(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】制御システム、制御方法及びコンピュータープログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0481 20220101AFI20240705BHJP
G06F 3/14 20060101ALI20240705BHJP
H04N 7/15 20060101ALI20240705BHJP
【FI】
G06F3/0481
G06F3/14 350A
H04N7/15
(21)【出願番号】P 2023134736
(22)【出願日】2023-08-22
【審査請求日】2023-08-22
(73)【特許権者】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中里 健也
(72)【発明者】
【氏名】大井 清司
【審査官】仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-92845(JP,A)
【文献】特開2022-92712(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0481
G06F 3/14
H04N 7/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介してユーザーと他のユーザーとが会話を行うための仮想的な会議室において、前記ユーザーと同じ会議室に参加している1又は複数の他のユーザー毎に、前記他のユーザーのユーザー端末から提供される画像を表示可能な部分領域及び縮小部分領域を前記ユーザーのユーザー端末の画面に表示させる制御部を備え、
前記縮小部分領域は前記部分領域よりも相対的に小さい領域であり、
前記制御部は、動画像を送信しているユーザーを前記部分領域に割り当て、動画像を送信していないユーザーを前記縮小部分領域に割り当てて表示する、制御システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記ユーザーと同じ会議室に参加しているユーザーについて、前記部分領域に割り当てる対象となる対象ユーザーを設定し、前記対象ユーザーに設定されていないユーザーについては動画像を送信しているユーザーであっても前記縮小部分領域に割り当てて表示する、請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記制御部は、ユーザーによって前記対象ユーザーから外すことを示す操作が行われた場合に、前記ユーザーを前記対象ユーザーから外す、請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
コンピューターが、ネットワークを介してユーザーと他のユーザーとが会話を行うための仮想的な会議室において、前記ユーザーと同じ会議室に参加している1又は複数の他のユーザー毎に、前記他のユーザーのユーザー端末から提供される画像を表示可能な部分領域及び縮小部分領域を前記ユーザーのユーザー端末の画面に表示させる制御ステップを有し、
前記縮小部分領域は前記部分領域よりも相対的に小さい領域であり、
前記制御ステップにおいて、動画像を送信しているユーザーを前記部分領域に割り当て、動画像を送信していないユーザーを前記縮小部分領域に割り当てて表示する、制御方法。
【請求項5】
ネットワークを介してユーザーと他のユーザーとが会話を行うための仮想的な会議室において、前記ユーザーと同じ会議室に参加している1又は複数の他のユーザー毎に、前記他のユーザーのユーザー端末から提供される画像を表示可能な部分領域及び縮小部分領域を前記ユーザーのユーザー端末の画面に表示させる制御部を備え、
前記縮小部分領域は前記部分領域よりも相対的に小さい領域であり、
前記制御部は、動画像を送信しているユーザーを前記部分領域に割り当て、動画像を送信していないユーザーを前記縮小部分領域に割り当てて表示する端末装置、としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンラインで提供される複数の動画像を表示可能な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ネットワークを介して会話や会議を行うためのシステムが提案されている。これらのシステムでは、カメラで撮影された参加者の顔画像や、参加者によって共有されたウィンドウ等の画像が、ユーザー毎に設けられた部分領域に表示されることが一般的である。例えば、特許文献1には、撮影されたユーザーの顔領域の画像を抽出して背景にはぼかしをかけて表示することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来から、複数のメンバーが参加している場合には、参加している1又は複数のメンバー毎に部分領域が設けられて顔や動画像が表示されるシステムがある。このようなメンバー毎の部分領域の画面レイアウトについて、予め定義されている複数の画面レイアウトから選択することができるシステムもある。例えば、参加している全メンバーに対して部分領域が割り当てられて、各メンバーの画像が部分領域内に表示される画面レイアウトがある。他の例として、代表メンバー(例えばその時点で発言しているメンバー)の部分領域が他のメンバーの部分領域よりも大きく設定される画面レイアウトもある。他の例として、画面共有されているウィンドウやデスクトップの画像を表示するための部分領域が他のメンバーの部分領域よりも大きく設定される画面レイアウトもある。しかしながら、必ずしも十分な利便性が実現されてはいなかった。このような問題は、必ずしも会話や会議のためのシステムに限定された問題では無く、他のユーザーや他のシステムから提供される複数の動画像を表示可能なシステムにおいて共通する問題であった。
【0005】
上記事情に鑑み、本発明は、複数の動画像の提供が可能なシステムにおいて、ユーザーにとってより利便性が高い画面表示を実現することを可能とする技術の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、ネットワークを介してユーザーと他のユーザーとが会話を行うための仮想的な会議室において、前記ユーザーと同じ会議室に参加している1又は複数の他のユーザー毎に、前記他のユーザーのユーザー端末から提供される画像を表示可能な部分領域及び縮小部分領域を前記ユーザーのユーザー端末の画面に表示させる制御部を備え、前記縮小部分領域は前記部分領域よりも相対的に小さい領域であり、前記制御部は、動画像を送信しているユーザーを前記部分領域に割り当て、動画像を送信していないユーザーを前記縮小部分領域に割り当てて表示する、制御システムである。
【0007】
本発明の一態様は、上記の制御システムであって、前記制御部は、前記ユーザーと同じ会議室に参加しているユーザーについて、前記部分領域に割り当てる対象となる対象ユーザーを設定し、前記対象ユーザーに設定されていないユーザーについては動画像を送信しているユーザーであっても前記縮小部分領域に割り当てて表示する。
