(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】アンテナ装置および集合化されたアンテナ装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 1/12 20060101AFI20240708BHJP
H01Q 1/40 20060101ALI20240708BHJP
H01Q 21/20 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
H01Q1/12 D
H01Q1/40
H01Q21/20
(21)【出願番号】P 2020141129
(22)【出願日】2020-08-24
【審査請求日】2023-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000227892
【氏名又は名称】日本アンテナ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102635
【氏名又は名称】浅見 保男
(74)【代理人】
【識別番号】100199820
【氏名又は名称】西脇 博志
(72)【発明者】
【氏名】岸本 知久
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 毅
【審査官】赤穂 美香
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-266825(JP,A)
【文献】特開平07-245489(JP,A)
【文献】特表2020-506604(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0118196(US,A1)
【文献】特開2002-153334(JP,A)
【文献】実開平03-104506(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0348752(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/12
H01Q 1/40
H01Q 21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦方向に細長い樹脂製の本体部にアンテナが内蔵されており、
前記本体部は、両側面にテーパ部が形成されて前面より背面の横幅が狭くされ、背面の内側には嵌挿空間部が貫通孔として形成されており、背面の上端から中央に向かうと共に背面の下端から中央に向かう幅の狭い縦方向の溝部が、前記嵌挿空間部に通じるようにそれぞれ形成され
、前記嵌挿空間部と前面との間に基板挿入空間が貫通孔として形成されて
、前記基板挿入空間にアンテナ素子とされるパターンが形成されているアンテナ基板が挿入されていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
アンテナ素子とされるパターンが面上に形成されているアンテナ基板からなるアンテナが本体部に内蔵されるアンテナ装置であって、
縦方向に細長い樹脂製とされ、両側面にテーパ部が形成されて前面より背面の横幅が狭くされ、背面の内側には嵌挿空間部が貫通孔として形成されており、背面の上端から中央に向かうと共に背面の下端から中央に向かう幅の狭い縦方向の溝部が、前記嵌挿空間部に通じるようにそれぞれ形成され、前記嵌挿空間部と前面との間に基板挿入空間が貫通孔として形成されているカバー部を備え、
前記本体部は、前記基板挿入空間に前記アンテナ基板が挿入されて、前記基板挿入空間に樹脂が充填されることにより形成されていることを特徴とするアンテナ装置。
【請求項3】
さらに、多角形の角筒部の各側面に所定間隔を持って縦に細長い平板部がそれぞれ対面しており、該平板部と前記角筒部の各側面とが所定間隔になるよう支持する長尺支持片が、前記平板部のほぼ中央部と前記角筒部の各側面のほぼ中央部とを連結するようそれぞれ形成され、前記角筒部の下端が台座に一体化されている基台を備え、
前記溝部に1の前記長尺支持片を挿入することにより、前記嵌挿空間部に1の前記平板部が嵌挿されて固着されることを特徴とする請求項1または2記載のアンテナ装置。
【請求項4】
請求項1または2記載のアンテナ装置を第1アンテナ装置および第2アンテナ装置として、前記第1アンテナ装置の前記
テーパ部を、前記第2アンテナ装置の前記
テーパ部に当接させて、前記
テーパ部同士を固着させることにより、前記第1アンテナ装置と前記第2アンテナ装置とが集合化されることを特徴とする集合化されたアンテナ装置。
【請求項5】
請求項1または2記載のアンテナ装置を第1アンテナ装置ないし第4アンテナ装置として、前記第1アンテナ装置ないし前記第4アンテナ装置における前記
テーパ部同士を当接させて、前記
テーパ部同士を固着させることにより、前記第1アンテナ装置ないし前記第4アンテナ装置が集合化されることを特徴とする集合化されたアンテナ装置。
【請求項6】
多角形の角筒部の各側面に所定間隔を持って縦に細長い平板部がそれぞれ対面しており、該平板部と前記角筒部の各側面とが所定間隔になるよう支持する長尺支持片が、前記平板部のほぼ中央部と前記角筒部の各側面のほぼ中央部とを連結するようそれぞれ形成され、前記角筒部の下端が台座に一体化されている基台と、
請求項1または2記載のアンテナ装置を複数備え、
複数の前記アンテナ装置のそれぞれの前記溝部に
前記長尺支持片をそれぞれ挿入することにより、前記嵌挿空間部に前記平板部のそれぞれが嵌挿されて前記基台に複数の前記アンテナ装置が固着されて、複数の前記アンテナ装置が集合化されることを特徴とする集合化されたアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナを個別に設置する必要がなく、通信方式によってアンテナの本数の組み替えを容易に行うことができるアンテナ装置および集合化されたアンテナ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のMIMO(Multiple Input Multiple Output)に対応できるアンテナ装置が特許文献1に開示されており、特許文献1の従来のアンテナ装置の構成を
