(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】浸透促進剤
(51)【国際特許分類】
A61K 8/86 20060101AFI20240708BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
A61K8/86
A61Q19/00
(21)【出願番号】P 2019219667
(22)【出願日】2019-12-04
【審査請求日】2022-10-12
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000226437
【氏名又は名称】日光ケミカルズ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000228729
【氏名又は名称】日本サーファクタント工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】田中 さやか
(72)【発明者】
【氏名】森 里香子
【審査官】池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-066116(JP,A)
【文献】特開2006-131520(JP,A)
【文献】田上八朗,皮膚表面の保湿効果の測定の評価について,FRAGRANCE JOURNAL,1982年,No.56,p.14-18
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00-47/69
A61P 17/00-17/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オキシプロピレン基の平均付加モル数が2~1
2であり、グリセリン重合度が2~3であるポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテル
であって、
かつ、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体を含まないことを特徴とする水及び/又は水溶性有効成分の皮膚浸透促進剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保湿力を有し、肌なじみの良い、水及び/又は水溶性有効成分の皮膚への浸透促進剤、及びそれを含有する水系化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
健康な肌は皮膚のバリア機能が正常に作用しているため、疎水性を示しており、水及び水溶性の有効成分が浸透しにくいといった性質がある。一般的に保湿剤として化粧料に汎用されるグリセリンなどの2価以上の水酸基を持つ水溶性分子は、保水力を有することから、肌水分量を高める働きが知られているが、疎水性である肌表面とのなじみが悪く、肌内部に浸透することはない。また、エタノールなどの揮発性溶剤を配合することで、肌へのなじみを良くすることはできるが、肌への刺激性が高まるなど安全性の問題があった。
従来、水溶性有効成分の肌内部への浸透方法としては、有効成分をアシル化などの誘導体化すること(特許文献1)や有効成分ごとに界面活性剤で内包した固形分を油中分散(特許文献2)する方法が知られているが、これらは工程が複雑化するなど汎用的ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-79772号公報
【文献】特開2014-88453号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記従来の技術を鑑みてなされたものであり、保湿力を有しつつ、塗布時の肌なじみを向上させ、さらに水及び/又は水溶性有効成分を皮膚に浸透させる浸透促進剤、及びこれを配合した安定性に優れた化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定のポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテルを化粧料に配合することによって、水及び/又は水溶性有効成分を皮膚へ浸透させることに対して、優れた促進効果を示すことを見出し、本発明を完成させるに至った。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、保湿力を有しつつ、塗布時の肌なじみを向上させ、さらに水及び/又は水溶性有効成分を皮膚に浸透させる浸透促進剤、及びこれを含有することを特徴とする安定性に優れた化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明について詳述する。なお、以下において、オキシプロピレン基をPO、ポリオキシプロピレン基をPOP、ポリプロピレングリコールをPPGのように略して記載する場合がある。
【0008】
本発明に用いるポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテルは、オキシプロピレン基の平均付加モル数が2~18である。また、グリセリン基の重合度は2~3である。本発明に用いるポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテルには、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレントリグリセリルエーテルが挙げられ、前記オキシプロピレン基の平均付加モル数は、2~18、より好ましくは5~15である。オキシプロピレン基の平均付加モル数が少なすぎると肌なじみが悪くなり、多すぎると水系製剤への配合が困難となる場合がある。
