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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/00 20240101AFI20240708BHJP
   D06F 25/00 20060101ALI20240708BHJP
   D06F 33/30 20200101ALI20240708BHJP
   D06F 37/30 20200101ALI20240708BHJP
   D06F 39/02 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
D06F39/00 F
D06F39/00 Z
D06F25/00 Z
D06F33/30
D06F37/30
D06F39/02 Z
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019171045
(22)【出願日】2019-09-20
(65)【公開番号】P2021045435
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2021-03-18
【審判番号】
【審判請求日】2023-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】中澤 健次
(72)【発明者】
【氏名】曽我 丈
(72)【発明者】
【氏名】宗野 義徳
(72)【発明者】
【氏名】井上 益明
(72)【発明者】
【氏名】宮田 智史
【合議体】
【審判長】北村 英隆
【審判官】西 秀隆
【審判官】長馬 望
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-84891(JP,A)
【文献】特開2003-210890(JP,A)
【文献】特開2019-63605(JP,A)
【文献】特開2001-204992(JP,A)
【文献】特開2004-344338(JP,A)
【文献】特表2018-536517(JP,A)
【文献】特開2016-64103(JP,A)
【文献】特開2005-144040(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F33/30
D06F39/00, 39/02
D06F25/00
D06F37/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作パネルが設けられた蓋を上面に備えた筐体と、
洗濯物が上方から投入される内槽と、
前記操作パネルよりも前方に位置して外部機器との情報の送受信を行う無線通信部と、
電源部と、
前記筐体の下方に設けられた、前記無線通信部及び前記電源部に電力を供給する制御基板と、
前記筐体後方に設けられた、前記内槽へ空気を吹き出す送風部と、
異常振動を検知する検知部と、
前記筐体前方に設けられた、洗濯処理液を投入する手動投入部と、
を有し、
前記無線通信部及び前記電源部は、前記筐体前方上部であって前記手動投入部と左右方向反対側に設けられ、
前記無線通信部は、前記筐体前方上部であって前記手動投入部と左右方向反対側、かつ、前記蓋で覆われる領域の下方に配置された保護カバー上に、前記検知部とともに配置され、かつ、前記検知部の上方に配置された、ことを特徴とするタテ型洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
衣類等の洗濯物を洗濯する洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の洗濯機の制御は、制御部により、例えば、洗い、すすぎ、脱水などの一連の行程をプログラム制御する制御方式が提案されてきた。これらの制御は、洗濯機本体の表示パネルにある、洗い、すすぎ、脱水などの洗濯工程のボタンを利用者が押下して、洗濯を実施してる。
【0003】
しかし、外出先から洗濯の予約をしたいなど、在宅していなくても、洗濯操作を実行したい要求が高まってきている。そこで通信機能を持たせた洗濯機が考えられている。
【0004】
特許文献1では、電磁ノイズの影響を無くすために、電源入りスイッチを操作表示部の左右いずれか一側方に配置し、通信するための洗濯機送受信部を操作表示部の電源入りスイッチの配置位置とは反対側に配置した構成としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6019390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載のノイズ源となる電源入りスイッチに関して、ノイズが多く発生するのは、電源入りスイッチをON/OFFする際である。
【0007】
