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特許7515730オプトエレクトロニクス半導体部品、およびオプトエレクトロニクス半導体部品の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】オプトエレクトロニクス半導体部品、およびオプトエレクトロニクス半導体部品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/58 20100101AFI20240705BHJP
   H01L 31/02 20060101ALI20240705BHJP
   H01L 31/0232 20140101ALI20240705BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20240705BHJP
【FI】
H01L33/58
H01L31/02 B
H01L31/02 D
H01L33/62
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2023541776
(86)(22)【出願日】2021-12-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2024-01-24
(86)【国際出願番号】 EP2021087259
(87)【国際公開番号】W WO2022152534
(87)【国際公開日】2022-07-21
【審査請求日】2023-07-10
(31)【優先権主張番号】102021100530.2
(32)【優先日】2021-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】599133716
【氏名又は名称】エイエムエス-オスラム インターナショナル ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】ams-OSRAM International GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D-93055 Regensburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ツィッツルスペルガー ミヒャエル
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-112833(JP,A)
【文献】米国特許第06075237(US,A)
【文献】特開2002-247288(JP,A)
【文献】特開2012-227363(JP,A)
【文献】特開2019-102614(JP,A)
【文献】特開2017-003751(JP,A)
【文献】特開2017-116890(JP,A)
【文献】特開平06-077540(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
H01L 31/00-31/02
H01L 31/08-31/18
H01S 5/00- 5/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
-電磁放射線を放射または検出するように構成された光学活性領域(100)を有する半導体本体(10)と、
-キャリア(20)と、
-成形体(30)と、
-支持構造体(401)およびダイヤフラム(402)を備える予め作られた光学シールド(40)と、
-前記キャリア(20)の前面(20A)上に配置された制御素子(80)と、を備え、
-前記半導体本体(10)は、前記制御素子(80)の前記キャリア(20)とは反対側の側面に配置され、
記成形体(30)は、前記キャリア(20)の前面(20A)に配置され、
-前記成形体(30)は、前記半導体本体(10)を横方向(X)に少なくとも部分的に取り囲み、
-前記光学シールド(40)は、前記成形体(30)の、前記キャリア(20)とは反対側の側面に配置され、前記半導体本体(10)の方向の横方向(X)に前記成形体(30)を越えて突出し、
-前記ダイヤフラム(402)は、前記光学活性領域(100)と位置合わせされた開口部(402A)を有し、
-ダム構造体(70)が、横方向(X)において前記半導体本体(10)に隣接して配置され、前記半導体本体(10)を少なくとも部分的に取り囲
前記ダム構造体(70)は前記ダイヤフラム(402)と接触する、オプトエレクトロニクス半導体部品(1)。
【請求項2】
前記光学シールド(40)は、前記光学シールド(40)の前記成形体(30)とは反対側に配置された保護層(403)を含む、請求項1に記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(1)。
【請求項3】
前記保護層(403)は、前記光学シールド(40)を前記成形体(30)に機械的に接続する、請求項2に記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(1)。
【請求項4】
前記保護層(403)は、ポリシロキサンで形成される、請求項2または3に記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(1)。
【請求項5】
前記光学シールド(40)は、垂直方向(Y)において前記成形体(30)に組み込まれる、請求項1~4のいずれか一項に記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(1)。
【請求項6】
前記ダム構造体(70)は、前記光学シールド(40)の前記キャリア(20)に面する側面に接触する、請求項1~5のいずれか一項に記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(1)。
【請求項7】
前記キャリア(20)、前記成形体(30)、および前記光学シールド(40)は、前記オプトエレクトロニクス半導体部品(1)のための収容部を形成する、請求項1~6のいずれか一項に記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(1)。
【請求項8】
少なくとも1つの側面(1A)は平面である、請求項1~7のいずれか一項に記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(1)。
【請求項9】
前記支持構造体(401)は、多分割であり、第1の支持素子(410)および第2の支持素子(420)を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(1)。
