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特許7515794酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/20 20060101AFI20240708BHJP
   A61K 8/365 20060101ALI20240708BHJP
   A61Q 5/04 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
A61K8/20
A61K8/365
A61Q5/04
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020180016
(22)【出願日】2020-10-09
(65)【公開番号】P2022063188
(43)【公開日】2022-04-21
【審査請求日】2023-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】518035145
【氏名又は名称】株式会社イングラボ
(73)【特許権者】
【識別番号】518035156
【氏名又は名称】株式会社CUTICULA
(72)【発明者】
【氏名】中谷 靖章
(72)【発明者】
【氏名】一木 登紀男
【審査官】山田 陸翠
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-030782(JP,A)
【文献】特開2017-218415(JP,A)
【文献】特開昭55-009017(JP,A)
【文献】特開平08-301732(JP,A)
【文献】特開2004-149478(JP,A)
【文献】特開2018-030783(JP,A)
【文献】特開2008-001628(JP,A)
【文献】特開昭64-009919(JP,A)
【文献】特開2016-204282(JP,A)
【文献】特開2006-342159(JP,A)
【文献】特開平1-009919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
還元剤を含有しpHが4.0~5.5である酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤で毛髪を処理した後に使用するための、5~10質量%の臭素酸塩を含有し、pHが6.0~7.5でかつ臭素酸塩を除く有機酸塩を2~10質量%含有する酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、縮毛矯正効果及びカール効果の持続性の高い酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な縮毛矯正は、主成分の還元剤、酸化剤の作用及び高温での機械的処理によりクセを矯正することができる。具体的には、チオグリコール酸又はその塩、システアミン又はその塩等の還元剤と、アンモニア水、モノエタノールアミン、炭酸水素アンモニウム、アルギニン等のアルカリ剤を含有する第1剤を毛髪に塗布することによりケラチンタンパクに存在するジスルフィド結合を還元開裂した後中間水洗し、ドライヤーなどで乾燥し、アイロンによる高温での機械的処理によりストレート状に伸ばした上で、過酸化水素あるいは臭素酸ナトリウム等の酸化剤を主成分とする第2剤で処理して、ジスルフィド基を酸化再形成させ、毛髪をストレート状に固定する。
【0003】
一般的なパーマネントウェーブは、主成分の還元剤、酸化剤の作用によりカールを形成することができる。具体的には、チオグリコール酸又はその塩、システアミン又はその塩等の還元剤と、アンモニア水、モノエタノールアミン、炭酸水素アンモニウム、アルギニン等のアルカリ剤を含有する第1剤をロッドに巻いた毛髪に塗布することによりケラチンタンパクに存在するジスルフィド結合を還元開裂した後中間水洗し、過酸化水素あるいは臭素酸ナトリウム等の酸化剤を主成分とする第2剤で処理して、ジスルフィド基を酸化再形成させ、毛髪をカール状に固定する。
【0004】
一般的な加熱式パーマネントウェーブは、主成分の還元剤、酸化剤の作用及び高温での処理によりカールを形成することができる。具体的には、チオグリコール酸又はその塩、システアミン又はその塩等の還元剤と、アンモニア水、モノエタノールアミン、炭酸水素アンモニウム、アルギニン等のアルカリ剤を含有する第1剤を毛髪に塗布することによりケラチンタンパクに存在するジスルフィド結合を還元開裂した後中間水洗し、加熱ロッドに巻き付け高温での処理によりカール状にした上で、加熱ロッドをはずす前後どちらかで過酸化水素あるいは臭素酸ナトリウム等の酸化剤を主成分とする第2剤で処理して、ジスルフィド基を酸化再形成させ、毛髪をカール状に固定する。
【0005】
しかし、縮毛矯正、パーマネントウェーブ及び加熱式パーマネントウェーブのいずれも、アルカリ性の第1剤を作用させ毛髪が膨潤軟化し、毛髪の傷みと弾力が低下するため、第1剤を酸性にすることが試みられている。しかしながら、酸性の第1剤にアルカリ性の第1剤に適した第2剤を使用すると十分な2剤の効果を発揮することができないため、酸性の第1剤に適した第2剤の開発が望まれている。
【0006】
