(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240708BHJP
G02F 1/1368 20060101ALI20240708BHJP
G02F 1/1345 20060101ALI20240708BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20240708BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240708BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G02F1/1368
G02F1/1345
H01L29/78 612C
H01L29/78 619A
(21)【出願番号】P 2019229280
(22)【出願日】2019-12-19
【審査請求日】2022-10-26
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】池田 匡孝
(72)【発明者】
【氏名】小出 元
【審査官】橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-039524(JP,A)
【文献】特開2000-162634(JP,A)
【文献】特開2008-268458(JP,A)
【文献】国際公開第2018/155347(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/104945(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/029915(WO,A1)
【文献】特表2005-522734(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0012873(US,A1)
【文献】特開2011-044701(JP,A)
【文献】特開2015-034977(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103098376(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0189542(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第1549997(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/30
G02F 1/1368
G02F 1/1345
H01L 29/786
H01L 21/336
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向と、前記第1の方向に交差する第2の方向に配列され、青色に対応する第1のサブ画素及び白色に対応する第2のサブ画素を含む第1の画素及び第2の画素と、
前記第2の方向に延在し、前記第1の画素の前記第1のサブ画素及び前記第2のサブ画素と接続される、第1の映像信号線と、
前記第2の方向に延在し、前記第2の画素の前記第1のサブ画素及び前記第2のサブ画素と接続される、第2の映像信号線と、
前記第1の映像信号線及び前記第2の映像信号線と接続され、前記第1の映像信号線に第1の極性の第1の映像信号を出力し、前記第2の映像信号線に第1の極性とは反対の第2の極性の第2の映像信号を出力する、カラム反転駆動が可能に構成される映像信号線駆動回路と、
前記第1の方向に延在し、前記第1の画素の前記第1のサブ画素及び前記第2の画素の前記第2のサブ画素と接続される第1の走査信号線と、
前記第1の方向に延在し、前記第1の画素の前記第2のサブ画素及び前記第2の画素の前記第1のサブ画素と接続される第2の走査信号線と、
前記第1の走査信号線及び前記第2の走査信号線と接続される走査信号線駆動回路と、を有し、
前記第1の画素は、前記第1の映像信号線に沿って、前記第1のサブ画素、前記第2のサブ画素の順に配置され、
前記第2のサブ画素は、前記第2の映像信号線に沿って、前記第2のサブ画素、前記第1のサブ画素の順に配置され、
前記走査信号線駆動回路は、
前記第1の走査信号線に信号を出力する第1のスイッチと、
前記第2の走査信号線に信号を出力する第2のスイッチと、
前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチに第1の電圧を供給する第1電源線と、
前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチに第1の電圧より小さい第2の電圧を供給する第2電源線と、
を含み、
前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチは、前記第1電源線と、前記第2電源線との間に設けられ、
前記第2電源線の線幅は、前記第1電源線の線幅の4倍より大きく16倍以下である、
表示装置。
【請求項2】
前記第2電源線は、
前記
第1の走査信号線
及び前記第2の走査信号線と異なる層に設けられ、
前記第1電源線と同一の層に設けられる第1の導電膜から構成される、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第2電源線は、
前記
第1の走査信号線
及び前記第2の走査信号線と異なる層に設けられ、前記第1電源線と同一の層に設けられる第1の導電膜と、
前記第1の導電膜に重畳し、かつ、前記第1の導電膜に電気的に接続され、前記第1の導電膜に対して、前記
第1の走査信号線
及び前記第2の走査信号線が設けられる層と反対側に設けられる第2の導電膜と、
から構成される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第2電源線は、
前記第1電源線と同一の層に設けられる第1の導電膜と、
前記第1の導電膜に重畳し、かつ、前記第1の導電膜に電気的に接続される第2の導電膜と、
前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜に重畳し、かつ、前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜に電気的に接続され、前記第1の導電膜に対して前記第2の導電膜が設けられる反対側に設けられる第4の導電膜と、
から構成され、
前記
第1の走査信号線
及び前記第2の走査信号線は
前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜に重畳するとともに、前記第1の導電膜に対して前記第2の導電膜が設けられる反対側に設けられ、かつ、前記第1の導電膜と前記第4の導電膜の間に設けられる第3の導電膜と同一の層に設けられる、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第2電源線は、
前記第1電源線と同一の層に設けられる第1の導電膜と、
前記第1の導電膜に重畳し、かつ、前記第1の導電膜に電気的に接続される第2の導電膜と、
前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜に重畳し、かつ、前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜に電気的に接続され、前記第1の導電膜に対して前記第2の導電膜が設けられる反対側に設けられ、前記
第1の走査信号線
及び前記第2の走査信号線と同一の層に設けられる第3の導電膜と、
前記第1の導電膜、前記第2の導電膜及び前記第3の導電膜に重畳し、かつ、前記第1の導電膜、前記第2の導電膜及び前記第3の導電膜に電気的に接続され、前記第3の導電膜に対して前記第1の導電膜が設けられる反対側に設けられる第4の導電膜と、
から構成される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第2電源線は、
前記第1電源線と同一の層に設けられる第1の導電膜と、
前記第1の導電膜に重畳し、かつ、前記第1の導電膜に電気的に接続される第2の導電膜と、
前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜に重畳し、かつ、前記第1の導電膜及び前記第2の導電膜に電気的に接続され、前記第1の導電膜に対して前記第2の導電膜が設けられる反対側に設けられる第3の導電膜と、
から構成され、
前記
第1の走査信号線
及び前記第2の走査信号線は、
前記第1の導電膜、前記第2の導電膜及び前記第3の導電膜に重畳し、かつ、前記第3の導電膜に対して前記第1の導電膜が設けられる反対側に設けられる第4の導電膜と同一の層に設けられる、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1の導電膜と前記第2電源線が設けられる層の間に設けられ、前記第1の導電膜を覆う平坦化膜を有する、
請求項2に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1の導電膜と、前記第2の導電膜の間に設けられ、前記第1の導電膜を覆う平坦化膜を有する、
請求項3乃至請求項6の何れか一項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一実施形態は表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置、有機エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence)表示装置を代表とする表示装置において、表示品位の低下を抑制するための開発が進んでいる。表示品位の低下を抑制する手法の1つに、例えば、色再現性を向上させる手法がある。一般的に、表示装置の画面は、複数の画素によって構成されている。1つの画素は、光の3原色である赤色、緑色、青色に対応する表示素子をそれぞれ設けた3つのサブ画素によって構成されている。ここで、表示装置において、赤色に対応する表示素子を設けたサブ画素(R画素)、緑色に対応する表示素子を設けたサブ画素(G画素)、青色に対応する表示素子を設けたサブ画素(B画素)に、白色に対応する表示素子を設けたサブ画素(W画素)を加え、4つのサブ画素にすることで、色再現性を向上させることができる。
【0003】
特許文献1には、R画素、G画素、B画素、及びW画素の4つのサブ画素を有する表示装置において、表示品位の低下を抑制するための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【0005】
一方、R画素、G画素、B画素、及びW画素の4つのサブ画素を有する表示装置を、カラム反転駆動させた場合、表示装置において、クロストークが発生する恐れがあった。また、表示装置において、各画素に印加される電圧が低下する虞があった。その結果、R画素、G画素、B画素、及びW画素の4つのサブ画素を有する表示装置の表示品位が低下する虞があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の一実施形態は、4つのサブ画素を有する表示装置をカラム反転駆動させた場合、表示品位の低下を抑制する構成を有する表示装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
