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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-07-05
(45)【発行日】2024-07-16
(54)【発明の名称】加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   F24C 15/00 20060101AFI20240708BHJP
【FI】
F24C15/00 D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020117268
(22)【出願日】2020-07-07
(65)【公開番号】P2022014745
(43)【公開日】2022-01-20
【審査請求日】2023-06-05
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390010168
【氏名又は名称】東芝ホームテクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石綿 啓介
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-222141(JP,A)
【文献】特開2014-001870(JP,A)
【文献】特開2019-033914(JP,A)
【文献】特表2020-514670(JP,A)
【文献】特開2001-336756(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0092033(US,A1)
【文献】特開2019-124459(JP,A)
【文献】特開2015-034694(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
前記表示手段の表示画面の重ねた位置に設けられ、ユーザからの操作を受け付けるタッチパネルと、
前記タッチパネルへの操作入力により、表示部や表示体を含む画面を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、を備え、
前記表示部は、この上に重なる前記タッチパネルの部位が操作されると、加熱調理器内の被調理物の加熱調理の開始が可能になる調理メニューの表示部と、この上に重なる前記タッチパネルの部位が操作されると、前記調理メニューの表示部の一覧を前記表示手段に表示する調理メニューの項目の表示部と、の少なくとも一方を有し、
前記表示制御手段は、前記表示手段の前記画面における前記調理メニューの表示部と、前記調理メニューの項目の表示部と、の少なくとも一方の表示位置を変更できるように構成され、
前記調理メニューの表示部または前記調理メニューの項目の表示部の上に重なる前記タッチパネルの部位を長押し操作することにより、当該操作された表示部の表示位置が変更可能な状態になり、
前記表示制御手段は、前記画面内における前記調理メニューの表示部の表示位置と、前記調理メニューの項目の表示部の表示位置と、の少なくとも一方を順序付けられて並べており、
前記表示制御手段は、前記画面内における前記調理メニューの表示部の表示位置または前記調理メニューの項目の表示部の表示位置を変更後に、当該変更された表示位置の次に順序付けられた表示位置が前記変更可能な状態になり、当該変更可能な状態の表示位置の表示部を選択するための選択画面を前記表示手段に表示するように構成されるように構成されることを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記タッチパネルへの操作入力により移動した画面である異なる前記画面における前記調理メニューの表示部と、前記調理メニューの項目の表示部の表示位置と、の少なくとも一方を変更できるように構成されることを特徴とする請求項に記載の加熱調理器。
【請求項3】
ネットワーク経由でサーバと相互に各種情報やデータのやり取りを行なう機器通信手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、それぞれの前記画面において前記調理メニューごとに重み付けを行ない、それぞれの前記画面内における前記調理メニューの表示部の前記表示位置が当該重み付けの順に並べられるように前記表示手段を制御し、前記サーバから送信されたレシピ情報の調理メニューが前記それぞれの画面における前記調理メニューよりも重みを付けるように構成され、
さらに前記表示制御手段は、前記表示部の前記表示位置を変更した前記調理メニューに追加の重み付けを行ない、前記サーバから送信されたレシピ情報の調理メニューよりも前記画面に優先して表示されるように構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理の設定等を行う表示画面の利便性を向上させた加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の加熱調理器では、調理の設定等を行う表示画面の表示手段として、例えば文字、数字、写真等をカラー表示できるカラー液晶パネルを設け、当該カラー液晶パネルをタッチパネルとして構成し、例えばユーザが指でタッチパネルをタッチすることで、カラー液晶パネルに表示される画像を選択できるようにすることが行われている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-124459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術において、例えば特許文献1に開示される加熱調理器では、タッチパネルの操作手段がタッチ操作であるため、調理メニューが多く存在して当該調理メニューの一覧が表示手段の一画面に収まらないような場合、例えばこの一覧を複数のページに分けて、ユーザにページを切り替える操作を要求する等の対応が必要なことがある一方で、これらの調理メニューの表示位置を所望の位置に変更するための手段がないため、ユーザにとって所望の調理のメニューを選択するための操作が不便になることがあった。
【0005】
また、これを選択することによりその項目やそのカテゴリの調理メニューの一覧が表示される調理のメニューの項目を選択する場合も同様であり、特に調理のメニューの項目の一覧から1つを選択するとさらに他の調理のメニューの項目の一覧が表示されるような多階層の構成の場合、深い階層の調理のメニューの項目を選択するために、ユーザに複数の別な調理のメニューの項目を選択させる操作を要求する等の対応が必要なことがある一方で、これらの調理メニューの項目の表示位置を所望の位置に変更するための手段がないため、ユーザにとって所望の調理のメニューの項目を選択するための操作が不便になることがあった。
【0006】
そこで本発明は、ユーザが好みに合わせて調理メニューまたは調理のメニューの項目の表示位置を入れ替え、変更することが可能な加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の加熱調理器は、表示手段と、前記表示手段の表示画面の重ねた位置に設けられ、ユーザからの操作を受け付けるタッチパネルと、前記タッチパネルへの操作入力により、表示部や表示体を含む画面を前記表示手段に表示させる表示制御手段と、を備え、前記表示部は、この上に重なる前記タッチパネルの部位が操作されると、前記加熱調理器内の被調理物の加熱調理の開始が可能になる調理メニューの表示部と、この上に重なる前記タッチパネルの部位が操作されると、前記調理メニューの表示部の一覧を前記表示手段に表示する調理メニューの項目の表示部と、の少なくとも一方を有し、前記表示制御手段は、前記表示手段の前記画面における前記調理メニューの表示部と、前記調理メニューの項目の表示部と、の少なくとも一方の表示位置を変更できるように構成され、前記調理メニューの表示部または前記調理メニューの項目の表示部の上に重なる前記タッチパネルの部位を長押し操作することにより、当該操作された表示部の表示位置が変更可能な状態になり、前記表示制御手段は、前記画面内における前記調理メニューの表示部の表示位置と、前記調理メニューの項目の表示部の表示位置と、の少なくとも一方を順序付けられて並べており、前記表示制御手段は、前記画面内における前記調理メニューの表示部の表示位置または前記調理メニューの項目の表示部の表示位置を変更後に、当該変更された表示位置の次に順序付けられた表示位置が前記変更可能な状態になり、当該変更可能な状態の表示位置の表示部を選択するための選択画面を前記表示手段に表示するように構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、ユーザが好みに合わせて調理メニューの表示部の表示位置を入れ替え、変更することができ、このユーザにとって画面の操作しやすい表示位置に入れ替え、変更することで使用し易くすることができる。
【0017】
請求項の発明によれば、複数の調理メニューの表示部の表示位置の入れ替えや変更をするために何度も同一の手順を繰り返す必要がなく、ユーザが行なう操作を簡略化でき、また調理メニューの表示部の表示位置または調理メニューの項目の表示部の表示位置の入れ替えや変更のための時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態における加熱調理器の外観斜視図である。
図2】同、加熱調理器における熱風ユニットと、上ヒータ及び下ヒータの内部説明図である。
図3】同、加熱調理器におけるスチームユニットの内部説明図である。
図4】同、加熱調理器の内部構造を示す概略断面図である。
図5】同、電気的構成を示すブロック図である。
図6】同、第1トップ画面が表示された表示手段の正面図である。
図7】同、第2トップ画面が表示された表示手段の正面図である。
図8】同、おすすめの画面に表示されるボタン表示領域および第5メニュー表示領域の主なキー表示部やボタン表示部の状態を示す説明図である。
図9】同、鶏のから揚げのボタン表示部の表示位置を入れ替え、変更して表示手段に表示させるための説明図である。
図10】同、その他の画面が表示された表示手段の正面図である。
図11】同、おすすめの選択画面が表示された表示手段の正面図である。
図12】同、自動調理の選択画面が表示された表示手段の正面図である。
図13】本発明の第5の実施形態における加熱調理器を備えたシステムの全体構成の概略図である。
図14】同、加熱調理器の電気的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明における好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。なお、これらの全図面にわたり、共通する部分には共通する符号を付すものとする。
【0021】
図1図5は、本発明に共通して、加熱調理器をオーブンレンジに適用した一実施形態を示している。先ず図1に基づいて、オーブンレンジの全体構成を説明すると、1は略矩形箱状に構成される本体で、この本体1は、製品となるオーブンレンジの外郭を覆う部材として、金属製のキャビネット2を備えている。また3は、本体1の前面に設けられる開閉自在な扉である。
【0022】
扉3の上部には、縦開きの扉3を開閉するときに手をかける開閉操作用のハンドル4を備えており、扉3の側部には、表示や報知や操作のための操作パネル部5を備えている。操作パネル部5は、調理の設定内容や進行状況などを表示する表示手段6の他に、加熱調理に関する各種の操作入力を可能にするために、例えば操作パネル部5に設けられるキー7や、表示手段6の表面に設けられるタッチパネル8などの操作手段9が配設される。扉3の内部で操作パネル部5の後側には、図示しないが、表示手段6や操作手段9などの制御を行なうために、操作パネルPC(印刷回路)板が配置される。
