(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】モジュール式投光照明システム
(51)【国際特許分類】
G03B 15/05 20210101AFI20240705BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20240705BHJP
G03B 15/02 20210101ALI20240705BHJP
G03B 15/03 20210101ALI20240705BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20240705BHJP
G03B 17/08 20210101ALI20240705BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20240705BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20240705BHJP
H04N 23/56 20230101ALI20240705BHJP
【FI】
G03B15/05
G03B15/00 S
G03B15/02 G
G03B15/02 H
G03B15/03 N
G03B15/03 P
G03B15/03 W
G03B17/02
G03B17/08
G03B17/56 A
H04N5/222 100
H04N23/56
(21)【出願番号】P 2023548925
(86)(22)【出願日】2021-08-02
(86)【国際出願番号】 US2021044212
(87)【国際公開番号】W WO2022177600
(87)【国際公開日】2022-08-25
【審査請求日】2023-10-31
(32)【優先日】2021-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シー,ポール
(72)【発明者】
【氏名】リウ,チョー-ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】リウ,チア-チー
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,ウェン-ピン
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0039511(US,A1)
【文献】特表2019-530130(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0096842(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0011390(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0127643(US,A1)
【文献】特開2017-058631(JP,A)
【文献】特開2017-078798(JP,A)
【文献】特開2013-109440(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0034530(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0196597(US,A1)
【文献】独国実用新案第202020106405(DE,U1)
【文献】中国特許出願公開第106838725(CN,A)
【文献】特開2009-259703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 15/05
G03B 15/02
G03B 15/03
G03B 17/02
G03B 17/56
G03B 17/08
G03B 15/00
H04N 7/18
H04N 23/50
H04N 23/51
H04N 23/56
H04N 5/222
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール式投光照明システムであって、前記モジュール式投光照明システムは投光照明装置を備え、前記投光照明装置は、
メインハウジングを含み、前記メインハウジングは、前記メインハウジングの互いに反対側の第1および第2の端部と交差する中心軸線を有する概して円筒状のシェルを有し、
前記中心軸線に対して実質的に平行な前記シェルの側面において前記メインハウジングに接続されている第1および第2の光サブアセンブリを含み、前記メインハウジングは、前記第1の光サブアセンブリと前記第2の光サブアセンブリとの間に位置付けられており、前記第1および第2の光サブアセンブリの各々は、光ハウジングを含み、
前記第1の光サブアセンブリと前記第2の光サブアセンブリとの間で前記メインハウジングの側部に位置付けられている受動型赤外線(PIR)レンズを含み、前記PIRレンズは、複数のPIRセンサの視野内の対象物の動きを検出するように構成されている前記複数のPIRセンサを収納するドーム形状を有し、
前記メインハウジングの前記第1の端部に取り付けられている磁石マウントアセンブリを
含み、
前記磁石マウントアセンブリは、
前記メインハウジングの前記中心軸線に対して非直交の平面を規定する前面と、
カメラ装置を前記磁石マウント
アセンブリに磁気的に固定するために前記カメラ装置の金属部分に作用するように構成されている磁力を提供する磁石とを含み、
前記第1および第2の光サブアセンブリのうちのそれぞれの光サブアセンブリは、前記それぞれの光サブアセンブリが3つの軸線を中心に枢動可能に回転することを可能にするヒンジを介して前記メインハウジングに接続されており、
前記第1および第2の光サブアセンブリの前記光ハウジングは、各々、丸み付けられたキャップを備える概して円筒状のシェルを有し、
前記PIRレンズの前記ドーム形状は、前記メインハウジングの前記側部から突出している、モジュール式投光照明システム。
【請求項2】
前記投光照明装置は、
前記カメラ装置をマウントするための接触面を形成する可撓性材料を有するマウント構成要素をさらに含み、
前記マウント構成要素は、前記磁石と前記前面との間に位置付けられており、
前記接触面は、前記カメラ装置の外側凸面に対して相補的な凹面である、請求項1に記載のモジュール式投光照明システム。
【請求項3】
前記前面によって規定される前記平面は、最大
で45度の非ゼロ角度である傾き角度だけ前記中心軸線に対して傾けられている、請求項1または請求項2に記載のモジュール式投光照明システム。
【請求項4】
前記カメラ装置をさらに備え、
前記カメラ装置は、丸み付けられた閉鎖端部を備える概してカップ形状を有するハウジングを含み、
前記丸み付けられた閉鎖端部は、凸状の外面を有し、
前記カメラ装置は、前記磁石マウントアセンブリに組み付けられたとき、前記メインハウジングに対して3軸関節を含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のモジュール式投光照明システム。
【請求項5】
前記カメラ装置は、前記ハウジングの内側に前記金属部分を含む、請求項4に記載のモジュール式投光照明システム。
【請求項6】
前記カメラ装置の前記3軸関節は、前記カメラ装置の前記凸状
の外面の曲率中心において枢動させられる、請求項4または請求項5に記載のモジュール式投光照明システム。
【請求項7】
前記カメラ装置の前記3軸関節は、前記磁石マウントアセンブリ上での前記カメラ装置の前記ハウジングの前記
凸状の外面の摺動可能な動きを含む、請求項4から請求項6のいずれか1項に記載のモジュール式投光照明システム。
