(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】重量検査装置
(51)【国際特許分類】
G01G 23/01 20060101AFI20240708BHJP
G01G 23/365 20060101ALI20240708BHJP
G01G 11/00 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
G01G23/01 Z
G01G23/365
G01G11/00 H
(21)【出願番号】P 2020049459
(22)【出願日】2020-03-19
【審査請求日】2023-01-24
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】山川 敦史
(72)【発明者】
【氏名】杉内 創
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-183799(JP,A)
【文献】特開2005-121410(JP,A)
【文献】特開2014-006146(JP,A)
【文献】特開2019-184524(JP,A)
【文献】米国特許第04632254(US,A)
【文献】くらしを守る計量法,日本,東京都計量検定所,2019年09月,https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.lg.jp/manabitai/kyouzai/main/documents/501.pdf
【文献】JIS B7607:2018 自動捕捉式はかり,日本,付属書JB: 使用中検査
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 1/00-11/20,21/00-23/48
B07C 5/16-5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査物の重量に関する検査を行う重量検査装置であって、
前記被検査物の重量を計量する計量部と、
前記重量検査装置の動作に関するパラメータの変更要求を受け付ける受付部と、
前記重量検査装置に許可される条件、及び、前記検査に関する条件のうち少なくとも前記重量検査装置に許可される条件に基づいて、前記変更要求にかかる変更後の前記パラメータが所定の許容範囲内にあるか否かを判定し、判定結果に応じて、所定の判定情報を出力するか、又は、前記変更要求に基づいて前記パラメータを変更するか否かを決定する制御部と、
を備え、
前記重量検査装置に許可される条件は、前記重量検査装置の設置後に行われる検定の試験結果で定められた設定条件であ
り、
前記受付部は、前記許容範囲内において前記パラメータを変更できるモード、又は、前記計量部の仕様に基づいて設定可能な範囲内において前記パラメータを変更できるモードへの変更を受け付ける、
重量検査装置。
【請求項2】
前記重量検査装置に許可される条件は、法令の規定により特定される条件である、
請求項1に記載の重量検査装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記変更要求にかかる変更後の前記パラメータが前記許容範囲内にない場合に、警告を含む前記判定情報を出力する、
請求項1又は2に記載の重量検査装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記変更要求にかかる変更後の前記パラメータが前記許容範囲内にない場合に、前記変更要求にかかる変更後の前記パラメータが前記許容範囲内にない旨を前記判定結果と関連付けて記憶する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の重量検査装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記変更要求にかかる変更後の前記パラメータが前記許容範囲内にない場合に、前記変更要求にかかる前記パラメータの変更を制限する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の重量検査装置。
【請求項6】
前記被検査物を所定の方向へ搬送する搬送部をさらに備え、
前記受付部は、前記搬送部が前記被検査物を搬送する速度、及び、前記計量部が計量可能な前記重量の範囲の少なくとも1つを含む前記パラメータの変更要求を受け付ける、
請求項1から5のいずれか1項に記載の重量検査装置。
【請求項7】
前記受付部は、前記被検査物の種類ごとに、少なくとも一部の前記パラメータの変更要求を受け付ける、
請求項1から6のいずれか1項に記載の重量検査装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記重量検査装置の設置後に行われる試運転の結果に基づいて、前記許容範囲を決定する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の重量検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査物の重量に関する検査を行う重量検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品を重量に応じて選別する工程を有する生産ラインには、商品の重量が所定の範囲内にあるか否かを検査する重量検査装置が設置される。例えば、特許文献1(特開2006-322750号公報)には、被検査物である商品を搬送しながらその重量を計量し、重量に応じて被検査物を良品と不良品とに振り分ける重量検査装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、動作に関するパラメータを利用者が変更できる機能を有する重量検査装置では、重量の計量精度、及び、検査による歩留まり等に基づく所定の許容範囲を逸脱するようなパラメータの変更が利用者によって行われるおそれがある。