【0023】
本体1の下部には、本体1の前面より着脱が可能な給水カセット11と水受け12が各々配設される。給水カセット11は、後述する調理室14に入れられた被調理物をスチーム加熱するための液体供給源として、液体となる水を入れる有底状の容器である。また水受け12は、本体1からの食品カスや水滴、蒸気などを受ける有底状の容器である。
【0024】
表示手段6は、例えば加熱の種類や、料理名や、加熱時間や、温度や、調理の写真などの加熱調理に関するあらゆる情報を、文字,数字,記号,写真などでカラー表示するバックライト付きの表示器で、ここではTFT(薄膜トランジスタ)をスイッチング素子として使用した液晶ディスプレイで構成されるが、有機ELなどの他の表示デバイスを用いてもよく、カラー表示に限らず白黒表示でもよい。何れの場合も平板状の表示手段6は、ユーザがオーブンレンジの正面側に位置したときに見やすいように、扉3の一側上方寄りに、キー7よりも高い位置に配設される。
【0025】
キー7は、ユーザからの押動操作を受け付ける押動操作部として、操作パネル部5の表示手段6とは重ならない位置に設けられ、ここではスタートキー7Aと、とりけしキー7Bとにより構成される。スタートキー7Aは、加熱調理を開始するときに押動操作するキーで、とりけしキー7Bは途中で加熱調理をやめるときに、また操作や設定を取り消すときに押動操作するキーである。本実施形態では、スタートキー7Aを必要に応じて点灯または点滅照明するために、LEDなどの照明灯(図示せず)がスタートキー7Aの近傍に配設される。
【0026】
タッチパネル8は、ユーザからのタッチ操作を受け付けるタッチ操作部として、表示手段6の表示画面の重ねた位置に設けられており、例えば透明素材からなる静電容量方式のタッチパネル8では、使用者がタッチパネル8の表面を指でタッチすると、表面電荷が変化して操作信号が出力される構成となっている。なお、ここでは静電容量方式以外に、例えば抵抗膜方式や、表面弾性波方式や、赤外線方式や、電磁誘導方式のタッチパネル8を用いてもよい。また、指に依るタッチパネル8の操作だけでなく、タッチペンなどのペン状物体を用いて操作してもよい。
【0027】
図2図4は、本実施形態におけるオーブンレンジの内部構造を模式的に示している。これらの各図において、調理室14を形成する周壁は、天井壁14aと、底壁14bと、左側壁14cと、右側壁14dと、奥壁14eとからなる。天井壁14aは上方に向けて凸形をなすドーム状である一方で、天井壁14aを除く各壁14b~14eは何れも平坦状に形成される。
【0028】
調理室14の奥壁14eは、その中央に吸込み口16を備えており、吸込み口4の上下には横長の熱風吹出し口17,18を備えている。また、調理室14の天井壁14aには、調理室14の上方から被調理物を加熱する上ヒータ19が埋設され、調理室14の底壁14bには調理室14の下方から被調理物を加熱する下ヒータ20が埋設される。そして左側壁14cには、調理室14の前方上部の位置に、調理室14の温度を検出する庫内温度検出手段15としてのサーミスタが設けられる。
【0029】
図2に示すように、21は本体1の内部において、調理室14の後方に具備される熱風ユニットである。この熱風ユニット21は、空気を加熱する加熱手段としての熱風ヒータ22と、調理室14内に加熱した空気を送り込んで循環させる遠心ファンとしての熱風ファン23と、熱風ファン23を正方向或いは逆方向に回転させる熱風モータ24と、により構成される。
【0030】
熱風ユニット21内の略中央には、吸込み口16に対向して熱風ファン23を具備し、その周囲に熱風ヒータ22を配置しており、熱風モータ24への通電に伴い熱風ファン23が回転駆動すると、調理室14の内部から吸込み口16を通して吸引された空気が熱風ファン23の放射方向に吹き出し、熱風ヒータ22により加熱され、熱風吹出し口17,18を通過して調理室14内に熱風が供給される。これにより、調理室14の内外で熱風を循環させる経路が形成され、調理室14内の被調理物を加熱してオーブン調理する構成となっている。なお、熱風ユニット21は調理室14の後方に取り付けたケース25に収納されている。
【0031】
また前述のように、調理室14には上ヒータ19及び下ヒータ20が設けられており、この上ヒータ19及び下ヒータ20への通電により、上ヒータ19及び下ヒータ20からの赤外線による熱放射が、調理室14内の密閉した空間で発生し、調理室14内の被調理物を加熱してグリル調理する構成となっている。
【0032】
図3に示すように、26は本体1の内部において、調理室14の側方に具備される蒸気発生装置としてのスチームユニットである。このスチームユニット26は、調理室14内に飽和蒸気や過熱蒸気を供給するために、給水カセット11内からの水を送水するポンプ27及び給水管28を介して、スチーム発生器29に連通接続した構成としている。
【0033】
スチーム発生器29は、シーズヒータ31をアルミダイキャスト製で中空の気化室32に埋設し、且つその気化室32に前記給水管28を接続して、気化室32内に供給された水をシーズヒータ31への通電により加熱して、スチームを発生させ、これを調理室14の左側壁14cに形成された複数のスチーム吹出し口33から、調理室14内に供給できるように構成されており、これにより図3の破線で示すようなスチームの流れを調理室14内に発生させ、調理室14内の被調理物を加熱してスチーム調理する構成となっている。
【0034】
図4に示すように、34は調理室14の底壁14bの下方に設けられ、調理室14の下方から被調理物にマイクロ波を照射してレンジ加熱を行なうマイクロ波発生装置である。マイクロ波発生装置34は、マイクロ波を発生させる発生源となるマグネトロン35と、マグネトロン35からのマイクロ波を調理室14の内部に導く導波管36と、導波管36から調理室14にマイクロ波を放射するアンテナ37と、直立した軸38を中心にアンテナ37を水平回転させるACモータ等のアンテナモータ39と、アンテナ37の近傍に取り付けられるマイクロスイッチ40と、を有して構成される。
【0035】
その他、調理室14の底壁14bの下方には、後述する制御手段41が組込まれ、調理室14の右側壁14dの上方には、庫内温度分布検出手段42が組み込まれる。庫内温度分布検出手段42は、赤外線センサ(図示せず)にスイング機構を装備して構成され、調理室14内の温度分布を検出することで、そこに収容される被調理物の温度を検出可能にするものである。
【0036】
図5は、オーブンレンジの主な電気的構成を示している。同図において、41はマイクロコンピュータにより構成される制御手段であり、この制御手段41は周知のように、演算処理手段としてのCPUや、記憶手段としてのメモリや、計時手段としてのタイマや、入出力デバイスなどを備えている。
【0037】
制御手段41の入力ポートには、前述したキー7やタッチパネル8による操作手段9や、庫内温度検出手段15や、庫内温度分布検出手段42の他に、熱風ユニット21に組み込まれた熱風モータ24の回転を検出する熱風モータ回転検出手段43と、扉3の開閉状態を検出する扉開閉検出手段44と、マイクロ波発生装置34を構成するアンテナ37の原点位置を検出するマイクロスイッチ40を備えたアンテナ位置検出手段45と、スチームユニット26を構成する気化室32の温度を検出するサーミスタなどの気化室温度検出手段46が、それぞれ電気的に接続される。
【0038】
制御手段41の出力ポートには、液晶ディスプレイによる表示手段6の他に、マイクロ波発生装置34のマグネトロン35やその駆動手段を含むマイクロ波加熱手段48と、グリル加熱用の上ヒータ19及び下ヒータ20や、オーブン加熱用の熱風ヒータ22や、スチーム加熱用のシーズヒータ31をそれぞれ通断電させるリレーなどのヒータ駆動手段49と、アンテナ37の駆動源となるアンテナモータ39を回転駆動させるためのアンテナ駆動手段50と、熱風ファン23の駆動源となる熱風モータ24を回転駆動させるための熱風モータ駆動手段51と、スチームユニット26のポンプ27を動作させるためのポンプ駆動手段52が、それぞれ電気的に接続される。
【0039】
制御手段41は、操作手段9からの操作信号と、庫内温度検出手段15や、庫内温度分布検出手段42や、熱風モータ回転検出手段43や、扉開閉検出手段44や、アンテナ位置検出手段45や、気化室温度検出手段46からの各検出信号を受けて、計時手段からの計時に基づく所定のタイミングで、何れも加熱手段となるマイクロ波加熱手段48と、ヒータ駆動手段49と、アンテナ駆動手段50と、熱風モータ駆動手段51と、ポンプ駆動手段52に駆動用の制御信号を出力し、また表示手段6に表示用の制御信号を出力する機能を有する。こうした機能は、記憶媒体としての前記メモリに記録したプログラムを、制御手段41が読み取ることで実現するが、特に本実施形態では、制御手段41を加熱制御部61と表示制御部62として主に機能させるプログラムを備えている。
【0040】
加熱制御部61は、主に調理室14に入れられた被調理物への加熱調理に係る各部の動作を制御するもので、操作手段9の操作に伴う操作信号を受け取ると、扉開閉検出手段44からの検出信号により、扉3が閉じていると判断した場合に、その操作信号に応じて、マイクロ波加熱手段48や、ヒータ駆動手段49や、アンテナ駆動手段50や、熱風モータ駆動手段51や、ポンプ駆動手段52に制御信号を送出して、調理室14内の被調理物に対する加熱調理を制御する。本実施形態では、オーブンレンジで加熱調理を行なうことが可能な全てのメニューの調理情報が、前記メモリの一部をなす全メニュー記憶部63に記憶保持されており、加熱制御部61は、全メニュー記憶部63の中から選択された一つのメニューについて、操作手段9から調理開始を指示する操作が行われると、その選択されたメニューの調理情報に従う所定の手順で、被調理物を加熱調理する構成となっている。
【0041】
全調理メニュー記憶部63に記憶されるメニューは、手動調理メニューと自動調理メニューに大別できる。手動調理メニューとは、全メニュー記憶部63の中から選択したメニューについて、スタートキー7Aを操作する前に、タッチパネル8へのタッチ操作により、時間や出力や温度をそれぞれ設定して使用するメニューであり、後述する手動レンジのメニューなどがこれに相当する。また自動調理メニューとは、全メニュー記憶部63の中から選択したメニューについて、時間や出力や温度を設定せずに使用するメニューであり、後述するハンバーグのメニューなどがこれに相当する。
【0042】
表示制御部62は、主に表示手段6の表示に係る動作を制御するもので、特に本実施形態では、液晶ディスプレイとなる表示手段6に様々な画面を切替えて表示させるために、電源投入直後などに表示手段6にトップ画面となる「あたためる」画面や「料理する」画面を選択的に表示させるトップ画面表示制御部62Aや、操作手段9からの操作信号を受けて、表示手段6に表示されたトップ画面から、最終的に選択された一つの調理メニューで加熱調理の開始が可能になるまでの一連の遷移画面を表示させる遷移画面表示制御部62Bなどを備えている。これらのトップ画面表示制御部62Aおよび遷移画面表示制御部62Bが、どのようにして表示手段6に様々な画面を表示させるのかについては、後ほど詳しく説明する。
【0043】
次に、上記構成のオーブンレンジについてその作用を説明すると、予め調理室14内に被調理物を入れた状態で、ハンドル4を手で握りながら扉3を閉め、操作手段9により全メニュー記憶部63の中から、一つのメニューを選択操作した後に、操作手段9のキー7を押して調理開始を指示すると、制御手段41のメモリに組み込まれた制御用のプログラムに従って、選択したメニューの調理情報に対応して生成された制御信号が所定のタイミングで出力され、被調理物が加熱調理される。