表示装置であって、第1の方向と、第1の方向に交差する第2の方向に配列された複数の画素と、複数の画素と接続される少なくとも1つの走査信号線と、走査信号線と接続される走査信号線駆動回路と、を有し、走査信号線駆動回路は、走査信号線に信号を出力するスイッチと、スイッチに第1の電圧を供給する第1電源線と、スイッチに第1の電圧より小さい第2の電圧を供給する第2電源線と、を含み、スイッチは、第1電源線と、第2電源線との間に設けられ、電源線の線幅は、イネーブル信号線の線幅の4倍より大きく40倍以下である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を示す模式的な平面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る表示装置の構成を示す模式的な平面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る画素の構成を示す等価回路図である。
【
図4】(A)及び(B)は、従来の表示装置のタイミングチャートの一例を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る表示装置のタイミングチャートの一例を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る走査線駆動回路の構成を示す模式的な平面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る走査線駆動回路の一部のレイアウトの一例を示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係るゲートスイッチの構成を示す回路図である。
【
図9】
図7のA1-A2に沿った断面を示す断面図である。
【
図10】
図7のB1-B2に沿った断面を示す断面図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る走査線駆動回路の一部のレイアウトの一例を示す図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る走査線駆動回路の一部のレイアウトの一例を示す図である。
【
図13】
図12のC1-C2に沿った断面を示す断面図である。
【
図14】
図12のD1-D2に沿った断面を示す断面図である。
【
図15】本発明の一実施形態に係る走査線駆動回路の一部のレイアウトの一例を示す図である。
【
図16】
図15のE1-E2に沿った断面を示す断面図である。
【
図17】
図15のF1-F2に沿った断面を示す断面図である。
【
図18】本発明の一実施形態に係る走査線駆動回路の一部のレイアウトの一例を示す図である。
【
図19】
図18のG1-G2に沿った断面を示す断面図である。
【
図20】本発明の一実施形態に係る走査線駆動回路の一部のレイアウトの一例を示す図である。
【
図21】
図20のI1-I2に沿った断面を示す断面図である。
【
図22】
図20のJ1-J2に沿った断面を示す断面図である。
【
図23】本発明の一実施形態に係る電源線のレイアウトの一例を示す図である。
【
図24】本発明の一実施形態に係る表示装置の回路シミュレーション結果の一例を示す図である。
【
図25】本発明の一実施形態に係る画素のレイアウトの一例を示す図である。
【
図26】
図25のK1-K2に沿った断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を、図面等を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の構成等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。さらに、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号(または数字の後にa、bなどを付した符号)を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。なお、各要素に対する「第1」、「第2」と付記された文字は、各要素を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限りそれ以上の意味を有さない。
【0010】
<1.第1実施形態>
<1-1.表示装置10の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置10の構成を示す模式的な平面図である。
図1に示された本発明の一実施形態に係る表示装置10の構成は、一例であって、
図1の構成に限定されるものではない。本明細書等において、表示装置10は、例えば、液晶表示装置である。また、表示装置10は、例えば、タッチ電極を有するタッチパネルの機能を備える。
【0011】
表示装置10は、上面視においてX方向(行方向)及びX方向に交差するY方向(列方向)にマトリクス状に複数配置されているコモン電極530(第4導電膜47)、第4導電膜47に電気的に接続される配線522、第1の基板20、第2の基板90、表示部122、周辺部136、映像信号線駆動回路124、走査信号線駆動回路126、および配線基板214を有する。なお、表示装置10は、走査信号線駆動回路126を、上面視において左右両側に有していてもよい。第1の基板はアレイ基板もしくはTFT基板とも呼ばれる。第2の基板90は対向基板もしくはカラーフィルタ基板とも呼ばれる。
【0012】
表示部122は複数の画素PXを有する。第1の基板20と第2の基板90とはシール部によって貼り合わせられる。一般的に、表示部122は周辺部136に設けられたシール部に囲まれている。映像信号線駆動回路124及び走査信号線駆動回路126は、周辺部136に設けられる。映像信号線駆動回路124は、例えば、Y方向に平行又は略平行に、互いに隣接する位置に設けられる。走査信号線駆動回路126は、例えば、X方向に平行又は略平行に、互いに隣接する位置に設けられる。映像信号線駆動回路124及び走査信号線駆動回路126は、画素の駆動を制御する。
【0013】
図1においては、複数の画素PX、及び内蔵回路としての走査信号線駆動回路126が、第1の基板20の上に形成され、映像信号線駆動回路124がICチップを用いて第1の基板20の上に設けられる例を示す。なお、映像信号線駆動回路124の構成は、
図1に示された例に限定されない。例えば、ICチップである映像信号線駆動回路124は、フレキシブルプリント回路(Flexible Printed Circuit、FPC)基板などの配線基板214の上に設けてもよい。また、映像信号線駆動回路124が有する回路の一部を第1の基板20とは異なる基板の上に形成し、第1の基板20又は配線基板214の上に設ける構成としてもよい。
【0014】
また、ICチップである映像信号線駆動回路124に含まれる駆動回路又は駆動回路の一部が、走査信号線駆動回路126と同様に、第1の基板20の上に内蔵回路として直接形成されてもよい。この場合、映像信号線駆動回路124はICチップと表示部122との間に形成される。ICチップは配線基板214と映像信号線駆動回路124との間において第1の基板20に実装されてもよく、ICチップは配線基板214に実装されてもよい。また、配線522は映像信号線駆動回路124に接続されるものではなく、ICチップに接続される構造であってもよい。
【0015】
上述のように映像信号線駆動回路とICチップは個別に形成さてもよく、映像信号線駆動回路124は単に内蔵回路としての映像信号線駆動回路を含まないドライバICチップ124と置き換えてもよい。
【0016】
なお、第1の基板20の上には、画素内に設けられる液晶素子などの表示素子、及びそれらを制御するための各種半導体素子が形成される。
【0017】
また、表示装置10は、第1の配線206、開口部208、第1の端子配線210、第1の端子212、第2の配線216、開口部218、第2の端子配線220、及び第2の端子222を有する。これらも、第1の基板20の上に設けられる。
【0018】
詳細は後述されるが、走査信号線駆動回路126に設けられる電源線304(
図6)は、周辺部136から延びる第1の配線206と電気的に接続される。さらに、詳細は後述されるが、本発明の一実施形態に係る表示装置10において、走査信号線駆動回路126に設けられる電源線304の線幅は、従来の表示装置の電源線の線幅よりも太い。又は、本発明の一実施形態に係る表示装置10において、走査信号線駆動回路126に設けられる電源線304は、複数の配線層で積層した構成とする。その結果、電源線304の抵抗値を従来の電源線の抵抗値よりも小さくすることができるため、各走査信号線152、152a~152dに供給される信号の立下りを速くすることができる(走査信号線の立下りは、電源線304の抵抗値に依存する)。
【0019】
また、例えば、コモン電極530(第4導電膜47)が、配線522に電気的に接続され、コモン電極530(第4導電膜47)に電気的に接続された配線522の全てが電気的に接続され、周辺部136から延びる第1の配線206と電気的に接続されてもよい。画素を駆動するための信号又は電源が、外部装置(図示は省略)及び周辺部136から第1の端子212、走査信号線駆動回路126を経由し、画素に供給されてもよい。画素を駆動するための信号又は電源が、外部装置(図示は省略)及び周辺部136から、端子電極240、映像信号線駆動回路124もしくはドライバICチップ124を経由して、画素に供給されてもよい。例えば、第1の配線206は周辺部136を延伸し、開口部208を介して第1の端子配線210と電気的に接続される。第1の端子配線210は表示装置10の端子電極240が設けられる側の端部付近で露出され、第1の端子212を形成する。第1の端子212は配線基板214と接続される。また、第1の端子212はドライバIC124の端子であってもよい。
【0020】
また、例えば、コモン電極530(第4導電膜47)が、配線522に電気的に接続され、コモン電極530(第4導電膜47)に電気的に接続された配線522の全てが電気的に接続され、周辺部136から延びる第2の配線216と電気的に接続されてもよい。画素を駆動するための信号又は電源が、外部装置(図示は省略)及び周辺部136から延びる第2の配線216を介して画素に供給されてもよい。画素を駆動するための信号又は電源が、外部装置(図示は省略)及び周辺部136から第2の端子222、走査信号線駆動回路126を経由し、画素に供給されてもよい。第2の配線216は周辺部136を延伸し、開口部218を介して第2の端子配線220と電気的に接続される。第2の端子配線220は表示装置10の端子電極240が設けられる側の端部付近で露出されて第2の端子222を形成する。第2の端子222は配線基板214と接続される。