【0004】
本発明の目的は、動作に関する設定を利用者が適切に行うことができるようにする重量検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1観点に係る重量検査装置は、被検査物の重量に関する検査を行う。重量検査装置は、計量部と、受付部と、制御部とを備える。計量部は、被検査物の重量を計量する。受付部は、重量検査装置の動作に関するパラメータの変更要求を受け付ける。制御部は、重量検査装置に許可される条件、及び、検査に関する条件の少なくとも1つに基づいて、変更要求にかかる変更後のパラメータが所定の許容範囲内にあるか否かを判定し、判定結果に応じて、所定の判定情報を出力するか、又は、変更要求に基づいてパラメータを変更するか否かを決定する。
【0006】
第1観点に係る重量検査装置は、装置の動作に関するパラメータが利用者によって適切に設定されるようにすることができる。
【0007】
本発明の第2観点に係る重量検査装置は、第1観点に係る重量検査装置であって、重量検査装置に許可される条件は、法令の規定により特定される条件である。
【0008】
第2観点に係る重量検査装置は、装置の動作に関するパラメータの許容範囲を適切に設定することができる。
【0009】
本発明の第3観点に係る重量検査装置は、第1観点又は第2観点に係る重量検査装置であって、制御部は、変更要求にかかる変更後のパラメータが許容範囲内にない場合に、警告を含む判定情報を出力する。
【0010】
第3観点に係る重量検査装置は、装置の動作に関するパラメータの変更後の値が許容範囲を逸脱した場合に、その旨の警告を通知することができる。
【0011】
本発明の第4観点に係る重量検査装置は、第1乃至第3観点のいずれか1つに係る重量検査装置であって、制御部は、変更要求にかかる変更後のパラメータが許容範囲内にない場合に、変更要求にかかる変更後のパラメータが許容範囲内にない旨を判定結果と関連付けて記憶する。
【0012】
第4観点に係る重量検査装置は、装置の動作に関するパラメータを利用者が変更した場合に、利用者が変更したパラメータ等の、変更に関する情報を自動的に保存することができる。
【0013】
本発明の第5観点に係る重量検査装置は、第1乃至第4観点のいずれか1つに係る重量検査装置であって、制御部は、変更要求にかかる変更後のパラメータが許容範囲内にない場合に、変更要求にかかるパラメータの変更を制限する。
【0014】
第5観点に係る重量検査装置は、装置の動作に関するパラメータの変更後の値が許容範囲を逸脱した場合に、パラメータの変更を禁止することができる。
【0015】
本発明の第6観点に係る重量検査装置は、第1乃至第5観点のいずれか1つに係る重量検査装置であって、被検査物を所定の方向へ搬送する搬送部をさらに備える。受付部は、搬送部が被検査物を搬送する速度、及び、計量部が計量可能な重量の範囲の少なくとも1つを含むパラメータの変更要求を受け付ける。
【0016】
第6観点に係る重量検査装置は、装置の動作に関するパラメータが利用者によって適切に設定されるようにすることができる。
【0017】
本発明の第7観点に係る重量検査装置は、第1乃至第6観点のいずれか1つに係る重量検査装置であって、受付部は、被検査物の種類ごとに、少なくとも一部のパラメータの変更要求を受け付ける。
【0018】
第7観点に係る重量検査装置は、検査対象である被検査物の種類ごとに、装置の動作に関するパラメータを利用者が設定できるようにする。
【0019】
本発明の第8観点に係る重量検査装置は、第1乃至第7観点のいずれか1つに係る重量検査装置であって、制御部は、重量検査装置の設置後に行われる試運転の結果に基づいて、許容範囲を決定する。
【0020】
第8観点に係る重量検査装置は、装置の動作に関するパラメータの許容範囲を適切に設定することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る重量検査装置は、動作に関する設定を利用者が適切に行うことができるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態に係る重量チェッカを含む生産システムの構成を示す全体図である。
【
図2】
図1の生産システムを構成する各装置を示すブロック図である。
【
図3】
図1の生産システムに含まれる重量チェッカの構成を示す正面図である。
【
図5】タッチパネルに表示されるホーム画面の一例である。
【
図6】タッチパネルに表示される設定一覧画面の一例である。
【
図7】タッチパネルに表示される動作パラメータ設定画面の一例である。
【
図8】タッチパネルに表示される基準値設定画面の一例である。
【
図9】「各種設定制限モード」の値が「OFF」の場合における基準値入力画面の一例である。
【
図10】「各種設定制限モード」の値が「ON」、かつ、「制限逸脱時モード」の値が「禁止」の場合における基準値入力画面の一例である。
【
図11】「各種設定制限モード」の値が「ON」、かつ、「制限逸脱時モード」の値が「警告」の場合における基準値入力画面の一例である。
【
図13】
図11において、切り替えた予約番号において許容範囲を逸脱している動作パラメータの一覧を表示する画面の一例である。
【
図14】
図11において、重量チェッカ30の動作の開始時において許容範囲を逸脱している動作パラメータの一覧を表示する画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明される実施形態は、本発明の具体例の一つであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0024】
