(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】分離型双方向DC-DC回路の正逆切替の制御方法、コントローラ、双方向コンバータおよび充電システム
(51)【国際特許分類】
H02M 3/28 20060101AFI20240705BHJP
【FI】
H02M3/28 H
(21)【出願番号】P 2023122894
(22)【出願日】2023-07-27
【審査請求日】2023-07-27
(31)【優先権主張番号】202211742647.2
(32)【優先日】2022-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515249628
【氏名又は名称】サングロー パワー サプライ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダイドン パン
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ リィウ
【審査官】今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109831099(CN,A)
【文献】特開2023-163400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離型双方向DC-DC回路の正逆切替の制御方法であって、前記分離型双方向DC-DC回路は、第1ブリッジアーム回路、第2ブリッジアーム回路、および第1ブリッジアーム回路と第2ブリッジアーム回路との間に設けられたトランスを含み、
切替信号を受信した場合、第2ブリッジアーム回路を制御して同期整流を停止させ、第1ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐に出力される駆動信号の位相を段々調節することで、第2ブリッジアーム回路の出力電流を調節するステップと、
第2ブリッジアーム回路の出力電流が第1プリセット電流値に達した場合、第1ブリッジアーム回路を制御して作動を停止させ、第2ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐に出力される駆動信号の位相を段々調節するステップと、
第2ブリッジアーム回路の出力電流が第2プリセット電流値に達した場合、第1ブリッジアーム回路を制御して作動を回復させ、同期整流を行うステップと、を含む、
ことを特徴とする分離型双方向DC-DC回路の正逆切替の制御方法。
【請求項2】
第1ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐に出力される駆動信号の位相を段々調節する前記ステップの前に、
第2ブリッジアーム回路の出力電流の電流値を検出し、前記第2ブリッジアーム回路の出力電流の電流値が第1プリセット電流値に達していない場合、第1ブリッジアーム回路に出力される駆動信号の周波数を大きくすることで、第1ブリッジアーム回路のスイッチング周波数を最大スイッチング周波数に達させるステップ、
および/または、前記第2ブリッジアーム回路の出力電流の電流値が第1プリセット電流値に達した場合、第1ブリッジアーム回路を制御して作動を停止させるステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の分離型双方向DC-DC回路の正逆切替の制御方法。
【請求項3】
第1ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐に出力される駆動信号の位相を段々調節することで、第2ブリッジアーム回路の出力電流を調節する前記ステップは具体的に、
第1ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐に出力される駆動信号の位相を段々調節することで、第2ブリッジアーム回路の出力電流が第1プリセット電流値に達するまで、第1ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐の駆動信号の位相の移相角を第1プリセット角度から徐々に大きくさせるステップである、
ことを特徴とする請求項1に記載の分離型双方向DC-DC回路の正逆切替の制御方法。
【請求項4】
第2ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐に出力される駆動信号の位相を段々調節する前記ステップは具体的に、
第2ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐に出力される駆動信号の位相を段々調節することで、移相角が第1プリセット角度に達するまで、第2ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐の駆動信号の位相の移相角を第2プリセット角度から徐々に小さくさせるステップである、
ことを特徴とする請求項1に記載の分離型双方向DC-DC回路の正逆切替の制御方法。
【請求項5】
第2ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐に出力される駆動信号の位相を段々調節する前記ステップの前に、
第2ブリッジアーム回路に出力される駆動信号の周波数を大きくすることで、第2ブリッジアーム回路のスイッチング周波数を最大スイッチング周波数に達させるステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の分離型双方向DC-DC回路の正逆切替の制御方法。