【0044】
ここで、例えばオーブン加熱を行なうメニューを選択した場合、加熱制御部61は庫内温度検出手段15からの検出信号を受けて、調理室14内が設定した温度に加熱されるように、ヒータ駆動手段49と熱風モータ駆動手段51に各々制御信号を送出し、熱風ヒータ22と熱風モータ24の通断電を制御する。これにより、熱風モータ24に発生した回転力が熱風ファン23に伝達し、熱風ファン23が熱風ユニット21の内部で一方向に回転して、その速度は熱風モータ回転検出手段43により加熱制御部61に取り込まれると共に、調理室14から吸込み口16を通して熱風ユニット21の内部に吸込んだ空気を、通電した熱風ヒータ22側に送り出し、ここで加熱された空気が熱風吹出し口17,18を通して調理室14に熱風として供給することで、調理室14内の被調理物が熱風コンベクション加熱される。
【0045】
また、スチームを使った蒸し調理(スチーム調理)を行なうメニューを選択した場合、加熱制御部61は気化室温度検出手段46からの検出信号を受けて、気化室32が所定の温度となるように、少なくともヒータ駆動手段49とポンプ駆動手段52に各々制御信号を送出して、スチームユニット26に組み込まれたポンプ27の動作と、シーズヒータ31の通断電を制御する。これにより、スチーム吹出し口33から調理室14内に飽和蒸気や過熱蒸気を噴出させ、調理室14内の被調理物を蒸し上げる。
【0046】
また、レンジ調理を行なうメニューを選択した場合、加熱制御部61は庫内温度分布検出手段42からの検出信号を受けて、被調理物が設定した温度に加熱されるように、アンテナ位置検出手段45からの検出信号で、アンテナ37の原点位置を確認しながら、マイクロ波加熱手段48とアンテナ駆動手段50に適切な制御信号をそれぞれ送出する。これにより、マイクロ波発生装置34のマグネトロン35やアンテナ37が動作して、回転するアンテナ37の表面から発生したマイクロ波が調理室14内に供給され、調理室14内の被加熱物が高周波加熱される。
【0047】
さらに、グリル調理を行なうメニューを選択した場合、加熱制御部61は庫内温度検出手段42からの検出信号を受けて、調理室14内が設定した温度に加熱されるように、上ヒータ19や下ヒータ20の通断電が制御され、調理室14内の被調理物が上下方向からグリル加熱される。
【実施例1】
【0048】
次に、操作パネル部5の表示や操作について、図6図9を参照して詳しく説明する。なお以下の説明で、「タブ表示部」とは、この上でタッチパネル8をタップ操作した場合に、そのタブ表示部に関する詳細情報が表示手段6に表示され、他のタブ表示部は引き続き表示手段6に表示されるものの、その詳細情報は非表示になる表示部分であり、「ボタン表示部」とは、この上でタッチパネル8をタップ操作した場合に、表示手段6の画面全体または画面の一部が別なものに切替わって表示される表示部分であり、「リスト表示部」とは、この上でタッチパネル8をタップ操作した場合に、そのリスト表示部で選択できる項目の一覧が表示手段6に表示され、そこから一つの項目の上でタッチパネル8をタップ操作すると、タッチした項目が選択設定されて、その項目だけが表示手段6に表示される表示部分であり、「ピッカー表示部」とは、この上でタッチパネル8をスライド操作した場合に、そのピッカー表示部で選択できる項目の一覧がスクロールして表示され、スクロールが停止した時点で選択設定された項目が中央に表示される表示部分であり、「キー表示部」とは、この上でタッチパネル8をタップ操作するたびに、前述のピッカー表示部に表示される項目のリストが、一つずつ切替わるように表示させる表示部分である。
【0049】
また「テキスト表示体」とは、文字や数字や記号などの文字列で表した表示体であり、「アイコン表示体」とは、物事を簡単な絵柄で記号化して表した表示体であり、「画像表示体」とは、撮影装置などで撮影された写真や、絵画で描き出された表示体である。
【0050】
本実施形態では、ユーザからタッチパネル8への様々な操作入力により、こうした表示部や表示体を含む様々な画面が表示手段6に表示されるような仕組み、すなわちUI(ユーザインターフェース)を表示制御部62に組み込んでいる。表示制御部62は、表示手段6に表示される画面上でのタッチ操作として、必要に応じてタップ操作やスライド操作を受け付ける。ここでいう「タップ操作」とは、指で画面上のタッチパネル8をタッチし、すぐに指を離す操作であり、「スライド操作」とは、指で画面上のタッチパネル8をタッチし、そこから指を滑らせる操作である。表示制御部62が受け付ける「スライド操作」は、指で画面上のタッチパネル8をタッチしたまま、指を一方向に滑らせるスワイプや、指で画面上のタッチパネル8をタッチし、そこから指を払うように滑らせるフリックを含む。
【0051】
図6は、電源投入直後に表示手段6に表示される初期画面として、普段使いの第1トップ画面G1を示している。ユーザが予め本体1に設けた電源プラグ(図示せず)を家庭用のコンセントに差し込んだ後に、閉じた状態の扉3を開けると、表示手段6や制御手段41などの各部に必要な電源(電力)が投入される。このときトップ画面表示制御部62Aは、図6に示すような第1トップ画面G1を表示手段6にデフォルト表示させる。ここでいう「デフォルト表示」とは、表示手段6に電源が投入された直後の、操作手段9に何等かの操作が加えられる前に、トップ画面表示制御部62Aで予め設定した表示手段6に最初に現れる表示である。
【0052】
第1トップ画面G1はいわゆるタブ形式の画面で、その上部には、「あたためる」というテキスト表示体D1を含むタブ表示部B1と、「料理する」というテキスト表示体D2を含むタブ表示部B2と、オーブンレンジの各種設定を想起させるアイコン表示体D3を含むタブ表示部B3と、を左右に並べて表示したタブ表示領域A1が形成される。また、タブ表示領域A1の下側には、タブ表示領域A1の中で選択されたタブ表示部B1に含まれる詳細情報として、全メニュー記憶部63に記憶される複数の加熱機能となるメニューの中から、特に使用頻度が最も高いと想定される一つのメニューとして選択された手動レンジのメニューについて、そのメニューの調理情報に含まれているマイクロ波加熱手段48による複数の設定可能な出力の中から、最もよく使うと想定される600Wの出力を設定した状態を、最初にデフォルト表示した第1メニュー表示領域M1と、同じく全メニュー記憶部63に記憶される複数のメニューの中から選択された、手動レンジのメニューに続いて使用頻度が高いと想定されるレンジ加熱に関するメニューを含んだ幾つかのメニューについて、それらのメニューが選択操作できるようにデフォルト表示する第2メニュー表示領域M2が、それぞれ上下に並んで形成される。
【0053】
第1メニュー表示領域M1には、レンジ加熱の出力設定を可能にする出力設定表示領域と、レンジ加熱の時間設定を可能にする時間設定表示領域が、それぞれ上下に並んで形成される。出力設定時間領域は、レンジ加熱の設定された出力を示すテキスト表示体D4や、テキスト表示体D4に設定可能な出力の一覧を表示させることを想起させるアイコン表示体D5を含むリスト表示部B4により構成され、図6に示すように、表示手段6に第1トップ画面G1をデフォルト表示させた状態では、最初にレンジ加熱の出力が600Wに設定されているのを示すために、「レンジ600W」なるテキスト表示体D4がリスト表示部B4に表示される。
【0054】
また、第1メニュー表示領域M1の時間設定表示領域には、レンジ加熱の設定された時間を回転可能に表示させるドラムロール状の表示部として、設定された10分桁の数字を示すテキスト表示体D6を含むピッカー表示部B6と、設定された1分桁の数字を示すテキスト表示体D7を含むピッカー表示部B7と、テキスト表示体D6、D7に表示される数字が、分の時間であることを想起させる「分」なるテキスト表示体D8と、設定された10秒桁の数字を示すテキスト表示体D9を含むピッカー表示部B9と、テキスト表示体D9に表示される数字が、秒の時間であることを想起させる「秒」なるテキスト表示体D10が、左から右へ順に並べて配置される。また図6に示す第1トップ画面G1のデフォルト表示の状態では、ピッカー表示部B6の上方に、テキスト表示体D6に表示される10分桁の数字の増加を想起させるアイコン表示体D11を含む上キー表示部B11が配置され、ピッカー表示部B7の上方に、テキスト表示体D7に表示される1分桁の数字の増加を想起させるアイコン表示体D12を含む上キー表示部B12が配置され、ピッカー表示部B9の上方に、テキスト表示体D9に表示される10秒桁の数字の増加を想起させるアイコン表示体D13を含む上キー表示部B13が配置される。またピッカー表示部B6の下方に、テキスト表示体D6に表示される10分桁の数字の減少を想起させるアイコン表示体D14を含む下キー表示部B14が配置され、ピッカー表示部B7の下方に、テキスト表示体D7に表示される1分桁の数字の減少を想起させるアイコン表示体D15を含む下キー表示部B15が配置され、ピッカー表示部B9の下方に、テキスト表示体D9に表示される10秒桁の数字の増加を想起させるアイコン表示体D16を含む上キー表示部B16が配置される。
【0055】
一方、第2メニュー表示領域M2には、「ごはん」というテキスト表示体D21や、ごはんの自動調理メニューを想起させるアイコン表示部D22を含むボタン表示部B21と、「おかず」というテキスト表示体D23や、おかずの自動調理メニューを想起させるアイコン表示部D24を含むボタン表示部B23と、「パン・他」というテキスト表示体D25や、パンの自動調理メニューを想起させるアイコン表示部D26を含むボタン表示部B25と、「のみもの」というテキスト表示体D27や、のみものの自動調理メニューを想起させるアイコン表示部D28を含むボタン表示部B27と、「ゆで野菜」というテキスト表示体D29や、ゆで野菜の自動調理メニューを想起させるアイコン表示部D30を含むボタン表示部B29と、「解凍」というテキスト表示体D31や、解凍の自動調理メニューを想起させるアイコン表示部D32を含むボタン表示部B31が、それぞれ縦横に並べて表示される。
【0056】
図7は、前述の第1トップ画面G1との間で、左右のスライド操作により簡単に切替え表示が可能な第2トップ画面G2を示している。この第2トップ画面G2は、表示手段6に第1トップ画面G1が表示される状態で、第1メニュー表示領域M1または第2メニュー表示領域M2に重なるタッチパネル8の部位を左方向にスライド操作するか、或いはタブ表示領域A1において、「料理する」と表示されたタブ表示部B2に重なるタッチパネル8の部位をタップ操作することで、表示手段6に表示される。
【0057】
第2トップ画面G2は、第1トップ画面G1とタブ表示領域A1の表示が共通するタブ形式の画面であり、タブ表示領域A1の中で「あたためる」のタブ表示部B1の右側に位置する「料理する」のタブ表示部B2を選択した状態で表示される。タブ表示領域A1の下側には、タブ表示領域A1の中で選択されたタブ表示部B2に含まれる詳細情報として、全メニュー記憶部63に記憶される複数の加熱機能となるメニューの中から、第1トップ画面G1の第1メニュー表示領域M1に表示される手動レンジのメニューや、第2メニュー表示領域M1に表示される他の自動調理メニュー以外で、使用頻度が比較的高いと想定される手動調理メニューの選択操作ができるように表示する第3メニュー表示領域M3と、同じく使用頻度が比較的高いと想定される自動調理メニューの選択操作ができるように表示する第4メニュー表示領域M4が、それぞれ上下に並んで形成される。