基本的に、電源入りスイッチがONにしたときしか、通信機能の無線通信部も起動しないので、電源入りスイッチからのノイズの影響はあまり考慮する必要がない。
【0008】
逆に、電源入りスイッチと反対側に送受信部を設けた場合、洗濯制御を行う制御基板からの配線引き回しが、複雑になり、作業効率が低下する恐れがある。
【0009】
一方、大きなノイズ源としては、乾燥ユニットのファンモータが考えられる。ファンモータは洗濯制御中、回転する関係から、無線通信部をファンモータからなるべく遠ざけて配置する必要がある。
【0010】
本発明の目的は、安定した電波強度を確保し、制御基板から無線通信部への配線引き回しを簡易にし、且つ、無線通信部に大きなノイズの影響を受けない洗濯機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明のタテ型洗濯機は、操作パネルが設けられた蓋を上面に備えた筐体と、洗濯物が上方から投入される内槽と、前記操作パネルよりも前方に位置して外部機器との情報の送受信を行う無線通信部と、電源部と、前記筐体の下方に設けられた、前記無線通信部及び前記電源部に電力を供給する制御基板と、前記筐体後方に設けられた、前記内槽へ空気を吹き出す送風部と、異常振動を検知する検知部と、前記筐体前方に設けられた、洗濯処理液を投入する手動投入部と、を有し、前記無線通信部及び前記電源部は、前記筐体前方上部であって前記手動投入部と左右方向反対側に設けられ、前記無線通信部は、前記筐体前方上部であって前記手動投入部と左右方向反対側、かつ、前記蓋で覆われる領域の下方に配置された保護カバー上に、前記検知部とともに配置され、かつ、前記検知部の上方に配置された構成とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、安定した電波強度を確保し、制御基板から無線通信部への配線引き回しを簡易にし、且つ、無線通信部に大きなノイズの影響を受けない洗濯機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係るタテ型洗濯機の外部構成を示す斜視図である。
図2】本発明に係るタテ型洗濯機を示す正面図である。
図3】本発明に係るタテ型洗濯機を斜め上前方から見た構成図である。
図4】本発明に係るタテ型洗濯機の内部構成を示す模式図である。
図5】タテ型洗濯機の前方上部右側の詳細構成を示す斜視図である。
図6】タテ型洗濯機の前方上部右側を下から見上げた状態を示す分解斜視図である。
図7】無線通信装置を下から見上げた状態を示す分解斜視図である。
図8】無線通信装置を下から見上げた状態を示す斜視図である。
図9】A-A線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)について詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0015】
本実施形態は、前記した課題以外に、後記する<タテ型洗濯機(洗濯機乾燥機)の主な特徴>の章で説明するような課題が従来のタテ型洗濯機にあったため、その課題を解決することが考慮されたタテ型洗濯機(洗濯機乾燥機)を提供することを意図している。
【0016】
なお、本実施形態に係る洗濯乾燥機であるタテ型洗濯機は、以下のような構成上の特徴を有している。
【0017】
(1)洗濯機1は、筐体11の前方上部右側に、無線通信装置60を搭載している。
【0018】
(2)洗濯機1は、乾燥ユニット71から遠い場所である筐体11の前方上部右側に、無線通信装置60を搭載している(図5参照)。
【0019】
(3)洗濯機1は、操作パネル14よりも使用者の立ち位置に近い場所に無線通信装置60を搭載している(図4参照)。
【0020】
(4)洗濯機1は、外槽22よりも前方(外側)に無線通信装置60を搭載している(図5参照)。
【0021】
(5)洗濯機1は、上面カバー12の前方上部右側に配置された保護カバー35上に備えた異常振動を検知する検知部である安全スイッチ36の更に上面に無線通信装置60が設けられている。(図9参照)。
【0022】
(6)洗濯機1は、上面カバー12の前方上部右側に配置され、電源スイッチ37、安全スイッチ36を集約し配線引き回しを簡易にしている(図5、9参照)。
【0023】
<洗濯機の外部構成>
以下、図1乃至図3を参照して、本実施形態に係る洗濯機1(タテ型洗濯機)の外部構成について説明する。図1は、本実施形態に係るタテ型洗濯機1の外部構成を示す斜視図である。図2は、タテ型洗濯機の構成を示す正面図である。図3は、斜め上前方から見たタテ型洗濯機を示す構成図である。
【0024】
ここでは、洗濯機1であるタテ型洗濯機が洗濯対象物(布類)の乾燥機能を有する洗濯乾燥機であるものとして説明する。ただし、タテ型洗濯機は、乾燥機能を有していないものであってもよい。また、ここでは、洗濯機1が筺体の内部にタテ型の内槽である水槽が配置されたタテ型洗濯機であるものとして説明する。ただし、洗濯機1は、ドラム型洗濯機であってもよい。