特許文献1には、緩衝剤0.4~10重量%と臭素酸ナトリウム3.0~15.0重量%とを含むpH6.0~8.0のアルカリパーマネントウェーブ剤、及び酸性パーマネントウェーブ剤のパーマ施術用酸化剤が開示されている。当該特許の目的は、商品として安定し、かつ技術者が熟練を要することなくまたpH試験紙、pHメーターを用いずに短時間で所望のpH値に設定でき、しかも安定した酸化能力を維持して毛髪のケラチンタンパク質の結合(イオン結合)が一番安定した状態に中和を行なうことができ、更に人体に安全な状態で使用できる酸化剤を得ようとするものであり、使用時に酸又は酸の水溶液を加えてpH4.05~5.00とする。その理由は、臭素酸ナトリウムの特性上商品として保存する時pH6.0~9.0ぐらいが安定し、使用時に酸性の方が酸化力が強く安定した酸化効果が得られるがpH4.05より低いと、酸化電位が異常に上昇するとともに酸化剤に必要以上の酸化力が生じ、皮膚や毛髪のケラチンタンパク質が変性し、あるいは損傷するなどのおそれがあるためである。即ち、使用時のpHは4.05~5.00であることが必須であり、かつパーマネントウェーブ剤のウェーブの持続性に関する記述はない。
【0007】
特許文献2には、チオグリコール酸、又はその塩、もしくはシステインよりなる群から選ばれた少なくとも一種の還元剤を5~7重量%含有し、酸とアルカリとの特定の配合によりpHが酸性を示す第一剤と、臭素酸ナトリウム、過酸化水素からなる酸化剤を6~12重量%含有し、pHが4~6を示す第二剤からなる、通常の方法にてしっかりとしたウェーブ形成力を持つ酸性パーマネントウェーブ用剤組成物が開示されている。この方法では、通常法にて常温でのウェーブ形成力が優れかつ毛髪への損傷が抑えられことが可能ではあるが、パーマネントウェーブ剤のウェーブの持続性に関する記述はない。又、第一剤は、pHが5.5~7.0を示す酸性の組成物で、低アルカリである旨が記述されている。即ち、実質的にアルカリを有するアルカリ性のパーマネントウェーブ用第2剤に関する。
【0008】
特許文献3には、少なくとも酸化剤と、酸性アミノ酸及び塩基性アミノ酸とを含有し、0.001グラム当量/L以上の緩衝能を備え、酸化剤が臭素酸化合物である場合はpHが4.5~7.0の範囲内に調整されている二浴式パーマネントウェーブ用第2剤組成物が開示されている。この方法では、酸性アミノ酸と塩基性アミノ酸とを含有することに基づき緩衝能を有するので、常に第2剤組成物としての適正なpH域が維持され、酸化剤の良好な酸化作用が確保され、又、毛髪の等電点に近い酸性~弱酸性のpHが維持されるので、毛髪の保護上も好ましく、毛髪の感触と損傷を防止することが可能ではあるが、パーマネントウェーブ剤のウェーブの持続性に関する記述はない。又、当該特許に係る二浴式パーマネントウェーブ用剤は、少なくとも還元剤及びアルカリ剤とを含有する第1剤組成物とからなり、実質的にアルカリ性のパーマネントウェーブ用第2剤に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開昭60-197616
【文献】特公平6-78216
【文献】特許第4612250号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記従来技術の欠点に鑑みてなされたものであり、縮毛矯正効果及びカール効果の持続性の高い酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、前記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、還元剤を含有しpHが4.0~5.5である酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤で毛髪を処理した後に使用するための、5~10質量%の臭素酸塩を含有し、pHが6.0~7.5でかつ臭素酸塩を除く有機酸塩及び/又はリン酸塩を2~10質量%含有することにより縮毛矯正効果及びカール効果の高い持続性を実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明の酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤は、還元剤を含有しpHが4.0~5.5である酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤で毛髪を処理した後に使用するための、5~10質量%の臭素酸塩を含有し、pHが6.0~7.5でかつ臭素酸塩を除く有機酸塩及び/又はリン酸塩を2~10質量%含有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤により、縮毛矯正効果及びカール効果の高い持続性が可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤>
本発明の酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤は、臭素酸塩と臭素酸塩を除く有機酸塩及び/又はリン酸塩とを必須に含有する。以下、本発明について詳述する。
【0015】
