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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】カラオケ装置
(51)【国際特許分類】
   G10K 15/04 20060101AFI20240708BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020195857
(22)【出願日】2020-11-26
(65)【公開番号】P2022084175
(43)【公開日】2022-06-07
【審査請求日】2023-10-20
(73)【特許権者】
【識別番号】390004710
【氏名又は名称】株式会社第一興商
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100187562
【弁理士】
【氏名又は名称】沼田 義成
(72)【発明者】
【氏名】岡田 勇太
【審査官】▲徳▼田 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-254180(JP,A)
【文献】特開2004-093762(JP,A)
【文献】特開2011-069979(JP,A)
【文献】特開2009-237503(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカラオケコンテンツを利用可能なカラオケ装置であって、
予約された楽曲のカラオケ演奏データが当該カラオケ装置に配信された配信年を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記配信年に当該カラオケ装置において利用可能だった前記カラオケコンテンツを第1候補として特定する第1の特定部と、
前記第1の特定部によって特定された前記第1候補に基づいて前記カラオケコンテンツを利用者に推奨するレコメンド部と、を備えることを特徴とするカラオケ装置。
【請求項2】
利用者が楽曲の歌唱時に利用したカラオケコンテンツを当該楽曲と対応付けて記憶した歌唱履歴に基づいて、推奨するカラオケコンテンツの第2候補を特定する第2の特定部を更に備え、
前記レコメンド部は、前記第1の特定部によって特定された前記第1候補と前記第2の特定部によって特定された前記第2候補とに基づいて前記カラオケコンテンツを利用者に推奨することを特徴とする請求項1に記載のカラオケ装置。
【請求項3】
前記第2の特定部は、前記歌唱履歴に基づいて所定回数以上利用されたカラオケコンテンツを前記第2候補として特定することを特徴とする請求項2に記載のカラオケ装置。
【請求項4】
所定の利用者が所定の楽曲のカラオケ歌唱を行う際に、前記レコメンド部によって推奨された前記カラオケコンテンツとして採点コンテンツを実行したとき、前記所定の利用者に対して採点結果を提示する提示部を更に備え、
前記提示部は、前記所定の利用者による前記所定の楽曲のカラオケ歌唱について、当該採点コンテンツによる過去の採点結果と現在の採点結果とを比較可能に提示することを特徴とする請求項1~請求項3の何れか1項に記載のカラオケ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラオケ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カラオケ装置には、利用者の歌唱力をスキルアップさせるために行うボイストレーニングのコンテンツや、音高評価のコンテンツに加えて、こぶしやビブラート等の歌唱技法に関しても評価を行うコンテンツ等の、数多くのカラオケコンテンツが搭載されている。
【0003】
しかし、カラオケ装置に搭載されている数多くのカラオケコンテンツには、利用者による実行頻度が高いカラオケコンテンツもあれば、搭載されてから時間が経過している古いカラオケコンテンツのように、利用者による実行頻度が低いカラオケコンテンツもある。
【0004】
このような実行頻度の低いカラオケコンテンツに対して利用を促進する技術として、特許文献1では、各カラオケコンテンツの実行頻度と規定値とを比較して、実行頻度が規定値以下のカラオケコンテンツに対しては、楽曲の演奏と演奏の合間である曲間にそのカラオケコンテンツの広告映像を表示させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-118287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1等の従来技術では、実行頻度が規定値以下のカラオケコンテンツの利用を促進することはできるが、広告情報を表示させるカラオケコンテンツを判定するための条件が、実行頻度の集計結果だけであり、利用者が現在予約した楽曲や現在歌唱している楽曲を考慮することができない。即ち、従来技術では、古くて実行頻度の低いカラオケコンテンツを利用者の楽曲の予約状況に応じて推奨することはできない。