【請求項6】
記憶ユニットと、
処理ユニットと、
前記処理ユニットによって実施される時に請求項1~5のいずれか1項に記載の分離型双方向DC-DC回路の正逆切替の制御方法を実現する、前記記憶ユニットに記憶されて前記処理ユニット上で実行可能な正逆切替制御プログラムと、を含む、
ことを特徴とするコントローラ。
【請求項7】
分離型双方向DC-DC回路、および請求項6に記載のコントローラを含む、
ことを特徴とする双方向コンバータ。
【請求項8】
前記分離型双方向DC-DC回路は、CLLC共振変換回路である、
ことを特徴とする請求項7に記載の双方向コンバータ。
【請求項9】
前記分離型双方向DC-DC回路は、第1ブリッジアーム回路、第2ブリッジアーム回路、第1共振インダクタ、第2共振インダクタ、第1共振キャパシタ、第2共振キャパシタ、およびトランスを含み、
前記第1ブリッジアーム回路の第1端は前記第1共振インダクタを介して前記トランス一次側コイルの第1端に接続され、前記トランス一次側コイルの第2端は前記第1共振キャパシタを介して前記第1ブリッジアーム回路の第2端に接続され、前記第2ブリッジアーム回路の第1端は前記第2共振インダクタを介して前記トランス二次側コイルの第1端に接続され、前記トランス二次側コイルの第2端は前記第2共振キャパシタを介して前記第2ブリッジアーム回路の第2端に接続される、
ことを特徴とする請求項7に記載の双方向コンバータ。
【請求項10】
分離型双方向DC-DC回路、および請求項6に記載のコントローラを含む、
ことを特徴とする充電システム。
【請求項11】
請求項8に記載の双方向コンバータを含む、
ことを特徴とする充電システム。
【請求項12】
請求項9に記載の双方向コンバータを含む、
ことを特徴とする充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DCDCコンバータ技術的分野に関し、特に分離型双方向DC-DC回路の正逆切替の制御方法、コントローラ、双方向コンバータおよび充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
2段式の車載充電器や充電パイルは通常、前段のAC/DC、および後段の分離型DC/DCからなる。V2G(Vehicle-to-Grid)技術のニーズを満たすために、AC/DCおよびDC/DCはともに、電力双方向流れ機能を備える必要がある。
【0003】
共振型CLLCは通常の双方向分離型DC/DCトポロジであり、高効率、高電力密度を有し、一次側ZVS、二次側ZCS等の利点を実現できる。広い電圧範囲の調節を実現するために、通常、周波数変換制御を採用する必要があるが、スイッチング素子の周波数制限により、電力を小さい値に制御することができず、これにより、正逆方向のスムーズな切替を実現できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来の分離型双方向DC-DCが正逆方向をスムーズに切替えることができないという課題を解決する分離型双方向DC-DC回路の正逆切替の制御方法を提出することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を実現するために、本発明が提出する分離型双方向DC-DC回路の正逆切替の制御方法は、
切替信号を受信した場合、第2ブリッジアーム回路を制御して同期整流を停止させ、第1ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐に出力される駆動信号の位相を段々調節することで、第2ブリッジアーム回路の出力電流を調節するステップと、
第2ブリッジアーム回路の出力電流が第1プリセット電流値に達した場合、第1ブリッジアーム回路を制御して作動を停止させ、第2ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐に出力される駆動信号の位相を段々調節するステップと、
第2ブリッジアーム回路の出力電流が第2プリセット電流値に達した場合、第1ブリッジアーム回路を制御して作動を回復させ、同期整流を行うステップと、を含む。
【0006】
任意選択で、第1ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐に出力される駆動信号の位相を段々調節する前記ステップの前に、
第2ブリッジアーム回路の出力電流の電流値を検出し、前記第2ブリッジアーム回路の出力電流の電流値が第1プリセット電流値に達していない場合、第1ブリッジアーム回路に出力される駆動信号の周波数を大きくすることで、第1ブリッジアーム回路のスイッチング周波数を最大スイッチング周波数に達させるステップ、
および/または、前記第2ブリッジアーム回路の出力電流の電流値が第1プリセット電流値に達した場合、第1ブリッジアーム回路を制御して作動を停止させるステップをさらに含む。
【0007】
任意選択で、第1ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐に出力される駆動信号の位相を段々調節することで、第2ブリッジアーム回路の出力電流を調節する前記ステップは具体的に、