【0008】
本発明の一態様は、上記の制御システムであって、前記制御部は、ユーザーによって前記対象ユーザーから外すことを示す操作が行われた場合に、前記ユーザーを前記対象ユーザーから外す。
【0009】
本発明の一態様は、コンピューターが、ネットワークを介してユーザーと他のユーザーとが会話を行うための仮想的な会議室において、前記ユーザーと同じ会議室に参加している1又は複数の他のユーザー毎に、前記他のユーザーのユーザー端末から提供される画像を表示可能な部分領域及び縮小部分領域を前記ユーザーのユーザー端末の画面に表示させる制御ステップを有し、前記縮小部分領域は前記部分領域よりも相対的に小さい領域であり、前記制御ステップにおいて、動画像を送信しているユーザーを前記部分領域に割り当て、動画像を送信していないユーザーを前記縮小部分領域に割り当てて表示する、制御方法である。
【0010】
本発明の一態様は、ネットワークを介してユーザーと他のユーザーとが会話を行うための仮想的な会議室において、前記ユーザーと同じ会議室に参加している1又は複数の他のユーザー毎に、前記他のユーザーのユーザー端末から提供される画像を表示可能な部分領域及び縮小部分領域を前記ユーザーのユーザー端末の画面に表示させる制御部を備え、前記縮小部分領域は前記部分領域よりも相対的に小さい領域であり、前記制御部は、動画像を送信しているユーザーを前記部分領域に割り当て、動画像を送信していないユーザーを前記縮小部分領域に割り当てて表示する端末装置、としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、複数の動画像の提供が可能なシステムにおいて、ユーザーにとってより利便性が高い画面表示を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の会話制御システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。
【
図2】ユーザー端末10の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
【
図3】会話制御装置20の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
【
図4】ユーザー端末10の表示部13に表示される画像の具体例を示す図である。
【
図5】ユーザー端末10の表示部13に表示される画像の具体例を示す図である。
【
図6】ユーザー端末10の表示部13に表示される画像の具体例を示す図である。
【
図7】ユーザー端末10の表示部13に表示される画像の具体例を示す図である。
【
図8】ユーザー端末10の表示部13に表示される画像の具体例を示す図である。
【
図9】ユーザー端末10の表示部13に表示される画像の具体例を示す図である。
【
図10】ユーザー端末10の表示部13に表示される画像の具体例を示す図である。
【
図11】ユーザー端末10の表示部13に表示される画像の具体例を示す図である。
【
図12】ユーザー端末10の表示部13に表示される画像の具体例を示す図である。
【
図13】縮小部分領域51において画面共有が実行されている状態の具体例を示す図である。
【
図14】縮小部分領域51及び部分領域52において画面共有が実行されている状態の具体例を示す図である。
【
図15】自動モードにおける表示例を示す図である。
【
図16】自動モードにおける表示例を示す図である。
【
図17】自動モードにおける表示例を示す図である。
【
図18】自動モードにおける表示例を示す図である。
【
図19】フォーカスモードにおける表示例を示す図である。
【
図20】フォーカスモードにおける表示例を示す図である。
【
図21】フォーカスモードにおける表示例を示す図である。
【
図22】本実施形態に適用される情報処理装置900のハードウェア構成例の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の具体的な構成例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の会話制御システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。会話制御システム100は、複数の動画像の提供が可能なシステムの一具体例である。会話制御システム100は、ユーザー端末10を操作するユーザー同士がネットワーク90を介して会話を行うためのシステムである。会話制御システム100は、複数のユーザー端末10、会話制御装置20を含む。複数のユーザー端末10及び会話制御装置20は、ネットワーク90を介して通信可能に接続される。ネットワーク90は、無線通信を用いたネットワークであってもよいし、有線通信を用いたネットワークであってもよい。ネットワーク90は、複数のネットワークが組み合わされて構成されてもよい。
【0014】
図2は、ユーザー端末10の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。ユーザー端末10は、例えばスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピューター、携帯ゲーム機、据え置き型ゲーム機、専用機器などの情報機器を用いて構成される。ユーザー端末10は、通信部11、操作部12、表示部13、音声入力部14、音声出力部15、撮像部16、記憶部17及び制御部18を備える。
【0015】
通信部11は、通信機器である。通信部11は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部11は、制御部18の制御に応じて、ネットワーク90を介して他の装置とデータ通信する。通信部11は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0016】
操作部12は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。操作部12は、ユーザーの指示をユーザー端末10に入力する際にユーザーによって操作される。操作部12は、入力装置をユーザー端末10に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、操作部12は、入力装置においてユーザーの入力に応じ生成された入力信号をユーザー端末10に入力する。操作部12は、マイク及び音声認識装置を用いて構成されてもよい。この場合、操作部12はユーザーによって発話された文言を音声認識し、認識結果の文字列情報をユーザー端末10に入力する。この場合、音声認識の処理は制御部18によって実行されてもよい。この場合、操作部12を構成するマイクは後述する音声入力部14と一体に構成されてもよい。操作部12は、ユーザーの指示をユーザー端末10に入力可能な構成であればどのように構成されてもよい。
