(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】カードホルダ
(51)【国際特許分類】
G06K 19/00 20060101AFI20240708BHJP
A44B 19/26 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
G06K19/00 050
A44B19/26
(21)【出願番号】P 2020045704
(22)【出願日】2020-03-16
【審査請求日】2023-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】520091937
【氏名又は名称】渡邉 烈
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 烈
【審査官】田中 啓介
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第209883217(CN,U)
【文献】特開2000-105811(JP,A)
【文献】特開2004-021964(JP,A)
【文献】特開2001-319198(JP,A)
【文献】特開平10-198773(JP,A)
【文献】国際公開第02/039376(WO,A1)
【文献】中国実用新案第206836416(CN,U)
【文献】特開2002-125721(JP,A)
【文献】国際公開第2006/006211(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D27/00-27/28
A44B19/00-19/64
G06K19/00-19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライドファスナーのスライダーの柱に前記スライダーの引手としての機能を発揮する状態で取り付け可能なカードホルダであって、
前記柱に連係可能な係合手段を有する本体部材と、
前記本体部材の内部に形成されたカード収容部と、
前記カード収容部に収容されたカードを係脱可能に保持するロック手段と、
前記カード収容部を露出・閉塞可能な開閉蓋と、
前記開閉蓋を前記カード収容部に対して起伏可能に支えるヒンジ部と、
前記開閉蓋を閉塞状態に保持する係脱可能な係止手段と、を備えたカードホルダ。
【請求項2】
スライドファスナーのスライダーの柱に前記スライダーの引手としての機能を発揮する状態で取り付け可能なカードホルダであって、
前記柱に連係可能な係合手段を有する本体部材と、
前記本体部材の内部に形成されたカード収容部と、
前記カード収容部に収容されたカードを係脱可能に保持するロック手段と、
前記カード収容部を露出・閉塞可能なカバーと、
前記本体部材に対して前記カバーをスライド可能に保持する摺動部と、
前記カバーを閉塞状態に保持する係脱可能な係止手段と、を備えたカードホルダ。
【請求項3】
スライドファスナーのスライダーの柱に前記スライダーの引手としての機能を発揮する状態で取り付け可能なカードホルダであって、
前記柱に連係可能な係合手段を有する本体部材と、
前記本体部材に設けられた凹部内に嵌入可能であって前記凹部内に向かって倒伏・起立可能に支持されたカード収容部材と、
前記カード収容部材に形成されたカード収容部と、
前記カード収容部に収容されたカードを係脱可能に保持するロック手段と、
前記カード収容部材を前記凹部内に嵌入状態に保持する係脱可能な係止手段と、を備えたカードホルダ。
【請求項4】
前記係合手段が、前記柱に着脱可能に連繋する開閉式リングである請求項1~
3の何れかの項に記載のカードホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SDカード、ミニSDカード、マイクロSDカードなどの各種メモリーカードを収容、保管することができるカードホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
SDカード、ミニSDカード、マイクロSDカードなどのメモリーカードは、様々な種類の小型携帯電子機器用の着脱式情報記録媒体として広く使用されており、小型であるため、持ち運びも容易であるという長所を有する反面、小型であるが故に紛失の危険性が高いという問題がある。
【0003】
そこで、従来、SDカード、ミニSDカードあるいはマイクロSDカードなどを収容するための様々な器具が提案されているが、本発明に関連するものとして、例えば、特許文献1に記載された「カードホルダ」がある。
【0004】
この「カードホルダ」は、小型情報記録カードを保持するカードホルダであって、小型情報記録カードの一部を収容するホルダ室と、小型情報記録カードと係合して小型情報記録カードをホルダ室内に保持する係合手段とを有するものであり、小型情報記録カードの保管管理する場合に便利である。また、このカードホルダは、小型情報記録カードを電子機器に抜き差しする際に、落としたり、紛失したりすることを防止することができるという長所も有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された「カードホルダ」は、前述したように、幾つかの長所を有しているが、当該カードホルダ自体が小型であるため、小型情報記録カードが収容された状態にあるカードホルダ全体を紛失するおそれがある。
