等)とし得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のワイヤは、可撓性先端部分122上に配設される電極124(
図3A)、可撓性先端部分122上に配設される磁気位置センサ209(
図3J)、又は可撓性先端部分122上に配設される他のデバイス及び/若しくはセンサに関連する中心管腔286を通過し得る。
【0141】
更に
図3Jに関し、いくつかの実施形態では、本明細書で説明する高密度電極カテーテルは、カテーテルの可撓性先端部分上に配設される磁気位置センサを含み得る。
図3Jに示すように、いくつかの実施形態では、磁気位置センサ209は、高密度電極カテーテルの可撓性先端部分の遠位部分に沿って配設し得る。いくつかの実施形態では、本明細書で説明する可撓性先端部分の1つ又は複数の部分を位置特定するため、磁気位置センサ209の位置を決定、使用し得る。いくつかの実施形態では、可撓性下部構造190は、可撓性下部構造190の遠位部分208上に配設される磁気位置センサ台211を含み得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ台211は、磁気位置センサ209を収容し得る。例えば、磁気位置センサ台211は、
図3S及び
図3Tに対して更に示される磁気位置センサ209を中に配設し得る、長手方向に延在するスロット213を画定し得る。
【0142】
いくつかの実施形態では、磁気位置センサ台211は、
図3Aに示される中心電極130の電極下部構造として働き得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ209は、スロット213内に配設され、管状導電層(例えば、中心電極130)は、磁気位置センサ台211の外面にわたり配設し得る。
図3Jに示すように、通路215は、磁気位置センサ台211の近位外面内に画定し得る。いくつかの実施形態では、ワイヤは、通路215内に配設され、(例えば、はんだを介して)磁気位置センサ台211に結合し得る。図示されていないが、ワイヤは、磁気位置センサ台211、したがって中心電極130をコンピュータ・システム20に電気的に結合し得る。このことにより、二重目的の磁気位置検知及び電極組立体を可能にし得る。
【0143】
いくつかの実施形態では、磁気位置センサ台211は、遠位結合器136と結合し得る。いくつかの実施形態では、遠位結合器136及び磁気位置センサ台211は、単一材料部品から形成し得る。磁気位置センサ台211は、中心枠192-5の遠位端部に接続され、したがって中心枠192-5を遠位結合器136に接続し得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ台211は、
図3Sにより良好に示されるように、中心枠192-5の遠位端部を受け入れるように構成し得る鍵付きスロット217を含み得る。
【0144】
図3Sは、本開示の実施形態による、
図3Jに示される可撓性下部構造190’の遠位部分208’の底面図であり、電極124、遠位外側下部構造管類290、及び非外傷性先端部292が追加されている。図示のように、第1の外側腕部126-1及び第2の外側腕部126-4は、上に配設されるいくつかの電極124を含み得る。いくつかの実施形態では、第1の外側腕部126-1及び第2の外側腕部126-4を形成する下部構造は、管で覆うことができ、この管は、
図3Jに図示し、説明したように、双管腔管とし得る。いくつかの実施形態では、本明細書で説明するように、管は、ポリマー等の非導電材料から形成し得る。図示のように、第1の内側枠192-2は、電極124に対して遠位に位置する場所に、管で覆われているものとして示される。
【0145】
いくつかの実施形態では、双管腔管は、電極が沿って配設される可撓性下部構造の部分を覆うために使用し得る。例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのワイヤを各電極に関連付け、ワイヤを可撓性先端部分に沿って近位に送ることができる。電極が沿って配設される可撓性下部構造の部分に双管腔管を使用すると、ワイヤを双管腔管の第1の管腔内に配設し、枠(例えば、第1の内側枠192-2)を双管腔管の第2の管腔内に送ることが可能になる。電極を含まない可撓性下部構造の部分の場合、いくつかの実施形態では、単管腔管290を使用し、第1の外側腕部126-1及び第2の外側腕部126-4に対して示すように、可撓性下部構造を覆うことができる。
【0146】
いくつかの実施形態では、本明細書で説明するように、可撓性下部構造190’は、可撓性下部構造190’の遠位部分208上に配設される磁気位置センサ台211を含み得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ台211は、磁気位置センサ209を収容し得る。例えば、磁気位置センサ台211は、磁気位置センサ209を中に配設し得る、長手方向に延在するスロット213を画定し得る。
【0147】
いくつかの実施形態では、磁気位置センサ台211は、
図3Aに示される中心電極130の電極下部構造として働き得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ209は、スロット213内に配設され、管状導電層(例えば、中心電極130)は、磁気位置センサ台211の外面にわたり配設し得る。
【0148】
いくつかの実施形態では、磁気位置センサ台211は、遠位結合器136と結合し得る。いくつかの実施形態では、遠位結合器136及び磁気位置センサ台211は、単一材料部品から形成し得る。磁気位置センサ台211は、中心枠192-5の遠位端部に接続され、したがって、中心枠192-5を遠位結合器136に接続し得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ台211は、
図3Sにより良好に示されるように、中心枠192-5の遠位端部を受け入れるように構成し得る鍵付きスロット217を含み得る。例えば、図示のように、鍵付きスロット217は、中心枠192-5の遠位端部の形状に対して相補形とし得る。図示のように、鍵付きスロット217は、磁気位置センサ台211内に画定される半円形スロットとし得る。
【0149】
中心枠192-5の遠位端部は、この例では半円端部294である相補形状を含み得る。半円端部294は、鍵付きスロット217内に配設し、これにより、中心枠192-5が磁気位置センサ台211から近位に引っ張られないようにする。このことは、可撓性下部構造190’が保管状態にある際に有益であり得る。例えば、可撓性下部構造を折り畳み状態で導入器/シース内に配設する際、第1の外側腕部126-1と第2の外側腕部126-2との間の距離を低減させ、第1の内側腕部126-2と第2の内側腕部126-3(
図3A)との間の距離を低減させることができる。これにより、可撓性下部構造190’の長手方向長さが増大するため、中心枠192-5が遠位に引っ張られる。スロット217と中心枠192-5の遠位端部との間の鍵付き関係により、中心枠192-5が磁気位置センサ台211から離れて引っ張られるのを防止し得る。
【0150】
図3Sに更に示されるように、非外傷性先端部292は、遠位結合器136の遠位端部に配設し得る。いくつかの実施形態では、非外傷性先端部292は、可撓性材料(例えば、ゴム)から形成し得る。非外傷性先端部292は、組織に接触する際の遠位結合器136の衝撃を和らげ得る。例えば、非外傷性先端部292は、心臓領域に位置する場合、心臓組織に接触する際の遠位結合器136の衝撃を和らげ得る。いくつかの実施形態では、非外傷性先端部292は、遠位結合器136の遠位端部に機械的に締結し得る。いくつかの実施形態では、非外傷性先端部292は、接着剤を介して遠位結合器136の遠位端部に取り付け得る。
【0151】
図3Tは、本開示の実施形態による、
図3Jに示される可撓性下部構造190’’の遠位部分208’’の底面等角図であり、電極124、遠位内側下部構造管類296、及び非外傷性先端部292が追加されている。前述のように、双管腔管は、第1の内側腕部126-2及び第2の内側腕部126-3を形成するように、電極124を含む内側枠の部分にわたり配設し得る。電極124の遠位に位置する外側腕部126-1、126-2及び内側腕部126-3、126-4の部分は、遠位外側下部構造管類290及び遠位内側下部構造管類296に対して示すもの等の単管腔管を含み得る。
【0152】
いくつかの実施形態では、外側腕部126-1、126-2及び内側腕部126-3、126-4は、腕部の全体を覆う単管腔管を含み得る。例えば、電極124は、単管腔管並びに内側枠及び外側枠にわたり配設し、電極124を電気的に結合するワイヤは、単一管腔内に配設し得る。いくつかの実施形態では、外側腕部126-1、126-2及び内側腕部126-3、126-4は、腕部の全体を覆う双管腔管を含み得る。
図3Aに対して本明細書で既に説明したように、更なる電極は、矢印156-1、156-2で示されるように、外側腕部及び内側腕部126-1、126-2、・・・126-4の遠位部分上に配設し得る。したがって、いくつかの実施形態では、更なる電極は、双管腔管上に配設し得る。
【0153】
図3Sに更に示されるように、磁気位置センサ209は、いくつかの実施形態では、コア221の周囲に巻回し得るいくつかのコイル219を含み得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ209は、外側層223で覆うことができる。例えば、いくつかの実施形態では、外側層223(例えば、スリーブ及び/又はコーティング)は、磁気位置センサ209にわたり配設し得る。いくつかの実施形態では、外側層223は、熱収縮材料とし得る。説明するように、磁気位置センサ209は、長手方向に延在するスロット213内に配設し、いくつかの実施形態では、スロットには、接着剤材料を充填し、磁気位置センサ209及び/又は中心枠192-5の端部が緩むのを防止し得る。
【0154】
図3Uは、本開示の実施形態による、
図3Jに示される可撓性下部構造190’’’の遠位部分208’’’の底面等角図であり、遠位結合器136及び磁気位置センサ台211を伴わない。磁気位置センサ209は、磁気位置センサ台211内に配置される場合、磁気位置センサ209が配設される位置に示される。図示のように、磁気位置センサ209は、可撓性下部構造190’’’の遠位部分208’’’に沿って位置し得る。
【0155】
本明細書で説明するように、磁気位置センサ209は、コンピュータ・システム20に供給し得る位置及び/又は向きを検知し得る。コンピュータ・システム20は、磁気位置センサ209が検知した位置及び/又は向きを使用し、可撓性先端部分122(
図3A)の位置及び/又は向きを決定し得る。図示のように、磁気位置センサ209は、中心枠192-5の長手方向軸と軸方向に位置合わせし得る。しかし、いくつかの実施形態では、磁気位置センサ209は、中心枠192-5に対して傾けることができる。例えば、磁気位置センサ209は、中心枠192-5及び/又は可撓性先端部分122の長手方向軸、又は可撓性先端部分122に取り付けられるカテーテル・シャフトに対して横に傾けることができる。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ209は、中心枠192-5及び/又は可撓性先端部分122の長手方向軸、又は可撓性先端部分122に取り付けられるカテーテル・シャフトに対して上下に傾けることができる。
【0156】
磁気位置センサ209は、遠位部分208’’’に沿って、特に中心枠192-5に対して遠位に位置するものとして示されるが、磁気位置センサ209は、可撓性下部構造に沿った他の場所に配設し得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ209は、
