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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】自動倉庫
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20240708BHJP
【FI】
B65G1/04 555A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022008106
(22)【出願日】2022-01-21
(65)【公開番号】P2023107024
(43)【公開日】2023-08-02
【審査請求日】2023-05-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100128428
【弁理士】
【氏名又は名称】田巻 文孝
(72)【発明者】
【氏名】山田 文恵
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-012105(JP,A)
【文献】特開2017-149529(JP,A)
【文献】特開2019-147669(JP,A)
【文献】特開2017-128405(JP,A)
【文献】国際公開第2010/049987(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00-1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を移載する移載装置を備えた入出庫台車と、この入出庫台車の走行路の両側に配置されたラックと、を備えたシャトル式の自動倉庫であって、
上記ラックは、所定の奥行き幅を有する大荷物を奥行き方向に2個または所定の奥行き幅を有する小荷物を奥行き方向に3個格納可能であり、
上記移載装置は、
ベースアーム、ミドルアーム、トップアームを少なくとも有するサイドアームであって、上記両側のラックに進出可能であり、上記トップアームの先端が上記ラックの奥行き方向において一番奥側に移載される荷物の後端位置まで進出するサイドアームと、
上記トップアームの前後端にそれぞれ配置された端部フックと、
上記トップアームにおいて上記各端部フック間の中間位置に配置された中央フックと、を備え、
上記中央フックは、上記各端部フックからそれぞれ所定の間隔をおいて設けられ、
上記中央フックは、上記所定の間隔以下の奥行き幅の小荷物を、上記中央フックのみにより、上記ラックの手前から奥まで3個移載することが可能な奥行き方向の幅を有し、
さらに、上記移載装置を制御するコントローラを備え、
上記コントローラは、
上記ラックに2個格納可能な大荷物を上記ラックの奥行き方向の一番奥側の載置位置に移載する場合、上記端部フックにより、上記大荷物を仮置き位置に一旦移動させた後、上記中央フックがその大荷物に係合可能な位置まで上記サイドアームを戻し、上記中央フックにより、その大荷物を上記一番奥側の載置位置に移載するよう上記移載装置を制御し、
上記ラックに3個格納可能な小荷物を上記ラックの奥行き方向の一番奥側の載置位置に移載する場合、上記中央フックにより、上記小荷物を上記一番奥側の載置位置まで停止せずに移載するよう上記移載装置を制御する、ことを特徴とするシャトル式の自動倉庫。
【請求項2】
荷物を移載する移載装置を備えた入出庫台車と、この入出庫台車の走行路の両側に配置されたラックと、を備えたシャトル式の自動倉庫であって、
上記ラックは、所定の奥行き幅を有する大荷物を奥行き方向に2個または所定の奥行き幅を有する小荷物を奥行き方向に3個格納可能であり、
上記大荷物の所定の奥行き幅は、上記ラックの奥行き方向に2個格納可能な最小と最大の奥行き幅の範囲で規定され、かつ、上記小荷物の所定の奥行き幅は、上記ラックの奥行き方向に3個格納可能な最小と最大の奥行き幅の範囲で規定され、
上記移載装置は、
ベースアーム、ミドルアーム、トップアームを少なくとも有するサイドアームであって、上記両側のラックに進出可能であり、上記トップアームの先端が上記ラックの奥行き方向において一番奥側に移載される荷物の後端位置まで進出するサイドアームと、
上記トップアームの前後端にそれぞれ配置された端部フックと、
上記トップアームにおいて上記各端部フック間の中間位置に配置された中央フックと、を備え、
上記中央フックは、上記各端部フックよりもその奥行き方向の幅が大きく、かつ、上記各端部フックから少なくとも上記小荷物の最大の奥行き幅分の間隔を有するように形成されたフックである、ことを特徴とするシャトル式の自動倉庫。
【請求項3】
荷物を移載する移載装置を備えた入出庫台車と、この入出庫台車の走行路の両側に配置されたラックと、を備えたシャトル式の自動倉庫であって、
上記ラックは、所定の奥行き幅を有する大荷物を奥行き方向に2個または所定の奥行き幅を有する小荷物を奥行き方向に3個格納可能であり、
上記移載装置は、
ベースアーム、ミドルアーム、トップアームを少なくとも有するサイドアームであって、上記両側のラックに進出可能であり、上記トップアームの先端が上記ラックの奥行き方向において一番奥側に移載される荷物の後端位置まで進出するサイドアームと、
上記トップアームの前後端にそれぞれ配置された端部フックと、
上記トップアームにおいて上記各端部フック間の中間位置に配置された中央フックと、を備え、
上記中央フックは、上記各端部フックからそれぞれ所定の間隔をおいて設けられ、
上記中央フックは、上記所定の間隔以下の奥行き幅の小荷物を、上記中央フックのみにより、上記ラックの手前から奥まで3個移載することが可能な奥行き方向の幅を有し、
さらに、上記移載装置を制御するコントローラを備え、
上記コントローラは、
上記ラックに所定の2種類以上の上記入出庫台車の走行方向の荷幅を有する荷物を格納し、かつ、上記大荷物を上記ラックの奥行き方向の一番手前側の載置位置に移載する場合、上記端部フックにより、上記大荷物を仮置き位置へ一旦移動させた後、上記中央フックがその大荷物に係合可能な位置まで上記サイドアームを戻し、上記中央フックにより、その大荷物を上記一番手前側の載置位置に移載するよう上記移載装置を制御する、ことを特徴とするシャトル式の自動倉庫。
【請求項4】
荷物を移載する移載装置を備えた入出庫台車と、この入出庫台車の走行路の両側に配置されたラックと、を備えたシャトル式の自動倉庫であって、
上記ラックは、所定の奥行き幅を有する大荷物を奥行き方向に2個または所定の奥行き幅を有する小荷物を奥行き方向に3個格納可能であり、
上記移載装置は、
ベースアーム、ミドルアーム、トップアームを少なくとも有するサイドアームであって、上記両側のラックに進出可能であり、上記トップアームの先端が上記ラックの奥行き方向において一番奥側に移載される荷物の後端位置まで進出するサイドアームと、
上記トップアームの前後端にそれぞれ配置された端部フックと、
上記トップアームにおいて上記各端部フック間の中間位置に配置された中央フックと、を備え、
上記中央フックは、上記各端部フックからそれぞれ所定の間隔をおいて設けられ、
上記中央フックは、上記所定の間隔以下の奥行き幅の小荷物を、上記中央フックのみにより、上記ラックの手前から奥まで3個移載することが可能な奥行き方向の幅を有し、
さらに、上記移載装置を制御するコントローラを備え、
上記コントローラは、
上記ラックに所定の1種類の上記入出庫台車の走行方向の荷幅を有する荷物が格納され、かつ、上記ラックの一方側の一番手前側に格納済みの小荷物を他方側のラックに移載する場合、上記端部フックにより、上記一方側に格納済みの小荷物を上記入出庫台車上に引き込むと共に上記他方側のラックの一番手前側の載置位置まで移載するよう上記移載装置を制御する、ことを特徴とするシャトル式の自動倉庫。
【請求項5】
荷物を移載する移載装置を備えた入出庫台車と、この入出庫台車の走行路の両側に配置されたラックと、を備えたシャトル式の自動倉庫であって、
上記ラックは、所定の奥行き幅を有する大荷物を奥行き方向に2個または所定の奥行き幅を有する小荷物を奥行き方向に3個格納可能であり、
