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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】シリンダー式ミル
(51)【国際特許分類】
   B02C 7/02 20060101AFI20240708BHJP
   B02C 7/12 20060101ALI20240708BHJP
   A47J 43/04 20060101ALI20240708BHJP
   A47J 42/24 20060101ALI20240708BHJP
   A47J 42/04 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
B02C7/02
B02C7/12
A47J43/04
A47J42/24
A47J42/04
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023069685
(22)【出願日】2023-04-20
【審査請求日】2024-01-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】320012200
【氏名又は名称】今永 大二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100205523
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 浩也
(72)【発明者】
【氏名】今永 大二郎
【審査官】河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第216454686(CN,U)
【文献】実開昭62-061649(JP,U)
【文献】登録実用新案第3243529(JP,U)
【文献】特開2005-219034(JP,A)
【文献】登録実用新案第3213968(JP,U)
【文献】特開平09-173222(JP,A)
【文献】特開2022-085580(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 42/00 - 44/02
B02C 7/00 - 7/18
A23G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の内刃本体の内周面に周方向と交わる方向へ突設した複数の内刃を、内刃本体の周方向へ適宜距離を隔てて配してなる内刃部材と、
内刃本体内に挿入された柱状の外刃本体の周面に、前記内刃と交差する複数の外刃を、外刃本体の周方向へ適宜距離を隔てて配してなる外刃部材と、
前記外刃本体にその回転軸上に固定したシャフトと、
を備え、
該シャフトによって外刃部材を所定方向へ回転させるように構成してなり、内刃本体及び外刃本体の一端側である入側に投入された被破砕物を前記内刃と外刃とで挟んでこれを破砕し、内刃本体及び外刃本体の出側から排出するようになしたミルにおいて、
前記外刃本体の上部は、前記外刃の中心軸と平行な中心軸を有する半円錐形状の形状を有し、半円錐の底面縁周面にはアーチ状に外刃本体方向に凹み両淵に2つの刃を備える第1アーチ刃を複数設けてあること、
を特徴とするミル。
【請求項2】
円筒状の内刃本体の内周面に周方向と交わる方向へ突設した複数の内刃を、内刃本体の周方向へ適宜距離を隔てて配してなる内刃部材と、
内刃本体内に挿入された柱状の外刃本体の周面に、前記内刃と交差する複数の外刃を、外刃本体の周方向へ適宜距離を隔てて配してなる外刃部材と、
前記外刃本体にその回転軸上に固定したシャフトと、
を備え、
該シャフトによって外刃部材を所定方向へ回転させるように構成してなり、内刃本体及び外刃本体の一端側である入側に投入された被破砕物を前記内刃と外刃とで挟んでこれを破砕し、内刃本体及び外刃本体の出側から排出するようになしたミルにおいて、
前記外刃本体の下部は、前記外刃の中心軸と平行な中心軸を有する円柱状の形状を有し、
円柱の側面にはアーチ状に凹むデント部を連続で複数設け、前記デント部の縁に刃を壁面は2つの平面とR面、底面は2つの直線と弧を設けており、前記デント部が被破砕物の破砕と前記内刃本体の下部にある複数の三角状の壁を成す同一の三角形状の窓部の外へ押し出すこと、
を特徴とするミル。
【請求項3】
前記内刃本体の上部には、内刃本体の中心軸と平行をなす軸に対して前記外刃の第1アーチ刃の配置方向とは鏡像的に異なる方向へ傾斜させた複数のアーチ状に内刃本体方向へ凹み両淵に2つの刃を備える第2アーチ刃が設けてある請求項1に記載のミル。
【請求項4】