図3Uに示す場所に対して近位又は遠位に配設し得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ209は、
図3Uに示す場所に対して横に配設し得る。例えば、いくつかの実施形態では、磁気位置センサ209は、遠位部分208’’’に沿った異なる場所に配設し得る一方で、依然として、遠位部分208’’’の位置及び/又は向きを検知可能である。
【0157】
いくつかの実施形態では、磁気位置センサ209は、第1の外側腕部192-1及び第2の外側腕部192-4の少なくとも1つに沿って及び/又は第1の内側枠192-2及び第2の内側枠192-3の少なくとも1つに沿って位置し得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサは、内側枠及び/又は外側枠の1つ又は複数上に配設し、枠の1つの位置及び/又は向き、及び/又は他の枠に対する枠の1つの一部分及び/又は枠の1つの部分を決定し得る。
図4は、カテーテルの可撓性先端部分の遠位部分上で異なる場所に磁気位置センサを配置を提供する一実施形態を示す。
【0158】
図4は、本開示の実施形態による、カテーテル300の上面図であり、可撓性先端部分302は、可撓性先端部分302の遠位部分上に配設された一対の磁気位置センサ304-1、304-2を有する。カテーテル300は、1つ又は複数のリング電極308-1、308-2が上に配設される、長手方向に延在するカテーテル・シャフト306を含み得る。いくつかの実施形態では、リング電極308-1、308-2は、位置の検知、診断及び/又は治療目的で使用し得る。1つ又は複数のリング電極308-1、308-2を
図4に対して説明するが、例えば、
図5、
図6及び
図7で説明する実施形態に対して本明細書で説明する他の実施形態では、同じ又は同様の電極を含め得る。いくつかの実施形態では、可撓性先端部分302は、近位結合器310を介してカテーテル・シャフト306に結合でき、近位結合器310から、第1の外側腕部312-1、第2の外側腕部312-4、第1の内側腕部312-2及び第2の内側腕部312-3が延在する。
【0159】
図示のように、複数の電極314は、腕部312-1、312-2、312-3、312-4上に配設し得る。合計16個の電極314が腕部312-1、312-2、312-3、312-4上に示されるが、腕部上に配設される電極の数は、16個の電極より多くても、少なくてもよい。いくつかの実施形態では、複数の電極314は、位置の検知、診断及び/又は治療目的で使用し得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の磁気位置センサを内側腕部312-1、312-2及び/又は外側腕部312-3、312-4の1つの上に配設し得る。例えば、図示のように、一対の磁気位置センサ304-1、304-2は、第1の外側腕部312-1及び第2の外側腕部312-4の遠位部分上に配設し得る。一対の磁気位置センサ304-1、304-2は、第1の外側腕部312-1及び第2の外側腕部312-4の遠位部分上に配設されるが、磁気位置センサ304-1、304-2は、可撓性先端部分302の他の部分(例えば、第1の内側腕部312-2及び第2の内側腕部312-3)上に配設し得る。
【0160】
いくつかの実施形態では、磁気位置センサ304-1、304-2は、第1の外側腕部312-1及び第2の外側腕部312-2回りの、導電材料(例えば、銅)から形成されるワイヤにより作製したいくつかの巻線を介して形成し得る。いくつかの実施形態では、いくつかの巻線は、透磁性材料から形成し得るそれぞれのセンサ・コア316-1、316-2にわたり作製し得る。例えば、いくつかの実施形態では、センサ・コア316-1、316-2は、腕部312-1、312-2、312-3、312-4の1つの一部分にわたり配設され、多数の導電ワイヤの巻線は、センサ・コア316-1、316-2にわたり作製し得る。
【0161】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数の磁気位置センサは、腕部312-1、312-2、312-3、312-4の1つに関連する下部構造上に形成し得る。例えば、磁気位置センサ304-1、304-2は、腕部312-1、312-4の周囲に配設されるものとして示されるが、磁気位置センサは、腕部312-1、312-2、312-3、312-4の1つ又は複数の下部構造上に配設し得る。例えば、腕部312-1、312-2、312-3、312-4を形成する下部構造は、磁気位置センサを中に配設し得る1つ又は複数のスロットを含み得る。代替的に、及び/又は追加として、磁気位置センサは、腕部312-1、312-2、312-3、312-4の1つ又は複数を形成する下部構造の周囲に巻回し得る。
【0162】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数の電極は、
図3Aに対して説明するように、磁気位置センサ304-1、304-2の1つ又は複数にわたり配設し得る。例えば、いくつかの実施形態では、1つ又は複数の電極は、磁気位置センサ304-1、304-2の1つ又は複数が延在する管腔を画定し得る。いくつかの実施形態では、電極は、磁気位置センサ304-1、304-2の全体にわたり配設しなくてよい。例えば、本明細書で既に説明したように、1つ又は複数の電極は、上半分及び/又は底半分等、磁気位置センサ304-1、304-2の一部分のみにわたり配設し得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数のスポット電極を1つ又は複数の磁気位置センサ上に配設し得る。いくつかの実施形態では、可撓性回路は、1つ又は複数の電極がその上に配設される1つ又は複数の磁気位置センサ304-1、304-2にわたり配設し得る。
【0163】
図示のように、磁気位置センサ304-1、304-2は、カテーテル300によって画定される長手方向軸により分岐する外側腕部312-1、312-4の部分上に形成し得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ304-1、304-2は、1つ又は複数のワイヤ318(例えば、1つ又は複数のツイスト・ペア・ワイヤ)を介してコンピューティング・システム20と電気的に結合し得る。図示のように、いくつかの実施形態では、ワイヤ318は、腕部312-1、312-2、312-3、312-4の1つに関連する管腔(例えば、双管腔)を介して封入されない場合がある。ワイヤ318は、第1の内側腕部312-2と第2の内側腕部312-3との間で、カテーテル・シャフト306に沿って磁気位置センサ304-1、304-2のそれぞれから近位に延在し得る。いくつかの実施形態では、既に説明したように、可撓性先端部分302は、ワイヤ318が沿って延在し得る中心腕部を含み得る。
【0164】
いくつかの実施形態では、ワイヤ318は、第1の外側腕部312-1及び第2の外側腕部312-4及び/又は第1の内側腕部312-2及び第2の内側腕部312-4の1つに沿って延在し得る。ワイヤが腕部312-1、312-2、312-3、312-4の1つ又は複数の下に進行するいくつかの実施形態では、ワイヤが沿って延在する腕部312の間で対称性を維持することが有益であり得る。例えば、第1の外側腕部312-1の下に延在するワイヤの1つのセット、及び第2の外側腕部312-4の下に延在するワイヤの他のセットを有する、及び/又は第1の内側腕部312-2の下に延在するワイヤの1つのセット及び第2の内側腕部312-3の下に延在する他のセットを有することが有益であり得る。ワイヤが沿って延在する腕部312の間に対称性を維持することによって、腕部312の偏向の対称性を維持し得る。例えば、磁気位置センサ304-1、304-2に関連するワイヤが第1の外側腕部312-1及び第1の内側腕部312-2に沿って延びる場合、可撓性先端部分302は、ワイヤ(例えば、第1の外側腕部312-1及び第2の外側腕部312-2)を含む可撓性先端部分302の側部の機械的剛性が増加するために、偏向が不平衡になる場合がある。
【0165】
図5Aは、本開示の実施形態による、6つの長手方向延在腕部322-1、322-2、・・・、322-6を含む高密度電極カテーテル320の等角図である。いくつかの実施形態では、高密度電極カテーテル320は、第1の外側腕部322-1及び第2の外側腕部322-6並びに第1の内側腕部322-3及び第2の内側腕部322-4並びに第1の中間腕部322-2及び第2の中間腕部322-5から形成される可撓性先端部分324を含み得る。図示のように、腕部322-1、322-2、・・・、322-6のそれぞれは、複数の電極326を支持し得る。いくつかの実施形態では、腕部322-1、322-2、・・・、322-6のそれぞれは、7個の電極326を支持でき、42個の電極326のアレイを可撓性先端部分324上に配設可能にする。いくつかの実施形態では、より多い又はより少ない数の電極326を可撓性先端部分324上に配設し得る。
【0166】
いくつかの実施形態では、可撓性先端部分324は、近位結合器327を介してカテーテル・シャフト(図示せず)に結合し得る。いくつかの実施形態では、腕部322-1、322-2、・・・、322-6の近位端部は、近位結合器328内に配設し得る。近位結合器328は、
図3Dに示され、
図3Dに対して説明された遠位結合器頭部144と同じ設計のものとし得る。例えば、内側腕部322-3、322-4の1つは、
図3D内に示される管腔160内に配設し得る。いくつかの実施形態では、近位結合器328は、
図3Aから
図3Dに関して示し説明した遠位結合器頭部144に対して同じ又は同様の特徴を含み得る。いくつかの実施形態では、
図3Dに示される管腔160は、内側腕部322-3、322-4の1つに関連する下部構造を配設するための場所をもたらし得る。前述のように、腕部322-1、322-2、・・・、322-6のそれぞれは、管を上に配設し得る下部構造を含み得る。いくつかの実施形態では、下部構造にわたり配設される管は、双管腔及び/又は単管腔管とし得る。
【0167】
いくつかの実施形態では、近位結合器328は、かん注ポート(例えば、かん注ポート330-1)を含み得る。いくつかの実施形態では、近位結合器328は、4つのかん注ポートを含み得るが、かん注ポート330-1のみが
図5Aでは見える。図示のように、近位結合器328は、本明細書で説明する接続幹部分332の遠位端部に接続し得る。いくつかの実施形態では、接続幹部分332は、それぞれがセンサ・ケーブル335-1、335-2を介して結合し得る第1の磁気位置センサ334-1と第2の磁気位置センサ(図では隠れている)とを含み得る。いくつかの実施形態では、接続幹部分332は、第1のセンサ溝336-1及び第2のセンサ溝(図から隠れている)を画定し得る。
【0168】
図示のように、いくつかの実施形態では、第1の外側腕部322-1及び第2の外側腕部322-6並びに第1の中間腕部322-2及び第2の中間腕部322-5は、共通平面に沿って近位結合器328の遠位端部から延在し、遠位結合器338を介してそれらの遠位端部で結合し得る。いくつかの実施形態では、第1の内側腕部322-3は、共通平面の下で、遠位結合器338に向かって近位結合器328の遠位端部から遠位に延在し、第2の内側腕部322-4は、共通平面の上に、第2の内側腕部322-4が第1の内側腕部322-3に接合する遠位結合器338に向かって近位結合器328の遠位端部から遠位に延在し得る。遠位結合器において、第1の内側腕部322-3及び第2の内側腕部322-4は、第1の外側腕部322-1及び第2の外側腕部322-6並びに第1の中間腕部322-2及び第2の中間腕部322-5と結合し得る。第1の内側腕部322-3及び第2の内側腕部322-4は、共通平面の両側に近位結合器328から延在するので、近位結合器328の直径をより小型にし得る。例えば、6個の枠は、より広い近位結合器を必要とし得る共通平面上で近位結合器328から遠位に延在しない。