【0058】
第3メニュー表示領域M3には、この領域が手動調理のメニューの項目に関係することを示す「手動調理」というテキスト表示体D40が左上に表示され、他に「オーブン」というテキスト表示体D41や、オーブン加熱による手動調理メニューを想起させるアイコン表示部D42を含むボタン表示部B41と、「グリル」というテキスト表示体D43や、グリル加熱による手動調理メニューを想起させるアイコン表示部D44を含むボタン表示部B43と、「蒸し」というテキスト表示体D45や、蒸し(スチーム)加熱の手動調理メニューを想起させるアイコン表示部D46を含むボタン表示部B45と、「その他」というテキスト表示体D47や、その他の主な手動調理メニューを想起させるアイコン表示部D48を含むボタン表示部B47が、それぞれ縦横に並べて表示される。
【0059】
第4メニュー表示領域M4には、この領域が自動調理のメニューに関係することを示す「自動調理」というテキスト表示体D50が左上に表示され、他に「石窯おまかせ焼き」というテキスト表示体D51や、オーブン加熱による自動調理メニューを想起させるアイコン表示部D52を含むボタン表示部B51と、「おすすめ」というテキスト表示体D53や、おすすめの自動調理メニューの呼出しを想起させるアイコン表示部D54を含むボタン表示部B53と、「お気に入り」というテキスト表示体D55や、お気に入りの自動調理メニューの呼出しを想起させるアイコン表示部D56を含むボタン表示部B55と、「料理集検索」というテキスト表示体D57や、自動調理メニューの検索を想起させるアイコン表示部D58を含むボタン表示部B57が、それぞれ縦横に並べて表示される。
【0060】
なお、表示手段6に表示される第2トップ画面G2を第1トップ画面G1に切替えるには、第3メニュー表示領域M3または第4メニュー表示領域M4に重なるタッチパネル8の部位を右方向にスライド操作するか、或いはタブ表示領域A1において、「あたためる」と表示されたタブ表示部B1に重なるタッチパネル8の部位をタップ操作すればよい。
【0061】
図6に示すように、表示手段6に電源を投入した直後は、トップ画面表示制御部62Aが、タブ表示領域A1の中で最も左側に位置する「あたためる」のタブ表示部B1を選択した状態の第1トップ画面G1を、表示手段6に表示させる。この「あたためる」が選択された第1トップ画面G1では、「あたためる」のタブ表示部B1が、選択されていない「料理する」のタブ表示部B2よりも明るい色で表示される。また、ユーザの使用頻度が最も高いと想定される加熱機能として、全メニュー記憶部63に記憶される全てのメニューの中から、手動レンジのメニューが既に選択され、且つその出力が手動レンジのメニューで最もよく使うと想定される600Wに設定されていて、後はユーザからの操作で時間の設定だけが必要であることを示した第1メニュー表示領域M1と、手動レンジのメニューの次にユーザの使用頻度が高いと想定される加熱機能として、全メニュー記憶部63に記憶される全てのメニューの中から、主にマイクロ波加熱手段48により被調理物をレンジ加熱して調理する複数の自動調理メニューを操作選択できるように示した第2メニュー表示領域M2が、それぞれデフォルト表示される。
【0062】
ここからユーザが、第1メニュー表示領域M1に表示される手動レンジのメニューを利用して、調理室14に入れられた被調理物を加熱調理する場合は、必要に応じてレンジ加熱の出力を最初に設定された600W以外に変更する操作を行なった後に、レンジ加熱の時間を設定する操作を行なえば、次にスタートキー7Aを操作するだけで、設定した出力と時間でマイクロ波加熱手段48による被調理物へのレンジ加熱が可能になる。
【0063】
具体的には、レンジ加熱の出力をリスト表示部B4にデフォルト表示された「レンジ600W」以外に変更する場合は、リスト表示部B4の右端に表示されるアイコン表示体D5に重なるタッチパネル8の部位をタップ操作する。これを受けてトップ画面表示制御部62Aは、図示しないが表示手段6に表示されるリスト表示部B4の表示領域を広げて、そこに手動レンジのメニューで選択できる出力を、例えば「1000W」,「600W」,「500W」,「200W」,「100W」のように、一覧で表示させる。この中で、一つの出力に重なるタッチパネル8の部位がタップ操作されると、トップ画面表示制御部62Aはタッチした部位に対応した出力を、手動レンジのメニューの新たな出力として設定し、リスト表示部B4の表示領域を元の大きさに戻して、そこに新たに設定された出力だけを表示させる。
【0064】
次に、レンジ加熱の時間設定について説明する。本実施形態では、表示手段6に表示される第1トップ画面G1で、レンジ加熱の時間のような数値の設定を、タッチパネル8へのスライド操作とタップ操作の両方で行えるようなUIを、予め表示制御部62のトップ画面表示制御部62Aに組込んでいる。
【0065】
ピッカー表示部B6,B7、B9に表示されているレンジ加熱の設定時間の数値を増加させるには、増加させたい数値を表示したピッカー表示部B6,B7、B9に重なるタッチパネル8の部位を、上方向にスライド操作するか、増加させたい数値を表示したピッカー表示部B6,B7、B9の上方で、対応する上キー表示部B11,B12,B13に重なるタッチパネル8の部位を、タップ操作すればよい。逆に、レンジ加熱の設定時間の数値を減少させるには、減少させたい数値を表示したピッカー表示部B6,B7、B9に重なるタッチパネル8の部位を、下方向にスライド操作するか、減少させたい数値を表示したピッカー表示部B6,B7、B9の下方で、対応する下キー表示部B14,B15,B16に重なるタッチパネル8の部位を、タップ操作すればよい。いずれもスライド操作した場合には、その操作量に応じて、ピッカー表示部B6,B7、B9に表示される数値の項目が、一または複数連続して回転するように移動して増加または減少し、タップ操作した場合には、1回のタップ操作で、ピッカー表示部B6,B7、B9に表示される数値の項目が、一つずつ回転するように移動して増加または減少する。
【0066】
これによりユーザは、レンジ加熱の時間のようなオーブンレンジの制御に関する数値を設定する際に、スライド操作とタップ操作の中で操作しやすい方を自由に選択できる。またこれは、時間や温度などの数値の設定に限らず、複数の項目からの設定にも同様に適用できる。例えば一つのメニューに関係する画面に、次の画面に遷移させる「次へ」と表示された第1ボタン表示部や、前の画面に遷移させる「戻る」と表示された第2ボタン表示部を併設させ、それぞれの画面を複数の項目として、ボタン表示部に重なるタッチパネル8の部位をタップ操作するか、或いは表示される画面に重なるタッチパネル8の部位をスライド操作することで、表示制御部がこうしたタップ操作やスライド操作を受け付けて、別な画面に表示変更できる設定にしてもよい。
【0067】
図1にも示したように、扉3の上部水平方向に延在するハンドル4は、表示手段6の表示画面よりも上方に位置しないように配設される。つまり、表示手段6の鉛直(上下)方向の上側には、扉3を開閉させるためのハンドル4が形成されておらず、表示手段6の鉛直方向の上側で、表示手段6の平坦な表面よりも突出した凸状部を設けないようにする。これにより、ユーザがオーブンレンジを斜め上から見たときに、ハンドル4が邪魔にならずに視認性が良く、特にユーザが表示手段6の表面で、下から上の方向にスライド操作を行ったときに、指やペン状物体がハンドル4にぶつからない利点がある。
【0068】
また、表示手段6の鉛直方向の上側のみならず、表示手段6の水平(左右)方向にも、凸状のハンドル4を形成しないようにする。これにより、ユーザが表示手段6の表面で左右にスライド操作を行なったときに、指やペン状物体がハンドル4にぶつからなくなる。
【0069】
図6で具体的に説明すると、正面視で矩形状の外形を有する表示手段6の各辺に沿った第1~第4仮想線L1~L4を示しているが、好ましくは上下の第1および第2仮想線L1,L2の延長線上と、左右の第3および第4仮想線L3、L4の延長線上で、それぞれの延長線の間に凸状のハンドル4を配置しないようにすれば、ユーザが表示手段6の表面で、上下左右のどの方向にスライド操作した場合でも、指やペン状物体がハンドル4にぶつからなくなる。さらに、それぞれの延長線の間に表示手段6よりも突出した凸状の部位が一切ないことが好ましい。
【0070】
図8は、「おすすめ」の画面G3を示している。この「おすすめ」の画面G3は、前述の第2トップ画面G2において、「おすすめ」と表示されたボタン表示部B53に重なるタッチパネル8の部位をタップ操作することで、表示手段6に表示される。「おすすめ」の画面G3は、選択できる項目である自動調理メニューの一覧が表示手段6に表示される、いわゆるリスト形式の画面で、その上部には、前段の画面に戻ることを想起させる「<」のアイコン表示体D61を含む戻る表示部B61と、「おすすめ」というテキスト表示体D62と、を左右に並べて表示したボタン表示領域A2が形成される。また、ボタン表示領域A2の下側には、「おすすめ」の画面G3に含まれる詳細情報として、全メニュー記憶部63に記憶される複数の加熱機能となるメニューの中から、使用頻度が比較的高いと想定される自動調理メニューの選択操作ができるように表示する第5メニュー表示領域M5が形成される。
【0071】
第5メニュー表示領域M5には、ハンバーグの写真の画像表示体D63や、「ハンバーグ」というテキスト表示体D64や、白い縁取りのハートマークを想起させるアイコン表示部D91を含むボタン表示部B63と、トマト煮込みハンバーグの写真の画像表示体D65や、「トマト煮込みハンバーグ」というテキスト表示体D66や、白い縁取りのハートマークを想起させるアイコン表示部D92を含むボタン表示部B65と、鳥の照り焼きの写真の画像表示体D67や、「鳥の照り焼き」というテキスト表示体D68や、白い縁取りのハートマークを想起させるアイコン表示部D93を含むボタン表示部B67と、鶏肉のトマトソース焼きの写真の画像表示体D69や、「鶏肉のトマトソース焼き」というテキスト表示体D70や、白い縁取りのハートマークを想起させるアイコン表示部D94を含むボタン表示部B69と、塩鮭の写真の画像表示体D71や、「塩鮭」というテキスト表示体D72や、白い縁取りのハートマークを想起させるアイコン表示部D95を含むボタン表示部B71と、塩さばの写真の画像表示体D73や、「塩さば」というテキスト表示体D74や、白い縁取りのハートマークを想起させるアイコン表示部D96を含むボタン表示部B73と、海鮮パエリアの写真の画像表示体D75や、「海鮮パエリア」というテキスト表示体D76や、白い縁取りのハートマークを想起させるアイコン表示部D97を含むボタン表示部B75と、焼きそばの写真の画像表示体D77や、「焼きそば」というテキスト表示体D78や、白い縁取りのハートマークを想起させるアイコン表示部D98を含むボタン表示部B77と、鶏のから揚げの写真の画像表示体D79や、「鶏のから揚げ」というテキスト表示体D80や、白い縁取りのハートマークを想起させるアイコン表示部D99を含むボタン表示部B79と、焼き野菜カレーの写真の画像表示体D81や、「ごちそう焼き野菜カレー」というテキスト表示体D82や、白い縁取りのハートマークを想起させるアイコン表示部D100を含むボタン表示部B81と、ロールキャベツの写真の画像表示体D83や、「巻かないロールキャベツ」というテキスト表示体D84や、白い縁取りのハートマークを想起させるアイコン表示部D101を含むボタン表示部B83と、肉じゃがの写真の画像表示体D85や、「肉じゃが」というテキスト表示体D86や、白い縁取りのハートマークを想起させるアイコン表示部D102を含むボタン表示部B85とが、それぞれ縦横に並べられる。
