(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】機械-二重環状-液圧複合伝動機構
(51)【国際特許分類】
F16H 37/12 20060101AFI20240708BHJP
F16H 47/04 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
F16H37/12 Z
F16H47/04 A
(21)【出願番号】P 2023553743
(86)(22)【出願日】2022-02-28
(86)【国際出願番号】 CN2022078145
(87)【国際公開番号】W WO2023159534
(87)【国際公開日】2023-08-31
【審査請求日】2023-09-04
(31)【優先権主張番号】202210180053.0
(32)【優先日】2022-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】517405840
【氏名又は名称】江▲蘇▼大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】朱 鎮
(72)【発明者】
【氏名】▲後▼ 睿
(72)【発明者】
【氏名】陳 龍
(72)【発明者】
【氏名】蔡 英鳳
(72)【発明者】
【氏名】田 翔
(72)【発明者】
【氏名】孫 暁東
(72)【発明者】
【氏名】韓 江義
(72)【発明者】
【氏名】夏 長高
(72)【発明者】
【氏名】張 奕涵
(72)【発明者】
【氏名】盛 杰
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2022/027723(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0372512(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 37/12
F16H 47/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力部材、左遊星歯車系と右遊星歯車系とを含む合流機構(3)、液圧式伝動機構(4)、二重環状機構(5)、出力部材、クラッチ部品、及びブレーキ部品が含まれ
、前記のクラッチ部品は入力部材を液圧式伝動機構(4)、二重環状機構(5)、左遊星歯車系、及び右遊星歯車系にそれぞれ接続し、前記のクラッチ部品は液圧式伝動機構(4)を右遊星歯車系に接続し、前記のクラッチ部品は二重環状機構(5)を左遊星歯車系に接続し、前記のクラッチ部品は左遊星歯車系及び右遊星歯車系を出力部材にそれぞれ接続し、液圧式伝動機構(4)の
排液量比を調整すること、二重環状伝動機構(5)のギア比を調整すること、及び前記のクラッチ部品及びブレーキ部品の接合を選択的に制御することにより、入力部材と出力部材との間の連続的なギア比を提供し、
液圧式伝動機構(4)の
排液量比を調整すること、二重環状伝動機構(5)のギア比を調整すること、及び前記のクラッチ部品及びブレーキ部品の接合を選択的に制御することにより、提供された入力部材と出力部材との間の伝動方式は、機械式伝動、二重環状伝動、液圧式伝動、機械-二重環状複合伝動、及び機械-液圧複合伝動が含まれ、
前記の左遊星歯車系は、左リングギア(302)、左遊星キャリア(304)、及び左太陽歯車(305)が含まれ、前記の右遊星歯車系は、右リングギア(307)、右遊星キャリア(309)、及び右太陽歯車(308)が含まれ、前記の右リングギア(307)は左遊星キャリア(304)に接続され、前記の左太陽歯車(305)は右太陽歯車(308)に接続され、
前記のクラッチ部品は、第5のクラッチC
5(202)、第6のクラッチC
6(204)、第7のクラッチC
7(311)、第8のクラッチC
8(313)、第9のクラッチC
9(317)、第10のクラッチC
10(319)、及び第11のクラッチC
11(315)が含まれ、前記の第5のクラッチC
5(202)は、入力部材を左遊星キャリア(304)に選択的に接続するために使用され、前記の第6のクラッチC
6(204)は、入力部材を右太陽歯車(308)に選択的に接続するために使用され、前記の第7のクラッチC
7(311)及び第8のクラッチC
8(313)は、左リングギア(302)を異なる速度比で出力部材に選択的に接続するために使用され、前記の第9のクラッチC
9(317)及び第10のクラッチC
10(319)は、右遊星キャリア(309)を異なる速度比で出力部材に選択的に接続するために使用され、前記の第11のクラッチC
11(315)は、左遊星キャリア(304)を左太陽歯車(305)に選択的に接続するために使用され、
前記のブレーキ部品は、第1のブレーキB
1(303)、第2のブレーキB
2(306)、及び第3のブレーキB
3(505)が含まれ、前記の第1のブレーキB
1(303)は、左リングギア(302)を固定部に選択的に接続するために使用され、前記の第2のブレーキB
2(306)は、右リングギア(307)を固定部に選択的に接続するために使用され、前記の第3のブレーキB
3(505)は、左遊星キャリア(304)を固定部に選択的に接続するために使用され、
前記の第5のクラッチC
5(202)、第7のクラッチC
7(311)、及び第11のクラッチC
11(315)が接合することにより、入力部材と出力部材との間の前進方向の機械式伝動M1を提供し、機械式伝動M1における入力部材と出力部材の回転数は
【数37】
を満たし、式中、n
0
は出力部材の回転数であり、n
Iは入力部材の回転数であり、i
5は入力部材と左遊星キャリア(304)との間のギア比であり、i
7は左リングギア(302)と出力部材との間のギア比であり、
前記の第5のクラッチC
5(202)、第8のクラッチC
8(313)、及び第11のクラッチC
11(315)が接合することにより、入力部材と出力部材との間の後退方向の機械式伝動M2を提供し、機械式伝動M2における入力部材と出力部材の回転数は
【数38】
を満たし、式中、i
8i
9は左リングギア(302)と出力部材との間のギア比である
ことを特徴とする、機械-二重環状-液圧複合伝動機構。
【請求項2】
前記のクラッチ部品は、さらに第1のクラッチC
1(507)及び第2のクラッチC
2(502)が含まれ、前記の第1のクラッチC
1(507)は、入力部材を二重環状機構(5)の入力端に選択的に接続するために使用され、前記の第2のクラッチC
2(502)は、二重環状機構(5)の出力端を左遊星キャリア(304)に選択的に接続するために使用され、
二重環状機構(5)のギア比を調整すること、前記の第1のクラッチC
1(507)、第2のクラッチC
2(502)、第9のクラッチC
9(317)、及び第1のブレーキB
1(303)が接合することにより、入力部材と出力部材との間の後退方向の二重環状伝動T1を提供し、二重環状伝動T1における入力部材と出力部材の回転数は
【数39】
を満たし、式中、k
1は左遊星歯車系の遊星歯車の特性パラメーターであり、k
2は右遊星歯車系の遊星歯車の特性パラメーターであり、i
1は入力部材と二重環状機構(5)の入力端との間のギア比であり、i
2は二重環状機構(5)の出力端と左遊星キャリア(304)との間のギア比であり、i
10は右遊星キャリア(309)と出力部材との間のギア比であり、i
T1i
T2は二重環状機構(5)のギア比であり、
二重環状機構(5)のギア比を調整すること、前記の第1のクラッチC
1(507)、第2のクラッチC
2(502)、第11のクラッチC
11(315)、及び第9のクラッチC
9(317)が接合することにより、入力部材と出力部材との間の後退方向の二重環状伝動T3を提供し、二重環状伝動T3における入力部材と出力部材の回転数は
【数40】
を満たし、
二重環状機構(5)のギア比を調整すること、前記の第1のクラッチC
1(507)、第2のクラッチC
2(502)、第1のブレーキB
1(303)、及び第10のクラッチC
10(319)が接合することにより、入力部材と出力部材との間の前進方向の二重環状伝動T2を提供し、二重環状伝動T2における入力部材と出力部材の回転数は
【数41】
を満たし、式中、i
11i
12は右遊星キャリア(309)と出力部材との間のギア比であり、
二重環状機構(5)のギア比を調整すること、前記の第1のクラッチC
1(507)、第2のクラッチC
2(502)、第10のクラッチC
10(319)、及び第11のクラッチC
11(315)が接合することにより、入力部材と出力部材との間の前進方向の二重環状伝動T4を提供し、二重環状伝動T4における入力部材と出力部材の回転数は
【数42】
を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の機械-二重環状-液圧複合伝動機構。
【請求項3】
前記のクラッチ部品は、さらに第3のクラッチC
3(402)及び第4のクラッチC
4(406)が含まれ、前記の第3のクラッチC
3(402)は、入力部材を液圧式伝動機構(4)の入力端に接続し、前記の第4のクラッチC