【請求項8】
前記メインハウジング内に位置付けられている電源ユニットをさらに備え、前記電源ユニットは、前記第1および第2の光サブアセンブリならびに前記複数のPIRセンサに電力を提供するように構成されている、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のモジュール式投光照明システム。
【請求項9】
前記電源ユニットが前記カメラ装置に電力を提供することを可能にするために、前記電源ユニットを前記カメラ装置に接続するように構成されているケーブルをさらに備える、請求項8に記載のモジュール式投光照明システム。
【請求項10】
前記ケーブルは、前記カメラ装置が前記メインハウジングの前記中心軸線に対し
て0度と60度との間の傾き範囲を有することを可能にするのに十分な長さを有し、
前記傾き角度がゼロ度であるとき、前記カメラ装置は前記中心軸線と整列させられており、
前記傾き角度が60度であるとき、前記カメラ装置は、前記中心軸線と前記複数のPIRセンサとの間の方向に面している、請求項9に記載のモジュール式投光照明システム。
【請求項11】
前記磁石マウントアセンブリは、前記カメラ装置が3軸関節を有することを可能にする、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のモジュール式投光照明システム。
【請求項12】
前記3軸関節は、前記メインハウジングの前記中心軸線に対し
て35度~-35度のパンの範囲を含む、請求項11に記載のモジュール式投光照明システム。
【請求項13】
表面にマウントするように構成されているウォールプレートをさらに備え、前記メインハウジングの前記第1の端部は、前記ウォールプレートに対する前記中心軸線を中心とする前記メインハウジングのねじり運動に基づ
くツイストロック機構を介して前記ウォールプレートに組み付けられて
おり、前記ツイストロック機構は、開口またはチャネルと結合する突出部によって形成されている、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のモジュール式投光照明システム。
【請求項14】
マイクロコントローラユニットをさらに備え、前記マイクロコントローラユニットは、前記複数のPIRセンサによって検出された動きに応答して、
前記第1および第2の光サブアセンブリを作動させて光を提供し、
前記カメラ装置に信号を送信して、前記カメラ装置のイメージセンサを作動させ、画像を捕捉することまたはビデオを録画することを開始するように構成されている、請求項1から請求項
13のいずれか1項に記載のモジュール式投光照明システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
投光照明は、ホームセキュリティシステムに対する一般的な追加物になりつつある。多くのセキュリティシステムは、1つまたは複数の投光照明と組み合わされたセキュリティカメラを含む。このようなセキュリティシステムは、動き検出のためにセキュリティカメラにおいてセンサを実装してもよく、このセンサは、ビデオ録画をトリガする、および/または投光照明を起動するために使用されてもよい。これらのセキュリティカメラのうちの幾つかは、動き検出センサのための制限された視野(FOV)を有し、これは、セキュリティシステムが壁にマウントされており、角に取り付けられていない場合、セキュリティカメラの側部に死角を生じる場合があり、そこではセキュリティカメラは、ビデオ録画および/または投光照明の起動をトリガするために使用可能な動きを検出することができない。さらに、セキュリティカメラが投光照明に取り付けられる形式に応じて、セキュリティカメラは、制限された関節を有する場合があり、これは、カメラの向きのカスタマイズ性を減じ、ユーザエクスペリエンスを低減する場合がある。
【発明の概要】
【0002】
概要
本文献は、モジュール式投光照明システムに関する技術を記載する。モジュール式投光照明システムは、複数の投光照明を支持するメインハウジングを有する投光照明装置と、モジュール式カメラシステム(例えば、カメラ装置)とを含む。メインハウジングは、磁石マウントアセンブリを含み、磁石マウントアセンブリは、カメラ装置をマウント面に磁気的に固定し、メインハウジングに対するカメラ装置の3軸関節を可能にする。メインハウジングは、カメラ装置および投光照明に電力を供給する電源ユニット(PSU)も含む。態様において、投光照明は、メインハウジングの両側に組み付けられている。加えて、メインハウジングは、カメラ装置の動き検出能力を拡張および補足する受動型赤外線(PIR)センサを含む。モジュール式投光照明システムのモジュール式態様は、カメラ装置が別のモジュール式装置と容易に置き換えられることを可能にし、消費者にとって据付を簡略化しかつモジュール式投光照明システムを修理する能力を増大する。
【0003】
幾つかの態様において、モジュール式投光照明システムが記載される。モジュール式投光照明システムは、メインハウジングと、第1および第2の光サブアセンブリと、PIRレンズと、磁石マウントアセンブリとを有する投光照明装置を含む。メインハウジングは、概して円筒状のシェルを有し、その中心軸線は、メインハウジングの互いに反対側の第1および第2の端部と交差している。第1および第2の光サブアセンブリは、中心軸線に対して実質的に平行なシェルの側面においてメインハウジングに接続されている。態様において、メインハウジングは、第1の光サブアセンブリと第2の光サブアセンブリとの間に位置付けられており、第1および第2の光サブアセンブリの各々は、丸み付けられたキャップを備える概して円筒状のシェルを有する光ハウジングを含む。PIRレンズは、メインハウジングの1つの側に、第1および第2の光サブアセンブリの間に位置付けられている。さらに、PIRレンズは、メインハウジングの側部から突出するドーム形状を有し、複数のPIRセンサの視野の中の対象物の動きを検出するように構成されている複数のPIRセンサを収容している。磁石マウントアセンブリは、メインハウジングの第1の端部に取り付けられている。また、磁石マウントアセンブリは、メインハウジングの中心軸線に対して非直交の平面を規定する前面を含む。磁石マウントアセンブリは、モジュール式カメラ装置を磁石マウントアセンブリに磁気的に固定するためにモジュール式カメラ装置の金属部分に作用するように構成されている磁力を提供する磁石も含む。
【0004】
幾つかの実装形態において、投光照明装置は、さらに、カメラ装置をマウントするための接触面を形成する可撓性材料を有するマウント構成要素を含み、マウント構成要素は、磁石と前面との間に位置付けられており、接触面は、カメラ装置の外側の凸面に対して相補的な凹面である。
【0005】
幾つかの実装形態において、前面によって規定される平面は、最大で約45度までの非ゼロ角度である傾き角度によって中心軸線に対して傾けられている。
【0006】
幾つかの実装形態において、モジュール式投光照明システムは、さらに、カメラ装置を含み、カメラ装置は、丸み付けられた閉鎖端部を備える概してカップ形状を有するハウジングを含み、丸み付けられた閉鎖端部は、凸状の外面を有し、カメラ装置は、磁石マウントアセンブリに取り付けられたとき、メインハウジングに対して3軸関節を含む。これらの実装形態のうちの幾つかにおいて、カメラ装置は、ハウジングの内側に金属部分を含む。加えてまたは代替的に、これらの実装形態のうちの幾つかにおいて、カメラ装置の3軸関節は、カメラ装置の凸状の外面の曲率中心において枢動させられる。加えてまたは代替的に、これらの実装形態のうちの幾つかにおいて、カメラ装置の3軸関節は、磁石マウントアセンブリ上でのカメラ装置のハウジングの外側凸面の摺動可能な移動を含む。
