(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-04
(45)【発行日】2024-07-12
(54)【発明の名称】可動収納室群画定装置
(51)【国際特許分類】
A47B 88/975 20170101AFI20240705BHJP
【FI】
A47B88/975
(21)【出願番号】P 2024064182
(22)【出願日】2024-04-11
【審査請求日】2024-04-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524140606
【氏名又は名称】菅村 瑠鋭
(73)【特許権者】
【識別番号】524140617
【氏名又は名称】宮森 音矢
(73)【特許権者】
【識別番号】524140628
【氏名又は名称】和田 直大
(73)【特許権者】
【識別番号】524140639
【氏名又は名称】平林 忠明
(73)【特許権者】
【識別番号】524140640
【氏名又は名称】稲垣 湧也
(74)【代理人】
【識別番号】100087778
【氏名又は名称】丸山 明夫
(72)【発明者】
【氏名】菅村 瑠鋭
(72)【発明者】
【氏名】宮森 音矢
(72)【発明者】
【氏名】和田 直大
(72)【発明者】
【氏名】平林 忠明
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 湧也
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】実開昭64-023240(JP,U)
【文献】実開昭63-019337(JP,U)
【文献】特開2004-049475(JP,A)
【文献】特開2005-192964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/975
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレール部材を環状に連結して構成されるレール部と、
複数の中板部材を環状に連結して構成され、前記レール部上を該レール部に沿って移動可能なように各中板部材が前記レール部材上に設けられる中板部と、
複数の仕切板部材で構成され、各仕切板部材の一縁部を前記中板部材の何れかに係止することにより前記中板部の外周囲に構成される仕切板部と、
を、有し、
前記中板部の中板部材は、各々の板面が鉛直面を成すとともに全体として周面を成すように、且つ、環状の前記レール部の全域での移動が可能なように、相互に隣接する中板部材の各板縁部にて各々遊びを有するように連結され、
前記仕切板部の各仕切板部材は当該の仕切板部材が係止される中板部材に支持されて一体で移動可能であり、相互に隣接する仕切板部材の板面間の間隔は、当該隣接する両仕切板部材の係止先の両中板部材が隣接しているか否かに応じて、隣接している場合には相対的に狭く、係止先の両中板部材間に別の1又は2以上の中板部材が存する場合には当該1又は2以上の中板部材の数に応じて相対的に広く、それぞれ設定され、
抽斗の底面上に当該抽斗の壁面に沿って前記レール部を載置し、該レール部上に前記中板部を設け且つ該中板部の外周囲に前記仕切板部を構成することにより、隣接する仕切板部材間に各々空間を画定して収納室と成す、
ことを特徴とする可動収納室群画定装置。
【請求項2】
請求項1に於いて、
前記仕切板部材の各々は、当該仕切板部材の底縁部から板面に直行する方向へ延設されて前記収納室の抽斗底面側の画定を補助する底面側補助板部、及び、前記一縁部と反対側の他縁部から板面に直行する方向へ延設されて前記収納室の抽斗壁面側の画定を補助する壁面側補助板部を有する、
ことを特徴とする可動収納室群画定装置。
【請求項3】
請求項1に於いて、
前記仕切板部材の各々は、当該仕切板部材の前記一縁部から板面に直行する両方向へ一定幅で突設された断面T字状の出張部を有し、
前記中板部材の各々は、前記仕切板部材が設けられる側に前記断面T字状の出張部を収容して係止可能な出張受部を有する、
ことを特徴とする可動収納室群画定装置。
【請求項4】
請求項1に於いて、
前記中板部材の各々は、当該中板部材の底縁部から下方へ突出され回動可能に軸支された1又は2以上の車輪を有し、
前記レール部材の各々は、前記車輪を案内する溝部を有する、
ことを特徴とする可動収納室群画定装置。
【請求項5】
請求項4に於いて、
前記レール部材は、前記溝部が直線状を成す少なくとも4個の直線レール部材と、前記溝部が1/4円弧状を成す4個の円弧レール部材とから成り、
前記レール部は、抽斗のコーナー部に前記円弧レール