【0007】
また、前記「カードホルダ」は、一見しただけで、小型情報記録カードを収容する器具であること、あるいは、小型情報記録カードが収容されていることが分かるので、情報窃取を意図している者の標的となり易く、実際に窃盗される可能性も高い。
【0008】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、小型情報記録カードを容易かつ安全に保管することができ、紛失も予防することができるカードホルダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る第一のカードホルダは、
スライドファスナーのスライダーの柱に前記スライダーの引手としての機能を発揮する状態で取り付け可能なカードホルダであって、
前記柱に連係可能な係合手段を有する本体部材と、
前記本体部材の内部に形成されたカード収容部と、
前記本体部材の一部に前記カード収容部と連通した状態で開設されたカード出入口と、
前記カード収容部に収容されたカードを係脱可能に保持するロック手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
次に、本発明に係る第二のカードホルダは、
スライドファスナーのスライダーの柱に前記スライダーの引手としての機能を発揮する状態で取り付け可能なカードホルダであって、
前記柱に連係可能な係合手段を有する本体部材と、
前記本体部材の内部に形成されたカード収容部と、
前記カード収容部を露出・閉塞可能な開閉蓋と、
前記開閉蓋を前記カード収容部に対して起伏可能に支えるヒンジ部と、
前記開閉蓋を閉塞状態に保持する係脱可能な係止手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
次に、本発明に係る第三のカードホルダは、
スライドファスナーのスライダーの柱に前記スライダーの引手としての機能を発揮する状態で取り付け可能なカードホルダであって、
前記柱に連係可能な係合手段を有する本体部材と、
前記本体部材の内部に形成されたカード収容部と、
前記カード収容部を露出・閉塞可能なカバーと、
前記本体部材に対して前記カバーをスライド可能に保持する摺動部と、
前記カバーを閉塞状態に保持する係脱可能な係止手段と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
次に、本発明に係る第四のカードホルダは、
スライドファスナーのスライダーの柱に前記スライダーの引手としての機能を発揮する状態で取り付け可能なカードホルダであって、
前記柱に連係可能な係合手段を有する本体部材と、
前記本体部材に設けられた凹部内に嵌入可能であって前記凹部内に向かって倒伏・起立可能に支持されたカード収容部材と、
前記カード収容部材に形成されたカード収容部と、
前記カード収容部材を前記凹部内に嵌入状態に保持する係脱可能な係止手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
前記カードホルダにおいては、前記係合手段として、前記柱に着脱可能に連繋する開閉式リングを設けることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、小型情報記録カードを容易かつ安全に保管することができ、紛失も予防することができるカードホルダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態であるカードホルダを使用したスライダーを備えたスライドファスナーを示す一部省略正面図である。
【
図2】
図1中に示すカードホルダの一部省略斜視図である。
【
図3】
図1中に示すカードホルダの一部切欠正面図である。
【
図4】その他の実施形態であるカードホルダを示す一部省略正面図である。
【
図5】その他の実施形態であるカードホルダを示す一部省略斜視図である。
【
図6】その他の実施形態であるカードホルダを示す一部省略斜視図である。
【
図7】その他の実施形態であるカードホルダを示す一部省略正面図である。
【
図8】その他の実施形態であるカードホルダを示す一部省略正面図である。
【
図9】その他の実施形態であるカードホルダを示す一部省略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、
図1~
図7に基づいて、本発明の実施形態であるカードホルダ100,200,300,400,500,600,700について説明する。
【0017】
初めに、
図1~
図3に基づいて、カードホルダ100について説明する。
図1に示すように、スライドファスナー10は、一対のファスナーテープ7,7と、ファスナーテープ7,7のそれぞれの側縁部に沿って配列された複数のファスナーエレメント5,5と、最上部のファスナーエレメント5,5の上方にそれぞれ配置された上止6,6と、対向するファスナーエレメント5,5同士を係合・分離させるスライダー1とを備えている。
【0018】
スライダー1は、ファスナーエレメント5,5の配列方向に沿ってスライド可能なスライダー本体2と、スライダー本体2の正面に突設された柱3と、柱3に取り付けられたカードホルダ100と、を備えている。カードホルダ100は、スライダー1をファスナーエレメント5,5の配列方向に沿って上下にスライドさせるときの引手としての機能を有するので、スライドファスナー10は従来の一般的なスライドファスナーと同様に使用することができる。