(1)生産システム100の構成
生産システム100は、
図1及び
図2に示されるように、計量機10、製袋包装機20、重量チェッカ30、シールチェッカ40、箱詰装置50及び供給装置60を含む生産ラインを備える。重量チェッカ30は、本発明の一実施形態である重量検査装置に相当する。
【0025】
計量機10、製袋包装機20、重量チェッカ30、シールチェッカ40及び箱詰装置50は、それぞれコンベア等で互いに接続されて連係して作動し、供給装置60から供給される物品Gの計量、包装及び出荷作業を行う。
図2に示されるように、計量機10、製袋包装機20、重量チェッカ30、シールチェッカ40、箱詰装置50及び供給装置60は、通信回線70を介して互いに接続され、種々の信号及びデータ等の送受信を行う。
【0026】
計量機10は、供給装置60から供給される物品Gを受け取って、物品Gの重量を計量して排出する。計量機10が複数の計量ホッパを有する場合、計量機10は、各計量ホッパの計量結果を用いる組合せ計量を行う。具体的には、計量機10は、各計量ホッパに投入された物品Gの計量結果を組み合わせた重量の合計が所定の目標範囲内となる、計量ホッパの組合せを選択する。そして、計量機10は、選択した組合せの計量ホッパから物品Gを排出及び集合させて、所定の目標範囲内の重量の物品Gを計量する。この場合、計量機10は、分散テーブルと、複数の振動フィーダと、複数のプールホッパとを有する。分散テーブルは、振動することで物品Gを放射状に分散させる。振動フィーダは、分散テーブルの周囲に放射状に配置される。プールホッパは、円形に配置され、振動フィーダから落下した物品Gを一時的に貯留し、各プールホッパの下方に配置された計量ホッパに物品Gを投入する。
【0027】
製袋包装機20は、計量機10によって計量されて排出された物品Gを受け取って、袋の中に包装する。製袋包装機20は、主として、折り畳み機構と、縦シール機構と、送り機構と、切断機構と、横シール機構とを備える。折り畳み機構は、フィルムロールから引き出されたフィルムシートを両側縁部が重なり合うように折り畳む。縦シール機構は、折り畳まれたフィルムシートの重なり部を熱融着して筒状体を形成する。送り機構は、筒状体を幅方向に挟持した状態で所定寸法だけ長手方向に搬送する。切断機構は、筒状体を所定の大きさに切断する。横シール機構は、切断後の筒状体の切口をシールして袋を形成する。製袋包装機20では、送り機構によって筒状体が搬送されている間に、筒状体の内部に計量機10から排出された物品Gが投入される。
【0028】
重量チェッカ30、シールチェッカ40及び箱詰装置50は、計量機10によって計量され製袋包装機20によって包装された物品Gを商品(被検査物)Pとして、商品Pの各種検査、及び、検査済み商品Pの箱詰め作業を行う。重量チェッカ30は、計量機10によって計量された物品Gの重量が所定の範囲内にあるか否かの検査を行う。シールチェッカ40は、製袋包装機20によって物品Gが包装された袋が密封されているか否かを確認するために、袋のシール部分の検査を行う。箱詰装置50は、重量チェッカ30及びシールチェッカ40によって良品と判定された商品Pを段ボール箱に詰め込む。
【0029】
供給装置60は、主として、供給コンベアと、駆動機構とを備える。供給コンベアは、例えば、無端状のベルトコンベアである。駆動機構によって供給コンベアが回転させられることで、供給コンベア上に載置された物品Gが、計量機10の分散フィーダ上に搬送される。
【0030】
(2)重量チェッカ30の構成
重量チェッカ(重量検査装置)30は、
図3に示されるように、主として、搬送装置(搬送部)31と、ロードセル(計量部)33と、支柱35と、タッチパネル(受付部)37と、制御部39とを有する。重量チェッカ30は、包装された物品Gである商品Pを搬送方向Aに沿って搬送しながら、商品Pの重量を計量し、計量結果に応じて商品Pが良品か不良品かの判定を行う。重量チェッカ30は、良品と判定された商品Pのみを選択して、下流側に配置されたシールチェッカ40に搬送する。
【0031】
(2-1)搬送装置31
搬送装置31は、
図3に示されるように、商品Pの搬送方向Aの上流側から順に、第1搬送部31a、第2搬送部31b及び第3搬送部31cを有する。第1搬送部31a~第3搬送部31cは、それぞれ、平ベルト式のコンベアである。第1搬送部31a~第3搬送部31cは、下方に配置されている駆動モータによって駆動される。搬送装置31が有する第1搬送部31a~第3搬送部31cの数は、搬送装置31の寸法等に応じて適宜に変更可能である。
【0032】
第1搬送部31aは、搬送方向Aにおける最上流側に配置されている。第1搬送部31aは、重量チェッカ30の上流側に配置された製袋包装機20から送られてくる商品Pを、重量チェッカ30内に取り込む。第1搬送部31aは、商品Pを搬送方向Aに搬送して、第2搬送部31bに商品Pを受け渡す。
【0033】
第2搬送部31bは、搬送方向Aにおいて第1搬送部31aと第3搬送部31cとの間に配置されている。第2搬送部31bは、商品Pを搬送方向Aに搬送して、第3搬送部31cに商品Pを受け渡す。第2搬送部31bでは、商品Pが搬送されながら、ロードセル33によって商品Pの重量が計量される。
【0034】
第3搬送部31cは、搬送方向Aにおける最下流側に配置されている。第3搬送部31cは、
図3に示されるように、振分機構36を有する。振分機構36は、第2搬送部31bで行われた商品Pの重量の計量結果に基づいて商品Pの振り分けを行う。
【0035】
振分機構36は、可動部材36aと、傾斜板36cとを有する。可動部材36aは、回転軸36bを中心に回転可能な棒状の部材である。振分機構36は、