部材を配設し、抽斗の壁部に沿って前記直線レール部材を配設することにより構成される、
ことを特徴とする可動収納室群画定装置。
【請求項6】
請求項4に於いて、
前記レール部材の各々は前記溝部が直線状を成し、抽斗のコーナー部では前記遊びを生かして前記車輪を案内する、
ことを特徴とする可動収納室群画定装置。
【請求項7】
請求項1~請求項6の何れかに於いて、
抽斗の底面上に樹脂板を載置し、該樹脂板上に前記レール部を載置することにより、抽斗内に設けられる、
ことを特徴とする可動収納室群画定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動収納室群画定装置に関する。
本発明の装置は、例えば、箪笥の抽斗に設置することにより、抽斗内の空間を複数の小空間(収納室;容積可変)に区切り、所望の収納室(衣類等を収納した室)を、抽斗手前側からの操作で容易に手前側に引き寄せ可能にする装置である。このため、衣類等の被収納物を使用頻度やサイズ等に応じて区分けして収納できるとともに、抽斗全体を引き出さなくとも、所望の衣類等を容易に取り出すことができる。
【背景技術】
【0002】
タンスや机の抽斗の奥に入っている衣服や品物を取り出す際、抽斗全体を手前側まで引き出さなければならず、苦労していた。奥行きが深いタンス等が部屋に備えつけられている場合、奥行きが浅いタンス等に取り替えることはできない。また、備えつけでない場合であっても、部屋が狭くて新たなタンス等を置くスペースが無い場合もある。
実用新案登録第3076188号公報(特許文献1)には、
図8~9(同公報の
図1~4を転載した図面)に示すようなタンス用小物収納装置が開示されている。即ち、「タンス等の引き出し102の内部に円形収納体110を回転可能に設置する。円形収納体110の内部は、着脱可能な仕切板114によって自在に区切ることができる。また、引き出し102の内部前面の両サイドに三角収納体140を設けてスペースの有効利用を図るとともに引き出し102の補強をする。」ようにしたタンス用小物収納装置が開示されている。なお、本願の
図8~9では、特許文献1の公報の図面で用いられている符号を、そのまま用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、以下のような不具合がある。
回転部の外形が円形に固定されていることから、抽斗内の四隅等に隙間が生じる。このため、抽斗内の利用不可の空間が大きくなり、服を十分な量、入れられないという不具合が生ずる。また、大きな服(Tシャツ、ズボンなど)も、十分に入れられない。隙間部分を有効活用しようとして、
図8(特許文献1の
図1)内の三角収納体140に小物を入れられるようになっているが、これでも、大きな服を入れられない問題点は変わらない。
抽斗の形状が上面視で正方形であれば円形収納体110を比較的無駄な隙間なく設置できるが、抽斗の形状は幅方向に長い長方形であることが多く、円形収納体110の幅方向外側に利用不可の無駄な空間(隙間)が形成され易く、使い難い。
さらに、円形収納体110の回転を支持するための軸孔120を、抽斗102の底板104の中央部位にあける必要がある。
私たちの発明(可動収納室群画定装置)は、抽斗やタンスのサイズや形状に適合させ得るようにすること、言い換えれば、利用不可の空間容積をできるだけ小さくすることを目的とする。例えば、
図3(a)(b)に示すように、レール部100の形状を非円形に自在に変え得るようにすると、この目的を達成できる。
また、私たちの発明(可動収納室群画定装置)は、設置先の抽斗に対して穴あけ等の加工を施すことなく、簡単に設置できるようにすることを目的とする。
また、私たちの発明(可動収納室群画定装置)は、形状の小さな部品の状態で流通・販売できるようにすることを目的とする。例えば、
図2に示すような状態の部品を組み立てる装置とすることで、この目的を達成できる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、下記[1]~[7]のように記述され得る。なお、この項([課題を解決するための手段])と次項([発明の効果])に於いて、符号は理解を容易にするために付したものである。当然であるが、本発明は符号の構成に限定されるものではない。
[1]発明1
複数のレール部材1を環状に連結して構成されるレール部100と、
複数の中板部材2を環状に連結して構成され、前記レール部100上を該レール部100に沿って移動可能なように各中板部材2が前記レール部材1上に設けられる中板部200と、