4(406)は、液圧式伝動機構(4)の出力端を右太陽歯車(308)に接続し、
液圧式伝動機構(4)の
排液量比を調整すること、前記の第3のクラッチC
3(402)、第4のクラッチC
4(406)、第9のクラッチC
9(317)、第2のブレーキB
2(306)、及び第3のブレーキB
3(505)が接合することにより、入力部材と出力部材との間の後退方向の液圧式伝動H1を提供し、液圧式伝動H1における入力部材と出力部材の回転数は
【数43】
を満たし、式中、eは液圧式伝動機構(4)の
排液量比であり、i
3は入力部材と液圧式伝動機構(4)の入力端との間のギア比であり、i
4は液圧式伝動機構(4)の出力端と右太陽歯車(308)との間のギア比であり、
液圧式伝動機構(4)の
排液量比を調整すること、前記の第3のクラッチC
3(402)、第4のクラッチC
4(406)、第9のクラッチC
9(317)、及び第11のクラッチC
11(315)が接合することにより、入力部材と出力部材との間の後退方向の液圧式伝動H3を提供し、液圧式伝動H3における入力部材と出力部材の回転数は
【数44】
を満たし、
液圧式伝動機構(4)の
排液量比を調整すること、前記の第3のクラッチC
3(402)、第4のクラッチC
4(406)、第10のクラッチC
10(319)、第2のブレーキB
2(306)、及び第3のブレーキB
3(505)が接合することにより、入力部材と出力部材との間の前進方向の液圧式伝動H2を提供し、液圧式伝動H2における入力部材と出力部材の回転数は、
【数45】
を満たし、
液圧式伝動機構(4)の
排液量比を調整すること、前記の第3のクラッチC
3(402)、第4のクラッチC
4(406)、第10のクラッチC
10(319)、及び第11のクラッチC
11(315)が接合することにより、入力部材と出力部材との間の前進方向の液圧式伝動H4を提供し、液圧式伝動H4における入力部材と出力部材の回転数は、
【数46】
を満たすことを特徴とする、請求項2に記載の機械-二重環状-液圧複合伝動機構。
【請求項4】
二重環状機構(5)のギア比を調整すること、第1のクラッチC
1(507)、第2のクラッチC
2(502)、及び第6のクラッチC
6(204)、及び第7のクラッチC
7(311)が接合することにより、入力部材と出力部材との間の後退方向の機械-二重環状複合伝動MT1を提供し、機械-二重環状複合伝動MT1における入力部材と出力部材の回転数は、
【数47】
を満たし、
二重環状機構(5)のギア比を調整すること、第1のクラッチC
1(507)、第2のクラッチC
2(502)、第6のクラッチC
6(204)、及び第9のクラッチC
9(317)が接合することにより、入力部材と出力部材との間の後退方向の機械-二重環状複合伝動MT3を提供し、機械-二重環状複合伝動MT3における入力部材と出力部材の回転数は、
【数48】
を満たし、
二重環状機構(5)のギア比を調整すること、第1のクラッチC
1(507)、第2のクラッチC
2(502)、第6のクラッチC
6(204)、及び第8のクラッチC
8(313)が接合することにより、入力部材と出力部材との間の前進方向の機械-二重環状複合伝動MT2を提供し、機械-二重環状複合伝動MT2における入力部材と出力部材の回転数は、
【数49】
を満たし、
二重環状機構(5)のギア比を調整すること、第1のクラッチC
1(507)、第2のクラッチC
2(502)、第6のクラッチC
6(204)、及び第10のクラッチC
10(319)が接合することにより、入力部材と出力部材との間の前進方向の機械-二重環状複合伝動MT4を提供し、機械-二重環状複合伝動MT4における入力部材と出力部材の回転数は、
【数50】
を満たすことを特徴とする、請求項3に記載の機械-二重環状-液圧複合伝動機構。
【請求項5】
液圧式伝動機構(4)の
排液量比を調整すること、前記の第3のクラッチC
3(402)、第4のクラッチC
4(406)、第5のクラッチC
5(202)、及び第7のクラッチC
7(311)が接合することにより、入力部材と出力部材との間の前進方向の機械-液圧複合伝動MH1を提供し、機械-液圧複合伝動MH1における入力部材と出力部材の回転数は、
【数51】
を満たし、
液圧式伝動機構(4)の
排液量比を調整すること、前記の第3のクラッチC
3(402)、第4のクラッチC
4(406)、第5のクラッチC
5(202)、及び第9のクラッチC
9(317)が接合することにより、入力部材と出力部材との間の前進方向の機械-液圧複合伝動MH3を提供し、機械-液圧複合伝動MH3における入力部材と出力部材の回転数は、
【数52】
を満たし、
液圧式伝動機構(4)の
排液量比を調整すること、前記の第3のクラッチC
3(402)、第4のクラッチC
4(406)、第5のクラッチC
5(202)、及び第8のクラッチC
8(313)が接合することにより、入力部材と出力部材との間の後退方向の機械-液圧複合伝動MH2を提供し、機械-液圧複合伝動MH2における入力部材と出力部材の回転数は、
【数53】
を満たし、
液圧式伝動機構(4)の
排液量比を調整すること、前記の第3のクラッチC
3(402)、第4のクラッチC
4(406)、第5のクラッチC
5(202)、及び第10のクラッチC
10(319)が接合することにより、入力部材と出力部材との間の後退方向の機械-液圧複合伝動MH4を提供し、機械-液圧複合伝動MH4における入力部材と出力部材の回転数は、
【数54】
を満たすことを特徴とする、請求項3に記載の機械-二重環状-液圧複合伝動機構。
【請求項6】
液圧式伝動機構(4)の
排液量比を調整すること、二重環状伝動機構(5)のギア比を調整すること、及び前記のクラッチ部品及びブレーキ部品の接合を選択的に制御することにより、液圧式伝動H4で起動し、出力回転数は液圧式伝動機構の
排液量比eの増加に伴って線形的に増加し、e=1であると、液圧式伝動H4は正の最大値に達し、
e・i
T∈[n
o(H4)=n
o(T4)]を満たし、かつe∈[0、1]であり、かつi
T1i
T2が決定されたギア比の範囲内である場合、液圧式伝動H4は二重環状伝動T4に同期的に切り替え、二重環状変速機構のギア比i
T1i
T2が最大値から最小値まで変わると、n
o(T4)が非線形的に増加し、e・i
T∈[n
o(T4)=n
o(T2)]を満たし、かつi
T1i
T2が決定されたギア比の範囲内である場合、二重環状伝動T2は二重環状伝動T4に同期的に切り替え、二重環状変速機構のギア比i
Tが最大値から最小値まで変わると、n
o(T4)が非線形的に増加し、
液圧式伝動H3で起動して後退し、出力回転数は液圧式伝動機構の
排液量比eの増加に伴って線形的に増加し、e=1であると、液圧式伝動H3は負の最大値に達し、e・i
T∈[n
o(H3)=n
o(T3)]を満たし、かつe∈[0、1]であり、かつi
T1i
T2が決定されたギア比の範囲内である場合、液圧式伝動H3は二重環状伝動T3に同期的に切り替え、二重環状変速機構のギア比i
T1i
T2が最大値から最小値まで変わると、n
o(T3)が非線形的に増加し、
二重環状伝動T1で後退し、出力回転数は二重環状変速機構のギア比i
Tの増加に伴って線形的に増加し、i
T1i
T2=maxである場合、二重環状伝動T1は負の最大値に達し、e・i
T∈[n
o(T3)=n
o(T1)]を満たし、かつi
T1i
T2が決定されたギア比の範囲内である場合、二重環状伝動T1は二重環状伝動T3に同期的に切り替え、二重環状変速機構のギア比i
T1i
T2が最大値から最小値まで変わると、n
o(T3)が非線形的に増加する
ことを特徴とする、請求項3に記載の機械-二重環状-液圧複合伝動機構。
【請求項7】
液圧式伝動機構(4)の
排液量比を調整すること、二重環状伝動機構(5)のギア比を調整すること、及び前記のクラッチ部品及びブレーキ部品の接合を選択的に制御することにより、
機械-液圧複合伝動MH1で前進し、出力回転数は液圧式伝動機構の
排液量比eの増加に伴って線形的に増加し、e=1であると、機械-液圧複合伝動MH1は正の最大値に達し、機械-二重環状複合伝動MT2で前進し、出力回転数はi
Tの増加に伴って非線形的に増加し、e・i
T∈[n
o(MT2)=n
o(MH3)]を満たし、かつe∈[0、1]であり、かつi
T1i
T2が決定されたギア比の範囲内である場合、機械-二重環状複合伝動MT2は機械-液圧複合伝動MH3に同期的に切り替え、液圧式伝動機構の
排液量比eが最大値から最小値まで変わると、n
o(MH3)は線形的に増加し、
e・i
T∈[n
o(MT4)=n
o(MH3)]を満たし、かつe∈[0、1]であり、ii
T1i
T2は決定されたギア比の範囲内である場合、機械-液圧複合伝動MH3は機械-二重環状複合伝動MT4に同期的に切り替え、出力回転数は二重環状変速機構のギア比i
Tの増加に伴って非線形的に減少し、
機械-液圧複合伝動MH2で後退し、出力回転数は液圧式伝動機構の
排液量比eの増加に伴って線形的に増加し、e=1であると、機械-液圧複合伝動MH2は負の最大値に達し、機械-二重環状複合伝動MT1で後退し、出力回転数はi