図4において点線で示される状態と、実線で示される状態との間において、回転軸36bを中心に可動部材36aを回転させる。傾斜板36cは、
図3に示されるように、搬送方向Aと直交する方向において、第3搬送部31cと隣接する位置に設けられている。
【0036】
第2搬送部31bにおける商品Pの計量結果が所定の範囲内である場合、振分機構36は、
図4において点線で示される状態になるように可動部材36aを回転させる。この場合、可動部材36aは、第3搬送部31cの上方に位置していない。そのため、第3搬送部31cによって搬送される商品P(良品)は、可動部材36aと接触することなく搬送方向Aに沿って搬送され、下流側のシールチェッカ40に供給される。
【0037】
一方、第2搬送部31bにおける商品Pの計量結果が所定の範囲内でない場合、振分機構36は、
図4において実線で示される状態になるように可動部材36aを回転させる。この場合、可動部材36aの一部は、第3搬送部31cの上方に位置しており、可動部材36aの長手方向は、搬送方向Aと交差する方向に沿っている。そのため、第3搬送部31cによって搬送される商品P(不良品)は、可動部材36aと接触して、搬送方向Aにおける搬送が妨げられる。その結果、商品Pは、可動部材36aの長手方向であって、搬送方向Aと交差する排出方向Bに沿って搬送される。その後、可動部材36aによって第3搬送部31cの外まで導かれた商品Pは、傾斜板36c上を移動して、生産システム100の生産ラインから排出される。
【0038】
(2-2)ロードセル33
ロードセル33は、搬送装置31によって搬送される商品Pの重量を計量する。ロードセル33は、第2搬送部31bに商品Pが載置されることで生じる歪みの変化を検出して、第2搬送部31bに載置された商品Pの重量を計量する。
【0039】
(2-3)支柱35
支柱35は、支柱本体35aと、ベース35bとを有する。支柱本体35aは、ベース35bから上方に延びる部材である。支柱本体35aは、搬送装置31、ロードセル33、タッチパネル37及び制御部39等を支持する。ベース35bは、支柱本体35aを支持するU字状の部材である。ベース35bは、下方に突出する4本の脚部35cを有する。
【0040】
(2-4)タッチパネル37
タッチパネル37は、支柱35に取り付けられるディスプレイ装置である。タッチパネル37は、重量チェッカ30の利用者が、重量チェッカ30を操作するために使用される。タッチパネル37は、重量チェッカ30の動作及び状態に関する情報を画面上に表示する。タッチパネル37は、重量チェッカ30の動作に関するパラメータ(以下、「動作パラメータ」と呼ぶ。)の変更要求を受け付ける。変更要求とは、重量チェッカ30の利用者が、動作パラメータを変更する操作をタッチパネル37に対して行うことに相当する。具体的に説明すると、重量チェッカ30の利用者は、タッチパネル37を操作して動作パラメータの変更後の値を入力し、タッチパネル37は、重量チェッカ30の利用者が入力した値を取得する。タッチパネル37は、受け付けた動作パラメータの変更要求に関する信号を、制御部39に送信する。タッチパネル37を用いて動作パラメータを変更する操作については後述する。
【0041】
(2-5)制御部39
制御部39は、搬送装置31、ロードセル33、振分機構36及びタッチパネル37と電気的に接続され、これらの動作の制御を行う。例えば、制御部39は、第1搬送部31a~第3搬送部31cを駆動する駆動モータを制御して、搬送装置31における商品Pの搬送速度等を制御する。また、制御部39は、振分機構36を制御して、回転軸36bを中心に可動部材36aを回転させる。また、制御部39は、タッチパネル37に表示されるデータ、及び、重量チェッカ30の利用者がタッチパネル37に入力したデータを管理する。制御部39は、タッチパネル37が受け付けた動作パラメータの変更要求に関する信号を、タッチパネル37から受信する。
【0042】
制御部39は、CPU及びメモリ(ROM、RAM等)を有する。制御部39は、メモリに記憶されているプログラムをCPUが実行することで、搬送装置31、ロードセル33及びタッチパネル37の制御を行う。制御部39の各種機能は、ソフトウェアで実現される場合に限定されず、ハードウェアで実現されてもよく、ハードウェアとソフトウェアとが協働することで実現されてもよい。
【0043】
(3)重量チェッカ30の動作
制御部39は、タッチパネル37が受け付けた動作パラメータの変更要求にかかる変更後の動作パラメータが所定の許容範囲内にあるか否かを判定する。以下、重量チェッカ30の利用者(以下、単に「利用者」と呼ぶ。)からの変更要求にかかる変更後の動作パラメータであって、制御部39による判定の対象となるパラメータを、「判定対象パラメータ」と呼ぶ。制御部39は、判定対象パラメータの判定結果に応じて、所定の判定情報を出力するか、又は、変更要求に基づいて動作パラメータを変更するか否かを決定する。すなわち、制御部39は、動作パラメータの変更要求がなされると、変更要求にかかる変更後の動作パラメータを重量チェッカ30に反映させる前に、変更要求にかかる変更後の動作パラメータが適切か否かを判定する。
【0044】
動作パラメータの許容範囲は、重量チェッカ30に許可される条件、及び、重量チェッカ30の検査に関する条件の少なくとも1つに基づいて設定される。
【0045】
重量チェッカ30に許可される条件とは、例えば、重量チェッカ30が、計量法等の法令の規定により、設置後に行われる検定の試験結果で定められた設定条件で使用しなければならない場合、その設定条件に相当する。
【0046】
重量チェッカ30の検査に関する条件とは、例えば、生産システム100の生産ラインの歩留まり等の内部規則に基づいて定められた条件である。例えば、生産システム100の管理者は、生産ラインの歩留まりが所定の範囲内になるように、生産システム100の運転履歴データ等に基づいて動作パラメータの許容範囲を設定する。