図26および
図27に示す。
図26は従来のアンテナ装置100の構成を斜視図で示す図であり、
図27は従来のアンテナ装置100の構成を示す分解斜視図である。
これらの図に示すアンテナ装置100は、断面コ字状のカバー91と、カバー91の開放面を閉塞するよう嵌合されるベース92からなる筐体90の内部に、おもて面と裏面にそれぞれアンテナが形成されている基板110が収納されている。第1エレメント111と第1給電整合部111bのパターンが表面に、図示しない第2エレメントと第2給電整合部111bのパターンが裏面に形成されている基板110において、第1給電整合部111bに接続された同軸ケーブル93aが導出されていると共に、第2給電整合部に接続された同軸ケーブル93bが導出されている。
【0003】
ベース92の内面側のほぼ中央部にすり割りが形成された丸ボス92aが突出するよう形成され、上部の両側には板状の角ボス92bがそれぞれ縦方向に対面して形成されており、下端には底部92cが形成されている。ベース92の丸ボス92aを基板110の丸孔110aに嵌入すると共に、ベース92の一対の角ボス92bを基板110に形成されている一対の角穴110bに嵌入することにより、基板110がベース92に位置決めされて固着される。
図26に示すアンテナ装置100に組み立てる際には、ベース92に基板110を固着する。次いで、この基板110をカバー91の開放面から内部に挿入して、基板110をカバー91内に保持させ、このカバー91の開放面を閉塞するようベース92をカバー91内に押し込んでいくと、カバー91がベース92に係合するようになる。これにより、カバー91の開放面がベース92により閉塞された従来のアンテナ装置100が組み立てられる。なお、カバー91およびベース92は合成樹脂製とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、IoT(Internet of Things)の普及に伴い、多種多様な機器に接続され、通信回線の多様化により搭載するアンテナの本数が様々となっている。例えば、1本のアンテナを複数箇所に設置したり、MIMOとして複数本のアンテナが一体化されたアンテナ装置が選定されたりする。
しかしながら、従来のアンテナ装置は2本のアンテナを備えており、2本のアンテナを備える基板を組み合わせることは可能とされているものの、現場でアンテナの本数を自由設置することは困難であった。
【0006】
そこで、本発明はアンテナを個別に設置する必要がなく、通信方式によってアンテナの本数の組み替えを容易に行うことができるアンテナ装置および集合化されたアンテナ装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかるアンテナ装置は、縦方向に細長い樹脂製の本体部にアンテナが内蔵されており、前記本体部は、両側面にテーパ部が形成されて前面より背面の横幅が狭くされ、背面の内側には嵌挿空間部が貫通孔として形成されており、背面の上端から中央に向かうと共に背面の下端から中央に向かう幅の狭い縦方向の溝部が、前記嵌挿空間部に通じるようにそれぞれ形成されていることを最も主要な特徴としている。
また、本発明にかかるアンテナ装置は、アンテナ素子とされるパターンが面上に形成されているアンテナ基板からなるアンテナが本体部に内蔵されるアンテナ装置であって、縦方向に細長い樹脂製とされ、両側面にテーパ部が形成されて前面より背面の横幅が狭くされ、背面の内側には嵌挿空間部が貫通孔として形成されており、背面の上端から中央に向かうと共に背面の下端から中央に向かう幅の狭い縦方向の溝部が、前記嵌挿空間部に通じるようにそれぞれ形成され、前記嵌挿空間部と前面との間に基板挿入空間が貫通孔として形成されているカバー部を備え、前記本体部は、前記基板挿入空間に前記アンテナ基板が挿入されて、前記基板挿入空間に樹脂が充填されることにより形成されていることを最も主要な特徴としている。
さらに、本発明にかかるアンテナ装置において、多角形の角筒部の各側面に所定間隔を持って縦に細長い平板部がそれぞれ対面しており、該平板部と前記角筒部の各側面とが所定間隔になるよう支持する長尺支持片が、前記平板部のほぼ中央部と前記角筒部の各側面のほぼ中央部とを連結するようそれぞれ形成され、前記角筒部の下端が台座に一体化されている基台を備え、前記溝部に1の前記長尺支持片を挿入することにより、前記嵌挿空間部に1の前記平板部が嵌挿されて固着されるようにしてもよい。
【0008】
さらにまた、本発明にかかる集合化されたアンテナ装置は、請求項1または2記載のアンテナ装置を第1アンテナ装置および第2アンテナ装置として、前記第1アンテナ装置の前記テーパ面を、前記第2アンテナ装置の前記テーパ面に当接させて、前記テーパ面同士を固着させることにより、前記第1アンテナ装置と前記第2アンテナ装置とが集合化されることを特徴としている。
さらにまた、本発明にかかる集合化されたアンテナ装置は、請求項1または2記載のアンテナ装置を第1アンテナ装置ないし第4アンテナ装置として、前記第1アンテナ装置ないし前記第4アンテナ装置における前記テーパ面同士を当接させて、前記テーパ面同士を固着させることにより、前記第1アンテナ装置ないし前記第4アンテナ装置が集合化されることを特徴としている。