【0169】
図示のように、腕部322-1、322-2、・・・、322-6の各セットは、遠位結合器338内に画定される組付け管腔340-1、340-2、340-3を通じて延在し得る。腕部322-1、322-2、・・・、322-6は、遠位端部で結合されるものとして示されるが、いくつかの実施形態では、腕部322-1、322-2、・・・、322-6は、結合されず、遠位結合器338を含まない場合がある。本明細書で更に示され説明されるように、腕部322-1、322-2、・・・、322-6は、電極326を含む下部構造(例えば、外側枠342-1)の部分にわたり配設される双管腔管(例えば、
図3K)を含み得る。いくつかの実施形態では、単管腔管344、346は、電極が上に配設されない腕部322-1、322-2、・・・、322-6のそれぞれを形成する下部構造の部分を覆い得る。
【0170】
いくつかの実施形態では、図示されていないが、矢印348-1、348-2で示されるように、腕部322-1、322-2、・・・、322-6の遠位部分に沿って更なる電極を配設し得る。例えば、
図5Aは、腕部322-1、322-2、・・・、322-6の線形部分に沿って互いに線形に位置合わせされた電極326を示すが、本開示の実施形態は、矢印348-1、348-2によって示される腕部322-1、322-2、・・・、322-6の領域に沿って配設された更なる電極から利益を得ることができる。
【0171】
図5Bは、本開示の実施形態による、6つの長手方向延在腕部322-1、322-2、・・・、322-6を含む、
図5Aに示される高密度電極カテーテル320の遠位に向けた等角図である。図示のように、近位結合器327は、
図3Mに関して更に示され説明するように、組付け部分370を含み得る。いくつかの実施形態では、近位結合器327は、
図3Fに示すマニホルド部分162に関して説明されるものと同じ又は同様の特徴を含むマニホルド部分372を含み得る。
【0172】
図5B及び
図5Cに更に示されるように、いくつかの実施形態では、可撓性回路374は、腕部322-1、322-2、・・・、322-6の1つ又は複数の部分及び/又は腕部322-1、322-2、・・・、322-6の1つの下部構造上に配設し得る。いくつかの実施形態では、いくつかの電極は、腕部322-1、322-2、・・・、322-6の1つ又は複数上に配設される可撓性回路374上に配設し得る。
図5Cに示すように、リング電極は、腕部322-1、322-2、・・・、322-6のそれぞれの周囲に配設される。代替的に及び/又は更に、いくつかの実施形態では、可撓性回路は、腕部322-1、322-2、・・・、322-6の1つ又は複数に沿って配設し、電極は、可撓性回路上に形成し得る。いくつかの実施形態では、このことにより、腕部322-1、322-2、・・・、322-6のそれぞれを通って延在するワイヤの数を低減及び/又はなくし、より小さな直径の腕部322-1、322-2、・・・、322-6の使用を可能にし得る。
【0173】
いくつかの実施形態では、可撓性回路374は、腕部322-1、322-2、・・・、322-6の1つ又は複数の近位端部から延在し得る。例えば、
図5B及び
図5Cにおいて、可撓性回路374は、第2の外側腕部322-6の近位端部から第2の外側腕部322-6の遠位端部に向かって延在するように示される。参照のために、可撓性回路374は、電極326にわたり配設されるように示されるが、使用時、可撓性回路374は、電極326に取って代わり、電極を可撓性回路374上に配設し得る。
【0174】
図示されていないが、いくつかの実施形態では、1つ又は複数の電気トレースを可撓性回路374内に形成し、可撓性回路374上に配設された1つ又は複数の電極を、コンピュータ・システム20及び/又はコンピュータ・システム64と電気的に結合し得る。いくつかの実施形態では、可撓性回路374上に配設される電極の場所は、電極326の場所に一致し得る。
【0175】
いくつかの実施形態では、可撓性回路374は、第2の外側腕部322-6の外面に沿って延在し、移行点375で、第2の外側腕部322-6の上面及び第2の外側腕部322-6の底面に沿った延在部に移行し得る。いくつかの実施形態では、可撓性回路374が、第2の外側腕部322-6の外面から第2の外側腕部322-6の上面及び第2の外側腕部322-6の底面に移行することによって、線形可撓性回路を使用し得る。例えば、いくつかの実施形態では、可撓性回路は、第2の外側腕部322-6の上面及び/又は底面に沿って完全に配設し得る。しかし、第2の外側腕部322-6の近位部分内の湾曲部のために、第2の外側腕部322-6の上面/底面上に配設される可撓性回路は、第2の外側腕部322-6の近位湾曲部分に一致する湾曲部と共に構成する必要があり得る。したがって、本開示の実施形態は、第2の外側腕部322-6の上及び底に沿って第2の外側腕部322-6の湾曲部分上に配設し得る、線形状(例えば、軸方向に延在する)可撓性回路374を提供し得る。
【0176】
図5Dに示すように、可撓性回路374は、移行点375で上可撓性回路377-1及び底可撓性回路377-2に分岐し得る。いくつかの実施形態では、上可撓性回路377-1及び底可撓性回路377-2は、単一可撓性回路374から分岐し得る。しかし、いくつかの実施形態では、上可撓性回路377-1及び底可撓性回路377-2は、個別の可撓性回路から形成し得る。例えば、2つの個別の可撓性回路は、第2の外側腕部322-6に沿って、第2の外側腕部322-6の近位端部から、第2の外側腕部322-6の遠位端部に向かって遠位に延在し得る。したがって、上可撓性回路377-1は、底可撓性回路377-2とは個別の可撓性回路から形成し得る。いくつかの実施形態では、移行点375に対して近位の可撓性回路の部分は、互いに重なり得る。上記の説明は、第2の外側腕部322-6に対して行われるが、電極カテーテル320’の他の腕部322-1、322-2、・・・、322-5は、第2の外側腕部322-6に関して説明したように、可撓性回路及びそれぞれの移行点を含み得る。
【0177】
いくつかの実施形態では、可撓性回路374は、第2の外側腕部322-6の外面に沿って延在し、移行点375で、第2の外側腕部322-6の上面又は第2の外側腕部322-6の底面のいずれかに沿った延在部に移行し得る。例えば、いくつかの実施形態では、可撓性回路374は、第2の外側腕部322-6の上又は底の1つに沿って延在し得る。上記の説明は、第2の外側腕部322-6に対して行われるが、電極カテーテル320’の他の腕部322-1、322-2、・・・、322-5は、第2の外側腕部322-6に関して説明したように、可撓性回路及びそれぞれの移行点を含み得る。
【0178】
図5B、
図5C及び
図5Dに関して説明したが、可撓性回路は、本明細書で説明する他の実施形態上に配設し得る。例えば、少なくとも
図3Aから
図4及び
図6Aから
図11に関して説明される本開示の実施形態は、可撓性先端部分上に配設される1つ又は複数の可撓性回路を含み得る。
【0179】
図5Cは、本開示の実施形態による、
図5Aの高密度電極カテーテル320’を示し、近位結合器327の遠位端部及び枠組付け部分362-1、362-2、・・・、362-6を更に示す。いくつかの実施形態では、腕部322-1、322-2、・・・、322-6のそれぞれは、本明細書で説明する下部構造枠342-1、342-2、342-3を含み得る。例えば、
図5Cを参照すると、枠342-1、342-2、342-3の様々な部分が示される。更に示されるように、枠342-1、342-2、342-3の近位部分は、
図3Nから
図3Pに関して説明される枠組付け部分362-1、362-2、・・・、362-5(362-3、363-6は図から隠れている)を含み得る。枠組付け部分362-1、362-2、・・・、362-6は、
図3Mに関して更に説明される組付け部分176内に配設し得る。いくつかの実施形態では、
図3Aに示されるカテーテル120のために、6つの長手方向延在腕部を含む
図5Aに示されるカテーテル320で使用し得るものと、5つの長手方向延在腕部を含む同じ組付け部分176を使用し得る。
【0180】
いくつかの実施形態では、第2の内側腕部322-4に関連する枠組付け部分362-4は、
図3Oに示される枠組付け部分206-5と同じ特徴を含み、組付け管腔(例えば、
図3Mに示される組付け管腔269)に挿入し得る。いくつかの実施形態では、第1の内側腕部322-4に関連する枠組付け部分(図から隠れている)は、
図3Oに示される枠組付け部分206-5と同じ特徴を含み、組付け管腔(例えば、
図3Mに示される組付け管腔275)に挿入し得る。
【0181】
1つ又は複数の磁気位置センサは、
図5Aから
図5Dに示されるデバイス上に示されていないが、いくつかの実施形態では、1つ又は複数の磁気位置センサを上に配設し得る。例えば、いくつかの実施形態では、6個の長手方向延在腕部を有するデバイスは、上に配設される1つ又は複数の磁気位置センサを含み得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサは、第1の外側腕部322-1及び第2の外側腕部322-6の部分上に配設し得る。例えば、いくつかの実施形態では、磁気位置センサは、
図4に関して示し説明するものと同様の構造で、第1の外側腕部322-1及び第2の外側腕部322-6の遠位部分上に配設し得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の磁気位置センサは、
図4に関して示し説明するものと同様の構成で、第1の中間腕部322-2及び第2の中間腕部322-5の遠位部分の1つ又は複数上に配設し得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の磁気位置センサは、
図4に関して示し説明するものと同様の構成で、第1の内側腕部322-3及び第2の内側腕部322-4の遠位部分の1つ又は複数上に配設し得る。
【0182】
図6Aは、本開示の実施形態による、高密度電極カテーテルの可撓性先端部380の下部構造378の等角図である。図示のように、可撓性先端部380は、第1の外側枠382-1と、第2の外側枠382-7と、第1の中間枠382-2と、第2の中間枠382-6と、第1の内側枠382-3と、第2の内側枠382-5と、中心枠382-4とを含み得る。可撓性先端部380は、更なる第1の中間枠382-2及び第2の中間枠382-6を除き、
図3Aの高密度電極カテーテル120に対して説明したものと同様又は同じ特徴を含み得る。
図6Bに関して更に示し説明するように、7個の枠382-1、382-2、・・・、382-7の全てを中に配設し得る近位組付け部分394を使用し得る。
【0183】
更に図示されるように、中心枠382-4は、本明細書で既に説明した非線形伸長特徴部384を含み得る。非線形伸長特徴部384は、本明細書で説明する可撓性先端部380が保管(例えば、折畳み)構成であることに応じて、中心枠382-4を伸長させることを可能にする。いくつかの実施形態では、中心腕部382-4の遠位端部は、鍵付きスロット388、及び中心枠382-4の対応する鍵付き遠位端部(図から隠れている)を介して磁気位置センサ台386と接続し得る。
【0184】