【0019】
図1~
図3に示すように、カードホルダ100は、長方形平板形状の本体部材101と、本体部材101の下面部101b寄りの部分の本体部材101の内部に形成されたカード収容部102と、本体部材101の下面部101bにカード収容部102と連通した状態で開設されたカード出入口103と、カード収容部102に収容されたカードCを係脱可能に保持するロック手段(板バネ104)と、を備えている。
【0020】
本体部材101の上面部101a寄りの部分には、本体部材101を厚み方向に貫通する開口部105を開設することによってフック部106が形成されている。開口部105の上方に位置するフック部106を、スライダー1の柱3に開設された孔部4に挿通することによってカードホルダ100がスライダー本体2に取り付けられている。即ち、カードホルダ100においては、スライダー1の柱3に連係可能な係合手段としてフック部106が設けられている。
【0021】
図2,
図3に示すように、カードCは、本体部材101の下面部101bのカード出入口103から本体部材101の上面部101aに向かって差し込むことによってカード収容部102内に収容することができる。カード収容部102の内壁面102wの一部には、カード収容部102に向かって突出した凸曲面部104aを有する板バネ104が取り付けられている。カードCがカード収容部102内に収容されたとき、カードCの周縁の一部に設けられたロック用切欠部C1に板バネ104の凸曲面部104aが嵌入することにより、カードCはカード収容部102から脱落しないように保持される。
【0022】
一方、カード収容部102に収容されているカードCを取り出す場合は、本体部材101の裏面側のカード出入口103の近傍に設けられた半円形の切欠部107から露出しているカードCの一部に手指の爪などを引掛けてカード出入口103の外側に引っ張れば、カードCのロック用切欠部C1が板バネ104の凸曲面部104aから離脱するので、カード収容部102内に収容されているカードCをカードホルダ100の外へ取り出すことができる。
【0023】
このように、カードホルダ100を使用することにより、カードCを容易かつ安全に保管することができ、紛失も予防することができる。また、
図1に示すように、カードホルダ100はスライドファスナー10の一部を構成するものであり、スライドファスナー10の機能を何ら損なうものではないので、衣服、バッグ、カバン、財布などに取り付けられるスライドファスナーの一部として広く使用することができる。
【0024】
衣服やバッグなどに取り付けられるスライドファスナーの一部としてカードホルダ100を使用すれば、重要なデータが記録されたカードCを、身近なスライドファスナーの一部を構成する部品に収容した状態で肌身離さず持ち歩くことができるので、データ管理の観点から安全であり、安心を得ることもできる。
【0025】
次に、
図4に基づいて、カードホルダ200について説明する。
図4に示すように、カードホルダ200は、長方形平板形状の本体部材201と、本体部材201の下面部201b寄りの部分の本体部材201の内部に形成されたカード収容部202と、本体部材201の一方の側面部201cにカード収容部202と連通した状態で開設されたカード出入口203と、カード収容部202に収容されたカードCのロック用切欠部C1に嵌合することによりカードCを係脱可能に保持するロック手段(板バネ104)と、を備えている。
【0026】
本体部材201の上面部201a寄りの部分には、本体部材201を厚み方向に貫通する開口部205を開設することによってフック部206が形成されている。
図1に示すカードホルダ100と同様、開口部205の上方に位置するフック部206を、スライダー1の柱3に開設された孔部4に挿通することにより、カードホルダ200をスライダー本体2に取り付けることができる。即ち、カードホルダ200においては、スライダー1の柱3に連係可能な係合手段としてフック部206が設けられている。
【0027】
カードホルダ200は、カード出入口203が本体部材201の一方の側面部201cに開設されている点において
図1に示すカードホルダ100と異なっているが、その他の部分の構造、機能などは
図1に示すカードホルダ100と同様であるため、カードホルダ100と同様に使用することができ、カードホルダ100と同様の作用効果を得ることができる。
【0028】
次に、
図5に基づいて、カードホルダ300について説明する。
図5に示すように、カードホルダ300は、長方形平板形状の本体部材301と、本体部材301の下面部301b寄りの部分の本体部材301の内部に形成された凹状のカード収容部302と、カード収容部302を露出・閉塞可能な開閉蓋303と、開閉蓋303をカード収容部302に対して起伏可能に支えるヒンジ部304と、を備えている。
【0029】
また、開閉蓋303を閉塞状態に保持する係脱可能な係止手段として、ヒンジ部304に、開閉蓋303を閉塞方向に付勢する弾性機構(図示せず)が設けられ、
図5に示すように、開閉蓋303を開いた状態に保持するロック機構(図示せず)がヒンジ部304に設けられている。
【0030】
