(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】反射性流動可能材料によって形成された反射性層を有する導波管
(51)【国際特許分類】
G02B 5/08 20060101AFI20240708BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240708BHJP
G02B 5/00 20060101ALI20240708BHJP
G02B 5/18 20060101ALI20240708BHJP
G02B 26/10 20060101ALI20240708BHJP
G02B 27/02 20060101ALI20240708BHJP
H04N 13/122 20180101ALN20240708BHJP
H04N 13/344 20180101ALN20240708BHJP
【FI】
G02B5/08 C
G02B5/08 A
F21S2/00 492
G02B5/00 Z
G02B5/18
G02B26/10 C
G02B26/10 109Z
G02B27/02 Z
H04N13/122
H04N13/344
(21)【出願番号】P 2019555496
(86)(22)【出願日】2018-04-16
(86)【国際出願番号】 US2018027818
(87)【国際公開番号】W WO2018194987
(87)【国際公開日】2018-10-25
【審査請求日】2021-04-15
【審判番号】
【審判請求日】2023-08-28
(32)【優先日】2017-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】メネゼス, マーロン エドワード
(72)【発明者】
【氏名】シュムレン, ジェフリー ディーン
(72)【発明者】
【氏名】リックス, ニール ポール
(72)【発明者】
【氏名】リウ, ビクター カイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ゾンシン
(72)【発明者】
【氏名】ユールバーグス, デイビッド カール
【合議体】
【審判長】神谷 健一
【審判官】清水 康司
【審判官】宮澤 浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-197798(JP,A)
【文献】特開2014-62992(JP,A)
【文献】特開2015-184532(JP,A)
【文献】特開2008-275740(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0116739(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106526730(CN,A)
【文献】特開2015-5494(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0168260(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第103837913(CN,A)
【文献】特開平2-210302(JP,A)
【文献】特開2011-83998(JP,A)
【文献】特開2007-148074(JP,A)
【文献】国際公開第2009/020043(WO,A1)
【文献】特開2001-6761(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第2244114(EP,A1)
【文献】特開平6-337647(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106371222(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B5/08,5/18,27/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学導波管構造を作製する方法であって、前記方法は、導波管のための反射性光学要素を形成することを含み、
前記反射性光学要素を形成することは、
突出部のパターンを含む回折格子を前記導波管の第1の表面上に提供することであって、前記回折格子は、光を前記導波管の中に結合するように構成されている、ことと、
流動可能な反射性インクを堆積させることにより、前記回折格子の前記突出部の表面上に反射性インク層を形成することと
を含み、
前記流動可能な反射性インクを堆積させることにより、前記反射性インク層を形成することは、
第1の量の前記流動可能な反射性インクを前記突出部の第1のエリアおよび第2のエリアの上に均一に堆積させることと、
第2の量の前記流動可能な反射性インクを前記突出部の前記第2のエリア
のみの上に堆積させることと
を含み、
前記反射性インク層は、前記回折格子の前記突出部のパターンによって占められるエリアにわたって変動する少なくとも1つのパラメータを有し、
前記少なくとも1つのパラメータは、前記反射性インク層の厚さを含み、
前記反射性光学要素の反射率は、前記回折格子の前記突出部のパターンによって占められる前記エリアにわたって前記流動可能な反射性インクの前記少なくとも1つのパラメータと共に変動する、方法。
【請求項2】
前記流動可能な反射性インクは、前記導波管の前記第1の表面の所定の領域上に選択的に堆積させられる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の表面は、垂直に延びている壁を備え、前記壁は、前記所定の領域の少なくとも一部を画定し、前記流動可能な反射性インクは、前記所定の領域の前記少なくとも一部の上に選択的に堆積させられ、前記壁は、前記流動可能な反射性インクの側方移動を制限する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記堆積させることは、インクジェット、マイクロディスペンサ、または、アプリケータロッドから前記流動可能な反射性インクを投与することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、
前記流動可能な反射性インクを追加の光学導波管の表面上の突出部のパターン上に堆積させることによって、追加の反射性光学要素を前記追加の導波管上に形成することであって、前記追加の反射性光学要素は、入射電磁放射を反射するように構成されている、ことと、
少なくとも前記追加の導波管を前記導波管の表面に取り付けることと、
これにより、導波管のスタックを生成することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記流動可能な反射性インクは、無粒子インクを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記流動可能な反射性インクは、アルミニウム、銀、または、これらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記流動可能な反射性インクは、結合剤をさらに含み、前記結合剤は、前記反射性光学要素内に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記反射性光学要素は、前記流動可能な反射性インクから形成されている不規則的な蓄積をさらに備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の表面の突出部は、フォトレジストを備えている、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の表面は、前記反射性層の境界を画定する壁を備え、前記壁は、前記導波管と上層の追加の導波管との間の空間を維持するように構成されている機械的スペーサを備えている、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記流動可能な反射性インクの少なくとも一部は、前記回折格子上に非形状適応的に配置され、前記流動可能な反射性インクと前記第1の表面との間の界面は、間隙を実質的に有しない、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記反射性光学要素は、回折光学要素であり、前記回折光学要素は、入射光が全内部反射によって前記導波管を通って伝搬するような角度で前記入射光を向け直すように構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記反射性光学要素は、少なくとも60%の反射率で入射電磁放射を反射するように構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記反射性光学要素は、電磁放射を前記第1の導波管の中に反射するように構成されている光内部結合光学要素または光分配要素の一部である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
ディスプレイデバイスを作製する方法であって、前記方法は、
流動可能な反射性インクの反射性層を光学導波管の第1の表面上に形成することであって、前記第1の表面は、光を前記光学導波管の中に結合するように構成されている回折格子を形成する突出部を備え、前記反射性層は、前記第1の表面上に配置され、これにより、反射性光学要素を作製し、前記反射性層は、前記回折格子の前記突出部によって占められるエリアにわたって変動する少なくとも1つのパラメータを有し、
前記少なくとも1つのパラメータは、前記反射性層の厚さを含み、
前記流動可能な反射性インクの反射性層を形成することは、
第1の量の前記流動可能な反射性インクを前記突出部の第1のエリアおよび前記突出部の第2のエリアの上に均一に堆積させることと、
第2の量の前記流動可能な反射性インクを前記突出部の前記第2のエリア
のみの上に堆積させることと
を含み、前記反射性光学要素の反射率は、前記回折格子の前記突出部によって占められる前記エリアにわたって前記流動可能な反射性インクの前記少なくとも1つのパラメータと共に変動する、ことと、
前記反射性光学要素をディスプレイデバイス内に配置することと
を含む、方法。
【請求項17】
前記流動可能な反射性インクの反射性層は、前記第1の表面上に非形状適応的に配置され、前記反射性層と第1の表面との間の界面は、間隙を実質的に有しない、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記反射性層および突出部は、回折光学要素を形成する、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
光学デバイスであって、前記光学デバイスは、
第1の表面を備えている第1の導波管と、
前記第1の表面上に配置されている流動可能な反射性インクの反射性層と
を備え
前記反射性層は、結合剤を含み、
前記反射性層は、界面において、入射電磁放射を前記第1の導波管の中に反射するように構成されており、
前記第1の表面は、突出部を含み、前記突出部は、前記反射性層と共に反射性回折格子の一部であり、
前記反射性層は、前記突出部の第1のエリアおよび前記突出部の第2のエリアの上に均一に配置されている前記流動可能な反射性インクの第1の層を備え、
前記反射性層は、前記突出部の前記第2のエリア
のみの上に配置されている前記流動可能な反射性インクの第2の層を備え、
前記反射性層および前記突出部は、内部結合光学要素を形成し、前記内部結合光学要素は、入射光が前記第1の導波管を通って伝搬するような角度で前記入射光を向け直すように構成されており、前記反射性層は、前記反射性回折格子の前記突出部によって占められるエリアにわたって変動する少なくとも1つのパラメータを有し、
前記少なくとも1つのパラメータは、前記反射性層の厚さを含み、前記反射性層の反射率は、前記反射性回折格子の前記突出部によって占められる前記エリアにわたって前記少なくとも1つのパラメータと共に変動する、光学デバイス。
【請求項20】
前記反射性層は、分散された金属含有粒子を実質的に有しない、請求項19に記載の光学デバイス。
【請求項21】
前記反射性層は、前記流動可能な反射性インクから形成されている不規則的な蓄積を備えている、請求項19に記載の光学デバイス。
【請求項22】
前記反射性層は、少なくとも60%の反射率で前記入射電磁放射を反射する、請求項19に記載の光学デバイス。
【請求項23】
前記光学導波管構造は、第2の導波管および第3の導波管をさらに備え、前記第2の導波管は、前記第3の導波管とは異なる波長の範囲を出力するように構成されており、前記第1の導波管は、前記第2の導波管および前記第3の導波管のうちの少なくとも1つと光学連通し、
前記第2の導波管および前記第3の導波管の各々は、前記流動可能な反射性インクの反射性層を備え、前記流動可能な反射性インクは、突出部を備えている表面上に配置されており、これにより、反射性回折格子を形成し、各導波管の前記反射性回折格子は、異なる波長の範囲の光を向け直すように構成されている、請求項19に記載の光学デバイス。
【請求項24】
前記第1の表面は、前記反射性層の境界を画定する壁を備え、前記壁は、前記第1の導波管と他の導波管との間の空間を維持するように構成されている機械的スペーサを備えている、請求項19に記載の光学デバイス。
【請求項25】
前記光学デバイスは、空間光変調器を備えているディスプレイシステムであり、前記空間光変調器は、画像情報を含む光を前記第1の導波管の中に出力するように構成されている、請求項19に記載の光学デバイス。
【請求項26】
ディスプレイデバイスであって、前記ディスプレイデバイスは、反射性回折光学要素を備えている導波管を備え、
前記回折光学要素は、
前記導波管の表面上の複数の突出部を含む回折格子と、
前記突出部の表面上の反射性層であって、前記反射性層は、前記回折格子の前記複数の突出部によって占められるエリアにわたって変動する少なくとも1つのパラメータを有
し、前記少なくとも1つのパラメータは、前記反射性層の厚さを含む、反射性層と
を備え、
前記反射性層は、流動可能な反射性インクから形成されており、
前記反射性層は、前記突出部の第1のエリアおよび前記突出部の第2のエリアの上に均一に配置されている前記流動可能な反射性インクの第1の層を備え、
前記反射性層は、前記突出部の前記第2のエリア
のみの上に配置されている前記流動可能な反射性インクの第2の層を備え、
前記反射性層の反射率は、前記回折格子の前記複数の突出部によって占められる前記エリアにわたって前記少なくとも1つのパラメータと共に変動する、ディスプレイデバイス。
【請求項27】
前記反射性回折光学要素は、入射光を前記導波管の中に内部結合するように構成されている内部結合格子を形成する、請求項26に記載のディスプレイデバイス。
【請求項28】
前記導波管は、導波管のスタックのうちの1つであり、前記導波管のスタックの各々は、内部結合格子を備え、
見下ろすと、内部結合格子は、互いから側方にオフセットされている、請求項27に記載のディスプレイデバイス。
【請求項29】
前記流動可能な反射性インクは、液体金属を含む、請求項26に記載のディスプレイデバイス。
【請求項30】
前記液体金属は、ガリウム;インジウム;水銀;ガリウム-インジウム共晶;ガリウム-インジウム合金;ガリウムインジウムスズ合金;Ga、In、Sn、およびZn合金;Ga、In、およびSn合金;ナトリウム-カリウム合金;ガリウム、インジウム、およびスズ;ガリウム-インジウム-亜鉛-銅金属;銀インジウムガリウムから成る群から選択される、請求項29に記載のディスプレイデバイス。
【請求項31】
前記反射性層は、前記液体金属の成分の酸化物を含む、請求項29に記載のディスプレイデバイス。
【請求項32】
光学デバイスを作製する方法であって、前記方法は、
複数の表面突出部を含む回折格子を備えている導波管を提供することであって、前記回折格子は、光を前記導波管の中に結合するように構成されている、ことと、
反射性層を前記複数の表面突出部上に形成することと
を含み、
前記反射性層は、流動可能な反射性材料を前記複数の表面突出部上に堆積させることによって形成され、前記反射性層は、前記回折格子の前記複数の表面突出部によって占められるエリアにわたって変動する少なくとも1つのパラメータを有し、
前記少なくとも1つのパラメータは、前記反射性層の厚さを含み、
前記反射性層の反射率は、前記回折格子の前記複数の表面突出部によって占められる前記エリアにわたって前記少なくとも1つのパラメータと共に変動し、前記複数の表面突出部および前記反射性層は、反射性回折光学要素を形成し、
前記流動可能な反射性材料を堆積させることは、
第1の量の流動可能な反射性インクを前記突出部の第1のエリアおよび第2のエリアの上に均一に堆積させることと、
第2の量の前記流動可能な反射性インクを前記突出部の前記第2のエリア
のみの上に堆積させることと
を含む、方法。
【請求項33】
前記方法は、空間光変調器を提供することをさらに含み、前記空間光変調器は、光を前記反射性回折光学要素上に出力するように位置付けられている、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記流動可能な反射性インクは、液体金属を含む、請求項32に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本願は、米国仮出願第62/486,873号(2017年4月18日出願)に対する優先権を主張し、上記出願の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(参照による組み込み)
本願は、以下の特許出願の各々の全体も、参照により組み込む:米国特許出願第14/555,585号(2014年11月27日出願)、米国特許出願第14/690,401号(2015年4月18日出願)、米国特許出願第14/212,961号(2014年3月14日出願)、および米国特許出願第14/331,218号(2014年7月14日出願)。
【0003】
(背景)
(分野)
本開示は、ディスプレイシステムに関する。より具体的には、本明細書のいくつかの実施形態は、例えば、反射性層を導波管上に形成するための反射性流動可能材料を含む、方法および組成に関する。
【背景技術】
【0004】
(関連技術の説明)
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、いわゆる「仮想現実」または「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進しており、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるように見える様式、もしくはそのように知覚され得る様式でユーザに提示される。仮想現実または「VR」シナリオは、典型的には、他の実際の実世界の視覚的入力に対する透明性を伴わずにデジタルまたは仮想画像情報の提示を伴い、拡張現実または「AR」シナリオは、典型的には、ユーザの周囲の実際の世界の可視化に対する拡張としてのデジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。複合現実または「MR」シナリオは、一種のARシナリオであり、典型的には、自然世界の中に統合され、それに応答する仮想オブジェクトを伴う。例えば、MRシナリオは、実世界内のオブジェクトによってブロックされて見える、または別様にそれと相互作用するように知覚されるAR画像コンテンツを含み得る。
【0005】
図1を参照すると、拡張現実場面1が、描写されている。AR技術のユーザは、人々、木々、背景における建物、およびコンクリートプラットフォーム1120を特徴とする実世界公園状設定1100を見ている。ユーザは、実世界プラットフォーム1120上に立っているロボット像1110、およびマルハナバチの擬人化のように見える、飛んでいる漫画のようなアバタキャラクタ1130等の「仮想コンテンツ」も「見ている」と知覚する。これらの要素1130、1110は、実世界には存在しないという点で、「仮想」である。ヒトの視知覚系は、非常に複雑であり、他の仮想または実世界画像要素間における仮想画像要素の快適で、自然のような感覚で、かつ豊かな提示を促進するAR技術の生成は、困難である。