上記移載装置は、
ベースアーム、ミドルアーム、トップアームを少なくとも有するサイドアームであって、上記両側のラックに進出可能であり、上記トップアームの先端が上記ラックの奥行き方向において一番奥側に移載される荷物の後端位置まで進出するサイドアームと、
上記トップアームの前後端にそれぞれ配置された端部フックと、
上記トップアームにおいて上記各端部フック間の中間位置に配置された中央フックと、を備え、
上記中央フックは、上記各端部フックからそれぞれ所定の間隔をおいて設けられ、
上記中央フックは、上記所定の間隔以下の奥行き幅の小荷物を、上記中央フックのみにより、上記ラックの手前から奥まで3個移載することが可能な奥行き方向の幅を有し、
さらに、上記移載装置を制御するコントローラを備え、
上記コントローラは、
上記ラックに所定の2種類以上の上記入出庫台車の走行方向の荷幅を有する荷物が格納され、かつ、上記ラックの一方側の一番手前側に格納済みの小荷物を他方側のラックに移載する場合、上記端部フックにより、上記小荷物を上記入出庫台車上に一旦引き込んだ後、上記中央フックがその小荷物に係合可能な位置まで上記サイドアームを戻し、上記中央フックにより、その小荷物を上記他方側のラックの一番手前側の載置位置に移載するよう上記移載装置を制御する、ことを特徴とするシャトル式の自動倉庫。
【請求項6】
荷物を移載する移載装置を備えた入出庫台車と、この入出庫台車の走行路の両側に配置されたラックと、を備えたシャトル式の自動倉庫であって、
上記ラックは、所定の奥行き幅を有する大荷物を奥行き方向に2個または所定の奥行き幅を有する小荷物を奥行き方向に3個格納可能であり、
上記移載装置は、
ベースアーム、ミドルアーム、トップアームを少なくとも有するサイドアームであって、上記両側のラックに進出可能であり、上記トップアームの先端が上記ラックの奥行き方向において一番奥側に移載される荷物の後端位置まで進出するサイドアームと、
上記トップアームの前後端にそれぞれ配置された端部フックと、
上記トップアームにおいて上記各端部フック間の中間位置に配置された中央フックと、を備え、
上記中央フックは、上記各端部フックからそれぞれ所定の間隔をおいて設けられ、
上記中央フックは、上記所定の間隔以下の奥行き幅の小荷物を、上記中央フックのみにより、上記ラックの手前から奥まで3個移載することが可能な奥行き方向の幅を有し、
上記中央フックは、2つの棒状部材を連結部材で互いに連結して一体的に形成されている、ことを特徴とするシャトル式の自動倉庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動倉庫に係わり、特に、荷物を移載する移載装置を備えた入出庫台車と、この入出庫台車の走行路の両側に配置されたラックと、を備えたシャトル式の自動倉庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、荷物を移載するためのサイドアームおよびフックを備えたリアフック式移載装置が知られている。たとえば、特許文献1、2には、伸縮自在な左右一対のサイドアームの前後両端に開閉自在なフックが設けられ、先端側のフックを閉状態にしてアームを後退させることにより、ラックへ荷おろしをする移載装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】再公表特許WO2012/029339号公報
【文献】再公表特許WO2011/158422号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、シャトル式の自動倉庫において、奥行き幅が異なる複数種類の荷物をシャトルからラックの奥行き方向に複数格納(荷おろし)する場合がある。このような場合、特に、ラックの奥側の載置位置への荷物格納時に、サイドアームのストローク量を極力減らし、荷おろしにかかる時間を短縮する要望がなされている。
【0005】
そこで、本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、奥行き幅が異なる複数種類の荷物をラックの奥行き方向に効率的に格納することができるシャトル式の自動倉庫を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、荷物を移載する移載装置を備えた入出庫台車と、この入出庫台車の走行路の両側に配置されたラックと、を備えたシャトル式の自動倉庫であって、ラックは、所定の奥行き幅を有する大荷物を奥行き方向に2個または所定の奥行き幅を有する小荷物を奥行き方向に3個格納可能であり、移載装置は、ベースアーム、ミドルアーム、トップアームを少なくとも有するサイドアームであって、両側のラックに進出可能であり、トップアームの先端がラックの奥行き方向において一番奥側に移載される荷物の後端位置まで進出するサイドアームと、トップアームの前後端にそれぞれ配置された端部フックと、トップアームにおいて各端部フック間の中間位置に配置された中央フックと、を備え、中央フックは、各端部フックからそれぞれ所定の間隔をおいて設けられ、中央フックは、所定の間隔以下の奥行き幅の小荷物を、中央フックのみにより、ラックの手前から奥まで3個移載することが可能な奥行き方向の幅を有し、さらに、移載装置を制御するコントローラを備え、コントローラは、ラックに2個格納可能な大荷物をラックの奥行き方向の一番奥側の載置位置に移載する場合、端部フックにより、大荷物を仮置き位置に一旦移動させた後、中央フックがその大荷物に係合可能な位置までサイドアームを戻し、中央フックにより、その大荷物を一番奥側の載置位置に移載するよう移載装置を制御し、ラックに3個格納可能な小荷物をラックの奥行き方向の一番奥側の載置位置に移載する場合、中央フックにより、小荷物を一番奥側の載置位置まで停止せずに移載するよう移載装置を制御する、ことを特徴としている。
【0007】
このように構成された本発明によれば、トップアームの先端がラックの奥行き方向において一番奥側に移載される荷物の後端位置まで進出するサイドアームと、トップアームの前後端にそれぞれ配置された端部フックと、トップアームの各端部フック間の中間位置に各端部フックからそれぞれ所定の間隔をおいて配置された中央フックと、を備え、中央フックは、所定の間隔以下の奥行き幅の小荷物を、中央フックのみにより、ラックの手前から奥まで3個移載することが可能な奥行き方向の幅を有するので、小荷物を、中央フックのみで、ラックの最も奥側の載置位置へとフックの持ち替え無しに移載することができ、これにより、小荷物を最小限のサイドアームのストローク量でラックの最も奥側の載置位置へ移載することができる。したがって、奥行き幅が異なる複数種類の荷物をラックの奥行き方向に効率的に格納することができる。
また、本発明によれば、さらに、移載装置を制御するコントローラを備え、コントローラは、ラックに2個格納可能な大荷物をラックの奥行き方向の一番奥側の載置位置に移載する場合、端部フックにより、大荷物を仮置き位置に一旦移動させた後、中央フックがその大荷物に係合可能な位置までサイドアームを戻し、中央フックにより、その大荷物を一番奥側の載置位置に移載するよう移載装置を制御し、ラックに3個格納可能な小荷物をラックの奥行き方向の一番奥側の載置位置に移載する場合、中央フックにより、小荷物を一番奥側の載置位置まで停止せずに移載するよう移載装置を制御する。
このように構成された本発明によれば、奥行き方向に2個格納可能な大荷物を、フックを持ち替えることによりラックの一番奥側の載置位置に移載することができる。また、本発明によれば、奥行き方向に3個格納可能な小荷物を、中央フックのみにより、ラックの一番奥側の載置位置まで停止せずに移載させることができるので、フックの持ち替えが無い分、移載時間を短縮することができる。
【0008】