【0007】
幾つかの実装形態において、モジュール式投光照明システムは、さらに、メインハウジング内に位置付けられている電源ユニットを含み、電源ユニットは、第1および第2の光サブアセンブリならびに複数のPIRセンサに電力を提供するように構成されている。これらの実装形態のうちの幾つかにおいて、モジュール式投光照明システムは、さらに、電源ユニットがカメラ装置に電力を提供することを可能にするために電源ユニットをカメラ装置に接続するように構成されているケーブルを含む。これらの実装形態のうちの幾つかにおいて、ケーブルは、カメラ装置がメインハウジングの中心軸線に対して実質的に0度と60度との間の傾き範囲を有することを可能にするために十分な長さを有し、カメラ装置は、傾き角度がゼロ度であるときに中心軸線と一致させられ、カメラ装置は、傾き角度が60度であるときに中心軸線と複数のPIRセンサとの間の方向に面している。
【0008】
幾つかの実装形態において、磁石マウントアセンブリは、カメラ装置が3軸関節を有することを可能にする。これらの実装形態のうちの幾つかにおいて、3軸関節は、メインハウジングの中心軸線に対して実質的に35度~-35度のパンの範囲を含む。
【0009】
幾つかの実装形態において、モジュール式投光照明システムは、さらに、表面にマウントするように構成されているウォールプレートを含み、メインハウジングの第1の端部は、ウォールプレートに対する中心軸線を中心とするメインハウジングのねじり運動に基づいて開口またはチャネルと結合する突出部を介して形成されたツイストロック機構を介してウォールプレートに組み付けられている。
【0010】
幾つかの実装形態において、第1および第2の光サブアセンブリのそれぞれの光サブアセンブリは、それぞれの光サブアセンブリが3つの軸線を中心に枢動可能に回転することを可能にするヒンジを介してメインハウジングに接続されている。
【0011】
幾つかの実装形態において、モジュール式投光照明システムは、さらに、マイクロコントローラユニットを含み、マイクロコントローラユニットは、複数のPIRセンサによって検出された動きに応答して、第1および第2の光サブアセンブリを作動させて光を提供し、カメラ装置に信号を送信してカメラ装置のイメージセンサを作動させ、画像をキャプチャまたはビデオを録画し始めるように構成されている。
【0012】
態様において、投光照明装置が開示されている。投光照明装置は、メインハウジングと、複数の光サブアセンブリと、電源ユニットと、磁石マウントアセンブリと、複数のPIRセンサとを含む。メインハウジングは、中心軸線を中心として概して円筒状のシェルを形成している。シェルは、カメラ装置をマウントするための第1の端部を有する。加えて、シェルは、第1の端部とは反対側の、表面にマウントするように構成されているウォールプレートにメインハウジングを組み付けるための第2の端部を有する。複数の光サブアセンブリは、メインハウジングに取り付けられており、投光照明装置の環境に広い照明範囲を提供するように構成されている。電源ユニットは、メインハウジング内に位置付けられており、複数の光サブアセンブリおよびマウントされたカメラ装置に電力を提供するように構成されている。磁石マウントアセンブリは、メインハウジングの第1の端部に取り付けられている。また、磁石マウントアセンブリは、接触面と、マウントされたカメラ装置を接触面に磁気的に固定するためにマウントされたカメラ装置における金属部分に作用するように構成されている磁力を提供する磁石とを含む。複数のPIRセンサは、メインハウジングの側面の近傍かつ第1の端部と第2の端部との間に位置付けられている。複数のPIRセンサは、投光照明装置に関連したカメラシステムのカメラPIR FOVを補足するために使用可能なPIR FOVを有する。
【0013】
1つまたは複数の実装形態の詳細は、添付の図面および以下の説明に示されている。その他の特徴および利点は、説明、図面および特許請求の範囲から明らかになるであろう。この概要は、詳細な説明においてさらに説明される主題を紹介するために提供されている。したがって、読み手は、概要が必須の特徴を記載しているまたは請求された主題の範囲を限定すると考えるべきではない。
【0014】
モジュール式投光照明システムの1つまたは複数の態様の詳細は以下に説明される。説明および図面における異なる例における同じ参照番号の使用は、類似の要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】モジュール式投光照明システムの例示的な実装形態およびその幾つかの構成要素の分解図である。
【
図2】異なる向きにおいてカメラ装置を支持する
図1のモジュール式投光照明システムの例を示す図である。
【
図4】
図1の投光照明装置のメインハウジングアセンブリの分解図である。
【
図5】
図1の磁石マウントアセンブリの分解図である。
【
図7】PIRセンサのFOVに従う
図1の投光照明装置の例示的な実装形態、および投光照明装置にマウントされたカメラ装置内のPIRセンサのFOVを示す図である。
【
図9】線9-9に沿って見た、
図8の投光照明装置のメインハウジングの断面図である。
【
図12】
図1のウォールプレートの後側等角図である。
【
図13】
図1のウォールプレートの断面図およびその一部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
詳細な説明
概観
本文献は、モジュール式投光照明システムに関する技術を記載している。モジュール式投光照明システムは、投光照明装置(アクセサリユニットとも呼ばれる)およびモジュール式カメラシステム(例えば、モジュール式カメラ装置、カメラユニット)を含む。投光照明装置は、投光照明と、投光照明およびモジュール式カメラシステムを作動させるために使用される動き検出センサとを含む。加えて、投光照明装置は、モジュール式カメラシステムを投光照明装置に磁気的に固定する磁石マウントアセンブリを含む。モジュール式カメラシステムは、投光照明装置の凹状マウント面に磁気的にマウントされる丸み付けられた外面を備えるカメラ装置を含み、これは、投光照明装置に対するカメラ装置の3軸関節を可能にする。投光照明装置は、カメラ装置、投光照明、および投光照明装置上のPIRシステムに電力も提供し、これは、モジュール式カメラシステムのPIR能力を拡張および補足する。
【0017】
本明細書に記載されたモジュール式投光照明システムは、消費者によるユーザフレンドリな据付およびセットアップ、投光照明装置に対するカメラ装置の容易に調整可能な位置付け、カメラ装置のための拡張されたPIR能力およびカメラ装置の互換性を可能にする、モジュール式設計を提供する。モジュール式投光照明システムは、その体積を減じるコンパクトな構造も含むが、投光照明、PIRセンサおよびカメラ装置に電力を供給することができる電源ユニットを含む。さらに、磁気的にマウントすることは、多くの従来の投光照明システムと比較して、投光照明装置に対するカメラ装置の増加した関節を提供する。
【0018】
例示的な動作環境およびシステム
図1は、モジュール式投光照明システム100の例示的な実装形態およびその幾つかの構成要素の分解