さらにまた、本発明にかかる集合化されたアンテナ装置は、多角形の角筒部の各側面に所定間隔を持って縦に細長い平板部がそれぞれ対面しており、該平板部と前記角筒部の各側面とが所定間隔になるよう支持する長尺支持片が、前記平板部のほぼ中央部と前記角筒部の各側面のほぼ中央部とを連結するようそれぞれ形成され、前記角筒部の下端が台座に一体化されている基台と、請求項1または2記載のアンテナ装置を複数備え、複数の前記アンテナ装置のそれぞれの前記溝部に前記各面に対面している前記長尺支持片をそれぞれ挿入することにより、前記嵌挿空間部に前記平板部のそれぞれが嵌挿されて前記基台に複数の前記アンテナ装置が固着されて、複数の前記アンテナ装置が集合化されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明のアンテナ装置および集合化されたアンテナ装置は、両側面にテーパ部が形成されていることから、テーパ部同士を当接して固着することにより複数のアンテナ装置を集合化することができる。また、背面に溝部を設け、この溝部に基台の長尺支持片を挿入することにより、嵌挿空間部に基台の平板部が嵌挿されて固着されることにより、複数のアンテナ装置を集合化することができる。これにより、本発明にかかるアンテナ装置および集合化されたアンテナ装置は、アンテナを個別に設置する必要がなく、通信方式によってアンテナの本数の組み替えを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1実施例のアンテナ装置の構成を示す斜視図および他の斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施例のアンテナ装置にかかる構成を示す上面図、正面図、下面図である。
【
図3】本発明の第1実施例のアンテナ装置にかかる構成を示す側面図および背面図である。
【
図4】本発明の第1実施例のアンテナ装置にかかる作成工程を示す斜視図である。
【
図5】本発明の第1実施例のアンテナ装置におけるカバー部の下面の構成を示す斜視図である。
【
図6】本発明の第1実施例のアンテナ装置におけるアンテナモールド体の構成を示す図である。
【
図7】本発明の第1実施例のアンテナ装置が集合化された構成を示す斜視図である。
【
図8】本発明の第1実施例のアンテナ装置が集合化された他の構成を示す斜視図である。
【
図9】本発明の第1実施例のアンテナ装置を基台に取り付けた構成を示す斜視図である。
【
図10】本発明の第1実施例のアンテナ装置を基台に取り付けて集合化した構成を示す斜視図である。
【
図11】本発明の第1実施例のアンテナ装置を基台に取り付けて集合化した他の構成を示す斜視図である。
【
図12】本発明にかかるアンテナ装置が取り付けられる基台の構成を示す斜視図である。
【
図13】本発明の第2実施例のアンテナ装置を基台に取り付けた構成を示す斜視図である。
【
図14】本発明の第2実施例のアンテナ装置にかかる作成工程を示す斜視図である。
【
図15】本発明の第2実施例のアンテナ装置におけるカバー部の下面の構成を示す斜視図である。
【
図16】本発明の第2実施例のアンテナ装置におけるアンテナモールド体の構成を示す図である。
【
図17】本発明の第2実施例のアンテナ装置を基台に取り付けた構成を示す斜視図である。
【
図18】本発明の第2実施例のアンテナ装置を基台に取り付けて集合化した構成を示す斜視図である。
【
図19】本発明の第2実施例のアンテナ装置を基台に取り付けて集合化した他の構成を示す斜視図である。
【
図20】本発明の第1実施例の変形例のアンテナ装置の構成を示す斜視図および他の斜視図である。
【
図21】本発明の第1実施例の変形例のアンテナ装置にかかる構成を示す上面図、正面図、下面図である。
【
図22】本発明の第1実施例の変形例のアンテナ装置にかかる構成を示す側面図および背面図である。
【
図23】本発明の第2実施例の変形例のアンテナ装置を基台に取り付けた構成を示す斜視図である。
【
図24】本発明の第2実施例の変形例のアンテナ装置を基台に取り付けて集合化した構成を示す斜視図である。
【
図25】本発明の第2実施例の変形例のアンテナ装置を基台に取り付けて集合化した他の構成を示す斜視図である。
【
図26】従来のアンテナ装置の構成を示す斜視図である。
【
図27】従来のアンテナ装置の構成を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<第1実施例>
本発明の第1実施例のアンテナ装置1の構成を
図1ないし
図3に示す。
図1(a)は第1実施例のアンテナ装置1の構成を示す正面方向から見た斜視図、
図1(b)は背面方向から見た斜視図、
図2(a)は上面図、
図2(b)は正面図、
図2(c)は下面図、
図3(a)は側面図、
図3(b)は背面図である。
これらの図に示す第1実施例のアンテナ装置1は、本体部10から構成されており、本体部10は、高周波特性の良好な絶縁性の樹脂をモールドして作成されている。本体部10の内部に、後述するようにプリントパターンによるアンテナ素子が面上に形成されたアンテナ基板が内蔵されている。本体部10の両側面は中途からテーパ部10dが形成されて、前面の横幅より背面の横幅が狭くされている。本体部10は、縦に長い形状とされ、前面は矩形状とされ、上面から見ると台形状に形成されている。本体部10の背面のほぼ中央には、
図1(b)および
図3(b)に示すように縦方向に細長い第1溝部10aおよび第2溝部10bが形成されている。第1溝部10aは、上端から中央に向かって所定長さで形成され、第2溝部10bは、下端から中央に向かって所定長さで形成されている。また、本体部10を貫通する貫通孔として背面の内側に嵌挿空間部10cが形成されている。この嵌挿空間部10cと第1溝部10aおよび第2溝部10bは、アンテナ装置1を後述する基台に取り付ける際の固着手段として用いられ、第1溝部10aおよび第2溝部10bは嵌挿空間部10cに通じている。
【0012】
次に、第1実施例のアンテナ装置1の作成工程を
図4ないし
図6により説明する。
図4は本発明の第1実施例のアンテナ装置1の作成工程を示す斜視図であり、
図5は本体部10を構成するカバー部11の下面の構成を示す斜視図であり、
図6はカバー部11内に形成されるアンテナモールド体の構成を示す斜視図である。
図4に示すように、本体部10はカバー部11により構成されており、前述した本体部10の構成をカバー部11は備えており、さらに、
図5に示すようにカバー部11にはカバー部11を貫通する貫通孔として基板挿入空間11aが前面と嵌挿空間部10cとの間に形成されている。この基板挿入空間11aに