【0017】
表示部13は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置である。表示部13は、会話制御システム100で用いられる画像データを表示する。表示部13は、画像表示装置をユーザー端末10に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、表示部13は、画像データを表示するための映像信号を生成し、自身に接続されている画像表示装置に映像信号を出力する。
【0018】
音声入力部14は、マイクを用いて構成される。音声入力部14は、マイクそのものとして構成されてもよいし、外部機器としてマイクをユーザー端末10に接続するためのインターフェースとして構成されてもよい。マイクは、会話を行うユーザーの発話音声を取得する。音声入力部14は、マイクによって取得された音声のデータを制御部18に出力する。
【0019】
音声出力部15は、スピーカーやヘッドホンやイヤホン等の音声出力装置を用いて構成される。音声出力部15は、音声出力装置そのものとして構成されてもよいし、外部機器として音声出力装置をユーザー端末10に接続するためのインターフェースとして構成されてもよい。音声出力装置は、会話を行うユーザーが音声を聞き取ることができるように音声を出力することが望ましい。音声出力部15は、制御部18によって出力される音声信号に応じた音声を出力する。
【0020】
撮像部16は、カメラ等の撮像機器を用いて構成される。撮像部16は、カメラ等の撮像機器をユーザー端末10に接続するためのインターフェースであってもよい。撮像部16は、ユーザーの顔を撮像可能な位置に設置されることが望ましい。この場合、撮像部16は、ユーザーの顔を撮像し、静止画像又は動画像のデータ(以下「撮像画像データ」という。)を生成する。撮像部16は、生成した撮像画像データを制御部18に出力する。撮像画像データは、提供動画像の一態様である。提供動画像とは、ユーザー端末10や情報機器から他のユーザー端末10へ提供される動画像である。提供動画像の具体例には、ユーザー端末10の撮像部16によって撮像されている動画像(撮像画像データ)、ユーザー端末10において共有されている画面(以下「共有画面」という。)を示す動画像、がある。共有画面とは、例えばそのユーザーによって選択されたウィンドウ、選択されたファイルを表示するウィンドウ、選択されたデスクトップ、等の画面である。共有画面を示す動画像では、その画面に対してユーザーが行った操作が随時反映されてもよい。例えば、ユーザーがカーソルの位置を操作する場合には、そのカーソルの表示位置が共有画面において操作に応じて変化する。
【0021】
記憶部17は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部17は、制御部18によって使用されるデータを記憶する。記憶部17は、例えばユーザー情報記憶部171として機能してもよい。ユーザー情報記憶部171は、ユーザー端末10を操作するユーザーに関する情報(以下「ユーザー情報」という。)を記憶する。ユーザー情報は、例えばユーザーのハンドルネーム、ユーザーのアイコンデータ、ユーザーの属性情報を含んでもよい。ハンドルネームとは、ユーザーが会話制御システム100において会話を行う際に使用する名前(ニックネーム又は本名)である。アイコンデータとは、ユーザーが会話制御システム100において会話を行う際に使用する画像データである。属性情報は、例えばユーザーの年齢、性別、所属に関する情報を含んでもよい。
【0022】
制御部18は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部18は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、表示制御部181、会議制御部182及び会話制御部183として機能する。なお、制御部18の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0023】
表示制御部181は、通信部11を介して会話制御装置20から表示情報を受信する。表示制御部181は、取得された表示情報に基づいて画像信号を生成し、表示部13に表示させる。このとき、表示制御部181は、会話制御システム100のアプリケーションが動作しているアプリケーションの表示領域内で表示制御を行う。例えば、会話制御システム100のアプリケーションがWEBブラウザである場合には、WEBブラウザのウィンドウ内で表示制御が行われる。WEBブラウザが全画面表示されている場合には、表示部13の表示画面全体で表示制御が行われる。
【0024】
表示情報は、例えば表示される画像そのものを示す画像データであってもよい。この場合、画像データを生成する主体(画像データ生成部)は会話制御装置20の表示情報生成部233である。表示情報は、例えば表示される画像を生成するために必要となる情報(例えば、会議室に関する情報(参加者、参加人数など)、表示される分割領域数、各分割領域に表示される画像領域の形状、会議室の位置、大きさ及び表示態様や、ユーザーの位置及びアイコン画像を示す情報)を示すデータであってもよい。この場合、表示制御部181は、表示情報に基づいて、表示部13に表示するための画像データを生成する。この場合、画像データを生成する主体(画像データ生成部)は表示制御部181である。
【0025】
会議制御部182は、会話制御装置20において仮想的に設けられる会議に関する制御を行う。例えば、ユーザーが操作部12を操作することによって新規の会議室を設置することを指示した場合、会議制御部182は、新規の会議室を設置するための処理を行う。会議制御部182は、自装置(ユーザー端末10)のユーザーが撮像画像データを他のユーザー端末10へ送信する設定を行っている場合、撮像部16によって撮像された撮像画像データを他の装置へ送信する。送信先となる他の装置は、例えば会話制御装置20であってもよい。この場合、自装置(ユーザー端末10)と同じ会議室に接続している他のユーザー端末10に対して、会話制御装置20を介して撮像画像データが送信される。送信先となる他の装置は、自装置(ユーザー端末10)と同じ会議室に接続している他のユーザー端末10であってもよい。会議制御部182は、自装置(ユーザー端末10)のユーザーが共有画面を他のユーザー端末10へ送信する設定を行っている場合、自装置における共有画面を示す動画像のデータを他の装置へ送信する。送信先となる他の装置は、例えば会話制御装置20であってもよい。この場合、自装置(ユーザー端末10)と同じ会議室に接続している他のユーザー端末10に対して、会話制御装置20を介して共有画面の動画像データが送信される。送信先となる他の装置は、自装置(ユーザー端末10)と同じ会議室に接続している他のユーザー端末10であってもよい。
【0026】