【請求項10】
前記第1の支持素子(410)は、エポキシ複合材料で形成される、請求項9に記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(1)。
【請求項11】
前記第2の支持素子(420)は、プリント回路基板材料で形成される、請求項9または10に記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(1)。
【請求項12】
前記ダイヤフラム(402)は銅で形成される、請求項1~11のいずれか一項に記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(1)。
【請求項13】
前記ダイヤフラム(402)は、垂直方向(Y)に少なくとも50μm、最大で500μm、好ましくは少なくとも100μm、最大で250μmの範囲を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(1)。
【請求項14】
前記ダイヤフラム(402)は、前記キャリア(20)とは反対側に、垂直方向(Y)において前記支持構造体(401)の上方に突出部(402B)を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(1)。
【請求項15】
前記開口部(402A)の直径は、前記半導体本体(10)に対する距離に応じて変化する、請求項1~14のいずれか一項に記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(1)。
【請求項16】
オプトエレクトロニクス半導体部品(1)を製造する方法であって、
A)キャリア(20)を、前記キャリア(20)の前面(20A)上の制御素子(80)および成形体(30)と共に、および電磁放射線を放出または検出するように構成された光学活性領域(100)を有する、前記キャリア(20)とは反対側の前記制御素子(80)の側面上の半導体本体(10)と共に提供するステップと、
B)前記キャリア(20)とは反対側の前記成形体(30)の側面に支持構造体(401)およびダイヤフラム(402)を含む予め作られた光学シールド(40)を配置するステップであって、前記ダイヤフラム(402)が前記光学活性領域(100)と整列した開口部(402A)を有する、配置するステップと、を含み、
前記ステップBの前に、横方向(X)において前記半導体本体(10)の隣にダム構造体(70)を配置
前記ダム構造体(70)は前記ダイヤフラム(402)と接触する、オプトエレクトロニクス半導体部品(1)を製造する方法。
【請求項17】
さらなるステップC)が、前記光学シールド(40)の前記キャリア(20)とは反対側の面に保護層(403)を適用することを含む、請求項16に記載のオプトエレクトロニクス半導体部品(1)を製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
オプトエレクトロニクス半導体部品およびオプトエレクトロニクス半導体部品の製造方法が提供される。
【背景技術】
【0002】
本特許出願は、ドイツ特許出願第10 2021 100 530.2号の優先権を主張し、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
オプトエレクトロニクス半導体部品は、特に、電磁放射線、好ましくは人間の目に知覚可能な光を生成および/または検出するように構成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の1つの目的は、改善された耐久性を有するオプトエレクトロニクス半導体部品を特定することにある。
【0005】
本発明のさらなる目的は、改善された耐久性を有するオプトエレクトロニクス半導体部品の簡略化された製造方法を特定することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
少なくとも1つの実施形態によれば、オプトエレクトロニクス半導体部品は、電磁放射線を放出または検出するように構成された光学活性領域を有する半導体本体を備える。
【0007】
半導体本体は、特に、互いに上下にエピタキシャル成長された半導体材料の複数の層を含む。これらの層は、積み重ね方向に互いに重ねて堆積される。したがって、積層方向は、半導体本体の主延在方向に対して横方向に、特に垂直に延びる。例として、半導体本体は、モノリシックに具現化された半導体結晶である。
【0008】
さらに、半導体本体は、電磁放射線を放出または検出するように構成された光学活性領域を備える。特に、光学活性領域は、放射線を発生させるため、または放射線を検出するために、pn合流、二重ヘテロ構造、単一量子井戸(SQW)構造、または多重量子井戸(MQW)構造を有する。半導体部品は、例えば、フォトダイオードまたはルミネッセンスダイオード、特に発光ダイオードまたはレーザダイオードである。
【0009】
半導体本体は、半導体本体のキャリアとは反対側に主面を有する。特に、半導体本体の主面は、電磁放射線が半導体本体から出射することを可能にするように、または、電磁放射線が半導体本体に入ることを可能にするように構成される。
【0010】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態によれば、オプトエレクトロニクス半導体部品はキャリアを含む。特に、半導体部品の十分な機械的安定性は、キャリアによって達成される。さらに、キャリアは、半導体本体のための取り付けプラットフォームとしての役割を果たすことができる。好ましくは、キャリアは、半導体本体がそれを介して接続される複数の電気接点構造を備える。例として、キャリアは、ポリマーまたはセラミック材料で形成される。
【0011】
一例として、オプトエレクトロニクス半導体部品は、追加の制御素子を備える。制御素子は、好ましくは複数の回路素子を有する集積回路を備え、特に半導体本体を電気的に制御するように構成される。好ましくは、制御素子は、半導体本体とキャリアとの間に配置される。半導体本体は、好ましくは制御素子のキャリアとは反対側に配置される。制御素子は、制御可能な半導体成分の特にコンパクトな設計を可能にする。
【0012】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態によれば、オプトエレクトロニクス半導体部品は成形体を含む。成形体は例えば、モールド材料で形成される。成形体は、好ましくは圧縮成形またはトランスファー成形によって製造可能である。特に、成形体は、外部環境の影響から半導体本体を保護する。