図4に示すように下方向からアンテナ基板12を挿入する。アンテナ基板12には、おもて面および裏面にプリントパターンによるアンテナ素子が形成されている。基板挿入空間11aにアンテナ基板12を挿入した後に、基板挿入空間11a内に樹脂を充填する。これにより、本体部10が形成される。この場合、基板挿入空間11a内にアンテナ基板12が充填されたアンテナモールド体13が形成され、このアンテナモールド体13の構成を示す斜視図が
図6に示されている。
【0013】
第1実施例のアンテナ装置1は複数本を容易に集合化して集合化されたアンテナ装置とすることができる。第1実施例のアンテナ装置1である2本のアンテナ装置1-1とアンテナ装置1-2とを集合化したアンテナ装置の構成を示す斜視図を
図7に示す。
図7には2本の第1実施例のアンテナ装置1が集合化されたアンテナ装置の構成を示す斜視図が示されている。この図に示すように、集合化されたアンテナ装置では、アンテナ装置1-1のテーパ部10d-1とアンテナ装置1-2のテーパ部10d-2とが当接されて、テーパ部10d-1とテーパ部10d-2同士が接着剤や両面テープ等で接着されている。これにより、集合化されたアンテナ装置では、アンテナ装置1-1とアンテナ装置1-2とがほぼ90°で配置されるようになる。
【0014】
また、第1実施例のアンテナ装置1である4本のアンテナ装置1-1ないしアンテナ装置1-4が集合化されたアンテナ装置を
図8に示す。
図8には4本の第1実施例のアンテナ装置1が集合化されたアンテナ装置の構成を示す斜視図が示されている。
この図に示すように、集合化されたアンテナ装置では、アンテナ装置1-1の一方のテーパ部10dがアンテナ装置1-2の一方のテーパ部10dに当接されると共に、アンテナ装置1-1の他方のテーパ部10dがアンテナ装置1-3の一方のテーパ部10dに当接される。また、アンテナ装置1-4の一方のテーパ部10dがアンテナ装置1-2の他方のテーパ部10dに当接されると共に、アンテナ装置1-4の他方のテーパ部10dがアンテナ装置1-3の他方のテーパ部10dに当接される。4本のアンテナ装置1-1ないしアンテナ装置1-4における当接されたテーパ部10d同士が接着剤や両面テープ等で接着されている。これにより、4本のアンテナ装置1-1ないしアンテナ装置1-4が集合化されたアンテナ装置では、アンテナ装置1-1とアンテナ装置1-2およびアンテナ装置1-3とがほぼ90°で配置され、アンテナ装置1-4とアンテナ装置1-2およびアンテナ装置1-3とがほぼ90°で配置され、アンテナ装置1-1の背面とアンテナ装置1-4との背面が対面され、アンテナ装置1-2の背面とアンテナ装置1-3との背面が対面されるようになる。
なお、
図8に示す集合化されたアンテナ装置において、アンテナ装置1-1ないしアンテナ装置1-4のいずれかのアンテナ装置を省くようにすると、第1実施例のアンテナ装置1である3本のアンテナ装置が集合化されたアンテナ装置とすることができる。このように、第1実施例のアンテナ装置1は複数本を容易に集合化して集合化されたアンテナ装置とすることができる。
【0015】
本発明の第1実施例のアンテナ装置1は、基台に取り付けることができる。本発明の第1実施例のアンテナ装置1を基台50に取り付けた構成を示す斜視図を
図9に示す。
図9に示す構成を説明する前に、基台50の構成を説明する。
図12は基台50の構成を斜視図である。
図12に示す基台50は、アンテナ取付部51と、アンテナ取付部51の下端が一体化された台座52とから構成されている。アンテナ取付部51は、縦方向に延伸され断面が矩形状とされた角筒部51aから構成されており、角筒部51aの4つの側面には、縦に細長い矩形状の平板部51bが側面に所定間隔を持って対面されており、平板部51bの裏面におけるほぼ中央部と対面している側面のほぼ中央部とが、厚さが薄くて縦に細長い長尺支持片51cで一体に連結されている。この長尺支持片51cにより、平板部51bと角筒部51aの側面とが所定間隔になるよう平板部51bが支持される。この平板部51bと長尺支持片51cとは、角筒部51aの4つの側面にそれぞれ設けられている。
また、台座52は、アンテナ取付部51の下端が一体化され、アンテナ取付部51の対角線より径の大きい第1円柱部52aと、第1円柱部52aより径が大きくされ第1円柱部52aの下に設けられた第2円柱部52bとから構成されている。
【0016】
上記説明した基台50に第1実施例のアンテナ装置1を取り付ける場合は、アンテナ装置1が有する第1溝部10aあるいは第2溝部10bと嵌挿空間部10cとを利用して取り付ける。すなわち、例えば第2溝部10bに基台50における長尺支持片51cを位置合わせすると共に、嵌挿空間部10cに平板部51bを位置合わせする。長尺支持片51cの厚さは、第1溝部10aあるいは第2溝部10bの幅より若干小さくされて、第1溝部10aあるいは第2溝部10bは長尺支持片51cに挿入可能とされている。また、平板部51bの幅より嵌挿空間部10cの内幅は大きくされており、平板部51bは嵌挿空間部10cに嵌挿可能とされている。そこで、位置合わせした第2溝部10bを長尺支持片51cに挿入していく。すると、これに合わせて嵌挿空間部10cに平板部51bが挿入されていくようになる。第2溝部10bの上端に長尺支持片51cの上端が当接するまで挿入していくことにより、アンテナ装置1は基台50に取り付けられるようになる。
なお、第1溝部10aを長尺支持片51cに位置合わせして、第1溝部10aに長尺支持片51cを挿入していくと、これに合わせて嵌挿空間部10cに平板部51bが挿入されていくようになる。このように、第1溝部10aを利用しても第2溝部10bを利用しても、アンテナ装置1を基台50に取り付けることができる。ただし、アンテナ装置1の上下の向きが互いに逆転して基台50に取り付けられるようになる。
【0017】
第1実施例のアンテナ装置1は複数本を基台50に取り付けることにより容易に集合化して集合化されたアンテナ装置とすることができる。第1実施例のアンテナ装置1である2本のアンテナ装置1-1とアンテナ装置1-2とを基台50に取り付けることにより集合化したアンテナ装置の構成を示す斜視図を