前記内刃本体の下部には、複数の三角状の壁を成す同一の三角形状の窓部が連続で複数設け、前記三角形状の窓部の縁に刃を設けてある請求項2に記載のミル。
【請求項5】
前記外刃本体上部の半円錐形状の斜面上に、前記第1アーチ刃と前記第1アーチ刃の間には、回転軸と平行の壁面があり、同一の形状の「へ」の字型の壁面を成す凹部が複数均一間隔で設け、前記凹部の壁面は、回転駆動される外刃本体の投入される被破砕物に当接して、回転方向に被破砕物を第1アーチ刃と内刃の第2アーチ刃が接する場所に押し込む、
ことを特徴とする請求項3に記載のミル。
【請求項6】
前記外刃本体上部の半円錐形状の斜面の角度は、水平面に対し5度乃至60度の角度を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のミル。
【請求項7】
前記外刃本体上部の半円錐形状の斜面上に設けられた前記凹部の底面は、水平面に対し0度乃至60度の角度を有する、
ことを特徴とする請求項5に記載のミル。
【請求項8】
前記内刃本体の上部に設けられた第2アーチ刃は、回転軸方向に対し5度から60度の角度を有する、
事を特徴とする請求項3に記載のミル。
【請求項9】
前記内刃本体の上部に設けられた第2アーチ刃は、2mm乃至5mm間隔で設けられている、
事を特徴とする請求項3に記載のミル。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、コーヒー豆といった豆類、お茶、又は干した小魚といった乾物等の被破砕物を破砕するためのミルに関する。
【0002】
コーヒー豆からコーヒーを抽出するために、ミルによってコーヒー豆を適宜の粒径に破砕する操作が行われている。かかるミルには、プロペラ状の刃を回転させて、打撃によって豆を破砕するブレードグラインダ、内周面に複数の外刃が螺設された筒体内に、外周面に複数の内刃が螺設された円錐台体を挿入させ、外刃と回転する内刃との間に進入する豆を破砕するコニカルカッタ、それぞれ対向面に複数の刃が放射状に螺設された一対の平板を対向配置してなるフラットカッタ、それぞれ外周面に複数の刃が設けられた円簡状のバーを対向配置してなるロールグラインダといった機構のものが開発されている。
【0003】
いま家庭用のミルに着目すると、後半の2機構のミルは全体のサイズが比較的大きく、場所を占有してしまうため、家庭用としては、主に前半2機構のミルが用いられている。
【0004】
ところで、破砕したコーヒー豆からコーヒーを抽出する場合、破砕したコーヒー豆の粒径が均等である程、即ち、破砕時に微粉の発生を抑制し得る程、雑味が少ない清んだ味わいのコーヒーを抽出することができるが、ブレードグラインダのミルにあっては、回転するプロペラ状の刃の打撃によって豆を破砕するため、微粉が発生し易い。
【0005】
これに対して、コニカルカッタのミルにあっては、外刃が設けられた筒体と、内刃が設けられた円錐台体との間隙を適宜に調整することによって、微粉の発生を比較的抑制することができるが、後述する特許文献1には微粉の発生をより抑制し得るミルが開示されている。
【0006】
図22は後記する特許文献1に開示されたミルの要部構成を示す分解斜視図であり、図中、160は後述する複数の内刃161、161、…が内設されたサイドミル、170はサイドミル160に内嵌される外刃ミルである。
【0007】
図22に示したように、外刃ミル170は、円錐台状の外刃ミル本体170aを備えており、外刃ミル本体170aの周面であって上底側の領域には5本の螺旋溝171、171、…が連続的に、外刃ミル本体170aの周面を5等分する様態で設けてある。これによって、外刃ミル本体l70aの上底側端面は、平断面視が星形状を呈しており、相隣る螺旋溝171、171、171、171、…間の境界によってカッター刃171a、171a、…が形成されている。一方、外刃ミル本体170aの周面であって下底側の領域には、螺旋溝171と平行をなす細溝3本を一対とする5対の細溝群172、172、…が、前記螺旋溝171、171、…の出側に対応する位置に、周方向へ互いに所定距離を隔てて設けてあり、各細溝群172、172、…を構成する相隣る細溝間の境界によってサブカッター刃172a、172a、172a、172a、172a、172a、172a、172a、…が形成されている。
【0008】
一方、サイドミル160は、前記外刃ミル本体170aの高さ寸法と略同じ高さ寸法の円筒状のサイドミル本体160aの上端にフランジ部160bを設けて構成されている。