T1i
T2の増加に伴って非線形的に増加し、e・i
T∈[n
o(MT1)=n
o(MH4)]を満たし、かつe∈[0、1]であり、かつi
T1i
T2が決定されたギア比の範囲内である場合、機械-二重環状複合伝動MT1は機械-液圧複合伝動MH4に同期的に切り替え、液圧式伝動機構の
排液量比eが最大値から最小値まで変わると、n
o(MH4)は線形的に増加し、e・i
T∈[n
o(MT3)=n
o(MH4)]を満たし、かつe∈[0、1]であり、かつ
i
T1i
T2は決定されたギア比の範囲内である場合、機械-液圧複合伝動MH4は機械-二重環状複合伝動MT3に同期的に切り替え、出力回転数は二重環状変速機構のギア比i
T1i
T2の増加に伴って非線形的に減少する
ことを特徴とする、請求項5に記載の機械-二重環状-液圧複合伝動機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変速伝動装置の分野に関し、特に機械-二重環状-液圧複合伝動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
機械式伝動は、効率が高いが、無段階速度調整に対する要求が満たされず、液圧式伝動は、無段階速度調整に対する要求が満たされるが、効率と精度が低く、環状の伝動は、効率と精度が高いが、ギア比の調整範囲が限られている。これに基づいて、複数の伝動方式を統合し、異なる作動状態に適応できる変速伝動装置は、良い開発の見通しがある。
【0003】
複合伝動は、単一伝動の利点を生かすこと共に、その欠陥を排除することができるため、変速伝動装置の発展動向になっている。複数の伝動方式を統合し、複合伝動に自由的に組み合わせることができる伝動装置は、変速伝動装置の設計の新しい動向になる。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、先行技術の不足につれて、機械-二重環状-液圧複合伝動装置を提供し、機械式伝動、二重環状伝動、液圧式伝動、機械-二重環状複合伝動、機械-液圧複合伝動を統合する。
【0005】
本発明は、以下の技術的手段により上記の技術目的を達成する。
機械-二重環状-液圧複合伝動機構は、入力部材、合流機構、液圧式伝動機構、二重環状機構、出力部材、クラッチ部品、及びブレーキ部品が含まれ、上記の合流機構は、左遊星歯車系、及び右遊星歯車系が含まれ、上記のクラッチ部品は左遊星歯車系を右遊星歯車系に接続し、上記のクラッチ部品は入力部材を液圧式伝動機構、二重環状機構、左遊星歯車系、及び右遊星歯車系にそれぞれ接続し、上記のクラッチ部品は液圧式伝動機構を右遊星歯車系に接続し、上記のクラッチ部品は二重環状機構を左遊星歯車系に接続し、上記のクラッチ部品は左遊星歯車系及び右遊星歯車系を出力部材にそれぞれ接続し、液圧式伝動機構の排気量比を調整すること、二重環状伝動機構のギア比を調整すること、及び上記のクラッチ部品及びブレーキ部品の接合を選択的に制御することにより、入力部材と出力部材との間の連続的なギア比を提供する。
【0006】
さらに、液圧式伝動機構の排気量比を調整すること、二重環状伝動機構のギア比を調整すること、及び上記のクラッチ部品及びブレーキ部品の接合を選択的に制御することにより、提供された入力部材と出力部材との間の伝動方式は、機械式伝動、二重環状伝動、液圧式伝動、機械-二重環状複合伝動、及び機械-液圧複合伝動が含まれる。
【0007】
さらに、上記の左遊星歯車系は、左リングギア、左遊星キャリア、及び左太陽歯車が含まれ、上記の右遊星歯車系は、右リングギア、右遊星キャリア、及び右太陽歯車が含まれ、上記の右リングギアは左遊星キャリアに接続され、上記の左太陽歯車は右太陽歯車に接続され、
上記のクラッチ部品は、第5のクラッチC
5、第6のクラッチC
6、第7のクラッチC
7、第8のクラッチC
8、第9のクラッチC
9、第10のクラッチC
10、及び第11のクラッチC
11が含まれ、上記の第5のクラッチC
5は、入力部材を左遊星キャリアに選択的に接続するために使用され、上記の第6のクラッチC
6は、入力部材を右太陽歯車に選択的に接続するために使用され、上記の第7のクラッチC
7と第8のクラッチC
8は、左リングギアを異なる速度比で出力部材に選択的に接続するために使用され、上記の第9のクラッチC
9と第10のクラッチC
10は、右遊星キャリアを異なる速度比で出力部材に選択的に接続するために使用され、上記の第11のクラッチC
11は、左遊星キャリアを左太陽歯車に選択的に接続するために使用され、
上記のブレーキ部品は、第1のブレーキB
1、第2のブレーキB
2、及び第3のブレーキB
3が含まれ、上記の第1のブレーキB
1は、左リングギアを固定部に選択的に接続するために使用され、上記の第2のブレーキB
2は、右リングギアを固定部に選択的に接続するために使用され、上記の第3のブレーキB
3は、左遊星キャリアを固定部に選択的に接続するために使用され、
上記の第5のクラッチC
5、第7のクラッチC
7、及び第11のクラッチC
11が接合することにより、入力部材と出力部材との間の前進方向の機械式伝動M1を提供し、機械式伝動M1における入力部材と出力部材の回転数は、
【数1】
を満たし、式中、n
oは出力部材の回転数であり、n
I
は入力部材の回転数であり、i
5は入力部材と左遊星キャリアとの間のギア比であり、i
7は左リングギアと出力部材との間のギア比であり、
上記の第5のクラッチC
5、第8のクラッチC
8、及び第11のクラッチC
11が接合することにより、入力部材と出力部材との間の後退方向の機械式伝動M2を提供し、機械式伝動M2における入力部材と出力部材の回転数は、
【数2】
を満たし、式中、i
8i
9は左リングギアと出力部材との間のギア比である。
【0008】
さらに、上記のクラッチ部品は、さらに第1のクラッチC
1と第2のクラッチC
2とが含まれ、上記の第1のクラッチC
1は、入力部材を二重環状機構の入力端に選択的に接続するために使用され、上記の第2のクラッチC
2は、二重環状機構の出力端を左遊星キャリアに選択的に接続するために使用され、
二重環状機構のギア比を調整すること、上記の第1のクラッチC
1、第2のクラッチC
2、第9のクラッチC
9、及び第1のブレーキB
1が接合することにより、入力部材と出力部材との間の後退方向の二重環状伝動T1を提供し、二重環状伝動T1における入力部材と出力部材の回転数は、
【数3】
を満たし、式中、k
1は左遊星歯車系の遊星歯車の特性パラメーターであり、k
2は右遊星歯車系の遊星歯車の特性パラメーターであり、i
1は入力部材と二重環状機構の入力端との間のギア比であり、i
2は二重環状機構の出力端と左遊星キャリアとの間のギア比であり、i
10は右遊星キャリアと出力部材との間のギア比であり、i
T1i
T2は二重環状機構のギア比であり、
二重環状機構のギア比を調整すること、上記の第1のクラッチC
1、第2のクラッチC
2、第11のクラッチC
11、及び第9のクラッチC
9が接合することにより、入力部材と出力部材との間の後退方向の二重環状伝動T3を提供し、二重環状伝動T3における入力部材と出力部材の回転数は、
【数4】
を満たし、
二重環状機構のギア比を調整すること、上記の第1のクラッチC
1、第2のクラッチC
2、第1のブレーキB
1、及び第10のクラッチC
10が接合することにより、入力部材と出力部材との間の前進方向の二重環状伝動T2を提供し、二重環状伝動T2における入力部材と出力部材の回転数は、
【数5】
を満たし、式中、i
11i
12は右遊星キャリアと出力部材との間のギア比であり、
二重環状機構のギア比を調整すること、上記の第1のクラッチC
1、第2のクラッチC
2、第10のクラッチC
10、及び第11のクラッチC
11が接合することにより、入力部材と出力部材との間の前進方向の二重環状伝動T4を提供し、二重環状伝動T4における入力部材と出力部材の回転数は、
【数6】
を満たす。
【0009】
さらに、上記のクラッチ部品は、さらに第3のクラッチC
3と第4のクラッチC
4とが含まれ、上記の第3のクラッチC
3は、入力部材を液圧式伝動機構の入力端に接続し、上記の第4のクラッチC
4は液圧式伝動機構の出力端を右太陽歯車に接続し、
液圧式伝動機構の排気量比を調整すること、上記の第3のクラッチC
3、第4のクラッチC
4、第9のクラッチC
9、第2のブレーキB
2、及び第3のブレーキB
3が接合することにより、入力部材と出力部材との間の後退方向の液圧式伝動H1を提供し、液圧式伝動H1における入力部材と出力部材の回転数は、
【数7】
を満たし、式中、eは液圧式伝動機構の排気量比であり、i
3は入力部材と液圧式伝動機構の入力端との間のギア比であり、i
4は液圧式伝動機構の出力端と右太陽歯車との間のギア比であり、
液圧式伝動機構の排気量比を調整すること、上記の第3のクラッチC
3、第4のクラッチC
4、第9のクラッチC
9、及び第11のクラッチC
11が接合することにより、入力部材と出力部材との間の後退方向の液圧式伝動H3を提供し、液圧式伝動H3における入力部材と出力部材の回転数は、
【数8】
を満たし、
