(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】電源ポール及びそれを用いた照明装置並びに多機能装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/35 20060101AFI20240708BHJP
H02S 30/00 20140101ALI20240708BHJP
F21S 8/08 20060101ALI20240708BHJP
F21S 9/03 20060101ALI20240708BHJP
F21V 23/06 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
H02J7/35 H
H02S30/00
F21S8/08 110
F21S9/03
F21V23/06
(21)【出願番号】P 2023549760
(86)(22)【出願日】2022-09-22
(86)【国際出願番号】 JP2022035454
(87)【国際公開番号】W WO2023048253
(87)【国際公開日】2023-03-30
【審査請求日】2023-06-28
(31)【優先権主張番号】P 2021156974
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】521315445
【氏名又は名称】株式会社次世代商品開発研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】弁理士法人池内アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】奥村 正之
(72)【発明者】
【氏名】河野 憲亮
【審査官】高野 誠治
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-185037(JP,A)
【文献】特開2018-156894(JP,A)
【文献】特開2021-141693(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02J 7/35
H02S 30/00
F21S 8/08
F21S 9/03
F21V 23/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源ポールと、外部ユニットとを含む多機能装置であって、
前記電源ポールは、ポール本体と、太陽電池モジュールと、蓄電池と、電源側コネクタとを含み、
前記太陽電池モジュール及び前記電源側コネクタは、前記ポール本体の外部に配置され、
前記太陽電池モジュールにより発電された電力により、前記蓄電池が充電され、
前記蓄電池の電力が、前記電源側コネクタから外部に出力され、
前記外部ユニットは、受電側コネクタ及び中間電源側コネクタを含み、
前記外部ユニットが、発光ユニット、カメラユニット、センサユニット及び通信ユニットからなる群から選択される少なくとも1種を含み、
前記電源ポールの前記電源側コネクタと、前記外部ユニットの前記受電側コネクタとは、直接的、又は、前記中間電源側コネクタを介して間接的に接続されていることを特徴とする多機能装置。
【請求項2】
前記電源側コネクタ及び前記中間電源側コネクタが、レセプタクルソケットからなる請求項1に記載の多機能装置。
【請求項3】
前記電源側コネクタは、着脱可能な取付部を介して前記ポール本体に取り付けられている請求項
1に記載の多機能装置。
【請求項4】
前記取付部は、キャップ状に形成され、前記ポール本体の先端部に設置されている請求項3に記載の多機能装置。
【請求項5】
前記取付部は、前記ポール本体の中心軸に対して回転可能である請求項
3に記載の多機能装置。
【請求項6】
前記太陽電池モジュールは、可撓性を有する太陽光発電シート体を前記ポール本体の外周面に巻き付けられてなる請求項
1に記載の多機能装置。
【請求項7】
前記電源側コネクタ、前記受電側コネクタ及び前記中間電源側コネクタが、それぞれ電流線と通信線とを含む請求項
1に記載の多機能装置。
【請求項8】
前記受電側コネクタが、プラグピンからなる請求項
1に記載の多機能装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電源ポール及びそれを用いた照明装置並びに多機能装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ポール本体の周壁に太陽電池モジュールが略垂直状に取り付けられ、散乱光及び直射光のうち少なくとも散乱光による日射を利用して発電する機能を有する太陽電池付きポールが知られている(特許文献1)。
【0003】