第1ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐に出力される駆動信号の位相を段々調節することで、第2ブリッジアーム回路の出力電流が第1プリセット電流値に達するまで、第1ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐の駆動信号の位相の移相角を第1プリセット角度から徐々に大きくさせるステップである。
【0008】
任意選択で、第2ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐に出力される駆動信号の位相を段々調節する前記ステップは具体的に、
第2ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐に出力される駆動信号の位相を段々調節することで、移相角が第1プリセット角度に達するまで、第2ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐の駆動信号の位相の移相角を第2プリセット角度から徐々に小さくさせるステップである。
【0009】
任意選択で、第2ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐に出力される駆動信号の位相を段々調節する前記ステップの前に、
第2ブリッジアーム回路に出力される駆動信号の周波数を大きくすることで、第2ブリッジアーム回路のスイッチング周波数を最大スイッチング周波数に達させるステップをさらに含む。
【0010】
本発明は、コントローラをさらに提出し、
記憶ユニットと、
処理ユニットと、
前記処理ユニットによって実施される時に上記の分離型双方向DC-DC回路の正逆切替の制御方法を実現する、前記記憶ユニットに記憶されて前記処理ユニット上で実行可能な正逆切替制御プログラムと、を含む。
【0011】
本発明は、双方向コンバータをさらに提出し、分離型双方向DC-DC回路、および上記のコントローラを含む。
【0012】
任意選択で、前記分離型双方向DC-DC回路は、CLLC共振変換回路である。
【0013】
任意選択で、前記分離型双方向DC-DC回路は、第1ブリッジアーム回路、第2ブリッジアーム回路、第1共振インダクタ、第2共振インダクタ、第1共振キャパシタ、第2共振キャパシタ、およびトランスを含み、
前記第1ブリッジアーム回路の第1端は前記第1共振インダクタを介して前記トランス一次側コイルの第1端に接続され、前記トランス一次側コイルの第2端は前記第1共振キャパシタを介して前記第1ブリッジアーム回路の第2端に接続され、前記第2ブリッジアーム回路の第1端は前記第2共振インダクタを介して前記トランス二次側コイルの第1端に接続され、前記トランス二次側コイルの第2端は前記第2共振キャパシタを介して前記第2ブリッジアーム回路の第2端に接続される。
【0014】
本発明は、充電システムをさらに提出し、分離型双方向DC-DC回路、および上記のようなコントローラを含むか、或いは、
上記のような双方向コンバータを含む。
【0015】
本発明の技術案において、切替が必要な場合、第2ブリッジアーム回路を制御して同期整流を停止させるとともに、第1ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐の駆動信号を制御して移相させ、第1ブリッジアーム回路の電流が第1プリセット電流値に達するまで第1ブリッジアーム回路を制御して作動を停止させ、さらに第2ブリッジアーム回路の駆動信号を生成するとともに、第2ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐の駆動信号を制御して移相させ、第2ブリッジアーム回路の電流が第2プリセット電流値に達するまで第1ブリッジアーム回路を制御して同期整流を行わせ、これにより、作動方向の切替を実現する。本発明は、第1ブリッジアーム回路および第2ブリッジアーム回路に対して移相制御を行うことで、双方向DC-DC回路の電力を連続的かつスムーズにさせ、これにより、電力の急変による母線電圧の変動を回避し、切替過程を快速かつスムーズにさせ、切替制御過程を簡単、安全、安定して実現しやすくさせ、作動方向の切替の効率を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の実施例または従来技術における技術案をより明らかに説明するために、以下は実施例または従来技術の記載にとって必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の記載における図面は本発明のいくつかの実施例であり、当業者にとって、進歩性に値する労働をしない前提で、これらの図面に示す構造に応じて他の図面を取得し得る。
【
図1】本発明の分離型双方向DC-DC回路の正逆切替の制御方法の1つの実施例の概略フローチャートである。
【
図2】本発明の分離型双方向DC-DC回路の正逆切替の制御方法の1つの実施例の詳細な概略フローチャートである。
【
図3】本発明の分離型双方向DC-DC回路の正逆切替の制御方法の別の実施例の詳細な概略フローチャートである。
【
図4】本発明の分離型双方向DC-DC回路の正逆切替の制御方法の又1つの実施例の詳細な概略フローチャートである。
【
図5】本発明の分離型双方向DC-DC回路の1つの実施例の回路構造概略図である。
【
図6】本発明の分離型双方向DC-DC回路の正逆切替の制御方法の1つの実施例の駆動信号概略図である。
【
図7】本発明の分離型双方向DC-DC回路の正逆切替の制御方法の1つの実施例の駆動信号移相概略図である。
【