臭素酸塩の含有量は、本発明の酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤の全量に対して、5~10質量%、好ましくは6~7.5質量%である。含有量が5質量%未満では十分な縮毛矯正効果及びカール効果の持続性を得ることができず、一方、10質量%を超えて含有しても、含有量に見合った縮毛矯正効果及びカール効果の持続性の向上は期待できない。
【0016】
前記臭素酸塩としては、臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウム等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0017】
臭素酸塩を除く有機酸塩及び/又はリン酸塩の含有量は、本発明の酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤の全量に対して、2~10質量%、好ましくは4~6質量%である。含有量が2質量%未満では十分な縮毛矯正効果及びカール効果の持続性を得ることができず、一方、10質量%を超えて含有しても、含有量に見合った縮毛矯正効果及びカール効果の持続性の向上は期待できない。
【0018】
前記臭素酸塩を除く有機酸塩としては、特に限定されるものではないが、レブリン酸やグリコール酸や乳酸等のモノカルボン酸のナトリウム塩やアンモニウム塩や塩基性アミノ酸塩等、マレイン酸やリンゴ酸等のジカルボン酸のナトリウム塩やアンモニウム塩や塩基性アミノ酸塩等、クエン酸等のトリカルボン酸のナトリウム塩やアンモニウム塩や塩基性アミノ酸塩等、グルタミン酸やアスパラギン酸である酸性アミノ酸のナトリウム塩やアンモニウム塩や塩基性アミノ酸塩等、エチドロン酸、エデト酸、フィチン酸等のキレート効果を特に有する酸のナトリウム塩やアンモニウム塩や塩基性アミノ酸塩等が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0019】
本発明の酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤は、pHを6.0~7.5の範囲、好ましくは6.5~7.0の範囲に保持することが必要である。pHが6.0未満では、十分な縮毛矯正効果及びカール効果の持続性を得ることができず、pHが7.5を超えても、十分な縮毛矯正効果及びカール効果の持続性を得ることができない。
酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤のpHを上記範囲に調整するための酸性成分としては、特に限定されるものではないが、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酸性アミノ酸等の有機酸、リン酸等の無機酸を用いることができる。又、pHを上記範囲に調整するための塩基性成分としては、特に限定されるものではないが、アンモニア水、トリエタノールアミン、塩基性アミノ酸等の有機塩基、水酸化ナトリウム等の無機塩基を用いることができる。
【0020】
本発明の酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤には、臭素酸塩と臭素酸塩を除く有機酸塩及び/又はリン酸塩以外にも、通常化粧品や医薬部外品等に用いられる他の成分を、本発明の効果を損なわない範囲内で任意に添加することができる。このような成分として、例えばカチオン性高分子、アニオン性高分子、非イオン性高分子、両性高分子、多価アルコール、糖類、アミノ酸、ペプチド、プロテイン、金属イオン封鎖剤、油分、粉末成分、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、増粘剤、香料、色素、水等を含有することができる。
【0021】
本発明の酸性縮毛矯正、酸性パーマネントウェーブ及び酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤の剤型は、所望の効果が充分に発揮されるのであれば特に限定されないが、例えば、液状、乳液状、ゲル状、フォーム状、クリーム状などの剤型を採りうる。
【実施例
【0022】
以下に具体例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例等における配合量は特に断らない限り質量%を示す。
【0023】
(実施例1~8及び比較例1~2)
下記の表1に掲げた組成を有する酸性縮毛矯正用第2剤を、精製水に各成分を均一になるまで撹拌混合し、乳酸を添加してpHが6.7となるように調節した。
得られた酸性縮毛矯正用第2剤の縮毛矯正効果の持続性の評価を、下記の方法により評価した。
【0024】
また、還元剤を含有しpHが4.0~5.5の範囲にある酸性縮毛矯正用第1剤を、精製水に各成分を均一になるまで撹拌混合することにより調製した。
チオグリコール酸アンモニウム 2.0%
チオ乳酸アンモニウム 5.0%
塩化セチルトリメチルアンモニウム 0.5%
乳酸 pH4.75に調整
精製水 残量
【0025】
<酸性縮毛矯正用試験毛束の作成>