【0006】
本明細書に開示されるシステムおよび方法は、ARまたはVR技術に関連する種々の課題に対処する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(要約)
いくつかの側面は、光学導波管構造を作製する方法を含む。方法は、導波管のための反射性光学要素を形成することを含み得、反射性光学要素を形成することは、突出部のパターンを導波管の第1の表面上に提供することと、反射性インクを突出部の表面上に堆積させることとを含む。いくつかの実施形態では、反射性インクは、導波管の第1の表面の所定の領域上に選択的に堆積させられる。いくつかの実施形態では、堆積させることは、反射性インクをインクジェット、マイクロディスペンサ、またはアプリケータロッドから投与することを含む。いくつかの実施形態では、反射性インクは、無粒子インクを含む。いくつかの実施形態では、反射性インクは、アルミニウム、銀、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、反射性インクは、結合剤をさらに含み、結合剤は、反射性光学要素内に存在する。いくつかの実施形態では、反射性光学要素は、表面蓄積をさらに備えている。いくつかの実施形態では、第1の表面の突出部は、フォトレジストを備えている。いくつかの実施形態では、第1の表面は、その上に反射性インクが選択的に堆積させられる所定の領域の少なくとも一部を画定する壁を備えている。いくつかの実施形態では、壁は、導波管と追加の導波管との間の空間を維持するように構成された機械的スペーサを備えている。いくつかの実施形態では、第1の表面の突出部は、格子の一部であり、反射性インクの少なくとも一部は、格子上に非形状適応的に配置され、反射性インクと第1の表面との間の界面は、間隙を実質的に有しない。いくつかの実施形態では、反射性光学要素は、光が全内部反射によって導波管を通って伝搬するような角度で入射光を向け直すように構成されている回折光学要素である。いくつかの実施形態では、反射性光学要素は、少なくとも60%の反射率で入射電磁放射を反射するように構成される。いくつかの実施形態では、反射性光学要素は、電磁放射を第1の導波管の中に反射するように構成される内部結合光学要素または光分配要素の一部である。いくつかの実施形態では、方法は、反射性インクを追加の光学導波管の表面上の突出部のパターン上に堆積させることによって、追加の反射性光学要素を追加の導波管上に形成することをさらに含み、追加の反射性光学要素は、入射電磁放射を反射するように構成されている。方法は、少なくとも追加の導波管を導波管の表面に取り付け、したがって、導波管のスタックを生成することをさらに含み得る。
【0008】
いくつかの側面は、ディスプレイデバイスを作製する方法を含む。方法は、反射性インクの反射性層を光学導波管の第1の表面上に形成することを含み得、第1の表面は、格子を形成する突出部を備えている。反射性層は、第1の表面上に配置され、したがって、反射性光学要素を作製し得る。方法は、反射性光学要素をディスプレイデバイス内に配置することを含み得る。いくつかの実施形態では、反射性インクの反射性層は、第1の表面上に非形状適応的に配置され、反射性層と第1の表面との間の界面は、間隙を実質的に有しない。いくつかの実施形態では、反射性層および突出部は、回折光学要素を形成する。
【0009】
いくつかの側面は、光学導波管構造を含む。光学導波管構造は、第1の表面と、第1の表面上に配置された反射性インクの反射性層とを備えている第1の導波管を備え得る。反射性層は、結合剤を含み得る。反射性層は、界面において、入射電磁放射を第1の導波管の中に反射するように構成され得る。いくつかの実施形態では、反射性層は、分散された金属含有粒子を実質的に有しない。いくつかの実施形態では、反射性層は、表面蓄積を備えている。いくつかの実施形態では、第1の表面は、反射性層とともに、反射性回折格子の一部である、突出部を構成する。いくつかの実施形態では、反射性層は、少なくとも60%の反射率で入射電磁放射を反射する。いくつかの実施形態では、反射性層および突出部は、光が第1の導波管を通って伝搬するような角度で入射光を向け直すように構成される内部結合光学要素を形成する。いくつかの実施形態では、光学導波管構造は、第2の導波管および第3の導波管をさらに備え、第2の導波管は、第3の導波管と異なる波長の範囲を出力するように構成される。第1の導波管は、第2および第3の導波管のうちの少なくとも1つと光学連通し得る。第1、第2、および第3の導波管の各々は、突出部を備えている表面上に配置され、したがって、反射性回折格子を形成する反射性インクの反射性層を備え得、各導波管の反射性回折格子は、異なる波長の範囲の光を向け直すように構成される。いくつかの実施形態では、第1の表面は、反射性層の境界を画定する壁を備え、壁は、第1の導波管と他の導波管との間の空間を維持するように構成された機械的スペーサを備えている。
【0010】
いくつかの側面は、例えば、前段落において本明細書に説明される光学導波管構造を備えているディスプレイデバイスを含む。いくつかの実施形態では、デバイスは、画像情報を第1の導波管の中に投入するように構成される空間光変調器を備えている。
【0011】
いくつかの側面は、ディスプレイデバイスを作製する方法を含む。方法は、例えば、前段落において本明細書に説明される反射性光学要素を備えている光学導波管または光学導波管のスタックを作製することを含み得る。方法は、光学導波管または光学導波管のスタックをディスプレイデバイス内に配置することを含み得る。
【0012】
いくつかの側面は、導波管を備えているディスプレイデバイスを含む。導波管は、反射性回折光学要素を備えている。回折光学要素は、導波管の表面上の複数の突出部と、突出部の表面上の反射性層であって、反射性流動可能材料から形成されている、反射性層とを備えている。反射性流動可能材料の例は、反射性インクと、液体金属とを含む。
【0013】
いくつかの側面は、光学デバイスを作製する方法を含む。方法は、複数の表面突出部を備えている導波管を提供することと、反射性流動可能材料を表面突出部上に堆積させることによって、反射性層を表面突出部上に形成することとを含む。表面突出部および反射性層は、反射性回折光学要素を形成する。
【0014】
追加の例示的実施形態が、下記に提供される。
【0015】
1.光学導波管構造を作製する方法であって、方法は、
導波管のための反射性光学要素を形成することを含み、反射性光学要素を形成することは、
突出部のパターンを導波管の第1の表面上に提供することと、
反射性インクを突出部の表面上に堆積させることと
を含む、方法。
【0016】
2.反射性インクは、導波管の第1の表面の所定の領域上に選択的に堆積させられる、実施形態1に記載の方法。
【0017】
3.堆積させることは、反射性インクをインクジェット、マイクロディスペンサ、またはアプリケータロッドから投与することを含む、実施形態2に記載の方法。
【0018】
4.反射性インクは、無粒子インクを含む、実施形態1-3のいずれか1項に記載の方法。
【0019】
5.反射性インクは、アルミニウム、銀、またはそれらの組み合わせを含む、実施形態1-4のいずれか1項に記載の方法。
【0020】
6.反射性インクは、結合剤をさらに含み、結合剤は、反射性光学要素内に存在する、実施形態1-5のいずれか1項に記載の方法。
【0021】
7.反射性光学要素は、表面蓄積をさらに備えている、実施形態1-6のいずれか1項に記載の方法。
【0022】
8.第1の表面の突出部は、フォトレジストを備えている、実施形態1-7のいずれか1項に記載の方法。
【0023】
9.第1の表面は、その上に反射性インクが選択的に堆積させられる所定の領域の少なくとも一部を画定する壁を備えている、実施形態2-8のいずれか1項に記載の方法。
【0024】
10.壁は、導波管と追加の導波管との間の空間を維持するように構成された機械的スペーサを備えている、実施形態9に記載の方法。
【0025】
11.第1の表面の突出部は、格子の一部であり、反射性インクの少なくとも一部は、格子上に非形状適応的に配置され、反射性インクと第1の表面との間の界面は、間隙を実質的に有しない、実施形態1-10のいずれか1項に記載の方法。
【0026】
12.反射性光学要素は、光が全内部反射によって導波管を通って伝搬するような角度で入射光を向け直すように構成されている回折光学要素である、実施形態1-11のいずれか1項に記載の方法。
【0027】
13.反射性光学要素は、少なくとも60%の反射率で入射電磁放射を反射するように構成されている、実施形態1-12のいずれか1項に記載の方法。
【0028】
14.反射性光学要素は、電磁放射を第1の導波管の中に反射するように構成される内部結合光学要素または光分配要素の一部である、実施形態1-13のいずれか1項に記載の方法。
【0029】
15.反射性インクを追加の光学導波管の表面上の突出部のパターン上に堆積させることによって、追加の反射性光学要素を追加の導波管上に形成することであって、追加の反射性光学要素は、入射電磁放射を反射するように構成されている、ことと、
少なくとも追加の導波管を導波管の表面に取り付けることと、
それによって、導波管のスタックを生成することと
をさらに含む、実施形態1-14のいずれか1項に記載の方法。
【0030】
16.ディスプレイデバイスを作製する方法であって、方法は、
反射性インクの反射性層を光学導波管の第1の表面上に形成することであって、第1の表面は、格子を形成する突出部を備え、反射性層は、第1の表面上に配置され、それによって、反射性光学要素を作製する、ことと、
反射性光学要素をディスプレイデバイス内に配置することと
を含む、方法。
【0031】
17.反射性インクの反射性層は、第1の表面上に非形状適応的に配置され、反射性層と第1の表面との間の界面は、間隙を実質的に有しない、実施形態16に記載の方法。
【0032】
18.反射性層および突出部は、回折光学要素を形成する、実施形態16または実施形態17に記載の方法。
【0033】
19.光学導波管構造であって、光学導波管構造は、
第1の表面を備えている第1の導波管と、
第1の表面上に配置された反射性インクの反射性層と
を備え、
反射性層は、結合剤を含み、
反射性層は、界面において、入射電磁放射を第1の導波管の中に反射するように構成されている、光学導波管構造。
【0034】
20.反射性層は、分散された金属含有粒子を実質的に有しない、実施形態19に記載の光学導波管構造。
【0035】
21.反射性層は、表面蓄積を備えている、実施形態19-20のいずれか1項に記載の光学導波管構造。
【0036】
22.第1の表面は、反射性層とともに、反射性回折格子の一部である突出部を構成する、実施形態19-21のいずれか1項に記載の光学導波管構造。
【0037】
23.反射性層は、少なくとも60%の反射率で入射電磁放射を反射する、実施形態19-22のいずれか1項に記載の光学導波管構造。
【0038】
24.反射性層および突出部は、光が第1の導波管を通って伝搬するような角度で入射光を向け直すように構成される内部結合光学要素を形成する、実施形態22-23のいずれか1項に記載の光学導波管構造。
【0039】
25.光学導波管構造は、第2の導波管および第3の導波管をさらに備え、第2の導波管は、第3の導波管と異なる波長の範囲を出力するように構成され、第1の導波管は、第2および第3の導波管のうちの少なくとも1つと光学連通し、
第1、第2、および第3の導波管の各々は、突出部を備えている表面上に配置され、それによって、反射性回折格子を形成する反射性インクの反射性層を備え、各導波管の反射性回折格子は、異なる波長の範囲の光を向け直すように構成されている、実施形態19-24のいずれか1項に記載の光学導波管構造。
【0040】
26.第1の表面は、反射性層の境界を画定する壁を備え、壁は、第1の導波管と他の導波管との間の空間を維持するように構成された機械的スペーサを備えている実施形態19-25のいずれか1項に記載の光学導波管構造。
【0041】
27.実施形態19-26のいずれか1項に記載の光学導波管構造を備えているディスプレイデバイス。
【0042】
28.デバイスは、画像情報を第1の導波管の中に投入するように構成されている空間光変調器を備えている実施形態27に記載のディスプレイデバイス。
【0043】
29.ディスプレイデバイスを作製する方法であって、方法は、
実施形態1-13のいずれかに記載の反射性光学要素を備えている光学導波管または光学導波管のスタックを作製することと、
光学導波管または光学導波管のスタックをディスプレイデバイス内に配置することと
を含む、方法。
【0044】
30.ディスプレイデバイスであって、ディスプレイデバイスは、
反射性回折光学要素を備えている導波管を備え、回折光学要素は、
導波管の表面上の複数の突出部と、
突出部の表面上の反射性層であって、流動可能材料から形成される、反射性層と
を備えている、導波管ディスプレイデバイス。
【0045】
31.反射性回折光学要素は、入射光を導波管の中に内部結合するように構成された内部結合格子を形成する、実施形態30に記載のディスプレイデバイス。
【0046】
32.導波管は、導波管のスタックのうちの1つであり、導波管のスタックの各々は、内部結合格子を備え、
見下ろすと、異なる導波管の内部結合格子は、互いから側方にオフセットされている、実施形態31に記載のディスプレイデバイス。
【0047】
33.流動可能材料は、反射性インクを含む、実施形態30に記載のディスプレイデバイス。
【0048】
34.流動可能材料は、液体金属を含む、実施形態30に記載のディスプレイデバイス。
【0049】
35.液体金属は、ガリウム;インジウム;水銀;ガリウム-インジウム共晶;ガリウム-インジウム合金;ガリウムインジウムスズ合金;Ga、In、Sn、およびZn合金;Ga、In、およびSn合金;ナトリウム-カリウム合金;ガリウム、インジウム、およびスズ;ガリウム-インジウム-亜鉛-銅金属;および、銀インジウムガリウムから成る群から選択される、実施形態30に記載のディスプレイデバイス。
36.反射性層は、液体金属の成分の酸化物を含む、実施形態32に記載のディスプレイ。
【0050】
37.光学デバイスを作製する方法であって、方法は、
複数の表面突出部を備えている導波管を提供することと、
反射性流動可能材料を表面突出部上に堆積させることによって、反射性層を表面突出部上に形成することと
を含み、表面突出部および反射性層は、反射性回折光学要素を形成する、方法。
【0051】
38.空間光変調器を提供することをさらに含み、空間光変調器は、光を反射性回折光学要素上に出力するように位置付けられる、実施形態37に記載の方法。
【0052】
39.流動可能材料は、反射性インクを含む、実施形態37に記載の方法。
【0053】
40.流動可能材料は、液体金属を含む、実施形態37に記載の方法。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
光学導波管構造を作製する方法であって、前記方法は、導波管のための反射性光学要素を形成することを含み、
前記反射性光学要素を形成することは、
突出部のパターンを前記導波管の第1の表面上に提供することと、
反射性インクを前記突出部の表面上に堆積させることと
を含む、方法。
(項目2)
前記反射性インクは、前記導波管の前記第1の表面の所定の領域上に選択的に堆積させられる、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記第1の表面は、垂直に延びている壁を備え、前記壁は、前記所定の領域の少なくとも一部を画定し、前記反射性インクは、前記所定の領域の上に選択的に堆積させられ、前記壁は、前記反射性インクの側方移動を制限する、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記堆積させることは、前記反射性インクをインクジェット、マイクロディスペンサ、またはアプリケータロッドから投与することを含む、項目2に記載の方法。
(項目5)
前記反射性インクを追加の光学導波管の表面上の突出部のパターン上に堆積させることによって、追加の反射性光学要素を前記追加の導波管上に形成することであって、前記追加の反射性光学要素は、入射電磁放射を反射するように構成されている、ことと、
少なくとも前記追加の導波管を前記導波管の表面に取り付けることと、
それによって、導波管のスタックを生成することと
をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記反射性インクは、無粒子インクを含む、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記反射性インクは、アルミニウム、銀、またはそれらの組み合わせを含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記反射性インクは、結合剤をさらに含み、前記結合剤は、前記反射性光学要素内に存在する、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記反射性光学要素は、表面蓄積をさらに備えている、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記第1の表面の突出部は、フォトレジストを備えている、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記壁は、前記導波管と上層の追加の導波管との間の空間を維持するように構成された機械的スペーサを備えている、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記第1の表面の突出部は、格子の一部であり、前記反射性インクの少なくとも一部は、前記格子上に非形状適応的に配置され、前記反射性インクと前記第1の表面との間の界面は、間隙を実質的に有しない、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記反射性光学要素は、回折光学要素であり、前記回折光学要素は、入射光が全内部反射によって前記導波管を通って伝搬するような角度で前記入射光を向け直すように構成されている、項目1に記載の方法。
(項目14)
前記反射性光学要素は、少なくとも60%の反射率で入射電磁放射を反射するように構成されている、項目1に記載の方法。
(項目15)
前記反射性光学要素は、電磁放射を前記第1の導波管の中に反射するように構成された光内部結合光学要素または光分配要素の一部である、項目1に記載の方法。
(項目16)
ディスプレイデバイスを作製する方法であって、前記方法は、
反射性インクの反射性層を光学導波管の第1の表面上に形成することであって、前記第1の表面は、格子を形成する突出部を備え、前記反射性層は、前記第1の表面上に配置され、それによって、反射性光学要素を作製する、ことと、
前記反射性光学要素をディスプレイデバイス内に配置することと
を含む、方法。
(項目17)
前記反射性インクの反射性層は、前記第1の表面上に非形状適応的に配置され、前記反射性層と第1の表面との間の界面は、間隙を実質的に有しない、項目16に記載の方法。
(項目18)
前記反射性層および突出部は、回折光学要素を形成する、項目16に記載の方法。
(項目19)
光学デバイスであって、前記光学デバイスは、
第1の表面を備えている第1の導波管と、
前記第1の表面上に配置された反射性インクの反射性層と
を備え
前記反射性層は、結合剤を含み、
前記反射性層は、界面において、入射電磁放射を前記第1の導波管の中に反射するように構成されている、光学デバイス。
(項目20)
前記反射性層は、分散された金属含有粒子を実質的に有しない、項目19に記載の光学デバイス。
(項目21)
前記反射性層は、表面蓄積を備えている、項目19に記載の光学デバイス。
(項目22)
前記第1の表面は、突出部を備え、前記突出部は、前記反射性層とともに、反射性回折格子の一部である、項目19に記載の光学デバイス。
(項目23)
前記反射性層は、少なくとも60%の反射率で前記入射電磁放射を反射する、項目19に記載の光学デバイス。
(項目24)
前記反射性層および突出部は、内部結合光学要素を形成し、前記内部結合光学要素は、入射光が前記第1の導波管を通って伝搬するような角度で前記入射光を向け直すように構成されている、項目22に記載の光学デバイス。