このような太陽電池付きポールは、設置面積が少なくてすむため、設置場所が限定されず、また、例えば、街灯等の照明器具、案内標識、電気時計、又は通信機器等の外部装置を取り付けることができ、使用条件に合わせて多目的に使用できる点で優れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記太陽電池付きポールでは、各外部装置をそれぞれ単独で備えるものであるため、太陽電池モジュールの高効率化に伴い、多機能を備える装置とすべく、多くの外部装置を着脱して設置することは難しいものとなっていた。
【0006】
本願は、上記問題を解決したものであり、太陽電池モジュールの高効率化に伴い必要とされつつある太陽電池付きポールの多機能化・高機能化を実現すべく、多数の外部装置を自由に着脱できる電源ポール及びそれを用いた多機能装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願の電源ポールは、ポール本体と、太陽電池モジュールと、蓄電池と、電源側コネクタとを含み、前記太陽電池モジュール及び前記電源側コネクタは、前記ポール本体の外部に配置され、前記太陽電池モジュールにより発電された電力により、前記蓄電池が充電され、前記蓄電池の電力が、前記電源側コネクタから外部に出力されることを特徴とする。
【0008】
また、本願の照明装置は、上記本願の電源ポールと、発光ユニットとを含み、前記発光ユニットは、受電側コネクタを含み、前記電源ポールの前記電源側コネクタと、前記発光ユニットの前記受電側コネクタとが接続されていることを特徴とする。
【0009】
本願の多機能装置は、上記本願の電源ポールと、外部ユニットとを含み、前記外部ユニットは、受電側コネクタを含み、前記電源ポールの前記電源側コネクタと、前記外部ユニットの前記受電側コネクタとが接続されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本願によれば、多数の外部装置を自由に着脱できる電源ポール及びそれを用いた多機能装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施形態の電源ポールの一例を示す模式側面図である。
【
図2】
図2は、実施形態の電源ポールの他の例を示す模式部分側面図である。
【
図3】
図3は、実施形態の照明装置の一例を示す模式部分側面図である。
【
図4】
図4は、実施形態の電源側コネクタと受電側コネクタとを示す模式断面図である。
【
図5】
図5は、実施形態の多機能装置の一例を示す模式部分側面図である。
【
図6】
図6は、実施形態の多機能装置の他の例を示す模式部分側面図である。
【
図7】
図7は、実施形態の多機能装置の更に他の例を示す模式部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(電源ポール)
本願の電源ポールは、ポール本体と、太陽電池モジュールと、蓄電池と、電源側コネクタとを備え、前記太陽電池モジュール及び前記電源側コネクタは、前記ポール本体の外部に配置され、前記太陽電池モジュールにより発電された電力により、前記蓄電池が充電され、前記蓄電池の電力が、前記電源側コネクタから外部に出力される。
【0013】
本願の電源ポールは、太陽電池モジュールを備えているため、電力網から独立したオフグリッド電源として機能することができ、電力網から隔離された地域や、地震等の自然災害により電力網からの給電が困難となった地域においても電源として有効に活用できる。
【0014】
一方、天候不順が長期化した場合には、太陽光発電だけでは給電が困難となる場合も予想されるため、本願の電源ポールは商用電源を併用することもできる。
【0015】
また、本願の電源ポールは、電源側コネクタを備えているため、電源側コネクタの数、配置位置等を調整することで、例えば、発光ユニット、カメラユニット、センサユニット、通信ユニット等の外部ユニットを自由に電源ポールに着脱できると共に、それぞれの配置位置も自由に設定できる。このため、太陽電池付き電源ポールの多機能化・高機能化を簡便に実現できる。
【0016】
前記電源側コネクタは、レセプタクルソケットからなることが好ましい。これにより、電源ポールと外部ユニットとの接続・分離が容易となる。
【0017】
また、前記電源側コネクタは、着脱可能な取付部を介して前記ポール本体に取り付けられていることが好ましい。これにより、形状の異なる複数の取付部を準備すれば、さまざまな形状の取付部を用途に応じて着脱して使い分けることができ、電源ポールの使用の自由度を向上できる。
【0018】
また、前記電源側コネクタは、電流線と共に通信線をも備えることができる。
【0019】