【0021】
表示装置10が映像を表示するとき、コモン電極530はコモン電極として機能し、表示装置10がタッチパネルとして機能するとき、コモン電極530(第4導電膜47)はタッチ電極として機能する。
【0022】
第1の端子212、第2の端子222、又は端子電極240は、表示装置10の一つの辺に並ぶように形成することができる。このため、単一の配線基板214を用いて、画素を駆動するための電圧又は信号を、表示部122、映像信号線駆動回路124及び走査信号線駆動回路126の各々に供給することができる。また、タッチ検出に関連する信号をコモン電極530(第4導電膜47)から配線522を介して受信するとともに、タッチ検出に関連する信号をコモン電極530(第4導電膜47)に供給することもできる。
【0023】
表示部122は、複数の画素PXがマトリクス状に配置される。
図2は、本発明の一実施形態に係る表示部122の第1領域523a及び第2領域523bの構成を示す模式的な平面図である。第1領域523aはコモン電極530a(第4導電膜47a)を含む領域であり、第2領域523bはコモン電極530b(第4導電膜47b)を含む領域である。
図2に示されるように、第1領域523a及び第2領域523bには、複数の画素PXがマトリクス状に配置されていることが理解される複数の画素PXのそれぞれは、例えば、4つの副画素130、副画素132、副画素134、副画素135に対応している。画素回路PXAは、表示部122で再現される映像の一部を構成する最小単位である。各副画素には表示素子が一つ備えられる。
図1に示される例では、表示素子は液晶素子である。副画素が対応する色は液晶素子、又は副画素上に設けられるカラーフィルタの特性によって決定される。なお、
図2に示された構成は、一例であって、
図2の構成に限定されるものではない。
【0024】
また、副画素130、副画素132、副画素134、及び副画素135は、互いに異なる色を与えるように構成される。本明細書等においては、副画素130は赤色を発するカラーフィルタ層を備え、副画素132は緑色を発するカラーフィルタ層を備え、副画素134は青色を発するカラーフィルタ層を備え、副画素135は白色を発するカラーフィルタ層を備える。4つの副画素のそれぞれに任意の電圧又は電流が供給され、表示装置10は映像を表示することができる。
【0025】
映像信号線駆動回路124は、配線522に電気的に接続される。映像信号線駆動回路124はタッチ検出に係る配線522が接続されており、映像信号線駆動回路124はタッチ検出回路の機能を有するものである。また、配線522は内蔵回路としての映像信号線駆動回路124に接続されておらずドライバICチップ124に接続されるものであってもよい。この場合、ドライバICチップ124はタッチ検出回路の機能を有している。また、映像信号線駆動回路124は、複数の映像信号線154a~154lの一端に接続される(図示は省略)。複数の映像信号線154は、Y方向に配列された複数の画素PXに接続される。
図2に示されるように、例えば、映像信号線154a、映像信号線154d、映像信号線154g及び映像信号線154jは、複数の副画素130に接続される。映像信号線154b、映像信号線154e、映像信号線154h及び映像信号線154kは、複数の副画素132に接続される。映像信号線154c、映像信号線154f、映像信号線154i及び映像信号線154lは、複数の副画素134及び135に接続される。
【0026】
走査信号線駆動回路126は、複数の走査信号線152a、152b、152c、及び152dの一端の一端に接続される。
図2に示されるように、例えば、複数の走査信号線152は、X方向に配列された複数の画素PXに接続される。走査信号線152a、152c、152e(図示は省略)、及び152g(図示は省略)のそれぞれは、X方向に沿って副画素130、副画素132、副画素134、副画素130、副画素132、及び副画素135の順番の配列された複数の副画素に接続される。走査信号線152b、152d、152f(図示は省略)、及び152h(図示は省略)のそれぞれは、X方向に沿って副画素130、副画素132、副画素135、副画素130、副画素132、及び副画素134の順番の配列された複数の副画素に接続される。
【0027】
<1-2.画素の構成>
図3は、本発明の一実施形態に係る画素PXの構成及び画素に生じる容量を示す等価回路を示す回路図である。
図1と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。なお、
図3に示された画素PXの回路構成は一例であって、本発明の一実施形態に係る回路構成はここで示された回路構成に限定されるものではない。
【0028】
図3に示されるように、画素PXはトランジスタ162、保持容量164及び液晶素子166などの素子を含む。トランジスタ162はゲート電極162G、ソース電極162S及びドレイン電極162Dを有する。ゲート電極162Gは走査信号線152に接続される。ソース電極162Sは映像信号線154に接続される。ドレイン電極は画素電極に接続される。
図3の回路図においてドレイン電極162Dは保持容量164の一端及び液晶素子166の一端に接続される。保持容量164の他端及び液晶素子166の他端は例えば基準電源線168に接続される。
【0029】
なお、基準電源線168は、複数の画素PXに共通して設けられる。すなわち、基準電源線168は、複数の画素PXに電気的に接続される。基準電源線168は、例えば、コモン電源線と呼ばれる。基準電源線168には、例えば、複数の第1の端子212から定電圧が供給される。定電圧は例えば0V、又はコモン電圧である。基準電源線168は、各画素で共有され、各画素は共通の定電圧が供給される。また、基準電源線168に接続された保持容量164の一端又は液晶素子166の一端はコモン電極と呼ばれる。なお、ソース電極162S及びドレイン電極162Dに印加される電圧によって、各々の電極のソースとしての機能とドレインとしての機能とが入れ替わってもよい。基準電源線168は、例えば、第2導電膜、または第3導電膜を用いて設けられる。基準電源線168は、例えば、第3導電膜を用いて設けられてもよく、第3導電膜を用いて設けられた配線522であってもよい。コモン電極530(第4導電膜47)は、有機膜49(
図9)を開口する開口部(図示は省略)を介して、第3導電膜に電気的に接続される。基準電源線168は、第3導電膜を用いて設けられた配線522であり、コモン電極530(第4導電膜47)に接続される。
【0030】
<1-3.表示装置10の駆動方法>
図2~
図5を用いて、本発明の一実施形態に係る表示装置10の駆動方法、及び従来の表示装置の駆動方法の一例を説明する。
図4(A)及び
図4(B)は、従来の表示装置のタイミングチャートの一例を示す図である。
図5は本発明の一実施形態に係る表示装置10のタイミングチャートの一例を示す図である。
図4及び
図5に示されたタイミングチャートは一例であって、
図4及び
図5に示された例に限定されるものではない。
図1~
図3と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
【0031】
なお、本発明の一実施形態に係る駆動方法は、カラム反転駆動を前提としている。例えば、n-1周期目に表示される映像に対しては、映像信号線154a、154c、154e、154g、154i、及び154kは、コモン電圧を基準とし、マイナスの電圧に対応する映像信号を供給され、映像信号線154b、154d、154f、154h、154j、及び154lは、コモン電圧を基準とし、プラスの電圧に対応する映像信号を供給される。続いて、n周期目に表示される映像に対しては、映像信号線154a、154c、154e、154g、154i、及び154kは、コモン電圧を基準とし、プラスの電圧に対応する映像信号を供給され、映像信号線154b、154d、154f、154h、154j、及び154lは、コモン電圧を基準とし、マイナスの電圧に対応する映像信号を供給される。また、ここでは、第1領域523aに含まれる複数の副画素において、青色を発する副画素134が青色を発する電圧を供給され、その他の副画素はGNDを供給され黒を表示するものとする。また、第1領域523a以外の表示部122に含まれる複数の副画素は、グレーの映像を表示する電圧が供給されるものとする。すなわち、第2領域523bは、グレーの映像を表示する電圧が供給される。以降の説明において、第1領域523a以外の表示部122を背景部とよぶ。また、第2領域523bにおいて表示されるグレーの映像に対して、第2領域523bの複数の副画素に供給される電圧は、例えば、中間調の映像を表示する電圧と呼ぶ。例えば、中間調の映像とは、白色の映像と黒色の映像の中間色の映像、又は略中間色の映像である。
【0032】
図4(A)に示されるように、例えば、走査信号線152b、SELR、SELG、及びSELBWのそれぞれに、パルス信号が供給される。走査信号線152bが選択され、SELRが、映像信号線154a、映像信号線154d、映像信号線154g、及び映像信号線154jを選択すると、映像信号線154a、映像信号線154d、映像信号線154g、又は映像信号線154jに接続された複数の副画素130は、各副画素に対応する映像信号を供給される。走査信号線152bが選択され、SELGが、映像信号線154b、映像信号線154e、映像信号線154h、及び映像信号線154kを選択すると、映像信号線154b、映像信号線154e、映像信号線154h、及び映像信号線154kに接続された複数の副画素132は、各副画素に対応する映像信号を供給される。走査信号線152bが選択され、SELBWが、映像信号線154c、映像信号線154f、映像信号線154i、及び映像信号線154lを選択すると、映像信号線154c、映像信号線154f、映像信号線154i、又は映像信号線154lに接続された複数の副画素134及び135は、各副画素に対応する映像信号を供給される。
【0033】
例えば、映像信号線154cは、1行前の走査信号線152aに選択された副画素134に供給されるマイナスの電圧に対応する青色の映像信号に対して、当該行の走査信号線152bに選択された副画素135に供給されるGNDの電圧に対応する映像信号を供給する。映像信号線154fは、1行前の走査信号線152aに選択された副画素135に供給されるGNDの電圧に対応する映像信号に対して、当該行の走査信号線152bに選択された副画素134に供給されたプラスの電圧に対応する青色の映像信号を供給する。映像信号線154iは、1行前の走査信号線152aに選択された副画素134に供給される中間調の電圧に対応する中間調の映像信号に対して、当該行の走査信号線152bに選択された副画素135に供給される中間調の電圧に対応する中間調の映像信号を供給する。映像信号線154lは、1行前の走査信号線152aに選択された副画素135に供給される中間調の電圧に対応する中間調の映像信号に対して、当該行の走査信号線152bに選択された副画素134に供給される中間調の電圧に対応する中間調の映像信号を供給する。