(項目25)
前記光学導波管構造は、第2の導波管および第3の導波管をさらに備え、前記第2の導波管は、前記第3の導波管と異なる波長の範囲を出力するように構成され、前記第1の導波管は、前記第2および第3の導波管のうちの少なくとも1つと光学連通し、
前記第1、第2、および第3の導波管の各々は、反射性インクの反射性層を備え、前記反射性インクは、突出部を備えている表面上に配置され、それによって、反射性回折格子を形成し、各導波管の前記反射性回折格子は、異なる波長の範囲の光を向け直すように構成されている、項目19に記載の光学デバイス。
(項目26)
前記第1の表面は、前記反射性層の境界を画定する壁を備え、前記壁は、前記第1の導波管と他の導波管との間の空間を維持するように構成された機械的スペーサを備えている、項目19に記載の光学デバイス。
(項目27)
前記光学デバイスは、空間光変調器を備えているディスプレイシステムであり、前記空間光変調器は、画像情報を含む光を前記第1の導波管の中に出力するように構成されている、項目19に記載の光学デバイス。
(項目28)
ディスプレイデバイスであって、前記ディスプレイデバイスは、反射性回折光学要素を備えている導波管を備え、
前記回折光学要素は、
前記導波管の表面上の複数の突出部と、
前記突出部の表面上の反射性層と
を備え、
前記反射性層は、反射性流動可能材料から形成されている、ディスプレイデバイス。
(項目29)
前記反射性回折光学要素は、入射光を前記導波管の中に内部結合するように構成された内部結合格子を形成する、項目28に記載のディスプレイデバイス。
(項目30)
前記導波管は、導波管のスタックのうちの1つであり、前記導波管のスタックの各々は、内部結合格子を備え、
見下ろすと、内部結合格子は、互いから側方にオフセットされている、項目29に記載のディスプレイデバイス。
(項目31)
前記流動可能材料は、反射性インクを含む、項目28に記載のディスプレイデバイス。
(項目32)
前記流動可能材料は、液体金属を含む、項目28に記載のディスプレイデバイス。
(項目33)
前記液体金属は、ガリウム;インジウム;水銀;ガリウム-インジウム共晶;ガリウム-インジウム合金;ガリウムインジウムスズ合金;Ga、In、Sn、およびZn合金;Ga、In、およびSn合金;ナトリウム-カリウム合金;ガリウム、インジウム、およびスズ;ガリウム-インジウム-亜鉛-銅金属;および、銀インジウムガリウムから成る群から選択される、項目32に記載のディスプレイデバイス。
(項目34)
前記反射性層は、前記液体金属の成分の酸化物を含む、項目32に記載のディスプレイデバイス。
(項目35)
光学デバイスを作製する方法であって、前記方法は、
複数の表面突出部を備えている導波管を提供することと、
反射性流動可能材料を前記表面突出部上に堆積させることによって、反射性層を前記表面突出部上に形成することと
を含み、
前記表面突出部および前記反射性層は、反射性回折光学要素を形成する、方法。
(項目36)
空間光変調器を提供することをさらに含み、前記空間光変調器は、光を前記反射性回折光学要素上に出力するように位置付けられている、項目35に記載の方法。
(項目37)
前記流動可能材料は、反射性インクを含む、項目35に記載の方法。
(項目38)
前記流動可能材料は、液体金属を含む、項目35に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】
図1は、ARデバイスを通した拡張現実(AR)のユーザのビューを図示する。
【0055】
【
図2】
図2は、ウェアラブルディスプレイシステムの例を図示する。
【0056】
【
図3】
図3は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。
【0057】
【
図4】
図4は、複数の深度平面を使用して3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。
【0058】
【
図5】
図5A-5Cは、曲率半径と焦点半径との間の関係を図示する。
【0059】
【
図6】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの例を図示する。
【0060】
【
図7】
図7は、導波管によって出力された出射ビームの例を図示する。
【0061】
【
図8】
図8は、スタックされた導波管アセンブリの例を図示し、各深度平面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む。
【0062】
【
図9A】
図9Aは、各々が内部結合光学要素を含むスタックされた導波管の組の例の断面側面図を図示する。
【0063】
【0064】
【
図9C】
図9Cは、
図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の例の見下げ平面図を図示する。
【0065】
【
図10A】
図10Aは、いくつかの実施形態による、突出部のパターン上に堆積させられる反射性層の概略断面側面図を示す。
【0066】
【
図10B】
図10Bは、いくつかの他の実施形態による、突出部のパターン上に堆積させられる反射性層の概略断面側面図を示す。
【0067】
【
図10C】
図10Cは、さらに他の実施形態による、突出部のパターン上に堆積させられる反射性層の概略断面側面図を示す。
【0068】
【
図11A】
図11Aは、いくつかの実施形態による、反射性流動可能材料から反射性層を突出部のパターン上に形成するための閉じ込められたエリアの概略斜視図を示す。
【0069】
【
図11B】
図11Bは、いくつかの実施形態による、反射性層を反射性流動可能材料から突出部のパターン上に形成するための
図11Aの閉じ込められたエリアの概略断面側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0070】
図面は、例示的実施形態を図示するために提供され、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0071】
(詳細な説明)
導波管は、光学要素を使用して、外部光を内部結合し、および/または、導波管内を伝搬する光を所望の方向に向け直し得る。例えば、光学要素は、回折格子および/またはファセット特徴の形態をとり得る。いくつかの光学要素は、反射性モードで機能し得、1つ以上の角度から光学要素上に入射する光は、光学要素から離れるように異なる所望の角度で伝搬するように、反射され、向け直される。本明細書に開示されるように、そのような導波管は、ディスプレイシステムの一部を形成し得る。例えば、導波管は、画像情報を含む光を内部結合し、その光を分配し、ユーザに外部結合するように構成され得る。
【0072】
反射性光学要素は、反射性層を利用して、所望の光反射を達成し得る。反射性層は、従来、金属層の蒸着を含む金属化プロセスを使用して堆積させられる。これらの従来の金属化プロセスは、時間がかかり得、多数のステップを含み得る。例えば、金属化を導波管上の所望の場所に導くために、金属化が所望されない導波管のエリアを保護するために、導波管をマスクと整列させ、それをマスクで覆う必要があり得る。しかしながら、マスクは、金属化によって汚染され得、頻繁な清掃を要求し得る。加えて、蒸着自体は、真空を要求し得、それは、金属化プロセスをさらに複雑にし、堆積チャンバが堆積のために減圧され、次いで、アンローディングのために大気圧まで戻されることを要求することによって、その持続時間を増加させるであろう。
【0073】
いくつかの実施形態では、反射性層は、反射性インクおよび/または液体金属等の反射性流動可能材料を使用して、基板表面上に形成される。流動可能材料は、ディスペンサから基板表面上に流出させられることによって堆積させられ得る。好ましくは、流動可能材料は、標準的条件(例えば、大気圧および室温)のもとで流動可能である。いくつかの実施形態では、反射性流動可能材料は、堆積条件(例えば、標準的条件のもと)で液相である。いくつかの実施形態では、流動可能材料は、それを流動可能にするために加熱され得る。例えば、流動可能材料は、流動可能状態(例えば、液体状態)に維持するためにディスペンサ内で加熱され得る。
【0074】
その上に流動可能材料が堆積させられる、表面は、複数の突出部と、介在する陥凹を備えているパターン等のパターンを含み得、それは、格子構造(例えば、回折光学格子)を形成し得、反射性層が、パターンの表面をコーティング(例えば、形状適応的にコーティングまたは非形状適応的にコーティング)し得る。突出部および陥凹は、いくつかの実施形態では、同一構造の一部であり得ることを理解されたい。例えば、隣り合う突出部は、それらの間に陥凹を画定し得、反射性層は、突出部および陥凹の両方をコーティングし得る。その結果、構造は、陥凹によって画定されたパターンおよび/または突出部によって画定されたパターンを有すると説明され得る。いくつかの実施形態では、反射性流動可能材料は、基板表面上に垂直に延びている仕切り壁を使用して、基板表面の別々の領域内に位置し得る。いくつかの実施形態では、反射性流動可能材料は、流動可能材料を基板表面上の別々の場所に出力する、ディスペンサ(例えば、インクジェットまたはマイクロディスペンサ)を使用して塗布され得る。その上に反射性流動可能材料が堆積させられる基板は、光学的に透過性の材料から形成され、全内部反射によって光をその中に伝搬するように構成される、導波管であり得る。
【0075】
回折光学格子のそのような金属化は、導波管/基板に内部結合される光の量を増加させることによって、格子の効率を増加させ得る。例えば、回折格子は、所与の角度の範囲を覆って、光を導波管の中に内部結合するように設計され得るが、光の全ての角度が、等しい効率で内部結合せず、それは、全ての角度にわたる光の均一性または他の収差につながり得る。格子構造上の反射性コーティングは、格子に入射する光の1つ以上の角度の内部結合効率を改良し得る。
【0076】
有利には、反射性流動可能材料は、基板表面上に直接堆積させられ得、堆積は、蒸着を伴う従来のアプローチと比較して優れた速度およびスループットをもたらし得る。好ましくは、堆積は、真空を必要とせず、例えば、大気圧で実施される。従来の金属化プロセスは、反射性層を堆積させるために、数分、例えば、約5~30分かかり得ることを理解されたい。本明細書に説明される、反射性層を備えている光学導波管を作製する方法は、より迅速に実施され得る。例えば、流動可能材料は、わずか数秒、例えば、約60秒またはそれ未満、例えば、約60秒、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、9、8、7、5、6、5、4、3、2、1、0.5、または0.1秒未満(列挙された値のうちの任意の2つの間の範囲を含む)で表面(例えば、導波管の表面)上に堆積させられ得る。さらに、反射性流動可能材料から形成される反射性層は、蒸着によって形成される反射性材料に匹敵するまたはより優れた性能特性をもたらし得る。例えば、いくつかの実施形態による、液体金属または電子インクを含む反射性インクは、平坦ガラスおよび平坦レジストの両方上において、参照蒸着アルミニウムに匹敵するまたはより優れた反射率をもたらすことが見出されている(例えば、下記の実施例2参照)。いくつかの実施形態では、反射性層は、ディスプレイデバイス内の導波管のための光学要素の一部である。いくつかの実施形態では、反射性流動可能材料の堆積は、室温または他の比較的に低温で実施され得る。これは、それらの表面特徴が熱に敏感な材料(例えば、レジスト)によって形成される、基板上の表面特徴への損傷を防止し得る。さらに、本明細書のいくつかの実施形態による、反射性流動可能材料を堆積させることは、材料をより効率的に使用し、より少ない廃棄物につながり、製造コストを低減させ得る。例えば、従来の蒸発ベースの方法を用いると、Ag等の材料は、表面全体を覆って堆積させられるであろう。他方で、反射性流動可能材料(例えば、反射性インクまたは液体金属)は、所望の領域上のみに選択的に容易に堆積させられ得る。
【0077】
(反射性インク、液体金属、および反射性層)
本明細書で使用されるように、「反射性インク」は、適用時、流動可能であり、次いで、固化すると(例えば、「硬化」または「乾燥」すると)、固体反射性層を形成するインクの種類を指す。反射性インクは、固化後、反射性層の反射率の少なくとも一部を与えるために存在したままである少なくとも1つの構成材料、例えば、金属、例えば、アルミニウム、銀、金、白金、クロム、またはロジウムを含み得る。反射性インクは、結合剤等の他の物質をさらに含み得る。理論によって限定されるわけではないが、アルミニウムおよび銀等の金属は、可視スペクトル内で高度に反射され、それらをいくつかの実施形態による反射性インクのために非常に好適にすると考えられる。いくつかの実施形態では、反射性インクは、広帯域反射体材料、例えば、クロム、白金、またはロジウムを含む。
【0078】
いくつかの実施形態による反射性インクは、液体またはゲル等の流動可能材料として調合され得、固化すると、安定反射性層を形成するようにあまり流動可能ではなくなり、例えば、半固体または固体となり得る。いくつかの実施形態では、反射性インクの粘度は、必要に応じて、所望の乾燥時間、所望の適用の均一性、反射性材料の所望の濃度、および/または反射性層の向きに対する所望の制御を取得するように選択され得る(例えば、比較的に薄い液体と比較的に粘性の液体との間で変動させられ得る)。いくつかの実施形態では、反射性インクは、ゲルとして調合され、それは、固化すると、より粘性または固体反射性層になる。
【0079】
異なるレベルの粘度は、異なる利点をもたらし得ることが認識されるであろう。例えば、比較的に粘着性の流動可能材料(例えば、反射性インク)は、壁(例えば、流動可能である続いて堆積させられる流動可能材料の位置を限定することにおいて有用であり得る)等の所望の3次元特徴を形成するために適し得、それは、空気乾燥による固化に適し、炉焼成の必要性を回避し、それによって、熱収支を低減させ得る。他方で、比較的に薄いインクは、比較的に薄くかつ均一な反射性層を形成するために適し得、近接して間隔を置かれる特徴間でより容易に流動し得るが、固化は、より長い乾燥時間または炉焼成を伴い得る。いくつかの実施形態では、堆積させられると、流動可能材料は、固化し、反射性層を形成し、流動可能材料の1つ以上の追加の層が、本明細書に説明されるように、所望の厚さの反射性層を形成するように、適用および固化される。
【0080】
いくつかの実施形態では、反射性インクは、有機または無機結合剤等の結合剤を含む。結合剤は、反射性インクの粘度の修正、反射性インクの固化を促進し得(例えば、反射性インクが固化する温度および/または時間を低下させる)、および/または、導波管のそれ等の表面への反射性インクによって形成される反射性層の接着を促進し得る。いくつかの実施形態では、結合剤を含む反射性層は、結合剤を伴わない類似材料の反射性層と比較して、下層表面へのより優れた付着を示す(例えば、反射性インクから形成される結合剤含有層が、蒸着によって堆積させられた非結合剤含有層と比較され得る)。
【0081】
いくつかの実施形態では、反射性インクは、銀を含む。いくつかの実施形態では、反射性インクは、式|Ag(NH3)2|+|C2H3O2|-の銀含有インクである。そのようなインクは、無粒子または実質的に無粒子調合として調合され得、適用および乾燥時、比較的に高銀含有量を伴う材料をもたらすことが示されている(Walker et al.,“Reactive Silver Inks for Patterning High-Conductivity Features at Mild Temperatures”,J. Am. Chem. Society134:1419-1421(その全体は、反射性インクに関して、参照することによって本明細書に組み込まれる)参照。理論によって限定されるわけではないが、反射性インクの金属含有率(銀含有率等)を増加させることは、反射性層の増加させられた反射率に対応すると考えられる。
【0082】
いくつかの実施形態では、反射性インクは、銀含有粒子、例えば、銀含有コロイドまたは銀含有ナノ粒子を含む。いくつかの実施形態では、反射性インクは、銀含有ナノ結晶を含む。そのようなナノ結晶含有反射性インクは、種々のアプローチを介して形成され得る。例えば、銀ナノ結晶は、銀原子が銀塩(例えば、硝酸銀AgNO3)等の核と会合する「ボトムアップ」アプローチを使用して形成され得る。例えば、銀ナノ結晶は、銀結晶が、シードから成長させられ、界面活性剤が、銀含有結晶の形状を制御するように、1つ以上の結晶平面に沿った成長率を改変するために添加される界面活性剤支援合成アプローチを使用して形成され得る。別の例として、銀含有粒子および/またはコロイドは、ナノ粒子および/またはコロイド等の銀含有粒子の形状および寸法を制御するように、紫外線照射の支援を受けて形成され得る。銀粒子を含むインクを使用して合成するためのいくつかのアプローチは、Silver nanoparticle ink technology:state of the art” Nanotechnol Sci. Appl.2016;9:1-13(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明される。
【0083】
いくつかの実施形態では、流動可能材料を固化することは、乾燥させ、かつ焼き鈍しすることを含み得る。例えば、粒子含有反射性インクは、堆積させられた後、乾燥させ、かつ焼き鈍しすることによって、固化され得る。いくつかの粒子含有反射性インクは、反射性インク内の金属の融点をはるかに下回る温度で焼き鈍しされ得、それは、熱収支を節約し、加熱および冷却時間を最小化するためにも有用であり得る。例えば、銀の融点は、960℃である。いくつかの実施形態では、金属含有粒子(例えば、銀含有粒子)を含む反射性インクは、固化され、固化することは、960℃を下回る温度、例えば、少なくとも約150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、200℃、210℃、220℃、230℃、240℃、250℃、260℃、270℃、280℃、290℃、300℃、310℃、320℃、330℃、340℃、350℃、360℃、370℃、380℃、390℃、400℃、450℃、500℃、550℃、600℃、または650℃を下回る温度(列挙された値のうちの任意の2つの間の範囲、例えば、約150℃~650℃、150℃~500℃、150℃~400℃、150℃~300℃、150℃~250℃、150℃~200℃、200℃~650℃、200℃~500℃、200℃~400℃、200℃~300℃、200℃~250℃、250℃~650℃、250℃~500℃、250℃~400℃、250℃~300℃、300℃~650℃、300℃~500℃、または300℃~400℃を含む)において焼き鈍しすることを含む。いくつかの実施形態では、金属含有粒子を含む反射性インクは、焼き鈍しすることを伴わずに固化される。
【0084】
本明細書のいくつかの実施形態による、反射性層は、入射電磁放射の少なくとも1つの可視波長(例えば、可視スペクトル内の光)を反射する。反射性層は、流動可能材料、例えば、乾燥および/または焼き鈍しを通して固化した流動可能材料から形成され得る。反射性層は、好ましくは、入射電磁放射の少なくとも1つの可視波長の少なくとも約30%、例えば、入射電磁放射の少なくとも約30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%、99.5%、または99.9%(列挙された値のうちの任意の2つの間の範囲、例えば、入射電磁放射の約30%~99%、30%~95%、30%~90%、30%~80%、30%~70%、50%~99%、50%~95%、50%~90%、50%~80%、50%~70%、70%~99%、70%~95%、70%~90%、または70%~80%を含む)を反射する。いくつかの実施形態では、入射電磁放射は、可視スペクトルの光を含む。流動可能材料自体は、必ずしも、固化に先立って、示される反射性性質を保有しないこともあるが、固化すると、流動可能材料から形成される反射性層は、示される反射性性質を有するであろうことを理解されたい。