前記取付部は、キャップ状に形成され、前記ポール本体の先端部に設置されていることが好ましい。これにより、外部ユニットをある程度の高さに設置でき、外部ユニットとして、例えば、発光ユニット、カメラユニット、センサユニット、通信ユニット等の使用に際し、それらの広域有効性を向上できる。
【0020】
前記取付部は、前記ポール本体の中心軸に対して回転可能であることが好ましい。これにより、電源ポールの設置場所等の条件に応じて、接続する外部ユニットの向きを自由に変更できる。
【0021】
前記太陽電池モジュールは、可撓性を有する太陽光発電シート体を前記ポール本体の外周面に巻き付けられてなることが好ましい。これにより、太陽の位置にかかわらず、太陽光発電シート体に常に太陽光を入射できる。
【0022】
以下、本願の電源ポールの実施形態を図面に基づき説明する。
【0023】
図1は、本実施形態の電源ポールの一例を示す模式側面図である。
図1において、電源ポール10は、ポール本体11と、太陽光発電シート体12と、コネクタ取付部13と、電源側コネクタ14とを備えている。電源ポール10は、太陽電池モジュールとして太陽光発電シート体12を有し、略垂直に立設した状態で太陽光発電シート体12を用いた太陽光による発電が可能なポール型太陽光発電機(オフグリッド電源)として機能する。太陽光発電シート体12は、ポール本体11の外周面に巻き付けられて設置されている。コネクタ取付部13は、キャップ状に形成され、ポール本体11の先端部に設置されている。コネクタ取付部13は、その側面に電源側コネクタ14を備えている。ポール本体11の内部には、図示していない蓄電池を備え、その蓄電池と電源側コネクタ14とは電気的に接続されている。太陽光発電シート体12により発電された電力によりその蓄電池が充電され、その蓄電池の電力が電源側コネクタ14から外部に出力できる構成となっている。
【0024】
電源ポール10は、太陽光発電機能を有するポール型のものであるが、ポール型とは、例えば、図示するような略垂直に立設された一本の円柱状のものを含み、また、四角柱等の多角柱状、楕円柱状のもの、一本ではなく二本以上が連結されたもの、地形や用途に合わせて若干の立設角度が調整されたもの、及び、折畳みや伸縮、地中への収納可能なもの等、少なくとも一部分を立てて設けるものを広く含む。
【0025】
太陽電池モジュールとは、太陽光等の光エネルギーを電気エネルギーに変換する全てのものをいい、一例として可撓性がある太陽光発電シート体12を図示しているが、これに限らず、円柱形状に形成された板状のパネル等であってもよいし、また、他の構成のものを採用してもよい。
【0026】
太陽光発電シート体12は、可撓性を有する素材からなる透明の樹脂シートに、太陽電池素子がラミネート加工されるなどにより内封されるように構成されている。太陽電池素子としては、例えば、アモルファスシリコン系薄膜太陽電池等の屈曲可能な太陽電池素子が用いられる。上記太陽電池素子は、アモルファスシリコン系に限られず、例えば、化合物半導体系太陽電池、有機半導体系太陽電池、色素増感系太陽電池等、種々の太陽電池を用いることができる。また、上記太陽電池シートは、結晶シリコン系太陽電池パネルで用いるガラス基板を含まず、また、パネルの強度を保持するためのベース板も不要であるため、軽量に形成することができる。
【0027】
太陽光発電シート体12は、ポール本体11の外周面に直接巻き付けてもよいし、太陽光発電シート体12を細長く円筒状に形成された筒体の外周面に巻き付け、その筒体の内部にポール本体11を挿入して、その筒体をポール本体11に固定してもよい。
【0028】
ポール本体11の内部には、図示していない収納部が設けられており、その収納部には太陽光発電シート体12により発電された電力により充電される蓄電池(図示せず。)が配置されている。上記収納部には、蓄電池以外の内蔵機器を配置してもよい。また、ポール本体11の下部には、接地して全体を支持する接地部(図示せず。)を設けることができる。ポール本体11は、一体的な部材により構成することができるが、複数の部品から構成してもよいし、伸縮可能や変形可能なものとして構成してもよい。
【0029】
上記蓄電池としては、例えば、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等が使用できるが、軽量で電気容量の大きいニッケル水素電池が好適に使用される。また、蓄電池以外の内蔵機器としては、例えば、蓄電池の電力制御器、電源ポール10に接続される外部ユニットの制御装置等が挙げられる。電源ポール10に接続される外部ユニットの詳細は後述するが、例えば、発光ユニット、カメラユニット、センサユニット、通信ユニット等が挙げられる。