【0025】
洗濯機1は、筐体11の前方(前方上部左側)に設けられた第1投入部31(投入口)を備え、使用者が手動で洗濯処理液を水槽21(洗濯兼脱水槽)に投入する手動投入部であるものとして説明する。また、筐体11の前方(前方手前)に設けられた第2投入部32(自動投入)は、洗濯処理液を後記する洗濯処理液投入装置30に投入する自動投入部であるものとして説明する。ただし、後記する第2投入部32は、必ずしも洗濯処理液投入装置30に投入する自動投入部でなくてもよい。
【0026】
図1に示すように、洗濯機1は、筐体11の上面に、それぞれ開閉自在な上面カバー12と、外フタ13と、タンク収納フタ15とを備えている。また、本実施形態では、洗濯機1は、筐体11の前面に、取り外し可能な前面パネル16を備えている。上面カバー12は、筐体11の後方上面に配置されている。外フタ13は、筐体11の中央上面に配置されている。タンク収納フタ15は、は、筐体11の前方上面に配置されている。外フタ13の上面には、洗濯機1を操作するための操作パネル14が設けられている。
【0027】
図2図3は、それぞれ、外フタ13とタンク収納フタ15を開けた状態を示している。図2は、正面から見たから見たタテ型洗濯機の構成を示しており、図3は、斜め上前方から見たタテ型洗濯機の構成を示している。
【0028】
図2及び図3に示すように、タテ型洗濯機は、外フタ13を開けると、筐体11の内部に開口部11aが設けられている。その開口部11aの内部には、洗濯対象物(布類)が投入される洗濯兼脱水槽として機能する水槽21(内槽)が配置されている。また、図3に示すように、水槽21の周囲には、1回分の洗濯処理液を水槽21(洗濯兼脱水槽)に投入する際に用いられる第1投入部31が配置されている。第1投入部31は、使用者が手動で液状の洗剤や柔軟剤(仕上剤)等の洗濯処理液を水槽21(洗濯兼脱水槽)に投入するための手動投入部として機能する。図示例では、第1投入部31(手動投入部)は、筐体11の左前方上部で、かつ、水槽21(洗濯兼脱水槽)の外側の場所に配置されている。
【0029】
また、洗濯機1は、タンク収納フタ15を開けると、筐体11の内部に、洗濯処理液投入装置30が配置されている。洗濯処理液投入部は、洗剤を格納する洗剤タンクと、柔軟剤を格納する柔軟剤タンクと、を備えている。
【0030】
また、筐体11の前方上部右側には、洗濯機1の電源をON、OFFする電源部である電源スイッチ37を設けている。後述するが、この前方上部右側に、制御基板であるメイン基板ユニットからの配線引き回しを簡単にするために、電力供給が必要な無線通信基板60(図5参照)も設けている。
【0031】
<洗濯機の内部構成>
以下、図4及び図5を参照して、タテ型洗濯機の内部構成について説明する。図4は、タテ型洗濯機の内部構成を示す模式図である。図5は、タテ型洗濯機の前方上部右側の内部に配置された保護カバー35上に配置された無線通信装置60を示す斜視図である。
【0032】
図4に示すように、洗濯機1は、筐体11の内部に、外槽22を備えており、さらにその内部に水槽21(洗濯兼脱水槽)を備えている。
【0033】
外槽22は、上面部に設けられた外槽カバー22aと、外槽カバー22aに設けられた開口部11aを封止するフタ部材22b(内フタ)と、他の部位よりも落とし込むようにして設けられた落とし込み部22cと、を有している。
【0034】
水槽21(洗濯兼脱水槽)は、上面が開放された有底の円筒形状を呈している。水槽21は、円筒の胴体部分を構成する銅板21aと、水槽21の底部で回転する回転翼21bと、水槽21のバランスを維持するバランスリング21cと、を有している。銅板21aには、通水及び通風のための、複数の貫通孔21aaが形成されている。バランスリング21cは、内部に流体が封止された流体バランサとなっている。
【0035】
洗濯機1は、水槽21及び回転翼21bを回転駆動するための駆動装置23と、駆動装置23の動作を検出するための回転検出装置24及びモータ電流検出装置25と、を備えている。駆動装置23は、水槽21及び回転翼21bを回転させるモータ23aと、水槽21及び回転翼21bの回転方向及び回転速度を規定するクラッチ機構23bと、回転翼21bに連結された回転軸23cと、を有している。回転軸23cは、上面視において水槽21の中心に配置されている。
【0036】
また、洗濯機1は、筐体11の後方上部に、水槽21に水を供給するための給水手段である給水ユニット20と、空気を加熱して乾燥風を得るための乾燥ユニット71(ヒータ)と、乾燥風を循環させるためのファン72、ファン72を駆動するファンモータ、送風ダクト73、及び乾燥ダクト81と、備えている。ここで、少なくとも乾燥ユニット71と、ファン72、ファンモータと、を含めて乾燥風(空気)を吹き出す送風部とする。