液圧式伝動機構の排気量比を調整すること、上記の第3のクラッチC
3、第4のクラッチC
4、第10のクラッチC
10、第2のブレーキB
2、及び第3のブレーキB
3が接合することにより、入力部材と出力部材との間の前進方向の液圧式伝動H2を提供し、液圧式伝動H2における入力部材と出力部材の回転数は、
【数9】
を満たし、
液圧式伝動機構の排気量比を調整すること、上記の第3のクラッチC
3、第4のクラッチC
4、第10のクラッチC
10、及び第11のクラッチC
11が接合することにより、入力部材と出力部材との間の前進方向の液圧式伝動H4を提供し、液圧式伝動H4における入力部材と出力部材の回転数は、
【数10】
を満たす。
【0010】
さらに、二重環状機構のギア比を調整すること、第1のクラッチC
1、第2のクラッチC
2、第6のクラッチC
6、及び第7のクラッチC
7が接合することにより、入力部材と出力部材との間の後退方向の機械-二重環状複合伝動MT1を提供し、機械-二重環状複合伝動MT1における入力部材と出力部材の回転数は、
【数11】
を満たし、
二重環状機構のギア比を調整すること、第1のクラッチC
1、第2のクラッチC
2、第6のクラッチC
6、及び第9のクラッチC
9が接合することにより、入力部材と出力部材との間の後退方向の機械-二重環状複合伝動MT3を提供し、機械-二重環状複合伝動MT3における入力部材と出力部材の回転数は、
【数12】
を満たし、
二重環状機構のギア比を調整すること、第1のクラッチC
1、第2のクラッチC
2、第6のクラッチC
6、及び第8のクラッチC
8が接合することにより、入力部材と出力部材との間の前進方向の機械-二重環状複合伝動MT2を提供し、機械-二重環状複合伝動MT2における入力部材と出力部材の回転数は、
【数13】
を満たし、
二重環状機構のギア比を調整すること、第1のクラッチC
1、第2のクラッチC
2、第6のクラッチC
6、及び第10のクラッチC
10が接合することにより、入力部材と出力部材との間の前進方向の機械-二重環状複合伝動MT4を提供し、機械-二重環状複合伝動MT4における入力部材と出力部材の回転数は、
【数14】
を満たす。
【0011】
さらに、液圧式伝動機構の排気量比を調整すること、上記の第3のクラッチC
3、第4のクラッチC
4、第5のクラッチC
5、及び第7のクラッチC
7が接合することにより、入力部材と出力部材との間の前進方向の機械-液圧複合伝動MH1を提供し、機械-液圧複合伝動MH1における入力部材と出力部材の回転数は、
【数15】
を満たし、
液圧式伝動機構の排気量比を調整すること、上記の第3のクラッチC
3、第4のクラッチC
4、第5のクラッチC
5、及び第9のクラッチC
9が接合することにより、入力部材と出力部材との間の前進方向の機械-液圧複合伝動MH3を提供し、機械-液圧複合伝動MH3における入力部材と出力部材の回転数は、
【数16】
を満たし、
液圧式伝動機構の排気量比を調整すること、上記の第3のクラッチC
3、第4のクラッチC
4、第5のクラッチC
5、及び第8のクラッチC
8が接合することにより、入力部材と出力部材との間の後退方向の機械-液圧複合伝動MH2を提供し、機械-液圧複合伝動MH2における入力部材と出力部材の回転数は、
【数17】
を満たし、
液圧式伝動機構の排気量比を調整すること、上記の第3のクラッチC
3、第4のクラッチC
4、第5のクラッチC
5、及び第10のクラッチC
10が接合することにより、入力部材と出力部材との間の後退方向の機械-液圧複合伝動MH4を提供し、機械-液圧複合伝動MH4における入力部材と出力部材の回転数は、
【数18】
を満たす。
【0012】
さらに、液圧式伝動機構の排気量比を調整すること、二重環状伝動機構のギア比を調整すること、及び上記のクラッチ部品及びブレーキ部品の接合を選択的に制御することにより、液圧式伝動H4で起動し、出力回転数は液圧式伝動機構の排気量比eの増加に伴って線形的に増加し、e=1であると、液圧式伝動H4は正の最大値に達し、
e・iT∈[no(H4)=no(T4)]を満たし、かつe∈[0、1]であり、かつiT1iT2が決定されたギア比の範囲内である場合、液圧式伝動H4は二重環状伝動T4に同期的に切り替え、二重環状変速機構のギア比iT1iT2が最大値から最小値まで変わると、no(T4)が非線形的に増加し、e・iT∈[no(T4)=no(T2)]を満たし、かつiT1iT2が決定されたギア比の範囲内である場合、二重環状伝動T2は二重環状伝動T4に同期的に切り替え、二重環状変速機構のギア比iTが最大値から最小値まで変わると、no(T4)が非線形的に増加し、
液圧式伝動H3で起動して後退し、出力回転数は液圧式伝動機構の排気量比eの増加に伴って線形的に増加し、e=1であると、液圧式伝動H3は負の最大値に達し、e・iT∈[no(H3)=no(T3)]を満たし、かつe∈[0、1]であり、かつiT1iT2が決定されたギア比の範囲内である場合、液圧式伝動H3は二重環状伝動T3に同期的に切り替え、二重環状変速機構のギア比iT1iT2が最大値から最小値まで変わると、no(T3)が非線形的に増加し、
二重環状伝動T1で後退し、出力回転数は二重環状変速機構のギア比iTの増加に伴って線形的に増加し、iT1iT2=maxである場合、二重環状伝動T1は負の最大値に達し、e・iT∈[no(T3)=no(T1)]を満たし、かつiT1iT2が決定されたギア比の範囲内である場合、二重環状伝動T1は二重環状伝動T3に同期的に切り替え、二重環状変速機構のギア比iT1iT2が最大値から最小値まで変わると、no(T3)が非線形的に増加する。
【0013】
さらに、液圧式伝動機構の排気量比を調整すること、二重環状伝動機構のギア比を調整すること、及び上記のクラッチ部品及びブレーキ部品の接合を選択的に制御することにより、
機械-液圧複合伝動MH1で前進し、出力回転数は液圧式伝動機構の排気量比eの増加に伴って線形的に増加し、e=1であると、機械-液圧複合伝動MH1は正の最大値に達し、機械-二重環状複合伝動MT2で前進し、出力回転数はiTの増加に伴って非線形的に増加し、e・iT∈[no(MT2)=no(MH3)]を満たし、かつe∈[0、1]であり、かつiT1iT2が決定されたギア比の範囲内である場合、機械-二重環状複合伝動MT2は機械-液圧複合伝動MH3に同期的に切り替え、液圧式伝動機構の排気量比eが最大値から最小値まで変わると、no(MH3)は線形的に増加し、
e・iT∈[no(MT4)=no(MH3)]を満たし、かつe∈[0、1]であり、iT1iT2は決定されたギア比の範囲内である場合、機械-液圧複合伝動MH3は機械-二重環状複合伝動MT4に同期的に切り替え、出力回転数は二重環状変速機構のギア比iTの増加に伴って非線形的に減少し、
機械-液圧複合伝動MH2で後退し、出力回転数は液圧式伝動機構の排気量比eの増加に伴って線形的に増加し、e=1であると、機械-液圧複合伝動MH2は負の最大値に達し、機械-二重環状複合伝動MT1で後退し、出力回転数はiT1iT2の増加に伴って非線形的に増加し、e・iT∈[no(MT1)=no(MH4)]を満たし、かつe∈[0、1]であり、かつiT1iT2が決定されたギア比の範囲内である場合、機械-二重環状複合伝動MT1は機械-液圧複合伝動MH4に同期的に切り替え、液圧式伝動機構の排気量比eが最大値から最小値まで変わると、no(MH4)は線形的に増加し、e・iT∈[no(MT3)=no(MH4)]を満たし、かつe∈[0、1]であり、かつiT1iT2は決定されたギア比の範囲内である場合、機械-液圧複合伝動MH4は機械-二重環状複合伝動MT3に同期的に切り替え、出力回転数は二重環状変速機構のギア比iT1iT2の増加に伴って非線形的に減少する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の有益な効果は、次の通りである。
1.本発明に係る機械-二重環状-液圧複合伝動装置は、二重環状のシングルフロー伝動が前部環状伝動機構と後部環状伝動機構をタンデムで用いられてなることにより、ギア比の調整範囲が拡大され、調整の精度と自由度が向上させた。
2.本発明に係る機械-二重環状-液圧複合伝動装置は、機械式伝動、二重環状伝動、液圧式伝動、機械-二重環状複合伝動、及び機械-液圧複合伝動を統合するものである。
3.本発明に係る機械-二重環状-液圧複合伝動装置は、様々な伝動方式を自由的に切り替えることが実現できる。
【0015】
以下、本発明の実施例又は先行技術の技術的手段をより明確に説明するために、実施例又は先行技術の説明に使用する必要がある図面を簡単に紹介し、下記の図面は、本発明のいくつかの実施例であり、当業者は、創造的な作業なしにこれらの図面に基づいて他の図面を取得することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】は、本発明に係る機械-二重環状-液圧複合伝動装置の構造原理図である。
【
図2】は、本発明に係る機械式伝動M1のパワーフローの模式図である。
【
図3】は、本発明に係る機械式伝動M2のパワーフローの模式図である。
【
図4】は、本発明に係る二重環状伝動T1のパワーフローの模式図である。