【0013】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態によれば、オプトエレクトロニクス半導体部品は、支持構造体とダイヤフラムとを備える予め作られた光学シールドを備える。オプトエレクトロニクス半導体部品の紫外線感応領域は、光学シールドによって入射電磁紫外線から保護することができる。これは、改善された耐久性を有するオプトエレクトロニクス半導体部品を有利に生じさせる。
【0014】
支持構造体は、光学シールドを安定化させるのに役立つ。一例として、支持構造体は、ポリマー材料で形成される。ダイヤフラムはオプトエレクトロニクス半導体部品の領域を画定し、この領域において、電磁放射線は半導体部品に入ることができ、または半導体部品から出てくることができる。一例として、ダイヤフラムは、金属または金属合金で形成される。
【0015】
特に、支持構造体およびダイヤフラムは、予め作られた光学シールドにおいて互いにすでに接続されている。これにより、オプトエレクトロニクス半導体部品への光学シールドの取り付けが簡単になる。一例として、複数の光学シールドが、共通の複合アセンブリ内に設けられる。
【0016】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態によれば、半導体本体および成形体は、キャリアの前面に配置される。好ましくは、成形体は、半導体本体の積層方向と平行な方向に半導体本体を越えて突出する。この点に関して、成形体は、半導体本体を機械的損傷から保護することができる。
【0017】
半導体本体の取り付け面は、好ましくはキャリアの前面に設けられる。オプトエレクトロニクス半導体部品を取り付けるように構成されたさらなる取り付け面は、好ましくはキャリアの前面とは反対側の後面に設けられる。
【0018】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態によれば、成形体は、半導体本体を横方向に少なくとも部分的に取り囲む。横方向は、キャリアおよび半導体本体の主延在平面に平行に、したがって、半導体本体の積層方向に対して横方向に、特に垂直に延在する。半導体本体を横方向に取り囲む成形体は、半導体本体を横方向からの機械的影響から保護することができる。
【0019】
特に、成形体は、半導体を横方向に完全に取り囲む。半導体本体を横方向に完全に取り囲む成形体は、有利には機械的安定性が増大する。その結果、半導体本体は、機械的影響からさらに良好に保護される。
【0020】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態によれば、光学シールドは、成形体のキャリアとは反対側に配置され、半導体本体の方向の横方向に成形体を越えて突出する。
【0021】
したがって、光学シールドは、半導体本体のビーム経路内に位置するように配置される。言い換えれば、半導体本体によって放出または検出される電磁放射線は、いずれの場合も光学シールドを通過する。
【0022】
光学シールドは、好ましくは動作中に半導体本体によって放出または検出される電磁放射線ができるだけ少なく遮蔽されるように、半導体本体の方向に横方向に半導体本体を越えて突出する。
【0023】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態によれば、ダイヤフラムは、光学活性領域と位置合わせされた開口部を有する。特に、ダイヤフラムの開口部は、平面視において、光学活性領域と位置合わせされる。
【0024】
開口部と光学活性領域との位置合わせは、有利には動作中に光学活性領域から放出される放射線、または動作中に光学活性領域において検出される電磁放射線の遮蔽を低減または回避することができる。
【0025】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態によれば、オプトエレクトロニクス半導体部品は、
-電磁放射線を放出または検出するように構成された光学活性領域を有する半導体本体と、
-キャリアと、
-成形体と、
-好ましくは支持構造体とダイヤフラムを備える光学シールドと、を備え、
-半導体本体および成形体は、キャリアの前面側に配置され、
-成形体は、半導体本体を横方向に少なくとも部分的に取り囲み、
-光学シールドは、成形体のキャリアとは反対側に配置され、半導体本体の方向に成形体を横方向に越えて突出し、
-ダイヤフラムは、光学活性領域と整列する開口部を有する。
【0026】
本明細書に記載のオプトエレクトロニクス半導体部品は、とりわけ、オプトエレクトロニクス半導体部品のいくつかの要素が電磁放射線への曝露に対して低い耐性を有するという考慮に基づいている。したがって、オプトエレクトロニクス半導体部品の特に放射線感応性領域を電磁放射線から遮蔽することが有利である。
【0027】
特に、自動車のヘッドライトに使用するために提供されるオプトエレクトロニクス半導体部品は、太陽放射の入射の結果として、および部品の動作中の内部反射の結果として、非常に高い照射を受ける。
【0028】
本明細書に記載されるオプトエレクトロニクス半導体部品は、とりわけ、オプトエレクトロニクス半導体部品に予め作られた光学シールドを一体化するという概念を利用する。オプトエレクトロニクス半導体部品の特に放射線感応性領域は、光学シールドによって遮蔽することができる。光学シールドは、半導体部品の動作中の電磁放射線の放出または検出に対して可能な限り悪影響を及ぼさないように配置することができる。
【0029】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態によれば、光学シールドは、光学シールドの成形体とは反対側に配置された保護層を含む。保護層によって、光学シールド自体を外部環境の影響から保護することができる。特に、保護層は、太陽放射のスペクトル範囲内の電磁放射線に対して非透過性である。例として、保護層は、黒または白の様式で具現化される。黒色保護層は特に低い反射率を有し、したがって、起こり得る妨害反射を最小限に抑え、一方、白色保護層は特に高い反射率を有し、したがって、構成要素の加熱を低減することができる。
【0030】
光学シールドは、外部から入射する電磁放射線に対して、および動作中に半導体本体内に放出される電磁放射線に対して、オプトエレクトロニクス半導体部品の放射線感応性部分を保護する。特に、保護層は、支持構造体上にのみ配置される。支持構造体は例えば、放射線感受性材料で形成される。