図8】本発明の分離型双方向DC-DC回路の正逆切替の制御方法の別の実施例の駆動信号概略図である。
【
図9】本発明の分離型双方向DC-DC回路の正逆切替の制御方法の別の実施例の駆動信号移相概略図である。
【0017】
実施例を結合し、図面を参照して本発明目的の実現、機能特徴点、および利点をさらに説明する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、本発明実施例における図面を結合し、本発明実施例における技術案を明確且つ完全に説明する。明らかに、説明する実施例は本発明の全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例に過ぎない。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わないことを前提に得られた全ての他の実施例は、本発明の保護する範囲に属する。
【0019】
なお、本発明実施例で方向性指示(例えば上、下、左、右、前、後…)に係る場合、当該方向性指示はある特定の姿勢(図面に示す)における各部材間の相対的位置関係、運動状況等を解釈するために用いられ、当該特定の姿勢が変わると、当該方向性指示もそれ相当に変わる。
【0020】
また、本発明実施例において「第1」、「第2」等の説明に係る場合、当該「第1」、「第2」等の説明は、目的の説明のために用いられ、その相対的重要性を提示又は暗示するか、指示する技術的特徴の数を非明示的に指定するように理解すべきではない。これにより、「第1」、「第2」により限定されている特徴は明示的或いは非明示的に少なくとも1つの当該特徴を含んでもよい。また、各実施例間の技術案はお互いに結合することができるが、当業者が実現できることはその基礎である。技術案の結合に互いに矛盾が生じるか、実現できない場合には、このような技術案の結合が存在しない、且つ本発明が請求する保護範囲内にもないと認識すべきである。
【0021】
現在、共振型CLLCは通常の双方向分離型DC/DCトポロジであり、高効率、高電力密度を持ち、一次側ZVS、二次側ZCS等の利点を実現できる。広い電圧範囲の調節を実現するために、通常、周波数変換制御を採用する必要があるが、スイッチング素子の周波数制限により、電力を小さい値に制御することができず、これにより、正逆方向のスムーズな切替を実現できない。前段のAC/DCは母線キャパシタ電圧を制御し、後段の急変の電力により母線電圧が変動することにより、グリッド側電流の変動、高調波等を引き起こし、コンバータの安定的な実行に影響を与える。この課題を解決するために、通常の方法は次のとおりである。
スイッチング周波数を最大値まで上げた後、直接に駆動をオフにして、シャットダウン状態となり、一定の遅延を経て、リバースソフトスタートターンオンに入る。このような方法は改善に過ぎず、依然として電力を0に制御することができず、即ち、スムーズな切替を実現できず、且つ切替時間が長い。
【0022】
軽負荷の場合にヒカップモード(Hiccup mode)を採用するが、ヒカップモード自体は一定の制御不可能性があり、それに、出力電圧\電流リプルを大きくする。
【0023】
デュアルアクティブブリッジの制御方法と同様に、一次側、二次側の間の移相角度を調節し、電力を制御する。正常に実行する場合、依然として周波数変換制御を採用するから、効率を向上させるために、二次側は同期整流制御を採用し、二次側の駆動信号は電流方向に応じて受動的に発生され、この場合、二次側駆動信号が一次側信号よりも1つの角度だけ進むか、または遅れるように能動的に調節するように変更する必要があり、信号発生方式の切替という課題があり、制御の複雑さを増加する。それに、デュアルアクティブブリッジ回路には、オフ電流が大きく、還流という問題がある。
【0024】
上記課題を解決するために、本発明は、分離型双方向DC-DC回路の正逆切替の制御方法を提出し、前記分離型双方向DC-DC回路は、第1ブリッジアーム回路、第2ブリッジアーム回路、および第1ブリッジアーム回路と第2ブリッジアーム回路との間に設けられたトランスを含み、
図1を参照すれば、1つの実施例では、前記分離型双方向DC-DC回路の正逆切替の制御方法は、ステップS100~S300を含む。
ステップS100、切替信号を受信した場合、第2ブリッジアーム回路を制御して同期整流を停止させ、第1ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐に出力される駆動信号の位相を段々調節することで、第2ブリッジアーム回路の出力電流を調節する。
本方法は、2つの作動方向の自由な切替を実現でき、順方向作動から逆方向作動に切替えることを例として説明し、分離型双方向DC-DC回路が順方向に作動する場合、分離型双方向DC-DC回路の第1ブリッジアーム回路は、入力された直流電源を交流電源に変換した後に出力するためのものであり、第1ブリッジアーム回路は、変換回路の広い電圧調節範囲を実現するように、周波数変換制御を採用し、第2ブリッジアーム回路は、交流電源を直流電源に同期整流した後に出力するために、同期整流制御を行う。
【0025】
切替信号を受信した場合、まず第2ブリッジアーム回路をオフにし、即ち、第2ブリッジアーム回路への駆動信号の出力を停止し、これにより、第2ブリッジアーム回路は、同期整流の実行を停止し、第1ブリッジアーム回路は依然として正常な作動状態にあり、この場合、第1ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐の駆動信号を制御して移相させることにより、第2ブリッジアーム回路の出力電流を第1プリセット電流値に達させる。具体的には、例えば、順方向実行際の第1ブリッジアーム回路における4つのスイッチトランジスタの駆動信号の波形は