【0007】
本発明の目的は、利用者の楽曲の予約状況に応じて古くて実行頻度の低いカラオケコンテンツを推奨することができるカラオケ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のカラオケ装置は、複数のカラオケコンテンツを利用可能なカラオケ装置であって、予約された楽曲のカラオケ演奏データが当該カラオケ装置に配信された配信年を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記配信年に当該カラオケ装置において利用可能だった前記カラオケコンテンツを第1候補として特定する第1の特定部と、前記第1の特定部によって特定された前記第1候補に基づいて前記カラオケコンテンツを利用者に推奨するレコメンド部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、利用者の楽曲の予約状況に応じて古くて実行頻度の低いカラオケコンテンツを推奨することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態のカラオケ装置を備えたカラオケシステムを示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態のカラオケ装置の楽曲配信年テーブルの例を示す表である。
図3】本発明の実施形態のカラオケ装置のコンテンツ開始年テーブルの例を示す表である。
図4】本発明の実施形態のカラオケ装置の歌唱履歴の例を示す表である。
図5】本発明の実施形態のカラオケ装置のカラオケコンテンツの推奨動作を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施形態のカラオケ装置の第2の変形例による採点コンテンツの採点結果画面の例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態のカラオケ装置1について説明する。
【0012】
[カラオケシステム]
図1は、実施形態のカラオケ装置1を備えたカラオケシステム100の構成を示すブロック図である。図1に示すように、カラオケシステム100では、カラオケ装置1と、サーバ装置101と、携帯端末102とを備えている。カラオケ装置1は、カラオケ本体2と、モニタ等の表示装置3と、スピーカ4と、マイクロフォン5と、リモコン装置6とを備えている。本実施形態のカラオケ装置1は、選曲(予約)された楽曲のカラオケ演奏を利用者に提供する機能に加えて、複数のカラオケコンテンツのうち、選択されたカラオケコンテンツを利用者に提供する機能を有する。
【0013】
例えば、カラオケ装置1は、カラオケルーム等の設置場所に設置され、サーバ装置101は、当該設置場所以外に設置され、携帯端末102は、カラオケ装置1の利用者に保有されている。カラオケ装置1は、サーバ装置101及び携帯端末102と所定のネットワーク(図示せず)を介して通信可能に接続されている。
【0014】
[サーバ装置]
サーバ装置101は、カラオケ装置1に対する楽曲のカラオケ演奏データの配信を管理する機能を有し、例えば、新たなカラオケ演奏データが追加されたときに、このカラオケ演奏データをカラオケ装置1へ配信する。サーバ装置101は、楽曲のカラオケ演奏データがカラオケ装置1へ配信された年(以下、配信年と称する)を楽曲配信年テーブルに記憶している。サーバ装置101は、例えば、カラオケ演奏データがカラオケ装置1へ配信されたときに、楽曲配信年テーブルをカラオケ装置1へ送信する。楽曲配信年テーブルは、例えば、図2に示すように、カラオケ装置1に配信されている多数の楽曲のそれぞれについて、楽曲名、楽曲識別情報(楽曲ID)、配信年を対応付けて記憶している。
【0015】