また、上記の目的を達成するために本発明は、荷物を移載する移載装置を備えた入出庫台車と、この入出庫台車の走行路の両側に配置されたラックと、を備えたシャトル式の自動倉庫であって、ラックは、所定の奥行き幅を有する大荷物を奥行き方向に2個または所定の奥行き幅を有する小荷物を奥行き方向に3個格納可能であり、大荷物の所定の奥行き幅は、ラックの奥行き方向に2個格納可能な最小と最大の奥行き幅の範囲で規定され、かつ、小荷物の所定の奥行き幅は、ラックの奥行き方向に3個格納可能な最小と最大の奥行き幅の範囲で規定され、移載装置は、ベースアーム、ミドルアーム、トップアームを少なくとも有するサイドアームであって、両側のラックに進出可能であり、トップアームの先端がラックの奥行き方向において一番奥側に移載される荷物の後端位置まで進出するサイドアームと、トップアームの前後端にそれぞれ配置された端部フックと、トップアームにおいて各端部フック間の中間位置に配置された中央フックと、を備え、中央フックは、各端部フックよりもその奥行き方向の幅が大きく、かつ、各端部フックから少なくとも小荷物の最大の奥行き幅分の間隔を有するように形成されたフックである、ことを特徴としている。
【0009】
このように構成された本発明によれば、トップアームの先端がラックの奥行き方向において一番奥側に移載される荷物の後端位置まで進出するサイドアームと、トップアームの前後端にそれぞれ配置された端部フックと、トップアームの各端部フック間の中間位置に各端部フックからそれぞれ所定の間隔をおいて配置された中央フックと、を備え、中央フックは、各端部フックよりもその奥行き方向の幅が大きく、かつ、各端部フックから少なくとも小荷物の最大の奥行き幅分の間隔を有するように形成されたフックであるので、小荷物を、中央フックのみで、ラックの最も奥側の載置位置へとフックの持ち替え無しに移載することができ、これにより、小荷物を最小限のサイドアームのストローク量でラックの最も奥側の載置位置へ移載することができる。したがって、奥行き幅が異なる複数種類の荷物をラックの奥行き方向に効率的に格納することができる。
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明は、荷物を移載する移載装置を備えた入出庫台車と、この入出庫台車の走行路の両側に配置されたラックと、を備えたシャトル式の自動倉庫であって、ラックは、所定の奥行き幅を有する大荷物を奥行き方向に2個または所定の奥行き幅を有する小荷物を奥行き方向に3個格納可能であり、移載装置は、ベースアーム、ミドルアーム、トップアームを少なくとも有するサイドアームであって、両側のラックに進出可能であり、トップアームの先端がラックの奥行き方向において一番奥側に移載される荷物の後端位置まで進出するサイドアームと、トップアームの前後端にそれぞれ配置された端部フックと、トップアームにおいて各端部フック間の中間位置に配置された中央フックと、を備え、中央フックは、各端部フックからそれぞれ所定の間隔をおいて設けられ、中央フックは、所定の間隔以下の奥行き幅の小荷物を、中央フックのみにより、ラックの手前から奥まで3個移載することが可能な奥行き方向の幅を有し、さらに、移載装置を制御するコントローラを備え、コントローラは、ラックに所定の2種類以上の入出庫台車の走行方向の荷幅を有する荷物を格納し、かつ、大荷物をラックの奥行き方向の一番手前側の載置位置に移載する場合、端部フックにより、大荷物を仮置き位置へ一旦移動させた後、中央フックがその大荷物に係合可能な位置までサイドアームを戻し、中央フックにより、その大荷物を一番手前側の載置位置に移載するよう移載装置を制御する。
このように構成された本発明によれば、トップアームの先端がラックの奥行き方向において一番奥側に移載される荷物の後端位置まで進出するサイドアームと、トップアームの前後端にそれぞれ配置された端部フックと、トップアームの各端部フック間の中間位置に各端部フックからそれぞれ所定の間隔をおいて配置された中央フックと、を備え、中央フックは、所定の間隔以下の奥行き幅の小荷物を、中央フックのみにより、ラックの手前から奥まで3個移載することが可能な奥行き方向の幅を有するので、小荷物を、中央フックのみで、ラックの最も奥側の載置位置へとフックの持ち替え無しに移載することができ、これにより、小荷物を最小限のサイドアームのストローク量でラックの最も奥側の載置位置へ移載することができる。したがって、奥行き幅が異なる複数種類の荷物をラックの奥行き方向に効率的に格納することができる。
また、本発明によれば、さらに、移載装置を制御するコントローラを備え、コントローラは、ラックに所定の2種類以上の入出庫台車の走行方向の荷幅を有する荷物を格納し、かつ、大荷物をラックの奥行き方向の一番手前側の載置位置に移載する場合、端部フックにより、大荷物を仮置き位置へ一旦移動させた後、中央フックがその大荷物に係合可能な位置までサイドアームを戻し、中央フックにより、その大荷物を一番手前側の載置位置に移載するよう移載装置を制御する。
このように構成された本発明によれば、奥側の載置位置に格納された大荷物の荷幅が手前側に移載する大荷物の荷幅より大きい場合であっても、フックの持ち替え後、中央フックにより移載を完了するので、サイドアームが奥側の大荷物に干渉することなく、大荷物を一番手前側の載置位置に移載することができる。
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明は、荷物を移載する移載装置を備えた入出庫台車と、この入出庫台車の走行路の両側に配置されたラックと、を備えたシャトル式の自動倉庫であって、ラックは、所定の奥行き幅を有する大荷物を奥行き方向に2個または所定の奥行き幅を有する小荷物を奥行き方向に3個格納可能であり、移載装置は、ベースアーム、ミドルアーム、トップアームを少なくとも有するサイドアームであって、両側のラックに進出可能であり、トップアームの先端がラックの奥行き方向において一番奥側に移載される荷物の後端位置まで進出するサイドアームと、トップアームの前後端にそれぞれ配置された端部フックと、トップアームにおいて各端部フック間の中間位置に配置された中央フックと、を備え、中央フックは、各端部フックからそれぞれ所定の間隔をおいて設けられ、中央フックは、所定の間隔以下の奥行き幅の小荷物を、中央フックのみにより、ラックの手前から奥まで3個移載することが可能な奥行き方向の幅を有し、さらに、移載装置を制御するコントローラを備え、コントローラは、ラックに所定の1種類の入出庫台車の走行方向の荷幅を有する荷物が格納され、かつ、ラックの一方側の一番手前側に格納済みの小荷物を他方側のラックに移載する場合、端部フックにより、一方側に格納済みの小荷物を入出庫台車上に引き込むと共に他方側のラックの一番手前側の載置位置まで移載するよう移載装置を制御する。
このように構成された本発明によれば、トップアームの先端がラックの奥行き方向において一番奥側に移載される荷物の後端位置まで進出するサイドアームと、トップアームの前後端にそれぞれ配置された端部フックと、トップアームの各端部フック間の中間位置に各端部フックからそれぞれ所定の間隔をおいて配置された中央フックと、を備え、中央フックは、所定の間隔以下の奥行き幅の小荷物を、中央フックのみにより、ラックの手前から奥まで3個移載することが可能な奥行き方向の幅を有するので、小荷物を、中央フックのみで、ラックの最も奥側の載置位置へとフックの持ち替え無しに移載することができ、これにより、小荷物を最小限のサイドアームのストローク量でラックの最も奥側の載置位置へ移載することができる。したがって、奥行き幅が異なる複数種類の荷物をラックの奥行き方向に効率的に格納することができる。
また、本発明によれば、さらに、移載装置を制御するコントローラを備え、コントローラは、ラックに所定の1種類の入出庫台車の走行方向の荷幅を有する荷物が格納され、かつ、ラックの一方側の一番手前側に格納済みの小荷物を他方側のラックに移載する場合、端部フックにより、一方側に格納済みの小荷物を入出庫台車上に引き込むと共に他方側のラックの一番手前側の載置位置まで移載するよう移載装置を制御する。
このように構成された本発明によれば、たとえば、奥側の小荷物を出庫するために荷つみしたい場合、そのラックの一番手前側に格納された小荷物を他方のラックへ仮置きすることができる。本発明においては、ラックに1種類の荷幅の荷物が格納される場合、端部フックのみにより仮置きを完了することができる。