図150を示す。モジュール式投光照明システム100は、投光照明装置102に取外し可能に組み付けられたモジュール式カメラシステム(例えば、カメラ装置104)と通信し、かつこれに接続されるように構成されている投光照明装置102を含んでもよい。態様において、カメラ装置104は、カメラ装置104を投光照明装置102に磁気的にかつ取外し可能に固定する磁力を介してモジュール式投光照明システム100に一体化されている(例えば、投光照明装置102内の磁石は、カメラ装置104内の金属部分(図示せず)に作用する)。カメラ装置104は、丸み付けられた閉鎖された端部を備える概してカップ形状を有するハウジングと、反対側の端部におけるイメージセンサとを含む。投光照明装置102は、モジュール式投光照明システム100の環境に広い照明範囲を提供するように構成されている1つまたは複数の光サブアセンブリ106も含んでもよい。1つの例において、投光照明装置102は、第1の光サブアセンブリ106-1および第2の光サブアセンブリ106-2を含んでもよい。ウォールプレート108は、壁、特に電源に接続されている電気配線を有する接続箱に取り付けられるように構成されている。ウォールプレート108は、接続箱の異なる構成に適応するように構成されてもよい。
【0019】
投光照明装置102は、ウォールプレート108に接続されるメインハウジング110を含む。1つの例において、メインハウジング110は、ツイストロック機構(例えば、開口またはチャネルと結合する突出部を介して形成され、ウォールプレート108に対するメインハウジング110のねじり運動を介して所定の位置にロックする)を介してウォールプレートに固定される。メインハウジング110は、1つまたは複数の射出成形技術を介してプラスチックから形成されてもよい、概して円筒状のシェルである。メインハウジング110は、第1の端部(例えば、モジュール式カメラシステムをマウントするための前端部)および第2の端部(例えば、ウォールプレート108に組み付けるための後端部)を含む。シェルは、第1および第2の端部と交差する長手方向軸線を中心とする概して円筒状であってもよい。幾つかの態様において、シェルは、三角形、矩形、台形、楕円形などを含む、断面のためのあらゆる適切な形状を有してもよい。第1および第2の光サブアセンブリ106-1および106-2はそれぞれ、メインハウジング110の反対側(例えば、側面)に取り付けられている。示された例において、メインハウジング110の側面は、メインハウジング110の円筒形状の長手方向軸線と交差しないメインハウジング110の側面である。
【0020】
投光照明装置102は、PIRモジュール112およびPSU114を含んでもよい。PIRモジュール112は、投光照明装置102の範囲内の動きを検出するように構成されている。PSU114は、PIRモジュール112、光サブアセンブリ116およびカメラ装置104を含む1つまたは複数の構成要素に電力を提供するように構成されている。1つの例において、PSU114は、カメラ装置104に接続されているコネクタ118(ポゴピンを有するコネクタ)を備えるケーブル116(例えば、ポゴケーブル)を介してカメラ装置104に電力を提供する。
【0021】
また、投光照明装置102は、内側フレームサブアセンブリ120および磁石マウントアセンブリ122を含む。磁石マウントアセンブリ122は、カメラ装置104内の金属部分(または複数の金属部分)に作用する磁石マウントアセンブリ122内の磁石の磁力を介してカメラ装置104を受け入れ、かつ支持するように構成されている。内側フレームサブアセンブリ120は、磁石によって生成された磁力に関連した磁界からPSU114を遮蔽するように構成されている。本明細書においてさらに詳細に説明されているように、磁石マウントアセンブリ122は、カメラ装置104の丸み付けられた閉鎖端部の相補的な凸状の外面を受け入れるための凹面124を含む。カメラ装置104の外面は、丸み付けられており、磁力によって磁石マウントアセンブリ122の凹面124に磁気的に取り付けられるので、カメラ装置104は、その視野を向け直すためにメインハウジング110に対して3つの軸線において向きを変える(例えば、回転、傾斜、パンする)ことができる。更なる詳細は、
図2に関して説明される。
【0022】
図2は、異なる向きにおいてカメラ装置104を支持する
図1のモジュール式投光照明システム100の例(例えば、例200-1、200-2、200-3、200-4および200-5)を示す。例200-1において、カメラ装置104は、カメラ装置104のハウジング内に配置された金属部分(例えば、金属部分202)に作用するメインハウジング110内の磁石に基づいて投光照明装置102に磁気的にマウントされようとしている。投光照明装置102のメインハウジング110は、長手方向軸線(例えば、中心軸線204)を含む。示された例において、中心軸線204は、投光照明装置102が壁(図示せず)にマウントされているという仮定に基づいて実質的に水平である。したがって、中心軸線204は、投光照明装置102(またはウォールプレート108)がマウントされている表面に対して実質的に直交してもよい。
【0023】
磁石マウントアセンブリ122は、メインハウジング110の中心軸線204に対して非直交の平面を規定する前面206を含む。むしろ、前面206は、中心軸線204の下方または中心軸線204に対して平行な平面(例えば、水平面)の下方の約20度の方向に向くように傾けられている(例えば、軸線208は、前面206に対して垂直である)。例えば、軸線208と、中心軸線204とは、約20度の傾き角度210を形成している。しかしながら、最大で約45度までの非ゼロ角度を含むあらゆる適切な傾き角度210を実現することができる。
【0024】
メインハウジング110の中心軸線204に対する前面206の傾き角度210は、約130度対角(例えば、110度水平および56度垂直)のFOVのために中心軸線204の下方への約0~60度のカメラ装置104の傾き範囲を提供するために、カメラ装置104と組み合わせて使用される。傾き角度210の決定は、カメラ装置104のイメージセンサのFOV、ユーザによって地面の上方にマウントされるカメラ装置104のために予想される平均高さ、ケーブル116の長さなどを含む複数の要因に基づく。例えば、メインハウジング110が垂直な壁にマウントされるという仮定に基づいて、カメラ装置104は、水平面の下方に0と60度との間の傾き範囲を有してもよい。さらに、ケーブル116の長さは、中心軸線204に対してゼロ度の傾き角度および±30度のパン角度を有するようにカメラ装置104が上方へ(中心軸線204に向かって)回転するのに十分である。加えて、傾き角度210は、ユーザがカメラ装置104を特定の向きに方向付ける、または位置付けるためにカメラ装置104の増加した関節を可能にする。例えば、カメラ装置104は、カメラ装置104のイメージセンサのFOVが、メインハウジング110のすぐ下方でかつ、メインハウジング110がマウントされている壁の近傍の領域を含むことを可能にするように、向き付けられてもよい。
【0025】
例200-2および200-3は、投光照明装置102のメインハウジング110に対するカメラ装置104の傾き範囲を示す。例200-2において、カメラ装置104は下方を向いている。カメラ装置104は、メインハウジング110の中心軸線204に対して約60度の角度(例えば、角度212)まで下方へ傾斜してもよい。例200-3において、カメラ装置104は、実質的に水平方向またはメインハウジング110の中心軸線204に対して実質的に平行な方向を向いている。
【0026】