【0034】
図3を参照すると、映像信号線154と基準電源線168との間には寄生容量Cscが存在し、映像信号線154と走査信号線152との間には寄生容量Csgが存在し、走査信号線152と基準電源線168との間にも寄生容量Cgcが存在する。
【0035】
図4(A)に戻って説明を続ける。はじめに、走査信号線152bが選択され、SELBWにパルス幅PWAの信号が供給される。映像信号線154cにはマイナスの電圧からGNDの電圧に対応する映像信号が供給され、走査信号線152bによって選択された白色を発する副画素135は、GNDの電圧に対応する映像信号を供給される。映像信号線154fにはGNDの電圧からプラスの電圧に対応する青色の映像信号が供給され、走査信号線152bによって選択された青色を発する副画素134は、プラスの電圧に対応する青色の映像信号を供給される。すなわち、映像信号線154cに供給される電圧と映像信号線154fに供給される電圧は、いずれも上昇する。その結果、映像信号線154cの電位と映像信号線154fの電位が上昇し、寄生容量Cscに伴う映像信号線154と基準電源線168の容量カップリングにより、コモン電極530(第4導電膜47)及び基準電源線168(配線522)の電位が上昇する。また、
図1~
図3を用いて説明されたように、コモン電極530(第4導電膜47)及び基準電源線168(配線522)は、全てが電気的に接続されている。その結果、背景部のコモン電極530(第4導電膜47)及び基準電源線168(配線522)の電位も上昇する。一方、走査信号線152bにロー(Lo)からハイ(High)に変化する信号が供給され、走査信号線152bが選択されるとき、走査信号線152b以外の走査信号線152、走査信号線152a、152c、152d、152e(図示は省略)、152f(図示は省略)、152g(図示は省略)、及び152h(図示は省略)にはロー(Lo)が供給され、走査信号線152a、152c、152d、152e(図示は省略)、152f(図示は省略)、152g(図示は省略)、及び152h(図示は省略)は選択されない。
【0036】
また、図示は省略するが、映像信号線154c及び映像信号線154fと同様に走査信号線152bが選択され、SELBWにパルス幅PWAの信号が供給されると、映像信号線154iにはマイナスの中間調の電圧に対応する中間調の映像信号が供給され、走査信号線152bによって選択された白色を発する副画素135は、マイナスの中間調の電圧に対応する中間調の映像信号を供給される。同様に、映像信号線154lにはプラスの中間調の電圧に対応する中間調の映像信号が供給され、走査信号線152bによって選択された青色を発する副画素134は、プラスの中間調の電圧に対応する中間調の映像信号を供給される。ここで、映像信号線154cの電位と映像信号線154fの電位が上昇し、寄生容量Csgに伴う映像信号線154と走査信号線152の容量カップリングにより、全ての走査信号線152の電位が上昇する。走査信号線152は、背景部である第2領域523b、及び、第1領域523aに対して第2領域523bが設けられる側と反対側に延伸している。したがって、走査信号線152の電位が上昇すると、寄生容量Cgcに伴う走査信号線152と、背景部の基準電源線168との容量カップリングにより、背景部のコモン電極530(第4導電膜47)及び基準電源線168(配線522)の電位も上昇する。
【0037】
図4(A)に示されるように、上昇した基準電源線168の電位は、時間経過とともに低下し、SELBWにパルス幅PWAの信号(ロー)が供給されると、基準電源線168は、概ね、元の電位に収束する。
【0038】
図4(B)には、SELBWに、パルス幅PWAよりも狭いパルス幅PWBの信号が供給される場合のタイミングチャートが示される。SELBWに供給されるパルス幅が狭いことは、パルス幅が広いことと比較して、表示装置が高速で駆動されていることと言い換えることができる。
図4(B)に示されるように、走査信号線152bにロー(Lo)からハイ(High)に変化する信号が供給され、走査信号線152bが選択され、SELBWにパルス幅PWBの信号(ハイ)が供給される。その結果、
図4(A)で説明した内容と同様に、映像信号線154cの電位と映像信号線154fの電位が上昇し、寄生容量Cscに伴う映像信号線154と基準電源線168の容量カップリングにより、コモン電極530(第4導電膜47)及び基準電源線168(配線522)の電位が上昇する。また、走査信号線152の電位が上昇すると、寄生容量Cgcに伴う走査信号線152と、背景部の基準電源線168との容量カップリングにより、背景部のコモン電極530(第4導電膜47)及び基準電源線168(配線522)の電位も上昇する。
【0039】
図4(B)においては、SELBWに供給されるパルス幅が狭いため、SELBWにパルス幅PWBの信号(ロー)が供給されても、基準電源線168は、元の電位よりも高い電位になっている。基準電源線168は、元の電位よりも高い電位になることで、映像信号線154i及び走査信号線152bに接続された白色を発する副画素135は本来表示される中間調の映像よりも明るく表示され、映像信号線154l及び走査信号線152bに接続された青色を発する副画素134は、本来表示される中間調の映像よりも暗く表示される。よって、基準電源線168が元の電位よりも高い電位になることに伴い、第2領域523b、及び、第1領域523aに対して第2領域523bが設けられる側と反対側の領域のグレーの映像は明るく表示される。すなわち、基準電源線168が元の電位よりも高い電位になることに伴い、表示装置にクロストークが生じ、表示装置の表示品位が低下してしまう。
【0040】
一方、本発明においては、選択されていない走査信号線152に電圧を供給する電源線304に着目した。電源線304は、選択されていない走査信号線152に電圧を供給するため、電源線304は、選択されていない走査信号線152と電気的に接続されている。すなわち、寄生容量Csgに伴う映像信号線154と、選択されていない走査信号線152の容量カップリングの影響を受けて、電源線304の電位が上昇する。すなわち、選択されていない走査信号線152と、基準電源線168との容量カップリングにより、電源線304と基準電源線168は互いに影響を受けている。ここで、本発明の発明者らは、寄生容量Csg及びCgcの影響により、電源線304の電位の上昇を、元の電位近傍に速く収束させることで、基準電源線168を元の電位近傍に速く収束させることを見出した。電源線304の電位の上昇を、元の電位近傍に速く収束させることは、電源線304の立下りを速くすること、または、電源線304の時定数を小さくすることと言い換えることができる。
【0041】
詳細は後述されるが、本発明の一実施形態に係る表示装置10において、走査信号線駆動回路126に設けられる電源線304の線幅は、従来の表示装置の電源線の線幅よりも太い。又は、本発明の一実施形態に係る表示装置10において、走査信号線駆動回路126に設けられる電源線304は、複数の配線層で積層した構成とする。以上の構成により、本発明の一実施形態に係る表示装置10において、走査信号線駆動回路126に設けられる電源線304の抵抗値を、従来の表示装置における電源線の抵抗値よりも小さくすることができる。本発明の一実施形態に係る表示装置10においては、電源線304の抵抗値を小さくすることができるため、電源線304の時定数を小さくすることができる。その結果、
図5に示されるように、基準電源線168の電位を速く元の電位近傍に収束させることができる。すなわち、本発明の一実施形態に係る表示装置10は、電源線304の抵抗値を従来よりも小さくすることで基準電源線168の電位の上昇を抑制され、基準電源線168の電位の上昇に伴うクロストークの発生を抑制され、表示装置の表示品位の低下を抑制することができる。
【0042】
<1-4.走査信号線駆動回路126の構成>
図6~
図11を用いて、電源線304の線幅を太くすることで、走査信号線の時定数を小さくする例を説明する。
図6~
図11を用いた例では、電源線304は第2導電膜で形成される。
図6は、本発明の一実施形態に係る走査信号線駆動回路126の構成を示す模式的な平面図である。
図7は、本発明の一実施形態に係る走査信号線駆動回路126の一部のレイアウトの一例を示す図である。
図8は、本発明の一実施形態に係るゲートスイッチの構成を示す回路図である。
図9は、
図7のA1-A2に沿った断面を示す断面図である。
図10は、
図7のB1-B2に沿った断面を示す断面図である。
図11は、本発明の一実施形態に係る走査線駆動回路の一部のレイアウトの一例を示す図である。
図6~
図11に示された本発明の一実施形態は一例であって、
図6~
図11に示された例に限定されるものではない。
図1~
図5と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
【0043】
図6に示されるように、走査信号線駆動回路126は、第1の配線群300、第2の配線群302、電源線304、走査方向切替回路306、シフトレジスタ308、第1のゲートスイッチ310、第2のゲートスイッチ312、第3のゲートスイッチ314、及び第4のゲートスイッチ316を有する。また、第2の配線群302の配線または信号線は走査信号線駆動回路126に接続される複数の第1電源線とも呼ばれる。電源線304は、第2電源線、もしくは走査信号線駆動回路用電源線とも呼ばれる。
【0044】
第1の配線群300は、走査方向切替信号線を含む。走査方向切替信号線は、走査方向切替回路306に電気的に接続され、走査信号線駆動回路126の走査方向を切り替える信号が供給される。第2の配線群302は、第1イネーブル信号線320、第2イネーブル信号線322、第3イネーブル信号線324及び第4イネーブル信号線326を含む。
【0045】
走査方向切替回路306が、第1の配線群300に囲まれるように設けられる。走査方向切替回路306は、シフトレジスタ308に電気的に接続される。走査方向切替回路306は、走査方向切替信号線に接続され、走査信号線駆動回路126の走査方向を切り替える信号が供給される。走査方向切替回路306は、走査方向を切り替える信号に基づき、シフトレジスタ308に供給されるシフト信号が、走査される方向を切り替える。
【0046】