【0031】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態によれば、保護層は、光学シールドを成形体に機械的に接続する。したがって、例えば、保護層は、接着層または接続層の機能も果たす。その結果、追加の接着剤または接続層は、有利には不要である。
【0032】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態によれば、保護層は、ポリシロキサンで形成される。ポリシロキサンは例えば、特に熱的に安定であり、有利には、様々な材料に対して良好な接着性を有する。好ましくは、保護層は放射線非透過性充填材料を含む。例として、保護層は、黒化シリコーンで形成される。
【0033】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態によれば、光学シールドは、成形体内に垂直方向に組み込まれる。垂直方向は横方向に対して横方向に、特に垂直に延びる。好ましくは、光学シールドは成形体内に面一に組み込まれる。したがって、これは、有利にはオプトエレクトロニクス半導体部品の平面をもたらす。ここで、および以下で、平面とは、製造公差の範囲内で、平坦に具現化される表面を意味する。
【0034】
オプトエレクトロニクス半導体部品の表面は、キャリアとは反対側のオプトエレクトロニクス半導体部品の側面である。平坦な表面は例えば、表面上の構成要素のさらなる配置を容易にする。
【0035】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態によれば、ダム構造体は、横方向に半導体本体に隣接して配置され、半導体本体を少なくとも部分的に囲む。特に、ダム構造体は、半導体本体を越えて垂直方向に突出する。
【0036】
好ましくは、ダム構造体は放射線非透過性材料で形成される。一例として、ダム構造体は、光学シールドが半導体本体の主面に直接接触することを防止する。さらに、ダム構造体は、半導体本体上またはその隣に配置されたボンディングワイヤを機械的損傷から保護するように構成することができる。
【0037】
光学活性領域において放出または検出される電磁放射線の一部は、ダム構造体によって遮光することができる。この点に関し、ダム構造体は、電磁放射線から光学シールドおよび成形体を保護することができる。
【0038】
好ましくは、ダム構造体は閉じたリングを形成する。この点に関して、ダム構造体は、電磁放射線に対する特に良好な保護を形成することができる。
【0039】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態によれば、ダム構造体は、光学シールドのキャリアに面する側面に接触する。好ましくは、ダム構造体がその延在部全体にわたって、キャリアに面する光学シールドの側面に接触する。その結果、成形体および光学シールドの特に良好な遮蔽が可能である。特に、ダム構造体はダイヤフラムに接触する。この点に関して、電磁放射線に対する支持構造体の完全な保護を保証することができる。
【0040】
光学シールドに接触するダム構造体は、有利には光学シールドの機械的安定性を高め、さらに、電磁放射線に対する支持構造体および成形体の遮蔽を提供する。
【0041】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態によれば、ダム構造体は、ポリシロキサンで形成される。ポリシロキサンは、特に簡単かつ確実に半導体本体上に配置することができ、高い熱安定性を有する。特に、ダム構造体は、黒化シリコーンで形成される。保護層およびダム構造体は、好ましくは同じ材料で形成される。これは、保護層およびダム構造体の特に簡単な製造を可能にする。
【0042】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態によれば、キャリア、成形体、および光学シールドは、オプトエレクトロニクス半導体部品のための収容部を形成する。収容部は、開口部を除いて、半導体本体をすべての側面で取り囲む。収容部は、外部環境の影響からオプトエレクトロニクス部品を保護する。さらに、収容部は、オプトエレクトロニクス半導体部品のさらなる取扱いおよびその後の取り付けを容易にすることができる。
【0043】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態によれば、オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの側面は平面である。半導体部品の側面は例えば、キャリア、成形体、支持構造体、および保護層の部分表面から構成される。オプトエレクトロニクス半導体部品は、その横方向の延在に関して側面によって画定される。
【0044】
平坦な側面は例えば、オプトエレクトロニクス半導体部品の把持を容易にする。特に、平坦な側面を有する部品は、特に小さい横方向間隔で互いに隣接して配置することができる。したがって、複数のオプトエレクトロニクス半導体部品を、特に小さい取り付け面上に配置することができる。
【0045】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態によれば、支持構造体は、第1の支持素子および第2の支持素子を備える。第1の支持素子は例えば、第2の支持素子に接着結合される。好ましくは、複数の要素から構成される多分割の(multipartite)複合アセンブリが単一の要素よりも高い機械的安定性を有する。単一の要素はそれぞれ、特定の使用目的に向けて最適化することができる。例として、第1の支持素子は、ダイヤフラムに対して特に良好な接着性を有し、一方、第2の支持素子は、特に高い熱安定性を有する。
【0046】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態によれば、第1の支持素子は、エポキシ複合材料で形成される。エポキシ複合材料は、例えばQFNリードフレームの製造において好ましい材料であり、したがって、調達が容易であり、公知方法を用いて良好な加工を可能にする。有利には、エポキシ複合材料は、高い機械的安定性および低い固有重量を有する。このことは、有利には垂直方向に特に小さい範囲を有する支持構造体を形成することを可能にする。
【0047】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態によれば、第2の支持素子は、プリント回路基板材料で形成される。プリント回路基板材料は特に、繊維強化複合材料である。好ましくは、プリント回路基板材料はガラス繊維強化エポキシ樹脂を含む。例として、プリント回路基板材料は、FR4複合材料で形成される。プリント回路基板材料は、有利には特に熱的に安定であり、高い機械的強度を有する。プリント回路基板材料は、銅に対する高い接着性を有し、したがって、銅で形成されたダイヤフラムを支持構造体に特に確実に機械的に固定することを可能にすることがさらに有利である。