例200-3および200-4は、投光照明装置102のメインハウジング110に対するカメラ装置104のパンの範囲を示す。例200-4において、カメラ装置104は、図の左に向けられている。例200-5において、カメラ装置104は、図の右に向けられている。カメラ装置104の向きを変えるとき、カメラ装置104の外側凸面は、磁石マウントアセンブリ122の凹面124上で摺動してもよく、磁石マウントアセンブリ122の内側の磁石がカメラ装置104内の金属部分202の異なる部分または異なる金属部分に作用することを可能にする。このように、カメラ装置104は、カメラ装置内の位置であってもよい枢動点(例えば、カメラ装置の外側凸面の曲率中心)に対して枢動可能に移動してもよい。特に、カメラ装置104の3軸関節は、カメラ装置104の凸状外面の曲率中心において枢動させられる。
【0027】
メインハウジング110に対するカメラ装置104のパンの範囲は、マウント面216の曲率半径、マウント面216の直径、マウント面216のサイズ(例えば、面積)などを含む、カメラ装置104自体のマウント面216の幾何学的形状との組合せにおける磁石マウントアセンブリ122の凹面124の1つまたは複数の特性(例えば、曲率半径、直径、深さ)によって規定されてもよい。1つの例において、カメラ装置104は、中心軸線204に対して約60度~約-60度のパンの範囲を有してもよい。
【0028】
傾き範囲も、カメラ装置のマウント面216の幾何学的形状との組合せにおける、磁石マウントアセンブリ122の凹面124の1つまたは複数の特性によって規定されてもよい。幾つかの例において、傾き範囲は、さらに、カメラ装置104をPSU114に電気的に接続するケーブル116の長さによって規定されてもよい。
【0029】
図3は、
図1の光サブアセンブリ106の分解
図300を示す。光サブアセンブリは、丸み付けられた端部304を備えるヒンジ302を含み、丸み付けられた端部304は、ボールキャップ306およびボールカバー308との組合せにおいて、最大で3つの異なる軸線において枢動可能に可動なヒンジ(例えば、ボールジョイント)を形成するために使用可能である。ボールカバー308はホルダ310に接続され、ホルダ310は光ハウジング312に接続される。態様において、ボールカバー308はホルダ310に固定される(例えば、螺合する)。ボールカバー308がホルダ310に締め付けられるとき、ボールカバー308はボールキャップ306に圧縮力を提供し、ひいては、ヒンジ302の丸み付けられた端部304に締付力を提供する。したがって、ユーザは、
図2におけるメインハウジング110に対してヒンジ302を中心に光サブアセンブリ106を枢動可能に再位置付けるために、ボールカバー308を緩めることができる。ホルダ310は、1つまたは複数の締結具314(例えば、ねじ)によって光ハウジング312に取り付けられてもよい。水の進入を防止するために、ホルダ310と光ハウジング312との間にゴムシールが位置付けられてもよい。加えて、ヒンジ302(および丸み付けられた端部304)は、中空である。例えば、ヒンジ302は、ヒンジ302の長手方向軸線と同軸な開口を規定してもよく、電気ワイヤを開口に通過させることができる。幾つかの実装形態において、シールは、水の進入を防止するために、電気ワイヤの周囲およびヒンジ302の開口内に位置付けられてもよい。シールは、シールを所定の位置に固定するためにヒンジ302の開口内に接着されてもよい。
【0030】
光ハウジング312は、開放端部および丸み付けられた閉鎖端部を備える概してカップ形状を有する。示された例において、光ハウジング312は、丸み付けられたキャップを備える概して円筒状のシェルである。光ハウジング312は、プラスチックであってもよく、射出成形技術によって形成されてもよい。加えて、光サブアセンブリ106は、光ハウジング312内に嵌め込まれるヒートシンク316を含む。ヒートシンク316は、光ハウジング312の内面に対して概して相補的な形状(例えば、丸み付けられた端部を備える概して円筒状)である。ヒートシンク316は、熱伝導材料318、発光ダイオード(LED)基板320および反射器322を含む様々な構成要素を収納するためのキャビティも規定している。LED基板320は、光を提供するためのLED324の配列を含む。反射器322は、LED324の配列によって提供された光を反射するために使用される。シール326(例えば、Оリング)は、レンズ328と光ハウジング312との間における水の進入を防止するために設けられてもよい。レンズ328は、投光照明のためのあらゆる適切なレンズであってもよい。
【0031】
図4は、
図1の投光照明装置102のメインハウジングアセンブリ402の分解
図400を示す。メインハウジングアセンブリ402は、内側フレームサブアセンブリ120、PSU114、PIRモジュール112、ケーブル116およびメインハウジング110を含む。幾つかの態様において、メインハウジングアセンブリ402は、ゴムシール404およびガスケット406も含む。ゴムシール404は、メインハウジング110とウォールプレート108(
図1)との間に水シールを提供する。ガスケット406は、メインハウジング110における開口の一部を被覆し、この開口を通じて電気ワイヤ(図示せず)が電源からメインハウジング110内へ引き込まれる。
【0032】
内側フレームサブアセンブリ120は、磁石遮蔽構成要素410を備える内側フレーム408を含む。内側フレーム408は、開放端部および反対側の閉鎖端部を備える概して円筒状のシェルであってもよく、シェル内に凹んだ領域を規定している。磁石遮蔽構成要素410は、ディスク状であってもよく、内側フレーム408の凹んだ領域内に支持されてもよい。磁石遮蔽構成要素410は、磁石マウントアセンブリ122における磁石によって生成された磁界からPSU114を保護するのを助けるために、PSU114と磁石マウントアセンブリ122(
図1に示されている)との間に位置付けられている。内側フレームサブアセンブリ120は、内側フレーム408とメインハウジング110との間に防水シールを提供するためにガスケット412も含んでもよい。内側フレームサブアセンブリ120は、内側フレーム408と
図1の磁石マウントアセンブリ122との間に防水シールを提供するためにガスケット414も含んでもよい。
【0033】
PIRモジュール112は、マイクロコントローラユニット(MCU)420が装着されたPIR基板418をマウントするための表面を有するPIRホルダ416を含む。MCU420は、複数のPIRセンサ422に通信可能に接続されてもよく、PIRセンサ422を動作させるように構成されてもよい。MCU420は、光サブアセンブリ106およびマウントされた装置(例えば、カメラ装置104)に通信可能に接続されてもよい。PIRセンサ422は、PIRホルダ416に組み付けられたPIRフレックス構成要素424に取り付けられている。このように、PIRホルダ416は、MCU420とPIRフレックス構成要素424との間に位置付けられている。PIRレンズ426は、PIRセンサ422を被覆しており、PIRホルダ416に取り付けられている(例えば、PIRレンズ426は、PIRセンサ422およびPIRフレックス構成要素424を収納するキャビティを形成するボウル形状である)。ガスケット428は、PIRレンズ426とPIRホルダ416との間に位置付けられてもよい。別のガスケット430は、PIRレンズ426とメインハウジング110との間に位置付けられてもよい。メインハウジング110は、メインハウジング110の底側における開口を含み、この開口を通ってPIRレンズ426が位置付けられる。このように、PIRレンズ426は、メインハウジング110の内面に取り付けられ、PIRセンサ422(PIRレンズ426内に位置付けられている)は、メインハウジング110の円筒状シェルの外側に位置付けられる。