天然クセ毛(インド人黒毛)を伸長時の長さが30cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成した。ついで、各毛束を市販の8レベルの酸化染毛剤にて処理し、市販のシャンプーにて2回洗浄し、十分にタオルドライし、毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置する。その後、再度、各毛束を市販の8レベルの酸化染毛剤にて処理し、市販のシャンプーにて2回洗浄し、十分にタオルドライし酸性縮毛矯正用試験毛束とした。
【0026】
<縮毛矯正処理>
酸性縮毛矯正用試験毛束2本に前記酸性縮毛矯正用第1剤を各6g塗布し、55℃で20分間放置する。その後、お湯で十分に酸性縮毛矯正用第1剤を洗い流す。十分にタオルドライしてからドライヤーで乾燥させ、190℃に熱した毛髪矯正アイロンにて10秒間かけて毛髪をストレート状にした。次に、調整した酸性縮毛矯正用第2剤を各9g塗布し、室温にて15分間放置し、お湯で十分に酸性縮毛矯正用第2剤を洗い流す。十分にタオルドライし、コームで整え、毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置する。
【0027】
<縮毛矯正効果の持続性の評価>
1本を60℃の2%ポリオキシエチレンラウリル硫酸Na水溶液に30分間浸漬し、十分にお湯で洗い流した後、十分にタオルドライし、コームで整え、毛束の一端を固定して垂直方向に吊し毛束aとする。残りの1本を毛束aと同じタイミングで吊せる様に、お湯で十分に濡らし、十分にタオルドライし、コームで整え、毛束の一端を固定して垂直方向に吊し毛束bとする。2本の毛束を24時間室温放置して十分に乾燥した時に、下記の評価基準により、10年以上の美容師経験を有する3名が評価した。
<評価基準>
縮毛矯正効果の持続性は、毛束bとの比較にて毛束aを評価する。
1.クセ戻りがある。
2.クセ戻りがややあり、広がる。
3.クセ戻りはほとんどなく、まとまっている。
4.クセ戻りがほとんどなく、よくまとまっている。
5.クセ戻りがなく、ツヤがある。
【0028】
【表1】
【0029】
実施例1~8に示されるように、臭素酸塩を5~10質量%を含有する場合に、十分な縮毛矯正効果の持続性が得られた。これに対し、比較例1~2に示されるように、臭素酸塩の含有量が上記範囲外である場合には、縮毛矯正効果の持続性が不十分であった。
【0030】
(実施例9~20及び比較例3~9)
下記の表2に掲げた組成を有する酸性縮毛矯正用第2剤を、精製水に各成分を均一になるまで撹拌混合し、乳酸を添加してpHが6.7となるように調節した。
得られた酸性縮毛矯正用第2剤の縮毛矯正効果の持続性の評価を、前記の方法により評価した。
【0031】
【表2】
【0032】
実施例9~20に示されるように、臭素酸塩を除く有機酸塩及び/又はリン酸塩を2~10質量%含有する場合に、十分な縮毛矯正効果の持続性が得られた。これに対し、比較例3~9に示されるように、臭素酸塩を除く有機酸塩及び/又はリン酸塩の含有量が上記範囲外である場合には、縮毛矯正効果の持続性が不十分であった。
【0033】
(実施例21~24及び比較例10~13)
下記の表3に掲げた組成を有する酸性縮毛矯正用第2剤を、精製水に各成分を均一になるまで撹拌混合し、乳酸又はリン酸を添加して表3に記載のpHとなるように調節した。
得られた酸性縮毛矯正用第2剤の縮毛矯正効果の持続性の評価を、前記の方法により評価した。
【0034】
【表3】
【0035】
実施例21~24に示されるように、pH6.0~7.5の場合に、十分な縮毛矯正効果の持続性が得られた。これに対し、比較例10~13に示されるように、pHが上記範囲外である場合には、縮毛矯正効果の持続性が不十分であった。
【0036】
(実施例25~31及び比較例14~17)
下記の表4に掲げた組成を有する酸性パーマネントウェーブ用第2剤を、精製水に各成分を均一になるまで撹拌混合し、乳酸を添加して所定のpHとなるように調節した。
得られた酸性パーマネントウェーブ用第2剤のカール効果の持続性の評価を、下記の方法により評価した。
【0037】
また、還元剤を含有しpHが4.0~5.5の範囲にある酸性パーマネントウェーブ用第1剤を、精製水に各成分を均一になるまで撹拌混合することにより調製した。
チオグリコール酸アンモニウム 2.0%
チオ乳酸アンモニウム 5.0%
塩化セチルトリメチルアンモニウム 0.5%
乳酸 pH5.50に調整
精製水 残量
【0038】
<酸性パーマネントウェーブ用試験毛束の作成>
中国人毛を長さが25cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成した。ついで、各毛束を市販の8レベルの酸化染毛剤にて処理し、市販のシャンプーにて2回洗浄し、十分にタオルドライし、毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置する。その後、再度、各毛束を市販の8レベルの酸化染毛剤にて処理し、市販のシャンプーにて2回洗浄し、十分にタオルドライし酸性パーマネントウェーブ用試験毛束とした。
【0039】
<パーマネントウェーブ処理>
酸性パーマネントウェーブ用試験毛束2本をロッドに巻き付け前記酸性パーマネントウェーブ用第1剤を各6g塗布し、55℃で20分間放置する。その後、お湯で十分に酸性パーマネントウェーブ用第1剤を洗い流す。次に、調整した酸性パーマネントウェーブ用第2剤を各6g塗布し、室温にて15分間放置し、毛髪をロッドからはずし、お湯で十分に酸性パーマネントウェーブ用第2剤を洗い流す。十分にタオルドライし、コームで整え、毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置する。