【0009】
また、ポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテルは公知の方法において製造することができ、具体的には、アルカリ触媒下のポリグリセリンに対して130~160℃にてプロピレンオキサイドを付加重合することで得られる。本発明のポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテルは市販品でもよく、例えば「NIKKOL SG-DG900P」(ジグリセリルPO9モル付加物、日光ケミカルズ社製)、「NIKKOL SG-DG1400P」(ジグリセリルPO14モル付加物、日光ケミカルズ社製)、「NIKKOL SG-TG900P」(トリグリセリルPO9モル付加物、日光ケミカルズ社製)、「NIKKOL SG-TG1400P」(トリグリセリルPO14モル付加物、日光ケミカルズ社製)等を用いることができ、これらを1種又は2種以上配合することができる。
【0010】
本発明のポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテルの化粧料への配合量は、化粧料全量中0.1~20質量%、好ましくは1~15質量%、更に好ましくは2~10質量%である。このような範囲であると、水及び/又は水溶性有効成分の皮膚への浸透を促進させる優れた効果を発揮することができる。
【0011】
本発明に用いられる水溶性有効成分としては、特に制限されないが、保湿剤や美白剤、抗炎症剤、抗老化剤、シワ改善剤、肌荒れ防止剤、植物エキス等が挙げられ、例えば、尿素、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸Na、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、コラーゲン、魚由来コラーゲン、アテロコラーゲン、ゼラチン、エラスチン、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、小麦蛋白、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチド等の蛋白ペプチド類及びその誘導体;パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、パルミトイルテトラペプチド等のアシル化ペプチド類;ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、チロシン、β-アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、トリプトファン、ヒスチジン、タウリン、γ-アミノ酪酸、γ-アミノ-β-ヒドロキシ酪酸、カルニチン、カルノシン、クレアチン等のアミノ酸類及びその塩並びに誘導体;18-メチルエイコサン酸塩、分岐脂肪酸(12~31)塩、ラノリン脂肪酸塩、エチル硫酸18-メチルエイコサン酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸長鎖分岐脂肪酸(12~31)アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等の18-メチルエイコサン酸及びアンテイソ脂肪酸誘導体;糖セラミド等の水溶性スフィンゴ脂質;アスコルビン酸及びそのナトリウム等の塩等のビタミンC類;アスコルビン酸エチルエーテル等のアスコルビン酸アルキルエーテル、アスコルビン酸-2-グルコシド等のアスコルビン酸グルコシド及びその脂肪酸エステル、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩及びアスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩、パルミトイルアスコルビン酸リン酸エステルナトリウム塩、リン酸トコフェリルアスコルビル等のアスコルビン酸リン酸エステル塩等のアスコルビン酸誘導体;チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩、リボフラビン、酢酸リボフラビン、塩酸ピリドキシン、フラビンアデニンジヌクレオチド、シアノコバラミン、葉酸類、ニコチン酸、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類;コリン類等のビタミンB群類;パントテン酸、パンテニルエチルエーテル、パンテノール、ビオチン等のその他ビタミン類;トコフェロールリン酸エステル等の水溶性ビタミンE類;アルブチン、α-アルブチン等のヒドロキノン配糖体及びそのエステル類;コウジ酸、エラグ酸塩、トラネキサム酸塩及びその誘導体、フェルラ酸塩及びその誘導体、プラセンタエキス、グルタチオン、グリチルリチン酸及びその誘導体及びその塩、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、アラントイン、カフェイン、ルチン及び配糖体等の誘導体;ヘスペリジン及び配糖体等の誘導体;西河柳エキス、ローズマリー葉エキス、モモ葉エキス、カミツレ葉エキス、ブドウ葉エキス等の各種植物エキス等が挙げられ、これらを1種又は2種以上配合することができる。特に、これら水溶性有効成分のうち、アミノ酸類及びその塩並びにアミノ酸類誘導体、ヒアルロン酸及びその塩、アスコルビン酸及びその塩等のアスコルビン酸類誘導体及びその塩、尿素、植物エキス等が好ましい。