図10に示す。
図10に示す2本の第1実施例のアンテナ装置1が集合化されたアンテナ装置では、2本のアンテナ装置1-1とアンテナ装置1-2とが基台50に取り付けられている。この場合、アンテナ装置1-1の第1溝部10a-1あるいは第2溝部10b-1に基台50の1面における長尺支持片51cを位置合わせすると共に、嵌挿空間部10c-1に該長尺支持片51cに対応する平板部51bを位置合わせする。位置合わせした第1溝部10a-1あるいは第2溝部10b-1に長尺支持片51cを挿入していく。すると、これに合わせて嵌挿空間部10c-1に平板部51bが挿入されて、アンテナ装置1-1が基台50の1面に取り付けられるようになる。次いで、アンテナ装置1-2の第1溝部10a-2あるいは第2溝部10b-2に基台50の1面に対面する面における長尺支持片51cを位置合わせすると共に、嵌挿空間部10cに該長尺支持片51cに対応する平板部51bを位置合わせする。位置合わせした第1溝部10a-2あるいは第2溝部10b-2に長尺支持片51cを挿入していく。すると、これに合わせて嵌挿空間部10c-2に平板部51bが挿入されて、アンテナ装置1-2が基台50の1面に対面する面に取り付けられるようになる。このように、2本のアンテナ装置1-1とアンテナ装置1-2とを基台50に取り付けて集合化されたアンテナ装置とする場合は、アンテナ装置1-1とアンテナ装置1-2との背面同士が対面するよう集合化することができる。
【0018】
また、第1実施例のアンテナ装置1である4本のアンテナ装置1-1ないしアンテナ装置1-4を基台50に取り付けて集合化されたアンテナ装置を
図11に示す。
図11には4本の第1実施例のアンテナ装置1が集合化されたアンテナ装置の構成を示す斜視図が示されている。
この図に示すように、集合化されたアンテナ装置では、アンテナ装置1-1の第1溝部10a-1あるいは第2溝部10b-1に基台50の1面における長尺支持片51cが挿入されていると共に、該長尺支持片51cに対応する平板部51bがアンテナ装置1-1の嵌挿空間部10c-1に挿入されて、アンテナ装置1-1が基台50の1面に取り付けられている。また、アンテナ装置1-2の第1溝部10a-2あるいは第2溝部10b-2に基台50の1面に対面する面における長尺支持片51cが挿入されていると共に、該長尺支持片51cに対応する平板部51bがアンテナ装置1-2の嵌挿空間部10c-2に挿入されて、アンテナ装置1-2が基台50の1面に対面する面に取り付けられている。さらに、アンテナ装置1-3の第1溝部10a-3あるいは第2溝部10b-3に基台50の1面に隣接する面における長尺支持片51cが挿入されていると共に、該長尺支持片51cに対応する平板部51bがアンテナ装置1-3の嵌挿空間部10c-3に挿入されて、アンテナ装置1-3が基台50の1面に隣接する面に取り付けられている。さらにまた、アンテナ装置1-4の第1溝部10a-4あるいは第2溝部10b-4に基台50の1面に隣接する他の面における長尺支持片51cが挿入されていると共に、該長尺支持片51cに対応する平板部51bがアンテナ装置1-4の嵌挿空間部10c-4に挿入されて、アンテナ装置1-4が基台50の1面に隣接する他の面に取り付けられている。
【0019】
第1実施例のアンテナ装置1である4本のアンテナ装置1-1ないしアンテナ装置1-4を基台50に取り付けて集合化されたアンテナ装置では、アンテナ装置1-1とアンテナ装置1-3およびアンテナ装置1-4とがほぼ90°で配置され、アンテナ装置1-2とアンテナ装置1-3およびアンテナ装置1-4とがほぼ90°で配置され、アンテナ装置1-1の背面とアンテナ装置1-2との背面が対面され、アンテナ装置1-3の背面とアンテナ装置1-4との背面が対面されるようになる。
なお、
図11に示す集合化されたアンテナ装置において、アンテナ装置1-1ないしアンテナ装置1-4のいずれかのアンテナ装置を省くようにすると、第1実施例のアンテナ装置1である3本のアンテナ装置が集合化されたアンテナ装置とすることができる。このように、第1実施例のアンテナ装置1は複数本を容易に集合化して集合化されたアンテナ装置とすることができる。
【0020】
<第2実施例>
本発明の第2実施例のアンテナ装置2を基台50に取り付けた構成を示す斜視図を
図13に示す。
第2実施例のアンテナ装置2は、第1実施例のアンテナ装置1において下面から第1ケーブル25と第2ケーブル26とが導出された構成とされており、他の構成においては第1実施例のアンテナ装置1と同様の構成とされている。すなわち、第2実施例のアンテナ装置2は、本体部20から構成されており、本体部20は、高周波特性の良好な絶縁性の樹脂をモールドして作成されている。本体部20の内部に、後述するようにプリントパターンによるアンテナ素子が面上に形成されたアンテナ基板が内蔵されている。本体部20の両側面は中途からテーパ部10dが形成されて、前面の横幅より背面の横幅が狭くされている。本体部20は、縦に長い形状とされ、前面は矩形状とされ、上面から見ると台形状に形成されている。本体部20の背面のほぼ中央には、縦方向に細長い第1溝部10aおよび第2溝部10bが形成されている。第1溝部10aは、上端から中央に向かって所定長さで形成され、第2溝部10bは、下端から中央に向かって所定長さで形成されている。また、本体部20を貫通する貫通孔として背面の内側に嵌挿空間部10cが形成されている。この嵌挿空間部10cと第1溝部10aおよび第2溝部10bは、第2実施例のアンテナ装置2を基台50に取り付ける際の固着手段として用いられ、第1溝部10aおよび第2溝部10bは嵌挿空間部10cに通じている。
【0021】
次に、第2実施例のアンテナ装置2の作成工程を
図14ないし
図16により説明する。
図14は本発明の第2実施例のアンテナ装置2の作成工程を示す斜視図であり、
図15は本体部20を構成するカバー部21の下面の構成を示す斜視図であり、
図16はカバー部21内に形成されるアンテナモールド体の構成を示す斜視図である。