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明は、荷物を移載する移載装置を備えた入出庫台車と、この入出庫台車の走行路の両側に配置されたラックと、を備えたシャトル式の自動倉庫であって、ラックは、所定の奥行き幅を有する大荷物を奥行き方向に2個または所定の奥行き幅を有する小荷物を奥行き方向に3個格納可能であり、移載装置は、ベースアーム、ミドルアーム、トップアームを少なくとも有するサイドアームであって、両側のラックに進出可能であり、トップアームの先端がラックの奥行き方向において一番奥側に移載される荷物の後端位置まで進出するサイドアームと、トップアームの前後端にそれぞれ配置された端部フックと、トップアームにおいて各端部フック間の中間位置に配置された中央フックと、を備え、中央フックは、各端部フックからそれぞれ所定の間隔をおいて設けられ、中央フックは、所定の間隔以下の奥行き幅の小荷物を、中央フックのみにより、ラックの手前から奥まで3個移載することが可能な奥行き方向の幅を有し、さらに、移載装置を制御するコントローラを備え、コントローラは、ラックに所定の2種類以上の入出庫台車の走行方向の荷幅を有する荷物が格納され、かつ、ラックの一方側の一番手前側に格納済みの小荷物を他方側のラックに移載する場合、端部フックにより、小荷物を入出庫台車上に一旦引き込んだ後、中央フックがその小荷物に係合可能な位置までサイドアームを戻し、中央フックにより、その小荷物を他方側のラックの一番手前側の載置位置に移載するよう移載装置を制御する。
このように構成された本発明によれば、トップアームの先端がラックの奥行き方向において一番奥側に移載される荷物の後端位置まで進出するサイドアームと、トップアームの前後端にそれぞれ配置された端部フックと、トップアームの各端部フック間の中間位置に各端部フックからそれぞれ所定の間隔をおいて配置された中央フックと、を備え、中央フックは、所定の間隔以下の奥行き幅の小荷物を、中央フックのみにより、ラックの手前から奥まで3個移載することが可能な奥行き方向の幅を有するので、小荷物を、中央フックのみで、ラックの最も奥側の載置位置へとフックの持ち替え無しに移載することができ、これにより、小荷物を最小限のサイドアームのストローク量でラックの最も奥側の載置位置へ移載することができる。したがって、奥行き幅が異なる複数種類の荷物をラックの奥行き方向に効率的に格納することができる。
また、本発明によれば、さらに、移載装置を制御するコントローラを備え、コントローラは、ラックに所定の2種類以上の入出庫台車の走行方向の荷幅を有する荷物が格納され、かつ、ラックの一方側の一番手前側に格納済みの小荷物を他方側のラックに移載する場合、端部フックにより、小荷物を入出庫台車上に一旦引き込んだ後、中央フックがその小荷物に係合可能な位置までサイドアームを戻し、中央フックにより、その小荷物を他方側のラックの一番手前側の載置位置に移載するよう移載装置を制御する。
このように構成された本発明によれば、たとえば、奥側の小荷物を出庫するために荷つみしたい場合、そのラックの一番手前側に格納された小荷物を他方のラックへ仮置きすることができる。本発明においては、ラックに2種類以上の荷幅の荷物が格納される場合、フックの持ち替え後、中央フックにより仮置きを完了することができる。
【0014】
上記の目的を達成するために、本発明は、荷物を移載する移載装置を備えた入出庫台車と、この入出庫台車の走行路の両側に配置されたラックと、を備えたシャトル式の自動倉庫であって、ラックは、所定の奥行き幅を有する大荷物を奥行き方向に2個または所定の奥行き幅を有する小荷物を奥行き方向に3個格納可能であり、移載装置は、ベースアーム、ミドルアーム、トップアームを少なくとも有するサイドアームであって、両側のラックに進出可能であり、トップアームの先端がラックの奥行き方向において一番奥側に移載される荷物の後端位置まで進出するサイドアームと、トップアームの前後端にそれぞれ配置された端部フックと、トップアームにおいて各端部フック間の中間位置に配置された中央フックと、を備え、中央フックは、各端部フックからそれぞれ所定の間隔をおいて設けられ、中央フックは、所定の間隔以下の奥行き幅の小荷物を、中央フックのみにより、ラックの手前から奥まで3個移載することが可能な奥行き方向の幅を有し、中央フックは、2つの棒状部材を連結部材で互いに連結して一体的に形成されている。
このように構成された本発明によれば、トップアームの先端がラックの奥行き方向において一番奥側に移載される荷物の後端位置まで進出するサイドアームと、トップアームの前後端にそれぞれ配置された端部フックと、トップアームの各端部フック間の中間位置に各端部フックからそれぞれ所定の間隔をおいて配置された中央フックと、を備え、中央フックは、所定の間隔以下の奥行き幅の小荷物を、中央フックのみにより、ラックの手前から奥まで3個移載することが可能な奥行き方向の幅を有するので、小荷物を、中央フックのみで、ラックの最も奥側の載置位置へとフックの持ち替え無しに移載することができ、これにより、小荷物を最小限のサイドアームのストローク量でラックの最も奥側の載置位置へ移載することができる。したがって、奥行き幅が異なる複数種類の荷物をラックの奥行き方向に効率的に格納することができる。
また、本発明によれば、中央フックは、2つの棒状部材を連結部材で互いに連結して一体的に形成されている。
このように構成された本発明によれば、たとえば、2つの棒状部材を端部フックと同様の形状の部材とすることにより部品を共通化し、このように共通化した2つの部品を連結部材で連結することにより、所定の奥行き幅を有する一体的な中央フックを形成することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、奥行き幅が異なる複数種類の荷物をラックの奥行き方向に効率的に格納することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施形態によるシャトル式自動倉庫の概略構成を示す正面図である。
図2】本発明の実施形態によるシャトル式自動倉庫の概略構成を示す平面図である。
図3】本実施形態によるシャトル式自動倉庫の入出庫台車およびその移載装置の概略構成を示す斜視図である。
図4】本実施形態の入出庫台車が備える移載装置の制御システムの概略構成を示すブロック図である。
図5】本実施形態の移載装置による移載パターンを示す模式図であり、奥行き方向に2個の大荷物の載置位置が規定されたラックおよびシャトル通路を示す図である。
図6】2種類以上の荷幅の荷物が格納されると共に奥行き方向に2個の大荷物の載置位置が規定されたラックにおいて、手前側の載置位置に大荷物を移載するときの移載装置の動作パターンを示す模式図である。
図7】1種類の荷幅の荷物が格納されると共に奥行き方向に2個の大荷物の載置位置が規定されたラックにおいて、手前側の載置位置に大荷物を移載するときの移載装置の動作パターンを示す模式図である。
図8】1種類の荷幅の荷物または2種類以上の荷幅の荷物が格納されると共に奥行き方向に2個の大荷物の載置位置が規定されたラックにおいて、奥側の載置位置に大荷物を移載するときの移載装置の動作パターンを示す模式図である。
図9】本実施形態の移載装置による移載パターンを示す模式図であり、奥行き方向に3個の小荷物の載置位置が規定されたラックおよびシャトル通路を示す図である。
図10】1種類の荷幅の荷物が格納されると共に奥行き方向に3個の小荷物の載置位置が規定されたラックにおいて、一方のラックの手前側の載置位置に格納されている小荷物を反対側のラックに移載するときの移載装置の動作パターンを示す模式図である。
図11】2種類以上の荷幅の荷物が格納されると共に奥行き方向に3個の小荷物の載置位置が規定されたラックにおいて、一方のラックの手前側の載置位置に格納されている小荷物を反対側のラックに移載するときの移載装置の動作パターンを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、添付図面を参照して、本発明の実施形態によるシャトル式自動倉庫を説明する。