【
図5】は、本発明に係る二重環状伝動T2のパワーフローの模式図である。
【
図6】は、本発明に係る二重環状伝動T3のパワーフローの模式図である。
【
図7】は、本発明に係る二重環状伝動T4のパワーフローの模式図である。
【
図8】は、本発明に係る液圧式伝動H1のパワーフローの模式図である。
【
図9】は、本発明に係る液圧式伝動H2のパワーフローの模式図である。
【
図10】は、本発明に係る液圧式伝動H3のパワーフローの模式図である。
【
図11】は、本発明に係る液圧式伝動H4のパワーフローの模式図である。
【
図12】は、本発明に係る機械-二重環状伝動MT1のパワーフローの模式図である。
【
図13】は、本発明に係る機械-二重環状伝動MT2のパワーフローの模式図である。
【
図14】は、本発明に係る機械-二重環状伝動MT3のパワーフローの模式図である。
【
図15】は、本発明に係る機械-二重環状伝動MT4のパワーフローの模式図である。
【
図16】は、本発明に係る機械-液圧式伝動MH1のパワーフローの模式図である。
【
図17】は、本発明に係る機械-液圧式伝動MH2のパワーフローの模式図である。
【
図18】は、本発明に係る機械-液圧式伝動MH3のパワーフローの模式図である。
【
図19】は、本発明に係る機械-液圧式伝動MH4のパワーフローの模式図である。
【
図20】は、本発明に係る単一伝動の出力回転数と入力回転数との関係図である。
【
図21】は、本発明に係る複合伝動の出力回転数と入力回転数との関係図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面及び具体的な実施例を参照して本発明をさらに説明するが、本発明の保護範囲は、これらに限定されない。
【0018】
以下、本発明の実施例を詳細に説明し、上記の実施例が図面に示されるが、同じ符号または類似的符号は、常に、同じモジュール又は類似的モジュール、或いは、同じ機能又は類似的機能を有するモジュールを表す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は例示的なものであり、本発明を解釈するためだけに用いられ、本発明を限定するものと理解されてはならない。
【0019】
本発明の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚み」、「上」、「下」、「軸方向」、「半径方向」、「鉛直」、「水平」、「内」、「外」などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づき、本発明を便利にまたは簡単に説明するために使用されるものであり、指定された装置又は部品が特定の方位にあり、特定の方位において構造され操作されると指示又は暗示するものではないので、本発明に対する限定と理解してはいけない。なお、「第1の」、「第2の」という用語は、説明のみを目的として使用され、相対的な重要性を示したり暗示したり、示された技術的特徴の数を暗黙的に示したりするものでない。従って、「第1の」、「第2の」の特徴は、1つ又は複数のこの特徴を明確又は曖昧に含んでもよい。本発明の説明において、特に具体的に限定されない限り、「複数」は、2つ又は2つ以上を意図する。
【0020】
本発明において、「取り付け」、「結び」、「接続」、「固定」という用語は、特に明記および限定されない限り、広い意味で理解されるべきであることを説明したい。これは、機械的接続または電気的接続であり、直接接続または中間媒体を介して間接的に接続され、2つのコンポーネントの内部通信である可能性がある。当業者が本発明における上記の用語の特定の意味は、特定の状況下で理解することができる。
【0021】
図1に示されるように、本発明に係る機械-二重環状-液圧複合伝動装置は、入力軸1、機械式伝動機構2、合流機構3、液圧式伝動機構4、二重環状機構5、、及び出力軸6、クラッチ部品、及びブレーキ部品が含まれる。
【0022】
上記の機械式伝動機構2は、機械式伝動の左歯車対201、第5のクラッチC5202、機械式伝動の右歯車対203、及び第6のクラッチC6204が含まれ、上記の合流機構3は、左遊星キャリア軸301、左リングギア302、第1のブレーキB1303、左遊星キャリア304、左太陽歯車305、第2のブレーキB2306、第3のブレーキB3505、右リングギア307、右太陽歯車308、右遊星キャリア309、右太陽歯車軸310、第7のクラッチC7311、第1の合流出力歯車対312、第8のクラッチC8313、第2の合流出力歯車対314、第11のクラッチC11315、第3の合流出力歯車対316、第9のクラッチC9317、第4の合流出力歯車対318、第10のクラッチC10319が含まれ、上記の右リングギア307は左遊星キャリア304に接続され、上記の左太陽歯車305は右太陽歯車308に接続され、
上記の第5のクラッチC5202は、入力軸1を機械式伝動の左歯車対201に介して左遊星キャリア304の左遊星キャリア軸301に選択的に接続するために使用され、上記の第6のクラッチC6204は、入力軸1を機械式伝動の右歯車対203に介して右太陽歯車308の右太陽歯車軸310に選択的に接続するために使用され、上記の第7のクラッチC7311は、左リングギア302を第1の合流出力歯車対312に介して出力軸6に選択的に接続するために使用され、上記の第8のクラッチC8313は、左リングギア302を第2の合流出力歯車対314に介して出力軸6に選択的に接続するために使用され、上記の第9のクラッチC9317は、右遊星キャリア309を第3の合流出力歯車対316に介して出力軸6に選択的に接続するために使用され、上記の第10のクラッチC10319は、右遊星キャリア309を第4の合流出力歯車対318に介して出力軸6に選択的に接続するために使用され、上記の第11のクラッチC11315は、左遊星キャリア304を左太陽歯車305に選択的に接続するために使用される。上記の第1のブレーキB1303は、左リングギア302を固定部に選択的に接続するために使用され、上記の第2のブレーキB2306は、右リングギア307を固定部に選択的に接続するために使用され、上記の第3のブレーキB3505は、左遊星キャリア304を固定部に選択的に接続するために使用される。
【0023】
上記の液圧式伝動機構4は、液圧式伝動の入力歯車対401、第3のクラッチC3402、液圧ポンプの入力軸403、液圧式伝動の出力歯車対405、第4のクラッチC4406、液圧モーターの出力軸407が含まれ、
上記の第3のクラッチC3402は、入力軸1を液圧式伝動の入力歯車対401に介して液圧ポンプの入力軸403に接続し、上記の第4のクラッチC4406は、液圧モーターの出力軸407を液圧式伝動の出力歯車対405に介して右太陽歯車308に接続する。
【0024】
上記の二重環状伝動機構5は、二重環状の出力歯車対501、第2のクラッチC2502、二重環状の出力軸503、環状機構504、二重環状の入力軸506、第1のクラッチC1507、二重環状の入力歯車対508が含まれ、上記の第1のクラッチC1507は、二重環状の入力軸506を入力軸1に接続するために使用され、第2のクラッチC2502は、二重環状の出力歯車対501を二重環状の出力軸503に接続するために使用される。
【0025】
二重環状機構5のギア比を調整すること、液圧式伝動機構4の排気量比を調整すること、及び上記のクラッチ部品及びブレーキ部品の接合を選択的に制御することにより、提供された入力軸1と出力軸6との間の伝動方式は、機械式伝動、二重環状伝動、液圧式伝動、機械-二重環状複合伝動、及び機械-液圧複合伝動が含まれる。各伝動モードの接合素子は、表1に示される。具体的には、次の通りである。
【0026】
【表1】
ここで、▲は実行素子が接合状態にあることを表し、△は実行素子が分離状態にあることを表し、n
0(M1)は機械式伝動M1の出力回転数であり、n
0(M2)は機械式伝動M2の出力回転数であり、n
0(T1)は二重環状伝動T1の出力回転数であり、n
0(T2)は二重環状伝動T2の出力回転数であり、n
0(T3)は二重環状伝動T3の出力回転数であり、n
0(T4)は二重環状伝動T4の出力回転数であり、n
0(H1)は液圧式伝動H1の出力回転数であり、n
0(H2)は液圧式伝動H2の出力回転数であり、n
0(H3)は液圧式伝動H3の出力回転数であり、n
0(H4)は液圧式伝動H4の出力回転数であり、n
0(MT1)は機械-二重環状伝動MT1の出力回転数であり、n
0(MT2)は機械-二重環状伝動MT2の出力回転数であり、n
0(MT3)は機械-二重環状伝動MT3の出力回転数であり、n
0(MT4)は機械-二重環状伝動MT4の出力回転数であり、n
0(MH1)は機械-液圧式伝動MH1の出力回転数であり、n
0(MH2)は機械-液圧式伝動MH2の出力回転数であり、n
0(MH3)は機械-液圧式伝動MH3の出力回転数であり、n
0(MH4)は機械-液圧式伝動MH4の出力回転数であり、n
Iはエンジンの回転数であり、k
1は合流機構の左遊星歯車機構の遊星歯車の特性パラメーターであり、k