【0072】
ここで、白い縁取りのハートマークを想起させるアイコン表示部D91~D102に重なるタッチパネル8の部位をタップ操作すると、タップ操作されたハートマークのアイコン表示部の表示が、白い縁取りで内部が全塗りのハートマークを想起させるアイコン表示部に変更され、併せてタップ操作されたアイコン表示部のボタン表示部が、別画面である「お気に入り」の画面(図示せず)に登録されるように、遷移画面表示制御部62Bが表示手段6を制御している。
【0073】
また本実施形態ではボタン表示部が順序付けられて並べられており、上に行くほど使用頻度が高く、また左に行くほど使用頻度の高いと想定されるボタン表示部が並べられるように遷移画面表示制御部62Bが表示手段6を制御しており、具体的には、(1)~(12)の表示位置の順に使用頻度の高いと想定されるボタン表示部が並べられるように制御される。例えば図8の第5メニュー表示領域M5では、表示位置(1)に表示される「ハンバーグ」のボタン表示部B63が最も使用頻度が高いと想定されており、次いで、表示位置(2)に表示される「トマト煮込みハンバーグ」のボタン表示部B65、表示位置(3)に表示される「鳥の照り焼き」のボタン表示部B67の順に使用頻度が高いと想定されている。なお、この配列順は一例であり、他の配列順が採用されてもよい。
【0074】
図8の説明に戻ると、点線の枠Cで囲われた範囲が、表示手段6で表示可能な一画面となる。遷移画面表示制御部62Bは、表示手段6に表示させる調理レシピや使い方などの情報が表示手段6の一画面の枠Cに収まらない場合には、タッチパネル8からのスライド操作(スワイプやフリック)を受け付ける。そして、ユーザが指やペン状物体でこうしたスライド操作をタッチパネル8に行なうと、タッチパネル8からの操作信号を受けて、遷移画面表示制御部62Bは表示手段6に表示させる情報をスライドした方にスクロールさせる制御を行なう。
【0075】
具体的には、遷移画面表示制御部62Bは、「おすすめ」の画面G3を表示手段6に表示させたときに、その画面情報が表示手段6の一画面に収まらないと判断すると、タッチパネル8からのスライド操作を受け付ける。図8の枠Cに示されるように、表示手段6には、ボタン表示領域A2と、第5メニュー表示領域M5の最初から一部までと、が表示されるが、後述するように、ユーザが例えば指Fでタッチパネル8の第5メニュー表示領域M5に重なるタッチパネル8の部位をタッチし、そこから下方向に指を滑らせるスワイプ操作を行なうと、これを感知した遷移画面表示制御部62Bが、指Fの動きに合わせて表示手段6に表示させる自動調理メニューの一覧情報を下方向にスクロールさせる。これによりユーザは、自動調理メニューの一覧情報の全体を表示手段6で視認することができる。また画面情報が下方向にスクロールされた状態で、逆に上方向にスワイプ操作を行なうと、これを感知した遷移画面表示制御部62Bがこれを受け付けて、表示手段6に表示させる自動調理メニューの一覧情報を上方向にスクロールさせる。これによりユーザは、自動調理メニューの一覧情報の全体を表示手段6で見返すことができる。こうして本実施形態では、例えばスマートフォンなどで使い慣れたUIをオーブンレンジのタッチパネル8に対してそのまま使用することができ、スワイプ操作により、表示画面6に収まらない各種情報をスクロール表示させて隅々まで確認することができる。
【0076】
次に図9を参照して、上記構成のオーブンレンジについて、自動調理メニューの表示位置の入れ替えや変更について説明する。図9(A)~(F)は、本体1において、電源を投入して表示手段6に第1トップ画面G1表示されてから、調理メニューのボタン表示部の表示位置を変更するまでの流れを示した説明図である。
【0077】
「おすすめ」の画面G3の第5メニュー表示領域M5に表示される調理メニューはメニュー数が多いため、図8の枠Cに示されるように表示手段6の一画面に表示可能な調理メニューのボタン表示部の数には限りがある。そのため例えば、「鶏のから揚げ」の調理メニューを普段から頻繁に使用するユーザは、スワイプ操作により「鶏のから揚げ」のボタン表示部B79の表示位置(9)まで表示手段6をスクロール表示させる必要があり、手間であった。そこで本実施形態では、「鶏のから揚げ」のボタン表示部B79の表示位置を、表示位置(9)から表示位置(1)に移動させ、「おすすめ」の画面G3に最初に表示される表示位置に変更することを可能にしており、このユーザにとって使用し易くしている。
【0078】
図9(A)に示すように、トップ画面表示制御部62Aが第1トップ画面G1を表示手段6に表示させているときに、「料理する」のボタン表示部B2に重なるタッチパネル8の部位に指Fでタップ操作を行なうと、図9(B)に示すように、遷移画面表示制御部62Bはタッチパネル8からの操作信号を受けて、第2トップ画面G2を表示手段6に表示させる制御を行なう。その後、第2トップ画面G2で「おすすめ」のボタン表示部B53に重なるタッチパネル8の部位に指Fでタップ操作を行なうと、図9(C)に示すように、遷移画面表示制御部62Bはタッチパネル8からの操作信号を受けて、「おすすめ」の画面G3を表示手段6に表示させる制御を行なう。
【0079】
「おすすめ」の画面G3を表示手段6に表示させているときに、図9(C)に示すように、第5メニュー表示領域M5において、タッチパネル8に指Fで上方向にスライド操作を行なうと、タッチパネル8からの操作信号を受けて、図9(D)に示すように、遷移画面表示制御部62Bは表示手段6に上方向にスクロールさせる制御を行なう。
【0080】
ここで、下から2段目の位置である表示位置(9)に表示される「鶏のから揚げ」のボタン表示部B79を、最も使用頻度の高いと想定される「ハンバーグ」のボタン表示部B63の表示位置である表示位置(1)に変更する場合、図9(D)に示される「おすすめ」の画面G3で、「鶏のから揚げ」のボタン表示部B79に重なるタッチパネル8の部位に指Fで所定の時間タッチし続ける、いわゆる長押し操作を行なうと、タッチパネル8からの操作信号を受けて、ボタン表示部の表示を変更させるように遷移画面表示制御部62Bが表示手段6の制御を行ない、このボタン表示部の表示位置が変更可能な状態になったことをユーザに知らせる。本実施形態では説明のために図9(E)に示されるように、「鶏のから揚げ」のボタン表示部B79の外縁に四角い枠Sを表示するように遷移画面表示制御部62Bが表示手段6を制御しているが、本発明ではこれに限定されず、当該ボタン表示部B79が他のボタン表示部とは別な表示になるように遷移画面表示制御部62Bが表示手段6を制御すればよく、例えばボタン表示部B79全体を暗く表示する、配色を薄めて表示する、あるいは点滅表示するように遷移画面表示制御部62Bが表示手段6を制御してもよい。
【0081】
「鶏のから揚げ」のボタン表示部B79の表示位置が変更可能な状態になったあとも、ユーザは指Fでタッチパネル8にタッチし続けており、この状態で指Fを上方向にスライド操作すると、これを感知した遷移画面表示制御部62Bが、指Fの動きに合わせて「鶏のから揚げ」のボタン表示部B79を上方向にスライドさせるように表示手段6を制御する。また、この状態で指Fを第1~第4仮想線L1~L4の近傍に移動させると、これを感知した遷移画面表示制御部62Bが、指Fの近傍にある第1~第4仮想線L1~L4の方向に第5メニュー表示領域M5の表示をスライドさせるように表示手段6を制御する。例えば、上述した状態で指Fをタッチパネル8の上方向にスライドさせ、指Fが第1仮想線L1近傍にあることをタッチパネル8が感知すると、遷移画面表示制御部62Bが第1仮想線L1の方向、すなわち上方向に第5メニュー表示領域M5の表示をスライドさせるように表示手段6を制御する。
【0082】
図9(E)に示されるように、「鶏のから揚げ」のボタン表示部B79を上方向にスライドさせて表示位置(1)まで移動させた後で、ユーザが指Fをタッチパネル8から離すと、遷移画面表示制御部62Bは「鶏のから揚げ」のボタン表示部B79の表示位置が表示位置(1)になるように表示手段6を制御し、併せて四角い枠Sの表示が消えるように表示手段6を制御する。またそれに併せて、「ハンバーグ」のボタン表示部B63が表示位置(2)に移動し、「トマト煮込みハンバーグ」のボタン表示部B65が表示位置(3)に移動し、というように、順序付けられた並びで1つ後の表示位置に移動し、1つずつ表示位置がずれるように遷移画面表示制御部62Bが表示手段6を制御する。そして「焼きそば」のボタン表示部B77が移動前の「鶏のから揚げ」のボタン表示部B79の表示位置である表示位置(9)に移動した後、「鶏のから揚げ」のボタン表示部B79より使用頻度が低いと想定される3つのボタン表示部B81,B83,B85は、当該表示位置の変更前のそれぞれの表示位置である表示位置(10),(11),(12)から移動しないように遷移画面表示制御部62Bが表示手段6を制御している。このような構成により、ユーザが好みに合わせて自動調理メニューのボタン表示部B63~B85の表示位置を入れ替え、変更することができ、このユーザにとって「おすすめ」の画面G3の操作しやすい表示位置に入れ替え、変更することで使用し易くすることができる。また例えば、スマートフォンなどで使い慣れたUIをオーブンレンジのタッチパネル8に対してそのまま使用して、スマートフォンのトップ画面でアプリのアイコンを移動するような感覚で操作することができ、またパソコンのデスクトップのアイコンを移動するような感覚で操作することができる。
【0083】
なお、「鶏のから揚げ」のボタン表示部B79の表示位置が変更可能な状態になったあとで、例えばユーザが指Fをタッチパネル8から一旦離し、移動先の表示位置(1)に重なるタッチパネル8の部位に指Fで所定の時間長押し操作を行なうと、上述のように遷移画面表示制御部62Bは「鶏のから揚げ」のボタン表示部B79の表示位置が表示位置(1)になるように表示手段6を制御する、いわゆる「コピーアンドペースト」でボタン表示部の表示位置を変更できるように構成してもよく、このような構成でも、ユーザが好みに合わせて自動調理メニューのボタン表示部B63~B85の表示位置を入れ替え、変更することができ、このユーザにとって「おすすめ」の画面G3の操作しやすい表示位置に入れ替え、変更することで使用し易くすることができる。
【0084】
また本実施形態では、例えば一週間や10日など、所定の期間だけ調理メニューのボタン表示部の一覧が表示手段6に表示されず、当該一覧がユーザに使用されなかったと表示制御部62が判断した場合、表示制御部62は、当該一覧のボタン表示部の表示位置を初期の表示位置に戻すように表示手段6を制御しており、前述の場合を例にすると、所定の期間だけ「おすすめ」の画面G3が表示手段6に表示されず、「おすすめ」の画面G3がユーザに使用されなかったと表示制御部62が判断した場合、表示制御部62は、「鶏のから揚げ」のボタン表示部B79の表示位置を表示位置(9)に移動し、それぞれのボタン表示部B63~B85の表示位置を初期の表示位置である表示位置(1)~(12)に戻すように表示手段6を制御している。そのため、長期間使用していない調理メニューのボタン表示部の一覧ではボタン表示部が初期の表示位置にあり、ユーザがボタン表示部の表示位置を探し出すことを容易にしている。
【0085】