従って、カードホルダ300の開閉蓋303は、本体部材301のカード収容部302に対して、二つ折り式携帯電話のように開いたり、閉じたりすることができる。カードホルダ300の場合、開閉蓋303を開くと、カード収容部302が全面的に露出した状態となるので、カードCの出し入れが容易である。カードホルダ300のその他の部分の構造、機能などは
図1に示すカードホルダ100と同様であるため、カードホルダ100と同様に使用することができ、カードホルダ100と同様の作用効果を得ることができる。
【0031】
次に、
図6に基づいてカードホルダ400について説明する。
図6に示すように、カードホルダ400は、長方形平板形状の本体部材401と、本体部材401の下面部401b寄りの部分の本体部材401の内部に形成された凹状のカード収容部402と、カード収容部402を露出・閉塞可能な着脱式のカバー403と、本体部材401に対してカバー403をスライド可能に保持する一対の把持部404,404と、を備えている。またカバー403を閉塞状態に保持する係脱可能な係止手段として、カバー403と本体部材401との間に凹凸嵌合機構(図示せず)が設けられている。
【0032】
図6に示すように、カバー403は、本体部材401に対して
図6中の矢線方向に移動させることにより、本体部材401の下面部401b側から本体部材401に装着・離脱することができ、これによってカード収容部402を閉塞・露出することができる。カバー403はC型チャンネル形状をしており、カバー403を本体部材401に装着したとき、カバー403の下面側で対向状態にある一対の把持部404,404が、それぞれカード収容部402の下面側の段差部405,405にスライド可能に係合することにより、カード収容部402が閉塞状態に保たれる。
【0033】
カードホルダ400のその他の部分の構造、機能などは
図1に示すカードホルダ100と同様であるため、カードホルダ100と同様に使用することができ、カードホルダ100と同様の作用効果を得ることができる。
【0034】
次に、
図7に基づいて、カードホルダ500について説明する。
図7に示すように、カードホルダ500は、上面部501aの正面視形状が半円形をなす平板形状の本体部材501と、本体部材501の下面部501b寄りの部分の本体部材501の内部に形成されたカード収容部502と、本体部材501の一方の側面部501cにカード収容部502と連通した状態で開設されたカード出入口503と、カード出入口503を開閉する開閉蓋504と、開閉蓋504を回動可能に保持するヒンジ部505と、を備えている。開閉蓋504の外周部分とカード出入口503との間には生活防水のためのパッキン(図示せず)が設けられている。
【0035】
図7に示すように、本体部材501の側面部501cにある開閉蓋504を、ヒンジ部505を中心に回動させると、カード出入口503が開くので、カード収容部502へカードCを入れたり、出したりすることができる。また、開閉蓋504でカード出入口503を閉止したとき、開閉蓋504を閉止状態に保持するロック機構として、カード収容部502の内壁面と開閉蓋504との対向領域に凹凸嵌合機構(図示せず)が設けられている。
【0036】
カードホルダ500においては、
図1に示すスライダー1の柱3に連係可能な係合手段として、柱3に着脱可能に連繋する開閉式リング506が、本体部材501の上面部501aの頂上部分に設けられている。開閉式リング506の突起部508を手指などで矢線方向(本体部材501に近づく方向)にスライドさせて切欠部508を開いた状態にして、開閉式リング506を
図1に示すスライダー1の柱3の孔部4へ係合させた後、突起部508から手指を離すと、切欠部508が閉じて、スライダー1の柱3に開閉式リング506が連係される。これにより、カードホルダ500はスライダー1の引手として機能を発揮できる状態となる。
【0037】
図7に示すように、カードホルダ500は開閉式リング506を備えているので、スライダー1の柱3以外のもの(例えば、ネックレス、ペンダント、ブレスレット、イアリング、ピアス、キーホルダ、携帯ストラップなど)に対しても着脱可能であり、汎用性に優れている。
【0038】
カードホルダ500のその他の部分の構造、機能などは
図1に示すカードホルダ100と同様であるため、カードホルダ100と同様に使用することができ、カードホルダ100と同様の作用効果を得ることができる。
【0039】
次に、
図8に基づいて、カードホルダ600について説明する。
図8に示すように、カードホルダ600は、長方形平板形状の本体部材601と、本体部材601の下面部601b寄りの部分の本体部材601の内部に形成された複数のカード収容部602,602と、本体部材601の一方の側面部601cにカード収容部602,602とそれぞれ連通した状態で開設されたカード出入口603,603と、カード収容部602,602に収容されたカードC,Cのロック用切欠部C1,C1に嵌合することによりカードC,Cをそれぞれ係脱可能に保持するロック手段(板バネ104,104)と、を備えている。
【0040】
本体部材601の上面部601a寄りの部分には、本体部材601を厚み方向に貫通する開口部605を開設することによってフック部606が形成されている。