シフトレジスタ308は、第1の配線群300と第2の配線群302の間に設けられる。シフトレジスタ308は、第1のゲートスイッチ310、第2のゲートスイッチ312、第3のゲートスイッチ314、及び第4のゲートスイッチ316に電気的に接続される。シフトレジスタ308は、隣接するシフトレジスタからシフト信号を入力する。シフトレジスタ308は、当該シフト信号に基づき、第1のゲートスイッチ310、第2のゲートスイッチ312、第3のゲートスイッチ314、及び第4のゲートスイッチ316を選択するための複数のゲートスイッチ選択信号を生成し、生成された複数のゲートスイッチ選択信号を、第1のゲートスイッチ310、第2のゲートスイッチ312、第3のゲートスイッチ314、及び第4のゲートスイッチ316のそれぞれに供給する。複数のゲートスイッチ選択信号のうち、ゲートスイッチ選択信号線INNB、ゲートスイッチ選択信号線INPB、及びゲートスイッチ選択信号線INPのそれぞれに対応するゲートスイッチ選択信号が、ゲートスイッチ選択信号線INNB、ゲートスイッチ選択信号線INPB、及びゲートスイッチ選択信号線INPに供給される。
【0047】
第1のゲートスイッチ310、第2のゲートスイッチ312、第3のゲートスイッチ314、及び第4のゲートスイッチ316は、第2の配線群302と電源線304の間に設けられる。第1のゲートスイッチ310、第2のゲートスイッチ312、第3のゲートスイッチ314、及び第4のゲートスイッチ316のそれぞれは、ゲートスイッチ選択信号線INNB、ゲートスイッチ選択信号線INPB、及びゲートスイッチ選択信号線INP、及び、電源線304に接続される。第1のゲートスイッチ310は、第1イネーブル信号線320、及び走査信号線152aに接続される。第2のゲートスイッチ312は、第2イネーブル信号線322、及び走査信号線152bに接続される。第3のゲートスイッチ314は、第3イネーブル信号線324、及び走査信号線152cに接続される。第4のゲートスイッチ316は、第4イネーブル信号線326、及び走査信号線152dに接続される。
【0048】
例えば、第1のゲートスイッチ310は、第1イネーブル信号線320、及び走査信号線152aに接続される。第1のゲートスイッチ310は、シフトレジスタ308からシフト信号が供給され、第1イネーブル信号線から高電位電圧が供給され、電源線304から低電位電圧が供給される。第1のゲートスイッチ310は、シフト信号、及び各選択信号に基づき、走査信号線152aに接続された副画素を選択する信号(選択信号)を走査信号線152aに供給する。第1のゲートスイッチ310と同様に、第2のゲートスイッチ312、第3のゲートスイッチ314、及び第4のゲートスイッチ316も、各信号線から供給される電圧及び信号に基づき、それぞれのゲートスイッチに接続された走査信号線に選択信号を供給する。低電位電圧は例えば、コモン電圧に対してマイナスの電圧であり、またコモン電圧と同じでよく、0Vと同じでもよい。高電位電圧は低電位電圧よりも高い電圧である。
【0049】
図7は、
図6に示された領域328を拡大し、第1のゲートスイッチ310及び第2のゲートスイッチ312近傍を詳細に示した図である。第1のゲートスイッチ310及び第2のゲートスイッチ312は、第1イネーブル信号線320、第2イネーブル信号線322、第3イネーブル信号線324及び第4イネーブル信号線326と、電源線304との間に設けられる。第1のゲートスイッチ310は、第1イネーブル信号線320、ゲートスイッチ信号線INNB、ゲートスイッチ選択信号線INPB、ゲートスイッチ選択信号線INP、電源線304.及び走査信号線152aに接続される。第2のゲートスイッチ312は、第2イネーブル信号線322、ゲートスイッチ信号線INNB、ゲートスイッチ選択信号線INPB、ゲートスイッチ選択信号線INP、電源線304及び走査信号線152bに接続される。
【0050】
第1のゲートスイッチ310及び第2のゲートスイッチ312は、
図8に示される回路構成を有する。第1のゲートスイッチ310及び第2のゲートスイッチ312のそれぞれは、p型トランジスタ350、p型トランジスタ352、n型トランジスタ354、n型トランジスタ356、n型トランジスタ358、及びn型トランジスタ360から構成される。各トランジスタは、イネーブル信号線ENBと電源線VGLの間に設けられる。p型トランジスタ350及びp型トランジスタ352は電気的に接続される。
【0051】
図8に示されるように、p型トランジスタ350、及びp型トランジスタ352のそれぞれのゲート端子がゲートスイッチ選択信号線INPBに接続される。n型トランジスタ354、及びn型トランジスタ356は電気的に接続される。n型トランジスタ354、及びn型トランジスタ356のそれぞれのゲート端子がゲートスイッチ選択信号線INPに接続される。n型トランジスタ358及びn型トランジスタ360は電気的に接続される。n型トランジスタ358、及びn型トランジスタ360のそれぞれのゲート端子がゲートスイッチ信号線INNBに接続される。p型トランジスタ352、n型トランジスタ356及びn型トランジスタ358は、出力端子OUTに接続される。
【0052】
ここで、イネーブル信号線ENBは、第1イネーブル信号線320、第2イネーブル信号線322、第3イネーブル信号線324及び第4イネーブル信号線326の何れか1つである。第1イネーブル信号線320は第2導電膜31fで形成される。第2イネーブル信号線322は第2導電膜31eで形成される。第3イネーブル信号線324は第2導電膜31dで形成される。第4イネーブル信号線326は第2導電膜31cで形成される。第1イネーブル信号線320、第2イネーブル信号線322、第3イネーブル信号線324及び第4イネーブル信号線326の線幅は、それぞれ線幅Wである。
【0053】
なお、
図8に示されたゲートスイッチの構成は、一例であって、本発明の一実施形態に係るゲートスイッチの構成は
図8に示された構成に限定されない。
【0054】
電源線VGLは、電源線304である。電源線304は、第2導電膜31aで形成される。電源線304の線幅は、線幅VGLWである。
【0055】
本発明の一実施形態において、線幅VGLWは、好ましくは、線幅Wの4倍より大きく40倍以下である。具体的には、線幅VGLWは、好ましくは、20μmより大きく100μm以下である。例えば、本明細書等においては、線幅VGLWは80μm、線幅Wは5μmである例を示す。
【0056】
本発明の一実施形態に係る表示装置10において、電源線304の線幅は、各イネーブル信号線の線幅よりも非常に太く、従来の電源線の線幅よりも太い。よって、配線の長さが同じ場合、電源線304の抵抗値は、各イネーブル信号線の抵抗値及び従来の電源線の抵抗値よりも小さい。本発明の一実施形態に係る表示装置10においては、電源線の抵抗値が小さいことで、選択されていない走査信号線と寄生容量Csc及びCgcとの容量結合によって生じた選択されていない走査信号線の電位の上昇を速く元の電位近傍に収束させることができる。したがって、選択されていない走査信号線と寄生容量Csc及びCgcとの容量結合によって生じた、基準電源線168の電位を速く元の電位近傍に収束させることができる。すなわち、本発明の一実施形態に係る表示装置10は、各画素に印加される電圧の低下、及びクロストークの発生を抑制され、表示装置の表示品位の低下を抑制することができる。
【0057】
図7に示されるように、第1のゲートスイッチ310は、例えば、第1イネーブル信号線320から、第2開口部36b、第1導電膜34e、第2開口部36c、第2導電膜31g、第1開口部群39eを介して、第1のイネーブル信号を入力する。第1のゲートスイッチ310は、例えば、シフトレジスタ308に接続されたゲートスイッチ選択信号線INPから、第1導電膜34f、第2開口部36d、第2導電膜31i、第2開口部36e、及び第1導電膜34hを介して、ゲートスイッチ選択信号を入力する。第1のゲートスイッチ310は、例えば、シフトレジスタ308に接続されたゲートスイッチ選択信号線INNB(INPB)から、第1導電膜34g、第2開口部36f、第2導電膜31h、第2開口部36g及び36h、第1導電膜34b及び34dを介して、ゲートスイッチ選択信号を入力する。また、第1のゲートスイッチ310は、電源線304、第1開口部39a、半導体膜32、及び第1開口部39b、39c及び39d、第2導電膜31b、第2開口部36a、及び第1導電膜34c(走査信号線152a)を介して、走査信号線152aに接続された副画素を選択する信号(選択信号)を出力する。
【0058】
次に、
図9及び
図10を用いて、本発明の一実施形態に係る走査信号線駆動回路126の断面構造を説明する。
【0059】
図9及び
図10に示されるように、表示装置10は、第1の基板20、TFTアレイ層30、配線層40、電極層48、第1の配向膜50、液晶層60、第2の配向膜70、カラーフィルタ層80、第2の基板90、及びオーバーコート層110を有する。画素PXが有する画素電極は、配線層40と、第1の配向膜50との間に備えられる。
【0060】
第1の基板20の上に、TFTアレイ層30、及び配線層40が設けられる。TFTアレイ層30には、表示部122、映像信号線駆動回路124、走査信号線駆動回路126が有するトランジスタ、及び端子電極240が設けられる。端子電極240は配線基板214と電気的に接続される。
【0061】
TFTアレイ層30は、下地膜106、半導体膜32、ゲート絶縁膜33、ゲート電極34a、第1導電膜34b(ゲート電極)、第1導電膜34c、絶縁膜35、第2導電膜31a及び31b、第1開口部39a、39b、39c及び39d、第2開口部36a、及び平坦化膜38を含む。
【0062】
下地膜106は、第1の基板20の上に設けられる。下地膜106は、1層の絶縁膜で構成される例を示すが、この例に限定されない。下地膜106は、2層以上の絶縁膜で構成されてもよい。
【0063】
半導体膜32が、下地膜106の上に設けられる。半導体膜32は、n型トランジスタ358、及びn型トランジスタ360の半導体膜を含む。各トランジスタの半導体膜は、半導体膜32と同一の層に設けられる。
【0064】
ゲート絶縁膜33は、半導体膜32を覆うように設けられる。ゲート電極34a、第1導電膜34b(ゲート電極)、第1導電膜34c(走査信号線152a)は、ゲート絶縁膜33の上に設けられる。第1導電膜34d~34h(
図7)も、ゲート電極34a、第1導電膜34b(ゲート電極)、及び第1導電膜34cと同一の層に設けられる。ゲート電極34aはn型トランジスタ360のゲート電極162Gであり、第1導電膜34b(ゲート電極)はn型トランジスタ358のゲート電極162Gである。また、ゲート電極34a及び第1導電膜34b(ゲート電極)は第1導電膜である。第1導電膜を形成する材料は、例えば、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、タングステン(W)、タンタル(Ta)などの金属、それらの合金などを用いることができる。また、第1導電膜は、単層、又は積層構造を有するように形成することができる。
【0065】
絶縁膜35は、ゲート電極34a、第1導電膜34b(ゲート電極)、第1導電膜34cを覆うように設けられる。絶縁膜35を形成する材料は、窒化ケイ素(SiN)、酸化ケイ素(SiO2)、窒化酸化ケイ素(SiON)などの無機絶縁体を用いることができる。絶縁膜35は、単層、又は積層構造を有するように形成することができる。
【0066】