【0048】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態によれば、ダイヤフラムは銅で形成される。一例として、ダイヤフラムは、予め作られたリードフレーム、好ましくはQFNリードフレームの一部であるか、または予め作られたリードフレーム、好ましくはQFNリードフレームから形成される。銅で形成されたダイヤフラムは、明確に画定された縁部を有して有利に製造可能である。開口部の方向の1つの領域で薄くされた明確に画定された縁部を有するダイヤフラムは、通過する放射線の遮光を特にほとんど引き起こさないことが有利である。特に、ダイヤフラムは、例えば酸化などの外部環境の影響に耐えるためのコーティングを含む。コーティングは例えば、ニッケル、パラジウムおよび金を含む。例として、コーティングは、ダイヤフラムの外面を完全に覆う。好ましくは、ダイヤフラムが低減された光反射率を有する不動態化銅で形成される。
【0049】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態によれば、ダイヤフラムは、少なくとも50μm、最大で500μm、好ましくは少なくとも100μm、最大で250μmの垂直方向の範囲を有する。可能な限り小さい垂直範囲は、それを通過する電磁放射線の遮蔽を特に有利に最小限にする、特に薄いダイヤフラムを生成する。しかしながら、ダイヤフラムは有利には、機械的安定性を保証するために、十分に大きな垂直範囲を有する。
【0050】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態によれば、ダイヤフラムは、キャリアとは反対側に、垂直方向において支持構造体の上方にトス突出部を有する。特に、突出部は、少なくとも30μmにわたって延在する。このようにして具現化された突出部は、ダイヤフラムが保護層の横方向の延在を画定することを可能にする。
【0051】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態によれば、ダイヤフラム内の開口部の直径は、半導体本体に対する距離に伴って増加または減少する。換言すれば、開口部は円錐形状を有する。特に、開口部は、円錐台または角錐台の形状を有する。
【0052】
一例として、開口部は、半導体本体の方向に先細りになっている。このように構成された開口部は、拡大された開口部を有するダイヤフラムを生成し、したがって、ダイヤフラムを通過する電磁放射線の遮蔽を低減または回避する。
【0053】
オプトエレクトロニクス半導体部品の少なくとも1つの実施形態によれば、光学シールドは、動作中に活性領域内で生成または検出される電磁放射線に対して非透過性である。したがって、ダム構造体と併せて、半導体部品の放射線感応性部分は、動作中に半導体本体内で生成される電磁放射線に対して保護され得る。特に、シールドはまた、動作中に半導体本体内に生成される電磁放射線に対して、周囲に配置されるさらなる部品を保護する。
【0054】
さらに、オプトエレクトロニクス半導体部品の製造方法が提供される。オプトエレクトロニクス部品は特に、本明細書に記載の方法によって製造することができる。言い換えれば、オプトエレクトロニクス半導体部品を製造するための方法に関連して開示されるすべての特徴は、オプトエレクトロニクス半導体部品についても開示され、逆もまた同様である。
【0055】
電子半導体部品を製造するための方法の少なくとも1つの実施形態によれば、ステップA)は、電磁放射線を放出または検出するように構成された光学活性領域を有する半導体本体と共に、およびキャリアの前面上の成形体と共に、キャリアを提供することを含む。特に、複数の半導体本体および成形体が共通のキャリア上に設けられる。
【0056】
オプトエレクトロニクス半導体部品を製造するための方法の少なくとも1つの実施形態によれば、ステップB)は、キャリアとは反対側の成形体の側に支持構造体およびダイヤフラムを含む予め作られた光学シールドを配置することを含み、ダイヤフラムは、光学活性領域と位置合わせされた開口部を有する。開口部と光学活性領域との位置合わせは、例えば、オプトエレクトロニクス半導体部品の平面図において行われる。
【0057】
予め作られた光学シールドを配置することにより、オプトエレクトロニクス半導体部品の特に迅速かつ効率的な製造が可能になる。その結果、ダイヤフラムに開口部を形成するための複雑な方法ステップを、特に高い精度で別個の方法ステップにおいて予め実施することができる。
【0058】
一例として、共通の複合アセンブリ内の複数の予め作られた光学シールドは、共通のキャリア上の成形体内の複数の半導体本体上に配置される。したがって、有利には、複数の開口部は、単一のステップで複数の光学活性領域と整列させることができる。一例として、複数の個々のオプトエレクトロニクス半導体部品が、後続の個片化ステップによって提供される。
【0059】
オプトエレクトロニクス半導体部品を製造するための方法の少なくとも1つの実施形態によれば、さらなるステップC)は、光学シールドのキャリアとは反対側の面上に保護層を適用することを含む。保護層は、好ましくは分配(dispensing)によって適用される。ダイヤフラムが垂直方向に突出部を有する場合、ダイヤフラムは、有利には保護層の横方向の延在を画定することができる。
【0060】
オプトエレクトロニクス半導体部品の製造方法の少なくとも1つの実施形態によれば、ステップB)は、横方向(X)に半導体本体(10)の隣にダム構造体を配置する。ステップB)において予め作られた光学シールドを配置する前に、ダム構造体の配置が有利に容易になる。ダム構造体は、好ましくは分配によって配置される。
【0061】
本明細書に記載されるオプトエレクトロニクス半導体部品は特に、自動車のヘッドライトまたは屋外のプロジェクション用途での使用に適している。
【0062】
オプトエレクトロニクス半導体部品のさらなる利点および有利な構成および発展形態は、図面に示されている実施形態に関連する以下の例示的な実施形態から明らかになるのであろう。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1】第1の例示的な実施形態による、本明細書に記載されるオプトエレクトロニクス半導体部品の概略断面図である。
図2】第2の例示的な実施形態による、本明細書に記載されるオプトエレクトロニクス半導体部品の概略断面図を示す。