【0030】
ポール本体11の先端部には、コネクタ取付部13が取り付けられ、コネクタ取付部13の側面には電源側コネクタ14が設置されている。コネクタ取付部13は、ポール本体11に固定されていてもよいし、着脱可能に取り付けられていてもよいし、ポール本体11の中心軸に対して回転可能に設置されていてもよい。コネクタ取付部13をポール本体11に回転可能に設置すると、電源側コネクタ14の向きを変更することが容易となる。
【0031】
電源側コネクタ14の形態は特に限定されないが、レセプタクルソケットからなることが好ましい。レセプタクルソケットとすれば、電源側コネクタ14に対する受電側コネクタの着脱が容易となる。また、電源側コネクタ14は、電流線を有しているが、電流線以外に通信線を有していることが好ましい。これにより、電源ポール10に接続される外部ユニットとの間での情報データの交換が可能となる。例えば、ポール本体11の収納部に内蔵機器として通信装置が配置され、電源ポール10に電源側コネクタ14を介して外部ユニットとしてカメラユニットが接続されている場合、上記通信線を介して、カメラユニットから画像データを通信装置に移動させ、通信装置から外部に画像データを送信することができる。
【0032】
図2は、本実施形態の電源ポールの他の例を示す模式部分側面図である。
図2において、電源ポール20は、ポール本体に取り付けられた太陽光発電シート体12と、コネクタ取付部13と、電源側コネクタ14a、14b、14cとを備えている。
図2に示すように、コネクタ取付部13の上面及び側面に複数の電源側コネクタ14a、14b、14cを設けることにより、電源側コネクタの向き設定の自由度が大きくなる。また、コネクタ取付部13を、ポール本体の中心軸に対して回転可能に設置すれば、電源側コネクタの向き設定の自由度が更に大きくなる。更に、電源側コネクタ14a、14b、14cは、電流線と共に通信線を有していることが好ましい。
【0033】
(照明装置)
本願の照明装置は、前述の本願の電源ポールと、発光ユニットとを備え、前記発光ユニットは、受電側コネクタを備え、前記電源ポールの前記電源側コネクタと、前記発光ユニットの前記受電側コネクタとが接続されている。
【0034】
本願の照明装置は、電力網から独立したオフグリッド電源として機能可能な電源ポールと、電源ポールから電力が供給される発光ユニットとを備えているため、電力網から隔離された地域や、地震等の自然災害により電力網からの給電が困難となった地域においても照明装置として有効に活用できる。
【0035】
また、本願の照明装置は、電源ポールの電源側コネクタと、発光ユニットの受電側コネクタとが接続されているため、電源ポールから発光ユニットを自由に取り外しできる。これにより、発光ユニットの交換及びメンテナンスが容易となる。また、電源ポールの電源側コネクタの数、配置位置等を調整することで、発光ユニットの向きの変更が容易に行える。
【0036】
前記受電側コネクタは、プラグピンからなることが好ましい。これにより、電源ポールと発光ユニットとの接続・分離が容易となる。
【0037】
以下、本願の照明装置の実施形態を図面に基づき説明する。但し、本願の電源ポールについては重複する説明は省略する。
【0038】
図3は、本実施形態の照明装置の一例を示す模式部分側面図である。
図3において、照明装置30は、前述の
図1で説明した電源ポール10と、発光ユニット31とを備えている。電源ポール10のコネクタ取付部13の側面には電源側コネクタ14が設けられている。また、発光ユニット31は、電源コード33を介して受電側コネクタ32を備えている。そして、電源ポール10と発光ユニット31とは、電源側コネクタ14と受電側コネクタ32とを介して電気的に接続されている。
【0039】
発光ユニット31は、電源コード33を備えているので、発光ユニット31の配置位置の自由度を向上できる。また、電源コード33を延長することにより、発光ユニット31を電源ポール10以外の場所に設置することもできる。
【0040】
図3では、電源ポール10のコネクタ取付部13の側面に電源側コネクタ14が一つ配置されているが、前述の
図2に示すように複数配置してもよい。また、発光ユニット31の電源コード33を除去して受電側コネクタ32を発光ユニット31に直接取り付けることもできる。その場合、コネクタ取付部13をポール本体の中心軸に対して回転可能に設置すれば、発光ユニット31の向きを変更することが容易となる。
【0041】
図4は、本実施形態の電源側コネクタと受電側コネクタとを示す模式断面図である。