【0012】
本発明に係る水溶性有効成分の配合量は、化粧料の剤形によって、適宜配合することができる。また、本発明の化粧料の剤形としては、例えば、水系ローション、ジェル、ミルク、クリーム、パック用化粧水、頭皮ケアローションなどが挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0013】
本発明における化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲において、通常の化粧料に用いられる各種成分、例えば、界面活性剤、油性成分、高級アルコール、多価アルコール、極性脂質、脂肪酸、水溶性高分子、油溶性有効成分、抗菌成分、粘度調整剤、細胞賦活剤、色素、紫外線吸収剤、香料などを配合できる。
【0014】
界面活性剤としては、例えば、POEグリセリン脂肪酸エステル類、POE・POPアルキルエーテル類、ポリソルベート類、ソルビタン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類などのノ二オン性界面活性剤、脂肪酸石鹸類、硫酸エステル類、アシル化アミノ酸塩類、リン酸エステル類などのアニオン性界面活性剤、第4級アンモニウム塩などのカチオン性界面活性剤などが挙げられ、油性成分としては、スクワラン、流動パラフィンなどの炭化水素油、オリーブ油、マカデミアンナッツ油、ホホバ油などの植物油、動物油、トリエチルヘキサノイン、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、エチルヘキサン酸セチル、セバシン酸エチル、パルミチン酸エチルへキシルなどのエステル油類、ジメチコン、フェニルシリコーンなどのシリコーン油類などが挙げられ、高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、べへニルアルコールなどが挙げられる。極性脂質としては、セラミド類、糖セラミド類、リン脂質類、コレステロール及びその誘導体、糖脂質などが挙げられる。油溶性有効成分としては、レチノール、レチナール、カロテノイド、トコフェロール、テトラへキシルデカン酸アスコルビルなどのビタミン誘導体およびその塩、インドメタシン、ヒノキチオール、グアイアズレン、α-リポ酸等が挙げられる。
【0015】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲がこれらに限定されるものではない。なお、実施例中における各成分の配合量を示す単位は、特に記載のない限り質量%とする。
【実施例】
【0016】
実施例1:ポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテルの調製
表1に示すグリセリン重合度及びオキシプロピレン基(PO)の付加モル数に従って、A1~A8の化合物を得た。
【0017】
【0018】
実施例2:ポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテル配合化粧料の評価
1.化粧料の調製
表2に示す各成分を、スターラーを用いて室温で30分間撹拌することで化粧料を調製した。
【0019】
2.化粧料の評価項目
以下の3項目について、それぞれ評価を行った。
(1)浸透促進効果
パネラー20名の上腕を洗浄剤で洗浄後、15分間馴化した(22℃、湿度50%)。Epsilon(Biox社製)を用い、馴化後の上腕の誘電率(皮膚の水分量)を測定した。次に、コットンにしみこませた表2に示す調製化粧料を上腕にのせ、1分間コットンの上から手で押さえた。その後、水を浸みこませたコットンで、塗布した化粧料を除去し、キムワイプで1分間押さえ、完全に乾燥した状態で再度、上腕の誘電率を測定した。馴化後の誘電率を100%とした相対値(%)を算出することで、水の浸透促進効果の評価を行った。評価は次の基準により判定した。
(評価基準)
A:120%以上
B:110%以上120%未満
C:100%以上110%未満
D:100%未満
【0020】
(2)肌なじみ
パネラー20名に表2に示す調製化粧料を塗布した際の肌なじみについて、官能評価を行った。評価は次の基準により判定した。
(評価基準)
A:すべての人が肌なじみの良さを感じた。
B:1名以上2名以下の人が肌なじみの悪さを感じた。
C:3名以上4名以下の人が肌なじみの悪さを感じた。
D:5名以上の人が肌なじみの悪さを感じた。
【0021】
(3)安定性
表2に示す調製化粧料をガラス瓶に入れ蓋をした状態で、5℃恒温槽に静置し、24時間後における外観を目視により確認した。評価は次の基準により判定した。
(評価基準)
A:外観状態に変化が無かった。
B:5℃で微量の沈殿生成がみられるが、室温に戻すと沈殿は消失し、均一で正常な外観に戻る。
C:5℃で相当量の沈殿生成がみられるが、室温に戻すと沈殿は消失し、均一で正常な外観に戻る。
D:5℃で沈殿の生成又は二層分離状態になる。
【0022】
3.結果