図3A】第3の例示的な実施形態による、本明細書に記載されるオプトエレクトロニクス半導体部品の概略断面図である。
図3B】第3の例示的な実施形態による、本明細書に記載されるオプトエレクトロニクス半導体部品の概略平面図である。
図4】第4の例示的な実施形態による、本明細書に記載されるオプトエレクトロニクス半導体部品の概略断面図を示す。
図5】第5の例示的な実施形態による、本明細書に記載されるオプトエレクトロニクス半導体部品の概略断面図である。
図6】第6の例示的な実施形態による、本明細書に記載されるオプトエレクトロニクス半導体部品の概略断面図を示す。
図7A】第1の例示的な実施形態による、本明細書に記載される予め作られた光学シールドの概略断面図を示す。
図7B】第1の例示的な実施形態による、本明細書に記載される予め作られた光学シールドの概略平面図を示す。
図8】第7の例示的な実施形態による、本明細書に記載されるオプトエレクトロニクス半導体部品の概略断面図を示す。
図9】第8の例示的な実施形態による、本明細書に記載されるオプトエレクトロニクス半導体部品の概略断面図を示す。
図10】第2の例示的な実施形態による、本明細書に記載される予め作られた光学シールドの概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0064】
同一の、同一のタイプの、または同一の作用を有する要素には、図中、同一の参照符号が付されている。図面と、図面に示された要素の互いのサイズ関係とは、縮尺通りではないとみなされるべきである。むしろ、個々の要素は、より良い説明を可能にするために、および/またはより良い理解をもたらすために、誇張されたサイズで示され得る。
【0065】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る半導体部品1の概略断面図である。オプトエレクトロニクス半導体部品1は、キャリア20の前面20Aに配置された制御素子80および成形体30を備える。半導体本体10は、制御素子80のキャリア20とは反対側に配置される。予め作られた光学シールド40は、成形体30のキャリア20とは反対側に配置される。
【0066】
制御素子80は、複数の回路素子を有する集積回路を備える。制御素子80は、半導体本体10を電気的に制御するために設けられている。制御素子80は、複数のボンディングワイヤ50を介して、キャリア20の前面20A上の電気接点構造体201に電気的に接続される。
【0067】
半導体本体10は、積層方向に互いに上下にエピタキシャル成長された複数の半導体層を含む。積層方向は、半導体本体10の主延長面に対して横方向に延び、垂直方向Yにおいてその延在部に平行である。半導体本体10は、電磁放射線を放出するように構成された光学活性領域100を有する。活性領域100は、半導体本体10の拡大された細部において識別可能である。活性領域100は、半導体本体10の主延在方向に沿って延在する。
【0068】
光学活性領域100は、明確にするために、図2図10には示されていない。
【0069】
さらに、半導体本体10は、半導体本体10のキャリア20とは反対側の面に主面10Aを備える。動作中に光学活性領域100で生成された電磁放射線の少なくとも一部は、主面10Aを通って半導体本体10から出る。
【0070】
変換素子60は、主面10A上に配置され、動作中に半導体本体10から出射する第1の波長の電磁放射線を第2の波長の電磁放射線に変換するように構成される。一例として、半導体本体10は変換素子60と共に、観察者に白色の印象をもたらす混合放射線を放出するように構成される。変換素子60は例えば、スプレー法により主面10Aに塗布される。特に、変換素子60は、制御素子80の一部も覆う。
【0071】
成形体30は、半導体本体10を横方向Xに完全に取り囲んでいる。横方向Xは、キャリア20および半導体本体10の主延長面に平行に、したがって、半導体本体10の積層方向および垂直方向Yに対して横方向に、特に垂直に延在する。成形体30は、圧縮成形法またはトランスファー成形法によってキャリア20上に配置することができるポリマーで形成される。代替的に、成形体30は、キャリア20に適用される連続的な格子状構造として予め具現化することができる。成形体30は特に、動作中に光学活性領域100内で生成される電磁放射線に対して非透過性である。
【0072】
キャリア20は、好ましくは、プリント回路基板材料で形成されたプリント回路基板であり、複数の接点構造体201を含む。さらに、キャリア20は、リードフレームとして、好ましくはQFNリードフレームとして具現化することができる。あるいは、キャリア20はセラミック材料で形成される。キャリア20は、半導体本体10および成形体30のための取り付けプラットフォームを提供し、前記取り付けプラットフォームは、オプトエレクトロニクス半導体部品1のための十分な機械的安定性を有する。接点構造体201は、少なくとも部分的にキャリア20を垂直方向に貫通する。
【0073】
例として、予め作られた光学シールド40は、リードフレームで形成される。好ましくは、光学シールド40は、予め作られたQFNリードフレームで形成される。
【0074】
予め作られた光学シールド40は、支持構造体401と、ダイヤフラム402と、保護層403とを備える。ダイヤフラム402は、半導体本体の光学活性領域100と位置合わせされた開口部402Aを有する。ダイヤフラム402は、横方向に支持構造体401を越えて部分的に突出し、これは、ダイヤフラム402の支持構造体401への特に安定した確保をもたらす。
【0075】
光学シールド40は、半導体本体10を横方向に部分的に越えて突出している。開口部402Aは、動作中に半導体本体10内で生成された電磁放射線が可能な限り少ない障害物で半導体部品1を出ることができるように整列される。光学シールド40によって、オプトエレクトロニクス部品1の放射線感受性部品は例えば、日射から保護される。この点に関して、オプトエレクトロニクス半導体部品1の耐久性は、有利に高められる。
【0076】
支持構造体401は、エポキシ複合材料で形成された第1の支持素子410を備える。ダイヤフラム402は、銅で形成され、ダイヤフラム402の垂直方向Yにおいてキャリア20とは反対側に延在する突出部402Bを有する。突出部402Bは、少なくとも35μmの延在部を有する。
【0077】
保護層403は、下にある支持構造体401を外部放射線から保護する黒化シリコーンで形成される。ダイヤフラム402の突出部402Bは、ダイヤフラム402の方向における保護層403の横方向の延在を画定する。したがって、分配によって支持構造体401上に配置された保護層403は、ダイヤフラム402の突出部402Bで自動的に停止する。