図4において、電源側コネクタ14はレセプタクルソケットから構成され、受電側コネクタ32はプラグピンから構成されている。受電側コネクタ32は、1ピン型のプラグピンを示したが、2ピン型、3ピン型等であってもよい。その場合には、電源側コネクタ14に受電側コネクタ32のピン数に合う数のピン受けホールを設ければよい。
【0042】
電源側コネクタ14、受電側コネクタ32、電源コード33は、電流線を有しているが、電流線以外に通信線を有していてもよい。
【0043】
(多機能装置)
本願の多機能装置は、前述の本願の電源ポールと、外部ユニットとを備え、前記外部ユニットは、受電側コネクタを備え、前記電源ポールの前記電源側コネクタと、前記外部ユニットの前記受電側コネクタとが接続されている。
【0044】
本願の多機能装置は、電力網から独立したオフグリッド電源として機能可能な電源ポールと、電源ポールから電力が供給される外部ユニットとを備えているため、外部ユニットの種類を選択することにより、電力網から隔離された地域や、地震等の自然災害により電力網からの給電が困難となった地域においてもさまざまな用途に対応可能な多機能装置として有効に活用できる。
【0045】
また、本願の多機能装置は、電源ポールの電源側コネクタと、外部ユニットの受電側コネクタとが接続されているため、電源ポールから外部ユニットを自由に取り外しできる。これにより、必要に応じてさまざまな種類の外部ユニットを電源ポールに取り付けることができ、電源ポールをさまざまな用途に使用可能な多機能装置とすることができる。また、電源ポールの電源側コネクタの数、配置位置等を調整することで、外部ユニットの機能に応じた向きの変更が容易に行える。特に、外部ユニットを複数設置した場合、それぞれの外部ユニットに適した向きの設定が容易に行える。
【0046】
前記受電側コネクタは、プラグピンからなることが好ましい。これにより、電源ポールと外部ユニットとの接続・分離が容易となる。
【0047】
前記外部ユニットの種類は特に限定されないが、例えば、発光ユニット、カメラユニット、センサユニット、通信ユニット等を用いることができる。外部ユニットとしては、1種類を用いてもよいし、複数用いてもよい。
【0048】
以下、本願の多機能装置の実施形態を図面に基づき説明する。但し、本願の電源ポールについては重複する説明は省略する。
【0049】
図5は、本実施形態の多機能装置の一例を示す模式部分側面図である。
図5において、多機能装置40は、前述の
図1で説明した電源ポール10と、発光ユニット31と、カメラユニット41とを備えている。また、電源ポール10のコネクタ取付部13の側面には電源側コネクタ14が設けられている。
【0050】
カメラユニット41は、電源コード44を介して受電側コネクタ42を備えている。また、電源ポール10とカメラユニット41とは、電源側コネクタ14と受電側コネクタ42とを介して電気的に接続されている。更に、カメラユニット41は、中間電源側コネクタ43を備えている。
【0051】
発光ユニット31は、電源コード33を介して受電側コネクタ32を備えている。そして、カメラユニット41と発光ユニット31とは、中間電源側コネクタ43と受電側コネクタ32とを介して電気的に接続されている。
【0052】
図5に示すように、電源ポール10と、発光ユニット31と、カメラユニット41とを相互にコネクタを介して接続しているので、電源ポール10に対する発光ユニット31、カメラユニット41の直接的又は間接的な着脱が容易となる。
【0053】
カメラユニット41及び発光ユニット31は、それぞれ電源コード44、電源コード33を備えているので、カメラユニット41及び発光ユニット31の配置位置の自由度を向上できる。また、電源コード44、電源コード33を延長することにより、カメラユニット41及び発光ユニット31を電源ポール10以外の場所に設置することもできる。
【0054】
図5では、電源ポール10のコネクタ取付部13の側面に電源側コネクタ14が一つ配置されているが、前述の
図2に示すように複数配置してもよい。また、カメラユニット41の電源コード44を除去して受電側コネクタ42をカメラユニット41に直接取り付けることもできる。その場合、コネクタ取付部13をポール本体の中心軸に対して回転可能に設置すれば、カメラユニット41の向きを変更することが容易となる。更に、発光ユニット31の電源コード33を除去して受電側コネクタ32を発光ユニット31に直接取り付けることもできる。
【0055】
電源側コネクタ14及び中間電源側コネクタ43は、レセプタクルソケットから構成することができる。また、受電側コネクタ32、42は、それぞれプラグピンから構成することができる。受電側コネクタ32、42は、それぞれ1ピン型、2ピン型、3ピン型等のプラグピンを用いることができる。その場合には、電源側コネクタ14及び中間電源側コネクタ43には、受電側コネクタ32、42のピン数に合う数のピン受けホールを設ければよい。