複数の仕切板部材3で構成され、各仕切板部材3の一縁部31を前記中板部材2の何れかに係止することにより前記中板部200の外周囲に構成される仕切板部300と、
を、有し、
前記中板部200の中板部材2は、各々の板面が鉛直面を成すとともに全体として周面を成すように、且つ、環状の前記レール部100の全域での移動が可能なように、相互に隣接する中板部材2,2の各板縁部にて各々遊びを有するように連結され、
前記仕切板部300の各仕切板部材3は当該の仕切板部材3が係止される中板部材2に支持されて一体で移動可能であり、相互に隣接する仕切板部材3,3の板面間の間隔は、当該隣接する両仕切板部材3,3の係止先の両中板部材2,2が隣接しているか否かに応じて、隣接している場合には相対的に狭く、係止先の両中板部材2,2間に別の1又は2以上の中板部材2が存する場合には当該1又は2以上の中板部材2の数に応じて相対的に広く、それぞれ設定され、
抽斗500の底面51上に当該抽斗500の壁面52に沿って前記レール部100を載置し、該レール部100上に前記中板部200を設け且つ該中板部200の外周囲に前記仕切板部300を構成することにより、隣接する仕切板部材3,3間に各々空間を画定して収納室4と成す、
ことを特徴とする可動収納室群画定装置。
【0006】
[2]発明2
発明1に於いて、
前記仕切板部材3の各々は、当該仕切板部材3の底縁部34から板面に直行する方向へ延設されて前記収納室4の抽斗底面51側の画定を補助する底面側補助板部35、及び、前記一縁部31と反対側の他縁部32から板面に直行する方向へ延設されて前記収納室4の抽斗壁面52側の画定を補助する壁面側補助板部36を有する、
ことを特徴とする可動収納室群画定装置。
[3]発明3
発明1に於いて、
前記仕切板部材3の各々は、当該仕切板部材3の前記一縁部31から板面に直行する両方向へ一定幅で突設された断面T字状の出張部312を有し、
前記中板部材2の各々は、前記仕切板部材3が設けられる側に前記断面T字状の出張部312を収容して係止可能な出張受部213を有する、
ことを特徴とする可動収納室群画定装置。
[4]発明4
発明1に於いて、
前記中板部材2の各々は、当該中板部材2の底縁部24から下方へ突出され回動可能に軸支された1又は2以上の車輪20を有し、
前記レール部材1の各々は、前記車輪20を案内する溝部10を有する、
ことを特徴とする可動収納室群画定装置。
[5]発明5
発明4に於いて、
前記レール部材1は、前記溝部10が直線状を成す少なくとも4個の直線レール部材1aと、前記溝部10が1/4円弧状を成す4個の円弧レール部材1bとから成り、
前記レール部100は、抽斗500のコーナー部に前記円弧レール1bを配設し、抽斗の壁面52に沿って前記直線レール部材1bを配設することにより構成される、
ことを特徴とする可動収納室群画定装置。
[6]発明6
発明4に於いて、
前記レール部材1の各々は前記溝部10が直線状を成し、抽斗500のコーナー部では前記遊びを生かして前記車輪20を案内する、
ことを特徴とする可動収納室群画定装置。
[7]発明7
発明1~発明6の何れかに於いて、
抽斗500の底面51上に樹脂板6を載置し、該樹脂板6上に前記レール部100を載置することにより、抽斗500内に設けられる、
ことを特徴とする可動収納室群画定装置。
【発明の効果】
【0007】
発明1によると、衣類等の被収容物をその使用頻度やサイズ等に応じて区分して収納できるとともに、可動収納室群画定装置を設置した抽斗500を全部引き出すことなく、手前側からの操作で容易に所望の衣類等を取り出すことができる。
発明2によると、発明1の効果に加えて、さらに、所望の収納室4を手前側に移動させる際に、被収納物が収納室4からはみ出るような不具合を防止でき、それにより、当該衣類等の損傷を防止できる。
発明3によると、発明1の効果に加えて、さらに、仕切板部材3の中板部材2への係止状態を確実に維持することができる。
発明4によると、発明1の効果に加えて、さらに、中板部200及び中板部200と一体の仕切板部300のレール部100上での移動をスムーズに行うことができる。
発明5によると、発明4の効果に加えて、さらに、中板部200及び中板部200と一体の仕切板部300のレール部100上での移動をレール部100のコーナー部に於いてもスムーズに行うことができる。
発明6によると、レール部材4の形状の種類数を増加させることなく単一種類のレール部材で足りるため、発明4の効果を達成することができ、コストを低減できる。