表2の結果より、発明品2~5はいずれも水の浸透促進効果、肌なじみ、安定性の各評価において良好な結果を得ることができた。さらに発明品2~5は、本願発明に係る水以外の水溶性有効成分を配合しても、同様に皮膚へ浸透する効果が促進され、優れた結果が得られた。また肌なじみと安定性ともに優れた結果が得られた。一方、グリセリン重合度が6であるヘキサグリンにオキシプロピレン基を9モル付加させた化合物A6を配合した比較品1は、浸透促進効果の劣る化粧料となった。また、グリセリン重合度が2であるジグリセリンにオキシプロピレン基を30モル付加させた化合物A7を配合した比較品2は、浸透促進効果に劣りがあり、さらに沈殿の生成が確認され、安定性に問題のある化粧料となった。グリセリン重合度が1で、オキシプロピレン基を1モル付加させた化合物A8を配合した比較品3は、浸透促進効果及び肌なじみともに劣る化粧料となった。また、本発明のポリオキシプロピレンポリグリセリルエーテルではなく、グリセリンのみを配合した比較品4やジグリセリンのみを配合した比較品5は、安定性は良いが、浸透促進効果及び肌なじみに劣る結果となった。
【0023】
【0024】
以下に、本発明の浸透促進剤を配合した化粧料の応用例を示す。配合量は質量%である。
【0025】
参考例3:化粧水
A)PPG-6デシルテトラデセス-30 0.50(質量%)
PEG-32 4.00
1,3-ブチレングリコール 3.00
B)香料 適量
C)POP(9)モノグリセリルエーテル 7.00
アラニン 0.10
セリン 0.10
防腐剤 適量
pH調整剤 適量
キレート剤 適量
精製水 残余
全量 100.00
(調製方法)A相を80℃で加熱溶解後、室温まで冷却し、B相を添加し均一にする。C相を常温で均一にする。A相とB相を均一混合したものをC相に加え、均一にし、調製終了とする。
(結果)得られた化粧水は優れた水及び有効成分の浸透効果が確認でき、かつ肌なじみの良い、安定性に優れた化粧料であった。
【0026】
実施例4:美容液
A)POP(14)ジグリセリルエーテル 5.00(質量%)
1,3-ブチレングリコール 5.00
グリセリン 5.00
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))
クロスポリマー 0.15
キサンタンガム 0.10
防腐剤 適量
精製水 残余
B)アルギニン 0.15
グリチルリチン酸ジカリウム 0.10
精製水 10.00
C)NIKKOL VC-PMG(リン酸アスコルビルMg) 3.00
クエン酸Na 0.50
EDTA-4Na 0.10
精製水 20.00
全量 100.00
(調製方法)A相、B相、C相をそれぞれ室温で均一にする。A相にB相、C相を順次加え、均一混合し、調製終了とする。
(結果)得られた美容液は優れた水及び有効成分の浸透効果が確認でき、かつ肌なじみの良い、安定性に優れた化粧料であった。
【0027】
実施例5:クリーム
A)ステアリン酸グリセリル 1.00(質量%)
セタノール 1.00
メドウホーム油 4.00
シクロペンタシロキサン 8.00
ジメチコン 2.00
NIKKOL VC-IP
(テトラヘキシルデカン酸アスコルビル) 1.00
トコフェロール 0.10
B)NIKKOL ニコムルス LH※ 4.50
1,3-ブチレングリコール 5.00
POP(9)ジグリセリルエーテル 18.00
防腐剤 適量
pH調整剤 適量
キレート剤 適量
精製水 残余
C)ヒアルロン酸Na 0.01
加水分解コンキオリン 0.10
カンゾウ葉エキス 0.10
精製水 5.00
全量 100.00
(調製方法)A相、B相を80℃で加温均一後、B相にA相を添加しながらホモミキサーで乳化する。撹拌冷却後、40℃でC相を添加し、均一撹拌した後、35℃まで冷却し、調製終了とする。
(結果)得られたクリームは優れた水及び有効成分の浸透効果が確認でき、かつ肌なじみの良い、安定性に優れた化粧料であった。
※製品名「NIKKOL ニコムルス LH」:グリセリン、水添レシチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースステアロキシエーテル、スクワラン、ステアロイルメチルタウリンNa(日光ケミカルズ社製)
【0028】
実施例6:ハンドクリーム
A)セテス-40 3.00(質量%)
セタノール 3.00
ステアリルアルコール 3.00
ワセリン 10.00
ミネラルオイル 10.00
B)尿素 0.10
グリセリン 10.00
POP(18)ジグリセリルエーテル 0.50
防腐剤 適量
pH調整剤 適量
キレート剤 適量
精製水 残余
全量 100.00
(調製方法)A相、B相を80℃で加温均一後、A相にB相を添加しながらホモミキサーで乳化する。撹拌冷却後、35℃まで冷却し、調製終了とする。
(結果)得られたハンドクリームは優れた水及び有効成分の浸透効果が確認でき、かつ肌なじみの良い、安定性に優れた化粧料であった。
【0029】
実施例7:頭皮保湿ローション
A)PPG-6デシルテトラデセス-30 0.50(質量%)
POP(3)トリグリセリルエーテル 5.00
POP(10)モノグリセリルエーテル 5.00
B)香料 適量
C)1,3-ブチレングリコール 2.00
ヒアルロン酸Na 0.01
ユーカリエキス 0.10
ビワ葉エキス 0.10
防腐剤 適量
pH調整剤 適量
キレート剤 適量
精製水 残余
全量 100.00
(調製方法)A相を80℃で加熱溶解後、室温まで冷却し、B相を添加し均一にする。C相を常温で均一する。A相とB相を均一混合したものをC相に加え、均一にし、調製終了とする。
(結果)得られた頭皮保湿ローションは優れた水及び有効成分の浸透効果が確認でき、かつ肌なじみの良い、安定性に優れた化粧料であった。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、保湿力を有しつつ、塗布時の肌なじみを向上させ、さらに水及び/又は水溶性有効成分を皮膚に浸透させる浸透促進剤、及びこれを配合した化粧料を提供できる。