サイドミル本体160aの内側には、サイドミル本体160aの高さ方向の略全長に亘る縦長帯状の6本の内刃161、161、…が、サイドミル本体160aの周方向へ所定の間隔で突設してあり、各内刃161、161、…は、サイドミル本体160aの中心軸から各内刃161、161、…までの寸法が、当該中心軸のフランジ部160b側の位置からフランジ部160bとは反対側の位置に向かうに連れて大きくなしたテーパ状になしてある。
【0009】
このようなサイドミル160及び内刃161を備えるミルにあっては、外刃ミル本体170aの螺旋溝171、171、…内に落下したコーヒー豆が、一方向へ回転駆動される外刃ミル本体170aのカッター刃171a、171a、…と、サイドミル160の内刃161、161、…とによって中程度の粒度まで破砕された後、遠心力によって螺旋溝171、171、…から対応する細溝群172、172、…へ移送され、そこで外刃ミル本体170aのサブカッター刃172a、172a、172a、172a、172a、172a、172a、172a、…と、サイドミル160の内刃161、161、…とによって所要粒度まで破砕される。このとき、前述した如くサイドミル160の内刃161、161、…はサイドミル本体160aの周方向へ互いに距離を隔てて設けてあり、外刃ミル本体170aのサブカッター刃172a、172a、172a、172a、172a、172a、172a、172a、…は、対応する細溝群172、172、…毎に、外刃ミル本体170aの周方向へ互いに距離を隔てて設けてあるため、螺旋溝171、171、…、及び細溝群172、172、…を構成する各細溝内に破砕された豆が充満することが抑制され、これによって豆が微紛化することを低減することができる。
【0010】
しかしながら、このような従来のミルにあっては、前述した如く、サイドミル160の内刃161、161、…はサイドミル本体160aの周方向へ互いに距離を隔てて設けてあり、外刃ミル本体170aのサブカッター刃172a、172a、172a、172a、172a、172a、172a、172a、…は、対応する細溝群172、172、…毎に、外刃ミル本体170aの周方向へ互いに距離を隔てて設けてあるため、外刃及び内刃の総数が相対的に少なく、従って破砕効率が低いという問題があった。また、細溝群172、172、…を構成する各細溝内に破砕された豆が充満することをある程度抑制することはできるものの、各細溝内の破砕物を細溝内から排出させる外力は外刃ミル170からの遠心力及び重力だけであるため、螺旋溝171、171、…から対応する細溝群172、172、…へ大量の破砕物が移動された場合、細溝内で破砕物による目詰まりが生起し、当該細溝における過剰破砕によって微紛化が生じてしまう。
【0011】
図23は、後記するが、特許文献1の欠点である過剰破砕による微紛化を防止するとともに、破砕効率をより高くし得るミル、及び当該ミルにて破砕された被破砕物を収納器に効率的に収納する特許文献2に開示されたミルの要部構成を示す外刃本体70の斜視図、図24は特許文献2に開示されたミルの要部構成を示す内刃本体60の断面図であり、特許文献図中、6は後述する内刃本体60内設された複数の第1内刃61、第2内刃62が設けられた内刃部材、7は後述する外刃本体70内設された複数のテーパ部70a、第1凹部71、第1外刃71a、第2凹部72、第2外刃72a、第3凹部73、第3外刃73a、第4凹部74、第4外刃74a、第5凹部75、第5外刃75aが設けられた外刃部材である。
【0012】
図23及び図24に示したように、特許文献2によって開示されたミルは、円筒状の内刃本体60の内周面に周方向と交わる方向へ突設した複数の第1内刃61及び第2内刃62を、内刃本体60の周方向へ適宜距離を隔てて配して構成する内刃本体60と、内刃本体60内に挿入された柱状の外刃本体70の周面に、第1内刃61及び第2内刃62と交差する複数の第1外刃71a、第2外刃72a、第3外刃73a、第4外刃74a及び第5外刃75aを、外刃本体の周方向へ適宜距離を隔てて配して構成する外刃本体70と、外刃本体70にその回転軸上に固定したシャフト5を備え、シャフト5によって外刃本体70を所定方向へ回転させるように構成している。内刃本体60及び外刃本体70の一端側である入側に投入された被破砕物は、第1内刃61及び第2内刃62と第1外刃71a、第2外刃72a、第3外刃73a、第4外刃74a及び第5外刃75aとで挟んでこれを破砕し、内刃本体60及び外刃本体70の出側から排出する。
【0013】
上記のような内刃6及び外刃7といった細かい刃を設ける構造によって、被破砕物が過度に破砕されることが防止され、被破砕物の微紛化を回避して、より均一な粒径の被破砕物を生成することができるようになった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】特開平9-173222号公報