図6に示すように、第1スイッチトランジスタQ1と第4スイッチトランジスタQ4の駆動信号の波形が同じであり、第2スイッチトランジスタQ2と第3スイッチトランジスタQ3の駆動信号の波形が同じであり、この場合、両ブリッジアーム分岐の間の駆動信号の移相角は0である。第1ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐の駆動信号を制御して移相させ、即ち、第1スイッチトランジスタQ1、第2スイッチトランジスタQ2の駆動信号の波形が第3スイッチトランジスタQ3、第4スイッチトランジスタQ4の駆動信号の波形に対して1つの角度だけずれるように制御し、
図7に示すように、図におけるTsは1つのスイッチ周期であり、T1=0の場合、対応する移相角は0°であり、T1=Ts/2の場合、対応する移相角は180°である。移相角が0°から大きくなる場合、第1スイッチトランジスタQ1と第1スイッチトランジスタQ4の駆動信号の波形、および第2スイッチトランジスタQ2と第3スイッチトランジスタQ3の駆動信号の波形がずれ始めるため、第1ブリッジアーム回路の電流も徐々に小さくなり、それに応じて、第2ブリッジアーム回路の出力電流、即ち、電流Ioutも徐々に小さくなり、移相角を大きくすることで第2ブリッジアーム回路の出力電流Ioutを徐々に小さくすることができる。第1プリセット電流値は、実際の適用要求に応じて設定することが可能であり、第1プリセット電流値は0に設定してもよいし、0に近い数値に設定してもよく、第2ブリッジアーム回路の出力電流Ioutを第1プリセット電流値に調節する場合、第1ブリッジアーム回路を制御して作動を停止させる。なお、第2ブリッジアーム回路の出力電流値が0ではなく正である時に、直接に双方向DC-DC回路を逆方向実行に切替えると、双方向DC-DC回路の電力は不連続になり(1つの正の電力から1つの負の電力に急変する)、これにより、母線電圧の変動は大きくなり、双方向DC-DC回路に損害を与える。従って、本発明において、移相制御により小さなゲインの調節を実現することにより、双方向DC-DC回路は作動方向の切替を行う前に電流を0、または0の近くに調節することができ、これにより、双方向DC-DC回路は、双方向の切替を安全かつ安定的に実現することができる。
【0026】
ステップS200、第2ブリッジアーム回路の出力電流が第1プリセット電流値に達する場合、第1ブリッジアーム回路を制御して作動を停止させ、第2ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐に出力される駆動信号の位相を段々調節する。
第1ブリッジアーム回路を制御して作動を停止させた後、第2ブリッジアーム回路の駆動信号を発生するとともに、第2ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐の駆動信号を制御して移相させ、即ち、第2ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐の駆動信号の波形が1つの角度だけずれるように制御する。具体的には、例えば、逆方向実行際の第2ブリッジアーム回路における4つのスイッチトランジスタの駆動信号の波形は
図8に示すように、第5スイッチトランジスタQ5と第8スイッチトランジスタQ8の駆動信号の波形が同じであり、第6スイッチトランジスタQ6と第7スイッチトランジスタQ7の駆動信号の波形が同じであり、この場合、両ブリッジアーム分岐の間の駆動信号の移相角は0である。第1ブリッジアーム回路を制御して移相させる原理と同じように、第2ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐の駆動信号を制御して移相させ、即ち、第5スイッチトランジスタQ5、第6スイッチトランジスタQ6の駆動信号の波形が第7スイッチトランジスタQ7、第8スイッチトランジスタQ8の駆動信号の波形に対して1つの角度だけずれるように制御する。ここで、第1ブリッジアーム回路を制御して移相させるのは、徐々に電流を0、または0の近くに小さくするためであり、本方法において、第2ブリッジアーム回路を制御して移相させるのは、電流を徐々に大きくするためであり、よって、本実施例において、第2ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐の駆動信号の移相角を制御して180°から0°に小さくさせることができ、即ち、第2ブリッジアーム回路の電流を第2プリセット電流値に達させる。第2プリセット電流値は、実際の適用要求に応じて設定することが可能であり、第2プリセット電流値は、第2ブリッジアーム回路の構成の作動時の電流値に設定することが可能である。同じ原理により、第2ブリッジアーム回路を制御して移相させることにより、電流を0から大きくさせ、さらに双方向DC-DC回路の電力を連続的にさせ、母線電圧の変動を小さくさせ、双方向DC-DC回路の安定性および安全性を向上させる。
【0027】
ステップS300、第2ブリッジアーム回路の出力電流が第2プリセット電流値に達する場合、第1ブリッジアーム回路を制御して作動を再開させ、同期整流を行う。
【0028】
