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  • 特許-両面テープ用テープカッター 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】両面テープ用テープカッター
(51)【国際特許分類】
   B65H 35/07 20060101AFI20240705BHJP
【FI】
B65H35/07 N
B65H35/07 V
B65H35/07 J
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2024040526
(22)【出願日】2024-02-28
【審査請求日】2024-02-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524096392
【氏名又は名称】奥家 友理
(73)【特許権者】
【識別番号】524096406
【氏名又は名称】小野寺 寿珠
(73)【特許権者】
【識別番号】524096417
【氏名又は名称】小田島 愛来
(73)【特許権者】
【識別番号】524096428
【氏名又は名称】小野寺 優介
(72)【発明者】
【氏名】奥家 友理
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 寿珠
(72)【発明者】
【氏名】小田島 愛来
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 優介
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-308299(JP,A)
【文献】国際公開第2006/101332(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 35/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面に剥離紙を備えた両面テープ用のテープカッターであって、
両面テープ本体を載置するテープ載置部と両面テープを切断するテープ切断部を備えたカッター台本体と、
両面テープを切断するためのカッター刃と両面テープにミシン目を入れるためのミシン目ロータリー刃と、両面テープ切断方向に沿ってカッター刃とミシン目ロータリー刃を移動させるガイド部材を備えたカッター部からなり、
カッター台本体のテープ切断部には、カッター刃とミシン目ロータリー刃を受けるためのカッター刃用溝とミシン目ロータリー刃用溝が設けられ、
テープ載置部から順にカッター刃とミシン目ロータリー刃が設けられ、
両面テープ切断時には、カッター部のカッター刃とミシン目ロータリー刃が、カッター刃用溝とミシン目ロータリー刃用溝に嵌合する位置に移動するようにカッター部が構成されていることを特徴とするテープカッター。
【請求項3】
テープ切断部には、ガイド部材の一端を回動自在に支持するためのガイド支持部と、両面テープ切断時にガイド部材の他端を保持するためのガイド受部が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のテープカッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、両面テープの剥離紙を容易にはがすことができるテープカッターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
両面テープは日常生活をはじめ、工業や産業分野でも幅広く活用されている。しかし剥離紙を手で剥がすことは手間と時間がかかる場合があり、利便性の改善が望まれている。
【0003】
従来,両面テープ用テープカッターは多く開発されてきたが,両面テープの切断箇所に剥離紙を剥がすための爪となる部分を作るような両面テープ用テープカッターは開発されていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2008-001456号公報
【文献】特開平11-165944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