【文献】特許6964747号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかし、特許文献1及び特許文献2による発明においても、手動で動作させることが前提であるミルでは、大きな力が必要であり、過剰破砕による微紛化が発生する。破砕した豆を排出する主な力は重力と遠心力であるため、微紛化が多く発生した状態や豆を細かく挽く場合は全ての豆を挽き終わるまでの所要時間は長くなる。また、微粉などが排出口に詰まると全ての豆を挽き終わることが困難となる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、円筒状の内刃本体の内周面に周方向と交わる方向へ突設した複数の内刃を、内刃本体の周方向へ適宜距離を隔てて配してなる内刃部材と、内刃本体内に挿入された柱状の外刃本体の周面に、前記内刃と交差する複数の外刃を、外刃本体の周方向へ適宜距離を隔てて配してなる外刃部材と、前記外刃本体にその回転軸上に固定したシャフトと、を備え、該シャフトによって外刃部材を所定方向へ回転させるように構成してなり、内刃本体及び外刃本体の一端側である入側に投入された被破砕物を前記内刃と外刃とで挟んでこれを破砕し、内刃本体及び外刃本体の出側から排出するようになしたミルにおいて、前記外刃本体の上部は、前記外刃の中心軸と平行な中心軸を有する半円錐形状の形状を有し、半円錐の底面縁周面にはアーチ状に凹み両淵に2つの刃を備える第1アーチ刃を複数設けてあることを特徴としている。
【0017】
請求項2の発明は、円筒状の内刃本体の内周面に周方向と交わる方向へ突設した複数の内刃を、内刃本体の周方向へ適宜距離を隔てて配してなる内刃部材と、内刃本体内に挿入された柱状の外刃本体の周面に、前記内刃と交差する複数の外刃を、外刃本体の周方向へ適宜距離を隔てて配してなる外刃部材と、前記外刃本体にその回転軸上に固定したシャフトと、を備え、該シャフトによって外刃部材を所定方向へ回転させるように構成してなり、内刃本体及び外刃本体の一端側である入側に投入された被破砕物を前記内刃と外刃とで挟んでこれを破砕し、内刃本体及び外刃本体の出側から排出するようになしたミルにおいて、前記外刃本体の下部は、前記外刃の中心軸と平行な中心軸を有する円柱状の形状を有し、円柱の側面にはアーチ状に凹むデント部を連続で複数設け、前記デント部の縁に刃を壁面は2つの平面とR面、底面は2つの直線と弧を設けており、前記デント部が被破砕物の破砕と前記内刃本体の下部にある複数の三角状の壁を成す同一の三角形状の窓部の外へ押し出すことを特徴としている。
【0018】
請求項3の発明は、請求項1のミルであって、前記内刃本体の上部には、内刃本体の中心軸と平行をなす軸に対して前記外刃の第1アーチ刃の方向とは鏡像的に異なる方向へ傾斜させた複数のアーチ状に凹み両淵に2つの刃を備える第2アーチ刃が設けてあることを特徴としている。
【0019】
請求項4の発明は、請求項2のミルであって、前記内刃本体の下部には、複数の三角状の壁を成す同一の三角形状の窓部が連続で複数設け、前記三角形状の窓部の縁に刃を設けてあることを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
請求項3の内刃の発明によれば、第1アーチ刃と第2アーチ刃、又はデント部の縁の刃と第2アーチ刃の組み合わせによって、切断面が2か所あるアーチ刃同士が交わって粉砕し、さらにデント部に落ち込んだ被破砕物が第2アーチ刃と、デント部の縁に刃より微細に粉砕するため、大きな力が必要でなく、破砕効率が格段に向上する。
【0021】
請求項4の内刃の発明によれば、窓部に落ちた被破砕物が、デント部の縁の刃と、一つの窓部に対し2か所の縁の刃の組み合わせによって、縁の刃同士が交わり粉砕するため、より微細で均一に被破砕物の切断が可能となり、破砕効率が格段に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係るミル1の外観斜視図である。
図2】本発明に係るミル1の縦断面図図である。
図3】本発明に係るミル1の分解斜視図である。
図4】本発明に係るミル1の分解斜視図である。
図5】本発明に係るミル1の分解斜視図である。
図6】本発明にかかる外刃部材4の上面側斜視図である。
図7】本発明にかかる外刃部材4の底面側斜視図である。
図8】本発明にかかる外刃部材4の平面図及び底面図である。
図9】本発明にかかる外刃部材4の断面図である。
図10】本発明にかかる外刃部材4の外刃41周辺の拡大断面図である。
図11】本発明にかかる内刃部材3の上面側斜視図である。