【0085】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような反射性インクから形成される反射性層は、本明細書に説明されるような反射率、接着性、および/またはパターンを有する一方、従来の反射性材料と構造的に異なる。いくつかの実施形態では、反射性層は、結合剤および/または本明細書に説明されるようなインク材料の不規則的蓄積等の構造を備え、本明細書に説明されるような導波管および/またはディスプレイデバイスの光学要素を形成するために好適な反射率、パターン忠実性、および接着性等の性能特性を有する。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような反射性インクから形成される反射性層は、蒸着等の従来の堆積方法(マスクの有無にかかわらず)より優れたパターン化の速度、スループット、および効率等のパターン化プロセス利点をもたらす。いくつかの実施形態では、反射性層は、本明細書に説明されるような光学格子を形成し得る1つ以上の表面突出部を備えている導波管上にある。加えて、層は、本明細書に説明されるようなディスプレイデバイスにおけるそれら等の導波管のための光を向け直すために好適な反射率を有し得る。
【0086】
反射性層は、蒸着等の他の手段によって形成される反射性層と構造的に異なり得ることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、反射性層は、金属または金属の組み合わせ(例えば、アルミニウム、銀、またはアルミニウムおよび銀)と、少なくとも1つの結合剤(例えば、有機または無機結合剤)とを含み、反射性層は、対応する純金属または金属の組み合わせのそれの少なくとも約30%、例えば、少なくとも約30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、または99%(列挙された値のうちの任意の2つの間の範囲、例えば、約30%~99%、30%~95%、30%~90%、30%~80%、40%~99%、40%~95%、40%~90%、40%~80%、50%~99%、50%~95%、50%~90%、50%~80%、60%~99%、60%~95%、60%~90%、60%~80%、70%~99%、70%~95%、70%~90%、または70%~80%を含む)の反射率を有する。いくつかの実施形態では、反射性層は、導波管上に配置され、例えば、光分配要素の一部として、導波管を通って伝搬する光を向け直すように構成される。いくつかの実施形態では、反射性層は、本明細書に説明される堆積プロセスを用いて、導波管上に配置され得る。いくつかの実施形態では、反射性層は、導波管上に配置され、例えば、内部結合光学要素の一部として、導波管の中に光を導くように構成される。いくつかの実施形態では、導波管は、ディスプレイデバイスの一部である。
【0087】
本明細書で使用されるように、「表面蓄積」は、反射性インクから形成される材料の不規則的蓄積(例えば、インク材料のライン、「スパゲティー状」ストランド、または島)を指し、それは、反射性インクの流動可能および粘性性質に起因して、反射性層内のアーチファクトとして、本明細書に説明されるような反射性層の表面から延びる(例えば、
図10Aにおける1015参照)。概念化を容易にするためだけに、表面蓄積は、塗料が壁またはキャンバスに厚く適用されるときに存在し得る乾燥された塗料の液滴に類似すると考えられ得る。蓄積は、いくつかの実施形態では、ナノメートルスケールの高さ、長さ、および直径を有し得る。蓄積は、典型的には、導波管表面との他の表面の界面ではない反射性層の表面上、または、その上に反射性層が堆積させられる表面上にある。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような反射性インクから形成される反射性層は、表面蓄積を備え得るが、高レベルの反射率を維持し得る。
【0088】
本明細書で使用されるように、「突出部」、「表面突出部」、およびこれらの基本用語の変形例は、導波管の表面から延びている光学格子等の基板上または基板内で上向きに延びている材料の塊を指す。いくつかの実施形態では、突出部は、堆積させられる材料(例えば、導波管上に堆積させられるフォトレジスト)を含み得る基板、または実質的に均質構造(例えば、導波管)であり得る基板をエッチングすることによって形成され得る。いくつかの実施形態では、表面蓄積1015を備えている反射性層1010は、光学格子1020(
図10A参照)を覆って配置される。パターン化されたレジストまたは格子1020は、蓄積1015を備え得る。いくつかの実施形態では、反射性層1010は、ブレーズド構成を有する光学格子1020を覆って配置される(
図10B参照)。いくつかの実施形態では、反射性層1010は、マルチレベル構成を有する光学格子1020を覆って配置される(
図10C参照)。いくつかの実施形態では、光学格子は、フォトレジストを備えている。
【0089】
反射性層は、好ましくは、導波管の中へおよび/またはそれを通して、光の反射を提供するために利用されることを理解されたい。その結果、流動可能材料は、好ましくは、突出部の全ての表面をコーティングする。いくつかの実施形態では、反射性層は、光学格子上に形状適応的に配置される。材料が「形状適応的に」配置されるとき、それは、下層表面に実質的に形状適応するであろうことに留意されたい。
【0090】
いくつかの実施形態では、反射性インクの液体または半液体特性に起因して、反射性層は、固化中、導波管突出部の上部により近い部分において若干薄くあり得、特性上、固化中、底部により近い部分において若干厚くあり得る。これらの若干の差異は、反射性層の性能に悪影響を及ぼさないことが予期されることに留意されたい。いくつかの実施形態では、反射性層は、形状適応的に堆積させられ、表面を覆う反射性層の厚さ(例えば、層にわたって表面から延びている直線厚)は、反射性層全体にわたって、厚さが、平均の±20%以内、例えば、平均の±20%、±15%、±10%、±5%、または±1%以内であるように、わずか約±20%しか変動しない。好ましくは、形状適応反射性層は、反射性層と基板の表面との間に間隙がないか、または実質的にないように配置される。いくつかの実施形態では、非形状適応反射性層が関連界面において好適な反射率を提供し得ることも考えらえる(例えば、理論によって限定されるわけではないが、導波管との界面における反射性層の表面が十分に反射性であり、十分な被覆率を提供する限り、導波管に面していない反対表面は、導波管に形状適応する必要がなくなり得る)。故に、いくつかの実施形態では、反射性層は、基板上に非形状適応的に配置される。好ましくは、非形状適応層は、反射性層と基板の表面との間に間隙がないか、または実質的にないように配置される。反射性層と基板との間に間隙が「実質的にない」とは、いくつかの間隙が、存在し得るが、それらは、間隙がない反射性層と比較して、反射性層および基板によって形成される反射性光学要素の反射率を著しく減少させないことを理解されたい。いくつかの実施形態では、インクは、導波管突出部間の開放容積または間隙を完全または実質的に完全に充填するために十分な厚さまで堆積させられる。
【0091】
いくつかの実施形態では、反射性インクは、有機または無機結合剤等の結合剤を含み、それは、以下のうちの1つ以上のものを提供し得る:反射性インクが高忠実性パターンを形成するために十分な粘度を有することを可能にすること、反射性層が迅速に固化し、導波管等の表面への堆積させられる層の接着を促進することを可能にすること、および、反射性層が表面を覆って安定して配置され、表面に接着されたままであることを可能にすること。その結果、いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような反射性インクを含む、またはそれから成る反射性層は、結合剤(固化後、反射性層またはその上に反射性層が配置される表面内の物質に結合され得る)を含む。相対的接着性が、例えば、スクラッチ試験を使用して測定され得、堆積させられた層は、平行線模様パターン等のパターンに割られ、または切断され、テープ等の接着剤基板と接触させられ、接着剤基板は、次いで、除去され、接着剤基板によって除去された反射性層の構成単位の割合が、決定される(例えば、除去される反射性層の構成単位が少ないほど、接着性がより強い)。例示的スクラッチ試験は、2009年6月に公開されたATSM規格D3359-09「Standard Test Methods for Measuring Adhesion by Tape Test」(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明される。
【0092】
いくつかの実施形態では、反射性インクは、金属含有ナノ粒子またはマイクロ粒子等の粒子を含む。理論によって限定されるわけではないが、金属粒子は、光を部分的に散乱させ得、したがって、粒子含有反射性層の反射率は、無粒子層のそれより低くなり得ると考えられる。しかしながら、さらに、粒子を含むいくつかの反射性インクは、本明細書に説明されるような導波管および/またはディスプレイデバイスのための好適な反射率をもたらし得ると考えられる。故に、いくつかの実施形態では、反射性層は、粒子、例えば、金属含有ナノ粒子および/または金属含有マイクロ粒子を含む。
【0093】
上で述べられたように、理論によって限定されるわけではないが、反射性インクおよび反射性層内に存在する粒子は、望ましくないことに、光を拡散させ得る。故に、いくつかの実施形態では、反射性インクは、無粒子または実質的に無粒子である。したがって、いくつかの実施形態では、反射性層は、本明細書に説明されるような粒子を含まない(例えば、反射性層は、金属含有マイクロ粒子または金属含有ナノ粒子のいずれも含まない)。いくつかの実施形態では、反射性インクは、無粒子または実質的に無粒子であり、非金属を含み、したがって、反射性インクで形成される反射性層は、無粒子または実質的に無粒子であり、非金属を含む。いくつかの実施形態では、無粒子インクは、固化すると、反射性層を形成するように金属に結合されるように構成される金属およびリガンド、例えば、カルバメートリガンドをさらに含む、銀含有インクを含む。いくつかの実施形態では、無粒子インクは、式|Ag(NH3)2|+|C2H3O2|-のインクである。いくつかの実施形態では、反射性層は、粒子がないまたは実質的になく、本明細書に説明されるような表面蓄積をさらに含む。
【0094】
いくつかの実施形態では、所望の厚さの反射性層が、形成される。したがって、いくつかの実施形態では、反射性層は、少なくとも約10nm、例えば、少なくとも約10nm、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、または1,000nm(列挙された値のうちの2つの間の厚さ範囲、例えば、約10nm~900nm、10nm~500nm、10nm~410nm、10nm~400nm、10nm~350nm、10nm~300nm、10nm~250nm、10nm~200nm、10nm~150、10nm~100nm、10nm~50nm、30nm~900nm、30nm~500nm、30nm~450nm、30nm~400nm、30nm~350nm、30nm~300nm、30nm~250nm、30nm~200nm、30nm~150、30nm~100nm、30nm~50nm、50nm~900nm、50nm~500nm、50nm~450nm、50nm~400nm、50nm~350nm、50nm~300nm、50nm~250nm、50nm~200nm、50nm~150、50nm~100nm、80nm~900nm、80nm~500nm、80nm~450nm、80nm~400nm、80nm~350nm、80nm~300nm、80nm~250nm、80nm~200nm、80nm~150、80nm~100nm、100nm~900nm、100nm~500nm、100nm~450nm、100nm~400nm、100nm~350nm、100nm~300nm、100nm~250nm、100nm~200nm、または100nm~150nmの厚さを含む)の厚さを有する。いくつかの実施形態では、流動可能材料の単一層が、固化すると、所望の厚さの反射性層を形成するように、好適な厚さおよび粘度を伴って堆積させられる。いくつかの実施形態では、流動可能材料の層が、適用され、少なくとも部分的に、固化され、流動可能材料の少なくとも1つの後続層が、固化または部分的に固化された層の上部に適用される。流動可能材料を適用するサイクルは、所望の厚さの反射性層が達成されるまで、繰り返され得る。例えば、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20サイクルの流動可能材料適用が、所望の厚さの反射性層を形成するために、実施され得る(2つの列挙された値のいずれかの間の範囲を含む)。
【0095】
いくつかの実施形態では、反射性インクの代替として、またはそれに加え、液体金属が、反射性層を形成するために利用され得る。いくつかの実施形態では、液体金属は、ガリウム;インジウム;水銀;ガリウム-インジウム共晶;ガリウム-インジウム合金;ガリウムインジウムスズ合金;Ga、In、Sn、およびZn合金;Ga、In、およびSn合金;Geratherm Medical AG(Geschwenda,Germany)から利用可能なGALINSTAN(登録商標);ナトリウム-カリウム合金(NaK);ガリウム、インジウム、およびスズ;ガリウム-インジウム-亜鉛-銅金属;ならびに銀インジウムガリウムを含み得る。好ましくは、十分な量の液体金属が、堆積させられ、下層突出部の露出される表面をコーティングする。例えば、液体金属は、突出部上に分注され、突出部間の空間の中に流動し、それを充填し得る。いくつかの実施形態では、液体金属は、突出部を上回る高さまで堆積させられ得る。
【0096】
下層突出部は、回折光学要素(例えば、回折格子)を形成し得、それは、内部結合光学要素として利用され得ることを理解されたい。本明細書に議論されるように、これらの突出部は、PVDによって金属化され、反射性回折光学要素を形成し得る。いくつかの実施形態では、液体金属が、PVD金属化の代わりに、突出部上に堆積させられ得る。例えば、液体金属は、堆積させられ、突出部の表面に直接接触し、それをコーティングし、それによって、反射性層を形成し得る。有利には、PVD金属化を液体金属反射性層と置換することは、類似レベルの光学性能を提供することが見出されている。例えば、液体金属反射性層を使用して形成される反射性回折光学要素は、PVD金属化を使用して形成される別様の類似する回折光学要素と類似回折効率を提供することが見出されている。いくつかの実施形態では、液体金属ベースの回折光学要素は、それらの回折光学要素に対して垂直(直角)の角度で回折光学要素上に入射する光に対して、2~4%または2~3%の回折効率を有する。いくつかの環境では、液体金属ベースの回折光学要素は、全内部反射によって、基板(例えば、導波管)を通して伝搬するように、入射光を向け直すように構成される。
【0097】
いくつかの実施形態では、光学導波管スタックが、提供される。光学導波管スタックは、本明細書に説明されるように、第1の表面を備えている第1の導波管と、第1の表面の突出部上に形状適応的に配置され、第1の表面に接着された反射性層とを備え得る。反射性層は、本明細書に説明されるように、界面において、入射電磁放射(例えば、可視スペクトルの光)を第1の導波管の中に反射するように構成される第1の表面との界面を備え得る。光学導波管スタックは、本明細書に説明されるように、少なくとも1つの他の光学導波管を備え得る。いくつかの実施形態では、その上に反射性層が配置される第1の導波管の表面の突出部は、本明細書に説明されるように、光学格子、例えば、バイナリ格子、ブレーズド格子、マルチレベル格子、アンダーカット格子、またはメタ材料もしくはメタ表面格子を形成する。いくつかの実施形態では、光学格子は、パターン化されたフォトレジストを備えている。
【0098】
いくつかの実施形態では、反射性層は、1つ以上の壁を使用して、導波管の表面のある領域内に位置し得る。1つ以上の壁は、基板上の表面突出部を上回る高さまで垂直に延び得る。換言すると、1つ以上の壁は、陥凹の底部から表面までまたはそれを上回って垂直に延び得る。いくつかの実施形態では、反射性層は、壁によって包囲される容積を部分的または完全に充填し得る。有利には、これらの壁および反射性層は、スペーサとして機能し、間隙を導波管のスタックの導波管間に提供する。いくつかの実施形態では、間隙は、空気間隙であり、それは、導波管との低屈折率界面を提供することによって、導波管内の全内部反射を促進する。
【0099】
いくつかの実施形態では、第1の光学導波管上に配置される突出部および反射性層は、それぞれ、本明細書に説明されるように、電磁放射(例えば、可視スペクトルの光)を第1の導波管の中に反射するか、または導波管内を伝搬する光を向け直すように構成される内部結合光学要素または光分配要素の一部である。内部結合光学要素は、全内部反射のために好適な角度で導波管を通って伝搬するように、入射周囲光を向け直すことによって、全内部反射によって、導波管内の電磁放射(例えば、可視スペクトルの光)の伝搬を促進し得る。いくつかの実施形態では、反射性層は、内部結合光学要素を第1の光学導波管上に備えている。第1の光学導波管は、第2の光学導波管をさらに備えている光学導波管スタックの一部であり得る。第2の光学導波管は、電磁放射(例えば、可視スペクトルの光)がそれを通して第1の光学導波管の内部結合光学要素まで通過することを可能にするように構成され得る。第1の光学導波管の内部結合光学要素は、次いで、電磁放射を第1の光学導波管の中に向け直す。
【0100】
いくつかの実施形態では、光学導波管スタックは、少なくとも1つの追加の導波管、例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10の追加の導波管(列挙された値のうちの任意の2つの間の範囲を含む)を備えている。いくつかの実施形態では、光学導波管スタックは、第3の導波管をさらに備えている。第3の導波管は、第1および/または第2の光学導波管と異なる波長の範囲を出力するように構成される外部結合光学要素を備え得る。いくつかの実施形態では、第1の導波管は、第2および第3の光学導波管のうちの少なくとも1つと光学連通する。
【0101】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるようなディスプレイデバイスは、光学導波管スタックを備えている。いくつかの実施形態では、空間光変調器は、導波管スタックに光学的に結合され、光を導波管スタックの中に投入するように構成され得る。光は、本明細書に説明されるように、画像情報でエンコードされ得、ユーザの眼に出力されるように、導波管スタックを通して導かれ得る。
【0102】
流動可能材料から形成される反射性層は、光を導波管から外に非意図的に反射させ得ることを理解されたい。本明細書に議論されるように、突出部のパターンの表面上に堆積させられる反射性層は、反射性回折格子を導波管上に形成し得る。回折格子は、全内部反射によって導波管を通って伝搬するような角度で入射光を向け直し得る。一例では、回折格子上に入射する光は、導波管内のTIRのために好適な角度で回折格子から離れるように伝搬するように、導波管に内部結合されるであろう。内部結合される光は、TIRによって導波管を通して伝搬し、内部結合時の角度に類似する角度で導波管の表面から反射し得ることを理解されたい。回折格子の幾何学形状または光のビーム径に応じて、この光の一部は、TIR経路の早期反射中、回折格子上に入射し得、望ましくないことに、導波管から外に向け直されるであろう。例えば、回折格子は、導波管の一方の表面上にあり得、入射光は、それが内部結合され、導波管の反対表面から反射するように、向け直され得る。反射された光は、次いで、回折格子上に入射し得、それは、光が導波管から外に向け直されるようにする。いくつかの実施形態では、導波管から外への光の望ましくない向け直しを防止するために、その上に反射性層が堆積させられる回折格子は、導波管の反対表面から反射された内部結合される光が回折格子に衝打しないように、サイズおよび形を決定され得るか、またはビーム径が、調節され得る。