【0040】
<カール効果の持続性の評価>
1本を60℃の2%ポリオキシエチレンラウリル硫酸Na水溶液に10分間浸漬し、十分にお湯で洗い流した後、十分にタオルドライし、コームで整え、毛束の一端を固定して垂直方向に吊し毛束cとする。残りの1本を毛束cと同じタイミングで吊せる様に、お湯で十分に濡らし、十分にタオルドライし、コームで整え、毛束の一端を固定して垂直方向に吊し毛束dとする。2本の毛束を24時間室温放置して十分に乾燥した時に、下記の評価基準により、10年以上の美容師経験を有する3名が評価した。
<評価基準>
カール効果の持続性は、毛束dとの比較にて毛束cを評価する。
1.カールがほとんどなくなる。
2.カールがややなくなり、広がる。
3.カールが少しなくなっているが、まとまっている。
4.カールがほとんど残っていて、まとまっている。
5.カールが残っている。
【0041】
【表4】
【0042】
実施例25~31に示されるように、5~10質量%の臭素酸塩を含有し、pHが6.0~7.5でかつ臭素酸塩を除く有機酸塩及び/又はリン酸塩を2~10質量%含有する場合に、十分なカール効果の持続性が得られた。これに対し、比較例14~17に示されるように、上記範囲外である場合には、カール効果の持続性が不十分であった。
【0043】
(実施例32~38及び比較例18~21)
下記の表5に掲げた組成を有する酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤を、精製水に各成分を均一になるまで撹拌混合し、乳酸を添加して所定のpHとなるように調節した。
得られた酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤のカール効果の持続性の評価を、下記の方法により評価した。
【0044】
また、還元剤を含有しpHが4.0~5.5の範囲にある酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤を、精製水に各成分を均一になるまで撹拌混合することにより調製した。
チオグリコール酸アンモニウム 2.0%
チオ乳酸アンモニウム 5.0%
塩化セチルトリメチルアンモニウム 0.5%
乳酸 pH4.0に調整
精製水 残量
【0045】
<酸性加熱式パーマネントウェーブ用試験毛束の作成>
中国人毛を長さが25cmになるように切りそろえ、重さ3gの毛束を作成した。ついで、各毛束を市販の脱色剤(ブリーチ)にて処理し、市販のシャンプーにて2回洗浄し、十分にタオルドライし、毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置する。その後、再度、各毛束を市販の8レベルの酸化染毛剤にて処理し、市販のシャンプーにて2回洗浄し、十分にタオルドライし酸性加熱式パーマネントウェーブ用試験毛束とした。
【0046】
<加熱式パーマネントウェーブ処理>
酸性加熱式パーマネントウェーブ用試験毛束2本に前記酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤を各6g塗布し、55℃で20分間放置する。その後、お湯で十分に酸性加熱式パーマネントウェーブ用第1剤を洗い流す。タオルドライしてから加熱ロッドに巻き付け、90℃にて10分放置し毛髪をカール状にした。次に、調整した酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤を各9g塗布し、室温にて15分間放置し、加熱ロッドから毛髪をはずし、お湯で十分に酸性加熱式パーマネントウェーブ用第2剤を洗い流す。十分にタオルドライし、コームで整え、毛束の一端を固定して垂直方向に吊し、24時間室温放置する。
【0047】
<カール効果の持続性の評価>
1本を60℃の2%ポリオキシエチレンラウリル硫酸Na水溶液に30分間浸漬し、十分にお湯で洗い流した後、十分にタオルドライし、コームで整え、毛束の一端を固定して垂直方向に吊し毛束eとする。残りの1本を毛束eと同じタイミングで吊せる様に、お湯で十分に濡らし、十分にタオルドライし、コームで整え、毛束の一端を固定して垂直方向に吊し毛束fとする。2本の毛束を24時間室温放置して十分に乾燥した時に、下記の評価基準により、10年以上の美容師経験を有する3名が評価した。
<評価基準>
カール効果の持続性は、毛束fとの比較にて毛束eを評価する。
1.カールがほとんどなくなる。
2.カールがややなくなり、広がる。
3.カールが少しなくなっているが、まとまっている。
4.カールがほとんど残っていて、まとまっている。
5.カールが残っている。
【0048】
【表5】
【0049】
実施例32~38に示されるように、5~10質量%の臭素酸塩を含有し、pHが6.0~7.5でかつ臭素酸塩を除く有機酸塩及び/又はリン酸塩を2~10質量%含有する場合に、十分なカール効果の持続性が得られた。これに対し、比較例18~21に示されるように、上記範囲外である場合には、カール効果の持続性が不十分であった。