図12】本発明にかかる内刃部材3の底面側斜視図である。
図13】本発明にかかる内刃部材3の平面図及び底面図である。
図14】本発明にかかる内刃部材3の断面図である。
図15】本発明にかかる内刃部材3下部の窓部32にかかる拡大図である。
図16】本発明に係るミル1の使用様態を説明する説明図である。
図17】本発明に係るミル1の使用様態を説明する説明図である。
図18】本発明に係る第1アーチ刃41と内刃の第2アーチ刃31が破砕したコーヒー豆CBが、第2アーチ刃31の隙間からデント部42に落ちる様子を示す図である。
図19】本発明に係るデント部42の進行方向と逆のデント部42の壁と刃42aによって推し進められ、デント部42の端に集まる様子を示す図、及びコーヒー豆CBが、本発明に係るデント部42の壁面と42aに沿って移動し窓部32の外側へ押し出される様子を示す図である。
図20】本発明に係るデント部42の縁の刃42aと窓部32の縁の刃32aとコーヒー豆CBを粉砕する様子を示した断面図である。
図21】本発明に係るデント部42の縁の刃42aと窓部32の縁の刃32aとコーヒー豆CBを粉砕する図、及び少量の力で粉砕する効果を生み出すことを示したイメージ図である。
図22】特許文献1に開示されたミルの要部構成を示す分解斜視図である。
図23】特許文献2に開示されたミルの要部構成を示す外刃本体70の斜視図である。
図24】特許文献2に開示されたミルの要部構成を示す内刃本体60の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な変形が可能である。さらに、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0024】
図1は本発明に係るミル1の外観斜視図である。ミル1は、コーヒー豆といった豆類、お茶、又は干した小魚といった乾物等の被破砕物を一時的に収納する収納部21、収納部21から落下する被破砕物を破砕する破砕部22からなる。また、図2図1に示したミルの縦断面図、図3乃至図5図1に示したミルの分解斜視図である。
【0025】
図1及び図2に示す通り、収納部21は図示のようにドアノブ形筒状に成形してなってもよいし形状は問わないが、頭部21aとこれに連なるスカート部21bとを備えている。頭部21aの天井側開口は半円状の投入口21fを備える支持板部21cでその一部が塞止してあり、図4に示す通り、頭部21a内側の突出部21eによって溝部21dを用いてロックされることにより、前記支持板部21cを支持されている。支持板部21cの中央位置に開設した貫通孔を前記シャフト5の一端側が貫通させてある。
【0026】
支持板部21cには、図示のように半環状の開閉扉15が取り付けてある。開閉扉15によって、頭部21aの支持板部21cにある投入口21fが開閉されるようになっている。この開閉扉15には摘み部15aが突設してあり、該摘み部15aを把持して開閉扉15を支持板部21cの一方向へ上げ、投入口21fを開させることによって、投入口21fから頭部21a内へ被破砕物を投入する。また、摘み部15aを把持して開閉扉15を支持板部21cの他縁に当接するまで下げ、投入口21fを閉させた状態で頭部21a内へ投入された被破砕物を破砕する。
【0027】
前述したシャフト5の一端には、当該シャフト5を回転させるための回転アーム10の一端が取り付けてあり、回転アーム10の他端には使用者が把持するノブ11が回転自在に取り付けてある。また、シャフト5の一端近傍の所定領域には、雄螺子を羅設してなり、シャフト5の収納部21から垂下される部分の長さ寸法を調整する垂下長調整領域51が形成してある。
【0028】
シャフト5の垂下長調整領域51には、調整した垂下長の位置を保持するための保持具8が外嵌してある。保持具8には82.83がそれぞれ外嵌してある。保持具8は、当該保持具8がシャフト5周りに回転することを禁止する環状の禁止部材82と、この禁止部材82と噛合する環状の噛合部材83で構成してある。
【0029】
図3及び図5図3に示した保持具8の機能を説明する説明図であり、両図を用いて保持具8の機能を詳述する。なお、両図中、図1乃至図5に示した部分に対応する部分には同じ番号が付してある。
【0030】
図3及び図5に示したように、禁止部材82は平板な環状体の一面に一本歯状の第1突起部82aが設けてある。前述したシャフト5の垂下長調整領域51の周方向の適宜位置には、中心軸と平行をなす縦溝51aが垂下長調整領域51の全長に亘って設けてある。第1突起部82aを縦溝51aに嵌入させた状態で遊嵌されるようになっている。従って、禁止部材82は第1突起部82aを縦溝51aに嵌入させた状態で、シャフト5の長手方向へ摺動可能であるが、シャフト5の中心軸回りには回動し得ないようになしてある。なお、禁止部材82aの形状は適宜に設定することができる。