両面テープ用テープカッターとして使用でき,切断された両面テープ切断端部の剥離紙とテープを分離し,容易に剥離紙を剥がすことができる両面テープ用テープカッターを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は,一面に剥離紙を備えた両面テープ用のテープカッターであって、両面テープ本体を載置するテープ載置部と両面テープを切断するテープ切断部を備えたカッター台本体と、両面テープを切断するためのカッター刃と両面テープにミシン目を入れるためのミシン目ロータリー刃と、両面テープ切断方向に沿ってカッター刃とミシン目ロータリー刃を移動させるガイド部材を備えたカッター部からなり、カッター台本体のテープ切断部には、カッター刃とミシン目ロータリー刃を受けるためのカッター刃用溝とミシン目ロータリー刃用溝が設けられ、テープ載置部から順にカッター刃とミシン目ロータリー刃が設けられ、両面テープ切断時には、カッター部のカッター刃とミシン目ロータリー刃が、カッター刃用溝とミシン目ロータリー刃用溝に嵌合する位置に移動するように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の両面テープ用テープカッターは,一面に剥離紙を備えた両面テープを切り取る際、切り取る両面テープの切り取ったテープ部分の端部の一部をテープカッターのテープ切断部に添着させ(貼りつかせ)、切り離すことで、切り取った両面テープを必要個所に貼付した後、テープ部分がない両面テープの剥離紙の部分が爪となり剥離紙を剥がしやすくする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】右側面から見た両面テープ用テープカッターの斜視図
図2】左側面から見た両面テープ用テープカッターの斜視図
図3図1をガイド部材支持部側からみた側面図
図4】カッター部を下部から見た斜視図
図5A】両面テープ用テープカッターの背面図
図5B図5AのA-A断面図
図6】テープ軸4の斜視図
図7】テープ切断部の上面図
図8A】両面テープを切断する手順を示した図
図8B】両面テープを切断する手順を示した図
図8C】両面テープを切断する手順を示した図
図8D】両面テープを切断する手順を示した図
図9A】切断された両面テープを上面から見た図
図9B】切断された両面テープを側面から見た図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下,図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下,異なる図における同一符号は同一機能の部位を示しており,各図における重複説明は適宜省略する。
【0010】
本発明における「両面テープ」とは,テープの両面が粘着面となっており,そのうち一方の面に剥離紙が付着しているものをいう。
【0011】
図1は両面テープ用テープカッターをテープ切断部1b側の右側面から見た外観図,図2はテープ切断部1b側の左側面から見た外観図である。両面テープ用のテープカッターは図1図7に示す部品及び構造から成り立っている。
【0012】
図1は,本発明の実施形態に係る両面テープ用テープカッターの外観図を示している。カッター台本体1は,後方部のテープ載置部1aと前方部のテープ切断部1bに大きく分けられる。テープ切断部1bにはカッター部2を摺動可能に支持させるためのガイド部材3aを取り付けるため、ガイド支持部3b、ガイド受部3cが設けられている。ガイド支持部3bの上部にはガイド部材3aの一端を挟むための溝を設けており,ガイド部材3aをボルト1dとナット1eによって回動自在に支持している。また、ガイド受部3cの上部にはガイド部材3aの他端を挟んで保持するための溝が設けられ、テープ切断時にガイド部材を保持する。この溝は、ガイド部材3aの挿入を容易にするため、開口部分が底部よりやや大きく開いた形状としてもよい。
【0013】
図4は,カッター部2を下部から見た図を示している。カッター部2の内部にはテープ部分のみを切り離すためのミシン目ロータリー刃6と、テープ部と剥離紙の両面テープ全体を切断するためのロータリー刃7を備えており,2枚の刃の間には刃を互いに離間させるためのスペーサ8を挟み、2枚の刃6、7とスペーサ8はボルト2aとナット2bによって回転自在に固定されている。
【0014】
テープ軸4は,円筒状に巻かれた両面テープ本体11の芯を通してカッター台本体1に固定する。図5Bは両面テープ用テープカッターの背面から見た図5AのA-A断面図である。カッター台1の内側にはテープ軸4を通すためのテープ軸固定溝1cを設けてある。また,図6はテープ軸4の全体図である。テープ軸4の両端には固定用突起4aが設けてあり,この突起をテープ軸固定溝1cにはめ込んで固定する。テープ軸4はカッター台本体1の上部から差し込んだのちにテープ切断部1b側に移動させてカッター台1に固定する。なお、テープ軸固定溝1cは上部から下部にかけて、テープ切断部1b側に近づくように傾斜していても良い。
【0015】
突っ張り棒5は,両面テープのたるみを防ぐための部品である。テープ軸から出したテープをテープ載置部1aに近い側の1本目の突っ張り棒の下をくぐらせ,次に、テープ切断部1bに近い側の2本目の突っ張り棒の上を通す。これによって切断部にもっていくまでのテープのたるみを防ぐことができる。
【0016】
突っ張り棒5は,テープが張り付かないようにテフロン加工を施したものを用いるとよい。また,スムーズにテープを引き出すことができるよう棒自体が回転できる仕様にしてもよい。
【0017】