会話制御部183は、会話制御システム100に参加する複数のユーザーの間で行われる会話に関する制御を行う。複数のユーザーの会話は、例えば設置された会議室に参加する複数のユーザーの間の会話(以下「会議室会話」という。)として行われても良い。自装置(ユーザー端末10)のユーザーが会話に参加している場合には、会話制御部183は自装置のユーザーを含む複数のユーザーの間で行われる会話を制御する。この場合、会話制御部183は、例えば音声入力部14から入力された音声データを、通信部11を介して会話制御装置20へ送信する。会話制御部183は、会話制御装置20から音声データを受信すると、受信された音声データを音声出力部15から出力する。自装置(ユーザー端末10)のユーザーが会話に参加していない場合には、会話制御部183は自装置のユーザーを含まない複数のユーザーの間で行われる会話を制御する。この場合、会話制御部183は、他のユーザーの間で行われる会話の音声データを受信して音声出力部15から出力する。音声出力部15から出力される音声データは、会話制御装置20を介して他のユーザー端末10から受信されてもよいし、会話制御装置20の制御に従って接続された他のユーザー端末10から直接受信してもよい。
【0027】
図3は、会話制御装置20の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。会話制御装置20は、例えばパーソナルコンピューターやサーバー装置などの情報処理装置を用いて構成される。会話制御装置20は、通信部21、記憶部22及び制御部23を備える。
【0028】
通信部21は、通信機器である。通信部21は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部21は、制御部23の制御に応じて、ネットワーク90を介して他の装置とデータ通信する。通信部21は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0029】
記憶部22は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部22は、制御部23によって使用されるデータを記憶する。記憶部22は、例えば会議室情報記憶部221として機能してもよい。
【0030】
会議室情報記憶部221は、会議室に関する情報(以下「会議室情報」という。)を記憶する。会議室とは、会話制御システム100においてユーザーが会話を行うために設置する仮想的な部屋である。会議室情報は、例えばその会議室に設定されている名前を示す情報を含んでもよい。会議室情報は、さらに、その会議室に現在入室しているユーザーを示す情報を含んでもよい。
【0031】
制御部23は、CPU等のプロセッサーとメモリーとを用いて構成される。制御部23は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、ユーザー制御部231、会議室制御部232、表示情報生成部233及び会話制御部234として機能する。なお、制御部23の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0032】
ユーザー制御部231は、ユーザーに関する制御処理を行う。例えば、ユーザー制御部231は、会話制御装置20にアクセスしてくるユーザーについてログインのための処理(例えば認証処理)を行ってもよい。
【0033】
会議室制御部232は、会議室に関する制御処理を行う。例えば、会議室制御部232は、会議室を新たに設置することについてユーザー端末10から指示を受けた場合には、受信される情報に基づいて会議室情報を生成し、会議室情報記憶部221に登録してもよい。会議室制御部232は、ユーザーによって会議室へ参加するための所定の操作が行われた場合、所定の条件が満たされると、その会議室へユーザーを参加させるための処理を行う。例えば、会議室制御部232は、会議室情報記憶部221を更新することによって、会議室に新たなユーザーが参加したことを登録する。
【0034】
表示情報生成部233は、ユーザー端末10において表示される画像の生成に必要となる情報(表示情報)を生成する。表示情報は、例えば分割領域数、各分割領域に表示される画像領域の形状、現在設置されている会議室に関する情報や、会話制御装置20にアクセスしている各ユーザー端末10のユーザーに関する情報を含んでもよい。表示情報生成部233は、生成された表示情報を、ユーザー端末10に対して送信する。
【0035】
会話制御部234は、ユーザー端末10から音声データを受信する。会話制御部234は、各ユーザー端末10に対して出力されるべき音声データ(以下「会話音声データ」という。)を生成し、各ユーザー端末10に会話音声データを送信する。会話制御部234は、例えば各ユーザー端末10のユーザーがどのような会話に参加しているかに基づいて会話音声データを生成してもよい。例えば、会話制御部234は、各ユーザーのユーザー端末10に対し、そのユーザーが入室している会議室に参加している全ユーザーのユーザー端末10から受信された音声を含む会話音声データを送信してもよい。
【0036】
次に、ユーザー端末10において表示される画像と、各画像が表示されている場合に出力される会話音声データとの関係について説明する。
【0037】
図4は、ユーザー端末10の表示部13に表示される画像の具体例を示す図である。
図4において、表示部13には、会議室領域画像30、会話領域31、聞き耳領域32、アイコン画像41、操作領域画像501が表示されている。表示部13には、会議室を設置可能な仮想空間の画像が表示される。仮想空間は、主に会議室の領域と、会議室外の領域と、で構成される。会議室の領域は、会議室領域画像30として表示される。会議室外の領域(以下「室外領域」という。)は、符号91で表される領域であり、会議室に入室していないユーザーのアイコン画像41が表示される領域である。
【0038】
会議室領域画像30は、会話領域31と聞き耳領域32とを含む。会話領域31にアイコン画像41が表示されているユーザーは、同じ会議室の会話領域31にアイコン画像41が表示されている他のユーザーと会話をすることができる。すなわち、会話領域31にアイコン画像41が表示されている各ユーザーの音声は、お互いに送受信される。以下の説明では、会議室に入室するということは、会話領域31にアイコン画像41が表示されることを示す。すなわち、会議室に入室するということは、他の入室者と会話を行うことが可能な状態になることを示す。
【0039】
聞き耳領域32にアイコン画像41が表示されているユーザー(以下「聞き耳ユーザー」という。)は、その会議室の会話領域31にアイコン画像41が表示されているユーザー(入室しているユーザー)の会話を聞くことができる。ただし、聞き耳ユーザーは、その会議室において発言することができない。すなわち、聞き耳ユーザーが発話した音声は、その会議室に入室している他のユーザーのユーザー端末10や、その会議室における他の聞き耳ユーザーのユーザー端末10において出力されない。
【0040】