以上のように本実施形態の加熱調理器としてのオーブンレンジの本体1では、表示手段6と、表示手段6の表示画面の重ねた位置に設けられ、ユーザからの操作を受け付けるタッチパネル8と、タッチパネル8への操作入力により、例えば表示部B1~B85や表示体D1~D102を含む画面としての表示領域A1,A2およびM1~M5を表示手段6に表示させる表示制御手段としての表示制御部62と、を備え、表示部B1~B85は、この上に重なるタッチパネル8の部位が操作されると、オーブンレンジの本体1内の被調理物の加熱調理の開始が可能になる調理メニューの表示部としてのボタン表示部B63~B85と、この上に重なるタッチパネル8の部位が操作されると、例えば調理メニューのボタン表示部B63~B85の一覧を表示手段6に表示する調理メニューの項目の表示部としてのボタン表示部B21~B57と、の少なくとも一方を有し、表示制御部62は、表示手段6の表示領域M3における、ボタン表示部B63~B85の表示位置(1)~(12)を変更できるように構成されている。
【0086】
この場合、ユーザが好みに合わせて自動調理メニューのボタン表示部B63~B85の表示位置(1)~(12)を入れ替え、変更することができ、このユーザにとって「おすすめ」の画面G3の操作しやすい表示位置に入れ替え、変更することで使用し易くすることができる。
【0087】
また本実施形態のオーブンレンジでは、調理メニューのボタン表示部であるボタン表示部B63~B85の上に重なるタッチパネル8の部位を長押し操作することにより、当該操作されたボタン表示部B63~B85の表示位置(1)~(12)が変更可能な状態になるように構成され、例えば、スマートフォンなどで使い慣れたUIをオーブンレンジのタッチパネル8に対してそのまま使用して、スマートフォンのトップ画面でアプリのアイコンを移動するような感覚で操作することができ、またパソコンのデスクトップのアイコンを移動するような感覚で操作することができる。
【実施例2】
【0088】
図6を参照して、第2の実施形態について説明する。図1図9と同様の符号を付したものは同様の動作、作用をするもので説明を省略する。本実施形態のオーブンレンジでは、自動調理メニューの項目や手動調理メニューの項目のボタン表示部の表示位置を変更できるように構成される。
【0089】
図6を参照して具体的に説明すると、第2メニュー表示領域M2では自動調理メニューの項目のボタン表示部が順序付けられて並べられており、第1の実施形態と同様に、上に行くほど使用頻度が高く、また左に行くほど使用頻度の高いと想定されるボタン表示部が並べられるように遷移画面表示制御部62Bが表示手段6を制御しており、具体的には、(21)~(26)の表示位置の順に使用頻度の高いと想定されるボタン表示部が並べられるように制御される。ここで、例えば表示位置(26)に表示される「解凍」のボタン表示部B31の表示位置を表示位置(21)に変更する場合、「解凍」のボタン表示部B31に重なるタッチパネル8の部位に指Fで所定の時間長押し操作を行なうと、第1の実施形態と同様に、タッチパネル8からの操作信号を受けて、「解凍」のボタン表示部B31の外縁に四角い枠Sを表示するように遷移画面表示制御部62Bが表示手段6の制御を行ない、このボタン表示部の表示位置が変更可能な状態になったことをユーザに知らせる。
【0090】
「解凍」のボタン表示部B31の表示位置が変更可能な状態になったあとも、ユーザは指Fでタッチパネル8にタッチし続けており、この状態で表示位置(21)まで移動させた後で、ユーザが指Fをタッチパネル8から離すと、第1の実施形態と同様に、遷移画面表示制御部62Bは「解凍」のボタン表示部B31の表示位置が表示位置(21)になるように表示手段6を制御し、併せて「解凍」のボタン表示部B31の外縁の四角い枠Sの表示が消えるように表示手段6を制御する。またそれに併せて、「ごはん」のボタン表示部B21の表示位置が表示位置(22)に移動し、「おかず」のボタン表示部B23の表示位置が表示位置(23)に移動し、というように、順序付けられた並びで1つ後の表示位置に移動し、1つずつ表示位置がずれるように遷移画面表示制御部62Bが表示手段6を制御する。このような構成により、自動調理メニューの表示位置だけでなく、自動調理メニューの項目の表示位置もスマートフォンのトップ画面でアプリのアイコンを移動するような感覚で操作することができ、またパソコンのデスクトップのアイコンを移動するような感覚で操作することができる。そのため、それぞれの画面G1,G2およびG4の表示項目をユーザが好みに合わせて変更、入れ替えをすることができ、そのユーザが使用し易くすることができる。
【0091】
以上のように本実施形態のオーブンレンジでは、表示部B1~B85は、この上に重なるタッチパネル8の部位が操作されると、例えば調理メニューの表示部B63~B85の一覧を表示手段6に表示する調理メニューの項目の表示部としてのボタン表示部B21~B57を有し、表示制御部62は、表示手段6の表示領域M3におけるボタン表示部B21~B57の、同一画面内としての同一の表示領域M2~M4内の表示位置(21)~(26)、(31)~(34)および(41)~(44)を変更できるように構成されている。
【0092】
この場合、ユーザが好みに合わせて調理メニューの項目のボタン表示部B21~B57の表示位置を入れ替え、変更することができ、このユーザにとってそれぞれの画面G1,G2およびG4の操作しやすい表示位置に入れ替え、変更することで使用し易くすることができる。
【0093】
また本実施形態のオーブンレンジでは、調理メニューの項目のボタン表示部であるボタン表示部B21~B57の上に重なるタッチパネル8の部位を長押し操作することにより、当該操作されたボタン表示部B21~B57の表示位置が変更可能な状態になるように構成され、例えば、スマートフォンなどで使い慣れたUIをオーブンレンジのタッチパネル8に対してそのまま使用して、スマートフォンのトップ画面でアプリのアイコンを移動するような感覚で操作することができ、またパソコンのデスクトップのアイコンを移動するような感覚で操作することができる。
【実施例3】
【0094】
図7および図10を参照して、第3の実施形態について説明する。図1図9と同様の符号を付したものは同様の動作、作用をするもので説明を省略する。本実施形態のオーブンレンジでは、異なる階層に表示される自動調理メニューの項目や手動調理メニューの項目のボタン表示部の表示位置を変更できるように構成される。
【0095】
図10は「その他」の画面G4を示している。この「その他」の画面G4は、前述の第2トップ画面G2において、「その他」と表示されたボタン表示部B47に重なるタッチパネル8の部位をタップ操作することで、表示手段6に表示される。「その他」の画面G4は、選択できる項目である手動調理メニューの項目の一覧が表示手段6に表示される、いわゆるリスト形式の画面で、表示される画面の略下半分には、「その他」の画面G4に含まれる詳細情報として、全メニュー記憶部63に記憶される複数の加熱機能となるメニューの中から、第3メニュー表示領域M3に表示されていない手動調理メニューの項目の選択操作ができるように表示する第6メニュー表示領域M6が形成される。
【0096】
第6メニュー表示領域M6には、この領域が第3メニュー表示領域M3に表示されていない手動調理のメニューの項目に関係することを示す「その他」というテキスト表示体D112が左上に表示され、第6メニュー表示領域M6の画面を閉じて前段の画面に戻ることを想起させる「X」のアイコン表示体D111を含む閉じる表示部B111が右上に表示される。また、テキスト表示体D112や閉じる表示部B111の下方には、「発酵」というテキスト表示体D113や、発酵による手動調理メニューを想起させるアイコン表示部D114を含むボタン表示部B114と、「過熱水蒸気」というテキスト表示体D115や、過熱水蒸気による加熱の手動調理メニューを想起させるアイコン表示部D116を含むボタン表示部B116と、「ハイブリッド」というテキスト表示体D117や、過熱水蒸気とグリル加熱とのハイブリッド加熱の手動調理メニューを想起させるアイコン表示部D118を含むボタン表示部B117と、「レンジ煮込み」というテキスト表示体D119や、レンジ加熱を用いた煮込みの手動調理メニューを想起させるアイコン表示部D120を含むボタン表示部B119が、それぞれ縦横に並べて表示される。
【0097】
次に上記構成のオーブンレンジについて、手動調理のメニューの項目の表示位置の入れ替えや変更について説明する。図7に示すように、トップ画面表示制御部62Aが第2トップ画面G2を表示手段6に表示させているときに、「その他」のボタン表示部B47に重なるタッチパネル8の部位に指Fでタップ操作を行なうと、図10に示すように、遷移画面表示制御部62Bはタッチパネル8からの操作信号を受けて、「その他」の画面G4を表示手段6に表示させる制御を行なう。
【0098】
ここで、「その他」の画面G4の第6メニュー表示領域M6で表示位置(37)に表示される「ハイブリッド」のボタン表示部B117を、第2トップ画面G2の第3メニュー表示領域M3で表示位置(31)に表示される「オーブン」のボタン表示部B41の表示位置に変更する場合、図10に示される「その他」の画面G4で、「ハイブリッド」のボタン表示部B117に重なるタッチパネル8の部位に指Fで所定の時間長押し操作を行なうと、タッチパネル8からの操作信号を受けて、「ハイブリッド」のボタン表示部B117の外縁に四角い枠Sを表示するように遷移画面表示制御部62Bが表示手段6を制御する。
【0099】
「ハイブリッド」のボタン表示部B117の外縁に四角い枠Sが表示され、この「ハイブリッド」のボタン表示部B117の表示位置が変更可能な状態になったあと、閉じる表示部B111に重なるタッチパネル8の部位に指Fでタップ操作を行なうと、図7に示すように、トップ画面表示制御部62Aはタッチパネル8からの操作信号を受けて、第2トップ画面G2を表示手段6に表示させる制御を行なう。そして、移動先の表示位置(31)に重なるタッチパネル8の部位に指Fで所定の時間長押し操作を行なうと、トップ画面表示制御部62Aは「ハイブリッド」のボタン表示部B117の表示位置が表示位置(31)になるように表示手段6を制御し、併せて「オーブン」のボタン表示部B41の表示位置が、「その他」の画面G4の第6メニュー表示領域M6の表示位置(37)になるように表示手段6を制御する。このような構成により、それぞれの画面G1,G2およびG4の表示項目をユーザが好みに合わせて変更、入れ替えをすることができ、そのユーザが本体1を使用し易くすることができる。
【0100】
なお本実施形態では、下に階層のある手動調理のメニューの項目の表示位置とは変更できないようにトップ画面表示制御部62Aが制御しており、図7の場合を例にすると、「その他」のボタン表示部B47の表示位置を、「その他」の画面G4の表示位置(35)~(38)と変更できないようにトップ画面表示制御部62Aが制御している。このような構成により、下に階層のある手動調理のメニューの項目が消えて、当該手動調理のメニューの項目の下に階層にたどり着けない、という不具合を防止している。また本実施形態では、手動調理のメニューの項目の表示位置と自動調理のメニューの項目の表示位置とは変更できないようにトップ画面表示制御部62Aが制御しており、図7図10の場合を例にすると、第2トップ画面G2の第4メニュー表示領域M4に表示された自動調理のメニューの項目のボタン表示部B51~B57の表示位置を、第2トップ画面G2の第3メニュー表示領域M3に表示された手動調理のメニューの項目の表示位置(31)~(34)や、「その他」の画面G4の第6メニュー表示領域M6に表示されたその他の手動調理のメニューの項目の表示位置(35)~(38)とは変更できないようにトップ画面表示制御部62Aが制御している。このような構成により、それぞれのメニュー表示領域に表示された調理のメニューの項目に矛盾が生じる、という不具合を防止している。
【0101】