また、サーバ装置101は、カラオケ装置1におけるカラオケコンテンツの稼働を管理する機能を有し、例えば、新たに追加されたカラオケコンテンツをカラオケ装置1に提供する。サーバ装置101は、カラオケコンテンツの稼働が開始された年(以下、開始年と称する)のコンテンツ開始年テーブルを記憶している。サーバ装置101は、例えば、新たなカラオケコンテンツが追加されて稼働を開始されたときに、コンテンツ開始年テーブルをカラオケ装置1へ送信する。コンテンツ開始年テーブルは、例えば、図3に示すように、カラオケ装置1に搭載されている複数のカラオケコンテンツのそれぞれについて、カラオケコンテンツ識別情報(コンテンツID)、開始年を対応付けて記憶している。
【0016】
[携帯端末]
携帯端末102は、利用者が保有するスマートフォンやタブレット端末で構成される。携帯端末102は、カラオケ装置1とペアリングされることで通信可能となる。携帯端末102は、カラオケ装置1を利用するためのアプリケーションを搭載して、このアプリケーションによってリモコン装置6と同様の機能を有してよい。例えば、携帯端末102は、このアプリケーションによって、カラオケ装置1が利用者に提供する各種画面を表示したり、カラオケ装置1に各種情報を入力したりすることができる。
【0017】
[カラオケ装置]
カラオケ装置1において、カラオケ本体2は、有線又は無線により表示装置3、スピーカ4、マイクロフォン5及びリモコン装置6と接続されている。
【0018】
表示装置3は、カラオケ装置1が利用者に提供する各種画面を表示するものであり、例えば、カラオケ本体2からの映像信号等に基づいて、カラオケ演奏に合わせて背景映像と共に歌詞テロップを表示する。スピーカ4は、カラオケ装置1が利用者に提供する楽曲や音声等を出力するものであり、例えば、カラオケ本体2からの放音信号に基づいて、楽曲の演奏音と共に利用者の歌唱音声を放音する。マイクロフォン5は、利用者の歌唱音声を音声信号に変換してカラオケ本体2に入力する。
【0019】
リモコン装置6は、タッチパネルを主体に構成されている。リモコン装置6は、カラオケ装置1が利用者に提供する各種画面や各種操作ボタンをタッチパネルに表示すると共に、タッチパネルによってログイン操作や選曲(予約)操作を受け付けている。リモコン装置6とカラオケ本体2はペアリングされることで、リモコン装置6とカラオケ本体2の間で各種情報が相互に送受信される。
【0020】
リモコン装置6は、利用者のログイン操作に応じて入力された利用者ID等をカラオケ本体2へ送信する。リモコン装置6は、楽曲の検索や推奨楽曲の選択による選曲(予約)を受け付けていて、利用者の選曲(予約)操作に応じて選曲(予約)された楽曲の楽曲IDを当該利用者の利用者IDと紐づけて、予約楽曲情報としてカラオケ本体2へ送信する。また、リモコン装置6は、カラオケコンテンツの選択を受け付けていて、利用者の選択操作に応じて選択されたカラオケコンテンツのコンテンツIDを当該利用者の利用者IDと紐づけて、カラオケ本体2へ送信する。例えば、リモコン装置6は、カラオケコンテンツとして、利用者のカラオケ歌唱を採点する採点コンテンツの選択を選曲操作時に受け付ける。
【0021】
[カラオケ本体]
カラオケ本体2は、制御部10と、記憶部11と、通信部12とを備えている。制御部10は、CPU(Central Processing Unit)等を有して構成され、カラオケ装置1を統括制御する。記憶部11は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disc Drive)等の記憶媒体を有して構成される。通信部12は、所定のネットワーク(図示せず)を介して通信を行うインタフェースであり、サーバ装置101及び携帯端末102と通信可能に接続される。
【0022】
記憶部11は、カラオケ装置1の各部及び各機能を制御するためのプログラムやデータを記憶する。例えば、記憶部11は、カラオケ装置1がカラオケ演奏可能な各楽曲について、楽曲ID、曲名、歌手名、ジャンル等の基本情報を記憶している。記憶部11は、楽曲ID毎に、楽曲データ等のカラオケ演奏に関する各種データを記憶している。楽曲データには、カラオケ楽曲の伴奏音の元になる伴奏データ、歌唱の採点基準となるリファレンスデータ、表示装置3に表示される歌詞テロップの元になる歌詞データが含まれている。
【0023】
また、記憶部11は、各カラオケコンテンツを実行するためのプログラムやデータを記憶していて、これにより、カラオケ装置1は各カラオケコンテンツを搭載している。更に、記憶部11は、通信部12がサーバ装置101から受信した楽曲配信年テーブル(図2参照)及びコンテンツ開始年テーブル(図3参照)を記憶している。なお、記憶部11は、楽曲配信年テーブルに代えて、各楽曲の基本情報と共に配信年を記憶していてもよい。
【0024】