会議室領域画像30は、所定の大きさの領域を示す幾何学形状の画像として表される。本実施形態の例では、会議室領域画像30は、円形の画像として表される。会議室領域画像30の中央付近には、会議室の名称311が表示される。
図4の例では、“雑談”が会議室の名称である。会議室の名称が表示されることによって、室外領域91に位置するユーザーであっても、その会議室に入室することなくおおよそその会議室でどのような会話が行われているか推察することが可能となる。
【0041】
会議室領域画像30の内側には、入室ボタン312及び詳細ボタン313が表示されてもよい。入室ボタン312は、その会議室に入室することを要求するためのボタンである。室外領域91に位置するユーザーによって入室ボタン312が操作されることに応じて、そのユーザーがその会議室に入室することを要求していることを会議室制御部232が判断する。会議室制御部232は、その要求に応じて入室を許可するか否か判定し、判定結果に応じてユーザーの入室を制御する。
【0042】
詳細ボタン313は、その会議室に関する詳細な情報を表示させるためのボタンである。詳細ボタン313が操作されることに応じて、詳細表示領域が画面に表示される。詳細表示領域には、その会議室に関する詳細な情報と、その会議室について操作を行うためのボタンや入力枠が表示される。例えば、会議室の名称、会議室の名称を変更するためのボタン、変更後の会議室の名称を入力するための入力枠、等が表示されてもよい。
【0043】
アイコン画像41は、ユーザーの仮想的な位置とユーザーに関する情報を示す画像である。アイコン画像41は、例えばユーザー情報に含まれるアイコンデータにしたがって表示されてもよい。
【0044】
図5は、ユーザー端末10の表示部13に表示される画像の具体例を示す図である。
図5の例では、2名分のユーザーのアイコン画像41(41_1及び41_2)と、1つの会議室の会議室領域画像30とが表示されている。会議室領域画像30によって示される会議室には、どのユーザーもまだ参加していない。2名のユーザーは、どの会議室にも参加していない。そのため、アイコン画像41_1及びアイコン画像41_2は、会議室領域画像30の内側ではなく室外領域91に表示されている。
【0045】
会議室に参加を希望するユーザーは、所定の操作を行うことで会議室に参加(入室)することができる。例えば、参加を希望する会議室領域画像30における入室ボタン312を操作することで、その会議室に参加することができる。なお、入室するための操作は上述したものに限定される必要は無い。会議室に対して入室制限が設定されている場合には、入室制限において入室が許可されているユーザーのみがその会議室に入室することができる。
【0046】
図6は、ユーザー端末10の表示部13に表示される画像の具体例を示す図である。
図6の例では、雑談がテーマの会議室に対して1名のユーザーが参加している。そのため、雑談がテーマの会議室を示す会議室領域画像30の内側に、1名分のユーザーのアイコン画像41(41_2)が表示されている。この時点では、アイコン画像41_2のユーザーと同じ会議室に参加している他のユーザーはいない。そのため、アイコン画像41_2のユーザーは、雑談がテーマの会議室において、他のユーザーと会話を行うことができない。
【0047】
室外領域91にいるアイコン画像41_1のユーザーが、雑談がテーマの会議室への参加のための操作を行うと、その会議室に参加しているユーザーに対して、参加を希望しているユーザーがいることが通知される。例えば、所定の音(例えばドアをノックする音)が、各ユーザーのユーザー端末10において出力されても良い。通知対象となるユーザーは、その会議室に参加している全てのユーザーであってもよいし、所定の一部のユーザー(例えばその会議室の管理者であるユーザー)のみであってもよい。
【0048】
通知がなされた後に、所定の条件が満たされると、アイコン画像41_1のユーザーは雑談がテーマの会議室へ参加することができる。所定の条件は、例えば単に所定の時間(例えば1秒、3秒、5秒など)が経過したことであってもよいし、所定のユーザー(例えばその会議室の管理者、参加者など)によって参加が許可されたことであってもよいし、その会議室に予め設定されている参加条件が満たされたことであってもよい。また、所定の条件が設定されていなくてもよい。その場合は、参加を希望したユーザーの全員がその会議室(例えば雑談がテーマの会議室)へ参加することができる。
【0049】
図7は、ユーザー端末10の表示部13に表示される画像の具体例を示す図である。
図7の例では、雑談がテーマの会議室に対して2名のユーザーが参加している。そのため、雑談がテーマの会議室を示す会議室領域画像30の内側に、2名分のユーザーのアイコン画像41(41_1及び41_2)が表示されている。この時点では、アイコン画像41_1のユーザーとアイコン画像41_2のユーザーとが同じ会議室に参加している。そのため、アイコン画像41_1のユーザーとアイコン画像41_2のユーザーとは、雑談がテーマの会議室において会話を行うことができる。すなわち、同じ会議室に参加しているユーザー同士は、ユーザー端末10を用いて会話を行うことができる。
【0050】
より具体的には以下の通りである。会議室に参加しているユーザーのユーザー端末10は、同じ会議室に参加していている他のユーザーが発話した音声データを受信し、出力する。また、会議室に参加しているユーザーのユーザー端末10は、そのユーザーが発話した音声データを会話制御装置20に送信する。この送信により、同じ会議室に参加していている他のユーザーのユーザー端末10において、その音声データが出力される。室外領域91にいるアイコン画像41_3のユーザーが、雑談がテーマの会議室への参加のための操作を行うと、所定の条件が満たされた後に、アイコン画像41_3のユーザーは雑談がテーマの会議室へ参加することができる。
【0051】
図8は、ユーザー端末10の表示部13に表示される画像の具体例を示す図である。
図8の例では、雑談がテーマの会議室に対して3名のユーザーが参加している。そのため、雑談がテーマの会議室を示す会議室領域画像30の内側に、3名分のユーザーのアイコン画像41(41_1、41_2及び41_3)が表示されている。この時点では、アイコン画像41_1のユーザーとアイコン画像41_2のユーザーとアイコン画像41_3のユーザーとが同じ会議室に参加している。そのため、アイコン画像41_1のユーザーとアイコン画像41_2のユーザーとアイコン画像41_3のユーザーとは、雑談がテーマの会議室において会話を行うことができる。なお、4名以上のユーザーが同一の会議室に参加する場合も同様である。
【0052】
図9は、ユーザー端末10の表示部13に表示される画像の具体例を示す図である。
図9の例では、雑談がテーマの会議室に対して6名のユーザーが参加している。
図9の例では、ユーザー端末10はビデオ会話モードで動作している。ビデオ会話モードでは、同じ会議室(