2は合流機構の右遊星歯車機構の遊星歯車の特性パラメーター、i
1は二重環状の入力歯車対508のギア比であり、i
2は二重環状の出力歯車対501のギア比であり、i
3は液圧式伝動の入力歯車対401のギア比であり、i
4は液圧式伝動の出力歯車対405のギア比であり、i
5は機械式伝動の左歯車対201のギア比であり、i
6は機械式伝動の右歯車対203のギア比であり、i
7は第1の合流出力歯車対312のギア比であり、i
8i
9は第2の合流出力歯車対314のギア比であり、i
10は第3の合流出力歯車対316のギア比であり、i
11i
12は第4の合流出力歯車対318のギア比であり、i
T1i
T2は環状機構504のギア比であり、eは液圧式伝動機構の排気量比である。
【0027】
図2に示されるように、機械式伝動M1伝動では、第5のクラッチC
5202、第7のクラッチC
7311、及び第11のクラッチC
11315のみが接合され、その時、入力軸1に伝達されるエンジンの動力が機械式伝動の左歯車対201と第5のクラッチC
5202に介して左遊星キャリア304を駆動し、その時、合流機構3の左右遊星歯車は一体に固定して接続され、動力が第1の合流出力歯車対312に伝達されて第7のクラッチC
7311に介して出力軸6に伝達され、動力が出力軸6から出力される。
【0028】
図3に示されるように、機械式伝動M2伝動では、第5のクラッチC
5202、第8のクラッチC
8313及び第11のクラッチC
11315のみが接合され、その時、入力軸1に伝達されるエンジンの動力が機械式伝動の左歯車対201と第5のクラッチC
5202に介して左遊星キャリア304を駆動し、その時、合流機構3の左右遊星歯車は一体に固定して接続され、動力が第2の合流出力歯車対314に伝達されて第8のクラッチC
8313に介して出力軸6に伝達され、動力が出力軸6から出力される。
【0029】
図4に示されるように、二重環状伝動T1伝動では、第1のクラッチC
1507、第2のクラッチC
2502、第9のクラッチC
9317、及び第1のブレーキB
1303のみが接合され、その時、入力軸1に伝達されるエンジンの動力が二重環状の入力歯車対508、二重環状の入力軸506、第1のクラッチC
1507、二重環状機構504、二重環状の出力歯車対501、及び第2のクラッチC
2502に介して合流機構3の左遊星キャリア304を駆動し、右リングギア307、右遊星キャリア309、及び第3の合流出力歯車対316を介し、第9のクラッチC
9317に介して出力軸6に伝達され、動力が出力軸6から出力される。
【0030】
図5に示されるように、二重環状伝動T2伝動では、第1のクラッチC
1507、第2のクラッチC
2502、第10のクラッチC
10319、及び第1のブレーキB
1303のみが接合され、その時、入力軸1に伝達されるエンジンの動力が二重環状の入力歯車対508、二重環状の入力軸506、第1のクラッチC
1507、二重環状機構504、二重環状の出力歯車対501、及び第2のクラッチC
2502に介して合流機構3の左遊星キャリア304を駆動し、右リングギア307、右遊星キャリア309、及び第4の合流出力歯車対318を介し、第10のクラッチC
10319に介して出力軸6に伝達され、動力が出力軸6から出力される。
【0031】
図6に示されるように、二重環状伝動T3伝動では、第1のクラッチC
1507、第2のクラッチC
2502、第9のクラッチC
9317、及び第11のクラッチC
11315のみが接合され、その時、入力軸1に伝達されるエンジンの動力が二重環状の入力歯車対508、二重環状の入力軸506、第1のクラッチC
1507、二重環状機構504、二重環状の出力歯車対501、及び第2のクラッチC
2502に介して合流機構3の左遊星キャリア304を駆動し、その時、合流機構3の左右遊星歯車は一体に固定して接続され、動力が合流機構3に介して第3の合流出力歯車対316に伝達され、第9のクラッチC
9317に介して出力軸6に伝達され、動力が出力軸6から出力される。
【0032】
図7に示されるように、二重環状伝動T4伝動では、第1のクラッチC
1507、第2のクラッチC
2502、第10のクラッチC
10319、及び第11のクラッチC
11315のみが接合され、その時、入力軸1に伝達されるエンジンの動力が二重環状の入力歯車対508、二重環状の入力軸506、第1のクラッチC
1507、二重環状機構504、二重環状の出力歯車対501、及び第2のクラッチC
2502に介して合流機構3の左遊星キャリア304を駆動し、その時、合流機構3の左右遊星歯車は一体に固定して接続され、動力が合流機構3に介して第4の合流出力歯車対318に伝達され、第10のクラッチC
10319に介して出力軸6に伝達され、動力が出力軸6から出力される。
【0033】
図8に示されるように、液圧式伝動H1伝動では、第3のクラッチC
3402、第4のクラッチC
4406、第9のクラッチC
9317、第2のブレーキB
2306、及び第3のブレーキB
3505のみが接合され、その時、入力軸1に伝達されるエンジンの動力が液圧式伝動の入力歯車対401、第3のクラッチC
3402、液圧式伝動入力軸403、ポンプ制御モーター機構404、液圧式伝動出力軸407、第4のクラッチC
4406、液圧式伝動の出力歯車対405に介して右太陽歯車軸310を駆動し、合流機構3の右太陽歯車308、右遊星キャリア309、及び第3の合流出力歯車対316を介し、第9のクラッチC
9317に介して出力軸6に伝達され、動力が出力軸6から出力される。
【0034】
図9に示されるように、液圧式伝動H2伝動では、第3のクラッチC
3402、第4のクラッチC
4406、第10のクラッチC
10319、第2のブレーキB
2306、及び第3のブレーキB
3505のみが接合され、その時、入力軸1に伝達されるエンジンの動力が液圧式伝動の入力歯車対401、第3のクラッチC
3402、液圧式伝動入力軸403、ポンプ制御モーター機構404、液圧式伝動出力軸407、第4のクラッチC
4406、液圧式伝動の出力歯車対405に介して右太陽歯車軸310を駆動し、合流機構3の右太陽歯車308、右遊星キャリア309、及び第4の合流出力歯車対318を介し、第10のクラッチC
10319に介して出力軸6に伝達され、動力が出力軸6から出力される。
【0035】
図10に示されるように、液圧式伝動H3伝動では、第3のクラッチC
3402、第4のクラッチC
4406、第9のクラッチC
9317、及び第11のクラッチC
11315のみが接合され、その時、入力軸1に伝達されるエンジンの動力が液圧式伝動の入力歯車対401、第3のクラッチC
3402、液圧式伝動入力軸403、ポンプ制御モーター機構404、液圧式伝動出力軸407、第4のクラッチC
4406、液圧式伝動の出力歯車対405に介して右太陽歯車軸310を駆動し、その時、合流機構3の左右遊星歯車は一体に固定して接続され、動力が合流機構3に介して第3の合流出力歯車対316に伝達され、第9のクラッチC
9317に介して出力軸6に伝達され、動力が出力軸6から出力される。
【0036】
図11に示されるように、液圧式伝動H4伝動では、第3のクラッチC
3402、第4のクラッチC
4406、第10のクラッチC
10319、及び第11のクラッチC
11315のみが接合され、その時、入力軸1に伝達されるエンジンの動力が液圧式伝動の入力歯車対401、第3のクラッチC
3402、液圧式伝動入力軸403、ポンプ制御モーター機構404、液圧式伝動出力軸407、第4のクラッチC
4406、液圧式伝動の出力歯車対405に介して右太陽歯車軸310に駆動され、その時、合流機構3の左右遊星歯車は一体に固定して接続され、動力が合流機構3に介して第4の合流出力歯車対318に伝達され、第10のクラッチC
10319に介して出力軸6に伝達され、動力が出力軸6から出力される。
【0037】
図12に示されるように、機械-二重環状MT1複合伝動では、第1のクラッチC
1507、第2のクラッチC
2502、第6のクラッチC
6204、及び第7のクラッチC
7311のみが接合され、その時、エンジンから入力軸1に介して伝達された動力が2つの分路に伝達され、一つの分路が二重環状の入力歯車対508、二重環状の入力軸506、第1のクラッチC
1507、二重環状機構504、二重環状の出力歯車対501、及び第2のクラッチC
2502に介して合流機構3の左遊星キャリア304を駆動し、もう一つの分路が機械式伝動の右歯車対203及び第6のクラッチC
6204に介して左太陽歯車305を駆動し、2つの分路の動力が左リングギア302で合流してから、第1の合流出力歯車対312及び第7のクラッチC
7311に介して出力軸6に伝達され、動力が出力軸6から出力される。
【0038】
図13に示されるように、機械-二重環状MT2複合伝動では、第1のクラッチC
1507、第2のクラッチC
2502、第6のクラッチC
6204、及び第8のクラッチC
8313のみが接合され、その時、エンジンから入力軸1に伝達された動力が2つの分路に伝達され、一つの分路が二重環状の入力歯車対508、二重環状の入力軸506、第1のクラッチC