いくつかの実施形態では、磁気位置センサ(図示せず)は、磁気位置センサ台386内に画定される長手方向に延在するスロット390内に配設し、可撓性先端部380の遠位端部の位置及び向きの決定を可能にし得る。いくつかの実施形態では、本明細書で既に説明したように、導電性ジャケットは、電極としても働き得る磁気位置センサ台386にわたり配設し得る。更に図示されるように、いくつかの実施形態では、磁気位置センサ台386は、枠382-1、382-2、・・・、382-7のそれぞれの遠位端部を結合し得る遠位結合器392に結合し得る。本明細書で説明するように、いくつかの実施形態では、結合器を使用しなくてよく、枠382-1、382-2、・・・、382-7は、互いに対して自由に配設し得る。
【0185】
いくつかの実施形態では、近位組付け部分394は、枠382-1、382-2、・・・、382-7のそれぞれの近位組付け部分(図示せず)のための挿入管腔(例えば、挿入管腔396)を画定し得る。いくつかの実施形態では、ワイヤ管腔(例えば、ワイヤ管腔398)は、各挿入管腔396に隣接して画定し、1つ又は複数の電気センサ(例えば、電極)又は下部構造378上に配設される他のデバイスに関連するワイヤをワイヤ管腔を通じて通すことを可能にし得る。
【0186】
図6Bは、本開示の実施形態による、
図6Aに示される組付け部分部分394の近位端面図である。いくつかの実施形態では、近位組付け部分394は、カテーテル・シャフト(図示せず)の遠位端部上に配設し得る。いくつかの実施形態では、いくつかの挿入管腔396は、近位組付け部分394の遠位面内に画定される。簡単にするため、挿入管腔の説明は、挿入管腔396に限定する。5つの腕部を有する可撓性先端部分に関して
図3N及び
図3Pに対して説明したように、枠のそれぞれの近位組付け部分は、挿入管腔396のそれぞれに挿入し得る。例えば、第1の中間枠382-3の近位組付け部分は、
図3Nから
図3Pに関して説明した中心組付け部分206-5に対して説明したものと同様又は同じであるばねクリップ特徴を含み得る。したがって、第1の中間枠382-3の近位組付け部分394は、挿入管腔396を通じて近位に押圧され、第1の中間枠382-3の近位組付け部分を、近位組付け部分394に対して適切な位置に係止することを可能にし得る。
図6Bに対して説明したように、近位組付け部分394は、枠382-1、382-2、・・・、382-7のそれぞれ及び関連する配線を収容するように、7個の挿入管腔と、7個のワイヤ管腔398とを含み得る。
【0187】
図7は、本開示の実施形態による、特定の電極構成を有する高密度電極カテーテルの遠位可撓性先端部分400を示す。図示のように、遠位可撓性先端部分400は、全てが遠位結合器403によって結合される第1の外側腕部402-1と、第1の内側腕部402-2と、中心腕部402-3と、第2の内側腕部402-4と、第2の外側腕部402-5とを含み得る。図示のように、いくつかの電極404-1、404-2、・・・、404-19は、腕部402-1、402-2、・・・、402-5のそれぞれの上に配設し得る。図示のように、点線406によって示される電極404-1、404-5、404-12、404-19の各横列の間の間隔は、各電極404-1、404-5、404-12、404-19の間に等しい間隔を有し得る。
【0188】
いくつかの実施形態では、電極の各横列のそれぞれの電極404の間の間隔は、3から5ミリメートルまでの範囲とし得る。いくつかの実施形態では、電極404の各横列のそれぞれの電極404の間の間隔は、4ミリメートルとし得る。図示のように、中心腕部404-3上に配設される電極404-9、404-10、404-11は、第1の外側腕部404-1及び第2の外側腕部404-5並びに第1の内側腕部404-2及び第2の内側腕部404-4上に配設される電極に対して長手方向に互い違いとし得る。いくつかの実施形態では、中心腕部404-3上に配設される電極404-9、404-10、404-11は、第1の外側腕部404-1及び第2の外側腕部404-5並びに第1の内側腕部404-2及び第2の内側腕部404-4上に配設される電極に対して、1から3ミリメートルまでの範囲の長さだけ長手方向に互い違いとし得る。いくつかの実施形態では、互い違いの長さは、2ミリメートルとし得る。
【0189】
いくつかの実施形態では、中心腕部404-3上に配設される電極並びに第1の内側腕部404-2及び第2の内側腕部404-4上に配設される電極は、点で描かれた筐体408によって表される、間隔が低減するパターンを形成し得る。いくつかの実施形態では、点で描かれた筐体408が交差する各電極404-6、404-10、404-11、404-13の間の間隔の長さは、1.5から3.5ミリメートルまでの範囲の長さを含み得る。いくつかの実施形態では、間隔長さは、2.8ミリメートルとし得る。特定の範囲を本明細書で提供するが、範囲は、概算であり、電極の間の間隔は、提供される範囲より小さくても、大きくてもよい。
【0190】
図7に更に示されるように、更なる電極410は、中心腕部404-3の遠位端部に配設し得る。本明細書で既に説明したように、更なる電極410は、診断、マッピング及び/又は治療目的で使用し得る。いくつかの実施形態では、本明細書で更に説明されるように、磁気位置センサは、遠位可撓性先端部分400に対してマッピング機能をもたらすように、更なる電極410内に配設し得る。
【0191】
図8Aから
図8Eは、本開示の実施形態による、高密度電極カテーテルの遠位可撓性先端部分上に配設される電極のための様々な電極間隔構成を示す。
図8Aから
図8Eに関し、線「a」及び線「b」(例えば、a×b)によって示される全体寸法は、同じとし得る。しかし、電極間隔の密度及び構成は、変更し得る。
図8Aから
図8Eに対して特定の範囲を本明細書で提供するが、範囲は、概算であり、電極の間の間隔は、提供される範囲より小さくても、大きくてもよい。いくつかの実施形態では、特定の数の電極が
図8Aから
図8Eに対して示されるが、本明細書に示す実施形態は、図示の電極より多い又は少ない電極を含み得る。
【0192】
図8Aに示すように、複数の電極424-1、424-2、424-3は、第1の外側腕部422-1、第1の内側腕部422-2、第2の内側腕部422-3及び第2の外側腕部422-4を含め、複数の腕部422-1、422-2、422-3、422-4から形成される可撓性枠組420上に配設される。参照しやすいように、電極424-1、424-2、424-3のみを本明細書で参照するが、電極424-1、424-2、424-3に対して説明される原理は、
図8Aに示される他の電極にも適用される。
図8Aに示されるように、16個の電極は、可撓性枠組上に配設し得る。
【0193】
いくつかの実施形態では、水平に離間する電極のそれぞれの間の間隔は、等しくし得る。本明細書で使用する用語「水平に離間する」及び「水平な間隔」は、用語「横に離間する」及び「横の間隔」のそれぞれと互換的に使用し得る。例えば、電極424-1と424-3との間の間隔は、可撓性枠組420上に配設される他の水平に離間する電極に等しくてよい。いくつかの実施形態では、水平に離間する電極のそれぞれの間の間隔(例えば、電極424-1、424-3)は、2から5ミリメートルまでの範囲とし得る。いくつかの実施形態では、水平に離間する電極のそれぞれの間の間隔(例えば、電極424-1、424-3)は、4ミリメートルとし得る。
【0194】
いくつかの実施形態では、垂直に離間する電極のそれぞれの間の間隔は、等しくし得る。本明細書で使用する用語「垂直に離間する」及び「垂直の間隔」は、用語「長手方向に離間する」及び「長手方向の間隔」のそれぞれと互換的に使用し得る。例えば、電極424-1と424-2との間の間隔は、可撓性枠組420上に配設される他の垂直に離間する電極と等しくてよい。いくつかの実施形態では、垂直に離間する電極(例えば、電極424-1、424-2)のそれぞれの間の間隔は、2から5ミリメートルまでの範囲とし得る。いくつかの実施形態では、垂直に離間する電極のそれぞれの間の間隔(例えば、電極424-1、424-2)は、4ミリメートルとし得る。
【0195】
図8Bに示されるように、複数の電極430-1、430-2、・・・、430-11は、第1の外側腕部428-1、第1の内側腕部428-2,中心腕部428-3、第2の内側腕部428-4及び第2の外側腕部428-5を含め、複数の腕部428-1、428-2、・・・、428-5から形成される可撓性枠組426上に配設される。いくつかの実施形態では、より大きな密度の電極を第1の内側腕部428-2、中心腕部432及び第2の内側腕部428-4上に配設し得る。参照しやすいように、電極424-1、424-2、・・・、424-9のみを本明細書で参照するが、電極424-1、424-2、・・・、424-9に対して説明される原理は、
図8Bに示される他の電極にも適用される。
図8Bに示されるように、29個の電極は、可撓性枠組上に配設し得る。
【0196】
いくつかの実施形態では、第1の外側腕部428-1、第1の内側腕部428-2、第2の内側腕部428-4及び第2の外側腕部428-5上に配設される水平に離間する電極のそれぞれの間の間隔は、等しくし得る(例えば、電極430-1、430-2、430-4、430-5)。いくつかの実施形態では、水平に離間する電極のそれぞれの間の間隔(例えば、424-1、424-3)は、2から5ミリメートルまでの範囲とし得る。いくつかの実施形態では、水平に離間する電極のそれぞれの間の間隔(例えば、424-1、424-3)は、4ミリメートルとし得る。
【0197】
いくつかの実施形態では、第1の外側腕部428-1及び第2の外側腕部428-5上の垂直に離間する電極のそれぞれの間の間隔は、等しくし得る(例えば、電極430-1、430-8)。いくつかの実施形態では、より高い密度の電極は、第1の内側腕部428-2及び第2の内側腕部428-4並びに中心腕部428-3上に配設されるが、第1の外側腕部428-1及び第2の外側腕部428-5上の垂直に離間する電極(例えば、電極430-1、430-8)のそれぞれの間の間隔は、第1の内側腕部428-2,中心腕部428-3及び第2の内側腕部428-4上に配設される特定の電極の間(例えば、電極430-2、430-9)に維持し得る。例えば、第2の内側腕部428-4上に配設される電極430-2、430-9の間の間隔は、第2の外側腕部428-5上に配設される電極430-1、430-8の間の間隔に等しくし得る。いくつかの実施形態では、垂直に離間する電極(例えば、430-1、430-8)のそれぞれの間の間隔は、2から5ミリメートルまでの範囲とし得る。いくつかの実施形態では、垂直に離間する電極のそれぞれの間の間隔(例えば、424-1、424-8)は、4ミリメートルとし得る。
【0198】
いくつかの実施形態では、第1の内側腕部428-2及び第2の内側腕部428-4並びに中心腕部428-3上に配設される電極(例えば、電極430-2、430-3、430-6、430-7)の間の間隔は、第1の外側腕部428-1及び第2の外側腕部428-5上に配設される電極(例えば、電極430-1、430-8)の間により小さな間隔を含むことができ、第1の内側腕部428-2、中心腕部428-3及び第2の内側腕部428-4上に配設される電極に対してより大きな密度をもたらし得る。いくつかの実施形態では、第1の内側腕部428-2、中心腕部428-3及び第2の内側腕部428-4上に配設されるより大きな密度の電極は、可撓性枠組426により大きな粒度の検知を提供し得る。電極が焼灼のために使用されるいくつかの実施形態では、第1の内側腕部428-2,中心腕部428-3及び第2の内側腕部428-4上に配設されるより大きな密度の電極は、より稠密な焼灼パターンをもたらし得る。
【0199】