発明7によると、上記各発明の効果に加えて、中板部200及び中板部200と一体の仕切板部300のレール部100上での移動時に中板部材2の下端側が抽斗500の底面側から受ける摩擦力を低減でき、また、衣類等の損傷を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】(a)は本発明の実施の形態の可動収納室群画定装置を抽斗に設置した様子を斜め上方から見た斜視図、(b)は(a)を上面視で示す模式図。
【
図2】
図1の可動収納室群画定装置の各部(レール部100、中板部200)や各部材(レール部材1、中板部材2、仕切板部材3)を示す模式図。
【
図3】
図1の可動収納室群画定装置のレール部100を模式的に示し、(a)は直線状を成すレール部材(直線レール部材)1aと湾曲部位を有するレール部材(円弧レール部材)1bとでレール部100を構成した場合、(b)は直線レール部材1aのみでレール部100を構成した場合を示す。
【
図4】(a)はレール部材1の斜視図、(b)は中板部材2の下部の斜視図。
【
図5】(a)は仕切板部材3の斜視図、(b)は(a)と反対側から見た仕切板部材3の斜視図、(c)は中板部材2に仕切板部材3を係止する様子及び中板部材2を連結する様子を示す斜視図。
【
図6】(a)は中板部材2に仕切板部材3を係止した様子及び中板部材2を連結した様子を示す上面図、(b)はレール部材1を示す斜視図。
【
図7】隣接する仕切板部材3の間隔を異ならせることで収容室4のサイズを異ならせた様子を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は実施の形態の可動収納室群画定装置を示す斜視図(a)と、上面模式図(b)であり、
図2は
図1の装置を構成する各部の取り付け関係を示す模式的斜視図である。
図1に示すように、可動収納室群画定装置は、タンスの抽斗500内に設置される。この可動収納室群画定装置は、
図2に示すように、複数のレール部材1を環状に連結して構成されるレール部100と、複数の中板部材2を環状に連結して構成される中板部200と、複数の仕切板部材3で構成される仕切板部300とから成る。
【0010】
レール部100は、複数のレール部材1を環状に連結して構成される。
このレール部材1としては、
図3(a)に例示するように、直線状を成す直線レール部材1aと、湾曲状の部位を有する円弧レール部材1bとを用いて構成してもよい。このように構成すると、抽斗が上面視で長方形を成すような場合でも、該抽斗の壁面52に沿ってレール部100を配置できるため、抽斗500内の空間をより有効に活用できる。
【0011】
また、レール部材1としては、
図3(b)に例示するように、全てを直線レール部材1aで構成してもよい。全てを直線レール部材1aで構成する場合は、隣接する2個のレール部材間で所望の角度の曲げを実現できるように、双方の連結部位に遊びを持たせる。これは、例えば、一方のレール部材先端部に円形の凹部(孔部又は穴部)を設け、他方のレール部材の先端に該凹部に緩やかに嵌まる円形の凸部を設け、該凹部に該凸部を緩やかに嵌め合わせて回転可能とすることで実現できる。
図3(b)の下部分に示す図は、上部分の一点鎖線で囲む部分(楕円の湾曲部分)を抜き出して「連結部11と連結受部12の遊び」を模式的に示す図である。このように、全てを直線レール部材1aで構成すると、レール部材1の種類を1種類と成すことができ、コストを低減できる。
【0012】
なお、レール部100の直線状部分を複数の直線レール部材1aで構成する場合は、隣接する直線レール部材間の連結を、例えば、プラレール(「プラレール」は株式会社タカラトミーの登録商標)のようにパチンと嵌め合わせることで実現してもよい。そのようにすると、隣接するレール部材間をしっかり固定できるとともに、溝部10の連結部分の隙間が無くなるため、車輪20(後述)の転動をより良好にできる。
【0013】
中板部200は、環状のレール部100に沿って移動(周回移動)可能なように、各中板部材2が、レール部材1上に設けられる。即ち、各中板部材2の底面から突出するようにして中板部材2の底部側に軸支された車輪20(
図4(b)参照)が、レール部材1の溝部10(
図4(a)参照)内に置かれて該溝部10に沿って転動可能なように、レール部材1上に設けられる。また、隣接する各中板部材2,2は、
図5(c)及び
図6(a)に示すように、フック25とフック受け26とにより、相互に遊びを持って連結されている。このように遊びを持って連結されているため、環状に連結されて湾曲部分を有するレール部100上を、環状に連結されて湾曲部分を有し得る中板部200が、周回移動可能となる。
付言すれば、各中板部材2は、各々の板面が鉛直面を成すとともに中板部200全体として周面を成すように、上記のように連結されている。