【0018】
まず、図1および図2により、本発明の実施形態によるシャトル式自動倉庫の概略構成を説明する。図1は、本発明の実施形態によるシャトル式自動倉庫の概略構成を示す正面図であり、図2は、本発明の実施形態によるシャトル式自動倉庫の概略構成を示す平面図である。
図1および図2に示すように、符号1は、本実施形態のシャトル式自動倉庫(以下、「自動倉庫」という)を示す。この自動倉庫1は、ラック2と、複数の入出庫台車(以下、「台車」という)4とを備える。
ラック2は、左右方向(図に示すX方向)に並べられた一連の棚6を有する棚段8を上下方向(図に示すZ方向)に複数備えている。なお、複数の棚6のそれぞれは別体であってもよく、一体に形成されていてもよい。
【0019】
次に、図2に示すように、複数の台車4は、それぞれ、一対のレールを有する走行路10に沿って左右方向に互いに独立して移動し、後述する移載装置12により、ラック2に対する荷物の受け渡し、すなわち、ラック2への荷おろし(移載)および台車4へのラック2からの荷つみを行う。複数の台車4は、複数の棚段8に1台ずつ配置されている。図2に示すように、ラック2は、台車4の走行路10を挟んで対向する一対のラック2を有する。
なお、本実施形態の自動倉庫1の変形例として、たとえば3段の棚段8毎にリフタ付きの入出庫台車を1台配置して、その1台の台車で3段の棚段8にそれぞれ荷物を格納することができるような自動倉庫1であってもよい。
【0020】
次に、図1および図2に示すように、自動倉庫1は、その両側に、ラック2に収納されるべき荷物を受け取り、かつ、ラック2から取り出された荷物を受け取るための第1および第2のステーション14、16を備える。本実施形態では、第1ステーション14は、最下段の棚段8に対応する上下方向の位置に配置されており、第2ステーション16は、最上段の棚段8に対応する上下方向の位置に配置されている。
【0021】
また、自動倉庫1は、荷物を昇降させる第1および第2の昇降装置18、20を備える。第1および第2の昇降装置18、20は、それぞれ、第1および第2のステーション14、16と台車4との間の荷物の受け渡しを仲介する。
【0022】
自動倉庫1は、これら台車4等の動作を制御するコントローラ22を備えている。台車4等は無線通信または有線通信によりコントローラ22から送信される制御信号に従って動作する。
【0023】
ここで、コントローラ22による自動倉庫1の基本的な荷物の入出庫動作を説明する。
まず、荷物の入庫作業として、第1ステーション14の入庫用コンベア24により搬送されてきた荷物は、第1昇降装置18により、入庫する棚段8に対応する高さ位置の入庫用載置領域26に載置される。この入庫用載置領域26に載置された荷物は、該当する棚段8の台車4に引き取られ、その棚段8のいずれかの棚6に移載(荷おろし)される。
次に、荷物の出庫作業として、入庫する棚段8のいずれかの棚6に載置されている荷物は、該当する棚段8の台車4に荷つみされ、その棚段8に対応する高さ位置の出庫用載置領域28まで搬送される。この出庫用載置領域28まで搬送された荷物は、第1昇降装置18を介して出庫用コンベア30まで移動され、さらに出庫用コンベア30に接続された搬送先まで搬送される。
【0024】
第2ステーション16も、第1ステーション14と同様であり、入庫用コンベア25、入庫用載置領域27、出庫用載置領域29および出庫用コンベア31を備え、上述した入出庫動作が行われる。また、第1ステーション14および第2ステーション16の一方を介した入庫作業および出庫作業は、他方を介した入庫作業および出庫作業とは独立して実行することができる。
【0025】
次に、図3および図4により、本実施形態のシャトル式自動倉庫の入出庫台車およびその移載装置の概略構成を説明する。図3は、本実施形態によるシャトル式自動倉庫の入出庫台車およびその移載装置の概略構成を示す斜視図であり、図4は、本実施形態の入出庫台車が備える移載装置の制御システムの概略構成を示すブロック図である。
まず、図3に示すように、台車4は、移載装置12を備える。移載装置12は、一対のサイドアーム32を備え、これらのサイドアーム32が前後方向(図1図2に示すY方向)に伸縮することにより、荷物の取り込み(荷つみ)および送り出し(荷おろし)を行う。
一対のサイドアーム32は、それぞれ、ベースアーム34と、このベースアーム34に連結されたミドルアーム36と、このミドルアーム36に連結されたトップアーム38とを有する。なお、一対のサイドアーム32の各アーム34、36、38の構成は、左右で互いに同じであるので、以下では、片方のアームについて説明する。
【0026】
ベースアーム34は、台車4に固定されている。ベースアーム34の中央部には、スプラインシャフト40が左右方向(図1、2に示すX方向)に貫通して延びており、このスプラインシャフト40は、台車4に内蔵されたモータ(図4に示すアーム出退モータ52)で回転駆動されるようになっている。
このスプラインシャフト40の前後には、それぞれ、4つずつ並べられたピニオンギア42が互いに噛み合うよう配置されると共に、これらのピニオンギア42にミドルアーム36のラックギア44が噛み合うように配置される。
また、ミドルアーム36の前後方向の両端部、および、トップアーム38の前後方向の両端部には、それぞれ、プーリ(図示せず)が設けられ、これらのプーリにベルト(図示)がたすき掛けされている。
【0027】
本実施形態では、主にこれらの構成により、スプラインシャフト40を所定の方向に回転させると、従動する各ピニオンギア42が回転し、その回転を受けたラックギア44が前後方向のいずれか一方に移動し、これにより、ミドルアーム36がベースアーム34に対して伸縮する。さらに、ミドルアーム36が伸縮することにより、プーリにたすき掛けされたベルトの作用により、トップアーム38が、ミドルアーム36の倍量、伸縮するようになっている。このように、ミドルアーム36の伸縮に連動して、トップアーム38が伸縮するようになっている。
なお、本実施形態では、3枚板のアーム34、36、38でサイドアーム32を構成しているが、たとえばダブルリーチアームなど、4枚板のアームでサイドアーム(32)を構成するようにしてもよい。
【0028】
このようにベースアーム34、ミドルアーム36、トップアーム38を有するサイドアーム32は、上述した駆動機構(40、42、44など)により、台車4の走行路10の両側に配置されたラック2(棚6)に進出可能であり、かつ、その先端が、ラック2の奥行き方向において一番奥側に移載される荷物の後端位置まで進出するようになっている。たとえば、後述する図9(B)において、トップアーム38の先端は、ラック2の奥行き方向において、一番奥側に移載される荷物B1の後端位置まで進出している。そして、この図9(B)の位置にあるトップアーム38は、開状態にある先端の端部フック46が荷物B1の後方端部に係合して、その荷物B1を台車4に取り込むこと(荷つみ)が可能となっている。
【0029】
次に、トップアーム38は、その前後端部にそれぞれ端部フック46を備える。これらの端部フック46は、トップアーム38内に収容されるような閉位置(図3に示す位置)と、この閉位置から約90°回転して、一対のトップアーム38の間に突出する開位置との間で回動可能に構成されている。これらの端部フック46は、開状態において、荷物の前端または後端に係合して、荷物を取り込みまたは送り出しするようになっている。
【0030】
また、トップアーム38は、その前後方向の中間位置に中央フック48を備える。この中央フック48も、上述した端部フック46と同様に、トップアーム38内に収容されるような閉位置(図3に示す位置)と、一対のトップアーム38の間に突出する開位置との間で回動可能に構成され、その開状態において、荷物の前端または後端に係合して、荷物を取り込みまたは送り出しするようになっている。