【0103】
(反射性層を備えているデバイス)
いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような反射性層は、ディスプレイデバイス内に配置される。いくつかの実施形態では、反射性層は、導波管上に配置される。反射性層は、例えば、本明細書に説明されるような「内部結合光学要素」および/または本明細書に説明されるような「光分配要素」の一部であり得、それらの各々は、「反射性光学要素」(例えば、
図9Aの光分配要素1214、1224、1234)の一種であり、導波管上に配置され得る。いくつかの実施形態では、第1の反射性層は、「内部結合光学要素」の一部であり、第2の反射性層は、「光分配要素」を備え、第1および第2の反射性層は、例えば、類似垂直レベルにおいて、同一導波管上に配置される。いくつかの実施形態では、反射性層の第1の部分は、「内部結合光学要素」の一部であり、同じ反射性層の第2の部分は、「光分配要素」の一部であり、反射性層の第1および第2の部分は、同じ導波管上に配置される。導波管は、本明細書に説明されるようなウェアラブルディスプレイシステム等のディスプレイデバイスの一部であり得る。いくつかの実施形態では、反射性層は、例えば、光分配要素として、導波管内の光の内部伝搬を向け直すように、導波管上に配置され得る。いくつかの実施形態では、反射性層は、光をウェアラブルディスプレイシステムの装着者の網膜に導く前に光の比較的に集束される点のサイズを増加させ得る「瞳エクスパンダ」である光分配要素の一部である。
【0104】
いくつかの実施形態では、反射性層は、下層表面、例えば、導波管上に形状適応的に配置される。本明細書に議論されるように、表面は、突出部、例えば、パターン化されたレジスト等のパターン化された材料から形成され得る格子(例えば、バイナリ、ブレーズド、メタ材料もしくはメタ表面、アンダーカット、および/またはマルチレベル格子)等の特徴を備え得る。したがって、いくつかの実施形態では、反射性層1010は、例えば、バイナリ(
図10A参照)、ブレーズド(
図10B参照)、またはマルチレベル(
図10C参照)構成を備え得る格子1020等の非平面特徴上に形状適応的に堆積させられる。特徴1020は、基板1030上に配置されることができる。表面上のそのような特徴は、ナノメートルまたはマイクロメートルスケールであり得る。例えば、ナノメートルスケール特徴は、ナノメートル-スケール範囲内の高さ、深度、および/または直径、例えば、数十または数百のナノメートル、例えば、約20nm~約500nmの範囲内の高さ、深度、および/または直径を有し得る。いくつかの実施形態では、反射性層1005は、表面蓄積1015を備えている。
【0105】
いくつかの実施形態では、反射性層は、下層基板表面、例えば、導波管に接着される。いくつかの実施形態では、反射性層は、結合剤を含み、結合剤は、反射性層の下層表面への接着に寄与するように、下層表面と相互作用する。
【0106】
ここで、図面を参照するが、同様の参照番号は、全体を通して同様の特徴を指す。
【0107】
図2は、ウェアラブルディスプレイシステム80の例を図示する。ディスプレイシステム80は、ディスプレイ62と、ディスプレイ62の機能をサポートするための種々の機械的および電子的モジュールならびにシステムとを含む。ディスプレイ62は、フレーム64に結合され得、それは、ディスプレイシステムユーザまたは視認者60によって装着可能であり、ディスプレイ62をユーザ60の眼の正面に位置付けるように構成される。ディスプレイ62は、いくつかの実施形態では、アイウェアと考えられ得る。いくつかの実施形態では、スピーカ66が、フレーム64に結合され、ユーザ60の外耳道に隣接して位置付けられる(示されない別のスピーカが、随意にユーザの他方の外耳道に隣接して位置付けられ、ステレオ/成形可能音制御を提供し得る)。ディスプレイシステムは、1つ以上のマイクロホン67または他のデバイスも含み、音を検出し得る。いくつかの実施形態では、マイクロホンは、ユーザが、入力またはコマンド(例えば、音声メニューコマンドの選択、自然言語質問等)をシステム80に提供することを可能にするように構成され、および/または、他の人物(例えば、類似ディスプレイシステムの他のユーザ)とのオーディオ通信を可能にし得る。
【0108】
図2を継続して参照すると、ディスプレイ62は、有線導線または無線接続性等の通信リンク68によって、ローカルデータ処理モジュール70に動作可能に結合され、それは、フレーム64に固定して取り付けられる構成、ユーザによって装着されるヘルメットまたは帽子に固定して取り付けられる構成、ヘッドホンに内蔵される構成、または、別様にユーザ60に除去可能に取り付けられる構成(例えば、リュック式構成において、ベルト結合式構成において)等、種々の構成において搭載され得る。ローカル処理およびデータモジュール70は、ハードウェアプロセッサならびに不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリまたはハードディスクドライブ)等のデジタルメモリを備え得、それらの両方は、データの処理、キャッシュ、および記憶を補助するために利用され得る。データは、a)センサ(画像捕捉デバイス(カメラ等)、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、ジャイロスコープ、および/または本明細書に開示される他のセンサ(例えば、フレーム64に動作可能に結合される、または別様にユーザ60に取り付けられ得る))から捕捉されたデータ、および/または、b)場合によっては処理もしくは読み出し後にディスプレイ62への通過のために、遠隔処理モジュール72および/または遠隔データリポジトリ74(仮想コンテンツに関連するデータを含む)を使用して入手および/または処理されるデータを含む。ローカル処理およびデータモジュール70は、これらの遠隔モジュール72、74が互いに動作可能に結合され、ローカル処理およびデータモジュール70に対するリソースとして利用可能であるように、有線または無線通信リンク等を介して、通信リンク76、78によって、遠隔処理モジュール72および遠隔データリポジトリ74に動作可能に結合され得る。いくつかの実施形態では、ローカル処理およびデータモジュール70は、画像捕捉デバイス、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、および/またはジャイロスコープのうちの1つ以上のものを含み得る。いくつかの他の実施形態では、これらのセンサのうちの1つ以上のものは、フレーム64に取り付けられ得るか、または、有線もしくは無線通信経路によってローカル処理およびデータモジュール70と通信する独立構造であり得る。
【0109】
図2を継続して参照すると、いくつかの実施形態では、遠隔処理モジュール72は、データおよび/または画像情報を分析ならびに処理するように構成される1つ以上のプロセッサを備え得る。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ74は、デジタルデータ記憶設備を備え得、インターネットまたは「クラウド」リソース構成における他のネットワーキング構成を通して利用可能であり得る。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ74は、1つ以上の遠隔サーバを含み得、それは、情報、例えば、拡張現実コンテンツをローカル処理およびデータモジュール70および/または遠隔処理モジュール72に生成するための情報を提供する。いくつかの実施形態では、全てのデータが、記憶され、全ての算出が、ローカル処理およびデータモジュールにおいて実施され、遠隔モジュールからの完全に自律的な使用を可能にする。
【0110】
ここで
図3を参照すると、「3次元」または「3-D」としての画像の知覚は、視認者の各眼への画像の若干異なる提示を提供することによって達成され得る。
図3は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。各眼4、6のために1つの2つの異なる画像5、7が、ユーザに出力される。画像5、7は、視認者の視線と平行な光学またはz-軸に沿って距離10だけ眼4、6から間隔を置かれる。画像5、7は、平坦であり、眼4、6は、単一の遠近調節された状態をとることによって、画像上に焦点を合わせ得る。そのようなシステムは、ヒト視覚系に依拠し、画像5、7を組み合わせ、組み合わせられた画像の深度および/または尺度の知覚を提供する。
【0111】
しかしながら、ヒト視覚系は、複雑であり、深度の現実的知覚を提供することは、より困難であることを理解されたい。例えば、従来の「3-D」ディスプレイシステムの多くの視認者は、そのようなシステムが不快であることを見出すか、または、深度の感覚を全く知覚しないこともある。理論によって限定されるわけではないが、オブジェクトの視認者は、両眼離反運動移動と遠近調節の組み合わせに起因して、オブジェクトを「3次元」として知覚し得ると考えられる。互いに対する2つの眼の両眼離反運動(すなわち、瞳孔が、互いに向かって、または互いから離れるように移動し、眼の視線を収束させ、オブジェクトを固視するような瞳孔の回転)は、眼の水晶体の焦点合わせ(または「遠近調節」)と緊密に関連付けられる。通常条件のもと、焦点を1つのオブジェクトから異なる距離における別のオブジェクトに変化させるための眼のレンズの焦点の変化または眼の遠近調節は、「遠近調節-両眼離反運動反射」として知られる関係のもと、両眼離反運動の整合変化を自動的に同一距離に生じさせるであろう。同様に、両眼離反運動の変化は、通常条件のもと、水晶体形状および瞳孔サイズの遠近調節における整合変化を誘起するであろう。本明細書に記載されるように、多くの立体視または「3-D」ディスプレイシステムは、3次元視点がヒト視覚系によって知覚されるように、各眼への若干異なる提示(したがって、若干異なる画像)を使用して、場面を表示する。しかしながら、そのようなシステムは、とりわけ、単に、場面の異なる提示を提供するが、眼が全画像情報を単一の遠近調節された状態において視認すると、「遠近調節-両眼離反運動反射」に対抗して機能するので、多くの視認者に不快である。遠近調節と両眼離反運動との間のより良好な整合を提供するディスプレイシステムは、3次元画像のより現実的かつ快適なシミュレーションを形成し得る。
【0112】
図4は、複数の深度平面を使用して3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。
図4を参照すると、z-軸上の眼4、6からの種々の距離におけるオブジェクトは、それらのオブジェクトが焦点が合うように、眼4、6によって遠近調節される。眼(4および6)は、z-軸に沿った異なる距離におけるオブジェクトに焦点を合わせるために。特定の遠近調節された状態をとる。その結果、特定の遠近調節された状態は、特定の深度平面におけるオブジェクトまたはオブジェクトの一部が、眼がその深度平面に対して遠近調節された状態にあるとき、焦点が合うように、関連付けられた焦点距離を有する深度平面14のうちの特定の1つに関連付けられていると言え得る。いくつかの実施形態では、3次元画像は、眼4、6の各々のために画像の異なる提示を提供することによって、深度平面の各々に対応する画像の異なる提示を提供することによってもシミュレートされ得る。例証を明確にするために、別個であるように示されるが、眼4、6の視野は、例えば、z-軸に沿った距離が増加するにつれて重複し得ることを理解されたい。加えて、例証を容易にするために、平坦であるように示されるが、深度平面の輪郭は、深度平面内の全ての特徴が特定の遠近調節された状態における眼で焦点が合うように、物理的空間内で湾曲され得ることを理解されたい。
【0113】
オブジェクトと眼4または6との間の距離は、その眼によって視認されるようなそのオブジェクトからの光の発散の量も変化させ得る。
図5A-5Cは、距離と光線の発散との間の関係を図示する。オブジェクトと眼210との間の距離は、減少する距離R1、R2、およびR3の順序で表される。
図5A-5Cに示されるように、光線は、オブジェクトまでの距離が減少するにつれてより発散する。距離が増加するにつれて、光線は、よりコリメートされる。換言すると、点(オブジェクトまたはオブジェクトの一部)によって生成される光場は、点がユーザの眼から離れている距離の関数である球状波面曲率を有すると言え得る。曲率は、オブジェクトと眼4との間の距離の減少に伴って増加する。その結果、異なる深度平面では、光線の発散度も、異なり、発散度は、深度平面と視認者の眼4との間の距離の減少に伴って増加する。単眼4のみが、例証を明確にするために、
図5A-5Cおよび本明細書の種々の他の図に図示されるが、眼4に関する議論は、視認者の両眼4および6に適用され得ることを理解されたい。
【0114】
理論によって限定されるわけではないが、ヒトの眼は、典型的には、有限数の深度平面を解釈し、深度知覚を提供することができると考えられる。その結果、知覚された深度の高度に真実味のあるシミュレーションが、眼にこれらの限定数の深度平面の各々に対応する画像の異なる提示を提供することによって達成され得る。異なる提示は、視認者の眼によって別個に集束され、それによって、異なる深度平面上に位置する場面のための異なる画像特徴に焦点を合わせるために要求される眼の遠近調節に基づいて、および/または焦点がずれている異なる深度平面上の異なる画像特徴の観察に基づいて、ユーザに深度合図を提供することに役立ち得る。
【0115】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの例を図示する。ディスプレイシステム1000は、複数の導波管182、184、186、188、190を使用して3次元知覚を眼/脳に提供するために利用され得る、導波管のスタックまたはスタックされた導波管アセンブリ178を含む。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム1000は、
図2のシステム80であり、
図6は、そのシステム80のいくつかの部分をより詳細に図式的に示す。例えば、導波管アセンブリ178は、
図2のディスプレイ62の一部であり得る。ディスプレイシステム1000は、いくつかの実施形態では、明視野ディスプレイと考えられ得ることを理解されたい。
【0116】
図6を継続して参照すると、導波管アセンブリ178は、複数の特徴198、196、194、192も導波管の間に含み得る。いくつかの実施形態では、特徴198、196、194、192は、1つ以上のレンズであり得る。導波管182、184、186、188、190および/または複数のレンズ198、196、194、192は、種々のレベルの波面曲率または光線発散を用いて画像情報を眼に送信するように構成され得る。各導波管レベルは、特定の深度平面に関連付けられ得、その深度平面に対応する画像情報を出力するように構成され得る。画像投入デバイス200、202、204、206、208は、導波管のための光源として機能し得、画像情報を導波管182、184、186、188、190の中に投入するために利用され得、それらの各々は、本明細書に説明されるように、眼4に向かう出力のために各それぞれの導波管にわたって入射光を分配するように構成され得る。光は、画像投入デバイス200、202、204、206、208の出力表面300、302、304、306、308から出射し、導波管182、184、186、188、190の対応する入力表面382、384、386、388、390の中に投入される。いくつかの実施形態では、入力表面382、384、386、388、390の各々は、対応する導波管の縁であり得るか、または、対応する導波管の主要表面の一部(すなわち、世界144または視認者の眼4に直接面する導波管表面のうちの一方または両方)であり得る。いくつかの実施形態では、光の単一ビーム(例えば、コリメートされたビーム)が、各導波管の中に投入され、特定の導波管に関連付けられた深度平面に対応する特定の角度(および発散量)において眼4に向かって導かれる、クローン化されたコリメートビームの全体場を出力し得る。いくつかの実施形態では、画像投入デバイス200、202、204、206、208のうちの単一のものが、複数(例えば、3つ)の導波管182、184、186、188、190に関連付けられ、その中に光を投入し得る。
【0117】
いくつかの実施形態では、画像投入デバイス200、202、204、206、208は、各々がそれぞれの対応する導波管182、184、186、188、190の中への投入のための画像情報を生成する別々のディスプレイである。いくつかの他の実施形態では、画像投入デバイス200、202、204、206、208は、例えば、画像情報を1つ以上の光学導管(光ファイバケーブル等)を介して、画像投入デバイス200、202、204、206、208の各々に送り得る単一の多重化されたディスプレイの出力端である。画像投入デバイス200、202、204、206、208によって提供される画像情報は、異なる波長または色(例えば、本明細書に議論されるように、異なる原色)の光を含み得ることを理解されたい。
【0118】
いくつかの実施形態では、導波管182、184、186、188、190の中に投入される光は、光プロジェクタシステム2000によって提供され、それは、光モジュール2040を備え、それは、発光ダイオード(LED)等の光エミッタを含み得る。光モジュール2040からの光は、ビームスプリッタ2050を介して、光変調器2030、例えば、空間光変調器に導かれ、それによって修正され得る。光変調器2030は、導波管182、184、186、188、190の中に投入される光の知覚される強度を変化させるように構成され得る。空間光変調器の例は、シリコン上液晶(LCOS)ディスプレイを含む液晶ディスプレイ(LCD)を含む。
【0119】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム1000は、光を種々のパターン(例えば、ラスタ走査、螺旋走査、リサジューパターン等)で1つ以上の導波管182、184、186、188、190の中に、最終的に、視認者の眼4に投影するように構成される1つ以上の走査ファイバを備えている走査ファイバディスプレイであり得る。いくつかの実施形態では、図示される画像投入デバイス200、202、204、206、208は、光を1つまたは複数の導波管182、184、186、188、190の中に投入するように構成される単一走査ファイバまたは走査ファイバの束を図式的に表し得る。いくつかの他の実施形態では、図示される画像投入デバイス200、202、204、206、208は、複数の走査ファイバまたは走査ファイバの複数の束を図式的に表し得、それらの各々は、光を導波管182、184、186、188、190のうちの関連付けられた1つの中に投入するように構成される。1つ以上の光ファイバは、光モジュール2040から1つ以上の導波管182、184、186、188、190に光を伝送するように構成され得ることを理解されたい。1つ以上の介在する光学構造が、走査ファイバまたは複数のファイバと、1つ以上の導波182、184、186、188、190との間に提供され、例えば、走査ファイバから出射する光を1つ以上の導波管182、184、186、188、190の中に向け直し得ることを理解されたい。
【0120】
コントローラ210は、画像投入デバイス200、202、204、206、208、光源2040、および光モジュール2030の動作を含むスタックされた導波管アセンブリ178のうちの1つ以上のものの動作を制御する。いくつかの実施形態では、コントローラ210は、ローカルデータ処理モジュール70の一部である。コントローラ210は、例えば、本明細書に開示される種々のスキームのいずれかに従って、導波管182、184、186、188、190への画像情報のタイミングおよび提供を調整するプログラミング(例えば、非一過性媒体内の命令)を含む。いくつかの実施形態では、コントローラは、単一一体型デバイスまたは有線もしくは無線通信チャネルによって接続される分散型システムであり得る。コントローラ210は、いくつかの実施形態では、処理モジュール70または72(