【0031】
また、禁止部材82は噛合部材に設けてある第2突起83aと噛合う嵌合部82bがもうけてある。嵌合部82bは第1突起部82aに対向するように複数の嵌合部82b、82b…が、噛合部材83の周方向へ適宜の距離を隔てて放射状に設けてあり、いずれかの嵌合部82bに第2突起83aが嵌入して、噛合部材83と禁止部材82とが噛合する。また、噛合部材83の環状体の内周面には、垂下長調整領域51に設けられた雄螺子に螺合する雌螺子が設けてある。
【0032】
一方、挟持部材81は前記、禁止部材82、噛合部材83と上下WSを21cで挟むように配される。挟持部材81は内側に突起81aが対称に配されている。21cには小判形縁21gがある。21gの縁には直線部分とR部分がある。直線部分の縁は飛び出してないが、R部分の縁は飛び出している。挟持部材81の突起81aを小判形縁21gにある直線部分の縁に合わせ嵌め、90°正回転すると突起81aが小判形縁21gにあるR部分の縁下に入り込み固定される。上記構造により、被破砕物を破砕している間シャフト5は浮かない。シャフト5が浮かないことで後述する窓部32のサイズが安定し、均一に被破砕物を破砕物することが可能となる。
【0033】
このような保持具8にあっては、シャフト5の垂下長を調整する。調整は、挟持部材81を回動させ21gから離隔する方向に上げる。噛合部材83と禁止部材82との噛合を緩め、禁止部材82をシャフト5の一端側へ摺動させる。噛合部材83を回動させシャフト5の垂下長を調整する。垂下長の位置が決まると禁止部材82を噛合部材83に噛合させる。その後、挟持部材81を21gへ接近させ固定方向へ回動させる。挟持部材81と21gによって噛合部材83と禁止部材82は固定される。これによって、後述する如くシャフト5を進退させる場合にあっても、シャフト5の垂下長が保持される。
【0034】
図1乃至図5に示したように、収納部21を構成するスカート部21bの出側には被破砕物を破砕する破砕部22が配設してある。破砕部22は、略円筒形の内刃部材3及び、この内刃部材3内に挿入され、そこで回転駆動される外刃部材4にて構成されており、内刃部材3は前記スカート部21bに着脱可能に連結固定してある。また、外刃部材4の中心軸上に前述したシャフト5の他端が連結固定してあり、外刃部材4はシャフト5の回転によって、シャフト5の中心軸回りに正回転されるようになっている。
【0035】
図6は本発明にかかる外刃部材4の上面側斜視図、図7は本発明にかかる外刃部材4の底面側斜視図、図8は本発明にかかる外刃部材4の平面図及び底面図、図9は本発明にかかる外刃部材4の断面図、並びに図10は本発明にかかる外刃部材4の外刃41周辺の拡大断面図である。これらの図面を用いて外刃部材4を詳述する。
【0036】
図6及び図9に示したように、外刃部材4は、外刃本体上部40Aと外刃本体下部40Bから成り形状がそれぞれ異なる。外刃本体上部40Aは半円錐状の周面に外刃部材4の中心軸と平行な中心軸を有する半円錐形状の斜面40Cを有し、半円錐の底面縁周面にはそれぞれアーチ状の第1アーチ刃41、41、41、41(図6及び図8a参照)になしてある。
【0037】
ここでアーチ状の第1アーチ刃41は、図10に示す通り、アーチ状をなしており、両縁に刃41a及び刃42bを備える。
【0038】
これら、後述する内刃部材3の内面に斜設された複数の第2アーチ刃31、31、…(図10参照)の傾斜方向とは鏡像的に異なる方向へ傾斜する、即ち内刃部材3の回転方向側とは反対側の傾斜で第2アーチ刃31、31、はそれぞれ第1アーチ刃41,41、…になしてある。
【0039】
図9に示す通り、被破砕物として豆、例えばコーヒー豆を破砕する場合、被破砕物の落下速度を加味すると、外刃本体上部40Aの円錐形状の斜面40Cの角度40Rは、水平面に対し5度乃至70度の角度が好ましく、さらに好しくは45度乃至60度の角度である。
【0040】
図6及び図8aに示したように、外刃本体上部40Aには、第1アーチ刃41と前第1アーチ刃41の間には、回転軸と平行な角度の壁があり、同一の形状の「へ」の字型の壁を成す凹部43が複数均一間隔で設けられている。
【0041】
凹部43の長辺壁面43aと短辺壁面43bを有する。長辺壁面43aと短辺壁面43bは回転軸と平行の壁面であり、長辺壁面43aは、回転駆動される外刃本体40へ投入される被破砕物に当接して、回転方向に被破砕物を第1アーチ刃41と内刃の第2アーチ刃31が接する場所に押し込む。当該押し込みにより、破砕効率が増す。