【0031】
中央フック48は、端部フック46と同様の形状に形成された2本の棒状部材48aを1つの板状部材48bで連結して、一体的なフックとして形成されている。図3から明らかなように、このように形成された中央フック48の前後方向の厚さ(後述する、ラック2の奥行き方向の幅)は、端部フック46の前後方向の厚さ(ラック2の奥行き方向の幅)より十分大きい。
詳細には後述するが、中央フック48の前後方向厚さ(奥行き方向の幅)は、各ラック2の奥行き方向に3つの小荷物を格納する場合に、中央フック48のみで、ラック2の最も奥側の載置位置に小荷物を移載することができる大きさに設定されている。
【0032】
次に、台車4内には、一対のサイドアーム32全体の互いの間隔を狭めまたは拡げるように、ベースアーム34を左右方向に移動させるモータ(図示せず)が組み込まれている。すなわち、所定の荷幅の荷物を移載する場合には、まず、このモータにより、各トップアーム38間の間隔を、フック46、48のいずれかが荷物の前後端に係合可能となるような距離まで狭める。この場合、トップアーム38は、荷物との間に所定の小さいクリアランスを保つ位置まで近づけられるか、あるいは、荷物に過大な圧力がかからない程度にクランプする。
また、トップアーム38は、端部フック46および中央フック48を回動させるフック開閉モータ54(図3参照)を備える。
【0033】
ここで、本明細書において、荷物の「荷幅」とは、左右方向(X方向)の荷物の幅であって、台車4の走行方向の荷物の幅を意味する。
一方、荷物の「奥行き方向の幅」とは、前後方向(Y方向)の荷物の幅であって、ラック2の奥行き方向の荷物の幅を意味する。
【0034】
次に、図4に示すように、移載装置12は、上述したアーム34、36、38やフック46、48の動作を制御するためのコントローラ50を有している。このコントローラ50は、上述したスプラインシャフト40を回転させてサイドアーム32を伸縮させるアーム出退モータ52を制御する。また、コントローラ50は、各端部フック46の開閉および中央フック48の開閉を行わせるフック開閉モータ54を制御する。また、サイドアーム32の互いの間隔を調整するためのアーム開閉モータ56を制御する。
【0035】
次に、本実施形態の自動倉庫1の前提条件を説明する。
まず、本実施形態の図1乃至図3に示す自動倉庫1においては、台車4の前後方向(Y方向)の幅、すなわち、一対のサイドアーム32間の荷載可能な領域の前後方向の幅と、片側のラック2(棚6)の前後方向(奥行き方向)の幅との比が、4:6の比で構成されている。
【0036】
また、顧客によって、ラック2に1種類の荷幅(台車走行方向の幅)の荷物を格納するように自動倉庫1を利用する場合と、ラック2に2種類以上の荷幅の荷物を格納するように自動倉庫1を利用する場合がある。
【0037】
また、本実施形態の自動倉庫1では、荷物の奥行き方向の幅(以下、「奥行き幅」という)が比較的大きく、各ラック2の奥行き方向に最大2個の荷物を格納可能する場合と、荷物の幅奥行き幅が比較的小さく、各ラック2の奥行き方向に最大3個の荷物を格納可能な場合とを想定して設計されている。以下、前者の場合の荷物を「小荷物」と言い、後者の場合の荷物を「大荷物」と言う。本実施形態では、このような大荷物の幅と、小荷物の幅とは、3:2の比である。
そして、本実施形態では、台車4の前後方向の幅と、ラック2(棚6)の奥行き方向の幅と、大荷物の奥行き方向の幅と、小荷物の奥行き方向の幅とは、4:6:3:2の比となっている。
【0038】
なお、本実施形態の自動倉庫1では、大荷物の奥行き幅が、400mmを超え、かつ、600mm以下の数値の範囲のものが適用され、小荷物の奥行き幅が、200mm以上かつ400mm以下の数値の範囲のものが適用される。上述した比「4:6:3:2」は、大荷物の奥行き方向の幅が600mm、小荷物の奥行き方向の幅が400mmの場合である。
ここで、たとえば段ボール箱などの多種形状の荷物を格納する場合には、これらの数値範囲を利用して多種形状の各荷物を「大荷物」と「小荷物」とに判別し、以下に説明するようにラック2に移載するようにしている。
なお、以下では図示を省略するが、上述した大荷物より大きい極大荷物をラック2に1個格納することもできる。
【0039】
次に、本実施形態の移載装置12による「大荷物」および「小荷物」のラック2への主な移載パターンを説明する。以下で説明する移載パターンの動作は、上述したコントローラ50(図4参照)により制御される。
まず、図5乃至図8により、片側のラック2の奥行き方向に最大2個の荷物を移載可能な「大荷物」の場合の移載パターンの例を説明する。図5は、本実施形態の移載装置による移載パターンを示す模式図であり、奥行き方向に2個の大荷物の載置位置が規定されたラックおよびシャトル通路を示す図であり、図6は、2種類以上の荷幅の荷物が格納されると共に奥行き方向に2個の大荷物の載置位置が規定されたラックにおいて、手前側の載置位置に大荷物を移載するときの移載装置の動作パターンを示す模式図であり、図7は、1種類の荷幅の荷物が格納されると共に奥行き方向に2個の大荷物の載置位置が規定されたラックにおいて、手前側の載置位置に大荷物を移載するときの移載装置の動作パターンを示す模式図であり、図8は、1種類の荷幅の荷物または2種類以上の荷幅の荷物が格納されると共に奥行き方向に2個の大荷物の載置位置が規定されたラックにおいて、奥側の載置位置に大荷物を移載するときの移載装置の動作パターンを示す模式図である。なお、図5乃至図8では、簡略化のために、片方のサイドアーム32のみを図示している。
【0040】
次に、図5により、ラック2の奥行き方向に最大2個の荷物を格納する場合の荷載パターンの例を説明する。
まず、図5(A)に示すように、台車4(図示を省略する)上に荷おろし前の大荷物A1が載せられている。この位置にある大荷物A1を、ラック2の手前側の載置位置に移載するパターンを図5(B)および図5(C)に示す。
【0041】
まず、図5(B)は、上述した荷幅が2種類以上の荷物を自動倉庫1に格納する場合の例であり、図6を用いて後述するように中央フック48を用いて大荷物A1を移載する。この例の場合、荷幅が2種類以上であるので、たとえば奥側に格納されている大荷物A2の荷幅が、手前側に移載しようとする大荷物A1の荷幅より大きい場合に、サイドアーム32が奥側まで伸びて大荷物A2に当接/干渉しないようにしている。
【0042】
一方、図5(C)に示すように、荷幅が1種類の荷物を自動倉庫1に格納する場合には、サイドアーム32が奥側まで延びても奥側の大荷物A2に干渉しないので、図7を用いて後述するように、走行路10側の端部フック46を用いて大荷物A1を移載する。
【0043】
次に、図5(D)に示すように、ラック2の奥側の載置位置に大荷物A1を移載する場合には、荷幅が1種類でも、2種類以上であっても、図8を用いて後述するように、中央フック48を用いて大荷物A1を移載する。
【0044】
次に、図6により、荷幅が2種類以上の荷物を自動倉庫1に格納する場合に、ラック2の手前側の載置位置に大荷物A1を移載するときのサイドアーム32の伸縮動作と、端部フック46および中央フック48の開閉動作を説明する。
まず、図6(A)に示すように、走行路10側の端部フック46を開位置とし、この端部フック46により、台車4上の大荷物A1を仮置き位置まで移動させる。この図6(A)で示す状態では、中央フック48は、大荷物A1と干渉しないように閉位置にされている。以下、このような閉位置の場合は、フックの図示を省略する。なお、図6(A)中、符号A0は、移載前の大荷物A1の台車4上の位置である。
次に、図6(B)に示すように、中央フック48が大荷物A1に係合可能な位置までサイドアーム32を戻し、閉位置であった中央フック48を開位置にする。
次に、図6(C)に示すように、サイドアーム32をラック2側に伸ばして、大荷物A1を、開位置の中央フック48により、ラック2の手前側の載置位置に移載する。なお、符号A2は、奥側に既に格納された大荷物を示す。