図14に示すように、本体部20はカバー部21により構成されており、前述した本体部20の構成をカバー部21は備えており、さらに、
図15に示すようにカバー部21にはカバー部21を貫通する貫通孔として基板挿入空間21aが前面と嵌挿空間部10cとの間に形成されている。この基板挿入空間21aに
図14に示すように下方向からアンテナ基板22を挿入する。アンテナ基板22には、おもて面および裏面にプリントパターンによるアンテナ素子が形成されており、アンテナ素子に給電する第1ケーブル25と、広帯域化する作用を奏する第2ケーブル26とが下方から導出されている。第2ケーブルはアンテナ素子のグランドに接続されている。基板挿入空間21aにアンテナ基板22を挿入した後に、基板挿入空間21a内に樹脂を充填する。これにより、本体部20が形成される。この場合、基板挿入空間21a内にアンテナ基板22が充填されたアンテナモールド体23が形成され、このアンテナモールド体23の構成を示す斜視図が
図16に示されている。
図16に示すように、アンテナモールド体23の下面には第1ケーブル25および第2ケーブル26を支持するケーブルブッシュ23aが一体に形成されている。また、第1ケーブル25および第2ケーブル26の下方から第2ケーブルブッシュ27が挿入されて、第1ケーブル25および第2ケーブル26の下端が支持されている。
【0022】
基台50は
図12に示す通りの構成とされており、基台50に第2実施例のアンテナ装置2を取り付ける場合は、アンテナ装置2が有する第1溝部10aあるいは第2溝部10bと嵌挿空間部10cとを利用して取り付ける。すなわち、例えば第2溝部10bに基台50における長尺支持片51cを位置合わせすると共に、嵌挿空間部10cに平板部51bを位置合わせする。長尺支持片51cの厚さは、第1溝部10aあるいは第2溝部10bの幅より若干小さくされて、第1溝部10aあるいは第2溝部10bは長尺支持片51cに挿入可能とされている。また、平板部51bの幅より嵌挿空間部10cの内幅は大きくされており、平板部51bは嵌挿空間部10cに嵌挿可能とされている。そこで、位置合わせした第2溝部10bを長尺支持片51cに挿入していく。すると、これに合わせて嵌挿空間部10cに平板部51bが挿入されていくようになる。第2溝部10bの上端に長尺支持片51cの上端が当接するまで挿入していくことにより、第2実施例のアンテナ装置2は基台50に取り付けられるようになる。本発明の第2実施例のアンテナ装置2を基台50に取り付けた構成を示す他の斜視図を
図17に示す。
図17に示す斜視図は正面方向から見た斜視図とされ、第1ケーブル25および第2ケーブル26を省略して示しており、
図13に示す斜視図は背面方向から見た斜視図とされている。
なお、第1溝部10aを長尺支持片51cに位置合わせして、第1溝部10aに長尺支持片51cを挿入していくと、これに合わせて嵌挿空間部10cに平板部51bが挿入されていくようになる。このように、第1溝部10aを利用しても第2溝部10bを利用しても、第2実施例のアンテナ装置2を基台50に取り付けることができる。ただし、アンテナ装置2の上下の向きが互いに逆転して基台50に取り付けられるようになる。
【0023】
第2実施例のアンテナ装置2は複数本を基台50に取り付けることにより容易に集合化して集合化されたアンテナ装置とすることができる。第2実施例のアンテナ装置2である2本のアンテナ装置2-1とアンテナ装置2-2とを基台50に取り付けることにより集合化したアンテナ装置の構成を示す斜視図を
図18に示す。なお、
図18では第1ケーブル25および第2ケーブル26を省略して示している。
図18に示す2本の第2実施例のアンテナ装置2が集合化されたアンテナ装置では、2本のアンテナ装置2-1とアンテナ装置2-2とが基台50に取り付けられている。この場合、アンテナ装置2-1の第1溝部10aあるいは第2溝部10bに基台50の1面における長尺支持片51cを位置合わせすると共に、嵌挿空間部10cに該長尺支持片51cに対応する平板部51bを位置合わせする。位置合わせした第1溝部10aあるいは第2溝部10bに長尺支持片51cを挿入していく。すると、これに合わせて嵌挿空間部10cに平板部51bが挿入されて、アンテナ装置2-1が基台50の1面に取り付けられるようになる。次いで、アンテナ装置2-2の第1溝部10aあるいは第2溝部10bに基台50の1面に対面する面における長尺支持片51cを位置合わせすると共に、嵌挿空間部10cに該長尺支持片51cに対応する平板部51bを位置合わせする。位置合わせした第1溝部10aあるいは第2溝部10bに長尺支持片51cを挿入していく。すると、これに合わせて嵌挿空間部10cに平板部51bが挿入されて、アンテナ装置2-2が基台50の1面に対面する面に取り付けられるようになる。このように、2本のアンテナ装置2-1とアンテナ装置2-2とを基台50に取り付けて集合化されたアンテナ装置とする場合は、アンテナ装置2-1とアンテナ装置2-2との背面同士が対面するよう集合化することができる。
【0024】
また、第2実施例のアンテナ装置2である4本のアンテナ装置2-1ないしアンテナ装置2-4を基台50に取り付けて集合化されたアンテナ装置を
図19に示す。
図19には4本の第2実施例のアンテナ装置2が集合化されたアンテナ装置の構成を示す斜視図が示されている。なお、
図19では第1ケーブル25および第2ケーブル26を省略して示している。