いくつかの実施形態では、第1の内側腕部428-2、中心腕部428-3、及び第2の内側腕部428-4上に配設される垂直に離間する電極(例えば、電極430-2、430-6及び電極430-3、430-7)のそれぞれの間の間隔は、1から3ミリメートルまでの範囲とし得る。いくつかの実施形態では、垂直に離間する電極(例えば、電極430-2、430-6及び電極430-3、430-7)のそれぞれの間の間隔は、2ミリメートルとし得る。いくつかの実施形態では、第1の内側腕部428-2、中心腕部428-3、及び第2の内側腕部428-4上に配設される、水平に離間する電極(例えば、電極430-3、430-2及び電極430-7、430-6)のそれぞれの間の間隔は、1から3ミリメートルまでの範囲とし得る。いくつかの実施形態では、水平に離間する電極のそれぞれの間の間隔(例えば、電極430-3、430-2及び電極430-7、430-6)は、2ミリメートルとし得る。
【0200】
いくつかの実施形態では、第1の複数の電極は、第1の外側腕部428-1及び第2の外側腕部428-5、第1の内側腕部428-2及び第2の内側腕部428-4上に配設され、中心腕部432(例えば、電極430-1、430-2、430-4、430-5、430-8、430-9、430-10、430-11)は、これらの間に等しい間隔を有し得る。一例では、電極430-1、430-2、430-4、430-5、430-8、430-9、430-10、430-11のそれぞれの間の間隔は、第1の寸法(例えば、2ミリメートル)とし得る。いくつかの実施形態では、第2の複数の電極は、第1の内側腕部428-2及び第2の内側腕部428-4及び中心腕部432(例えば、電極430-2、430-3、430-6、430-7)上に配設され、等しい間隔を間に有し得る。一例では、電極430-2、430-3、430-6、430-7のそれぞれの間の間隔は、第2の寸法(例えば、1ミリメートル)とし得る。いくつかの実施形態では、第2の寸法は、第1の寸法より小さいため、第1の内側腕部428-2及び第2の内側腕部428-4並びに中心腕部432上に配設された電極により大きな密度をもたらし得る。
【0201】
更に図示されるように、可撓性枠組426は、中心腕部428-3の遠位部分上に配設される磁気位置センサ432を含み得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ432の位置を決定し、したがって可撓性枠組426の遠位部分の位置を決定し得る。磁気位置センサ432は、5自由度及び/又は6自由度のセンサとし得る。磁気位置センサ432は、中心腕部428-3上に配設されるものとして示されるが、磁気位置センサ432は、可撓性枠組の他の部分上に配設し得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ432は、単一磁気位置センサに限定されず、2個以上の磁気位置センサを含み得る。いくつかの実施形態では、本明細書で既に説明したように、磁気位置センサ432は、更なる電極としても働き得る磁気位置センサ台内に配設し得る。したがって、いくつかの実施形態では、可撓性枠組426は、30個の電極を含み得る。
【0202】
図8Cに示すように、複数の電極442-1、442-2、442-3は、第1の外側腕部440-1、第1の内側腕部440-2、中心腕部440-3、第2の内側腕部440-4及び第2の外側腕部440-5を含め、複数の腕部440-1、440-2、・・・、440-5から形成される可撓性枠組438上に配設される。いくつかの実施形態では、複数の腕部440-1、440-2、・・・、440-5は、等しい密度の電極442-1、442-2、442-3を含み得る。参照しやすいように、電極442-1、442-2、442-3のみを参照するが、電極440-1、440-2、440-3に対して説明される原理は、
図8Cに示される他の電極にも適用される。
図8Cに示されるように、25個の電極は、可撓性枠組上に配設し得る。
【0203】
いくつかの実施形態では、水平に離間する電極のそれぞれの間の間隔は、等しくし得る。例えば、電極442-1と442-3との間の間隔は、可撓性枠組438上に配設される他の水平に離間する電極と等しくし得る。いくつかの実施形態では、水平に離間する電極のそれぞれの間の間隔(例えば、電極442-1、442-3)は、2から4ミリメートルまでの範囲とし得る。いくつかの実施形態では、水平に離間する電極のそれぞれの間の間隔(例えば、電極442-1、442-3)は、3ミリメートルとし得る。いくつかの実施形態では、垂直に離間する電極のそれぞれの間の間隔は、等しくし得る。例えば、電極442-1と442-2との間の間隔は、可撓性枠組438上に配設される他の垂直に離間する電極と等しくし得る。いくつかの実施形態では、垂直に離間する電極(例えば、電極442-1、442-2)のそれぞれの間の間隔は、2から4ミリメートルまでの範囲とし得る。いくつかの実施形態では、垂直に離間する電極のそれぞれの間の間隔(例えば、電極442-1、442-2)は、3ミリメートルとし得る。
【0204】
更に図示されるように、可撓性枠組438は、中心腕部440-3の遠位部分上に配設される磁気位置センサ444を含み得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ444は、可撓性枠組の遠位部分の位置及び向きの決定の際に使用し得る。磁気位置センサ444は、5自由度及び/又は6自由度のセンサとし得る。いくつかの実施形態では、本明細書で既に説明したように、磁気位置センサ444は、更なる電極としても働き得る磁気位置センサ台内に配設し得る。したがって、いくつかの実施形態では、可撓性枠組438は、30個の電極を含み得る。
【0205】
図8Dに示されるように、複数の電極454-1、454-2、454-3は、第1の外側腕部452-1、第1の中間腕部452-2、第1の内側腕部452-3、第2の内側腕部452-4、第2の中間腕部452-5及び第2の外側腕部452-6を含め、複数の腕部452-1、452-2、・・・、452-6から形成される可撓性枠組450上に配設される。参照しやすいように、電極454-1、454-2、454-3のみを参照するが、電極454-1、454-2、454-3に対して説明される原理は、
図8Dに示される他の電極にも適用される。
図8Dに示されるように、36個の電極を可撓性枠組450上に配設し得る。
【0206】
いくつかの実施形態では、水平に離間する電極のそれぞれの間の間隔は、等しくし得る。例えば、電極454-1と454-3との間の間隔は、可撓性枠組450上に配設される他の水平に離間する電極と等しくし得る。いくつかの実施形態では、水平に離間する電極のそれぞれの間の間隔(例えば、電極454-1、454-3)は、1.4から3.4ミリメートルまでの範囲とし得る。いくつかの実施形態では、水平に離間する電極のそれぞれの間の間隔(例えば、電極454-1、454-3)は、2.4ミリメートルとし得る。
【0207】
いくつかの実施形態では、垂直に離間する電極のそれぞれの間の間隔は、等しくし得る。例えば、電極454-1と454-2との間の間隔は、可撓性枠組450上に配設される他の垂直に離間する電極と等しくし得る。いくつかの実施形態では、垂直に離間する電極(例えば、電極454-1、454-2)のそれぞれの間の間隔は、1.4から3.4ミリメートルまでの範囲とし得る。いくつかの実施形態では、垂直に離間する電極のそれぞれの間の間隔(例えば、電極454-1、454-2)は、2.4ミリメートルとし得る。
【0208】
図8Eに示されるように、複数の電極462-1、462-2、462-3は、第1の外側腕部462-1、第1の中間腕部462-3、第1の内側腕部463-3、中心腕部462-4、第2の内側腕部462-5、第2の中間腕部462-6、及び第2の外側腕部462-7を含め、複数の腕部462-1、462-2、・・・、462-7から形成される可撓性枠組460上に配設される。参照しやすいように、電極462-1、462-2、462-3のみを参照するが、電極462-1、462-2、462-3に対して説明される原理は、
図8Eに示される他の電極にも適用される。
図8Eに示されるように、49個の電極を可撓性枠組460上に配設し得る。
【0209】
いくつかの実施形態では、水平に離間する電極のそれぞれの間の間隔は、等しくし得る。例えば、電極464-1と464-3との間の間隔は、可撓性枠組460上に配設される他の水平に離間する電極と等しくし得る。いくつかの実施形態では、水平に離間する電極のそれぞれの間の間隔(例えば、電極464-1、464-3)は、1から3ミリメートルまでの範囲とし得る。いくつかの実施形態では、水平に離間する電極のそれぞれの間の間隔(例えば、電極464-1、464-3)は、2ミリメートルとし得る。いくつかの実施形態では、垂直に離間する電極のそれぞれの間の間隔は、等しくし得る。例えば、電極464-1と464-2との間の間隔は、可撓性枠組460上に配設される他の垂直に離間する電極と等しくし得る。いくつかの実施形態では、垂直に離間する電極(例えば、電極464-1、464-2)のそれぞれの間の間隔は、0.5から3ミリメートルまでの範囲とし得る。いくつかの実施形態では、垂直に離間する電極のそれぞれの間の間隔(例えば、電極464-1、464-2)は、2ミリメートルとし得る。
【0210】
更に図示されるように、可撓性枠組460は、中心腕部462-4の遠位部分上に配設される磁気位置センサ466を含み得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ466は、可撓性枠組の遠位部分の位置及び向きの決定の際に使用し得る。磁気位置センサ466は、5自由度及び/又は6自由度のセンサとし得る。いくつかの実施形態では、本明細書で既に説明したように、磁気位置センサ466は、更なる電極としても働き得る磁気位置センサ台内に配設し得る。したがって、いくつかの実施形態では、可撓性枠組438は、50個の電極を含み得る。
【0211】
図9は、本開示の実施形態による、磁気位置センサ台486と遠位結合器482とを含む遠位先端組立体480の等角背面図である。図示のように、遠位結合器482は、本明細書で説明するように、遠位結合器482を通って延在する1つ又は複数の横断管腔484-1、484-2を画定し得る。可撓性枠組に関連する1つ又は複数の腕部(図示せず)は、1つ又は複数の横断管腔484-1、484-2を通じて配設し得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ台486は、遠位結合器482から近位に延在し得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ台486は、磁気位置センサ台486の外面490内に画定される第1のセンサ溝488-1と第2のセンサ溝488-2(
図9)とを含み得る。いくつかの実施形態では、第1のセンサ溝488-1及び第2のセンサ溝488-2は、互いに対して及び/又は高密度電極カテーテル486の長手方向軸に対して角度を付けることができる。いくつかの実施形態では、第1のセンサ溝488-1及び第2のセンサ溝488-2、並びに
図10に更に示され、第1のセンサ溝488-1及び第2のセンサ溝488-2内に配設される磁気位置センサは、参照により、完全に本明細書に記載されるように本明細書に組み込まれる米国特許出願第15/585,859号に関して説明される特徴を含み得る。
【0212】
例えば、いくつかの実施形態では、磁気位置センサは、第1のセンサ溝488-1及び第2のセンサ溝488-2内に配設する際、互いに対して傾けることができる。このことにより、磁気位置センサ台486及び関連する遠位結合器482のロールの決定、したがって遠位結合器482及び/又は磁気位置センサ台486に結合される可撓性枠組のロールの決定を可能にする。