この図6に示す例では、端部フック46から中央フック48へとフックの持ち替え(荷物の持ち替え)が行われる。
【0045】
次に、図7により、荷幅が1種類の荷物を自動倉庫1に格納する場合に、ラック2の手前側の載置位置に大荷物A1を移載するときのサイドアーム32の伸縮動作と、端部フック46および中央フック48の開閉動作を説明する。
図7に示すように、まず、走行路10側の端部フック46を開位置とする一方、中央フック48および奥側の端部フック46を閉位置とする。次に、サイドアーム32をラック2側に伸ばして、端部フック46により大荷物A1をラック2の手前側の格納位置に格納する。なお、この場合、荷幅が1種類であるので、図7に示すように、サイドアーム32が奥側の大荷物A2の載置位置まで延びも、奥側の大荷物A2に干渉しない。
この図7に示す例では、中央フック48へのフックの持ち替えは行われない。
【0046】
次に、図8により、荷幅が1種類または2種類以上の荷物を自動倉庫1に格納する場合に、ラック2の奥側の載置位置に大荷物A1を移載するときのサイドアーム32の伸縮動作と、端部フック46および中央フック48の開閉動作を説明する。
まず、図8(A)に示すように、走行路10側の端部フック46を開位置、中央フック48を閉位置として、台車4上の初期位置A0にある大荷物A1を仮置き位置に移動させる。
次に、図8(B)に示すように、中央フック48が大荷物A1に係合可能な位置までサイドアーム32を戻し、閉位置であった中央フック48を開位置にする。
次に、図8(C)に示すように、サイドアーム32をラック2側に伸ばして、大荷物A1を、開位置の中央フック48により、ラック2の奥側の載置位置に移載する。なお、符号A2は、奥側に格納された大荷物を示す。
この図8に示す例では、端部フック46から中央フック48へとフックの持ち替えが行われる。
【0047】
次に、図9により、ラック2の奥行き方向に最大3個の荷物を格納する「小荷物」の場合の移載パターンの例を説明する。図9は、本実施形態の移載装置による移載パターンを示す模式図であり、奥行き方向に3個の小荷物の載置位置が規定されたラックおよびシャトル通路を示す図である。なお、図9では、簡略化のために、片方のサイドアーム32のみを図示している。
まず、図9(A)に示すように、台車4(図示を省略する)上に荷おろし前の小荷物B1が載せられている。
【0048】
ここで、本実施形態では、図9(A)に示すように、中央フック48は、各端部フック46から所定の間隔Sが形成されるよう設けられる。
また、この中央フック48は、上述したように、各端部フック46より大きい幅を有している。本実施形態では、図9(B)に示すように、中央フック48の奥行き方向の幅Wが、「小荷物」を中央フック48のみでラック2の最も奥側の載置位置に移載可能な幅に設定されている。
また、端部フック46と中央フック48との間の所定の間隔Sを、小荷物の1個分の奥行き幅と同等な間隔にしており、これにより、開位置の端部フック46と開位置の中央フック48との間に、小荷物が収まるようにしている。
【0049】
ここで、本実施形態において、上述した「小荷物の1個分の奥行き幅」とは、上述した小荷物の奥行き幅の範囲のうち最大の400mmを意味する。なお、本実施形態では、所定の間隔Sは、各フック46、48と、小荷物との間で、+20mmのクリアランスが得られるよう、420mmの間隔に設定されている。なお、このようなクリアランス量は、自動倉庫1の仕様に応じて適宜設定される。
【0050】
本実施形態では、このような端部フック46および中央フック48の構成により、図9(A)に示す位置にある小荷物B1を、ラック2の奥側の載置位置(図9(B))、中間の載置位置(図9(C))、および、手前側の載置位置(図9(D))に、いずれも、中央フック48のみで、サイドアーム32の伸縮を止めることなく移載することができるようにしている。この図9に示す例では、中央フック48へのフックの持ち替えは行われない。
【0051】
また、本実施形態では、ラック2の奥行き方向に3個の小荷物を移載する場合に、中央フック48のみを用いるようにしているので、たとえば図9(C)および図9(D)に示すように、サイドアーム32が、奥側に既に格納されている小荷物B2、B3に干渉しないような位置までしか延びない。したがって、荷幅が1種類の場合も、荷幅が2種類以上の場合も、小荷物を、中央フック48のみで、ラック2の奥行き方向の奥側、中間、手前側のいずれの載置位置にも移載することができるのである。
【0052】
次に、図10および図11により、ラック2の奥行き方向に最大3個の荷物が格納される場合に、一方のラックの手前側の載置位置に既に格納されている小荷物を、反対側のラックの空いている載置位置に一時的に仮置きする場合の移載装置の動作パターンを説明する。図10は、1種類の荷幅の荷物が格納されると共に奥行き方向に3個の小荷物の載置位置が規定されたラックにおいて、一方のラックの手前側の載置位置に格納されている小荷物を反対側のラックに移載するときの移載装置の動作パターンを示す模式図であり、図11は、2種類以上の荷幅の荷物が格納されると共に奥行き方向に3個の小荷物の載置位置が規定されたラックにおいて、一方のラックの手前側の載置位置に格納されている小荷物を反対側のラックに移載するときの移載装置の動作パターンを示す模式図である。なお、図10及び図11では、簡略化のために、片方のサイドアーム32のみを図示している。
【0053】
まず、図10により、荷幅が1種類の荷物を自動倉庫1内に仮置きする場合のサイドアーム32の伸縮動作と、端部フック46および中央フック48の開閉動作を説明する。
まず、図10(A)に示すように、奥側の端部フック46および中央フック48を閉位置にした状態で、サイドアーム32をラック2の側に伸ばした後、奥側の端部フック46を開位置とする。その後、サイドアーム32を縮めて、手前側に格納されている小荷物B1を、奥側の端部フック46で台車4(図示を省略する)側に引き寄せて、台車4に荷つみする。
次に、図10(B)に符号B0で示す位置に小荷物が仮置きされた後、奥側の端部フック46により、反対側のラック2の手前側の載置位置に小荷物B1を格納する。
なお、反対側のラック2の載置位置は、必ずしも、格納されていた小荷物B1(図10(A))の正反対の位置ではなく、反対側のラック2で空いている載置位置であればよい。この図10に示す例では、中央フック48へのフックの持ち替えは行われない。
このようにして、たとえば、奥側の小荷物を取り出したいときに、手前側の小荷物を他の載置位置に仮置きすることができる。
【0054】
次に、図11により、荷幅が2種類以上の荷物を自動倉庫1内に仮置きする場合のサイドアーム32の伸縮動作と、端部フック46および中央フック48の開閉動作を説明する。
まず、図11(A)に示すように、奥側の端部フック46を開位置とし、ラック2の手前側に既に格納されている小荷物B1を奥側の端部フック46で台車4(図示を省略する)側に引き寄せて、図11(B)に示すように台車4に荷つみする。図11(B)に示すように、サイドアーム32は、いずれのラック2側にも伸びていない初期位置に戻される。
次に、奥側の端部フック46を開位置に維持したまま、サイドアーム32を図11(B)に示す位置から、図11(C)に示すように反対側のラック2の側に伸ばす。その後、図示しないが、中央フック48を閉位置とする。
次に、図11(D)に示すように、中央フック48が小荷物B1に係合可能な位置までサイドアーム32を戻し、閉位置であった中央フック48を開位置にする。
次に、図11(E)に示すように、サイドアーム32をラック2側に伸ばして、小荷物B1を、開位置の中央フック48により、ラック2の手前側の載置位置に移載する。
この図11に示す例では、端部フック46から中央フック48へとフックの持ち替えが行われる。
【0055】