また本実施形態では、調理メニューの項目のボタン表示部B21~B57およびB113~B119の表示位置の入れ替え、変更について説明したが、同様の構成を調理メニューのボタン表示部B63~B85の表示位置の入れ替え、変更に適用してもよい。
【0102】
以上のように本実施形態のオーブンレンジでは、表示部B1~B85は、この上に重なるタッチパネル8の部位が操作されると、例えば調理メニューの表示部B63~B85の一覧を表示手段6に表示する調理メニューの項目の表示部としてのボタン表示部B35~B38およびB41~B47を有し、表示制御部62は、表示手段6の表示領域M6におけるボタン表示部B35~B38の表示位置(35)~(38)を、異なる画面としての表示領域M3内の表示位置(31)~(33)と変更できるように構成されている。
【0103】
この場合、ユーザが好みに合わせて、異なる表示領域に表示される調理メニューの項目のボタン表示部B35~B38の表示位置(35)~(38)およびボタン表示部B41~B45の表示位置(31)~(33)を入れ替え、変更することができ、このユーザにとってそれぞれの画面G1,G2およびG4の操作しやすい表示位置に入れ替え、変更することで使用し易くすることができる。
【実施例4】
【0104】
図11を参照して、第4の実施形態について説明する。図1図10と同様の符号を付したものは同様の動作、作用をするもので説明を省略する。本実施形態のオーブンレンジでは、自動調理メニューの表示位置の変更に引き続き、当該表示位置の次に順序付けられた表示位置の自動調理メニューの変更ができるように構成される。
【0105】
図11は、本実施形態のオーブンレンジでボタン表示部の表示位置を変更した後に表示される、「おすすめ」の選択画面G5を示している。この「おすすめ」の選択画面G5は、「おすすめ」の画面G3の略下半分に、「おすすめ」の画面G3の画面構成と略同一の選択用の画面を重ねた構成の画面であり、この選択用の画面の上部には、前段の画面に戻ることを想起させる「<」のアイコン表示体D122を含む戻る表示部B122と、「選択画面(おすすめ)」というテキスト表示体D123と、を左右に並べて表示したボタン表示領域A3が形成される。また、ボタン表示領域A3の下側には、第5メニュー表示領域M5と同様に構成された選択用のメニュー表示領域M5’が形成される。
【0106】
次に上記構成のオーブンレンジについて、自動調理メニューの表示位置の入れ替えや変更について説明する。第1の実施形態で前述され、図9(A)~(F)に示されるように、「おすすめ」の画面G3で「鶏のから揚げ」のボタン表示部B79の表示位置が表示位置(1)になった後、図11に示されるように、遷移画面表示制御部62Bは、表示位置(1)の次に順序付けられた表示位置(2)に表示される「ハンバーグ」のボタン表示部B63の外縁に四角い枠Sを表示し、またボタン表示領域A3および選択用のメニュー表示領域M5’を表示する「おすすめ」の選択画面G5を表示するように、遷移画面表示制御部62Bが表示手段6を制御する。
【0107】
ここで例えば、選択用のメニュー表示領域M5’において、タッチパネル8に指Fで上方向にスライド操作を行なうと、図9(D)で前述された第5メニュー表示領域M5と同様に、タッチパネル8からの操作信号を受けて、遷移画面表示制御部62Bは表示手段6に上方向にスクロールさせる制御を行なう。また例えば、「トマト煮込みハンバーグ」のボタン表示部B65’に重なるタッチパネル8の部位に指Fで所定の時間長押し操作を行なうと、遷移画面表示制御部62Bは「トマト煮込みハンバーグ」のボタン表示部B65の表示位置が表示位置(2)になるように表示手段6を制御し、併せて四角い枠Sの表示が消えるように表示手段6を制御する。またそれに併せて、「ハンバーグ」のボタン表示部B63が表示位置(3)に移動し、1つずつ表示位置がずれるように遷移画面表示制御部62Bが表示手段6を制御する。その後、遷移画面表示制御部62Bは、第5メニュー表示領域M5で表示位置(2)の次に順序付けられた表示位置(3)に表示される「ハンバーグ」のボタン表示部B63の外縁に四角い枠Sを表示し、ボタン表示領域A3および選択用のメニュー表示領域M5’を再度表示するように遷移画面表示制御部62Bが表示手段6を制御する。このような手順を繰り返して、「おすすめ」の画面G3で第5メニュー表示領域M5に表示されるボタン表示部の表示位置を変更する。
【0108】
ここで、第5メニュー表示領域M5に表示されるボタン表示部の表示位置の変更がすべて完了したら、おすすめの選択画面G5のボタン表示領域A3に表示される戻る表示部B122に重なるタッチパネル8の部位に指Fでタップ操作すると、タッチパネル8からの操作信号を受けて、遷移画面表示制御部62Bは「おすすめ」の画面G3を表示するように、遷移画面表示制御部62Bが表示手段6を制御する。このような構成により、複数の自動調理メニューの表示位置の入れ替えや変更をするために、何度も第1の実施形態の手順を繰り返す必要がなく、ユーザが行なう操作を簡略化でき、また入れ替えや変更のための時間を短縮できる。
【0109】
なお本実施形態では、調理メニューのボタン表示部B63~B85の表示位置(1)~(12)の入れ替え、変更について説明したが、同様の構成を調理メニューの項目のボタン表示部B21~B57およびB113~B119の表示位置(21)~(26)、(31)~(34)、(35)~(38)および(41)~(44)の入れ替え、変更に適用してもよい。
【0110】
以上のように本実施形態のオーブンレンジでは、表示制御部62は、画面としての第5メニュー表示領域M5内における調理メニューの表示部としてのボタン表示部B63~B85の表示位置(1)~(12)を順序付けられて並べており、表示制御部62は、第5メニュー表示領域M5内におけるボタン表示部B63~B85の表示位置を変更後に、当該変更された表示位置である、例えば表示位置(1)の次に順序付けられた表示位置(2)が変更可能な状態になり、当該変更可能な状態の表示位置(2)のボタン表示部B63~B85を選択するための選択画面としての選択用のメニュー表示領域M5’を表示手段6に表示するように構成される。
【0111】
この場合、複数のボタン表示部B63~B85の表示位置の入れ替えや変更をするために、何度も第1の実施形態の手順のような同一の手順を繰り返す必要がなく、ユーザが行なう操作を簡略化でき、またボタン表示部B63~B85の表示位置の入れ替えや変更のための時間を短縮できる。
【0112】
図12は第4の実施形態の変形例であり、この図12に示された「自動調理」の選択画面G6は、「選択画面(おすすめ)」というテキスト表示体D123の代わりに「選択画面(自動調理)」というテキスト表示体D125を表示したボタン表示領域A4が形成され、また自動調理メニューの一覧が表示される選択用のメニュー表示領域M5’の代わりに、第4メニュー表示領域M4と同様に構成された、自動調理メニューの項目の一覧が表示される選択用のメニューの項目表示領域M4’が形成される他は、第4の実施形態のおすすめの選択画面G5と共通している。
【0113】
上記構成のオーブンレンジについて、自動調理メニューの表示位置の入れ替えや変更について説明する。第1の実施形態で前述され、図9(A)~(F)に示されるように、「おすすめ」の画面G3で「鶏のから揚げ」のボタン表示部B79の表示位置が表示位置(1)になった後、図12に示されるように、遷移画面表示制御部62Bは、表示位置(1)の次に順序付けられた表示位置(2)に表示される「ハンバーグ」のボタン表示部B63の外縁に四角い枠Sを表示し、またボタン表示領域A4および選択用のメニューの項目表示領域M4’を表示する「自動調理」の選択画面G6を表示するように、遷移画面表示制御部62Bが表示手段6を制御する。
【0114】
ここで例えば、「おすすめ」のボタン表示部B53’に重なるタッチパネル8の部位に指Fでタップ操作すると、遷移画面表示制御部62Bは選択用のメニューの項目表示領域M4’が選択用のメニュー表示領域M5’になるように表示手段6を制御する。その後は第3の実施形態で前述したように、例えば、「トマト煮込みハンバーグ」のボタン表示部B65’に重なるタッチパネル8の部位に指Fで所定の時間長押し操作を行なうと、遷移画面表示制御部62Bは「トマト煮込みハンバーグ」のボタン表示部B65の表示位置が表示位置(2)になり、四角い枠Sの表示が消え、「ハンバーグ」のボタン表示部B63の表示位置が1つ後にずれるように遷移画面表示制御部62Bが表示手段6を制御する。
【0115】
その後、遷移画面表示制御部62Bは、第5メニュー表示領域M5で表示位置(2)の次に順序付けられた表示位置(3)に表示される「ハンバーグ」のボタン表示部B63の外縁に四角い枠Sを表示し、ボタン表示領域A4および選択用のメニューの項目表示領域M4’を再度表示するように遷移画面表示制御部62Bが表示手段6を制御する。このとき、選択用のメニューの項目表示領域M4’の代わりに、直前に使用した選択用のメニュー表示領域M5’を再度表示するように遷移画面表示制御部62Bが表示手段6を制御してもよい。
【0116】
また例えば、「料理集検索」のボタン表示部B57’に重なるタッチパネル8の部位に指Fでタップ操作すると、遷移画面表示制御部62Bは、選択用のメニューの項目表示領域M4’が「カテゴリ」、「パン・スイーツ」、「食材」、「メニュー番号」の自動調理のメニューの項目のボタン表示部を表示している選択用のメニューの項目表示領域(図示せず)になるように表示手段6を制御し、ここで例えば「食材」のボタン表示部に重なるタッチパネル8の部位に指Fでタップ操作すると、選択用のメニューの項目表示領域M4’が「肉類」「魚介類」などのボタン表示部を表示している選択用のメニューの項目表示領域(図示せず)になるように表示手段6を制御し、ここで例えば「肉類」のボタン表示部に重なるタッチパネル8の部位に指Fでタップ操作すると、選択用のメニューの項目表示領域M4’が「肉類」に関連付けられた調理メニューが、それぞれ縦横に並べられて表示されるメニュー表示領域(図示せず)になるように表示手段6を制御する。
【0117】
その後は前述したように、当該メニュー表示領域に表示されたボタン表示部に重なるタッチパネル8の部位に指Fで所定の時間長押し操作を行なうと、遷移画面表示制御部62Bは当該ボタン表示部の表示位置が表示位置(2)になり、四角い枠Sの表示が消え、「ハンバーグ」のボタン表示部B63の表示位置が1つ後にずれるように遷移画面表示制御部62Bが表示手段6を制御する。その後は第4の実施形態と同様なので、説明を省略する。
【0118】
このような構成でも、複数の自動調理メニューの表示位置の入れ替えや変更をするために、何度も第1の実施形態の手順を繰り返す必要がなく、操作を簡略化でき、また入れ替えや変更のための時間を短縮できる。また例えば「おすすめ」の画面G3の第5メニュー表示領域M5に表示されていない自動調理メニューを第5メニュー表示領域M5の自動調理メニューと変更をするなど、メニュー表示領域に表示されていない自動調理メニューを入れ替え、変更できるため、ユーザが好みに合わせて変更、入れ替えをすることができ、そのユーザが使用し易くすることができる。そして自動調理メニューの表示位置を、例えば「肉類」「魚介類」などのカテゴリ毎に変更、入れ替えすることが容易であるので、例えば第5メニュー表示領域M5の表示位置(1)~(4)の自動調理メニューを肉類、表示位置(1)~(4)の自動調理メニューを魚介類にするなど、自動調理メニューの表示位置をカテゴリ毎に固めて、ユーザが自動調理メニューを見つけやすく、また使用し易くカスタマイズすることができる。
【0119】