【0213】
磁気位置センサ台486は、遠位結合器482に接続されるように示されるが、磁気位置センサ台486は、本明細書で説明する高密度電極カテーテルの可撓性枠組の他の部分に沿って配設し得る。例えば、磁気位置センサ台486及び関連する磁気位置センサは、本明細書で説明する中心腕部、内側腕部、中間腕部及び/又は外側腕部に沿って配設し得る。
【0214】
本明細書で更に説明されるように、いくつかの実施形態では、磁気位置センサ台486は、電極を形成し得る。いくつかの実施形態では、図示しない導電性材料は、電極を形成し得る磁気位置センサ台486を囲繞し得る。例えば、
図3Aに関して示し説明するもの等の少なくとも中心電極130は、磁気位置センサ台486にわたり配設し得る。
【0215】
図10は、本開示の実施形態による、磁気位置センサ台506と遠位結合器502とを含む遠位先端組立体500の側面図である。図示のように、遠位結合器502は、本明細書で説明するように、遠位結合器502を通って延在する1つ又は複数の横断管腔504-1、504-2を画定し得る。可撓性枠組に関連する1つ又は複数の腕部(図示せず)は、1つ又は複数の横断管腔504-1、504-2を通じて配設し得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ台506は、遠位結合器502から近位に延在し得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ506は、磁気位置センサ台506の外面510内に画定される第1のセンサ溝508-1と第2のセンサ溝508-2(
図9)とを含み得る。いくつかの実施形態では、第1のセンサ溝508-1及び第2のセンサ溝508-2は、互いに対して及び/又は磁気位置センサ台506の長手方向軸に対して角度を付けることができる。いくつかの実施形態では、第1のセンサ溝508-1及び第2のセンサ溝508-2、第1のセンサ溝508-1及び第2のセンサ溝(センサ溝508-2は図から隠れている)内に配設される磁気位置センサ512-1(磁気位置センサ512-2は図から隠れている)は、参照により、完全に本明細書に記載されるように本明細書に組み込まれる米国特許出願第15/585,859号に関して説明される特徴を含み得る。
【0216】
例えば、いくつかの実施形態では、磁気位置センサ512-1、512-2は、第1のセンサ溝508-1及び第2のセンサ溝508-2内に配設する際、互いに対して傾けることができる。このことにより、磁気位置センサ台506及び関連する遠位結合器502のロールの決定、したがって、遠位結合器502及び/又は磁気位置センサ台506に結合される可撓性枠組のロールの決定を可能にする。
【0217】
磁気位置センサ台506は、遠位結合器502に接続されるように示されるが、磁気位置センサ台506は、本明細書で説明する高密度電極カテーテルの可撓性枠組の他の部分に沿って配設し得る。例えば、磁気位置センサ台506及び関連する磁気位置センサは、本明細書で説明する中心腕部,内側腕部,中間腕部及び/又は外側腕部に沿って配設し得る。
【0218】
図10に示されるように、第1のツイスト・ペア・ワイヤ514-1及び第2のツイスト・ペア・ワイヤ514-2は、磁気位置センサ512-1、512-2を、
図1A及び
図1Bに示すコンピュータ・システム20、64の1つ又は複数に電気的に結合し得る。
図10に更に示されるように、電極ワイヤ518は、磁気位置センサ台506の近位端部から延在するものとして示され、磁気位置センサ台506の近位端部は、磁気位置センサ台及びコンピュータ・システム20、64の1つ又は複数の上に配設される電極と電気的に結合し得る。同様に磁気位置センサ台の近位端部から延在するものとして示されるのは、本明細書で説明する可撓性枠組の中心枠516である。いくつかの実施形態では、中心枠516は、例えば、
図3J及び
図3Sに対して本明細書で説明する磁気位置センサ台506の近位端部に結合し得る。
【0219】
図11は、本開示の実施形態による、電極534-1、534-2、・・・、534-25が互い違いである高密度電極カテーテル530の上面図である。図示のように、高密度電極カテーテル530は、第1の外側腕部532-1、第1の内側腕部532-2、中心腕部532-3、第2の内側腕部532-4及び第2の外側腕部532-5から形成される可撓性枠組を含み得る。いくつかの実施形態では、腕部532-1、532-2、・・・532-5の近位端部は、図示しないカテーテル・シャフトの遠位端部上に組み付け得る、本明細書で説明する近位結合器536内に配設し得る。腕部532-1、532-2、・・・、532-5の遠位端部は、遠位結合器538と共に組み付け得る。しかし、いくつかの実施形態では、腕部532-1、532-2、・・・、532-5は、互いに結合しなくてよい。
【0220】
図示のように、中心腕部532-3は、本明細書で説明する伸長特徴部540を含み得る。いくつかの実施形態では、中心腕部532-3は、中心腕部532-3の遠位端部に配設される電極542を含み得る。いくつかの実施形態では、電極542の核は、可撓性枠組531の位置及び/又は向きの決定に使用し得る磁気位置センサ(図示せず)を含み得る。
【0221】
いくつかの実施形態では、図示のように、腕部532-1、532-2、・・・、532-5のそれぞれは、その上に配設される電極534-1、534-2、・・・、534-25を含み得る。図示のように、腕部532-1、532-2、・・・、532-5のそれぞれの上の電極は、互い違いとし得る。例えば、第1の外側腕部532-1に対し、電極534-1、534-2、・・・、534-5は、第1の内側腕部532-2上に配設される電極534-6、534-7、・・・、534-10に対して互い違いとし得る。図示のように、各腕部上に配設される電極534は、それぞれ隣接する腕部上に配設される電極534に対して互い違いとし得る。
【0222】
いくつかの実施形態では、電極534の集団(例えば、群)は、第1の内側腕部532-2上に配設される電極534並びに第1の外側腕部532-1及び中心腕部532-3上に配設される電極534により形成し得る;電極534の集団は、中心腕部532-3上に配設される電極534並びに第1の内側腕部532-2及び第2の内側腕部532-4上に配設される電極534により形成し得る;並びに/又は電極534の集団は、第2の内側腕部532-4上に配設される電極534並びに中心腕部532-3及び第2の外側腕部532-5上に配設される電極534により形成し得る。例えば、第1の外側腕部532-1、第1の内側腕部532-2及び中心腕部532-3に対して、電極534-1、534-6、534-7、534-11の集団は、平行四辺形544によって示される。
【0223】
いくつかの実施形態では、腕部532-1、532-2、・・・、532-5のそれぞれの上に配置される、互い違いの電極534-1、534-2、・・・、534-25は、有利であり得る。というのは、これにより、電極534-1、534-2、・・・、534-25のそれぞれの間の間隔と、電極534-1、534-2、・・・、534-25の総数との間に妥協点をもたらすためである。一例では、集団の電極543-1、534-6、534-7、534-11における各電極の間の間隔は、同じとし得る。例えば、電極534-1と534-7との間の間隔は、電極534-1と534-6との間の間隔と同じであり、電極534-1と534-6との間の間隔は、電極534-6と534-7との間の間隔と同じとし得る。
図11に関連して示され、説明される実施形態は、電極534の間の間隔の低減を可能にする一方で、電極534-1、534-2、・・・、534-25が互い違いではない一実施形態と同じ数の電極を使用する。電極が互い違いではないが、可撓性先端部分の断面長手方向軸に沿って互いに位置合わせされるいくつかの実施形態では、
図11に対して示される電極等、互い違いのセットの電極の間に同じ間隔を得るため、より多数の電極及び/又はより多数の腕部を必要とする場合がある。
【0224】
図12Aは、本開示の実施形態による高密度電極カテーテルの可撓性先端部の下部構造548の上面図であり、下部構造548は、外側枠内に磁気位置センサ554-1、554-2を含む。図示のように、下部構造548は、第1の外側枠550-1と第2の外側枠550-2とを含み得る。いくつかの実施形態では、
図12Aは、高密度電極カテーテルの可撓性先端部に関連する下部構造全体の一部分を示す。例えば、
図12Aは、下部構造全体の外側下部構造部分を示し、外側下部構造部分は、本明細書で更に論じるように、中間枠及び/又は内側枠も含み得る。例えば、第1の外側枠550-1及び第2の外側枠550-2が属する下部構造は、合計2つの腕部から8つの腕部を有し得るが、いくつかの実施形態では、本開示の実施形態は、9個以上の腕部を含み得る。図示のように、第1の枠550-1及び第2の枠550-2は、枠組付け部分552-1、552-2を含み得る。
【0225】
いくつかの実施形態では、磁気位置センサ554-1、554-2は、
図12Aに示すように、第1の外側枠550-1、第2の外側枠550-2に沿って配設し得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ554-1、554-2は、第1の外側枠550-1及び第2の外側枠550-2のそれぞれ1つの上側、底側、内側及び/又は外側に沿って配設し得る。いくつかの実施形態では、第1の外側枠550-1及び第2の外側枠550-2は、第1の外側枠550-1及び第2の外側枠550-2に沿った磁気位置センサ554-1、554-2の組付けを可能にするように構成し得る組付け特徴部を含み得る。
【0226】
いくつかの実施形態では、図示のように、第1の外側枠550-1及び第2の外側枠550-2は、第1の外側枠550-1及び第2の外側枠550-2の長手方向に延在する部分に沿って画定されるスロット556-1、556-2を含み得る。図示のように、いくつかの実施形態では、スロット556-1、556-2は、第1の外側枠550-1及び第2の外側枠550-2に沿って長手方向に延在する中心組付け空間を画定する。図示のように、スロット556-1、556-2及び関連する磁気位置センサ554-1、554-2は、肩部分558-1、558-2の近位に位置するように示される。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ554-1、554-2は、第1の外側枠550-1及び第2の外側枠550-2の他の部分に沿って配設し得る。例えば、磁気位置センサ554-1、554-2は、
図12Aに示す場所から近位に、外側枠550-1、550-2に沿って位置し得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ554-1、554-2は、外側下部構造の近位先端部分560内に位置し得る。2つの磁気位置センサ554-1、554-2は、外側枠550-1、550-2に沿って配設されるように示されるが、2つより少ない又はより多い磁気位置センサ554-1、554-2を外側枠550-1、550-2に沿って配設し得る。
【0227】