【0047】
利用者が変更することができる動作パラメータは、例えば、搬送装置31が商品Pを搬送する速度、及び、ロードセル33が計量可能な重量の範囲の少なくとも1つを含む。搬送装置31が商品Pを搬送する速度とは、具体的には、第1搬送部31a~第3搬送部31cのそれぞれのコンベアの速度である。ロードセル33が計量可能な重量とは、重量チェッカ30の検査対象である商品Pの重量の基準値(以下、「重量基準値」と呼ぶ。)である。しかし、動作パラメータは、これらに限定されず、重量チェッカ30の動作に関する任意のパラメータを1又は複数含むことができる。
【0048】
以下において、動作パラメータは、少なくとも重量基準値を含むものとする。重量チェッカ30は、商品Pの重量の計量値が、重量基準値を含む所定範囲内にある場合、その商品Pが良品であると判定する。重量チェッカ30は、商品Pの重量の計量値が、重量基準値を含む所定範囲内にない場合、その商品Pが不良品であると判定する。
【0049】
利用者がタッチパネル37を操作して動作パラメータを変更する手続きについて、図面を参照しながら説明する。
図5~14は、タッチパネル37に表示される画面の一例を示す。これらの画面の下部には、共通の表示内容として、ツールバー37a及び開始ボタン37bが表示されている。ツールバー37aには、利用者が使用することができる各種機能を表すアイコンが並んで表示されている。利用者は、開始ボタン37bをタッチすることで、重量チェッカ30の動作を開始することができる。ツールバー37aのアイコン、及び、開始ボタン37bの少なくとも一部は、重量チェッカ30の状態に応じて無効化されることがある。例えば、後述するように利用者が重量基準値を設定している間は、開始ボタン37bが無効化され、利用者は、重量チェッカ30の動作を開始することができない。開始ボタン37bは、生産システム100の生産ラインを開始するためのインターフェイスであってもよい。
【0050】
図5は、ホーム画面を示す。ツールバー37aの「ホーム」アイコンをタッチすることで、
図5のホーム画面がタッチパネル37に表示される。ホーム画面には、例えば、現在設定されている「予約番号」、及び、その予約番号に関連付けられた「商品名」及び「予約設定」が表示される。制御部39は、予約番号ごとに、商品名及び予約設定を記憶している。利用者は、予約番号を設定することで、その予約番号に関連付けられた商品名及び予約設定を呼び出すことができる。予約設定は、動作パラメータを含む種々の設定情報である。
図5のホーム画面には、一部の設定情報が予約設定として表示されている。利用者は、例えば、ツールバー37aの「予約」アイコンをタッチして表示される画面において、新規の予約番号、商品名及び予約設定を登録することができる。この場合、新規の予約番号は、利用者自身が指定してもよく、制御部39が自動的に割り当ててもよい。
【0051】
図5に示される「商品名」は、商品Pの名称である。
図5に示される「予約設定」は、「下限値」、「基準値」及び「上限値」である。「基準値」とは、動作パラメータである重量基準値である。「下限値」及び「上限値」は、それぞれ、重量チェッカ30が商品Pの重量検査に使用する、重量基準値を含む所定範囲の下限値及び上限値である。すなわち、重量チェッカ30は、商品Pの重量の計量値が、
図5の「下限値」から「上限値」までの所定範囲内にある場合、その商品Pが良品であると判定する。
図5では省略されているが、ホーム画面には、重量チェッカ30の動作及び状態に関する他の情報が表示されてもよい。
【0052】
図6は、設定一覧画面を示す。
図7は、動作パラメータ設定画面を示す。ツールバー37aの「共通設定」アイコンをタッチすることで、
図6の設定一覧画面がタッチパネル37に表示される。設定一覧画面には、利用者が設定可能な項目の一覧が表示される。設定一覧画面は、例えば、タッチパネル37の表示に関する設定である「表示設定」を含む。
図6において「各種設定制限」をタッチすることで、
図7の動作パラメータ設定画面がタッチパネル37に表示される。
【0053】
図7の動作パラメータ設定画面には、重量チェッカ30の動作に関して設定可能な項目と、各項目の現在設定されている値とが表示されている。
図7には、設定可能な項目として、「各種設定制限モード」及び「制限逸脱時モード」に加えて、各動作パラメータの「制限」、「最小値」及び「最大値」が表示されている。
図7には、動作パラメータとして、「基準値」、「物長」及び「コンベア速度」が示されている。「基準値」とは、重量基準値である。「物長」とは、商品Pの搬送方向Aにおける長さである。「コンベア速度」とは、搬送装置31において商品Pが搬送方向Aに沿って搬送される速度(第1搬送部31a~第3搬送部31cのコンベアの速度)である。
図7の画面において、設定可能な項目をタッチすることで、タッチした項目の設定画面がタッチパネル37に表示される。例えば、「各種設定制限モード」をタッチすることで、「各種設定制限モード」の設定画面がタッチパネル37に表示される。動作パラメータ設定画面は、通常は利用者によって操作されず、生産システム100の管理者等によって操作される。次に、
図7に示される設定可能な項目について説明する。
【0054】
「各種設定制限モード」は、動作パラメータの制限に関する。「各種設定制限モード」の値は、「ON」又は「OFF」である。「ON」の場合、動作パラメータの範囲を制限する制限モードが有効になる。「OFF」の場合、制限モードが無効になる。制限モードとは、判定対象パラメータが所定の許容範囲内にあるか否かが判定されるモードである。すなわち、制限モードが有効になっている場合、制御部39は、利用者からの変更要求にかかる変更後の動作パラメータ(判定対象パラメータ)が適切か否かを判定する。