【0037】
送風ダクト73は、ファン72と吹出ノズル74との間に配置されており、その途中部分に乾燥ユニット71(ヒータ)が配置されている。送風ダクト73は、蛇腹管73aで吹出ノズル74に接続されている。吹出ノズル74は、ファン72によって送られ乾燥ユニット71で加熱された乾燥風を、外槽22の内部に吹き出す。乾燥ダクト81は、外槽22とファン72との間に配置されている。乾燥ダクト81は、蛇腹管81aで外槽22の落とし込み部22cと接続されている。
【0038】
洗濯機1は、例えば、洗濯工程時やすすぎ工程時に、水槽21(洗濯兼脱水槽)が水で浸されるように、給水ユニット20(給水手段)から外槽22に水を供給する。また、洗濯機1は、例えば、乾燥工程時に、ファン72を回転させて空気を送風ダクト73に送り、乾燥ユニット71で空気を加熱して乾燥風を得て、乾燥風を外槽22及び水槽21の内部を通過させる。これにより、洗濯機1は、水槽21の内部に収容された洗濯対象物(布類)を乾燥させる。そして、洗濯機1は、外槽22及び水槽21の内部を通過した空気をファン72で乾燥ダクト81から送風ダクト73に送り込み、同様の動作を繰り返す。
【0039】
また、図4に示すように、洗濯機1は、注水ホース51aと、投入ホースと、洗浄ホース61aと、を備えている。注水ホース51aは、給水ユニット20から外槽22に水を流すホースである。投入ホースは、第1投入部31(手動投入部)から外槽22に水を流すホースである。洗浄ホース61aは、水槽21や外槽22等の洗浄時に、給水ユニット20から外槽22に水を流すホースである。
【0040】
また、洗濯機1は、水を排出する排出経路63と、排出経路63を開閉する排水弁65と、を備えている。
【0041】
無線通信部である無線通信装置60は、給水ユニット20と乾燥ユニット71との間に位置し、かつ、操作パネル14よりも後側に位置している。また、無線通信装置60は、乾燥ユニット71よりも前側に位置している。無線通信装置60は、全面右上斜視図において、給水ユニット20、乾燥ユニット71(ヒータ)、ファン72のすべてから離れて前方上部右側に位置している。また、無線通信装置60は、水槽21を挟んで、第一投入部31(手動投入部)と反対側に位置している。
【0042】
本発明では、無線通信部である無線通信装置60と電源部である電源スイッチ37を筐体11の前方に設ける、本実施例では、前方上部右側に設けることで、筐体11の底部(下方)に設けられた制御基板であるメイン基板ユニットからの配線引き回しを簡易とし、筐体11の後方に設けられたファン72、ファンモータ、などのノイズ源から遠ざけて配置することで、安定した電波強度を確保し、且つ無線通信部に大きなノイズの影響を極力受けないといった効果を得ることができる。
【0043】
図5は、タテ型洗濯機の前方上部右側の詳細構成を示す斜視図である。図6は、タテ型洗濯機の前方上部右側を下から見上げた状態を示す分解斜視図である。図7は、無線通信装置を下から見上げた状態を示す分解斜視図である。図8は、無線通信装置を下から見上げた状態を示す斜視図である。
【0044】
図5、6に示すように、無線通信部(通信ユニット)である無線通信装置60は、通信基板61と、この通信基板61を収容する基板ケース62と、を備えて構成されている。
【0045】
図7,8に示すように、基板ケース62は、合成樹脂製であり、略四角箱状且つ下面が開放した形状を有している。また、基板ケース62は、上板62aと、左右方向を向く側板62b,62cと、前後方向を向く側板62d,62eと、を有している。側板62b,62c,62d,62eは、上板62aの外周縁部から下方に垂直に延びて形成されている。また、側板62b,62c,62d,62eの高さは、いずれも同じになるように構成されている。
【0046】
側板62dには、前方(側板62eとは反対方向)に突出する突起部62d1,62d2が形成されている。この突起部62d1,62d2は、左右方向に互いに離間して、側板62dと一体に形成されている。また、突起部62d1,62d2は、四角板状に形成され、上板62aと平行になるように構成されている。また、突起部62d1,62d2と側板62dとの角部には、補強用のリブが形成されている。
【0047】
側板62eには、ねじ固定用の固定部62e1,62e2が後方(側板62dとは反対方向)に突出して形成されている。この固定部62e1,62e2は、コ字状に形成されるとともに、上下方向に貫通するねじ挿通孔が形成されている。
【0048】
無線通信装置60は保護カバー35に配置さてており、安全スイッチ36及び前面パネル16よりも高い位置に配置している。(図5、6参照)