【0014】
仕切板部300は、複数の仕切板部材3を用いて、中板部200の外周側に該中板部200を包み込むように構成される。各仕切板部材3は、その仕切縦板30の一縁部31に該仕切縦板30とで断面T字状を成すように設けられた出張部312が、該出張部312を受止めるように中板部材2に設けられた出張受部213により、外れないように係止される(
図5(c)・
図6(a)参照)。本実施の形態では、出張受部213の下端側が開放されている(
図4(b)参照)ため、そのままでは中板部材3の出張部312が抽斗500の底面51に当接してしまうが、仕切縦板30の下端から前述の周回移動方向に水平に設けられた底面側補助板部35が出張部312により先に抽斗500の底面に当接するように構成されている(
図5(a)(b)参照)ため、出張部312が抽斗500の底面51に当接することはなく、比較的面積が大きい底面側補助板部35が当接する。
【0015】
本実施の形態では、まず、抽斗500の底面51上に不図示の薄いプラスチック板(樹脂板)を敷き、その上に可動収納室群画定装置を構成するため、前述のように周回移動させる際には、前記プラスチック板上を前記底面側補助板部35が滑り易くなり、周回移動がより滑らかとなる。
【0016】
言うまでもなく、各仕切板部材3は、当該の仕切板部材3が係止される中板部材2に支持されて一体で移動可能である。相互に隣接する仕切板部材3,3の板面間(仕切縦板30-30間)の間隔は、当該隣接する両仕切板部材3,3の係止先の両中板部材2,2が隣接しているか否かに応じて、隣接している場合には相対的に狭く、係止先の両中板部材2,2間に別の1又は2以上の中板部材2が存する場合には当該1又は2以上の中板部材2の数に応じて相対的に広く、それぞれ設定される。
【0017】
例えば、
図2に於いて、中板部材2p,2q,2sに仕切板部材3を係止し、中板部材2rには仕切板部材3を係止しないように構成すると、中板部材2p-2q間は隣接しているため相対的に狭くなり、中板部材2q-2s間は隣接せず間に中板部材2rに相当する間隙があるため相対的に広くなる。その結果、
図7に例示するように、相対的に広い部位(収容室4の容積が大きい部位)では比較的大きな衣類7若しくは多数の衣類7を収納でき、相対的に狭い部位(収容室4の容積が小さい部位)には比較的小さな衣類7若しくは少数の衣類7を隙間無く収納できるようになる。
このように、隣接する仕切板部材3-3間の間隔を適切に設定することにより、その間の収納空間(収容室4)を適切なサイズに画定することができる。
【0018】
図5(a)(b)の壁面側補助板部36は、抽斗の壁面との間に介在される部位で、これにより、衣類等の被収納物が前述の周回移動時に抽斗の壁面と擦れ合う等の不具合が防止される。
上記では、仕切板部材3を中板部材2に係止する部位として、出張部312-出張受部213を例示しているが、仕切板部材3を任意に選んだ中板部材2に係止できる構造であればよい。なお、実施の形態の出張部312-出張受部213であれば、鉛直方向の各部で仕切板部材3をしっかりと固定できるため、被収納室を良好に画定できる。
また、上記では、レール部材1の溝部10内を中板部材2の車輪20が転動する構成としているが、レール部材1の上面に設けた突条(不図示)に中板部材2の周面に凹溝を備えた車輪がモノレールのように跨がる構成でもよい。
【符号の説明】
【0019】
1 レール部材
1a 直線レール部材
1b 円弧レール部材
100 レール部
10 溝部
11 連結部
12 連結受部
2(2p,2q,2r,2s) 中板部材
200 中板部
20 車輪
213 出張受部
24 底縁部
25 フック
26 フック受け
3 仕切板部材
300 仕切板部
30 仕切縦板
31 一縁部
312 出張部
32 他縁部
34 底縁部
35 底面側補助板部
36 壁面側補助板部
4 収容室
500 抽斗
51 底面
52 壁面
7 衣服
【要約】
【課題】被収容物を使用頻度や種別等に応じて区分して収納でき、抽斗を全部引き出すことなく、手前側からの操作で所望の被収容物を取り出し得るようにする。
【解決手段】複数のレール部材1から成る環状のレール部100、レール部100上を周回移動可能なように設けられ複数の中板部材2から成る中板部200、中板部200の外周囲に複数の仕切板部材3で構成される仕切板部300を有する可動収納室群画定装置。相互に隣接する仕切板部材3,3の板面間の間隔が、当該仕切板部材3,3の係止先の両中板部材2,2が隣接しているか否かに応じて相対的に狭く/広く設定される。即ち、被収容室の容積が相対的に狭く/広く設定される。
【選択図】
図2