【0055】
「制限逸脱時モード」は、「各種設定制限モード」の値が「ON」である場合において、判定対象パラメータが所定の許容範囲を逸脱した際の振る舞いに関する。言い換えると、「制限逸脱時モード」は、判定対象パラメータが所定の許容範囲内にないと判定された場合における処理に関する。「制限逸脱時モード」の値は、「禁止」又は「警告」である。「禁止」の場合、変更要求にかかる動作パラメータの変更が制限され、例えば、所定の許容範囲を逸脱した動作パラメータの設定自体が禁止される。この場合、開始ボタン37bが無効化され、重量チェッカ30の動作の開始も禁止される。「警告」の場合、判定対象パラメータの判定結果に関する判定情報が出力される。判定情報とは、例えば、所定の許容範囲を逸脱した動作パラメータが設定されたという情報である。具体的には、「警告」の場合、変更要求にかかる動作パラメータの変更が適切ではない旨の警告がタッチパネル37に表示される。警告は、タッチパネル37への所定の文言の表示の他に、音及び光によるものであってもよい。
【0056】
各動作パラメータの「制限」は、動作パラメータの制限の有無に関する。「制限」の値は、「なし」又は「あり」である。「なし」の場合、動作パラメータの設定範囲(許容範囲)が制限されない。「あり」の場合、動作パラメータの設定範囲が制限される。「制限」の値は、動作パラメータごとに設定可能であるが、任意の種類の動作パラメータについて一括で設定可能であってもよい。
【0057】
各動作パラメータの「最小値」及び「最大値」は、対応する「制限」の値が「あり」である場合における、動作パラメータの設定範囲(許容範囲)に関する。
図7の「最小値」及び「最大値」の値は、それぞれ、判定対象パラメータの判定に用いられる許容範囲の下限値及び上限値に相当する。
【0058】
図7の動作パラメータ設定画面において、動作パラメータの「最小値」及び「最大値」は、重量チェッカ30の仕様に基づいて設定可能な範囲内において設定可能である。例えば、動作パラメータの一つである重量基準値の「最小値」及び「最大値」は、それぞれ、ロードセル33の仕様に基づいて設定可能な最大範囲(例えば、2.00g~2995.00g)内において設定可能である。
【0059】
次に、動作パラメータの一つである重量基準値を利用者が変更する手続きについて説明する。
図8は、基準値設定画面を示す。例えば、
図6に示される設定一覧画面において所定の操作を行うことで、基準値設定画面がタッチパネル37に表示される。基準値設定画面には、
図5に示される「下限値」、「基準値」及び「上限値」と同じ意味のパラメータが数直線の形式で示されている。下限値と上限値との間の範囲(下限値及び上限値を含む範囲)は「正量」と呼ばれる。重量チェッカ30は、商品Pの重量の計量値が「正量」の範囲内にあるとき、商品Pが良品であると判定する。下限値を下回る範囲、及び、上限値を上回る範囲は、それぞれ、「軽量」及び「過量」と呼ばれる。重量チェッカ30は、商品Pの重量の計量値が「軽量」又は「過量」の範囲内にあるとき、商品Pが不良品であると判定する。
図8では、「下限値」、「基準値」及び「上限値」は、それぞれ、98.00g、100.00g及び105.00gに設定されている。
図8には、「下限値」と「基準値」との差(2.00g)、及び、「基準値」と「上限値」との差(5.00g)が示されている。「下限値」及び「上限値」は、「基準値」に基づいて自動的に設定されてもよく、利用者が設定してもよい。利用者が「下限値」及び「上限値」を設定する場合、設定可能な範囲が予め決定されていてもよい。基準値設定画面には、商品Pの袋のみの重量(風袋の重量)等の他の情報も表示されている。
【0060】
次に、
図7の「各種設定制限モード」及び「制限逸脱時モード」の値に応じた、「基準値(重量基準値)」を利用者が変更する手続きについて説明する。
図9~11は、「基準値」を変更するための基準値入力画面を示す。例えば、
図8に示される基準値設定画面において、数直線上の基準値の値が表示されている領域Rをタッチすることで、基準値入力画面がタッチパネル37に表示される。
【0061】
基準値入力画面は、テンキー37c、入力欄37d、確定ボタン37e、中止ボタン37f及び範囲表示エリア37gを含む。テンキー37cは、利用者がタッチすることで数値を入力するためのインターフェイスである。入力欄37dは、テンキー37cをタッチすることで入力された、変更後の基準値が表示されるエリアである。利用者が基準値を入力して確定ボタン37eをタッチすると、タッチパネル37に基準値の変更要求が受け付けられる。利用者が中止ボタン37fをタッチすると、
図8の基準値設定画面に戻る。範囲表示エリア37gには、基準値の設定可能範囲に関する情報が表示される。
【0062】
(3-1)各種設定制限モード:OFF
図9は、
図7の「各種設定制限モード」の値が「OFF」の場合における基準値入力画面を示す。この場合、基準値の設定可能範囲の上限値及び下限値は、それぞれ、ロードセル33の仕様に基づいて設定可能な最大範囲の上限値及び下限値と同じである。
図9では、範囲表示エリア37gに、設定可能範囲の上限値(2995.00g)及び下限値(2.00g)が表示されている。利用者は、設定可能範囲(2.00g~2995.00g)内において、基準値を変更することができる。
【0063】
「各種設定制限モード」の値が「OFF」の場合、ホーム画面等において利用者が開始ボタン37bをタッチすると、重量チェッカ30の動作が開始する。この時、重量チェッカ30は、警告等の特殊な動作を行わない。
【0064】
(3-2)各種設定制限モード:ON、制限逸脱時モード:禁止
図10は、
図7の「各種設定制限モード」の値が「ON」、かつ、「制限逸脱時モード」の値が「禁止」の場合における基準値入力画面を示す。この場合、基準値の設定可能範囲の上限値及び下限値は、それぞれ、