【0078】
光学シールド40は、成形体30に、予め作られた成分として特に容易に取り付けることができる。したがって、ダイヤフラム402を支持構造体401に取り付け、開口部402Aを正確に形成するための複雑なステップは、有利には、光学シールド40が成形体30に取り付けられる前に、別個のステップで事前に実施することができる。
【0079】
オプトエレクトロニクス半導体部品1は、キャリア20、成形体30、および光学シールド40の部分面からなる側面1Aを有する。側面1Aは、オプトエレクトロニクス半導体部品1を横方向Xに延在して画定する。側面1Aは有利には平面であり、それによってオプトエレクトロニクス半導体部品1の機械的把持を容易にする。さらに、平坦な側面1Aを有する構成要素は、互いに特に小さい横方向距離で配置することができる。
【0080】
図2は、本発明の第2の例示的な実施形態に係る半導体部品1の概略断面図である。第1の例示的な実施形態とは対照的に、図2に示される第2の例示的な実施形態における光学シールド40は、成形体30内に面一に組み込まれる。また、第2の例示的な実施形態に係る半導体部品1は、変換素子60を備えていない。成形体30は、支持構造体401の少なくとも垂直方向の延在部に対応する凹部を有する。したがって、オプトエレクトロニクス半導体部品1の平面1Bが生じる。平面1Bは、平面1B上のさらなる構成要素の配置を容易にする。この場合、保護層403はさらに、光学シールド40を成形体30に機械的に固定する役割を果たす。したがって、追加の接着剤層を省くことができる。
【0081】
さらに、ダイヤフラム402は、バットジョイントによって支持構造体401の第1の支持素子410に固定される。このようなダイヤフラム402の確保は、特に容易に行うことができる。
【0082】
図3Aは、本発明の第3の実施の形態に係る半導体部品1の概略断面図である。第3の例示的な実施形態は、図2に示される第2の例示的な実施形態に実質的に対応する。第2の例示的な実施形態とは対照的に、ダイヤフラム402は、横方向Xにおいて支持構造体401の第1の支持素子410と部分的に重なる。
【0083】
また、開口部402Aの直径は、半導体本体10に対する距離に応じて変化する。開口部402Aは、半導体本体10の方向に向かって先細りになっている。このように構成された開口部402Aは、拡大された開口部を有するダイヤフラム402を生成し、したがって、それを通過する電磁放射線の遮蔽を低減または回避する。
【0084】
さらに、オプトエレクトロニクス半導体部品1は、図3Aに示される第3の例示的な実施形態によれば、横方向Xにおいて半導体本体10に隣接して配置されたダム構造体70を備える。ダム構造体70は、制御素子80のキャリア20とは反対側に配置される。
【0085】
開口部402Aは、半導体本体10の主面10Aから離れるにつれて径が大きくなる。したがって、ダイヤフラム402によって半導体本体10から出射する、またはその上に入射する電磁放射線の遮蔽をさらに低減または回避することができる。好ましくは、ダイヤフラム402の開口部402Aは、光学シールド40が成形体30に取り付けられる前に既に構造化されている。
【0086】
ダム構造体70は、黒化シリコーンで形成される。ダム構造体は、動作中に半導体本体10から放出される電磁放射線および外部からオプトエレクトロニクス半導体部品1に入射する電磁放射線に対して非透過性である。この点に関して、ダム構造体70は、オプトエレクトロニクス部品1の放射線感応性部分、例えば成形体30、キャリア20、および支持構造体401を、外部から入射する電磁放射線に対しても、動作中に半導体本体10内で放出される電磁放射線に対しても保護する。
【0087】
ダム構造体70は、横方向Xの延在部に沿って閉じたリングを形成する。さらに、ダム構造体70は、制御素子80のキャリア20とは反対側に配置されたボンディングワイヤ50を機械的損傷から保護する。例として、ダム構造体70は、光学シールド40に直接接触するように具現化される。この点に関して、ダム構造体70は、光学シールド40を支持する働きをすることができ、光学シールド40の機械的安定性をさらに高めることができる。
【0088】
図3Bは、本発明の第3の例示的な実施形態に係るオプトエレクトロニクス半導体部品1の概略平面図を示す。開口部402Aの横方向Xへの位置合わせおよび延在は、平面視において容易に識別可能である。開口部402Aは、変換素子60の下方に配置された光学活性領域100と位置合わせされている。保護層403の延在は、横方向Xにおけるダイヤフラム402の突出部402Bによって画定される。
【0089】
図4は、本発明の第4の実施の形態に係るオプトエレクトロニクス半導体部品1の概略断面図である。第4の例示的な実施形態は、実質的に、図3Aに示される第3の例示的な実施形態に対応する。
【0090】
本発明の第4の例示的な実施形態に係る光学シールド40は、第1の支持素子410および第2の支持素子420を有する支持構造体401を備える。第1の支持素子410は、エポキシ複合材料で形成される。特に、第1の支持素子410およびダイヤフラム402は、予め作られたリードフレーム複合アセンブリの一部である。
【0091】
第2の支持素子420は、ガラス繊維強化複合材料、好ましくはFR4複合材料で形成される。第2の支持素子420は、第1の支持素子410およびダイヤフラム402に接着接合される。さらに、光学シールド40は、第2の支持素子420の横方向の端部に封入部421を備える。封入部421は、ポリシロキサンによって形成される。第2の支持素子420に含まれるガラス繊維の粒子の逃げは、封入部421によって低減または回避することができる。好ましくは、第2の支持素子420のすべての外縁が横方向Xにおいて封入部421で覆われる。
【0092】
第2の支持素子420は、第1の支持素子410およびダイヤフラム402の、キャリア20とは反対側に配置される。この点に関して、第1の支持素子410は、外部からオプトエレクトロニクス半導体部品1に衝突する電磁放射線に対して特に良好に保護することができる。第2の支持素子420は、第1の支持素子410および成形体30を越えて横方向Xに突出する。第2の支持素子420は、成形体30の、キャリア20とは反対側の側で、成形体30を支持する。
【0093】
また、開口部402Aの直径は、半導体本体10に対する距離に応じて変化する。開口部402Aは、半導体本体10の方向に広がる。
【0094】