1507、二重環状機構504、二重環状の出力歯車対501、及び第2のクラッチC
2502に介して合流機構3の左遊星キャリア304を駆動し、もう一つの分路が機械式伝動の右歯車対203及び第6のクラッチC
6204に介して左太陽歯車305を駆動し、2つの分路の動力が左リングギア302で合流してから、第2の合流出力歯車対314及び第8のクラッチC
8313に介して出力軸6に伝達され、動力が出力軸6から出力される。
【0039】
図14に示されるように、機械-二重環状MT3複合伝動では、第1のクラッチC
1507、第2のクラッチC
2502、第6のクラッチC
6204、及び第9のクラッチC
9317のみが接合され、その時、エンジンから入力軸1に伝達された動力が2つの分路に伝達され、一つの分路が二重環状の入力歯車対508、二重環状の入力軸506、第1のクラッチC
1507、二重環状機構504、二重環状の出力歯車対501、及び第2のクラッチC
2502に介して合流機構3の左遊星キャリア304を駆動し、もう一つの分路が機械式伝動の右歯車対203及び第6のクラッチC
6204に介して右太陽歯車308を駆動し、2つの分路の動力が右遊星キャリア309で合流してから、第3の合流出力歯車対316及び第9のクラッチC
9317に介して出力軸6に伝達され、動力が出力軸6から出力される。
【0040】
図15に示されるように、機械-二重環状MT4複合伝動では、第1のクラッチC
1507、第2のクラッチC
2502、第6のクラッチC
6204、及び第10のクラッチC
10319のみが接合され、その時、エンジンから入力軸1に伝達された動力が2つの分路に伝達され、一つの分路が二重環状の入力歯車対508、二重環状の入力軸506、第1のクラッチC
1507、二重環状機構504、二重環状の出力歯車対501、及び第2のクラッチC
2502に介して合流機構3の左遊星キャリア304を駆動し、もう一つの分路が機械式伝動の右歯車対203及び第6のクラッチC
6204に介して右太陽歯車308を駆動し、2つの分路の動力が右遊星キャリア309で合流してから、第4の合流出力歯車対318及び第10のクラッチC
10319に介して出力軸6に伝達され、動力が出力軸6から出力される。
【0041】
図16に示されるように、機械-液圧MH1複合伝動では、第3のクラッチC
3402、第4のクラッチC
4406、第5のクラッチC
5202、及び第7のクラッチC
7311のみが接合され、その時、エンジンから入力軸1に伝達された動力が2つの分路に伝達され、一つの分路が液圧式伝動の入力歯車対401、第3のクラッチC
3402、液圧式伝動入力軸403、ポンプ制御モーター機構404、液圧式伝動出力軸407、第4のクラッチC
4406、液圧式伝動の出力歯車対405、右太陽歯車軸310、及び右太陽歯車308に介して左太陽歯車305を駆動し、もう一つの分路が機械式伝動の左歯車対203及び第5のクラッチC
5202に介して左遊星キャリア304を駆動し、2つの分路の動力が左リングギア302で合流してから、第1の合流出力歯車対312及び第7のクラッチC
7311に介して出力軸6に伝達され、動力が出力軸6から出力される。
【0042】
図17に示されるように、機械-液圧MH2複合伝動では、第3のクラッチC
3402、第4のクラッチC
4406、第5のクラッチC
5202、及び第8のクラッチC
8313のみが接合され、その時、エンジンから入力軸1に伝達された動力が2つの分路に伝達され、一つの分路が液圧式伝動の入力歯車対401、第3のクラッチC
3402、液圧式伝動入力軸403、ポンプ制御モーター機構404、液圧式伝動出力軸407、第4のクラッチC
4406、液圧式伝動の出力歯車対405、右太陽歯車軸310、及び右太陽歯車308に介して左太陽歯車305を駆動し、もう一つの分路が機械式伝動の左歯車対203及び第5のクラッチC
5202に介して左遊星キャリア304を駆動し、2つの分路の動力が左リングギア302で合流してから、第2の合流出力歯車対314及び第8のクラッチC
8313に介して出力軸6に伝達され、動力が出力軸6から出力される。
【0043】
図18に示されるように、機械-液圧MH3複合伝動では、第3のクラッチC
3402、第4のクラッチC
4406、第5のクラッチC
5202、及び第9のクラッチC
9317のみが接合され、その時、エンジンから入力軸1に伝達された動力が2つの分路に伝達され、一つの分路が液圧式伝動の入力歯車対401、第3のクラッチC
3402、液圧式伝動入力軸403、ポンプ制御モーター機構404、液圧式伝動出力軸407、第4のクラッチC
4406、液圧式伝動の出力歯車対405、及び右太陽歯車軸310に介して右太陽歯車308を駆動し、もう一つの分路が機械式伝動の左歯車対203、第5のクラッチC
5202、及び左遊星キャリア304に介して右リングギア307を駆動し、2つの分路の動力が右遊星キャリア309で合流してから、第3の合流出力歯車対316及び第9のクラッチC
9317に介して出力軸6に伝達され、動力が出力軸6から出力される。
【0044】
図19に示されるように、機械-液圧MH4複合伝動では、第3のクラッチC
3402、第4のクラッチC
4406、第5のクラッチC
5202、及び第10のクラッチC
10319のみが接合され、その時、エンジンから入力軸1に伝達された動力が2つの分路に伝達され、一つの分路が液圧式伝動の入力歯車対401、第3のクラッチC
3402、液圧式伝動入力軸403、ポンプ制御モーター機構404、液圧式伝動出力軸407、第4のクラッチC
4406、液圧式伝動の出力歯車対405、及び右太陽歯車軸310に介して右太陽歯車308を駆動し、もう一つの分路が機械式伝動の左歯車対203、第5のクラッチC
5202、及び左遊星キャリア304に介して右リングギア307を駆動し、2つの分路の動力が右遊星キャリア309で合流してから、第4の合流出力歯車対318及び第10のクラッチC
10319に介して出力軸6に伝達され、動力が出力軸6から出力される。
【0045】
図20に示されるように、二重環状機構5のギア比を調整すること、液圧式伝動機構4の排気量比を調整すること、及び上記のクラッチ部品の接合を選択的に制御することにより、H4で起動して前進し、出力回転数は液圧式伝動機構の排気量比eの増加に伴って線形的に増加し、e=1であると、液圧式伝動H3は正の最大値に達し、e・i
T∈[n
o(H4)=n
o(T4)]を満たし、かつe∈[0、1]であり、i
Tが決定されたギア比の範囲内である場合、液圧式伝動H4は二重環状伝動T4に同期的に切り替え、二重環状変速機構のギア比i
Tが最大値から最小値まで変わると、n
o(T4)が非線形的に増加し、二重環状伝動T2で前進し、出力回転数は二重環状変速機構のギア比i
Tの増加に伴って線形的に増加し、i
T=4であると、二重環状伝動T2は正の最大値に達し、e・i
T∈[n
o(T4)=n
o(T2)]を満たし、i
Tが決定されたギア比の範囲内である場合、二重環状伝動T2は二重環状伝動T4に同期的に切り替え、二重環状変速機構のギア比i
Tが最大値から最小値まで変わると、n
o(T4)が非線形的に増加し、H3で起動して後退し、出力回転数は液圧式伝動機構の排気量比eの増加に伴って線形的に増加し、e=1であると、液圧式伝動H4は負の最大値に達し、e・i
T∈[n
o(H3)=n
o(T3)]を満たし、かつe∈[0、1]であり、i
Tが決定されたギア比の範囲内である場合、液圧式伝動H3は二重環状伝動T3に同期的に切り替え、二重環状変速機構のギア比i
Tが最大値から最小値まで変わると、n
o(T3)が非線形的に増加し、二重環状伝動T1で後退し、出力回転数は二重環状変速機構のギア比i
Tの増加に伴って線形的に増加し、i
T=4であると、二重環状伝動T1は負の最大値に達し、e・i
T∈[n
o(T3)=n
o(T1)]を満たし、i
Tが決定されたギア比の範囲内である場合、二重環状伝動T1は二重環状伝動T3に同期的に切り替え、二重環状変速機構のギア比i
Tが最大値から最小値まで変わると、n
o(T3)が非線形的に増加する。
【0046】
図21に示されるように、二重環状機構5のギア比を調整すること、液圧式伝動機構4の排気量比を調整すること、及び上記のクラッチ部品の接合を選択的に制御することにより、機械-液圧複合伝動MH1で前進し、出力回転数は液圧式伝動機構の排気量比eの増加に伴って線形的に増加し、e=1であると、機械-液圧複合伝動MH1は正の最大値に達し、機械-二重環状複合伝動MT2で前進し、出力回転数はi
Tの増加に伴って非線形的に増加し、e・i
T∈[n
o(MT2)=n
o(MH3)]を満たし、かつe∈[0、1]であり、i
Tは決定されたギア比の範囲内である場合、機械-二重環状複合伝動MT2は機械-液圧複合伝動MH3に同期的に切り替え、液圧式伝動機構の排気量比eが最大値から最小値まで変わると、n
o(MH3)は線形的に増加し、e・i
T∈[n
o(MT4)=n
o(MH3)]を満たし、かつe∈[0、1]であり、i
Tは決定されたギア比の範囲内である場合、機械-液圧複合伝動MH3は機械-二重環状複合伝動MT4に同期的に切り替え、出力回転数は二重環状変速機構のギア比i