説明されるいくつかの実施形態では、スロット556-1、556-2は、第1の外側枠550-1及び第2の外側枠550-2の部分内に画定し得る。第2のスロット556-2に関し、このスロットは、一対のスロット枠562-1、562-2がスロット556-2を画定するように、第2の外側枠550-2に沿って画定し得る。例えば、いくつかの実施形態では、第2の外側枠550-2は、スロット556-2を画定するように、第1のスロット枠562-1及び第2のスロット枠562-2を後に残した状態で切断し得る。いくつかの実施形態では、スロット556-2が画定される外側枠550-2の部分は、スロット556-2を画定するために材料を外側枠550-2から除去する際、各スロット枠562-1、562-2の組み合わせた横幅が、外側枠550-2の横幅に一致し得るように拡大し得る。図示のように、外側枠550-2の部分は、磁気位置センサ554-2を含む外側枠550-2の部分が、外側枠550-2の他の長手方向に延在する部分より広くなるように、張出し部564を含む。いくつかの実施形態では、スロット枠562-1、562-2の合計横幅は、外側枠550-2の他の長手方向に延在する部分、例えば、スロット枠562-1、562-2の近位に位置する外側枠550-2の長手方向に延在する部分の横幅より小さい又は大きくてよい。これに応じて、スロット556-2が外側枠550-2内に画定されるにもかかわらず、磁気位置センサを含む外側枠550-2の部分の可撓性は、磁気位置センサ554-2の近位に位置するもの等の外側枠550-2の他の長手方向に延在する部分の可撓性に一致するか又はほぼ一致し得る。上記の説明は第2の外側枠550-2に向けられているが、同じことは、他の枠にも当てはめ得る。
【0228】
図示のように、磁気位置センサ554-2は、スロット枠562-1と562-2との間に位置し得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサの上面及び底面は、外側枠550-2の上面及び底面と同一面とし得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ554-2の上面及び底面は、外側枠550-2の上面及び/又は底面の上に突出するか又はこれらの下に陥没し得る。
【0229】
いくつかの実施形態では、スロット556-1、556-2は、レーザー切断を介して画定し得る。例えば、いくつかの実施形態では、下部構造548は、スロット556-1、556-2を含めてレーザー切断によって画定し得る。いくつかの実施形態では、下部構造548は、スロット556-1、556-2を含めて成形を介して生成し得る。いくつかの実施形態では、下部構造548及びスロット556-1、556-2は、2つの異なる工程によって生成し得る。例えば、下部構造548は成形し、スロット556-1、556-2はレーザーによって画定し得る。いくつかの実施形態では、スロット556-1、556-2及び下部構造548はそれぞれ、同じ方法によって形成し得る。
【0230】
図12Bは、本開示の実施形態による、
図12Aに示す高密度電極カテーテルの可撓性先端の下部構造に対する近接図であり、外側枠550-2内の磁気位置センサ554-2を更に示す。いくつかの実施形態では、外側枠組550-2は、スロット枠562-1、562-2によって画定されるスロット556-2を画定し得る。図示のように、磁気位置センサ554-2は、スロット枠562-1と562-2との間に配設し得る。いくつかの実施形態では、通路は、外側枠550-2内に画定し得る。例えば、
図12Bに示すように、貫通スロットは、外側枠550-2内に画定されるが、いくつかの実施形態では、外側枠550-2内に画定される陥没領域を含み得る通路を画定し得る。例えば、外側枠550-2は、通路が外側枠550-2の表面内に画定され、したがって磁気位置センサのためのポケットをもたらすように凹ませることができる。したがって、磁気位置センサ554-2は、磁気位置センサ554-2が通路の底部に接触し、磁気位置センサ554-2の配置を支援するように通路内に設定し得る。
【0231】
図13Aは、本開示の実施形態による高密度電極カテーテルの可撓性先端部の下部構造570の上面図であり、下部構造570は、外側枠内に磁気位置センサ576-1、576-2を含む。図示のように、下部構造570は、第1の外側枠572-1と第2の外側枠572-2とを含み得る。いくつかの実施形態では、
図13Aは、高密度電極カテーテルの可撓性先端部に関連する下部構造全体の一部分を示す。例えば、
図13Aは、下部構造全体の外側下部構造部分を示し、外側下部構造部分は、本明細書で更に論じるように、中間枠及び/又は内側枠も含み得る。例えば、第1の外側枠572-1及び第2の外側枠572-2が属する下部構造は、合計2つの腕部から8つの腕部を有し得るが、いくつかの実施形態では、本開示の実施形態は、9個以上の腕部を含み得る。図示のように、第1の枠572-1及び第2の枠572-2は、枠組付け部分574-1、574-2を含み得る。
【0232】
いくつかの実施形態では、磁気位置センサ576-1、576-2は、
図13Aに示すように、第1の外側枠572-1、第2の外側枠572-2に沿って配設し得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ576-1、576-2は、第1の外側枠572-1及び第2の外側枠572-2のそれぞれ1つの上側、底側、内側及び/又は外側に沿って配設し得る。いくつかの実施形態では、第1の外側枠572-1及び第2の外側枠572-2は、第1の外側枠572-1及び第2の外側枠572-2に沿った磁気位置センサ576-1、576-2の組付けを可能にするように構成し得る組付け特徴部を含み得る。
【0233】
いくつかの実施形態では、図示のように、第1の外側枠572-1及び第2の外側枠572-2は、第1の外側枠572-1及び第2の外側枠572-2の長手方向に延在する部分に沿って画定される切欠き578-1、578-2を含み得る。図示のように、いくつかの実施形態では、切欠き578-1、578-2は、第1の外側枠572-1及び第2の外側枠572-2の内側に沿って長手方向に延在する組付け空間を画定する。図示のように、切欠き578-1、578-2及び関連する磁気位置センサ576-1、576-2は、肩部分580-1、580-2の近位に位置するように示される。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ576-1、576-2は、第1の外側枠572-1及び第2の外側枠572-2の他の部分に沿って配設し得る。例えば、磁気位置センサ576-1、576-2は、
図13Aに示す場所から近位に、外側枠572-1、572-2に沿って位置し得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ576-1、576-2は、外側下部構造の遠位先端部分582内に位置し得る。2つの磁気位置センサ576-1、576-2は、外側枠572-1、572-2に沿って配設されるように示されるが、2つより少ない又はより多い磁気位置センサ576-1、576-2を外側枠に沿って配設し得る。
【0234】
説明されるいくつかの実施形態では、切欠き578-1、578-2は、第1の外側枠572-1及び第2の外側枠572-2の部分内に画定し得る。第2の切欠き578-2に関し、この切欠きは、第2の外側枠572-2の内側縁部に沿って画定し得る。いくつかの実施形態では、図示されていないが、切欠き578-2は、第2の外側枠572-2の外側縁部に沿って画定し得る。
【0235】
いくつかの実施形態では、第2の外側枠572-2は、切欠き578-2が画定されるように切断し得る。いくつかの実施形態では、切欠き578-2が画定される外側枠572-2の部分は、切欠き578-2を画定するために材料を外側枠572-2から除去する際、切欠き枠584の横幅が、外側枠572-2の横幅に一致し得るように拡大し得る。図示のように、外側枠572-2の部分は、磁気位置センサ576-2を含む外側枠572-2の部分が、外側枠572-2の他の長手方向に延在する部分より広くなるように、張出し部586を含む。いくつかの実施形態では、切欠き枠584の合計横幅は、外側枠572-2の他の長手方向に延在する部分、例えば、切欠き枠584の近位に位置する外側枠572-2の長手方向に延在する部分の横幅より小さい又は大きくてよい。これに応じて、切欠き578-2が外側枠572-2内に画定されるにもかかわらず、磁気位置センサを含む外側枠572-2の部分の可撓性は、磁気位置センサ576-2の近位に位置するもの等の外側枠572-2の他の長手方向に延在する部分の可撓性に一致するか又はほぼ一致し得る。上記の説明は第2の外側枠572-2に向けられているが、同じことは、他の枠にも当てはめ得る。
【0236】
いくつかの実施形態では、磁気位置センサ576-2の上面及び底面は、外側枠572-2の上面及び底面と同一面とし得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ576-2の上面及び底面は、外側枠572-2の上面及び底面の上に突出するか又はこれらの下に陥没し得る。
【0237】
いくつかの実施形態では、切欠き578-1、578-2は、レーザー切断を介して画定し得る。例えば、いくつかの実施形態では、下部構造570は、切欠き578-1、578-2を含めてレーザー切断によって画定し得る。いくつかの実施形態では、下部構造570は、切欠き578-1、578-2を含めて成形を介して生成し得る。いくつかの実施形態では、下部構造570及び切欠き578-1、578-2は、2つの異なる方法によって生成し得る。例えば、下部構造570は、成形し、切欠き578-1、578-2は、レーザーによって画定し得る。いくつかの実施形態では、切欠き578-1、578-2及び下部構造570はそれぞれ、同じ方法によって形成し得る。
【0238】
図13Bは、本開示の実施形態による、
図13Aに示す高密度電極カテーテルの可撓性先端の下部構造の一部分に対する近接図であり、外側枠572-2内の磁気位置センサ576-2を更に示す。いくつかの実施形態では、外側枠572-2は、切欠き腕部584によって画定される切欠き578-2を画定し得る。図示のように、磁気位置センサ576-2は、切欠き腕部584の内側に配設し得る。いくつかの実施形態では、磁気位置センサ576-2は、切欠き腕部584の外側に配設し得る。
【0239】
図14は、本開示の実施形態による、高密度電極カテーテル600の上面図であり、磁気位置センサ602-1、602-2は、高密度電極カテーテル600の外側腕部604-1、604-5内に配設される。図示のように、高密度電極カテーテル600は、本明細書で説明するように、長手方向延在腕部604-1、604-2、・・・604-5が結合される近位結合器606を含み得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の電極608は、腕部の1つ又は複数に沿って配設し得る。いくつかの実施形態では、高密度電極カテーテル600は、5より多い又は少ない腕部604-1、604-2、・・・604-5を含み得る。
【0240】
いくつかの実施形態では、高密度電極カテーテル600は、長手方向延在腕部604-1、604-2、・・・604-5の1つ又は複数に沿って配設された磁気位置センサを含み得る。図示のように、第1の磁気位置センサ602-1及び第2の磁気位置センサ602-2は、第1の外側腕部604-1及び第2の外側腕部604-5の一部分に沿って配設し得る。いくつかの実施形態では、第1の外側腕部604-1及び第2の外側腕部604-5に関連する枠は、
図12Aから
図13Bに関して説明したものと同じ又は同様の特徴を含み得る。
【0241】
図示のように、第1の腕部604-1及び第2の腕部604-5に関連する枠組は、磁気位置センサ602-1、602-2をそれぞれ中に配設し得る切欠きを含み得る。いくつかの実施形態では、第1の腕部604-1及び第2の腕部604-5に関連する枠組は、
図12A及び