図1に示すカードホルダ100と同様、開口部605の上方に位置するフック部606を、スライダー1の柱3に開設された孔部4に挿通することにより、カードホルダ600をスライダー本体2に取り付けることができる。即ち、カードホルダ600においては、スライダー1の柱3(
図1参照)に連係可能な係合手段としてフック部606が設けられている。
【0041】
カードホルダ600は、複数のカード収容部602,602及びカード出入口603,603を有する点において
図4に示すカードホルダ200と異なっているが、その他の部分の構造、機能などは
図4に示すカードホルダ200と同様であるため、カードホルダ200と同様に使用することができ、カードホルダ200と同様の作用効果を得ることができる。
【0042】
次に、
図9に基づいて、カードホルダ700について説明する。
図7に示すように、カードホルダ700は、長方形平板形状の本体部材701と、本体部材701に正面部701dに設けられた複数の凹部704,704内にそれぞれ嵌入可能であって、ヒンジ部707,707を介して凹部704,704内に向かって倒伏・起立可能に支持された複数のカード収容部材708,708と、カード収容部材708,708内に形成されたカード収容部702,702と、カード収容部702,702と連通する開口部703,703と、を備えている。
【0043】
カード収容部材708,708を凹部704,704内にそれぞれ嵌入状態に保持する係脱可能な係止手段として、凹部704,704の内壁とカード収容部材708,708の側壁との対向領域に凹凸嵌合機構(図示せず)が設けられている。また、カード収容部材708が凹部704内に嵌入された状態にあるときのカード収容部702内への水の浸入を防止するため、カード収容部材708の開口部703と凹部704の内壁面との間に生活防水用のパッキン(図示せず)が設けられている。
【0044】
カードホルダ700においては、本体部材701の上面部701a寄りの部分に本体部材701を厚み方向に貫通する開口部705を開設することによりフック部706が形成されている。フック部706は、
図1に示すスライダー1の柱3に連係可能な係合手段として機能する。なお、本体部材701の「正面部701d」という表現は、カード収容部材708を凹部704内に向かって倒伏・起立させたり、カード収容部702にカードCを出し入れしたりする作業を行うときに作業をし易くするため正面に向ける面という意味であり、カードホルダ700がスライダー1の柱3に連係して垂下状態にあるとき「正面部701d」が正面を向くことに限定するものではない。
【0045】
カードホルダ700においては、複数の凹部704,704並びにカード収容部材708,708が本体部材701の下面部701bから上面部701aに向かって直列状に配置されているが、これに限定しないので、単数の凹部704並びにカード収容部材708を設けることもできる。なお、図示していないが、カード収容部材708のカード収容部702に収容されたカードCのロック用切欠部C1に嵌合してカードCを係脱可能に保持するロック手段として、カード収容部702の内部に、
図3に示すような板バネ104を配置することもできる。
【0046】
カードホルダ700は、カード収容部702を有する複数のカード収容部材708,708がヒンジ部707,707を介して凹部704,704内に向かって倒伏・起立可能に支持されている点において、
図1に示すカードホルダ100などと異なっているが、その他の部分の構造、機能などは
図1に示すカードホルダ100と同様であるため、カードホルダ100などと同様に使用することができ、カードホルダ100と同様の作用効果を得ることができる。
【0047】
なお、
図1~
図9に基づいて説明したカードホルダ100,200,300,400,500,600,700は、本発明に係るカードホルダを例示するものであり、本発明に係るカードホルダは、前述したカードホルダ100,200,300,400,500,600,700に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明に係るカードホルダは、SDカード、ミニSDカード、マイクロSDカードなどの各種メモリーカードの保管具として広く利用することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 スライダー
2 スライダー本体
3 柱
4 孔部
5 ファスナーエレメント
6 上止
7 ファスナーテープ
10 スライドファスナー
100,200,300,400,500,600,700 カードホルダ
101,201,301,401,501,601,701 本体部材
101a,201a,601a,701a 上面部
101b,401b,501b,601b,701b 下面部
102,202,302,402,502,602,702 カード収容部
102w 内壁面
103,203,503,603 カード出入口
104 板バネ(ロック手段)
104a 凸曲面部
105,605,705 開口部
106,606,706 フック部
201c,501c,601c 側面部
303,504 開閉蓋
304,505,707 ヒンジ部
403 カバー
404 把持部
405 段差部
506 開閉式リング
507 突起部
508 切欠部
701d 正面部
704 凹部
708 カード収容部
C カード
C1 ロック用切欠部