図9では雑談がテーマの会議室)に参加しているユーザー毎に縮小部分領域51が表示される。縮小部分領域51は、その縮小部分領域51に対応づけられたユーザーのユーザー端末10から提供される文字や静止画像や動画像(提供動画像)を表示可能な領域である。
【0053】
縮小部分領域51には、上述したもの以外の種類の動画像が提供動画像として表示されてもよい。
図9の例では、各縮小部分領域51には、ユーザー端末10の撮像部16によって撮像されている各ユーザーの顔を含む提供動画像が表示されている。
【0054】
図9の例では、表示部13の画面の一部(例えば右端付近)に部分リスト領域50が設けられる。部分リスト領域50には、所定数以下(
図9の例では7つ以下)の縮小部分領域51が並べられて表示される。
図9の例では、雑談がテーマの会議室に参加している5名のユーザー全員分のユーザーの縮小部分領域51が表示されている。
【0055】
仮に、所定数よりも多い人数の参加者がいる場合、所定数を超えた人数分の縮小部分領域51は表示されない。ただし、部分リスト領域50に表示される縮小部分領域51の数が何らかの理由で減った場合には、それまで表示されていなかったユーザーの縮小部分領域51が部分リスト領域50に表示されてもよい。また、部分リスト領域50に表示される縮小部分領域51はスクロール表示されてもよい。例えば、
図9の画面において、下方向に部分リスト領域50の表示がスクロールされた場合、上端にあった縮小部分領域51は表示されなくなり、それまで表示されていた2番目~7番目までの縮小部分領域51_はそれぞれ一つ上に移動し、それまで表示されていなかった8番目の縮小部分領域51が下端に表示されてもよい。
【0056】
図10は、ユーザー端末10の表示部13に表示される画像の具体例を示す図である。
図10の例では、縮小部分領域51_1に表示されていたユーザーの画像が、部分領域52_1に表示されている。ユーザー端末10の表示部13に表示されている縮小部分領域51に対してユーザーが所定の操作(例えばタッチ、クリック等:以下「拡大表示操作」という。)を行うと、操作された縮小部分領域51は部分領域52として表示される。部分領域52は、縮小部分領域51よりも面積が広い。部分領域52には、縮小部分領域51に表示されていた画像と同じものが拡大されて表示される。部分領域52は、例えば部分リスト領域50以外の領域に1又は複数表示される。部分領域52に表示されているユーザーに対応する縮小部分領域51は、部分リスト領域50から削除されてもよい。
図10の例では、もともと部分リスト領域50に表示されていた縮小部分領域51_1に対して操作がなされたため、部分領域52_1が表示されている。その際に、縮小部分領域51_1は部分リスト領域50から削除された。この削除に伴って、縮小部分領域51_2~51-5は、一つずつ表示位置が上方に移動している。
【0057】
図11は、ユーザー端末10の表示部13に表示される画像の具体例を示す図である。
図11の例では、縮小部分領域51_1及び51_4に表示されていたユーザーの画像が、それぞれ部分領域52_1及び52_4に表示されている。このような表示は、例えばもともと部分リスト領域50に表示されていた縮小部分領域51_1及び51_4に対してそれぞれ操作がなされた結果として表示される。部分領域52が複数表示される場合には、各部分領域52の大きさが同じ大きさとして表示されてもよいし、一部又は全ての部分領域52の大きさが他の部分領域52の大きさと異なるように表示されてもよい。
図11の例では、各部分領域52は同じ大きさで表示される。
【0058】
図12は、ユーザー端末10の表示部13に表示される画像の具体例を示す図である。
図12の例では、部分リスト領域50に表示されていた全ての縮小部分領域51に対して操作された結果、全てのユーザーについて部分領域52が表示されている。全てのユーザーについて部分領域52が表示されている場合には、部分リスト領域50が設けられなくてもよい。この場合、部分リスト領域50として使用されていた領域も、部分領域52の表示領域として使用される。そのため、部分領域52をより広く表示することが可能となる。
【0059】
図10~
図12に示されるように、表示部13には部分領域個別操作ボタンと、部分領域全体操作ボタン505が表示される。部分領域個別操作ボタンには、個別拡大ボタン53及び縮小ボタン54が含まれる。部分領域個別操作ボタンは、部分領域52毎に表示される。部分領域全体操作ボタン505は、表示部13の画面に一つ表示される。個別拡大ボタン53が操作された場合、その部分領域52は、他の部分領域52よりもさらに大きな領域として拡大表示される。このとき、他の部分領域52は表示されなくてもよい。部分領域52が拡大表示されている際には、戻るボタンも表示される。戻るボタンが操作された場合、個別拡大ボタン53が操作される直前の表示状態に戻る。縮小ボタン54が操作された場合、そのユーザーについて部分領域52が消去され、部分リスト領域50に縮小部分領域51が表示される。
【0060】
部分領域全体操作ボタン505には、全画面ボタン、全て閉じるボタン、非表示ボタンが含まれても良い。これらのボタンは、例えば部分領域全体操作ボタン505を操作することによって表示されてもよい。全画面ボタンが操作されると、部分領域52が表示されたままの状態で全画面表示が行われる。全て閉じるボタンが操作されると、全ての部分領域52が消去され、部分リスト領域50に可能な限り全ての縮小部分領域51が表示される。すなわち、部分領域52が一つも表示されていない状態に表示が戻る。非表示ボタンが操作されると、全ての部分領域52の表示が一時的に消去され、その背景にもともと表示されていた会議室領域画像30が表示される。このような表示の状態では、会議室領域画像30やアイコン画像41に対する操作が有効となる。一方で、部分領域52が一つでも表示されている場合には、会議室領域画像30やアイコン画像41に対する操作が無効となる。非表示ボタンが操作された際には、戻るボタンも表示される。戻るボタンが操作された場合、非表示ボタンが操作される直前の表示状態に戻る。
【0061】
図13は、縮小部分領域51において画面共有が実行されている状態の具体例を示す図である。縮小部分領域51_10、縮小部分領域51_11及び縮小部分領域51_12では、縮小部分領域51に応じたユーザーによって画面共有の操作が行われた結果、共有画面の動画像が提供動画像として表示されている。このように、複数のユーザーによって同じタイミングに画面共有が行われても良い。
【0062】
図14は、縮小部分領域51及び部分領域52において画面共有が実行されている状態の具体例を示す図である。
図14の例では、縮小部分領域51_10及び縮小部分領域51_12において所定の操作が行われた結果、縮小部分領域51_10及び51_12に表示されていた共有画面の画像が、それぞれ部分領域52_10及び52_12に表示されている。このように、複数の部分領域52において、それぞれ異なるユーザーによって並行して行われている画面共有が表示されてもよい。
【0063】