第2ブリッジアーム回路の出力電流が第2プリセット電流値に達した場合、即ち、第2ブリッジアーム回路に対する移相制御を完了した後、第1ブリッジアーム回路を制御して同期整流を行わせることで、第1ブリッジアーム回路は、第2ブリッジアーム回路から出力された交流電源に対して同期整流処理を行うことにより、直流電源を出力し、双方向DC-DC回路が逆方向実行を始める。尚、分離型双方向DC-DC回路のトポロジの一次側、二次側が対称であるため、逆方向から順方向に切替えることについて、方法が一致である。切替過程が速く、かつ電力が小さいから、同期整流管をオフにして、順方向または逆方向実行に入るときにさらに再開することが可能である。
【0029】
本発明の技術案において、切替が必要な場合、第2ブリッジアーム回路を制御して同期整流を停止させるとともに、第1ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐の駆動信号を制御して移相させ、第2ブリッジアーム回路の出力電流が第1プリセット電流値に達すると第1ブリッジアーム回路を制御して作動を停止させ、さらに第2ブリッジアーム回路の駆動信号を生成するとともに、第2ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐の駆動信号を制御して移相させ、第2ブリッジアーム回路の電流が第2プリセット電流値に達すると第1ブリッジアーム回路を制御して同期整流を行わせ、これにより、作動方向の切替を実現する。本発明は、第1ブリッジアーム回路および第2ブリッジアーム回路に対して移相制御を行うことで、双方向DC-DC回路の電力を連続的かつスムーズにさせ、これにより、電力の急変による母線電圧の変動を回避し、切替過程を快速かつスムーズにさせ、切替制御過程を簡単、安全、安定して実現しやすくさせ、作動方向の切替の効率を向上させる。
【0030】
図2を参照すれば、1つの実施例では、第1ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐に出力される駆動信号の位相を段々調節する前記ステップの前に、ステップS110をさらに含み、
ステップS110、第2ブリッジアーム回路の出力電流の電流値を検出し、前記第2ブリッジアーム回路の出力電流の電流値が第1プリセット電流値に達していない場合、第1ブリッジアーム回路に出力される駆動信号の周波数を大きくすることで、第1ブリッジアーム回路のスイッチング周波数を最大スイッチング周波数に達させ、
および/または、前記第2ブリッジアーム回路の出力電流の電流値が第1プリセット電流値に達した場合、第1ブリッジアーム回路を制御して作動を停止させる。
【0031】
なお、ブリッジアーム回路において、スイッチトランジスタのスイッチング周波数が大きいほど、ゲインが小さくなり、それに応じて、スイッチトランジスタを流れる電流も小さくなる。従って、双方向DC-DC回路の電力を連続的かつスムーズにさせるために、本実施例において、第1ブリッジアーム回路に対して移相制御を行う前に、さらに第1ブリッジアーム回路のスイッチング周波数を直接に最大スイッチング周波数に調節し、スイッチング周波数を最大に調節し、即ち、さらにスイッチング周波数の調節によりゲインを小さくすることができず、この場合、第1ブリッジアーム回路を制御することで小さなゲイン調節を実現することができ、これにより、双方向DC-DC回路の電力を連続的かつスムーズにさせる。このように設定すると、スイッチング周波数を調節し、第1ブリッジアーム回路に対して移相制御を行うことにより、ゲインに対する調節を実現し、これにより、双方向DC-DC回路の電力を連続的かつスムーズにさせ、電力の急変による母線電圧の変動を回避でき、作動方向の切替の安全性および安定性を向上させる。
【0032】
図3を参照すれば、1つの実施例では、第1ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐に出力される駆動信号の位相を段々調節することで、第2ブリッジアーム回路の出力電流を調節する前記ステップは具体的に、
第1ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐に出力される駆動信号の位相を段々調節することで、第2ブリッジアーム回路の出力電流が第1プリセット電流値に達するまで、第1ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐の駆動信号の位相の移相角を第1プリセット角度から徐々に大きくさせるステップである。
【0033】
1つの実施例では、順方向実行際の第1ブリッジアーム回路における4つのスイッチトランジスタの駆動信号の波形は
図6に示すように、第1スイッチトランジスタQ1と第4スイッチトランジスタQ4の駆動信号の波形が同じであり、第2スイッチトランジスタQ2と第3スイッチトランジスタQ3の駆動信号の波形が同じであり、この場合、両ブリッジアーム分岐の間の駆動信号の移相角は0°である。第1ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐の駆動信号を制御して移相させ、即ち、第1スイッチトランジスタQ1、第2スイッチトランジスタQ2の駆動信号の波形が第3スイッチトランジスタQ3、第4スイッチトランジスタQ4の駆動信号の波形に対して1つの角度だけずれるように制御し、