無線通信装置60が収容される基板カバー59が形成されている。この基板カバー59は、略矩形状に形成され、外周に沿って上方に向けて突出するリブが形成されている。リブは、前後左右の周囲全体を囲むように略四角状に形成されている。また、リブの内側全体は、平坦な底面によって形成されている。
【0049】
パッキン67(封止部材)は、基板ケース62と収容部36cとの間に形成される隙間を封止(密閉)するものであり、略四角状に形成されている。
【0050】
図7、8に示すように、通信基板61は、略長方形状を呈し、無線通信モジュール、アンテナ、接続コネクタ61aなどの回路部品が実装されている。なお、無線通信の規格としては、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)などから選択できる。無線通信モジュール、アンテナは、通信基板61の上面側に設けられている。また、接続コネクタ61aは、通信基板61の無線通信モジュールとは反対側(下面側)に設けられている。
【0051】
基板ケース62は、一面側(下面側)が開放した形状を有している。また、基板ケース62内には、通信基板61の縁部e1を係止する係止部62i1、62i2が形成されている。この係止部62i1、,62i2は、通信基板61の縁部e1を加え込む形状である。
【0052】
また、基板ケース62内には、通信基板61の縁部e2を係止する係止部62j1、62j2が形成されている。この係止部62j1、62j2は、係止部61i1、62i2に接離する方向に撓み変形可能に構成されている。
【0053】
また、基板ケース62内には、係止部62i1、62i2の近傍に、通信基板61の縁部e1を位置決めする位置決め部62k1、62k2が形成されている。また、係止部62j1、62j2の近傍にも通信基板61の縁部e2を位置決めする位置決め部62m1、62m2が形成されている。
【0054】
基板ケース62には、筐体11の底部に設けた制御基板(メイン基板ユニット)と電気的に接続される接続コネクタ64のリード線64aが挿通される切欠き62pが形成されている。なお、切欠き62pとリード線64aとの隙間は、パッキン(不図示)などによって封止されている。
【0055】
通信基板61は、係止部61i1,61i2,61j1,61j2によって保持される。通信基板61を基板ケース62に取り付ける場合には、通信基板61の縁部e1を係止部61i1,61i2に係止した後、通信基板61の縁部e2を係止部61j1,61j2に押し当てる。これにより、係止部61j1,61j2が撓み変形し、通信基板61の縁部e2が係止部61j1,61j2の突起を乗り越える。そして、係止部61j1,61j2が弾性復帰することで、通信基板61が係止部61j1,61j2に係止される。
【0056】
なお、本実施形態では、基板ケース62に通信基板61を取り付けた後に、樹脂ポッティングによる防湿処理を行わずに、無線通信装置60を取り付け電波強度確保したことを特徴としている。
【0057】
図9は、筐体11の前方上部右側の拡大図と、A-A断面図と、を示す。
【0058】
図9に示す通り、異常振動を検知する検知部である安全スイッチ36の上方に、無線通信装置60が設けられる。つまり前方上部右側に主回路基板であるメイン基板ユニットから配線が必要な部品を集約させることで、省スペースの実現と、メイン基板ユニットからの配線引き回しを簡易にしている。
【0059】
本実施形態の構成として、洗濯機1は、外フタ13に操作パネル14を設け、温風を供給する乾燥ユニット71(ヒータ)と水槽を挟み反対の位置、電源スイッチ37近傍であり、かつ、第1投入部31(手動投入部)から水槽21を挟み反対位置、電源部である電源スイッチ37近傍に設置した保護カバー35に配置された安全スイッチ36の上側に備えられた無線通信装置60であり、前記によれば省スペースで設置を可能として、大きなノイズ要因から遠ざけることでき安定して電波強度を確保することができる。
【0060】
また、本実施形態では、洗濯機1の保護カバー35へ無線通信装置60を配置することで配線引き回しを簡易にし、送受信部に大きなノイズの影響を受けないことを特徴としたタテ型洗濯機を提供する。
【符号の説明】
【0061】
1 洗濯機
11 筐体
12 上面カバー
13 外フタ
14 操作パネル
15 タンク収納フタ
16 前面パネル
20 給水ユニット
21 水槽
22 外槽
23 駆動装置
30 洗濯処理液投入装置
31 第1投入部(手動投入部)
32 第2投入部(自動投入部)
35 保護カバー
36 安全スイッチ
59 基板カバー
60 無線通信装置
61 通信基板
62 基板ケース
65 排水弁
67 パッキン
71 乾燥ユニット(ヒータ)
72 ファン
73 送風ダクト
81 乾燥ダクト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9