次に、ユーザー端末10の表示内容の決定処理について説明する。決定される表示内容の具体例として、各ユーザーの表示領域を縮小部分領域51に割り当てるか部分領域52に割り当てるかを示す情報(以下「領域割当情報」という。)がある。領域割当情報は、縮小部分領域51に割り当てられるユーザーを示す情報と、部分領域52に割り当てられるユーザーを示す情報と、を含んでもよい。領域割当情報は、例えばユーザー端末10の表示制御部181によって決定されてもよいし、会話制御装置20の表示情報生成部233によって決定されてもよい。以下の説明では、ユーザー端末10の表示制御部181が領域割当情報を決定する場合を例に説明する。表示制御部181は、決定された領域割当情報に基づいて表示部13に表示される画像を生成する。
【0064】
領域割当情報の決定において、表示制御のモードとして複数のモードがあってもよい。例えば、手動モード、自動モード、フォーカスモードの3つのモードが定義されていてもよい。各ユーザー端末10において、それぞれユーザーによって表示制御のモードが設定されてもよいし、会議室毎に表示制御のモードが設定されてもよい。
【0065】
手動モードでは、ユーザー端末10のユーザーの操作に応じて、領域割当情報が決定される。例えば、初期状態では
図9に示されるように同じ会議室に接続している全てのユーザー(以下「接続ユーザー」という。)が縮小部分領域51に割り当てられる。その後、縮小部分領域51においてそのユーザーを部分領域52として表示するための操作(拡大表示操作)が行われた場合、そのユーザーが部分領域52に割り当てられる。例えば、
図9の表示から
図10の表示に変更するように処理が行われる。また、部分領域52においてそのユーザーを縮小部分領域51として表示するための操作(例えば縮小ボタン54の操作)が行われた場合、そのユーザーが縮小部分領域51に割り当てられる。
【0066】
自動モードでは、提供動画像を送信しているユーザーは部分領域52に割り当てられ、提供動画像を送信していないユーザーは縮小部分領域51に割り当てられる。
図15は、自動モードにおける表示例を示す図である。
図15では、3人のユーザーが撮像画像データ(提供動画像の具体例)を送信しており、2人のユーザーは提供動画像を送信していない。そのため、提供動画像を送信している3人のユーザーは部分領域52に割り当てられ、提供動画像を送信していない2人のユーザーは縮小部分領域51に割り当てられている。
図15では、提供動画像を送信している3人のユーザーの部分領域52として、部分領域52_1、52_4及び52_5が表示されている。また、提供動画像を送信していない2人のユーザーの縮小部分領域51として、縮小部分領域51_2及び51_3が表示されている。
【0067】
自動モードでは、初期状態として上述したような割当が行われ、その後はユーザーの操作に応じて割当を変更しても良い。例えば、部分領域52においてそのユーザーを縮小部分領域51として表示するための操作(例えば縮小ボタン54の操作)が行われた場合、そのユーザーが縮小部分領域51に割り当てられてもよい。具体的には以下の通りである。
図15の状態で、部分領域52_4の縮小ボタン54が操作されると
図16のように表示される。すなわち、縮小ボタン54が操作された部分領域52_4のユーザーは縮小部分領域51に割り当てられる。
【0068】
例えば、部分領域52においてそのユーザーをさらに拡大して表示するための操作(例えば個別拡大ボタン53の操作)が行われた場合、そのユーザーのみがさらに大きな部分領域52に表示され、他のユーザーは部分領域52としては表示されない。具体的には以下の通りである。
図15の状態で、部分領域52_1の個別拡大ボタン53が操作されると
図17のように表示される。すなわち、個別拡大ボタン53が操作された部分領域52_1のユーザーのみが部分領域52に割り当てられ、他の全てのユーザーは縮小部分領域51に割り当てられる。そのため、その操作の後、部分領域52_1のみが大きな領域で表示される。そして、他のユーザーの画像はたとえ提供動画像を送信しているユーザーであっても部分領域52ではなく縮小部分領域51として表示される。
【0069】
図17のように個別拡大ボタン53の操作によって表示された部分領域52には、個別拡大ボタン53に代えて個別拡大停止ボタン55が表示されてもよい。個別拡大停止ボタン55が操作されると、その時点で提供動画像を送信しているユーザーが部分領域52に割り当てられ、その時点で提供動画像を送信していないユーザーが縮小部分領域51に割り当てられて、改めて画面が生成される。
【0070】
自動モードでは、対象ユーザーと非対象ユーザーとに分けて割当が変更されてもよい。対象ユーザーは、部分領域52に割り当てるか否かの判定対象となるユーザーである。非対象ユーザーは、部分領域52に割り当てるか否かの判定対象とならないユーザーであり、部分領域52として表示されることが無いユーザーである。自動モードでは、初期状態において接続ユーザーの全てが対象ユーザーに設定されている。そのため、初期状態では、
図15に示されるように提供動画像を送信している全てのユーザーは部分領域52に表示され、提供動画像を送信していないユーザーのみが縮小部分領域51に表示されている。部分領域52において縮小ボタン54が操作されると、その部分領域52のユーザーは対象ユーザーではなく非対象ユーザーとして設定される。その場合、非対象ユーザーとして設定されたユーザーは、たとえ提供動画像を送信したとしても、部分領域52に表示されることなく、縮小部分領域51に表示される。また、手動モードから自動モードに遷移する際には、遷移直前の手動モード時の部分領域52に表示されているユーザーが、遷移直後の自動モードの初期状態における対象ユーザーに設定されても良い。
【0071】
具体的には以下の通りである。
図15の状態で、部分領域52_1の縮小ボタン54が操作されると、
図18のように表示される。すなわち、縮小ボタン54が操作された部分領域52_1のユーザーは、非対象ユーザーとして設定される。そのため、部分領域52_1のユーザーは、たとえ提供動画像を送信していても、縮小部分領域51に割り当てられる。そのため、その操作の後、部分領域52_1のユーザーは縮小部分領域51_1に表示される。一方、対象ユーザーに設定されているユーザーのうち、提供動画像を送信しているユーザーは、部分領域52(52_4及び52_5)に表示される。
【0072】
非対象ユーザーとして設定されたユーザーは、その後に所定の条件を満たすことによって再び対象ユーザーとして設定されてもよい。例えば、このユーザーが一度提供動画像の送信を停止した後に、改めて提供動画像の送信を開始したことを条件として、再び対象ユーザーとして設定されてもよい。例えば、このユーザーの縮小部分領域51において、拡大表示操作が行われたことを条件として、再び対象ユーザーとして設定されてもよい。例えば、全ての接続ユーザーを一斉に対象ユーザーとして設定するための操作(例えばそのような定義がされた全拡大ボタンの操作)が行われたことを条件として、非対象ユーザーを含む接続ユーザー全てが対象ユーザーに設定されてもよい。