図5は、本発明の第5の実施の形態に係るオプトエレクトロニクス半導体部品1の概略断面図である。第5の例示的な実施形態は、図4に示される第4の例示的な実施形態に実質的に対応する。図4に示される例示的な実施形態とは対照的に、第2の支持素子420は、成形体30の凹部内に配置される。成形体30の垂直方向の凹部の範囲は、少なくとも第2の支持素子420の垂直方向の範囲に対応する。これにより、キャリア20とは反対側のオプトエレクトロニクス半導体部品1の平面が得られる。
【0095】
図6は、本発明の第6の例示的な実施形態に係るオプトエレクトロニクス半導体部品1の概略断面図を示す。第6の実施形態は実質的に、図5に示す第5の実施形態に対応する。第5の実施形態とは対照的に、第2の支持素子420は、光学シールド40の半導体本体10に面する側に配置される。この点に関して、第1の支持素子410は、動作中に半導体本体10から出る電磁放射線に対して特に良好に保護することができる。
【0096】
さらに、光学シールド40は、光学シールド40の半導体本体10とは反対側に配置された保護層403を含む。保護層403は、黒化シリコーンで形成され、外部からオプトエレクトロニクス半導体部品1に入射する電磁放射線から第1の支持素子410を保護する。また、保護層403は、光学シールド40を成形体30に機械的に固定するためのものである。
【0097】
図7Aは、本発明の第1の例示的な実施形態に係る予め作られた光学シールド40の概略断面図を示す。光学シールド40は、第2の支持素子420と、ダイヤフラム402と、封入部421とを有する支持構造体401を備える。したがって、第1の支持素子410を用いた分配は、特に省スペースのシールド40をもたらす。このように具現化された光学シールド40は例えば、プリント回路基板上に接着接合された予め作られたQFNリードフレームを用いて製造可能である。
【0098】
ダイヤフラム402は、横方向Xに沿って第2の支持素子420を完全に覆って延在する。ダイヤフラム402の範囲は、開口部402Aからの距離が大きくなるにつれて、垂直方向Yに小さくなる。第2の支持素子420は、プリント回路基板材料で形成され、特に高い熱安定性を有する。ここに示される予め作られた光学シールド40の取り付け中、第2の支持素子420は、キャリア20に面するように整列される。
【0099】
図7Bは、本発明の第1の例示的な実施形態に係る光学シールド40の概略平面図を示す。図7Aに示す断面図は、図7Bから断面線AAに沿った断面に対応する。ダイヤフラム402は、開口部402Aの周囲に閉じたフレームを形成する。ダイヤフラム402は、ダイヤフラム402を第2の支持素子420に機械的に固定するために設けられた薄いストラット402Cをさらに備える。ストラット402Cは、ダイヤフラム402を第2の支持素子420に取り付ける前に、ダイヤフラム402を保持する。特に、ストラット402Cは、固定ピッチを有する複数のダイヤフラム402の配置を可能にする。一例として、ダイヤフラム402のピッチは、第2の支持素子420の凹部のピッチに対応する。有利には、複数のダイヤフラム402がしたがって、第2の支持素子420内の複数の凹部と平行に整列させることができる。
【0100】
キャリアとは反対側の第2の支持素子420の側では、ストラット402Cの間に位置する隙間を金属で覆うことができる。例として、金属は銅である。有利には、光学シールド40のこのようにして増大された反射率が、外部放射の結果としての最大加熱を低減することを可能にする。さらに、金属の層は、より大きな領域において熱の放散をもたらすことができる。第2の支持素子420上のストラット402Cの接着を増加させるために、有利には、ストラット402Cと第2の支持素子420との間に金属が配置されない。
【0101】
図8は、本発明の第7の例示的な実施形態に係るオプトエレクトロニクス半導体部品1の概略断面図を示す。第7の例示的な実施形態は、図6に示される第6の例示的な実施形態に実質的に対応する。第6の例示的な実施形態とは対照的に、光学シールド40は、第2の支持素子420のみを有し、第1の支持素子410を有さない支持構造体401を備える。第2の支持素子420は、プリント回路基板材料で形成される。
【0102】
ダイヤフラム402は、横方向Xに沿って第2の支持素子420上に完全に延在する。このように具現化された光学シールド40は、垂直方向Yにおいて特に小さい範囲を有する。
【0103】
図9は、本発明の第8の例示的な実施形態に係るオプトエレクトロニクス半導体部品1の概略断面図を示す。第8の例示的な実施形態は実質的に、図8に示される第7の例示的な実施形態に対応する。第7の例示的な実施形態とは対照的に、光学シールド40は、成形体30の、キャリア20とは反対側の成形体30の側の凹部に配置されない。
【0104】
光学シールド40は、成形体30のキャリア20とは反対側に配置される。凹部を有さない成形体30は、有利には特に容易に製造することができる。
【0105】
図10は、本発明の第2の例示的な実施形態に係る予め作られた光学シールド40の概略断面図を示す。第2の例示的な実施形態は実質的に、図7Aに示される第1の例示的な実施形態に対応する。第1の例示的な実施形態とは対照的に、光学シールド40の後続の取り付け時に、第2の支持素子420は、光学シールド40のキャリア20とは反対側に面する側に配置される。このように具現化された光学シールド40は例えば、プリント回路基板上に接着接合された予め作られたQFNリードフレームを用いて製造可能である。
【0106】
図1図6、並びに図8および図9に示す半導体本体10は、動作中に電磁放射線を放出するように構成されているが、電磁放射線を検出するように構成された半導体本体10についても、すべての例示的な実施形態が同様に考えられる。
【0107】
本発明は、例示的な実施形態に基づく説明によって限定されない。むしろ、本発明は、この特徴またはこの組み合わせ自体が特許請求の範囲または例示的な実施形態において明示的に指定されていなくても、特許請求の範囲における特徴の任意の組み合わせを特に含む、任意の新規な特徴および特徴の任意の組み合わせも包含する。
【符号の説明】
【0108】
1 オプトエレクトロニクス半導体部品
1A 側面
1B 平面
10 半導体本体
10A 主面
20 キャリア
20A 前面
30 成形体
40 光学シールド
50 ボンディングワイヤ
60 変換素子
70 ダム構造体
80 制御素子
100 活性領域
201 接点構造体
401 支持構造体
410 第1の支持素子
420 第2の支持素子
421 封入部
402 ダイヤフラム
402A 開口部
402B 突出部
402C ストラット
403 保護層
X 横方向
Y 垂直方向
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10