図7の動作パラメータ設定画面で設定された「最大値」及び「最小値」と同じである。
図10では、範囲表示エリア37gに、設定可能範囲の上限値(1000.00g)及び下限値(100.00g)が表示されている。この設定可能範囲は、判定対象パラメータの判定に用いられる許容範囲である。利用者は、許容範囲(100.00g~1000.00g)内において、基準値を変更することができる。制御部39は、利用者が入力した基準値(判定対象パラメータ)が許容範囲内にない場合と判定した場合、基準値の変更を禁止する。
【0065】
他の条件により、基準値の設定可能範囲が、
図7の動作パラメータ設定画面で設定された「最大値」及び「最小値」による範囲より狭くなる場合、範囲が狭い方が許容範囲として採用される。
【0066】
「各種設定制限モード」の値が「ON」、かつ、「制限逸脱時モード」の値が「禁止」の場合、ホーム画面等において利用者が開始ボタン37bをタッチすると、重量チェッカ30の動作が開始する。この時、重量チェッカ30は、警告等の特殊な動作を行わない。
【0067】
(3-3)各種設定制限モード:ON、制限逸脱時モード:警告
図11は、
図7の「各種設定制限モード」の値が「ON」、かつ、「制限逸脱時モード」の値が「警告」の場合における基準値入力画面を示す。
図11では、範囲表示エリア37gに、「上限値」、「制限上限値」、「制限下限値」及び「下限値」の4つの値が表示されている。この場合、基準値の設定可能範囲の上限値及び下限値は、それぞれ、ロードセル33の仕様に基づいて設定可能な最大範囲の上限値及び下限値と同じである。基準値の設定可能範囲の制限上限値及び制限下限値は、それぞれ、
図7の動作パラメータ設定画面で設定された「最大値」及び「最小値」と同じである。制限下限値から制限上限値までの範囲は、下限値から上限値までの範囲よりも狭い。
図11では、範囲表示エリア37gに、設定可能範囲の上限値(2995.00g)、制限上限値(1000.00g)、制限下限値(100.00g)及び下限値(2.00g)が表示されている。利用者は、設定可能範囲の下限値から上限値までの範囲(2.00g~2995.00g)内において、基準値を変更することができる。設定可能範囲の制限下限値から制限上限値までの範囲は、判定対象パラメータの判定に用いられる許容範囲である。制御部39が、利用者が入力した基準値(判定対象パラメータ)が許容範囲(100.00g~1000.00g)内にない場合と判定した場合、重量チェッカ30は、警告等の特殊な動作を行う。
【0068】
図11の基準値入力画面において、制限下限値から制限上限値までの許容範囲(100.00g~1000.00g)内にない基準値が入力された場合、所定の警告がタッチパネル37に表示される。
図12には、3種類の警告W1~W3が示されている。第1の警告W1は、入力欄37dに表示された基準値の入力値が、通常とは異なる態様で表示されることである。「異なる態様で表示される」とは、例えば、通常とは異なる色彩、フォント又は文字サイズで表示されることを意味する。
図12では、入力欄37dがハッチングされることで、第1の警告W1が表示されている。第2の警告W2は、範囲表示エリア37gに表示される制限上限値及び制限下限値のうち、入力欄37dに表示された基準値の入力値が逸脱した値が、通常とは異なる態様で表示されることである。
図12の場合、基準値の入力値(99.00g)が制限下限値を下回っているので、範囲表示エリア37gの制限下限値が、通常とは異なる態様で表示されている。
図12では、範囲表示エリア37gの制限下限値の項目が枠で囲まれることで、第2の警告W2が表示されている。第3の警告W3は、
図12に示されるように、入力欄37dに表示された基準値の入力値が、制限上限値又は制限下限値を逸脱している旨の文言が表示されることである。
図12の画面では、3種類の警告W1~W3を含む複数種類の警告の少なくとも1つが表示されていればよい。
【0069】
「各種設定制限モード」の値が「ON」、かつ、「制限逸脱時モード」の値が「警告」の場合、利用者が予約番号を切り替える際に、切り替えた予約番号に対応する予約設定に含まれる動作パラメータの中で許容範囲を逸脱しているものがある場合、その動作パラメータがタッチパネル37に表示される。
図13は、切り替えた予約番号において許容範囲を逸脱している動作パラメータの一覧を表示する画面である。この時、利用者は、「切替」ボタンをタッチして予約番号をさらに切り替えるか、「中止」ボタンをタッチして予約番号を元に戻す操作を行うことができる。この場合、
図5のホーム画面等において、許容範囲を逸脱している動作パラメータが存在する旨の文言及びアイコンが警告として表示されてもよい。
【0070】
「各種設定制限モード」の値が「ON」、かつ、「制限逸脱時モード」の値が「警告」の場合、利用者が開始ボタン37bをタッチすると、重量チェッカ30の動作が開始される。この時、現在設定されている予約番号に対応する予約設定に含まれる動作パラメータの中で許容範囲を逸脱しているものがある場合、その動作パラメータがタッチパネル37に表示される。
図14は、重量チェッカ30の動作の開始時において許容範囲を逸脱している動作パラメータの一覧を表示する画面である。この時、利用者は、「開始」ボタンをタッチして重量チェッカ30の動作を開始するか、「中止」ボタンをタッチして重量チェッカ30の動作を中止することができる。
【0071】
(4)特徴
(4-1)
本実施形態の重量チェッカ30は、重量チェッカ30の動作に関する動作パラメータを利用者が変更する際に、動作パラメータの変更後の値が所定の許容範囲内にあるか否かを判定する。重量チェッカ30は、判定結果に応じて、所定の判定情報を出力するか、又は、動作パラメータを変更するか否かを決定する。例えば、重量チェッカ30は、動作パラメータの変更後の値が許容範囲を逸脱している場合に、その旨の警告を利用者に通知したり、動作パラメータの変更を禁止したりすることができる。