第1開口部は、ゲート絶縁膜33及び絶縁膜35を開口し、半導体膜と第2導電膜を電気的に接続するための開口部である。また、詳細は後述するが、第1開口部は、ゲート絶縁膜33、絶縁膜35及び下地膜106を開口し、半導体膜、第2導電膜、及び第5導電膜を電気的に接続するための開口部でもある。
図7においては、第1開口部39a、39b、39c及び39dは、ゲート絶縁膜33及び絶縁膜35を開口し、半導体膜42と第2導電膜31aと第2導電膜31bを電気的に接続する。なお、第1開口部群39e(
図7)も、第1開口部39a、39b、39c及び39dと同一の層に設けられる。
【0067】
第2開口部は、絶縁膜35を開口し、第1導電膜と第2導電膜を電気的に接続するための開口部である。
図7においては、第2開口部36aは、絶縁膜35を開口し、第1導電膜34cと第2導電膜31bを電気的に接続する。なお、第2開口部36b、36c、36d、36e、36f、36g及び36h(
図7)も、第2開口部36aと同一の層に設けられる。第2導電膜31aは電源線304を含む。
【0068】
第2導電膜31a及び31bは、絶縁膜35の上面、第1開口部の側面及び底面(絶縁膜35の側面、ゲート絶縁膜33の側面)に設けられる。第2導電膜31c~31i(
図7)も、第2導電膜31a及び31bと同一の層に設けられる。第2導電膜31aは電源線304を含む。第2導電膜31bはn型トランジスタ358、n型トランジスタ356、及びp型トランジスタ352のソース電極又はドレイン電極である。第2導電膜は、第1導電膜と同様の材料及び構成を用いることができる。なお、
図1、
図7、
図9、及び
図10に示されるように、第2導電膜31aは、走査信号線駆動回路126に含まれるように設けられるが、ここで示された例に限定されない。第2導電膜31aは、表示に影響を及ぼさない程度に、X方向に沿って表示部122が設けられる側に延伸されてよく、X方向に沿って表示部122が設けられる側と反対側に延伸されてもよい。第2導電膜31aを延伸することで、第2導電膜31aの線幅をさらに太くすることができるため、走査信号線の時定数をさらに小さくすることができる。
【0069】
平坦化膜38は、第1導電膜を覆うように設けられる。平坦化膜38は、平坦化膜38よりも下の層の膜、配線、トランジスタなどを形成した際の凹凸を緩和する。よって、平坦化膜38以降に形成される膜又はパターンは、平坦な面の上に形成することができる。例えば、平坦化膜38を形成する材料は、ポリイミド系やアクリル系の樹脂を用いることができる。ポリイミド系やアクリル系の樹脂を用いることで、光を十分に透過することができる。
【0070】
TFTアレイ層30の形成方法、トランジスタ等の構造、それぞれの膜、層、及び各部材は、本発明の技術分野で通常使用されている方法、部材を採用することができる。
【0071】
配線層40は、平坦化膜38の上に設けられる。配線層40は、第3導電膜、及び有機膜49から構成される。有機膜49は、第3導電膜を覆うように設けられる。第3導電膜は、例えば、基準電源線168(
図3)、及び配線522を形成する膜である。有機膜49が各第3導電膜を覆うように設けられることで、それぞれの第3導電膜がお互いに接触し導通することがないようにすることができる。また、有機膜49は、有機膜49よりも下の層の膜、配線、トランジスタなどを形成した際の凹凸を緩和する。よって、有機膜49以降に形成される膜やパターンは平坦な面の上に形成することができる。第3導電膜を形成する材料は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タングステン(W)などの導電性金属材料を用いることができる。また、有機膜49を形成する材料は、平坦化膜38を形成する材料と同様の材料を用いることができる。
【0072】
電極層48が、有機膜49の上に設けられる。電極層48は、例えば、第4導電膜47(
図26)、及び有機絶縁膜45から構成される。有機絶縁膜45は、第4導電膜を覆うように設けられる。例えば、基準電源線168、タッチ電極、コモン電極530が、第4導電膜47で設けられる。また、各電極、電源線、配線を接続する配線が第4導電膜47で設けられてもよい。第4導電膜47は、例えば、有機膜49を開口する開口部(図示は省略)を介して、第3導電膜に電気的に接続される。第4導電膜または第3導電膜は、例えば、周辺部136まで引き出され、第1の端子212、第2の端子222、又は端子電極240に電気的に接続される。このような構成によって、基準電源線168、コモン電極530のそれぞれに独立に電圧を供給する構成を有することができる。第4導電膜47を形成する材料は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)などの透明導電膜を用いることができる。なお、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タングステン(W)などの導電性金属材料の薄い膜を用いてもよい。また、有機絶縁膜45を形成する材料は、有機膜49及び平坦化膜38を形成する材料と同様の材料を用いることができる。
【0073】
詳細は後述されるが、画素電極52(
図25及び
図26)が、有機絶縁膜45の上に設けられる。第1の配向膜50が画素電極52を覆うように塗布される。第1の配向膜50は、水平配向性を示す材料によって形成され、第1の基板20が液晶層60に対向する面に配置される。第1の配向膜50が各画素電極52を覆うように塗布されることで、それぞれの画素の画素電極がお互いに接触し導通することがないようにすることができる。画素電極52は、画素のドレイン電極162Dと接続され、映像信号に相当する電圧が印加され、液晶層60が有する液晶素子を駆動する役割を有する。画素電極52を形成する材料は、例えば、第4導電膜を材料と同様の透明導電膜の材料を用いることができる。また、第1の配向膜50を形成する材料は、例えば、ポリイミド系などの樹脂を用いることができる。
【0074】
本明細書等では、例えば、液晶層60を挟んで、第1の基板20側をTFTアレイ側基板と呼び、第2の基板90側を対向側の基板と呼ぶ。本発明の一実施形態に係る表示装置10においては、液晶層60を挟んで、第2の配向膜70、カラーフィルタ層80、第2の基板90、及びオーバーコート層110が設けられる。また、カラーフィルタ層80が第2の基板90の上に設けられ、第2の配向膜70がオーバーコート層110の上に設けられる。第2の配向膜70を形成する材料は、例えば、ポリイミド系などの樹脂を用いることができる。カラーフィルタ層80は、赤色を発するカラーフィルタ層、緑色を発するカラーフィルタ層、青色を発するカラーフィルタ層、及び白色を発するカラーフィルタ層を含む。オーバーコート層110はカラーフィルタ層80を覆い、カラーフィルタ層80を平坦化する。オーバーコート層110は、例えば、有機材料の樹脂を用いることができる。また、オーバーコート層110は、複数の層から構成されてもよい。このような構成によって、表示装置10が損傷することを防止することができる。
【0075】
図11に示されるように、電源線304は、複数の第2導電膜31aa、31ab及び31acを、第2導電膜31r、及び第2導電膜31sから構成されてもよい。例えば、複数の第2導電膜31aa、31ab及び31acは互いに隙間を空けて設けられ、第2導電膜31aaは、第2導電膜31aaと交差する第2導電膜31rを介して第2導電膜31abと接続され、第2導電膜31abは、第2導電膜31abと交差する第2導電膜31sを介して第2導電膜31acと接続されてもよい。また、
図11に示されるように、電源線304に隣接し、コモン電極に電圧を供給する配線が第2導電膜31qで設けられてもよい。電源線304を隙間を空けて構成することで、例えば、第1の基板20と第2の基板90とはシール部によって貼り合わせる際に、シール部に用いられる材料に照射するUV光を通りやすくし、シール部を硬化しやすくできる。
【0076】
例えば、複数の第2導電膜31aa、31ab及び31ac、第2導電膜31r、及び第2導電膜31sの線幅は、それぞれ、20μm、30μm、30μm、20μm、10μmである。また、例えば、第2導電膜31qの線幅は、20μmである。
図11に示される例では、電源線304のトータルの線幅は80μmであり、コモン電極に電圧を供給する配線の4倍の太さである。
【0077】
以上説明されたように、本発明の一実施形態に係る表示装置において、電源線を第2導電膜で設け、かつ、電源線304の線幅を各イネーブル信号線の線幅よりも非常に太く、従来の電源線の線幅よりも太くする。その結果、電源線の抵抗値は、各イネーブル信号線の抵抗値及び従来の電源線の抵抗値よりも小さくすることができる。したがって、本発明の一実施形態に係る表示装置においては、電源線の抵抗値が小さいことで、走査信号線と寄生容量との容量結合によって生じた各画素に印加される電圧の低下を抑制することができる。本発明によって、クロストークの発生が抑制され、表示品位の低下を抑制することが可能な表示装置を提供することができる。
【0078】
<2.第2実施形態>
第2実施形態においては、
図12~
図14を用いて、電源線304を第2導電膜及び第3導電膜で形成する例を説明する。電源線304を第2導電膜及び第3導電膜で形成する構成以外は、第1実施形態で説明された構成と同様あるため、
図1~
図10と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
図12~
図14に示された本発明の一実施形態は一例であって、
図12~
図14に示された例に限定されるものではない。
【0079】
図12は、本発明の一実施形態に係る走査信号線駆動回路126の一部のレイアウトの一例を示す図である。
図13は、
図12のC1-C2に沿った断面を示す断面図である。
図14は、
図12のD1-D2に沿った断面を示す断面図である。
【0080】
図12~
図14に示されるように、第3開口部は、平坦化膜38を開口し、第2導電膜と第3導電膜を電気的に接続するための開口部である。走査信号線駆動回路126は複数の第3開口部を有する。複数の第3開口部は、第3開口部41a、41b、41c、及び41dを含む。第3開口部41a、41b、41c、及び41dを含む複数の第3開口部は、第2導電膜31aと第3導電膜520を電気的に接続する。
【0081】
図14に示されるように、第3導電膜520は、第2の基板90と第2導電膜の間に設けられ、第2導電膜31aと重なるように設けられる。すなわち、第2導電膜31a及び第3導電膜520は電源線304を含む。
【0082】
第2実施形態においては、第3導電膜520と第2導電膜31aを積層し、第3開口部によって接続することで、電源線304の厚さを厚くすることができる。したがって、電源線304の線幅を太くし、さらに、電源線304の厚さを厚くすることで、電源線304の抵抗値をより小さくすることができる。よって、走査信号線の時定数をさらに小さくすることができる。
【0083】