図1)の一部であり得る。
【0121】
図6を継続して参照すると、導波管182、184、186、188、190は、全内部反射(TIR)によって各それぞれの導波管内で光を伝搬するように構成され得る。導波管182、184、186、188、190の各々は、主要な上部および底部表面ならびにそれらの主要上部表面と底部表面との間に延びている縁を伴う平面であるか、または別の形状(例えば、湾曲)を有し得る。図示される構成では、導波管182、184、186、188、190の各々は、光を向け直し、各それぞれの導波管内で伝搬し、導波管から画像情報を眼4に出力することによって、光を導波管から抽出するように構成される外部結合光学要素282、284、286、288、290を含み得る。抽出された光は、外部結合光とも称され得、外部結合光学要素光は、光抽出光学要素とも称され得る。抽出された光のビームは、導波管によって、導波管内で伝搬する光が光抽出光学要素に衝打する場所において出力される。外部結合光学要素282、284、286、288、290は、例えば、本明細書にさらに議論されるような回折光学特徴を含む格子であり得る。説明を容易にし、図面を明確にするために、導波管182、184、186、188、190の底部主要表面に配置されて図示されるが、いくつかの実施形態では、外部結合光学要素282、284、286、288、290は、本明細書にさらに議論されるように、上部および/または底部主要表面に配置され得、および/または、導波管182、184、186、188、190の容積内に直接配置され得る。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素282、284、286、288、290は、透明基板に取り付けられ、導波管182、184、186、188、190を形成する材料の層内に形成され得る。いくつかの他の実施形態では、導波管182、184、186、188、190は、モノリシック材料部品であり得、外部結合光学要素282、284、286、288、290は、その材料部品の表面上および/または内部に形成され得る。
【0122】
図6を継続して参照すると、本明細書に議論されるように、各導波管182、184、186、188、190は、光を出力し、特定の深度平面に対応する画像を形成するように構成される。例えば、眼の最近傍の導波管182は、そのような導波管182の中に投入されると、眼4にコリメートされた光を送達するように構成され得る。コリメートされた光は、光学無限遠焦点面を表し得る。次の上方の導波管184は、眼4に到達し得る前、第1のレンズ192(例えば、負のレンズ)を通過するコリメートされた光を送出するように構成され得る。そのような第1のレンズ192は、眼/脳が、その次の上方の導波管184から生じる光を光学無限遠から眼4に向かって内向きにより近い第1の焦点面から生じるように解釈するように、若干の凸面波面曲率を生成するように構成され得る。同様に、第3の上方の導波管186は、眼4に到達する前、その出力光を第1のレンズ192および第2のレンズ194の両方を通過させる。第1のレンズ192と第2のレンズ194との組み合わせられた屈折力は、眼/脳が、第3の導波管186から生じる光が次の上方の導波管184からの光であった光学無限遠から人物に向かって内向きにさらに近い第2の焦点面から生じるように解釈するように、別の漸増量の波面曲率を生成するように構成され得る。
【0123】
他の導波管層188、190およびレンズ196、198も同様に構成され、スタック内の最も高い導波管190は、人物に最も近い焦点面を表す集約焦点力のために、その出力をそれと眼との間のレンズの全てを通して送出する。スタックされた導波管アセンブリ178の他の側の世界144から生じる光を視認/解釈するときのレンズ198、196、194、192のスタックを補償するために、補償レンズ層180が、スタックの上部に配置され、下方のレンズスタック198、196、194、192の集約力を補償し得る。そのような構成は、利用可能な導波管/レンズ対と同じ数の知覚される焦点面を提供する。導波管の外部結合光学要素およびレンズの集束側面の両方は、静的であり得る(すなわち、動的または電気活性ではない)。いくつかの代替実施形態では、一方また両方は、電気活性特徴を使用して動的であり得る。
【0124】
いくつかの実施形態では、導波管182、184、186、188、190のうちの2つ以上のものは、同一の関連付けられた深度平面を有し得る。例えば、複数の導波管182、184、186、188、190が、同一深度平面に設定される画像を出力するように構成され得るか、または導波管182、184、186、188、190の複数の部分組が、深度平面の各々のための1つの組で、同一の複数の深度平面に設定される画像を出力するように構成され得る。これは、それらの深度平面において拡張された視野を提供するためにタイル化された画像を形成する利点を提供し得る。
【0125】
図6を継続して参照すると、外部結合光学要素282、284、286、288、290は、導波管に関連付けられた特定の深度平面のために、光をそれらのそれぞれの導波管から外へ向け直すことと、この光を適切な量の発散またはコリメーションを伴って出力することの両方を行うように構成され得る。その結果、異なる関連付けられた深度平面を有する導波管は、外部結合光学要素282、284、286、288、290の異なる構成を有し得、それらは、関連付けられた深度平面に応じて、異なる量の発散を伴う光を出力する。いくつかの実施形態では、光抽出光学要素282、284、286、288、290は、体積または表面特徴であり得、それらは、具体的角度で光を出力するように構成され得る。例えば、光抽出光学要素282、284、286、288、290は、立体ホログラム、表面ホログラム、および/または回折格子であり得る。いくつかの実施形態では、特徴198、196、194、192は、レンズではないこともある。むしろ、それらは、単に、スペーサであり得る(例えば、クラッディング層および/または空隙を形成するための構造)。
【0126】
いくつかの実施形態では、外部結合光学要素282、284、286、288、290は、回折パターンを形成する回折特徴または「回折光学要素」(また、本明細書では、「DOE」とも称される)である。好ましくは、DOEは、ビームの光の一部のみがDOEの各交差点を用いて眼4に向かって偏向させられる一方、残りが、全内部反射を介して、導波管を通して移動し続けるように、十分に低回折効率を有する。画像情報を搬送する光は、したがって、様々な場所において導波管から出射する、いくつかの関連出射ビームに分割され、その結果、導波管内で跳ね返るこの特定のコリメートされたビームに対して、眼4に向かって非常に均一なパターンの出射放出となる。
【0127】
いくつかの実施形態では、1つ以上のDOEは、能動的に回折する「オン」状態と有意に回折しない「オフ」状態との間で切り替え可能であり得る。例えば、切り替え可能なDOEは、ポリマー分散液晶の層を備え得、その中で微小液滴は、ホスト媒体中に回折パターンを備え、微小液滴の屈折率は、ホスト材料の屈折率に実質的に整合するように切り替えられ得る(その場合、パターンは、入射光を著しく回折しない)、または微小液滴は、ホスト媒体のそれに整合しない屈折率に切り替えられ得る(その場合、パターンは、入射光を能動的に回折する)。
【0128】
いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ500(例えば、可視光および赤外線光カメラを含むデジタルカメラ)が、眼4および/または眼4の周囲の組織の画像を捕捉し、例えば、ユーザ入力を検出するために提供され得る。本明細書で使用されるように、カメラは、任意の画像捕捉デバイスであり得る。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ500は、画像捕捉デバイスと、光(例えば、赤外線光)を眼に投影し、次いで、眼によって反射され、画像捕捉デバイスによって検出され得る光源とを含み得る。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ500は、フレーム64(
図2)に取り付けられ得、カメラアセンブリ500からの画像情報を処理し得る処理モジュール70および/または72と電気通信し得る。いくつかの実施形態では、1つのカメラアセンブリ500が、各眼のために利用され、各眼を別個に監視し得る。
【0129】
ここで
図7を参照すると、導波管によって出力された出射ビームの例が、示される。1つの導波管が図示されるが、導波管アセンブリ178(
図6)内の他の導波管も同様に機能し得、導波管アセンブリ178は、複数の導波管を含むことを理解されたい。光400が、導波管182の入力表面382において導波管182の中に投入され、TIRによって導波管182内を伝搬する。光400がDOE282上に衝突する点では、光の一部は、導波管から出射ビーム402として出射する。出射ビーム402は、実質的に平行として図示されるが、本明細書に議論されるように、それは、導波管182に関連付けられた深度平面に応じて、ある角度(例えば、発散出射ビーム形成)において眼4に伝搬するようにも向け直され得る。実質的に平行出射ビームは、眼4からの遠距離(例えば、光学無限遠)における深度平面に設定されるように現れる画像を形成するように光を外部結合する外部結合光学要素を伴う導波管を示し得ることを理解されたい。他の導波管または他の外部結合光学要素の組は、より発散する出射ビームパターンを出力し得、それは、眼4がより近い距離に遠近調節し、網膜上に集束させることを要求し、光学無限遠より眼4に近い距離からの光として脳によって解釈されるであろう。
【0130】
いくつかの実施形態では、フルカラー画像が、原色、例えば、3つ以上の原色の各々に画像をオーバーレイすることによって、各深度平面において形成され得る。
図8は、スタックされた導波管アセンブリの例を図示し、各深度平面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む。図示される実施形態は、深度平面14a-14fを示すが、より多いまたはより少ない深度も、想定される。各深度平面は、第1の色Gの第1の画像、第2の色Rの第2の画像、および第3の色Bの第3の画像を含むそれに関連付けられた3つの原色画像を有し得る。異なる深度平面は、文字G、R、およびBに続くジオプタ(dpt)に関する異なる数字によって図に示される。単なる例として、これらの文字の各々に続く数字は、ジオプタ(1/m)、すなわち、視認者からの深度平面の距離の逆数を示し、図中の各ボックスは、個々の原色画像を表す。いくつかの実施形態では、異なる波長の光の眼の集束における差異を考慮するために、異なる原色のための深度平面の正確な場所は、変動し得る。例えば、所与の深度平面のための異なる原色画像は、ユーザからの異なる距離に対応する深度平面上に設置され得る。そのような配列は、視力およびユーザ快適性を増加させ得る。
【0131】
いくつかの実施形態では、各原色の光は、単一専用導波管によって出力され得、その結果、各深度平面は、それに関連付けられた複数の導波管を有し得る。そのような実施形態では、文字G、R、またはBを含む図中の各ボックスは、個々の導波管を表すものと理解され得、3つの導波管は、深度平面の各々のために提供され得、3つの原色画像が、深度平面の各々のために提供される。各深度平面に関連付けられた導波管は、この図面では、説明を容易にするために互いに隣接して示されるが、物理的デバイスでは、導波管は全て、レベル毎に1つの導波管を伴うスタックで配列され得ることを理解されたい。いくつかの他の実施形態では、複数の原色が、例えば、単一導波管のみが深度平面毎に提供され得るように、同一導波管によって出力され得る。
【0132】
図8を継続して参照すると、いくつかの実施形態では、Gは、緑色であり、Rは、赤色であり、Bは、青色である。いくつかの他の実施形態では、マゼンタ色およびシアン色を含む光の他の波長に関連付けられた他の色も、赤色、緑色、もしくは青色のうちの1つ以上のものに加えて使用され得る、またはそれらに取って代わり得る。
【0133】
本開示全体を通した所与の光の色の言及は、その所与の色として視認者によって知覚される光の波長の範囲内の1つ以上の波長の光を包含するものと理解されると理解されたい。例えば、赤色光は、約620~780nmの範囲内である1つ以上の波長の光を含み得、緑色光は、約492~577nmの範囲内である1つ以上の波長の光を含み得、青色光は、約435~493nmの範囲内である1つ以上の波長の光を含み得る。
【0134】
ここで
図9Aを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管に衝突する光は、その光を導波管の中に内部結合するために向け直される必要があり得る。内部結合光学要素が、光をその対応する導波管の中に向け直すために、および内部結合するために使用され得る。いくつかの実施形態では、内部結合要素は、本明細書に説明されるように、反射性層を備えている。
図9Aは、各々が内部結合光学要素を含む複数または組のスタックされた導波管1200の例の断面側面図を図示する。導波管の各々は、1つ以上の異なる波長もしくは1つ以上の異なる波長範囲の光を出力するように構成され得る。スタック1200は、スタック178(
図6)に対応し得、スタック1200の図示される導波管は、複数の導波管182、184、186、188、190の一部に対応し得るが、画像投入デバイス200、202、204、206、208のうちの1つ以上のものからの光が、光が内部結合のために向け直されることを要求する位置から導波管の中に投入されることを理解されたい。
【0135】
スタックされた導波管の図示される組1200は、導波管1210、1220、および1230を含む。各導波管は、関連付けられた内部結合光学要素(導波管上の光入力エリアとも称され得る)を含み、例えば、内部結合光学要素1212は、導波管1210の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素1224は、導波管1220の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素1232は、導波管1230の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置される。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素1212、1222、1232のうちの1つ以上のものは、それぞれの導波管1210、1220、1230の底部主要表面上に配置され得る(特に、1つ以上の内部結合光学要素は、反射性偏向光学要素である)。図示されるように、内部結合光学要素1212、1222、1232は、それらのそれぞれの導波管1210、1220、1230の上側主要表面(または次の下側導波管の上部)上に配置され得、特に、それらの内部結合光学要素は、透過性偏向光学要素である。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素1212、1222、1232は、それぞれの導波管1210、1220、1230の本体内に配置され得る。いくつかの実施形態では、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素1212、1222、1232は、他の光の波長を透過させながら、1つ以上の光の波長を選択的に向け直すような波長選択的である。それらのそれぞれの導波管1210、1220、1230の片側または角に図示されるが、内部結合光学要素1212、1222、1232は、いくつかの実施形態では、それらのそれぞれの導波管1210、1220、1230の他のエリア内に配置され得ることを理解されたい。
【0136】
図示されるように、内部結合光学要素1212、1222、1232は、互いから側方にオフセットされ得る。いくつかの実施形態では、各内部結合光学要素は、その光が別の内部結合光学要素を通過せずに、光を受け取るようにオフセットされ得る。例えば、各内部結合光学要素1212、1222、1232は、光を異なる画像投入デバイス1213、1223、1233から受け取るように構成され得、光を内部結合光学要素1212、1222、1232の他のものから実質的に受け取らないように、他の内部結合光学要素1212、1222、1232から分離され得る(例えば、側方に間隔を置かれる)。したがって、反射性層は、側方にオフセットされた部分を備え得、および/または導波管は、2つ以上の側方にオフセットされた反射性層を備え得る。
【0137】
各導波管は、関連付けられた光分配要素も含み、例えば、光分配要素1214は、導波管1210の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分配要素1224は、導波管1220の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分配要素1234は、導波管1230の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置される。いくつかの実施形態では、光分配要素は、本明細書に説明されるように、反射性層を備えている。いくつかの他の実施形態では、光分配要素1214、1224、1234は、それぞれ、関連付けられた導波管1210、1220、1230の底部主要表面上に配置され得る。いくつかの他の実施形態では、光分配要素1214、1224、1234は、それぞれ、関連付けられた導波管1210、1220、1230の上部および底部両方の主要表面上に配置され得るか、または光分配要素1214、1224、1234は、それぞれ、異なる関連付けられた導波管1210、1220、1230内の上部および底部主要表面のうちの異なるもの上に配置され得る。
【0138】
導波管1210、1220、1230は、例えば、材料のガス、液体および/または固体層によって間隔を置かれ、分離され得る。例えば、図示されるように、層1218aは、導波管1210と1220とを分離し得、層1218bは、導波管1220と1230とを分離し得る。いくつかの実施形態では、層1218aおよび1218bは、低屈折率材料(すなわち、導波管1210、1220、1230のうちの直隣接するものを形成する材料より低い屈折率を有する材料)から形成される。好ましくは、層1218a、1218bを形成する材料の屈折率は、導波管1210、1220、1230を形成する材料の屈折率より0.05以上、または0.10以上小さい。有利には、より低い屈折率層1218a、1218bは、導波管1210、1220、1230を通して光の全内部反射(TIR)(例えば、各導波管の上部および底部主要表面間のTIR)を促進する、クラッディング層として機能し得る。いくつかの実施形態では、層1218a、1218bは、空気から形成される。図示されないが、導波管の図示される組1200の上部および底部は、直近クラッディング層を含み得ることを理解されたい。
【0139】
好ましくは、製造および他の考慮点を容易にするために、導波管1210、1220、1230を形成する材料は、類似または同一であり、層1218a、1218bを形成する材料は、類似または同一である。いくつかの実施形態では、導波管1210、1220、1230を形成する材料は、1つ以上の導波管間で異なり得、および/または、層1218a、1218bを形成する材料は、依然として、前述の種々の屈折率関係を保持しながら、異なり得る。
【0140】
図9Aを継続して参照すると、光線1240、1242、1244が、導波管の組1200に入射する。光線1240、1242、1244は、1つ以上の画像投入デバイス200、202、204、206、208(
図6)によって導波管1210、1220、1230の中に投入され得ることを理解されたい。
【0141】