この図に示すように、集合化されたアンテナ装置では、アンテナ装置2-1の第1溝部10a-1あるいは第2溝部10b-1に基台50の1面における長尺支持片51cが挿入されていると共に、該長尺支持片51cに対応する平板部51bがアンテナ装置2-1の嵌挿空間部10c-1に挿入されて、アンテナ装置2-1が基台50の1面に取り付けられている。また、アンテナ装置2-2の第1溝部10a-2あるいは第2溝部10b-2に基台50の1面に対面する面における長尺支持片51cが挿入されていると共に、該長尺支持片51cに対応する平板部51bがアンテナ装置2-2の嵌挿空間部10c-2に挿入されて、アンテナ装置2-2が基台50の1面に対面する面に取り付けられている。さらに、アンテナ装置2-3の第1溝部10a-3あるいは第2溝部10b-3に基台50の1面に隣接する面における長尺支持片51cが挿入されていると共に、該長尺支持片51cに対応する平板部51bがアンテナ装置2-3の嵌挿空間部10c-3に挿入されて、アンテナ装置2-3が基台50の1面に隣接する面に取り付けられている。さらにまた、アンテナ装置2-4の第1溝部10a-4あるいは第2溝部10b-4に基台50の1面に隣接する他の面における長尺支持片51cが挿入されていると共に、該長尺支持片51cに対応する平板部51bがアンテナ装置2-4の嵌挿空間部10c-4に挿入されて、アンテナ装置2-4が基台50の1面に隣接する他の面に取り付けられている。
【0025】
第2実施例のアンテナ装置2である4本のアンテナ装置2-1ないしアンテナ装置2-4を基台50に取り付けて集合化されたアンテナ装置では、アンテナ装置2-1とアンテナ装置2-3およびアンテナ装置2-4とがほぼ90°で配置され、アンテナ装置2-2とアンテナ装置2-3およびアンテナ装置2-4とがほぼ90°で配置され、アンテナ装置2-1の背面とアンテナ装置2-2との背面が対面され、アンテナ装置2-3の背面とアンテナ装置2-4との背面が対面されるようになる。
なお、
図19に示す集合化されたアンテナ装置において、アンテナ装置2-1ないしアンテナ装置2-4のいずれかのアンテナ装置を省くようにすると、第2実施例のアンテナ装置2である3本のアンテナ装置が集合化されたアンテナ装置とすることができる。このように、第2実施例のアンテナ装置2は複数本を容易に集合化して集合化されたアンテナ装置とすることができる。
【0026】
<第1実施例の変形例>
本発明の第1実施例の変形例のアンテナ装置3の構成を
図20ないし
図22に示す。
図20(a)は第1実施例の変形例のアンテナ装置3の構成を示す正面方向から見た斜視図、
図20(b)は背面方向から見た斜視図、
図21(a)は上面図、
図21(b)は正面図、
図21(c)は下面図、
図22(a)は側面図、
図22(b)は背面図である。
これらの図に示す第1実施例の変形例のアンテナ装置3は、第1実施例のアンテナ装置1の本体部10において、前面のほぼ中央に縦溝30eが形成された本体部30とされている構成とされており、その他の構成は第1実施例のアンテナ装置1の構成と同様とされている。すなわち、第1実施例の変形例のアンテナ装置3は、本体部30から構成されており、本体部30は、高周波特性の良好な絶縁性の樹脂をモールドして作成されており、前面のほぼ中央に縦溝30eが形成されている。本体部30の内部に、プリントパターンによるアンテナ素子が面上に形成されたアンテナ基板が内蔵されている。本体部30の両側面は中途からテーパ部10dが形成されて、前面の横幅より背面の横幅が狭くされている。本体部30は、縦に長い形状とされ、前面は矩形状とされ、上面から見ると台形状に形成されている。本体部30の背面のほぼ中央には、
図20(b)および
図22(b)に示すように縦方向に細長い第1溝部10aおよび第2溝部10bが形成されている。第1溝部10aは、上端から中央に向かって所定長さで形成され、第2溝部10bは、下端から中央に向かって所定長さで形成されている。また、本体部30を貫通する貫通孔として背面の内側に嵌挿空間部10cが形成されている。この嵌挿空間部10cと第1溝部10aおよび第2溝部10bは、第1実施例の変形例のアンテナ装置3を基台50に取り付ける際の固着手段として用いられ、第1溝部10aおよび第2溝部10bは嵌挿空間部10cに通じている。
【0027】
第1実施例の変形例のアンテナ装置3は、2本ないし4本を容易に集合化して集合化されたアンテナ装置とすることができる。2本のアンテナ装置3を集合化した構成は、前述した
図7に示す構成と同様とされ、4本のアンテナ装置3を集合化した構成は、前述した
図8に示す構成と同様とされるので、その説明は省略する。
また、第1実施例の変形例のアンテナ装置3は、前述した基台50に取り付けることができ、アンテナ装置3を基台50に取り付けた構成は前述した
図9に示す構成と同様とされるので、その説明は省略する。さらに、第1実施例の変形例のアンテナ装置3は、2本ないし4本を基台50に取り付けることにより容易に集合化して集合化されたアンテナ装置とすることができる。2本のアンテナ装置3を基台50に取り付けることにより集合化した構成は、前述した
図10に示す構成と同様とされ、4本のアンテナ装置3を基台50に取り付けることにより集合化した構成は、前述した
図11に示す構成と同様とされるので、その説明は省略する。
【0028】
<第2実施例の変形例>
本発明の第2実施例の変形例のアンテナ装置4を基台50に取り付けた構成を示す斜視図を
図23に示す。
第2実施例の変形例のアンテナ装置4は、第2実施例のアンテナ装置2の本体部20において、前面のほぼ中央に縦溝40eが形成された本体部40とされている構成とされており、その他の構成は第2実施例のアンテナ装置2の構成と同様とされている。なお、第1ケーブル25と第2ケーブル26とは省略して示されている。
すなわち、第2実施例の変形例のアンテナ装置4は、本体部40から構成されており、本体部40は、高周波特性の良好な絶縁性の樹脂をモールドして作成されており、前面のほぼ中央に縦溝40eが形成されている。本体部40の内部に、プリントパターンによるアンテナ素子が面上に形成されたアンテナ基板が内蔵されている。本体部40の両側面は中途からテーパ部10dが形成されて、前面の横幅より背面の横幅が狭くされている。本体部40は、縦に長い形状とされ、前面は矩形状とされ、上面から見ると台形状に形成されている。本体部40の背面のほぼ中央には、縦方向に細長い第1溝部10aおよび第2溝部10bが形成されている。第1溝部10aは、上端から中央に向かって所定長さで形成され、第2溝部10bは、下端から中央に向かって所定長さで形成されている。また、本体部40を貫通する貫通孔として背面の内側に嵌挿空間部10cが形成されている。この嵌挿空間部10cと第1溝部10aおよび第2溝部10bは、第2実施例の変形例のアンテナ装置4を