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、第2導電膜31a又は第3導電膜520は、表示に影響を及ぼさない程度に、X方向に沿って表示部122が設けられる側に延伸されてよく、X方向に沿って表示部122が設けられる側と反対側に延伸されてもよい。第2導電膜31a又は第3導電膜520を延伸することで、第2導電膜31a又は第3導電膜520の線幅をさらに太くすることができるため、走査信号線の時定数をさらに小さくすることができる。
【0084】
<3.第3実施形態>
第3実施形態においては、
図15~
図17を用いて、電源線304を第2導電膜第3導電膜、及び第5導電膜で形成する例を説明する。電源線304を第2導電膜第3導電膜、及び第5導電膜で形成する構成以外は、第1実施形態又は第2実施形態で説明された構成と同様あるため、
図1~
図14と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
図15~
図17に示された本発明の一実施形態は一例であって、
図15~
図17に示された例に限定されるものではない。
【0085】
図15は、本発明の一実施形態に係る走査信号線駆動回路126の一部のレイアウトの一例を示す図である。
図16は、
図15のE1-E2に沿った断面を示す断面図である。
図17は、
図15のF1-F2に沿った断面を示す断面図である。
【0086】
図15~
図17に示されるように、第5導電膜は、第1の基板20の上に設けられる。第5導電膜は、例えば、遮光の役割を有する。また、第5導電膜は、電源線304において積層され、電源線304の抵抗値を小さくする役割を有する。走査信号線駆動回路126は第5導電膜600を有する。第5導電膜600は、第4開口部42a、第3開口部41a、41b、41c、及び41dを介して、第2導電膜31a及び第3導電膜520と電気的に接続される。第4開口部は、絶縁膜35、ゲート絶縁膜33及び下地膜106を開口し、第5導電膜と第2導電膜を電気的に接続する。なお、第1開口部と第4開口部は同じ工程で開口されてよく、それぞれの開口部は異なる工程で開口されてもよい。第5導電膜は第1の基板20と第2導電膜の間に設けられる。第2導電膜は、第5導電膜と第3導電膜の間に設けられる。第3導電膜は第2導電膜と第2の基板90の間に設けられる。
【0087】
第3実施形態においては、第5導電膜600、第3導電膜520及び第2導電膜31aを積層し、第4開口部及び第3開口部を用いて互いに接続することで、電源線304の厚さを厚くすることができる。したがって、電源線304の線幅を太くし、さらに、電源線304の厚さを厚くすることで、電源線304の抵抗値をより小さくすることができる。よって、走査信号線の時定数をさらに小さくすることができる。
【0088】
第3実施形態においても、第1実施形態又は第2実施形態と同様に、第5導電膜600、第2導電膜31a又は第3導電膜520は、表示に影響を及ぼさない程度に、X方向に沿って表示部122が設けられる側に延伸されてよく、X方向に沿って表示部122が設けられる側と反対側に延伸されてもよい。第5導電膜600、第2導電膜31a又は第3導電膜520を延伸することで、第5導電膜600、第2導電膜31a又は第3導電膜520の線幅をさらに太くすることができるため、走査信号線の時定数をさらに小さくすることができる。
【0089】
<4.第4実施形態>
第4実施形態においては、
図18及び
図19を用いて、電源線304を第1導電膜、第2導電膜、第3導電膜、及び第5導電膜で形成する例を説明する。電源線304を第1導電膜、第2導電膜、第3導電膜、及び第5導電膜で形成する構成以外は、第1実施形態~第3実施形態で説明された構成と同様あるため、
図1~
図16と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
図18及び
図19に示された本発明の一実施形態は一例であって、
図18及び
図19に示された例に限定されるものではない。
【0090】
図18は、本発明の一実施形態に係る走査信号線駆動回路126の一部のレイアウトの一例を示す図である。
図19は、
図18のG1-G2に沿った断面を示す断面図である。
図18のH1-H2に沿った断面を示す断面図は、
図17に示されたF1-F2に沿った断面を示す断面図と同様であるから、ここでの説明は省略する。
【0091】
図18及び
図19に示されるように、第1導電膜34iが、ゲート絶縁膜33の上に設けられる。第5導電膜600は第4開口部42aを介して第2導電膜31aに電気的に接続される。第1導電膜34iは、第2開口部36i及び36jを介して第2導電膜31aに電気的に接続される。第3導電膜520は、第3開口部41b、及び41dを介して第2導電膜31aに電気的に接続される。第5導電膜は、第1の基板20と第1導電膜の間に設けられる。第1導電膜は、第5導電膜と第2導電膜の間に設けられる。第2導電膜は、第1導電膜と第3導電膜の間に設けられる。第3導電膜は第2導電膜と第2の基板90の間に設けられる。
【0092】
第4実施形態においては、第5導電膜600、第1導電膜34i、第2導電膜31a及び第3導電膜520を積層し、第2開口部、第3開口部及び第4開口部を用いて互いに接続することで、電源線304の厚さを厚くすることができる。したがって、電源線304の線幅を太くし、さらに、電源線304の厚さを厚くすることで、電源線304の抵抗値をより小さくすることができる。よって、走査信号線の時定数をさらに小さくすることができる。
【0093】
第4実施形態においても、第1実施形態~第3実施形態と同様に、第5導電膜600、第1導電膜34i、第2導電膜31a及び第3導電膜520は、表示に影響を及ぼさない程度に、X方向に沿って表示部122が設けられる側に延伸されてよく、X方向に沿って表示部122が設けられる側と反対側に延伸されてもよい。第5導電膜600、第1導電膜34i、第2導電膜31a及び第3導電膜520を延伸することで、第5導電膜600、第1導電膜34i、第2導電膜31a及び第3導電膜520の線幅をさらに太くすることができるため、走査信号線の時定数をさらに小さくすることができる。
【0094】
<5.第5実施形態>
第5実施形態においては、
図20~
図22を用いて、電源線304を第1導電膜、第2導電膜、及び第3導電膜で形成し、走査信号線を第5導電膜で形成する例を説明する。電源線304を第1導電膜、第2導電膜、及び第3導電膜で形成し、走査信号線を第5導電膜で形成する構成以外は、第1実施形態~第4実施形態で説明された構成と同様あるため、
図1~
図17と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
図20~
図22に示された本発明の一実施形態は一例であって、
図20~
図22に示された例に限定されるものではない。
【0095】
図20は、本発明の一実施形態に係る走査信号線駆動回路126の一部のレイアウトの一例を示す図である。
図21は、
図20のI1-I2に沿った断面を示す断面図である。
図22は、
図20のJ1-J2に沿った断面を示す断面図である。
【0096】
図20~
図22に示されるように、走査信号線152a及び走査信号線152bが、第5導電膜で形成される。第5導電膜602が第1の基板20の上に設けられる。第5導電膜602は、第4開口部42bを介して第2導電膜31bと電気的に接続される。
【0097】
第1導電膜34iが、ゲート絶縁膜33の上に設けられる。第1導電膜34iは、第2開口部36i及び36jを介して第2導電膜31aに電気的に接続される。第3導電膜520は、第3開口部41b、及び41dを介して第2導電膜31aに電気的に接続される。第5導電膜は、第1の基板20と第1導電膜の間に設けられる。第1導電膜は、第5導電膜と第2導電膜の間に設けられる。第2導電膜は、第1導電膜と第3導電膜の間に設けられる。第3導電膜は第2導電膜と第2の基板90の間に設けられる。
【0098】
第5実施形態においては、第1導電膜34i、第2導電膜31a及び第3導電膜520を積層し、第2開口部、及び第3開口部を用いて互いに接続することで、電源線304の厚さを厚くすることができる。したがって、電源線304の線幅を太くし、さらに、電源線304の厚さを厚くすることで、電源線304の抵抗値をより小さくすることができる。よって、走査信号線の時定数をさらに小さくすることができる。
【0099】
第5実施形態においても、第1実施形態~第4実施形態と同様に、第1導電膜34i、第2導電膜31a及び第3導電膜520は、表示に影響を及ぼさない程度に、X方向に沿って表示部122が設けられる側に延伸されてよく、X方向に沿って表示部122が設けられる側と反対側に延伸されてもよい。第1導電膜34i、第2導電膜31a及び第3導電膜520を延伸することで、第1導電膜34i、第2導電膜31a及び第3導電膜520の線幅をさらに太くすることができるため、走査信号線の時定数をさらに小さくすることができる。
【0100】
<6.第6実施形態>
第6実施形態においては、
図23を用いて、電源線304の周辺部136のレイアウトの例を説明する。
図1~
図22と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
図23に示された本発明の一実施形態は一例であって、
図23に示された例に限定されるものではない。
【0101】
図23は、本発明の一実施形態に係る電源線304の周辺部136のレイアウトの一例を示す図である。
【0102】
図23に示されるように、例えば、周辺部136において、電源線304は、第1端子部212a及び212bに設けられる第2導電膜31j及び第1導電膜34j、第2導電膜31k、第1導電膜34k、第2導電膜31l、第1導電膜34l、及び第2導電膜31mが電気的に接続されることで、形成される。最終的に、第2導電膜31mと電源線304(第2導電膜31a)が電気的に接続される。なお、図示は省略されるが、第1導電膜と第2導電膜が積層される領域は、第2開口部を用いて第1導電膜と第2導電膜を互いに電気的に接続する。
【0103】
第1導電膜34jと第2導電膜31kが積層される領域において、第1導電膜34j及び第2導電膜31kの線幅は、例えば、45μm以上50μmである。第2導電膜31kが単層で設けられる領域において、第2導電膜31kの線幅は、例えば、25μm以上57μmである。第2導電膜31kと第1導電膜34kが積層される領域、第1導電膜34kが単層で設けられる領域、及び第1導電膜34kと第1導電膜34lが積層される領域において、第1導電膜34kは3本の配線から構成され、3本の配線のそれぞれの線幅は、例えば、20μmである。第2導電膜31lと第1導電膜34kが積層される領域、第2導電膜31lが単層で設けられる領域、及び第2導電膜31lと第1導電膜34lが積層される領域において、第2導電膜31lは2本の配線と2本の配線を橋渡しする配線から構成され、2本の配線のそれぞれの線幅は、例えば、13.75μmである。第2導電膜31mと第1導電膜34lが積層される領域、及び第2導電膜31mが単層で設けられる領域において、第2導電膜31mの線幅は、例えば、20μmである。