【0042】
凹部43の底面は、被破砕物を外刃本体下部40Bに適量を落とすために、水平面に対し0度乃至60度の角度を有することが好ましく、さらに好ましくは0度乃至35度である。
【0043】
更に、外刃本体40の第1アーチ刃41の数は、複数設けるが、外刃4部材の回転に要する力、破砕力を増す効果、被破砕物が破砕されるスペースのバランスによって数が決まり、たとえば図示のように7つでもよい。
【0044】
図6乃至図9に示したように、外刃本体下部40Bは、外刃の中心軸と平行な中心軸を有する円柱状の形状を有し、円柱の側面にはアーチ状に凹んだ部位を備える。当該アーチ状に凹んだ部位を本発明においてデント部42と呼ぶ。デント部42は図5乃至図8で示すように、上部はアーチ状であり、壁面は2つの平面とR面、底面は2つの直線と弧からなる。デント部42は連続で複数設け、デント部42の縁に刃42a(図6及び図7参照)に成してある。
【0045】
これらデント部42の縁の刃42aは、後述する第2アーチ刃31、31、…と当接し、及び後述する内刃部材3の内面に斜設される複数の窓部32の縁に設けられた、窓部刃32a、32a…(図21参照)と当接し、被破砕物を砕く。
【0046】
図11は本発明にかかる内刃部材3の上面側斜視図、図12は本発明にかかる内刃部材3の底面側斜視図、図13は本発明にかかる内刃部材3の平面図及び底面図、図14は本発明にかかる内刃部材3の断面図、並びに図15は本発明にかかる内刃部材3下部の窓部32にかかる拡大図である。これらの図面を用いて内刃部材3を詳述する。
【0047】
図11乃至図14に示したように、内刃部材3は、内刃本体上部30Aと内刃本体下部30Bから成り形状がそれぞれ異なる。内刃本体上部30Aは円筒状であり、円筒内壁面周面にはそれぞれアーチ状の第2アーチ刃31、31、31、31(図11及び図13a参照)になしてある。これら第2アーチ刃31、31、…は、第1アーチ刃41,41、…と当接し、及びデント部42の縁の刃42aと当接し被破砕物を砕く。
【0048】
ここでアーチ状の第2アーチ刃31は、図10に示した第1アーチ刃41と同じ形状で、アーチ状をなしており、両縁に刃31a及び刃31bを備える。
【0049】
これら、外刃部材4に斜設された複数の第1アーチ刃41、41、…(図6参照)の傾斜方向とは鏡像的に異なる方向へ傾斜する、即ち外刃部材4の回転方向側とは反対側の傾斜で第2アーチ刃31、31、はそれぞれ第1アーチ刃41,41、…になしてある。図11に示したように第2アーチ刃の傾斜KPは、回転軸方向に対し5度から60度の角度が望ましいが、さらに望ましくは15度である。
【0050】
更に、内刃本体30の第2アーチ刃31の数は、複数設けるが、外刃部材4の回転に要する力、破砕力を増す効果、被破砕物が破砕されるスペースのバランスによって数が決まる。例えば図示のように8つでもよい。また、第2アーチ刃の高さKHは2mm乃至5mmで設けられていることが望ましく、さらに望ましくは3.5mmである。
【0051】
図11乃至図14に示したように、円筒状の内刃本体下部30Bは、複数の三角状の壁を成す三角形状に凹んだ部位を連続で備える。当該三角形状に凹んだ部位を本発明において窓部32と呼ぶ。窓部32は拡大図である図15にて示すように、三角状に凹んであり、窓部32の縁に刃32a(図12及び図14参照)に成してある。
【0052】
これら窓部の縁の刃32aは、外刃部材4の設けられたデント部42の縁に設けられた、デント部縁刃42a、42a…と当接し、被破砕物を砕く。破砕力を上げるために、図15にて示すように、窓部32の縁に刃32aの長さと、窓部32の縁の刃32a端部の間隔の長さ32bが等しく、窓部32の凹み部分は、正三角形であって、窓部32の縁の刃32aの開角度32pは60度であることが望ましい。
<実施形態>
【0053】
次に、このようなミル1の動作について説明する。
図16及び図17は、本発明に係るミル1の使用様態を説明する説明図であり、被破砕物としてコーヒー豆CBを破砕する場合を示している。また、図18はコーヒー豆CBが破砕される様態を説明する説明図である。
【0054】
図16に示すように、ミル1を支持する支持具BSが設置してある。支持具BSは、ミル1を受ける板状の第1支持部BS1と、該第1支持部BS1の下方に配置されるドリッパーを受ける板状の第2支持部BS3とを上下平行に配置してなり、第1支持部BS1の両端が固定された両側壁部BS2、BS2の天端間に、第2支持部BS3が着脱可能に架設されるようになっている。図17に示すように、両側壁部BS2には接続溝BS2aが設けており、第2支持部BS3に上方に向けて接続溝BS2aが嵌る軌条棒BS3bを配し、着脱をし易くしても良い。