図7に示すように、図におけるTsは1つのスイッチ周期であり、T1=0の場合、対応する移相角は0°であり、T1=Ts/2の場合、対応する移相角は180°である。なお、移相角が0°から大きくなる場合、第1スイッチトランジスタQ1と第1スイッチトランジスタQ4の駆動信号の波形、および第2スイッチトランジスタQ2と第3スイッチトランジスタQ3の駆動信号の波形がずれ始めるため、第2ブリッジアーム回路の出力電流も徐々に小さくなり、よって、移相角を大きくすることで第2ブリッジアーム回路の出力電流を徐々に小さくすることができる。回路が順方向に実行するときに両ブリッジアーム分岐の間の駆動信号の移相角は0°であり、よって、第1プリセット角度は0°であってもよく、2つのブリッジアーム分岐の駆動信号の移相角度を0°から徐々に大きくさせることにより、電流が第1プリセット電流値に達するまで、第2ブリッジアーム回路の出力電流を徐々に小さくさせる。第1プリセット電流値は、実際の適用要求に応じて設定することが可能であり、第1プリセット電流値は0に設定してもよいし、0に近い数値に設定してもよく、第2ブリッジアーム回路の出力電流を第1プリセット電流値に調節する場合、第1ブリッジアーム回路を制御して作動を停止させる。尚、第2ブリッジアーム回路の出力電流値が0ではなく正である時に、直接に双方向DC-DC回路を逆方向実行に切替えると、双方向DC-DC回路の電力は不連続になり(1つの正の電力から1つの負の電力に急変する)、これにより、母線電圧の変動は大きくなり、双方向DC-DC回路に損害を与える。従って、本発明において、移相制御により小さなゲインの調節を実現することにより、双方向DC-DC回路は作動方向の切替を行う前に電流を0、または0の近くに調節することができ、これにより、双方向DC-DC回路は、双方向の切替を安全かつ安定的に実現することができる。
【0034】
図4を参照すれば、1つの実施例では、第2ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐に出力される駆動信号の位相を段々調節する前記ステップは具体的に、
第2ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐に出力される駆動信号の位相を段々調節することで、移相角が第1プリセット角度に達するまで、第2ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐の駆動信号の位相の移相角を第2プリセット角度から徐々に小さくさせるステップである。
【0035】
1つの実施例では、逆方向実行際の第2ブリッジアーム回路における4つのスイッチトランジスタの駆動信号の波形は
図8に示すように、第5スイッチトランジスタQ5と第8スイッチトランジスタQ8の駆動信号の波形が同じであり、第6スイッチトランジスタQ6と第7スイッチトランジスタQ7の駆動信号の波形が同じであり、この場合、両ブリッジアーム分岐の間の駆動信号の移相角は0である。第1ブリッジアーム回路を制御して移相させる原理と同じように、第2ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐の駆動信号を制御して移相させ、即ち、第5スイッチトランジスタQ5、第6スイッチトランジスタQ6の駆動信号の波形が第7スイッチトランジスタQ7、第8スイッチトランジスタQ8の駆動信号の波形に対して1つの角度だけずれるように制御する。ここで、第1ブリッジアーム回路を制御して移相させるのは、徐々に電流を0、または0の近くに小さくするためであり、本方法において、第2ブリッジアーム回路を制御して移相させるのは、電流を徐々に大きくするためであり、よって、本実施例において、第1プリセット角度は0°であってもよく、第2プリセット角度は180°であってもよく、第2ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐の駆動信号の移相角を180°から0°に小さくさせ、即ち、第2ブリッジアーム回路の電流を第2プリセット電流値に達させる。第2プリセット電流値は、実際の適用要求に応じて設定することが可能であり、第2プリセット電流値は、第2ブリッジアーム回路の構成の作動時の電流値に設定することが可能である。同じ原理により、第2ブリッジアーム回路を制御して移相させることにより、電流を0から大きくさせ、さらに双方向DC-DC回路の電力を連続的にさせ、母線電圧の変動を小さくさせ、双方向DC-DC回路の安定性および安全性を向上させる。
【0036】
第2ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐に出力される駆動信号の位相を段々調節する前記ステップの前に、ステップS210をさらに含み、
ステップS210、第2ブリッジアーム回路に出力される駆動信号の周波数を大きくすることで、第2ブリッジアーム回路のスイッチング周波数を最大スイッチング周波数に達させる。
【0037】
ここで、ブリッジアーム回路において、スイッチトランジスタのスイッチング周波数が大きいほど、ゲインが小さくなり、それに応じて、スイッチトランジスタを流れる電流も小さくなる。従って、双方向DC-DC回路の電力を連続的かつスムーズにさせるために、本実施例において、第2ブリッジアーム回路に対して移相制御を行う前に、さらに第2ブリッジアーム回路のスイッチング周波数を最大スイッチング周波数に調節し、スイッチング周波数を最大に調節し、即ち、さらにスイッチング周波数の調節によりゲインを小さくすることができず、この場合、第2ブリッジアーム回路を制御することで小さなゲイン調節を実現することができ、これにより、双方向DC-DC回路の電力を連続的かつスムーズにさせる。このように設定すると、スイッチング周波数を調節し、第2ブリッジアーム回路に対して移相制御を行うことにより、ゲインに対する調節を実現し、これにより、双方向DC-DC回路の電力を連続的かつスムーズにさせ、電力の急変による母線電圧の変動を回避でき、作動方向の切替の安全性および安定性を向上させる。