【0072】
そのため、重量チェッカ30の利用者は、重量チェッカ30の動作に関する設定を適切に行うことができる。従って、重量チェッカ30は、利用者による動作パラメータの設定が適切に行われるようにすることができる。
【0073】
(4-2)
重量チェッカ30の仕様上では設定可能な動作パラメータの範囲が、計量法等の法令の規定により設置後に行われる検定の試験結果で定められた動作パラメータの範囲と異なる場合、検定の試験結果で定められた範囲を逸脱した動作パラメータを利用者が設定するおそれがある。しかし、動作パラメータの許容範囲が、重量チェッカ30に許可される条件に基づいて設定される場合、重量チェッカ30は、重量チェッカ30に許可される条件に基づく許容範囲を用いることで、利用者による意図しない法令違反を防止することができる。
【0074】
また、動作パラメータの許容範囲が、重量チェッカ30の検査に関する条件に基づいて設定される場合、重量チェッカ30は、生産システム100の生産ラインを所定の条件で稼働させることができる。例えば、生産システム100の生産ラインの歩留まり等の内部規則に基づいて定められた条件に基づいて、生産システム100の管理者が設定した許容範囲を用いることで、重量チェッカ30は、所定の歩留まりの範囲内で生産ラインを稼働させることができる。
【0075】
(5)変形例
以下に上記実施形態の変形例を示す。なお、各変形例の内容の一部又は全部は、互いに矛盾しない範囲で他の変形例の内容と組み合わされてもよい。
【0076】
(5-1)変形例A
上記実施形態における重量チェッカ30では、制御部39は、判定対象パラメータが所定の許容範囲内にあるか否かを判定する。許容範囲は、
図7の動作パラメータ設定画面において、動作パラメータの「最大値」及び「最小値」を変更することで設定することができる。しかし、制御部39は、重量チェッカ30に許可される条件、及び、重量チェッカ30の検査に関する条件の少なくとも1つに基づいて許容範囲を自動的に設定してもよい。この場合、重量チェッカ30は、動作パラメータの許容範囲を適切に設定することができる。
【0077】
(5-2)変形例B
制御部39は、判定対象パラメータの判定時において、判定対象パラメータが許容範囲内にない場合に、判定対象パラメータが許容範囲内にない旨を判定結果と関連付けて記憶してもよい。具体的には、制御部39は、重量チェッカ30の利用者が動作パラメータを変更する手続きを行う度に、動作パラメータの変更要求に関するデータを記録する。変更要求に関するデータとは、例えば、判定対象パラメータ、変更要求が行われた時刻、及び、判定結果である。判定結果は、例えば、判定対象パラメータが許容範囲を逸脱しているか否かに関する情報である。
【0078】
本変形例の重量チェッカ30は、動作パラメータを利用者が変更しようとした場合に、利用者が変更しようとした動作パラメータに関する情報を自動的に記録することができる。そのため、生産システム100の管理者は、例えば、重量チェッカ30が記録した情報に基づいて、動作パラメータの適切な許容範囲を予め設定することができる。
【0079】
(5-3)変形例C
タッチパネル37は、商品Pの種類ごとに、少なくとも一部の動作パラメータの変更要求を受け付けてもよい。この場合、利用者は、
図7の動作パラメータ設定画面において、商品Pの種類ごとに動作パラメータを変更することができる。
【0080】
(5-4)変形例D
制御部39は、重量チェッカ30の設置後に行われる試運転の結果に基づいて、動作パラメータの許容範囲を自動的に決定してもよい。この場合、重量チェッカ30は、動作パラメータの許容範囲を適切に設定することができる。
【0081】
(5-5)変形例E
図11の基準値入力画面において、制限下限値から制限上限値までの許容範囲(100.00g~1000.00g)内にない基準値が入力された場合、
図12に示されるように、所定の警告がタッチパネル37に表示される。
【0082】
しかし、制御部39は、所定の警告をタッチパネル37に表示させると共に、又は、所定の警告をタッチパネル37に表示させる代わりに、利用者に対して所定の警告を音で通知してもよい。例えば、制御部39は、重量チェッカ30に内蔵又は接続されているブザー又はスピーカから、警告に関する音を再生してもよい。警告に関する音は、例えば、ブザーから発せられる警告音、又は、スピーカから発せられる音声案内である。
【0083】
本変形例では、例えば、
図11の基準値入力画面において、制限下限値から制限上限値までの許容範囲(100.00g~1000.00g)内にない基準値を利用者が入力すると、所定の警告がタッチパネル37に表示されると共に、所定の警告に関する音が再生される。
【0084】
また、
図7の動作パラメータ設定画面において、動作パラメータの「最小値」及び「最大値」が、重量チェッカ30の仕様に基づいて設定可能な範囲内において設定されなかった場合に、制御部39は、所定の警告をタッチパネル37に表示させたり、音で通知したりしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明に係る重量検査装置は、動作に関する設定を利用者が適切に行うことができるようにする。
【符号の説明】
【0086】
30 重量チェッカ(重量検査装置)
31 搬送装置(搬送部)
33 ロードセル(計量部)
37 タッチパネル(受付部)
39 制御部
P 商品(被検査物)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0087】