以上のように本実施形態のオーブンレンジでは、表示制御部62は、画面としての第5メニュー表示領域M5内における調理メニューの表示部としてのボタン表示部B63~B85の表示位置(1)~(12)を順序付けられて並べており、表示制御部62は、第5メニュー表示領域M5内におけるボタン表示部B63~B85の表示位置を変更後に、当該変更された表示位置である、例えば表示位置(1)の次に順序付けられた表示位置(2)が変更可能な状態になり、当該変更可能な状態の表示位置(2)のボタン表示部B63~B85を選択するための選択画面としての選択用のメニューの項目表示領域M4’を表示手段6に表示するように構成される。
【0120】
このような構成でも、複数のボタン表示部B63~B85の表示位置の入れ替えや変更をするために、何度も第1の実施形態の手順のような同一の手順を繰り返す必要がなく、ユーザが行なう操作を簡略化でき、またボタン表示部B63~B85の表示位置の入れ替えや変更のための時間を短縮できる。
【実施例5】
【0121】
図13は、第5の実施形態のオーブンレンジを備えたシステム100の全体構成を概略的に示したものである。図1図12と同様の符号を付したものは同様の動作、作用をするもので説明を省略する。同図において、1’は略矩形箱状に構成される本体で、71は無線端末となるアクセスポイントとしての無線LANルータであり、本体1’が無線LANルータ71に無線で接続される。無線LANルータ71は、ネットワーク72へのアクセス手段としての機能を有し、無線LANルータ71を経由して、本体1’と、ネットワーク72に接続するクラウド73上のサーバ74との間で、相互に各種情報やデータのやり取りを行なう構成となっている。本体1’は無線LANルータ71との通信範囲で任意の場所に設置することができる。
【0122】
75は表示及び通信の機能を有する情報端末、76は無線端末となるアクセスポイントである。情報端末75は、本体1’を使用する各ユーザが個別に保有しているスマートフォンやタブレット端末により構成され、それぞれがアクセスポイント76に無線で接続される。アクセスポイント76は、ネットワーク72へのアクセス手段としての機能を有し、アクセスポイント76を経由して、情報端末6と、ネットワーク72に接続するクラウド73上のサーバ74との間で、相互に各種情報やデータのやり取りを行なう構成となっている。なお、無線LANルータ71とアクセスポイント76が同一のものであってもよい。
【0123】
サーバ74に記憶する調理メニューのレシピ情報は、ユーザが本体1’を利用してその調理メニューの料理を作り上げるのに必要なあらゆる情報を含んでいる。また情報端末75は、本体1’で調理が可能な調理メニューのレシピ情報を、ネットワーク72を介して受け取れる構成となっている。
【0124】
図14は、本体1’の主な電気的構成を示している。本体1’は、通信モジュール78が追加されている他は、第1~第5の実施形態の本体1と共通した構成となっている。機器通信手段となる通信モジュール78は、無線LANルータ71やネットワーク72を経由して、クラウド73上のサーバ74や情報端末75との間で、相互に各種情報やデータのやり取りを行なうものであり、制御手段41の入力ポートおよび出力ポートに電気的に接続される。
【0125】
また本実施形態の本体1’では、表示制御手段62が、それぞれのメニュー表示領域において調理メニューごとに重み付けを行なっており、例えば第1の実施形態で前述した第5メニュー表示領域M5では、表示位置(1)に表示される調理メニューが最も重みを付けられており、(1)~(12)の表示位置に表示される調理メニューの順に重みがつけられている。そして遷移画面表示制御部62Bは、調理メニューのボタン表示部がこの重み付けの順に並べられるように表示手段6を制御している。また、例えば第1~第4の実施形態のように自動調理メニューや自動調理メニューの項目の表示位置の入れ替えや変更が行われたときは、表示制御部62がその変更された自動調理メニューに対して追加の重み付けを行なうように構成されており、例えば第1の実施形態の場合を例にすると、表示位置(1)に変更になった「鶏のから揚げ」の自動調理メニューに追加の重み付けを行なうように構成される。
【0126】
次に第5の実施形態における上記構成のオーブンレンジについて、その作用を詳しく説明する。本実施形態の本体1’は、サーバ74からの調理メニューのレシピ情報を通信モジュール73で受信すると、表示制御部62がこれらのレシピ情報を全メニュー記憶部63に記憶させると共に、併せて、これらのレシピ情報をそれぞれのメニュー表示領域M1~M6に反映させるように構成される。具体的には、例えば1ヶ月ごとや季節ごとなど所定の期間ごとに、サーバ74において「おすすめ」の画面G3に表示される自動調理メニューの一覧のレシピ情報を更新すると、この更新した自動調理メニューの一覧のレシピ情報がネットワーク72や無線LANルータ71を経由して本体1’の通信モジュール73に送信され、表示制御部62がこれらのレシピ情報を全メニュー記憶部63に記憶させ、また、これらのレシピ情報の自動調理メニューに重み付けを行なう。そして表示制御部62の遷移画面表示制御部62Bは、これらのレシピ情報の自動調理メニューを「おすすめ」の画面G3の第5メニュー表示領域M5に反映させるように表示手段6を制御している。
【0127】
このとき表示制御部62は、それぞれのメニュー表示領域において、以前から全メニュー記憶部63に記憶されていた自動調理メニューよりも、更新したレシピ情報の自動調理メニューに重みを付けるように構成され、そのため通常は、これらの更新したレシピ情報の自動調理メニューの一覧が当該メニュー表示領域に表示される。その一方で、自動調理メニューや自動調理メニューの項目の表示位置の入れ替えや変更が行われたときは、表示制御部62がその変更された自動調理メニューに対して追加の重み付けを行なっているため、当該自動調理メニューは更新したレシピ情報の自動調理メニューよりも当該メニュー表示領域に優先して表示されるように構成される。
【0128】
例えば、第1の実施形態の場合を例にして具体的に説明すると、自動調理メニューや自動調理メニューの項目の表示位置の入れ替えや変更が行われていないときは、表示制御部62は、「おすすめ」の画面G3の第5メニュー表示領域M5において、以前から全メニュー記憶部63に記憶されていた「ハンバーグ」や「トマト煮込みハンバーグ」の自動調理メニューよりも、更新したレシピ情報の自動調理メニューに重みを付けるように構成され、そのため第5メニュー表示領域M5には、これらの更新したレシピ情報の自動調理メニューの一覧が表示される。その一方で、第1の実施形態のように自動調理メニューや自動調理メニューの項目の表示位置の入れ替えや変更が行われたときは、表示制御部62がその入れ替え・変更が行われた自動調理メニューである「鶏のから揚げ」の調理メニューに対して追加の重み付けを行なっているため、当該「鶏のから揚げ」の調理メニューが第5メニュー表示領域M5に優先して表示される。このとき本実施形態では、入れ替え・変更が行われた自動調理メニューに、より重み付けを行なうように構成されており、本実施形態の例では「鶏のから揚げ」の調理メニューのボタン表示部B79が表示位置(1)に表示され、更新したレシピ情報の自動調理メニューのなかで重み付けの重みが最も軽い自動調理メニューが表示されないように遷移画面表示制御部62Bが表示手段6を制御する。
【0129】
このような構成により、所定の期間ごとにサーバ74から更新した調理メニューのレシピ情報を通信モジュール73で受信したら、これらの更新したレシピ情報の自動調理メニューが第5メニュー表示領域M5に優先して表示されるため、例えば「おすすめ」の画面G3の第5メニュー表示領域M5の自動調理メニューの一覧に製造者の意図が反映される。またこれらの更新したレシピ情報の自動調理メニューよりも、入れ替え・変更が行われた自動調理メニューが第5メニュー表示領域M5に優先して表示されるため、自動調理メニューの入れ替えや変更を再度行なう必要がなく、ユーザの手間が軽減し、またそのユーザが本体1’を使用し易くすることができる。
【0130】
以上のように本実施形態のオーブンレンジでは、ネットワーク72経由でクラウド73上のサーバ74と相互に各種情報やデータのやり取りを行なう機器通信手段としての通信モジュール78をさらに備え、表示制御部62は、それぞれの画面としての第5メニュー表示領域M5において調理メニューごとに重み付けを行ない、第5メニュー表示領域M5内におけるボタン表示部B63~B85の表示位置(1)~(12)が当該重み付けの順に並べられるように表示手段6を制御し、サーバ74から送信されたレシピ情報の調理メニューが第5メニュー表示領域M5における調理メニューよりも重みを付けるように構成され、さらに表示制御部62は、表示部の表示位置を変更した調理メニューである「鶏のから揚げ」に追加の重み付けを行ない、サーバ74から送信されたレシピ情報の調理メニューよりも第5メニュー表示領域M5に優先して表示されるように構成される。
【0131】
この場合、サーバ74から更新した調理メニューのレシピ情報を通信モジュール73で受信したら、これらの更新したレシピ情報の自動調理メニューが第5メニュー表示領域M5に優先して表示されるため、例えば「おすすめ」の画面G3の第5メニュー表示領域M5の自動調理メニューの一覧に製造者の意図が反映される。またこれらの更新したレシピ情報の自動調理メニューよりも、入れ替え・変更が行われた「鶏のから揚げ」が第5メニュー表示領域M5に優先して表示されるため、自動調理メニューのボタン表示部の表示位置の入れ替えや変更を再度行なう必要がなく、ユーザの手間が軽減し、またそのユーザが本体1’を使用し易くすることができる。
【0132】
なお本実施形態では、調理メニューのボタン表示部B63~B85の表示位置(1)~(12)の入れ替え、変更について説明したが、同様の構成を調理メニューの項目のボタン表示部B21~B57およびB113~B119の表示位置(21)~(26)、(31)~(34)、(35)~(38)および(41)~(44)の入れ替え、変更に適用してもよい。
【0133】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。また第1~第5の実施形態を組み合わせて構成してもよく、例えば第1~第3の実施形態を組み合わせて、調理メニューの表示部の表示位置と調理メニューの項目の表示部の表示位置とを一度に変更できるように構成してもよい。この場合、例えば調理メニューの表示部の上に重なるタッチパネルの部位と、調理メニューの項目の表示部の上に重なるタッチパネルの部位とをそれぞれ長押しして、両方の表示部の表示位置が変更可能な状態になってから、それぞれの変更先の表示位置を長押しして選択操作することにより、両方の表示部の表示位置を一度に変更できるように構成してもよい。そして第1~第5の実施形態の各部の構成や形状は、図示したものに限定されず、適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0134】
1 本体
6 表示手段
8 タッチパネル
62 表示制御部(表示制御手段)
72 ネットワーク
74 サーバ
78 通信モジュール(機器通信手段)
B1~B85 表示部
D1~D102 表示体
A1,A2 タブ表示領域(表示領域)
M1~M5 第1~第5メニュー表示領域(表示領域、画面)
M4’ 選択用のメニューの項目表示領域(選択画面)
M5’ 選択用のメニュー表示領域(選択画面)
(1)~(12) 表示位置
(21)~(26) 表示位置
(31)~(38) 表示位置
(41)~(44) 表示位置
図1
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