【0055】
ミル1を支持する支持具BS使用時は、内刃部材3を当該支持孔BS1aに貫通させる。21bを手で押さえ、収納部21が浮かないように保持しながらコーヒー豆CBを破砕する。一方、第2支持部BS3の略中央にはドリッパーの出側脚部を嵌入させてこれを保持する保持孔BS3aが開設してあり、該保持孔BS3aに出側脚部を嵌入させてドリッパーを第2支持部BS3に着脱可能に取り付けておく。
【0056】
なお、本形態では第2支持部BS3に保持孔BS3aを開設した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、保持孔に替えて、ドリッパーを保持する保持凹部を設けてもよいことは言うまでもない。
【0057】
そして、図17に示すように、ミルが固定された第2支持部BS3を側壁部BS2、BS2の天端間に架設し、前述した開閉扉15を開させて、適宜量のコーヒー豆CBを投入口から収納部21内へ投入した後、開閉扉15で投入口を閉させる。なお、コーヒー豆CBに応じて、シャフト5の長手方向における保持具の位置を調整し、破砕されるコーヒー豆CBの粒度を予め調整しておく。
【0058】
そして、ノブ11を把持して回転アーム10を所定方向へ回転させて、シャフト5及び該シャフトが固定された外刃本体を回転させる。
【0059】
収納部21内へ投入されたコーヒー豆CBは、外刃本体40の斜面40Cを通過して、凹部43、43、43、、、、内に落ち、回転駆動される外刃本体40の投入されるコーヒー豆CBに長辺壁面43aが当接して、回転方向にコーヒー豆CBを第1アーチ刃41と内刃の第2アーチ刃31が接する場所に押し込む。当該押し込みにより、コーヒー豆CBを第1アーチ刃41、41、41・・・と内刃の第2アーチ刃31、31、31・・・が破砕する。
【0060】
図18に示すように、第1アーチ刃41、41、41・・・と内刃の第2アーチ刃31、31、31・・・が破砕したコーヒー豆CBは、第2アーチ刃31、31、31・・・の隙間からデント部42に落ちる。デント部42に落ちたコーヒー豆CBは、図19a)及びb)に示す通り、デント部42の進行方向と逆のデント部42の壁と刃42aによって推し進められ、デント部42の端に集まる。
【0061】
図19a)に示すように、外刃部材4がR方向に動いた際、デント部42の底面と窓部32の隙間に落ちたコーヒー豆CBは、デント部42の縁の刃42a、42a、42a・・・と、窓部32の縁の刃32a、32a、32a・・・とで粉砕される。この際、断面図からみると図20に示すよう、切断されるが、正面からのイメージ図である図21のように、窓部32の縁の刃32aとデント部42の縁の刃42aは三角形の力を生み出し、ハサミSCの刃の如く少量の力で粉砕する効果を生み出す。
【0062】
デント部42の縁の刃42a、42a、42a・・・と、窓部32の縁の刃32a、32a、32a・・・とで粉砕されたコーヒー豆CBは、コーヒーパウダーCBpとして、細かく粉砕され、ドリッパーに落ちていく。
【符号の説明】
【0063】
1 ミル
3 内刃部材
4 外刃部材
5 シャフト
8 保持具
21 収納部
21a 頭部
21b スカート部
21c 支持板部
21d 溝部
21e 突出部
21f 投入口
21g 縁
22 破砕部
30 内刃本体
31 第2アーチ刃
31a 刃1
31b 刃2
32 窓部
32a 窓部刃
40 外刃本体
41 第1アーチ刃
41a 刃1
41b 刃2
42 デント部
42a デント部刃
43 凹部
43a 凹部長辺壁面
43b 凹部短辺壁面
【要約】      (修正有)
【課題】大きな力が必要でなく、破砕効率が格段に向上するミルを提供する。
【解決手段】円筒状の内刃本体の内周面に周方向と交わる方向へ突設した複数の内刃を、内刃本体の周方向へ適宜距離を隔てて配してなる内刃部材3と、内刃本体内に挿入された柱状の外刃本体の周面に、前記内刃と交差する複数の外刃を、外刃本体の周方向へ適宜距離を隔てて配してなる外刃部材4と、前記外刃本体にその回転軸上に固定したシャフト5と、を備え、該シャフトによって外刃部材を所定方向へ回転させるように構成してなり、内刃本体及び外刃本体の一端側である入側に投入された被破砕物CBを前記内刃と外刃とで挟んでこれを破砕し、内刃本体及び外刃本体の出側から排出するようになしたミルであって、前記内刃に第2アーチ刃と窓部、及び前記外刃に第1アーチ刃とデント部を設けた。
【選択図】図18
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24