いくつかの実施形態では、光線1240、1242、1244は、異なる色に対応し得る異なる特性、例えば、異なる波長または異なる波長範囲を有する。内部結合光学要素1212、1222、1232の各々は、光が、TIRによって、導波管1210、1220、1230のうちのそれぞれの1つを通して伝搬するように、入射光を偏向させる。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素1212、122、1232の各々は、他の波長を下層導波管および関連付けられた内部結合光学要素に透過させながら、1つ以上の特定の光の波長を選択的に偏向させる。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素1212、1222、1232の各々は、本明細書に説明されるように、反射性層を備えている。反射性層は、TIRによって、それぞれの導波管1210、1220、1230を通して光線を伝搬するように構成され得る。したがって、いくつかの実施形態では、内部結合光学要素1212、1222、1232は、TIRによって導波管内の光を伝搬するように、対応する導波管との界面に反射性表面を有する、反射性層を備えている。
【0142】
例えば、内部結合光学要素1212は、異なる第2および第3の波長または波長範囲を有するそれぞれの光線1242および1244を透過させながら、第1の波長または波長範囲を有する、光線1240を選択的に偏向させるように構成され得る。透過させられた光線1242は、次いで、第2の波長または波長範囲の光を選択的に偏向させるように構成される内部結合光学要素1222に衝突し、それによって偏向させられる。光線1244は、内部結合光学要素1222によって透過させられ、続いて、第3の波長または波長範囲の光を選択的に偏向させるように構成される内部結合光学要素1232に衝突し、それによって偏向させられる。
【0143】
図9Aを継続して参照すると、偏向させられた光線1240、1242、1244は、それらが対応する導波管1210、1220、1230を通して伝搬するように偏向させられる。すなわち、各導波管の内部結合光学要素1212、1222、1232は、光をその対応する導波管1210、1220、1230の中に偏向させ、光をその対応する導波管の中に内部結合する。光線1240、1242、1244は、光をTIRによってそれぞれの導波管1210、1220、1230を通して伝搬させる角度で偏向させられる。光線1240、1242、1244は、導波管の対応する光分配要素1214、1224、1234に衝突するまで、TIRによってそれぞれの導波管1210、1220、1230を通して伝搬する。いくつかの実施形態では、光分配要素1214、1224、1234の各々は、層本明細書に説明されるように、反射性を備えている。反射性層は、TIRによって、それぞれの導波管1210、1220、1230を通して、光線を伝搬するように構成され得る。したがって、いくつかの実施形態では、光分配要素1214、1224、1234は、導波管を通してTIRによって伝搬する光を向け直すように、対応する導波管との界面に反射性表面を有する反射性層を備えている。いくつかの実施形態では、所与の導波管1210、1220、1230のための内部結合光学要素1212、1222、1232は、反射性層を備え、同じ反射性層の異なる部分は、導波管1210、1220、1230のための光分配要素1214、1224、1234を備えている。いくつかの実施形態では、所与の導波管1210、1220、1230のための内部結合光学要素1212、1222、1232は、第1の反射性層を備え、導波管1210、1220、1230のための光分配要素1214、1224、1234は、第1の反射性層と異なる第2の反射性層を備えている。
【0144】
ここで
図9Bを参照すると、
図9Aの複数のスタックされた導波管の例の斜視図が、図示される。前述のように、内部結合された光線1240、1242、1244は、それぞれ、内部結合光学要素1212、1222、1232によって偏向させられ、次いで、それぞれ、導波管1210、1220、1230内でTIRによって伝搬する。光線1240、1242、1244は、次いで、それぞれ、光分配要素1214、1224、1234に衝突する。光分配要素1214、1224、1234は、それぞれ、外部結合光学要素1250、1252、1254に向かって伝搬するように、光線1240、1242、1244を偏向させる。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素1212、1222、1232は、本明細書に説明されるように、反射性層を備えている。いくつかの実施形態では、光分配要素1214、1224、1234は、本明細書に説明されるように、反射性層を備えている。いくつかの実施形態では、所与の導波管1210、1220、1230のための内部結合光学要素1212、1222、1232および同一導波管のための光分配要素1214、1224、1234は、同一反射性層の異なる部分を構成する。いくつかの実施形態では、所与の導波管1210、1220、1230のための内部結合光学要素1212、1222、1232は、第1の反射性層を備え、同一導波管のための光分配要素1214、1224、1234は、第1の反射性層と異なる第2の反射性層を備えている。
【0145】
いくつかの実施形態では、光分配要素1214、1224、1234は、直交瞳エクスパンダ(OPE)である。したがって、いくつかの実施形態では、反射性層は、OPEの一部である。いくつかの実施形態では、OPEは、光を外部結合光学要素1250、1252、1254に偏向させ、または分配し、OPEは、光が外部結合光学要素に伝搬するにつれて、この光のビームまたはスポットサイズを増加させることも行う。例えば、ビームサイズがすでに所望のサイズであるいくつかの実施形態では、光分配要素1214、1224、1234は、省略され得、内部結合光学要素1212、1222、1232は、光を直接外部結合光学要素1250、1252、1254に偏向させるように構成され得る。例えば、
図9Aを参照すると、光分配要素1214、1224、1234は、それぞれ、外部結合光学要素1250、1252、1254と置換され得る。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素1250、1252、1254は、光を視認者の眼4(
図7)に導く射出瞳(EP)または射出瞳エクスパンダ(EPE)である。
【0146】
故に、
図9Aおよび9Bを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管の組1200は、各原色のために、導波管1210、1220、1230と、内部結合光学要素1212、1222、1232と、光分配要素(例えば、OPE)1214、1224、1234と、外部結合光学要素(例えば、EP)1250、1252、1254とを含む。導波管1210、1220、1230は、各1つの間に空隙/クラッディング層を伴ってスタックされ得る。内部結合光学要素1212、1222、1232は、(異なる波長の光を受け取る異なる内部結合光学要素を用いて)入射光をその導波管の中に向け直し、または偏向させる。光は、次いで、それぞれの導波管1210、1220、1230内にTIRをもたらすであろう角度で伝搬する。示される例では、光線1240(例えば、青色光)は、前述の様式において、第1の内部結合光学要素1212によって偏向させられ、次いで、導波管を辿って跳ね返り続け、光分配要素(例えば、OPE)1214、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)1250と相互作用する。光線1242および1244(例えば、それぞれ、緑色および赤色光)は、導波管1210を通過し、光線1242は、内部結合光学要素1222上に衝突し、それによって偏向させられる。光線1242は、次いで、TIRを介して、導波管1220を辿って跳ね返り、その光分配要素(例えば、OPE)1224、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)1252に進むであろう。最後に、光線1244(例えば、赤色光)は、導波管1220を通過し、導波管1230の光内部結合光学要素1232に衝突する。光内部結合光学要素1232は、光線が、TIRによって、光分配要素(例えば、OPE)1234に、次いで、TIRによって、外部結合光学要素(例えば、EP)1254に伝搬するように、光線1244を偏向させる。外部結合光学要素1254は、次いで、最後に、光線1244を視認者に外部結合し、視認者はまた、他の導波管1210、1220からの外部結合した光も受け取る。
【0147】
図9Cは、
図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の例の見下げ平面図を図示する。図示されるように、導波管1210、1220、1230は、各導波管の関連付けられた光分配要素1214、1224、1234および関連付けられた外部結合光学要素1250、1252、1254とともに、垂直に整列させられ得る。しかしながら、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素1212、1222、1232は、垂直に整列させられない。むしろ、内部結合光学要素は、好ましくは、非重複する(例えば、見下げ図に見られるように、側方に間隔を置かれる)。本明細書でさらに議論されるように、この非重複空間配列は、1対1ベースで異なるリソースから異なる導波管の中への光の投入を促進し、それによって、特定の光源が特定の導波管に固有に結合されることを可能にする。いくつかの実施形態では、非重複の空間的に分離される内部結合光学要素を含む配列は、シフト瞳システムと称され得、これらの配列内の内部結合光学要素は、サブ瞳に対応し得る。
【0148】
(光学導波管およびそれを作製する方法)
いくつかの実施形態では、光学導波管を作製する方法が、説明される。方法は、本明細書に説明されるような反射性流動可能材料を基板、例えば、導波管等の基板上に直接投与することを含み得る。反射性流動可能材料は、基板の所定の領域内に投与され得る。反射性流動可能材料、例えば、反射性インクが、固化され、反射性層を形成し得る。いくつかの実施形態では、反射性流動可能材料の反射性層が、基板の所定の領域上に形成されるとき、それは、所望のパターンを形成する。いくつかの実施形態では、反射性流動可能材料の反射性層は、基板の表面の全部または実質的に全部を被覆する。いくつかの実施形態では、方法は、複数の反射性光学要素を形成するように、基板および反射性層を多くの異なる要素にダイカットまたはダイシングすることをさらに含む。いくつかの実施形態では、反射性層を備えている光学導波管は、光学導波管スタックの一部であり、方法は、スタックを形成するように、1つ以上の他の光学導波管を光学導波管に取り付けることをさらに含む。いくつかの実施形態では、反射性層を備えている光学導波管は、ディスプレイデバイスの一部であり、したがって、方法は、反射性層を備えている導波管(またはそのような導波管を備えているスタック)をディスプレイデバイス内に配置することをさらに含む。いくつかの実施形態では、スタックの1つ以上の光学導波管の表面は、壁を備え、それらは、その上に反射性流動可能材料の反射性層が堆積させられる領域を画定する。壁は、反射性流動可能材料を堆積させるためのエリアを画定する内壁が内壁を包囲する外壁より低くなるように、段階的な高さであり得る。理論によって限定されるわけではないが、壁高さの段階性は、例えば、堆積させられる反射性流動可能材料の場所を一貫して限定することによって、内壁によって画定される領域を充填するとき、欠陥を防止することに役立ち得ることが想定される。したがって、いくつかの実施形態では、壁は、反射性流動可能材料を基板の所定の領域内に含むように、ダムまたは金型としての役割を果たす。いくつかの実施形態では、壁は、スタックの導波管を互いから分離するためのスペーサとしての役割をさらに果たし得る。いくつかの実施形態では、壁は、レジストを備えている。レジスト壁は、いくつかの実施形態によると、基板にわたって延び、次いで、パターン化され、壁を画定する層として堆積させられ得ることが考えられる。
【0149】
いくつかの実施形態では、光学導波管を作製する方法は、第1の導波管の第1の表面と本明細書に説明されるような反射性流動可能材料を接触させることを含む。方法は、反射性層を第1の導波管の第1の表面上に形成するように、反射性流動可能材料(例えば、反射性インク)が固化することを可能にすることをさらに含み得る。反射性層は、可視スペクトル内の光等の入射電磁放射を反射するように構成され得る。例えば、電磁放射は、反射性層の下層の突出部のパターンおよび寸法に応じた角度で第1の導波管の中に反射され得る。したがって、導波管上に配置される反射性層が、形成され得、この形成は、ディスプレイデバイスを作製することの一部であり得る。
【0150】
いくつかの好適な反射性流動可能材料が、本明細書に説明されるような反射性インクおよび液体金属ならびにそれらの組み合わせを含む反射性層を形成するために使用され得る。いくつかの実施形態では、反射性インクは、本明細書に開示されるように、銀、アルミニウム、または銀およびアルミニウムの組み合わせと、随意に、結合剤とを含む。いくつかの環境では、流動可能材料は、液体金属であり、その例は、上で議論される。
【0151】
反射性流動可能材料を基板表面上に堆積させるための好適な方法のいくつかの非限定的例が、存在する。いくつかの実施形態では、反射性流動可能材料は、インクジェットプリンタを使用して適用される。いくつかの商業的に利用可能なインクジェットプリンタは、好適であり、例えば、NSCRYPT MICRODISPENSERインクジェットプリンタである。いくつかの実施形態では、インクジェットプリンタは、反射性流動可能材料(例えば、反射性インク)の自動化された分注のために使用され得る、移動可能なヘッドを備えているか、または基板が、移動不可能なヘッドに対して移動させられ得る。反射性流動可能材料は、周囲圧力および温度で適用され得る。いくつかの実施形態では、反射性流動可能材料は、約1atmの圧力で、21℃を含む約15~27℃または約18~24℃の温度で適用される。いくつかの実施形態では、インクジェットプリンタは、反射性流動可能材料を基板の表面の所定の部分を覆って堆積させる。いくつかの実施形態では、インクジェットプリンタは、反射性流動可能材料を基板の表面の全体を覆って堆積させる。
【0152】
いくつかの実施形態では、反射性流動可能材料は、マイクロディスペンサを使用して堆積させられる。いくつかの実施形態では、マイクロディスペンサは、微小液滴技術(ワールドワイドウェブwww.microdrop.com/microdrop.htmlにおいてアクセス可能な「Microdrop-Materials by Inkjet Technology」参照)を含む。微小液滴技術では、分注ヘッドは、ピエゾアクチュエータによって包囲されたガラス毛細管を備え、開口部を一端に備え得る。ピエゾアクチュエータは、収縮し、圧力波をガラス毛細管に伝搬し、液体の液滴を分解させ、空気を通して滴下する小滴を形成するように構成され得る。このように、小滴のサイズおよび形成率、例えば、ピコリットルスケールの小滴が、精密に制御され得る。液滴のサイズは、ガラス毛細管の端部上の開口部のサイズに依存し得る。例えば、開口部は、マイクロメートルスケールの直径、例えば、約30~100マイクロメートルを有し得、それは、35~100マイクロメートルの液滴径に対応する25~500ピコリットルの液滴体積を生成し得る。反射性流動可能材料は、周囲圧力および温度で適用され得る。いくつかの実施形態では、反射性流動可能材料は、約1atmの圧力で、21℃を含む約15~27℃または約18~24℃の温度で適用される。いくつかの実施形態では、マイクロディスペンサは、反射性流動可能材料を基板の表面の所定の部分を覆って堆積させる。いくつかの実施形態では、マイクロディスペンサは、反射性流動可能材料を基板の表面の全体を覆って堆積させる。
【0153】
いくつかの実施形態では、反射性流動可能材料は、アプリケータロッドを使用して適用される。反射性流動可能材料は、周囲圧力および温度(例えば、1気圧および室温)で適用され得る。いくつかの実施形態では、反射性流動可能材料は、約1atmの圧力で、21℃を含む約15~27℃または約18~24℃の温度で適用される。いくつかの実施形態では、アプリケータロッドは、反射性流動可能材料を基板の表面の所定の部分を覆って堆積させるために使用される。いくつかの実施形態では、アプリケータロッドは、反射性流動可能材料を基板の表面の全体を覆って堆積させるために使用される。
【0154】
好ましくは、本明細書に議論されるように、流動可能材料は、標準的条件のもとで流動可能である。いくつかの実施形態では、流動可能材料は、加熱され、材料を流動可能またはより流動可能状態に変化させ得る。例えば、本明細書に開示される種々のディスペンサおよびアプリケータは、それが流動可能またはより流動可能な反射性インクおよび/または液体金属になるように、材料を加熱するように構成される加熱要素を含み得る。例えば、加熱することは、材料を固体および/または高度に粘性の状態から液体および/または低粘性の状態に変化させ得る。
【0155】
いくつかの実施形態では、反射性流動可能材料は、少なくとも約10nm、例えば、少なくとも約10nm、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、または約1,000nm(列挙された値のうちの2つの間の厚さ範囲、例えば、約10nm~900nm、10nm~500nm、10nm~410nm、10nm~400nm、10nm~350nm、10nm~300nm、10nm~250nm、10nm~200nm、10nm~150、10nm~100nm、10nm~50nm、30nm~900nm、30nm~500nm、30nm~450nm、30nm~400nm、30nm~350nm、30nm~300nm、30nm~250nm、30nm~200nm、30nm~150、30nm~100nm、30nm~50nm、50nm~900nm、50nm~500nm、50nm~450nm、50nm~400nm、50nm~350nm、50nm~300nm、50nm~250nm、50nm~200nm、50nm~150、50nm~100nm、80nm~900nm、80nm~500nm、80nm~450nm、80nm~400nm、80nm~350nm、80nm~300nm、80nm~250nm、80nm~200nm、80nm~150、80nm~100nm、100nm~900nm、100nm~500nm、100nm~450nm、100nm~400nm、100nm~350nm、100nm~300nm、100nm~250nm、100nm~200nm、または約100nm~150nmの厚さを含む)の厚さまで適用される。
【0156】
いくつかの実施形態では、流動可能材料によって形成される反射性層の厚さは、変動させられ得る。例えば、反射性層は、その層の異なる部分間で25%以上、50%以上、もしくは100%以上変動する、厚さを有し得る(例えば、層は、10nm厚の1つの部分と、20nm厚の別の部分とを有し得る)。この可変厚は、例えば、反射性層の異なる部分を覆って材料の異なる量を堆積させることによって達成され得る。例えば、流動可能材料は、材料が本明細書に開示される種々のプロセス(乾燥、焼き鈍し等)によって安定化され得るエリアを覆って均一に堆積させられ得、追加の材料が、このエリアの選択された部分上に堆積させられ、それらのエリアの厚さを増大させ得、追加の材料は、次いで、また、安定化され得る。好ましくは、少なくとも拡張材料のための流動可能材料は、例えば、より早く堆積させられた流動可能材料のエリアにわたる側方拡散を限定することによって、定位置に止まることによって、所望の厚さ差異を保存するために十分に粘性であり、および/または、十分に低湿潤度を有する。いくつかの実施形態では、異なる流動可能材料が、反射性層の所望の部分を所望の厚さまで構築するために使用され得る。
【0157】
いくつかの実施形態では、流動可能材料は、下層回折格子の一部のみを被覆し得る。例えば、流動可能材料は、本明細書に議論されるように、回折格子の一部上のみに堆積させられ得、それは、回折格子の他の部分への流動を防止するために十分な粘度および/または低湿潤度を有し得る。別の例として、本明細書に議論されるように、基板の表面は、流動可能材料の拡散を限定する、壁または障壁を含み得る。いくつかの実施形態では、壁または障壁は、堆積させられる流動可能材料が壁または障壁によって包含される回折格子の部分を覆ってのみ延びるように、回折格子の一部のみを被覆するエリアの輪郭を描き得る。