【0104】
なお、
図23に示されたレイアウトの例では、各導電膜は矩形状である例が示されるが、この例に限定されない。各導電膜は円弧状の部分を有する導電膜であってもよい。各導電膜は円弧状の部分を有することで、矩形状で構成された導電膜よりも、長さを短くすることができる。また、各領域は、表示部122への影響がない程度に、周辺部136の範囲内において、第1導電膜と第2導電膜に加えて、第3導電膜、又は第5導電膜を積層し、第1開口部、第2開口部、第3開口部又は第4開口部を用いて各導電膜を電気的に接続してもよい。
【0105】
以上説明された構成によって、電源線の周辺部の抵抗値を小さくすることができるため、結果として、走査信号線の時定数をさらに小さくすることができる。
【0106】
<7.第7実施形態>
第7実施形態においては、
図24を用いて、電源線と走査信号線の回路シミュレーション結果の一例を説明する。
図1~
図23と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
図24は、本発明の一実施形態に係る表示装置の回路シミュレーション結果の一例を示す図である。
【0107】
図24において、Y軸はエラー発生率規格化値とし、X軸は走査信号線の信号遅延規格化値とした。エラー発生率規格化値は、表示部に不具合が発生する確率を規格化した値であり、信号遅延規格化値は、走査信号線に供給される走査信号の信号遅延を規格化した値である。
図24において、シミュレーション条件は、電源線の抵抗値を通常値(等倍)、通常値の半分(1/2)、通常値の1/4、通常値の1/8とした4条件である。
図24から、各条件においてエラー発生率規格化値が同じとき、抵抗値が小さいほど、信号遅延規格化値が小さくなることがわかる。また、
図24から、各条件において信号遅延規格化値が同じとき、抵抗値が小さいほど、エラー発生率規格化値が小さくなることがわかる。
【0108】
本発明の一実施形態において、従来の線幅が20μm、線幅VGLWが80μmである場合、通常値の1/4のシミュレーション結果に該当する。
【0109】
すなわち、抵抗値が小さいほど、エラー発生率が小さく、かつ、信号遅延も小さい。したがって、本発明の一実施形態に係る表示装置においては、電源線の抵抗値を小さくすることで、クロストークの発生が抑制され、表示品位の低下を抑制することが可能である。
【0110】
<8.第8実施形態>
第8実施形態では、本発明の一実施形態に係る表示装置が有する画素レイアウトの例を説明する。
図25は、本発明の一実施形態に係る表示装置が有する画素レイアウトの例である。
図26は、
図25のK1-K2に沿った断面を示す断面図である。
図25及び
図26に示された本発明の一実施形態は一例であって、
図25及び
図26に示された例に限定されるものではない。
【0111】
画素PXは、IPS(In Plane Switching)モードの一種であるFFS(Fringe Field Switching)モードに適用可能な構成を有している。画素PXを有する表示装置10は、画素電極52及び電極層48に含まれるコモン電極530(第4導電膜47)の間に形成される横電界(例えば、フリンジ電界のうちの基板の主面にほぼ平行な電界)を主に利用して液晶層60を構成する液晶分子の配向を制御する。
【0112】
図25に示されるように、画素PXは、トランジスタ362、映像信号線154a、走査信号線152a、画素電極52を含む。トランジスタ362は、半導体膜32b、ゲート電極34m、ソースおよびドレイン電極31p及び31n、第1開口部39f及び39gを含む。ソースおよびドレイン電極31p及び31nは、第1開口部39f及び39gを介して、半導体膜32bと電気的に接続されている。画素電極52は、第5開口部143を介して、ソースおよびドレイン電極31pと電気的に接続されている。ソースおよびドレイン電極31p、配線522、及び、後述する平坦化膜38により、容量素子が形成されている。また、配線522、コモン電極530(第4導電膜47)、及び、後述する有機膜49により、容量素子が形成されている。また、画素電極52、コモン電極530(第4導電膜47)、及び、後述する有機絶縁膜45により、容量素子が形成されている。ソースおよびドレイン電極31nと映像信号線154aとは電気的に接続されている。映像信号線154bは隣接する画素の映像信号線である。ゲート電極34mと走査信号線152aとは電気的に接続されている。配線522は、表示装置10に映像を表示するとき、表示部122に含まれるすべての画素PXに共通の電圧(コモン電圧)を供給する役割を有する。画素電極52と、配線522の、それぞれに電圧を印加することで、画素電極52と、配線522接続されたコモン電極530(第4導電膜47)に電界が生じ、液晶層60に含まれる液晶素子が制御され、表示装置10は映像を表示することができる。なお、半導体膜32bの形状、半導体膜32bを形成する材料、トランジスタ362の構造は、
図9で示された構造に限定されない。本発明の一実施形態を逸脱しない範囲において、仕様や用途に応じて、適宜検討すればよい。ゲート電極34mは第2導電膜であり、ソースおよびドレイン電極31p及び31nは第2導電膜である。
【0113】
図26に示されるように、画素電極52と、ソースおよびドレイン電極31p(第2導電膜)とを電気的に接続するための、第5開口部143が設けられる。第5開口部143は、有機絶縁膜45、第4導電膜47、有機膜49、及び配線522を開口する。
【0114】
画素電極52は、ソースおよびドレイン電極31p(第2導電膜)の表面、有機絶縁膜45の側面及び表面の一部に接触するように設けられる。第1の配向膜50は画素電極52を覆うように設けられる。画素電極52は、ソースおよびドレイン電極31p(第2導電膜)と接続される。
図26に示される例では、画素電極52の構造は、単層構造であるが、積層構造であってもよい。積層構造の場合、画素電極52を形成する材料は、例えば、屈折率又は透過率が異なる2つのITO(Indium Tin Oxide)を積層してもよく、屈折率又は透過率が異なる2つのIZO(Indium Zinc Oxide)を積層してもよく、屈折率又は透過率が異なる2つの透光性材料を積層してもよい。
【0115】
本発明の実施形態として上述した各実施形態は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。
【0116】
本明細書においては、開示例として液晶表示装置を例に説明された。また、本発明は、中小型から大型まで、特に限定することなく適用が可能である。
【0117】
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる別の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、または、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0118】
10:表示装置、20:第1の基板、30:アレイ層、31a:第2導電膜、31aa:第2導電膜、31ab:第2導電膜、31ac:第2導電膜、31b:第2導電膜、31c:第2導電膜、31d:第2導電膜、31e:第2導電膜、31f:第2導電膜、31g:第2導電膜、31h:第2導電膜、31i:第2導電膜、31j:第2導電膜、31k:第2導電膜、31l:第2導電膜、31m:第2導電膜、31n:ソース及びドレイン電極、31q:第2導電膜、31r:第2導電膜、31s:第2導電膜、31p:ソース及びドレイン電極、32:半導体膜、32b:半導体膜、33:ゲート絶縁膜、34a:ゲート電極、34b:第1導電膜、34c:第1導電膜、34d:第1導電膜、34e:第1導電膜、34f:第1導電膜、34g:第1導電膜、34h:第1導電膜、34i:第1導電膜、34j:第1導電膜、34k:第1導電膜、34l:第1導電膜、34m:ゲート電極、35:絶縁膜、36a:第2開口部、36b:第2開口部、36c:第2開口部、36d:第2開口部、36e:第2開口部、36f:第2開口部、36g:第2開口部、36h:第2開口部、36i:第2開口部、36j:第2開口部、38:平坦化膜、39a:第1開口部、39b:第1開口部、39c:第1開口部、39d:第1開口部、39e:第1開口部群、39f:第1開口部、39g:第1開口部、40:配線層、41a:第3開口部、41b:第3開口部、41c:第3開口部、41d:第3開口部、42:半導体膜、42a:第4開口部、42b:第4開口部、42c:第3開口部、45:有機絶縁膜、47:第4導電膜、47a:第4導電膜、47b:第4導電膜、48:電極層、49:有機膜、50:第1の配向膜、52:画素電極、60:液晶層、70:第2の配向膜、80:カラーフィルタ層、90:第2の基板、100:タッチ電極層、106:下地膜、110:オーバーコート層、122:表示部、124:映像信号線駆動回路、126:走査信号線駆動回路、130:副画素、132:副画素、134:副画素、135:副画素、136:周辺部、143:第5開口部、152:走査信号線、152-1:走査信号線、152-2:走査信号線、152-3:走査信号線、152-4:走査信号線、152-5:走査信号線、152-6:走査信号線、152a:走査信号線、152b:走査信号線、152c:走査信号線、152d:走査信号線、152e:走査信号線、152f:走査信号線、152g:走査信号線、152h:走査信号線、154:映像信号線、154-1:映像信号線、154-2:映像信号線、154-3:映像信号線、154-4:映像信号線、154-5:映像信号線、154-6:映像信号線、154a:映像信号線、154b:映像信号線、154c:映像信号線、154d:映像信号線、154e:映像信号線、154f:映像信号線、162:トランジスタ、162D:ドレイン電極、162G:ゲート電極、162S:ソース電極、164:保持容量、166:液晶素子、168:基準電源線、206:第1の配線、208:開口部、210:第1の端子配線、212:第1の端子、212a:第1端子部、212b:第1端子部、214:配線基板、216:第2の配線、218:開口部、220:第2の端子配線、222:第2の端子、240:端子電極、300:第1の配線群、302:第2の配線群、304:電源線、306:走査方向切替回路、308:シフトレジスタ、310:第1のゲートスイッチ、312:第2のゲートスイッチ、314:第3のゲートスイッチ、316:第4のゲートスイッチ、320:第1イネーブル信号線、322:第2イネーブル信号線、324:第3イネーブル信号線、326:第4イネーブル信号線、328:領域、350:p型トランジスタ、352:p型トランジスタ、354:n型トランジスタ、356:n型トランジスタ、358:n型トランジスタ、360:n型トランジスタ、362:トランジスタ、502:基板、520:第3導電膜、522:配線、600:第5導電膜、602:第5導電膜