記憶部11は、カラオケ装置1の各利用者について利用者識別情報(利用者ID)を記憶している。記憶部11は、各利用者がカラオケ歌唱した楽曲の楽曲IDを利用者IDと共に、各利用者の歌唱履歴としてカラオケ歌唱毎に記憶している(図4参照)。歌唱履歴には、利用者がカラオケ歌唱時に利用したカラオケコンテンツのコンテンツID及び利用年が含まれ、利用したカラオケコンテンツが利用者のカラオケ歌唱を採点する採点コンテンツである場合には、採点結果(得点)も含まれる。
【0025】
制御部10は、記憶部11に記憶されたプログラムやデータに基づいて演算処理を実行することにより、カラオケ装置1の各部及び各機能を制御する。例えば、本実施形態の制御部10は、記憶部11に記憶されたプログラムを実行することにより、ログイン処理部15、取得部16、第1の特定部17、第2の特定部18、レコメンド部19及び提示部20として動作する。
【0026】
ログイン処理部15は、利用者によるリモコン装置6のログイン操作に応じてリモコン装置6から利用者IDを受信して、利用者IDを記憶部11に記憶することで利用者IDに対応する利用者のログイン処理を行う。ログイン処理部15は、カラオケ装置1を同時期に使用する複数の利用者をそれぞれログインさせてもよく、すなわち、複数の利用者の同時ログインを受け付けてもよい。なお、カラオケ本体2自体が利用者IDを入力する機能を有していてもよい。
【0027】
取得部16は、利用者がカラオケ歌唱する楽曲を選曲(予約)したときに、当該楽曲のカラオケ演奏データがサーバ装置101からカラオケ装置1に配信された配信年を取得する。例えば、取得部16は、記憶部11に記憶された楽曲配信年テーブルを参照して、予約した楽曲の楽曲IDに対応するカラオケ演奏データの配信年を取得する。
【0028】
第1の特定部17は、取得部16によって楽曲のカラオケ演奏データの配信年を取得したときに、この配信年にカラオケ装置1において利用可能だったカラオケコンテンツを、カラオケ装置1に搭載されている複数のカラオケコンテンツの中から第1候補として特定する。例えば、第1の特定部17は、記憶部11に記憶されたコンテンツ開始年テーブルを参照して、取得した配信年と同年代に稼働していたカラオケコンテンツを第1候補として特定する。具体的には、第1の特定部17は、開始年が配信年以前であるカラオケコンテンツを第1候補として特定してよい。
【0029】
第2の特定部18は、利用者がカラオケ歌唱するために選曲(予約)した楽曲について、同じ楽曲を過去にカラオケ歌唱したときに利用したカラオケコンテンツを、カラオケ装置1に搭載されている複数のカラオケコンテンツの中から第2候補として特定する。例えば、第2の特定部18は、記憶部に記憶された歌唱履歴を参照して、予約した楽曲と同じ楽曲IDを有する歌唱履歴に含まれるコンテンツIDに基づいて、このコンテンツIDに対応するカラオケコンテンツを第2候補として特定する。
【0030】
レコメンド部19は、少なくとも第1の特定部17によって特定された第1候補のカラオケコンテンツを利用者に推奨する。好ましくは、レコメンド部19は、第1の特定部17によって特定された第1候補と第2の特定部18によって特定された第2候補とに基づいてカラオケコンテンツを利用者に推奨する。この場合、例えば、レコメンド部19は、第1候補と第2候補とに共通するカラオケコンテンツを利用者に推奨するとよい。
【0031】
また、レコメンド部19は、第1候補と第2候補とに共通するカラオケコンテンツがない場合には、第1候補のカラオケコンテンツを利用者に推奨するとよい。
【0032】
なお、本実施形態では、第2の特定部18によって第2候補の特定処理を行うと共に、レコメンド部19によって第1候補と第2候補とに基づいてカラオケコンテンツを推奨する例を説明したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、他の実施形態では、第2の特定部18による特定処理を行わずに、レコメンド部19は、第1候補のみに基づいてカラオケコンテンツを推奨してもよい。
【0033】
提示部20は、レコメンド部19が推奨するカラオケコンテンツに係る情報を、表示装置3、リモコン装置6及び/又は携帯端末102へ出力して表示させることで、推奨するカラオケコンテンツを利用者に提示する。例えば、提示部20は、楽曲が予約されたとき、楽曲のカラオケ演奏を開始するとき等のタイミングでカラオケコンテンツの提示を行う。
【0034】
[カラオケ装置の演奏動作]
次に、利用者がカラオケ歌唱を行うときのカラオケ装置1の基本的な演奏動作について説明する。