【0158】
いくつかの実施形態では、壁または障壁は、最終導波管構造の恒久的部分であり得る。いくつかの実施形態では、壁または障壁は、除去可能マスク構造であり得、それは、流動可能材料が固化または安定化された(例えば、大気ガスにさらすことによって、乾燥によって、および/または焼き鈍しによって)後、除去され得る。例えば、フォトレジスト層は、基板上に、かつ回折格子を覆って、堆積させられ得る。フォトレジスト層は、次いで、パターン化され(例えば、レチクルを通して伝搬する光にさらすことによって)、流動可能材料から形成される反射性層が所望される開口部を残し得る。反射性層は、次いで、固化され、フォトレジストマスクは、除去され得る(例えば、流動可能材料および露出される基板特徴に対するフォトレジストマスクのために選択的エッチングを使用して)。
【0159】
有利には、反射性層を回折格子を覆って選択的に提供し、および/またはその反射性層のための異なる厚さを提供することは、反射性層とともに形成される反射性回折格子の回折効率が調整されることを可能にし得る。例えば、反射性層を有する回折格子の部分は、そのような反射性層を有していない部分と異なる効果的回折効率を有し得る。同様に、反射性層のより厚い部分は、より高い反射率を有し得、反射性層のより薄い部分を有する回折格子の一部と異なる回折効率を提供し得る。
【0160】
流動可能材料が固化することを可能にするための好適な条件は、使用される流動可能材料の特性、特定の用途、作製されているデバイスのタイプ(熱収支考慮点を含む)、および層の厚さに基づいて、容易に確認され得る。例えば、流動可能材料は、単に、環境条件に対する反応によって、経時的に固化することを可能にされ得る。いくつかの実施形態では、液体金属は、単に、周囲雰囲気中の酸素と反応し、固体化することを可能にされ得る(例えば、固化された液体金属が、表面酸化物であり得る、液体金属の成分の酸化物から成るように、酸化物を形成することによって)。いくつかの実施形態では、固化された液体金属は、酸化物層をその外側表面上に含み得る。
【0161】
いくつかの実施形態では、例えば、金属含有粒子がないまたは実質的にない反射性インクに対して、反射性インクは、単に、乾燥することを可能にされ(例えば、溶媒を除去するため)、焼き鈍しは、要求されないこともある。例えば、流動可能材料は、少なくとも約0.5分、例えば、少なくとも約0.5分、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、150、または約180分(列挙された値のいずれか間の範囲を含む)固化することを可能にされ得る。いくつかの実施形態では、固化は、周囲温度で行われ、反射性インクは、焼き鈍しを伴わずに固化することを可能にされる。
【0162】
いくつかの実施形態では、流動可能材料は、焼き鈍しされ得る。例えば、金属含有粒子を含む反射性インクに対して、反射性インクは、乾燥し、次いで、焼き鈍しされることを可能にされ得る。焼き鈍し温度は、流動可能材料の特性に依存し得、少なくとも約150℃、160℃、170℃、180℃、190℃、200℃、210℃、220℃、230℃、240℃、250℃、260℃、270℃、280℃、290℃、300℃、310℃、320℃、330℃、340℃、350℃、360℃、370℃、380℃、390℃、400℃、450℃、500℃、550℃、600℃、または約650℃(列挙された値のうちの任意の2つの間の範囲、例えば、約150℃~650℃、150℃~500℃、150℃~400℃、150℃~300℃、150℃~250℃、150℃~200℃、200℃~650℃、200℃~500℃、200℃~400℃、200℃~300℃、200℃~250℃、250℃~650℃、250℃~500℃、250℃~400℃、250℃~300℃、300℃~650℃、300℃~500℃、または約300℃~400℃を含む)の温度であり得る。
【0163】
いくつかの実施形態では、方法は、反射性層を位置させるように、閉じ込められたエリア内の反射性流動可能材料を第1の導波管の第1の表面上に適用することを含む。例えば、第1の導波管の第1の表面は、壁(ダムまたは金型を画定し得る)を備え得、それは、第1の導波管の第1の表面の所定の部分を覆って反射性層を取得するように、反射性流動可能材料で充填され得る。いくつかの実施形態では、壁は、ダミーまたは犠牲材料を備え、それは、反射性層が形成された後、除去される。任意の理論によって限定されるわけではないが、特に、比較的に大型および/または深層反射性層に対して、反射性流動可能材料を閉じ込めることは、反射性層のサイズおよび形状の精密な制御を可能にし、流出を最小化し得ると考えらえる。いくつかの実施形態では、少なくとも150nmの厚さを有する反射性層に対して、本明細書に説明されるような閉じ込めは、反射性層の形状を制御するために有用であり得る。故に、いくつかの実施形態では、反射性層が、少なくとも150nm、例えば、少なくとも150nm、180、200、220、250、270、300、320、350、370、400、420、450、470、500、520、550、570、または600nm(列挙された値のいずれか間の範囲を含む)の厚さを有する場合、反射性流動可能材料は、本明細書に説明されるように、壁(例えば、ダム、金型等)によって画定された閉じ込められたエリアに適用される。いくつかの実施形態では、閉じ込められたエリア(例えば、ダム、金型等)は、反射性層の少なくとも所望の高さの高さを有する壁、例えば、少なくとも約200nmの高さ、例えば、200nm、220、250、270、300、320、350、370、400、420、450、470、500、520、550、570、600、620、650、670、700、720、750、または800nmの高さの壁によって画定される。いくつかの実施形態による、例示的閉じ込めは、
図11A-Bに図示される。
図11Aおよび11Bの図に示されるように、反射性流動可能材料の閉じ込めのための充填エリア100が、提供され得る。充填エリアは、導波管等の基板105上に配置され得る。導波管は、突出部106を備え得る。突出部106は、光学格子を形成し得る。充填エリアは、1つ以上の壁110、111、112を備え得、それは、同一高さまたは異なる高さであり得る。壁110、111、112は、所望の反射性層120の高さより高くてもよい。いくつかの実施形態では、壁110、111、112は、段階的な高さであり得、反射性層より高く、より大きいエリアを画定する少なくとも1つの壁110、111、112が、提供される。例えば、反射性層120が、約150nmの高さを有する場合、壁110、111、112は、300nm~700nmの高さを有し得る。例えば、反射性層120が、約200nmの直径を有する場合、壁110、111、112は、約300~500nmの直径を画定し得る。いくつかの実施形態では、壁は、スタック内の光学導波管間の機械的分離を維持する機械的スペーサを構成するような高さである。
図11Bに図示されるように、そのような壁は、遷移閉じ込めゾーンを反射性層のための所望の充填エリアの周囲に画定し得る。遷移閉じ込めゾーンは、反射性流動可能材料からの反射性層の作製の間、充填を促進し得る。いくつかの実施形態では、壁110、111、および/または112は、基板105と他の基板、例えば、スタック内の追加の導波管との間のスペーサとしての機能をさらに果たす。例えば、追加の導波管は、追加の導波管を基板105から離すように、壁110、111、および/または112上に位置付けられることができる。
【0164】
いくつかの実施形態では、反射性流動可能材料は、第1の表面、例えば、複数の突出部を有する導波管上の表面上に堆積させられる。いくつかの実施形態では、反射性流動可能材料は、突出部上に形状適応的に堆積させられる。いくつかの実施形態では、第1の表面は、非平面構成を備えている。いくつかの実施形態では、第1の表面は、回折格子等の格子またはファセット特徴を備えている。格子は、種々の構成、例えば、バイナリ、ブレーズド、多層、アンダーカット、またはメタ材料もしくはメタ表面であり得る。いくつかの実施形態では、反射性層は、形状適応的に堆積させられ、表面より上の反射性層の厚さは、反射性層全体にわたって、厚さが、平均の約±20%以内、例えば、平均の約±20%、±15%、±10%、±5%、または±1%以内であるように、約±20%以下変動する。
【0165】
いくつかの実施形態では、反射性層は、入射電磁放射(例えば、可視スペクトル内の光)を反射するように構成される。いくつかの実施形態では、界面は、少なくとも約40%、例えば、基準の少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%(列挙された値のうちの任意の2つの間の範囲、例えば、約30%~99%、30%~95%、30%~90%、30%~80%、40%~99%、40%~95%、40%~90%、40%~80%、50%~99%、50%~95%、50%~90%、50%~80%、60%~99%、60%~95%、60%~90%、60%~80%、70%~99%、70%~95%、70%~90%、または70%~80%を含む)の反射率で界面において、入射電磁放射(例えば、可視スペクトル内の光)を第1の導波管の中に反射するように構成される。入射電磁放射(例えば、可視スペクトルの光)のパーセント反射は、いくつかの実施形態では、反射性層の金属のみを含む材料を基準とし得る。反射率に対する基準は、いくつかの実施形態では、アルミニウムであり得る。
【0166】
いくつかの実施形態では、反射性層は、本明細書に説明されるように、光学導波管のスタックの一部である光学導波管上に形成される。いくつかの実施形態では、反射性層は、第1の光学導波管上に形成され、少なくとも1つの光学導波管は、次いで、光学導波管のスタックを形成するように、第1の光学導波管および/または互いに取り付けられる。例えば、スタックを形成することは、追加の光学導波管を堆積させることを含み得る。例えば、スタックを形成することは、光学導波管を互いに接触することを含み得る。いくつかの実施形態では、スタックの光学導波管は、本明細書に説明されるように、互いに光学連通し得る。
【0167】
さらに、上で説明される従来のプロセスは、適用されるべき反射性層の各特定のパターンのために、特定の硬質マスクを作製する追加のステップを伴い得る。そのような従来のプロセスと対照的に、本明細書に説明されるような方法は、硬質マスクを作製することを要求せず、したがって、異なるパターンが、異なる表面に容易に適用され得る。さらに、本明細書に説明されるような反射性層を備えている光学導波管を作製する方法は、導波管が作製される、堆積チャンバ内で実施され得、したがって、導波管を堆積チャンバの内および/または外に移動させる必要性を排除し、したがって、プロセスフローの効率を増加させる。
【0168】
所望の厚さの反射性層を取得するために、いくつかの実施形態では、方法は、反射性流動可能材料を堆積および適用するサイクルを複数回、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、または50回(列挙された値のうちの任意の2つの間の範囲を含む)繰り返すことを含み得ると考えられる。
【0169】
(ディスプレイデバイスを作製する方法)
いくつかの実施形態では、ディスプレイデバイスを作製する方法が、提供される。方法は、本明細書に説明されるような反射性光学要素を備えている光学導波管または光学導波管構造(例えば、光学導波管スタックを備えている光学導波管構造)を作製することを含み得る。方法は、本明細書に説明されるように、光学導波管または光学導波管のスタックをディスプレイデバイス内に配置することを含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、本明細書に説明されるような反射性光学要素を備えている第1の導波管を備えている光学導波管または光学導波管スタックを、ディスプレイデバイス内に配置することを含む。いくつかの実施形態では、ディスプレイデバイスは、反射性光学要素を備えている第1の光学導波管を備えている直交瞳エクスパンダまたは射出瞳エクスパンダを備えているか。または、反射性光学要素を備えている第1の光学導波管を備えている導波管のスタックを備えている。
【0170】
いくつかの実施形態では、方法は、本明細書に説明されるような方法に従って、反射性光学要素を備えている導波管を作製することと、導波管をディスプレイデバイス内に配置することとを含む。いくつかの実施形態では、方法は、本明細書に説明されるような方法に従って、反射性光学要素を備えている第1の導波管を備えている光学導波管スタックを作製することと、光学導波管スタックをディスプレイデバイス内に配置することとを含む。
【0171】
(実施例1:反射性層を反射性インクから作製すること)
アルミニウムを含む反射性インクが、アプリケータロッドを使用して、基板上にパターン化され、反射性層を基板上に形成するように、固化することを可能にされた。純アルミニウム反射性層(蒸発によって形成される)と比較した反射性インクの反射率が、比較され、下記の表1に要約された。
【表1】
【0172】
表1に示されるように、インクの多くは、蒸発アルミニウムの反射率の少なくとも30%を達成し、いくつかは、実質的に30%を上回って達成した。例えば、NG23インクは、蒸発Alの70%を上回る反射率を達成した。理論によって限定されるわけではないが、インク選択、固化または硬化条件、およびクリーンルーム製作のさらなる精緻化は、下記に示されるものよりよりさらに高い反射率を達成し得ると考えられる。いくつかの実施形態では、銀を含む反射性インクは、真空堆積Al(例えば、下記の例2参照)のものに合致するか、またはそれ超える反射率を有する。
【0173】
(実施例2:電子インクの反射率)
反射性インクの一種である、式Ag(NH3)2|+|C2H3O2|-を有する化学種中に銀を含む電子インクが、平坦表面上に堆積させられた。このインクは、Walker et al.,“Reactive Silver Inks for Patterning High-Conductivity Features at Mild Temperatures”,J. Am. Chem. Society134:1419-1421(本開示は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明される。比較のために、蒸発アルミニウムの2つの異なるサンプル(E1およびE2)が、レジストおよび平坦ガラス(「レジストなし」)上で測定された。反射率が、測定された。電子インクの反射率は、4つのランダムスポットにおいて測定され、レジストあり(E2)またはなし(E1)の蒸発アルミニウムのものと比較された。結果は、表2に示される。
【表2】
【0174】
上記の表2に示されるように、反射性インク(「EIサンプル2」)は、一貫して、80~90%反射率をもたらし、それは、蒸発アルミニウム基準(E1およびE2)に類似するか、またはそれより高かった。したがって、データは、本明細書のいくつかの実施形態による反射性インクの反射率は、蒸発アルミニウムに匹敵するまたはより優れていることを示す。
【0175】
前述の明細書では、種々の具体的実施形態が、説明されている。しかしながら、種々の修正および変更が、本発明のより広義の精神および範囲から逸脱することなく、そこに成され得ることは、明白となるであろう。明細書および図面は、故に、限定的意味ではなく、例証的意味であると考えられるべきである。
【0176】
実際、本開示のシステムおよび方法の各々は、いくつかの革新的側面を有し、そのうちのいかなるものも、本明細書に開示される望ましい属性に単独で関与しないこと、またはそのために要求されないことを理解されたい。上で説明される種々の特徴およびプロセスは、互いに独立して使用され、または種々の方法で組み合わせられ得る。全ての可能な組み合わせおよび副次的組み合わせが、本開示の範囲内に該当することが意図される。
【0177】
別個の実施形態の文脈において本明細書に説明されるある特徴は、単一実施形態における組み合わせにおいても実装され得る。逆に、単一実施形態の文脈において説明される種々の特徴も、複数の実施形態において別個に、または任意の好適な副次的組み合わせにおいて実装され得る。さらに、特徴がある組み合わせにおいて動作するものとして上で説明され、さらに、そのようなものとして最初に請求され得るが、請求される組み合わせからの1つ以上の特徴は、いくつかの場合では、組み合わせから削除され得、請求される組み合わせは、副次的組み合わせまたは副次的組み合わせの変形例を対象とし得る。いかなる単一の特徴または特徴のグループも、あらゆる実施形態に必要もしくは必須ではない。
【0178】
とりわけ、「~できる(can)」、「~し得る(could)」、「~し得る(might)」、「~し得る(may)」、「例えば(e.g.)」、および同等物等、本明細書で使用される条件文は、別様に具体的に記載されない限り、または使用されるような文脈内で別様に理解されない限り、概して、ある実施形態がある特徴、要素、および/またはステップを含む一方、他の実施形態がそれらを含まないことを伝えることが意図されることを理解されたい。したがって、そのような条件文は、概して、特徴、要素、および/もしくはステップが、1つ以上の実施形態に対していかようにも要求されること、または1つ以上の実施形態が、著者の入力または促しの有無を問わず、これらの特徴、要素、および/もしくはステップが任意の特定の実施形態において含まれる、もしくは実施されるべきかどうかを決定するための論理を必然的に含むことを示唆することを意図されない。用語「~を備えている」、「~を含む」、「~を有する」、および同等物は、同義語であり、非限定的方式で包括的に使用され、追加の要素、特徴、行為、動作等を除外しない。また、用語「または」は、その包括的意味において使用され(およびその排他的意味において使用されず)、したがって、例えば、要素のリストを接続するために使用されると、用語「または」は、リスト内の要素のうちの1つ、いくつか、または全てを意味する。加えて、本願および添付される請求項で使用されるような冠詞「a」、「an」、および「the」は、別様に規定されない限り、「1つ以上の」または「少なくとも1つ」を意味するように解釈されるべきである。同様に、動作は、特定の順序で図面に描写され得るが、それは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示される特定の順序で、もしくは連続的順序で実施される、または全ての図示される動作が実施される必要はないと認識されるべきである。さらに、図面は、フローチャートの形態で1つ以上の例示的プロセスを図式的に描写し得る。しかしながら、描写されない他の動作も、図式的に図示される例示的方法およびプロセス内に組み込まれることができる。例えば、1つ以上の追加の動作が、図示される動作のいずれかの前、その後に、それと同時に、またはその間に実施されることができる。加えて、動作は、他の実施形態において再配列される、または再順序付けられ得る。ある状況では、マルチタスクおよび並列処理が、有利であり得る。さらに、上で説明される実施形態における種々のシステムコンポーネントの分離は、全ての実施形態におけるそのような分離を要求するものとして理解されるべきではなく、説明されるプログラムコンポーネントおよびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品においてともに統合される、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。加えて、他の実装も、以下の請求項の範囲内である。いくつかの場合では、請求項に列挙されるアクションは、異なる順序で実施され、依然として、望ましい結果を達成することができる。
【0179】
故に、請求項は、本明細書に示される実施形態に限定されることを意図されず、本明細書に開示される本開示、原理、および新規の特徴と一貫する最も広い範囲を与えられるべきである。