図7は,テープ切断部1bを上から見た図である。ミシン目ロータリー刃用溝9及びカッター刃用溝10は,カッター部2を動かす際に両面テープを直線的に切断できるように,かつテープに刃がしっかりと食い込むようにするためにテープ切断部1bの上面に設けてある。ミシン目ロータリー刃用溝9は、カッター刃用溝10よりテープ載置部1aから離れた位置に配置されている。ミシン目ロータリー刃用溝9にはミシン目ロータリー刃6を,ロータリー刃用溝10にはカッター刃としてのカッター刃7をそれぞれ嵌合させて両面テープへのミシン目形成と両面テープの切断をそれぞれ行う。なお、カッター刃は、必ずしも回動するものでなく、ナイフ状の刃でも良い。
【0018】
テープ切断部1bのミシン目ロータリー刃用溝9及びカッター刃用溝10の間の面には,2枚の刃によって切り取られた両面テープのテープ部分が残る。そのため、この部分はテープ部が貼りつきやすく剥がしやすい面にする必要があるため,粗面にしてある。
【0019】
このテープカッターの使用方法を図8Aから図8Dに示す。まず,テープ軸4に通した円筒状に巻かれた両面テープ本体11をカッター台本体1にセットし,両面テープ本体11から剥離した両面テープを突っ張り棒5の上下を通してテープ切断部1bまでもっていく。両面テープを引き出す際はカッター部2が邪魔にならないようにガイド部材を上に持ち上げる(図8A)。
【0020】
両面テープを引き出してテープ切断部1bに張り付けた後,カッター部2を切断部1bと接する位置まで下ろして両面テープをカッター部2とテープ切断部1bとの隙間にはめ込む(図8B)。そして、カッター部をガイド部材に沿って動かし、引き出した両面テープに切断線とミシン目を形成する。
【0021】
両面テープに切断線とミシン目を形成後、カッター部2を持ち上げる(図8C)。テープ切断部1b上の両面テープの端部には、テープをはがすアタリ(両面テープの切断端面において、粘着面を備えた両面テープがなく、剥離紙のみが露出している部分をいう。)を形成するためのミシン目とテープの切断線が形成されている。
【0022】
切り取る部分の両面テープを切り取る側からアタリをつけた部分(ミシン目部分)まで切断部1bから剥がし,テープを手前に引っ張ると,アタリをつけた部分でテープ部だけが切れ,切断部1bに貼りついて残る(図8D)。これによって切り離された両面テープは、上面から見た図9A、側面から見た図9Bに示すように。切り離された両面テープの端面において、テープ部11bは、両面テープの端面からアタリをつけた部分(ミシン目部分)までが、切断部に1bに残るため、切り離された両面テープでは、この部分のテープ部は切除される。そして、切り離された両面テープの剥離紙11aの端部からアタリを付けた部分までテープ部11bが無い爪部11cが剥離紙11aに形成される。この切り離された両面テープを必要な個所に貼付すると、剥離紙だけが残った部分は、貼付されることがないので、この部分が爪部11cとなって剥離紙を剥がすことができる。
【0023】
本発明は,テープ軸の径を調整することで,様々なサイズの両面テープに適用可能であり,ある程度の幅を持っているため一台のテープカッターに両面テープを複数本収納することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は,両面テープの剥離紙に爪を作ることで剥離作業を容易にすることができる。また,様々なサイズ,本数の両面テープを収納することができるため収納の省スペース化が見込まれる。さらに,テープを切断する刃は大部分がカッター部のケース内に覆われており,切断時も溝にはめ込んで使用するため,安全に作業を行うことができる。
【符号の説明】
【0025】
1 カッター台本体
1a テープ載置部
1b テープ切断部
1c テープ軸固定溝
1d ボルト
1e ナット
2 カッター部
2a ボルト
2b ナット
3a ガイド部材
3b ガイド支持部
3c ガイド受部
4 テープ軸
4a 固定用突起
5 突っ張り棒
6 ミシン目ロータリー刃
7 カッター刃
8 スペーサ
9 ミシン目ロータリー刃用溝
10 カッター刃用溝
11 両面テープ本体
11a 剥離紙
11b テープ部
11c 爪部
【要約】
【課題】切断された両面テープ切断端部の剥離紙とテープを分離し,容易に剥離紙を剥がすことができる両面テープ用テープカッターを提供する。
【解決手段】両面テープ本体を載置するテープ載置部1aとテープ切断部1bを備えたカッター台本体1と、両面テープを切断するためのカッター刃7と両面テープにミシン目を入れるためのミシン目ロータリー刃6と、両面テープ切断方向に沿ってカッター刃7とミシン目ロータリー刃6を移動させるガイド部材3aを備えたカッター部2からなり、カッター台本体1のテープ切断部には、カッター刃7とミシン目ロータリー刃6を受けるためのカッター刃用溝10とミシン目ロータリー刃用溝9が設けられ、テープ載置部1aから順にカッター刃7とミシン目ロータリー刃6が設けられている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B