【0035】
先ず、利用者がリモコン装置6を操作して利用者IDを入力すると、カラオケ本体2では、ログイン処理部15がリモコン装置6から利用者IDを受信して当該利用者のログイン処理を行う。
【0036】
また、利用者がリモコン装置6を操作して楽曲を予約すると、カラオケ本体2は、リモコン装置6から楽曲ID及び利用者IDを含む予約楽曲情報を受信し、この予約楽曲情報を記憶部11の予約管理テーブルに登録する。カラオケ本体2(制御部10)は、予約管理テーブルから登録順に予約楽曲情報を読み出し、この予約楽曲情報の楽曲IDに対応する楽曲データ等を記憶部11から読み出す。
【0037】
カラオケ本体2(制御部10)は、楽曲データに基づいてカラオケ演奏を開始し、伴奏データの再生に同期して、歌詞データ及び背景映像データに基づいて歌詞テロップと背景映像を表示装置3に表示する。また、カラオケ本体2は、カラオケ演奏の伴奏音信号とマイクロフォン5から入力された歌唱音声信号とを、ミキサによって適切な比率でミキシングして、このミキシング信号をアンプによって増幅してスピーカ4から放音する。このように、カラオケ装置1では、歌唱者がカラオケ演奏に合わせて歌唱すると、スピーカ4から伴奏音と共に歌唱音声が放音される。また、カラオケ装置1は、カラオケコンテンツとして採点コンテンツが実行される場合、歌唱音声をリファレンスデータに基づいて採点する。カラオケ装置1は、その歌唱採点結果を利用者ID及び楽曲IDに対応付けて記憶部11に記憶する。
【0038】
また、カラオケ装置1は、少しでもカラオケ演奏が開始された場合、あるいは所定時間カラオケ演奏が開始された場合に、カラオケ演奏を行った楽曲を歌唱履歴として保存するために、その楽曲の楽曲IDを利用者IDと共に記憶部11に記憶する。このとき、カラオケコンテンツが実行されていた場合には、カラオケ装置1は、歌唱履歴にそのコンテンツID、利用年、採点コンテンツ時の得点等を含めて記憶する。
【0039】
[カラオケコンテンツの推奨動作]
次に、カラオケ装置1によるカラオケコンテンツの推奨動作について図5を参照して説明する。図5は、カラオケコンテンツの推奨動作を示すフローチャートである。
【0040】
先ず、上記したカラオケ装置1の演奏動作において、ログイン中の利用者Uがリモコン装置6を操作して、楽曲ID「yyyya」の楽曲aの予約操作をすると、取得部16は、リモコン装置6から、利用者ID「Uxxxx1」及び楽曲ID「yyyya」を取得する(ステップS1)。
【0041】
次に、取得部16は、楽曲配信年テーブルに基づいて、楽曲ID「yyyya」の楽曲aのカラオケ演奏データの配信年を取得する(ステップS2)。
【0042】
例えば、図2に示す楽曲配信年テーブルでは、楽曲名「a」、楽曲ID「yyyya」、配信年「2012」年の楽曲aと、楽曲名「b」、楽曲ID「yyyyb」、配信年「2014」年の楽曲bと、楽曲名「c」、楽曲ID「yyyyc」、配信年「2016」年の楽曲cと、楽曲名「d」、楽曲ID「yyyyd」、配信年「2020」年の楽曲dとが記憶されている。この場合、取得部16は、楽曲aの配信年「2012」年を取得する。
【0043】
次に、第1の特定部17は、コンテンツ開始年テーブルを参照して、予約した楽曲aの配信年「2012」年と同年代に稼働していたカラオケコンテンツを第1候補として特定する(ステップS3)。
【0044】
例えば、図3に示すコンテンツ開始年テーブルでは、コンテンツID「C1」、開始年「2008」年のカラオケコンテンツC1と、コンテンツID「C2」、開始年「2010」年のカラオケコンテンツC2と、コンテンツID「C3」、開始年「2012」年のカラオケコンテンツC3と、コンテンツID「C4」、開始年「2014」年のカラオケコンテンツC4と、コンテンツID「C5」、開始年「2016」年のカラオケコンテンツC5と、コンテンツID「C6」、開始年「2018」年のカラオケコンテンツC6と、コンテンツID「C7」、開始年「2020」年のカラオケコンテンツC7とが記憶されている。この場合、第1の特定部17は、楽曲aの配信年「2012」年以前に稼働を開始しているカラオケコンテンツC1、C2、C3を第1候補として特定する。
【0045】
また、第2の特定部18は、利用者Uの歌唱履歴を参照して、利用者Uが予約した楽曲aと同じ楽曲について過去に利用したカラオケコンテンツを第2候補として特定する(ステップS4)。
【0046】