なお、上述した入庫用載置領域26、27(図2参照)に載置された小荷物を台車4に荷つみする場合は、サイドアーム32の伸縮量を調整して、その小荷物が、台車4上の前後方向の所定の保持位置に荷つみされるようにしている。この所定の保持位置は、台車4上に保持された小荷物のラック2への移載時、中央フック48により、格納すべき側のラック2の方に向けてその小荷物を押すことができるような位置である。
【0056】
次に、本発明の実施形態による自動倉庫の作用効果を説明する。
まず、本実施形態では、荷物を移載する移載装置12を備えた入出庫台車4と、この入出庫台車4の走行路10の両側に配置されたラック2と、を備えたシャトル式の自動倉庫1であって、ラック2は、所定の奥行き幅を有する大荷物A1を奥行き方向に2個または所定の奥行き幅を有する小荷物B1を奥行き方向に3個格納可能であり、移載装置12は、ベースアーム34、ミドルアーム36、トップアーム38を少なくとも有するサイドアーム32であって、両側のラック2に進出可能であり、トップアーム38の先端がラック2の奥行き方向において一番奥側に移載される荷物の後端位置まで進出するサイドアーム32と、トップアーム38の前後端にそれぞれ配置された端部フック46と、トップアーム38において各端部フック46間の中間位置に配置された中央フック48と、を備え、中央フック48は、各端部フック46からそれぞれ所定の間隔S(図9参照)をおいて設けられ、中央フック48は、所定の間隔S以下の奥行き幅の小荷物を、中央フック48のみにより、ラック2の手前から奥まで3個移載することが可能な奥行き方向の幅W(図9参照)を有する。
このように構成された本実施形態によれば、中央フック48は、所定の間隔S以下の奥行き幅の小荷物B1を、中央フック48のみにより、ラック2の手前から奥まで3個移載することが可能な奥行き方向の幅Wを有するので、小荷物B1を、中央フック48のみで、ラック2の最も奥側の載置位置へとフックの持ち替え無しに移載することができ、これにより、小荷物B1を最小限のサイドアーム32のストローク量でラック2の最も奥側の載置位置へ移載することができる。したがって、奥行き幅が異なる複数種類の荷物をラック2の奥行き方向に効率的に格納することができる。
【0057】
また、本実施形態では、大荷物A1の所定の奥行き幅は、ラック2の奥行き方向に2個格納可能な最小と最大の奥行き幅の範囲(たとえば、本実施形態では、400mmを超えかつ600mm以下の数値の範囲)で規定され、かつ、小荷物B1の所定の奥行き幅は、ラック2の奥行き方向に3個格納可能な最小と最大の奥行き幅の範囲(たとえば、本実施形態では、200mm以上かつ400mm以下の数値の範囲)で規定され、中央フック48は、各端部フック46よりもその奥行き方向の幅が大きく(幅W、図9参照)、かつ、各端部フック46から少なくとも小荷物B1の最大の奥行き幅分の間隔Sを有するように形成されたフックである。
このように構成された本実施形態によれば、中央フック48は、各端部フック46よりもその奥行き方向の幅が大きく、かつ、各端部フック46から少なくとも小荷物B1の最大の奥行き幅分の間隔を有するように形成されたフックであるので、小荷物B1を、中央フック48のみで、ラック2の最も奥側の載置位置へとフックの持ち替え無しに移載することができ、これにより、小荷物B1を最小限のサイドアーム32のストローク量でラック2の最も奥側の載置位置へ移載することができる。したがって、奥行き幅が異なる複数種類の荷物をラックの奥行き方向に効率的に格納することができる。
【0058】
また、本実施形態では、移載装置12を制御するコントローラ50は、ラック2に2個格納可能な大荷物A1をラック2の奥行き方向の一番奥側の載置位置に移載する場合、端部フック46により、大荷物A1を仮置き位置に一旦移動させた後、中央フック48がその大荷物A1に係合可能な位置までサイドアーム32を戻し、中央フック48により、その大荷物A1を一番奥側の載置位置に移載するよう移載装置12を制御し、ラック2に3個格納可能な小荷物B1をラック2の奥行き方向の一番奥側の載置位置に移載する場合、中央フック48により、小荷物を一番奥側の載置位置まで停止せずに移載するよう移載装置12を制御する。
このように構成された本実施形態によれば、奥行き方向に2個格納可能な大荷物A1を、フック46、48を持ち替えることによりラック2の一番奥側の載置位置に移載することができる。また、本実施形態によれば、奥行き方向に3個格納可能な小荷物B1を、中央フック48のみにより、ラック2の一番奥側の載置位置まで停止せずに移載させることができるので、フックの持ち替えが無い分、移載時間を短縮することができる。
【0059】
また、本実施形態では、移載装置12を制御するコントローラ50は、ラック2に所定の2種類以上の荷幅の荷物を格納し、かつ、大荷物A1をラック2の奥行き方向の一番手前側の載置位置に移載する場合、端部フック46により、大荷物A1を仮置き位置へ一旦移動させた後、中央フック48がその大荷物A1に係合可能な位置までサイドアーム32を戻し、中央フック48により、その大荷物A1を一番手前側の載置位置に移載するよう移載装置を制御するので、奥側の載置位置に格納された大荷物A2の荷幅が手前側に移載する大荷物A1の荷幅より大きい場合であっても、フック46、48の持ち替え後、中央フック48により移載を完了するので、サイドアーム32が奥側の大荷物A2に干渉することなく、大荷物A1を一番手前側の載置位置に移載することができる。
【0060】
また、本実施形態では、移載装置12を制御するコントローラ50は、ラック2に所定の1種類の荷幅の荷物が格納され、かつ、ラック2の一方側の一番手前側に格納済みの小荷物B1を他方側のラック2に移載する場合、端部フック46により、一方側に格納済みの小荷物B1を入出庫台車4上に引き込むと共に他方側のラック2の一番手前側の載置位置まで移載するよう移載装置12を制御するので、たとえば、奥側の小荷物を出庫するために荷つみしたい場合、そのラック2の一番手前側に格納された小荷物B1を他方のラック2へ仮置きすることができる。本実施形態では、ラック2に1種類の荷幅の荷物が格納される場合、端部フック46のみにより仮置きを完了することができる。
【0061】
また、本実施形態では、移載装置12を制御するコントローラ50は、ラック2に所定の2種類以上の荷幅の荷物が格納され、かつ、ラック2の一方側の一番手前側に格納済みの小荷物B1を他方側のラック2に移載する場合、端部フック46により、小荷物B1を入出庫台車4上に一旦引き込んだ後、中央フック48がその小荷物B1に係合可能な位置までサイドアーム32を戻し、中央フック48により、その小荷物B1を他方側のラック2の一番手前側の載置位置に移載するよう移載装置12を制御するので、たとえば、奥側の小荷物を出庫するために荷つみしたい場合、そのラック2の一番手前側に格納された小荷物B1を他方のラック2へ仮置きすることができる。本実施形態では、ラック2に2種類以上の荷幅の荷物が格納される場合、フック46、48の持ち替え後、中央フック48により仮置きを完了することができる。
【0062】
また、本実施形態では、中央フックは、2つの棒状部材を連結部材である1つの板状部材で互いに連結して一体的に形成されているので、たとえば、2つの棒状部材を端部フック46と同様の形状の部材48aとすることにより部品を共通化し、このように共通化した2つの部品48aを連結部材48bで連結することにより、所定の奥行き幅を有する一体的な中央フック48を形成することができる。なお、変形例として、たとえば、2つの部品48aを、たとえば、複数の棒状部材や、閉断面部材や、断面コの字状の板状部材などにより互いに連結するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0063】
A1 大荷物
B1 小荷物
1 シャトル式自動倉庫
2 ラック
4 入出庫台車
6 棚
8 棚段
10 走行路
12 移載装置
14、16 ステーション
32 サイドアーム
34 ベースアーム
36 ミドルアーム
38 トップアーム
46 端部フック
48 中央フック
50 コントローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11