【0034】
図5は、
図1の磁石マウントアセンブリ122の分解
図500を示す。磁石マウントアセンブリ122は、フロントカバー502、マウント構成要素504、磁石506、磁石シュラウド508および磁石ホルダ510を含む。態様において、磁石シュラウド508は、接着剤512(例えば、感圧接着剤(PSA))によって磁石ホルダ510に取り付けられる。磁石ホルダ510は、1つまたは複数の締結具514(例えば、ねじ)によってフロントカバー502に取り付けられてもよい。磁石ホルダ510は、マウント構成要素504、磁石506および磁石シュラウド508を収納するキャビティを規定している。
【0035】
磁石シュラウド508は、磁石506の後側および側部を被覆し、磁石506によって生成された磁界が、(
図1に示されているように)磁石506から磁石シュラウド508の反対側に位置付けられているPSU114に到達することをブロックするために、磁石506を凹んだ領域内に支持する。磁石シュラウド508は、磁石506の前側を被覆しない。
【0036】
マウント構成要素504は、カメラ装置104をマウントするための接触面を形成する可撓性材料を含む。態様において、マウント構成要素504は、磁石506とマウントされた装置(例えば、カメラ装置104)との間に可撓性凹面(例えば、凹面124)を提供する。凹面124は、カメラ装置104の凸状外面に対して相補的であってもよい。マウント構成要素504は、凹面124とは反対側の平坦な面を有してもよく、平坦な面が磁石506に当接する。
【0037】
図6は、
図1のPIRモジュール112の拡大
図600を示す。示したように、PIRセンサ422は、PIRセンサ422が互いから離れる方向に向くように、互いから60~90度で向けられている。向きにおけるこの60~90度のずれは、約180度の水平方向角度範囲を有する全体的なFOVを提供する。したがって、投光照明装置102(
図1における)が壁にマウントされるとき、PIRセンサ422の全体的なFOVは、壁に近い投光照明装置102の左側および右側の両方を含む領域を捕捉する。PIRセンサ422のFOVの一例が、
図7に示されている。
【0038】
ノイズを防止するために、PIRセンサ422は接地されており、シールディングを含む。PIRセンサ422のピンを接地するために、基板602(例えば、プリント回路基板(PCB))が各PIRセンサ422の下側に加えられている。1つの例において、PIRセンサ422は、各々、PIRセンサ422の後側に4つのピンを含む。基板602は、1つまたは複数の表面マウント技術(SMT)によってフレキシブルプリント回路(FPC)にマウントされ、PIRセンサ422のためのシールディングとともにスペーサとして使用される。また、PIRセンサ422およびそのピンを接地するために、PIRセンサ422の後側(例えば、PIRセンサと基板602との間)に導電接着剤が位置付けられてもよい。PIRセンサ422の側壁を接地するために、追加的なシールディング604が加えられてもよい。追加的なシールディング604は、PIRセンサ422の側壁を取り囲むように位置付けられている概して円筒状の金属管を含んでもよい。このようにPIRセンサ422を接地およびシールディングすることは、PIRセンサ422の性能に対するノイズの効果を著しく低減する。
【0039】
周囲光センサ606は、PIRホルダ416上に含まれてもよく、PIRセンサ422の間に位置付けられてもよい。この構成において、周囲光センサ606は、前方に向けられており(例えば、メインハウジング110の中心軸線204と水平方向に整列させられている)、メインハウジング110の中心軸線204から、ある角度で下方へ傾けられている。
【0040】
図7は、PIRセンサ422のFOVに従った
図1の投光照明装置102の例示的な実装形態700および投光照明装置102にマウントされたカメラ装置104内のPIRセンサのFOVを示す。カメラ装置104は、典型的には1つのPIRセンサのために約120度であるカメラPIR FOV(例えば、第1のPIR FOV702)内の動きを検出するためのビルトインPIRセンサを有してもよい。投光照明装置102におけるPIRセンサ422(
図6に示され、PIRレンズ426の背後に位置付けられている)は、第1のPIR FOV702よりも広いPIR FOV(例えば、第2のPIR FOV704)を有する。例えば、第2のPIR FOV704は、約180度(水平)の角度範囲を有してもよい。さらに、第2のPIR FOV704は、約30度の垂直FOVを有してもよい。1つの例において、投光照明装置102が1.8~3メートル(m)の範囲内の高さにマウントされている場合、PIRセンサ422は、PIRセンサ422から最大で約7.6m離れた距離を歩く人(例えば、0.9m/s)を検出してもよい。この例を続けると、PIRセンサ422は、ゼロ度のパン(メインハウジング110の中心軸線204に対して)において約7.6mの範囲および180度のパン(中心軸線204に対して)において4.5mの範囲を有してもよい。
【0041】
PIRセンサ422は、モジュール式カメラシステム(例えば、カメラ装置104)のものよりも広いPIR FOVを有するので、投光照明装置102は、モジュール式カメラシステムのPIR能力を拡張する。このように、投光照明装置102のPIRセンサ422は、カメラ装置104の第1のPIR FOV702の外側の動きを検出してもよく、PIRセンサ422による動きの検出に基づいて、MCU420は、次いで、投光照明装置102の周囲の環境に光を提供するために光サブアセンブリ106におけるLEDを作動させてもよい(例えば、オンにしてもよい)。加えて、投光照明装置102は、カメラ装置104に信号を送信して、イメージセンサを作動させ、カメラ装置104のカメラレンズを通して見たシーンの画像の捕捉またはビデオの録画を開始することができ、これは、対象物がイメージセンサのFOVに進入する前にビデオ録画を開始することによって、カメラ装置104が、イメージセンサのFOV内へ動く対象物を予測することを助けてもよい。投光照明装置102のPIRセンサ422によって提供されるこの拡張されたPIR FOV(例えば、第2のPIR FOV704)は、投光照明装置102の光サブアセンブリ106のための、および枢動可能に可動かつモジュール式のカメラ装置104のための、動き検出のための、一貫したかつ広いFOVを提供する。したがって、第2のPIR FOV704は第1のPIR FOV702の外側の領域のカバー範囲を維持するので、カメラ装置104は、PIR FOVにおける盲点を残すことなく(
図2に関して説明したように)向きを変えることができる。
【0042】
図8は、
図1の投光照明装置102の正面
図800を示す。示したように、各光サブアセンブリ106をメインハウジング110に接続するヒンジは、光サブアセンブリ106が最大で3つの回転軸線において枢動可能に動くことを可能にする。したがって、ヒンジは、光サブアセンブリ106が消費者によって容易に調整可能であることを可能にする。
【0043】
図9は、線9-9に沿って見た、
図8の投光照明装置102のメインハウジング110の断面
図900を示す。示したように、投光照明装置102のメインハウジング110は、幾つかの従来の投光照明のものと比較してサイズの減少を提供するコンパクトな構造、モジュール式カメラシステムの3軸関節(例えば、デカルト座標系における3つの軸を中心とする回転)を可能にする磁
石マウント