【0056】
電源側コネクタ14、中間電源側コネクタ43、受電側コネクタ32、42、電源コード33、44は、それぞれ電流線を有しているが、電流線以外に通信線を有していることが好ましい。これにより、電源ポール10と、カメラユニット41及び発光ユニット31との間での情報データの交換が可能となる。例えば、電源ポール10の収納部に内蔵機器として通信装置が配置されている場合、上記通信線を介して、カメラユニット41から画像データを通信装置に移動させ、通信装置から外部に画像データを送信することができる。
【0057】
図6は、本実施形態の多機能装置の他の例を示す模式部分側面図である。
図6において、多機能装置50は、前述の
図1で説明した電源ポール10と、発光ユニット31と、カメラユニット41と、通信ユニット51とを備えている。また、電源ポール10のコネクタ取付部13の側面には電源側コネクタ14が設けられている。
【0058】
通信ユニット51は、電源コード54を介して受電側コネクタ52を備えている。また、電源ポール10と通信ユニット51とは、電源側コネクタ14と受電側コネクタ52とを介して電気的に接続されている。更に、通信ユニット51は、中間電源側コネクタ53を備えている。
【0059】
カメラユニット41は、電源コード44を介して受電側コネクタ42を備えている。また、通信ユニット51とカメラユニット41とは、中間電源側コネクタ53と受電側コネクタ42とを介して電気的に接続されている。更に、カメラユニット41は、中間電源側コネクタ43を備えている。
【0060】
発光ユニット31は、電源コード33を介して受電側コネクタ32を備えている。そして、カメラユニット41と発光ユニット31とは、中間電源側コネクタ43と受電側コネクタ32とを介して電気的に接続されている。
【0061】
図6に示すように、電源ポール10と、発光ユニット31と、カメラユニット41と、通信ユニット51とを相互にコネクタを介して接続しているので、電源ポール10に対する発光ユニット31、カメラユニット41、通信ユニット51の直接的又は間接的な着脱が容易となる。
【0062】
通信ユニット51、カメラユニット41、発光ユニット31は、それぞれ電源コード54、電源コード44、電源コード33を備えているので、通信ユニット51、カメラユニット41、発光ユニット31の配置位置の自由度を向上できる。また、電源コード54、電源コード44、電源コード33を延長することにより、通信ユニット51、カメラユニット41、発光ユニット31を電源ポール10以外の場所に設置することもできる。
【0063】
図6では、電源ポール10のコネクタ取付部13の側面に電源側コネクタ14が一つ配置されているが、前述の
図2に示すように複数配置してもよい。また、通信ユニット51の電源コード54を除去して受電側コネクタ52を通信ユニット51に直接取り付けることもできる。その場合、コネクタ取付部13をポール本体の中心軸に対して回転可能に設置すれば、通信ユニット51の向きを変更することが容易となる。更に、カメラユニット41の電源コード44を除去して受電側コネクタ42をカメラユニット41に直接取り付けることもできる。また、発光ユニット31の電源コード33を除去して受電側コネクタ32を発光ユニット31に直接取り付けることもできる。
【0064】
電源側コネクタ14及び中間電源側コネクタ43、53は、レセプタクルソケットから構成することができる。また、受電側コネクタ32、42、52は、それぞれプラグピンから構成することができる。受電側コネクタ32、42、52は、それぞれ1ピン型、2ピン型、3ピン型等のプラグピンを用いることができる。その場合には、電源側コネクタ14及び中間電源側コネクタ43、53には、受電側コネクタ32、42、52のピン数に合う数のピン受けホールを設ければよい。
【0065】
電源側コネクタ14、中間電源側コネクタ43、53、受電側コネクタ32、42、52、電源コード33、44、54は、それぞれ電流線を有しているが、電流線以外に通信線を有していることが好ましい。これにより、通信ユニット51と、カメラユニット41及び発光ユニット31との間での情報データの交換が可能となる。例えば、上記通信線を介して、カメラユニット41から画像データを通信ユニット51に移動させ、通信ユニット51から外部に画像データを送信することができる。
【0066】
図7は、本実施形態の多機能装置の更に他の例を示す模式部分側面図である。
図7において、多機能装置60は、前述の
図2で説明した電源ポール20と、発光ユニット31と、カメラユニット41と、通信ユニット51と、センサユニット61とを備えている。また、電源ポール20のコネクタ取付部13には電源側コネクタ14a、14b、14cが設けられている。