【0073】
全拡大停止ボタンが表示されてもよい。全拡大停止ボタンが操作されると、全てのユーザーは非対象ユーザーに設定される。この場合、全てのユーザーは、提供動画像を送信しているか否かに関わらず、縮小部分領域51に表示される。以上で、自動モードに関する説明を終える。
【0074】
次にフォーカスモードについて説明する。フォーカスモードでは、最大で1名のユーザーのみが部分領域52に表示される。他のユーザーは、例えば縮小部分領域51に表示される。
図19は、フォーカスモードに設定された初期状態の表示例を示す図である。この時点では、どのユーザーもフォーカス対象として選択されていないため、部分領域52は表示されず、接続ユーザー全ては縮小部分領域51に表示される。
図19の状態で、縮小部分領域51において拡大表示操作が行われると、そのユーザーのみが部分領域52に表示される。例えば、
図19において縮小部分領域51_3のユーザーに対して拡大表示操作が行われると、このユーザーのみが部分領域52(52_3)に割り当てられる。
図20は、そのような操作後の表示例を示す図である。
【0075】
フォーカスモードでは、部分領域52が表示されている状態で縮小部分領域51において拡大表示操作が行われると、拡大表示操作が行われたユーザーのみが部分領域52に割り当てられ、それまで部分領域52に表示されていたユーザーは縮小部分領域51に割り当てられる。例えば
図20において、縮小部分領域51_2において拡大表示操作が行われると、
図21のように表示が遷移する。すなわち、部分領域52_3に表示されていたユーザーは縮小部分領域51_3に表示され、拡大表示操作が行われた縮小部分領域51_2のユーザーは部分領域52_2に表示される。また、フォーカスモードから自動モードに遷移する際には、遷移直前のフォーカスモード時の部分領域52に表示されているユーザーが、遷移直後の自動モードの初期状態における対象ユーザーに設定されても良い。
【0076】
上述した処理は、例えば表示制御部181によって実行される。表示情報生成部233によって行われる場合も同様の処理となる。なお、上記の処理を実行する表示制御部181は、例えば予めユーザー端末10にインストールされているアプリケーションによって実行されてもよい。また、以下の処理を実行する表示制御部181は、ユーザーによって操作される情報処理装置が会話制御システム100のユーザー端末10として動作する都度、以下の処理を実行するためのアプリケーションを会話制御装置20等のサーバーからダウンロードし、アプリケーションが実行されることによって実現されてもよい。
【0077】
このように構成された会話制御システム100では、1又は複数の他のユーザーと会話する際に、ユーザーにとってより利便性が高い画面表示を実現することが可能となる。具体的には以下の通りである。会話制御システム100の自動モードでは、各ユーザーに関する画像(例えば文字、静止画像又は動画像)を縮小部分領域51に表示するか部分領域52に表示するかが、そのユーザーから提供動画像が送信されているか否かに基づいて決定される。例えば、提供動画像を送信しているユーザーについては、提供動画像を送信していないユーザーに比べて相対的に大きな領域(例えば部分領域52)に表示される。単に文字や静止画像に比べて、提供動画像の方が、より有益な情報を含んでいる可能性が高い。そのため、提供動画像が優先的により大きな領域に表示されることによって、ユーザーにとって利便性が高い画面表示を実現することが可能となる。
【0078】
また、会話制御システム100では、接続ユーザーのうち、提供動画像の送信に伴ってより大きな領域で表示する対象とするユーザー(対象ユーザー)と、対象とならないユーザー(非対象ユーザー)とをそれぞれ設定することができる。そのため、ユーザーにとってより利便性が高い画面表示を実現することが可能となる。
【0079】
なお、提供動画像のデータは、提供元(例えば共有元)のユーザー端末10から会話制御装置20を経由して提供先のユーザー端末10に送信されてもよいし、提供元のユーザー端末10から会話制御装置20を経由せずに提供先のユーザー端末10に送信されてもよい。
【0080】
会話制御部183又は会話制御部234は、部分領域52に表示されているユーザーの音声が、縮小部分領域51に表示されているユーザーの音声よりも大きく出力されるように制御を行ってもよい。
【0081】
図22は、本実施形態に適用される情報処理装置900のハードウェア構成例の概略を示す図である。情報処理装置900は、プロセッサー901、主記憶装置902、通信インターフェース903、補助記憶装置904、入出力インターフェース905及び内部バス906を備える。プロセッサー901、主記憶装置902、通信インターフェース903、補助記憶装置904及び入出力インターフェース905は、内部バス906を介して互いに通信可能に接続される。情報処理装置900は、例えばユーザー端末10及び会話制御装置20に適用されてもよい。この場合、例えば通信部11及び通信部21は通信インターフェース903を用いて構成されてもよい。例えば記憶部17及び記憶部22は補助記憶装置904を用いて構成されてもよい。また、制御部18及び制御部23は、プロセッサー901及び主記憶装置902を用いて構成されてもよい。
【0082】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0083】
100…会話制御システム, 10…ユーザー端末, 20…会話制御装置, 11…通信部, 12…操作部, 13…表示部, 14…音声入力部, 15…音声出力部, 16…撮像部, 17…記憶部, 171…ユーザー情報記憶部, 18…制御部, 181…表示制御部, 182…会議制御部, 183…会話制御部, 21…通信部, 22…記憶部, 221…会議室情報記憶部, 23…制御部, 231…ユーザー制御部, 232…会議室制御部, 233…表示情報生成部, 234…会話制御部, 30…会議室領域画像, 31…会話領域, 311…会議室の名称, 312…入室ボタン, 313…詳細ボタン, 32…聞き耳領域, 41…アイコン画像, 91…室外領域
【要約】
【課題】複数の動画像の提供が可能なシステムにおいて、ユーザーにとってより利便性が高い画面表示を実現すること。
【解決手段】ネットワークを介してユーザーと他のユーザーとが会話を行うための仮想的な会議室において、前記ユーザーと同じ会議室に参加している1又は複数の他のユーザー毎に、前記他のユーザーのユーザー端末から提供される画像を表示可能な部分領域及び縮小部分領域を前記ユーザーのユーザー端末の画面に表示させる制御部を備え、前記縮小部分領域は前記部分領域よりも相対的に小さい領域であり、前記制御部は、動画像を送信しているユーザーを前記部分領域に割り当て、動画像を送信していないユーザーを前記縮小部分領域に割り当てて表示する、制御システムである。
【選択図】
図1