アセンブリを有するモジュール式構造、およびモジュール式カメラシステムのための拡張されたPIR FOVを含む。投光照明装置102は、モジュール式カメラシステムにライン電力も提供してもよい。
【0044】
図9に示したように(また、
図2に説明したように)、磁石マウントアセンブリ122の前面206は、中心軸線204の下方に実質的に10~30度(例えば、20度)の範囲内の傾き角度によって中心軸線204に対して傾斜させられた平面を規定する。加えて、磁石ホルダ510は、フロントカバー502の内面に取り付けられており、磁石ホルダ510の凹んだ領域内に磁石シュラウド508を支持する。磁石506は、磁石シュラウド508によって支持され、少なくとも部分的に磁石シュラウド508内に位置付けられている。磁石506および磁石シュラウド508は、磁石ホルダ510とフロントカバー502の内面との間に位置付けられている。さらに、マウント構成要素504は、磁石506とフロントカバー502との間に位置付けられており、(
図1の)カメラ装置104をマウントするための接触面を提供する。磁石ホルダ510の背後に(例えば、磁石ホルダ510の後側とPSU114との間に)内側フレーム408および磁石遮蔽構成要素410が設けられている。したがって、磁石506によって生成された磁界からPSU114を保護するために、磁石シュラウド508および磁石遮蔽構成要素410の両方は、磁石506とPSU114との間に配置されている。
【0045】
PIRホルダ416は、メインハウジング110内に、PSU114の下方に位置付けられている。PIR基板418は、PSU114とPIRホルダ416との間に配置されている。説明したように、PIRホルダ416は、メインハウジング110の開口内に位置付けられており、PIRセンサ422は、メインハウジング110を取り囲む環境へPIR信号を送信しかつメインハウジング110を取り囲む環境からPIR信号を受信することを可能にする向きで、PIRセンサ422を支持している。PIRレンズ426は、PIRセンサ422のFOVを増大させ、また、PIRセンサ422をごみ屑、ほこりおよび湿気から保護する。PIRレンズ426は、フレネルレンズを含む、赤外線半透明のあらゆる適切なレンズであってもよい。
【0046】
メインハウジング110とウォールプレート108との間に形成されたツイストロックにより、PSU114のケーブル(例えば、電気ワイヤ902)は、ケーブルのねじりにより据付中に挟まれる場合がある。電気ワイヤ902が挟まれるのを防止するために、メインハウジング110の第2の端部の近傍で電気ワイヤ902の一部を取り囲むようにシュリンクチューブ904が実装されている。シュリンクチューブ904は、メインハウジング110が(ツイストロック機構によって)ウォールプレート108に組み付けられるときに電気ワイヤ902が挟まれることから保護するための剛性を提供するあらゆる適切な材料(例えば、熱収縮材料)であってもよい。態様において、シュリンクチューブ904は、実質的に10mm~50mmの範囲内の長さを含む、電気ワイヤ902のあらゆる適切な長さをカバーしてもよい。
【0047】
図10は、
図1のウォールプレート108の分解
図1000を示す。ウォールプレート108は、トリムプレート1002およびカバープレート1004を含む。トリムプレート1002は、前側および後側(例えば、前側1006および後側1008)を備えるディスク形状であり、表面(例えば、壁または壁における接続箱)に取り付けられるように構成されている。トリムプレート1002は、トリムプレート1002に組み付けられ、前側1006および後側1008の各々の少なくとも一部をそれぞれ含む、トリムプレート1002の外縁を実質的にカバーするマウントガスケット1010を含む。マウントガスケット1010は、トリムプレート1002の縁部をカバーするためにC字形断面を備える概してリング形状を有する。さらに、マウントガスケット1010は、カバープレート1004に当接し、ウォールプレート108が組み立てられたときにカバープレート1004と防水シールを形成する前方外側1012を含む。マウントガスケット1010は、ウォールプレート108が表面(例えば、壁)にマウントされたときに当該表面に当接し、かつ当該表面とシールを形成するように構成されている、後方外側1014も含む。トリムプレート1002は、締結具1016を含むあらゆる適切な締結具によって接続箱に取り付けられてもよい。さらに、トリムプレート1002は、湾曲したスロット1020において締結具1016を位置付けることによって接続箱の異なる構成に合致するように±45度だけ中心軸線(例えば、中心軸線1018)を中心に回転可能に調整されるように構成されている。態様において、カバープレート1004は、締結具(例えば、締結具1022)によってトリムプレート1002に固定される。
【0048】
図11は、
図10のカバープレート1004の背面
図1100を示す。カバープレート1004は、後面1102と、後面1102から突出したリム1104とを含む。リム1104は、防水シールを形成するために
図10のマウントガスケット1010と結合するように構成されている。リム1104は、排水を可能にするための切欠き(例えば、切欠き1106)を含む。カバープレート1004は、凹んだ領域を形成し、マウントガスケット1010を受け入れかつ支持するために、後面1102を取り囲む周壁1108を含む。周壁1108は、水をカバープレート1004から排出するための経路を提供する開口(例えば、排水口1110)を規定している。壁にマウントされたとき、カバープレート1004は、重力によって排水を可能にするために、切欠き1106がリム1104の最も低い箇所に配置され、排水口1110が周壁1108の最も低い箇所に配置されるように向けられてもよい。
【0049】
引き続き、
図12は、
図1のウォールプレート108の後側等角
図1200を示す。示したように、カバープレート1004は、トリムプレート1002を支持する凹んだ領域を規定するように成形されている。マウントガスケット1010は、トリムプレート1002の前側1006(
図10における)とカバープレート1004の後面1102(
図11における)との間に防水シールを提供する。マウントガスケット1010は、トリムプレート1002と壁(または接続箱)との間に防水シールを提供するようにも構成されている。したがって、マウントガスケット1010は、トリムプレート1002の前側および後側1006および1008の両方において防水シールを提供する。加えて、マウントガスケット1010は、ウォールプレート108の内部への浸水の際の排水のための複数の排水スロット1202(例えば、凹んだ領域)を含む。排水スロット1202は、マウントガスケット1010の後方外側1014に規定されている。加えて、マウントガスケット1010は、マウントガスケット1010の外周に沿って(例えば、縁部の近傍で)排水スロット1202のうちの少なくとも幾つかを接続するチャネル1204を含む。したがって、ウォールプレート108が中心軸線(例えば、中心軸線1018)を中心に回転させられると、水が重力により排水スロット1202およびチャネル1204を通じてウォールプレート108から出てもよい。排水スロット1202およびチャネル1204は、実質的に0.5ミリメートル(mm)~1.5ミリメートルの範囲内の深さ(例えば、1.0mmの深さ)を含む、あらゆる適切な深さを有してもよい。
【0050】