【0067】
発光ユニット31は、受電側コネクタ32を直接備えている。また、電源ポール20と発光ユニット31とは、電源側コネクタ14aと受電側コネクタ32とを介して電気的に接続されている。
【0068】
カメラユニット41は、受電側コネクタ42を直接備えている。また、電源ポール20とカメラユニット41とは、電源側コネクタ14bと受電側コネクタ42とを介して電気的に接続されている。更に、カメラユニット41は、中間電源側コネクタ43を備えている。
【0069】
通信ユニット51は、受電側コネクタ52を直接備えている。また、カメラユニット41と通信ユニット51とは、中間電源側コネクタ43と受電側コネクタ52とを介して電気的に接続されている。
【0070】
センサユニット61は、受電側コネクタ62を直接備えている。また、電源ポール20とセンサユニット61とは、電源側コネクタ14cと受電側コネクタ62とを介して電気的に接続されている。
【0071】
図7に示すように、電源ポール20と、発光ユニット31と、カメラユニット41と、通信ユニット51と、センサユニット61とを相互にコネクタを介して接続しているので、電源ポール20に対する発光ユニット31、カメラユニット41、通信ユニット51、センサユニット61の直接的又は間接的な着脱が容易となる。
【0072】
図7では、電源ポール20のコネクタ取付部13の側面及び上面に電源側コネクタ14a、14b、14cが配置されている。その場合、コネクタ取付部13をポール本体の中心軸に対して回転可能に設置すれば、外部ユニット(発光ユニット31、カメラユニット41、通信ユニット51、センサユニット61)の向きを変更することができる。
【0073】
電源側コネクタ14a、14b、14c及び中間電源側コネクタ43は、レセプタクルソケットから構成することができる。また、受電側コネクタ32、42、52、62は、それぞれプラグピンから構成することができる。受電側コネクタ32、42、52、62は、それぞれ1ピン型、2ピン型、3ピン型等のプラグピンを用いることができる。その場合には、電源側コネクタ14a、14b、14c及び中間電源側コネクタ43には、受電側コネクタ32、42、52、62のピン数に合う数のピン受けホールを設ければよい。
【0074】
電源側コネクタ14a、14b、14c、中間電源側コネクタ43、受電側コネクタ32、42、52、62は、それぞれ電流線を有しているが、電流線以外に通信線を有していることが好ましい。これにより、通信ユニット51と、発光ユニット31、カメラユニット41、センサユニット61との間での情報データの交換が可能となる。例えば、上記通信線を介して、カメラユニット41から画像データを通信ユニット51に移動させ、通信ユニット51から外部に画像データを送信することができる。また、上記通信線を介して、センサユニット61から観測データを通信ユニット51に移動させ、通信ユニット51から外部に観測データを送信することができる。
【0075】
上記のとおり、上記電源側コネクタ、上記中間電源側コネクタ、上記受電側コネクタは、上記電源ポールと上記外部ユニットとを接続するためのハードウェアインターフェースとして機能する。また、上記通信ユニットと、他の上記外部ユニットとを備えた多機能装置を特定の地域に複数配置することにより、情報通信ネットワークシステムを形成することができる。
【0076】
上記情報通信ネットワークシステムを用いることにより、例えば、大気系(温度・湿度・気圧・日射・雨量など)観測システム、地上系(地すべり・傾斜・土石流・水位など)監視システム(地上監視システム、河川監視システム、防犯システムなど)などを運用することができる。
【0077】
本願は、上記以外の形態としても実施が可能である。本願に開示された実施形態は一例であって、これらに限定はされない。本願の範囲は、上述の明細書の記載よりも、添付されている請求の範囲の記載を優先して解釈され、請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更は、請求の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0078】
10、20 電源ポール
11 ポール本体
12 太陽光発電シート体
13 コネクタ取付部
14 電源側コネクタ
14a、14b、14c 電源側コネクタ
30 照明装置
31 発光ユニット
32、42、52、62 受電側コネクタ
33、44、54 電源コード
40、50、60 多機能装置
41 カメラユニット
43、53 中間電源側コネクタ
51 通信ユニット
61 センサユニット