例えば、図4に示す利用者Uの歌唱履歴では、利用者ID「Uxxxx1」に対して過去にカラオケ歌唱した楽曲の楽曲ID「yyyya」、「yyyyb」が記憶されている。この歌唱履歴では、楽曲ID「yyyya」の楽曲aに対して過去に利用したカラオケコンテンツの利用履歴として、コンテンツID「C1」、利用年「2012」年、得点「90」点の利用履歴H1と、コンテンツID「C1」、利用年「2012」年、得点「92」点の利用履歴H2と、コンテンツID「C1」、利用年「2012」年、得点「91」点の利用履歴H3と、コンテンツID「C1」、利用年「2013」年、得点「93」点の利用履歴H4と、コンテンツID「C3」、利用年「2014」年、得点「89」点の利用履歴H5と、コンテンツID「C3」、利用年「2014」年、得点「87」点の利用履歴H6と、コンテンツID「C4」、利用年「2015」年、得点「-」(得点なし)の利用履歴H7と、コンテンツID「C5」、利用年「2017」年、得点「-」(得点なし)の利用履歴H8とが記憶されている。また、この歌唱履歴では、楽曲ID「yyyyb」の楽曲bに対して過去に利用したカラオケコンテンツの利用履歴として、コンテンツID「C6」、利用年「2018」年、得点「-」(得点なし)の利用履歴H9と、コンテンツID「C7」、利用年「2020」年、得点「-」(得点なし)の利用履歴H10とが記憶されている。この場合、第2の特定部18は、利用者Uの楽曲aの歌唱履歴に含まれるカラオケコンテンツC1、C3、C4、C5を第2候補として特定する。なお、歌唱履歴によれば、得点が記憶されているカラオケコンテンツC1、C3は、採点コンテンツであり、得点なしのカラオケコンテンツC4、C5、C6、C7は、採点コンテンツ以外であることが把握できる。
【0047】
次に、レコメンド部19は、第1候補のカラオケコンテンツC1、C2、C3と、第2候補のカラオケコンテンツC1、C3、C4、C5とに共通するカラオケコンテンツを判定する(ステップS5)。
【0048】
上記の例のように、第1候補と第2候補とで共通するカラオケコンテンツC1、C3がある場合(ステップS5:YES)、レコメンド部19は、このカラオケコンテンツC1、C3を利用者Uに推奨する(ステップS6)。一方、第1候補と第2候補とで共通するカラオケコンテンツがない場合には(ステップS5:NO)、レコメンド部19は、第1候補のカラオケコンテンツC1、C2、C3を利用者Uに推奨する(ステップS7)。
【0049】
提示部20は、上記のようにレコメンド部19によって推奨されたカラオケコンテンツを表示装置3、リモコン装置6及び/又は携帯端末102によって利用者Uに提示する(ステップS8)。
【0050】
上記したように、本発明の実施形態のカラオケ装置1は、予約された楽曲のカラオケ演奏データがカラオケ装置1に配信された配信年を取得する取得部16と、取得部16によって取得された配信年にカラオケ装置1において利用可能だったカラオケコンテンツを第1候補として特定する第1の特定部17と、第1の特定部17によって特定された第1候補に基づいてカラオケコンテンツを利用者に推奨するレコメンド部19と、を備える。
【0051】
これにより、カラオケ装置1は、古くて実行頻度の低いカラオケコンテンツであっても、利用者の楽曲の予約状況に応じて推奨することができる。特に、カラオケ装置1は、予約した楽曲の配信年に合わせて同年代に稼働していたカラオケコンテンツを推奨するので、利用者の関心が高いと見込まれるカラオケコンテンツの推奨をすることができる。従って、利用者は、カラオケ装置1の複数のカラオケコンテンツをより楽しむことができ、更には、カラオケ装置1を用いたカラオケ歌唱をより楽しむことができる。
【0052】
また、カラオケ装置1は、利用者が楽曲の歌唱時に利用したカラオケコンテンツを当該楽曲と対応付けて記憶した歌唱履歴に基づいて、推奨するカラオケコンテンツの第2候補を特定する第2の特定部18を更に備え、レコメンド部19は、第1の特定部17によって特定された第1候補と第2の特定部18によって特定された第2候補とに基づいてカラオケコンテンツを利用者に推奨する。
【0053】
これにより、カラオケ装置1は、予約した楽曲の配信年だけでなく、利用者が過去に利用したカラオケコンテンツを考慮してカラオケコンテンツを推奨するので、利用者の関心がより高いと見込まれるカラオケコンテンツに絞り込んで推奨することができる。
【0054】
[第1の変形例]
また、カラオケ装置1の第1の変形例として、第2の特定部18は、歌唱履歴に基づいて第2候補を特定するとき、予約した楽曲と同じ楽曲について過去に利用されたカラオケコンテンツのうち、所定回数(例えば、3回)以上利用されたカラオケコンテンツを第2候補として特定してもよい。