Tの増加に伴って非線形的に減少し、機械-液圧複合伝動MH2で後退し、出力回転数は液圧式伝動機構の排気量比eの増加に伴って線形的に増加し、e=1であると、機械-液圧複合伝動MH2は負の最大値に達し、機械-二重環状複合伝動MT1で後退し、出力回転数はi
Tの増加に伴って非線形的に増加し、e・i
T∈[n
o(MT1)=n
o(MH4)]を満たし、かつe∈[0、1]であり、i
Tは決定されたギア比の範囲内である場合、機械-二重環状複合伝動MT1は機械-液圧複合伝動MH4に同期的に切り替え、液圧式伝動機構の排気量比eが最大値から最小値まで変わると、n
o(MH4)は線形的に増加し、e・i
T∈[n
o(MT3)=n
o(MH4)]を満たし、かつe∈[0、1]であり、i
Tは決定されたギア比の範囲内である場合、機械-液圧複合伝動MH4は機械-二重環状複合伝動MT3に同期的に切り替え、出力回転数は二重環状変速機構のギア比i
Tの増加に伴って非線形的に減少する。
【0047】
以下、実施例を挙げて説明する。
主なパラメーターは、i1i2=0.5、i3i4=0.5、i5=2.5、i6=0.5、i7=1、i8i9=1、i10=1、i11i12=1、k1=1.6、k2=4、iT1∈[0.5、2]、iT2∈[0.5、2]、iT= iT1iT2∈[0.25、4]である。
【0048】
機械式伝動M1の出力-入力回転数の関係は、
【数19】
であり、
機械式伝動M2の出力-入力回転数の関係は、
【数20】
であり、
二重環状伝動T1の出力-入力回転数の関係は、
【数21】
であり、
二重環状伝動T2の出力-入力回転数の関係は、
【数22】
であり、
二重環状伝動T3の出力-入力回転数の関係は、
【数23】
であり、
二重環状伝動T4の出力-入力回転数の関係は、
【数24】
であり、
液圧式伝動H1の出力-入力回転数の関係は、
【数25】
であり、
液圧式伝動H2の出力-入力回転数の関係は、
【数26】
であり、
液圧式伝動H3の出力-入力回転数の関係は、
【数27】
であり、
液圧式伝動H4の出力-入力回転数の関係は、
【数28】
であり、
図20に示されるように、二重環状機構5のギア比を調整すること、液圧式伝動機構4の排気量比を調整すること、及び上記のクラッチ部品の接合を選択的に制御することにより、H4で起動して前進し、出力回転数は液圧式伝動機構の排気量比eの増加に伴って線形的に増加し、e=1であると、液圧式伝動H4は正の最大値2n
Iに達し、e・i
T∈[n
o(H4)=n
o(T4)=2n
I]を満たし、かつe=1であり、i
T=1である場合、液圧式伝動H4は二重環状伝動T4に同期的に切り替え、二重環状変速機構のギア比i
Tが最大値から最小値まで変わると、n
o(T4)が非線形的に増加し、二重環状伝動T2で前進し、出力回転数は二重環状変速機構のギア比i
Tの増加に伴って線形的に増加し、i
T=4であると、二重環状伝動T2は正の最大値2.64n
Iに達し、e・i
T∈[n
o(T4)=n
o(T2)=1.156 n
I]を満たし、i
T=1.75である場合、二重環状伝動T2は二重環状伝動T4に同期的に切り替え、二重環状変速機構のギア比i
Tが最大値から最小値まで変わると、n
o(T4)が非線形的に増加し、H3で起動して後退し、出力回転数は液圧式伝動機構の排気量比eの増加に伴って線形的に増加し、e=1であると、液圧式伝動H4は負の最大値-2n
Iに達し、e・i
T∈[n
o(H3)=n
o(T3)= 2n
I]を満たし、かつe=1であり、i
T=1である場合、液圧式伝動H3は二重環状伝動T3に同期的に切り替え、二重環状変速機構のギア比i
Tが最大値から最小値まで変わると、n
o(T3)が非線形的に増加し、二重環状伝動T1で後退し、出力回転数は二重環状変速機構のギア比i
Tの増加に伴って線形的に増加し、i
T=4であると、二重環状伝動T1は負の最大値-2.64 n
Iに達し、e・i
T∈[n
o(T3)=n
o(T1)=-1.156n
I]を満たし、i
T=1.75である場合、二重環状伝動T1は二重環状伝動T3に同期的に切り替え、二重環状変速機構のギア比i
Tが最大値から最小値まで変わると、n
o(T4)が非線形的に増加する。
【0049】
機械-二重環状複合伝動MT1の出力-入力回転数の関係は、
【数29】
であり、
機械-二重環状複合伝動MT2の出力-入力回転数の関係は、
【数30】
であり、
機械-二重環状複合伝動MT3の出力-入力回転数の関係は、
【数31】
であり、
機械-二重環状複合伝動MT4の出力-入力回転数の関係は、
【数32】
であり、
機械-液圧複合伝動MH1の出力-入力回転数の関係は、
【数33】
であり、
機械-液圧複合伝動MH2の出力-入力回転数の関係は、
【数34】
であり、
機械-液圧複合伝動MH3の出力-入力回転数の関係は、
【数35】
であり、
機械-液圧複合伝動MH4の出力-入力回転数の関係は、
【数36】
であり、
図21に示されるように、二重環状機構5のギア比を調整すること、液圧式伝動機構4の排気量比を調整すること、及び上記のクラッチ部品の接合を選択的に制御することにより、機械-液圧複合伝動MH1で前進し、出力回転数は液圧式伝動機構の排気量比eの増加に伴って線形的に増加し、e=1であると、機械-液圧複合伝動MH1は正の最大値1.9n
Iに達し、機械-二重環状複合伝動MT2で前進し、出力回転数はi
Tの増加に伴って非線形的に増加し、e・i
T∈[n
o(MT2)=n
o(MH3)=0.14n
I]を満たし、かつe=0.575であり、i
T=0.575である場合、機械-二重環状複合伝動MT2は機械-液圧複合伝動MH3に同期的に切り替え、液圧式伝動機構の排気量比eが最大値から最小値まで変わると、n
o(MH3)は線形的に増加し、e・i
T∈[n
o(MT4)=n
o(MH3)=0.0625n
I]を満たし、かつe=0.7であり、i
T=0.7である場合、機械-液圧複合伝動MH3は機械-二重環状複合伝動MT4に同期的に切り替え、出力回転数は二重環状変速機構のギア比i
Tの増加に伴って非線形的に減少し、機械-液圧複合伝動MH2で後退し、出力回転数は液圧式伝動機構の排気量比eの増加に伴って線形的に増加し、e=1であると、機械-液圧複合伝動MH2は負の最大値-1.9n
Iに達し、機械-二重環状複合伝動MT1で後退し、出力回転数はi
Tの増加に伴って非線形的に増加し、e・i
T∈[n
o(MT1)=n
o(MH4)=-0.14n
I]を満たし、かつe=0.575であり、i
T=0.575である場合、機械-二重環状複合伝動MT1は機械-液圧複合伝動MH4に同期的に切り替え、液圧式伝動機構の排気量比eが最大値から最小値まで変わると、n
o(MH4)は線形的に増加し、e・i
T∈[n
o(MT3)=n
o(MH4)=-0.0625n
I]を満たし、かつe=0.7であり、i
T=0.7である場合、機械-液圧複合伝動MH4は機械-二重環状複合伝動MT3に同期的に切り替え、出力回転数は二重環状変速機構のギア比i
Tの増加に伴って非線形的に減少する。
【0050】
本明細書は様々な実施例に従って説明されているが、各実施例が独立した実施形態のみを含むわけではなく、説明書のこのような記載方式がはっきりしたためだけであるので、当業者は明細書を全体にみなしなければいけなく、各実施例の実施形態を適切に組み合わせて、当業者が理解できる他の実施形態にしてもいい。
【0051】
上記の一連の詳細な説明は、本発明の実行可能な実施例の特定の説明にすぎず、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の技術的精神から逸脱しない変更は、すべて本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0052】
1 入力軸
2 機械式伝動機構
3 合流機構
4 液圧式伝動機構
5 二重環状機構
6 出力軸
201 機械式伝動の左歯車対
202 第5のクラッチC5
203 機械式伝動の右歯車対
204 第6のクラッチC6
301 左遊星キャリア軸
302 左リングギア
303 第1のブレーキB1
304 左遊星キャリア
305 左太陽歯車
306 第2のブレーキB2
307 右リングギア
308 右太陽歯車
309 右遊星キャリア
310 右太陽歯車軸
311 第7のクラッチC7
312 第1の合流出力歯車対
313 第8のクラッチC8
314 第2の合流出力歯車対
315 第11のクラッチC11
316 第3の合流出力歯車対
317 第9のクラッチC9
318 第4の合流出力歯車対
319 第10のクラッチC10
401 液圧式伝動の入力歯車対
402 第3のクラッチC3
403 液圧ポンプの入力軸
404 ポンプ制御モーター機構
405 液圧式伝動の出力歯車対
406 第4のクラッチC4
407 液圧モーターの出力軸
501 二重環状の出力歯車対
502 第2のクラッチC2
503 二重環状の出力軸
504 環状機構
505 第3のブレーキB3
506 二重環状の入力軸
507 第1のクラッチC1
508 二重環状の入力歯車対