図12Bで説明したように、スロットを含み得る。第1の腕部604-1及び第2の腕部604-5が本明細書で一般に説明されるが、いくつかの実施形態では、磁気位置センサは、他の腕部604-2、604-3、604-4上に配設し得る。磁気位置センサ602-1、602-2は、第1の腕部604-1及び第2の腕部604-5の長手方向延在部分の遠位部分上に配設されるが、磁気位置センサ602-1、602-2は、本発明で示される場所の遠位に配設し得る、及び/又は本発明で示される場所の近位に配設し得る。
【0242】
いくつかの実施形態では、腕部604-1、604-2、・・・、604-5に関連する枠組は、材料の中でも、ニチノール、ステンレス鋼、チタンを含み得る。いくつかの実施形態では、管類を磁気位置センサ602-1、602-2にわたり配設し、磁気位置センサが外れないように磁気位置センサを保持する助けとし得る。いくつかの実施形態では、管類は、磁気位置センサ602-1、602-2にわたり置くことができ、磁気位置センサ602-1、602-2は、外側管類の内側に配設され、外側管類上に電極608が配設される。いくつかの実施形態では、外側管類は、内側管類を使用せずに磁気位置センサ602-1、602-2を保持するのに役立ち得る。
【0243】
様々な装置、システム、および/または方法の実施形態について、本明細書で説明した。明細書に記載され、添付の図面に描写されるように、実施形態の全体的な構造、機能、製造、および使用の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細が明記されている。しかしながら、実施形態がそのような具体的な詳細なしで実施され得ることは、当業者によって理解されるであろう。他の例では、明細書で説明した実施形態を不明瞭にしないために、周知の動作、コンポーネント、および要素は、詳細には説明されていない。当業者は、本明細書に記載および図示された実施形態が非限定的な例であり、したがって、本明細書に開示された具体的な構造的および機能的詳細が、代表的である可能性があり、実施形態の範囲を必ずしも限定せず、その範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ規定されることは、理解するであろう。
【0244】
本明細書を通して、「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」、または「一実施形態」などへの言及は、実施形態に関連して記載された特定の特徴、構成、または特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、明細書内での所々の「様々な実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、「一実施形態では」、または「実施形態」などの語句の表れは、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の相応しい方法で組み合わせられ得る。したがって、1つの実施形態に関連して図示または記載された特定の特徴、構造、または特性は、全体または一部において、限定されることなく、そのような組み合わせが非論理的または非機能的ではないことを考慮すると、1つまたは複数の他の実施形態の特徴、構造、または特性と組み合わせられ得る。
【0245】
用語「近位」および「遠位」が、明細書を通して、患者を治療するために使用される器具の一端を操作する臨床医を参照して、使用され得ることは理解されよう。「近位」という用語は、臨床医に最も近い器具の部分を指し、「遠位」という用語は、臨床医から最も遠くに位置する部分を指す。簡潔さおよび明瞭さのために、「垂直」、「水平」、「上方」、および「下方」などの空間的用語が、図示の実施形態に関して本明細書で使用され得ることは、さらに理解されよう。しかしながら、外科用器具は、多くの向きおよび位置で使用される可能性があり、これらの用語は、限定的で絶対的であることを意図されない。
【0246】
高密度カテーテルの少なくとも1つの実施形態は、ある程度の特殊性をもって上述されたが、当業者であれば、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に対して多数の変更を行うことができる。全ての方向に関する言及(例えば、上側、下側、上方向、下方向、左側、右側、左方向、右方向、頂部、底部、上方、下方、垂直、水平、時計方向、および反時計方向)は、単に、読者が本開示を理解するのを助けるため、識別目的のために使用され、特に、装置の位置、配向、または使用に関して限定を作り出さない。接合に関する言及(例えば、貼り付けられた、取り付けられた、結合された、接続されたなど)は、広く解釈されるべきであり、要素の接続部の間の中間部材と、要素間の相対移動とを含み得る。そのため、接合に関する言及は、2つの要素が直接接続され、互いに固定されている関係であることを必ずしも暗示しない。上記の説明に含まれる、または添付の図面に示される全ての事項が、限定ではなく、単に例示として解釈されるべきであることは、意図される。詳細または構造の変更は、添付の特許請求の範囲に定義されるように、本開示の趣旨から逸脱することなく、作ることができる。
【0247】
参照により本明細書に組み込まれると言われる、任意の特許、刊行物、または他の開示資料は、全体または一部において、組み込まれた資料が、本開示に明示された既存の定義、記述、または他の開示資料と矛盾しない程度でのみ、本明細書に組み込まれる。そのように、そして必要な程度まで、本明細書に明示的に明示された開示は、参照により本明細書に組み込まれるいかなる矛盾する資料よりも優先される。参照により本明細書に組み込まれると言われるが、本明細書に明示された既存の定義、記述、または他の開示資料と矛盾するいかなる資料またはその一部は、組み込まれる資料と既存の開示資料との間に矛盾が生じない程度でのみ組み込まれる。
以下の項目は、国際出願時の請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
高密度電極カテーテルであって、
近位端部及び遠位端部を含むカテーテル・シャフトであって、カテーテル・シャフト長手方向軸を画定するカテーテル・シャフトと、
前記カテーテル・シャフトの遠位部分に沿って配設されるシャフト磁気位置センサと、
前記カテーテル・シャフトの前記遠位端部に隣接して位置する可撓性先端部分であって、可撓性枠組を含む可撓性先端部分と、
前記可撓性枠組上に配設される複数の電極と、
前記可撓性枠組の一部分上に配設される先端磁気位置センサと、を備える高密度電極カテーテル。
(項目2)
前記先端磁気位置センサは、前記可撓性先端部分の遠位部分上に配設される、項目1に記載の高密度電極カテーテル。
(項目3)
前記可撓性先端部分の前記遠位部分は、管腔を画定し、
前記先端磁気位置センサは、前記管腔内に配設される、項目1に記載の高密度電極カテーテル。
(項目4)
前記可撓性先端部分は、複数の長手方向延在腕部を含む、項目3に記載の高密度電極カテーテル。
(項目5)
前記複数の長手方向延在腕部の少なくとも1つは、前記磁気位置センサが中に配設される管腔を画定する、項目4に記載の高密度電極カテーテル。
(項目6)
前記複数の長手方向延在腕部の少なくとも1つに沿って配設される電極を更に備え、前記電極は、前記磁気位置センサが中に配設される前記管腔を画定する、項目4に記載の高密度電極カテーテル。
(項目7)
前記可撓性枠組は、
第1の外側腕部及び第2の外側腕部と、
前記第1の外側腕部と前記第2の外側腕部との間に延在する中心腕部と、を含み、
前記第1の外側腕部、前記第2の外側腕部及び前記中心腕部は、前記カテーテル・シャフトの前記遠位端部に対して遠位に延在する、項目1に記載の高密度電極カテーテル。
(項目8)
前記第1の外側腕部、前記第2の外側腕部及び前記中心腕部は、前記カテーテル・シャフトの前記遠位端部に対して遠位に延在し、
前記先端磁気位置センサは、前記中心腕部の遠位端部に配設される、項目7に記載の高密度電極カテーテル。
(項目9)
前記中心腕部は、前記中心腕部の遠位端部に配設される電極を含み、
前記電極は、長手方向延在溝を画定し、
前記磁気位置センサは、前記長手方向延在溝内に配設される、項目7に記載の高密度電極カテーテル。
(項目10)
前記第1の外側腕部、前記第2の外側腕部及び前記中心腕部の遠位端部を結合する遠位結合器を更に備え、
前記遠位結合器は、前記先端磁気位置センサを含む、項目7に記載の高密度電極カテーテル。
(項目11)
前記遠位結合器は、前記先端磁気位置センサが中に配設される管腔を画定する、項目10に記載の高密度電極カテーテル。
(項目12)
前記遠位結合器は、前記中心腕部の前記遠位端部が中に配設される鍵付きスロットを画定する、項目10に記載の高密度電極カテーテル。
(項目13)
前記可撓性枠組は、第1の外側腕部と、第2の外側腕部と、を含み、
前記先端磁気位置センサは、前記第1の外側腕部及び前記第2の外側腕部上に配設された第1の磁気位置センサ及び第2の磁気位置センサを含む、項目1に記載の高密度電極カテーテル。
(項目14)
高密度電極カテーテルであって、
近位端部及び遠位端部を含むカテーテル・シャフトであって、カテーテル・シャフト長手方向軸を画定するカテーテル・シャフトと、
前記カテーテル・シャフトの前記遠位端部に隣接して位置する可撓性先端部分であって、長手方向に延在する第1の外側腕部、第2の外側腕部及び中心腕部を含む可撓性枠組を含む可撓性先端部分と、
前記第1の外側腕部、前記第2の外側腕部及び前記中心腕部のそれぞれの上に配設された複数の電極と、
前記中心腕部の遠位部分上に配設された先端磁気位置センサと、を備える高密度電極カテーテル。
(項目15)
前記第1の外側腕部、前記第2の外側腕部及び前記中心腕部がそこから延在する近位結合器を更に備え、
前記中心腕部は、単一長手方向延在腕部を含み、
前記中心腕部は、伸長特徴部を含む、項目14に記載の高密度電極カテーテル。
(項目16)
前記伸長特徴部は、前記単一長手方向延在腕部内に形成される屈曲部を含み、
前記伸長特徴部は、前記可撓性先端部分が折り畳まれた状態の際、伸びるように構成される、項目15に記載の高密度電極カテーテル。
(項目17)
前記中心腕部は、第1の長手方向延在腕部と、第2の長手方向延在腕部と、を含み、
前記第1の外側腕部、前記第2の外側腕部、前記第1の内側腕部及び前記第2の内側腕部は、第1の平面上で前記近位結合器から抜け、
前記第1の中心腕部及び前記第2の中心腕部は、前記第1の平面の両側で前記近位結合器から抜け、
前記中心腕部、前記第1の外側腕部及び前記第2の外側腕部並びに前記第1の中心腕部及び前記第2の中心腕部の近位端部はそれぞれ、組付け部分を含む、項目15に記載の高密度電極カテーテル。
(項目18)
前記組付け部分は、前記近位結合器に締結されるクリップを含む、項目17に記載の高密度電極カテーテル。
(項目19)
高密度電極カテーテルであって、
近位端部及び遠位端部を含むカテーテル・シャフトであって、カテーテル・シャフト長手方向軸を画定するカテーテル・シャフトと、
前記カテーテル・シャフトの前記遠位端部に隣接して位置する可撓性先端部分であって、可撓性枠組を含む可撓性先端部分と、
前記可撓性枠組上に配置された可撓性回路であって、上に配設される複数の電極を含む可撓性回路と、
前記可撓性枠組の遠位部分上に配設された先端磁気位置センサと、を備える高密度電極カテーテル。
(項目20)
前記可撓性回路は、前記可撓性枠組の上部及び底部上に配設され、
前記可撓性回路は、移行点で、前記可撓性枠組の外面から前記可撓性枠組の上面及び前記可撓性枠組の底面に移行する、項目19に記載の高密度電極カテーテル。
(項目21)
前記可撓性回路は、前記移行点の遠位に、前記可撓性枠組の前記上面及び前記可撓性枠組の前記底面上に延在する、項目20に記載の高密度電極カテーテル。