図23に示すように基台50に取り付ける際の固着手段として用いられ、第1溝部10aおよび第2溝部10bは嵌挿空間部10cに通じている。本体部40の下面にはケーブルブッシュ43aが一体に形成されている。ケーブルブッシュ43aは、本体部40の下面から導出される第1ケーブル25および第2ケーブル26を支持するケーブルブッシュであるが、
図23では第1ケーブル25と第2ケーブル26とは省略して示されている。
【0029】
図23に示すように、基台50に第2実施例の変形例のアンテナ装置4を取り付ける場合は、位置合わせした第2溝部10bを基台50の長尺支持片51cに挿入していく。すると、これに合わせて嵌挿空間部10cに基台50の平板部51bが挿入されていくようになる。第2溝部10bの上端に長尺支持片51cの上端が当接するまで挿入していくことにより、第2実施例の変形例のアンテナ装置4は基台50に取り付けられるようになる。
【0030】
さらに、第2実施例の変形例のアンテナ装置4は、2本ないし4本を基台50に取り付けることにより容易に集合化して集合化されたアンテナ装置とすることができる。2本の第2実施例の変形例のアンテナ装置4であるアンテナ装置4-1およびアンテナ装置4-2を基台50に取り付けることにより集合化した構成を示す斜視図を
図24に示す。なお、
図24では第1ケーブル25および第2ケーブル26を省略して示している。
図24に示すように、集合化されたアンテナ装置では、アンテナ装置4-1の第1溝部10a-1あるいは第2溝部10b-1に基台50の1面における長尺支持片51cが挿入されていると共に、該長尺支持片51cに対応する平板部51bがアンテナ装置4-1の嵌挿空間部10c-1に挿入されて、アンテナ装置4-1が基台50の1面に取り付けられている。また、アンテナ装置4-2の第1溝部10a-2あるいは第2溝部10b-2に基台50の1面に対面する面における長尺支持片51cが挿入されていると共に、該長尺支持片51cに対応する平板部51bがアンテナ装置4-2の嵌挿空間部10c-2に挿入されて、アンテナ装置4-2が基台50の1面に対面する面に取り付けられている。
【0031】
また、第2実施例の変形例のアンテナ装置4である4本のアンテナ装置4-1ないしアンテナ装置4-4を基台50に取り付けて集合化されたアンテナ装置を
図25に示す。
図25には4本の第2実施例の変形例のアンテナ装置4が集合化されたアンテナ装置の構成を示す斜視図が示されている。なお、
図25では第1ケーブル25および第2ケーブル26を省略して示している。
この図に示すように、集合化されたアンテナ装置では、アンテナ装置4-1の第1溝部10a-1あるいは第2溝部10b-1に基台50の1面における長尺支持片51cが挿入されていると共に、該長尺支持片51cに対応する平板部51bがアンテナ装置4-1の嵌挿空間部10c-1に挿入されて、アンテナ装置4-1が基台50の1面に取り付けられている。また、アンテナ装置4-2の第1溝部10a-2あるいは第2溝部10b-2に基台50の1面に対面する面における長尺支持片51cが挿入されていると共に、該長尺支持片51cに対応する平板部51bがアンテナ装置4-2の嵌挿空間部10c-2に挿入されて、アンテナ装置4-2が基台50の1面に対面する面に取り付けられている。さらに、アンテナ装置4-3の第1溝部10a-3あるいは第2溝部10b-3に基台50の1面に隣接する面における長尺支持片51cが挿入されていると共に、該長尺支持片51cに対応する平板部51bがアンテナ装置4-3の嵌挿空間部10c-3に挿入されて、アンテナ装置4-3が基台50の1面に隣接する面に取り付けられている。さらにまた、アンテナ装置4-4の第1溝部10a-4あるいは第2溝部10b-4に基台50の1面に隣接する他の面における長尺支持片51cが挿入されていると共に、該長尺支持片51cに対応する平板部51bがアンテナ装置4-4の嵌挿空間部10c-4に挿入されて、アンテナ装置4-4が基台50の1面に隣接する他の面に取り付けられている。
なお、
図25に示す集合化されたアンテナ装置において、アンテナ装置4-1ないしアンテナ装置4-4のいずれかのアンテナ装置を省くようにすると、第2実施例の変形例のアンテナ装置4である3本のアンテナ装置が集合化されたアンテナ装置とすることができる。このように、第2実施例の変形例のアンテナ装置4は複数本を容易に集合化して集合化されたアンテナ装置とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明にかかるアンテナ装置および集合化されたアンテナ装置は、アンテナを個別に設置する必要がなく、通信方式によってアンテナの本数の組み替えを容易に行うことができる。このため、本発明にかかるアンテナ装置は、IoT/M2M、LTE、LPWA等の様々な周波数帯域をカバーする通信システムのアンテナ装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0033】
1~4 アンテナ装置、10 本体部、10a 第1溝部、10b 第2溝部、10c 嵌挿空間部、10d テーパ部、11 カバー部、11a 基板挿入空間、12 アンテナ基板、13 アンテナモールド体、20 本体部、21 カバー部、21a 基板挿入空間、22 アンテナ基板、23 アンテナモールド体、23a ケーブルブッシュ、25 第1ケーブル、26 第2ケーブル、27 ケーブルブッシュ、30 本体部、30e 縦溝、40 本体部、40e 縦溝、43a ケーブルブッシュ、50 基台、51 アンテナ取付部、51a 角筒部、51b 平板部、51c 長尺支持片、52 台座、52a 第1円柱部、52b 第2円柱部、90 筐体、91 カバー、92 ベース、92a 丸ボス、92b 角ボス、92c 底部、93a 同軸ケーブル、93b 同軸ケーブル、100 アンテナ装置、110 基板、110a 丸孔、110b 角穴、111 エレメント、111b 給電整合部