示された例は3つの排水スロット1202を含むが、1、2、3、4などを含むあらゆる適切な数のスロットが実装されてもよい。説明のために、3つの排水スロット1202、例えば、中央のスロットおよび2つの外側のスロットが記載されている。態様において、排水スロット1202のうちの少なくとも1つ(例えば、外側のスロット)は、マウントガスケット1010の縁部(例えば、縁部1208)に対して非直交の側壁1206を含む。むしろ、側壁1206は、(ウォールプレート108がマウントされた接続箱の構成に応じて)ウォールプレート108が中心軸線1018を中心に最大で約45度だけ回転させられたとき、排水スロット1202を通じた浸水の可能性を低減するように向けられている。しかしながら、排水スロット1202のうちの1つに水が侵入した場合、水は、チャネル1204のうちの1つまたは複数を通じて、またはマウントガスケット1010の中央領域(例えば、中央領域1210)を通じて、隣の排水スロット1202から排出され得る。態様において、水は、排水スロット1202および/またはチャネル1204を通って、およびカバープレート1004の内部から出るためにカバープレート1004における排水口1110を通って排出されてもよい。
【0051】
図13は、
図11のウォールプレート108の断面
図1300およびその一部1304の拡大
図1302を示す。拡大
図1302において、トリムプレート1002の外周1308と、カバープレート1004の周壁1108の内面1310との間に、ギャップ1306(例えば、隙間)が規定されている。ギャップ1306は、排水を可能にするように実装されている。排水のための類似の隙間ギャップ(例えば、ギャップ1312)が、マウントガスケット1010と、カバープレート1004の周壁1108の内面1310との間に規定されてもよい。実質的に0.25mm~0.5mmの範囲内(例えば、0.33mm)のサイズを含む、あらゆる適切なサイズが、ギャップ1306および1312のために実装されてもよい。
【0052】
(例えば、接続箱の周囲の壁における)不均一なマウント面により、またはユーザによる不適切な据付により、水がウォールプレートの中央領域1210に侵入し得る。したがって、排水スロット1202およびチャネル1204は、浸水の場合に水が出るための経路を提供する。
【0053】
モジュール式投光照明システムを使用する技術およびモジュール式投光照明システムのための装置が記載されているが、添付の特許請求の範囲の主題は必ずしも記載された特定の特徴および方法に限定されないことが理解されるべきである。むしろ、特定の特徴および方法は、モジュール式投光照明システムを実装することができる例示的な方法として開示されている。
【0054】
幾つかの例が以下に提供される。
モジュール式投光照明システムは、投光照明装置を備え、投光照明装置は、メインハウジングを含み、メインハウジングは、メインハウジングの互いに反対側の第1および第2の端部と交差する中心軸線を有する概して円筒状のシェルを有し、中心軸線に対して実質的に平行なシェルの側面においてメインハウジングに接続されている第1および第2の光サブアセンブリを含み、メインハウジングは、第1の光サブアセンブリと第2の光サブアセンブリとの間に位置付けられており、第1および第2の光サブアセンブリの各々は、丸み付けられたキャップを備える概して円筒状のシェルを有する光ハウジングを含み、第1の光サブアセンブリと第2の光サブアセンブリとの間でメインハウジングの側部に位置付けられている受動型赤外線(PIR)レンズを含み、PIRレンズは、メインハウジングの側部から突出し、かつ複数のPIRセンサの視野内の対象物の動きを検出するように構成されている複数のPIRセンサを収納するドーム形状を有し、メインハウジングの第1の端部に取り付けられている磁石マウントアセンブリを含み、磁石マウントアセンブリは、メインハウジングの中心軸線に対して非直交の平面を規定する前面と、モジュール式カメラシステムを磁石マウントアセンブリに磁気的に固定するためにモジュール式カメラシステムの金属部分に作用するように構成されている磁力を提供する磁石とを含む。
【0055】
投光照明装置は、モジュール式カメラシステムをマウントするための接触面を形成する可撓性材料を有するマウント構成要素をさらに含んでもよく、マウント構成要素は、磁石と前面との間に位置付けられてもよく、接触面は、モジュール式カメラシステムの外側凸面に対して相補的な凹面であってもよい。
【0056】
前面によって規定される平面は、実質的に1度~30度の範囲内の傾き角度だけ中心軸線に対して傾けられてもよい。
【0057】
モジュール式投光照明システムは、モジュール式カメラシステムをさらに備えてもよく、モジュール式カメラシステムは、丸み付けられた閉鎖端部を備える概してカップ形状を有するハウジングを含み、丸み付けられた閉鎖端部は、凸状外面を有し、カメラ装置は、磁石マウントアセンブリに組み付けられたとき、メインハウジングに対して3軸関節を含む。
【0058】
モジュール式カメラシステムは、ハウジングの内側に金属部分を含んでもよい。
モジュール式カメラシステムの3軸関節は、カメラ装置の凸状外面の曲率中心において枢動させられてもよい。
【0059】
モジュール式カメラシステムの3軸関節は、磁石マウントアセンブリ上でのモジュール式カメラシステムのハウジングの外側凸面の摺動可能な動きを含んでもよい。
【0060】
モジュール式投光照明システムは、メインハウジング内に位置付けられている電源ユニットをさらに備えてもよく、電源ユニットは、第1および第2の光サブアセンブリならびに複数のPIRセンサに電力を提供するように構成されている。
【0061】
モジュール式投光照明システムは、電源ユニットがモジュール式カメラシステムに電力を提供することを可能にするために電源ユニットをモジュール式カメラシステムに接続するように構成されているケーブルをさらに備えてもよい。
【0062】
ケーブルは、モジュール式カメラシステムがメインハウジングの中心軸線に対して実質的に0度と60度との間の傾き範囲を有することを可能にするために十分な長さを有してもよく、傾き角度がゼロ度であるとき、モジュール式カメラシステムは中心軸線と整列させられてもよく、傾き角度が60度であるとき、モジュール式カメラシステムは中心軸線とPIRセンサとの間の方向に面してもよい。
【0063】
磁石マウントアセンブリは、モジュール式カメラシステムが3軸関節を有することを可能にしてもよい。
【0064】
3軸関節は、メインハウジングの中心軸線に対して実質的に35度~-35度のパンの範囲を含んでもよい。
【0065】
モジュール式投光照明システムは、表面にマウントするように構成されているウォールプレートをさらに備えてもよく、メインハウジングの第1の端部は、ウォールプレートに対する中心軸線を中心とするメインハウジングのねじり運動に基づいて開口またはチャネルと結合する突出部を介して形成されたツイストロック機構を介してウォールプレートに組み付けられている。
【0066】
第1および第2の光サブアセンブリのうちのそれぞれの光サブアセンブリは、それぞれの光サブアセンブリが3つの軸線を中心に枢動可能に回転することを可能にするヒンジを介してメインハウジングに接続されてもよい。
【0067】
モジュール式投光照明システムは、マイクロコントローラユニットをさらに備えてもよく、マイクロコントローラユニットは、1つまたは複数のPIRセンサによって検出される動きに応答して、第1および第2の光サブアセンブリを作動させて光を提供し、モジュール式カメラシステムに信号を送信し、モジュール式カメラシステムのイメージセンサを作動させ、画像を捕捉することまたはビデオを録画することを開始するように構成されている。