【0038】
本発明は、コントローラをさらに提出し、当該コントローラは、
記憶ユニットと、
処理ユニットと、
前記処理ユニットによって実施されると上記のような分離型双方向DC-DC回路の正逆切替の制御方法を実現する、前記記憶ユニットに記憶されて前記処理ユニット上で実行可能な正逆切替制御プログラムと、を含む。
【0039】
当該分離型双方向DC-DC回路の正逆切替の制御方法の具体的な構造について、上記実施例を参照し、前記コントローラが上記のすべての実施例の技術案の全部を採用するため、少なくとも上記実施例の技術案によるすべての有益な効果を有し、ここではさらに贅言しない。
【0040】
本発明は、双方向コンバータをさらに提出し、当該双方向コンバータは、分離型双方向DC-DC回路、および上記のコントローラを含み、当該コントローラの具体的な構造について、上記実施例を参照し、双方向コンバータが上記のすべての実施例の技術案の全部を採用するため、少なくとも上記実施例の技術案によるすべての有益な効果を有し、ここではさらに贅言しない。
【0041】
1つの実施例では、前記分離型双方向DC-DC回路は、CLLC共振変換回路である。
【0042】
任意選択で、前記分離型双方向DC-DC回路は、第1ブリッジアーム回路、第2ブリッジアーム回路、第1共振インダクタ、第2共振インダクタ、第1共振キャパシタ、第2共振キャパシタ、およびトランスを含み、
前記第1ブリッジアーム回路の第1端は前記第1共振インダクタを介して前記トランス一次側コイルの第1端に接続され、前記トランス一次側コイルの第2端は前記第1共振キャパシタを介して前記第1ブリッジアーム回路の第2端に接続され、前記第2ブリッジアーム回路の第1端は前記第2共振インダクタを介して前記トランス二次側コイルの第1端に接続され、前記トランス二次側コイルの第2端は前記第2共振キャパシタを介して前記第2ブリッジアーム回路の第2端に接続される。
【0043】
図5を参照すれば、
図5は分離型双方向DC-DC回路の1つの実施例の回路構造概略図であり、図における分離型双方向DC-DC回路はCLLC共振変換回路であり、第1スイッチトランジスタQ1、第2スイッチトランジスタQ2、第3スイッチトランジスタQ3、および第1スイッチトランジスタQ4により第1ブリッジアーム回路、即ち、一次側ブリッジアーム回路を構成し、第5スイッチトランジスタQ5、第6スイッチトランジスタQ6、第7スイッチトランジスタQ7、および第8スイッチトランジスタQ8により第2ブリッジアーム回路、即ち、二次側ブリッジアーム回路を構成する。CLLC共振変換回路が順方向に作動する場合、第1ブリッジアーム回路は、アクセスされた直流電源に対して逆転し、第2ブリッジアーム回路は、逆転後の交流電源に対して同期整流処理を行うことにより、直流電源を出力する。逆に、CLLC共振変換回路が逆方向作動に切替られる場合、第2ブリッジアーム回路により、アクセスされた直流電源に対して逆転し、第1ブリッジアーム回路は、逆転後の交流電源に対して同期整流処理を行うことにより、直流電源を出力する。ここで、上記の分離型双方向DC-DC回路の正逆切替の制御方法は、CLLC共振変換回路に適用されてもよいし、他の構造の同様な分離型双方向DC-DC回路に適用されて作動方向の切替を行うようにしてもよい。
【0044】
本発明は、充電システムをさらに提出し、当該充電システムは、分離型双方向DC-DC回路、および上記のコントローラを含み、或いは、上記の双方向コンバータを含み、当該コントローラまたは双方向コンバータの具体的な構造について、上記実施例を参照し、充電システムが上記のすべての実施例の技術案の全部を採用するため、少なくとも上記実施例の技術案によるすべての有益な効果を有し、ここではさらに贅言しない。
【0045】
以上に述べたことは本発明の好ましい実施例にすぎず、それによって本発明の特許の範囲を制限するわけではない。本発明の発明構想により、本発明の明細書及び図面の内容を利用してなされた等価構造変換、或いは他の関連する技術的分野への直接/間接的な応用は、何れも本発明の特許の保護範囲内に含まれる。
【要約】 (修正有)
【課題】正逆方向をスムーズに切替えることができる分離型双方向DC-DC回路の正逆切替の制御方法、コントローラ、双方向コンバータおよび充電システムを提供する。
【解決手段】分離型双方向DC-DC回路の正逆切替の制御方法は、切替信号を受信した場合、第2ブリッジアーム回路を制御して同期整流を停止させ、第1ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐に出力される駆動信号の位相を段々調節することで、第2ブリッジアーム回路の出力電流を調節し、第2ブリッジアーム回路の出力電流が第1プリセット電流値に達した場合、第1ブリッジアーム回路を制御して作動を停止させ、第2ブリッジアーム回路における2つのブリッジアーム分岐に出力される駆動信号の位相を段々調節し、第2ブリッジアーム回路の出力電流が第2プリセット電流値に達した場合、第1ブリッジアーム回路を制御して作動を回復させ、同期整流を行う。
【選択図】
図1