【0055】
例えば、図4に示す利用者Uの歌唱履歴では、楽曲ID「yyyya」の楽曲aに対して、過去にカラオケコンテンツC1、C3、C4、C5を利用した利用履歴が記憶されている。ここで、カラオケコンテンツC1の利用履歴は4回であり、カラオケコンテンツC3の利用履歴は2回であり、カラオケコンテンツC4の利用履歴は1回であり、カラオケコンテンツC5の利用履歴は1回である。この場合、第2の特定部18は、所定回数(例えば、3回)以上利用されたカラオケコンテンツC1を第2候補として特定する。
【0056】
また、この第1変形例が上記したカラオケコンテンツの推奨動作に適用される場合、レコメンド部19は、第1候補のカラオケコンテンツC1、C2、C3と、第2候補のカラオケコンテンツC1とに共通するカラオケコンテンツC1を利用者Uに推奨することになる。
【0057】
これにより、カラオケ装置1の第1の変形例では、利用者が過去に利用した回数の多いカラオケコンテンツを推奨するので、利用者の関心がより高いと見込まれるカラオケコンテンツに絞り込んで推奨することができる。
【0058】
[第2の変形例]
また、カラオケ装置1の第2の変形例として、提示部20は、所定の利用者が所定の楽曲のカラオケ歌唱を行う際に、レコメンド部19によって推奨されたカラオケコンテンツとして採点コンテンツを実行したとき、表示装置3、リモコン装置6及び/又は携帯端末102によって、当該利用者に対して採点結果を提示してもよい。更に、提示部20は、所定の利用者による所定の楽曲のカラオケ歌唱について、同じ採点コンテンツによる過去の採点結果と現在の採点結果とを比較可能に提示してもよい。
【0059】
また、利用者Uが今回、楽曲ID「yyyya」の楽曲aを予約してカラオケ歌唱したときに、レコメンド部19によって推奨された採点コンテンツのカラオケコンテンツC1を実施して、現在の採点結果「95」点が得られた場合、提示部20は、現在の採点結果「95」点を利用者Uに提示する。
【0060】
また、例えば、図4に示す利用者Uの歌唱履歴では、楽曲ID「yyyya」の楽曲aに対して、過去にカラオケコンテンツC1を4回利用した利用履歴が記憶されている。ここで、カラオケコンテンツC1の利用履歴H1の得点は「90」点であり、利用履歴H2の得点は「92」点であり、利用履歴H3の得点は「91」点であり、利用履歴H4の得点は「93」点である。この場合、提示部20は、図6に示すように、過去の採点結果として、過去の最高得点である利用履歴H4の得点「93」点と、現在の採点結果「95」点とを示す採点結果画面30を、表示装置3、リモコン装置6及び/又は携帯端末102に表示して利用者Uに提示する。
【0061】
なお、提示部20は、過去の採点結果として、過去の最高得点に代えて、過去の上位(例えば、第1位~第3位)の採点結果を利用者に提示してもよい。
【0062】
これにより、カラオケ装置1の第2の変形例では、採点コンテンツについて、利用者が過去に利用したときの歌唱状況と現在利用したときの歌唱状況とを、同時に利用者に提示するので、利用者は、カラオケ歌唱及びカラオケコンテンツの利用をより楽しむことができる。
【0063】
[他の実施形態]
なお、上記した実施形態では、カラオケ装置1は歌唱履歴を記憶部11に記憶して、カラオケコンテンツの推奨動作の際に記憶部11から歌唱履歴を読み出して第2の特定部18による第2候補の特定処理に用いる例を説明したが、本発明はこの例に限定されない。例えば、他の実施形態では、カラオケ装置1は、歌唱履歴をサーバ装置101へ送信してサーバ装置101に記憶させ、カラオケコンテンツの推奨動作の際にサーバ装置101から歌唱履歴を受信して第2の特定部18による第2候補の特定処理に用いてもよい。
【0064】
また、本発明は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴うカラオケ置もまた本発明の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0065】
1 カラオケ装置
3 表示装置
6 リモコン装置
10 制御部
11 記憶部
15 ログイン処理部
16 取得部
17 第1の特定部
18 第2の特定部
19 レコメンド部
20 提示部
100 カラオケシステム
101 サーバ装置
102 携帯端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6